説明

光学製品の耐久性試験方法及び装置

【課題】コーティングされた光学製品であっても、実際の使用に即した状態で、耐擦傷性能を含む耐久性について適切且つ簡易に評価をすることが可能となる試験方法ないし試験装置を提供する。
【解決手段】光学製品の耐久性試験方法において、光学製品に擦傷部を所定の荷重がかかる状態で押し付け、光学製品と擦傷部を相対運動させる耐擦傷性試験工程と、当該耐擦傷性試験工程後の前記光学製品を、所定時間人工汗に浸漬させる人工汗試験工程を備えさせる。又、光学製品の耐久性試験装置において、光学製品に擦傷部を所定の荷重がかかる状態で押し付け、光学製品と擦傷部を相対運動させるアームを有する耐擦傷性試験機と、
当該耐擦傷性試験機により前記擦傷部を擦り付けられた前記光学製品を、所定時間人工汗に浸漬させる人工汗槽を備えさせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、眼鏡レンズ等の光学製品についてその耐久性を試験する方法、ないしその方法を実行可能な装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光学製品の一例である眼鏡プラスチックレンズについて、傷付き難さを評価する方法として、下記特許文献1に記載のものが知られている。この方法では、レンズに擦傷物を押付ける方向に荷重をかけた状態でこれらを相対運動させ、その後のレンズの表面状態によってレンズの耐擦傷性能を評価する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−295131号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近時、眼鏡プラスチックレンズに対し、様々な機能を付与するため、各種のコーティングを付与することが行われている。例えば、傷を付き難くするハードコートや耐衝撃性コート、あるいは光の反射を抑えて透過率を高める反射防止膜、水や油を弾き水ヤケや汚れを防止する撥水・撥油コート等のコーティングが施される。
【0005】
このようなレンズが長期間実際に使用されると、傷の他にコーティングの剥離が生じることがあるが、上述の評価方法では、傷付き難さに関する評価しか行うことができない。又、昨今の撥水・撥油コート、あるいはハードコートや反射防止膜の改良による傷付き難さの向上により、上記の評価方法では、ある程度までの荷重では傷が入り難くなっていると共に、所定の荷重を超えると急に大きな傷が付くようになっており、耐擦傷性能の評価もし難くなってしまっている。
【0006】
そこで、請求項1,4に記載の発明は、コーティングされた光学製品であっても、実際の使用に即した状態で、耐擦傷性能を含む耐久性について適切且つ簡易に評価をすることが可能となる試験方法ないし試験装置を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、光学製品の耐久性試験方法にあって、光学製品に擦傷部を所定の荷重がかかる状態で押し付け、光学製品と擦傷部を相対運動させる耐擦傷性試験工程と、当該耐擦傷性試験工程後の前記光学製品を、所定時間人工汗に浸漬させる人工汗試験工程を有することを特徴とするものである。
【0008】
請求項2に記載の発明は、上記目的に加えて、更に適切な耐久性評価を可能とする目的を達成するため、上記発明にあって、前記人工汗試験工程後の前記光学製品を、水・熱・紫外線の内の少なくとも1つが室内環境に比べて多い環境下に特定時間定置する耐候促進試験工程を有することを特徴とするものである。
【0009】
請求項3に記載の発明は、上記目的に加えて、更に適切な評価が可能となる手間のかからない試験を行う目的を達成するため、上記発明にあって、前記人工汗試験工程における所定時間が24時間以上であり、且つ、前記耐候促進試験工程における特定時間が24時間以上であることを特徴とするものである。
【0010】
上記目的を達成するために、請求項4に記載の発明は、光学製品の耐久性試験装置にあって、光学製品に擦傷部を所定の荷重がかかる状態で押し付け、光学製品と擦傷部を相対運動させるアームを有する耐擦傷性試験機と、当該耐擦傷性試験機により前記擦傷部を擦り付けられた前記光学製品を、所定時間人工汗に浸漬させる人工汗槽を有することを特徴とするものである。
