説明

光学シートの製造方法および掻取装置

【課題】スジ不良およびカブリ不良を低減することができる光学シートの製造方法および掻取装置を提供する。
【解決手段】本発明の一の態様によれば、表面3aに複数の溝3bが並設されたシート本体3を移動させながら、シート本体3の表面3aに充填材料21を塗布し、溝3b内に充填材料21が残るようにシート本体3の表面3a上の余分な充填材料21を掻き取る工程を備える光学シートの製造方法であって、充填材料21の掻き取りが、第1の掻取部材26と、シート本体3の移動方向に対し第1の掻取部材26よりも上流に位置し、かつ第1の掻取部材26と所定の間隔を置いて配置され、幅W2が第1の掻取部材26の幅W1よりも小さい第2の掻取部材27とをシート本体3の表面3aに接触させることにより行われることを特徴とする、光学シートの製造方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学シートの製造方法および掻取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、薄型かつ大型のディスプレイの普及に伴い、家庭用テレビや業務用ディスプレイ装置など、使用される用途も多様化し、ディスプレイの画質についても高いレベルが要求されつつある。
【0003】
これらに使用される光学シートについても、透過率やコントラストを向上させる機能、または視野角を制御する機能等が要求されている。このようなことから、例えば、コントラストを向上させ、かつ視野角を制御するために光吸収部を有する光学シートを形成する場合がある。
【0004】
このような光吸収部を有する光学シートは、例えば、光透過性シートの表面に溝を設け、その溝に光吸収材を含む充填材料を充填し、その後充填材料を硬化させることにより形成することができる。
【0005】
充填材料の充填は、例えば、ドクターブレードを固定した状態で、光透過性シートを移動させながら、ドクターブレードの上流側先端付近に充填材料をノズルにより供給して、シート本体とドクターブレードとの間に充填材料溜まりを形成しつつ、ドクターブレードで余分な充填材料を掻き取ることにより行うことができる。
【0006】
しかしながら、このような方法により、充填材料を充填すると、スジ不良やカブリ不良等が発生することがある。光学シートの外観品質は、画質に直接結び付くため、高い品質が要求される。このため、上記したようなスジ不良やカブリ不良を極力低減することが好ましい。特に、充填材料に粒子を含ませると、これらの不良が発生しやすい。
【0007】
ここで、スジ不良を改善するために、掻取部材を揺動させながら充填材料を掻き取る技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この技術によれば、掻取部材を揺動させることにより、掻き取り時に掻取部材に噛んだ異物が、掻取部材の移動に伴い溝壁に当たり、掻取部材から異物が除去される。
【0008】
しかしながら、掻取部材を揺動させた場合であっても、スジ不良が発生することがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2009−128645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものである。すなわち、スジ不良およびカブリ不良を低減することができる光学シートの製造方法および掻取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、スジ不良およびカブリ不良を低減するため鋭意研究を重ねた結果、幅の異なる2枚以上の掻取部材を使用することにより、スジ不良およびカブリ不良が低減できることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものである。
【0012】
ここで、上記「スジ不良」とは、図9(a)に示されるように溝に充填されている硬化後の充填材料100が一部において凹んでいる、または図9(b)に示されるように一部の溝に充填されている硬化後の充填材料101が他の溝に充填されている硬化後の充填材料102よりも凹みが大きく、そして凹みが線状になっているものを意味する。
【0013】
また、上記「カブリ不良」とは、掻取部材により余分な充填材料を掻き取りし切れなくなり、シート本体に充填材料が残存することを意味する。
【0014】
本発明の一の態様によれば、表面に複数の溝が並設されたシート本体を移動させながら、前記シート本体の前記表面に前記充填材料を塗布し、前記溝内に前記充填材料が残るように前記シート本体の前記表面上の余分な前記充填材料を掻き取る工程を備える光学シートの製造方法であって、前記充填材料の掻き取りが、第1の掻取部材と、前記シート本体の移動方向に対し前記第1の掻取部材よりも上流に位置し、かつ前記第1の掻取部材と所定の間隔を置いて配置され、幅が前記第1の掻取部材の幅よりも小さい第2の掻取部材とを前記シート本体の前記表面に接触させることにより行われることを特徴とする、光学シートの製造方法が提供される。
【0015】
