説明

光源および照明器具

【課題】配線が熱影響を受けるのを低減できるとともに、配線の接続部分に負荷がかかるのを低減でき、信頼性を向上できる光源を提供する。
【解決手段】光源16は、複数の発光モジュール37、放熱ユニット38を備える。発光モジュール37の水平方向の両側位置に配線接続部42を設け、両側の配線接続部42に配線44を水平方向に沿って接続する。放熱ユニット38の2つの放熱体45を水平方向に並べて配置し、これら放熱体45の間に配線挿通部52の空間を設ける。2つの発光モジュール37の互いに対向する方向にそれぞれ引き出している各配線44を、水平方向に沿ったまま配線挿通部52を通じて放熱体45の前面側から背面側へ向けて通した後に、放熱体45の下側を通じて点灯回路基板20に接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体発光素子を用いた光源、およびこの光源を用いた照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、スタジオや舞台などの照明には、一般に、ハロゲンランプを用いた照明器具が用いられている(例えば、特許文献1参照。)。特に、スポットライトの場合には、大光量を必要とするために定格消費電力の大きい高出力のハロゲンランプが用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−147438号公報(第4頁、図1−2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スタジオや舞台などで使用する照明器具においても、省エネルギの観点から、定格消費電力の高いハロゲンランプに代えて、定格消費電力の低いLED素子を用いる要望が高まっている。
【0005】
LED素子を用いる場合、モジュール基板の前面に複数のLED素子を実装した発光モジュールを用いるが、高出力のハロゲンランプに相当する光量を得るには複数の発光モジュールを用いる必要がある。この場合、複数の発光モジュールを器具高さが高くならないように水平方向に並べて配置することが好ましい。また、LED素子の温度が過度に上昇すると寿命や光出力に影響するので、発光モジュールのモジュール基板の背面を放熱体の前面に密着して取り付け、LED素子が発生する熱をモジュール基板から放熱体に効率よく熱伝導し、放熱体から空気中に放熱するように構成する必要がある。
【0006】
また、発光モジュールのモジュール基板には点灯回路からLED素子に電力供給するための配線を接続するが、水平方向に並んで配置された各発光モジュールのモジュール基板の上下方向に沿って配線を接続した場合には、上下方向にそれぞれ引き出される配線を放熱体の上下を通じて点灯回路側に接続できるものの、上側の配線がLED素子および放熱体から放熱される熱で悪影響を受けてしまう。また、水平方向に並んで配置された各発光モジュールの水平方向に沿って配線を接続した場合には、配線が隣り合う発光モジュールと干渉しないように、発光モジュールの水平方向に沿って接続された配線を上方または下方へ曲げて放熱体の上側または下側を通じて点灯回路側に接続することになり、配線への熱影響が軽減されたとしても、配線を上方または下方へ曲げるために、発光モジュールのモジュール基板に接続された配線の接続部分がねじれるような機械的な負荷がかかり、接続不良などが発生するおそれがある。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、配線が熱影響を受けるのを低減できるとともに、配線の接続部分に負荷がかかるのを低減でき、信頼性を向上できる光源および照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の光源は、水平方向の両側位置に配線接続部が設けられたモジュール基板、および両側の配線接続部間に電気的に接続されてモジュール基板に実装された半導体発光素子を有し、両側の配線接続部にそれぞれ配線が水平方向に沿って接続される複数の発光モジュールと;複数の発光モジュールが水平方向に間隔をあけて取り付けられる発光モジュール取付面、および複数の発光モジュール間で発光モジュール取付面に開口されて発光モジュールの配線が挿通される配線挿通部を有する放熱ユニットと;を具備しているものである。
【0009】
本発明および以下の発明において、特に指定しない限り用語の定義および技術的意味は次による。
【0010】
発光モジュールのモジュール基板は、例えば、アルミニウムなどの金属やセラミックスなどの熱伝導性のよい材料で形成されている。配線接続部は、例えば、配線を接続するコネクタでもよいし、配線をはんだ付けするはんだ付け部でもよい。半導体発光素子は、例えば、LED素子やEL素子などが用いられ、LED素子の場合には、複数のLED素子がモジュール基板上に実装されるCOB(Chip On Board)モジュールでもよいし、1つのLED素子が搭載された接続端子付きのSMD(Surface Mount Device)パッケージを実装したモジュールであってもよい。配線は、例えば、被覆電線が用いられる。
