説明

光学部材、光学モジュール、液晶表示パネルおよび表示装置

【課題】偏光子を有し且つ光の進行方向を変化させ得る光学部材を提供する。
【解決手段】光学部材18は、偏光子41を有する偏光板40と、偏光板に対向して配置され偏光板に接合された光学シート60と、を備える。偏光板の光学シートに対向する面および光学シートの偏光板に対向する面の少なくともいずれか一方の面は、凹凸を有した面として形成されている。一方の面が、当該面をなす前記凹凸の少なくとも一部の凸部を介して、他方の面へ接合し、偏光板と前記光学シートとの間に空隙Vが形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、偏光子を有する光学部材に係り、とりわけ、光の進行方向を変化させ得る光学部材に関する。また、本発明は、このような光学部材を含む光学モジュール、液晶表示パネルおよび表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、液晶表示パネルと、液晶表示パネルを背面側から照明する面光源装置と、を含んでなる表示装置が広く普及している。
【0003】
図22に示すように、面光源装置は、発光体を含んだ光源と、発光体からの光の進行方向を変化させるための多数の光学シートと、を含んでおり、所望の光学特性で液晶表示パネルを照明することができるように設計されている。図22に示された面光源装置の一例では、光源25の発光体26の側から順に、拡散板A、下拡散シートB、集光シートCおよび上拡散シートDが設けられている。このうち、集光シートCは、光の進行方向を正面方向へ絞り込み正面方向輝度を向上させる機能(集光機能)を有している。また、拡散板A、下拡散シートBおよび上拡散シートDは、光源25の発光体26からの光を拡散させて発光体26の像を隠す(目立たなくさせる)光拡散機能を有している。
【0004】
一方、図22に示されているように、液晶表示パネルは、画素毎に液晶の配向を制御し得る液晶セル11と、液晶セルの入光側に配置された入光側の偏光板(以下において、下偏光板とも呼ぶ)13と、液晶セル11の出光側に配置された出光側の偏光板(以下において、上偏光板とも呼ぶ)12と、を有している。一対の偏光板12,13は、特定の偏光成分の光を透過させ、前記特定の偏光成分以外の成分の光を吸収する偏光子と、偏光子に接着され偏光子を保護する保護フィルムと、を有している。
【0005】
このうち保護フィルムは、通常、コスト上の制約から単なる透光性フィルムとして形成されており、透過光に対して積極的に光学的作用を及ぼすことはない。また、光学的機能を付与された保護フィルムが存在しない訳ではないが、偏光子との接着性や偏光子を保護する保護機能を考慮すると、実際上、保護フィルムの偏光子に対面しない側の面を単にマット面化したといった程度にとどまっている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−258013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、保護フィルムの一方の表面をマット面化する程度では、保護フィルムに十分な拡散機能を付与することはできない。すなわち、偏光子および保護フィルムからなる従来の偏光板では、光の進行方向を積極的に変化させることはできない。その一方で、偏光子を含んだ光学部材に対して光の進行方向を積極的に変化させる機能を付与することができれば、表示装置の輝度特性や視野角特性についての設計の自由度を格段に向上させることができる。
【0008】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、偏光子を有し且つ光の進行方向を変化させ得る光学部材を提供することを目的とする。
【0009】
ところで、面光源装置(表示装置)に多数の光学シートが含まれることに起因して、種々の問題が生じている。まず、光学シートの数量が増えると、表示装置の製造コストが直接的に上昇してしまう。また、面光源装置(表示装置)に多数の光学シートが含まれる場合、面光源装置の組み立て時に行う光学シート間の位置決めや、光学シートと発光体との間での位置決めが煩雑となり、このことも、表示装置の製造コストを上昇させてしまう原因となる。
【0010】
また、各光学シートは、入射光を全て透過させるわけでなく、入射光の一部は光学シートで反射される。光学シートで反射した光は、発光体26の背面に設けられた反射板21(図22参照)或いは他の光学シートで反射され、再利用され得る。しかしながら、各光学シートでの反射の度に、光の一部が吸収されてしまう。このような反射損失は、光学シートの数量が一枚増えるだけで、大幅に上昇してしまう。すなわち、面光源装置(表示装置)に多数の光学シートが含まれる場合、光源の発光体で発光される光の利用効率が著しく低下してしまう。
【0011】
さらに、発光体からの発熱により、光学シートが加熱され、当該光学シートには曲がり、撓み、反り等の変形が生じ得る。このとき、多数の光学シートが設けられている面光源装置(表示装置)では、隣り合う光学シート同士が接触または擦れ合うこともある。光学シート同士が密着している箇所は、もはや期待した光学機能を発揮することができず、さらに、密着箇所が視認されてしまうこともある。また、光学シート同士が擦れ合うと、光学シートに傷が生じたり、さらには、カスが生じることもあり、著しく表示画質が劣化することになる。
【0012】
そして、本発明によって、従来の面光源装置に組み込まれていた多数の光学シートの一以上を削減することができれば、多数の光学シートの存在に起因した以上の問題を軽減または解消することができ、非常に都合が良い。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明による光学部材は、
偏光子を有する偏光板と、
前記偏光板に対向して配置され、前記偏光板に接合された光学シートと、を備え、
前記偏光板の前記光学シートに対向する面および前記光学シートの前記偏光板に対向する面の少なくともいずれか一方の面は、凹凸を有した面として形成され、
前記一方の面が、当該面をなす前記凹凸の少なくとも一部の凸部を介して、他方の面へ接合し、前記偏光板と前記光学シートとの間に空隙が形成されている。
【0014】
本発明による光学部材において、前記偏光板が、前記光学シートに対向する面をなす保護フィルムを、さらに有し、前記保護フィルムは、樹脂材料からなる主部と、前記主部中に分散された拡散成分と、を有するようにしてもよい。
【0015】
本発明による光学部材において、前記保護フィルムの前記光学シートに対向する面は、前記拡散成分の存在に起因して形成された凹凸および賦型により形成された凹凸の少なくともいずれか一方を有するようにしてもよい。
【0016】
本発明による光学部材において、前記光学シートは、シート状の本体部と、前記本体部上に配列された複数の単位光学要素と、を有するようにしてもよい。
【0017】
本発明による光学部材において、前記光学シートの前記単位光学要素は、当該光学シートの前記偏光板に対面する面をなし、前記光学シートは、前記単位光学要素の頂部を介して、前記偏光板に接合されていてもよい。
【0018】
本発明による光学部材において、前記単位光学要素は、前記本体部の前記偏光板に対向しない側の面上に設けられていてもよい。
【0019】
本発明による光学部材において、前記本体部の前記単位光学要素が設けられていない側の面は、凹凸を有し、前記偏光板に対向する面をなすようにしてもよい。
【0020】
本発明による光学部材が、前記光学シートの前記偏光板に対向しない側に配置され、前記光学シートと接合された第2光学シートを、さらに備え、
前記光学シートの前記第2光学シートに対向する面および前記第2光学シートの前記光学シートに対向する面の少なくともいずれか一方の面は、凹凸を有した面として形成され、
前記光学シートの前記第2光学シートに対向する面および前記第2光学シートの前記光学シートに対向する面の前記一方の面が、当該面をなす前記凹凸の少なくとも一部の凸部を介して、他方の面へ接合し、前記光学シートと前記第2光学シートの間に空隙が形成されていてもよい。
【0021】
本発明による光学部材において、前記光学シートは、シート状の本体部と、前記本体部上に配列された複数の単位光学要素と、を有し、前記第2光学シートは、シート状の本体部と、前記本体部上に配列された複数の単位光学要素と、を有し、前記光学シートの複数の単位光学要素の配列方向と、前記第2光学シートの複数の単位光学要素の配列方向とが交差していてもよい。
【0022】
本発明による光学部材において、前記光学シートは、シート状の本体部と、前記本体部上に配列された複数の単位光学要素であって、各々がその配列配向に交差する方向に線状に延びる、複数の単位光学要素と、を有し、
前記第2光学シートは、シート状の本体部と、前記本体部上に配列された複数の単位光学要素であって、各々がその配列配向に交差する方向に線状に延びる、複数の単位光学要素と、を有し、
前記光学シートの複数の単位光学要素の配列方向と、前記第2光学シートの複数の単位光学要素の配列方向とが交差していてもよい。
【0023】
本発明による光学部材において、光学部材の法線方向に沿った任意の断面において、前記偏光板と前記光学シートとが接合されている長さが占める割合が、1%以上80%以下の範囲にあるようにしてもよい。
【0024】
本発明による液晶表示パネルは、
上述した本発明による光学部材のいずれかと、
前記光学部材に接合された液晶セルと、を備える。
【0025】
本発明による表示装置は、本発明による液晶表示パネルのいずれかを備える。
【0026】
本発明による表示装置が、前記液晶表示パネルの前記光学部材に直面する位置に設けられた発光体を、さらに備えるようにしてもよい。
【0027】
本発明による表示装置が、前記液晶表示パネルの前記光学部材に直面する位置に設けられた導光板を、さらに備えるようにしてもよい。
【0028】
本発明による第1の光学モジュールは、
上述した本発明による光学部材のいずれかと、
前記光学部材に直面する位置に設けられた発光体と、を備える。
【0029】
本発明による第1の光学モジュールは、
上述した本発明による光学部材のいずれかと、
前記光学部材に直面する位置に設けられた導光板と、を備える。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、偏光子を含んだ光学部材によって、光の進行方向を変化させることができる。このため、この光学部材を用いた場合、表示装置の輝度特性や視野角特性についての設計の自由度を格段に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】図1は、本発明による一実施の形態を説明するための図であって、表示装置、液晶表示パネル、光学モジュールおよび光学部材の概略構成を示す斜視図である。
【図2】図2は、表示装置の作用を説明するための図であって、図1のII−II線に沿った断面で表示装置を示す図である。
【図3】図3は、図1の光学部材の偏光板を示す拡大縦断面図である。
【図4】図4は、図1の光学部材の光学シートを示す斜視図である。
【図5】図5は、偏光板の保護フィルムおよび光学シートの製造方法および製造装置の一例を説明するための図である。
【図6】図6は、図1に対応する図であって、光源の発光体の変形例を説明するための図である。
【図7】図7は、図3と同様の断面において偏光板を示す図であって、保護フィルムの一変形例を説明するための図である。
【図8】図8は、図3と同様の断面において偏光板を示す図であって、偏光板の一変形例を説明するための図である。
【図9】図9は、図3と同様の断面において偏光板を示す図であって、偏光板の他の変形例を説明するための図である。
【図10】図10は、図2と同様の断面において光学シートを示す図であって、光学シートの一変形例を説明するための図である。
【図11】図11は、図2と同様の断面において光学シートを示す図であって、光学シートの他の変形例を説明するための図である。
【図12】図12は、図2と同様の断面において光学シートを示す図であって、光学シートのさらに他の変形例を説明するための図である。
【図13】図13は、図2と同様の断面において光学シートを示す図であって、光学シートのさらに他の変形例を説明するための図である。
【図14】図14は、図2と同様の断面において光学シートを示す図であって、光学シートのさらに他の変形例を説明するための図である。
【図15】図15は、図1に対応する図であって、光学部材の一変形例を示す図である。
【図16】図16は、図15のIVI−IVI線に沿った断面を示す図である。
【図17】図17は、図1に対応する図であって、光学部材の他の変形例を示す図である。
【図18】図18は、図1に対応する図であって、光学部材のさらに他の変形例を示す図である。
【図19】図19は、図1に対応する図であって、光学部材のさらに他の変形例を示す図である。
【図20】図20は、光学部材を示す斜視図であって、光学部材における光拡散機能の一変形例を説明するための図である。