本発明の他の態様によれば、表面に複数の溝が並設され、前記表面に充填材料が塗布されたシート本体を移動させながら、前記溝内に前記充填材料が残るように前記シート本体の前記表面上の余分な前記充填材料を掻き取る掻取装置であって、前記シート本体の前記表面に接触可能な第1の掻取部材と、前記シート本体の前記表面に接触可能であり、前記シート本体の移動方向に対して前記第1の掻取部材よりも上流に位置し、前記第1の掻取部材と所定の間隔を置いて配置され、かつ幅が前記第1の掻取部材の幅よりも小さい第2の掻取部材とを備えることを特徴とする、掻取装置が提供される。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一の態様の光学シートの製造方法および他の態様の掻取装置によれば、気泡等の異物を第2の掻取部材で掻き取ることができるとともに、第2の掻取部材により掻き取られた充填材料を用いて溝に充填材料をさらに充填することができるので、スジ不良を低減することができる。また、第2の掻取部材で掻き取った後に、第1の掻取部材でさらに充填材料を掻き取ることができるので、カブリ不良を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施の形態に係る光透過部の形成工程を模式的に示した図である。
【図2】実施の形態に係る光吸収部の形成工程を模式的に示した図である。
【図3】実施の形態に係る光学シートの製造方法におけるシートの断面図である。
【図4】実施の形態に係る粘着層および剥離層を有する基材シートを示した図である。
【図5】実施の形態に係る第1の掻取部材および第2の掻取部材の側面図である。
【図6】実施の形態に係る第1の掻取部材および第2の掻取部材を上方から見た図である。
【図7】実施の形態に係る他のホルダを示す側面図である。
【図8】実施の形態に係る充填工程を模式的に示す平面図である。
【図9】スジ不良を模式的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。本実施の形態においては、光学シートを作製するが、この光学シートは例えば表示装置のディスプレイに用いることができる。
【0019】
表示装置のディスプレイとしては、例えばプラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電界放出ディスプレイ(FED)、表面伝導型電子放出素子ディスプレイ(SED)、プロジェクションテレビ等が挙げられる。
【0020】
図1は本実施の形態に係る光透過部の形成工程を模式的に示した図であり、図2は本実施の形態に係る光吸収部の形成工程を模式的に示した図であり、図3は本実施の形態に係る光学シートの製造方法におけるシートの断面図である。
【0021】
まず、図1に示されるように所定ピッチで後述する光透過部2の形に対応した形の溝を有する金型10と、ニップロール11との間に基材シート1を送り込む。図1に示した矢印は、基材シート1を送り込む方向である。基材シート1の送り込みに合わせて、金型10と基材シート1との間に供給装置12から例えば電離放射線硬化型樹脂等の光透過部形成用組成物13の液滴を供給し続ける。供給装置12から基材シート1上に光透過部形成用組成物13を供給するとき、金型10と基材シート1との間に、光透過部形成用組成物13が溜まった組成物溜まり14が形成されるようにする。この組成物溜まり14を形成することによって、光透過部形成用組成物13が基材シート1の幅方向に広がる。
【0022】
上記のようにして金型10と基材シート1との間に供給された光透過部形成用組成物13は、金型10とニップロール11との間の押圧力により、基材シート1と金型10との間に充填される。その後、光照射装置15によって光透過部形成用組成物13に光を照射し、光透過部形成用組成物13を硬化させて、光透過部2を形成する。光透過部2を形成した後、基材シート1上に光透過部2が形成されたシート本体3は、剥離ロール16を介して引かれることによって、金型10から引き剥がされる。
【0023】
基材シート1は、基材シート1上に光透過部2を形成するためのベースとなるものである。基材シート1としては、透明樹脂フィルム、透明樹脂板、透明樹脂シートや透明ガラスを用いることができる。透明樹脂フィルムとしては、トリアセテートセルロース(TAC)フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系フィルム、ジアセチルセルロースフィルム、アセテートブチレートセルロースフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリアクリル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、(メタ)アクリルロニトリルフィルム等を好適に使用できるが、これらの中でも、ポリエステル系フィルムが好ましく用いられる。ポリエステル系フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートの他、ポリブチレンテレフタレート、ポリナフタレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等が挙げられる。さらに、ポリエステル系フィルムの中でも、性能に加え、量産性、価格、入手可能性等の観点からポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂が好ましい。
