説明

光源装置および液晶表示装置

【課題】 光源ランプの装着および交換作業を容易に行うことができ、しかも電力ロスを小さくすることのできる光源装置および液晶表示装置を提供すること。
【解決手段】 本発明の光源装置は、各々、外部電極型希ガス放電ランプよりなり、両端部が支持された複数の直管状の光源ランプと反射体とを具えてなり、当該光源ランプの一端部に装着されたランプホルダによって外部電極の各々と導通する給電ピンが光源ランプと平行に他端に向かって突出する状態で固定されており、光源ランプが支持基板のランプ差込孔内に挿入されて一端部が当該ランプ差込孔によって支持された状態において、給電ピンが支持基板に設けられた給電用ソケットと結合され、光源ランプの給電接続が達成されていると共に光源ランプが固定されている。液晶表示装置は、上記光源装置がバックライト装置として用いられてなるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば液晶表示装置用のバックライト装置として用いられる光源装置および当該光源装置を具えた液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、例えば液晶表示装置のバックライト装置のある種のものにおいては、例えば冷陰極型蛍光ランプ(CCFL)が光源として用いられている(例えば特許文献1参照。)。 このような冷陰極型蛍光ランプは、例えば図9に示すように、直管状の発光管61を具え、この発光管61内の両端部位置において一対の電極62が対向配置されて構成されている。
発光管61の両端部には、筒状の絶縁性のキャップ63が取り付けられており、キャップ63を介してリード線65が導出されている。リード線65の先端には、例えば連続的高周波電圧またはパルス状高周波電圧を電極62に印加する電源装置67に接続された電気接続用のコネクタ66が取り付けられている。
【0003】
而して、このような冷陰極型蛍光ランプ60を光源ランプとして具えた光源装置を作製するに際しては、冷陰極型蛍光ランプ60は、例えば箱型形状の枠部材における平面状のランプ装着面に装着されるが、従来では、発光管61に取り付けられたキャップ63の外径に適合する筒状の受容部を有するランプ固定部材を用意し、この固定部材の受容部内に発光管61の両端のキャップ63をそれぞれ挿入した状態で固定し、このように発光管の両端部に固定された2つの固定部材を、ランプ装着面における所定位置に設けられた一対のソケットにはめ込むことにより当該光源ランプを位置決めした状態で保持すると共に、例えば固定ネジにより固定する方式が採用されている。
【特許文献1】特開2005−251425号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような光源ランプの装着構造では以下のような問題がある。
例えば光源ランプの交換が必要となった場合に、光源ランプが見える状態まで分解することが必要であると共に、2つの固定部材のねじ止めを解除することが必要とされるため、ランプ交換作業が極めて煩雑であり、手間がかかる。また、光源装置を作製する場合においても、工程数が多くなり、高い生産性を得ることができない、という問題がある。
さらに、光源ランプの両端部からリード線が導出された構成であることにより、リード線の取り回し距離が長くなるため、浮遊容量の増大による高周波電流のリークの問題を生じる場合があるばかりか、電力ロスが大きくなる、という問題がある。
【0005】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、光源ランプの装着および交換作業を容易に行うことのできる光源装置を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、電力ロスを小さくすることのできる光源装置を提供することである。
本発明の更に他の目的は、上記光源装置を具え、容易に製造することのできる液晶表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の光源装置は、複数の直管状の光源ランプがその両端が支持された状態で配置されると共に、当該光源ランプの背後に反射体が配置されてなる光源装置であって、
前記光源ランプは、内部に希ガスが封入された直管状の発光管と、当該発光管の内面に形成された蛍光体層と、発光管の外面において管軸方向に伸びるよう配設された一対の外部電極と、当該外部電極の各々と導通する一対の給電ピンとを具備する希ガス放電ランプよりなり、