【0011】
請求項5に記載の発明は、上記目的に加えて、更に適切な評価を可能とする目的を達成するため、上記発明にあって、前記人工汗槽により人工汗に浸漬させた後の前記光学製品を、水・熱・紫外線の内の少なくとも1つが室内環境に比べて多い環境下に特定時間定置する耐候促進試験機を有することを特徴とするものである。
【0012】
請求項6に記載の発明は、上記目的に加えて、更に適切な評価が可能となる手間のかからない試験を行う目的を達成するため、上記発明にあって、前記人工汗槽に係る所定時間が24時間以上であり、且つ、前記耐候促進試験機に係る特定時間が24時間以上であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、光学製品に擦傷部を所定の荷重がかかる状態で押し付け、光学製品と擦傷部を相対運動させる耐擦傷性試験をした後、当該耐擦傷性試験工程後の前記光学製品を、所定時間人工汗に浸漬させる人工汗試験を行う。従って、実際の使用に即した状態における耐久性の適切な評価を可能とする、手間の少ない試験を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る実施の形態につき説明する。なお、本発明の形態は、以下のものに限定されない。
【0015】
本発明においては、光学製品に対し、順に、耐擦傷性試験工程、人工汗試験工程を施し、好適には、更に耐候促進試験工程を施す。光学製品として、好適にはコーティング付きのものが対象となり、例えばコーティング付き光学レンズが対象となる。
【0016】
耐擦傷性試験工程は、擦傷部を光学製品(におけるコーティング付与部)に所定の荷重がかかる状態で押し付け、擦傷部と光学製品を相対運動させて行う。擦傷部の例として、スチールウール等の損傷体それ自体、あるいは損傷体を台に固定したものを挙げることができる。又、相対運動は、好適には、固定した光学製品に対する擦傷部の(所定回数に亘る)往復運動であるが、光学製品を往復運動させるものでも良いし、双方を往復運動させるものでも良いし、光学製品表面の鉛直線を軸とする回転運動でも良いし、一方を往復運動させ他方を回転運動させるものでも良い。又、相対運動の速度は、適宜設定され、好適には統一される。耐擦傷性試験工程により、光学製品(におけるコーティング)に傷が付く。
【0017】
人工汗試験工程は、耐擦傷性試験工程後の光学製品を人工汗に浸漬させて行う。人工汗は、汗を模した液体で、好適にはアルカリ人工汗であり、更に好適には「JIS L−0848 B」に基づき調製された人工汗である。浸漬期間は、所定の期間とすることができ、試験結果の顕在化と試験に要する時間との兼ね合いから、好適には1〜3日間、更に好適には1日間とされるが、12時間や4日間、1週間等の他の期間とされても良い。人工汗試験工程により、光学製品(におけるコーティング)の傷を含む表面に人工汗が作用する。
【0018】
耐候促進試験工程は、人工汗試験工程後の光学製品を所定の環境下に定置して行う。所定の環境は、水・熱・紫外線の内の少なくとも1つに対する耐性を確認するために設定され、好適には、室内環境に比べ高湿度・高温であり又多量の紫外線が照射される環境(常温より高温・快適な湿度より高湿・平均的な量より多量の紫外線)とされる。このような環境は、好適には耐候促進試験機としてのサンシャインウェザーメーターにて形成され、光学製品をサンシャインウェザーメーターに投入することで当該環境下に晒される。
【実施例】
【0019】
≪実施例1〜4≫
本発明における光学製品の一例としての眼鏡用プラスチックレンズ(計4種類)に対し、耐擦傷性試験工程の後、人工汗試験工程を施した。
【0020】
レンズは、何れもフラットレンズ基材の表面にコーティングを施した直径7.5cm(センチメートル)のものであり、実施例1,2において基材の屈折率は1.7であり、実施例3,4において基材の屈折率は1.76である。又、実施例1,3においてコーティングは東海光学株式会社製スーパーパワーシールドコートであり、実施例2,4においてコーティングは同社製マックスシールドコートである。