【0024】
金型10に送り込まれる基材シート1は、図4に示されるように粘着層6および剥離層7を備えていてもよい。粘着層6は、光学シートを表示装置のディスプレイに接着させるためのものである。粘着層6に用いられる粘着剤は光を透過するとともに、適切に光学シートを他に接着させることができれば、その材料は特に限定されるものではない。粘着剤としては、例えばアクリル系の共重合体を挙げることができる。
【0025】
剥離層7は、取扱時に粘着層6が他に接触しないようにするためのものであり、粘着層6上に形成されている。剥離層7としては、特に限定されるものではないが、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂等が挙げられる。
【0026】
上記「シート本体」とは、本実施の形態のように基材シート1と光透過部2が別体のものである場合には少なくともこれらを合わせたものを意味する。本実施の形態のシート本体3は、光透過性のものである。
【0027】
シート本体3の表面3aには、図3(a)に示されるように単位光透過部2a間に金型の形状に対応する溝3bが形成されている。本実施の形態では、溝3bは図3(a)に示されるように略台形状となっている。溝3bは基材シート1側に向けて先細るように形成されており、基材シート1の長手方向に沿って延在している。溝3bの形状は、略台形状に限られず、例えば、略V字状または略矩形状に形成されていてもよい。具体的には、シート本体3は、シート本体3の表面3aにおける幅が200〜2000mmであるものを用いることができる。また、単位光透過部2aは、単位光透過部2aの上部の幅が10〜100μmであるものであってもよい。溝3bは、例えば、溝3bの上部の幅が5〜50μmであり、溝3bの深さが50〜200μmであり、溝3bの側壁が溝3bの底面の法線方向に対して0〜10°の角度をなすものであってもよい。
【0028】
なお、上記においては、金型および紫外線照射を用いてシート本体3を形成しているが、押出成形や熱プレス成形などによって、シート本体3を形成してもよい。
【0029】
シート本体3を形成した後、充填装置20を用いて、図2に示されるように溝3bに充填材料21を充填する。
【0030】
図5は本実施の形態に係る第1の掻取部材および第2の掻取部材の側面図であり、図6は本実施の形態に係る第1の掻取部材および第2の掻取部材を上方から見た図である。図7は実施の形態に係る他のホルダを示す側面図であり、図8は本実施の形態に係る充填工程を模式的に示す平面図である。
【0031】
まず、充填装置20について説明する。充填装置20は、図2に示されるように、シート本体3の表面3aに充填材料21を塗布する塗布ノズル22と、溝3b内に充填材料21が残るようにシート本体3の表面3aに存在する余分な充填材料21を掻き取る掻取装置23と、塗布ノズル22等に対して、シート本体3を移動させる搬送手段(装置)24とを備えている。
【0032】
塗布ノズル22は、シート本体3の移動方向に対して次に説明する第2の掻取部材27よりも上流であり、かつ第2の掻取部材27の直近に配置されている。なお、本実施の形態では、塗布ノズル22を第2の掻取部材27の直近に配置しているが、第2の掻取部材27よりも上流であれば、塗布ノズル22の位置は特に限定されない。
【0033】
また、本実施の形態では、塗布ノズル22を用いて充填材料を塗布する例について説明しているが、塗布ヘッド(図示せず)を用いて、ダイコート方式またはスリットコート方式により充填材料を塗布してもよい。
【0034】
本明細書における「ダイコート方式」とは、充填材料に圧力を加えて塗布ヘッドのスリットから充填材料を押し出す方式のものを意味し、「スリットコート方式」とは、充填材料に圧力を加えずに毛細管現象を利用して充填材料を塗布ヘッドのスリットから塗布する方式のものを意味する。
【0035】
この場合、塗布ヘッドは、シート本体3の表面3aの幅とほぼ同じ長さのスリットを有し、かつシート本体3の移動方向に対して後述する充填材料溜まり32よりも上流に配置されていることが好ましい。
【0036】
掻取装置23は、図5に示されるように少なくとも第1の掻取部材26と、シート本体3の移動方向に対して第1の掻取部材26よりも上流に位置する第2の掻取部材27とを備えている。本実施の形態では、掻取装置23は、第1の掻取部材26および第2の掻取部材27という2枚の掻取部材を備えているが、掻取部材の枚数は3枚以上であってもよい。また、図5では、シート本体3に対する第1の掻取部材26および第2の掻取部材の角度がほぼ同じとなっているが、必ずしも同じである必要はない。具体的には、例えば、シート本体3に対する第1の掻取部材26の角度と、シート本体3に対する第2の掻取部材27との角度は、0〜30°の差があってもよい。