【図21】図21は、表示装置を示す縦断面図であって、表示装置および光学モジュールの一変形例を説明するための図である。
【図22】図22は、図1に対応する図であって、従来の表示装置を示す斜視図である。
【図23】図23は、図21に対応する図であって、従来の表示装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
【0033】
図1〜図5は本発明による一実施の形態を説明するための図である。このうち図1は表示装置、液晶表示パネル、光学モジュールおよび光学部材の概略構成を示す斜視図である。図2は、図1のII−II線に沿った断面を示す図である。図3は、光学部材の偏光板を正面方向に沿った断面で示す拡大図であり、図4は、光学部材の光学シートを示す斜視図である。図5は、偏光板の保護フィルムおよび光学シートの製造方法の一例を示す図である。
【0034】
図1に示された表示装置10は、液晶表示装置であって、液晶表示パネル15と、液晶表示パネル15の背面側(観察者側とは反対側)に配置された光源25と、光源25を背面側から覆う反射板21と、を有している。光源25は、複数の発光体26を含んでおり、液晶表示パネル15を背面側から照明する。一方、液晶表示パネル15は、光源25の発光体26で発光された光の透過または遮断を画素毎に制御するシャッターとして機能し、画像を形成する装置である。
【0035】
液晶表示パネル15は、詳しくは後述するように、液晶セル11と、液晶セル11の出光側に配置された偏光板12と、液晶セル11の入光側に配置された光学部材18と、を有している。このうち、液晶表示パネル15の光学部材18と光源25をなす発光体26とによって、光学モジュール20が形成されている。光学部材18には偏光板40が組み込まれており、結果として、液晶セル11は一対の偏光板12,40の間に配置されている。なお、以下においては、液晶表示パネル15に含まれる一対の偏光板を区別するため、表示装置10の配置状態に関係なく、入光側の偏光板40を下偏光板と呼び、出光側の偏光板12を上偏光板と呼ぶ。
【0036】
この表示装置10は、直下型の液晶表示装置として構成されている。とりわけ図示された表示装置10の例では、光源25をなす発光体26が、液晶表示パネル15と正面方向ndに直面する位置に、配置されている。すなわち、光源25をなす発光体26は、液晶表示パネル15の最入光側に位置する光学部材18と正面方向ndに直面する位置に、配置されている。したがって、光源25をなす発光体26と、液晶表示パネル15の最入光側に位置する下偏光板40と、の間には、他の部材が介在しておらず、発光体26で発光された光は、直接、下偏光板40に入射することが可能となっている。
【0037】
光源25をなす発光体26として、種々の既知な発光体、例えば冷陰極管やEL発光体を用いることができる。ただし、図示する例では、複数の発光ダイオード(LED)26によって光源25が構成されている。図1から理解され得るように、多数の発光体26は、仮想平面上に二次元的に配置されている。すなわち、多数の発光体26が、仮想平面上において、一方向のみに配列されているのではなく、平面的な広がりを持って配置されている。とりわけ、図1に示す例において、光源25をなす発光体26は、第1の配列方向d1に並べられるとともに、当該第1の配列方向と直交する第2の配列方向d2にも並べられるようにして、配置されている。
【0038】
また、反射板21は、光源25の発光体26で発光された光を液晶表示パネル15の側へ向けるための部材である。反射板21の少なくとも内側表面は、例えば金属等の高い反射率を有する材料からなっている。
【0039】
なお、本明細書において、「出光側」とは、進行方向を折り返されることなく光源25の発光体26から液晶表示パネル15を経て観察者へ向かう光の進行方向における下流側(観察者側、図1においては紙面の上側)のことであり、「入光側」とは、進行方向を折り返されることなく光源25の発光体26から液晶表示パネル15を経て観察者へ向かう光の進行方向における上流側のことである。
【0040】
また、本明細書において、「シート」、「フィルム」、「板」の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。したがって、例えば、「シート」はフィルムや板とも呼ばれ得るような部材も含む概念である。一具体例として、「保護フィルム」には、「保護シート」と呼ばれる部材も含まれ、「光学シート」には、「光学フィルム」と呼ばれる部材も含まれる。
【0041】
さらに、本明細書において、「シート面(フィルム面、板面)」とは、対象となるシート状の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となるシート状の部材の平面方向と一致する面のことを指す。そして、本実施の形態においては、液晶表示パネル15のパネル面、シート状の光学部材18のシート面、光学部材18の偏光板40の板面、後述する偏光板40の保護フィルム50のフィルム面、光学部材18の光学シート60のシート面、後述する光学シート60の本体部65のシート面等は、互いに平行となっている。また、本明細書において、「正面方向」とは、表示装置10の表示面10aへの法線方向ndと平行な方向のことを指し、本実施の形態においては、シート状の光学部材18のシート面への法線方向等と平行となっている。
【0042】
さらに、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、「平行」、「直交」、「対称」、「三角形」等の用語については、厳密な意味に縛られることなく、同様の光学的機能を期待し得る程度の誤差を含めて解釈することとする。
【0043】
次に、液晶表示パネル15について説明する。液晶表示パネル15は、上述したように、上偏光板12と、下偏光40を含む光学部材18と、一対の偏光板12,40の間に配置された液晶セル11と、を有している。このうち偏光板12,40は、入射した光を直交する偏光成分に分解し、一方の偏光成分を透過させ、もう一方の偏光成分を吸収する機能(吸収型の偏光分離機能)を有している。
【0044】
一方、液晶セル11は、一対の透明基板と、この透明基板間に設けられた液晶層と、を有している。液晶層に対して、一つの画素を形成する領域毎に、電界印加がなされ得るようになっている。そして、電界印加された液晶層の配向は変化するようになる。入光側に配置された下偏光板40を透過した特定方向(透過軸と平行な方向)の偏光成分は、一例として、液晶セル11のうちの電界印加されている液晶層の領域を通過する際にその偏光方向を90°回転させ、電界印加されていない液晶層を通過する際にその偏光方向を維持する。このため、液晶層の各領域への電界印加の有無によって、下偏光板40を透過した特定方向の偏光成分が、下偏光板40の出光側に配置された上偏光板12をさらに透過するか、あるいは、上偏光板12で吸収されて遮断されるか、を制御することができる。なお、ここで説明する液晶表示パネル15において、上偏光板12および液晶セル11は、既知の部材と同様に構成され得る。
【0045】
次に、光学部材18について、さらに詳細に説明する。図1および図2に示すように、光学部材18は、偏光板(下偏光板)40と、偏光板に対向して配置された光学シート60と、を有している。偏光板40および光学シート60は、互いに接合されている。偏光板40の光学シート60に対向する面(入光面側40b)および光学シート60の偏光板40に対向する面(出光側面60a)の少なくともいずれか一方の面が、凹凸を有した光学要素面として形成されている。前記一方の凹凸を有した光学要素面が、当該面をなす凹凸の少なくとも一部の凸部を介して、他方の面へ接合している。この結果、図2に示すように、偏光板40と光学シート60との間に空隙Vが形成されている。
【0046】
このうちまず、主として図3を参照して、下偏光板40について説明する。下偏光板40は、吸収型の偏光分離機能を発揮し得る偏光子41と、偏光子41と接着された保護フィルム50と、を有している。図3に示すように、保護フィルム50は、液晶セル11に対面しない側から、言い換えると入光側から偏光子41に積層されており、偏光子41を外部から保護するようになっている。
【0047】
また、偏光子41および保護フィルム50に隣接するようにして偏光子41および保護フィルム50の間に位置し、偏光子41および保護フィルム50を互いに接着する接着層(図示せず)を、設けるようにしてもよい。偏光子41および保護フィルム50の密着性を高めるための接着層は、従来からある種々の接着剤を用いて形成され得る。一具体例として、例えばポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする水性接着剤を用いて接着層を形成することができる。なお、本明細書における接着は、粘着や糊付けを含む概念であり、同様に、本明細書における接着剤(接着層)とは、粘着剤(粘着層)や糊(糊付け層)を含む概念である。
【0048】
今日まで種々の偏光子が開発されてきており、これらの任意の偏光子を偏光子41として用いることができる。一具体例として、ポリビニルアルコール系フィルムを基材とした偏光子41を用いることができる。ポリビニルアルコール系フィルムを基材とした偏光子41は、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素や染料などの二色性色素を吸着あるいは染色させ、その後、一軸延伸して配向させることによって、光の吸収異方性がポリビニルアルコール系フィルムに付与され得る。
【0049】
次に、保護フィルム50について説明する。図3によく示されているように、保護フィルム50は、樹脂材料からなる主部59aと、主部59a中に分散された拡散成分59bと、を有している。主部59aをなす樹脂材料として、優れた光学特性を有する、トリアセチルセルロース、環状ポリオレフィン、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂などを用いることができる。例えば、ポリカーボネート系樹脂は、低リタデーションである点においても、下偏光板40に用いられる材料として好適である。
【0050】
一方、拡散成分59bは、主部59aとは異なる屈折率を有した粒状物、あるいは、それ自体が反射性を有した粒状物等から構成され得る。この拡散成分59bをなす粒状物は、金属化合物であってもよいし、気体を含有した多孔質物であってもよいし、さらには、単なる気泡であってもよい。また、粒状物からなる拡散成分59bの形状は、特に問われることはない。したがって、拡散成分59bは、図示された例のように球状(粒子状)である必要はなく、例えば回転楕円体形状や線状等の種々の形状を有することができる。
【0051】
このように主部59a中に分散された拡散成分59bに起因して、保護フィルム50は、光を拡散させる拡散機能を発現することができる。このように内添された拡散成分59bに起因した保護フィルム50の光拡散機能の程度は、主部59aをなす樹脂材料、主部59aの厚み、拡散成分59bの構成(形状、大きさ(粒径)、屈折率等)、拡散成分59bの濃度等を適宜設定することにより、極めて広い範囲内で調節可能である。具体的には、単なる表層部をマット面化(粗面化)しただけでは通常到達することが不可能な程度、例えば60%以上90%以下の範囲内に、保護フィルム50のヘイズ値を設定することも可能である。
【0052】
また、図3に示されているように、保護フィルム50の偏光子41に対面するようになる出光側面50aは、平坦面として形成されており。これにより、空気等の混入を防止しながら、保護フィルム50と偏光子41とを安定して積層および接着することが可能となる。その一方で、本実施の形態においては、保護フィルム50の偏光子41に対面する側とは反対側の入光側面50bは、凹凸面として形成されている。入光側面50bに設けられた凹凸は、主部59a中に分散された拡散成分59bに起因しており、より具体的には、拡散成分59bが露出して或いは拡散成分59bの輪郭が浮き出て形成されている。
【0053】
保護フィルム50の入光側面50bは、下偏光板40の入光側面をなすだけでなく、偏光板40の入光側面40b、さらには液晶表示パネル15の入光側面を形成している。このため、本実施の形態による保護フィルム50は、上述した主部59a中に分散された拡散成分59bだけでなく、入光側面50bの凹凸にも起因して、拡散機能も発現するようになる。
【0054】
なお、本明細書において、「平坦」とは、「凹凸面(凹凸を有した面)」の逆の意味で用いられ、保護フィルム50と偏光子41との安定した積層および接着を確保し得る程度の平坦を指す。例えば、保護フィルム50の偏光子41に対面する側の面50aの表面粗さが、JISB0601(1982年)に準拠して十点平均粗さRzとして測定された場合に、1.0μm以下であれば平坦と言える。
【0055】