【0021】
又、耐擦傷性試験工程は、次の要領で行った。即ち、長さ5cm・幅1cmの大きさとしたスチールウール(日本スチールウール株式会社製ボンスターNo.000)を擦傷部とし、耐擦傷性試験機のアームの先端部に固定する。耐擦傷性試験機は、アームと、その基端側を受け入れて、基端側を駆動することで少なくとも先端側を揺動させる本体と、当該アームの先端部に荷重をかけるための荷重付加部を有する。荷重付加部は、ここでは当該アームの先端部上側に設けられた重り載置部、及び500g(グラム)の重りであり、重り載置部に重りを載せることで、500gの荷重がアームの先端部に固定された擦傷部にかかる。そして、擦傷部を、1秒間に1往復(片道4.5cm)の速度において、各レンズのコーティング付きの表面上でレンズ中央を通る状態で50往復させ、各レンズの表面に擦り付けることで、当該表面に擦傷を付ける。
【0022】
更に、人工汗試験工程は、次の要領で行った。即ち、塩化ナトリウム10g、リン酸水素ナトリウム12水和水2.5g、及び炭酸アンモニウム4.0gに1リットルの純水を加えてできる水溶液をアルカリ人工汗とし、具体的には前三者をビーカー(槽)に量り入れ、更に後者を入れて攪拌する。そして、耐擦傷試験工程を経た各レンズをアルカリ人工汗に浸漬し、1日間あるいは3日間室温(25℃)で静置する。なお、擦傷部付きの耐擦傷性試験機と人工汗槽(と前者から後者へレンズを渡す移送装置)により、レンズの耐久性試験装置を構成することができる。
【0023】
[表1]に、実施例1〜4に係る各試験工程の結果を示す。
【0024】
【表1】

【0025】
[表1]中の「外観」は、蛍光灯を透過させた状態で目視により確認した、レンズ表面における傷の本数あるいは擦傷の状態を示す。又、「Haze」は、レンズ表面の擦傷の濁り度合を調べるためにヘイズメーターにより測定したヘイズ値を示すものであり、ヘイズ値が高いほど濁りが強い。「1」〜「3」に分かれているが、測定点の違いによるものであり、「2」がレンズ表面の擦傷の中央(レンズ中央)を測定点としたものであり、「1」が「2」より5mm(ミリメートル)離れた点を測定点としたものであり、「3」が「1」と逆側において「2」より5mm(ミリメートル)離れた点を測定点としたものである。又、「平均」は、「1」〜「3」のヘイズ値の平均値を示し、「ΔHaze」は、初期状態における「平均」からの増分値を示す。
【0026】
[表1]によれば、実施例1〜4の各レンズとも、耐擦傷性試験工程のみでは殆ど傷が見受けられず、ヘイズ値も初期と殆ど変わらないが、更に人工汗試験工程を経ると、実施例1,3において擦傷が目視できるほど白濁化してヘイズ値も顕著に増加する一方、実施例2,4において擦傷が目視できずヘイズ値も比較的に増分が小さい状態となっている。
【0027】
従って、耐擦傷性試験では差が見受けられない状態であっても、更に人工汗試験工程を加えることで差を顕著化することができ、光学製品としての眼鏡プラスチックレンズの耐久性、殊にレンズのコーティングの耐久性につき、実施例1,3より実施例2,4の方が優れるというように評価することが可能となる。
【0028】
このように差が顕在化することについて、次のように考えることができる。即ち、実使用において、光学製品の表面に傷が付き、その傷から水分や汗が浸入して時間が経過することにより劣化する。特に、光学製品の表面にコーティングが施されている場合には、傷によりコーティングが物理的に損傷し、そこから水分や汗が浸入して、コーティングや光学製品の基材、あるいはこれらの間が浸食される。そして、耐擦傷性試験工程後に人工汗試験工程を行うことにより、このような浸食が再現され、浸食に弱いものは擦傷の白濁化により顕在化して、適切な評価を下すことが可能となる。
【0029】
≪実施例5〜9≫
実施例1〜4でコーティングの耐久性が比較的に弱いものとされた、同一種類の眼鏡用プラスチックレンズ(実施例5〜9)に対し、順に、耐擦傷性試験工程、人工汗試験工程、耐候促進試験工程を施した。
【0030】
