説明

光検出装置、照明装置および可視光通信装置

【課題】簡単かつ低コストで、周囲環境の照度の変化に応じてレンジを自動的に切り替え可能な光検出装置を実現する。
【解決手段】本発明に係る光検出装置は、フォトダイオードPD1と、フォトダイオードPD1で受光した光に応じて出力される電流を電圧信号VPD1に変換する変換回路部4aと、電圧信号VPD1を受信して、前記光を検出する制御部3とを備え、変換回路部4aは、2つの抵抗素子R1・R2と、抵抗素子R2に接続され、印加電圧に応じて導通または非導通かを自律的に決定するダイオードD1・D2から構成され、前記印加電圧に応じて変換回路部4の抵抗値を変化させることにより、電圧信号VPD1を、制御部3が光を検出可能な範囲内に収める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照度を検出する光検出装置に関するものであり、特に、測定可能な照度範囲(レンジ)を切り替え可能な光検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、照度センサにより照明の被照射面の照度を検出し、この照度が所定の目標照度で略一定となるように照明負荷の光出力の大きさをフィードバック制御する照明装置が使用されている。また、被照射面の照度の範囲は、照明装置が設置されている周囲環境の照度に応じて大きく変化するため、照度センサの測定可能な照度範囲(レンジ)を自動的に切り替える照明装置がさらに提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
図8は、特許文献1に開示されている照明装置100の構成を示すブロック図である。照明装置100は、照明負荷101aおよび負荷制御部101bを有する照明負荷部101と、照明装置100の被照射面の照度を検出する照度センサ部102と、制御部103とを備えている。照明負荷部101は、負荷制御部101bが電源を制御して照明負荷101aを点灯させるものである。
【0004】
照度センサ部102は、受光素子102aと、増幅回路部102bとを備えている。受光素子102aは、例えばフォトダイオード等であって、受光した光を電流に変換する。増幅回路部102bは、受光素子102aからの電流を電圧信号に変換する変換回路部を有している。増幅回路部102bからの電圧信号は、制御部103へ出力される。
【0005】
制御部103は、制御手段103aと照度測定手段103bとA/D変換部(図示なし)とを有しており、制御手段103aおよび照度測定手段103bはマイクロコンピュータ等により構成されている。制御部103では、A/D変換部により照度センサ部102から入力された電圧信号をA/D変換して、電圧値(照度センサ値)として取り扱う。
【0006】
例えば、電圧値は255段階であり、A/D変換部が変換可能な電圧信号の電圧値のとり得る値は、0V乃至5Vの範囲である。そのため、増幅回路部102bは、照明装置100の周囲光に応じて増幅率を切り替え可能に構成されている。具体的には、増幅回路部102bは、照明装置100の周囲が暗く、受光素子102aからの電流が比較的小さい場合は、増幅率が大きくなるように切り替え、照明装置100の周囲が明るく、受光素子102aからの電流が比較的大きい場合は、増幅率が小さくなるように切り替える。増幅回路部102bの増幅率を切り替えることにより、照度センサ部102の測定可能なレンジが切り替わる。
【0007】
図9は、受光素子102aが受光する光の照度と、増幅回路部102bからの電圧信号との関係を3種類のレンジ毎に示すグラフである。増幅率が大きいレンジ1を選択した場合、電圧値1段階当たりが示す照度の値は小さくなる(分解能が細かくなる)が、電圧値の取りうる0V乃至5Vの範囲で検知できる照度の範囲は狭くなる。同様に、増幅率が小さいレンジ3を選択した増幅回路では、電圧値1段階当たりが示す照度の値は大きくなる(分解能が粗くなる)が、電圧値の取りうる範囲で検知できる照度の範囲は広くなる。
【0008】
図10は、受光素子102aおよび増幅回路部102bの一例を示す回路図である。受光素子102aに光が入射すると、受光素子102aはその入射光の強さに略比例した大きさの電流を発生する。増幅回路部102bでは、出力抵抗R101とトランジスタT101との直列回路、出力抵抗R102とトランジスタT102との直列回路、および、出力抵抗R103とトランジスタT103との直列回路が、受光素子102aに互いに並列接続されている。3つの出力抵抗R101〜R103の各抵抗値は互いに異なっており、出力抵抗R101の抵抗値が最も高く、出力抵抗R103の抵抗値が最も低く設定されている。
【0009】
トランジスタT101〜T103の各ベースには、図8に示す制御手段103aからの制御信号が入力される。具体的には、制御手段103aは、レンジ1を選択する場合、トランジスタT101のベースに制御信号を入力し、レンジ2を選択する場合、トランジスタT102のベースに制御信号を入力し、レンジ3を選択する場合、トランジスタT103のベースに制御信号を入力する。これにより、選択されたトランジスタに直列接続された出力抵抗に電流が流れ、照度センサ部102の測定可能なレンジを選択することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2006−277967号公報(2006年10月12日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献1の構成では、照度センサ部102の測定可能なレンジの切り替えを、マイクロコンピュータである制御手段103aが行っている。そのため、制御手段103aの構成が複雑になるという問題がある。
【0012】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、簡単かつ低コストで、周囲環境の照度の変化に応じてレンジを自動的に切り替え可能な光検出装置を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するために、本発明に係る光検出装置は、受光素子と、該受光素子で受光した光に応じて出力される電流を電圧信号に変換する変換回路部と、前記電圧信号を受信して、前記光を検出する検出部と、を備える光検出装置において、前記変換回路部は、複数の抵抗素子と、該複数の抵抗素子の少なくとも一つに接続され、印加電圧に応じて導通または非導通かを自律的に決定する電流制限素子から構成され、前記印加電圧に応じて前記変換回路部の抵抗値を変化させることにより、前記電圧信号を、前記検出部が光を検出可能な範囲内に収めることを特徴としている。
【0014】
