説明

光源を駆動するための回路と方法

【課題】LED駆動回路の消費電力を削減し、コストを低減させる。
【解決手段】発光ダイオード(LED)光源206に電力を供給するための駆動回路には、コンバータ回路202、エネルギ蓄積素子220およびスイッチ素子222を含む。コンバータ回路202は、LED光源206に電力を供給するため第一の出力電圧を第一の電力供給ラインに供給し、第一の出力電圧より低い第二の出力電圧を第二の電力供給ラインに供給する。LED光源206と通る電流を制御するためエネルギ蓄積素子208を充電し、放電する。スイッチ素子222は、エネルギ蓄積素子220を充電する、第一の状態で動作し、エネルギ蓄積素子220を放電する、第二の状態で動作する。コンバータ回路202は、第一の状態と第二の状態の両方の間、スイッチ素子222の両端にかかる動作電圧を第一の出力電圧より低く保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDストリングを駆動するための駆動回路に関し、もっと具体的には、駆動回路の消費電力を削減し、コストを低減させる回路と方法に関する。
[関連出願]
本出願は、同時係属中米国特許出願、シリアル番号第13/086,822号、「光源に電力を供給するための回路と方法」(2011年4月14日出願)の一部継続出願であり、前記出願は、同時係属中米国特許出願、シリアル番号第12/221,648号、「光源に電力を供給するための駆動回路」(2008年8月5日出願)、現在は米国特許番号第7,919,936号、米国仮出願番号第61/374,117号、(光源に電力を供給するための回路と方法)(2010年8月16日出願)の一部継続出願であり、これら全ては、参照により本明細書に組み込まれている。
【背景技術】
【0002】
表示システムでは、表示パネルを照らすため、駆動回路により一つ以上の光源を駆動する。例えば、発光ダイオード(LED)バックライトを有する液晶表示(LED)システムでは、LEDパネルを照らすためにLEDアレイを使用する。通常、LEDアレイには一つ以上のLEDストリングを含み、各々のLEDストリングには、直列に接続したLEDのグループを含む。
【0003】
図1は、従来の駆動回路100のブロック図である。駆動回路100は、LEDストリング106を駆動するために使用され、コンバータ回路102、スイッチ・コントローラ104およびスイッチング・レギュレータ108を含む。コンバータ回路102は入力電圧VINを受信し、LEDストリング106に電力供給ライン141で出力電圧VOUTを供給する。スイッチング・レギュレータ108には、LEDストリング106に直列に接続したインダクタL1を含む。スイッチング・レギュレータ108には、インダクタL1を通して流れるインダクタ電流を制御するため、スイッチS1とダイオードD1とを含む。もっと具体的には、スイッチ・コントローラ104は、スイッチS1をオンおよびオフするため、パルス幅変調(PWM)信号130を供給する。スイッチS1をオンにすると、ダイオードD1は逆バイアスされ、インダクタ電流は電力供給ライン141、LEDストリング106、インダクタL1、スイッチS1および抵抗RSENを通して順番に流れる。出力電圧VOUTはLEDストリング106に電力を供給し、インダクタL1に充電する。スイッチS1をオフにすると、ダイオードD1は順バイアスされ、インダクタ電流はインダクタL1、ダイオードD1、電力供給ライン141およびLEDストリング106を通して順番に流れる。インダクタL1は放電してLEDストリング106に電力を供給する。このように、PWM信号130のデューティ・サイクルを調整することにより、インダクタ電流の平均レベルを制御し、それ故、LEDストリング106を通じる電流を制御する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、スイッチS1がオフの場合、例えばVANODEのようなダイオードD1のアノードでの電圧は、ダイオードD1を順バイアスするため、VOUTより大きくなるよう増加する。その結果、例えばVANODE−VのようなスイッチS1の両端にかかる電圧はVOUTにおおよそ等しい。スイッチS1がオンの場合、ダイオードD1の両端にかかる電圧はVOUTにほぼ等しい。従って、スイッチS1およびダイオードD1のようなスイッチイング素子の定格電圧は、VOUTより高くなければならない。そうでなければ、動作電圧がVOUTにおおよそ等しい場合、スイッチイング素子は損傷を被る可能性がある。LEDストリング106のLEDの数を増加してより高い輝度を達成する場合、出力電圧VOUTを増加させる。このように、従来技術は、比較的高い定格電圧を有するスイッチイング素子が駆動回路100の消費電力とコストとを増加させる、という課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一つの実施形態では、発光ダイオード(LED)光源に電力を供給ための駆動回路には、コンバータ回路、エネルギ蓄積素子およびスイッチ素子を含む。コンバータ回路は、第一の電力供給ラインに第一の出力電圧を供給してLED光源に電力を供給し、第一の出力電圧より低い第二の出力電圧を第二の電力供給ラインに供給する。エネルギ蓄積素子は充電し放電してLED光源を通じる電流を制御する。スイッチイング素子は、エネルギ蓄積素子を充電する第一の状態で動作し、エネルギ蓄積素子を放電する第二の状態で動作する。コンバータ回路は第二の出力電圧を供給し、第一の状態と第二の状態の両方の間、スイッチイング素子の両端にかかる動作電圧を、第一の出力電圧より低く保持する。
【0006】
以下の詳細な説明が進むにつれ、そして図面を参照することにより、本特許請求範囲の主題の実施形態が持つ特徴と利点が明らかになるであろう。ここでは同様の番号は同様の部分を表している。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】従来の駆動回路のブロック図である。
【図2】本発明の一つの実施形態による、負荷を駆動するための駆動回路のブロック図である。
【図3】本発明の一つの実施形態による、負荷を駆動するための駆動回路のもう一つのブロック図である。
【図4A】本発明の一つの実施形態による、コンバータ回路の例である。
【図4B】本発明の一つの実施形態による、コンバータ回路の例である。
【図5】本発明の一つの実施形態による、コンバータ回路のもう一つの例である。
【図6】本発明の一つの実施形態による、負荷を駆動するための駆動回路のもう一つの図である。
