光波測量用ターゲット及びその視準方法
【課題】測量用光波を反射する反射体のためのシャッタとして、液晶シャッタを用いることで小型化できるとともに、その開閉を行う機構も簡素な電気的構成で実現でき、しかも、その開閉を外乱による影響なく正確に行うことができ、また、光波測量機側に格別な機構を増設しなくとも、視準したい特定のターゲットのみを、電気配線等の仲介手段や識別手段を要することなく光波測量機側で簡単に遠隔選択できるようにする。
【解決手段】光波測量機からの測量用光波を反射するプリズム3と、その前面に設置された液晶シャッタ8と、該液晶シャッタ8を動作させる液晶駆動回路6と、第1及び第2の受光素子4・5と、バッテリ7とを備える。一方の受光素子4が可視光線を受光して両受光素子4・5の入力値の差が所定以上となったとき、液晶駆動回路6が液晶シャッタ8を開動作させ、測量用光波が液晶シャッタ8を透過してプリズム3に照射される。
【解決手段】光波測量機からの測量用光波を反射するプリズム3と、その前面に設置された液晶シャッタ8と、該液晶シャッタ8を動作させる液晶駆動回路6と、第1及び第2の受光素子4・5と、バッテリ7とを備える。一方の受光素子4が可視光線を受光して両受光素子4・5の入力値の差が所定以上となったとき、液晶駆動回路6が液晶シャッタ8を開動作させ、測量用光波が液晶シャッタ8を透過してプリズム3に照射される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光波測量機にて測量する際の測点となる光波測量用ターゲットと、これを光波測量機にて視準する視準方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開2001−165656号公報)にも記載されているように、トンネル断面の内空変位を自動追尾式トータルステーションを用いて測定する場合、現に測定対象とする測点のターゲット以外に、現時点では測定対象としない他の測点に設置されたターゲットがトータルステーションの視界に入り込むと、測点の誤認識や測定不能となる。
【0003】
そこで、この特許文献1に開示の技術では、測定対象外のターゲット装置からの反射光はトータルステーションに入光しないようにするため、ターゲット装置に機械的なシャッタ機構を備えてその視準面を隠蔽可能に開閉制御するようにしている。そのシャッタ機構は、プリズム又は反射シートからなる視準面を、モータにて回転駆動される回転シャッタにて隠蔽自在に開閉し、その開閉状態を近接スイッチで検出する構造となっている。
【0004】
そして、特許文献1に開示された方法では、このようなシャッタ機構を備えたターゲット装置を各測点に設置して、全ターゲット装置を一つのシャッタ制御ボックスに電気的に接続し、パーソナルコンピュータから特定のターゲット装置に向けたシャッタ開指令をシャッタ制御ボックスに電送することにより、そのターゲット装置の回転シャッタのみを開動作させる。また、この回転シャッタを閉じるには、シャッタ閉指令をシャッタ制御ボックスに電送し、近接スイッチからのシャッタ閉完了信号をシャッタ制御ボックスを介してパーソナルコンピュータへ返送することで、回転シャッタが閉じたことを確認するようになっている。
【0005】
しかし、このような従来技術によると、次のような問題点がある。
(1)各ターゲット装置までの電気配線が必要で、ターゲット装置の設置個数が増えれば増えるほど、その配線に手間と時間がかかる。
(2)通信制御装置として、シャッタ制御ボックスやターゲット別の信号判断手段が必要で、システムコストが高くなる。
(3)モータで回転シャッタを回転させる機械的なシャッタ機構であるため、ターゲット装置が大型化する。
(4)機械的な可動部があるシャッタ機構であるため、粉塵や水分などが概して多いトンネル現場では、故障が起きやすい。
【0006】
また、特許文献2(特開平7−103761号公報)には、移動体をトータルステーションで自動追尾して測量する次のような自動追尾式測量システムが開示されている。
各移動体に搭載するターゲットユニットに、複数のプリズムによる全方向ターゲットと、これを開閉する円筒形のシャッタと、このシャッタを回転させるモータと、モータを駆動するドライバと、トータルステーションからの変調された光波を受光して電気信号に変換する受光部と、その電気信号を復調する復調部と、移動体ごとの固有の識別情報を格納するメモリと、CPUとを備える。
そして、トータルステーションからの変調された光波中から、測定対象の移動体に係る識別情報を復調し、その識別情報がメモリに格納されている識別情報と一致しているか否かをCPUで判断し、一致していたとき、該CPUでドライバを制御してシャッタが全方向ターゲットの入出射面を開放するように回転させる。
この後、トータルステーションから変調されていない測量用光波を出力し、入出射面を開放された全方向ターゲットに照射して、その反射光をトータルステーション側で受光することで、当該移動体を測量する。
【0007】
しかし、これによると次のような問題点がある。
(1)移動体ごとの固有の識別情報確認のために、受光部や復調部やメモリやCPUを各ターゲットユニットごとに備えなければならなく、ターゲットユニットが高価になる。
(2)移動体ごとに変調させた光波をトータルステーションから出力しなければならないので、トータルステーションも高価になる。
(3)モータで円筒形シャッタを回転させる機械的なシャッタ機構であるため、ターゲットユニットが大型化する。
(4)機械的な可動部があるシャッタ機構であるため、粉塵や水分などが概して多いトンネル現場では、故障が起きやすい。