【0037】
掻取装置23は、第1の掻取部材26および第2の掻取部材27を保持するホルダ28をさらに備えていてもよい。図5に示されるホルダ28は第1の掻取部材26および第2の掻取部材27の両方を保持しているが、図7に示されるように第1の掻取部材26を保持するホルダ29と、第2の掻取部材27を保持するホルダ30とに分かれていてもよい。
【0038】
第1の掻取部材26および第2の掻取部材27は、溝3bの延在方向と直交するように配置され、かつ先端26a、27aをシート本体3の表面3aに押し当てた状態で使用される。
【0039】
図5および図7に示されるように第2の掻取部材27は、第1の掻取部材26と所定の間隔dを置いて配置されている。ここで、第1の掻取部材と第2の掻取部材との間の「間隔」とは、第1の掻取部材の基部と第2の掻取部材の基部との間の間隔を意味するものとする。この間隔dは、0.5mm以上であることが好ましい。この数値範囲が好ましいとしたのは、0.5mm未満であると、第1の掻取部材26と第2の掻取部材27との間に十分に充填材料が入り込まないおそれがあるからであり、また第1の掻取部材26に干渉し、充填ムラが発生してしまうおそれがあるからである。間隔dの上限値は、特に制限されないが、30mm以下であることが好ましい。
【0040】
図6に示されるように第2の掻取部材27の幅W2は、第1の掻取部材26の幅W1よりも小さくなっている。第2の掻取部材27の幅W2を第1の掻取部材26の幅W1よりも小さくすることにより、充填材料21を掻き取った場合に、第2の掻取部材27と第1の掻取部材26との間に充填材料21を入り込ませることができる。
【0041】
第2の掻取部材27の幅W2は、第1の掻取部材26の幅W1の80〜98%の大きさになっていることが好ましい。この数値範囲が好ましいとしたのは、80%未満であると、第2の掻取部材27の幅W2が小さ過ぎてしまい、第1の掻取部材26に流れてしまう充填材料が多くなり、気泡等の異物を確実に取り除くことができないおそれがあるからである。また、98%を超えると、第2の掻取部材27と第1の掻取部材26との間に充填材料が入り込み難くなり、スジ不良および帯不良が発生するおそれある。この場合、第2の掻取部材27と第1の掻取部材26との間に予め充填材料の溜まりを形成することも可能であるが、この場合には、第2の掻取部材27と第1の掻取部材26との間に充填材料を随時補充する必要があり、充填材料の管理が困難となるおそれがある。
【0042】
シート本体3に対する第1の掻取部材26の接触圧力は、シート本体3に対する第2の掻取部材27の接触圧力よりも大きくなるように設定されている。このような接触圧力の差は、例えば第1の掻取部材26の先端26aを第2の掻取部材27の先端27aよりも例えば若干突出させることにより実現することが可能となる。このように第1の掻取部材26と第2の掻取部材27との間で接触圧力の差を設けることにより、製造進行時の調節幅を持たせることができ、不良発生時の対応を容易にすることができる。なお、第1の掻取部材26の先端26aが、第2の掻取部材27の先端27aよりも突出しているとは、図5および図7に示される突出長さLが正の値であることを意味する。
【0043】
第1の掻取部材26および第2の掻取部材27としては、例えばドクターブレードが挙げられる。
【0044】
図5および図7に示される第1の掻取部材26および第2の掻取部材27は、先端部26b、27bの厚みが基部26c、27cの厚みとほぼ同等のものであるが、第1の掻取部材および第2の掻取部材として、テーパ加工や段付け加工等が施されることにより先端部の厚みが基部の厚みよりも薄くなったものを用いてもよい。
【0045】
第1の掻取部材26の先端26aおよび第2の掻取部材27の先端27aは、シート本体3に接触する部分のため、傷防止および掻き取り不良防止の観点から曲面形状となっていることが好ましい。具体的には、第1の掻取部材26の先端26aおよび第2の掻取部材27の先端27aは、0.01〜1.0mmの曲率半径を有することが好ましい。
【0046】
第1の掻取部材26および第2の掻取部材27の厚みは0.05〜2.0mmであることが好ましい。ここで、第1の掻取部材および第2の掻取部材の「厚み」とは、第1の掻取部材の基部の厚みおよび第2の掻取部材の基部の厚みを意味するものとする。この数値範囲が好ましいとしたのは、0.05mm未満であると、第1の掻取部材26等の剛性が弱く、光学シートにおいて良好な外観を得られないおそれがあるためであり、2.0mmを超えると、剛性が強くなりすぎてしまい、製造中の第1の掻取部材26等の位置の微調整が困難となるおそれがあるからである。
【0047】
第1の掻取部材26および第2の掻取部材27の材質は、充填材料21によりも硬い材質であることが好ましい。このような材質としては、例えば表面にめっきが施された鋼等の金属が挙げられる。
【0048】