このように保護フィルム50が拡散成分59bを内添されているにもかかわらず、保護フィルム50の出光側面40aが平坦であることから、いわゆる「水貼り」によって、保護フィルム50および偏光子41を積層および接着することができる。具体的には、水、或いは、界面活性剤等の好適な添加剤が混合された水溶液(または、懸濁液)を間に介在させた状態で、保護フィルム50および偏光子41を互いに重ね合わせていく。これにより、空気等の異物の混入を防止しながら、保護フィルム50および偏光子41を積層することができる。またこの際、水あるいは水溶液(または懸濁液)に接着剤(例えば糊等)を混合しておくことにより、あるいは、保護フィルム50および偏光子41の少なくとも一方に接着層を予め設けておき、保護フィルム50および偏光子41を積極的に接着するようにしてもよい。
【0056】
なお、「水貼り」後に、保護フィルム50および偏光子41からの水分の除去を促進するため、保護フィルム50の透湿度が、温度40℃、湿度90%RHでの状況下で、10g/m2・24hr以上となっていることが好ましい。ただし、透湿度が高すぎると、吸湿に起因した反りや曲がりが発生し得るため、透湿度が、温度40℃、湿度90%RHで測定して400g/m2・24hr以下であることが好ましい。なお、本明細書における透湿度とは、JISZ0208に準拠してカップ法を用いて測定された数値を指す。
【0057】
次に、偏光板に積層された光学シート60について説明する。ここで説明する光学シート60は、光の進行方向を変化させる光制御機能を有している。具体的な構成として、光学シート60の偏光板40に対向する出光側面60aが、図2および図4によく示されているように、並べて配置された単位光学要素(単位プリズム)70によって形成された凹凸を有する光学要素面(プリズム面)として構成されている。この光学要素面によって、光学シート60は、集光機能および光拡散機能(明るさの面内分布を均一化させる機能)を発現するようになっている。また、光学シート60は、バインダー樹脂中に分散された拡散成分69bを含んでおり、この拡散成分69bによって、光学シート60は光拡散機能(明るさの面内分布を均一化させる機能)を発現するようになっている。以下、光学シート60の構成について、さらに詳述する。
【0058】
なお、本明細書における「単位光学要素」とは、屈折や反射等の光学的作用を光に及ぼして、当該光の進行方向を変化させる機能を有した要素のことを指し、「単位形状要素」、「単位プリズム」および「単位レンズ」といった要素と呼称の違いのみに基づいて区別されるものではない。同様に、「プリズム」および「レンズ」は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。
【0059】
図2および図3によく示されているように、光学シート60は、シート状の本体部65と、本体部65の出光側面65a上に所定の方向(配列方向)に並べて配置された単位光学要素70と、を有している。各単位光学要素70は、その配列方向と交差する方向であって且つ光学シート60のシート面と平行な方向に、延びている。本実施の形態において、シート状の光学部材18のシート面への法線方向と平行な方向から観察した場合、単位光学要素70の配列方向は、複数の発光体26の第1の配列方向d1(図1参照)と平行となっている。
【0060】
ところで、液晶表示パネル15は、多数の画素を含んでいる。液晶表示パネル15は、この画素毎に光の透過および遮断を制御することによって、映像を形成する。そして、単位光学要素70の配列方向は、シート状の光学部材18のシート面への法線方向と平行な方向から観察した場合、液晶表示パネル15の液晶セル11の画素の配列方向と交差、すなわち、画素の配列方向に対して傾斜または直交していることが好ましい。具体的には、シート状の光学部材18のシート面への法線方向と平行な方向から観察した場合に、単位光学要素70の配列方向と液晶セル11の画素の配列方向とが、1°以上45°未満の角度で傾斜していることが好ましく、5°以上30°以下の角度で傾斜していることがさらに好ましい。この場合、画素の規則的な配列に起因した周期性と、単位光学要素70の規則的な配列に起因した周期性と、の干渉によって生じるモアレ(干渉縞)を効果的に目立たなくさせることができる。また、モアレを目立たなくさせる観点からすれば、単位光学要素70の配列ピッチが、30μm以下となっていることが好ましい。
【0061】
図2および図4から理解され得るように、本実施の形態において、光学シート60に含まれる多数の単位光学要素70は、互いに同一に構成されている。
【0062】
ここで、図2に示された断面は、単位光学要素70の配列方向と光学シート60のシート面への法線方向との両方向に沿った断面(以下、単に「光学シートの主切断面」とも呼ぶ)である。本実施の形態において、図2に示すように、光学シートの主切断面において、各単位光学要素70の断面形状は、三角形形状となっている。とりわけ図示する例においては、単位光学要素70の主切断面における断面形状は、光学シート60のシート面への法線方向を中心として左右対称に配置された二等辺三角形状となっている。
【0063】
一例として、図示された単位光学要素70の具体的な寸法を、次のように設計することができる。本体部65の出光側面65a上における単位光学要素70の配列ピッチPa(図2参照)を15μm以上300μm以下とすることができる。光学シート60のシート面への法線方向ndに沿った本体部65からの単位光学要素70の突出高さHa(図2参照)を10μm以上200μm以下とすることができる。また、二等辺三角形形状の頂角の角度θa(図2参照)は、集光機能を考慮して、例えば60°以上120°以下とすることができる。また、
【0064】
ところで、光学シート60は、上述したように、拡散成分69bを有しており、この拡散成分69bによって、光学シート60は光拡散機能を発現するようになっている。より厳密には、光学シート60は、樹脂からなる主部69aと、主部69a中に分散された拡散成分69bと、を有する光拡散層61aを含んでいる。
【0065】
本実施の形態における光学シート60は、図2によく示されているように、光拡散層61aと、拡散成分69bを含有していない樹脂層61bと、を有している。図示する例において、樹脂層61bは、光拡散層61aよりも出光側に配置されている。すなわち、樹脂層61bは、光拡散層61aよりも偏光子41の側に配置されている。
【0066】
樹脂層61bは、上述した単位光学要素70と、単位光学要素70に隣接する本体部65の出光側の部分と、を構成している。一方、光拡散層61aは、樹脂層61bに隣接する本体部65の入光側の部分を構成している。また、後述する製造方法に起因して、光拡散層61aの主部69aと樹脂層61bとの間に、光学界面が存在しない。すなわち、光は、光学シート60内において光拡散層61aから樹脂層61bへ、光学作用を及ぼされることなく入射する。
【0067】
樹脂層61bをなす樹脂材料および光拡散層61aの主部69aをなす樹脂材料として、優れた光学特性を有する種々の樹脂材料、一例として、トリアセチルセルロース、環状ポリオレフィン、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂などを用いることができる。例えば、ポリカーボネート系樹脂は、低リタデーションである点においても、下偏光板40に用いられる材料として好適である。
【0068】
一方、光拡散層61aに分散された拡散成分69bは、主部69aとは異なる屈折率を有した粒状物、あるいは、それ自体が反射性を有した粒状物等から構成され得る。具体的には、光学シート60に含有される拡散成分69bとして、上述した下偏光板40の保護フィルム50の拡散成分59bと同様の材料を用いることができる。すなわち、光学シート60の拡散成分69bをなす粒状物は、金属化合物であってもよいし、気体を含有した多孔質物であってもよいし、さらには、単なる気泡であってもよい。また、粒状物からなる拡散成分59bの形状は、特に問われることはない。したがって、拡散成分59bは、図示された例のように球状(粒子状)である必要はなく、例えば回転楕円体形状や線状等の種々の形状を有することができる。
【0069】
光学シート60は、拡散成分69bを含んだ光拡散層61aに起因して、光を拡散させる拡散機能を発現することができる。このように内添された拡散成分69bに起因した光学シート60の光拡散機能の程度は、主部69aをなす樹脂材料、主部69aの厚み、拡散成分69bの構成(形状、大きさ(粒径)、屈折率等)、拡散成分69bの濃度等を適宜設定することにより、極めて広い範囲内で調節可能である。具体的には、単なる表層部をマット面化(粗面化)しただけでは通常到達することが不可能な程度、例えば60%以上90%以下の範囲内に、光学シート60のヘイズ値を設定することも可能である。
【0070】
以上のような構成からなる光学シート60は、接着剤55を介して、その出光側に配置された偏光板40に接合されている。図2によく示されているように、接着剤55は、単位光学要素70の最も偏光板40に近接する頂部71近傍の領域のみに設けられている。本実施の形態において、単位光学要素70は本体部65上に並列配置されているため、接着剤55は、光学シート60と偏光板40との間において、ストライプ状の態様で設けられ得る。このような接着剤55の光学シート60上への塗布は、種々の既知な塗布装置、一例としてグラビアコーターを用いて実施することができる。このような接着剤55を介することにより、光学シート60は、単位光学要素70の頂部71近傍の領域のみにおいて、偏光板40に接合されている。
【0071】
すなわち、隙間無く配列された単位光学要素70によって形成されている光学シート60の出光側面60aおよび偏光板40の保護フィルム50の入光側面50bは、その一部の領域のみに接着剤55を塗布されている。結果として、単位光学要素70の出光面(プリズム面)の少なくとも一部は、接着剤55によって覆われることなく、光学シート60と偏光板40との間に形成された空隙Vに露出する。これにより、単位光学機能の出光面(プリズム面)での光学機能が確保され、光学シートから出射して偏光板40へ向かう光に対して所望の光学作用を及ぼすことができる。
【0072】
同様に、下偏光板40の入光側面40bをなす保護フィルム50の凹凸を有した入光側面50bも、少なくとも一部の領域において、接着剤55によって覆われることなく、光学シート60と偏光板40との間に形成された空隙Vに露出する。これにより、保護フィルム50の入光側面の凹凸に起因した光学機能(光拡散機能)が確保され、保護フィルム50を介して偏光板40へ入射する光に対して所望の光学作用を及ぼすことができる。
【0073】
また、従来の表示装置や面光源装置では、隣り合う二つの光学シートが、例えば環境条件の変化にともなって変形し、互いに接触する、さらには擦れ合うといった現象が生じていた。不規則に変形した光学シートは、もはや期待された光学機能を発揮することができない。また、二つの光学シート間の接触や擦れ合いは、視認されることもあり、この場合、表示装置に表示される画質が劣化してしまう。とりわけ、二つの光学シートが擦れ合う場合には、当該擦れ合った箇所が視認されやすくなり、さらに、削れカスが生じることもあった。一方、本実施の形態によれば、光学シート60は、比較的に剛性の高い液晶セル11に積層された偏光板40に対して接着剤55を介して接合され、当該液晶セル11および偏光板40によって支持されている。したがって、この光学シート60が、例えば光源25をなす発光体26から多量の熱を受けたとしても、偏光板40および液晶セル11によって変形を拘束されることになる。これにより、光学シート60は期待された光学機能を発揮し続けることが可能となり、従来生じていた隣り合う二つの光学シートが接触することに起因した画質の劣化を防止することができる。
【0074】
なお、本件発明者らが鋭意研究を重ねたところ、光学部材18の法線方向に沿った任意の断面において、偏光板40と光学シート60とが接合されている長さが占める割合(接合割合)が、1%以上80%以下の範囲にあること、すなわち本実施の形態に当てはめると、シート状の光学部材18のシート面への法線方向に沿った任意の断面において、接着剤55を介して接着されている長さlj(図2参照)が占める割合(以下、接合割合と呼ぶ)が、2%以上50%以下の範囲にあることが好ましかった。この場合、空隙に露出した凹凸を有する光学要素面によって、有効に光学機能が発揮されるとともに、光学シート60と保護フィルム40とを安定して接合することができる。なお、光学部材18におけるこの接合割合の特定においては、例えば顕微鏡により観察された光学部材18の一範囲であって、偏光板40(保護フィルム50)の光学シート60に対向する面の構成および光学シート60の偏光板40(保護フィルム50)に対向する面の構成を考慮した上で、全体の接合割合を反映し得ると期待される長さを持つ一範囲(例えば、上述の寸法例で構成された光学シート60を含む光学部材18においては、10mmの長さの範囲)についての接合割合を算出し、算出された値を当該光学部材18の接合割合として取り扱うようにしてもよい。また、接合割合を特定する上で、偏光板40(保護フィルム50)と光学シート60とが接合している領域を特定する必要が生じるが、この領域は、偏光板40(保護フィルム50)と光学シート60とが光学的に密着している領域として、特定する。すなわち、接合割合を特定する上での偏光板40(保護フィルム50)と光学シート60とが接合されている領域は、可視光に対して光学作用を及ぼし得る空隙Vが形成されていない領域であり、具体的には、偏光板40(保護フィルム50)と光学シート60との間に空隙Vが形成されていない領域、及び、偏光板40(保護フィルム50)と光学シート60との間に空隙Vが形成されているものの、当該空隙Vの法線方向ndに沿った長さが可視光の最短波長未満となっている領域とする。