当該光源ランプの一端部には、ランプホルダが装着されており、当該ランプホルダによって給電ピンが光源ランプと平行に当該光源ランプの他端に向かって突出して伸びる状態で固定されており、
光源ランプは、絶縁性材料からなる支持基板に形成されたランプ差込孔内に挿入されて、一端部が当該ランプ差込孔によって支持された状態において、給電ピンが支持基板に設けられた給電用ソケットと結合されて、光源ランプの給電接続が達成されていると共に光源ランプが固定されていることを特徴とする。
【0007】
本発明の光源装置においては、前記支持基板におけるランプ差込孔の各々に対応するランプ嵌合孔が形成された、前記支持基板に対向する対向支持基板を具え、
前記光源ランプの他端部が当該ランプ嵌合孔により支持された構成とすることができる。
【0008】
本発明の液晶表示装置は、上記の光源装置がバックライト装置として用いられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の光源装置によれば、光源ランプが支持基板に形成されたランプ差込孔に挿入されて一端部がランプ差込孔によって支持された状態において給電ピンが給電用ソケットに結合されることにより、給電接続を達成することができると共に光源ランプを固定することができるので、光源ランプを極めて容易に装着することができ、光源ランプの交換も容易に行うことができる。
しかも、光源ランプの片方の端部から外部電極に接続されたリード線が導出された構造とすることができるので、リード線を集約することができて取り回し距離を短くすることができる結果、従来の光源装置に比べて電気的ロスを小さく抑えることができる。
そして、このような光源装置によれば、容易に製造することができると共に、光源ランプの交換を容易に行うことのできる液晶表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の光源装置の一例における構成の概略を示す斜視図、図2は、図1に示す光源装置の断面図である。
この光源装置10は、複数のランプ差込孔12が形成された支持基板として機能する側壁11Aを含む矩形状の枠体11と、各々、ランプ差込孔12に外方側から挿入されて当該ランプ差込孔12によって一端部が支持された複数本の直管状の光源ランプ20と、光照射方向に対して光源ランプ20の背後に設けられた反射体15とを具えている。この実施例においては、例えば4本の光源ランプ20が互いに離間して並んだ位置において平行に延びるよう配設されており、それぞれ、他端部が対向支持基板として機能する側壁11Bに形成された、各々のランプ差込孔12に対応するランプ嵌合孔13に挿入され、このランプ嵌合孔13により支持されている。また、各々の光源ランプ20は、管軸方向における中央部付近において支持架台16によって支持されている。
そして、枠体11における光照射方向前方側の開口には、拡散板40、指向性制御シート41および拡散シート42が光照射方向に対してこの順に積重されて設けられている。ここに、拡散板40、指向性制御シート41および拡散シート42を構成する材質としては、従来より好適に用いられているものを例示することができる。
【0011】
光源ランプ20の各々は、外部電極型の希ガス放電ランプよりなり、図3および図4に示すように、例えばガラス管よりなる、両端部が封止された直管状の発光管21を具え、この発光管21の内表面の略全域にわたって蛍光体層22が形成されていると共に、発光管21の外表面に、各々、互いに平行に管軸方向に延びる一対の外部電極23が形成されており、発光管21の内部には、希ガスが封入されている。
【0012】
外部電極23は、例えばアルミニウムテープを幅1mmに切断したものが、発光管21の外表面におけるランプ中心軸を挟んだ対向位置に貼り付けられて構成されている。また、外部電極23は、例えば導電性ペーストをスクリーン印刷し、焼付けて形成したものであってもよい。
外部電極23は、その一端部がリード線25を介して導電性の良好な金属よりなる給電ピン24に電気的に接続されている。
【0013】
発光管21内に封入される希ガスとしては、例えばキセノンガスまたはキセノンと他の希ガスの混合ガスを例示することができ、その封入量は、例えば17kPaである。
【0014】