次に、充填装置20によって、充填される充填材料21について説明する。充填材料21としては、溝3b内に充填させることができる材料であれば、特に限定されないが、本実施の形態のように光学シートの光吸収部を形成する場合であっては、例えば、充填材料21は、透明な電離放射線樹脂組成物と光吸収材とを含むものであることが好ましい。
【0049】
電離放射線硬化型樹脂組成物としては、従来公知の視認性向上シートや視野角向上シート等に用いられる電離放射線硬化型樹脂組成物を用いることができる。例えば、アクリレート系の官能基を有するものを好適に使用することができ、具体的には、比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジェン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能化合物の(メタ)アルリレート等のオリゴマー又はプレポリマーを挙げることができる。
【0050】
また、上記樹脂組成物中には、反応性希釈剤を添加してもよく、このような反応性希釈剤としては、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー並びに多官能モノマーを使用してもよく、具体的は、リメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0051】
電離放射線硬化型樹脂組成物を紫外線硬化型樹脂組成物とするには、組成物中に光重合開始剤としてアセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチュウラムモノサルファイド、チオキサントン類や、光増感剤としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、ポリ−n−ブチルホソフィン等を混合して用いることができる。特に本発明では、オリゴマーとしてウレタンアクリレート、モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を混合するのが好ましい。
【0052】
光吸収材としては、映像光の特性に合わせて特定の波長を選択的に吸収できる着色剤や、樹脂ビーズやガラスビーズを着色剤で着色した光吸収粒子が挙げられる。着色剤としては、カーボンブラック、グラファイト、繊維状炭素、黒色酸化鉄等の金属塩、染料や顔料を含むインキ等が挙げられる。
【0053】
顔料としては、赤外光を透過することが可能な、ペリレンブラック顔料、アニリンブラック顔料、フォーマット墨(イエロー、マゼンダ、シアン顔料の混合顔料)、フタロシアニンブルー、ブリリアントカーミン6B等が好ましい。
【0054】
光吸収粒子は、樹脂ビーズやガラスビーズに着色剤を練り込んだものであってもよい。着色剤の練り込み易さの観点からは、樹脂ビーズを用いることが好ましい。樹脂ビーズとしては、メラミンビーズ、アクリルビーズ、アクリル−スチレンビーズ、ポリカーボネートビーズ、ポリエチレンビーズ、ポリスチレンビーズ、塩ビビーズ等を好適に使用することができる。また、ウレタン架橋微粒子やシリコン系ビーズも好適に使用できる。これらの樹脂ビーズは、上記した電離放射線硬化型樹脂組成物の屈折率差が0.1程度のものを用いることが好ましい。また、着色剤を練り込む前の樹脂としては、透明な樹脂でも使用できるが、顔料または染料等で着色された樹脂を用いることが好ましく、映像光の特性に合わせて特定の波長を選択的に吸収するものであってよいが、好ましくは黒色に着色された樹脂ビーズが用いられる。
【0055】
光吸収粒子に用いられる着色剤としては、上記したもののなかでもカーボンブラックが好適に使用できる。樹脂ビーズへのカーボンブラックの練り込み量は、樹脂ビーズ1質量部に対してカーボンブラックを0.1〜0.7質量部程度であり、好ましくは0.15〜0.5質量部、より好ましくは0.2〜0.35質量部である。カーボンブラックの練り込み量が0.7質量部よりも多いと樹脂ビーズが割れやすくなる場合があり、一方、0.1質量部よりも少ないと、所望の黒色性を有する光吸収粒子を得られない場合がある。また、カーボンブラックは、平均粒子径が10〜500nmのものを好適に使用することができ、例えば、ファーネスブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、カーボンナノチューブ、カーボンファイバー等が使用できる。また、市販のものを使用することもでき、例えば、HCFシリーズ、MCFシリーズ、RCFシリーズ、LFFシリーズ(いずれも三菱化学株式会社製)、バルカンシリーズ(キャボット社製)、ケッチェンシリーズ(ライオン株式会社製)を好適に使用することができる。なお、ここでの平均粒子径とは、カーボンブラック粒子を電子顕微鏡で観察して求めた算術平均径を意味する。
【0056】
電離放射線硬化型樹脂組成物への光吸収材の分散性を向上させるために、光吸収粒子を表面処理しておくこともできる。表面処理としては、従来公知のシリカコーティングによる親水処理や、プラズマ等による表面改質が挙げられる。
【0057】