耐擦傷性試験工程及び人工汗試験工程は、次に示す人工汗浸漬時間を除き、実施例1〜4と同様に行った。即ち、実施例5に対しては人工汗試験工程において1時間人工汗に浸漬し、実施例6に対しては3時間浸漬し、実施例7に対しては6時間浸漬し、実施例8に対しては12時間浸漬し、実施例9に対しては24時間浸漬した。
【0031】
又、耐候促進試験工程において、人工汗浸漬後の各レンズをサンシャインウェザーメーター(スガ試験機株式会社製S80B)に投入した。サンシャインウェザーメーターにおける設定は、ここでは温度60℃・湿度50%RHとした。なお、擦傷部付きの耐擦傷性試験機、人工汗槽、及び耐候促進試験機としてのサンシャインウェザーメーター(ないし各種装置間においてレンズを渡す移送装置)により、レンズの耐久性試験装置を構成することができる。
【0032】
[表2]に、実施例5〜9に係る各試験工程の結果を示す。
【0033】
【表2】

【0034】
[表2]中の「傷の本数」は、蛍光灯を透過させた状態で目視により確認した、レンズ表面における傷の本数である。又、「外観」は、「◎」が傷なしを示し、「○」が非常に薄い傷ありを示し、「△」が薄い傷ありを示し、「×」が傷ありを示し、「××」が白い筋状傷ありを示す。これは、「人工汗浸漬」(人工汗試験工程)や「耐候試験」(耐候促進試験工程)においても同様である。
【0035】
実施例5のように、人工汗に1時間浸漬させた程度では、24時間もの長期間に亘り耐候試験を行っても傷が見受けられなかった。しかし、更に長時間耐候試験を行えば、傷が顕著化する。実施例6のように人工汗に3時間浸漬させた場合、耐候試験24時間後に薄い傷が見られる状態となった。実施例7のように6時間浸漬させた場合、耐候試験6時間後に薄い傷が見られる状態となった。実施例8のように12時間浸漬させた場合、人工汗試験の段階で薄い傷を見ることができ、耐候試験実施後は傷がはっきりと見えた。実施例9のように24時間浸漬させた場合、人工汗試験の段階で傷をはっきり見ることができ、耐候試験を24時間実施すると白い筋状傷を視認することができ、耐久性の差の評価を白さやその範囲等でより一層付け易い状態となった。
【0036】
以上によれば、耐擦傷性試験工程、人工汗試験工程、耐候促進試験工程をこの順で施すことにより、眼鏡プラスチックレンズの評価を適切に行うことができ、評価のし易さの度合から、好適には、人工汗試験工程を12時間以上行うか、人工汗試験工程を6時間以上行い且つ耐候促進試験工程を6時間以上行うか、人工汗試験工程を3時間以上行い且つ耐候促進試験工程を24時間以上行い、更に好適には人工汗試験工程を24時間以上行い、更に好適には人工汗試験工程を24時間以上行い且つ耐候促進試験工程を24時間以上行う。
【0037】
このように、耐候促進試験工程を最後に加えることにより、耐久性の差が顕在化し評価が容易となることについて、次のように考えることができる。即ち、傷が付加され、あるいは傷から水分や塩分等が浸入した状態で、熱や紫外線が作用すると、実際の使用時と同様、光学製品の傷からの劣化が促進される。特に、コーティングへの傷から水分等がコーティングと基材の間等へ入り込んだ状態で熱等が所定時間以上作用すると、コーティングの劣化の要因となり、コーティングの耐久性に影響が出る。耐久性に優れる光学製品では、もともと傷が付き難く、あるいは傷から水分等が入る余地が少なく、又は水分等が入っても熱等の作用に耐えることができ、耐久性に劣る光学製品では、その逆となる。
【0038】
≪比較例1〜2≫
実施例5〜9と同様のレンズないし各工程につき、順序を耐擦傷性試験工程、耐候促進試験工程、人工汗試験工程としたものを、比較例1〜2として実施した。比較例1では、耐候促進試験工程を24時間とし、比較例2では、耐候促進試験工程を60時間とした。
【0039】
[表3]に、比較例1〜2に係る各試験工程の結果を示す。
【0040】
【表3】

【0041】
比較例1では、耐候試験を24時間行っても傷は見られず、人工汗試験の24時間経過後にようやく非常に薄い傷のみ認める結果となった。又、比較例2では、60時間という長時間の耐候試験をもってようやく薄い傷が認められ、その後人工汗に24時間漬けてもはっきりとした傷は見られなかった。
【0042】