【図7】本発明の一つの実施形態による、負荷を駆動するための駆動回路のもう一つの図である。
【図8】本発明の一つの実施形態による、多数の負荷を駆動するための駆動回路の図である。
【図9】本発明の一つの実施形態による、駆動回路が実行する動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、参照をして、本発明の実施形態に対して詳細に説明する。これらの実施形態と関連して本発明について説明するが、当然のことながら、それらは本発明をこれらの実施形態に限定することを意図していない。反対に、本発明は、代替案、修正案および等価物を含めることを意図しており、これらは、添付の特許請求範囲が定める本発明の精神と範囲内に含まれる可能性がある。
【0009】
更に、本発明の以下の詳細な説明では、本発明の完全な理解を提供するため、多くの具体的な詳細について説明する。しかしながら、通常の当業者の内のひとりには当然認識されることであるが、本発明は、これらの具体的な詳細無しに実行される可能性がある。他の例では、周知の方法、手順、コンポーネントおよび回路について、本発明の側面を不必要に曖昧にしないために、詳細には説明しなかった。
【0010】
本発明による実施形態は、負荷に電力を供給するための駆動回路を提供する。説明のために、本発明については、発光ダイオード・ストリングのような光源に電力を供給することに関連して説明する。しかしながら、本発明は光源に電力を供給することに限定されず、他の形式の負荷に電力を供給ために使用可能である。駆動回路には、コンバータ回路、エネルギ蓄積素子およびスイッチ素子を含む。コンバータ回路は、光源を駆動するため第一の出力電圧を第一の電力供給ラインで供給し、第一の出力電圧より低い第二の出力電圧を第二の電力供給ラインで供給する。スイッチ素子は第一の状態で動作して、その間はエネルギ蓄積素子を充電し、第二の状態で動作して、その間はエネルギ蓄積素子を放電する。第一の状態と第二の状態の時間継続を調整することにより、光源を通る電流を制御する。
【0011】
有利なことであるが、第二の電力供給ラインの第二の出力電圧のため、スイッチ素子の両端にかかる動作電圧は、第一および第二の状態の両方の間、第一の出力電圧より低く保持される。このようにして、駆動回路の消費電力とコストを削減するため、スイッチ素子の定格電圧を減少させることができる。
【0012】
図2は、本発明の一つの実施形態による、例えば光源206のような負荷を駆動するための駆動回路200のブロック図を示す。駆動回路200には、コンバータ回路202、スイッチ・コントローラ204、スイッチング・レギュレータ208および電流センサ210を含む。コンバータ回路202は入力電圧VINを受信し、電力供給ライン241に出力電圧VOUT_Hを生成し、そしてVOUT_Hより低い出力電圧VOUT_Lを電力供給ライン242に生成する。光源206を駆動するため、電圧VOUT_Hを使用する。スイッチング・レギュレータ208にある一つ以上のスイッチ素子の動作電圧を削減するため、電圧VOUT_Lを使用する。
【0013】
光源206に接続した電流センサ210は、光源206を通る電流を表わすセンス信号234を生成する。一つの実施形態では、スイッチ・コントローラ204は、センス信号234に基づき、スイッチ・コントロール信号230とフィードバック信号232とを生成する。一つの実施形態では、スイッチ・コントローラ204は、所望の電流レベルを表わす基準信号REFとセンス信号234とを比較し、本比較の結果の基づき、スイッチ・コントロール信号230を生成する。このように、スイッチ・コントロール信号230は光源206を通る電流を所望の電流レベルに調整するよう、スイッチング・レギュレータ208を制御する。フィードバック信号232は、所望の電流レベルをもつ電流を生成するため、光源206が必要とする順電圧を表わす。このようにして、フィードバック信号232を受信すると、コンバータ回路202は、光源206の電力要求を満足させるため、出力電圧VOUT_Hを調整する。
【0014】
一つの実施形態では、光源206には、一つ以上の発光ダイオード(LED)ストリングを含む。各々のLEDストリングには、直列に接続した一つ以上のLEDを含む。一つの実施形態では、スイッチング・レギュレータ208には、エネルギ蓄積素子220とスイッチ素子222とを含む。エネルギ蓄積素子220は光源206に接続され、エネルギ蓄積素子220を通して流れる電流I220は、光源206を通る電流を決定する。
【0015】
一つの実施形態では、スイッチ素子222は、電力供給ライン241、電力供給ライン242および、例えばもしアースに接続されたならば0ボルトの基準電圧VREFを持つ基準ノード244に接続される。スイッチ素子222は、多数の動作状態で動作するよう、スイッチ・コントロール信号230により制御される。異なる動作状態の間、エネルギ蓄積素子220の電流I220のため、異なる電流経路を流すよう、スイッチ素子222は、電力供給ライン241、電力供給ライン242および基準ノード244をエネルギ蓄積素子220の端子に選択的に接続する。
【0016】
もっと具体的には、スイッチ素子222の動作状態には、スイッチ−オン状態およびスイッチ−オフ状態を含む。スイッチ−オン状態に間、スイッチ素子222は、電力供給ライン241、電力供給ライン242および基準ノード244のうちの二個を通して、電流I220を流す。動作電圧V220は電流I220を増加させるため第一のレベルを持ち、エネルギ蓄積素子220は充電される。スイッチ−オフ状態の間、スイッチ素子222は、電力供給ライン241、電力供給ライン242および基準ノード244のうちのもう一つの二個を通して、電流I220を流す。動作電圧V220は電流I220を減少させるために第二のレベルを持ち、エネルギ蓄積素子220は放電される。従って、スイッチ−オフ状態継続に対するスイッチ−オン状態継続の割合を調整することにより、光源206を通る電流(例えば、電流I220の平均電流)が制御される。スイッチング・レギュレータ208の動作については、図3、図6および図7に関連して更に説明する。
【0017】
有利なことであるが、図3、図6および図7に関連して更に説明するように、電力供給ライン242の電圧VOUT_Lのため、スイッチ素子222の両端にかかる動作電圧は、スイッチ−オン状態およびスイッチ−オフ状態の両方の間、VOUT_Hより低く保持される。それ故、スイッチ素子222の定格電圧は、図1の従来の駆動回路100におけるスイッチS1およびダイオードD1のそれらに比較して減少する。それによって、駆動回路200の消費電力とコストは両方とも削減される。
