説明

光源装置および照明装置

【課題】 固体光源と、回転軸の周りに回転可能な蛍光回転体とを有し、蛍光回転体から出射する光のスポットの大きさや形状を制御する光源装置を提供する。
【解決手段】 本発明の光源装置10は、固体光源5と、回転軸Xの周りに回転可能な蛍光回転体1とを有し、蛍光回転体1は、固体光源5からの励起光により励起される蛍光体層を備え、該蛍光体層は、蛍光回転体1の半径方向および円周方向にそれぞれ設けられている仕切り壁により、蛍光回転体1の半径方向および円周方向のそれぞれにおいて複数の領域に区切られており、光源装置10は、さらに、固体光源5と蛍光回転体1の回転軸Xとの距離を可変にする可変手段9を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源装置および照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
LED等の固体光源と蛍光体粉末を樹脂中に分散させた蛍光体層とを組み合わせた光源装置は広く普及しているが、近年では高輝度化が進み、一般照明や自動車のヘッドランプなどその応用範囲が広がってきている。このような光源装置は今後も高輝度化することで、さらに多様な用途での普及が進むと考えられている。
【0003】
ところで、LED等の固体光源と蛍光体層を使用した光源装置は、従来では、特許文献1に示されているような、パッケージ内に光半導体素子を実装し、これを蛍光体粉末を含んだ樹脂で封止する構造のものであった。このような光半導体素子と蛍光体層とを組み合わせた光源装置において、高輝度化を図るためには、光半導体素子に大電流を投入し励起光強度を強めることが考えられるが、この場合には、実際には、蛍光体層で多量の熱が発生し、樹脂成分の変色や蛍光体の温度消光による蛍光強度の低下が生じてしまうため、結果として発光強度は飽和、減少し、発光の高輝度化が困難であった。
【0004】
なお、ここで、蛍光体層内の樹脂成分の変色とは、樹脂成分が加熱され200℃程度以上になると変色してしまう現象のことである。すなわち、通常、蛍光体層は一定の形状に再現性良く形成するため、蛍光体粉末を樹脂成分と混練してペースト状に調製し、ディスペンサを用いた注入法や印刷法等を用いて塗布形成しており、この樹脂成分が加熱され200℃程度以上になると変色してしまう。樹脂成分は本来透明であるため、熱により変色が起きると励起光や蛍光の一部を吸収してしまい、高輝度化を妨げる要因となっていた。
【0005】
また蛍光体の温度消光とは、蛍光体を加熱すると蛍光強度が低下する現象のことである。温度消光により蛍光強度が低下すると、蛍光に変換されなかったエネルギーが熱となるため蛍光体の発熱量が増加し、さらに蛍光体の温度が上昇して温度消光が進み、蛍光強度もさらに低下するという現象が起きる。このため熱により発生する蛍光体の温度消光も高輝度化を妨げる要因となっていた。
【0006】
このような問題を解決するため、特許文献2に示されているような、固体光源と、蛍光体層が形成されているカラーホイール(以下、蛍光回転体という)とを組み合わせた光源装置が提案されている。図1、図2、図3、図4は、特許文献2に示されているような光源装置を示す図である。なお、図1は蛍光回転体の蛍光体層を反射型として使用している場合(以下、この形式の蛍光回転体を「反射型の蛍光回転体」という)の光源装置を示す図であり、図2は蛍光回転体の蛍光体層を透過型として使用している場合(以下、この形式の蛍光回転体を「透過型の蛍光回転体」という)の光源装置を示す図である。図1、図2において、符号5は固体光源であり、符号90は反射型の蛍光回転体、符号91は透過型の蛍光回転体である。また、図3は反射型の蛍光回転体90または透過型の蛍光回転体91の平面図であり、図3の例では、反射型の蛍光回転体90または透過型の蛍光回転体91には、蛍光体層として、3種類の蛍光体層領域(例えば赤色蛍光体層領域92a、緑色蛍光体層領域92b、青色蛍光体層領域92c)が蛍光回転体の円周方向に区分されて形成されている。また、図4は図3のB−B線における断面図であり、反射型の蛍光回転体90または透過型の蛍光回転体91は、基板94上に、例えば赤色蛍光体層領域92a、緑色蛍光体層領域92b、青色蛍光体層領域92cが形成されたものとなっている。ここで、反射型の蛍光回転体90では、基板94には反射面を有するものが用いられ、透過型の蛍光回転体91では、基板94には透明なものが用いられる。また、図3の例では、固体光源5に励起光として紫外光を出射するものを用いることにより、赤色蛍光体層領域92a、緑色蛍光体層領域92b、青色蛍光体層領域92cの回転で、赤色、緑色、青色の蛍光が順次に繰り返し励起され、これらの混色によって白色光を得ることができる。
【0007】
このような蛍光回転体90または91を用いるときには、固体光源5から高出力の励起光を照射した場合でも蛍光体層は回転しているため、同じ部分が励起されている時間が短いため発熱が抑えられ、光が別の場所に当たっている間にその熱は放散される。したがって、蛍光体層内で励起光照射により局所的に多量の熱が発生することを抑えられるため、樹脂成分の変色や蛍光体の温度消光を抑えることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第3825318号公報
