説明

光学的情報読取装置

【課題】ユーザが解析結果を適切に評価でき、かつ読取条件の設定に関して適切な対応をとることのできる構成を提供する。
【解決手段】光学的情報読取装置は、読取モードと解析モードとが切り替わるように構成されている。さらに、解析モードにおいて読取条件を複数の条件に設定変更する構成をなし、それら設定変更される各読取条件ごとにそれぞれデコード処理を行うように構成されている。そして、それら設定変更される複数の条件のうちのデコード処理が成功した1又は複数の読取成功条件と、設定手段により設定される現在の読取条件とを比較し、その比較結果に基づいて現在の読取条件の改善に用いる改善用情報を通知するようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学的情報読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、物品に付されたバーコードや二次元コード等を読み取る光学的情報読取装置が知られている。この種の装置によって読み取られる情報コードのタイプは様々であり、通常広く用いられている白色の背景に黒色のパターンが形成されたもののみならず、白黒が反転したタイプ、表裏が反転したタイプ、特殊な材質に形成されたタイプ、特殊な形成方法によって形成されたタイプ等、多様なタイプの情報コードが存在する。このような様々な情報コードを良好に読み取るためには、読取対象に応じた適切な設定を行うことが望ましく、設定を適切に行おうとする技術としては例えば特許文献1のようなものが提供されている。この特許文献1では、読み取ったバーコードからバーコードの種類や桁数を解析し、それを読取装置に設定する技術が開示されている。
【特許文献1】特開平4−131980
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ダイレクトマーキングされた二次元コードを読み取る場合、上記のように白黒が反転したタイプ、表裏が反転したタイプ、特殊な材質に形成されたタイプなどが想定され、対象となるコード種も多数想定されるため、実際に読み取りを行おうとした場合、数多くの読取条件を設定することが必要となる。このように多数の読取条件が想定される場合、適切な読取条件を選び出す方法としては、例えば全ての読取条件を試行する方法(具体的には、ユーザが読取条件を手作業で設定変更しながら順次試行するような方法)などが考えられる。しかしながら、ユーザが読取条件を手作業で順次設定変更する方法を用いると、ユーザの作業負荷が大きくなると共に、設定時間も長時間化するという問題がある。
【0004】
このような問題を解消するには、特許文献1のように、光学的情報読取装置に情報コードを解析する機能をもたせ、その解析結果に応じた設定を行うようにすることが考えられる。しかしながら、特許文献1のように、単にバーコードの種類や桁数を解析するだけでは、複雑な読取環境を考慮した適切な読取条件設定が難しいという問題がある。このような現状から、現在では、複雑な読取環境下であっても情報コードの解析結果に応じて読取条件を迅速且つ適切に設定しうる構成が求められているといえる。
【0005】
また、上記のように情報コードを解析する場合、情報コードのデコード処理を行うことが読取条件を評価する上で有用である。しかしながら、解析対象となる情報コードは必ずしも良好に印字がなされているとは限らず、印字不良を原因としてデコード不良が生じる場合もありうる。しかしながら解析処理中にデコード不良が生じた場合、従来では、印字不良が原因でデコードが失敗したとしても、適切な対処をとることはできなかった。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、情報コードの解析結果に応じて読取条件を設定しうる光学的情報読取装置において、ユーザが解析結果を適切に評価でき、かつ読取条件の設定に関して適切な対応をとることのできる構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、情報コードからの反射光を受光する受光手段と、前記受光手段での前記反射光の受光結果に基づく前記情報コードの画像データを記憶する記憶手段と、読取モードにおける前記画像データの読取条件を設定する設定手段と、前記読取条件に従い、前記画像データのデコード処理を行うデコード手段と、を備えた光学的情報読取装置であって、前記読取モードと解析モードとを切り替える切替手段と、前記解析モードにおいて、前記設定手段により設定される前記読取条件を複数の条件に設定変更する変更手段と、を備え、前記デコード手段は、前記解析モードにおいて、前記変更手段により設定変更される各読取条件ごとにそれぞれ前記デコード処理を行うように構成されており、前記変更手段により設定変更される前記複数の条件のうちの前記デコード処理が成功した1又は複数の読取成功条件と、前記設定手段により設定される現在の前記読取条件と、を比較する比較手段と、前記比較手段による前記読取成功条件と現在の前記読取条件との比較結果に基づいて現在の前記読取条件の改善に用いる改善用情報を通知する通知手段と、が設けられていることを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の光学的情報読取装置において、前記情報コードは、誤り訂正機能を有する二次元コードであり、前記変更手段により設定変更される前記複数の条件についてそれぞれ前記デコード処理を行ったときに複数の前記読取成功条件が得られた場合、前記比較手段は、その複数の前記読取成功条件のうちの最も誤り訂正数の少ない前記読取成功条件と、現在の前記読取条件とを比較し、前記通知手段は、最も誤り訂正数の少ない前記読取成功条件と現在の前記読取条件との比較結果に基づいて前記改善用情報を通知することを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の光学的情報読取装置において、前記改善用情報は、前記設定手段により設定される現在の前記読取条件における、前記読取成功条件と設定内容が異なる項目情報を含むことを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、前記設定手段は、前記読取条件として少なくとも処理対象となるコード種別の条件を設定する構成をなし、前記変更手段は、少なくとも前記コード種別の条件を設定変更する構成をなしており、前記比較手段は、現在の前記読取条件において処理対象となっている対象コード種別と、前記変更手段により設定変更される複数のコード種別のうちの前記デコード処理が成功した成功コード種別と、を比較し、前記通知手段は、前記対象コード種別から前記成功コード種別を除いた不要コード種別を前記改善用情報として通知することを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、情報コードからの反射光を受光する受光手段と、前記受光手段での前記反射光の受光結果に基づく前記情報コードの画像データを記憶する記憶手段と、読取モードにおける前記画像データの読取条件を設定する設定手段と、前記読取条件に従い、前記画像データのデコード処理を行うデコード手段と、を備えた光学的情報読取装置であって、前記読取モードと解析モードとを切り替える切替手段と、前記解析モードにおいて、前記設定手段により設定される前記読取条件を複数の条件に設定変更する変更手段と、を備え、前記デコード手段は、前記解析モードにおいて、前記変更手段により設定変更される各読取条件ごとにそれぞれ前記デコード処理を行うように構成されており、前記変更手段により設定変更される前記複数の条件についてそれぞれ前記デコード処理が行われたときの複数のデコード結果が所定の失敗状態となるか否かを判断する判断手段と、前記判断手段により前記所定の失敗状態と判断された場合に前記情報コードが印字不良であることを示す印字不良情報を通知する通知手段と、が設けられていることを特徴とする。
【0012】