【0018】
図3は、本発明の一つの実施形態による、例えば光源206のような負荷を駆動するための駆動回路300の略図である。図2におけると同じ参照番号を付けた素子は同様の機能を持つ。図2と組み合わせて図3を説明する。
【0019】
図3の例では、光源206には、多くのLEDを直列に接続したLEDストリングを含む。駆動回路300には、コンバータ回路202、スイッチ・コントローラ204、スイッチング・レギュレータ208および電流センサ210を含む。電流センサ210には、LEDストリング206を通して流れるLED電流を表わすセンス信号234を生成するための、抵抗R3を含む。一つの実施形態では、センス信号234は抵抗R3の両端にかかる電圧である。センス信号234に基づき、スイッチ・コントローラ204は、例えばパルス幅変調(PWM)信号のようなスイッチ・コントロール信号230とフィードバック信号232とを生成する。
【0020】
コンバータ回路202には、一つの実施形態では、コンバータ・コントローラ302とデュアル・コンバータ304とを含む。コンバータ・コントローラ302は、所望の電流を生成するよう、LEDストリング206が要求する順電圧を表わすフィードバック信号232を受信し、その結果、コントロール信号310を生成する。デュアル・コンバータ304は入力電圧VINを受信し、コントロール信号310に基づき、出力電圧YOUT_HおよびVOUT_Lを生成する。例えば、フィードバック信号232に基づき、コンバータ・コントローラ302は、コントロール信号310を調整して出力電圧VOUT_Hを増加または減少させ、LED電流を所望の電流レベルに制御する。
【0021】
一つの実施形態では、デュアル・コンバータ304は、入力電圧VINを受信し、出力電圧VOUT_Lと、出力電圧VOUT_Lプラス電圧VDIFFに等しい出力電圧VOUT_Hとを生成する。それ故、
OUT_H=VOUT_L+VDIFF (1)
である。式(1)で示すように、もしVDIFFが正のレベルを持つなら、VOUT_LはVOUT_Hより低い。デュアル・コンバータ304の動作については、図4A、図4Bおよび図5に関連して更に説明する。
【0022】
スイッチング・レギュレータ208は、LEDストリング206を通じて流れる電流を制御するために動作可能である。図3の実施形態では、スイッチング・レギュレータ208はバック構成を持つ。スイッチング・レギュレータ208のエネルギ蓄積素子220には、LEDストリング206に接続したインダクタL3を含む。スイッチング・レギュレータ208のスイッチ素子222には、スイッチS3とダイオードD3とを含む。例えば、スイッチS3はN型金属酸化膜半導体(MOS)トランジスタであることができる。ダイオードD3のアノードおよびスイッチS3のドレインは共通ノードに一緒に接続され、共通ノードは、インダクタL3およびLEDストリング206を通して電力供給ライン241に接続される。ダイオードD3のカソードは電力供給ライン242に接続される。スイッチS3のソースは抵抗R3を通してアースに接続される。
【0023】
スイッチ・コントロール信号230に基づき、スイッチ素子222は、アース、電力供給ライン241および電力供給ライン242をインダクタL3に選択的に接続する。もっと具体的には、スイッチ・コントロール信号230は、パルス幅変調(PWM)信号であることができる。スイッチ・コントロール信号230が論理的高レベルである場合、スイッチ素子222は、スイッチS3がオンで、ダイオードD3が逆バイアスであるようなスイッチ−オン状態で動作する。このように、インダクタL3の端子TAは電力供給ライン241に電気的に接続され、インダクタL3の他の端子TBはアースに電気的に接続される。それ故、電流I1は電力供給ライン241、LEDストリング206、インダクタL3、抵抗R3およびアースを通して流れ、次に、アースからデュアル・コンバータ304を通して電力供給ライン241に流れる。インダクタL3の動作電圧は第一のレベルを持つ。インダクタL3は充電され、その電流は増加する。
【0024】
スイッチ・コントロール信号230が論理的低レベルである場合、スイッチ素子222は、スイッチS3がオフで、ダイオードD3が順バイアスであるようなスイッチ−オフ状態で動作する。端子TAは電力供給ライン241に電気的に接続され、端子TBは電力供給ライン242に電気的に接続される。それ故、電流I2は電力供給ライン241、LEDストリング206、インダクタL3、ダイオードD3および電力供給ライン242を通して流れ、次に、電力供給ライン242からデュアル・コンバータ304を通して電力供給ライン241に流れる。インダクタL3の動作電圧は電圧VOUT_HおよびVOUT_Lが決定する第二のレベルを持つ。インダクタL3は放電し、その電流は減少する。
【0025】
その結果、一つの実施形態では、インダクタ電流は、スイッチ・コントロール信号230が論理的高レベルである場合には増加し、スイッチ・コントロール信号230が論理的低レベルである場合には減少する。図3の例では、LED光源206を通る電流は、インダクタL3を通る平均電流に実質的に等しい。その結果、スイッチ・コントロール信号230のデューティ・サイクルを制御することにより、スイッチ・コントローラ204は、LED光源206を通る電流を所望の電流レベルに制御できる。
【0026】
有利なことであるが、スイッチ素子222のスイッチ−オン状態の間、ダイオードD3の両端にかかる電圧VD3はVOUT_Hより低く、例えばVD3はVOUT_Lにほぼ等しい。スイッチ素子222のスイッチ−オフ状態の間、スイッチS3の両端にかかる電圧VS3はまた、VOUT_Hより低い。即ち、デュアル・コンバータ304からの出力電圧VOUT_Lを利用することにより、スイッチS3およびD3の各々の両端にかかる動作電圧は、スイッチ−オンおよびスイッチ−オフ状態の両方の間、VOUT_Hより低く保持される。それ故、駆動回路300の消費電力とコストを削減するよう、そのようなコンポーネントの定格電圧を減少させることができる。
【0027】
図4Aおよび図4Bは、本発明の一つの実施形態による、コンバータ回路202の例を示す。図2および図3と同じ参照番号を付けた素子は同様な機能を持つ。図4Aおよび図4Bについては、図2および図3と組み合わせて説明する。
【0028】