【特許文献1】特開2001−165656号公報
【特許文献2】特開平7−103761号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、測量用光波を反射する反射体のためのシャッタとして、機械的な可動部がないシート状又は板状シャッタである液晶シャッタを用いることで小型化できるとともに、その開閉を行う機構も簡素な電気的構成で実現でき、しかも、その開閉を外乱による影響なく正確に行うことができ、また、光波測量機側に格別な機構を増設しなくとも、視準したい特定のターゲットのみを、電気配線等の仲介手段や識別手段を要することなく光波測量機側で簡単に遠隔選択できる光波測量用ターゲット及びその視準方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る本発明の光波測量用ターゲットは、反射体の前面に設置された液晶シャッタと、該液晶シャッタを動作させる液晶駆動回路と、受光素子と、電源とを備え、受光素子が光線を受光してその入力値が所定以上となったとき、液晶駆動回路が液晶シャッタを開動作させ、測量用光波が液晶シャッタを透過して反射体に照射されるようになっている。
【0010】
これに従属する請求項2に係る発明は、第1及び第2の受光素子を備え、液晶駆動回路は、これら受光素子の入力値の差が所定以上になったときに液晶シャッタを開動作させることを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る発明は、第1及び第2の受光素子の入力値の差が所定以上となったとき、液晶駆動回路が設定時間だけ液晶シャッタを開動作させることを特徴とする。
【0012】
請求項4に係る発明は、少なくとも一方の受光素子の前面に、特定波長の光線のみを透過させるフィルタが設置されていることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、受光素子が受光する光線が可視光線であることを特徴とする。
【0013】
請求項6に係る本発明のターゲット視準方法は、光波測量機に可視光のレーザ光線を投光するレーザ投光器を搭載し、そのレーザ光線を上記のような光波測量用ターゲットの受光素子に投光して液晶シャッタを開動作させた後、光波測量機からの測量用光波を当該光波測量用ターゲットの反射体に照射することを特徴とする。
【0014】
これに従属する請求項7に係る発明は、光波測量機により光波測量用ターゲットについて数回測量してその光波測量用ターゲットの変位量を求め、その変位量が所定以上であった場合、次回の測量時には、その光波測量用ターゲットの受光素子にレーザ投光器からのレーザ光線を投光させるに必要な角度だけ、光波測量機の角度を調整することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明による効果を請求項ごとに分けて説明すると、次のとおりである。
<請求項1に係る発明>
測量用光波を反射する反射体のためのシャッタとして液晶シャッタを用いたので、液晶シャッタは、電圧により液晶分子の配列を変えることで、光の透過・不透過を制御できる機械的な可動部が無いシート状又は板状であることから、光波測量用ターゲットを小型化できるとともに、環境が悪いトンネル現場でも故障が少ない。
ターゲットを小型化できることから、光波測量機の視界に占めるターゲットの面積が減り、結果として測点として認識できる点数が増える。
受光素子に光線を照射してその入力値が所定以上になることで液晶シャッタが開動作するので、液晶シャッタを無線遠隔操作で開くことができる。
電源を備え、しかも、光線を受光素子に照射することで液晶シャッタを開動作させることができるので、電気配線が不要であるとともに、視準したい特定のターゲットのみを格別の装置を要せずに簡単に遠隔選択できる。
【0016】
<請求項2に係る発明>
第1及び第2の受光素子を備え、そのうちの一方に光線を照射して両受光素子の出力差が所定以上になることで液晶シャッタが開動作するので、外乱光による液晶シャッタの誤動作を防止できる。
【0017】
<請求項3に係る発明>
第1及び第2の受光素子の入力値の差が所定以上となったとき、設定時間だけ液晶シャッタを開動作させるので、液晶シャッタを開状態に維持するために光線による受光素子への照射を固定しなければならないとか、閉動作させるための指令(信号)を外部から送信しなければならないという面倒な作業は不要である。
【0018】
<請求項4に係る発明>
受光素子の前面に、特定波長の光線のみを透過させるフィルタが設置してあるので、特定波長の光線を受光素子に照射しないと液晶シャッタが開動作せず、外乱光による液晶シャッタの誤動作を一層確実に防止できる。
【0019】
<請求項5に係る発明>
受光素子に可視光線を照射してその入力値が所定以上になることで液晶シャッタが開動作するので、可視光線を目視しながら液晶シャッタを無線遠隔操作で開くことができ、操作性が良い。
【0020】
<請求項6に係る発明>
光波測量機に可視光のレーザ光線を投光するレーザ投光器を搭載し、そのレーザ光線を上記のようなターゲットの受光素子に照射して液晶シャッタを開動作させた後、光波測量機からの測量用光波を当該ターゲットの反射体に照射するので、光波測量機側に格別な機構を増設しなくとも、視準したい特定のターゲットのみを、電気配線等の仲介手段や識別手段を要することなく光波測量機側で簡単に遠隔選択できる。
【0021】
<請求項7に係る発明>
