説明

光源装置

【課題】本発明は、目的に応じた様々な種類の照明光を放射可能な光源装置を提供することである。
【解決手段】1次光源5a〜5c、6a〜6c、7a〜7dを有する光源ユニット2と、前記1次光源から射出された1次光を2次光に光変換し外部に射出する光変換手段11a〜11c、12a〜12c、13a〜13dを有する照明ユニット3と、前記光源ユニット2と前記照明ユニット3とを着脱可能に接続する接続部4とを有する光源装置1であって、前記接続部4は、前記光源ユニット2と前記照明ユニット3との間でエネルギーを授受可能な第1光ポート17〜第10光ポート26を有しており、第1光ポート17〜第10光ポート26は、各ポートで授受するエネルギーの物理的性質に応じて2つの第1階層ポートグループ(第1グループ27Aと第2グループ27B)にグループ分けされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明光を放射する光源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
照明光を放射する光源装置の先行技術が、例えば特許文献1に記載されている。特許文献1の光源装置は、レーザ光源と、光ファイバからなるライトガイドと、波長変換部材とにより構成されている発光ユニットを複数組み合わせた発光装置が提案されている。ここでは、光ファイバからなるライトガイドの基端部に青色レーザ光源、ライトガイドの先端部に波長変換部材がそれぞれ配設され、青色レーザ光源から射出されたレーザ光をライトガイドで先端まで導光し、ライトガイドの先端の波長変換部材で波長変換する第1ユニットが構成されている。さらに、青色より短い波長のレーザ光源と、ライトガイドと、波長変換部材とを用いて第2ユニットが構成されている。そして、第1ユニットと第2ユニットとを組み合わせて発光装置を構成することにより、第1ユニット単体の場合と比較して演色性が向上することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−173324号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、内視鏡等の観察に用いる光源装置では、観察の目的に応じて、照明光の明るさやピーク波長、発光色すなわちスペクトル形状、放射角、照射パターン形状などを適切に選択することで、観察対象物の視認性を向上するなどの取組みが進められている。
特許文献1のような従来技術による光源装置では、目的に応じた照明光を得るためには、光源装置の本体内に異なる種類の発光ユニットを複数用意し、目的に応じて使用する発光ユニットの組み合わせを調整する必要がある。しかし、光源装置の本体内に多数の発光ユニットを用意することは、コストや保管場所などの観点から望ましくない。
【0005】
本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的は、目的に応じた様々な種類の照明光を放射可能な光源装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面の態様は、1次光源を有する光源ユニットと、前記1次光源から射出された1次光を2次光に光変換し外部に射出する光変換手段を有する照明ユニットと、前記光源ユニットと前記照明ユニットとを着脱可能に接続する接続部とを有する光源装置であって、前記接続部は、前記光源ユニットと前記照明ユニットとの間でエネルギーを授受可能な複数のポートを有しており、複数の前記ポートは、各ポートで授受するエネルギーの物理的性質に応じて複数の第1階層ポートグループにグループ分けされている事を特徴とする光源装置である。
【0007】
好ましくは、前記第1階層ポートグループの少なくともひとつは、光エネルギーを授受する光ポートグループである。
好ましくは、前記光ポートグループに属するポートはそれぞれ、授受する光エネルギーの物理的性質に応じて複数の第2階層ポートグループにグループ分けされている。
【0008】
好ましくは、前記第2階層ポートグループの少なくともひとつは、レーザ光を授受するレーザ光ポートグループであり、前記1次光源はレーザ光を射出するレーザ光源であり、前記光変換手段はレーザ光を変換可能なレーザ光変換手段であるである。
好ましくは、前記第2階層ポートグループの少なくともひとつは、非レーザ光を授受する非レーザ光ポートグループであり、前記1次光源は非レーザ光射出する非レーザ光源であり、前記光変換手段は非レーザ光を変換可能な非レーザ光変換手段である。
【0009】
好ましくは、前記非レーザ光源は、LED光を射出するLED光源であり、前記光変換手段は前記LED光を変換可能なLED光変換手段である。
好ましくは、前記複数の第2階層ポートグループに属するポートはそれぞれ、授受する光エネルギーの強度、ピーク波長等の物理的性質、および1次光源の種類のうち少なくともいずれか1つに分類される第3階層ポートグループにグループ分けされている。
【0010】
好ましくは、前記第1階層ポートグループの少なくともひとつは、電気エネルギーを授受する電気ポートグループである。
好ましくは、前記電気ポートグループに属するポートは、前記ポートで授受する電気エネルギーの電気的性質に応じて複数の第2階層ポートグループにグループ分けされている。
【0011】
好ましくは、前記第2階層ポートグループの少なくともひとつは、電源およびグランドレベルを共通化する電源ポートグループである。
好ましくは、前記第2階層ポートグループの少なくともひとつは、前記光源ユニットおよび前記照明ユニットのうち少なくともいずれか1つに搭載されたセンサが検出した検出信号エネルギーを授受する検出信号ポートグループである。
【0012】
好ましくは、前記第2階層ポートグループの少なくともひとつは、デジタル信号を授受するデジタル信号ポートグループである。
好ましくは、前記第2階層ポートグループに属するポートは、授受する電気エネルギーの電流レベル、電圧レベル、ノイズ耐性等の物理的性質により、第3階層ポートグループにグループ分けされている。
【0013】
好ましくは、前記接続部に配置されたポートは、グループ分けされた各階層のポートグループ毎に、各ポートが近接配置されている。
好ましくは、前記接続部は、前記各ポートで授受するエネルギーの物理的性質に応じて必要とされる対策手段を、前記ポートグループごとにまとめて実施する。
【0014】
好ましくは、前記対策手段は、前記レーザ光ポートグループのレーザ光に対する安全性を確保するためのレーザ安全対策手段である。
好ましくは、前記レーザ光安全対策手段は、レーザ光が外部に漏れ出すのを防ぐシャッタである。
好ましくは、前記第1階層ポートグループは、そのポートグループに属するポートがない無ポートグループ、または1ポートのみの1ポートグループのうち少なくともいずれか1つを設置可能である。
【0015】
好ましくは、前記第2階層ポートグループは、そのポートグループに属するポートがない無ポートグループ、または1ポートのみの1ポートグループのうち少なくともいずれか1つを設置可能である。
好ましくは、前記第2階層ポートグループに属するポートは、そのポート位置に応じた優先順位がつけられている。