【0075】
ここで、主に図5を参照して、以上のような構成からなる保護フィルム50の製造方法の一例について説明する。なお、以下の説明では、光学シート60が、押し出し加工によって押し出された押し出し材として形成されている。
【0076】
まず、光学シート60の製造に用いられ得る押し出し装置80について説明する。図5に示すように、押し出し装置80は、ダイ82aを含む押し出し機82と、成型ロール84と、成型ロール84に対向して配置されたバックアップ手段86と、成型ロール84およびバックアップ手段86の下流側に配置された誘導手段88と、を有している。誘導手段88は、一対のガイドロール88aとして構成されている。また、押し出し装置80は、成型ロール84を加熱する加熱手段83と、成型ロール84を冷却する冷却手段87と、を有している。
【0077】
成型ロール84は、円柱状の外形状を有しており、本例において、成型ロール84の円柱状の外周面には、単位光学要素70の断面形状に対応した形状を有する溝が、螺旋状に形成されている或いは周状に多数形成されている。円柱状の成型ロール84は、当該円柱の中心を通過する回転軸線を中心として回転可能となっている。
【0078】
また、成型ロール84は、中心部85aと、表層部85cと、中心部85aおよび表層部85cの間に設けられた断熱部(断熱層)85bと、を有している。表層部85cは、成型ロール84の成型面84aを構成し、上述した単位光学要素70の断面形状に対応した形状を有する溝を形成されている。断熱部85bは、表層部85cおよび中心部85aよりも高い断熱性を有している。なお、断熱性の高低は、熱伝導率を用いて評価され得り、熱伝導率の値が小さいほど、断熱性が高いと言える。一例として、断熱部85bを、ポリエーテルエーテルケトン等のスーパーエンプラや、セラミクスから形成し、表層部85cおよび中心部85aを鋼から構成することができる。
【0079】
バックアップ手段86は、二以上の支持ロール86aと、二以上の支持ロール86a間に架け渡された無縁のベルト部材(ベルト)86bと、を有している。図示する例では、バックアップ手段86は、二つの支持ロール86aを有している。各支持ロール86aは、円柱状に形成され、当該円柱の中心を通過する回転軸線を中心として回転可能となっている。各支持ロール86aの回転軸線は、互いに平行であり、且つ、成型ロール84の回転軸線とも平行になっている。そして、二以上の支持ロール86aは、回転軸線を中心として回転することにより、当該支持ロール86aに架け渡されたベルト部材86bを駆動することができる。
【0080】
図示する例において、二つの支持ロール86aのうちの一方は、成型ロール84に対向して配置されたニップロール86a1として構成されている。二つの支持ロール86aのうちの他方は、ニップロール86a1との間で、ベルト部材86bの移動経路を確定する調整ロール86a2として構成されている。
【0081】
図5に示すように、ニップロール86a1と調整ロール86a2との間において、ベルト部材86bは、成型ロール84からの押圧によって、成型ロール84の外輪郭に対応して変形するようになっている。このため、後述するようにベルト部材86bと成型ロール84との間を通過するフィルム材料90が、その移動経路に沿った或る長さのニップ区間NZにわたって、ベルト部材86bと成型ロール84とによって加圧され続けることになる。図5に示す構成では、例えば、ニップ区間NZの長さは、支持ロール86a、とりわけ調整ロール86a2の位置を調整することによって、適宜調整され得る。
【0082】
このような成型ロール84、ニップロール86a1、調整ロール86a2およびベルト部材86bは、種々の材料を用いて構成される。例えば、成型ロール84、ニップロール86a1および調整ロール86a2については、金属製のロールや、中心部が金属製であるとともに表層部が弾性体(例えばゴム)からなるロール等を用いることができる。また、ベルト部材86bとしては、耐久性を有した金属製の無縁ベルト、例えば、クロム合金やニッケル合金などの金属合金製のベルト状の部材を、用いることができる。
【0083】
なお、以上の例に限られず、バックアップ手段86が単なる金属ロールまたはゴムロール等から構成されていてもよい。
【0084】
加熱手段83は、図5に示すように、成型ロール84のうちのバックアップ手段86と対面する直前の位置において、すなわち、成型ロール84のうちの押し出し材(フィルム材料)90に接触する直前の位置において、成型ロール84を成型面84aから加熱することができる。加熱手段83としては、図5に示すように、遠赤外線ヒータ83aを用いることができる。
【0085】
一方、冷却手段87は、押し出し材90の移動経路に沿ったバックアップ手段86と調整手段88との間となる位置において、成型ロール84に対向して配置されている。冷却手段87は、押し出し材90を介して成型ロール84の表層部85cに当接し、成型ロール84を成型面84aから冷却することができる。冷却手段87としては、内部に冷媒(例えば、冷却水)の循環路が形成された冷却ロール87aを用いることができる。
【0086】
なお、上述したように、成型ロール84は、成型面84aをなす表層部85cに隣接する位置に、断熱性に優れた断熱部85bを設けられている。したがって、加熱手段83から熱を加えられるのは、主として、成型ロール84の表層部85cとなり、且つ、冷却手段87に熱を奪われるのは、主として、成型ロール84の表層部85cとなる。このため表層部85cの層厚を薄くして表層部85cの熱容量を小さくしておくことにより、加熱手段83および冷却手段87を用いて、成型ロール84の表層部85cの温度を迅速に且つ大幅に変化させることが可能となる。具体的には、冷却手段87によって冷却された成型ロール84の表層部85cを、加熱手段83からの加熱によって、短時間で加熱することができ、逆に、加熱手段83によって加熱された成型ロール84の表層部85cを、冷却手段87による冷却によって、短時間で冷却することができる。
【0087】
次に、このような押し出し装置80を用いて、上述した光学シート60を製造する方法について説明する。ここで説明する方法においては、いわゆる共押し出しにより、上述した光拡散層61aおよび樹脂層61bを含んでなる押し出し材としてのフィルム材料90を製造する。そして、得られたこのフィルム材料90が光学シート60をなすようになる。
【0088】
まず、光拡散層61aをなすようになる第1の材料と、樹脂層61bをなすようになる第2の材料と、を押し出し機82に投入する。光拡散層61aをなすようになる第1の材料には、主部69aをなすようになる熱可塑性樹脂(例えば、ペレット状の熱可塑性樹脂材料)と、拡散成分69bをなすようになる粒状物と、が含まれている。また、樹脂層61bをなすようになる第2の材料には、樹脂層61bをなすようになる熱可塑性樹脂(例えば、ペレット状の熱可塑性樹脂材料)が含まれる。第2の材料に含まれる熱可塑性樹脂は、第1の材料に含まれる熱可塑性樹脂と異なる樹脂材料であってもよいし、第1の材料に含まれる熱可塑性樹脂と同一の樹脂材料であってもよい。
【0089】
押し出し機82に投入された第1および第2の樹脂材料をなす熱可塑性樹脂は、押し出し機82内でガラス転移点温度以上に加熱される。そして、加熱されて軟化した第1および第2の樹脂材料が押し出し機82によって押し出される。
【0090】
一例として、ガラス転移点温度が140℃近辺となるポリカーボネート系樹脂が、第1および第2の樹脂材料に含まれる熱可塑性樹脂として用いられる場合、ダイ82aを通過した直後の熱可塑性樹脂の温度が300℃程度となるように、押し出し機82内で熱可塑性樹脂を加熱するようにしてもよい。また、押し出し加工によって光学シート60を作製する場合、拡散成分69bをなすようになる粒状物の平均粒径(体積相当法で算出された粒径、すなわち体積相当径の算術平均、以下同様)を0.8μm〜15μmとし、拡散成分69bをなすようになる粒状物の含有量が0重量%を超え40重量%以下とすることができる。
【0091】
このようにして、熱可塑性樹脂と熱可塑性樹脂内に分散された拡散成分とを有した第1の層(光拡散層61aをなすようになる層)と、熱可塑性樹脂からなる第2の層(樹脂層61bをなすようになる層)と、を有するフィルム材料90が、押し出し材として、形成される。この際、押し出し機82のダイ82aにおいて、フィルム材料90の厚みは所望の厚さに制御され得る。
【0092】
押し出し機82から押し出されたフィルム材料90は、成型ロール84とバックアップ手段86との間へ進む。この際、フィルム材料90のうちの、熱可塑性樹脂と熱可塑性樹脂内に分散された拡散成分とを有した第1の層(光拡散層61aをなすようになる層)が、バックアップ手段86と接触し、熱可塑性樹脂からなる第2の層(樹脂層61bをなすようになる層)が成型ロール84と接触するようになる。そして、フィルム材料90は、バックアップ手段86の無縁ベルト86bによって熱可塑性樹脂および粒状物からなる第1の層(光拡散層61aをなすようになる層)の側から支持された状態で、成型ロール84によって熱可塑性樹脂からなる第2の層(樹脂層61bをなすようになる層)の側から押圧される。バックアップ手段86の無縁ベルト86bと成型ロール84とによるフィルム材料90の押圧は、フィルム材料90が、所定長さの区間NZを進む間に亘って、継続される。
【0093】
このようにして、成型ロール84の型面84aがフィルム材料90の熱可塑性樹脂からなる層(樹脂層61bをなすようになる層)に押し付けられ、成型面84aの凹凸形状がフィルム材料90に転写される。また、フィルム材料90が、成型ロール84とバックアップ手段86の無縁ベルト86bとによって挟圧されている間に、拡散成分はフィルム材料90の内部に押し込まれる。
【0094】
なお、無縁ベルト86bは、成型ロール84と比較して熱容量が格段に小さく、また、ヒータ等によって加熱されない。したがって、無縁ベルト86bは、フィルム材料90から熱を吸収したとしても、フィルム材料90に接触していない間に十分な放熱を行う。このため、無縁ベルト86bが再度フィルム材料90に接触する際には、無縁ベルト86bの温度は十分に低下しており、無縁ベルト86bはフィルム材料90の冷却を促進する。結果として、フィルム材料90がバックアップ手段86の無縁ベルト86bから離間する際に、フィルム材料90の無縁ベルト86bに接触していた熱可塑性樹脂および粒状物からなる第1層(光拡散層61aをなす層)が十分に冷却される。すなわち、当該層に含まれる熱可塑性樹脂がそのガラス転移点温度未満の温度に到達するよう、無縁ベルト86bによってフィルム材料90を十分に冷却することができる。
【0095】
しかも、このように、光拡散層61aの主部69aをなすようになる樹脂材料についてのガラス転移点温度未満まで、光拡散層61aをなすようになる第1層の温度が低下している場合には、当該熱可塑性樹脂材料は或る程度の変形抵抗を有するようになる。このため、主部69aをなすようになる樹脂材料の熱膨張率と、拡散成分69bをなすようになる粒状物の熱膨張率との差に起因した熱変形が生じにくくなる。すなわち、その後の冷却過程において、主部69aをなすようになる樹脂材料の部分が後退し、拡散成分69bをなすようになる粒状物の輪郭が浮き上がってくることが抑制され、フィルム材料90の無縁ベルト86bに接触していた面を平坦な面に維持することができる。
【0096】
一方、押し出し機82から押し出された直後のフィルム材料90の温度は、300℃程度にまで上昇している。このフィルム材料90に接触することになる成型ロール84は、フィルム材料90に接触する直前に、加熱手段83によって成型面84aの側から加熱される。成型面84aを含む表層部85cは、断熱部85bによって中心部85aから区画されており、迅速に且つ大幅にその温度を上昇させられ得る。この際、成型面84aの温度は、フィルム材料90の成型ロール84によって賦型されるようになる樹脂材料のガラス転移点温度以上の温度、例えば、賦型される樹脂材料がポリカーボネートである場合には160℃程度にまで加熱される。このようにして、押し出された直後のフィルム材料90が、加熱された成型ロール84の成型面84aと、バックアップ手段86の無縁ベルト86bと、によって押圧される。