光源ランプ20の一端部には、絶縁性材料からなる筒状のキャップ26が外部電極23とリード線25との接合部を覆うよう取り付けられており、更に、例えば合成樹脂からなる略矩形箱状の絶縁性のランプホルダ27が嵌め合わされて装着され、一対の給電ピン24が、ランプホルダ27におけるランプ挿入部側の端面から光源ランプ20の他端に向かって光源ランプ20と平行に突出して延びる状態で、ランプホルダ27に固定された状態とされている。
ここで、外部電極23とリード線25の接点、リード線25と給電ピン24の接点及びリード線25はすべて、ランプホルダ27の内部に収容されてランプホルダ27の外部に露出しない状態とされており、これにより、枠体11に対して、良好な電気的絶縁性を確保することができる。また、ランプホルダ27の内部に絶縁性の樹脂が注入、充填された構成とすると、絶縁性が更に高まり好適である。
また、光源ランプ20の一端部が絶縁性のキャップ26によって被覆されていることにより、インバーターから電力供給が行われても、枠体11との絶縁を維持することができる。
【0015】
光源ランプ20の一構成例を示すと、例えば発光管21の材質は硬質ガラスであり、外径が8.0mm、肉厚が0.4mm、全長が500mmである。
【0016】
枠体11は、例えばポリカーボネイトなどの絶縁性材料よりなる白色の成形体により構成されている。
反射体15は、例えばポリプロピレン、ポリカーボネイトなどのプラスチックスよりなる、白色のシート体であって、枠体11の底面に敷設されている。
【0017】
枠体11における支持基板として機能する側壁11Aには、図5にも示すように、電源装置(図示省略)に電気的に接続されるプリント配線が一面上に形成された動作回路基板30が、一面が枠体11側に向いた状態で設けられており、この動作回路基板30の他面には、ランプ差込孔12とほぼ同形のランプ差込用の貫通孔32を有する給電用ソケット31が設けられている。給電用ソケット31の貫通孔32の周囲には、給電ピン24を受容する給電部33が設けられている。
【0018】
この光源装置10においては、光源ランプ20の一端部を支持する側壁11Aおよび他端部を支持する側壁11Bを含む枠体11および反射部材15が反射ユニットとして構成されており、一端部にランプホルダ27が装着された光源ランプ20が、他端側から反射ユニットを構成する枠体11における側壁11Aのランプ差込孔12に外方側から挿入されると共に枠体11における側壁11Bのランプ嵌合孔13に挿入され、光源ランプ20の一端部がランプ差込孔12によって支持されると共に他端部がランプ嵌合孔13によって支持された状態において、一対の給電ピン24が給電用ソケット31の給電部33に結合され、これにより、ランプホルダ27および光源ランプ20の回動が規制されると共に管軸方向の移動も規制されて光源ランプ20が位置決めされ、反射ユニットに固定される。また、光源ランプ20は、ランプ管軸方向における略中央部分が支持架台16によって支持されているため、発光管21にたわみが生ずることが抑制された安定した姿勢で固定された状態とされている。
この例においては、例えば図6に示すように、給電ピン24に係合溝24Aが形成されていると共に、給電部33内に係合バネなど、弾性を有する突起35が設けられており、これにより、給電ピン24の固定状態が安定し、ランプホルダ27と給電用ソケット31との結合信頼性が高くなる。
【0019】
而して、上記構成の光源装置10によれば、光源ランプ20が枠体11におけるランプ差込孔12に外方側から挿入されて一端部がランプ差込孔12によって支持されると共に他端部がランプ嵌合孔13によって支持された状態において、給電ピン24が給電用ソケット31に結合されることにより、給電接続が達成されると共に光源ランプ20が固定されるので、光源ランプ20を極めて容易に装着することができ、また、光源ランプ20の交換も容易に行うことができる。
しかも、ランプ点灯回路を構成するに際して、例えば図7に示すように、光源ランプ20の片方の端部からリード線51が導出されてリード線51が一方の端部に集約された状態で電源装置50に接続された構造とすることができるので、リード線51の取り回し距離を短くすることができる結果、例えば図9に示すような光源装置に比べて電気的ロスを小さく抑えることができる。
【0020】
以上のような光源装置10は、例えば液晶表示装置などにおけるバックライト装置として用いられる。例えば32インチの液晶表示装置のバックライト装置として用いられる場合には、例えば10本の光源ランプ20が用いられる。