図4Aおよび図4Bの例で、デュアル・コンバータ304には、抵抗402、スイッチ416、変圧器T1、ダイオード410と412およびキャパシタ408と414を含む。変圧器T1には、一次巻線404、鉄心405および二次巻線406を含む。デュアル・コンバータ304は出力電圧VOUT_Lおよび電圧VDIFFを生成する。もっと具体的には、図4Aに示すように、変圧器T1の一次巻線404、ダイオード412、キャパシタ414およびスイッチ416は、スイッチモード昇圧コンバータ452を構成する。コンバータ・コントローラ302は駆動信号460を生成してスイッチ416を制御する。一つの実施形態では、駆動信号460は、スイッチ416を交互にオンとオフする、デューティ・サイクルDDUTYを持つPWM信号である。このように、スイッチモード昇圧コンバータ452は入力電圧VINを出力電圧VOUT_Lに変換する。もし抵抗402の抵抗を無視するなら、電力供給ライン242の出力電圧VOUT_Lは次式により計算される:
OUT_L=VIN/(1−DDUTY)。 (2)
【0029】
更に、図4Bに示すように、変圧器T1(例えば一次巻線404、鉄心405および二次巻線406を含むT1)、ダイオード410、キャパシタ408およびスイッチ416は、スイッチモード・フライバック・コンバータ454を構成する。駆動信号460に基づいてスイッチ416を交互にオンおよびオフすることにより、フライバック・コンバータ454は入力電圧VINを電圧VDIFFに変換する。電圧VDIFFは次式により得られる。
DIFF=VIN(N406/N404DUTY/(1−DDUTY) (3)
ここで、N406/N404は、一次巻線404に対する二次巻線406の巻数比を表わす。
【0030】
一つの実施形態では、二次巻線406の非極性端を電力供給ライン242に接続するため、式(1)に示すように、出力電圧VOUT_Hは出力電圧VOUT_Lプラス電圧VDIFFに等しい。それ故、(1)、(2)および(3)に基づき、
OUT_H=VOUT_L(1+DDUTY(N406/N404)) (4)
となる。式(4)に示すように、デューティ・サイクルDDUTYがゼロより大きい限り、VOUT_HはVOUT_Lより大きい。更に、式(2)および(4)によれば、駆動信号460のデューティ・サイクルDDUTYを調整することにより、その結果としてVOUT_HとVOUT_Lは両方とも調整される。
【0031】
有利なことであるが、図4Aに示す昇圧コンバータ452および図4Bに示すフライバック・コンバータ454は、一次巻線404とスイッチ416のような共通のコンポーネントを持ち、このことはコンポーネント数を削減する。コンバータ回路304のサイズは減少し、駆動回路200のコストは削減される。
【0032】
抵抗402は、一次巻線404を通して流れる電流を表わす電流監視信号462を提供する。コンバータ・コントローラ302は電流監視信号462を受信し、コンバータ回路304が異常または不要な状態、例えば過電流状態になっているかどうかを決定する。コンバータ・コントローラ302はコンバータ回路304を制御して異常または不要な状態を阻止する。例えば、コンバータ回路302が過電流状態になっているということをもし電流監視信号462が表わすなら、コンバータ・コントローラ302は、駆動信号460を介してスイッチ416をオフにする。
【0033】
図5は、本発明の一つの実施形態による、コンバータ回路202のもう一つの例である。図2−図4におけると同じ参照番号を付けた素子は同様な機能を持つ。図5について、図2および図3と組み合わせて説明する。
【0034】
図5の例では、デュアル・コンバータ304には、変圧器T2、ダイオード510と512、キャパシタ513と516、スイッチ518および抵抗402を含む。変圧器T2は、一次巻線504、鉄心505、二次巻線506および補助巻線508を持つ。コンバータ・コントローラ232は、例えばPWM信号のような駆動信号460を生成し、スイッチ518を交互にオンおよびオフする。一次巻線504、鉄心505、二次巻線506、スイッチ518、ダイオード510およびキャパシタ514は、第一のフライバック・コンバータを構成する。第一のフライバック・コンバータは入力電圧VINを電圧VDIFF’に変換する。電圧VDIFF’は次式のように表現される:
DIFF’=VIN(N506/N504DUTY/(1−DDUTY)、 (5)
ここで、N506/N504は二次巻線506と一次巻線504との巻線比を表わす。
【0035】
同様に一次巻線504、鉄心505、補助巻線508、スイッチ518、ダイオード512およびキャパシタ516は、第二のフライバック・コンバータを構成する。第二のフライバック・コンバータは入力電圧VINを電圧VOUT_Lに変換する。電圧VOUT_Lは次式のように表現される:
OUT_L=VIN*(N508/N504DUTY/(1−DDUTY)、 (6)
ここで、N508/N504は補助巻線508と一次巻線504との巻線比を表わす。
【0036】
二次巻線506の非極性端は電力供給ライン242に接続されているので、式(1)により、電圧VOUT_Hは電圧VOUT_Lプラス電圧VDIFFに等しい。式(1)、(5)および(6)に基づき、出力電圧VOUT_Hは次式で計算される:
OUT_H=VOUT_L(1+N506/N508)。 (7)
式(7)に示すように、VOUT_HはVOUT_Lより大きい。式(6)および(7)に示すように、VOUT_HおよびVOUT_Lの両方は駆動信号460のデューティ・サイクルDDUTYにより調整される。
【0037】
有利なことであるが、第一および第二のフライバック・コンバータは幾つかの共通のコンポーネントを共有し、このことはコンバータ回路304のサイズを減少し、駆動回路200のコストを削減する。
【0038】
図3に関連して議論したように、スイッチ素子222のスイッチ−オン状態の間(例えば、スイッチS3がオンの場合)、電流I1はデュアル・コンバータ304を通してアースから電力供給ライン241に流れる。スイッチ素子222のスイッチ−オフ状態の間(例えば、スイッチS3がオフの場合)、電流I2はデュアル・コンバータ304を通して電力供給ライン242から電力供給ライン241に流れる。もし図4Aおよび図4Bに示すようにデュアル・コンバータ304を使用するなら、スイッチ−オン状態の間、二次巻線406は、電流I1をアースからキャパシタ414を通って電力供給ライン241に変換する。スイッチ−オフ状態の間、二次巻線406は、電流I2を電力供給ライン242から電力供給ライン241に変換する。もし図5に示すようにデュアル・コンバータ304を使用するなら、スイッチ−オン状態の間、二次巻線506は、電流I1をアースからキャパシタ516を通って電力供給ライン241に変換する。スイッチ−オフ状態の間、二次巻線506は、電流I2を電力供給ライン242から電力供給ライン241に変換する。デュアル・コンバータ304は他の構成を含むことができ、図4A、図4Bおよび図5に示す例に限定されない。
