説明

光源装置および電子機器

【課題】搭載基板の熱伝導性を優れたものとしつつ、温度変化に伴う搭載基板の反りを防止することができる光源装置、および、かかる光源装置を備える電子機器を提供すること。
【解決手段】本発明の光源装置1は、発光ダイオード42を有する少なくとも1つの発光装置4と、板状をなし、その一方の面に発光装置4が搭載される搭載基板2とを備え、搭載基板2は、第1の繊維基材に第1の樹脂材料を含浸してなる第1の基材層21と、第1の基材層21の両面にそれぞれ形成され、第2の繊維基材に第2の樹脂材料を含浸してなる第2の基材層22a、22bとを有し、第1の基材層21の平均厚さをtとし、発光装置4に近位の第2の基材層22aの平均厚さをt2aとし、発光装置4に遠位の第2の基材層22bの平均厚さをt2bとしたときに、(t2a+t2b)/2tが0.1以上2以下である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源装置および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
発光素子として例えば発光ダイオード(LED)素子を用いた光源装置が知られている(例えば特許文献1参照)。このような光源装置では、一般に、LEDチップ(LED素子)を備える表面実装型の発光装置が基板の一方の面側に搭載されている。
【0003】
そして、このような光源装置は、LED素子を搭載した基板(搭載基板)をLED素子ごとハウジング内に収納した状態で、例えば、照明器具や液晶ディスプレイのバックライト等に用いられる。
【0004】
このような光源装置では、LED素子の発光に伴う発熱により、LED素子の劣化や搭載基板との接続信頼性の低下等が生じる場合があるため、搭載基板には高い放熱性が要求される。
【0005】
ところで、比較的放熱性の高い基板として、不織布に樹脂材料を含浸させた中材層と、その中材層の両面にそれぞれ接合された表面材層とを有する、いわゆるCEM−3タイプと称される基板が知られている。
【0006】
しかし、従来のCEM−3タイプの基板は、各表面材層の厚さが中材層の厚さよりも極めて薄く、かつ、中材層の面方向での熱膨張係数が大きいので、基板全体の熱膨張係数が大きくなってしまう。そのため、基板の両面に設けられた金属層の残存率の差に起因して、温度変化に伴って基板に反りが生じるという問題がある。特に、かかる問題は、大面積の基板や長尺な基板を用いた場合に顕著となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−93926号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、搭載基板の熱伝導性を優れたものとしつつ、温度変化に伴う搭載基板の反りを防止することができる光源装置、および、かかる光源装置を備える電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような目的は、下記(1)〜(16)に記載の本発明により達成される。
(1) 発光素子を有する少なくとも1つの発光装置と、
板状をなし、その一方の面に前記発光装置が搭載される搭載基板とを備え、
前記搭載基板は、第1の繊維基材に第1の樹脂材料を含浸してなる第1の基材層と、
前記第1の基材層の両面にそれぞれ形成され、第2の繊維基材に第2の樹脂材料を含浸してなる第2の基材層とを有し、
前記第1の基材層の平均厚さをtとし、前記発光装置に近位の前記第2の基材層の平均厚さをt2aとし、前記発光装置に遠位の前記第2の基材層の平均厚さをt2bとしたときに、(t2a+t2b)/2tが0.1以上2以下であることを特徴とする光源装置。
【0010】
(2) 前記第1の基材層の厚さtは、0.1mm以上1.4mm以下である上記(1)に記載の光源装置。
【0011】
(3) 前記第2の基材層の厚さt2aおよびt2bは、それぞれ、0.04mm以上0.3mm以下である上記(2)に記載の光源装置。
【0012】
(4) 前記第1の樹脂材料および前記第2の樹脂材料は、それぞれ、熱硬化性樹脂である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の光源装置。
【0013】
(5) 前記第1の樹脂材料には、シラン化合物が添加されている上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の光源装置。
【0014】
(6) 前記第1の繊維基材および前記第2の繊維基材は、それぞれ、ガラス繊維である上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の光源装置。
【0015】
(7) 前記第1の繊維基材は、不織布であり、前記第2の繊維基材は、織布である上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の光源装置。
【0016】
(8) 前記第1の繊維基材は、その表面がシラン化合物で処理されたものである上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の光源装置。
【0017】
(9) 前記第1の基材層中における前記第1の繊維基材の占める体積の割合は、0.1vol%以上30vol%以下である上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の光源装置。
【0018】