光波測量機により光波測量用ターゲットについて数回測量してその光波測量用ターゲットの変位量を求め、その変位量が所定以上であった場合、次回の測量時には、その光波測量用ターゲットの受光素子にレーザ投光器からのレーザ光線を投光させるに必要な角度だけ、光波測量機の角度を調整するので、トンネル断面の経時的な内空変位を自動追尾式光波測量機にて自動的に測定するような場合、あるターゲットが次回の測量までに大きく変位していても(時間当たりの変位量が大きい)、そのターゲットの液晶シャッタを自動追尾式光波測量機からのレーザ光線で自動的に開動作させて、そのターゲットの反射体を視準できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
次に、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例】
【0023】
先ず、本発明の実施例の光波測量用ターゲットについて説明する。図1にその外観斜視図、図2にその断面図を示す。
【0024】
ターゲット1は、長方形の筐体2内に、反射体であるプリズム3、第1及び第2の受光素子4・5、液晶駆動回路6、電源であるバッテリ7を内蔵し、プリズム3の前面に液晶シャッタ8に設置し、両受光素子4・5の前面には、特定波長の可視光線のみを透過させるフィルタ9を設置している。
【0025】
プリズム3と第1の受光素子4と第2の受光素子5とは、筐体2の正面から見ると、筐体2の前面の中心線上(同一直線上)に互いに間隔をおいて配置されている。
【0026】
第1及び第2の受光素子4・5は、本例では、プリズム3に近い第1の受光素子4が、フィルタ9を透過した特定波長の可視光のレーザ光線を受光させるためのメインの受光素子、第2の受光素子5がそれ以外の光による外乱防止のための比較用の受光素子である。
なお、フィルタ9は第1の受光素子4側にだけ設置してもよい。
【0027】
液晶駆動回路6は、両受光素子4・5の出力差を比較し、その差が所定の閾値以上となると液晶シャッタ8を設定時間だけ開動作させる。
【0028】
液晶シャッタ8は、液晶シートに電圧を印加して液晶分子の配列を変えることで光が透過する性質を使用したもので、両受光素子4・5の入力値の差が所定以上となって、その出力差が閾値を越えると、液晶駆動回路6から設定時間だけ所定の電圧を印加され、その時間だけ光を透過させる開動作をする。
【0029】
一方、このようなターゲット1を視準する光波測量機として、本例の場合、図3に示すような自動追尾式トータルステーション10を用いる。
このトータルステーション10には、望遠鏡11でターゲットを視準して、この望遠鏡11から測量用光波を発光させ、その反射光を受光して測距する機能や、望遠鏡11を鉛直方向及び水平方向に遠隔操作で旋回させてターゲットを自動追尾する機能や、測角する機能等の、自動追尾式トータルステーションとしての基本機能が備わっているほか、望遠鏡11上に、これと一体的に動くレーザ投光器12を搭載している。
【0030】
レーザ投光器12は、特定波長の可視光のレーザ光線を、例えば100m先で30mm程度の直径のスポット光となるように投光するもので、その光軸は望遠鏡11の視準軸と平行となるように調整可能となっている。
【0031】
次に、このようなトータルステーション10及び上記のようなターゲット1を用いて、トンネル断面の内空変位を測定する場合の実施例について説明する。
【0032】
図4に示すように、トータルステーション10をトンネル内の任意の地点に設置し、その座標と方向角を既知の後方2点を基準として知っておく。トータルステーション10は、有線又は無線によりパーソナルコンピュータ等による演算制御装置13に接続され、この演算制御装置13にて制御できるとともに、測定したデータを処理できるようになっている。
【0033】
図5及び図6に示すように、トンネル断面の内空変位をトンネル軸方向の複数の断面箇所で測定するため、各断面箇所の周方向の複数の測点のそれぞれに本発明によるターゲット1を設置する。その設置は計測担当者以外の作業者が行うことがあるため、設置誤差を生ずることが多い。
【0034】
トータルステーション10の望遠鏡11をある断面箇所のある測点のターゲット1へ向けてそのターゲット1を望遠鏡11から見ると、図7に示すように望遠鏡11には、目標とするそのターゲット1以外の他の断面箇所のターゲット1も同時に視界に入る。
【0035】
そこで、トータルステーション10のレーザ投光器12からの可視光のレーザ光線を目視しながら、トータルステーション10をリモコン等で操作して、図8に示すように、目標とするターゲット1の第1の受光素子4にレーザ光線が照射されるように指向させる。
【0036】
目標のターゲット1では、レーザ投光器12からの特定波長のレーザ光線がフィルタ9を透過して第1の受光素子4に照射されることにより、液晶シャッタ8が設定時間だけ開動作する。
【0037】
液晶シャッタ8が開いている時間内に、リモコン等を操作して、目標とするターゲット1のプリズム3の中心を望遠鏡11で自動視準し、測量用光波による測距を行い、当該ターゲット1による測点の座標値(X.Y.Z)を得る。この最初の座標値が当該測点についての変位計測の初期値となる。
【0038】
このようなレーザ光線による液晶シャッタ8の開動作、望遠鏡11の自動視準、測距を他の測点のターゲット1についても同様に行い、各測点の座標値(X.Y.Z)を得る。
そして、各測点の経時的な変位を測定するため、各測点のターゲット1に対する座標値の測定を時間をおいて繰り返す。測定したデータは演算制御装置13において記憶されるとともに、データ処理してディスプレイ13aに表示される。