【0039】
図6は、本発明のもう一つの実施形態による、例えばLEDストリング206のような負荷を駆動するための駆動回路600の略図を示す。図2および図3におけると同じ参照番号を付けた素子は同様の機能を持つ。図2−図5と組合わせて図6を説明する。
【0040】
図6の例では、電流センサ210には抵抗R6と誤差増幅器602を含む。誤差増幅器602は抵抗R6の両端にかかる電圧を受信し、その結果、LEDストリング206を通る電流を表わすセンス信号234を生成する。一つの実施形態では、電流センサ210とLEDストリング206との間に接続されたスイッチング・レギュレータ208はバック構成を持つ。スイッチング・レギュレータ208にはスイッチ素子222とエネルギ蓄積素子220とを含む。一つの実施形態では、エネルギ蓄積素子220にはLEDストリング206に接続されたインダクタL6を含む。スイッチ素子222には、スイッチS6とダイオードD6とを含む。一つの実施形態では、スイッチS6はP型MOSトランジスタであることができる。ダイオードD6のアノードは電力供給ライン242に接続される。ダイオードD6のカソードとスイッチS6のドレインは、インダクタL6とLEDストリング206とを通してアースに接続される、共通のノードに一緒に接続される。スイッチS6のソースは、電流センサ210を通して電力供給ライン241に接続される。
【0041】
例えばPWM信号のようなスイッチ・コントロール信号230により、スイッチ素子222はアース、電力供給ライン241および電力供給ライン242を選択的に接続する。もっと具体的には、スイッチ・コントロール信号230が論理的低レベルである場合、スイッチ素子222はスイッチ−オン状態で動作し、スイッチS6はオンで、ダイオードD6は逆バイアスされる。そのように、電力供給ライン241とアースはインダクタL3の端子に電気的に接続される。電流I1’は電力供給ライン241、抵抗R6、スイッチS6、インダクタL6、LEDストリング206、アースを通して流れ、次に、アースからデュアル・コンバータ304を通して電力供給ライン241に流れる。インダクタ電流は端子TAから端子TBに流れるので、出力電圧VOUT_HはインダクタL6を充電し、それ故インダクタ電流I1’は増加する。
【0042】
更に、スイッチ・コントロール信号230が論理的高レベルである場合、スイッチ素子222はスイッチ−オフ状態で動作し、スイッチS6はオフで、ダイオードD6は順バイアスされる。このように、電力供給ライン242およびアースはインダクタL6の端子に電気的に接続される。電流I2’は、電力供給ライン242、ダイオードD6、インダクタL6、LEDストリング206およびアースを通して流れ、次に、アースからデュアル・コンバータ340を通して電力供給ライン242に流れる。インダクタL6は放電してLEDストリング206に電力を供給し、端子TAから端子TBに流れる、例えばI2’のようなインダクタ電流は徐々に減少する。図3の駆動回路300に類似して、スイッチ・コントローラ204は、スイッチ・コントロール信号230のデューティ・サイクルを調整することにより、所望の電流レベルにLED電流を調整できる。
【0043】
有利なことであるが、スイッチ−オン状態の間、ダイオードD6の両端にかかる電圧VD6はVOUT_Lより低い。スイッチ−オフ状態の間、スイッチS6の両端にかかる電圧はVOUT_HマイナスVOUT_Lに凡そ等しい。即ち、電圧VOUT_Lを利用することにより、スイッチS6およびダイオードD6の各々の両端にかかる動作電圧は、スイッチ−オンおよびスイッチ−オフ状態の両方の間VOUT_Lより低く保持される。そのように、スイッチS6およびダイオードD6の定格電圧は減少され、駆動回路600の消費電力とコストを削減できる。
【0044】
また、図4A、図4Bおよび図5の例におけるデュアル・コンバータ304は、駆動回路600で使用できる。もし図4Aと図4Bにデュアル・コンバータ304を採用するなら、スイッチ−オン状態の間、二次巻線406は、電流I1’をアースからキャパシタ414を通って電力供給ライン241に変換する。スイッチ−オフ状態の間では、電流I2’はアースからキャパシタ414を通って電力供給ライン242に流れる。もし図5でデュアル・コンバータ304を採用するなら、スイッチ−オン状態の間、二次巻線506は、電流I1’をアースからキャパシタ516を通って電力供給ライン241に変換する。スイッチ−オフ状態の間は、電流I2’はアースからキャパシタ516を通って電力供給ライン242に流れる。
【0045】
図7は、本発明のもう一つの実施形態による、例えばLEDストリング206のような負荷を駆動するための駆動回路700の略図である。図2におけると同じ参照番号を付けた素子は同様の機能を持つ。図2−図7と組み合わせて図7を説明する。
【0046】
図7の例では、LEDストリング206に接続したスイッチング・レギュレータ208は昇圧構成を持つ。蓄積素子220には電力供給ライン241に接続したインダクタL7を含む。スイッチ素子222にはスイッチS7とダイオードD7を含む。一つの実施形態では、スイッチS7はN型MOSトランジスタであることができる。ダイオードD7のアノードとスイッチS7のドレインは共通ノードに一緒に接続され、共通ノードは、インダクタL7を通して電力供給ライン241に接続される。スイッチS7のソースは電力供給ライン242に接続される。ダイオードD7のカソードはLEDストリング206とセンサ210とを通してアースに接続される。
【0047】
例えばPWM信号のようなコントロール信号230に従って、スイッチ素子222は、アース、電力供給ライン241および電力供給ライン242をインダクタL7に選択的に接続する。もっと具体的には、スイッチ・コントロール信号230が論理的高レベルである場合、スイッチ素子222はスイッチ−オン状態で動作し、スイッチS7はオンで、ダイオードD7は逆バイアスされる。そのように、電力供給ライン241および電力供給ライン242はインダクタL7の端子に電気的に接続される。電流I1”は電力供給ライン241、インダクタL7、スイッチS7および電力供給ライン242を通して流れ、次に、電力供給ライン242からデュアル・コンバータ304を通って電力供給ライン241に流れる。インダクタ電流は端子TAから端子TBに流れる。インダクタL7は充電され、電流I1”は増加する。ダイオードD7は逆バイアスされるので、キャパシタC7はLEDストリング206に電力を供給する。