【0011】
放熱ユニットには、例えば、アルミダイカストなどの放熱性に優れた材料によって形成される放熱体が用いられ、この放熱体の背面側に放熱性を向上させるための複数の放熱フィンが設けられていてもよい。放熱体は、例えば、各発光モジュール毎に個別に設けられていてもよいし、複数の発光モジュールに共通とする一体形に設けられていてもよい。個別の放熱体の場合には、隙間をあけて各放熱体を水平方向に配置することにより放熱体間に配線挿通部が形成することができ、また、一体形の放熱体の場合には、発光モジュールの取付位置の間に放熱体を前後方向に開口する孔を設けることにより配線挿通部を形成することができる。
【0012】
請求項2記載の照明器具は、器具本体と;器具本体に配置される請求項1記載の光源と;配線によって光源の発光モジュールと接続され、発光モジュールの半導体発光素子を点灯させる点灯回路と;を具備しているものである。
【0013】
点灯回路は、例えば、外部から入力される調光信号に応じて、PWM制御などで半導体発光素子を調光点灯させる。なお、交流電源を入力し、直流電源に変換して点灯回路に供給する電源回路を備えていてもよい。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載の光源によれば、複数の発光モジュールを水平方向に間隔をあけて配置する放熱ユニットの発光モジュール取付面には、複数の発光モジュール間に対応して開口する配線挿通部を形成したため、隣り合う発光モジュールから互いに水平方向に沿って接続されている配線を水平方向に沿ったまま配線挿通部を通じて放熱体の背面側に通すことができ、配線を放熱ユニットの上側を通す場合に比べて配線が熱影響を受けるのを軽減できるとともに、発光モジュールに接続されている配線の接続部分に機械的な負荷がかかるのを低減でき、信頼性を向上できる。
【0015】
請求項2記載の照明器具によれば、請求項1記載の光源を用いるため、信頼性の高い照明器具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1の実施の形態を示す光源を用いた照明器具の正面方向から見た断面図である。
【図2】同上照明器具の平面方向から見た断面図である。
【図3】同上照明器具の側面方向から見た断面図である。
【図4】同上照明器具の背面図である。
【図5】同上照明器具の正面図である。
【図6】同上照明器具の側面図である。
【図7】第2の実施の形態を示す光源の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0018】
図1ないし図6に第1の実施の形態を示す。
【0019】
図5および図6に示すように、照明器具11は、例えばスタジオや舞台などの照明に用いられるもので、器具本体12、この器具本体12をスタジオや舞台などの天井に設置されるバトンに対して吊下げ支持する器具支持体13、および光照射範囲を制限するバンドア14を備えている。
【0020】
図1ないし図4に示すように、器具本体12の内部には、光源16、この光源16からの光を前方へ向けて反射させる反射体17、光源16からの光を所望の配光とするレンズ18、点灯用の直流電源を供給する電源回路基板19、および点灯用の直流電源の供給を受けて光源16を点灯させる点灯回路基板20が収容されている。
【0021】
そして、器具本体12は、前面部23、両側の側面部24、上面部25、底面部26および背面部27を有する横長の箱形に形成されている。器具本体12は、例えば、放熱性のよい金属材料で形成され、表面に黒色アルマイト処理を施したり、黒色に塗装したり、赤外線放射塗料を塗布し、放熱性が向上されている。
【0022】
前面部23の中央域には光源16からの光を出射する開口部28が形成され、この開口部28の内側に図示しない拡散板やカラーフィルタなどのフィルタが着脱可能に取り付けられるフィルタ取付部29が形成されている。上面部25および底面部26の各後部寄りと背面部27の中央域には互いに連通する各通気口30がそれぞれ開口形成されている。
【0023】
背面部27の下部には取手31が設けられ、背面部27の一側には調光信号を含む制御信号を伝送するための信号線が接続される複数であって2つのコネクタ32および電源線が接続される電源接続部33がそれぞれ設けられ、その他、背面部27には各種のスイッチ34などが設けられている。
【0024】
また、光源16は、複数であって2つの発光モジュール37、およびこれら発光モジュール37を取り付けた放熱ユニット38とを備え、各発光モジュール37毎に独立した2つの光源部39によって構成されている。
【0025】