上記の構成によれば、受光素子が受光した光を電流に変換して、変換回路部が前記電流を光検出回路の出力信号となる電圧信号に変換する。ここで、変換回路部は、複数の抵抗素子と、電流制限素子から構成され、電流制限素子が印加電圧に応じて導通または非導通かを自律的に決定することで、変換回路部の抵抗値を変化させる。これにより、周囲環境の照度が比較的小さいときには分解能の細かいゲインにて電流を電圧信号に変換することで光検出精度が高いレンジで照度を検出することができ、周囲環境の照度が大きくなると自動的に前記ゲインよりも大きいゲインに切替えることでレンジを広げて、検出部が検出可能な電圧の範囲内に電圧信号を収めることができる。すなわち、周囲環境の照度の変化に伴って、電流制限素子が自律的に抵抗値を変化させることによってゲインを変化させ、検出部が光を検出可能な範囲内に、電圧信号を収めることができる。
【0015】
このように、本発明に係る光検出装置では、マイクロコンピュータ等からの制御信号を利用することなく、周囲環境の照度の変化に応じて電流制限素子が印加電圧に応じて自律的に導通または非導通を決定する。したがって、ゲイン切替えのためにマイクロコンピュータの制御を必要とする従来構成よりも、光検出装置を簡単かつ安価に実現できる。よって、簡単かつ低コストで、周囲環境の照度の変化に応じてレンジを自動的に切り替え可能な光検出装置を実現することができる。
【0016】
本発明に係る光検出装置では、前記変換回路部は、前記抵抗素子を有する複数の抵抗回路を備え、前記複数の抵抗回路は、互いに並列接続され、かつ、前記受光素子に直列接続され、前記複数の抵抗回路のうち少なくとも一部の抵抗回路は、前記電流制限素子を有することが好ましい。
【0017】
上記の構成によれば、受光素子からの電流が変換回路部に出力されると、当該電流は先に、電流制限素子を有していない抵抗回路の抵抗素子に流れる。これにより、電流が流れる抵抗素子において電圧降下が生じるため、電流制限素子を有する抵抗回路の電流制限素子に電圧が印加される。電流制限素子は、印加電圧に応じて導通または非導通かを自律的に決定するため、例えば、受光素子からの電流が微小で、電流が流れる抵抗素子における電圧降下が所定値以下の場合は、当該電流制限素子を有する抵抗回路の抵抗素子には電流が流れない。そのため、受光素子への入射光の照度が小さい場合は、電流制限素子を有していない抵抗回路の抵抗素子のみに電流が流れ、変換回路部の電流電圧変換係数(ゲイン)は、電流制限素子を有していない抵抗回路の抵抗素子の抵抗値となる(電流制限素子を有していない抵抗回路が1つの場合)。
【0018】
これに対し、受光素子からの電流が増加し、電流制限素子への印加電圧が所定値を超えた場合、当該電流制限素子を有する抵抗回路の抵抗素子にも電流が流れる。すなわち、電流が流れる抵抗素子の数が増加する。抵抗回路は互いに並列接続され、かつ、受光素子に直列接続されているので、変換回路部のゲインは、電流が流れる抵抗素子の抵抗値の合成抵抗値となる。このため、電流が流れる抵抗素子が増加すると、変換回路部のゲインは減少する。
【0019】
変換回路部のゲインが変化すると、光検出回路の測定可能な照度範囲(レンジ)も変化するので、本発明に係る光検出装置は、マイクロコンピュータ等からの制御信号を利用することなく、受光素子への入射光の照度に応じてレンジを自動的に切り替えることが可能となる。
【0020】
本発明に係る光検出装置では、前記変換回路部は、前記受光素子からの電流の大きさに応じた出力電圧を出力する出力抵抗素子と、前記出力抵抗素子の出力電圧を増幅する増幅回路とを備え、前記増幅回路は、帰還抵抗素子を有する複数の帰還回路と入力抵抗素子とを備え、前記複数の帰還回路のうち一部の帰還回路は、当該帰還回路の帰還抵抗素子に直列接続される前記電流制限素子を有することが好ましい。
【0021】
上記の構成によれば、受光素子が受光した光を電流に変換して、変換回路部が前記電流を光検出装置の出力信号となる電圧信号に変換する。ここで、受光素子からの電流が変換回路部に出力されると、出力抵抗素子が受光素子からの電流の大きさに応じた出力電圧を増幅回路に出力させ、先に、電流制限素子を有していない帰還回路の帰還抵抗素子に電流が流れる。これにより、電流が流れる帰還抵抗素子において電圧降下が生じるため、電流制限素子を有する帰還回路の電流制限素子に電圧が印加される。電流制限素子は、印加電圧に応じて導通または非導通かを自律的に決定するため、例えば、受光素子からの電流が微小で、電流が流れる帰還抵抗素子における電圧降下が所定値以下の場合は、当該電流制限素子を有する帰還回路の帰還抵抗素子には電流が流れない。そのため、受光素子への入射光の照度が小さい場合は、電流制限素子を有していない帰還回路の帰還抵抗素子のみに電流が流れ、増幅回路の増幅率は、電流制限素子を有していない帰還回路の帰還抵抗素子の抵抗値に入力抵抗素子の抵抗値を除した値となる(電流制限素子を有していない帰還回路が1つであり、増幅回路が非反転増幅回路の場合)。
【0022】
これに対し、受光素子からの電流が増加し、電流制限素子への印加電圧が所定値を超えた場合、当該電流制限素子を有する帰還回路の帰還抵抗素子にも電流が流れる。すなわち、電流が流れる帰還抵抗素子の数が増加する。帰還回路は互いに並列接続されているので、増幅回路の増幅率は、電流が流れる帰還抵抗素子の抵抗値の合成抵抗値に入力抵抗素子の抵抗値を除した値となる。このため、電流が流れる帰還抵抗素子が増加すると、増幅回路の増幅率が減少し、変換回路部の電流電圧変換係数(ゲイン)も減少する。
【0023】
変換回路部のゲインが変化すると、光検出回路の測定可能な照度範囲(レンジ)も変化するので、本発明に係る光検出装置は、マイクロコンピュータ等からの制御信号を利用することなく、受光素子への入射光の照度に応じてレンジを自動的に切り替えることが可能となる。
【0024】
本発明に係る光検出装置では、前記変換回路部は、第1の抵抗回路および第2の抵抗回路を備え、前記電流制限素子は、ダイオードであり、第1の抵抗回路は、第1の抵抗素子を有しており、第2の抵抗回路は、第2の抵抗素子と、第2の抵抗素子に直列接続される前記ダイオードとを有することが好ましい。
【0025】
上記の構成によれば、受光素子からの電流が変換回路部に出力されると、当該電流は先に第1の抵抗素子に流れる。これにより、第1の抵抗素子において電圧降下が生じるため、第2の抵抗回路のダイオードに電圧が印加される。受光素子からの電流が微小で、第1の抵抗素子における電圧降下がダイオードの順方向電圧以下の場合は、第2の抵抗素子には電流が流れない。そのため、受光素子への入射光の照度が小さい場合は、第1の抵抗素子のみに電流が流れ、変換回路部の電流電圧変換係数(ゲイン)は、第1の抵抗素子の抵抗値となる。
【0026】
これに対し、受光素子からの電流が増加し、ダイオードの印加電圧が順方向電圧を超えた場合、第2の抵抗素子にも電流が流れる。第1の抵抗回路と第2の抵抗回路とは互いに並列接続されているので、変換回路部のゲインは、第1の抵抗素子と第2の抵抗素子との合成抵抗値となる。このため、変換回路部のゲインは減少する。これにより、受光素子への入射光の照度に応じてレンジを自動的に切り替えることが可能となる。
【0027】
本発明に係る光検出装置では、前記増幅回路は、第1の帰還回路および第2の帰還回路を備え、前記電流制限素子は、ダイオードであり、第1の帰還回路は、第1の帰還抵抗素子を有しており、第2の帰還回路は、第2の帰還抵抗素子と、第2の帰還抵抗素子に直列接続される前記ダイオードとを有することが好ましい。
