説明

光学素子成型装置

【課題】偏芯が抑制された光学素子を成型することを容易にする、光学素子成型装置を実現する。
【解決手段】光学素子成型装置100の光検出器6は、ビームスプリッタ5によって光検出器6へと導かれたビームに基づいて、対向配置された金型上11aおよび金型下11bの傾斜角度を検出すると共に、ビームスプリッタ4によって光検出器6へと導かれたビームに基づいて、成型部上12aとそれと対向する成型部下12bとの間の平行偏芯を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形型の形状の転写によって、光学素子を成型する、光学素子成型装置に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、対向配置された金型支持体に、平行度を保つための検出手段を設ける技術が開示されている。
【0003】
しかしながら、特許文献1に係る技術は、金型支持体と金型との間の平行度を精度良く作製する必要があり、この平行度が損なわれた場合、所望の検出精度が得られないという問題が発生する。また、特許文献1に係る技術は、金型自体で発生する偏芯を検出することができないという問題が発生する。
【0004】
そこで、上記の問題を解決するために、特許文献2には、金型から反射される反射光から型間偏芯を検出する機構を設ける技術が開示されている。また、特許文献2に係る技術では、上型に平面部を設け、この平面部から反射される反射光を検出することで、上型のチルト調整を行う(同文献図3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭63−295450号公報(1988年12月1日公開)
【特許文献2】特開平4−342429号公報(1992年11月27日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2に係る技術は、光学素子アレイを成型する型に対して適用することができないという問題が発生する。具体的に、特許文献2に係る技術は、光学素子アレイを成型する型における偏芯に特有の、光軸周りの回転方向(光軸に垂直な面における回転方向)に関する、光学素子アレイ(およびそれを構成する各光学素子)の回転度合が検出できないという問題が発生する。
【0007】
また、特許文献2に係る技術は、両面が球面のレンズを成型する型に対して適用することができないという問題が発生する。具体的に、特許文献2に係る技術は、下型が球面レンズ用の型である場合、下型におけるレンズ成型部分の形状が球状表面となり、下型が傾斜しても、該レンズ成型部分からの反射光の分布が変化しないため、チルト検出が不可能になるという問題が発生する。
【0008】
以上のことから、特許文献2に係る技術は、光学素子アレイまたは両面が球面のレンズを成型する型において、偏芯を検出することが困難であるため、偏芯が抑制された光学素子を成型することが困難であるという問題が発生する。
【0009】
本発明は、上記の問題に鑑みて為された発明であり、その目的は、偏芯が抑制された光学素子を成型することを容易にする、光学素子成型装置を実現することにある。
【0010】
すなわち、本発明は、光学素子の両面の形状を転写する、金型同士の傾きおよび軸ズレを調整することを課題としている。特に、光学素子アレイ(ウエハレベルレンズ等)の場合、偏芯の調整としては、金型の光軸周りの回転方向の調整も必要となる。このため、特許文献1および2に係る各技術のように、外径の支持体だけでは、金型の偏芯の粗調整すらできず、その傾斜が急峻な構造であるメニスカスレンズを成型するときには、成型時の偏芯に起因して金型同士が接触し、破損する恐れがある。このため、光学素子成型装置としては、金型を、容易かつ正確に調芯することの可能なものが必要となっている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の光学素子成型装置は、上記の問題を解決するために、光学素子の有効口径を成型する成型部と、該成型部の周囲に配置された平坦部と、が設けられた型が、対向配置されてなる成形型と、対向配置された各型の成型部間の平行偏芯を検出する光検出器と、を備える光学素子成型装置であって、入射されたビームを、対向配置された各型の平坦部へと導き、かつ、各平坦部での反射を経て得られたビームを、光検出器へと導くための平坦部反射機構と、入射されたビームを、対向配置された各型の成型部へと導き、かつ、各成型部での反射を経て得られたビームを、光検出器へと導くための成型部反射機構と、を備え、上記光検出器は、上記平坦部反射機構によって光検出器へと導かれたビームに基づいて、対向配置された各型の傾斜角度を検出すると共に、上記成型部反射機構によって光検出器へと導かれたビームに基づいて、上記平行偏芯を検出するものであることを特徴としている。
【0012】
上記の構成によれば、平坦部反射機構を用いて、対向配置された各型の傾斜角度を、各平坦部からの反射ビームに基づいて検出する。対向配置された各型のいずれかが傾斜すると、両面が球面のレンズを成型する型であるか否かに関わらず、各平坦部からの反射ビームの光分布が変化するため、この変化を光検出器で検出することによって、該傾斜角度を検出することが可能になる。そして、傾斜角度の偏芯調整後、成型部反射機構を用いて、対向配置された各型の成型部間の平行偏芯を検出することで、両面が球面のレンズを成型する型に対する、偏芯の検出および調整が可能になる。