【0039】
図9は、ある測点についてのX方向の変位をグラフにして示し、横軸が時間、縦軸が初期値からの変位量を示す。
【0040】
ある測点のターゲット1について、次の測定を行うまでにターゲット1が移動していた場合、その移動量がレーザ投光器12からのレーザ光線のスポットの大きさ(100m先で30mm程度の直径)の範囲内であれば、図10に示すように、レーザ光線のスポット14を前のデータに基づいて第1の受光素子4に照射させることができるが、これを越えていると、図11に示すように第1の受光素子4に照射することができない。
【0041】
各測点のターゲット1の変位の推移は演算制御装置13において記憶されているので、図9に示したグラフから分かるように、次の測定を行うまでのターゲット1の変位を演算制御装置13において予測計算することが可能である。
【0042】
そこで、予測計算で求めた当該ターゲット1の変位量(予測変位量)が、ある範囲を越えていた場合には、レーザ投光器12からのレーザ光線のスポット14が、当該ターゲット1の第1の受光素子4に照射される必要な角度だけ、トータルステーション10の角度を自動調整する。自動調整して液晶シャッタ8を開動作させた後、プリズム3が上記のように自動視準される。
【0043】
又は、レーザ投光器12とは別に、携帯用レーザ投光器であるレーザポインタを用意しておき、このレーザポインタを手に持って、それからのレーザ光線を当該ターゲット1の第1の受光素子4に照射して液晶シャッタ8を開動作させる。この後、トータルステーション10をリモコン操作してプリズム3を視準する。
【産業上の利用可能性】
【0044】
上記の実施例では、外乱防止のため、第1と第2の2つの受光素子4・5のうちの第1の受光素4に可視光のレーザ光線を照射し、その入力値の差が所定以上のとき、つまり、出力差が閾値を越えたとき、液晶駆動回路6により液晶シャッタ8を開動作させたが、受光素子は一つでも構わない。また、照射する光線は可視光のレーザ光線に限らず、不可視光線でもよい。
なお、本発明はトンネル断面の内空変位の測定に限らず、光波測量機と、それからの測量用光波を反射するターゲットとを用いた各種の測量に広範囲に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施例の光波測量用ターゲットの外観斜視図である。
【図2】その簡略断面図である。
【図3】光波測量機である自動追尾式トータルステーションの斜視図である。
【図4】トンネル断面の内空変位を測定する実施例において、トータルステーションの設置地点を測量する手法を示す解説図である。
【図5】同実施例において、トンネルの各断面箇所の周方向の複数の測点のそれぞれに本発明によるターゲットを設置した状態を示す設置図である。
【図6】同実施例の全体概要図である。
【図7】トータルステーションの望遠鏡の視界内に複数のターゲットが入ることを示す図である。
【図8】目標とするターゲットの第1の受光素子にレーザ光線が照射されることを示す図である。
【図9】ある測点についてのX方向の変位を示すグラフである。
【図10】ある測点のターゲットの移動量がレーザ光線のスポットの大きさの範囲内である場合の解説図である。
【図11】ある測点のターゲットの移動量がレーザ光線のスポットの大きさの範囲外である場合の解説図である。
【符号の説明】
【0046】
1 ターゲット
2 筐体
3 プリズム
4・5 第1及び第2の受光素子
6 液晶駆動回路
7 バッテリ
8 液晶シャッタ
9 フィルタ
10 トータルステーション
11 望遠鏡
12 レーザ投光器
13 演算制御装置
13a ディスプレイ
14 レーザ光線のスポット
【技術分野】
【0001】
本発明は、光波測量機にて測量する際の測点となる光波測量用ターゲットと、これを光波測量機にて視準する視準方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開2001−165656号公報)にも記載されているように、トンネル断面の内空変位を自動追尾式トータルステーションを用いて測定する場合、現に測定対象とする測点のターゲット以外に、現時点では測定対象としない他の測点に設置されたターゲットがトータルステーションの視界に入り込むと、測点の誤認識や測定不能となる。
【0003】
そこで、この特許文献1に開示の技術では、測定対象外のターゲット装置からの反射光はトータルステーションに入光しないようにするため、ターゲット装置に機械的なシャッタ機構を備えてその視準面を隠蔽可能に開閉制御するようにしている。そのシャッタ機構は、プリズム又は反射シートからなる視準面を、モータにて回転駆動される回転シャッタにて隠蔽自在に開閉し、その開閉状態を近接スイッチで検出する構造となっている。
【0004】
そして、特許文献1に開示された方法では、このようなシャッタ機構を備えたターゲット装置を各測点に設置して、全ターゲット装置を一つのシャッタ制御ボックスに電気的に接続し、パーソナルコンピュータから特定のターゲット装置に向けたシャッタ開指令をシャッタ制御ボックスに電送することにより、そのターゲット装置の回転シャッタのみを開動作させる。また、この回転シャッタを閉じるには、シャッタ閉指令をシャッタ制御ボックスに電送し、近接スイッチからのシャッタ閉完了信号をシャッタ制御ボックスを介してパーソナルコンピュータへ返送することで、回転シャッタが閉じたことを確認するようになっている。
【0005】
しかし、このような従来技術によると、次のような問題点がある。