【0048】
更に、スイッチ・コントロール信号230が論理的低レベルである場合、スイッチ素子222はスイッチ−オフ状態で動作し、スイッチS7はオフで、ダイオードD7は順バイアスされる。そのように、電力供給ライン241およびアースはインダクタL7の端子に電気的に接続される。電流I2”は電力供給ライン241、インダクタL7、ダイオードD7、LEDストリング206およびアースを通して流れ、次に、アースからデュアル・コンバータ304を通って電力供給ライン241に流れる。インダクタ電流は端子TAから端子TBに流れる。電流I2”は減少し、インダクタL7は放電されて、LEDストリング206に電力を供給してキャパシタC7を充電する。そのように、スイッチ・コントローラ204は、スイッチ・コントロール信号230のデューティ・サイクルを調整することによって、LED電流を制御する。
【0049】
有利なことであるが、スイッチ−オン状態の間、ダイオードD7の両端にかかる電圧VD7はVOUT_Hより低い。スイッチ−オフ状態の間、スイッチS7の両端にかかる電圧はVOUT_Hより低い。即ち、電圧VOUT_Lを利用することによって、スイッチS7とダイオードD7の各々の両端にかかる動作電圧は、スイッチ−オンおよびスイッチ−オフ状態の両方の間、VOUT_Hより低く保持される。従って、スイッチS7とダイオードD7の定格電圧はVOUT_Hより低く、駆動回路700の消費電力とコストを減少させる。
【0050】
また、図4A、図4Bおよび図5の例におけるデュアル・コンバータ304は、駆動回路700で使用できる。もし図4Aと図4Bにデュアル・コンバータ304を採用するなら、スイッチ−オン状態の間、二次巻線406は、電流I1”を電力供給ライン242からキャパシタ414を通って電力供給ライン241に変換する。スイッチ−オフ状態の間では、電流I2”はアースからキャパシタ414を通って電力供給ライン242に流れる。もし図5でデュアル・コンバータ304を採用するなら、スイッチ−オン状態の間、二次巻線506は、電流I1’を電力供給ライン242からキャパシタ516を通って電力供給ライン241に変換する。スイッチ−オフ状態の間は、電流I2’はアースからキャパシタ516を通って電力供給ライン242に流れる。本構成が特許請求範囲内にあり、図3と図6のバック構成および図7の昇圧構成に限定されない限り、スイッチング・レギュレータ208は他の構成を持つことができる。
【0051】
図8は、本発明の一つの実施形態による、駆動回路800の略図である。図2におけると同じ参照番号を付けた素子は同様の機能を持つ。図2、図3、図6および図7と組み合わせて図8を説明する。
【0052】
駆動回路800には、電力供給ライン241に出力電圧VOUT_Hを、そして電力供給ライン242に出力電圧VOUT_Lを生成するために動作可能な、コンバータ回路202を含む。図8の例では、二つ以上のLEDストリングを駆動するために駆動回路800を使用する。三つのLEDストリング806_1、806_2および806_3を図8の例に示すが、駆動回路800には、LEDストリングの他の番号を含めることができる。各々のLEDストリング806_1−806_3は、図3の駆動回路300に類似の回路に接続される。例えば、LEDストリング806_1は、ダイオードD8_1、スイッチS8_1およびインダクタL8_1を含むスイッチング・レギュレータに接続され;LEDストリング806_2は、ダイオードD8_2、スイッチS8_2およびインダクタL8_2を含むスイッチング・レギュレータに接続され;LEDストリング806_3は、ダイオードD8_3、スイッチS8_3およびインダクタL8_3を含むスイッチング・レギュレータに接続される。
【0053】
駆動回路800には、LEDストリング806_1−806_3それぞれを通るLED電流を制御するために動作可能な、多数のスイッチ・コントローラ804_1、804_2および806_3を更に含む。例えば、スイッチ・コントローラ804_1−804_3はそれぞれ、所望の電流レベルを表わす基準信号REFにセンス信号ISEN_1−ISEN_3を比較し、LED電流を所定の電流レベルに調整するため、スイッチ・コントロール信号PWM_1−PWM_3を生成する。言い換えれば、LEDストリングが一定の輝度を提供するよう、スイッチ・コントローラ804_1−804_3は、LEDストリング806_1−806_3を通る電流をバランスさせることができる。
【0054】
スイッチ・コントローラ804_1−804_3は、所定の電流レベルを持つLED電流をもたらすため、対応するLEDストリング806_1−806_3が必要とする順電圧を各々が表わす、誤差信号VAE_1,VAE_2およびVAE_3を更に生成する。駆動回路800にはフィードバック選択回路812を更に含み、誤差信号VEA_1−VEA_3を受信してどのLEDストリングが、LEDストリング806_1−806_3のそれらの間で最大順電圧を持つかを決定する。結果として、フィードバック選択回812は、最大順電圧持つLEDストリングのLED電流を表わすフィードバック信号810を生成する。それ故、一つの実施形態では、最大順電圧を持つLEDストリングの電力要求を満足させるため、フィードバック信号810に基づいて、コンバータ回路202は出力電圧VOUT_Hを調整する。出力電圧VOUT_Hは、最大順電圧を持つLEDストリングの電力要求を満足させることができるので、他のLEDストリングの電力要求もまた満足させることができる。駆動回路800は他の構成を持つことができ、例えば、各々のLEDストリング806_1−806_3は、図6または図7に示す回路によって駆動可能である。
【0055】
有利なことであるが、電力供給ライン242の出力電圧VOUT_Lのため、各々のLEDストリングに関連するスイッチ素子の定格電圧を減少させることができる。それ故、駆動回路800の消費電力およびコストが削減される。
【0056】
図9は、本発明の一つの実施形態による、例えば駆動回路200のような駆動回路が実行する動作のフローチャート900を示す。図2−図8と組み合わせて図9について説明する。図9では具体的なステップを開示するが、そのようなステップは例である。即ち、本発明は、各種の他のステップまたは図9で列挙するステップの変形を実行するのによく適する。
【0057】