【0016】
好ましくは、前記第2階層ポートグループのうち、使用されていないポートの照明ユニット側に遮光部材が設けられている。
好ましくは、前記第1階層ポートグループのうち少なくともひとつは、そのポートグループに属する各ポートで授受するエネルギーの制限を設けず、どのようなポートでも属することが可能なフリーポートグループである。
好ましくは、前記第1階層ポートグループは、異なるポートグループに属する前記ポート同士の接続を防止する誤接続防止手段を備える。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、目的に応じた様々な種類の照明光を放射可能な光源装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施の形態の光源装置の全体の概略構成を示す図。
【図2】第1の実施の形態の光源装置の光源ユニットと照明ユニットとの接続部のポートの配置状態を示す要部の概略構成図。
【図3】第1の実施の形態の光源装置の照明ユニットのユニット本体の先端端面の正面図。
【図4】第1の実施の形態の光源装置の接続部のコネクタ内のポートの配置状態を示す正面図。
【図5】本発明の第2の実施の形態の光源装置の接続部のコネクタ内のポートの配置状態を示す正面図。
【図6】本発明の第3の実施の形態の光源装置の光源ユニットと照明ユニットとの接続部のポートの配置状態を示す要部の概略構成図。
【図7】第3の実施の形態の光源装置の接続部のコネクタ内のポートの配置状態を示す正面図。
【図8】本発明の第4の実施の形態の光源装置の接続部のコネクタ内のポートの配置状態を示す正面図。
【図9】本発明の第5の実施の形態の光源装置の光源ユニットと照明ユニットとの接続部のポートの配置状態を示す要部の概略構成図。
【図10】第5の実施の形態の光源装置の接続部のコネクタ内のポートの配置状態を示す正面図。
【図11】第1の実施の形態の光源装置の第1の変形例の光源ユニットと照明ユニットとの接続部のポートの配置状態を示す要部の概略構成図。
【図12】第1の変形例の光源装置の光源ユニットと照明ユニットとの接続部のコネクタの嵌合部位の接続状態を示す要部の概略構成図。
【図13】第1の変形例の光源装置の接続部のコネクタ内のポートの配置状態を示す正面図。
【図14】第1の実施の形態の光源装置の第2の変形例の接続部のコネクタ内のポートの配置状態を示す正面図。
【図15】第1の実施の形態の光源装置の第3の変形例の光源ユニットと照明ユニットとの接続部のポートの配置状態を示す要部の概略構成図。
【図16】第3の変形例の光源装置の接続部のコネクタ内のポートの配置状態を示す正面図。
【図17】第3の変形例の光源装置の接続部のコネクタを示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第1の実施の形態]
(構成)
図1乃至図4は、本発明の第1の実施の形態を示す。図1は、第1の実施の形態の光源装置1の全体の概略構成を示す図である。レーザ光等の1次光を発光する1次光源と、1次光のピーク波長、スペクトル形状、放射角の少なくともひとつを変換して照明光(2次光)として射出する光変換手段とを組み合わせた本実施の形態の光源装置1は、図1に示す様に、レーザ光源を複数含む光源ユニット2と、光変換手段を複数含む照明ユニット3からなり、光源ユニット2と照明ユニット3は接続部4を介して着脱可能に構成する。
【0020】
接続部4は、光源ユニット2と照明ユニット3との光学的接続を実現する光ポートを複数持っている。照明ユニット3側のそれぞれの光ポートには、1次光の、ピーク波長、スペクトル形状、放射角を変換する変換機能のうち、少なくともひとつが互いに異なる光変換手段が接続されている。また、同様に光源ユニット2側のそれぞれの光ポートには、搭載された1次光源から出力される1次光の最大光出力、ピーク波長、スペクトル形状、などの射出光機能の少なくとも一部が互いに異なる複数の光源が接続されている。
【0021】
光源ユニット2に搭載された光源に対し、光変換手段が搭載された照明ユニット3を適切に選択し組み合わせることで、射出する照明光(2次光)の光特性を切替可能となっている。この組合せを適切に選択することで、様々な光を放射可能な光源ユニット2を、スペース効率よく配置できる光源装置1を実現することができる。
【0022】
このように、光源ユニット2と照明ユニット3を適切に組み合わせることで様々な光を切替可能な光源装置1では、複数の光ポートを同時に接続する接続部4を設けることで、接続作業を容易に行うことが可能となる。このとき、接続部4の構造を以下の実施形態にて説明するように工夫することで、意図しない接続を回避し、確実な動作を実現することが可能となる。
【0023】
<光源ユニット>
図2に示すように光源ユニット2には、ユニット本体2a内に射出光機能の異なる3種類の1次光源グループ(第1の1次光源グループ5,第2の1次光源グループ6,第3の1次光源グループ7)が搭載されている。さらに、3種類の1次光源グループにはそれぞれ複数の1次光源が搭載されている。本実施形態において光源ユニット2のユニット本体2a内に搭載されている1次光源の数の合計は全部で10個である。
【0024】
ここで、第1の1次光源グループ5には、図2に示すように複数、本実施の形態では3個の第1の1次光源5a,5b,5cが搭載されている。これら3個の第1の1次光源5a,5b,5cは、それぞれ第1の波長であるピーク波長λ1のレーザ光を放射するレーザ光源である。
【0025】
第2の1次光源グループ6には、複数、本実施の形態では3個の第2の1次光源6a,6b,6cが搭載されている。これら3個の第2の1次光源6a,6b,6cは、それぞれ第2の波長であるピーク波長λ2のレーザ光を放射するレーザ光源である。
第3の1次光源グループ7には、複数、本実施の形態では4個の第3の1次光源7a,7b,7c,7dが搭載されている。これら4個の第3の1次光源7a,7b,7c,7dは、それぞれ第3の波長であるピーク波長λ3の非レーザ光を放射するLED光源である。
【0026】
第1の1次光源グループ5の3個の第1の1次光源5a,5b,5cには、それぞれ第1の光ファイバ8a,8b,8cの一端が接続されている。同様に、第2の1次光源グループ6の3個の第2の1次光源6a,6b,6cには、第2の光ファイバ9a,9b,9cの一端、第3の1次光源グループ7の4個の第3の1次光源7a,7b,7c,7dには、第3の光ファイバ10a,10b,10c,10dの一端がそれぞれ接続されている。
【0027】
<照明ユニット>
照明ユニット3は、例えば図1に示す様に円管状の形状のユニット本体3aを有する。図2に示すように照明ユニット3には、変換機能の異なる3種類の光変換手段グループ(第1の光変換手段グループ11,第2の光変換手段グループ12,第3の光変換手段グループ13)がそれぞれ搭載されている。3種類の光変換手段グループには、それぞれ複数の光変換手段が配設されている。本実施形態において照明ユニット3に搭載されている光変換手段の数の合計は全部で10個である。
【0028】