【特許文献2】特表2009−539219号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献2に示されているような上述した光源装置では、蛍光体層(例えば、蛍光回転体90または91の円周方向に区分された蛍光体層領域92a)内での発光の一部は図5に示すように蛍光体層(例えば、蛍光回転体90または91の円周方向に区分された蛍光体層領域92a)内を導波するため、蛍光回転体90または91から出射する光のスポット径は、非常に大きなものとなり、かつ、その大きさは、使用する蛍光体の性質によって決まるため、制御不可能なものであった。
【0010】
光源とレンズや反射鏡を組合せた照射・照明装置の設計においては、レンズ等による光源の拡大照射を利用するため、光源(光のスポット)の形状や大きさは非常に重要な要素になることが知られている。
【0011】
従って、前記蛍光回転体を用いた光源装置を利用する照明装置においても、蛍光回転体から出射する光のスポット径や形状など、光源の大きさや形状は重要な要素になり、これを制御することが当業者に所望されていた。
【0012】
本発明は、固体光源と、回転軸の周りに回転可能な蛍光回転体とを有する光源装置において、蛍光回転体から出射する光のスポットの大きさや形状を制御することの可能な光源装置および照明装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、紫外光から可視光までの波長領域のうちの所定の波長の光を発光する固体光源と、回転軸の周りに回転可能な蛍光回転体とを有する光源装置であって、該蛍光回転体は、前記固体光源からの励起光により励起され前記固体光源の発光波長よりも長波長の蛍光を発光する少なくとも1種類の蛍光体を含む蛍光体層を備え、該蛍光体層は、前記蛍光回転体の半径方向および円周方向にそれぞれ設けられている仕切り壁により、前記蛍光回転体の半径方向および円周方向のそれぞれにおいて複数の領域に区切られており、前記光源装置は、さらに、前記固体光源と前記蛍光回転体の回転軸との距離を可変にする可変手段を有していることを特徴としている。
【0014】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の光源装置において、前記仕切り壁により区切られた前記複数の領域は、その面積および/または形状が、前記蛍光回転体の半径方向で異なることを特徴としている。
【0015】
また、請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の光源装置において、前記仕切り壁は光反射性を有していることを特徴としている。
【0016】
また、請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の光源装置において、前記仕切り壁の高さは、前記蛍光体層の高さよりも高いことを特徴としている。
【0017】
また、請求項5記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の光源装置において、前記可変手段は、前記蛍光回転体を該蛍光回転体の回転軸と直交する方向に移動させる移動手段であることを特徴としている。
【0018】
また、請求項6記載の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の光源装置が用いられていることを特徴とする照明装置である。
【発明の効果】
【0019】
請求項1乃至請求項6記載の発明によれば、紫外光から可視光までの波長領域のうちの所定の波長の光を発光する固体光源と、回転軸の周りに回転可能な蛍光回転体とを有する光源装置であって、該蛍光回転体は、前記固体光源からの励起光により励起され前記固体光源の発光波長よりも長波長の蛍光を発光する少なくとも1種類の蛍光体を含む蛍光体層を備え、該蛍光体層は、前記蛍光回転体の半径方向および円周方向にそれぞれ設けられている仕切り壁により、前記蛍光回転体の半径方向および円周方向のそれぞれにおいて複数の領域に区切られており、前記光源装置は、さらに、前記固体光源と前記蛍光回転体の回転軸との距離を可変にする可変手段を有しているので、蛍光回転体から出射する光のスポットの大きさや形状を制御することができる。
【0020】
特に、請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の光源装置において、前記仕切り壁により区切られた前記複数の領域は、その面積および/または形状が、前記蛍光回転体の半径方向で異なるので、可変手段によって前記蛍光回転体を該蛍光回転体の回転軸と直交する方向に移動させることにより、蛍光回転体から出射する光のスポットの大きさや形状を変えることができる。
【0021】