【0013】
従って、本発明の光学素子成型装置は、偏芯が抑制された光学素子を容易に成型することを可能とするものである。
【0014】
また、本発明の光学素子成型装置は、上記平坦部反射機構および成型部反射機構にビームを入射させるための光源を備え、上記平坦部反射機構および成型部反射機構は、ビームスプリッタであることを特徴としている。
【0015】
また、本発明の光学素子成型装置は、上記平坦部反射機構および成型部反射機構にビームを入射させるための光源を2つ備え、上記平坦部反射機構および成型部反射機構は、光源毎かつ対向配置された型毎に対応付けて配置されたミラーであることを特徴としている。
【0016】
上記の構成によれば、型のずれを、型の反射を経て得られたビームによって、容易に検出することが可能になる。
【0017】
また、本発明の光学素子成型装置は、上記光源から入射されたビームを、少なくとも2つのビームに分割し、分割したビームの一方を光検出器に向けて出射すると共に、分割したビームの他方を上記平坦部反射機構および成型部反射機構に向けて出射するビーム分割機構を備えることを特徴としている。
【0018】
上記の構成によれば、光源からビーム分割機構を通過したビームと、上記平坦部反射機構および成型部反射機構からビーム分割機構を通過したビームと、の位置ずれから、傾斜角度および平行偏芯を検出することができるため、該検出を容易にすることができる。
【0019】
また、本発明の光学素子成型装置は、対向配置された各型の成型部は、上記成形型において複数組設けられており、上記成型部反射機構は、対向配置された各型の成型部の、少なくとも2組に対して、上記平行偏芯を検出するためのものであることを特徴としている。また、本発明の光学素子成型装置は、対向配置された各型の成型部の組み合わせ毎に、上記成型部反射機構が設けられていることを特徴としている。
【0020】
上記の構成によれば、複数組設けられた、対向配置された各型の成型部の組み合わせを有する型、換言すれば、光学素子アレイを成形する型において、少なくとも2組の、成型部の組み合わせに関して、平行偏芯の調芯を行うことにより、成形型において成型される各光学素子の光軸周りの回転方向(光軸に垂直な面における回転方向)の回転度合の調芯が可能となる。該調芯の実現は、成形型の粗調整の実施に際しても、都合がよい。
【発明の効果】
【0021】
以上のとおり、本発明の光学素子成型装置は、光学素子の有効口径を成型する成型部と、該成型部の周囲に配置された平坦部と、が設けられた型が、対向配置されてなる成形型と、対向配置された各型の成型部間の平行偏芯を検出する光検出器と、を備える光学素子成型装置であって、入射されたビームを、対向配置された各型の平坦部へと導き、かつ、各平坦部での反射を経て得られたビームを、光検出器へと導くための平坦部反射機構と、入射されたビームを、対向配置された各型の成型部へと導き、かつ、各成型部での反射を経て得られたビームを、光検出器へと導くための成型部反射機構と、を備え、上記光検出器は、上記平坦部反射機構によって光検出器へと導かれたビームに基づいて、対向配置された各型の傾斜角度を検出すると共に、上記成型部反射機構によって光検出器へと導かれたビームに基づいて、上記平行偏芯を検出するものである。
【0022】
従って、本発明の光学素子成型装置は、偏芯が抑制された光学素子を容易に成型することを可能とするという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態に係る光学素子成型装置の概略構成を示す断面図である。
【図2】図1に示す光学素子成型装置の動作原理を説明する概略図である。
【図3】本発明の別の実施形態に係る光学素子成型装置の概略構成を示す断面図である。
【図4】図3に示す光学素子成型装置の動作原理を説明する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
〔実施の形態1〕
図1に示す光学素子成型装置100は、金型(成形型)1、光源2、ビームスプリッタ3〜5、および、光検出器6を備える構成である。
【0025】
金型1は、樹脂等の被成型物を、レンズ等の光学素子へと成型するものであり、金型上11aおよび金型下11bという、2個の型からなる。
【0026】
金型上11aには、光学素子の一方の面(有効口径)を成型する成型部上12aが、被成型物を成型すべき面に対して、複数個(図1では4個)配置されている。
【0027】
金型下11bには、光学素子の他方の面(有効口径)を成型する成型部下12bが、被成型物を成型すべき面に対して、複数個(図1では4個)配置されている。
【0028】
また、金型上11aおよび金型下11bは、被成型物を成型すべき面同士が、対向するように配置されている。具体的に、金型上11aおよび金型下11bは、各成型部上12aが、対応する各成型部下12bと、Z(紙面と平行な上下)方向に関して対向するように配置されている。
【0029】
以下、ある1個の成型部上12a、および、それと対向する1個の成型部下12bをまとめて「成型部の組み合わせ」と称する。また、説明の便宜上、図1〜図4では、互いに垂直の関係にある、Z方向、X(紙面と平行な左右)方向、および、Y(紙面と垂直な)方向を、仮に規定している。
【0030】