【0028】
上記の構成によれば、受光素子からの電流が変換回路部に出力されると、出力抵抗素子が受光素子からの電流の大きさに応じた出力電圧を増幅回路に出力され、先に、第1の帰還抵抗素子に電流が流れる。これにより、第1の帰還抵抗素子において電圧降下が生じるため、ダイオードに電圧が印加される。受光素子からの電流が微小で、第2の帰還抵抗素子における電圧降下がダイオードの順方向電圧以下の場合は、第2の帰還抵抗素子には電流が流れない。そのため、受光素子への入射光の照度が小さい場合は、第1の帰還抵抗素子のみに電流が流れ、増幅回路の増幅率は、第1の帰還抵抗素子の抵抗値に入力抵抗素子の抵抗値を除した値となる。
【0029】
これに対し、受光素子からの電流が増加し、ダイオードへの印加電圧が所定値を超えた場合、第2の帰還抵抗素子にも電流が流れる。第1の帰還回路および第2の帰還回路は互いに並列接続されているので、増幅回路の増幅率は、第1の帰還抵抗素子と第2の帰還抵抗素子との合成抵抗値に入力抵抗素子の抵抗値を除した値となる。このため、増幅回路の増幅率が減少し、変換回路部の電流電圧変換係数(ゲイン)も減少する。これにより、受光素子への入射光の照度に応じてレンジを自動的に切り替えることが可能となる。
【0030】
本発明に係る照明装置は、光源と、照度を検出する光検出装置とを備える照明装置であって、前記光検出装置として、上記のいずれかの光検出装置を備えることを特徴としている。
【0031】
上記の構成によれば、光検出装置は、照明装置の設置環境に応じてレンジを自動的に切り替え可能である。また、光検出装置のレンジ切り替えのために、マイクロコンピュータの制御を必要としないので、簡単かつ低コストで、設置環境に応じて光源の光出力を自動的に制御可能な照明装置を実現することができる。
【0032】
本発明に係る照明装置では、前記検出部は、前記変換回路部からの電圧信号が所定の電圧を超える場合に前記光源を点灯させるスイッチ手段を備えることが好ましい。
【0033】
上記の構成によれば、光源の点灯/消灯のために、マイクロコンピュータの制御を必要としないので、より簡単な構成で、設置環境に応じて光源の点灯/消灯を自動的に制御可能な照明装置を実現することができる。
【0034】
本発明に係る可視光通信装置は、光信号を検出する光検出装置として、上記のいずれかの光検出装置を備えることを特徴としている。
【0035】
上記の構成によれば、光検出装置は、可視光通信装置の周囲環境の照度の変化に応じてレンジを自動的に切り替え可能である。これにより、照度の高い環境下で通信を行った場合に、変換回路部のゲインを低いゲインに切り替えることにより、電圧信号が飽和してパルス信号成分が消滅する不都合を回避できる。また、光検出装置のレンジ切り替えのために、マイクロコンピュータの制御を必要としないので、簡単かつ低コストで、周囲の照度に関わらず受信不良が起こりにくい可視光通信装置を実現できる。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、簡単かつ低コストで、周囲環境の照度の変化に応じてレンジを自動的に切り替え可能な光検出装置を実現できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る照明装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す照明装置のセンサ回路部および制御部の構成を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の変形例に係る照明装置の構成を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態の変形例に係るセンサ回路部の構成を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態の他の変形例に係るセンサ回路部の構成を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る可視光通信装置の構成を示すブロック図である。
【図7】図6に示す可視光通信装置のセンサ回路部、パルス信号抽出部および増幅部の具体的な構成を示す図である。
【図8】従来の照明装置の構成を示すブロック図である。
【図9】図8に示す照明装置における、受光素子が受光する光の照度と、増幅回路部からの電圧信号との関係を3種類のレンジ毎に示すグラフである。
【図10】図8に示す照明装置の受光素子および増幅回路部の一例を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
〔実施形態1〕
本発明の第1の実施形態について図1〜図5に基づいて説明すれば、以下のとおりである。本実施形態では、本発明に係る光検出装置を照明装置に適用する場合について説明する。
【0039】
(照明装置の概略構成)
図1は、本実施形態に係る照明装置1の構成を示すブロック図である。照明装置1は、主に屋内に設置される照明装置であり、LED回路部2、制御部3、センサ回路部4、リモコン受信回路部5および電源回路部6を備えている。
【0040】
LED回路部2は、照明装置1の光源となるLED(発光ダイオード)を備えている。LEDの個数は、特に限定されず、1つであっても複数であってもよい。また、照明装置1の光源はLEDに限らず、蛍光ランプやEL等であってもよい。
【0041】
制御部3は、マイクロコンピュータで構成されており、センサ回路部4およびリモコン受信回路部5からの信号に基づき、LEDの輝度やLEDの点灯/消灯を制御するものである。なお、制御部3は、特許請求の範囲に記載の検出部に対応する。
【0042】
センサ回路部4は、受光した光を電流に変換するフォトダイオード(受光素子)を備えており、フォトダイオードへの入射光の強度に応じた電圧信号を制御部3に出力するものである。本実施形態1における光検出装置は、このセンサ回路部4とセンサ回路部にて出力された電圧信号を検出する検出部としての制御部3を有する。なお、センサ回路部4の具体的な構成は、後述する。
【0043】
リモコン受信回路部5は、図示しないリモコンからの操作信号を受信する回路である。さらに、リモコン受信回路部5は、受信した操作信号に基づき、ユーザが設定した照度を示すデジタル値を制御部3に出力する。
【0044】
電源回路部6は、商用電源VSに接続されており、商用電源VSからの交流電力を、LED回路部2や制御部3を駆動させるための直流電力に変換する。
【0045】
本実施形態に係る照明装置1では、照明装置1が設置されている周囲環境の照度の変化に応じて、センサ回路部4の測定可能な照度範囲(レンジ)を自動的に切り替え可能となっている。以下、レンジを切り替えるための具体的な回路構成等について説明する。
【0046】
(センサ回路部の構成)
図2は、センサ回路部4および制御部3の構成を示す図である。センサ回路部4は、フォトダイオードPD1と、変換回路部4aと、フィルタ回路4bとを備えている。