また、請求項3記載の発明では、請求項1または請求項2記載の光源装置において、前記仕切り壁は光反射性を有しているので、仕切り壁に吸収される励起光を少なくし、光源としての光度を上げることができる。
【0022】
また、請求項4記載の発明では、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の光源装置において、前記仕切り壁の高さは、前記蛍光体層の高さよりも高いので、レンズ系への励起光、蛍光の入射効率を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】従来の光源装置を示す図である。
【図2】従来の光源装置を示す図である。
【図3】従来の光源装置を示す図である。
【図4】従来の光源装置を示す図である。
【図5】従来の光源装置の問題点を説明するための図である。
【図6】本発明の光源装置の一構成例を示す図である。
【図7】図6の光源装置に用いられる蛍光回転体の一例を示す図である。
【図8】移動手段の一例を示す図である。
【図9】本発明の光源装置の他の構成例を示す図である。
【図10】図9の光源装置に用いられる蛍光回転体の一例を示す図である。
【図11】移動手段の一例を示す図である。
【図12】蛍光回転体の他の例を示す図である。
【図13】移動手段の他の例を示す図である。
【図14】本発明の光源装置を用いた照明装置の一構成例を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
本発明の光源装置は、紫外光から可視光までの波長領域のうちの所定の波長の光を発光する固体光源と、回転軸の周りに回転可能な蛍光回転体とを有する光源装置であって、該蛍光回転体は、前記固体光源からの励起光により励起され前記固体光源の発光波長よりも長波長の蛍光を発光する少なくとも1種類の蛍光体を含む蛍光体層を備え、該蛍光体層は、前記蛍光回転体の半径方向および円周方向にそれぞれ設けられている仕切り壁により、前記蛍光回転体の半径方向および円周方向のそれぞれにおいて複数の領域に区切られており、前記光源装置は、さらに、前記固体光源と前記蛍光回転体の回転軸との距離を可変にする可変手段を有していることを特徴としている。
【0026】
図6は、本発明の光源装置の一構成例を示す図である。図6を参照すると、この光源装置10は、紫外光から可視光までの波長領域のうちの所定の波長の光を発光する固体光源5と、回転軸Xの周りに回転可能な(モーター4によって回転する)蛍光回転体1とを備えている。なお、図6の光源装置10では、蛍光回転体1が反射型のもの(反射型蛍光回転体)として構成され、固体光源5からの励起光によって励起された蛍光体層の各領域からの発光のうち固体光源5側に出射する光(反射光)を用いるようになっている。
【0027】
図7(a),(b)には、蛍光回転体1の一例が示されている。なお、図7(a)は蛍光回転体1の平面図、図7(b)は図7(a)蛍光回転体1のC−C線における断面図である。図7(a),(b)を参照すると、この蛍光回転体1は、基板6と、固体光源5からの励起光により励起され固体光源5の発光波長よりも長波長の蛍光を発光する少なくとも1種類の蛍光体を含む蛍光体層2とを備え、該蛍光体層2は、基板6の複数の凹部7内に形成されている。より詳細には、蛍光体層2は、蛍光回転体1の半径方向および円周方向にそれぞれ設けられている仕切り壁3(基板6に設けられている仕切り壁3(例えば、光反射性の仕切り壁3))により、蛍光回転体1の半径方向および円周方向のそれぞれにおいて複数の領域に区切られている。
【0028】
なお、蛍光体層2の各領域は、固体光源5からの励起光により励起され固体光源5の発光波長よりも長波長の蛍光を発光する少なくとも1種類の蛍光体を含んでいる。具体的には、固体光源5が紫外光を発光するものである場合、蛍光体層2の各領域は、例えば、青、緑、赤色などの蛍光体のうち、少なくとも1種類の蛍光体を含んでいる。固体光源5が紫外光を発光するものである場合、蛍光体層2の各領域が、例えば、青、緑、赤色の蛍光体を含んでいるときには(青、緑、赤色の蛍光体のそれぞれが例えば均一に分散されて混合されたものとなっているときには)、固体光源5からの紫外光を蛍光体層2の各領域に照射するとき、反射光として白色の照明光を得ることができる。また、固体光源5が可視光として青色光を発光するものである場合、蛍光体層2の各領域は、例えば、緑、赤、黄色などの蛍光体のうち、少なくとも1種類の蛍光体を含んでいる。固体光源5が可視光として青色光を発光するものである場合、蛍光体層2の各領域が、例えば、緑、赤色の蛍光体を含んでいるときには(緑、赤色の蛍光体のそれぞれが例えば均一に分散されて混合されたものとなっているときには)、固体光源5からの青色光を蛍光体層2の各領域に照射するとき、反射光として白色などの照明光を得ることができる。また、固体光源5が可視光として青色光を発光するものである場合、蛍光体層2の各領域が、例えば、黄色の蛍光体だけを含んでいるときには、固体光源5からの青色光を蛍光体層2の各領域に照射するとき、反射光として白色などの照明光を得ることができる。
【0029】