上記した各成分を含む充填材料21は、電離放射線硬化型樹脂組成物に、所定量の光吸収材を混合し、所望により重合開始剤等を添加することにより調製することが可能である。光吸収材の添加量は、充填材料21の全質量に対して15〜35%の範囲とすることが好ましく、この範囲とすることにより、よりコントラストに優れる光学シートを実現することができる。光吸収材の含有量が少なすぎると、光吸収部の光遮光性が不十分となる場合があり、光吸収材の含有量が多すぎると、樹脂ビーズ同士が接触し割れや欠けの問題が発生し易くなる。
【0058】
充填材料21は、25℃での粘度が1000〜5000mPa・sであることが好ましく、2000〜3000mPa・sであることがより好ましい。この数値範囲が好ましいとしたのは、1000mPa・s未満であると、充填材料溜まりの形状が不安定となり、シート外観に影響が出るおそれがあるからであり、また5000mPa・sを超えると、充填不良、かぶり不良、帯ムラなどのシート外観に影響が出るおそれがあるからである。
【0059】
このような充填装置20および充填材料21を使用して、シート本体3の溝3bに充填材料21を充填させる。
【0060】
具体的には、搬送手段24によりシート本体3を移動させながら、塗布ノズル22から充填材料21を塗布する。その後、図8に示されるように第1の掻取部材26および第2の掻取部材27により溝3b内に充填材料21が残るようにシート本体3の表面3a上に存在する余分な充填材料21を掻き取る。
【0061】
ここで、第2の掻取部材27はシート本体3の移動方向に対し第1の掻取部材26よりも上流に位置しているので、充填材料21の掻き取りは、まず第2の掻取部材27により行われる。この第2の掻取部材27の掻き取りにより、大部分の余分な充填材料および気泡等の異物を除去することができる。
【0062】
そして、第2の掻取部材27の幅W2は、第1の掻取部材26の幅W1よりも小さくなっているので、第2の掻取部材27により掻き取られた充填材料21の一部は、第2の掻取部材27と第1の掻取部材26との間に入り込む。この空間に入り込んだ充填材料21は充填が不十分な溝3bに対して充填される。これにより、充填材料21の充填率を向上させることができるので、スジ不良を低減することができる。また、十分な充填が行われた溝3bに対しては、第1の掻取部材26によって溝3b上に存在する余分な充填材料21が掻き取られる。これにより、カブリ不良を低減することができる。
【0063】
さらに、第1の掻取部材26および第2の掻取部材27のように2枚以上の掻取部材を使用することで、シート本体3に対する掻取部材の接触圧力を分散させることができる。これにより、シート本体3に対する負荷を低減することができ、傷、擦れ等の不良も低減することができる。
【0064】
なお、充填材料21の塗布および充填材料21の掻き取りを行うと、シート本体3の表面3aと第2の掻取部材27の先端27aとの間には充填材料21の溜まり(充填材料溜まり)31が形成される。また、同様にシート本体3の表面3aと第1の掻取部材26の先端26aとの間には充填材料21の溜まり(充填材料溜まり)32が形成される。ここで、充填材料21は第2の掻取部材27により溝3b内に充填されるが、大部分の余剰の充填材料21は第2の掻取部材27により掻き取られるので、充填材料溜まり31の大きさは、充填材料溜まり32の大きさよりも大きい。
【0065】
掻き取りの際、第1の掻取部材26および第2の掻取部材27を揺動させることが好ましい。掻き取り時に第1の掻取部材26および第2の掻取部材27を揺動させることにより第1の掻取部材26および第2の掻取部材27に噛んだ異物を第1の掻取部材等から除去することができる。
【0066】
第1の掻取部材26および第2の掻取部材27の揺動幅は0mmを超え50mm以下であることが好ましい。この数値範囲が好ましいとしたのは、50mmを超えると、充填材料溜まり31、31の形状が不安的となり、シート外観に影響が出るおそれがあるからである。
【0067】
その後、例えば、図2に示されるように紫外線ランプ等の電離放射線照射装置25により電離放射線を照射して、充填材料21を硬化させる。これにより、図3(b)に示されるようにシート本体3の溝3bに溝3bの形状と対応した形状を有する光吸収部4が形成され、光学シート5が形成される。
【実施例】
【0068】
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明する。本実施例においては、上記実施の形態と同様の方法で光学シートを作製し、光学シートの外観観察を行った。
【0069】
(実施例)
まず、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート樹脂からなる基材シート上に透明な紫外線硬化型樹脂を塗布し、周面に略台形状の溝および略台形状の突部が形成された金型に、紫外線硬化型樹脂が金型に接触するように基材シートを押し当てた。
【0070】
そして、基材シート側からロールを押し当てて、所望の厚みにした後、基材シート越しに紫外線を照射して、紫外線硬化型樹脂を硬化させた。その後、金型から硬化した紫外線硬化型樹脂を剥がし、複数の単位光透過部を有する光透過部を形成した。
【0071】