【0047】
フォトダイオードPD1は、受光した光を電流IPD1に変換する受光素子であり、アノードが電源電位VCC(例えば5V)に接続され、カソードが変換回路部4aに接続されている。これにより、電流IPD1は変換回路部4aに出力される。
【0048】
変換回路部4aは、フォトダイオードPD1で受光した光に応じて出力される電流IPD1を電圧信号に変換する回路であり、2つの抵抗素子R1・R2と、2つのダイオード(電流制限素子)D1・D2とを備えている。抵抗素子R1(第1の抵抗素子)は、第1の抵抗回路を構成し、抵抗素子R2(第2の抵抗素子)およびダイオードD1・D2は、第2の抵抗回路を構成しており、第1の抵抗回路と第2の抵抗回路とが、互いに並列接続され、かつ、フォトダイオードPD1に直列接続されている。また、第2の抵抗回路では、ダイオードD1、ダイオードD2および抵抗素子R2は、互いに直列接続されている。より具体的には、ダイオードD1のアノードがフォトダイオードPD1のカソードおよび抵抗素子R1の一端に接続され、ダイオードD1のカソードはダイオードD2のアノードに接続されている。ダイオードD2のカソードは抵抗素子R2の一端に接続され、抵抗素子R2の他端は接地されている。また、抵抗素子R1の他端も接地されている。変換回路部4aは、フォトダイオードPD1と抵抗素子R1とダイオードD1との接続点の電圧VPD1を、電圧信号としてフィルタ回路4bを介して制御部3に出力する。なお、第2の抵抗回路において、ダイオードD1・D2と抵抗素子R2とを入れ替えてもよい。
【0049】
フィルタ回路4bは、電圧信号VPD1のノイズ成分を除去する回路であり、抵抗R3と、コンデンサC1とを備えている。抵抗R3の一端は、変換回路部4aに接続され、抵抗R3の他端は、コンデンサC1の一端および制御部3に接続されている。コンデンサC1の他端は接地されている。制御部3は、フィルタ回路4bからの電圧信号VPD1を受信して、フォトダイオードPD1で受光した光を検出する。
【0050】
(センサ回路部の動作)
続いて、センサ回路部4の動作について説明する。図2に示すように、抵抗素子R1から構成される第1の抵抗回路に流れる電流をI1とし、抵抗素子R2およびダイオードD1・D2から構成される第2の抵抗回路に流れる電流をI2とする。また、ダイオードD1の順方向電圧はVf1であり、ダイオードD2の順方向電圧はVf2である。よって、ダイオードD1・D2は、印加電圧(ダイオードD1のアノードとダイオードD2のカソードとの電位差)がVf1+Vf2以下の場合は電流を導通させず、印加電圧がVf1+Vf2を超える場合に電流を導通させる電流制限素子として機能する。すなわち、ダイオードD1・D2は、マイクロコンピュータ等からの制御信号を用いずとも印加電圧に応じて導通または非導通を自律的に決定する。
【0051】
このため、フォトダイオードPD1が発生する電流IPD1が微小であり、抵抗素子R1における電圧降下がVf1+Vf2以下である場合、ダイオードD1・D2への印加電圧もVf1+Vf2以下となるので、I2=0となる。よって、抵抗素子R1の抵抗値をr1とすると、
VPD1=I1・r1=IPD1・r1
となる。
【0052】
一方、フォトダイオードPD1が発生する電流IPD1が上昇し、抵抗素子R1における電圧降下がVf1+Vf2を超える場合、ダイオードD1・D2は、電流を導通させる。これにより、抵抗素子R2に電流I2が流れる。このとき、抵抗素子R2の抵抗値をr2とすると、
VPD1≒IPD1・(r1・r2/(r1+r2))
となる。つまり、ダイオードD1・D2に印加される電圧信号VPD1の値がVf1+Vf2を超えるとき、ダイオードD1・D2が自律的に導通することにより、フォトダイオードPD1から出力される電流IPD1を電圧信号VPD1に変換する抵抗値が変化する。本実施の形態では、ダイオードD1・D2が導通することにより前記抵抗値がR1とR2との合成抵抗の抵抗値r1・r2/(r1+r2)となる。
【0053】
r1およびr2はどちらも正の値であるので、r1>r1・r2/(r1+r2)となり、前記抵抗値を減少させる。よって、ダイオードD1・D2が導通しない場合における、変換回路部4aの電流電圧変換係数(ゲイン)をゲイン1とし、ダイオードD1・D2が導通する場合における、変換回路部4aのゲインをゲイン2とすると、
ゲイン1=r1
ゲイン2=r1・r2/(r1+r2)
であるため、ゲイン1>ゲイン2となる。
【0054】
また、電圧VPD1の範囲は、0≦VPD1<VCCであるので、変換回路部4aのゲインが大きいほど、センサ回路部4の測定可能な照度範囲(レンジ)は狭くなる。したがって、照明装置1の周囲環境が比較的暗くダイオードD1・D2が導通しない場合における、センサ回路部4の測定可能なレンジをレンジ1として、照明装置1の周囲環境が比較的明るくダイオードD1・D2が導通している場合における、センサ回路部4の測定可能なレンジをレンジ2とすると、レンジ1<レンジ2となる。
【0055】
このように、センサ回路部4では、フォトダイオードPD1が発生する電流IPD1の大きさに応じて、変換回路部4aのゲインが切り替わるので、照明装置1の周囲環境の照度の変化に応じてセンサ回路部4のレンジを自動的に切り替えることができる。
【0056】
(制御部の構成)
制御部3は、LED回路部2のLEDの輝度やLEDの点灯/消灯を制御する機能を有しており、A/D変換部3aと、照度判定部3bと、設定照度記憶部3cと、LED輝度制御部3dとを備えている。
【0057】
A/D変換部3aは、センサ回路部4からの電圧信号(電圧VPD1)をデジタル値に変換するものであり、例えば、0V〜5Vの電圧を255段階のデジタル値に変換可能としている。
【0058】
照度判定部3bは、A/D変換部3aからのデジタル信号、およびセンサ回路部4の変換回路部4aのゲインに基づき、フォトダイオードPD1への入射光の照度を判定し、当該照度を示す照度情報をLED輝度制御部3dに出力する。上述のように、変換回路部4aのゲインはフォトダイオードPD1が発生する電流IPD1の大きさに応じて切り替わる。そのため、照度判定部3bは、変換回路部4aのゲインがゲイン1およびゲイン2のいずれであるかを判定する機能を有している。
【0059】
具体的には、初期状態(照明装置1の電源投入時)では、ダイオードD1・D2が導通していないので、照度判定部3bは、変換回路部4aのゲインがゲイン1であると判定する。その後、フォトダイオードPD1からの電流IPD1が増加して、電圧VPD1がダイオードD1・D2の順方向電圧Vf1+Vf2より大きくなると、照度判定部3bは、A/D変換部3aからの照度信号に基づき、電圧VPD1が順方向電圧Vf1+Vf2を超えたことを検知し、変換回路部4aのゲインがゲイン1からゲイン2に切り替わったと判定する。その後再び、フォトダイオードPD1からの電流IPD1が減少して、電圧VPD1がダイオードD1・D2の順方向電圧Vf1+Vf2より小さくなると、照度判定部3bは、A/D変換部3aからの照度信号に基づき、電圧VPD1が順方向電圧Vf1+Vf2より小さくなったことを検知し、変換回路部4aのゲインがゲイン2からゲイン1に切り替わったと判定する。