【0097】
フィルム材料90は、所定長さの区間NZを進む間に亘って、バックアップ手段86の無縁ベルト86bと成型ロール84との間で押圧された状態となる。この間、上述したようにフィルム材料90はバックアップ手段86の無縁ベルト86bに熱を奪われ、また、フィルム材料90は成型ロール84からも熱を奪われる。ただし、上述したように無縁ベルト86bの側からはフィルム材料90の熱が急速に奪われるが、成型ロール84は、フィルム材料90に接触する直前に加熱されている。したがって、賦型されるべき樹脂が、高温、好ましくはそのガラス転移転温度以上の温度に維持された状態で、所定の時間に亘って、成型ロール84の成型面84aによって押圧されることになる。この結果、フィルム材料90には、所望の凹凸形状が精度良く賦型されることになる。
【0098】
図5に示すように、バックアップ手段86と成型ロール84との間での押圧から解放されたフィルム材料90は、その後においても、バックアップ手段86および誘導手段88に支持された状態で、成型ロール84の成型面84aへ向けて押圧されている。成型ロール84の成型面84a上に配置されたフィルム材料90は、その後、成型ロール84と冷却手段87をなす冷却ロール87aとの間を通過する。この際、冷却手段87によって、フィルム材料90は、成型面84aに向けて押圧されながら冷却される。したがってこの冷却中、フィルム材料90は、成型面84aに向けて押圧されることから変形を拘束される。これにより、フィルム材料90の賦型された凹凸形状(単位光学要素70をなすようになる凹凸形状)が、熱収縮によって期待された形状から大きく変形してしまうことを、効果的に防止することができる。
【0099】
同時に、成型ロール84の成型面84aを含む表層部85cも、冷却ロール87aにより、フィルム材料90を介して冷却される。これにより、フィルム材料90を、成型ロール84の表層部85cとともに、当該フィルム材料をなす樹脂材料のガラス転移点温度未満の温度にまで、例えば、冷却される樹脂材料がポリカーボネートである場合には130℃程度にまで安定して冷却され得る。このようにして。成型ロール84の表層部85cの温度までもが、当該フィルム材料90をなす樹脂材料のガラス転移点温度未満まで冷却されるので、その後、フィルム材料90の温度が再びガラス転移点温度を越す温度まで上昇することもなく、これにより、成型ロール84の予備加熱に起因して高精度に賦型された形状をその後もそのままに維持することができる。
【0100】
成型ロール84から離間した押し出し材90は、その後、誘導手段88によって、冷却されるとともに、適度なテンションを付加されて反りや曲がりを矯正されながら、誘導される。以上のようにして、熱可塑性を有した樹脂材料を粒状物とともに押し出してなるフィルム材料(押し出し材)90からなる光学シート60が作製される。なお、光学シート60の平坦な入光側面60bは、フィルム材料90のバックアップ手段86に接触していた面によって形成され、光学シート60の単位光学要素70が形成された出光側面60aは、押し出し材90の成型ロール84に接触していた面によって形成される。
【0101】
なお、下偏光板40の保護フィルム50も、ここで説明した光学シート60と同様に、押し出し加工によって作製することができる。この際、上述した押し出し加工機(製造装置)80の成型ロールとして、成型面84aが平坦面として構成された成型ロール84が用いられる。実際の押し出し加工においては、上述した共押し出しではなく単層の押し出し加工として、主部59aをなすようになる熱可塑性樹脂と、熱可塑性樹脂中に分散され拡散成分59bをなすようになる粒状物と、からなるフィルム材料90が、押し出し機82から押し出される。また、フィルム材料90のバックアップ手段86に接触する側の面からの冷却を或る程度の強さに維持しながら、その一方で、成型ロール84に接触する側の面からの冷却を弱めておく。これにより、フィルム材料90は、成型ロール84からの離型後に、成型ロール84に接触していた側からさらに冷却されるようになる。この成型ロール84からの解放後における冷却によって、主部59aをなす樹脂材料が熱収縮し、結果として、主部59aから拡散成分59bが浮かび上がるようにすることができる。これにより、バックアップ手段86に接触していた面からなる平坦な出光側面50bと、成型ロール84に接触していた面からなる凹凸を有した入光側面50aと、を有した保護フィルム50が、得られる。
【0102】
次に、主として図2を参照しながら、光学部材18に起因した表示装置10の作用について説明する。
【0103】
図2において、光源25の発光体26で発光された光は、直接または反射板21で反射した後に観察者側に進み、液晶表示パネル15に入射する。液晶表示パネル15の最入光側には光学部材18が設けられている。そして、光学部材18のうちの光学シート60の入光側面60bが、液晶表示パネル15の最入光側面を形成している。
【0104】
光学シート60は、上述したように、拡散成分69bを有した光拡散層61aをその入光側に有している。したがって、光学部材18の光学シート60へ入射した光は、まず、光拡散層61aによって所望の程度に拡散される。光拡散層61aでの拡散により、光源25の発光体26の構成(配列)に起因した明るさのムラを解消することも可能となる。
【0105】
光学シート60の光拡散層61aで拡散された光は、その後、樹脂層61bを経て光学シート60の出光側面60aから出射する。上述したように光学シート60の出光側面60aは単位光学要素70によって形成されており、光学シート60の出光側面60aから出射する光は、単位光学要素70の出光側面(プリズム面)によって屈折する。この屈折により、正面方向ndに対して傾斜した方向に進む光の進行方向(出射方向)は、主として、屈折直前の進行方向と比較して、正面方向ndに対する角度が小さくなるように、曲げられる。このようにして、光学シート60は、光源25からの光に対して集光機能を発揮する。
【0106】
なお、光学シート60の単位光学要素70によって集光される光は、主として線状の単位光学要素70の配列方向に沿った成分である。そして、単位光学要素70の断面形状を適宜設計しておくことにより、図2に示すように、光学シート60の単位光学要素70での集光機能は、その配列方向に隣り合う二つの発光体26の中間点に対面する位置を含む領域であって、明るさが低下してしまう傾向のある領域において、顕著に発揮されるようになる。
【0107】
すなわち、単位光学要素70は、その配列方向に沿った光の成分を集光させるだけでなく、その配列方向に沿った明るさ(とりわけ、正面方向輝度)のムラを緩和する機能も発揮する。上述したように、単位光学要素70が主としてその配列方向と平行な光の成分に対して光学機能を発揮することから、図1および図2に示す例のように、単位光学要素70の配列方向が発光体26の配列方向と平行な場合に、当該発光体26の配列方向に沿った明るさのばらつきを、効果的に均一化して目立たなくさせることができる。したがって、図1に示された例では、二次元配列された発光体26の第1の配列方向d1が、単位光学要素70の配列方向と平行になっているため、第1の配列方向d1に沿った明るさのムラを解消し、輝度の面内分布を効果的に均一化することができる。
【0108】
以上のように、光学シート60の単位光学要素70は、正面方向輝度の向上に役立つとともに、光源25の発光体26の構成(配置)に起因した明るさのむムラ(輝度の面内ばらつき)を緩和することにも役立つ。とりわけ本実施の形態においては、単位光学要素70は樹脂層61b内に位置し、単位光学要素70内に拡散成分69bが分散されていない。このため、光学機能を発現する単位光学要素70の表面(プリズム面)が、拡散成分69bに起因した凹凸のない平坦面として高精度に形成され得る。これにより、光学シート60の単位光学要素70が、期待された所望の光学機能を発揮することができる。
【0109】
光学シート60によるこのような集光機能の程度は、隣り合う二つの発光体26の配置ピッチpa1、光学シート60のシート面への法線方向に沿った発光体26と光学シート60(光学部材18)との離間距離la1、単位光学要素70の形状、単位光学要素70の屈折率等を適宜設定することにより、極めて広い範囲内で調節可能である。
【0110】
図2に示すように、単位光学要素70を介して光学シート60から出射した光は、その後、保護フィルム50へ入射する。保護フィルム50は、主部59aと、主部59a中に分散された拡散成分59bと、を有しており、この内添された拡散成分59bに起因して光拡散機能を発現する。このような内添された拡散成分59bに起因した保護フィルム(光拡散層)50での光拡散機能は、例えば賦型によって表面をマット面化すること或いは表層部に粒状物を設けることによって表面をマット面化することに起因した光拡散機能と比較して、程度(拡散の強さ)および質(拡散の均一性)において格段に優れる。
【0111】
具体的には、単に表面がマット化されたに過ぎない場合には、図3に二点鎖線で示すように、素抜けしてしまう光(進行方向を変化させられない)L33が生じてしまう。その一方で、内添された拡散成分59bによれば、平面方向だけでなく厚さ方向にも拡散成分59bが分散することになる。このため、保護フィルム50に入射した光L31,L32は、高い確率で、一回以上拡散成分59bに衝突して、その進行方向を変化させるようになる。また、上述したように、主部59aをなす樹脂材料、主部59aの厚み、拡散成分59bの構成(形状、大きさ(粒径)、屈折率等)、拡散成分59bの濃度等を適宜設定することにより、極めて広い範囲内で保護フィルム50の光拡散機能の程度を調節することができる。
【0112】
以上のようにして、光学部材18内を光学シート60から偏光板40へ入射した光を保護フィルム50で或る程度拡散させることができる。これにより、光学シート60の単位光学要素70によって集光された後での輝度の角度分布を、滑らかに変化させるようにすることができる。また、保護フィルム50における光拡散機能の程度を適宜調節しておくことにより、第1配列方向d1および第2配列方向d2に沿った発光体26の配列に起因する輝度の面内分布を効果的に均一化して、発光体26の像(ライトイメージ)が視認されてしまうことをより確実に防止することもできる。
【0113】
偏光板40の保護フィルム50で拡散された光は、その後、保護フィルム50の出光側に配置された下偏光板40の偏光子41、液晶セル11および上偏光板12に向かうことになる。この際、液晶セル11は、画素毎に光を選択的に透過させ、これにより、表示装置10の観察者が、映像を観察することができるようになる。
【0114】
以上のような本実施の形態によれば、表示装置10の液晶表示パネル15に組み込まれた光学部材15は、偏光子41を有する偏光板(下偏光板)40と、偏光板40に接合された光学シート50と、を有している。そして、偏光板40の光学シート60に対向する面および光学シート60の偏光板40に対向する面の少なくともいずれか一方の面は、凹凸を有した光学要素面として形成され、所望の光学機能を付与され得る。また、この一方の光学要素面は、当該面をなす凹凸の少なくとも一部の凸部を介して、他方の面へ接合し、偏光板40と光学シート60との間に空隙Vが形成されている。このように偏光板40と光学シート60との間に空隙Vが形成されているため、光学要素面での光学機能が有効に発揮され、液晶表示パネル15へ入射した光の進行方向を積極的に変更することが可能となる。これにより、本実施の形態による光学部材18によれば、表示装置10の輝度特性や視野角特性についての設計の自由度を格段に向上させることができる。加えて、光学シート60は、偏光板40に接合されており、結果として、比較的に高剛性の液晶セル11によって支持されることになる。このため、光学部材18の置かれている場所での環境条件(温度や湿度等)に変化が生じたとしても、光学シート60の変形が拘束され、光学シート60に生じる反り、曲がり、ねじれ等の変形を防止することができる。
【0115】
また、表示装置10に求められる品質等にもよるが、偏光板40を有する光学部材18に所望の光制御機能を付与することが可能になることから、図22に示された従来の表示装置1の面光源装置内に組み込まれていた拡散板A、下拡散シートB、集光シートCおよび上拡散シートD等の光学シート類の全部または一部を削除することも可能となる。
【0116】
このように、表示装置に組み込まれる部材(光学シート)を一部だけでも削除することができれば、表示装置の製造コストを直接的に低減することができる。また、表示装置あるいは面光源装置の組み立て時に必要となる光学シート類の位置決めといった煩雑な作業を簡略化すること、さらには省くことが可能となり、この点からも表示装置の製造コストを低減することができる。さらに、表示装置に組み込まれる部材(光学シート)の一部または全部を省くことにより、表示装置の薄型化も可能となる。
【0117】