また、図7(a),(b)の例では、仕切り壁3により区切られた蛍光体層2の複数の領域の面積が、蛍光回転体1の半径方向で異なっている。すなわち、図7(a),(b)の例では、仕切り壁3により区切られた蛍光体層2の複数の領域の面積は、蛍光回転体1の外周部分で大きく、中心に向かうに従って小さくなっている。また、図7(a),(b)の例では、蛍光回転体1の円周方向では(蛍光回転体1の同心円上では)、仕切り壁3により区切られた蛍光体層2の複数の領域の面積は、等しくなっている。なお、照明装置として使用した時に時間的な配光の変化として認知できない場合は、蛍光回転体1の同心円上での蛍光体層2の複数の領域の面積は等しくなくても良い。
【0030】
また、基板6は、蛍光回転体1が反射型の蛍光回転体として構成されていることから、光反射性(あるいは光反射面)を有する材料(例えば金属など)で形成されている。すなわち、この光源装置10では、蛍光回転体1が反射型の蛍光回転体として構成されていることから、蛍光体層2の面のうち固体光源5からの励起光が入射する側の面とは反対側に設けられた基板6の反射面や光反射性の仕切り壁3による反射を用いて、蛍光、励起光を取り出すようになっている。
【0031】
また、図6を参照すると、この光源装置10には、固体光源5と蛍光回転体1の回転軸Xとの距離を可変にする(変化させる)可変手段9が設けられている。
【0032】
固体光源5と蛍光回転体1の回転軸Xとの距離を可変にする(変化させる)可変手段9としては、固体光源5が固定されている場合、蛍光回転体1を蛍光回転体1の回転軸Xと直交する方向に移動させる移動手段を利用することができる。ここで、移動手段としては、図8に示すように、モーター12の回転を直線運動に変えるラックアンドピニオン機構13を用いた一般的なものが使用可能である。
【0033】
このような構成では、上記可変手段(移動手段)9により蛍光回転体1を蛍光回転体1の回転軸Xと直交する方向に(すなわち、蛍光回転体1の半径方向に)移動させ、固体光源5からの励起光の照射位置を蛍光回転体1の半径方向で任意の位置に設定することができる。つまり、固体光源5からの励起光の照射位置を蛍光回転体1の半径方向のどの位置に設定するかによって、蛍光回転体1上の蛍光体層2の半径方向のどの位置の領域を励起するかが決まり、このようにして決められた蛍光体層2の半径方向の所定位置の領域の面積(すなわち、蛍光体層2の半径方向の所定位置の仕切り壁3によって区切られた領域の面積)に対応した蛍光が発光することになる。図7(a),(b)に示した蛍光回転体1では、可変手段(移動手段)9によって蛍光回転体1の外周付近にある蛍光体層2の領域に固体光源5からの励起光の照射位置を合わせれば、面積の大きな(スポット径の大きな)光スポットを蛍光回転体1からの反射光として得ることができ、また、これとは逆に、蛍光回転体1の中心付近にある蛍光体層2の領域に固体光源5からの励起光の照射位置を合わせれば、面積の小さな(スポット径の小さな)光スポットを蛍光回転体1からの反射光として得ることができる。なお、この際、固体光源5からの励起光の蛍光回転体1上での照射面積(照射スポット径)は、蛍光体層2の面積の一番小さな領域(図7(a),(b)の例では、蛍光回転体1の一番中心付近にある蛍光体層2の領域)の面積と同程度か、それよりも小さいものに設定されている。
【0034】
図9は、本発明の光源装置の他の構成例を示す図である。なお、図9において、図6と同様の箇所あるいは対応する箇所には同じ符号を付している。図9を参照すると、この光源装置30は、固体光源5と、回転軸Xの周りに回転可能な(モーター4によって回転する)蛍光回転体41とを備えている。なお、図9の光源装置30では、蛍光回転体41が透過型のもの(透過型蛍光回転体)として構成され、固体光源5からの励起光によって励起された蛍光体層の各領域からの発光のうち固体光源5側とは反対側に出射する光(透過光)を用いるようになっている。
【0035】
図10(a),(b)には、蛍光回転体41の一例が示されている。なお、図10(a)は蛍光回転体41の平面図、図10(b)は図10(a)蛍光回転体41のC−C線における断面図である。図10(a),(b)を参照すると、この蛍光回転体41は、基板46と、固体光源5からの励起光により励起され固体光源5の発光波長よりも長波長の蛍光を発光する少なくとも1種類の蛍光体を含む蛍光体層2とを備え、該蛍光体層2は、基板46の複数の凹部47内に形成されている。より詳細には、蛍光体層2は、蛍光回転体41の半径方向および円周方向にそれぞれ設けられている仕切り壁3(基板46に設けられている仕切り壁3(例えば、光反射性の仕切り壁3))により、蛍光回転体41の半径方向および円周方向のそれぞれにおいて複数の領域に区切られている。
【0036】