【0060】
設定照度記憶部3cは、リモコン受信回路部5から入力されるデジタル値、すなわち、ユーザがリモコンによって設定した照度を示す照度設定値を一時的に記憶するものであり、例えばレジスタで構成されている。
【0061】
LED輝度制御部3dは、LED回路部2のLEDの輝度を制御する信号を生成するものであり、より具体的には、照度判定部3bからの照度情報が示す値と、設定照度記憶部3cに記憶されている照度設定値とが等しくなるように、LEDの輝度をフィードバック制御する。これにより、フォトダイオードPD1への入射光の照度がユーザの設定した照度で一定となるように制御される。
【0062】
変換回路部4aは、上記のようにダイオードD1・D2が印加電圧VPD1に応じて導通または非導通かを自律的に決定することで、電流IPD1を電圧信号VPD1に変換する抵抗値を変化させる。これにより、周囲環境の照度が比較的小さいときには分解能の細かいゲイン1にて電流IPD1を電圧信号VPD1に変換することで光検出精度が高いレンジで照度を検出することができ、周囲環境の照度が大きくなると自動的にゲイン2に切替えることでレンジを広げて、A/D変換部3aが変換可能な電圧の範囲内に電圧信号VPD1を収めることができる。すなわち、制御部3が光を検出可能な範囲内に、電圧信号VPD1を収めることができる。
【0063】
以上のように、本実施形態に係る照明装置1では、マイクロコンピュータ等からの制御信号を利用することなく、周囲環境の照度の変化に応じて電流制限素子としてのダイオードD1・D2が印加電圧に応じて自律的に導通または非導通を決定することでセンサ回路部4のレンジを自動的に切り替えることができる。また、センサ回路部4のレンジ切り替えのために、マイクロコンピュータの制御を必要としないので、マイクロコンピュータの制御を必要とする従来構成よりも、センサ回路部4を簡単かつ安価に実現できる。
【0064】
なお、ダイオードD1・D2が導通していない状態から、電流IPD1が徐々に増加した場合、ダイオードD1・D2が導通すると、電圧VPDが低下するので、ダイオードD1・D2が再び非導通となり、その後、ダイオードD1・D2は、導通/非導通を繰り返すこととなる。ここで、照明装置1は、通常屋内で使用されるので、照明装置1の使用状態は、屋外から太陽光が入射しない状態(「閉切り状態」とする)と、屋外から太陽光が入射する状態(「開放状態」とする)とに大別される。開放状態におけるフォトダイオードPD1への入射光の照度は、閉切り状態におけるフォトダイオードPD1への入射光の照度の約10倍にもなる。そのため、閉切り状態では、常にダイオードD1・D2が導通せず、開放状態では、常にダイオードD1・D2が導通するように、抵抗素子R1・R2の各抵抗値を設定すればよい。
【0065】
(変形例1)
続いて、本実施形態の変形例について説明する。
【0066】
図3は、本実施形態の変形例に係る照明装置11の構成を示す図である。照明装置11は、LED回路部2、制御部13、センサ回路部14、リモコン受信回路部5および電源回路部6を備えている。すなわち、照明装置11は、図1に示す照明装置1において、制御部3およびセンサ回路部4をそれぞれ、制御部13およびセンサ回路部14に置き換えた構成である。
【0067】
センサ回路部14は、フォトダイオードPD1および変換回路部4aを備えている。変換回路部4aの構成は、図2に示すセンサ回路部4の変換回路部4aの構成と同一であるので、細部の説明を省略する。
【0068】
制御部13は、抵抗素子R4と、可変抵抗素子VR1と、コンパレータ回路COMP1と、NMOSトランジスタQ1と、抵抗値制御部13aとを備えている。
【0069】
抵抗素子R4および可変抵抗素子VR1は、電源電位VCCと接地電位GNDとの間に互いに直列接続されており、分圧抵抗回路を構成している。可変抵抗素子VR1の抵抗値は、抵抗値制御部13aによって制御される。
【0070】
コンパレータ回路COMP1は、+入力端子の電位と−入力端子の電位とを比較し、+入力端子の電位が−入力端子の電位よりも高い場合に、ハイレベルの信号を出力する。コンパレータ回路COMP1の+入力端子は、抵抗素子R4と可変抵抗素子VR1との間の接続点に接続されている。これにより、コンパレータ回路COMP1の+入力端子には、分圧抵抗回路の出力電圧が入力される。コンパレータ回路COMP1の−入力端子には、変換回路部4aの出力電圧VPD1が入力される。コンパレータ回路COMP1の出力端子は、NMOSトランジスタQ1のゲートに接続されている。NMOSトランジスタQ1のドレインは、3つのLED1〜LED3で構成されるLED回路部2に接続されており、NMOSトランジスタQ1のソースは、接地されている。これにより、抵抗素子R4と可変抵抗素子VR1とで構成される分圧抵抗回路の出力電圧が、変換回路部4aの出力電圧VPD1よりも大きい場合に、LED1〜LED3が点灯する。すなわち、NMOSトランジスタQ1は、出力電圧VPD1が所定の電圧を超える場合にLED1〜LED3を点灯させるスイッチ手段として機能する。
【0071】
ユーザは、図示しないリモコンによって、LED1〜LED3を点灯/消灯させる基準となる基準照度を設定する。抵抗値制御部13aは、ユーザが設定した基準照度を示すデジタル値をリモコン受信回路部5から受け取り、当該デジタル値に応じて可変抵抗素子VR1の抵抗値を設定する。これにより、フォトダイオードPD1への入射光の照度が基準照度を超えると、コンパレータ回路COMP1はローレベルの信号を出力して、LED1〜LED3を消灯させ、フォトダイオードPD1への入射光の照度が基準照度以下になると、コンパレータ回路COMP1はハイレベルの信号を出力して、LED1〜LED3を点灯させる。なお、ユーザが基準照度を低下させた場合、抵抗値制御部13aは、可変抵抗素子VR1の抵抗値を低下させ、ユーザが基準照度を増加させた場合、抵抗値制御部13aは、可変抵抗素子VR1の抵抗値を増加させる。
【0072】
なお、センサ回路部14は、照明装置11の周囲環境の光反射率が高く出力電圧VPD1が高くなる場合に、ダイオードD1・D2が自立的に導通することで変換回路部4aの電流電圧変換係数(ゲイン)を小さくし、出力電圧を低減させて過剰に照度が高く検出されることを防止する。これにより、照明装置11の周囲環境の光反射率に応じた照度検出レンジで照度を検出してLED1〜LED3のオン・オフを制御することが可能となる。
【0073】
また、制御部13の構成要素のうち、抵抗値制御部13aのみがマイクロコンピュータで構成される。そのため、図2に示す制御部3に比べて、より簡単に制御部13を実現できる。さらに、LED1〜LED3を点灯/消灯させる基準照度が変更不要である場合は、制御部13は、可変抵抗素子VR1の代わりに固定抵抗素子を備え、抵抗値制御部13aを備えない構成であってもよい。