単位光透過部は略台形状となっており、単位光透過部間には断面形状が略台形状の溝が形成されていた。この溝は基材シートの流れ方向に延在しており、この溝は、溝の深さが120μm、溝の上部の幅が20μm、基材シートの法線と溝の斜面との成す角度が3°、溝の繰り返し単位の長さが85μmとなっていた。
【0072】
次いで、光透過部の表面から60°傾いたドクターブレードを溝と直交するように配置し、かつドクターブレードの刃先を光透過部の表面に押し当てた状態で、ライン速度5.0m/分で基材シートと光透過部とを有するシート本体を流し、かつドクターブレードの上流側直近から25℃での粘度が3500mPa・sの、黒インキ(光吸収材)および紫外線硬化型樹脂を含む充填材料を光透過部の表面に塗布した。
【0073】
塗布された充填材料は、単位光透過部間の溝に充填された。そして、単位光透過部上に存在する余分な充填材料はドクターブレードにより掻き取られた。なお、ドクターブレードによる掻き取りはドクターブレードをライン速度の10%の速度でかつ±5mmの幅で揺動させながら行われた。
【0074】
ドクターブレードは、2枚使用した。上流側のドクターブレード(第2の掻取部材)は、1000mmの幅を有するものであり、下流側のドクターブレード(第1の掻取部材)は1050mmの幅を有するものであった。ドクターブレード間の間隔は、ドクターブレード間に厚さ1mmのスペーサを介在させて、1mmとした。下流側のドクターブレードの先端は、上流側のドクターブレードの先端よりも1mm突き出ていた。また、ドクターブレードは、金属製であり、ドクターブレードの先端部がドクターブレードの基部に比べて薄くなるように片側の面に段付け加工が施されたものであった。先端部の厚さは0.07mmであり、基部の厚さは0.2mmであった。また、ドクターブレードの先端は0.035mmの曲率半径を有していた。シート本体に対する上流側および下流側のドクターブレードの角度がともに60°となるように、かつ段付け加工が施された面がともに下流側となるように上流側および下流側のドクターブレードが設置された。
【0075】
余分な充填材料を掻き取った後、紫外線を照射し、溝内の、充填材料に含まれる紫外線硬化型樹脂を硬化させて、実施例の光学シートを作製した。
【0076】
(比較例1)
比較例1においては、1枚のドクターブレードを用いた以外、実施例と同様の方法で光学シートを作製した。比較例1に係るドクターブレードの幅は、1050mmであり、シート本体に対するドクターブレードの角度が60°となるようにドクターブレードが設置された。
【0077】
(比較例2)
比較例2においては、1枚のドクターブレードを用いるとともにドクターブレードを揺動させなかった以外、実施例と同様の方法で光学シートを作製した。比較例2に係るドクターブレードの幅は、1050mmであり、シート本体に対するドクターブレードの角度が60°となるようにドクターブレードが設置された。
【0078】
(比較例3)
比較例3においては、先端が90°の1枚のドクターブレードを用いた以外、実施例と同様の方法で光学シートを作製した。比較例3に係るドクターブレードの幅は、1050mmであり、シート本体に対するドクターブレードの角度が60°となるようにドクターブレードが設置された。
【0079】
(比較例4)
比較例4においては、先端が90°であり、かつポリアセタール樹脂製の1枚のドクターブレードを用いた以外、実施例と同様の方法で光学シートを作製した。比較例4に係るドクターブレードの幅は、1050mmであり、シート本体に対するドクターブレードの角度が60°となるようにドクターブレードが設置された。
【0080】
(比較例5)
比較例5においては、厚みが0.3mmの1枚のドクターブレードを用いた以外、実施例と同様の方法で光学シートを作製した。比較例5に係るドクターブレードの幅は、1050mmであり、シート本体に対するドクターブレードの角度が60°となるようにドクターブレードが設置された。
【0081】
(比較例6)
比較例6においては、厚みが0.15mmの1枚のドクターブレードを用いた以外、実施例と同様の方法で光学シートを作製した。比較例6に係るドクターブレードの幅は、1050mmであり、シート本体に対するドクターブレードの角度が60°となるようにドクターブレードが設置された。
【0082】
(比較例7)
比較例7においては、2枚のドクターブレードを用いたが、上流側のドクターブレードの幅が下流側のドクターブレードの幅よりも大きいものであった。具体的には、比較例7に係る上流側のドクターブレードは、1050mmの幅を有するものであり、下流側のドクターブレードは1000mmの幅を有するものであった。このようなドクターブレードを実施例と同様に設置し、実施例と同様の方法で光学シートを作製した。
【0083】
(比較例8)
比較例8においては、2枚のドクターブレードを用いたが、上流側および下流側のドクターブレードは幅が同じものであった。具体的には、比較例8に係る上流側および下流側のドクターブレードは、ともに1050mmの幅を有するものであった。このようなドクターブレードを実施例と同様に設置し、実施例と同様の方法で光学シートを作製した。
【0084】