なお、蛍光体層2の各領域は、固体光源5からの励起光により励起され固体光源5の発光波長よりも長波長の蛍光を発光する少なくとも1種類の蛍光体を含んでいる。具体的には、固体光源5が紫外光を発光するものである場合、蛍光体層2の各領域は、例えば、青、緑、赤色などの蛍光体のうち、少なくとも1種類の蛍光体を含んでいる。固体光源5が紫外光を発光するものである場合、蛍光体層2の各領域が、例えば、青、緑、赤色の蛍光体を含んでいるときには(青、緑、赤色の蛍光体のそれぞれが例えば均一に分散されて混合されたものとなっているときには)、固体光源5からの紫外光を蛍光体層2の各領域に照射するとき、透過光として白色の照明光を得ることができる。また、固体光源5が可視光として青色光を発光するものである場合、蛍光体層2の各領域は、例えば、緑、赤、黄色などの蛍光体のうち、少なくとも1種類の蛍光体を含んでいる。固体光源5が可視光として青色光を発光するものである場合、蛍光体層2の各領域が、例えば、緑、赤色の蛍光体を含んでいるときには(緑、赤色の蛍光体のそれぞれが例えば均一に分散されて混合されたものとなっているときには)、固体光源5からの青色光を蛍光体層2の各領域に照射するとき、透過光として白色などの照明光を得ることができる。また、固体光源5が可視光として青色光を発光するものである場合、蛍光体層2の各領域が、例えば、黄色の蛍光体だけを含んでいるときには、固体光源5からの青色光を各蛍光体層2に照射するとき、透過光として白色などの照明光を得ることができる。
【0037】
また、図10(a),(b)の例では、仕切り壁3により区切られた蛍光体層2の複数の領域の面積が、蛍光回転体41の半径方向で異なっている。すなわち、図10(a),(b)の例では、仕切り壁3により区切られた蛍光体層2の複数の領域の面積は、蛍光回転体41の外周部分で大きく、中心に向かうに従って小さくなっている。また、図10(a),(b)の例では、蛍光回転体41の円周方向では(蛍光回転体41の同心円上では)、仕切り壁3により区切られた蛍光体層2の複数の領域の面積は、等しくなっている。なお、照明装置として使用した時に時間的な配光の変化として認知できない場合は、蛍光回転体41の同心円上での蛍光体層2の複数の領域の面積は等しくなくても良い。
【0038】
また、基板46は、蛍光回転体41が透過型の蛍光回転体として構成されていることから、仕切り壁3以外は、透明な材料(例えば石英ガラス)で形成されている。
【0039】
また、図9を参照すると、この光源装置30には、固体光源5と蛍光回転体41の回転軸Xとの距離を可変にする(変化させる)可変手段9が設けられている。
【0040】
固体光源5と蛍光回転体41の回転軸Xとの距離を可変にする(変化させる)可変手段9としては、固体光源5が固定されている場合、蛍光回転体41を蛍光回転体41の回転軸Xと直交する方向に移動させる移動手段を利用することができる。ここで、移動手段としては、図11に示すように、モーター12の回転を直線運動に変えるラックアンドピニオン機構13を用いた一般的なものが使用可能である。
【0041】
このような構成では、上記可変手段(移動手段)9により蛍光回転体41を蛍光回転体41の回転軸Xと直交する方向に(すなわち、蛍光回転体41の半径方向に)移動させ、固体光源5からの励起光の照射位置を蛍光回転体41の半径方向で任意の位置に設定することができる。つまり、固体光源5からの励起光の照射位置を蛍光回転体41の半径方向のどの位置に設定するかによって、蛍光回転体41上の蛍光体層2の半径方向のどの位置の領域を励起するかが決まり、このようにして決められた蛍光体層2の半径方向の所定位置の領域の面積(すなわち、蛍光体層2の半径方向の所定位置の仕切り壁3によって区切られた領域の面積)に対応した蛍光が発光することになる。図10(a),(b)に示した蛍光回転体41では、可変手段(移動手段)9によって蛍光回転体41の外周付近にある蛍光体層2の領域に固体光源5からの励起光の照射位置を合わせれば、面積の大きな(スポット径の大きな)光スポットを蛍光回転体41からの透過光として得ることができ、また、これとは逆に、蛍光回転体41の中心付近にある蛍光体層2の領域に固体光源5からの励起光の照射位置を合わせれば、面積の小さな(スポット径の小さな)光スポットを蛍光回転体41からの透過光として得ることができる。なお、この際、固体光源5からの励起光の蛍光回転体41上での照射面積(照射スポット径)は、蛍光体層2の面積の一番小さな領域(図10(a),(b)の例では、蛍光回転体41の一番中心付近にある蛍光体層2の領域)の面積と同程度か、それよりも小さいものに設定されている。
【0042】
図6の光源装置10、図9の光源装置30において、固体光源5には、紫外光から可視光領域に発光波長をもつ発光ダイオードや半導体レーザーなどが使用可能である。
【0043】
より具体的に、固体光源5には、例えば、InGaN系の材料を用いた発光波長が約380nmの近紫外光を発光する発光ダイオードや半導体レーザーなどを用いることができる。この場合、蛍光回転体1、41の蛍光体層2の各領域の蛍光体としては、波長が約380nmないし約400nmの紫外光により励起されるものとして、例えば、赤色蛍光体には、CaAlSiN:Eu2+、CaSi:Eu2+、LaS:Eu3+、KSiF:Mn4+、 KTiF:Mn4+等を用いることができ、緑色蛍光体には、(Si,Al)(O,N):Eu2+、BaMgAl1017:Eu2+,Mn2+、(Ba,Sr)SiO:Eu2+等を用いることができ、青色蛍光体には、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(POl2:Eu2+、BaMgAl1017:Eu2+、LaAl(Si,Al)(N,O)10:Ce3+等を用いることができる。