(1)各ターゲット装置までの電気配線が必要で、ターゲット装置の設置個数が増えれば増えるほど、その配線に手間と時間がかかる。
(2)通信制御装置として、シャッタ制御ボックスやターゲット別の信号判断手段が必要で、システムコストが高くなる。
(3)モータで回転シャッタを回転させる機械的なシャッタ機構であるため、ターゲット装置が大型化する。
(4)機械的な可動部があるシャッタ機構であるため、粉塵や水分などが概して多いトンネル現場では、故障が起きやすい。
【0006】
また、特許文献2(特開平7−103761号公報)には、移動体をトータルステーションで自動追尾して測量する次のような自動追尾式測量システムが開示されている。
各移動体に搭載するターゲットユニットに、複数のプリズムによる全方向ターゲットと、これを開閉する円筒形のシャッタと、このシャッタを回転させるモータと、モータを駆動するドライバと、トータルステーションからの変調された光波を受光して電気信号に変換する受光部と、その電気信号を復調する復調部と、移動体ごとの固有の識別情報を格納するメモリと、CPUとを備える。
そして、トータルステーションからの変調された光波中から、測定対象の移動体に係る識別情報を復調し、その識別情報がメモリに格納されている識別情報と一致しているか否かをCPUで判断し、一致していたとき、該CPUでドライバを制御してシャッタが全方向ターゲットの入出射面を開放するように回転させる。
この後、トータルステーションから変調されていない測量用光波を出力し、入出射面を開放された全方向ターゲットに照射して、その反射光をトータルステーション側で受光することで、当該移動体を測量する。
【0007】
しかし、これによると次のような問題点がある。
(1)移動体ごとの固有の識別情報確認のために、受光部や復調部やメモリやCPUを各ターゲットユニットごとに備えなければならなく、ターゲットユニットが高価になる。
(2)移動体ごとに変調させた光波をトータルステーションから出力しなければならないので、トータルステーションも高価になる。
(3)モータで円筒形シャッタを回転させる機械的なシャッタ機構であるため、ターゲットユニットが大型化する。
(4)機械的な可動部があるシャッタ機構であるため、粉塵や水分などが概して多いトンネル現場では、故障が起きやすい。
【特許文献1】特開2001−165656号公報
【特許文献2】特開平7−103761号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、測量用光波を反射する反射体のためのシャッタとして、機械的な可動部がないシート状又は板状シャッタである液晶シャッタを用いることで小型化できるとともに、その開閉を行う機構も簡素な電気的構成で実現でき、しかも、その開閉を外乱による影響なく正確に行うことができ、また、光波測量機側に格別な機構を増設しなくとも、視準したい特定のターゲットのみを、電気配線等の仲介手段や識別手段を要することなく光波測量機側で簡単に遠隔選択できる光波測量用ターゲット及びその視準方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る本発明の光波測量用ターゲットは、反射体の前面に設置された液晶シャッタと、該液晶シャッタを動作させる液晶駆動回路と、受光素子と、電源とを備え、受光素子が光線を受光してその入力値が所定以上となったとき、液晶駆動回路が液晶シャッタを開動作させ、測量用光波が液晶シャッタを透過して反射体に照射されるようになっている。
【0010】
これに従属する請求項2に係る発明は、第1及び第2の受光素子を備え、液晶駆動回路は、これら受光素子の入力値の差が所定以上になったときに液晶シャッタを開動作させることを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る発明は、第1及び第2の受光素子の入力値の差が所定以上となったとき、液晶駆動回路が設定時間だけ液晶シャッタを開動作させることを特徴とする。
【0012】
請求項4に係る発明は、少なくとも一方の受光素子の前面に、特定波長の光線のみを透過させるフィルタが設置されていることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、受光素子が受光する光線が可視光線であることを特徴とする。
【0013】
請求項6に係る本発明のターゲット視準方法は、光波測量機に可視光のレーザ光線を投光するレーザ投光器を搭載し、そのレーザ光線を上記のような光波測量用ターゲットの受光素子に投光して液晶シャッタを開動作させた後、光波測量機からの測量用光波を当該光波測量用ターゲットの反射体に照射することを特徴とする。
【0014】
これに従属する請求項7に係る発明は、光波測量機により光波測量用ターゲットについて数回測量してその光波測量用ターゲットの変位量を求め、その変位量が所定以上であった場合、次回の測量時には、その光波測量用ターゲットの受光素子にレーザ投光器からのレーザ光線を投光させるに必要な角度だけ、光波測量機の角度を調整することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明による効果を請求項ごとに分けて説明すると、次のとおりである。
<請求項1に係る発明>
測量用光波を反射する反射体のためのシャッタとして液晶シャッタを用いたので、液晶シャッタは、電圧により液晶分子の配列を変えることで、光の透過・不透過を制御できる機械的な可動部が無いシート状又は板状であることから、光波測量用ターゲットを小型化できるとともに、環境が悪いトンネル現場でも故障が少ない。