【0074】
(変形例2)
続いて、センサ回路部の変形例について説明する。上記では、互いに並列接続された2つの抵抗回路によって変換回路部を構成する例について説明したが、ここでは、互いに並列接続された3つの抵抗回路によって変換回路部を構成する例について説明する。
【0075】
図4は、本実施形態の変形例に係るセンサ回路部24の構成を示す図である。センサ回路部24は、フォトダイオードPD1、変換回路部24aおよびフィルタ回路4bを備えている。すなわち、センサ回路部24は、図2に示すセンサ回路部4において、変換回路部4aを変換回路部24aに置き換えた構成である。
【0076】
変換回路部24aは、フォトダイオードPD1が発生する電流IPD1を電圧信号に変換する回路であり、3つの抵抗素子R1・R2・R5と、5つのダイオードD1〜D5とを備えている。抵抗素子R1・R2およびダイオードD1・D2は、図2に示す変換回路部4aと同様に、第1の抵抗回路および第2の抵抗回路を構成している。さらに、変換回路部24aでは、互いに直列接続された抵抗素子R5とダイオードD3〜D5とが、第3の抵抗回路を構成しており、第3の抵抗回路が、第1および第2の抵抗回路とともに、互いに並列接続されている。
【0077】
このように、変換回路部24aは、互いに並列接続された抵抗回路を3つ備える構成である。また、変換回路部24aでは、各ダイオードD3・D4・D5の順方向電圧がそれぞれ、Vf3・Vf4・Vf5となっている。よって、ダイオードD3〜D5は、印加電圧(ダイオードD3のアノードとダイオードD5のカソードとの電位差)がVf3+Vf4+Vf5以下の場合は電流を導通させず、印加電圧がVf3+Vf4+Vf5を超える場合に電流を導通させる電流制限素子として機能する。すなわち、ダイオードD1・D2およびダイオードD3〜D5は、マイクロコンピュータ等からの制御信号を用いずとも印加電圧に応じて導通または非導通を自律的に決定する。
【0078】
また、順方向電圧の大きさに関して、Vf1+Vf2>Vf3+Vf4+Vf5となるように設定されている。これにより、変換回路部24aのゲインは、3段階に切り替え可能となっている。
【0079】
具体的には、変換回路部24aの出力電圧VPD1がVf1+Vf2以下である場合、ダイオードD1〜D5は導通しないため、
VPD1=I1・r1=IPD1・r1
となる。
【0080】
また、電流IPD1が増加して、Vf1+Vf2<VPD1≦Vf3+Vf4+Vf5となった場合、ダイオードD1・D2は導通する一方、ダイオードD3〜D5は導通しない。そのため、
VPD1≒IPD1・(r1・r2/(r1+r2))
となる。つまり、ダイオードD1・D2に印加される電圧信号VPD1の値がVf1+Vf2を超えるとき、ダイオードD1・D2が自律的に導通することにより、フォトダイオードPD1から出力される電流IPD1を電圧信号VPD1に変換する抵抗値が変化する。本実施の形態では、ダイオードD1・D2が導通することにより前記抵抗値がR1とR2との合成抵抗の抵抗値r1・r2/(r1+r2)となる。
【0081】
さらに電流IPD1が増加して、VPD1>Vf3+Vf4+Vf5となった場合、ダイオードD1・D2だけでなく、ダイオードD3〜D5も導通する。そのため、抵抗素子R5の抵抗値をr5とすると、
VPD1≒IPD1・(r1・r2・r5/(r1・r2+r2・r5+r5・r1))
となる。つまり、ダイオードD1・D2に印加される電圧信号VPD1の値がVf3+Vf4+Vf5を超えるとき、ダイオードD3〜D5も自律的に導通することにより、前記抵抗値がR1、R2およびR5の合成抵抗の抵抗値r1・r2・r5/(r1・r2+r2・r5+r5・r1)となる。
【0082】
r1、r2およびr5はいずれも正の値であるので、r1>r1・r2/(r1+r2)>r1・r2・r5/(r1・r2+r2・r5+r5・r1)となり、3段階で前記抵抗値を減少させる。よって、ダイオードD1〜D5が導通しない場合における、変換回路部4aの電流電圧変換係数(ゲイン)をゲイン1とし、ダイオードD1・D2のみが導通する場合における、変換回路部4aのゲインをゲイン2とし、ダイオードD1〜D5がすべて導通する場合における、変換回路部4aのゲインをゲイン3とすると、
ゲイン1=r1
ゲイン2=r1・r2/(r1+r2)
ゲイン3=r1・r2・r5/(r1・r2+r2・r5+r5・r1)
であるため、ゲイン1>ゲイン2>ゲイン3となる。
【0083】
このように、抵抗素子を備える3つの抵抗回路を互いに並列接続させ、2つの抵抗回路にダイオードをさらに設けることにより、変換回路部のゲインを3段階に切り替えることが可能となる。
【0084】
なお、互いに並列接続される抵抗回路の個数は、2または3に限定されず、4以上であってもよい。また、互いに並列接続される複数の抵抗回路のうち、一部の抵抗回路がダイオードをさらに有する構成であればよい。図4に示す変換回路部24aでは、互いに並列接続される3つの抵抗回路のうち、2つの抵抗回路がダイオードをさらに有する構成であったが、例えば、互いに並列接続される3つの抵抗回路のうち、1つの抵抗回路がダイオードをさらに有する構成であってもよい。また、変換回路部24aにおいて、第2の抵抗回路が抵抗素子R2のみを備え、ダイオードD1・D2を備えていない構成であってもよい。
【0085】
(変形例3)
続いて、センサ回路部の他の変形例について説明する。ここでは、帰還回路を有する増幅回路によって変換回路部を構成する例について説明する。
【0086】
図5は、本実施形態の他の変形例に係るセンサ回路部34の構成を示す図である。センサ回路部34は、フォトダイオードPD1、変換回路部34aおよびフィルタ回路4bを備えている。すなわち、センサ回路部34は、図2に示すセンサ回路部4において、変換回路部4aを変換回路部34aに置き換えた構成である。
【0087】
変換回路部34aは、フォトダイオードPD1が発生する電流IPD1を電圧信号に変換する回路であり、増幅回路AMP1と、4つの抵抗素子R6〜R9と、ダイオードD6とを備えている。抵抗素子R6は、特許請求の範囲に記載の出力抵抗素子に相当するものであり、抵抗素子R6の一端はフォトダイオードPD1のカソードに接続され、抵抗素子R6の他端は接地されている。また、抵抗素子R6とフォトダイオードPD1との接続点が抵抗素子R7の一端に接続されている。これにより、抵抗素子R6は、フォトダイオードPD1からの電流IPD1の大きさに応じた出力電圧を抵抗素子R7に出力する。
【0088】
増幅回路AMP1は、出力端子と非反転入力端子との間に互いに並列接続された第1の帰還回路および第2の帰還回路を備えている。また、増幅回路AMP1は、抵抗素子R7を入力抵抗素子として備えており、増幅回路AMP1の反転入力端子は接地されている。第1の帰還回路は、帰還抵抗素子として抵抗素子R8を有している。第2の帰還回路は、帰還抵抗素子として抵抗素子R9を有している。また、第2の帰還回路は、抵抗素子R9に直列接続されたダイオード(電流制限素子)D6をさらに有している。第2の帰還回路では、ダイオードD6のアノードが抵抗素子R7の他端、抵抗素子R8の一端、および増幅回路AMP1の非反転入力端子に接続され、ダイオードD6のカソードが抵抗素子R9の一端に接続され、抵抗素子R9の他端が、抵抗素子R8の他端、および増幅回路AMP1の出力端子に接続されている。