第1の光変換手段グループ11は、第1の波長λ1の1次光を受光して照明光(2次光)に変換する3個の光変換手段(第1の光変換手段11a,11b,11c)を有する。すなわち、光源ユニット2に搭載された第1の1次光源5a,5b,5cの数と同数だけ搭載されている。第1の光変換手段11a,11b,11cは、1次光のレーザ光を受光して、1次光の広がり角を広げ、安全な2次光として放射する機能を有している。また、レーザ光の可干渉性を軽減し、スペックルの発生を防ぐ機能を有している。これらの機能は、以下、レーザ光対応機能と呼ぶこととする。
【0029】
第2の光変換手段グループ12は、第2の波長λ2の1次光を受光して照明光(2次光)に変換する3個の光変換手段(第2の光変換手段12a,12b,12c)を有する。すなわち、光源ユニット2に搭載された第2の1次光源6a,6b,6cの数と同数だけ搭載されている。第2の光変換手段12a,12b,12cは、第1の光変換手段11a,11b,11cと同様に1次光のレーザ光を受光して、1次光の広がり角を広げ、安全な2次光として放射する機能を有している。また、レーザ光の可干渉性を軽減し、スペックルの発生を防ぐ機能を有している。機能の特性は第1の光変換手段11a,11b,11cとは異なる。第2の光変換手段12a,12b,12cは、レーザ光対応機能を有している。
【0030】
第3の光変換手段グループ13は、第3の波長λ3の1次光(LED光)を受光して照明光に変換する4個の光変換手段(第3の光変換手段13a,13b,13c,13d)を有する。すなわち、光源ユニット2に搭載された第3の1次光源7a,7b,7c,7dの数と同数だけ搭載されている。第3の光変換手段13a,13b,13c,13dは非レーザ光の1次光を受光して、1次光の広がり角を広げたり、絞りなどで適切な光量に調整したりするなど、所望の光学特性の2次光に変換して放射する機能を有している。第3の光変換手段13a,13b,13c,13dは、非レーザ光であるLED光を変換することを想定して作製されている。このため、レーザ光対応機能は有していない。
【0031】
これにより、3つの光変換手段グループ(第1の光変換手段グループ11,第2の光変換手段グループ12,第3の光変換手段グループ13)の各光変換手段(第1の光変換手段11a〜11c、第2の光変換手段12a〜12c、第3の光変換手段13a〜13dのそれぞれより射出される光は、光変換手段グループ毎にそれぞれ異なる特性を持っている。
【0032】
図3は、照明ユニット3のユニット本体3aの先端端面を示す。ここで、ユニット本体3aの先端端面の内側には、4つの第3の光変換手段13a〜13dが図3中で上下左右の4方向に互いに等間隔で配置されている。これら4つの第3の光変換手段13a〜13dの外側には、3つの第1の光変換手段11a〜11cと、第2の光変換手段12a〜12cとがそれぞれ周方向に等間隔で配置されている。これにより、4つの第3の光変換手段13a〜13dと、3つの第1の光変換手段11a〜11cと、第2の光変換手段12a〜12cとはそれぞれ疎らになるように配置されている。そして、4つの第3の光変換手段13a〜13dと、3つの第1の光変換手段11a〜11cと、第2の光変換手段12a〜12cとより放射された光は照明ユニット3のユニット本体3aの先端端面より放射される。
【0033】
第1の光変換手段11a〜11cには、それぞれ第1の光ファイバ14a,14b,14cの一端が接続されている。同様に、第2の光変換手段12a〜12cには、第2の光ファイバ15a,15b,15cの一端、第3の光変換手段13a〜13dには、第3の光ファイバ16a,16b,16c,16dの一端がそれぞれ接続されている。
【0034】
<接続部>
接続部4は、図1に示すように光源ユニット2側コネクタである第1のコネクタ部4aと照明ユニット3側コネクタである第2のコネクタ部4bとで構成されている。第1のコネクタ部4aと第2のコネクタ部4bとの間は、着脱可能に接続される。
【0035】
さらに、接続部4は、光源ユニット2と照明ユニット3との間でエネルギーを授受可能な複数、本実施の形態では図2に示すように10個の光ポート(第1光ポート17〜第10光ポート26)を有している。ここで、第1のコネクタ部4aおよび第2のコネクタ部4bには、10個の光ポート(第1光ポート17〜第10光ポート26)にそれぞれ対応する着脱可能な接続端末の光ポートを有する。すなわち、第1のコネクタ部4aは、第1光ポート17a〜第10光ポート26aを有し、第2のコネクタ部4bは、第1光ポート17b〜第10光ポート26bを有する。
【0036】
第1のコネクタ部4aの第1光ポート17a、第2光ポート18a、第3光ポート19aには、それぞれ第1の光ファイバ8a,8b,8cの各他端が接続されている。同様に、第4光ポート20a、第5光ポート21a、第6光ポート22aには、それぞれ第2の光ファイバ9a,9b,9cの各他端、第7光ポート23a、第8光ポート24a、第9光ポート25a、第10光ポート26aには、それぞれ第3の光ファイバ10a,10b,10c,10dの各他端がそれぞれ接続されている。なお、光源ユニット2側の光ポート17a〜26aは、1次光源に一端が光学的に接続された光ファイバの各他端によって形成してもよい。
【0037】
接続部4の第2のコネクタ部4bの第1光ポート17b、第2光ポート18b、第3光ポート19bには、それぞれ第1の光ファイバ14a,14b,14cの各他端が接続されている。同様に、第4光ポート20b、第5光ポート21b、第6光ポート22bには、それぞれ第2の光ファイバ15a,15b,15cの各他端、第7光ポート23b、第8光ポート24b、第9光ポート25b、第10光ポート26bには、それぞれ第3の光ファイバ16a,16b,16c,16dの各他端がそれぞれ接続されている。なお、照明ユニット3側の光ポート17b〜26bは、光変換手段に一端が光学的に接続された光ファイバの各他端によって形成してもよい。
【0038】
前記第1光ポート17〜第10光ポート26は、各ポートで授受するエネルギーの物理的性質に応じて複数、本実施の形態では2つの第1階層ポートグループ(第1グループ27Aと第2グループ27B)にグループ分けされている(図4参照)。
ここで、第1グループ27Aは、レーザ光を伝えるポートである第1光ポート17〜第6光ポート22によって構成されている。第2グループ27Bは、非レーザ光を伝えるポートである第7光ポート23〜第10光ポート26によって構成されている。すなわち、第1階層として、レーザ光のポートグループ(第1グループ27A)と、非レーザ光のポートグループ(第2グループ27B)とにグループ分けされている。
【0039】
第1グループ27aはさらに、波長λ1のレーザ光のポート(第1光ポート17〜第3光ポート19)のAグループ27A1と、波長λ2のレーザ光のポート(第4光ポート20〜第6光ポート22)のBグループ27A2とにグループ分けされている。すなわち、第2階層として、レーザ光の波長毎に、Aグループ27A1とBグループ27A2とにグループ分けされている。
【0040】