金型上11aには、各成型部上12aの周囲に、平坦部上13aが設けられている。平坦部上13aは、金型上11aにおいて、隣り合う2個の成型部上12a間の各々に設けられた平面領域である。
【0031】
金型下11bには、各成型部下12bの周囲に、平坦部下13bが設けられている。平坦部下13bは、金型下11bにおいて、隣り合う2個の成型部下12b間の各々に設けられた平面領域である。
【0032】
成型時において、金型1は、金型上11aと金型下11bとの間に供給された被成型物を、金型上11aおよび金型下11bによってプレスする。
【0033】
金型上11aは、供給された被成型物に対して、各成型部上12aと反対の形状をそれぞれ転写することで該被成型物を変形させ、各光学素子の一方の面を成型する。
【0034】
金型下11bは、供給された被成型物に対して、各成型部下12bと反対の形状をそれぞれ転写することで該被成型物を変形させ、各光学素子の他方の面を成型する。
【0035】
これにより、金型1によって、被成型物は、一方の面に対して成型部上12aと反対の形状が有効口径(レンズ面)として転写されていると共に、それと対向する他方の面に対して成型部下12bと反対の形状が有効口径(レンズ面)として転写されている、光学素子へと成型される。光学素子は、成型部の組み合わせ毎に1個成型されることとなる。
【0036】
また、Z方向に関して、平坦部上13aと平坦部下13bとは、金型上11aおよび金型下11bによるプレス時において、互いに接触しない程度に僅かに離間されている。このため、該プレス時において、被成型物は、この離間された空隙に供給され、平坦部上13aおよび平坦部下13bによって、平面形状が転写される。この平面形状の転写は、被成型物に対して、平面部を成型する。そして、成型後において、成形された各光学素子は、該平面部を介して一体化されることとなる。なお、この、平面部を介して各光学素子が一体化された構造は、本発明に係る光学素子アレイ(レンズアレイ)に相当する。
【0037】
成型部上12aおよび成型部下12bはいずれも、図示の便宜上、X方向に沿って複数個配置されている様子のみが図示されているが、これと同様に、Y方向に沿って複数個配置されていてもよい。金型上11aおよび金型下11bは、互いに対向する、被成型物を成型すべき面(図1〜図4では、互いに向かい合う、X方向およびY方向からなる面)において、金型上11aには成型部上12aが、金型下11bには成型部下12bが、各々少なくとも1個設けられていればよい。
【0038】
なお、成型部上12aおよび成型部下12bはいずれも、図1に示すような球状の表面を有していてもよいし、非球面である表面を有していてもよい。
【0039】
また、成型部上12aは、図1において凹形状であるが凸形状であってもよいし、成型部下12bは、図1において凸形状であるが凹形状であってもよい。
【0040】
また、金型1は、成型部上12aおよび平坦部上13aを有する金型上11aと、成型部下12bおよび平坦部下13bを有する金型下11bと、を備える必要がある。但し、金型1における成型部の組み合わせの数は、複数に限定されず1であってもよい。
【0041】
さらに、金型1は、被成型物に対する光学素子への成型が可能であること、および、光を反射するものであることさえ満足されれば、その材料が特に限定されず、金属以外の材料からなる成形型に置換されてもよい。
【0042】
金型1は、図3に示す光学素子成型装置300(詳細は後述)においても、以上に説明したものと同様の構成を有する。
【0043】
光源2は、金型1の横、換言すれば、金型1に関して、被成型物を成型すべき各面に対して平行な方向に配置されている。光源2は、金型1に向けて細い平行ビームを出射することが可能なものであり、例えば、周知の半導体レーザが使用される。光源2は、図1において1個であるが、複数個であってもよい。
【0044】
ビームスプリッタ3〜5はそれぞれ、入射された1つのビームを、2つ、もしくは3つ以上の分離したビームに分割するものである。
【0045】
ビームスプリッタ(ビーム分割機構)3は、光源2と、ビームスプリッタ4および5と、の間に配置されており、かつ、光源2から出射されるビームの光軸上に配置されている。
【0046】
ビームスプリッタ3は、光源2から出射されたビームが入射されると、該ビームを少なくとも2つのビームに分割して出射する。分割後に出射された2つのビームのうち、一方は光検出器6に向けて出射され、他方はビームスプリッタ4および5に向けて出射される。
【0047】
ビームスプリッタ4および5はいずれも、ビームスプリッタ3からビームスプリッタ4および5に向けて出射されるビームの光軸上に配置されている。
【0048】
ビームスプリッタ(成型部反射機構)4は、ある1組の成型部の組み合わせを構成する、成型部上12aと成型部下12bとの間に配置されている。ビームスプリッタ4は、該成型部上12aにおける、光学素子の一方の面の頂点に対応する頂点上12acと、該成型部下12bにおける、光学素子の他方の面の頂点に対応する頂点下12bcと、の間に配置されることを目的とするものである。
【0049】