請求項6の発明は、請求項5に記載の光学的情報読取措置において、前記判断手段は、前記変更手段により設定変更される前記複数の条件の全てについて前記デコード処理が失敗したか否かを判断し、前記通知手段は、前記複数の条件の全てについて前記デコード処理が失敗した場合に前記印字不良情報を通知することを特徴とする。
【0013】
請求項7の発明は、請求項5又は請求項6に記載の光学的情報読取装置において、前記情報コードからの前記反射光を導入する読取口と、前記受光手段と、を備えた読取部を設置対象物に位置決めする読取部位置決め手段を備え、前記デコード手段は、前記解析モードにおいて、前記読取部位置決め手段により前記読取部を位置決めした状態で前記受光手段により前記反射光が受光された結果得られる前記情報コードの前記画像データをデコード対象とし、前記複数の条件についてそれぞれ前記デコード処理を行うことを特徴とする。
【0014】
請求項8の発明は、請求項7に記載の光学的情報読取装置において、前記情報コードが付された物品を載置又は保持する情報コード位置決め手段を備え、前記デコード手段は、前記解析モードにおいて、前記情報コード位置決め手段により前記物品が位置決めされた状態で前記受光手段により前記反射光が受光された結果得られる前記情報コードの前記画像データをデコード対象とし、前記複数の条件についてそれぞれ前記デコード処理を行うことを特徴とする。
【0015】
請求項9の発明は、請求項7に記載の光学的情報読取装置において、前記読取部位置決め手段は、載置面上に載置して用いられるものであり、前記デコード手段は、前記情報コードが付された物品が前記載置面上に載置された状態で前記受光手段により前記反射光が受光された結果得られる前記情報コードの前記画像データをデコード対象とし、前記複数の条件についてそれぞれ前記デコード処理を行うことを特徴とする。
【0016】
請求項10の発明は、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、前記情報コードは、ダイレクトマーキングにより形成されたものであることを特徴とする。
【0017】
請求項11の発明は、前記設定手段は、少なくとも、前記画像データに対する白黒反転条件、表裏反転条件、コード種条件、画像処理条件、をそれぞれ設定する構成をなし、前記デコード手段は、それら4種類の条件を含んだ前記読取条件に従って前記画像データの前記デコード処理を行う構成をなしており、前記変更手段は、前記4種類の条件の組み合わせを変更して前記複数の条件をそれぞれ定めることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1の発明では、解析モードにおいて読取条件を複数の条件に設定変更する構成をなしており、その設定変更される各読取条件ごとにそれぞれデコード処理を行うように構成されている。そして、設定変更される複数の条件のうちのデコード処理が成功した1又は複数の読取成功条件と、設定手段により設定される現在の読取条件と、を比較し、その比較結果に基づいて現在の読取条件の改善に用いる改善用情報を通知するようにしている。このようにすれば、デコード処理が成功した読取条件(読取成功条件)と現在の読取条件との比較結果に基づいてユーザが現在の読取条件を適切に評価でき、改善用情報に基づいて適切な対応(読取条件の設定見直し等)をとることができるようになる。
【0019】
請求項2の発明では、誤り訂正機能を有する二次元コードを解析の対象としており、設定変更される複数の条件についてそれぞれデコード処理を行ったときに複数の読取成功条件が得られた場合、最も誤り訂正数の少ない読取成功条件と、現在の読取条件とを比較し、その比較結果に基づく改善用情報を通知するようにしている。このようにすれば、最も誤り訂正数の少ない読取成功条件と現在の読取条件との比較結果に基づいてユーザが現在の読取条件を適切に評価でき、ユーザは、最も誤り訂正数の少ない読取成功条件に基づく適切な改善を行うことができる。
【0020】
請求項3の発明では、現在の読取条件における、読取成功条件と設定内容が異なる項目情報を含むように改善用情報が構成されている。このようにすれば、読取成功条件と設定内容が異なる項目をユーザが的確に認識できるようになり、読取条件について迅速且つ効果的な改善作業を行うことができる。
【0021】
請求項4の発明では、現在の読取条件において処理対象となっている対象コード種別と、デコード処理が成功した成功コード種別とを比較し、対象コード種別から成功コード種別を除いた不要コード種別を改善用情報として通知するようにしている。このようにすれば、不要なコード種別をユーザが的確に認識できるようになり、不要なコード種別を設定から除外する対応を迅速にとることができる。また、このように不要なコード種別を設定から除外できるようにすれば、読取処理の迅速化を効果的に図ることができる。
【0022】
請求項5の発明では、解析モードにおいて、変更手段により設定変更される各読取条件ごとにそれぞれデコード処理を行うように構成されている。そして、それら設定変更される複数の条件についてそれぞれデコード処理が行われたときの複数のデコード結果が所定の失敗状態となるか否かを判断し、所定の失敗状態と判断された場合に情報コードが印字不良であることを示す印字不良情報を通知するようにしている。このように、複数の条件についてのデコード処理結果がある状態(所定の失敗状態)となったときに印字不良情報を通知するようにすれば、印字不良が予想される場合にユーザが印字状態を注意できるようになり、必要に応じて適切な対応をとることができるようになる。
【0023】
請求項6の発明では、変更手段により設定変更される複数の条件の全てについてデコード処理が失敗したか否かを判断し、複数の条件の全てについてデコード処理が失敗した場合に印字不良情報を通知するようにしている。変更手段により設定変更される複数の条件の全てについてデコード処理が失敗した場合、印字不良の蓋然性が高く、このようなときに印字不良情報を通知すれば、ユーザが適切な改善措置を講じやすくなる。
【0024】
請求項7の発明では、解析モードにおいて、読取部位置決め手段により読取部を位置決めした状態で受光された結果得られる情報コードの画像データをデコード対象とし、複数の条件についてそれぞれデコード処理を行うようにしている。このようにすれば、読取部を安定的に位置決めした状態で解析を行うことができるため、デコード処理結果が所定の失敗状態となった場合に、その失敗原因から、「読取部が不適切位置或いは不適切状態であること」を除外しやすく、所定の失敗状態と印字不良との関連性をより高めやすくなる。
【0025】
請求項8の発明では、解析モードにおいて、情報コード位置決め手段により物品が位置決めされた状態で受光された結果得られる情報コードの画像データをデコード対象とし、複数の条件についてそれぞれデコード処理を行うようにしている。このようにすれば、読取部だけでなく、情報コードが付された物品をも安定的に位置決めして解析を行うことができるため、デコード処理結果が所定の失敗状態となった場合に、その失敗原因から「情報コードが不適切位置或いは不適切状態であること」を除外しやすく、所定の失敗状態と印字不良との関連性をより一層高めることができる。
【0026】
請求項9の発明では、読取部位置決め手段が、載置面上に載置して用いられるものであり、情報コードが付された物品が載置面上に載置された状態で受光された結果得られる情報コードの画像データをデコード対象とし、複数の条件についてそれぞれデコード処理を行うようにしている。このようにすれば、読取部だけでなく、情報コードが付された物品をも安定的に位置決めして解析を行うことができるため、デコード処理結果が所定の失敗状態となった場合に、その失敗原因から「情報コードが不適切位置或いは不適切状態であること」を除外しやすく、所定の失敗状態と印字不良との関連性をより一層高めることができる。
【0027】
請求項10の発明では、ダイレクトマーキングにより形成された情報コードを読み取り対象、解析対象としている。このようにダイレクトマーキングにより形成された情報コードを読取対象とする場合、読取条件として多くの項目を設定する必要があり、解析処理も複雑化しやすい。従って、ダイレクトマーキングにより形成された情報コードを読み取り対象、解析対象とする場合に請求項1〜請求項9の構成を用いれば、複雑化しやすい解析処理においてユーザが適切な評価を行うことができ、その結果、複雑な読取条件の設定に関して適切な対応をとることができる。