図4は、接続部4の第1のコネクタ部4a内の接続面のポートの配置状態を示す。なお、図4は、接続部4の光源ユニット2側の第1のコネクタ部4aの接続面を、照明ユニット3側から見た図である。ここで、接続部4の第1のコネクタ部4aの接続面上で、グループ分けされた光ポートは、それぞれ同じグループに属するポート毎に、位置的に近接した領域にまとめて搭載されている。また、第2のコネクタ部4bの接続面のポートの配置状態も第1のコネクタ部4aの接続面のポートの配置状態と対応する状態で配置されている。
【0041】
そして、接続部4の第1のコネクタ部4aと第2のコネクタ部4bとの接続時には、第1のコネクタ部4aの第1光ポート17a〜第10光ポート26aと、第2のコネクタ部4bの第1光ポート17b〜第10光ポート26bとの間がそれぞれ接続される。このとき、接続部4は、光源ユニット2側の第1のコネクタ部4aの光ポートと、照明ユニット3側の第2のコネクタ部4bの光ポートとを光学的に接続可能な位置に導き、固定する機能を有している。
【0042】
(作用)
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の光源装置1の使用時には、光源ユニット2の第1のコネクタ部4aと、照明ユニット3の第2のコネクタ部4bとの間が接続される。この光源ユニット2と照明ユニット3との接続時には、図2に示すように第1のコネクタ部4aの第1光ポート17a〜第10光ポート26aと、第2のコネクタ部4bの第1光ポート17b〜第10光ポート26bとがそれぞれ接続される。
【0043】
このとき、光源ユニット2の第1の1次光源5a,5b,5cから出射される第1の波長であるピーク波長λ1のレーザ光は、それぞれ第1の光ファイバ8a,8b,8cから第1のコネクタ部4aの(第1階層ポートグループの第1グループ27AのAグループ27A1の)第1光ポート17a、第2光ポート18a、第3光ポート19aを介して第2のコネクタ部4bの第1光ポート17b、第2光ポート18b、第3光ポート19bに導光され、第1の光ファイバ14a,14b,14cを経て(第1の光変換手段グループ11の)第1の光変換手段11a〜11cに入射される。そのため、第1の光変換手段グループ11の第1の光変換手段11a,11b,11cは、第1の波長λ1の1次光を受光して1次光の広がり角を広げ、安全な2次光として照明光に変換した状態で外部に放射される。
【0044】
さらに、光源ユニット2の第2の1次光源6a,6b,6cから出射される第2の波長であるピーク波長λ2のレーザ光は、それぞれ第2の光ファイバ9a,9b,9cから第1のコネクタ部4aの(第1階層ポートグループの第1グループ27AのBグループ27A2の)第4光ポート20〜第6光ポート22を介して第2のコネクタ部4bの第4光ポート20b、第5光ポート21b、第6光ポート22bに導光され、第2の光ファイバ15a,15b,15cを経て(第2の光変換手段グループ12の)第2の光変換手段12a〜12cに入射される。そのため、第2の光変換手段グループ12の第2の光変換手段12a,12b,12cは、第2の波長λ2の1次光を受光して1次光の広がり角を広げ、安全な2次光として照明光に変換した状態で外部に放射される。
【0045】
また、光源ユニット2の第3の1次光源7a,7b,7c,7dから出射される第3の波長であるピーク波長λ3のLED光(非レーザ光)は、それぞれ第3の光ファイバ10a,10b,10c,10dから第1のコネクタ部4aの(第1階層ポートグループの第2グループ27Bの)第7光ポート23a、第8光ポート24a、第9光ポート25a、第10光ポート26aを介して第2のコネクタ部4bの第7光ポート23b、第8光ポート24b、第9光ポート25b、第10光ポート26bに導光され、第3の光ファイバ16a,16b,16c,16dを経て(第3の光変換手段グループ13の)第3の光変換手段13a〜13dに入射される。そのため、第3の光変換手段グループ13の第3の光変換手段13a〜13dは、非レーザ光の1次光を受光して、1次光の広がり角を広げたり、絞りなどで適切な光量に調整したりするなど、所望の光学特性の2次光に変換して放射される。
【0046】
(効果)
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態の光源装置1では、接続部4は、第1階層としてレーザ光のポートグループ(第1グループ27A)と非レーザ光のポートグループ(第2グループ27B)とにグループ分けされ、同じグループに属するポート毎に、位置的に近接した領域にまとめて搭載されている。そのため、例えば接続部4の第1グループ27Aのみにレーザ光の安全性を確保するなどの対策を対策が必要なグループのみに対して行うことができ、第2グループ27Bの構成は第1グループ27Aよりも簡素化することができる。
【0047】
さらに、接続部4において、グループ分けされた光ポートは、位置的にまとめて配置されているため、どの光ポートがどのグループに属しているかを視覚的に判断しやすい。また、グループ毎に必要な対策を、グループ全体に対してまとめて行い易い。
例えば、光源ユニット2に照明ユニット3を接続していない状態で、光源ユニット2側の接続部4の第1のコネクタ部4aから不要なレーザ光が射出されてしまう現象を避けるために設置するシャッタ等を接続部4の第1のコネクタ部4aに設ける場合、レーザ光のポートグループである第1グループ27Aに属する第1光ポート17〜第6光ポート22は近接配置されているため、これら全体をまとめてひとつのシャッタを取り付けることができる。
【0048】
また、レーザ光のポートグループ(第1グループ27A)は、レーザ光の波長毎に、第2階層としてAグループ27A1とBグループ27A2とにさらに細かくグループ分けされている。そのため、第1階層における第1グループ27Aに属する全ての光ポートに同じ対策を施す必要がない場合は、第2階層ポートグループを用いてAグループ27A1とBグループ27A2のいずれか一方に対策を施すと良い。例えば、第1階層ではレーザ光か否かでグループ分けしたが、全てのレーザ光に対して同じ対策は必ずしも必要ない場合や、例えば、紫外線レーザでは、ポート近傍に一般的な樹脂部品があると光劣化を起こすため、耐光性の高い樹脂や無機物を用いるなど、可視、赤外光レーザとは異なる対策が必要な場合がある。このような場合、第2階層としてレーザの波長でグループ分けしておくことで、必要な対策を必要な光ポートにのみ行うことができる。
【0049】
また、レーザ光の接続ポートは、接続部4の位置調整精度が悪いと接続効率が低下するため、位置調整精度の高い接続部が必要であるが、光ポートそのものは細く小型である。一方、非レーザ光のポートでは高い位置調整制度は必要ないが、光ポートは一般にレーザ光の場合より大型となる。このため、光ポート周りのサイズや構造がレーザ光用のポートか否かで異なるが、グループ毎にまとめて配置するため、各ポートに適した構成を取り易い。例えば、精度を要求する場合は金属部材を用いたり、耐熱性が必要な場合はセラミック部材を用いたりするが、グループ毎に要求される接続部4の素材が異なる場合、グループ毎にまとめることで設計、製造も容易になり、低コスト化もできる。さらに、類似した光配線同士を束ねることで、光源ユニット2、照明ユニット3内の光配線を整理し易い。
【0050】