ビームスプリッタ4は、ビームスプリッタ3から出射されたビームが入射されると、該ビームを、ビームスプリッタ4が配置された位置に対応する、1組の成型部の組み合わせを構成する、成型部上12aと成型部下12bとの両方にて反射させるように、該成型部上12aおよび該成型部下12bに導く。なお、成型部上12aに導かれたビームは、成型部上12aにて反射され、その反射ビームは、再びビームスプリッタ4に入射されると共に、成型部下12bに導かれたビームは、成型部下12bにて反射され、その反射ビームは、再びビームスプリッタ4に入射されるようになっている。
【0050】
ビームスプリッタ4は、成型部上12aと成型部下12bとの両方での反射を経て得られたビームが入射されると、該ビームを、ビームスプリッタ3に導く。ビームスプリッタ4からビームスプリッタ3に導かれたビームは、ビームスプリッタ3を通じて、光検出器6に向けて出射される。
【0051】
ビームスプリッタ(平坦部反射機構)5は、平坦部上13aと、それと対向する平坦部下13bと、の間に配置されている。
【0052】
ビームスプリッタ5は、ビームスプリッタ3から出射されたビームが入射されると、該ビームを、ビームスプリッタ5が配置された位置に対応する、平坦部上13aと、それと対向する平坦部下13bと、の両方にて反射させるように、該平坦部上13aおよび該平坦部下13bに導く。なお、平坦部上13aに導かれたビームは、平坦部上13aにて反射され、その反射ビームは、再びビームスプリッタ5に入射されると共に、平坦部下13bに導かれたビームは、平坦部下13bにて反射され、その反射ビームは、再びビームスプリッタ5に入射されるようになっている。
【0053】
ビームスプリッタ5は、平坦部上13aと、それと対向する平坦部下13bと、の両方での反射を経て得られたビームが入射されると、該ビームを、ビームスプリッタ3に導く。ビームスプリッタ5からビームスプリッタ3に導かれたビームは、ビームスプリッタ3を通じて、光検出器6に向けて出射される。
【0054】
光検出器6は、フォトディテクタ等の、周知の光位置検出素子を用いて構成されている。
【0055】
上述したとおり、光検出器6に対しては、光源2からのビームがビームスプリッタ3によって分割されたビーム、ビームスプリッタ4からビームスプリッタ3を通じて得られたビーム、および、ビームスプリッタ5からビームスプリッタ3を通じて得られたビームが導かれる。
【0056】
光検出器6に導かれた各ビームは、光検出器6の表面上に照射および集光され、それぞれ異なる光スポット(集光スポットとも言う)を形成する。光スポットとは、細い光をある面に照射したときに、その照射部分に現れる領域であって、他の部分よりも光の強度が高くなっている領域を意味する。
【0057】
光検出器6は、その表面上に形成された各光スポット同士の位置ずれ量に基づいて、金型1の、具体的には、金型上11aに対する金型下11bの、位置ずれ量および/または角度ずれ量を知ることを目的に設けられたものである。この、金型上11aに対する金型下11bの、位置ずれ量および/または角度ずれ量は、金型1における偏芯に相当する。
【0058】
図2は、図1に示す光学素子成型装置100の動作原理を説明する概略図である。
【0059】
光源2から出射された平行ビーム21は、ビームスプリッタ3に入射される。
【0060】
ビームスプリッタ3は、入射された平行ビーム21を、光検出器6に向けて出射されたビーム22と、ビームスプリッタ4(5)に向けて出射されたビーム23と、に分割して出射する。
【0061】
ビームスプリッタ3から光検出器6に向けて出射されたビーム22は、光検出器6の表面上に照射および集光され、光スポットS1を形成する。
【0062】
ビームスプリッタ3からビームスプリッタ4(5)に向けて出射されたビーム23は、ビームスプリッタ4(5)に入射される。
【0063】
ビームスプリッタ4(5)は、入射されたビーム23を反射させ、ビーム24として、金型上11aに導く。
【0064】
金型上11aに導かれたビーム24は、金型上11aにて反射され、その反射ビーム25は、ビームスプリッタ4(5)に入射される。
【0065】
ビームスプリッタ4(5)は、入射されたビーム25を透過させ、ビーム26として、金型下11bに導く。
【0066】
金型下11bに導かれたビーム26は、金型下11bにて反射され、その反射ビーム27は、ビームスプリッタ4(5)に入射される。
【0067】
ビームスプリッタ4(5)は、入射されたビーム27を透過させ、ビーム28として、金型上11aに導く。
【0068】
金型上11aに導かれたビーム28は、金型上11aにて反射され、その反射ビーム29は、ビームスプリッタ4(5)に入射される。
【0069】
ビームスプリッタ4(5)は、入射されたビーム29を反射させ、ビーム30として、ビームスプリッタ3に導く。
【0070】
ビームスプリッタ4(5)からビームスプリッタ3に導かれたビーム30は、ビームスプリッタ3に入射される。
【0071】
ビームスプリッタ3は、入射されたビーム30を反射させ、ビーム31として、光検出器6に向けて出射する。
【0072】
ビームスプリッタ3から光検出器6に向けて出射されたビーム31は、光検出器6の表面上に照射および集光され、光スポットS2を形成する。
【0073】
光スポットS1が形成された位置と、光スポットS2が形成された位置と、が一致している場合、金型上11aに対する金型下11bの、位置ずれおよび/または角度ずれ、すなわち、金型1における偏芯は、発生していないとみなすことができる。このとき、金型上11aおよび金型下11bは、相互間での位置ずれまたは角度ずれのない、理想的な配置関係となっており、金型1は、偏芯が充分に抑制された光学素子を成型することが可能となる。