発光モジュール37は、例えば、熱伝導性に優れたアルミニウムなどの金属あるいはセラミックスなどの材料で略矩形状に形成された四角形状のモジュール基板40を有している。このモジュール基板40の前面には、複数の半導体発光素子としてのLED素子41が水平方向に沿って配列されているとともに、これら水平方向に配列される複数のLED素子41群が上下方向に間隔を開けて複数段(列)配列されている。各段毎にLED素子41群の水平方向両側位置には配線接続部42が設けられ、これら各段の両側の配線接続部42間に各段の複数のLED素子41が直列接続で電気的に接続されている。さらに、各段毎に複数のLED素子41を覆って蛍光体層43が形成されている。したがって、発光モジュール37は、COB(Chip On Board)モジュールで構成されている。そして、例えば、LED素子41は青色光を発し、蛍光体層43はLED素子41が発した青色光によって励起されて主に黄色光を発する蛍光体を含有したシリコーン樹脂で形成され、これにより、蛍光体層43の表面から青色光と黄色光とが混色された白色系の光が放出される。
【0026】
モジュール基板40の各配線接続部42には、点灯回路基板20と接続するための例えば被覆電線で構成される各配線44の一端が水平方向に沿ってそれぞれ接続されている。したがって、モジュール基板40の水平方向両側部から複数の配線44が水平方向に沿って引き出されている。配線接続部42は、配線44に取り付けたコネクタを接続するコネクタでもよいし、配線44の芯線をはんだ付けするはんだ付け部でもよい。
【0027】
放熱ユニット38は、各発光モジュール37毎に対応して1つずつ個別に設けられた2つの放熱体45を備えている。これら放熱体45は、例えば、熱伝導性および放熱性に優れたアルミダイカストで形成され、前面に発光モジュール取付面46が形成された四角形状の基部47、およびこの基部47の背面から突出された複数の放熱フィン48を有している。放熱フィン48は、基部47の背面から上下方向に沿って突出されているとともに水平方向に間隙を開けて複数突出されており、複数の放熱フィン48間に形成される隙間が放熱体45の上面、下面および背面にそれぞれ開口されている。
【0028】
放熱体45の発光モジュール取付面46の中央には、発光モジュール37のモジュール基板40の背面が接触して配置され、これらがモジュール基板40の四隅を通じて放熱体45に螺着される各ねじ49で締め付け固定され、モジュール基板40の背面が発光モジュール取付面46に効率よく熱伝導可能に密着されている。
【0029】
発光モジュール37と放熱体45との1つずつを組として2組の光源部39が個別に形成され、これら光源部39が器具本体12内に水平方向に並んで取り付けられている。すなわち、器具本体12の上面部25および底面部26からそれぞれ器具本体12の内方へ突出された上下の取付板50の背面に各放熱体45の前面上下部が接触して配置され、これらが上下の取付板50を通じて放熱体45に螺着される複数のねじ51で締め付け固定され、放熱体45の前面上下部が上下の取付板50を通じて器具本体12側に効率よく熱伝導可能に密着されている。
【0030】
このとき、器具本体12には、2つの放熱体45が水平方向に並んで取り付けられているとともに、これら放熱体45の間に配線挿通部52の空間が前後方向に開口するように2つの放熱体45が間隔を開けて取り付けられている。これにより、2つの発光モジュール37の互いに反対方向にそれぞれ引き出されている各配線44は、水平方向に沿ったまま放熱体45の外側面を通じて点灯回路基板20に接続され、また、2つの発光モジュール37の互いに対向する方向にそれぞれ引き出されている各配線44は、水平方向に沿ったまま配線挿通部52を通じて発光モジュール取付面46の前面側から背面側へ向けて挿通された後、放熱体45の下側を通じて点灯回路基板20に接続されている。
【0031】
放熱体45の複数の放熱フィン48の上面、底面および背面が器具本体12の上面部25、底面部26および背面部27の各通気口30に対向配置され、その複数の放熱フィン48間の隙間を通じて、器具本体12の下面の通気口30から上面または背面の通気口30へ、背面の通気口30から上面の通気口30へ対流によって空気が流れる通風路53が形成されている。
【0032】
また、反射体17には、各発光モジュール37に対応して2つの反射体部56が水平方向に並んで形成されている。各反射体部56には、中央に発光モジュール37が対向する開口57が形成され、この開口57の周辺部から前方へ向かって拡開するように反射面58が形成されている。
【0033】
また、レンズ18は、各発光モジュール37に対応して光を所望の配光とする2つのレンズ部61が水平方向に並んで形成されている。このレンズ18の周辺部、反射体17の周辺部および図示しないスペーサを通じて器具本体12内に突出される取付板62に螺着される複数のねじ63によって、レンズ18および反射体17が共締めされて器具本体12に取り付けられている。