また、従来の表示装置に組み込まれていた光学シート類は、光の進行方向を補正するための部材であったが、その反面、入射光の一部を吸収してしまっていた。加えて、従来の表示装置においては、多くの光が、いずれかの光学シートにおいて反射し、その進行方向を一回以上折り返した後に表示パネル内に入射していた。結果として、光源25となる発光体26で発光された光の多くが、いずれかの光学シートに吸収され、映像の表示に使用され得なかった。したがって、表示装置に組み込まれる部材(光学シート)の数を少なくすることにより、発光体26からの光の利用効率を改善することができる。とりわけ図示された実施の形態によれば、光源25をなす発光体26が偏光板40を含む光学の保護フィルム50に直面、すなわち、間に何らの部材を介すことなく対面している。したがって、発光体26で発光された光は、直接、液晶表示パネル15の偏光板40へ入射することができ、仮に反射されたとしても、反射板21での一回の反射で、液晶表示パネル15の偏光板40へ再入射することができる。このため、発光体26で発光された光の利用効率を大幅に上昇させることができる。この結果、例えば、従来の表示装置と比較して光源25の出力を増強することなく、正面方向輝度を維持しながら視野角を大幅に広げることも可能となる。
【0118】
さらに、光源25をなす発光体26と液晶表示パネル15(光学部材18)との間に位置する光学シートの全部または一部を削減することができれば、光学シートの曲がり、撓み、反り等の変形に起因した表示画質の劣化といった不具合を回避することができる。なお、従来の表示装置では、図22に示すように、発光体に直面する部材(拡散板A)の厚みは、発光体からの発熱で変形してしまわないように、さらには、当該部材の出光側に位置する部材(拡散シートや集光シート)へ向けた熱移動を遮断できるよう、厚くなっていた。このように、拡散板Aの厚みが増すと、拡散板Aの材料費や重量が嵩み、結果として、表示装置の製造コストが上昇してしまうといった不具合が生じていた。また、或る程度の厚みを有した拡散板Aを面光源装置に組み込もうとすると、それなりの支持機構を設置する必要も生じていた。一方、上述した本実施の形態によれば、発光体26に直面する光学部材18は、偏光板40を含む一体型の部材として、液晶表示パネル15に積層されている。すなわち、光学部材18は液晶表示パネル15に直接支持されているので、光学部材18の光学シート60を支持するための特別の支持機構は不要であるとともに、液晶表示パネル15によって光学シート60の変形が拘束される。したがって、光学部材18の構成は、光学部材18に期待される光学作用および偏光子の保護作用の観点から決定され得り、結果として、表示装置10の製造コストを低減することができる。
【0119】
なお、図22に示された従来の表示装置1において、光源25、反射板21、液晶セル11および上偏光板12の構成は、上述した実施の形態と同様に構成され得る。
【0120】
上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、図面を適宜参照しながら、変形の一例について説明する。以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いており、重複する説明を省略する。
【0121】
上述した実施の形態において、表示装置10(光学モジュール20)の光源25をなす発光体26が、二次元配列された点状の発光体、典型的には発光ダイオードからなる例を示した。しかしながら、発光体26は、上述した例に限られることなく、種々の既知な発光体、例えば、冷陰極管や、面状に発光するEL(電場発光体)等を用いることもできる。図6には、発光体26として線状の冷陰極管を用いた例が開示されている。発光体26をなす線状の冷陰極管は、互いに平行となるように、所定の配列方向d1に配置されている。図6に示された例において、線状の冷陰極管の配列方向d1は、光学部材18に組み込まれた光学シート60の単位光学要素70の配列方向と平行になっている。この態様によれば、上述した実施の形態で既に説明したように、冷陰極管26の配列に起因して生じる輝度の面内ばらつきを単位光学要素70によって緩和し、冷陰極管26の像(ライトイメージ)を視認されにくくすることができる。
【0122】
また、上述した実施の形態において、光学部材18に組み込まれた偏光板40の保護フィルム50の入光側面50bに、拡散成分59bの存在に起因して形成された凹凸が設けられている例、すなわち、拡散成分59bの輪郭が浮かび上がって凹凸が形成されている例を示したが、これに限られない。例えば、図7に示すように、保護フィルム50の入光側面50bに、賦型により形成された凹凸が設けられていてもよい。上述した保護フィルムの製造方法において、外周面(成型面84a)に凹凸模様が形成された成型ロール84を用いれば、成型ロール84の凹凸模様がフィルム材料(押し出し材)90の成型ロール84に接触する側の面に転写され、これにより、フィルム材料90の成型ロール84に接触する側の面(すなわち、保護フィルム50の入光側面50b)に凹凸を形成することができる。また、保護フィルム50の入光側面50bに賦型によって凹凸を形成する場合、保護フィルム50の入光側面50bに、拡散成分59bの存在に起因した凹凸が形成されないようにしてもよいし(図7に示された例)、或いは、賦型による凹凸に加えて拡散成分59bの存在に起因した凹凸が形成されるようにしてもよい。
【0123】
さらに、偏光板40に対向する光学シート60の出光側面60aが凹凸を有する光学要素面として形成されている場合には、偏光板40の入光側面40bをなす保護フィルム50の入光側面50bが、平坦な面として形成されていてもよい(一例として、図10参照)。さらには、偏光板40の入光側面40bをなす保護フィルム50が、拡散成分59bを有する層として形成されている例を示したが、これに限られない。一例として、保護フィルム50が、単なる樹脂フィルム、例えば、一対の平行な主面を有するトリアセチルセルロース製フィルム(TAC製フィルム)であってもてよい。
【0124】
さらに、上述した実施の形態において、保護フィルム50が水貼りによって偏光子41に接合される例を示したが、これに限られない。例えば、図8に示すように、接着剤49aと、接着剤49a内に分散された拡散成分49bと、を含有した接着層49が、保護フィルム50と偏光子41との間に配置されるようにしてもよい。図8に示された態様によれば、保護フィルム50における光拡散機能の有無あるいは保護フィルム50の光拡散機能の程度から独立して、接着層49による光拡散機能の程度を適宜調節することができる。これにより、下偏光板40が発揮し得る光拡散機能の程度をより自由に設計することができる。なお、接着層49に含有される拡散成分49bは、保護フィルム50に含まれ得る拡散成分59bとして例示したものを同様に用いることができる。また、接着層49による光拡散機能の程度は、保護フィルム50における光拡散機能の程度と同様の手法により、適宜調節され得る。
【0125】
さらに、上述した実施の形態において、下偏光板40が、偏光子41と、偏光子41に入光側から接合された保護フィルム50と、からなる例を示したが、これに限られず、偏光子41の出光側にも、他のフィルム(中間フィルム)、例えばTAC製フィルムからなる保護フィルムが設けられていてもよい。また、光の位相差を補償するための位相差板が下偏光板40と液晶セル11との間に設けられることもがあるが、この場合、下偏光板40の出光側の保護フィルムが、位相差板の入光側の保護フィルムを兼ねるようにしてもよい。
【0126】
また、図9に示す例においては、保護フィルム50と偏光子41との間の中間フィルム48として、特定の偏光成分を透過させるとともに、その他の偏光成分を反射して再び光源側へ戻す機能を有した偏光分離フィルム48が設けられている。すなわち、偏光分離フィルム48を設けることによって、偏光子41を透過し得る偏光成分の光を選択的に偏光子41へ入射させ、その他の光を光源側に戻すことができる。光源側に戻された光は、その後の反射等によって、偏光状態を変化させて偏光分離フィルム48へ再度入射し得る。輝度の向上に役立ち得る偏光分離フィルム48として、米国3M社から入手可能な「DBEF」(登録商標)を用いることができる。また、「DBEF」以外にも、韓国Shinwha Intertek社から入手可能な高輝度偏光シート「WRPS」や、あるいは、ワイヤーグリッド偏光子等を、偏光分離フィルム48として用いることができる。
【0127】
さらに、下偏光板40の偏光子41と保護フィルム50との間の中間フィルム48として、光拡散機能を有した光拡散シートが設けられていてもよいし、或いは、単なる樹脂フィルム、例えば、一対の平行な主面を有するトリアセチルセルロース製フィルム(TAC製フィルム)が設けられてもよい。
【0128】
さらに、上述した実施の形態において、接着剤55が、光学シート60の出光側面60aの一部となる範囲であって且つ偏光板40の入光側面40bの一部となる範囲に設けられている例を示したが、これに限れない。例えば、図10に示すように、偏光板40の光学シート60の対向する面および光学シート60の偏光板40に対向する面のいずれか一方に接着剤55からなる層が形成され、偏光板40の光学シート60の対向する面および光学シート60の偏光板40に対向する面の他方が当該接着剤55からなる層に部分的に接触するようにしてもよい。図10に示す例では、偏光板40の光学シート60に対向する面(保護フィルム50の入光側面50b)が平坦な面として形成され、当該平坦な面状に接着剤55の層が形成されている。そして、光学シート60の単位光学要素70が頂部71近傍の領域のみにおいて、偏光板40の入光側面上に形成された接着剤55の層と接触している。このような例においても、単位光学要素70の出光側面(プリズム面、レンズ面)が、頂部71近傍以外の領域において、空隙Vに露出しているため、当該単位光学要素70は、所望の光学機能を発現することができる。
【0129】
さらに、上述した実施の形態において、光学部材18をなす光学シート60は、樹脂材料からなる主部69aおよび主部69a中に分散された拡散成分69bからなる光拡散層61aと、拡散成分69bを含有せず樹脂材料のみからなる樹脂層61bと、を有していた。言い換えると、拡散成分69bは、光学シート60の一部分のみに分散されていた。しかしながら、例えば図10に示すように、拡散成分69bが光学シート60の全域に分散されるようにしてもよい。このような例においては、光学シート60が、樹脂材料からなる主部69aと、主部69a中に分散された拡散成分69bと、を有する光拡散層61aのみから構成されることになり、単位光学要素70は光拡散層61aの一部として構成される。この場合、光学シート60の光拡散機能の程度を、さらに自由に調節することができる。
【0130】
さらに、上述した実施の形態において、光学シート60の単位光学要素70の主切断面における断面形状が、三角形形状からなる例を示したが、これに限られず、単位光学要素70の主切断面における断面形状は種々の形状に設計され得る。例えば、光学シート60の主切断面における単位光学要素70の断面形状をなす三角形形状の頂部が面取りされていてもよい。また、図2に二点鎖線で示すように、光学シートの主切断面において、上述した三角形形状の本体部65から延び出る二辺が、外方に膨出した曲線となるように変形されてもよい。
【0131】
さらに、図10に示すように、光学シート60の主切断面において、単位光学要素70が、曲線状の外輪郭を有するようにしてもよい。すなわち、単位光学要素70の出光側面(プリズム面、レンズ面)が曲面として構成されてもよい。具体的な形状の例として、光学シート60の主切断面において、単位光学要素70が、楕円の一部(一例として半楕円)または円の一部(一例として半円)に相当する形状を有するようにしてもよい。なお、図10に示された光学シート60は、図5を参照しながら既に説明した押し出し装置(製造装置)80を用いて製造され得る。この際、作製対象となる単位光学要素70の断面形状に対応した形状の溝が成型面84aに形成された成型ロール84を用いることになる。また、押し出し機82から押し出されるフィルム材料90は、光拡散層61aをなすようになる層のみからなる単層の押し出し材となる。
【0132】
さらに、上述した実施の形態において、単位光学要素70が、本体部65上に一次元配列されている例、すなわち、線状の単位光学要素70が、本体部65上に並列配置されている例を示したが、これに限られない。単位光学要素70が、いわゆるフライアイレンズ(またはマイクロレンズ)を構成するよう、本体部65上に二次元配列されていてもよい。この例においては、単位光学要素70は、本体部65上に、規則的な配列で配置されていてもよいし、不規則的な配列で配置されていてもよい。点状の単位光学要素70が本体部65上に規則的な配列で二次元的に配置される場合には、単位光学要素70の第1の配列方向が発光体26の第1の配列方向d1(図1参照)と平行となり、単位光学要素70の第2の配列方向が発光体26の第2の配列方向d2(図1参照)と平行となるようにしてもよい。また、フライアイレンズ(またはマイクロレンズ)を構成する点状の単位光学要素70の形状としては、球の一部(例えば半球)、回転楕円体の一部(例えば半回転楕円体)、円錐および四角錐等の多角錐等の錐体、円錐台および四角錐台等の多角錐台等の錐台体等を、一例として、挙げることができる。