【0074】
光スポットS1が形成された位置と、光スポットS2が形成された位置と、が一致していない場合、金型1における偏芯が発生しているとみなすことができ、該偏芯の量(検出した型の偏芯量)は、光スポットS1と光スポットS2との間隔dのベクトル量に依存することになる。
【0075】
便宜上、ここでは、ビームスプリッタ4(5)に入射されたビーム23が、金型上11aで2回、金型下11bで1回反射された後、ビームスプリッタ3に向けて出射されるものとして説明した。但し、実際、ビームスプリッタ4(5)に入射されたビーム23は、金型上11aと金型下11bとの間で、無数の反射が繰り返された後、ビームスプリッタ3に向けて出射されるものであることを理解されたい。
【0076】
なお、ビームスプリッタ4(5)とは、ビームスプリッタ4であると仮定しても、ビームスプリッタ5であると仮定しても、どちらでもよい旨意味しており、ビームスプリッタ4および5で、その動作原理が同様であることを意味している。
【0077】
つまり、ビームスプリッタ4(5)がビームスプリッタ4であると仮定した場合、ビーム24および28は、金型上11aの成型部上12a(図1参照)にて反射され、かつ、ビーム26は、金型下11bの成型部下12b(図1参照)にて反射される。
【0078】
同様に、ビームスプリッタ4(5)がビームスプリッタ5であると仮定した場合、ビーム24および28は、金型上11aの平坦部上13a(図1参照)にて反射され、かつ、ビーム26は、金型下11bの平坦部下13b(図1参照)にて反射される。
【0079】
以上の構成を有する光学素子成型装置100によって、金型1における偏芯を是正する(以下、この行為を調芯と称する)手法について、説明する。
【0080】
まず、光源2から平行ビームを出射し、光検出器6の表面上に光スポットS1(図2参照)を形成させると共に、ビームスプリッタ5を用いて、光検出器6の表面上に光スポットS2(図2参照)を形成させる。そして、金型上11aおよび/または金型下11bの傾斜角度を調整し、光スポットS1が形成される位置と、光スポットS2が形成される位置と、を一致させる。これらの位置が一致したとき、金型上11aにおける被成型物を成型すべき面(成型部上12aが設けられている面)、および、金型下11bにおける被成型物を成型すべき面(成型部下12bが設けられている面)はいずれも、適切な傾斜角度となり、かつ、互いに平行となる。こうして、金型1における、金型上11aと金型下11bとの平行度を是正することで、傾き偏芯の調芯が可能となる。
【0081】
続いて、予め、ビームスプリッタ4から金型上11aに導かれるビーム(すなわち、図2に示すビーム24)が、ある1組の成型部の組み合わせに係る、頂点上12acに向けて出射されるように、ビームスプリッタ4または金型上11aの、X方向およびY方向における位置を調整しておく。その後、光源2から平行ビームを出射し、光検出器6の表面上に光スポットS1(図2参照)を形成させると共に、ビームスプリッタ4を用いて、光検出器6の表面上に光スポットS2(図2参照)を形成させる。そして、金型下11bの、X方向およびY方向における位置を調整し、光スポットS1が形成される位置と、光スポットS2が形成される位置と、を一致させる。これらの位置が一致したとき、上記1組の成型部の組み合わせに係る、頂点上12acと頂点下12bcとは、互いに同一のZ方向(上述した、適切な傾斜角度に対して垂直な方向)に伸びる直線上に位置することになる。こうして、金型1における、上記1組の成型部の組み合わせに関する、成型部上12aと、それと対向する成型部下12bと、の間の平行偏芯(光学素子における両面の各中心間の、位置ずれの量)の調芯が可能となる。
【0082】
続いて、上記と別の、少なくとも1組の成型部の組み合わせに関して、上記と同様の平行偏芯の調芯を行う。このとき、上記と別の該成型部の組み合わせに対してビームを導くように、ビームスプリッタ4を移動させてもよいし、別のビームスプリッタ4を新たに設け(対向配置された各型の成型部の組み合わせ毎に、成型部反射機構が設けられ)てもよい。この結果、少なくとも2組の成型部の組み合わせに関して、平行偏芯の調芯が行われたことになるため、各光学素子の光軸周りの回転方向(光軸に垂直な面における回転方向)、すなわち、X方向およびY方向からなる面に沿った、金型上11aに対する金型下11bの回転度合の調芯が可能となる。
【0083】
なお、ビームスプリッタ4および5は、別体として設けられている必要はなく、金型1の調芯作業に応じて移動させることが可能な、1つの同じビームスプリッタが共用されていてもよい。
【0084】
また、金型上11aおよび金型下11bの、傾斜角度および/または位置を調整するための構成としては、金型上11aおよび金型下11bをそれぞれ可動式の台座に取り付け、この台座を移動させることによって、実現可能である。このような構成は、周知慣用技術によって容易に実現可能なものであるため、詳細な説明については省略する。
【0085】
〔実施の形態2〕
図3に示す光学素子成型装置300と、図1に示す光学素子成型装置100と、の相違点は、以下のとおりである。
【0086】
光源2は、1個の光源を有するものから、光源2aおよび2bという2個の光源を有するものへと変更されている。