【0028】
請求項11の発明は、少なくとも、画像データに対する白黒反転条件、表裏反転条件、コード種条件、画像処理条件、をそれぞれ設定する構成をなしており、それら4種類の条件を含んだ読取条件に従って画像データのデコード処理を行う構成をなしている。また、変更手段は、4種類の条件の組み合わせを変更して複数の条件をぞれぞれ定めるように構成されている。このように、白黒反転条件、表裏反転条件、コード種条件、画像処理条件をそれぞれ設定変更しうるように構成すれば、複雑な読取環境に対応しやすくなり、また4種類の組み合わせを変更して解析処理を行うようにすれば、綿密且つ良好な解析処理を行うことができる。一方、このように4種類の条件を変更して解析処理を行うようにすると、解析結果の評価や解析結果に応じた対応が問題となるが、請求項1〜請求項10のような構成をとることにより、適切な評価、対応が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
[第1実施形態]
以下、本発明の光学的情報読取装置を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、第1実施形態に係る光学的情報読取装置の電気的構成を概略的に例示するブロック図である。
図1に示すように、本実施形態に係る光学的情報読取装置20は、主に、照明光源21、受光センサ23、フィルタ25、結像レンズ27等の光学系と、メモリ35、制御回路40、操作スイッチ42、液晶表示装置46等のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)系と、電源スイッチ41、電池49等の電源系と、から構成されている。なお、これらは、図略のプリント配線板に実装あるいは図略のハウジング内に内装されている。
【0030】
光学系は、照明光源21、受光センサ23、フィルタ25、結像レンズ27等から構成されている。照明光源21は、照明光Lfを発光可能な照明光源として機能するもので、例えば、赤色のLEDとこのLEDの出射側に設けられる拡散レンズ、集光レンズ等とから構成されている。本実施形態では、受光センサ23を挟んだ両側に照明光源21が設けられており、ハウジングの読取口(図1では図示略)を介して読取対象物Rに向けて照明光Lfを照射可能に構成されている。この読取対象物Rは、例えば、包装容器や包装用紙あるいはラベルといった表示媒体に相当するもので、その表面には情報コードQとして例えばバーコードや二次元コード(QRコード、データマトリックスコード、マキシコード等)が印刷或いはダイレクトマーキング等により形成されている。
【0031】
受光センサ23は、読取対象物Rや情報コードQに照射されて反射した反射光Lrを受光可能に構成されるもので、例えば、C−MOSやCCD等の固体撮像素子である受光素子を2次元に配列したエリアセンサが、これに相当する。この受光センサ23の受光面23aは、ハウジング外から読取口を介して外観可能に位置しており、受光センサ23は、結像レンズ27を介して入射する入射光をこの受光面23aで受光可能に図略のプリント配線板に実装されている。
なお、受光センサ23は、「受光手段」の一例に相当し、情報コードからの反射光を受光する機能を有している。
【0032】
フィルタ25は、反射光Lrの波長相当以下の光の通過を許容し、当該波長相当を超える光の通過を遮断し得る光学的なローパスフィルタで、ハウジングの読取口と結像レンズ27との間に設けられている。これにより、反射光Lrの波長相当を超える不要な光が受光センサ23に入射することを抑制している。
【0033】
結像レンズ27は、外部から読取口を介して入射する入射光を集光して受光センサ23の受光面23aに像を結像可能な結像光学系として機能するもので、例えば、鏡筒とこの鏡筒内に収容される複数の集光レンズとにより構成されている。本実施形態では、照明光源21から照射された照明光Lfが情報コードQに反射して読取口に入射する反射光Lrを集光することにより、受光センサ23の受光面23aに情報コードQのコード画像を結像可能にしている。
【0034】
次に、マイコン系の構成概要を説明する。マイコン系は、増幅回路31、A/D変換回路33、メモリ35、アドレス発生回路36、同期信号発生回路38、制御回路40、操作スイッチ42、LED43、ブザー44、液晶表示装置46、通信インタフェース48等から構成されている。このマイコン系は、その名の通り、マイコン(情報処理装置)として機能し得る制御回路40およびメモリ35と中心に構成されるもので、前述した光学系によって撮像された情報コードQの画像信号をハードウェア的およびソフトウェア的に信号処理し得るものである。また制御回路40は、当該光学的情報読取装置20の全体システムに関する制御も行っている。
【0035】
光学系の受光センサ23から出力される画像信号(アナログ信号)は、増幅回路31に入力されることで所定ゲインで増幅された後、A/D変換回路33に入力されると、アナログ信号からディジタル信号に変換される。そして、ディジタル化された画像信号、つまり画像データ(画像情報)は、メモリ35に入力されると、画像データ蓄積領域に蓄積される。なお、同期信号発生回路38は、受光センサ23およびアドレス発生回路36に対する同期信号を発生可能に構成されており、またアドレス発生回路36は、この同期信号発生回路38から供給される同期信号に基づいて、メモリ35に格納される画像データの格納アドレスを発生可能に構成されている。
【0036】
メモリ35は、半導体メモリ装置で、例えばRAM(DRAM、SRAM等)やROM(EPROM、EEPROM等)がこれに相当する。このメモリ35のうちのRAMには、前述した画像データ蓄積領域のほかに、制御回路40が算術演算や論理演算等の各処理時に利用する作業領域や読取条件テーブルも確保可能に構成されている。またROMには、後述する読取処理、解析処理等を実行可能な所定プログラムやその他、照明光源21、受光センサ23等の各ハードウェアを制御可能なシステムプログラム等が予め格納されている。
なお、メモリ35は、「記憶手段」の一例に相当するものであり、受光センサ23での反射光の受光結果に基づく情報コードの画像データを記憶する機能を有している。
【0037】
制御回路40は、光学的情報読取装置20全体を制御可能なマイコンで、CPU、システムバス、入出力インタフェース等からなるもので、メモリ35とともに情報処理装置を構成し得るもので情報処理機能を有する。この制御回路40は、内蔵された入出力インタフェースを介して種々の入出力装置(周辺装置)と接続可能に構成されており、本実施形態の場合、電源スイッチ41、操作スイッチ42、LED43、ブザー44、液晶表示装置46、通信インタフェース48等が制御回路40に接続されている。これにより、例えば、電源スイッチ41や操作スイッチ42の監視や管理、またインジケータとして機能するLED43の点灯・消灯、ビープ音やアラーム音を発生可能なブザー44の鳴動のオンオフ、さらには読み取った情報コードQのコード内容を液晶表示装置46に表示する際の画面制御や、外部装置とのシリアル通信を行う通信インタフェース48の通信制御等を可能にしている。なお、通信インタフェース48に接続される外部装置には、当該光学的情報読取装置20の上位システムに相当するホストコンピュータHST等が含まれる。
【0038】
電源系は、電源スイッチ41、電池49等によって構成されており、制御回路40による電源スイッチ41のオンオフ制御により、電池49から上述した各装置や各回路に供給される駆動電圧の導通や遮断が制御されている。なお、電池49は、所定の直流電圧を発生可能な2次電池で、例えば、リチウムイオン電池等がこれに相当する。また、電池49によることなく、例えば、通信インタフェース48を介して接続されるホストコンピュータHST等の外部装置から電力供給を受ける構成を採る場合もあり、この場合には当該電池49は不要となる。