【0133】
またさらに、本体部65上に、リニア配列された複数の線状単位光学要素と、二次元配列された複数の点状単位光学要素と、が設けられるようにしても良い。この態様において、本体部65からの点状単位光学要素の突出高さが、本体部65からの線状単位光学要素の突出高さよりも高い場合、点状単位光学要素の頂部を介して、光学シート60と偏光板40とが接合されるようになり、線状単位光学要素が偏光板40から離間した状態に保たれるようになる。
【0134】
さらに、上述した実施の形態において、光学シート60が押し出し加工によって得られた押し出し材からなる例を示したが、これに限られない。射出成型等のその他の製造方法によって製造された保護フィルムを用いることもできる。ここで、図11〜図14には、一例として、基材フィルム63上に塗布された樹脂、例えば電離放射放射線を所望の形状に成型することによって作製され得る光学シート60の一例が示されている。図11に示された光学シート60は、基材フィルム63上に、拡散成分59bを含有させた樹脂を賦型することにより、作製され得る。図11に示された光学シート60では、出光側面60aをなす単位光学要素70が光拡散層61aの一部として形成され、当該光拡散層61aの入光側に基材フィルム63からなる樹脂部61bが設けられている。
【0135】
図12に示された光学シート60では、拡散成分69bを含有して光拡散層61aをなす基材フィルム63上に、樹脂を賦型することにより、作製され得る。この拡散成分69bを含む基材フィルム63として、例えば押し出し材を用いることができ、この基材フィルム63が光拡散層61aを構成する。
【0136】
図13に示された例においては、基材フィルム63上に樹脂を賦型して単位光学要素70が形成されているが、基材フィルム63の単位光学要素70が形成されていない入光側面60bには、凹凸面を有したマット層64が形成されている。このマット層64は、拡散成分69bと、バインダー樹脂として機能する樹脂材料(例えば電離放射線樹脂)と、から構成されており、バインダー樹脂としての樹脂材料が主部69aとして機能することによって光拡散層61a構成する。マット層64は、単位光学要素70の賦型前または賦型後のいずれかに基材フィルム63上に作製され得る。
【0137】
図14に示された例においては、基材フィルム63と単位光学要素70をなす樹脂材料との間に、拡散成分69bおよびバインダー樹脂として機能する樹脂材料(主部69a)からなるマット層64が形成されている。図14に示された態様では、基材フィルム63上にマット層64が形成され、当該マット層64上に単位光学要素70が賦型されている。
【0138】
なお、基材フィルム63上に塗布した樹脂を成型して光学シート60を形成する場合には、図11〜図14に示されているように、基材フィルム63上に塗布された樹脂が、複数の単位光学要素70だけでなく、基材フィルム63と単位光学要素70との間に配置され基材フィルム63を覆うランド部62と、を形成するようにしてもよい。この場合、光学シート60の本体部65の一部をランド部62が構成することになる。
【0139】
さらに、上述した実施の形態において、光学シート60の単位光学要素70が、本体部65の出光側面65a上に配置されて、光学シート60の出光側面60aを形成する例を示したが、これに限られない。図15および図16に示すように、光学シート60の単位光学要素70が、本体部65の入光側面65b上に配置されて、光学シート60の入光側面60bを形成するようにしてもよい。このような入光側に突出する単位光学要素70は、上述した実施の形態で説明した出光側に突出する単位光学要素と同様に、集光機能および光拡散機能(主として光源をなす発光体26の配列に起因した明るさのむらを緩和する機能)を発揮することができる。
【0140】
図15および図16に示された光学部材18において、偏光板40の入光側面40b(保護フィルム50の入光側面50b)は平坦な面として形成され、この平坦な入光側面40bに、面状の接着剤55の層が積層されている。一方、光学シート60の出光側面60a(本体部65の出光側面65a)は、凹凸を有した面として構成されている。そして、光学シート60の出光側面60aは、凹凸の凸部においてのみ、接着剤55の層に接触している。この結果、光学シート60と偏光板40とが、その間に空隙Vを形成しながら、接合されている。
【0141】
さらに、上述した実施の形態において、光学部材18が、偏光板40と、偏光板40に接合された一つの光学シート60と、からなる例を示したが、これに限られない。光学部材18が、光学シート60の偏光板40に対向しない側に配置され光学シート60と接合された第2光学シート160を、さらに備えるようにしてもよい。この例において、光学シート60の第2光学シート160に対向する面および第2光学シート60の光学シート60に対向する面の少なくともいずれか一方の面は、凹凸を有した面として形成され、光学シート60の第2光学シート160に対向する面および第2光学シート160の光学シート60に対向する面の前記一方の凹凸面が、当該凹凸面をなす前記凹凸の少なくとも一部の凸部を介して、他方の面へ接合し、光学シート60と第2光学シート160の間に空隙Vが形成されているようにしてもよい。
【0142】
例えば、図17に示された例では、図1〜4に示された光学部材18の光学シート60に、その入光側から、第2光学シート160が接合されている。この第2光学シート160は、上述した実施の形態における光学シートと同様に構成され得る。すなわち、第2光学シート160は、本体部165と、本体部165の出光側面上に設けられた複数の第2の単位光学要素170と、を有している。複数の第2の単位光学要素170は、本体部165上で一方向に配列され、また、各第2単位光学要素170は、その配列方向と交差する方向に線状に延びている。すなわち、第2光学シート160の光学シート60に対向する出光側面は、第2単位光学要素170によって形成された光学要素面(凹凸面)として形成されている。そして、図17に示された例では、第2光学シート160は、第2単位光学要素170の頂部171上に設けられた接着剤155を介して、光学シート60の入光側面60bに接合している。
【0143】
一方、図18に示された例では、図15および図16に示された光学部材18の光学シート60に、その入光側から、第2光学シート160が接合されている。図18に示された第2光学シート160は、図15および図16に示された光学シート60と同様に構成され得る。すなわち、第2光学シート160は、本体部165と、本体部165の入光側面上に設けられた複数の第2の単位光学要素170と、を有している。複数の第2の単位光学要素170は、本体部165上で一方向に配列され、また、各第2単位光学要素170は、その配列方向と交差する方向に線状に延びている。すなわち、第2光学シート160の光学シート60に対向しない側の面は、第2単位光学要素170によって形成された光学要素面(凹凸面)として形成されている。ただし、図18に示された第2光学シート160の出光側面は、図15および図16に示された光学シート60の出光側面と異なり、平坦な面として構成されている。また、図18に示された例において、第2光学シート160の平坦な出光側面上には、接着剤155の層が形成されている。そして、図18に示された例では、光学シート60の単位光学要素70の頂部71が、第2光学シート160の出光側面上に積層された面状の接着剤155の層に接触している。これにより、光学シート60および第2光学シート160が、その間に空隙Vを形成しながら、互いに接合されている。
【0144】
図17および図18に示された例では、シート状の光学シート18のシート面への法線方向から観察した場合、光学シート60における単位光学要素70の配列方向と、第2光学シート160における第2単位光学要素170の配列方向とは、交差しており、好ましくは直交している。このような例によれば、異なる二方向に沿った光の成分に対して、単位光学要素70,170に起因した集光機能および光拡機能を発揮することができる。
【0145】
また、光学シート60の単位光学要素70の配列方向および第2光学シート160の第2単位光学要素170の配列方向の一方が、二次元配列された発光体26の第1の配列方向d1(図1参照)と平行となり、他方が、発光体26の第2の配列方向d2(図1参照)と平行となるようにしてもよい。この場合、二次元配列された発光体26の第1の配列方向d1に沿った明るさの面内ばらつき及び発光体26の第2の配列方向d1に沿った明るさの面内ばらつきの両方を、効果的に目立たなくさせることができる。
【0146】
さらに、図19に示す例では、保護フィルム50が、本体部265と、本体部265の入光側面上に形成された複数の単位光学要素270と、を有している。この保護フィルム50は、例えば、図18に示された第2光学シート160と同様に構成され得る。すなわち、保護フィルム50は、平坦な出光側面と、入光側に突出する複数の単位光学要素260によって形成された光学要素面(凹凸面)としての出光側面を有している。保護フィルム50は、平坦な出光側面を介して偏光子41に接合され、その一方で、保護フィルム50は、光学要素面(凹凸面)としての出光側面を介して光学シート60と接合されている。図19に示された例における光学シート60は、一例として、図18に示された第2光学シート160と同様に形成されている。また、図19に示された偏光板40の保護フィルム50と光学シート60は、図18に示された光学シート60と第2光学シートと同様の態様で、互いに接合され得る。したがって、図19に示された光学部材18によっても、図17および図18に示された光学部材18と同様に、二方向に沿った光の成分に対して、集光機能および光拡機能を発揮することができる。
【0147】
さらに、上述した実施の形態における保護フィルム50での光拡散機能、光学シート60の光拡散層61aでの光拡散機能、さらには、図8に示された接着層49での光拡散機能は、等方性光拡散機能であってもよいし、異方性光拡散機能であってもよい。一例として、図20には、保護フィルム50での光拡散機能が異方性拡散機能となっている例を示している。図20に示された例では、長手方向ldを有する拡散成分59bを、所定の方向odへの配向を持つようにして、保護フィルム50内に配置することにより、異方性光拡散機能が保護フィルム50に付与されている。ここで、拡散成分59bの長手方向とは、対象となる拡散成分59bの最も長さが長くなる方向として特定することができる。また、「長手方向ldを有する拡散成分59bが、所定の方向odへの配向を持つ」とは、各拡散成分59bの長手方向ldが所定の方向odに対してなす角度が、0°以上45°以下となることであり、拡散成分59bが、所定の方向odを基準とした方向的な規則性を持って配置されることを意味している。
【0148】
なお、図20に示された保護フィルム50は、長手方向を有する拡散成分59bを、主部59aをなすようになる樹脂材料とともに、原料として用い、上述した押し出し加工で製造され得る。長手方向を有する拡散成分59bは、押し出し機82のダイ82aを樹脂材料とともに通過する際に、高圧下でその長手方向ldが押し出し方向(機械方向)に沿うように、向けられる。これにより、押し出されたフィルム材料90中の拡散成分59bが、特定の方向odへの配向を持つようにして、保護フィルム50内に分散されるようになる。またこの場合、拡散成分59bの配向方向は、並列配置された線状の単位光学要素70の長手方向と平行になる。
【0149】
長手方向ldを有する拡散成分59bの形状としては、一例として、板状、粒状(米粒状)、針状、鱗状、微細板状等の種々の形状を採用することができる。また、具体的な例として、平均アスペクト比(長手方向ldに沿った拡散成分59bの長さの、長手方向ldに直交する方向に沿った当該拡散成分59bの長さに対する比の平均値)が、1.5以上50以下であって、拡散成分59bの平均粒径(体積相当法で算出された粒径、すなわち体積相当径の算術平均、以下同様)が0.5μ以上100μm以下の気泡を、長手方向ldを有した拡散成分59bとして、用いることができる。また、有機繊維からなる拡散成分59b、例えば、アラミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリイミド繊維等の耐熱性有機繊維からなる拡散成分59bを用いることもできる。また、無機繊維からなる拡散成分59b、例えば、ガラス繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、ジルコニア繊維等の繊維状フィラーからなる拡散成分59bを用いることもできる。さらに、薄板状フィラー(マイカ)からなる拡散成分59bを用いることもできる。さらに、不定形フィラーからなる拡散成分59b、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、クレー、タルク、二酸化チタン等の無機系白色顔料からなる拡散成分59bを用いることもできる。