【0087】
光源2aおよび2bは、それぞれ光源2と同様の構成であり、相対的な位置関係が既知であるものである。
【0088】
ビームスプリッタ4および5は、ミラー34および35へと変更されている。
【0089】
ミラー(成型部反射機構)34は、ビームスプリッタ4と同様の位置に配置されているものであり、ミラー34上34aおよびミラー34下34bを備えている。
【0090】
ミラー34上34aは、光源2aから出射されたビームが、ビームスプリッタ3によって分割されたビームが入射されると、分割された該ビームを反射し、ミラー34が配置された位置に対応する、1組の成型部の組み合わせを構成する、成型部上12aに導く。成型部上12aに導かれたビームは、成型部上12aにて反射され、その反射ビームは、再びミラー34上34aにて反射され、ビームスプリッタ3に導かれる。ミラー34上34aからビームスプリッタ3に導かれたビームは、ビームスプリッタ3を通じて、光検出器6に向けて出射される。
【0091】
ミラー34下34bは、光源2bから出射されたビームが、ビームスプリッタ3によって分割されたビームが入射されると、分割された該ビームを反射し、ミラー34が配置された位置に対応する、1組の成型部の組み合わせを構成する、成型部下12bに導く。成型部下12bに導かれたビームは、成型部下12bにて反射され、その反射ビームは、再びミラー34下34bにて反射され、ビームスプリッタ3に導かれる。ミラー34下34bからビームスプリッタ3に導かれたビームは、ビームスプリッタ3を通じて、光検出器6に向けて出射される。
【0092】
ミラー(平坦部反射機構)35は、ビームスプリッタ5と同様の位置に配置されているものであり、ミラー35上35aおよびミラー35下35bを備えている。
【0093】
ミラー35上35aは、光源2aから出射されたビームが、ビームスプリッタ3によって分割されたビームが入射されると、分割された該ビームを反射し、ミラー35が配置された位置に対応する、平坦部上13aに導く。平坦部上13aに導かれたビームは、平坦部上13aにて反射され、その反射ビームは、再びミラー35上35aにて反射され、ビームスプリッタ3に導かれる。ミラー35上35aからビームスプリッタ3に導かれたビームは、ビームスプリッタ3を通じて、光検出器6に向けて出射される。
【0094】
ミラー35下35bは、光源2bから出射されたビームが、ビームスプリッタ3によって分割されたビームが入射されると、分割された該ビームを反射し、ミラー35が配置された位置に対応する、平坦部下13bに導く。平坦部下13bに導かれたビームは、平坦部下13bにて反射され、その反射ビームは、再びミラー35下35bにて反射され、ビームスプリッタ3に導かれる。ミラー35下35bからビームスプリッタ3に導かれたビームは、ビームスプリッタ3を通じて、光検出器6に向けて出射される。
【0095】
光検出器6に対しては、光源2aからのビームがビームスプリッタ3によって分割されたビーム、光源2bからのビームがビームスプリッタ3によって分割されたビーム、ミラー34上34aからビームスプリッタ3を通じて得られたビーム、ミラー34下34bからビームスプリッタ3を通じて得られたビーム、ミラー35上35aからビームスプリッタ3を通じて得られたビーム、および、ミラー35下35bからビームスプリッタ3を通じて得られたビームが導かれる。
【0096】
図4は、図3に示す光学素子成型装置300の動作原理を説明する概略図である。
【0097】
光源2aから出射された平行ビーム41aは、ビームスプリッタ3に入射される。
【0098】
ビームスプリッタ3は、入射された平行ビーム41aを、光検出器6に向けて出射されたビーム42aと、ミラー上34a(35a)に向けて出射されたビーム43aと、に分割して出射する。
【0099】
ビームスプリッタ3から光検出器6に向けて出射されたビーム42aは、光検出器6の表面上に照射および集光され、光スポットS1aを形成する。
【0100】
ビームスプリッタ3からミラー上34a(35a)に向けて出射されたビーム43aは、ミラー上34a(35a)にて反射される。
【0101】
ミラー上34a(35a)は、反射させたビーム43aを、ビーム44aとして、金型上11aに導く。
【0102】
金型上11aに導かれたビーム44aは、金型上11aにて反射され、その反射ビーム45aは、ミラー上34a(35a)にて反射される。
【0103】
ミラー上34a(35a)は、反射させたビーム45aを、ビーム46aとして、ビームスプリッタ3に導く。
【0104】
ミラー上34a(35a)からビームスプリッタ3に導かれたビーム46aは、ビームスプリッタ3に入射される。
【0105】
ビームスプリッタ3は、入射されたビーム46aを反射させ、ビーム47aとして、光検出器6に向けて出射する。
【0106】
ビームスプリッタ3から光検出器6に向けて出射されたビーム47aは、光検出器6の表面上に照射および集光され、光スポットS2aを形成する。
【0107】
光源2bから出射された平行ビーム41bは、ビームスプリッタ3に入射される。
【0108】
ビームスプリッタ3は、入射された平行ビーム41bを、光検出器6に向けて出射されたビーム42bと、ミラー下34b(35b)に向けて出射されたビーム43bと、に分割して出射する。
【0109】