比較例1では、非常に薄い傷が見られるのみであるため、適切な評価をし難い。又、比較例2では、評価可能であるとしても、60時間以上を要し、手間がかかる。
【0043】
≪比較例3〜4≫
実施例5〜9と同様のレンズないし各工程につき、順序を人工汗試験工程、耐擦傷性試験工程、耐候促進試験工程としたものを、比較例3〜4として実施した。比較例3では、人工汗試験工程を24時間とし、比較例4では、人工汗試験工程を72時間とした。
【0044】
[表4]に、比較例3〜4に係る各試験工程の結果を示す。
【0045】
【表4】

【0046】
比較例3では、耐擦傷性試験を行っても傷は見られず、耐候試験の24時間経過後でも非常に薄い傷しか見受けられない。又、比較例4では、72時間という長時間の人工汗試験をもって、耐候試験12時間以上で傷を認めることができる。
【0047】
比較例3では、非常に薄い傷が見られるのみであるため、適切な評価をし難い。又、比較例4では、評価可能であるとしても、72時間以上を要し、手間がかかる。
【0048】
≪比較例5≫
実施例5〜9と同様のレンズないし各工程につき、順序を耐候促進試験工程、耐擦傷性試験工程、人工汗試験工程としたものを、比較例5として実施した。比較例5では、耐候促進試験工程を24時間とし、人工汗試験工程を24時間とした。
【0049】
[表5]に、比較例5に係る各試験工程の結果を示す。
【0050】
【表5】

【0051】
比較例5では、最後の人工汗試験(24時間経過後)において非常に薄い傷を見ることができるものの、比較的に評価し辛い。
【0052】
≪小括≫
比較例1〜5のような各種の順序ではなく、実施例1〜4のように耐擦傷性試験工程の後に人工汗試験工程を行い、あるいは実施例5〜9のように更に耐候促進試験工程を行うことにより、所要時間が少なく、耐久性について優劣のはっきりした状態で適切な評価が可能となる。又、各工程に係る時間を上述したような適切なものとすると、更に短時間で確実に評価を下すことが可能となる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学製品に擦傷部を所定の荷重がかかる状態で押し付け、光学製品と擦傷部を相対運動させる耐擦傷性試験工程と、
当該耐擦傷性試験工程後の前記光学製品を、所定時間人工汗に浸漬させる人工汗試験工程を有する
ことを特徴とする光学製品の耐久性試験方法。
【請求項2】
前記人工汗試験工程後の前記光学製品を、水・熱・紫外線の内の少なくとも1つが室内環境に比べて多い環境下に特定時間定置する耐候促進試験工程を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の光学製品の耐久性試験方法。
【請求項3】
前記人工汗試験工程における所定時間が24時間以上であり、且つ、
前記耐候促進試験工程における特定時間が24時間以上である
ことを特徴とする請求項2に記載の光学製品の耐久性試験方法。
【請求項4】
光学製品に擦傷部を所定の荷重がかかる状態で押し付け、光学製品と擦傷部を相対運動させるアームを有する耐擦傷性試験機と、
当該耐擦傷性試験機により前記擦傷部を擦り付けられた前記光学製品を、所定時間人工汗に浸漬させる人工汗槽を有する
ことを特徴とする光学製品の耐久性試験装置。
【請求項5】
前記人工汗槽により人工汗に浸漬させた後の前記光学製品を、水・熱・紫外線の内の少なくとも1つが室内環境に比べて多い環境下に特定時間定置する耐候促進試験機を有する
ことを特徴とする請求項4に記載の光学製品の耐久性試験装置。
【請求項6】
前記人工汗槽に係る所定時間が24時間以上であり、且つ、
前記耐候促進試験機に係る特定時間が24時間以上である
ことを特徴とする請求項5に記載の光学製品の耐久性試験装置。

【公開番号】特開2012−173639(P2012−173639A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−37501(P2011−37501)
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【出願人】(000219738)東海光学株式会社 (112)
【Fターム(参考)】