【0150】
長手方向ldを有する拡散成分59bは、その長手方向と平行な方向よりも、その長手方向に直交する方向へ、強い光拡散機能を呈するようになる。したがって、長手方向ldを有する拡散成分59bが、光学シート60の単位光学要素70の長手方向と平行な方向に配向されている図20に示された態様においては、保護フィルム50に起因した光拡散機能は、光学シート60の単位光学要素70の長手方向と平行な方向よりも、光学シート60の単位光学要素70の配列方向と平行な方向に、より強く発揮されるようになる。すなわち、図20に示された態様では、光学シート60の単位光学要素70による集光機能が主として発揮される方向と、保護シート50による光拡散機能が主として発揮される方向とが一致する。このため、光学シート60の単位光学要素70から集光作用を主として及ぼされる面内での輝度の角度分布を選択的に滑らかにすることができる。結果として、保護フィルム50へ入射した光を必要以上に拡散する必要がなくなるので、光の損失を最低限に抑え、光源25をなす発光体26からの光の有効利用を図ることが可能なる。
【0151】
とりわけ、図6に示すように、光源25が線状の冷陰極管26を並列配置してなる場合には、冷陰極管26の配列方向に沿って光を拡散することのみによって、発光体26の配列に起因した明るさのムラを解消することができるため、図20に示された保護フィルム50を好適に用いることができる。
【0152】
ただし、図20に示す例に限られることなく、保護フィルム50が、光学シート60の単位光学要素70の配列方向と交差する方向、例えば直交する方向により強い光拡散機能を有するようにしてもよい。この場合、図1に示された態様では、発光体26の第1配列方向d1に沿った明るさのばらつきを単位光学要素70によって効果的に均一化することができるとともに、発光体26の第2配列方向d2に沿った明るさのばらつきを保護フィルム50の異方性拡散機能によって効果的に均一化することができるようになる。
【0153】
また、光学シート60の光拡散層61aや図8に示された接着層49等の光拡散機能を有した他のいずれかの層が、いずれかの方向に強い光拡散機能を発現する異方性光拡散機能を有するようにしてもよい。
【0154】
さらに、上述した実施の形態において、光学部材180の直下に、光源25をなす発光体26が配置される例、すなわち、偏光板40を含む光学部材18が、直下型の液晶表示装置10に適用されている例を示したが、これに限られない。図21に示すように、光制御機能を有した保護フィルム50を含む偏光板40が、発光体26からの光を受ける導光板23に直面する位置に配置されるようにしてもよい。
【0155】
図21に示された例において、偏光板40と偏光板40に接合された光学シート60とを含む光学部材18が、発光体26と発光体26からの光を受ける導光板23とを有した面光源装置22とともに使用され、面光源装置22の導光板23に直面する位置に配置されている。この例では、光学モジュール20が、光学部材18と、偏光板40の保護フィルム50に直面する位置に配置された導光板23と、を有している。なお、図21に示された例において、偏光板40を含む液晶表示パネル15が、上述した実施の形態と同様に構成され得る。
【0156】
図21に示された例において、面光源装置22は、導光板23と、導光板23の側方に配置された発光体26と、導光板23の背面に配置された反射シート21aと、を有し、いわゆるエッジライト型(サイドライト型)のバックライトとして構成されている。光源25の発光体26からの光は、導光板23の側面(入射面)から導光板23内に入射し、導光板23の一対の主面間で反射を繰り返しながら導光板23内を導光方向に沿って進む。導光板23には、図示しない光取り出し要素、例えば、反射シート21aに対面する導光板23の裏面に設けられた白色ドットや、導光板23内に分散された拡散成分等が設けられており、出光量が導光方向に沿って概ね均一となるように、導光板23内を進む光が導光板23から観察者側へ出射していく。この際、図21に示すように、導光板23から出射する多くの光は、正面方向ndから大きく傾斜した方向に向けて出射するようになる。
【0157】
このような導光板23に対して、光学部材18の光学シート60の単位光学要素70は、その配列方向が導光板23の導光方向と平行となるように配置されている。そして、正面方向ndから大きく傾斜した方向に沿って液晶表示パネル15(光学部材18)へ入射した光は、光学シート60の単位光学要素70の出光側面(プリズム面、レンズ面)で屈折して進行方向を正面方向ndの側へ偏向する。このようにして、光学部材18の光学シート60が集光機能を発揮し、その後、光学部材18の偏光板40の保護フィルム50は光拡散機能を発揮する。
【0158】
これに対して、図23に示すように、従来の下偏光板13を含む液晶表示パネルとの組み合わせで用いられる従来のエッジライト型の面光源装置には、多くの場合、導光板23の出光側に集光シート(プリズムシート、反射型プリズムシート、逆プリズムシート)Cが設けられていた。このため、光学部材18の光学シート60の集光機能を、図23に示された従来の面光源装置に含まれていた集光シート(プリズムシート、反射型プリズムシート、逆プリズムシート)Cの集光機能と同様にすることにより、表示装置1全体としての光学特性を維持しながら、この集光シートCを面光源装置から省くことが可能となる。同様に、図23に示された従来の面光源装置には、集光シートCのさらに出光側に光拡散シートDが設けられているが、光学部材18の光学シート60および偏光板40の保護フィルム50が、それぞれ、拡散成分69b,59bを含有している場合には、この拡散成分69b,59bに起因した光拡散機能の程度を適宜調節することによって、光拡散シートDも省くことが可能となる。これにより、図23に示された態様によっても、上述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0159】
なお、図23に示された従来の表示装置1のうち、既に説明した構成と同一に構成され得る部分に対しては、当該既に説明した構成に対して用いた符号と同一の符号を用いており、重複する説明を省略する。
【0160】
以上において上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
【0161】
なお、光源25をなす発光体26または導光板23と、液晶表示パネル15と、の間に多数の光学シートが含まれた従来の表示装置1との比較において、本発明の一実施の形態に係る光学部材18の利点を説明してきたが、このような記載は、本発明の一実施の形態に係る光学部材18を、その入光側に配置される光学シートと組み合わせて用いることを排除するものではない。すなわち、本発明は、光学部材18と、発光体26または導光板23との間に、一以上の光学シートが配置されている態様をも含み、このような態様においても、光学部材18に起因する優れた作用効果を享受することができる。
【符号の説明】
【0162】
10 表示装置
11 液晶セル
15 液晶表示パネル
18 光学部材
20 光学モジュール
25 光源
26 発光体
40 偏光板、下偏光板
41 偏光子
48 中間フィルム
49 接着層
49a 接着剤
49b 拡散成分
50 保護フィルム、光学シート
50a 出光側面
50b 入光側面
60 光学シート
60a 出光側面
60b 入光側面
61a 光拡散層
61b 樹脂層
62 ランド部
64 マット層
65 本体部
65a 出光側面
65b 入光側面
69a 主部
69b 拡散成分
70 単位光学要素、単位形状要素、単位プリズム、単位レンズ
71 頂部
160 光学シート、第2光学シート
165 本体部
165a 出光側面
165b 入光側面
169a 主部
169b 拡散成分
170 単位光学要素、単位形状要素、単位プリズム、単位レンズ
171 頂部
265 本体部
270 単位光学要素
271 頂部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
偏光子を有する偏光板と、
前記偏光板に対向して配置され、前記偏光板に接合された光学シートと、を備え、
前記偏光板の前記光学シートに対向する面および前記光学シートの前記偏光板に対向する面の少なくともいずれか一方の面は、凹凸を有した面として形成され、
前記一方の面が、当該面をなす前記凹凸の少なくとも一部の凸部を介して、他方の面へ接合し、前記偏光板と前記光学シートとの間に空隙が形成されている、光学部材。
【請求項2】
前記偏光板は、前記光学シートに対向する面をなす保護フィルムを、さらに有し、
前記保護フィルムは、樹脂材料からなる主部と、前記主部中に分散された拡散成分と、を有する、請求項1に記載の光学部材。
【請求項3】
前記保護フィルムの前記光学シートに対向する面は、前記拡散成分の存在に起因して形成された凹凸および賦型により形成された凹凸の少なくともいずれか一方を有する、請求項2に記載の光学部材。
【請求項4】
前記光学シートは、シート状の本体部と、前記本体部上に配列された複数の単位光学要素と、を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学部材。
【請求項5】
前記光学シートの前記単位光学要素は、当該光学シートの前記偏光板に対面する面をなし、
前記光学シートは、前記単位光学要素の頂部を介して、前記偏光板に接合されている、請求項4に記載の光学部材。
【請求項6】
前記単位光学要素は、前記本体部の前記偏光板に対向しない側の面上に設けられている、
請求項4に記載の光学部材。
【請求項7】
前記本体部の前記単位光学要素が設けられていない側の面は、凹凸を有し、前記偏光板に対向する面をなす、請求項6に記載の光学部材。
【請求項8】
前記光学シートの前記偏光板に対向しない側に配置され、前記光学シートと接合された第2光学シートを、さらに備え、
前記光学シートの前記第2光学シートに対向する面および前記第2光学シートの前記光学シートに対向する面の少なくともいずれか一方の面は、凹凸を有した面として形成され、
前記光学シートの前記第2光学シートに対向する面および前記第2光学シートの前記光学シートに対向する面の前記一方の面が、当該面をなす前記凹凸の少なくとも一部の凸部を介して、他方の面へ接合し、前記光学シートと前記第2光学シートの間に空隙が形成されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の光学部材。
【請求項9】
前記光学シートは、シート状の本体部と、前記本体部上に配列された複数の単位光学要素と、を有し、
前記第2光学シートは、シート状の本体部と、前記本体部上に配列された複数の単位光学要素と、を有し、
前記光学シートの複数の単位光学要素の配列方向と、前記第2光学シートの複数の単位光学要素の配列方向とが交差している、請求項8に記載の光学部材。
【請求項10】
光学部材の法線方向に沿った任意の断面において、前記偏光板と前記光学シートとが接合されている長さが占める割合が、1%以上80%以下の範囲にある、請求項1〜9のいずれか一項に記載の光学部材。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の光学部材と、
前記光学部材に接合された液晶セルと、を備える、液晶表示パネル。
【請求項12】
請求項11に記載の液晶表示パネルを備える、表示装置。
【請求項13】
前記液晶表示パネルの前記光学部材に直面する位置に設けられた発光体を、さらに備える、請求項12に記載の表示装置。
【請求項14】
前記液晶表示パネルの前記光学部材に直面する位置に設けられた導光板を、さらに備える、請求項12に記載の表示装置。
【請求項15】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の光学部材と、
前記光学部材に直面する位置に設けられた発光体と、を備える、光学モジュール。
【請求項16】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の光学部材と、
前記光学部材に直面する位置に設けられた導光板と、を備える、光学モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2012−118235(P2012−118235A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−266998(P2010−266998)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】