【0089】
ダイオードD6は、印加電圧が順方向電圧(V6とする)以下の場合は電流を導通させず、印加電圧が順方向電圧V6を超える場合に電流を導通させる電流制限素子として機能する。すなわち、ダイオードD6は、マイクロコンピュータ等からの制御信号を用いずとも印加電圧に応じて導通または非導通を自律的に決定する。
【0090】
具体的には、抵抗素子R8における電圧降下がVf6以下の場合は、抵抗素子R9に電流が流れない。このとき、抵抗素子R7の抵抗値をr7とし、抵抗素子R8の抵抗値をr8とすると、増幅回路AMP1の増幅率(ゲイン)は、r8/r7となる。
【0091】
一方、フォトダイオードPD1が発生する電流IPD1が増加して、抵抗素子R8における電圧降下が順方向電圧Vf6を超えた場合、ダイオードD6が導通して、抵抗素子R9に電流が流れる。このとき、抵抗素子R9の抵抗値をr9とすると、増幅回路AMP1のゲインは、r8・r9/r7・(r8+r9)に切り替わる。よって、変換回路部34aの電流電圧変換係数(ゲイン)は、フォトダイオードPD1が発生する電流IPD1の大きさに応じて自動的に切り替わるようになっている。
【0092】
また、フィルタ回路4bに接続される図示しないA/D変換部が変換可能な電圧の範囲は、例えば0V〜5Vであるので、変換回路部34aのゲインが大きいほど、センサ回路部34の測定可能な照度範囲(レンジ)は狭くなる。よって、フォトダイオードPD1への入射光の照度に応じて、センサ回路部34の測定可能なレンジが自動的に切り替わる。また、センサ回路部34のレンジ切り替えのために、マイクロコンピュータの制御を必要としないので、センサ回路部34を簡単かつ安価に実現できる。
【0093】
なお、図5に示す増幅回路AMP1は、帰還回路を2つ備える構成であるが、帰還回路の個数はこれに限定されず、帰還回路を3つ以上備える構成であってもよい。また、複数の帰還回路のうち、一部の帰還回路がダイオードをさらに有する構成であればよい。
【0094】
〔実施形態2〕
本発明の第2の実施形態について図6および図7に基づいて説明すれば、以下のとおりである。本実施形態では、本発明に係る光検出装置を可視光通信装置に適用する場合について説明する。
【0095】
図6は、本実施形態に係る可視光通信装置50の構成を示すブロック図である。可視光通信装置50は、センサ回路部51、パルス信号抽出部52、増幅部53、フィルタ部54、受信処理部55、演算実行部56および表示部57を備えている。
【0096】
センサ回路部51は、他の可視光通信装置等からの光信号を電圧信号に変換するものである。パルス信号抽出部52は、前記電圧信号からパルス信号成分を抽出するものである。増幅部53は、パルス信号抽出部52からのパルス信号をより高レベルの信号に増幅するものである。フィルタ部54は、増幅部53によって増幅されたパルス信号からノイズ成分を除去するものである。フィルタ部54によってノイズ成分を除去されたパルス信号は、受信処理部55に入力される。前記電圧信号から抽出したパルス信号を検出する検出部としての受信処理部55は、光信号の制御内容に基づいて、演算実行部56に演算処理を指示したり、表示部57に画像等の表示処理を指示する。
【0097】
図7は、センサ回路部51、パルス信号抽出部52および増幅部53の具体的な構成を示す図である。センサ回路部51は、フォトダイオードPD11と、変換回路部51aとを備えている。
【0098】
フォトダイオードPD11は、受光した光を電流IPD11に変換する受光素子であり、アノードが電源電位VCCに接続され、カソードが変換回路部51aに接続されている。通信時にパルス成分を含む光信号がフォトダイオードPD11に入射すると、フォトダイオードPD11は、パルス成分を含む電流IPD11を変換回路部51aに出力する。
【0099】
変換回路部51aは、電流IPD11を電圧信号VPD11に変換する変換回路部であり、2つの抵抗素子R11・R12と、2つのダイオード(電流制限素子)D11・D12とを備えている。抵抗素子R11(第1の抵抗素子)は、第1の抵抗回路を構成し、抵抗素子R12(第2の抵抗素子)およびダイオードD11・D12は、第2の抵抗回路を構成しており、第1の抵抗回路と第2の抵抗回路とが、互いに並列接続され、かつ、フォトダイオードPD11に直列接続されている。また、第2の抵抗回路では、ダイオードD11、ダイオードD12および抵抗素子R12は、互いに直列接続されている。より具体的には、ダイオードD11のアノードがフォトダイオードPD11のカソードおよび抵抗素子R11の一端に接続され、ダイオードD11のカソードはダイオードD12のアノードに接続されている。ダイオードD12のカソードは抵抗素子R12の一端に接続され、抵抗素子R12の他端は接地されている。また、抵抗素子R11の他端も接地されている。変換回路部51aは、フォトダイオードPD11と抵抗素子R11とダイオードD11との接続点の電圧VPD11をパルス信号抽出部52に出力する。
【0100】
パルス信号抽出部52は、コンデンサC11を備えている。コンデンサC11は、電圧信号VPD11から直流成分を除去することにより、電圧信号VPD11に含まれるパルス信号Vpulseを抽出する。
【0101】
増幅部53は、2つの増幅回路53a・53bを備えており、パルス信号抽出部52からのパルス信号Vpulseをより高レベルのパルス信号に増幅する。
【0102】
変換回路部51aは、図2に示す変換回路部4aと同様に、フォトダイオードPD11からの電流IPD11の大きさに応じて、電流電圧変換係数(ゲイン)を自動的に切り替え可能となっている。ダイオードD11の順方向電圧をVf11とし、ダイオードD12の順方向電圧をVf12とすると、ダイオードD11・D12は、印加電圧(ダイオードD11のアノードとダイオードD12のカソードとの電位差)がVf11+Vf12以下の場合は電流を導通させず、印加電圧がVf11+Vf12を超える場合に電流を導通させる電流制限素子として機能する。すなわち、ダイオードD11・D12は、マイクロコンピュータ等からの制御信号を用いずとも印加電圧に応じて導通または非導通を自律的に決定する。
【0103】
具体的には、電流IPD11が微小であり、抵抗素子R11における電圧降下がダイオードD11・D12の各順方向電圧の合計以下である場合、ダイオードD11・D12が導通しないため、抵抗素子R12には電流が流れない。よって、抵抗素子R11の抵抗値をr11とすると、
VPD11=IPD11・r11
となる。
【0104】
一方、フォトダイオードPD11が発生する電流IPD11が上昇し、抵抗素子R11における電圧降下がダイオードD11・D12の各順方向電圧の合計を超える場合、ダイオードD1・D2は、電流を導通させるため、抵抗素子R12に電流が流れる。このとき、抵抗素子R12の抵抗値をr12とすると、