【0039】
このように構成される光学的情報読取装置20の読取処理は以下のように行われる。
例えば、電源スイッチ41がオンされて所定の自己診断処理等が正常終了し、情報コードQの読み取りが可能な状態になると、照明光Lfの発光を指示する操作スイッチ42(例えばトリガースイッチ)の入力を受け付ける。このような状態で、作業者がトリガースイッチを押圧しオンにすると、それをトリガとして制御回路40が同期信号を基準に照明光源21に発光信号を出力する。当該発光信号を受けた照明光源21は、LEDを発光させて照明光Lfを照射する。
【0040】
すると、情報コードQに照射された照明光Lfが反射し、その反射光Lrが読取口およびフィルタ25を介して結像レンズ27に入射するため、受光センサ23の受光面23aには当該結像レンズ27により情報コードQの像、つまりコード画像が結像される。これにより、受光センサ23を構成する各受光素子が露光され、それら各受光素子から情報コードQの像に応じた受光信号がそれぞれ出力される。これら受光信号は、情報コードQのコード画像を構成する画像データであり、この画像データはメモリ35に記憶されることとなる。
【0041】
本実施形態に係る光学的情報読取装置20では、画像データに対する、白黒反転設定、表裏反転設定、コード種設定、画像処理設定がそれぞれなされるようになっており、これら4種類の条件に従って画像データのデコード処理が行われるようになっている。
なお、本実施形態では、制御回路40が「設定手段」の一例に相当し、読取モードにおける画像データの読取条件を設定する機能を有している。
【0042】
白黒反転設定は、白黒の状態が図3(a)のような通常の状態として読み取る白黒第1設定と、図3(b)のように通常状態に対して白黒が反転した状態として読み取る白黒第2設定とで切り替える設定である。白黒が反転した情報コードを読み取る方法は周知であるので詳細は省略するが、例えば、白黒第2設定の場合には、白色領域と黒色領域を逆に変換した上で通常状態と同様の読取処理を行うようにすればよい。
【0043】
また、表裏反転設定は、図4(a)のような通常状態として読み取る表裏第1設定と、図4(b)のように通常状態に対して表裏が反転した状態として読み取る表裏第2設定とで切り替える設定である。表裏が反転した情報コードを読み取る方法は周知であるので詳細は省略するが、例えば、図4(b)のように得られた原画像データを、画像処理分野における画像データの左右反転変換技術(周知技術)を用いて反転させて図4(a)のように通常状態に戻した上で通常状態と同様の読取処理を行うようにすればよい。
【0044】
また、コード種設定は、光学的情報読取装置20で読み取りが可能とされている複数のコード種からいずれか1又は複数のコード種を対象コード種とする設定である。例えば、光学的情報読取装置20において、QRコード、データマトリックスコード、マキシコード等を読み取るプログラムが備えられている場合、コード種設定において「QRコード」と設定された場合にはQRコードを読み取るプログラムを用いてデコード処理が行われることとなる。
【0045】
また、画像処理設定は、得られた画像データに対してどのような画像処理を行うかを定める設定である。画像処理設定としては、公知の膨張処理、収縮処理、平滑化処理等が挙げられる。これら処理例はあくまで一例であり、他の画像処理を設定できるように構成してもよく、複数の処理を組み合わせる設定がなされるようになっていてもよい。この画像処理設定で、例えば膨張処理が設定されている場合、二値化したデータの図形成分に対して公知の膨張処理を行い、その処理後のデータに基づいてデコード処理を行うこととなる。
【0046】
上記のような読取条件に従い、メモリ35に記憶されたコード画像を2値化した後、公知のデコード処理が行われ、情報コードQとして符号化された文字データ等が解読されることとなる。なお、2値化処理やデコード処理はバーコードリーダや二次元コードリーダの分野では周知技術であるのでこれ以上の詳細な説明は省略する。
【0047】
デコードに成功した場合には、その旨を示す報知出力(例えば「OK」の文字、短いビープ音や緑色光)を、またデコードに失敗した場合には、その旨を示す報知出力(例えば「NG」の文字、長いビープ音や赤色光)を、液晶表示装置46、ブザー44やLED43によって出力し、当該光学的情報読取装置20の使用者に情報コードQの読み取りの可否を報知する。また、デコードに成功した場合には、デコードされたデータ、つまり情報コードQの内容を液晶表示装置46に出力したり、通信インタフェース48を介してホストコンピュータHSTに出力する。
【0048】
次に、解析処理について説明する。
図2は、光学的情報読取装置20にて行われる解析処理の流れを例示するフローチャートである。この解析処理は、所定の開始操作(例えば操作スイッチ42による特定の操作)がなされることで開始される。なお、光学的情報読取装置20は、通常(例えば電源投入後)は読取モードに設定されており、上記所定の開始操作がなされることで解析モードに切り替わり、図2の解析処理が行われるようになっている。また、当該解析処理終了後には解析モードから読取モードに切り替わるようになっている。
本実施形態では、制御回路40が「切替手段」の一例に相当し、読取モードと解析モードとを切り替える機能を有する。
【0049】
解析処理開始後には、まずS1において解析処理で対象とする情報コード(対象コード)の画像データを取得する。この対象コードとしては、例えばダイレクトマーキングにより形成されたQRコード等などが挙げられ、当該解析処理終了以降に読取処理を行おうとする情報コードと白黒反転設定、表裏設定、コード種設定が同一であるものが望ましい。
【0050】
S1にて情報コード(対象コード)の画像データを取得した後、読取条件の変更が所定の完了状態に至ったか否かを判断する(S2)。本実施形態に係る光学的情報読取装置20では、上述したように、読取条件の設定項目として、画像データに対する白黒反転設定、表裏反転設定、コード種設定、画像処理設定が用いられており、上述の読取処理では、これら4種類の条件に従って画像データのデコード処理を行う構成をなしている。図2に示す解析処理ではこれら4種類の設定の組み合わせを変更して各組み合わせについてデコード処理(S3:後述)を行うようになっており、S2では、このような組み合わせの変更が所定の完了状態となったか否かを判断している。図2の例では、「解析処理開始後において4種類の設定について全組み合わせ変更し終わった状態」、若しくは、「解析処理開始後、コード外形が検出され、かつ全画像処理設定について変更し終わった状態」を「所定完了状態」としており、このような所定の完了状態に至った場合にはS2にてYesに進むようにしている。なお、解析処理開始直後は当然ながら上記「所定の完了状態」となっていないため、S2にてNoに進み、まずデフォルトの読取条件(4種類の設定項目についてのデフォルトの設定)を用いてデコード処理を行う(S3)。
【0051】
上述したように、本実施形態に係る光学的情報読取装置20では、画像データに対する白黒反転条件、表裏反転条件、コード種条件、画像処理条件、をそれぞれ設定する構成をなすと共にそれら4種類の条件に従ってデコード処理を行う構成をなしており、S3でも、現在設定されている4種類の条件に従ってデコード処理が行われることとなる。
なお、本実施形態では、制御回路40が「デコード手段」の一例に相当し、設定される読取条件に従って画像データのデコード処理を行うように機能する。また、、解析モードにおいて、設定変更される各読取条件ごとにそれぞれデコード処理を行うように機能する。
【0052】
S3のデコード処理の後、S3のデコード処理が成功したか否かを判断する処理を行う(S4)。S3のデコード処理が成功した場合(情報コードが正常に解読された場合)にはS4にてYesに進む。S3デコード処理が失敗した場合(情報コードが正常に解読されなかった場合)にはS3にてNoに進み、S3のデコード処理においてコード外形の検出までは成功したか否かを判断する(S5)。S3においてデコード処理は失敗したが、コード外形の検出までは成功していた場合にはS5にてYesに進む。S3においてコード外形の検出も失敗していた場合にはS5にてNoに進む。