ブロック902では、例えばLED光源206のような光源に電力を供給するため、第一の電力供給ラインに、例えば電圧VOUT_Hのような第一の出力電圧を供給する。ブロック904で、前記第一の出力電圧より低い、例えば電圧VOUT_Lのような第二の出力電圧を第二の電力供給ラインに供給する。
【0058】
ブロック906で、例えばスイッチ素子222のようなスイッチ素子は第一の状態で動作し、その間は、例えばエネルギ蓄積素子220のようなエネルギ蓄積素子を充電する。ブロック908で、スイッチ素子は第二の状態で動作し、その間はエネルギ蓄積素子を放電する。ブロック910で、エネルギ蓄積素子を充電する場合およびエネルギ蓄積素子を放電する場合の時間継続を制御することによって、光源を通る電流を制御する。一つの実施形態では、エネルギ蓄積素子にはインダクタを含む。一つの実施形態では、スイッチ素子にはトランジスタおよびダイオードを含む。
【0059】
ブロック912で、第一の状態および第二の状態の両方の間で、スイッチ素子の両端にかかる動作電圧を第一の出力電圧より低く保持するよう、第二の出力電圧を供給する。一つの実施形態では、エネルギ蓄積素子を充電するため、第一の電力供給ラインおよび基準ノードを通して、エネルギ蓄積素子の電流を流す。エネルギ蓄積素子を放電するため、第一の電力供給ラインおよび第二の電力供給ラインを通して、エネルギ蓄積素子の電流を流す。更にもう一つの実施形態では、エネルギ蓄積素子を充電するため、第一電力供給ラインおよび基準ノードを通して、エネルギ蓄積素子の電流を流す。エネルギ蓄積素子を放電するため、第二の電力供給ラインおよび基準ノードを通して、エネルギ蓄積素子の電流を流す。更にもう一つの実施形態では、エネルギ蓄積素子を充電するため、第一電力供給ラインおよび第二の電力供給ラインを通して、エネルギ蓄積素子の電流を流す。エネルギ蓄積素子を放電するため、第二の電力供給ラインおよび基準ノードを通して、エネルギ蓄積素子の電流を流す。
【0060】
前記の説明および図面は本発明の実施形態を表わしているが、当然なことであるが、添付の請求項で定めた本発明の原理の精神および範囲から逸脱すること無しに、各種の追加、修正および置換をそこで行える可能性がある。当業者には当然のことであるが、本発明は、形式、構造、配置、比率、材料、素子およびコンポーネントに対して多くの変更をして使用してもよく、さもなければ、本発明の原理から逸脱すること無しに、具体的な環境および動作上の要求条件に特別に適応した本発明の実行において使用されてもよい。従って、ここで開示した実施形態は、全ての点において、実例的および非制限的と考えるべきであり、本発明の範囲は、添付の請求項およびそれらの合法的等価物によって示され、前記の説明には制限されない。
【符号の説明】
【0061】
100 駆動回路
102 コンバータ回路
104 スイッチ・コントローラ
106 LEDストリング
108 スイッチング・レギュレータ
130 PMW信号
141 電力供給ライン
200 駆動回路
202 コンバータ回路
204 スイッチ・コントローラ
206 光源
208 スイッチング・レギュレータ
210 電流センサ
230 スイッチ・コントロール信号
232 フィードバック信号
234 センス信号
241 電力供給ライン
242 電力供給ライン
244 基準ノード
300 駆動回路
302 コンバータ・コントローラ
304 デュアル・コンバータ
402 抵抗
404 一次巻線
405 鉄心
406 二次巻線
408 キャパシタ
410 ダイオード
412 ダイオード
414 キャパシタ
452 昇圧コンバータ
460 駆動信号
462 電流監視信号
504 一次巻線
505 鉄心
506 二次巻線
508 補助巻線
510、512 ダイオード
514、516 キャパシタ
600 駆動回路
602 誤差増幅器
700、800 駆動回路
804_1、804_2、804_3 スイッチ・コントローラ
806_1、806_2、806_3 LEDストリング
810 フィードバック信号
812 フィードバック選択回
900 フローチャート
902 光源に電力を供給するため、第一の出力電圧を第一の電力供給ラインに供給
904 第一の出力電圧より低い第二の出力電圧を第二の電力供給ラインに供給
906 エネルギ蓄積素子を充電するため、第一の状態でスイッチ素子を動作
908 エネルギ蓄積素子を放電するため、第二の状態でスイッチ素子を動作
910 エネルギ蓄積素子を充電する場合とエネルギ蓄積素子を放電する場合の時間継続を調整することにより、光源と通る電流を制御
912 スイッチ素子の両端にかかる動作電圧を第一の出力電圧より低く保持するよう、第二の出力電圧を供給

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光ダイオード(LED)光源に電力を供給するための駆動回路であって、
前記LED光源に電力を供給するため第一の出力電圧を第一の電力供給ラインに供給し、前記第一の出力電圧より低い第二の出力電圧を第二の電力供給ラインに供給するコンバータ回路と、
前記LED光源を通る電流を制御するため充電し放電するエネルギ蓄積素子と
前記コンバータ回路と前記エネルギ蓄積素子とに接続したスイッチ素子とを備え、
前記スイッチ素子は、前記エネルギ蓄積素子を充電する間の第一の状態で動作し、前記エネルギ蓄積素子を放電する間の第二の状態で動作するものであり、
前記コンバータ回路は、前記第一の状態と前記第二の状態の両方の間、前記スイッチ素子の両端にかかる動作電圧を前記第一の出力電圧より低く保持するよう、前記第二の出力電圧を供給すること
を特徴とする駆動回路。
【請求項2】
前記スイッチ素子は、前記第一の状態の間、前記第一の電力供給ラインと基準ノードとを通して前記エネルギ蓄積素子の電流を流し、前記第二の状態の間、前記第一の電力供給ラインと前記第二の電力供給ラインとを通して前記エネルギ蓄積素子の前記電流を流すこと
を特徴とする請求項1に記載の駆動回路。
【請求項3】
前記スイッチ素子は、前記第一の状態の間、前記第一の電力供給ラインと基準ノードとを通して前記エネルギ蓄積素子の電流を流し、前記第二の状態の間、前記第二の電力供給ラインと前記基準ノードとを通して前記エネルギ蓄積素子の前記電流を流すこと
を特徴とする請求項1に記載の駆動回路。
【請求項4】
前記スイッチ素子は、前記第一の状態の間、前記第一の電力供給ラインと前記第二の電力供給ラインとを通して前記エネルギ蓄積素子の電流を流し、前記第二の状態の間、前記第一の電力供給ラインと基準ノードとを通して前記エネルギ蓄積素子の前記電流を流すこと