ターゲットを小型化できることから、光波測量機の視界に占めるターゲットの面積が減り、結果として測点として認識できる点数が増える。
受光素子に光線を照射してその入力値が所定以上になることで液晶シャッタが開動作するので、液晶シャッタを無線遠隔操作で開くことができる。
電源を備え、しかも、光線を受光素子に照射することで液晶シャッタを開動作させることができるので、電気配線が不要であるとともに、視準したい特定のターゲットのみを格別の装置を要せずに簡単に遠隔選択できる。
【0016】
<請求項2に係る発明>
第1及び第2の受光素子を備え、そのうちの一方に光線を照射して両受光素子の出力差が所定以上になることで液晶シャッタが開動作するので、外乱光による液晶シャッタの誤動作を防止できる。
【0017】
<請求項3に係る発明>
第1及び第2の受光素子の入力値の差が所定以上となったとき、設定時間だけ液晶シャッタを開動作させるので、液晶シャッタを開状態に維持するために光線による受光素子への照射を固定しなければならないとか、閉動作させるための指令(信号)を外部から送信しなければならないという面倒な作業は不要である。
【0018】
<請求項4に係る発明>
受光素子の前面に、特定波長の光線のみを透過させるフィルタが設置してあるので、特定波長の光線を受光素子に照射しないと液晶シャッタが開動作せず、外乱光による液晶シャッタの誤動作を一層確実に防止できる。
【0019】
<請求項5に係る発明>
受光素子に可視光線を照射してその入力値が所定以上になることで液晶シャッタが開動作するので、可視光線を目視しながら液晶シャッタを無線遠隔操作で開くことができ、操作性が良い。
【0020】
<請求項6に係る発明>
光波測量機に可視光のレーザ光線を投光するレーザ投光器を搭載し、そのレーザ光線を上記のようなターゲットの受光素子に照射して液晶シャッタを開動作させた後、光波測量機からの測量用光波を当該ターゲットの反射体に照射するので、光波測量機側に格別な機構を増設しなくとも、視準したい特定のターゲットのみを、電気配線等の仲介手段や識別手段を要することなく光波測量機側で簡単に遠隔選択できる。
【0021】
<請求項7に係る発明>
光波測量機により光波測量用ターゲットについて数回測量してその光波測量用ターゲットの変位量を求め、その変位量が所定以上であった場合、次回の測量時には、その光波測量用ターゲットの受光素子にレーザ投光器からのレーザ光線を投光させるに必要な角度だけ、光波測量機の角度を調整するので、トンネル断面の経時的な内空変位を自動追尾式光波測量機にて自動的に測定するような場合、あるターゲットが次回の測量までに大きく変位していても(時間当たりの変位量が大きい)、そのターゲットの液晶シャッタを自動追尾式光波測量機からのレーザ光線で自動的に開動作させて、そのターゲットの反射体を視準できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
次に、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例】
【0023】
先ず、本発明の実施例の光波測量用ターゲットについて説明する。図1にその外観斜視図、図2にその断面図を示す。
【0024】
ターゲット1は、長方形の筐体2内に、反射体であるプリズム3、第1及び第2の受光素子4・5、液晶駆動回路6、電源であるバッテリ7を内蔵し、プリズム3の前面に液晶シャッタ8に設置し、両受光素子4・5の前面には、特定波長の可視光線のみを透過させるフィルタ9を設置している。
【0025】
プリズム3と第1の受光素子4と第2の受光素子5とは、筐体2の正面から見ると、筐体2の前面の中心線上(同一直線上)に互いに間隔をおいて配置されている。
【0026】
第1及び第2の受光素子4・5は、本例では、プリズム3に近い第1の受光素子4が、フィルタ9を透過した特定波長の可視光のレーザ光線を受光させるためのメインの受光素子、第2の受光素子5がそれ以外の光による外乱防止のための比較用の受光素子である。
なお、フィルタ9は第1の受光素子4側にだけ設置してもよい。
【0027】
液晶駆動回路6は、両受光素子4・5の出力差を比較し、その差が所定の閾値以上となると液晶シャッタ8を設定時間だけ開動作させる。
【0028】
液晶シャッタ8は、液晶シートに電圧を印加して液晶分子の配列を変えることで光が透過する性質を使用したもので、両受光素子4・5の入力値の差が所定以上となって、その出力差が閾値を越えると、液晶駆動回路6から設定時間だけ所定の電圧を印加され、その時間だけ光を透過させる開動作をする。
【0029】
一方、このようなターゲット1を視準する光波測量機として、本例の場合、図3に示すような自動追尾式トータルステーション10を用いる。
このトータルステーション10には、望遠鏡11でターゲットを視準して、この望遠鏡11から測量用光波を発光させ、その反射光を受光して測距する機能や、望遠鏡11を鉛直方向及び水平方向に遠隔操作で旋回させてターゲットを自動追尾する機能や、測角する機能等の、自動追尾式トータルステーションとしての基本機能が備わっているほか、望遠鏡11上に、これと一体的に動くレーザ投光器12を搭載している。
【0030】
レーザ投光器12は、特定波長の可視光のレーザ光線を、例えば100m先で30mm程度の直径のスポット光となるように投光するもので、その光軸は望遠鏡11の視準軸と平行となるように調整可能となっている。
【0031】
次に、このようなトータルステーション10及び上記のようなターゲット1を用いて、トンネル断面の内空変位を測定する場合の実施例について説明する。