【0053】
S5にてNoに進む場合、読取条件の組み合わせを変更する処理を行う(S7)。図2に示す解析処理では、上述した4種類の条件の組み合わせを変更してデコード処理(S3)を行うべき複数の条件をぞれぞれ定めるように構成されており、S7の処理では、読取条件の組み合わせ(4種類の設定項目についての設定の組み合わせ)を、現在の組み合わせから、当該解析処理開始後において未だデコード処理(S3)が行われていない組み合わせに変更することとなる。例えばS3においてデフォルトの組み合わせ(4種類の設定項目についてのデフォルト設定)でデコード処理が行われた後にS4にてNoに進んでS5でもNoに進むような場合には、そのデフォルトの組み合わせから、白黒反転設定、表裏反転設定、コード種設定、画像処理設定のいずれかを設定変更し、組み合わせをデフォルトと異ならせるように変更する。S5の処理終了後は、S1に戻り、読取条件の変更が所定の完了状態に至ったか否かを判断する。
なお、本実施形態では、制御回路40が「変更手段」の一例に相当し、解析モードにおいて、読取条件を複数の条件に設定変更する機能を有している。
【0054】
一方、S4にてYesに進む場合、或いはS5にてYesに進む場合には、コード種設定、白黒反転設定、表裏設定が正しいと考えられるので、コード種設定、白黒反転設定、表裏反転設定の設定変更を完了状態とする(即ち、これらの設定を確定させる)(S6)。そして、S8に進み、画像処理設定のみを現在の設定から変更する。例えば、デフォルトの組み合わせでデコード処理(S3)を行った場合にデコード処理が成功した場合、S4にてYesに進み、白黒反転設定、表裏反転設定、コード種設定を、それぞれデフォルトの設定と同一の設定で確定させる。そして、S8にて画像処理設定のみをデフォルトの設定から変更し、S8に戻ってS2以降の処理を繰り返すこととなる。
【0055】
S2において読取条件の変更が所定の完了状態に至ったと判断された場合、S2にてYesに進み、S2〜S8の処理において変更された4種類の条件の組み合わせにおいて、複数の組み合わせでデコード処理(S3)が成功したか否か(読取成功条件が複数あるか否か)を判断する(S9)。図5(b)にて例示されるように、S2〜S8において複数の組み合わせでデコード処理(S3)が成功している場合、S9にてYesに進み、デコード処理(S3)が成功した条件(読取成功条件)において設定されるコード種別が誤り訂正機能を有するコード種別か否かを判断する。読取成功条件にて設定されるコード種別が、QRコード等の誤り訂正機能を有するコード種別であれば、S10にてYesに進み、最も誤り訂正数の少ない読取成功条件を最適条件とする(S11)一方、S10において読取成功条件にて設定されるコード種別が誤り訂正機能を有するコード種別でないと判断される場合、S10にてNoに進む。なお、S10にてNoに進む場合、複数の読取成功条件全てを最適条件として扱う(S17)。
【0056】
一方、S2〜S8の処理において変更された4種類の条件の組み合わせにおいて、複数の組み合わせでデコード処理(S3)が成功していない場合(読取成功条件が複数でない場合)、S9にてNoに進み、S2〜S8の処理において読み取りが成功しているか否か(即ち、S3にてデコード処理が成功した組み合わせ(読取成功条件)が存在するか否か)を判断する。読み取りが成功している場合、S16にてYesに進む。なお、S16にてYesに進む場合とは即ち読取成功条件が1つのみの場合(図5(a)参照)であるため、その単一の読取成功条件を最適条件として扱う(S17)。
【0057】
その後、現在の設定条件(上述の読取処理において用いられる現在の設定条件)と、S11又はS17で定められた最適条件とを比較し、現在の設定条件において、最適条件において必要とされる設定がなされていない項目(必要設定未設定項目)が存在するか否かを判断し(S12)、存在する場合にはS12にてYesに進み、その必要設定未設定項目、及び必要な設定の内容を通知する(S13)。この通知に係る情報(改善用情報)は、例えば、「白黒反転設定が間違っています」といった必要設定がなされていない項目について誤っていることを示すメッセージ(即ち、当該項目については逆の設定が正しい旨のメッセージ)、コード、ランプ表示、信号(外部装置に送る信号)等の情報であってもよく、「白黒反転設定を通常設定に設定してください。表裏反転設定を反転設定にしてください。コード種設定をQRコードにしてください。」といった、必要設定がなされていない項目ごとに設定すべき必要内容を示すメッセージ、コード、ランプ表示、信号(外部装置に送る信号)等の情報であってもよい。図6(a)は、S13での通知の一例を示す説明図である。このような表示は、光学的情報読取装置20に接続されるコンピュータのディスプレイ100(図7参照)に表示するようにしてもよく、液晶表示器46に表示するようにしてもよい。一方、現在の設定条件において必要設定未設定項目が存在しない場合には、S12にてNoに進む。
【0058】
また、現在の設定条件(上述の読取処理において用いられる現在の設定条件)と、S11又はS17で定められた最適条件とを比較し、現在の設定条件において、最適条件では不要とされる設定がなされている箇所(不要設定箇所)を特定し、その不要設定箇所を通知するようにしている。S14、S15はその一例であり、S14では現在の設定条件において設定される1又は複数のコード種において、上記最適条件では不要とされるコード種(余分なコード種)があるか否かを判断し(S14)、余分なコード種があればS14にてYesに進み、最適条件と余分なコード種とを示す情報とを併せて通知する(S15)。この通知に係る情報(改善用情報)としては、例えば「QRコードのみが必要コード種です」といった、必要なコード種のみを示すメッセージ、コード、ランプ表示、信号等の情報であっても良く、「データマトリックスコード、マキシコードの設定は解除してください」といった不要なコード種を示すメッセージ、コード、ランプ表示、信号等の情報であっても良い。或いは、「QRコードのみが必要コード種です。データマトリックスコード、マキシコードの設定は解除してください」といった、必要なコード種と不要なコード種を両方示すメッセージ、コード、ランプ表示、信号等の情報であっても良い。なお、図6(b)はS15での通知方法の一例を示している。なお、このような表示は、光学的情報読取装置20に接続されるコンピュータのディスプレイ100(図7参照)に表示するようにしてもよく、液晶表示器46に表示するようにしてもよい。
【0059】
なお、本実施形態では、制御回路40が「比較手段」の一例に相当し、S2〜S8において設定変更される複数の条件のうちのデコード処理(S3)が成功した1又は複数の読取成功条件と、現在の読取条件(読取処理で用いられる現在の設定条件)とを比較するように機能する。特に、複数の読取成功条件が得られた場合、その複数の読取成功条件のうちの最も誤り訂正数の少ない読取成功条件を最適条件とし、その最適条件と現在の読取条件とを比較するように機能する。
また、制御回路40及び液晶表示器46、或いは制御回路40及び通信インターフェース48が「通知手段」の一例に相当し、S2〜S8において読み取りが成功した読取成功条件と、現在の読取条件との比較結果に基づいて現在の読取条件の改善に用いる改善用情報を通知する機能を果たす。特に、複数の読取成功条件が得られ、その複数の読取成功条件のうちの最も誤り訂正数の少ない読取成功条件を最適条件とした場合、最適条件と現在の読取条件との比較結果に基づいて改善用情報を通知するようにしている。
また、上記「比較手段」は、現在の読取条件(上述の読取処理において用いられる現在の設定条件)において処理対象となっている対象コード種別と、S2〜S8において設定変更される複数のコード種別のうちのデコード処理(S3)が成功した成功コード種別(即ち、読取成功条件で設定されるコード種別)と、を比較する構成をなしており、上記「通知手段」は、対象コード種別から成功コード種別を除いた不要コード種別を「改善用情報」として通知するようにしている。