VPD11≒IPD11・(r11・r12/(r11+r12))
となる。つまり、ダイオードD11・D12に印加される電圧信号VPD11の値がVf11+Vf12を超えるとき、ダイオードD11・D12が自律的に導通することにより、フォトダイオードPD11から出力される電流IPD11を電圧信号VPD11に変換する抵抗値が変化する。本実施の形態では、ダイオードD11・D12が導通することにより前記抵抗値がR11とR12との合成抵抗の抵抗値r11・r12/(r11+r12)となる。
【0105】
r11およびr12はどちらも正の値であるので、r11>r11・r12/(r11+r12)となり、前記抵抗値を減少させる。よって、ダイオードD11・D12が導通しない場合における、変換回路部51aの電流電圧変換係数(ゲイン)をゲイン11とし、ダイオードD11・D12が導通する場合における、変換回路部4aのゲインをゲイン12とすると、
ゲイン11=r11
ゲイン12=r11・r12/(r11+r12)
であるため、ゲイン11>ゲイン12となる。
【0106】
このように、電流IPD11の大きさに応じて、ダイオードD1・D2が自律的に導通することで変換回路部51aの抵抗値を変化させることでゲインが自動的に切り替わる。これにより、照度の高い環境下で通信を行った場合に、変換回路部51aのゲインを低いゲインに切り替えることにより、電圧信号VPD11がVCCで飽和してパルス信号成分が消滅する不都合を回避できる。すなわち、受信処理部55がパルス信号を検出可能な範囲に収まるように光信号の検出範囲(レンジ)を変化させることができる。
【0107】
また、センサ回路部51のレンジ切り替えのために、マイクロコンピュータの制御を必要としないので、センサ回路部51を簡単かつ安価に実現できる。したがって、簡単かつ低コストで、周囲の照度に関わらず受信不良が起こりにくい可視光通信装置を実現できる。
【0108】
〔付記事項〕
上記の各実施形態では、変換回路部の抵抗回路が有する電流制限素子として、ダイオードを用いていたが、これに限定されない。印加電圧が所定値以下の場合に電流を導通させない素子であれば、ツェナーダイオードやトランジスタを用いてもよい。
【0109】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0110】
本発明に係る光検出装置は、シーリング照明装置、ペンダント照明装置、埋め込式照明装置等の周囲の照度に応じて光出力を制御可能なあらゆる照明装置及び、可視光通信装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0111】
1 照明装置
2 LED回路部
3 制御部(検出部)
3a A/D変換部
3b 照度判定部
3c 設定照度記憶部
3d LED輝度制御部
4 センサ回路部
4a 変換回路部
4b フィルタ回路
5 リモコン受信回路部
6 電源回路部
11 照明装置
13 制御部(検出部)
13a 抵抗値制御部
14 センサ回路部
24 センサ回路部
24a 変換回路部
34 センサ回路部
34a 変換回路部
50 可視光通信装置
51 センサ回路部
51a 変換回路部
52 パルス信号抽出部
53 増幅部
54 フィルタ部
55 受信処理部
56 演算実行部
57 表示部
AMP1 増幅回路
COMP1 コンパレータ回路
D1〜D6、D11、D12 ダイオード
LED1〜LED3 発光ダイオード(光源)
PD1、PD11 フォトダイオード(受光素子)
Q1 NMOSトランジスタ(スイッチ手段)
R1 抵抗素子(第1の抵抗素子)
R2 抵抗素子(第2の抵抗素子)
R5 抵抗素子
R11 抵抗素子(第1の抵抗素子)
R12 抵抗素子(第2の抵抗素子)
R6 抵抗素子(出力抵抗素子)
R8 抵抗素子(第1の帰還抵抗素子)
R9 抵抗素子(第2の帰還抵抗素子)
VR1 可変抵抗素子
VPD1 出力電圧(電圧信号)
Vpulse パルス信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受光素子と、
該受光素子で受光した光に応じて出力される電流を電圧信号に変換する変換回路部と、
前記電圧信号を受信して、前記光を検出する検出部と、
を備える光検出装置において、
前記変換回路部は、
複数の抵抗素子と、
該複数の抵抗素子の少なくとも一つに接続され、印加電圧に応じて導通または非導通かを自律的に決定する電流制限素子から構成され、
前記印加電圧に応じて前記変換回路部の抵抗値を変化させることにより、前記電圧信号を、前記検出部が光を検出可能な範囲内に収めることを特徴とする光検出装置。
【請求項2】
前記変換回路部は、
前記抵抗素子を有する複数の抵抗回路を備え、
前記複数の抵抗回路は、互いに並列接続され、かつ、前記受光素子に直列接続され、
前記複数の抵抗回路のうち少なくとも一部の抵抗回路は、前記電流制限素子を有することを特徴とする請求項1に記載の光検出装置。
【請求項3】
前記変換回路部は、
前記受光素子からの電流の大きさに応じた出力電圧を出力する出力抵抗素子と、
前記出力抵抗素子の出力電圧を増幅する増幅回路とを備え、
前記増幅回路は、帰還抵抗素子を有する複数の帰還回路と入力抵抗素子とを備え、
前記複数の帰還回路のうち一部の帰還回路は、当該帰還回路の帰還抵抗素子に直列接続される前記電流制限素子を有することを特徴とする請求項1に記載の光検出装置。
【請求項4】
前記変換回路部は、第1の抵抗回路および第2の抵抗回路を備え、
前記電流制限素子は、ダイオードであり、
第1の抵抗回路は、第1の抵抗素子を有しており、
第2の抵抗回路は、第2の抵抗素子と、第2の抵抗素子に直列接続される前記ダイオードとを有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光検出装置。
【請求項5】
前記増幅回路は、第1の帰還回路および第2の帰還回路を備え、
前記電流制限素子は、ダイオードであり、
第1の帰還回路は、第1の帰還抵抗素子を有しており、
第2の帰還回路は、第2の帰還抵抗素子と、第2の帰還抵抗素子に直列接続される前記ダイオードとを有することを特徴とする請求項3に記載の光検出装置。
【請求項6】
光源と、照度を検出する光検出装置とを備える照明装置であって、
前記光検出装置として、請求項1〜5のいずれか1項に記載の光検出装置を備えることを特徴とする照明装置。
【請求項7】
前記検出部は、
前記変換回路部からの電圧信号が所定の電圧を超える場合に前記光源を点灯させるスイッチ手段を備えることを特徴とする請求項6に記載の照明装置。
【請求項8】
光信号を検出する光検出装置として、請求項1〜5のいずれか1項に記載の光検出装置を備えることを特徴とする可視光通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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