【0044】
また、固体光源5には、例えば、GaN系の材料を用いた発光波長が約460nmの青色光を発光する発光ダイオードや半導体レーザーなどを用いることができる。この場合、蛍光回転体1、41の蛍光体層2の各領域の蛍光体としては、波長が約440nmないし約470nmの青色光により励起されるものとして、例えば、赤色蛍光体には、CaAlSiN:Eu2+、CaSi:Eu2+、KSiF:Mn4+、KTiF:Mn4+等を用いることができ、緑色蛍光体には、Y(Ga,Al)12:Ce3+、CaScSi12:Ce3+、CaSc:Eu2+、(Ba,Sr)SiO:Eu2+、BaSi12:Eu2+、(Si,Al)(O,N):Eu2+等を用いることができる。また、波長が約440nmないし約470nmの青色光により励起されるものとして、例えば、YAl12:Ce3+ (YAG)、(Sr,Ba)SiO:Eu2+、Ca(Si,Al)12(O,N)16:Eu2+等の黄色蛍光体を用いることができる。
【0045】
そして、前述のように、蛍光体層2の各領域は、固体光源5が例えば紫外光を出射するものであるか青色光を出射するものであるかに応じて、あるいは、何色の照明光を得たいかなどに応じて、これらの蛍光体を1種類だけ用いたものでも良いし、複数種類を組み合わせて(複数種類を均一に分散混合させて)用いたものでも良い。また、蛍光体の粒径は、1μm〜30μmの範囲が望ましい。これは、蛍光体の粒径が1μm以下では蛍光体の発光効率が低下し、蛍光体の粒径が30μm以上では封止母材中の蛍光体の分散具合が不均一になるためである。
【0046】
また、蛍光体層2の各領域としては、樹脂中に蛍光体粉末をガラス中に分散させたもの、蛍光体粉末をガラス中に分散させたもの、蛍光体の単結晶や多結晶のセラミックスを用いることが出来る。
【0047】
樹脂としては、エポキシ樹脂やシリコーン樹脂、シリコーンエポキシ樹脂、フッ素樹脂などが使用可能である。この中でも、透明で且つ熱や光に対する信頼性が高く、基板との接着性も良いシリコーン樹脂の使用が望ましい。樹脂を使用した蛍光体層を形成する方法には、平板を作製してから基板に貼り付ける方法と、基板上に直接蛍光体層を形成する方法の2種類がある。平板の製造方法は、まず樹脂中に1種類以上の蛍光体粉末を5〜80重量%の比率で攪拌脱法機や三本ロール機を使用して混合し、ペーストを作成する。次に平板状の凹部を備える型にペーストを注入や印刷機による印刷により充填し、加熱硬化させる。硬化後型から取出し、任意の形状に切断することにより、平板状の蛍光体層を形成することが可能である。この平板状蛍光体層を基板上の壁で分離されたセクションへ樹脂自身のタック性を利用して、もしくは別途接着用の樹脂を使用して張り付けることにより、基板状に蛍光体層を作製することができる。基板上へ直接蛍光体層を形成する場合には、先に述べたのと同じ方法で作製したペーストを壁で区切られたセクションに直接注入し、基板ごと加熱硬化させることで作製することが可能である。
【0048】
また、ガラスとしては、低融点ガラスと呼ばれる融点が600℃以下のものが望ましい。これは、溶融したガラス中に蛍光体粉末を分散させて使用するため、融点が高いものでは蛍光体が劣化してしまうためである。このようなガラスの組成としては、主成分としてP、SiO、B、Alなどの成分とアルカリ金属やアルカリ土類金属の酸化物の成分を含むガラスが挙げられる。さらにBiやTaなどの重金属の成分を含んでいても良い。また窒素を組成に含むガラスも使用可能である。
【0049】
ガラスを使用した蛍光体層を形成する方法にも、ガラスの平板を作成してから基板に貼り付ける方法と、基板上に直接蛍光体層を形成する方法の2種類がある。まず、蛍光体層と基板を貼り付ける場合について説明する。はじめにガラス板の作製方法であるが、封止母材であるガラスの原料粉末を目的の組成比となるように秤量する。次に、1種類以上の蛍光体、例えば緑色と赤色の2種類の蛍光体粉末を秤量し、先ほどのガラス原料と十分に混合する。次に、この原料をるつぼに投入し、ガラスの融点以上で過熱し、溶融させる。この溶融したガラスを板状に拡げつつ冷却することで、ガラス板を作成することができる。作成されたガラスは、目的の形状に切断し、平板状の基板と接着する。ガラスと基板の接着部材としては、有機樹脂や有機接着剤、無機接着剤、ガラス、コバールなどの金属が使用可能である。次に、基板に直接蛍光体層を形成する場合について説明する。溶融したガラスを作製する工程までは先ほどと同じであるが、その溶融したガラスを基板の壁で区切られたセクションに注ぎ込み、冷却硬化させることで作製が可能である。
【0050】