【0060】
「改善用情報」は、現在の読取条件(読取処理において用いられる現在の設定条件)における、読取成功条件と設定内容が異なる項目を特定しうる情報であり、S13で通知する情報、即ち、「現在の設定条件において、最適条件で必要とされる設定がなされていない項目(必要設定未設定項目)を示す情報」がこの「改善用情報」の一例に相当する。また、S15で通知する情報、即ち、「現在の設定条件において、最適条件では不要とされる設定がなされている項目(不要設定項目)を示す情報」も「改善用情報」の一例に相当する。さらに、S15で通知する「最適条件を示す情報」も「改善用情報」の一例に相当する。
【0061】
一方、図2のS16において読み取りが成功していないと判断される場合(即ち、読取成功条件なしの場合)、S16においてNoに進み、印字不良であることを示す情報(印字不良情報)を通知する。
【0062】
本実施形態では、S2〜S8において設定変更される複数の条件(即ち、4種類の条件についての複数の組み合わせ)についてそれぞれデコード処理(S3)が行われるようになっており、それらのデコード処理結果が所定の失敗状態となるか否かをS9、S16で判断している。具体的には、S2〜S8で変更された複数の条件全て(4種類の条件について変更された全ての組み合わせ)についてデコード処理が失敗した状態を前記「所定の失敗状態」としており、このような場合(即ち、S9でNoと判断され、S16でもNoと判断される場合)に、S18において情報コード(対象コード)が印字不良であることを示す印字不良情報を通知するようにしている。なお、この場合も、制御回路40及び液晶表示器46、或いは制御回路40及び通信インターフェース48が「通知手段」として機能することとなる。S18での通知に係る情報(印字不良情報)としては、「印字不良」といった印字不良であることを伝えるメッセージ、コード、ランプ表示、信号等の情報であってもよく、「印字状態を確認してください」「印字不良の可能性あり」といった印字不良の確認を促すメッセージや印字不良の可能性を伝えるメッセージ、コード、ランプ表示、信号等の情報であってもよい。図6(c)は、このような印字不良情報の表示例を示している。なお、このような表示は、光学的情報読取装置20に接続されるコンピュータのディスプレイ100(図7参照)に表示するようにしてもよく、液晶表示器46に表示するようにしてもよい。
【0063】
また、本実施形態では例えば図7のような構成で解析処理(図2)が行われるようになっている。図7に示すように、本実施形態に係る光学的情報読取装置20は、情報コードからの反射光を導入する読取口12と、受光センサ23と、を備えた読取部10を備えており、図7の例では、このような読取部10を設置対象物に位置決めする位置決め具60が設けられている。なお、図7では、情報コードが付された物品を載置するテーブル71を設置対象物としている。なお、装置位置決め具60は、「読取部位置決め手段」の一例に相当する。
【0064】
図2の解析処理が行われる解析モードでは、このような装置位置決め具60によって読取部10を位置決めした状態で受光センサ23に反射光が受光された結果得られる情報コード(対象コード)の画像データをデコード対象とし、S2〜S8にて変更される複数の設定の組み合わせ(複数の条件)についてそれぞれデコード処理(S3)を行うようにしている。
【0065】
図7の例では、装置位置決め具60(読取部位置決め手段)が載置面70上に載置して用いられるようになっており、図7のように情報コード(対象コード)が付された物品が載置面70上に載置された状態で読取部10内の受光センサ23により反射光が受光された結果得られる情報コードの画像データをデコード対象とし、S2〜S8にて変更される複数の設定の組み合わせ(複数の条件)についてそれぞれデコード処理(S3)を行うように構成されている。図7の装置位置決め具60は、光学的情報読取装置20の所定部位(図7の例ではグリップ部)を保持する保持部61と、設置対象物に支持される支持台62とを備えており、保持部61が支持台62に対して変位可能(たとえが回動可能)に構成されている。また、支持台62は、複数の部材62a〜62cが回動可能(ある程度の負荷を与えることにより回動する構成)に連結されており、複数の部材62a〜62cの姿勢が変化することにより、保持部61と載置面70との距離を変更できる構成となっている。なお、図7では、読取部位置決め具60が設置対象物に載置される例を示したが、設置対象物に載置以外の方法で固定(例えばねじ等の締結部材によって固定)する構成であってもよい。
【0066】
以上説明したように、本実施形態の構成では、解析モード(図2の解析処理中のモード)において読取条件を複数の条件に設定変更する構成をなしており、その設定変更される各読取条件ごとにそれぞれデコード処理(S3)を行うように構成されている。そして、設定変更される複数の条件のうちのデコード処理(S3)が成功した1又は複数の読取成功条件と、設定手段により設定される現在の読取条件と、を比較し、その比較結果に基づいて現在の読取条件の改善に用いる改善用情報を通知するようにしている。このようにすれば、デコード処理(S3)が成功した読取条件(読取成功条件)と現在の読取条件との比較結果に基づいてユーザが現在の読取条件を適切に評価でき、改善用情報に基づいて適切な対応(読取条件の設定見直し等)をとることができるようになる。
【0067】
また、誤り訂正機能を有する二次元コード(QRコード等)を解析の対象としており、設定変更される複数の条件についてそれぞれデコード処理(S3)を行ったときに複数の読取成功条件が得られた場合、最も誤り訂正数の少ない読取成功条件と、現在の読取条件とを比較し、その比較結果に基づく改善用情報を通知するようにしている。このようにすれば、最も誤り訂正数の少ない読取成功条件と現在の読取条件との比較結果に基づいてユーザが現在の読取条件を適切に評価でき、ユーザは、最も誤り訂正数の少ない読取成功条件に基づく適切な改善を行うことができる。
【0068】
また、現在の読取条件における、読取成功条件と設定内容が異なる項目情報を含むように改善用情報が構成されている。このようにすれば、読取成功条件と設定内容が異なる項目をユーザが的確に認識できるようになり、読取条件について迅速且つ効果的な改善作業を行うことができる。
【0069】
また、現在の読取条件において処理対象となっている対象コード種別と、デコード処理(S3)が成功した成功コード種別とを比較し、対象コード種別から成功コード種別を除いた不要コード種別を改善用情報として通知するようにしている。このようにすれば、不要なコード種別をユーザが的確に認識できるようになり、不要なコード種別を設定から除外する対応を迅速にとることができる。また、このように不要なコード種別を設定から除外できるようにすれば、読取処理の迅速化を効果的に図ることができる。
【0070】
また、解析モードにおいて、S2〜S8にて設定変更される各読取条件ごとにそれぞれデコード処理(S3)を行うように構成されている。そして、それら設定変更される複数の条件についてそれぞれデコード処理(S3)が行われたときの複数のデコード結果が所定の失敗状態となるか否かを判断し、所定の失敗状態と判断された場合に情報コードが印字不良であることを示す印字不良情報を通知するようにしている。このように、複数の条件についてのデコード処理結果がある状態(所定の失敗状態)となったときに印字不良情報を通知するようにすれば、印字不良が予想される場合にユーザが印字状態を注意できるようになり、必要に応じて適切な対応をとることができるようになる。
【0071】
より具体的には、S2〜S8にて設定変更される複数の条件の全てについてデコード処理(S3)が失敗したか否かを判断し、複数の条件の全てについてデコード処理(S3)が失敗した場合に印字不良情報を通知するようにしている。このように設定変更される複数の条件の全てについてデコード処理(S3)が失敗した場合、印字不良の蓋然性が高く、このようなときに印字不良情報を通知すれば、ユーザが適切な改善措置を講じやすくなる。