例えば、レーザ光である1次光源を、レーザ光対応機能のない光変換手段に誤接続した場合に、人体にリスクのある光が外部に照射されたり、スペックル等が発生する可能性があり、照明光に適さない光が外部に照射されたりする可能性がある。これに対し、本実施形態のようにグループ分けして光ポートを配置することで、その光ポートがレーザ光対応機能を有するポートか否かを視覚的にも判断しやすく、誤接続を防ぐことができる。
【0051】
これにより、目的に応じた様々な光を放射可能なひとつの光源装置1を実現するために、光源ユニット2と照明ユニット3とを着脱可能とするときに、光ポートの接続部4の構造を最適化し、設計、製造し易く、低コスト化も可能な光源装置1を実現できる。
【0052】
光源ユニット2や、照明ユニット3の設計をする場合、接続部4の第1のコネクタ部4aや、第2のコネクタ部4bではグループ分けされた光ポートのグループ別にそのグループで必要な対策を設定することができる。そのため、新たな光ポートを設ける場合に、新たな光ポートを目的のグループに属するポート位置に配置するだけで、そのグループで必要な対策が新たな光ポートにもすでになされている状態にすることができる。その結果、光源ユニット2や、照明ユニット3の設計時に光変換手段の性質から新たな光ポートがどの光ポートグループに属するかを判断し、その光変換手段が属するグループの領域に光ポートを配置するように設計すれば、必要な対策等を個別に検討する必要がない。
【0053】
[第2の実施の形態]
(構成)
図5は、本発明の第2の実施の形態を示す。本実施の形態は、第1の実施の形態(図1乃至図4参照)の光源装置1の構成を次の通り変更した変形例である。第1の実施の形態の接続部4では、第2グループ27Bが非レーザ光を伝えるポートである第7光ポート23〜第10光ポート26によって構成されている例を示したが、本実施の形態では電気のポートグループによって構成されている第2グループ31が設けられている。すなわち、本実施の形態は、接続部4の2つの第1階層ポートグループがレーザ光のポートのグループ(第1グループ27A)と、電気のポートグループ(第2グループ31)とにグループ分けされている点が第1実施形態とは異なっている。なお、本実施形態におけるレーザ光のポートグループ(第1グループ27A)は第1実施形態と同様であり、説明は省略する。
【0054】
図5は、接続部4の第1のコネクタ部4a内の接続面のポートの配置状態を示す。電気のポートグループ(第2グループ31)は、電源端子、グランド端子のほか、センシング信号を伝送する信号端子などの電気ポート32a、33a、34a、35aによって構成されている。なお、第2のコネクタ部4bの接続面のポートの配置状態も第1のコネクタ部4aの接続面のポートの配置状態と対応する状態で配置されている。そして、第2のコネクタ部4bの電気のポートグループには、図示しない電気ポート32b、33b、34b、35bが配設されている。
【0055】
また、電気ポートのグループ(第2グループ31)は、照明ユニット3に必要な様々な電気的機能、例えば、照明光の光量を制御するための図示しない光センサや、接続部4における光源ユニット2と照明ユニット3との接続状態を電気的に確認する接続確認端子などである。
【0056】
(作用・効果)
そこで、本実施の形態では、電気配線の電気のポートグループ(第2グループ31)と光配線のレーザ光のポートグループ(第1グループ27A)とを第1階層においてグループ分けし、電気配線をまとめて配置している。これにより、光配線に必要な対策(たとえば、端子部の汚れによる光接続効率の低下防止や、レーザ漏れ光に対する安全対策など)を光ポートグループ(第1グループ27A)のみに行い、また、電気配線に必要な対策(例えば、シールドによるノイズ対策や水分、ホコリ等に対する漏電対策、感電対策など)を電気ポートグループ(第2グループ31)のみに行うことができる。これにより、必要な対策を必要なグループに対してのみ行うことができるため、小型で低コストの接続部を実現できる。
【0057】
また、電気ポートから延びる電気配線をフレキシブル配線やリボン配線のような一体型のものに加え、ノイズ対策に一般に用いられるような複数の電気配線を編みこんだツイスト配線等を用いる場合にも、電気ポートが近接配置されていることで、接続部近傍の配線を整理しやすい。
【0058】
これにより、目的に応じた様々な光を放射可能なひとつの光源装置1を実現するために、光源ユニット2と照明ユニット3を着脱可能とするときに、接続部4に電気配線を有する構造においても接続部4を最適化し、設計、製造し易く、低コスト化も可能な光源装置1を実現できる。
【0059】
なお、上記本実施の形態では、電気のポートグループ(第2グループ31)の電気ポート32a、33a、34a、35aのうち信号端子ポートに接続された電気配線は、微弱な信号を用いる場合、シールド線によりシールドされることが望ましい。また、電気配線はフレキシブル配線を用いたりリボン配線を用いたりすることがあるため、電気配線をグループ化し、接続部4で電気ポートを近接配置することで、配線を効率的に行えるように構成されている。
【0060】
また、本実施形態では電気ポートのグループ(第2グループ31)を1つのグループとして記載したが、これに限定されるものではない。例えば、デジタル信号を伝送するポートと、アナログ信号を伝送するポートとを分離し、デジタル信号グループとアナログ信号グループを第2階層グループとして電気ポートグループの下位の階層にグループ分けして配置する構成にしてもよい。
【0061】
[第3の実施の形態]
(構成)
図6および図7は、本発明の第3の実施の形態を示す。本実施形態は、基本的に第1実施形態(図1乃至図4参照)の光源装置1と同様に構成されており、図6および図7中で図1乃至図4と同一部分には同一の符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる点についてのみ説明する。図6は、本実施形態の光源装置41の接続部4のコネクタ内のポートの配置状態を、図7は、その接続部4の光源ユニット2側の第1のコネクタ部4aの接続面のポートの配置状態を示す。
【0062】
本実施形態では、光源ユニット2側の接続部(第1のコネクタ部4a)のポートの数と、照明ユニット3側の接続部(第2のコネクタ部4b)のポートの数が異なっている点が第1実施形態とは異なっている。本実施形態の光源ユニット2は第1実施形態と同様に構成されている。すなわち、本実施形態の光源ユニット2は第1実施形態で説明した照明ユニット3とも組み合わせ可能である。
【0063】
本実施形態の照明ユニット3のユニット本体42は、第1実施形態と比較して、内蔵されている光変換手段の数が少なく構成されている。本実施形態の照明ユニット3のユニット本体42では、2個の第1の光変換手段43a、43bと、2個の第2の光変換手段44a、44bと、1個の第3の光変換手段45とを有している。すなわち、接続部4の有する10個の光ポート(第1光ポート17〜第10光ポート26)のうち、合計5個の光ポート(第1光ポート17、第2光ポート18、第4光ポート20、第5光ポート21、第7光ポート23)では、光源ユニット2と照明ユニット3が光学的に接続される。