(10) 前記第2の基材層中における前記第2の繊維基材の占める体積の割合は、40vol%以上65vol%以下である上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の光源装置。
【0019】
(11) 前記第1の樹脂材料には、無機フィラーが添加されている上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の光源装置。
【0020】
(12) 前記第1の樹脂材料に対する前記無機フィラーの添加量は、50wt%以上80wt%以下である上記(11)に記載の光源装置。
【0021】
(13) 前記無機フィラーの平均粒径は、0.5μm以上50μm以下である上記(11)または(12)に記載の光源装置。
【0022】
(14) 前記無機フィラーは、その表面がシラン化合物で処理されたものである上記(11)ないし(13)のいずれかに記載の光源装置。
【0023】
(15) 液晶表示装置のバックライトとして用いられる上記(1)ないし(14)のいずれかに記載の光源装置。
【0024】
(16) 上記(1)ないし(15)のいずれかに記載の光源装置を備えることを特徴とする電子機器。
【発明の効果】
【0025】
本発明の光源装置によれば、各第2の基材層の剛性を高めることができる。そのため、各第2の基材層の面方向での熱膨張係数が第1の基材層の面方向での熱膨張係数よりも小さい場合に、搭載基板全体の面方向での熱膨張量を抑え、搭載基板の熱膨張または熱収縮に伴う反りを防止または抑制することができる。
【0026】
また、第1の基材層の熱伝導性を高め、搭載基板の放熱性を向上させることができる。
また、本発明の電子機器によれば、反りが抑えられ、かつ、放熱性に優れた光源装置を備えるので、光源装置が長期に亘り優れた発光特性を発揮し、信頼性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の光源装置の第1実施形態を示す平面図である。
【図2】図1に示す光源装置の発光装置およびその周辺の拡大詳細図である。
【図3】図2中のA−A線断面図である。
【図4】本発明の光源装置の第2実施形態を示す断面図である。
【図5】本発明の光源装置の第3実施形態を示す平面図である。
【図6】図1に示す光源装置を内蔵した液晶テレビの斜視図である。
【図7】図6に示す液晶テレビの概略部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の光源装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の光源装置の第1実施形態を示す平面図、図2は、図1に示す光源装置の発光装置およびその周辺の拡大詳細図、図3は、図2中のA−A線断面図、図6は、図1に示す光源装置を内蔵した液晶テレビの斜視図、図7は、図6に示す液晶テレビの概略部分断面図である。なお、以下では、説明の都合上、図3中(図4についても同様)の上側を「上」、「上方」または「表」、下側を「下」、「下方」または「裏」と言い、図7の左側を「表」、右側を「裏」と言う。
【0029】
図6に示すように、光源装置1は、液晶表示装置である液晶テレビ100に内蔵されており、そのバックライトとして用いることができるものである。
【0030】
液晶テレビ100は、光源装置1と、光源装置1の表側に配置されたディスプレイ部(液晶セル)101と、光源装置1およびディスプレイ部101を収納する筐体102と、筐体102を支持する脚部(スタンド)103とを備えている。
【0031】
図7に示すように、ディスプレイ部101は、表側から順に、偏光板104、ガラス基板105、カラーフィルタ106、保護膜107、液晶部108、ガラス基板109、偏光板110が配置されたものである。さらに、偏光板110と光源装置1の間には、拡散板、拡散シート、プリズムシート、輝度上昇フィルム、反射型偏光板等の各種光学フィルム(図示せず)を備えていてもよい。液晶部108は、スイッチング素子として薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor(TFT))と、擬等方性液晶材料等で構成された液晶層とを有するものである。そして、このディスプレイ部101は、薄膜トランジスタに電界を発生させ、この電界で液晶層中の液晶材料の配向状態を変化させることで、視認される色調が変化する。そして、バックライトである光源装置1からの光がディスプレイ部101を透過することにより、当該ディスプレイ部101で表示される画像を視認することができる。
【0032】
図1、図2示すように、光源装置1は、複数の発光装置4と、これらの発光装置4が一括して搭載される搭載基板(基板)2とを備えている。以下、各部の構成について説明する。
【0033】
各発光装置4は、それぞれ、同じ構成であるため、以下、1つの発光装置4について代表的に説明する。
【0034】
発光装置4は、エレクトロルミネセンス(EL)効果による発光と、蛍光による発光とを生じるものである。
【0035】
図3に示すように、発光装置4は、凹部411を有するパッケージ41と、パッケージ41の凹部411の底面上に設けられた発光ダイオード(発光素子)42と、発光ダイオード42を覆うように凹部411内に封入された透光性樹脂部43と、パッケージ41の底部に設けられた1対の外部端子44とを有する。
【0036】
パッケージ41は、樹脂材料やセラミックス材料等の絶縁性材料で構成された小片である。また、パッケージ41には、発光ダイオード42と1対の外部端子44とを電気的に接続する配線(図示せず)が設けられている。
【0037】
発光ダイオード42は、パッケージ41にGaAlN、ZnS、ZnSe、SiCGaP、GaAlAs、AlN、InN、AlInGaP、InGaN、GaN、AlInGaN等の半導体を発光層として形成させたものである。本実施形態では、発光ダイオード42として、後述する透光性樹脂部43に含まれる蛍光体材料を励起し得る波長の光を発するものが用いられる。より具体的には、発光ダイオード42としては、青色の光を発するものが用いられる。
【0038】
透光性樹脂部43は、透明性を有するエポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、アクリレート樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂等の樹脂材料を主材料として構成されている。
【0039】
また、本実施形態では、透光性樹脂部43は、前述した発光ダイオード42からの光により励起されて黄色に発光する蛍光体材料を含んでいる。
【0040】
また、透光性樹脂部43は、発光ダイオード42を外力や埃、水分等から保護する機能を有する。
【0041】
1対の外部端子44は、導電性材料を主材料として構成されており、その一方の外部端子44は、アノード電極(陽極)であり、他方の外部端子44は、カソード電極(陰極)である。各外部端子44は、それぞれ、Al、Ti、Fe、Cu、Ni、Ag、Au、Pt等の金属材料を主材料として構成される。また、各外部端子44は、それぞれ、半田(図示せず)により、搭載基板2に設けられた回路パターン231(第1の金属層23)に電気的に接続されて(接触して)いる。さらに、回路パターン231は、電源(図示せず)と電気的に接続されている。
【0042】
このような発光装置4においては、1対の外部端子44を介して発光ダイオード42に電圧を印加すると、発光ダイオード42でエレクトロルミネッセンス効果に基づく発光が起こる。この発光により、光は、透光性樹脂部43を透過して、外部に放出される。このとき、その光の一部は、パッケージ41の凹部411の内壁面に反射した後に、透光性樹脂部43を透過して、外部に放出される。
【0043】
また、発光装置4は、発光ダイオード42のEL効果により青色に発光するとともに、その青色の光の一部により透光性樹脂部43が励起されて蛍光により黄色に発光し、補色関係にあるこれら青色光と黄色光との混合により白色発光する。
【0044】
なお、発光ダイオード42は、上述したものに限定されず、例えば、赤、青、緑等の単色の発光ダイオードであってもよい。この場合、透光性樹脂部43から蛍光体材料を省略してもよい。また、発光装置4は、複数の発光ダイオードを有してもよく、この場合、発光色は互いに同じであっても異なっていてもよい。
【0045】
このような発光装置4は、搭載基板2上に搭載される。図1に示すように、搭載基板2は、長尺な板状をなすものである。そして、発光装置4は、搭載基板2の長手方向に沿って等間隔に配置される。なお、以下では、搭載基板2の長手方向を「X方向」、短手方向を「Y方向」とも言う。また、「X方向」および「Y方向」は、搭載基板2の面方向に沿って互いに直交する。
【0046】
図3に示すように、搭載基板2は、第1の基材層(基材層)21と、第1の基材層の両面にそれぞれ形成された第2の基材層(基材層)22aおよび22bと、第2の基材層22aの上面(一方の面)に形成された第1の金属層(金属層(表側金属層))23と、第2の基材層22bの下面(他方の面)に形成された第2の金属層(裏側金属層)24とを有する積層板である。この搭載基板2は、いわゆるガラスコンポジット基板「CEM−3」を用いたものの例である。
【0047】
第1の基材層21は、第1の繊維基材に第1の樹脂材料を含浸してなる層である。また、第2の基材層22aおよび22bも、それぞれ、第2の繊維基材に第2の樹脂材料を含浸してなる層である。
【0048】
第1の繊維基材および第2の繊維基材としては、それぞれ、特に限定されず、例えば、ガラス織布、ガラス不織布、ガラスペーパー等のガラス繊維基材、紙(パルプ)、アラミド、ポリエステル、フッ素樹脂等の有機繊維からなる織布や不織布、金属繊維、カーボン繊維、鉱物繊維等からなる織布、不織布、マット類等が挙げられる。これらの基材は単独又は混合して使用してもよい。特に、第1の繊維基材としてガラス不織布を用い、第2の繊維基材としてガラス織布を用いるのが好ましい。
【0049】
ガラス繊維は、熱膨張係数が小さい。そのため、第1の繊維基材および第2の繊維基材がそれぞれガラス繊維であると、第1の基材層21および第2の基材層22a、22bの面方向での熱膨張係数をそれぞれ効果的に抑えることができる。また、ガラス繊維は機械的強度に優れるので、第1の基材層21および第2の基材層22a、22bの剛性を高めることができる。
【0050】
また、不織布は、織布よりも多くの量の樹脂材料(および無機フィラー)を担持することができる。そのため、第1の繊維基材が不織布であると、第1の基材層21の面方向での熱膨張係数を効果的に抑えることができる。また、樹脂材料に添加される無機フィラーの熱伝導性が高い場合、不織布に多くの樹脂材料を担持させることにより、第1の基材層21の熱伝導性を優れたものとすることができる。
【0051】
また、織布は、不織布よりも剛性(強度)を高めることができる。そのため、第2の繊維基材が織布であると、第2の基材層22a、22bの剛性を高め、搭載基板2の反りを効果的に防止することができる。
【0052】
また、各第2の繊維基材は、X方向での熱膨張係数がY方向での熱膨張係数よりも小さいのが好ましい。
【0053】
特に、各第2の繊維基材は、搭載基板2のX方向に延在する複数のX方向繊維と、搭載基板2のY方向に延在する複数のY方向繊維とが織り込まれてなる織布であるのが好ましい。
【0054】
そして、第2の繊維基材のX方向繊維のY方向での単位長さ当たりに配設される本数(配設密度)をA[本/cm]とし、第2の繊維基材のY方向繊維のX方向での単位長さ当たりに配設される本数(配設密度)をB[本/cm]としたとき、0.6<B/A<1なる関係を満たすのが好ましく、0.7<B/A<0.99なる関係を満たすのがより好ましい。
【0055】
これにより、第2の基材層22a、22bのX方向(すなわち長手方向)での熱膨張係数を小さくすることができる。その結果、搭載基板2全体のX方向での熱膨張量を抑え、搭載基板2の熱膨張に伴う反りを防止または抑制することができる。
【0056】
また、第2の基材層22a、22bのX方向での熱膨張係数を効果的に抑えるという観点から、X方向繊維の繊維径は、Y方向繊維の繊維径と同じかそれよりも太いのが好ましい。
【0057】
なお、第1の繊維基材および第2の繊維基材の具体的な繊維径は、特に限定されないが、例えば、ガラス繊維を用いる場合、5μm以上20μm以下であるのが好ましく、8μm以上15μm以下であるのがより好ましい。ガラス繊維の太さが5μm未満では、第1の繊維基材や第2の繊維基材を製造する際の製造コストが高くなり、また、ガラス繊維の太さが20μmを越えると、繊維径が太くなるため、打抜き加工性が低下し好ましくない。
【0058】
また、第1の繊維基材は、その表面が、1分子中にアルコキシ基と、アルキル基、エポキシ基、ビニル基、フェニル基、スチリル基、等の有機官能基を有するシラン化合物で処理されたものであるのが好ましい。これにより、第1の繊維基材と第1の樹脂材料との密着性を高めることができる。その結果、第1の基材層21の面方向での熱膨張係数を効果的に抑えることができる。
【0059】
このシラン化合物としては、例えば、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシランなどのアルキル基を有するシラン(アルキルシラン)、フェニルトリエトキシシラン、ベンジルトリエトキシシラン、フェネチルトリエトキシシランなどのフェニル基を有するシラン、スチリルトリメトキシシラン、スチリルトリエトキシシラン等のスチリル基を有するシラン、ブテニルトリエトキシシラン、プロペニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニル基を有するシラン(ビニルシラン)、γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン等のメタクリル基を有するシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のアミノ基を有するシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、 β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基を有するシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト基を有するシラン等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0060】
このようなシラン化合物は、第1の樹脂材料に添加することもできる。これにより、無機フィラーや第1の繊維基材と第1の樹脂材料との密着性を高めることができる。その結果、第1の基材層21の面方向での熱膨張係数を効果的に抑えることができる。
【0061】
また、第1の基材層21中における第1の繊維基材の占める体積の割合は、0.1vol%以上30vol%以下であるのが好ましく、1vol%以上10vol%以下であるのがより好ましい。これにより、第1の基材層21の寸法精度を優れたものとしつつ、第1の基材層21の面方向での熱膨張係数を効果的に抑えることができる。
【0062】
前記第2の基材層中における前記第2の繊維基材の占める体積の割合は、40vol%以上65vol%以下であるのが好ましく、45vol%以上60vol%以下であるのがより好ましい。これにより、第2の基材層22a、22bの寸法精度を優れたものとしつつ、第2の基材層22a、22bの面方向での熱膨張係数を効果的に抑えることができる。
【0063】
第1の樹脂材料および第2の樹脂材料としては、それぞれ、熱硬化性樹脂が好ましく、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル(不飽和ポリエステル)樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合して用いることができ、これらの中でも特にエポキシ樹脂がより好ましい。
【0064】
第1の樹脂材料および第2の樹脂材料がそれぞれ熱硬化性樹脂であると、第1の基材層21および第2の基材層22a、22bの面方向での熱膨張係数をそれぞれ効果的に抑えることができる。また、第1の基材層21および第2の基材層22a、22bの耐熱性を高めることができる。
【0065】
また、第1の樹脂材料には、無機フィラーが添加されているのが好ましい。これにより、第1の基材層21の面方向での熱膨張係数を抑えることができる。その結果、搭載基板2全体の面方向での熱膨張量を抑え、搭載基板2の熱膨張に伴う反りを防止または抑制することができる。ここで、無機フィラーは、第1の基材層21の熱膨張係数を低減する添加材である。また、無機フィラーは、粒子状をなす。
【0066】
このような無機フィラーとしては、例えば、シリカ、アルミナ、ケイ藻土、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム等の酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ベーマイト等の水酸化物、炭酸カルシウム(軽質、重質)、炭酸マグネシウム、ドロマイト、ドーソナイト等の炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸アンモニウム、亜硫酸カルシウム等の硫酸塩または亜硫酸塩、タルク、マイカ、クレー、ガラス繊維、ケイ酸カルシウム、モンモリロナイト、ベントナイト等のケイ酸塩、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩、硫化モリブデン、ボロン繊維、チタン酸カリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0067】
中でも、第1の樹脂材料に添加する無機フィラーとしては、第1の基材層21の面方向での熱膨張係数を効果的に抑え、かつ熱伝導性を高めることができるという観点から、アルミナ、シリカ、水酸化アルミニウム、ベーマイト、タルク、窒化ホウ素のうちの1種または2種以上を組み合わせてなるものを用いるのが好ましい。
【0068】
また、第1の樹脂材料に対する無機フィラーの添加量は、50wt%以上80wt%以下であるのが好ましく、55wt%以上75wt%以下であるのがより好ましい。これにより、第1の基材層21の面方向での熱膨張係数を十分に抑えることができる。また、第1の基材層21に必要な機械的強度を確保し得る量の第1の樹脂材料を第1の繊維基材に担持させることができる。
【0069】
また、無機フィラーの平均粒径は、0.5μm以上50μm以下であるのが好ましく、粒径の異なる複数のものを組み合わせるのがより好ましい。これにより、第1の基材層21中における無機フィラーの充填率を高め、第1の基材層21の面方向での熱膨張係数を好適に抑えることができる。
【0070】
これに対し、かかる平均粒径が小さすぎると、搭載基板の製造時における無機フィラーの取り扱い性が悪化する傾向を示す。一方、かかる平均粒径が大きすぎると、第1の繊維基材の形態によっては、第1の繊維基材内に無機フィラーを配置させることが難しく、第1の基材層21中における無機フィラーの充填率を高めることができない場合がある。
【0071】
また、無機フィラーは、シラン化合物で処理されたものであるのが好ましい。これにより、無機フィラーと第1の樹脂材料との密着性を高めることができる。その結果、第1の基材層21の面方向での熱膨張係数を効果的に抑えることができる。
【0072】
このシラン化合物としては、前述した第1の繊維基材の処理に用いるシラン化合物と同様のものを用いることができる。
【0073】
このような各基材層を有する搭載基板2では、各発光装置4が発光するのに伴って生じた熱は、第1の金属層23から第2の基材層22a、第1の基材層21、第2の基材層22bの順に、すなわち、当該発光装置4から遠ざかる方向(搭載基板2の面方向および厚さ方向)に向かって確実に伝達され、第2の金属層24で放熱される。従って、搭載基板2(光源装置1)は、放熱性に優れたものとなっている。
【0074】
第2の基材層22a上には、第1の金属層23が積層され、第2の基材層22b上には、第2の金属層24が積層されている。第1の金属層23と第2の金属層24とは、それぞれ、金属材料で構成された層である。
【0075】
第1の金属層23を構成する金属材料としては、特に限定されず、例えば、銅、鉄、アルミニウム、インジウム、スズ、鉛、銀、亜鉛、ビスマス、アンチモンからなる群から選択される1種または2種以上を組み合わせた導電性材料が挙げられ、これらの中でも特に、銅が好ましい。銅は、熱伝導性にも優れ、各発光装置4からの熱を第1の金属層23の下層の第2の基材層22aに確実に伝えることができる。
【0076】
第2の金属層24を構成する金属材料としては、特に限定されず、例えば、第1の金属層23を構成する金属材料の他、アルミニウムも用いることができる。アルミニウムや銅は、熱伝導性に優れ、表側から第2の基材層22bを介して伝わった熱を確実に放熱することができる。
【0077】
なお、第1の金属層23と第2の金属層24とは、同じ金属材料で構成されていてもよいし、異なる金属材料で構成されていてもよい。同じ金属材料で構成されている場合には、例えば第1の金属層23および第2の金属層24をそれぞれ銅で構成することができ、異なる金属材料で構成されている場合には、例えば第1の金属層23を銅で構成し、第2の金属層24をアルミニウムで構成することができる。
【0078】
また、第1の金属層23、第2の金属層24の形成方法としては、特に限定されないが、例えば、金属箔の接合(接着)、金属メッキ、蒸着、スパッタリング、印刷等の方法が挙げられる。
【0079】
図2に示すように、第1の金属層23は、所定形状にパターニングされている。これにより、第1の金属層23を、電気回路として機能する回路パターン231と、放熱するための放熱機能(伝熱機能)を有する放熱用パターン232とに分けることができる。回路パターン231は、各発光装置4の外部端子44と例えば半田を介して電気的に接続されている。これにより、回路パターン231を介して電力が供給される。放熱用パターン232は、各発光装置4のパッケージ41の裏面に当接して(接触して)いる。これにより、各発光装置4で発生した熱は、放熱用パターン232に伝わって、その面方向に広がり、当該放熱用パターン232から外方に放出される。また、放熱用パターン232に伝わった熱の一部は、当該放熱用パターン232の下層の第2の基材層22aにも確実に伝わる。そして、その熱は、前述したように第2の金属層24で放熱される。
【0080】
なお、第1の金属層23へのパターニング方法としては、特に限定されず、例えば、エッチング、印刷、マスキング等の方法を用いることができる。このようなパターニング方法により、回路パターン231および放熱用パターン232を一括して形成することができる。
【0081】
通常、このような第1の金属層23は、その存在率(面積占有率)が第2の金属層24よりも小さくなる。そのため、搭載基板2が熱収縮したとき、搭載基板2が第1の金属層23側を凹にして反りやすい。しかし、本発明に係る光源装置1では、搭載基板2の面方向での熱膨張係数が抑えられているので、搭載基板2の熱膨張量および熱収縮量が抑えられ、前述したような搭載基板2の反りを防止または抑制することができる。
【0082】
また、第1の金属層23は、例えば、その搭載基板2の上面全体に対する占有率が50%以上であるのが好ましく、80%以上99%以下であるのがより好ましい。これにより、各発光装置4で発生した熱を確実に放熱することができるとともに、第1の金属層23から下側の層に確実に伝えることができる程度に、放熱用パターン232の面積を確保することができる。また、第1の金属層23へのパターニング方法としてエッチングを用いた場合、当該エッチングで第1の金属層23の除去すべき部分が比較的少ないため、エッチング液の使用量をできる限り少なくすることができる。
【0083】
以上のような構成の積層体である搭載基板2全体の厚さ(総厚)ttotalとしては、特に限定されず、例えば0.1mm以上2.0mm以下であるのが好ましく、0.4mm以上1.6mm以下であるのがより好ましい。
【0084】
また、第1の基材層21の平均厚さt、第2の基材層22aおよび22bの各平均厚さt、第1の金属層23の平均厚さt、第2の金属層24の平均厚さtの大小関係は、熱伝導の観点から、t>t>tであるのが好ましい。
【0085】
また、搭載基板2の反りを抑制する観点から、発光装置4に近位の第2の基材層22aの平均厚さをt2aとし、発光装置4に遠位の第2の基材層22bの平均厚さをt2bとしたときに、(t2a+t2b)/2tが、0.1以上2以下であるのが好ましく、0.15以上1以下であるのがより好ましい。
【0086】
これにより、各第2の基材層22a、22bの面方向での熱膨張係数が第1の基材層21の面方向での熱膨張係数よりも小さい場合に、搭載基板2全体の面方向での熱膨張量を抑え、搭載基板2の熱膨張または熱収縮に伴う反りを防止または抑制することができる。
【0087】
ここで、t2aおよびt2bは、同じであっても異なっていてもよいが、異なる場合、t2a/t2bは、0.8以上1.2以下であるのが好ましく、0.9以上1.1以下であるのがより好ましい。
また、搭載基板2の反りを抑制する観点からt=tであることが好ましい。
【0088】
厚さtとしては、特に限定されず、例えば、0.1mm以上1.4mm以下であるのが好ましく、0.2mm以上1.2mm以下であるのがより好ましい。
【0089】
厚さt(t2a、t2b)としては、特に限定されず、例えば、0.04mm以上0.3mm以下であるのが好ましく、0.1mm以上0.2mm以下であるのがより好ましい。
【0090】
厚さtとしては、特に限定されず、例えば、0.008mm以上0.21mm以下であるのが好ましく、0.012mm以上0.105mm以下であるのがより好ましい。
【0091】
厚さtとしては、特に限定されず、例えば、0.008mm以上2mm以下であるのが好ましく、0.012mm以上1.5mm以下であるのがより好ましい。
【0092】
第1の基材層21、第2の基材層22aおよび22b、第1の金属層23、第2の金属層24がそれぞれこのような大きさの厚さに設定されていることにより、搭載基板2上に部品(例えば発光装置4)を搭載したときの強度と、熱伝導と、搭載基板2の軽量化と、搭載基板2の加工性と、層間絶縁信頼性を両立することができる。また、厚さttotalが比較的大きいと軽量化が困難となり好ましくなく、小さいと絶縁信頼性が悪化し好ましくない。厚さtが比較的大きいと軽量化が困難となり好ましくなく、小さいと熱伝導が十分でなく好ましくない。厚さtが大きいと熱伝導が十分でなく好ましくなく、小さいと強度が低下し好ましくない。厚さtが大きいと搭載基板2の加工性が悪化し好ましくなく、小さいと熱伝導が十分でなく好ましくない。
【0093】
以上説明したような光源装置1によれば、搭載基板2の面方向での熱膨張係数を抑えることができるので、搭載基板2の熱膨張または熱収縮に伴う反りを防止または抑制することができる。
【0094】
また、光源装置1では、第1の基材層21が優れた熱伝導性を有するので、搭載基板2全体が優れた放熱性を発揮することができる。
【0095】
<第2実施形態>
図4は、本発明の光源装置の第2実施形態を示す断面である。
【0096】
以下、この図を参照して本発明の光源装置の第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0097】
本実施形態は、光源装置が放熱部材をさらに備えること以外は前記第1実施形態と同様である。
【0098】
図4に示すように、光源装置1Aでは、搭載基板2の裏面に対しヒートシンク(放熱部材)3が固定されている。なお、ヒートシンク3の固定方法としては、特に限定されず、例えば、接着(接着剤や溶媒による接着)による方法、融着(熱融着、高周波融着、超音波融着等)による方法、ネジ止めによる方法等が挙げられる。
【0099】
ヒートシンク3は、平板状をなす本体31と、本体31の裏面から突出形成された複数枚の放熱フィン32とで構成されている。本体31は、その上面が搭載基板2の裏面(第2の金属層24)に当接している。各放熱フィン32は、それぞれ、小片で構成され、搭載基板2の長手方向に沿って等間隔に配置されている。これにより、熱を確実に放熱することができる程度に、ヒートシンク3の表面積を十分に確保することができる。そして、第2の金属層24まで伝わった発光装置4からの熱を、ヒートシンク3で効率よく放熱することができる。
【0100】
なお、ヒートシンク3は、放熱フィン32が省略されたものであってもよい。
このような第2実施形態に係る光源装置1Aにおいても、前述した第1実施形態の光源装置1と同様、搭載基板2の反りを防止または抑制することができる。
【0101】
また、搭載基板2の反りを防止または抑制することができるので、ヒートシンク3が搭載基板2から剥がれるのを防止することができる。これにより、光源装置1Aは長期に亘り優れた放熱性を発揮することができる。
【0102】
<第3実施形態>
図5は、本発明の光源装置の第3実施形態を示す平面図である。
【0103】
以下、この図を参照して本発明の光源装置の第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0104】
本実施形態は、発光装置の配置が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図5に示すように、光源装置1Bでは、搭載基板2上に2行2列の行列状に並ぶ4つの発光装置4が複数組配置されている。対角上の2つの発光装置4は、それぞれ、緑色の単色光を発光するものである。また、残りの2つの発光装置4のうち、一方の発光装置4は、赤色の単色光を発光するものであり、他方の発光装置4は、青色の単色光を発光するものである。そして、これらの発光装置4が発光することにより、光源装置1Bは、全体として白色光を発光することができるとともに、色温度を調整することが可能である。
【0105】
また、光源装置1Bでも光源装置1と同様に、各発光装置4からの熱は、第2の金属層24に伝わり、当該第2の金属層24で確実に放熱されることとなる。
【0106】
このような第3実施形態に係る光源装置1Bにおいても、前述した第1実施形態の光源装置1と同様、搭載基板2の反りを防止または抑制することができる。
【0107】
以上、本発明の光源装置および電子機器を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、光源装置を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
【0108】
また、本発明の光源装置は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【0109】
また、本発明の光源装置が内蔵可能な液晶表示装置としては、液晶テレビの他に、デスクトップ型やノート型のパーソナルコンピュータのモニタ、携帯電話機、ディジタルカメラ、携帯情報端末等が挙げられる。また、本発明の光源装置が組み込まれる電子機器としては、液晶表示装置には限定されず、光源を必要とするあらゆる電子機器に適用可能である。さらに、本発明の光源装置は、このような液晶表示装置の他に、電球(照明器具)にも適用することができ、その場合、例えば、街灯(電灯)、信号機、看板の照明、電光掲示板等の発光光源に適用することができる。
【0110】
また、搭載基板は、第2の金属層が省略されたものであってもよい。
また、搭載基板には、その厚さ方向に貫通し、各発光装置で発生した熱を搭載基板の下面側へ、すなわち、第2の金属層まで伝熱させる機能を有するサーマルビア(伝熱部)が多数配置されていてもよい。
【実施例】
【0111】
以下、本発明の具体的に実施例を説明する。なお、本発明は、これに限定されるものではない。
【0112】
(搭載基板の製造)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂とジシアンジアミド(Dicy)系硬化剤とを含有する熱硬化性樹脂ワニスの熱硬化性樹脂分100質量部に対して、無機フィラーとしてタルク(日本タルク社製、平均粒径D50:23μm)60質量部を配合し、均一に分散させた。無機フィラーが添加された樹脂ワニスを、目付け50g/mのガラス不織布(バイリーン(株)製のガラス不織布)に含浸させ第1の基材層(中材層)用のプリプレグを得た。
【0113】
一方、ガラス織布(日東紡社製、厚み180μm)に、硬化剤含有エポキシ樹脂ワニスを充填材を配合せずに含浸させることにより、第2の基材層(表面材層)用のプリプレグを得た。
【0114】
そして、第1の基材層用のプリプレグを2枚重ね、その両外表面それぞれに、第2の基材層用のプリプレグ1枚と厚さ0.018mmの銅箔(金属層)を順に載せて積層体を得た。この積層体を2枚の金属プレート間に挟み、温度180℃、圧力30kg/mの条件で加熱成型することにより、厚さ1.0mmの配線基板(銅箔張コンポジット積層板)を得た。
【0115】
さらに、配線基板の一方の面側の銅箔の一部を、エッチングにより、残銅率70%となるように互いに平行で等間隔な幅2mmの複数のライン状に除去した。これにより、パターンニング済みの配線基板を得た。
【0116】
ここで、配線基板の大きさは縦の長さ(X方向での長さ)が60cm、横の長さ(Y方向での長さ)が3cmであった。また、第1の基材層の第1の繊維基材のX方向繊維のY方向での単位長さ当たりに配設される本数(打込み本数)は、44本/25mm、Y方向繊維のX方向での単位長さ当たりに配設される本数(打込み本数)は、32本/25mmであった。
【0117】
(評価)
得られた搭載基板を以下の評価方法に従い、熱伝導性および熱膨張または熱収縮による反りを評価した。
【0118】
[熱伝導性]
得られた搭載基板(パターンニング前、エッチングにより第1および第2の金属層を全て除去したもの)の密度を水中置換法により測定し、また、比熱をDSC(示差走査熱量測定)により測定し、さらに、レーザーフラッシュ法により熱拡散率を測定した。
【0119】
そして、熱伝導率を以下の式から算出した。
熱伝導率(W/m・K)=
密度(kg/m)×比熱(kJ/kg・K)×熱拡散率(m/S)×1000
その結果、配線基板の熱伝導率は、1(W/m・K)であった。
【0120】
[熱膨張または熱収縮による反り]
得られた配線基板(パターンニング後)を平らなステージ上に配置した状態で、オーブンで200℃に加熱し、その後冷却し、その間、配線基板の反りを目視により観察した。
その結果、配線基板に反りは生じなかった。
【符号の説明】
【0121】
1、1A、1B 光源装置
2 搭載基板(基板)
21 第1の基材層(基材層)
22a、22b 第2の基材層(基材層)
23 第1の金属層(金属層(表側金属層))
231 回路パターン
232 放熱用パターン
24 第2の金属層(裏側金属層)
3 ヒートシンク(放熱部材)
31 本体
32 放熱フィン
4 発光装置
41 パッケージ
411 凹部
42 発光ダイオード(発光素子)
43 透光性樹脂部
44 外部端子
100 液晶テレビ
101 ディスプレイ部(液晶セル)
102 筐体
103 脚部(スタンド)
104 偏光板
105 ガラス基板
106 カラーフィルタ
107 保護膜
108 液晶部
109 ガラス基板
110 偏光板
total、t、t、t、t 平均厚さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子を有する少なくとも1つの発光装置と、
板状をなし、その一方の面に前記発光装置が搭載される搭載基板とを備え、
前記搭載基板は、第1の繊維基材に第1の樹脂材料を含浸してなる第1の基材層と、
前記第1の基材層の両面にそれぞれ形成され、第2の繊維基材に第2の樹脂材料を含浸してなる第2の基材層とを有し、
前記第1の基材層の平均厚さをtとし、前記発光装置に近位の前記第2の基材層の平均厚さをt2aとし、前記発光装置に遠位の前記第2の基材層の平均厚さをt2bとしたときに、(t2a+t2b)/2tが0.1以上2以下であることを特徴とする光源装置。
【請求項2】
前記第1の基材層の厚さtは、0.1mm以上1.4mm以下である請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
前記第2の基材層の厚さt2aおよびt2bは、それぞれ、0.04mm以上0.3mm以下である請求項2に記載の光源装置。
【請求項4】
前記第1の樹脂材料および前記第2の樹脂材料は、それぞれ、熱硬化性樹脂である請求項1ないし3のいずれかに記載の光源装置。
【請求項5】
前記第1の樹脂材料には、シラン化合物が添加されている請求項1ないし4のいずれかに記載の光源装置。
【請求項6】
前記第1の繊維基材および前記第2の繊維基材は、それぞれ、ガラス繊維である請求項1ないし5のいずれかに記載の光源装置。
【請求項7】
前記第1の繊維基材は、不織布であり、前記第2の繊維基材は、織布である請求項1ないし6のいずれかに記載の光源装置。
【請求項8】
前記第1の繊維基材は、その表面がシラン化合物で処理されたものである請求項1ないし7のいずれかに記載の光源装置。
【請求項9】
前記第1の基材層中における前記第1の繊維基材の占める体積の割合は、0.1vol%以上30vol%以下である請求項1ないし8のいずれかに記載の光源装置。
【請求項10】
前記第2の基材層中における前記第2の繊維基材の占める体積の割合は、40vol%以上65vol%以下である請求項1ないし9のいずれかに記載の光源装置。
【請求項11】
前記第1の樹脂材料には、無機フィラーが添加されている請求項1ないし10のいずれかに記載の光源装置。
【請求項12】
前記第1の樹脂材料に対する前記無機フィラーの添加量は、50wt%以上80wt%以下である請求項11に記載の光源装置。
【請求項13】
前記無機フィラーの平均粒径は、0.5μm以上50μm以下である請求項11または12に記載の光源装置。
【請求項14】
前記無機フィラーは、その表面がシラン化合物で処理されたものである請求項11ないし13のいずれかに記載の光源装置。
【請求項15】
液晶表示装置のバックライトとして用いられる請求項1ないし14のいずれかに記載の光源装置。
【請求項16】
請求項1ないし15のいずれかに記載の光源装置を備えることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−54165(P2012−54165A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−197060(P2010−197060)
【出願日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(000002141)住友ベークライト株式会社 (2,927)
【Fターム(参考)】