【0072】
また、解析モードにおいて、読取部位置決め具60により読取部10を位置決めした状態で受光された結果得られる情報コードの画像データをデコード対象とし、複数の条件についてそれぞれデコード処理(S3)を行うようにしている。このようにすれば、読取部10を安定的に位置決めした状態で解析を行うことができるため、デコード処理結果が所定の失敗状態となった場合に、その失敗原因から、「読取部が不適切位置或いは不適切状態であること」を除外しやすく、所定の失敗状態と印字不良との関連性をより高めやすくなる。
【0073】
読取部位置決め具60が、載置面70上に載置して用いられるものであり、情報コードが付された物品が載置面70上に載置された状態で受光された結果得られる情報コードの画像データをデコード対象とし、複数の条件についてそれぞれデコード処理(S3)を行うようにしている。このようにすれば、読取部10だけでなく、情報コードが付された物品をも安定的に位置決めして解析を行うことができるため、デコード処理結果が所定の失敗状態となった場合に、その失敗原因から「情報コードが不適切位置或いは不適切状態であること」を除外しやすく、所定の失敗状態と印字不良との関連性をより一層高めることができる。
【0074】
また、ダイレクトマーキングにより形成された情報コードを読み取り対象、解析対象としている。このようにダイレクトマーキングにより形成された情報コードを読取対象とする場合、読取条件として多くの項目を設定する必要があり、解析処理も複雑化しやすい。従って、ダイレクトマーキングにより形成された情報コードを読み取り対象、解析対象とする場合に本実施形態のような構成を用いれば、複雑化しやすい解析処理においてユーザが適切な評価を行うことができ、その結果、複雑な読取条件の設定に関して適切な対応をとることができる。
【0075】
また、光学的情報読取装置20では、少なくとも、画像データに対する白黒反転条件、表裏反転条件、コード種条件、画像処理条件、をそれぞれ設定する構成をなしており、それら4種類の条件を含んだ読取条件に従って画像データの読取処理を行う構成をなしている。そして解析処理では、これらの4種類の条件の組み合わせを変更して複数の条件をぞれぞれ定め、それら変更された条件についてそれぞれデコード処理(S3)を行うように構成されている。このように、白黒反転条件、表裏反転条件、コード種条件、画像処理条件をそれぞれ設定変更しうるように構成すれば、複雑な読取環境に対応しやすくなり、また4種類の組み合わせを変更して解析処理を行うようにすれば、綿密且つ良好な解析処理を行うことができる。一方、このように4種類の条件を変更して解析処理を行うようにすると、解析結果の評価や解析結果に応じた対応が問題となるが、本実施形態のような構成をとることにより、適切な評価、対応が可能となる。
【0076】
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0077】
上記実施形態では、所定の開始操作がなされることで解析モードに切り替わり、解析処理がなされる例を示したが、読取モードと解析モードとを切り替える方法はこれに限られない。例えば、読取処理中に解析処理が行われるようにしてもよい。具体的には、読取処理中に解析処理を行うか否かを設定できるように構成(例えば読取処理中に解析処理を行うことを示す設定情報をメモリ35に記憶できるように構成し)し、読取処理中に解析処理を行う設定がなされている場合には例えば読取処理開始直後に解析処理を行うようにし、読取処理中に解析処理を行う設定がなされていない場合には読取処理中に解析処理を行わないようにすることができる。
【0078】
上記実施形態では、光学的情報読取装置20の保持例として図7のような構成を例示したが、図8のようにしてもよい。なお、図8は、情報コードが付された物品の保持方法、装置位置決め具60の取付位置のみが図7と異なり、それ以外は図7と同様である。図8の例では、情報コードが付された物品を保持する情報コード位置決め具80(情報コード位置決め具80は、情報コード位置決め手段の一例に相当する)が設けられており、解析モードにおいて、情報コード位置決め具80により物品が位置決めされた状態で受光センサ23(図1)により反射光が受光された結果得られる情報コードの画像データをデコード対象とし、複数の条件についてそれぞれデコード処理(S3)を行うようにしている。情報コード位置決め具80は、情報コードが付された物品を保持する保持部(図8の例では物品を挟み込んで保持するクリップ81、82)が設けられており、この保持部(クリップ部81、82が、装置位置決め具60に対して位置決めされている。具体的には、クリップ部81、82を装置位置決め具60が設置されるテーブル75に連結して位置決めすることで装置位置決め具60と情報コード位置決め具80とを位置決めするようにしてもよく、クリップ部81、82から延びる連結部を別の部材(テーブル75と一定の位置関係を保つ別の部材)に取り付けるようにして位置決めしてもよい。なお、図8の例では、情報コードが付された物品を保持する部分(保持部)をクリップ構成としたが、物品を保持可能な構成であればこれに限定されない。
このようにすれば、読取部10だけでなく、情報コードが付された物品をも安定的に位置決めして解析を行うことができるため、デコード処理結果が所定の失敗状態となった場合に、その失敗原因から「情報コードが不適切位置或いは不適切状態であること」を除外しやすく、所定の失敗状態と印字不良との関連性をより一層高めることができる。なお、情報コード位置決め具80と装置位置決め具60は同一の対象(例えば同一のテーブル等)に取り付けられるものであってもよく、別々の対象に取り付けられるものであってもよい。また、図8の例では、情報コードが付された物品を挟持などにより保持する構成を例示したが、図9のように情報コードが付された物品を載置するように載置台として構成されるような情報コード位置決め具90を用いてもよい。なお、図9の例では、装置位置決め具60を取り付ける設置対象物(テーブル75)と、情報コード位置決め具90とが一定の位置関係に保たれるようになっている。
【0079】
上記実施形態では、4種類の設定条件(白黒反転条件、表裏反転条件、コード種条件、画像処理条件)を定める構成を例示したが、5種類以上の設定条件を定める構成であっても良く、2、3種類の設定条件を定める構成をも含む。5種類以上の設定条件を定める構成としては、上記4種類の設定条件以外に他種の設定条件を定めるようにすればよい。3種類以下の設定条件を定める構成としては、例えば(白黒反転条件、コード種条件、画像処理条件)を設定するような構成が挙げられ、この場合、これら3種類の設定を変更するようにS2〜S8の処理を行うようにすればよい。
【0080】
上記実施形態では、「所定の失敗状態」の一例を挙げたが、これに限られない。例えば、複数種類の設定条件の全ての組み合わせについてデコード処理が失敗した場合を「所定の失敗状態」としてもよい。例えば、図2の例において、外形検出が成功した場合は「所定の失敗状態」としないようにすることもできる。或いは、図2の解析処理のS2〜S8を多少変更し、外形検出にかかわらず複数種類(図2の例では4種類)の設定条件の全ての組み合わせについてデコード処理を行うようにし、全ての組み合わせについてデコード処理が失敗した場合を「所定の失敗状態」としてもよい。或いは、図2のような解析処理を所定回数(例えば3回)行ってもデコード処理が全て失敗する場合を「所定の失敗状態」とするようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係る光学的情報読取装置の電気的構成を例示するブロック図である。
【図2】図2は、図1の光学的情報読取装置で行われる解析処理の流れを例示するフローチャートである。
【図3】図3(a)は、白黒が通常状態のQRコードを示す図であり、図3(b)は、白黒が反転した状態のQRコードを示す図である。