【0064】
また、残りの5個は光源ユニット2側には1次光源が接続されているが、照明ユニット3側には光変換手段が接続されていない構成である。すなわち、接続相手のある光ポートが5個、接続相手のない光ポートが5個となっている。接続相手のない光ポート(第3光ポート19、第6光ポート22、第8光ポート24、第9光ポート25、第10光ポート26)は、各ポートの照明ユニット3側が遮光されている。そのため、該当するポート(第3光ポート19、第6光ポート22、第8光ポート24、第9光ポート25、第10光ポート26)に接続された1次光源より1次光が射出されたとしても、接続部4の外部に光が射出されないような構造となっている。なお、遮光部は、高減衰な材料を配置することが望ましい。
【0065】
接続部4の第1のコネクタ部4a内の接続面のポートの配置状態を示す図7中の第3光ポート19a、第6光ポート22a、第8光ポート24a、第9光ポート25a、第10光ポート26aは接続相手のない光ポートであり、第1光ポート17a、第2光ポート18a、第4光ポート20a、第5光ポート21a、第7光ポート23aは接続相手のある光ポートである。図6および図7中の光ポート近傍に記載した番号は、グループ毎の、ポート位置の優先順位を示している。ここで、接続部4に設けることが可能な光ポートの数(本実施の形態では10個)よりも、搭載する光ポートの数(同5個)が少ない場合、グループ毎に、優先順位の高いポートから光配線を搭載するように構成する。言い換えると、優先順位の低いものが、搭載相手のない光ポートとなるように構成されている。
【0066】
(作用・効果)
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の光源装置41では、光源ユニット2の有する10個の1次光源のうち、合計5つの1次光源(第1の1次光源5c、第2の1次光源6c、および3個の第3の1次光源7b,7c,7d)は接続相手のないポートに接続されている。従って、光源ユニット2を動作させる場合、これらの1次光源(第1の1次光源5c、第2の1次光源6c、および3個の第3の1次光源7b,7c,7d)は発光させるべきではない。
【0067】
本実施形態では、照明ユニット3の光変換手段に接続された光ポートの搭載位置の優先順位が決められているため、光源ユニット2は、各グループのうち、接続相手のある光ポートの数だけ分かれば、どの1次光源を点灯し、どの1次光源を点灯すべきでないかが分かる。
【0068】
これにより、目的に応じた様々な光を放射可能なひとつの光源装置41を実現するために、光源ユニット2と照明ユニット3を着脱可能とするときに、接続部4に接続相手のないポートを有する構造においても接続部4を最適化し、設計、製造し易く、低コスト化も可能な光源装置41を実現できる。
【0069】
[第4の実施の形態]
(構成)
図8は、本発明の第4の実施の形態を示す。本実施形態は、基本的に第1実施形態(図1乃至図4参照)の光源装置1と同様に構成されており、図8中で図1乃至図4と同一部分には同一の符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる点についてのみ説明する。
【0070】
本実施形態では、第1の実施の形態の接続部4に設けられたポートグループのひとつ、例えば第2グループ27Bが、特性や機能の制限を受けない、フリーポートグループ51となっている点が第1から第3実施形態とは異なっている。
フリーポートグループ51には、4個の拡張用のポート52a、53a、54a、55aが設けられている。これらの拡張用のポート52a、53a、54a、55aには、どのような端子を設けることもできる。例えば、レーザポートグループに設置可能なポート数が3個の接続部の場合、4個目のレーザ光用の光ポートを設置する場合、フリーポートグループ51内にこれを設置することができる。また、接続部4が予定していない光ポート、例えば、第3の波長λ3のレーザ光の光ポートをフリーポートグループ51内にこれを設置することができる。
【0071】
また、フリーポート52a、53a、54a、55aに電気接続部を設けたり、非レーザポートを設けたりすることも可能である。
(作用・効果)
このように構成することで、接続部4の設計時に想定していなかった機能を、光源ユニット2、照明ユニット3に搭載するなどの機能拡張を行う場合でも、拡張性を確保することができる。
【0072】
[第5の実施の形態]
(構成)
図9および図10は、本発明の第5の実施の形態を示す。本実施の形態は、基本的に第1実施形態(図1乃至図4参照)の光源装置1と同様に構成されており、図6および図7中で図1乃至図4と同一部分には同一の符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる点についてのみ説明する。
【0073】
本実施形態は、第1実施形態の光源装置1の光源ユニット2の第1のコネクタ部4aと、照明ユニット3の第2のコネクタ部4bとの間の接続時に、誤接続された場合にも、異なるポートグループに属するポート同士が接続されないような誤接続防止手段61を備える点が他の実施形態と異なる。
【0074】
誤接続防止手段61は、第1のコネクタ部4aの接続面に配置されたポートグループであるAグループ27A1、Bグループ27A2、第2グループ27Bのそれぞれに複数の嵌合凹部62、63、64が設けられている。ここで、Aグループ27A1の嵌合凹部62と、Bグループ27A2の嵌合凹部63と、第2グループ27Bの嵌合凹部64とはそれぞれポートグループ毎に形状が異なる。
【0075】
さらに、第2のコネクタ部4bの接続面には、第1のコネクタ部4aの嵌合凹部62、63、64とそれぞれ対応する位置にこれらの嵌合凹部62、63、64と嵌合可能な凸部65、66、67が設けられている。
(作用・効果)
上記構成では、光源ユニット2の第1のコネクタ部4aと、照明ユニット3の第2のコネクタ部4bとの間の接続時に、第1のコネクタ部4aの接続面と第2のコネクタ部4bの接続面とが正しい位置に配置された場合には第1のコネクタ部4aの嵌合凹部62、63、64と、第2のコネクタ部4bの凸部65、66、67とが正しく凹凸が嵌め合わされる。そのため、この場合は、光源ユニット2の第1のコネクタ部4aと、照明ユニット3の第2のコネクタ部4bとの間が正しく接続される。
【0076】
また、光源ユニット2の第1のコネクタ部4aと、照明ユニット3の第2のコネクタ部4bとの間の接続部4の接続状態(接続の向き・方向・挿入深さ等)が適切でない状態で接続された誤接続状態では、異なる形状の嵌合凹部62、63、64と、凸部65、66、67とが相対する。そのため、この場合は第1のコネクタ部4aの嵌合凹部62、63、64と、第2のコネクタ部4bの凸部65、66、67とが正しく嵌合できずポートが接続されない。よって、誤接続防止手段61である凹凸により、異なるグループに属するポートの接続が防止される。
【0077】
このように構成することで、第1のコネクタ部4aの接続面と第2のコネクタ部4bの接続面とが正しい位置に配置されない状態においても、異なるグループに属するポート同士の接続を防止する事ができる。