以上の光源装置10によれば、容易に製造することができると共に光源ランプの交換作業を容易に行うことのできる液晶表示装置を提供することができる。
【0021】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
例えば、光源ランプの他端部の支持構造は、光源ランプの直線性が維持された状態で支持することが可能であれば、嵌合孔による構造に限定されるものではない。
光源ランプの数は、特に制限されるものではなく、目的に応じて適宜に変更することができる。
さらに、本発明に係る光源ランプとして用いられる希ガス放電ランプは、水銀が発光管内に封入されていないものであるので、例えば図8に示すように、光源ランプ20の管軸が垂直方向(図8において上下方向)に延びる姿勢で支持された構造(垂直点灯型)とすることが可能であり、このような構成のものであっても、光源ランプの所期の光照射特性を確実に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の光源装置の一例における構成の概略を示す斜視図である。
【図2】図1に示す光源装置の断面図である。
【図3】本発明の光源装置を構成する光源ランプの一例における構成の概略を示す斜視図である。
【図4】図3に示す光源ランプの断面図である。
【図5】図1に示す光源装置を構成する枠体の構成を示す斜視図である。
【図6】ランプホルダと給電用ソケットとの結合状態を概略的に示す断面図である。
【図7】本発明の光源装置におけるランプ点灯回路の構成を概略的に示す説明図である。
【図8】本発明の光源装置の他の構成例を概略的に示す斜視図である。
【図9】従来における光源装置において用いられる光源ランプの一例における構成の概略を示す説明図である。
【符号の説明】
【0023】
10 光源装置
11 枠体
11A 側壁
11B 側壁
12 ランプ差込孔
13 ランプ嵌合孔
15 反射体
16 支持架台
20 光源ランプ
21 発光管
22 蛍光体層
23 外部電極
24 給電ピン
24A 係合溝
25 リード線
26 キャップ
27 ランプホルダ
30 動作回路基板
31 給電用ソケット
32 貫通孔
33 給電部
35 突起
40 拡散板
41 指向性制御シート
42 拡散シート
50 電源装置
51 リード線
60 冷陰極型蛍光ランプ
61 発光管
62 電極
63 キャップ
65 リード線
66 コネクタ
67 電源装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の直管状の光源ランプがその両端が支持された状態で配置されると共に、当該光源ランプの背後に反射体が配置されてなる光源装置であって、
前記光源ランプは、内部に希ガスが封入された直管状の発光管と、当該発光管の内面に形成された蛍光体層と、発光管の外面において管軸方向に伸びるよう配設された一対の外部電極と、当該外部電極の各々と導通する一対の給電ピンとを具備する希ガス放電ランプよりなり、
当該光源ランプの一端部には、ランプホルダが装着されており、当該ランプホルダによって給電ピンが光源ランプと平行に当該光源ランプの他端に向かって突出する状態で固定されており、
光源ランプは、絶縁性材料からなる支持基板に形成されたランプ差込孔内に挿入されて、一端部が当該ランプ差込孔によって支持された状態において、給電ピンが支持基板に設けられた給電用ソケットと結合されて、光源ランプの給電接続が達成されていると共に光源ランプが固定されていることを特徴とする光源装置。
【請求項2】
前記支持基板におけるランプ差込孔の各々に対応するランプ嵌合孔が形成された、前記支持基板に対向する対向支持基板を具え、
前記光源ランプの他端部が当該ランプ嵌合孔により支持されていることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の光源装置がバックライト装置として用いられていることを特徴とする液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−109492(P2007−109492A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−298381(P2005−298381)
【出願日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(000102212)ウシオ電機株式会社 (1,414)
【Fターム(参考)】