【0032】
図4に示すように、トータルステーション10をトンネル内の任意の地点に設置し、その座標と方向角を既知の後方2点を基準として知っておく。トータルステーション10は、有線又は無線によりパーソナルコンピュータ等による演算制御装置13に接続され、この演算制御装置13にて制御できるとともに、測定したデータを処理できるようになっている。
【0033】
図5及び図6に示すように、トンネル断面の内空変位をトンネル軸方向の複数の断面箇所で測定するため、各断面箇所の周方向の複数の測点のそれぞれに本発明によるターゲット1を設置する。その設置は計測担当者以外の作業者が行うことがあるため、設置誤差を生ずることが多い。
【0034】
トータルステーション10の望遠鏡11をある断面箇所のある測点のターゲット1へ向けてそのターゲット1を望遠鏡11から見ると、図7に示すように望遠鏡11には、目標とするそのターゲット1以外の他の断面箇所のターゲット1も同時に視界に入る。
【0035】
そこで、トータルステーション10のレーザ投光器12からの可視光のレーザ光線を目視しながら、トータルステーション10をリモコン等で操作して、図8に示すように、目標とするターゲット1の第1の受光素子4にレーザ光線が照射されるように指向させる。
【0036】
目標のターゲット1では、レーザ投光器12からの特定波長のレーザ光線がフィルタ9を透過して第1の受光素子4に照射されることにより、液晶シャッタ8が設定時間だけ開動作する。
【0037】
液晶シャッタ8が開いている時間内に、リモコン等を操作して、目標とするターゲット1のプリズム3の中心を望遠鏡11で自動視準し、測量用光波による測距を行い、当該ターゲット1による測点の座標値(X.Y.Z)を得る。この最初の座標値が当該測点についての変位計測の初期値となる。
【0038】
このようなレーザ光線による液晶シャッタ8の開動作、望遠鏡11の自動視準、測距を他の測点のターゲット1についても同様に行い、各測点の座標値(X.Y.Z)を得る。
そして、各測点の経時的な変位を測定するため、各測点のターゲット1に対する座標値の測定を時間をおいて繰り返す。測定したデータは演算制御装置13において記憶されるとともに、データ処理してディスプレイ13aに表示される。
【0039】
図9は、ある測点についてのX方向の変位をグラフにして示し、横軸が時間、縦軸が初期値からの変位量を示す。
【0040】
ある測点のターゲット1について、次の測定を行うまでにターゲット1が移動していた場合、その移動量がレーザ投光器12からのレーザ光線のスポットの大きさ(100m先で30mm程度の直径)の範囲内であれば、図10に示すように、レーザ光線のスポット14を前のデータに基づいて第1の受光素子4に照射させることができるが、これを越えていると、図11に示すように第1の受光素子4に照射することができない。
【0041】
各測点のターゲット1の変位の推移は演算制御装置13において記憶されているので、図9に示したグラフから分かるように、次の測定を行うまでのターゲット1の変位を演算制御装置13において予測計算することが可能である。
【0042】
そこで、予測計算で求めた当該ターゲット1の変位量(予測変位量)が、ある範囲を越えていた場合には、レーザ投光器12からのレーザ光線のスポット14が、当該ターゲット1の第1の受光素子4に照射される必要な角度だけ、トータルステーション10の角度を自動調整する。自動調整して液晶シャッタ8を開動作させた後、プリズム3が上記のように自動視準される。
【0043】
又は、レーザ投光器12とは別に、携帯用レーザ投光器であるレーザポインタを用意しておき、このレーザポインタを手に持って、それからのレーザ光線を当該ターゲット1の第1の受光素子4に照射して液晶シャッタ8を開動作させる。この後、トータルステーション10をリモコン操作してプリズム3を視準する。
【産業上の利用可能性】
【0044】
上記の実施例では、外乱防止のため、第1と第2の2つの受光素子4・5のうちの第1の受光素4に可視光のレーザ光線を照射し、その入力値の差が所定以上のとき、つまり、出力差が閾値を越えたとき、液晶駆動回路6により液晶シャッタ8を開動作させたが、受光素子は一つでも構わない。また、照射する光線は可視光のレーザ光線に限らず、不可視光線でもよい。
なお、本発明はトンネル断面の内空変位の測定に限らず、光波測量機と、それからの測量用光波を反射するターゲットとを用いた各種の測量に広範囲に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施例の光波測量用ターゲットの外観斜視図である。
【図2】その簡略断面図である。
【図3】光波測量機である自動追尾式トータルステーションの斜視図である。
【図4】トンネル断面の内空変位を測定する実施例において、トータルステーションの設置地点を測量する手法を示す解説図である。
【図5】同実施例において、トンネルの各断面箇所の周方向の複数の測点のそれぞれに本発明によるターゲットを設置した状態を示す設置図である。
【図6】同実施例の全体概要図である。
【図7】トータルステーションの望遠鏡の視界内に複数のターゲットが入ることを示す図である。
【図8】目標とするターゲットの第1の受光素子にレーザ光線が照射されることを示す図である。
【図9】ある測点についてのX方向の変位を示すグラフである。
【図10】ある測点のターゲットの移動量がレーザ光線のスポットの大きさの範囲内である場合の解説図である。
【図11】ある測点のターゲットの移動量がレーザ光線のスポットの大きさの範囲外である場合の解説図である。