なお、誤接続防止手段61は、ポートグループ毎に凹凸の形状が異なる構成に限定されるものではなく、ポートグループ毎にポートに対する凹凸の位置を変える構成にしてもよい。
【0078】
また、光源ユニット2の第1のコネクタ部4aと、照明ユニット3の第2のコネクタ部4bとの接続部4の接続面に配置されたAグループ27A1、Bグループ27A2、第2グループ27Bのそれぞれのポートグループ間の距離を大きく設定することで、異なるグループに属するポート間の距離は、同じグループに属するポートに対する距離よりも遠い場所に離れて配置される構成にしてもよい。この場合は、接続部が誤接続された状態において、凹凸により各ポートの接続が妨げられた状態であっても、迷光による誤接続を防止することで、異なるグループに属するポートの接続を防止することができる。
【0079】
[変形例]
図11乃至図13は、第1実施形態(図1乃至図4参照)の光源装置1の第1の変形例を示す。本変形例は、光源ユニット2の第1のコネクタ部4aと、照明ユニット3の第2のコネクタ部4bとの接続部4の接続面に配置されたAグループ27A1、Bグループ27A2、第2グループ27Bのそれぞれのポートグループ間に迷光を防ぐ仕切部71を配置したものである。この仕切部71は、図12に示すように照明ユニット3の第2のコネクタ部4bの接続面に光ファイバの延設方向と平行に形成された凹部72と、光源ユニット2の第1のコネクタ部4aの接続面に形成された凸部73とを有する。
【0080】
また、図14は、第1実施形態(図1乃至図4参照)の光源装置1の第2の変形例を示す。本変形例は、光源ユニット2の第1のコネクタ部4aと、照明ユニット3の第2のコネクタ部4bとの接続部4を円筒状の形状にしたものである。ここで、第1のコネクタ部4aの接続部4の接続面に配置された第1階層ポートグループのAグループ27A1に属するポート17a、18a、19aは第1の基準円81上に同心円上に配置されている。また、第1階層ポートグループのBグループ27A2に属するポート20a、21a、22aは、第1の基準円81とは径が異なる第2の基準円82上に同心円上に配置されている。
【0081】
これにより、光源ユニット2の第1のコネクタ部4aと、照明ユニット3の第2のコネクタ部4bとの接続部4が回転方向にずれて接続されたとしても、異なるポートグループに属するポートの結合を防止する事ができる。
図15および図16は、第1実施形態(図1乃至図4参照)の光源装置1の第3の変形例を示す。本変形例は、光源ユニット2の第1のコネクタ部4aと、照明ユニット3の第2のコネクタ部4bとの接続部4の接続面を、配置されたAグループ27A1、Bグループ27A2、第2グループ27Bの各ポートグループ毎に、接続時に挿入する方向に対して異なる位置に設置する状態に段差をつける構成にしたものである。ここで、図15に示すように第1のコネクタ部4aのAグループ27A1の接続面91と、Bグループ27A2の接続面92と、第2グループ27Bの接続面93とが接続時に挿入する方向に対して異なる位置に段差をつけた状態で配置されている。
【0082】
本変形例の構成では光源ユニット2の第1のコネクタ部4aと、照明ユニット3の第2のコネクタ部4bとの接続部4を誤った向きで接続した時に、各ポートグループの接続面91〜93が接触することが無く、異なるポートグループに属するポートの接続を防止できる。
【0083】
図17は、第1実施形態(図1乃至図4参照)の光源装置1の第4の変形例を示す。本変形例は、光源ユニット2の第1のコネクタ部4aのスリーブ94の開口94aに最も近い面である、最も背の高い接続面91に、第2グループ27Bを配置したものである。この場合、光源ユニット2の第1のコネクタ部4aのスリーブ94の開口94aに最も近い接続面91は、射出光が外部へ射出(漏洩)される可能性がその他の接続面92、93に比べて高い。そのため、光源ユニット2の第1のコネクタ部4aのスリーブ94の開口94aに最も近い接続面91により安全な光(LED光など)を授受する第2グループ27Bを配置することにより、安全性を一層高めることができる。
【0084】
[その他、望ましい変形例]
上記実施の形態では、レーザ光ポートの階層は、第2階層までの例を示したが、これに限らない。例えば、レーザ光ポートの階層は、最大出力や、発光モード(シングルモードかマルチモードか)などの階層構造を持たせることができる。さらに、非レーザ光ポートの階層についても同様である。例えば、非レーザ光ポートの階層は、光源種類(LED、ランプ、SLD等)、波長(白色光、所定波長、スペクトル線幅等)、最大出力などの階層構造を持たせることができる。
【0085】
また、電気ポートの階層についても同様である。例えば、電源ラインか信号ラインか、デジタルかアナログか、流れる電流量のレベル、一方か双方向かなどの階層を持たせることができる。
さらに、上記実施の形態では、光源ユニット2の第1のコネクタ部4aと、照明ユニット3の第2のコネクタ部4bとの接続部4は、一体型の例を示したが、これに限らず、ポートグループ毎に独立した接続部であってもかまわない。また、複数のポートグループ毎に互いに独立していてもかまわない。この場合、光源ユニット2側は、ポートグループ毎にまとまったエリアに近接配置すると良い。
【0086】
さらに、接続部4は、電気接続部と光接続部とを分離するとよい。これにより、接続部4の構造を、それぞれ電気、光に最適なものに調整することができる。特に、レーザ光ポート用の接続部はレーザ光ポートのみを分離し、独立のコネクタとすることができる。これにより、そのコネクタをレーザ専用にすることができ、適切な対策(接続確認、漏れ光防止、シャッタ等)を設けやすい。
【0087】
光源ユニット2の1次光源の数は、接続部4のポート数よりも少なくすることができる。この場合、光源ユニット側にも接続相手のないポートが存在することになる。例えば、第3実施形態(図6および図7参照)に示したような、接続相手のないポートを有する照明ユニット3のみとの組合せを想定した場合、不要となる1次光源のない光源ユニット2を用意することで、ユーザは安価な光源ユニット2を購入することが可能になる。
【0088】
また、光源ユニット2の1次光源は光源ユニット2側のポートまで、1対1に接続されている例を示したが、これに限らない。ひとつの光源ユニット2と同じポートグループに属する複数のポートとを、分岐光学素子等を用いて接続することが可能である。
さらに、接続部4のポートの特性に応じてグループ分けすることも可能である。例えば、レーザ光用の光ファイバの場合、コア径や、NA、コアの材質などによりグループ分けすることができる。これらの光ファイバの仕様は、1次光源から光変換手段に光学的に接続する光エネルギーの物理的性質である、最大光量、放射角、波長などの物理的性質により選択される。
【0089】
さらに、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明は、レーザ光源を複数含む光源ユニットと、光変換手段を複数含む照明ユニットが接続部を介して着脱可能に構成された光源装置を使用する技術分野や、これを製造する技術分野に有効である。