ビームスプリッタ3から光検出器6に向けて出射されたビーム42bは、光検出器6の表面上に照射および集光され、光スポットS1bを形成する。
【0110】
ビームスプリッタ3からミラー下34b(35b)に向けて出射されたビーム43bは、ミラー下34b(35b)にて反射される。
【0111】
ミラー下34b(35b)は、反射させたビーム43bを、ビーム44bとして、金型下11bに導く。
【0112】
金型下11bに導かれたビーム44bは、金型下11bにて反射され、その反射ビーム45bは、ミラー下34b(35b)にて反射される。
【0113】
ミラー下34b(35b)は、反射させたビーム45bを、ビーム46bとして、ビームスプリッタ3に導く。
【0114】
ミラー下34b(35b)からビームスプリッタ3に導かれたビーム46bは、ビームスプリッタ3に入射される。
【0115】
ビームスプリッタ3は、入射されたビーム46bを反射させ、ビーム47bとして、光検出器6に向けて出射する。
【0116】
ビームスプリッタ3から光検出器6に向けて出射されたビーム47bは、光検出器6の表面上に照射および集光され、光スポットS2bを形成する。
【0117】
光スポットS1aが形成された位置と、光スポットS2aが形成された位置と、が一致していると共に、光スポットS1bが形成された位置と、光スポットS2bが形成された位置と、が一致している場合、金型上11aに対する金型下11bの、位置ずれおよび/または角度ずれ、すなわち、金型1における偏芯は、発生していないとみなすことができる。このとき、金型上11aおよび金型下11bは、相互間での位置ずれまたは角度ずれのない、理想的な配置関係となっており、金型1は、偏芯が充分に抑制された光学素子を成型することが可能となる。
【0118】
光スポットS1aが形成された位置と、光スポットS2aが形成された位置と、が一致していない場合、および/または、光スポットS1bが形成された位置と、光スポットS2bが形成された位置と、が一致していない場合、金型1における偏芯が発生しているとみなすことができ、該偏芯の量(検出した型の偏芯量)は、光スポットS1aと光スポットS2aとの間隔daのベクトル量、および、光スポットS1bと光スポットS2bとの間隔dbのベクトル量に依存することになる。
【0119】
なお、ミラー上34a(35a)とは、ミラー34上34aであると仮定しても、ミラー35上35aであると仮定しても、どちらでもよい旨意味しており、ミラー34上34aおよびミラー35上35aで、その動作原理が同様であることを意味している。
【0120】
つまり、ミラー上34a(35a)がミラー34上34aであると仮定した場合、ビーム44aは、金型上11aの成型部上12a(図3参照)にて反射される。
【0121】
同様に、ミラー上34a(35a)がミラー35上35aであると仮定した場合、ビーム44aは、金型上11aの平坦部上13a(図3参照)にて反射される。
【0122】
また、ミラー下34b(35b)とは、ミラー34下34bであると仮定しても、ミラー35下35bであると仮定しても、どちらでもよい旨意味しており、ミラー34下34bおよびミラー35下35bで、その動作原理が同様であることを意味している。
【0123】
つまり、ミラー下34b(35b)がミラー34下34bであると仮定した場合、ビーム44bは、金型下11bの成型部下12b(図3参照)にて反射される。
【0124】
同様に、ミラー下34b(35b)がミラー35下35bであると仮定した場合、ビーム44bは、金型下11bの平坦部下13b(図3参照)にて反射される。
【0125】
以上の構成を有する光学素子成型装置300によって、金型1における調芯の手法について、説明する。
【0126】
まず、光源2aおよび2bから平行ビームを出射し、光検出器6の表面上に光スポットS1aおよびS1b(図4参照)を形成させると共に、ミラー35上35aを用いて、光検出器6の表面上に光スポットS2a(図4参照)を形成させ、ミラー35下35bを用いて、光検出器6の表面上に光スポットS2b(図4参照)を形成させる。そして、金型上11aおよび/または金型下11bの傾斜角度を調整し、光スポットS1aが形成される位置と、光スポットS2aが形成される位置と、を一致させると共に、光スポットS1bが形成される位置と、光スポットS2bが形成される位置と、を一致させる。これらの位置が一致したとき、金型上11aにおける被成型物を成型すべき面(成型部上12aが設けられている面)、および、金型下11bにおける被成型物を成型すべき面(成型部下12bが設けられている面)はいずれも、適切な傾斜角度となり、かつ、互いに平行となる。こうして、金型1における、金型上11aと金型下11bとの平行度を是正することで、傾き偏芯の調芯が可能となる。
【0127】