【0034】
また、電源回路基板19は、各発光モジュール37毎に用いられ、基板本体に、電源回路66を構成する複数の電子部品、電源接続部33を通じて電源線が接続される端子、および点灯回路基板20と電線で接続する端子などが実装され、ケース67に収納されている。電源回路基板19が器具本体12内の底面に沿って平行に配置されるように、ケース67が器具本体12内に取り付けられている。
【0035】
電源回路66は、外部から交流電源を入力し、直流電源に変換して点灯回路基板20に供給する。
【0036】
ケース67を含めて電源回路基板19は、放熱体45の下方より前方へずれて配置され、放熱体45の放熱フィン48の後部側の下方が開口され、器具本体12の底面部26の通気口30に連通され、放熱体45による放熱性が向上されている。本実施の形態では、電源回路基板19の前後方向の半分が放熱体45の下方より前方へずれているが、さらにずれ量を多くしてもよく、さらには電源回路基板19が放熱体45の下方から完全に外れていてもよく、放熱体45による放熱性をより向上できる。
【0037】
また、点灯回路基板20は、各発光モジュール37毎に用いられ、基板本体70の一面である実装面に、点灯回路71を構成する複数の電子部品72、電源回路基板19と電線で接続される端子、発光モジュール37からの各配線44が接続される端子、およびコネクタ32からの信号線が接続される端子などが実装されている。基板本体70の他面は、実装面に実装される各部品が電気的に接続されるパターン面である。
【0038】
点灯回路71は、電源回路基板19から点灯用の直流電源の供給を受け、外部から入力される調光信号を含む制御信号に応じて、PWM制御などでLED素子41を調光点灯させる。
【0039】
点灯回路基板20は、実装面を器具本体12の中心側に向け、器具本体12の各側面部24の内面に沿って平行でかつその側面部24から離反する位置に配置されるとともに、放熱体45の側方より前方へずれて配置されるように、基板支持体74によって支持されている。この基板支持体74は、放熱性に優れた金属板によって形成され、点灯回路基板20が取り付ける取付板部75、この取付板部75の上下端から略L字形に折曲形成された脚部76を備え、上下の脚部76が側面部24に溶接によって一体化されている。したがって、上下の脚部76によって取付板部75が側面部24の内面から離反した位置に配置され、この取付板部75にスペーサ77を介して点灯回路基板20が複数のねじ78で締め付け固定されている。
【0040】
基板支持体74の取付板部75と点灯回路基板20のパターン面との間には、熱伝導性に優れた例えば熱伝導性ゴムなどの熱伝導部材79が介在されている。この熱伝導部材79は、少なくとも点灯回路基板20に実装されている例えばスイッチング素子などの高発熱部品の位置に対応して介在されていればよく、点灯回路基板20の略全体に対応して介在されていてもよい。
【0041】
また、器具支持体13は、器具本体12の両側面部24を貫通して取り付けられる軸部材82,83、これら軸部材82,83を介して回動可能に支持するアーム84を有し、アーム84によってスタジオや舞台のバトンに吊下げ支持されている。
【0042】
軸部材82は、側面部24の内面に固定されるナット85、側面部24の外面に配置されるカラー86、およびアーム84およびカラー86を通じてナット85に螺着されるボルト87などによって構成されている。
【0043】
軸部材83は、側面部24の内面に固定されるナット85、側面部24の外面に配置される回転抵抗付与部材88、回転抵抗付与部材88を通じてナット85に螺着されるハンドル89などによって構成されている。
【0044】
各軸部材82,83のナット85などは、側面部24の内側面と基板支持体74との間の空間に配置されている。
【0045】
そして、このように構成された照明器具11において、各点灯回路基板20に、各電源回路基板19から直流電源が供給されるとともに、調光信号を含む制御信号が入力されることにより、制御信号に応じて例えばPWM制御などで各発光モジュール37の各LED素子41を調光点灯させる。
【0046】
各発光モジュール37の各LED素子41の点灯により放出される光は、反射体17内に入り、レンズ18を透過し、フィルタ取付部29にフィルタが配置されている場合にはそのフィルタを透過して光照射対象に照射される。
【0047】