外観観察
このようにして作製された実施例および比較例1〜8の光学シートの外観を観察したところ、実施例の光学シートにおいては、スジ不良およびカブリ不良が極めて少なく、良好な状態であった。これに対し、比較例1の光学シートにおいては実施例より多いスジ不良が観察され、比較例2の光学シートにおいては多数のスジ不良が観察され、比較例3の光学シートにおいては多数のスジ不良およびカブリ不良が観察された。比較例4の光学シートにおいては初期に作製されたものは外観が良好であったが、時間が経つにつれてスジ不良の増加が観察された。比較例5の光学シートにおいては実施例より多いスジ不良が観察され、比較例6の光学シートにおいてはカブリ不良および弱い濃淡ムラが観察された。比較例7および8の光学シートにおいては多数のスジ不良および帯不良が観察された。
【0085】
これらの結果から、上流側のドクターブレードの幅が下流側のドクターブレードの幅よりも小さい2枚のドクターブレードを用いて掻き取りを行った場合には、スジ不良およびカブリ不良が低減できることが確認された。
【符号の説明】
【0086】
1…基材シート、2…光透過部、2a…単位光透過部、3…シート本体、3a…表面、3b…溝、4…光吸収部、5…光学シート、21…充填材料、22…塗布ノズル、23…掻取装置、26…第1の掻取部材、26a…先端、27…第2の掻取部材、27a…先端。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に複数の溝が並設されたシート本体を移動させながら、前記シート本体の前記表面に前記充填材料を塗布し、前記溝内に前記充填材料が残るように前記シート本体の前記表面上の余分な前記充填材料を掻き取る工程を備える光学シートの製造方法であって、
前記充填材料の掻き取りが、第1の掻取部材と、前記シート本体の移動方向に対し前記第1の掻取部材よりも上流に位置し、かつ前記第1の掻取部材と所定の間隔を置いて配置され、幅が前記第1の掻取部材の幅よりも小さい第2の掻取部材とを前記シート本体の前記表面に接触させることにより行われることを特徴とする、光学シートの製造方法。
【請求項2】
前記第1の掻取部材と前記第2の掻取部材との間の間隔が、0.5〜30mmである、請求項1に記載の光学シートの製造方法。
【請求項3】
前記充填材料の掻き取りが、前記第1の掻取部材および前記第2の掻取部材の少なくともいずれかを、0mmを超え50mm以下の揺動幅で揺動させながら行われる、請求項1または2に記載の光学シートの製造方法。
【請求項4】
前記第1の掻取部材および前記第2の掻取部材の少なくともいずれかの先端が曲面形状となっている、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光学シートの製造方法。
【請求項5】
前記第1の掻取部材および前記第2の掻取部材の少なくともいずれかの材質が金属である、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の光学シートの製造方法。
【請求項6】
前記第1の掻取部材および前記第2の掻取部材の少なくともいずれかの厚みが、0.05〜2.0mmである、請求項1ないし5に記載の光学シートの製造方法。
【請求項7】
前記第1の掻取部材および前記第2の掻取部材の少なくともいずれかが、ドクターブレードである、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の光学シートの製造方法。
【請求項8】
前記シート本体が光透過性シートであり、かつ前記充填材料が透明樹脂および前記透明樹脂中に分散された光吸収材を含む、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の光学シートの製造方法。
【請求項9】
前記溝の形状が、略台形状、略V字状または略矩形状である、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の光学シートの製造方法。
【請求項10】
表面に複数の溝が並設され、前記表面に充填材料が塗布されたシート本体を移動させながら、前記溝内に前記充填材料が残るように前記シート本体の前記表面上の余分な前記充填材料を掻き取る掻取装置であって、
前記シート本体の前記表面に接触可能な第1の掻取部材と、前記シート本体の前記表面に接触可能であり、前記シート本体の移動方向に対して前記第1の掻取部材よりも上流に位置し、前記第1の掻取部材と所定の間隔を置いて配置され、かつ幅が前記第1の掻取部材の幅よりも小さい第2の掻取部材とを備えることを特徴とする、掻取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−185447(P2012−185447A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−50199(P2011−50199)
【出願日】平成23年3月8日(2011.3.8)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】