また、セラミックスとしては、半透明や透明の樹脂成分を実質的に含まない焼結体が使用可能である。これらの中でも、透明な蛍光体セラミックスを使用することが望ましい。これは、焼結体中に光の散乱の原因となるポアや粒界の不純物がほとんど存在しないために透明になった蛍光体セラミックスである。ポアや不純物は熱拡散を妨げる原因にもなるため、透明セラミックスは高い熱伝導率を示す。このため、蛍光体層として利用した場合には励起光や蛍光を拡散により失うことなく蛍光体層から取り出して利用でき、さらに蛍光体層で発生した熱を効率良く放散することができる。半透明のセラミックスでも、できるだけポアや不純物の少ないものが望ましい。ポアの残存量を評価する指標としては蛍光体セラミックスの比重の値を用いることができ、その値が計算される理論値に対して95%以上のものが望ましい。このセラミックスを平板状へ加工し、基板へ樹脂、ガラス、金属などを使用して接合することで、基板上へ蛍光体層を形成することができる。
【0051】
また、図6の光源装置10において、基板6には、金属や酸化物セラミックス、非酸化セラミックスなどが使用可能であるが、光反射率が高く、加工の容易な金属基板が望ましい。使用可能な材質は、金属基板としてはAl、Ag、Cu、Fe、Ni、Ti、Mo、Wなどの単体や合金が挙げられ、セラミックスとしてはAl、ZrO、MgO、Yなどが挙げられる。また、セラミックスの基板表面に金属膜を形成してもよい。また、図6の光源装置10において、基板6の形状は、図7(a),(b)のように仕切り壁3を備えるものであり、その仕切り壁3によって複数の分離された蛍光体層2の領域を形成している。一例としては図7(a),(b)に示すように、同心円状と中心に向かう直線状の仕切り壁3によって、蛍光回転体1の同心円上では蛍光体層2の各領域の面積が等しいが、半径方向では外周部分で蛍光体層2の領域の面積が大きく、中心に向かうに従って蛍光体層2の領域の面積が小さくなるように配置することができる。
【0052】
このような基板6は、金属基板であれば平板の切削やエッチング、冷間鍛造などにより、セラミックスであれば平板の切削や、焼成前の材料を目的の形状に成形し、その後に焼成することで製造可能である。
【0053】
また、図9の光源装置30において、基板46には、例えばガラス板と、仕切り壁3として機能する所定の領域に対応する開口部を有するアルミ板を貼り合せたものを用いることができる。
【0054】
図6の光源装置10、図9の光源装置30において、図7(a),(b)、図10(a),(b)の例では、仕切り壁3により区切られた蛍光体層2の複数の領域は、面積が蛍光回転体1、41の半径方向で異なっているが、面積のかわりに、形状が蛍光回転体1、41の半径方向で異なっているものにすることもできる。すなわち、図7(a),(b)、図10(a),(b)の例では、仕切り壁3により区切られた蛍光体層2の複数の領域は、面積が蛍光回転体1、41の半径方向で異なるが、相似形となっている。本発明では、蛍光体層2の各領域は相似形である必要はなく、蛍光回転体1、41の半径方向に対して、例えば円形から四角形に連続的に変化を持たせたような形状で蛍光体層2の各領域を配置しても良い。このようにすることにより、蛍光回転体1、41からの光スポットの形状、つまり拡大投影した時の照射形状を円形から四角形に連側的に変化させることができる。また、この時、蛍光回転体1、41の半径方向に対して、蛍光体層2の各領域の形状のみでなく、面積をも変化させれば、さらに多様な形状・大きさの光スポットを得ることができる。このように、本発明では、仕切り壁3により区切られた蛍光体層2の複数の領域は、その面積および/または形状が、蛍光回転体1、41の半径方向で異なっている。
【0055】
以上のように、本発明では、仕切り壁3で蛍光体層2の各領域を囲むことにより、蛍光体層内の導波を防ぎ、蛍光回転体1、41からの光のスポット径が大きくなるのを防止することができる。
【0056】
さらに、図6の光源装置10、図9の光源装置30において(図7(a),(b)、図10(a),(b)の構成において)、仕切り壁3は光反射性を有していることが好ましい。これは仕切り壁に吸収される励起光を少なくし、光源としての光度を上げるためである。
【0057】
また、図6の光源装置10、図9の光源装置30において(図7(a),(b)、図10(a),(b)の構成において)、仕切り壁3は光スポットの大きさや形状を制御するために利用可能である。本発明では、蛍光体層2の各領域の面積や形状が光スポットの大きさや形状を決めるので、得たい光スポットの大きさや形状に対応させて仕切り壁3を配置すれば良いことになる。
【0058】
また、図7(a),(b)、図10(a),(b)の構成において、上述の例では、蛍光体層2の各領域はすべて同じ組成のものであるとしたが(すなわち、すべて同じ発光色を示すものであるとしたが)、蛍光体層2の円周方向の各領域ごとに例えばRGBのように異なる組成のものにしても良い(すなわち、蛍光体層2の円周方向の各領域ごとに異なる発光色を示すものでも良い)。すなわち、この場合、蛍光体層2の円周方向の各領域ごとに発光色が違っても、十分に速い蛍光回転体1、41の回転により同心円上に配置された複数の発光色の加法混色として観察される。例えばRGBの発光色を示す蛍光体層2の各領域を同心円上で同じ数ずつ配置すれば、加法混色の結果、白色光として観察される。