LED素子41の点灯により発生する熱は、モジュール基板40に熱伝導され、このモジュール基板40から放熱体45に熱伝導される。放熱体45の複数の放熱フィン48間には器具本体12の上面部25、底面部26および背面部27の各通気口30と連通する通風路53が確保されているため、器具本体12の下面の通気口30から上面または背面の通気口30へ、背面の通気口30から上面の通気口30へ、対流によって空気が流れ、空気中に効率よく放熱される。すなわち、器具本体12内の底面に沿って電源回路基板19を配置し、器具本体12内の側面に沿って点灯回路基板20を配置しているため、器具本体12内に電源回路基板19および点灯回路基板20を配置することによる放熱体45からの放熱への影響が少なく、放熱体45からの放熱性を確保できる。
【0048】
また、器具本体12内には、光源16の2つの放熱体45が水平方向に並んで配置されているとともに、これら放熱体45の間に配線挿通部52の空間が設けられている。これにより、2つの発光モジュール37の互いに対向する方向にそれぞれ引き出されている各配線44は、水平方向に沿ったまま配線挿通部52を通じて発光モジュール取付面46の前面側から背面側へ向けて挿通された後に、放熱体45の下側を通じて点灯回路基板20に接続することができる。そのため、配線44を放熱体45の上側を通す場合に比べて配線44が熱影響を受けるのを軽減できるとともに、発光モジュール37に接続されている配線44の接続部分に機械的な負荷がかかるのを低減でき、信頼性を向上できる。なお、2つの発光モジュール37の互いに対向する方向にそれぞれ引き出されている各配線44を、水平方向に沿ったまま配線挿通部52を通じて発光モジュール取付面46の前面側から背面側へ向けて挿通してしまえば、発光モジュール取付面46より背面側で配線44を放熱体45の下側へ向けて曲げても、発光モジュール37に接続されている配線44の接続部分に機械的な負荷がかかることは少ない。
【0049】
しかも、配線44の他端を接続する点灯回路基板20が器具本体12内の側面に沿って配置されているため、2つの発光モジュール37の互いに対向する方向にそれぞれ引き出されている各配線44についても、その水平方向に沿ったまま点灯回路基板20に接続することができ、発光モジュール37に接続されている配線44の接続部分に機械的な負荷がかかるのを低減でき、信頼性を向上できる。
【0050】
次に、図7に第2の実施の形態を示す。
【0051】
前記第1の実施の形態では、放熱ユニット38の放熱体45が発光モジュール37毎に個別に設けられていたが、この第2の実施の形態では、放熱ユニット38の放熱体45が2つの発光モジュール37に共通で一体に設けられている。
【0052】
この場合、放熱体45の前面の発光モジュール取付面46には、2つの発光モジュール37間に対応して、配線挿通部52を構成する配線孔92が前後方向に開口形成される。これにより、2つの発光モジュール37の互いに対向する方向にそれぞれ引き出されている各配線44は、水平方向に沿ったまま配線挿通部52である配線孔92を通じて発光モジュール取付面46の前面側から背面側へ向けて挿通された後に、放熱体45の下側を通じて点灯回路基板20に接続することができる。
【0053】
なお、前記実施の形態では、2つの発光モジュール37が水平方向に配置した場合を示したが、2つに限らず、3つ以上の発光モジュール37を水平方向に配置した場合も、前記各実施の形態のように、隣り合う発光モジュール37間に対応して放熱ユニット38に配線挿通部52を形成すればよい。
【符号の説明】
【0054】
11 照明器具
12 器具本体
16 光源
37 発光モジュール
38 放熱ユニット
40 モジュール基板
41 半導体発光素子としてのLED素子
42 配線接続部
44 配線
46 発光モジュール取付面
52 配線挿通部
71 点灯回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平方向の両側位置に配線接続部が設けられたモジュール基板、および両側の配線接続部間に電気的に接続されてモジュール基板に実装された半導体発光素子を有し、両側の配線接続部にそれぞれ配線が水平方向に沿って接続される複数の発光モジュールと;
複数の発光モジュールが水平方向に間隔をあけて取り付けられる発光モジュール取付面、および複数の発光モジュール間で発光モジュール取付面に開口されて発光モジュールの配線が挿通される配線挿通部を有する放熱ユニットと;
を具備していることを特徴とする光源。
【請求項2】
器具本体と;
器具本体に配置される請求項1記載の光源と;
配線によって光源の発光モジュールと接続され、発光モジュールの半導体発光素子を点灯させる点灯回路と;
を具備していることを特徴とする照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−258454(P2011−258454A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−133054(P2010−133054)
【出願日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】