【図4】図4(a)は、表裏が通常状態のQRコードを示す図であり、図4(b)は、表裏が反転した状態のQRコードを示す図である。
【図5】図5(a)は、読取成功条件が1つの場合のデータ構成を例示する説明図であり、図5(b)は、読取成功条件が複数の場合のデータ構成を例示する説明図である。
【図6】図6(a)(b)は、改善用情報を例示する説明図であり、図6(c)は、印字不良情報を例示する説明図である。
【図7】図7は、光学的情報読取装置及び情報コードが付された物品の位置決め例を示す説明図である。
【図8】図8は、図7とは異なる位置決め例を示す説明図である。
【図9】図9は、図7、図8とは異なる位置決め例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0082】
10…読取部
12…読取口
20…光学的情報読取装置
23…受光センサ(受光手段)
35…メモリ(記憶手段)
40…制御回路(設定手段、デコード手段、切替手段、変更手段、比較手段、通知手段判断手段)
60…装置位置決め具(読取部位置決め手段)
70…載置面
80…対象物品位置決め具(情報コード位置決め手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報コードからの反射光を受光する受光手段と、
前記受光手段での前記反射光の受光結果に基づく前記情報コードの画像データを記憶する記憶手段と、
読取モードにおける前記画像データの読取条件を設定する設定手段と、
前記読取条件に従い、前記画像データのデコード処理を行うデコード手段と、
を備えた光学的情報読取装置であって、
前記読取モードと解析モードとを切り替える切替手段と、
前記解析モードにおいて、前記設定手段により設定される前記読取条件を複数の条件に設定変更する変更手段と、
を備え、
前記デコード手段は、前記解析モードにおいて、前記変更手段により設定変更される各読取条件ごとにそれぞれ前記デコード処理を行うように構成されており、
前記変更手段により設定変更される前記複数の条件のうちの前記デコード処理が成功した1又は複数の読取成功条件と、前記設定手段により設定される現在の前記読取条件と、を比較する比較手段と、
前記比較手段による前記読取成功条件と現在の前記読取条件との比較結果に基づいて現在の前記読取条件の改善に用いる改善用情報を通知する通知手段と、
が設けられていることを特徴とする光学的情報読取装置。
【請求項2】
前記情報コードは、誤り訂正機能を有する二次元コードであり、
前記変更手段により設定変更される前記複数の条件についてそれぞれ前記デコード処理を行ったときに複数の前記読取成功条件が得られた場合、前記比較手段は、その複数の前記読取成功条件のうちの最も誤り訂正数の少ない前記読取成功条件と、現在の前記読取条件とを比較し、
前記通知手段は、最も誤り訂正数の少ない前記読取成功条件と現在の前記読取条件との比較結果に基づいて前記改善用情報を通知することを特徴とする請求項1に記載の光学的情報読取装置。
【請求項3】
前記改善用情報は、前記設定手段により設定される現在の前記読取条件における、前記読取成功条件と設定内容が異なる項目情報を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光学的情報読取装置。
【請求項4】
前記設定手段は、前記読取条件として少なくとも処理対象となるコード種別の条件を設定する構成をなし、
前記変更手段は、少なくとも前記コード種別の条件を設定変更する構成をなしており、
前記比較手段は、現在の前記読取条件において処理対象となっている対象コード種別と、前記変更手段により設定変更される複数のコード種別のうちの前記デコード処理が成功した成功コード種別と、を比較し、
前記通知手段は、前記対象コード種別から前記成功コード種別を除いた不要コード種別を前記改善用情報として通知することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【請求項5】
情報コードからの反射光を受光する受光手段と、
前記受光手段での前記反射光の受光結果に基づく前記情報コードの画像データを記憶する記憶手段と、
読取モードにおける前記画像データの読取条件を設定する設定手段と、
前記読取条件に従い、前記画像データのデコード処理を行うデコード手段と、
を備えた光学的情報読取装置であって、
前記読取モードと解析モードとを切り替える切替手段と、
前記解析モードにおいて、前記設定手段により設定される前記読取条件を複数の条件に設定変更する変更手段と、
を備え、
前記デコード手段は、前記解析モードにおいて、前記変更手段により設定変更される各読取条件ごとにそれぞれ前記デコード処理を行うように構成されており、
前記変更手段により設定変更される前記複数の条件についてそれぞれ前記デコード処理が行われたときの複数のデコード結果が所定の失敗状態となるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により前記所定の失敗状態と判断された場合に前記情報コードが印字不良であることを示す印字不良情報を通知する通知手段と、
が設けられていることを特徴とする光学的情報読取装置。
【請求項6】
前記判断手段は、前記変更手段により設定変更される前記複数の条件の全てについて前記デコード処理が失敗したか否かを判断し、
前記通知手段は、前記複数の条件の全てについて前記デコード処理が失敗した場合に前記印字不良情報を通知することを特徴とする請求項5に記載の光学的情報読取措置。
【請求項7】
前記情報コードからの前記反射光を導入する読取口と、前記受光手段と、を備えた読取部を設置対象物に位置決めする読取部位置決め手段を備え、
前記デコード手段は、前記解析モードにおいて、前記読取部位置決め手段により前記読取部を位置決めした状態で前記受光手段により前記反射光が受光された結果得られる前記情報コードの前記画像データをデコード対象とし、前記複数の条件についてそれぞれ前記デコード処理を行うことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の光学的情報読取装置。
【請求項8】
前記情報コードが付された物品を載置又は保持する情報コード位置決め手段を備え、
前記デコード手段は、前記解析モードにおいて、前記情報コード位置決め手段により前記物品が位置決めされた状態で前記受光手段により前記反射光が受光された結果得られる前記情報コードの前記画像データをデコード対象とし、前記複数の条件についてそれぞれ前記デコード処理を行うことを特徴とする請求項7に記載の光学的情報読取装置。
【請求項9】
前記読取部位置決め手段は、載置面上に載置して用いられるものであり、
前記デコード手段は、前記情報コードが付された物品が前記載置面上に載置された状態で前記受光手段により前記反射光が受光された結果得られる前記情報コードの前記画像データをデコード対象とし、前記複数の条件についてそれぞれ前記デコード処理を行うことを特徴とする請求項7に記載の光学的情報読取装置。
【請求項10】
前記情報コードは、ダイレクトマーキングにより形成されたものであることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【請求項11】
前記設定手段は、少なくとも、前記画像データに対する白黒反転条件、表裏反転条件、コード種条件、画像処理条件、をそれぞれ設定する構成をなし、
前記デコード手段は、それら4種類の条件を含んだ前記読取条件に従って前記画像データの前記デコード処理を行う構成をなしており、
前記変更手段は、前記4種類の条件の組み合わせを変更して前記複数の条件をぞれぞれ定めることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−187209(P2009−187209A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−25420(P2008−25420)
【出願日】平成20年2月5日(2008.2.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】