を特徴とする請求項1に記載の駆動回路。
【請求項5】
一次巻線と二次巻線とを持つ変圧器を更に備え、前記一次巻線は前記入力電圧を受信し、前記二次巻線は、前記二次巻線の第一の端子で前記第一の出力電圧を供給し、前記二次巻線の第二の端子で前記第二の出力電圧を供給すること
を特徴とする請求項1に記載の駆動回路。
【請求項6】
一次巻線、二次巻線および補助巻線を持つ変圧器を更に備え、前記二次巻線と前記補助巻線は共通ノードに接続され、前記一次巻線は前記入力電圧を受信し、前記二次巻線は、前記二次巻線の第一の端子で前記第一の出力電圧を供給し、前記補助巻線は、前記共通ノードで前記第二の出力電圧を供給すること
を特徴とする請求項1に記載の駆動回路。
【請求項7】
前記蓄積素子にはインダクタを備え、前記スイッチ素子にはスイッチとダイオードとを備えること
を特徴とする請求項1に記載の駆動回路。
【請求項8】
前記第二の出力電圧は前記第一の出力電圧により変化すること
を特徴とする請求項1に記載の駆動回路。
【請求項9】
複数の発光ダイオード(LED)光源に電力を供給するための駆動回路であって、
前記複数のLED光源に電力を供給するため第一の出力電圧を第一の電力供給ラインに供給し、前記第一の出力電圧より低い第二の出力電圧を第二の電力供給ラインに供給するコンバータ回路と、
前記コンバータ回路に接続し、前記複数のLED光源を通して流れる複数の電流を調整する複数のスイッチング・レギュレータとを備え、
前記スイッチング・レギュレータの各々にはスイッチ素子を備え、
前記スイッチ素子は、エネルギ蓄積素子を充電する第一の状態で動作するとともに前記エネルギ蓄積素子を放電する第二の状態で動作し、
前記エネルギ蓄積素子を充電する場合と前記エネルギ蓄積素子を放電する場合の時間継続を調整することにより、対応するLED光源を通じて流れる電流を制御し、
前記コンバータ回路は、前記スイッチ素子の両端にかかる動作電圧を、前記第一および第二の状態の両方の間で前記第一の出力電圧より低く保持するよう、前記第二の出力電圧を供給すること
を特徴とする駆動回路。
【請求項10】
前記複数のスイッチング・レギュレータに接続した複数のスイッチ・コントローラを更に備え、前記スイッチ・コントローラは、前記複数のLED光源それぞれを通して流れる前記複数の電流を表わす複数のセンス信号を受信し、所望の電流レベルを表わす基準信号と前記センス信号を比較し、前記比較結果に基づき、複数のスイッチ・コントロール信号を生成するものであり、前記スイッチング・レギュレータは前記スイッチ・コントロール信号を受信し、前記LED光源を通る前記電流の各々を前記所望の電流レベルに調整すること
を特徴とする請求項9に記載の駆動回路。
【請求項11】
前記スイッチ素子は、前記第一の状態の間、前記第一の電力供給ラインと基準ノードとを通して前記エネルギ蓄積素子の電流を流し、前記第二の状態の間、前記第一の電力供給ラインと前記第二の電力供給ラインとを通して前記エネルギ蓄積素子の前記電流を流すこと
を特徴とする請求項9に記載の駆動回路。
【請求項12】
前記スイッチ素子は、前記第一の状態の間、前記第一の電力供給ラインと前記第二の電力供給ラインとを通して前記エネルギ蓄積素子の電流を流し、前記第二の状態の間、前記第一の電力供給ラインと基準ノードとを通して前記エネルギ蓄積素子の前記電流を流すこと
を特徴とする請求項9に記載の駆動回路。
【請求項13】
前記スイッチ素子は、前記第一の状態の間、前記第一の電力供給ラインと前記第二の電力供給ラインとを通じて前記エネルギ蓄積素子の電流を流し、そして前記第二の状態の間、前記第一の電力供給ラインと基準ノードとを通じて前記エネルギ蓄積素子の前記電流を流すこと
を特徴とする請求項9に記載の駆動回路。
【請求項14】
前記蓄積素子にはインダクタを備え、前記スイッチ素子にはスイッチとダイオードとを備える
ことを特徴とする請求項9に記載の駆動回路。
【請求項15】
発光ダイオード(LED)光源に電力を供給する方法であって、
前記LED光源に電力を供給するため第一の出力電圧を第一の電力供給ラインに供給するステップと、
第二の電力供給ラインに第一の出力電圧より低い第二の出力電圧を供給するステップと、
エネルギ蓄積素子を充電するため、スイッチ素子を第一の状態で動作させるステップと、
前記エネルギ蓄積素子を放電するため、前記スイッチ素子を第二の状態で動作させるステップと、
前記スイッチ素子が前記第一の状態にある場合と前記スイッチ素子が前記第二の状態にある場合との時間継続を調整することによって、前記LED光源を通る電流を制御するステップと、
前記第一の状態と前記第二の状態との両方の間、前記スイッチ素子の両端にかかる動作電圧を前記第一の出力電圧より低く保持するよう、前記第二の出力電圧を提供するステップとを備えるステップ
を特徴とする方法。
【請求項16】
前記エネルギ蓄積素子を充電するため、前記第一の電力供給ラインと基準ノードとを通して前記エネルギ蓄積素子の電流を流すステップと、
前記エネルギ蓄積素子を放電するため、前記第一の電力供給ラインと前記第二の電力供給ラインとを通して前記エネルギ蓄積素子の前記電流を流すステップとを更に備えること
を特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記エネルギ蓄積素子を充電するため、前記第一の電力供給ラインと基準ノードとを通じて前記エネルギ蓄積素子の電流を流すステップと、
前記エネルギ蓄積素子を放電するため、前記第二の電力供給ラインと前記基準ノードとを通して前記エネルギ蓄積素子の前記電流を流すステップとを更に備えること
を特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記エネルギ蓄積素子を充電するため、前記第一の電力供給ラインと前記第二の電力供給ラインとを通して前記エネルギ蓄積素子の電流を流すステップと、
前記エネルギ蓄積素子を放電するため、前記第一の電力供給ラインと基準ノードとを通して前記エネルギ蓄積素子の前記電流を流すステップとを更に備えること
を特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記エネルギ蓄積素子にはインダクタを備えるステップ
を特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記スイッチ素子にはトランジスタとダイオードとを備えるステップ
を特徴とする請求項15に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate