説明

光源装置

【課題】 光利用効率が高い拡散機能を有する光源装置を提供すること。
【解決手段】 光源装置100は、1次光を出射する1次光源110と、1次光が入射し、1次光の進行方向を転向する第1の光学機能部材150と、第1の光学機能部材150によって進行方向が転向した1次光の進行方向を転向する第2の光学機能部材143と、第1の光学機能部材150と第2の光学機能部材143との間の領域を示し、第1の光学機能部材150から第2の光学機能部材143に向かう1次光の光路上に配設されている第3の光学機能部材133と、1次光の一部が第1の光学機能部材150に再び入射することなく外部に出射される窓部とを有している。第1の光学機能部材150と第2の光学機能部材143と第3の光学機能部材133との少なくとも1つは、1次光を拡散する拡散機能を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、小型固体光源と光ファイバとを組み合わせたファイバ光源が開発されている。このファイバ光源は、細い構造物の先端から光を照射する光源装置として用いられる。
【0003】
このような光源装置は、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1において、レーザ光源と拡散板とを組み合わせたファイバ光源装置を搭載した内視鏡装置が提案されている。
【0004】
図5に示すファイバ光源装置1において、3原色レーザであるHe−Cdレーザ20から出射されたレーザ光と、赤色レーザであるHe−Neレーザ21から出射されたレーザ光とは、ライトガイド10によって内視鏡2の先端部まで導光され、拡散板11と照度分布調整フィルタ12とを介して照明対象物である生体4を照射している。一般に、レーザ光を代表とする固体光源光の光強度は、光軸上で強く、光軸周辺部では弱い。また、固体光源光は可干渉性を有するため、照明対象物上にはスペックルと呼ばれる光の斑点模様が生じる場合がある。これらの特性は、照明を目的とした光源装置としては望ましくない。そこで、特許文献1では、拡散板11がレーザ光を拡散することで、所望の照明光を実現している。すなわち、内視鏡2等、細い管腔内を照明可能な光源装置において、スペックルなく、所望の照度分布を得る光源装置を可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−286234号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の特許文献1に提案されているファイバ光源装置1において、ライトガイド10から出射されたレーザ光は拡散板11に照射される。拡散板11は、レーザ光を拡散して前方に出射する機能を有している。このときレーザ光の一部は、拡散に伴い、後方、すなわちライトガイド10側にも放射される。この後方に放射されたレーザ光は、ロスとなるばかりでなく、内視鏡2の内部に吸収され熱となる。すなわち、照明光が暗くなり、ファイバ光源装置1の先端部の温度が上がってしまい、結果として拡散板11近傍での光利用効率が低くなるという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、これらの事情に鑑みてなされたものであり、光利用効率が高い拡散機能を有する光源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は目的を達成するために、1次光を出射する1次光源と、前記1次光が入射し、前記1次光の進行方向を転向する第1の光学機能部材と、前記第1の光学機能部材によって進行方向が転向した前記1次光の進行方向を転向する第2の光学機能部材と、前記第1の光学機能部材と前記第2の光学機能部材との間の領域を示し、前記第1の光学機能部材から前記第2の光学機能部材に向かう前記1次光の光路上に配設されている第3の光学機能部材と、前記1次光の一部が前記第1の光学機能部材と前記第3の光学機能部材と前記第2の光学機能部材との順で通過する際、前記1次光の一部が前記第1の光学機能部材に再び入射することなく外部に出射される窓部と、を具備し、前記第1の光学機能部材と前記第2の光学機能部材と前記第3の光学機能部材との少なくとも1つは、前記1次光を拡散する拡散機能を有することを特徴とする光源装置を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、光利用効率が高い拡散機能を有する光源装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1A】図1Aは、本発明の第1実施形態に係る光源装置の概略図である。
【図1B】図1Bは、光拡散ユニット及び導光部材の拡大斜視図である。
【図1C】図1Cは、光拡散ユニット及び導光部材の拡大断面図である。
【図1D】図1Dは、拡散部材の拡大断面図である。
【図1E】図1Eは、拡散部材の変形例であり、拡散部材の拡大断面図である。
【図2】図2は、本実施形態の変形例における光拡散ユニット及び導光部材の拡大断面図である。
【図3A】図3Aは、本発明の第2実施形態に係る光源装置の概略図である。
【図3B】図3Bは、光拡散ユニットの拡大断面図である。
【図3C】図3Cは、光拡散ユニットの変形例であり、光拡散ユニットの断面図である。
【図4A】図4Aは、本発明の第3実施形態に係る光源装置の概略図である。
【図4B】図4Bは、光拡散ユニットの拡大断面図である。
【図5】図5は、従来の光源装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
[第1実施形態]
[構成]
図1Aと図1Bと図1Cと図1Dと図1Eとを参照して第1の実施形態について説明する。なお、図1A及び図1Bでは一部の部材の図示を省略している。また、図1Bでは、説明のために導光部材120と光拡散ユニット130の入射部141とを離間させて表示している。
【0012】
光源装置100は、主に、1次光源110と光拡散ユニット130とによって構成されている。光源装置100は、1次光源110から出射された1次光L1を、光拡散ユニット130内に配設されている拡散部材150に照射する構成である。各部の詳細な構造を次に説明する。
【0013】
1次光源110は、1次光L1を出射する半導体レーザ光源111と、半導体レーザ光源111から出射された1次光L1を集光する集光レンズ112と、集光レンズ112によって集光された1次光L1を拡散部材150に導光する導光路である導光部材120とを有している。
集光レンズ112は、1次光L1を導光部材120の1次光入射端121に集光する。
導光部材120には、例えば、コア径50μm、開口数FNA=0.2を有するマルチモード光ファイバが用いられる。導光部材120は、集光レンズ112によって集光した1次光L1が入射する1次光入射端121と、1次光L1を光源光として拡散部材150に出射する1次光出射端122とを有している。
【0014】
光拡散ユニット130は、1次光出射端122から出射された1次光L1が入射する入射部141と、所望の照明光を外部の照射対象物160に出射する機能を有する出射部142を有している。また、光拡散ユニット130は、第1の光学機能部材としての反射型の拡散部材150と、第3の光学機能部材としての光透過部材133とを有し、導光部材120によって導光された1次光L1を所望の拡散光L2として拡散して出射する。第2の光学機能部材については、後述する。
【0015】
拡散部材150は、拡散部材150に入射した入射光を、その波長を変えず、広がり角を広げ、過干渉性を低めた拡散光L2に変換する機能を有している。拡散部材150は、入射部141側から照射された1次光L1を拡散光L2として拡散し、拡散する拡散光L2の一部を入射部141側に出射する機能を有している。拡散部材150は、例えば円柱形状を有している。このような拡散部材150は、導光部材120の1次光出射端122に対面した第1の領域151と、第1の領域151と対向する第3の領域152と、第1の領域151及び第3の領域152に挟まれた側面である第2の領域153とを有している。第1の領域151は、1次光出射端122から離間している。第1の領域151は、1次光出射端122と入射部141とを通る、導光部材120の中心軸120a上に配設されている。
【0016】
光透過部材133は、拡散部材150の第1の領域151と第2の領域153とを取り囲むように形成されており、拡散部材150の第1の領域151と第2の領域153とに接している。別言すれば、光透過部材133は、入射部141を円錐台の小径の第1面である上面、出射部142を大径の第2面である底面、側面をテーパ面とする、円錐台形状の立体である。光透過部材133は、例えば、拡散部材150の第1の領域151の中心が円錐台形状の中心軸上に配設され、拡散部材150の第3の領域152が出射部142に配設されるように、拡散部材150を内部に有している。なお光透過部材133は、立体の内部の空間の少なくとも一部に配設されている。また、光透過部材133は、1次光L1と、拡散部材150から出射される拡散光L2との両方を透過する性質を有している。光透過部材133の側面、すなわち、円錐台形状の傾斜面には、第2の光学機能部材としての正反射部143が直接形成されている。正反射部143は、立体の側面の少なくとも一部に配設されていればよい。
【0017】
正反射部143は、正反射部143に入射した入射光を正反射して反射光に変換する機能を有している。本実施形態においては、正反射部143に入射する入射光は、拡散部材150によって拡散されることでその進行方向が転向された拡散光L2である。また、正反射部143から出射する反射光は、正反射部143により正反射されることでその進行方向が転向された拡散光L2である。なお、正反射部143と拡散部材150とにおいて、理想的な反射面では、純粋な正反射や拡散反射を実現可能であるが、多くの場合、実際の反射面では、正反射する成分と拡散反射する成分とが混在する。本発明では、拡散部材150は、純粋な正反射を含む、主に拡散反射が支配的な反射機能を有する部材を意味する。また正反射部143は、純粋な正反射を含む、主に正反射が支配的な反射機能を有する部材を意味する。純粋な正反射に近い正反射部143は金属等の薄膜を成膜することで実現できる。これにより、テーパ形状の側面を活かし、より多くの反射光を出射部142側に導き易い正反射部143を実現できる。また、純粋な拡散反射に近い正反射部143は、酸化物や樹脂の粉末を塗布することで実現できる。これにより、正反射部143の形状の影響を受けにくい正反射部143を実現できる。
【0018】
本発明の正反射部143は、光透過部材133の側面全面に形成されている。なお正反射部143は、光透過部材133のテーパ面の一部のみに形成されてもよい。
【0019】
円柱形状の拡散部材150の第3の領域152は、出射部142よりも面積が小さく、且つ、出射部142とほぼ同心で配置されている。このように配置することで、拡散部材150は、その全周にわたって正反射部143と離間して配置されている。また第3の領域152は出射部142の開口面の一部を形成している。すなわち、出射部142は、第3の領域152とそれ以外の領域(窓部と呼ぶ)とで構成されている。第3の領域152は拡散部材150の表面である。本実施形態では、拡散部材150は、1次光L1を透過せず、拡散部材150から出射される1次光L1は全て光透過部材133に向けて拡散反射する。窓部は、光透過部材133の出射部142に面した部分である。窓部は、出射部142の一部である。窓部は、1次光L1の一部が第1の光学機能部材(拡散部材150)と第3の光学機能部材(光透過部材133)と第2の光学機能部材(正反射部143)との順で通過する際、正反射部143で正反射された拡散光L2の一部が拡散部材150に再び入射することなく外部に出射されるために配設されている。窓部は、拡散部材150から光透過部材133の内部に出射された拡散光L2は、正反射部143によって反射光に変換され、窓部から反射光の状態で外部に出射される。
【0020】
本実施形態では、光透過部材133は、拡散部材150と正反射部143との間に充填されるため、拡散部材150の側方全周に渡って入射部141から出射部142まで連続して形成されていることになる。本実施形態では、光透過部材133は、入射部141から出射部142まで連続した領域にて拡散部材150を取り囲んでいる例を示している。本発明の趣旨としては、光透過部材133は拡散部材150の側方の少なくとも一部に配設され、光透過部材133の一部が入射部141から出射部142まで連続して形成されていれば良い。言い換えると、光透過部材133は、入射部141から出射部142の少なくとも一部まで、連続して形成されていれば本発明の効果を得ることができる。
【0021】
また、別の表現としては、正反射部143は、集光レンズ112と導光部材120と光透過部材133とを介して半導体レーザ光源111と光学的に接続されている。また、正反射部143は、1次光L1を透過する機能を有する光透過部材133を介して1次光出射端122と出射部142と拡散部材150とに光学的に接続されている。
【0022】
1次光出射端122は、入射部141に1次光L1が入射するように入射部141と接続している。より具体的には、1次光出射端122は、光透過部材133の円錐台の小径の第1面である入射部141の中央付近に接続されている。
【0023】
1次光出射端122と拡散部材150との相対位置は、1次光出射端122から出射される1次光L1が略全て拡散部材150の第1の領域151上に照射されるように、光透過部材133のサイズおよび拡散部材150のサイズを設定する。このとき、導光部材120から出射された1次光L1は、拡散部材150の第1の領域151を含む平面上に、拡散部材150の第1の領域151よりも小さいビームスポットを形成する。ビームスポットとは、1次光の最大強度に対し、1/eより大きな光強度を有する領域と定義し、eは自然体数の底としてのネイピア数である。
【0024】
ここで、各部材の形状及び材質の好ましい例について説明する。
光透過部材133のテーパ角は、導光部材120の中心軸120aに対し20degが好ましい。拡散部材150は0.17mmの半径を有する円柱形状がよい。このような構造とすることにより、入射部141から拡散部材150の第1の領域151までの距離が約0.6mmとなる。なお、導光部材120には、先のマルチモード光ファイバを用いている。
【0025】
光透過部材133は、透明な光学用樹脂、一般的なガラスや石英ガラスなど、透明な材料で構成することが好ましい。そのような材料を選択することで、1次光L1および拡散光L2が効率よく透過し、光利用効率を高めることが可能であり、出射部142より多くの照明光を出射することができる。
【0026】
また、光透過部材133の側面に正反射部143を形成するためには、まず光透過部材133の上下面をマスキングし、反射材料を蒸着もしくはメッキすることが望ましい。反射材料としては、光透過部材の側面に形成しやすく、また、可視光に対し高い反射率を有する金属膜が望ましい。より望ましくは、アルミニウムか銀を選択されたい。なお、アルミニウムや銀などの反射材料は、空気中に放置すると、曇りや変色を生じるため、反射率が低下する場合がある。ひどい場合にはこの曇りや変色が光透過部材133との界面まで到達し、反射面としての機能が低下する恐れがある。このため、蒸着もしくはメッキにより形成した反射材料の上面に、保護膜を設けることが望ましい。保護膜はSiO、銅などが望ましい。
【0027】
拡散部材150は、図1Dに示すように、例えば光透過部材98が拡散粒子99を光透過部材98の内部で分散した状態で有することで、構成されている。このような拡散部材150は、反射面97上に取り付けられたものである。光透過部材98は、例えば光を透過するシリコーン樹脂等である。拡散粒子99は、例えばアルミナやシリカなどであり、1次光L1を拡散反射する。拡散粒子99の平均粒径は、例えば、8μmである。なお平均粒径は、1次光L1の波長と同程度から、1000倍程度のものまでを利用することができる。このとき、第1の領域151と第2の領域153とにおいて光透過部材98が露出しており、第3の領域152は反射面97と当接している。
【0028】
また図1Eに示すように、拡散部材150において、反射面97には、光透過部材133とは屈折率が異なる透光性部材95が配設されていても良い。透光性部材95は、透光性部材95の表面に微小な凸凹96を有している。微小な凸凹96は、1次光L1の波長と同程度から、1000倍程度のものまでを利用することができる。
【0029】
[動作]
半導体レーザ光源111から出射する本実施形態の1次光L1の挙動について説明する。
半導体レーザ光源111から出射された1次光L1は、集光レンズ112によって1次光入射端121に集光されて、1次光入射端121から導光部材120に高効率に入射する。
【0030】
導光部材120に入射した1次光L1は、導光部材120の内部を導光し、導光部材120の1次光出射端122から光透過部材133に向かって出射される。このとき1次光L1は、導光部材120が有する開口数(NA)と光透過部材133の屈折率などに応じた広がり角で出射される。
【0031】
1次光L1は、光透過部材133を透過して拡散部材150の第1の領域151を照射する。このとき、拡散部材150の第1の領域151の大きさは、1次光L1が拡散部材150の第1の領域151を含む平面上に形成するビームスポットより大きくなるように構成されている。このため、1次光L1の大部分は、拡散部材150を照射する。この結果、拡散部材150を経由せず直接外部に出射される1次光L1は、ほとんどない。
【0032】
1次光L1は、拡散部材150を照射し、拡散部材150の内部を進行しながら拡散し、1次光L1と波長は等しいが放射角が広く過干渉性が低い拡散光L2に変換される。このとき拡散光L2は、反射面97によって反射し、1次光L1の入射側、すなわち光透過部材133に向かって出射される。この結果、拡散光L2の一部は、光透過部材133に向かうように拡散部材150の第2の領域153又は第1の領域151から出射する。
【0033】
光透過部材133に向かう拡散光L2の一部は、光透過部材133を透過した後、光透過部材133の側面に形成された第2の光学機能部材としての正反射部143によって反射される(一部反射光に変換される)。正反射部143は、照明光出射側すなわち照射対象物160側に開いたテーパ面となっている。よって、正反射部143で反射された拡散光L2は、もとの進行方向と比べ、照明光出射側に向かって進行する成分が増加する。
【0034】
詳細には、正反射部143で反射された拡散光L2において、拡散光L2の一部は再び正反射部143に向かい、また拡散光L2の別の一部は拡散部材150に向かい、拡散光L2の残りの一部は光透過部材133を経由して反射光の状態で出射部142の窓部から出射し、外部の照射対象物160を照射する。
【0035】
正反射部143で一度反射され、再び正反射部143に向かう拡散光L2において、拡散光L2の一部は再び上述の工程を繰り返してさらに正反射部143に向かい、拡散光L2の別の一部は拡散部材150に向かい、拡散光L2の残りの一部は出射部142の窓部から外部に出射する。
【0036】
正反射部143や拡散部材150に向かった拡散光L2は、以降、上述の過程を繰り返す。
【0037】
以上をまとめると、1次光L1は、第1の光学機能部材である拡散部材150によって進行方向を転向され、且つ拡散されて1次光L2に変換される。1次光L2は、第1の光学機能部材(拡散部材150)と第2の光学機能部材(正反射部143)との間に配設された第3の光学機能部材である光透過部材133の内部を進行する。光透過部材133は、第1の光学機能部材(拡散部材150)と第2の光学機能部材(正反射部143)との間の領域を示し、第1の光学機能部材(拡散部材150)から第2の光学機能部材(正反射部143)に向かう1次光L1の光路上に配設されている。1次光L1の一部は、第2の光学機能部材(正反射部143)を照射する。第2の光学機能部材(正反射部143)を照射した1次光L1は、第2の光学機能部材(正反射部143)により進行方向を転向される。第2の光学機能部材(正反射部143)により進行方向を転向された1次光L1は再び第3の光学機能部材(光透過部材133)の内部を進行し、この1次光L1の一部は窓部から外部に出射される。
【0038】
[作用・効果]
上述のように、拡散部材150の第1の領域151から出射した拡散光L2の一部は、拡散部材150に直接再入射することなく、光透過部材133を通って出射部142から外部に出射される。よって本実施形態では、図5に示す透過型拡散部材である拡散板11に比べて、拡散部材150の自己吸収による光量低下が少ないため、1次光L1の利用効率が高く、拡散光L2の取出し効率の高い光源装置100を実現することが可能となる。特に、拡散の度合いを高めたい場合、1次光L1が直接照射される第1の領域151から高い割合で拡散光L2が出射される。第1の領域151から出射された拡散光L2の一部は、拡散部材150より1次光源110側に配設されている光透過部材133に出射される。そして、この拡散光L2の一部は、正反射部143と光透過部材133とを経由して拡散部材150に入射することなく出射部142まで進行し、光の利用効率が高い状態で外部の照射対象物160を照射できる。
【0039】
また、正反射部143と拡散部材150とは、拡散部材150側方全周に渡って離間しているため、拡散光L2が拡散部材150に再び入射せず出射部142より出射する割合を高めており、より光の利用効率が高くなる。
【0040】
また、光透過部材133を、1次光L1及び拡散光L2に対する透過率の高いガラスまたは樹脂で作製しているため、1次光L1及び拡散光L2の光透過部材133によるロスが少なく、より光の利用効率が高い。
【0041】
また、光透過部材133は、入射部141から出射部142にかけて広がる円錐台形状を有しているため、拡散光L2が側面全面に形成された正反射部143により反射を行う毎に、出射方向が出射部142に向かうため、より光の利用効率が高くなる。
【0042】
また、拡散部材150は円柱形状であり、第1の領域151は1次光L1のビームスポットより大きいため、1次光L1が効率よく拡散部材150を照射し拡散部材150によって拡散光L2に変換されるため、より光の利用効率が高くなる。
【0043】
また、正反射部143は、光透過部材133の側面全面に形成しているため、出射部142以外から拡散光L2が外部に出射されたり他部材に吸収されたりしてしまうことがないため、出射部142からの効率よく拡散光L2を出射できる。
【0044】
また、正反射部143は、可視光に対する反射率の高い金属を用いているため、正反射部143による反射の際の吸収が少なく、光のロスが小さく利用効率が高い。
【0045】
また、正反射部143は光透過部材133の側面に直接形成しているため、拡散光L2は、光透過部材133の外部に漏れだすことが無く、反射の際に反射膜の外側の構造の影響を受けることが無い。この結果、正反射部143を透明部材と別体で作製し、接着するような構成と比較して、拡散光L2を接着剤などを透過させず正反射部143によって高効率に反射できるため、光のロスが少なく利用効率が高い。
【0046】
また、本実施形態では、光透過部材133と拡散部材150とを第1の領域151と第2の領域153との2つと接する構造としたため、拡散部材150が脱落することが無く、信頼性が高い光源装置100を提供することができる。
【0047】
また、本実施形態では、拡散部材150を反射面97上に配設し、拡散粒子99を光透過部材98の内部に分散させているため、拡散部材150を照射する1次光L1は拡散する前に反射されることなく、また1次光L1は拡散する前に外部に出射されることがない。よって、1次光L1が直接外部に出射されることに起因する不具合が発生しにくく、照射面上のスペックルの発生を抑えることができる。
【0048】
以上のように構成することで、1次光L1の利用効率が高く、かつ、拡散光L2の取出し効率の高い光源装置100を提供することが可能となる。
【0049】
また、以上のように構成することで、レーザ光を照明光に適した照度分布となるように放射角を広げ、かつ、過干渉性を低めることでスペックルの発生しづらい拡散光L2を実現する、光利用効率の高い光拡散ユニットを実現することができる。これにより、1次光源から放射される1次光L1の光強度が同じ場合と比べ、より明るく、また、先端部での発熱の小さな光源装置を実現することが可能となる。
なお、本実施形態では、図1Dに示すように、反射面97が配設されることで、1次光L1が光透過部材133を経由せずに外部に出射しないように構成した例を示したが、これに限定される必要は無い。例えば拡散部材150が反射面97を有さず、これにより1次光L1の一部は直接照明対象物160に向けて出射し、1次光L1の別の一部が光透過部材133に向けて出射するように構成してもかまわない。これにより、拡散部材150の構成をシンプルにすることができる。
[変形例]
図2に示すように、本変形例では、拡散部材150は円錐台形状の光透過部材133の出射部142側の面に接して設置されている。この場合、出射部142は、円錐台形状の光透過部材133の出射部142側の面のうち拡散部材150に接していないエリア、及び拡散部材150の1次光出射端に面している面以外の外表面すべてである。この屈曲面全てから拡散光L2が外部に出射される。第1の領域151は光透過部材133と接しており、第2の領域153と第3の領域152とは出射部142上に位置しており、出射部142は第2の領域153と第3の領域152と窓部とにより構成されている。
【0050】
このような構造とすることで、光透過部材の形状がより単純になり作製しやすい。
【0051】
また、本実施形態の変形例では、光透過部材133と拡散部材150とを第1の領域151とのみで接している構造としたため、作製が簡便な光源装置100を提供することができる。
【0052】
[第2実施形態]
[構成]
図3Aに本発明の第2実施形態による光拡散ユニット130を示す。
第1実施形態では、1次光L1が直接照射される第1の光学機能部材が反射型の拡散部材150であり、第2の光学機能部材は光透過部材133のテーパ面に形成された正反射部143であり、第3の光学部材は拡散部材150と正反射部143との間に配設される光透過部材133である。
しかし、本実施形態では、第1の光学機能部材は正反射部250であり、第2の光学機能部材は反射型の拡散部材243であり、この点が第1の実施形態とは異なっている。
【0053】
本実施形態の正反射部250は、基材の上面に金属製の反射面がコートされることで、構成されている。正反射部250は、例えば、円柱状のガラス基板の上面に反射膜であるアルミ膜が成膜されることで、構成されている。なお、アルミ膜の代わりに銀やその他の金属膜等を用いることができる。
【0054】
すなわち、円柱状のガラス板の各面を、第1実施形態に倣い、第1の領域251と、第2の領域253と、第3の領域252としたときに、第3の領域252上に反射膜であるアルミ膜が形成されており、第1の領域251と第2の領域253とにはガラス面が露出している。ガラスの屈折率は、光透過部材133の屈折率と同じであっても良く、または異なっていても良い。屈折率が異なっている場合、第3の領域252だけでなく第1の領域251も1次光L1を反射する。また、ガラス基板と光透過部材133との界面において、1次光L1や反射光や拡散光L2は屈折するため、より光路が複雑に絡み合うこととなり、スペックル等を軽減しやすくなる。
【0055】
また図3Bに示すように、光透過部材133のテーパ面299上には、拡散部材243が形成されている。拡散部材243は、光透過部材133のテーパ面299の少なくとも一部と光学的に接続している。拡散部材243は、シリカやアルミナ等の拡散粒子99が光透過部材98等に混合することで構成されている拡散面である。拡散部材243は、光透過部材133のテーパ面299上に面状に塗布されている。拡散部材243は、テーパ面299の少なくとも一部に塗布されてもよい。シリカやアルミナ等の拡散粒子99は照射された光を効率よく拡散反射するため、反射膜等がテーパ面299に配設されていなくても、光は良好に拡散反射する。また、拡散粒子99の光透光性が高い場合と、拡散粒子99の厚みが薄い場合と、光透過部材98に対する拡散粒子99の濃度が低い場合とのいずれかにおいて、図示しない反射面が拡散部材243の外側に配設されることで、拡散部材243の反射率が向上し、1次光L1が外部に漏出することによる光ロスが軽減する。
【0056】
この様に構成することで、比較的容易に、光透過部材133のテーパ面299を拡散部材243として形成することができる。
【0057】
なお図3Cに示すように、拡散部材243は、光透過部材133の表面が粗らされたすりガラス状に形成された微小な凸凹96であってもよい。このとき、拡散部材243は、光透過部材133の微小な凸凹96が形成された面に、1次光L1を反射する反射面97を有している。反射面97が拡散部材243の外側に配設されることで、拡散部材243の反射率が向上し、1次光L1が外部に漏出することによる光ロスが軽減する。
【0058】
なお光透過部材133を保持する図示しない保持部材は、テーパ面299と対向する面上に、上述した拡散部材243を有してもよい。
【0059】
[動作]
半導体レーザ光源111から出射する本実施形態の1次光L1の挙動について説明する。
半導体レーザ光源111から出射された1次光L1は、第1実施形態と同様の動作により光透過部材133の内部に向かって出射される。
【0060】
1次光L1は、光透過部材133を透過して正反射部250の第1の領域251を経由して第3の領域252を照射する。このとき、第3の領域252の大きさは、1次光L1が第3の領域252を含む平面上に形成するビームスポットより大きくなるように構成されている。このため、1次光L1の大部分は、反射面である正反射部250の第3の領域252上を照射する。この結果、正反射部250を経由せず直接外部に出射される1次光L1は、ほとんどない。
【0061】
1次光L1は、正反射部250によって反射され、1次光L1の入射側、すなわち、光透過部材133に向かって出射される。
【0062】
光透過部材133に向かって出射された反射光の一部は、光透過部材133を透過した後、光透過部材133の側面に形成された拡散部材243によって拡散反射される。拡散部材243は、照明光出射側、すなわち照射対象物160側に開いたテーパ面となっている。このため拡散部材243で拡散反射された拡散光L2は、もとの進行方向と比べ、照明光出射側に向かって進行する成分が増加する。
【0063】
以上をまとめると、1次光L1は、第1の光学機能部材である正反射部250によって進行方向を転向される。1次光L1は、第1の光学機能部材(正反射部250)と第2の光学機能部材(拡散部材243)との間に配置された第3の光学機能部材である光透過部材133の内部を進行する。1次光L1の一部は、第2の光学機能部材(拡散部材243)を照射する。第2の光学機能部材(拡散部材243)を照射した1次光L1は、第2の光学機能部材(拡散部材243)により進行方向を転向され、且つ拡散されて拡散光L2に変換される。拡散光L2は再び第3の光学機能部材(光透過部材133)の内部を進行し、拡散光L2の一部は窓部から外部に出射される。
【0064】
[作用]
以上のように構成することで、1次光L1は、正反射部250により効率よく反射され、光透過部材133を通ってテーパ面299上に形成された拡散部材243を広く照射する。拡散部材243を広く照射する反射光である1次光L1は、拡散部材243の広い領域で反射拡散され、拡散光L2として出射部242の窓部から外部に出射される。
【0065】
[効果]
本実施形態のように構成することで、第1実施形態と比較して、反射拡散する領域の面積を大きくすることができる。一般に、拡散反射は正反射と比較して光を吸収し、吸収した光は熱に変換される。本実施形態のように拡散反射する領域の面積を大きくすることで、局所的な発熱を軽減できる。また、拡散部材243は図示しない保持部材と近接しているため、保持部材から放熱し易い構成となる。
【0066】
[第3実施形態]
[構成]
図4Aに本発明の第3実施形態による光拡散ユニット130を示す。
第1実施形態では、1次光L1が直接照射される第1の光学機能部材が反射型の拡散部材150であり、第2の光学機能部材は光透過部材133のテーパ面に形成された正反射部143であり、第3の光学部材は拡散部材150と正反射部143との間に配設される光透過部材133である。
また、第2実施形態では、1次光L1が直接照射される第1の光学機能部材が正反射部250であり、第2の光学機能部材が反射型の拡散部材243であり、第3の光学機能部材は正反射部250と拡散部材243との間に配設される光透過部材133である。
しかし本実施形態では、第1の光学機能部材が正反射部250であり、第2の光学機能部材が正反射部143であり、第3の光学機能部材は正反射部250と正反射部143との間に配設されている透過型の拡散部材233であり、この点が第1,2実施形態とは異なっている。
【0067】
本実施形態の正反射部143は第1実施形態と同様に構成されており、また正反射部250は第2実施形態と同様に構成されている。
【0068】
拡散部材233は、図4Bに示すように、光透過部材98が拡散粒子99を光透過部材98の内部で分散した状態で有することで、構成されている。光透過部材98は、光を透過するシリコーン樹脂等である。拡散粒子99は、例えばシリカ、アルミナなどの、光を拡散する粒子であればどのようなものでも利用することができる。拡散粒子99の粒径は、1次光L1の波長程度のものからその1000倍程度のものまで利用することができる。
【0069】
拡散粒子99は、アルミナ等、1次光L1を拡散反射するものでもよい。このような粒子が用いられと、拡散性能が向上する。また、拡散粒子99は、1次光L1に対し透過性を有し、シリコーン樹脂等分散させる側(光透過部材98)とは異なる屈折率を有していてもよい。このような拡散粒子99は、例えばシリカ等である。このような粒子が用いられると、拡散粒子99が吸収する光量が軽減され、透過性、すなわち、1次光L1の利用効率が向上する。なお拡散粒子99が1次光L1に対し透過性を有する場合、拡散粒子99は、粒径および/または屈折率が異なる2種類以上の粒子が混合している粒子であってもよい。この場合、拡散粒子99の拡散性能が調整される。
【0070】
透過型の拡散部材233は、正反射部250の有効な反射領域上の一点と、正反射部143の有効な反射領域上の一点とを結んだ直線が通る領域の全ての領域に配設されている。つまり透過型の拡散部材233は、1次光L1が第1の光学機能部材(正反射部250)から第2の光学機能部材(正反射部143)に向かう光路上にのみ配設されていれば、本発明の趣旨を実現できる。本実施形態では、円錐台形状の全領域が拡散部材233である。すなわち、拡散部材233は円錐台形状を有している。
【0071】
[動作]
半導体レーザ光源111から出射する本実施形態の1次光L1の挙動について説明する。
半導体レーザ光源111から出射された1次光L1は、第1実施形態と同様の動作により拡散部材233の内部に向かって出射される。
【0072】
1次光L1は、透過型の拡散部材233を照射し、拡散粒子99によって光路を曲げながら拡散部材233の内部を進行する。すなわち1次光L1は、拡散部材233によって徐々に拡散しながら進行する。以下では、拡散部材233を経由した1次光L1を便宜上、拡散光L2と呼ぶこととする。
【0073】
この拡散光L2の一部は、拡散部材233の内部から正反射部250に向かって進行し、正反射部250によって正反射され、再び拡散部材233の内部を進行する。また拡散光L2の別の一部は、拡散部材233の内部から正反射部143に向かって進行し、正反射部143によって正反射され、再び拡散部材233の内部を進行する。また、拡散光L2の別の一部は、拡散部材233の内部から出射部242の窓部を介して外部に向かって放射される。正反射部250または正反射部143で正反射され、拡散部材233の内部を進行する拡散光L2は、上記のような動作を繰り返し、それらの一部は出射部242の窓部から外部に向けて出射される。
【0074】
以上をまとめると、1次光L1は、第3の光学機能部材である透過型の拡散部材233の内部を進行し、第3の光学機能部材(拡散部材233)により進行方向を転向され、かつ、拡散されて拡散光L2となる。拡散光L2の一部は第1の光学機能部材である正反射部250を照射し、拡散光L2の一部は第2の光学機能部材である正反射部143を照射する。拡散光L2は、第1の光学機能部材(正反射部250)と第2の光学機能部材(正反射部143)とにより進行方向を転向される。拡散光L2は再び第3の光学機能部材(拡散部材233)の内部を進行し、拡散光L2の一部は窓部から外部に出射される。
【0075】
[作用・効果]
以上のように構成することで、1次光L1は、拡散部材233により効率よく拡散され、また、2つの正反射部143,250により反射されることで、十分に拡散されて外部に出射される。このため、第1,2実施形態の構成と比較して、スペックル等が発生しにくい拡散光L2となる。
【0076】
なお上述した各実施形態では、第1の光学機能部材と第2の光学機能部材と第3の光学機能部材とのいずれか1つのみが拡散機能を有する部材である例を示したが、これに限らない。第1の光学機能部材と第2の光学機能部材と第3の光学機能部材との少なくとも1つが拡散機能を有していてもよい。これにより、拡散機能を最大化することが可能となる。または、1つ1つの部材の拡散機能のレベルが低下しても、全体が十分な拡散機能を有することができる。特に、第1の光学機能部材と第2の光学機能部材とが拡散機能を有し、第3の光学機能部材が拡散機能を有さず光透過部材とすることで、拡散性能を向上でき、かつ、光の利用効率を向上できる。
【0077】
また上述した各実施形態では、第1の光学機能部材と第2の光学機能部材と第3の光学機能部材とに用いられる、反射面と反射部と拡散粒子と樹脂等の部材との光学的特性は、450nmから650nmの可視光領域の光に対し、フラットな反射、拡散、透過特性を有することが望ましい。各特性のボトムとなる値は、ピークとなる値の2分の1より大きいことが望ましい。例えば可視光領域の光に対する反射率において、最小の反射率の値は、最大の反射率の値の2分の1倍より大きい。
【0078】
なお、本発明において1次光源110は、半導体レーザ光源111と集光レンズ112と導光路としての導光部材120とを組み合わせた例を示したが、これに限らない。1次光源110は、発光ダイオードやスーパールミネッセントダイオード(SLD)などの固体光源や、固体レーザ、ガスレーザ等に置き換えることが可能である。また、導光部材120は複数の光ファイバを束ねたバンドルファイバや、樹脂基板や半導体基板上に屈折率分布を持たせて導光路を形成した一般的なフィルム型やスラブ型の導波路に置き換えることが可能である。さらに、集光レンズ112を用いず、半導体レーザ光源111や発光ダイオード、SLD等の発光面に導光路の入射端を直接接合することも可能である。また、これらを適宜組み合わせて用いることが可能である。
【0079】
また本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。
【符号の説明】
【0080】
100…光源装置、110…1次光源、130…光拡散ユニット、133…光透過部材、143…正反射部、150…拡散部材、151…第1の領域、152…第3の領域、153…第2の領域、233…拡散部材、243…拡散部材、250…正反射部、251…第1の領域、252…第3の領域、253…第2の領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1次光を出射する1次光源と、
前記1次光が入射し、前記1次光の進行方向を転向する第1の光学機能部材と、
前記第1の光学機能部材によって進行方向が転向した前記1次光の進行方向を転向する第2の光学機能部材と、
前記第1の光学機能部材と前記第2の光学機能部材との間の領域を示し、前記第1の光学機能部材から前記第2の光学機能部材に向かう前記1次光の光路上に配設されている第3の光学機能部材と、
前記1次光の一部が前記第1の光学機能部材と前記第3の光学機能部材と前記第2の光学機能部材との順で通過する際、前記1次光の一部が前記第1の光学機能部材に再び入射することなく外部に出射される窓部と、
を具備し、
前記第1の光学機能部材と前記第2の光学機能部材と前記第3の光学機能部材との少なくとも1つは、前記1次光を拡散する拡散機能を有することを特徴とする光源装置。
【請求項2】
前記第1の光学機能部材は、前記1次光の一部を前記1次光の入射方向に反射する反射型の光学機能部材であり、
前記第2の光学機能部材は、前記1次光の一部を前記1次光の入射方向に反射する反射型の光学機能部材であり、
前記第3の光学機能部材は、前記1次光の一部を透過する透過型の光学機能部材であることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
可視光領域の光に対する前記第1の光学機能部材の反射率と前記第3の光学機能部材の反射率とにおいて、最小の反射率の値は、最大の反射率の値の2分の1倍より大きいことを特徴とする請求項2に記載の光源装置。
【請求項4】
前記第1の光学機能部材と前記第2の光学機能部材と前記第3の光学機能部材とは、前記1次光を拡散して出射する拡散ユニットを形成しており、
前記拡散ユニットは、前記1次光が入射する入射部と、前記1次光を出射する出射部とを有し、
前記窓部は、前記出射部の一部であり、
前記第1の光学機能部材は、前記出射部近傍に配設されており、
前記第2の光学機能部材は、前記入射部を上面、前記出射部を底面とする立体の側面の少なくとも一部に配設されており、
前記第3の光学機能部材は、前記立体の内部の空間の少なくとも一部に配設されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の光源装置。
【請求項5】
前記拡散機能を有する前記光学機能部材は、前記第1の光学機能部材であることを特徴とする請求項4に記載の光源装置。
【請求項6】
前記第1の光学機能部材と前記第2の光学機能部材とは離間しており、
前記第3の光学機能部材は、前記第1の光学機能部材と前記第2の光学機能部材と間には配設されており、前記1次光に対し透光性を有することを特徴とする請求項5に記載の光源装置。
【請求項7】
前記第1の光学機能部材は、前記1次光に対し透光性を有する部材が前記1次光を拡散反射する拡散粒子を前記部材の内部で分散した状態で有することで、構成されていることを特徴とする請求項6に記載の光源装置。
【請求項8】
前記第1の光学機能部材は、微小な凸凹を有し、前記1次光に対して透光性を有する透光性部材によって形成され、前記1次光に対する前記透光性部材の屈折率は、前記第3の光学機能部材の屈折率とは異なることを特徴とする請求項6に記載の光源装置。
【請求項9】
前記第1の光学機能部材は、前記1次光が前記第1の光学機能部材に入射する入射面と、前記入射面と対向する面に前記1次光を反射する反射面とを有していることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の光源装置。
【請求項10】
前記拡散機能を有する光学機能部材は、前記第2の光学機能部材であることを特徴とする請求項4に記載の光源装置。
【請求項11】
前記第2の光学機能部材は、前記第3の光学機能部材の表面の少なくとも一部と光学的に接続していることを特徴とする請求項10に記載の光源装置。
【請求項12】
第2の光学機能部材は、前記1次光を拡散反射する拡散粒子が前記第3の光学機能部材の表面の少なくとも一部に塗布されることで、構成されていることを特徴とする請求項11に記載の光源装置。
【請求項13】
前記第2の光学機能部材は、前記第3の光学機能部材の表面に形成された微小な凸凹であることを特徴とする請求項11に記載の光源装置。
【請求項14】
前記第2の光学機能部材は、前記第3の光学部材と光学的に接続する面と対向する面に、前記1次光を反射する反射面を有していることを特徴とする請求項12または請求項13に記載の光源装置。
【請求項15】
前記拡散機能を有する光学機能部材は、前記第3の光学機能部材であることを特徴とする請求項4に記載の光源装置。
【請求項16】
前記第3の光学機能部材は、前記第1の光学機能部材の有効な反射領域上の一点と、前記第2の光学機能部材の有効な反射領域上の一点とを結んだ直線が通る領域の全ての領域に配設されていることを特徴とする請求項15に記載の光源装置。
【請求項17】
前記第3の光学機能部材は、前記1次光に対し透光性を有する部材が前記1次光を拡散反射する拡散粒子を前記部材の内部で分散した状態で有することで、構成されていることを特徴とする請求項16に記載の光源装置。
【請求項18】
前記第3の光学機能部材は、前記1次光に対し透過性を有する透過性部材が透過性粒子を前記透過性部材の内部で分散した状態で有することで、構成され、
前記透過性粒子は、前記1次光に対し透過性を有し、前記透過性部材とは異なる屈折率を有することを特徴とする請求項16に記載の光源装置。
【請求項19】
前記透過性粒子は、粒径および/または屈折率が異なる2種類以上の粒子が混合している粒子であることを特徴とする請求項17または18に記載の光源装置。
【請求項20】
前記第3の光学機能部材は円錐台形状であり、前記入射部は円錐台の小径の上面であり、前記出射部は円錐台の大径の下面であり、前記第2の光学機能部材は、前記円錐台のテーパ面上に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の光源装置。
【請求項21】
前記第1の光学機能部材と前記第2光学機能部材と前記第3の光学機能部材との少なくとも2つの光学機機能部材が、前記拡散機能を有することを特徴とする請求項4に記載の光源装置。
【請求項22】
前記第1の光学機能部材と前記第2の光学機能部材とのみが前記拡散機能を有していることを特徴とする請求項21に記載の光源装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−248402(P2012−248402A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−119147(P2011−119147)
【出願日】平成23年5月27日(2011.5.27)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)