【0059】
また、図7(a),(b)の反射型蛍光回転体1の構成では、仕切り壁3の高さが蛍光体層2の高さと同じになっているが、図12(a),(b)に示すように、仕切り壁3の高さを蛍光体層2の高さよりも高くすることができる。
【0060】
図12(a),(b)の構成のように、反射型蛍光回転体1の仕切り壁3の高さを蛍光体層2の高さよりも高くすることにより、図7(a),(b)の構成に比べて、励起光、蛍光の発散(反射型蛍光回転体1からの反射光の発散)を抑えることができ、後述のような照明装置に適用するとき、レンズ系への励起光、蛍光の入射効率を上げることができる。
【0061】
また、上述した例では、図8、図11に示したように、蛍光回転体1、41を回転軸Xと直交する方向に移動させる移動手段として、モーター12とラックアンドピニオン機構13を用いたが、移動手段としては、モーター12とラックアンドピニオン機構13に限らず、蛍光回転体1、41を回転軸Xと直交する方向に移動させるものであれば、任意の機構を用いることができる。例えば、図13に示すように、移動手段としては、モーター37と、モーター37に取り付けられた回転アーム38とを備え、回転アーム38上のモーター37とは反対側に、蛍光回転体1、41と蛍光回転体回転用のモーター4を搭載した構成にすることもできる。図13の構成では、回転アーム38の矢印Rの方向への動きに従って蛍光回転体1、21を回転軸Xと直交する方向に移動させている(なお、図8、図11の構成では、蛍光回転体1、41を直線移動させるのに対して、図13の構成では、蛍光回転体1、41が円弧上を動く点で、相違している)。
【0062】
本発明の光源装置は、蛍光回転体1、41と固体光源5の位置関係を可変にすることにより、蛍光回転体1、41からの光スポットの大きさや形状を変化させることができ、さらに、本発明の光源装置をレンズ系などと組合せれば、配光の制御が可能な照明装置を得ることができる。
【0063】
図14は、上述した光源装置(10、30)を用いた照明装置の一構成例を示す図である。図14の照明装置は、照明装置外郭を形作るケース82と、ケース82内に格納された光源装置(10、30)と、光源装置(10、30)からの光を前方に所定の配光特性を持って照射するレンズ系83とにより構成されている。
【0064】
図14のような照明装置では、光源装置(10、30)からの光スポットの大きさや形状を変化させることができるので、照明装置の照明スポット面積などを可変にできるなど、配光の制御が可能な照明装置を提供ことができる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、照明一般などに利用可能である。
【符号の説明】
【0066】
1、41 蛍光回転体
2 蛍光体層
3 仕切り壁
4 モーター
5 固体光源
6、46 基板
9 可変手段
10、30 光源装置
82 ケース
83 レンズ系

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外光から可視光までの波長領域のうちの所定の波長の光を発光する固体光源と、回転軸の周りに回転可能な蛍光回転体とを有する光源装置であって、該蛍光回転体は、前記固体光源からの励起光により励起され前記固体光源の発光波長よりも長波長の蛍光を発光する少なくとも1種類の蛍光体を含む蛍光体層を備え、該蛍光体層は、前記蛍光回転体の半径方向および円周方向にそれぞれ設けられている仕切り壁により、前記蛍光回転体の半径方向および円周方向のそれぞれにおいて複数の領域に区切られており、前記光源装置は、さらに、前記固体光源と前記蛍光回転体の回転軸との距離を可変にする可変手段を有していることを特徴とする光源装置。
【請求項2】
請求項1記載の光源装置において、前記仕切り壁により区切られた前記複数の領域は、その面積および/または形状が、前記蛍光回転体の半径方向で異なることを特徴とする光源装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の光源装置において、前記仕切り壁は光反射性を有していることを特徴とする光源装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の光源装置において、前記仕切り壁の高さは、前記蛍光体層の高さよりも高いことを特徴とする光源装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の光源装置において、前記可変手段は、前記蛍光回転体を該蛍光回転体の回転軸と直交する方向に移動させる移動手段であることを特徴とする光源装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の光源装置が用いられていることを特徴とする照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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