続いて、予め、ミラー34上34aから金型上11aに導かれるビーム(すなわち、図4に示すビーム44a)が、ある1組の成型部の組み合わせに係る、頂点上12acに向けて出射されるように、ミラー34または金型上11aの、X方向およびY方向における位置を調整しておく。その後、光源2aおよび2bから平行ビームを出射し、光検出器6の表面上に光スポットS1aおよびS1b(図4参照)を形成させると共に、ミラー34上34aを用いて、光検出器6の表面上に光スポットS2a(図4参照)を形成させ、ミラー34下34bを用いて、光検出器6の表面上に光スポットS2b(図4参照)を形成させる。そして、金型下11bの、X方向およびY方向における位置を調整し、光スポットS1aが形成される位置と、光スポットS2aが形成される位置と、を一致させると共に、光スポットS1bが形成される位置と、光スポットS2bが形成される位置と、を一致させる。これらの位置が一致したとき、上記1組の成型部の組み合わせに係る、頂点上12acと頂点下12bcとは、互いに同一のZ方向(上述した、適切な傾斜角度に対して垂直な方向)に伸びる直線上に位置することになる。こうして、金型1における、上記1組の成型部の組み合わせに関する、成型部上12aと、それと対向する成型部下12bと、の間の平行偏芯の調芯が可能となる。
【0128】
続いて、上記と別の、少なくとも1組の成型部の組み合わせに関して、上記と同様の平行偏芯の調芯を行う。このとき、上記と別の該成型部の組み合わせに対してビームを導くように、ミラー34を移動させてもよいし、別のミラー34を新たに設け(対向配置された各型の成型部の組み合わせ毎に、成型部反射機構が設けられ)てもよい。この結果、少なくとも2組の成型部の組み合わせに関して、平行偏芯の調芯が行われたことになるため、各光学素子の光軸周りの回転方向(光軸に垂直な面における回転方向)、すなわち、X方向およびY方向からなる面に沿った、金型上11aに対する金型下11bの回転度合の調芯が可能となる。
【0129】
なお、ミラー34および35は、別体として設けられている必要はなく、金型1の偏芯を是正する作業に応じて移動させることが可能な、1つの同じミラー(具体的には、上下ミラーの組み合わせ)が共用されていてもよい。
【0130】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0131】
本発明は、成形型の形状の転写によって、光学素子を成型する、光学素子成型装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0132】
1 金型(成形型)
2、2a、2b 光源
3 ビームスプリッタ(ビーム分割機構)
4 ビームスプリッタ(成型部反射機構)
5 ビームスプリッタ(平坦部反射機構)
6 光検出器
11a 金型上
11b 金型下
12a 成型部上
12b 成型部下
12ac 頂点上
12bc 頂点下
13a 平坦部上
13b 平坦部下
34 ミラー(成型部反射機構)
35 ミラー(平坦部反射機構)
100、300 光学素子成型装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学素子の有効口径を成型する成型部と、該成型部の周囲に配置された平坦部と、が設けられた型が、対向配置されてなる成形型と、
対向配置された各型の成型部間の平行偏芯を検出する光検出器と、を備える光学素子成型装置であって、
入射されたビームを、対向配置された各型の平坦部へと導き、かつ、各平坦部での反射を経て得られたビームを、光検出器へと導くための平坦部反射機構と、
入射されたビームを、対向配置された各型の成型部へと導き、かつ、各成型部での反射を経て得られたビームを、光検出器へと導くための成型部反射機構と、を備え、
上記光検出器は、
上記平坦部反射機構によって光検出器へと導かれたビームに基づいて、対向配置された各型の傾斜角度を検出すると共に、上記成型部反射機構によって光検出器へと導かれたビームに基づいて、上記平行偏芯を検出するものであることを特徴とする光学素子成型装置。
【請求項2】
上記平坦部反射機構および成型部反射機構にビームを入射させるための光源を備え、
上記平坦部反射機構および成型部反射機構は、ビームスプリッタであることを特徴とする請求項1に記載の光学素子成型装置。
【請求項3】
上記平坦部反射機構および成型部反射機構にビームを入射させるための光源を2つ備え、
上記平坦部反射機構および成型部反射機構は、光源毎かつ対向配置された型毎に対応付けて配置されたミラーであることを特徴とする請求項1に記載の光学素子成型装置。
【請求項4】
上記光源から入射されたビームを、少なくとも2つのビームに分割し、分割したビームの一方を光検出器に向けて出射すると共に、分割したビームの他方を上記平坦部反射機構および成型部反射機構に向けて出射するビーム分割機構を備えることを特徴とする請求項2または3に記載の光学素子成型装置。
【請求項5】
対向配置された各型の成型部は、上記成形型において複数組設けられており、
上記成型部反射機構は、対向配置された各型の成型部の、少なくとも2組に対して、上記平行偏芯を検出するためのものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学素子成型装置。
【請求項6】
対向配置された各型の成型部の組み合わせ毎に、上記成型部反射機構が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の光学素子成型装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−126760(P2011−126760A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−289526(P2009−289526)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】