【符号の説明】
【0091】
1…光源装置、2…光源ユニット、3…照明ユニット、4…接続部、5…第1の1次光源グループ、5a,5b,5c…第1の1次光源、6…第2の1次光源グループ、6a,6b,6c…第2の1次光源、7…第3の1次光源グループ、7a,7b,7c,7d…第3の1次光源、11…第1の光変換手段グループ、11a,11b,11c…第1の光変換手段、12…第2の光変換手段グループ、12a,12b,12c…第2の光変換手段、13…第3の光変換手段グループ、13a,13b,13c…第3の光変換手段、17〜26…第1光ポート〜第10光ポート、27A…第1グループ(第1階層ポートグループ)、27B…第2グループ(第1階層ポートグループ)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1次光源を有する光源ユニットと、前記1次光源から射出された1次光を2次光に光変換し外部に射出する光変換手段を有する照明ユニットと、前記光源ユニットと前記照明ユニットとを着脱可能に接続する接続部とを有する光源装置であって、
前記接続部は、前記光源ユニットと前記照明ユニットとの間でエネルギーを授受可能な複数のポートを有しており、複数の前記ポートは、各ポートで授受するエネルギーの物理的性質に応じて複数の第1階層ポートグループにグループ分けされている事を特徴とする光源装置。
【請求項2】
前記第1階層ポートグループの少なくともひとつは、光エネルギーを授受する光ポートグループであることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
前記光ポートグループに属するポートはそれぞれ、授受する光エネルギーの物理的性質に応じて複数の第2階層ポートグループにグループ分けされていることを特徴とする請求項2に記載の光源装置。
【請求項4】
前記第2階層ポートグループの少なくともひとつは、レーザ光を授受するレーザ光ポートグループであり、前記1次光源はレーザ光を射出するレーザ光源であり、前記光変換手段はレーザ光を変換可能なレーザ光変換手段であることを特徴とする請求項3に記載の光源装置。
【請求項5】
前記第2階層ポートグループの少なくともひとつは、非レーザ光を授受する非レーザ光ポートグループであり、前記1次光源は非レーザ光射出する非レーザ光源であり、前記光変換手段は非レーザ光を変換可能な非レーザ光変換手段であることを特徴とする請求項3に記載の光源装置。
【請求項6】
前記非レーザ光源は、LED光を射出するLED光源であり、前記光変換手段は前記LED光を変換可能なLED光変換手段であることを特徴とする請求項5に記載の光源装置。
【請求項7】
前記複数の第2階層ポートグループに属するポートはそれぞれ、授受する光エネルギーの強度、ピーク波長等の物理的性質、および1次光源の種類のうち少なくともいずれか1つに分類される第3階層ポートグループにグループ分けされていることを特徴とする請求項3に記載の光源装置。
【請求項8】
前記第1階層ポートグループの少なくともひとつは、電気エネルギーを授受する電気ポートグループであることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項9】
前記電気ポートグループに属するポートは、前記ポートで授受する電気エネルギーの電気的性質に応じて複数の第2階層ポートグループにグループ分けされていることを特徴とする請求項8に記載の光源装置。
【請求項10】
前記第2階層ポートグループの少なくともひとつは、電源およびグランドレベルを共通化する電源ポートグループであることを特徴とする請求項9に記載の光源装置。
【請求項11】
前記第2階層ポートグループの少なくともひとつは、前記光源ユニットおよび前記照明ユニットのうち少なくともいずれか1つに搭載されたセンサが検出した検出信号エネルギーを授受する検出信号ポートグループであることを特徴とする請求項9に記載の光源装置。
【請求項12】
前記第2階層ポートグループの少なくともひとつは、デジタル信号を授受するデジタル信号ポートグループであることを特徴とする請求項9に記載の光源装置。
【請求項13】
前記第2階層ポートグループに属するポートは、授受する電気エネルギーの電流レベル、電圧レベル、ノイズ耐性等の物理的性質により、第3階層ポートグループにグループ分けされていることを特徴とする請求項9に記載の光源装置。
【請求項14】
前記接続部に配置されたポートは、グループ分けされた各階層のポートグループ毎に、各ポートが近接配置されていることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項15】
前記接続部は、前記各ポートで授受するエネルギーの物理的性質に応じて必要とされる対策手段を、前記ポートグループごとにまとめて実施することを特徴とする請求項14に記載の光源装置。
【請求項16】
前記対策手段は、前記レーザ光ポートグループのレーザ光に対する安全性を確保するためのレーザ安全対策手段であることを特徴とする請求項15に記載の光源装置。
【請求項17】
前記レーザ光安全対策手段は、レーザ光が外部に漏れ出すのを防ぐシャッタであることを特徴とする請求項16に記載の光源装置。
【請求項18】
前記第1階層ポートグループは、そのポートグループに属するポートがない無ポートグループ、または1ポートのみの1ポートグループのうち少なくともいずれか1つを設置可能であることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項19】
前記第2階層ポートグループは、そのポートグループに属するポートがない無ポートグループ、または1ポートのみの1ポートグループのうち少なくともいずれか1つを設置可能であることを特徴とする請求項9に記載の光源装置。
【請求項20】
前記第2階層ポートグループに属するポートは、そのポート位置に応じた優先順位がつけられていることを特徴とする請求項9に記載の光源装置。
【請求項21】
前記第2階層ポートグループのうち、使用されていないポートの照明ユニット側に遮光部材が設けられている事を特徴とする請求項19に記載に光源装置。
【請求項22】
前記第1階層ポートグループのうち少なくともひとつは、そのポートグループに属する各ポートで授受するエネルギーの制限を設けず、どのようなポートでも属することが可能なフリーポートグループであることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項23】
前記第1階層ポートグループは、異なるポートグループに属する前記ポート同士の接続を防止する誤接続防止手段を備える事を特徴とする請求項1に記載の光源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−45047(P2013−45047A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−184529(P2011−184529)
【出願日】平成23年8月26日(2011.8.26)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】