【符号の説明】
【0046】
1 ターゲット
2 筐体
3 プリズム
4・5 第1及び第2の受光素子
6 液晶駆動回路
7 バッテリ
8 液晶シャッタ
9 フィルタ
10 トータルステーション
11 望遠鏡
12 レーザ投光器
13 演算制御装置
13a ディスプレイ
14 レーザ光線のスポット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光波測量機からの測量用光波を反射体に照射し、その反射光を受光して測量を行うための光波測量用ターゲットにおいて、前記反射体の前面に設置された液晶シャッタと、該液晶シャッタを動作させる液晶駆動回路と、受光素子と、電源とを備え、前記受光素子が光線を受光してその入力値が所定以上となったとき、前記液晶駆動回路が前記液晶シャッタを開動作させ、前記測量用光波が液晶シャッタを透過して前記反射体に照射されるようになっていることを特徴とする光波測量用ターゲット。
【請求項2】
第1及び第2の受光素子を備え、液晶駆動回路は、これら受光素子の入力値の差が所定以上になったときに液晶シャッタを開動作させることを特徴とする請求項1に記載の光波測量用ターゲット。
【請求項3】
液晶駆動回路は、第1及び第2の受光素子の入力値の差が所定以上となったとき、設定時間だけ液晶シャッタを開動作させることを特徴とする請求項2に記載の光波測量用ターゲット。
【請求項4】
少なくとも一方の受光素子の前面に、特定波長の光線のみを透過させるフィルタが設置されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の光波測量用ターゲット。
【請求項5】
受光素子が受光する光線が可視光線であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光波測量用ターゲット。
【請求項6】
光波測量機に可視光のレーザ光線を投光するレーザ投光器を搭載し、そのレーザ光線を請求項1〜5のいずれかの光波測量用ターゲットの受光素子に投光して液晶シャッタを開動作させた後、光波測量機からの測量用光波を当該光波測量用ターゲットの反射体に照射することを特徴とするターゲット視準方法。
【請求項7】
光波測量機により光波測量用ターゲットについて数回測量してその光波測量用ターゲットの変位量を求め、その変位量が所定以上であった場合、次回の測量時には、その光波測量用ターゲットの受光素子にレーザ投光器からのレーザ光線を投光させるに必要な角度だけ、光波測量機の角度を調整することを特徴とする請求項6に記載のターゲット視準方法。
【請求項1】
光波測量機からの測量用光波を反射体に照射し、その反射光を受光して測量を行うための光波測量用ターゲットにおいて、前記反射体の前面に設置された液晶シャッタと、該液晶シャッタを動作させる液晶駆動回路と、受光素子と、電源とを備え、前記受光素子が光線を受光してその入力値が所定以上となったとき、前記液晶駆動回路が前記液晶シャッタを開動作させ、前記測量用光波が液晶シャッタを透過して前記反射体に照射されるようになっていることを特徴とする光波測量用ターゲット。
【請求項2】
第1及び第2の受光素子を備え、液晶駆動回路は、これら受光素子の入力値の差が所定以上になったときに液晶シャッタを開動作させることを特徴とする請求項1に記載の光波測量用ターゲット。
【請求項3】
液晶駆動回路は、第1及び第2の受光素子の入力値の差が所定以上となったとき、設定時間だけ液晶シャッタを開動作させることを特徴とする請求項2に記載の光波測量用ターゲット。
【請求項4】
少なくとも一方の受光素子の前面に、特定波長の光線のみを透過させるフィルタが設置されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の光波測量用ターゲット。
【請求項5】
受光素子が受光する光線が可視光線であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光波測量用ターゲット。
【請求項6】
光波測量機に可視光のレーザ光線を投光するレーザ投光器を搭載し、そのレーザ光線を請求項1〜5のいずれかの光波測量用ターゲットの受光素子に投光して液晶シャッタを開動作させた後、光波測量機からの測量用光波を当該光波測量用ターゲットの反射体に照射することを特徴とするターゲット視準方法。
【請求項7】
光波測量機により光波測量用ターゲットについて数回測量してその光波測量用ターゲットの変位量を求め、その変位量が所定以上であった場合、次回の測量時には、その光波測量用ターゲットの受光素子にレーザ投光器からのレーザ光線を投光させるに必要な角度だけ、光波測量機の角度を調整することを特徴とする請求項6に記載のターゲット視準方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−42168(P2009−42168A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−209608(P2007−209608)
【出願日】平成19年8月10日(2007.8.10)
【出願人】(394017446)マック株式会社 (7)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月10日(2007.8.10)
【出願人】(394017446)マック株式会社 (7)
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