光源装置
【課題】装置温度を許容温度以下としながら光変換素子を冷却する光源装置を提供する。
【解決手段】光源装置100の1次光源110は、1次光を射出する。この1次光は、光ファイバ120によって、光変換素子130に導光される。光変換素子130は、導光された1次光を2次光に変換し、それを照明光として射出する。ここで、光変換素子130は、1次光から2次光への変換に際して発熱する。光変換素子130で発生する熱は、蓄熱部材140に伝達される。蓄熱部材140は、光変換素子130から伝達された熱の一部を蓄熱し、一部を放熱部材150に伝達する。放熱部材150は、伝達された熱を光源装置100の外部に放出する。蓄熱部材140に蓄えられる熱量を適切に設定することにより、光源装置100の使用期間において放熱部材150の温度が許容温度以下に維持されるようになっている。
【解決手段】光源装置100の1次光源110は、1次光を射出する。この1次光は、光ファイバ120によって、光変換素子130に導光される。光変換素子130は、導光された1次光を2次光に変換し、それを照明光として射出する。ここで、光変換素子130は、1次光から2次光への変換に際して発熱する。光変換素子130で発生する熱は、蓄熱部材140に伝達される。蓄熱部材140は、光変換素子130から伝達された熱の一部を蓄熱し、一部を放熱部材150に伝達する。放熱部材150は、伝達された熱を光源装置100の外部に放出する。蓄熱部材140に蓄えられる熱量を適切に設定することにより、光源装置100の使用期間において放熱部材150の温度が許容温度以下に維持されるようになっている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、1次光源から1次光を射出し、この1次光を光ファイバで光変換部に導光し、この光変換部において1次光の特性を変換し、照明光として変換光を射出する光源装置が知られている。例えば特許文献1には、1次光としての励起光を射出する1次光源である励起光源と、光変換部としての蛍光体とを備えた光源装置に係る技術が開示されている。特許文献1に開示されている光源装置では、励起光源から射出された励起光は光ファイバで導光されて蛍光体に入射する。蛍光体は、導光された励起光を波長変換し、蛍光を放射する。この光源装置は、放射された蛍光と、励起光源から導光された励起光とを照明光として射出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−220326号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような光源装置において、光変換部では光変換に伴って熱が発生する。光源装置を安定して動作させるためには、発生した熱を光変換部から除去する必要がある。この際、光源装置の表面温度が装置に応じて設定される許容温度を超えて高温とならないように、光変換部を適切に冷却する必要がある。
【0005】
そこで本発明は、使用中の装置の表面温度を許容温度以下としながら光変換部を冷却する機構を有する光源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を果たすため、本発明の光源装置の一態様は、照明光を射出する光変換部と、前記光変換部で発生した熱を環境に放出する放熱部と、前記光変換部又は前記放熱部と熱的に接続し、熱を蓄える蓄熱部と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、熱を蓄える蓄熱部材を有するので、使用中の装置の表面温度を許容温度以下としながら光変換部を冷却することができる光源装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る光源装置の構成の概略を示す図。
【図2】第1の実施形態に係る光源装置の先端部の概略を説明するための図。
【図3】第1の実施形態に係る光源装置の光源装置の先端部の別の構成例の概略を説明するための図。
【図4】第1の実施形態に係る光源装置に係る動作開始からの時間経過と放熱部材の表面温度との関係の概略を説明するための図。
【図5】第1の実施形態の第1の変形例に係る光源装置の構成の概略を示す図。
【図6】第2の実施形態に係る光源装置の構成の概略を示す図。
【図7】第2の実施形態の第1の変形例に係る光源装置の構成の概略を示す図。
【図8】第2の実施形態に係る光源装置に係る動作開始からの時間経過と放熱部材の表面温度との関係の概略を説明するための図であり、第1の蓄熱部材と第2の蓄熱部材との構成を同様とした場合の図。
【図9】第2の実施形態に係る光源装置に係る動作開始からの時間経過と放熱部材の表面温度との関係の概略を説明するための図であり、第1の蓄熱部材と第2の蓄熱部材との構成を適切に設定した場合の図。
【図10】第3の実施形態に係る光源装置の構成の概略を示す図。
【図11】第3の実施形態の第1の変形例に係る光源装置の構成の概略を示す図。
【図12】第3の実施形態の第2の変形例に係る光源装置の構成の概略を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態に係る光源装置100の構成の概略を図1に示す。光源装置100は、1次光源110と、光ファイバ120と、光変換素子130と、蓄熱部材140と、放熱部材150とを有する。
【0010】
1次光源110は、1次光を射出する。1次光としては、後述の光変換素子130に応じて、種々の光を用いることができる。光ファイバ120は、1次光源110が射出した1次光を光変換素子130へ導く。すなわち、光ファイバ120は、1次光源110と光変換素子130とに接続する。
【0011】
光変換素子130は、光ファイバ120によって導かれた1次光を受け、光源装置100が射出する照明光としての2次光を射出する。光変換素子130は、例えば1次光を励起光として蛍光を発する蛍光体を含んでもよい。また、光変換素子130は、例えば1次光がレーザ光であるときに、1次光の広がり角を広げて安全な2次光として射出する、光拡散機能を有した素子を含んでもよい。また、光変換素子130は、例えば1次光がレーザ光であるときに、このレーザ光を例えば位相変換して可干渉性を軽減しスペックルの発生を防ぐ機能を有した素子を含んでもよい。
【0012】
蓄熱部材140は、蓄熱機能を有する。例えば、蓄熱部材140は、水や高比熱の金属等を用いた顕熱蓄熱材料を含んでいてもよい。また、蓄熱部材140は、相変化時の吸熱を用いた潜熱蓄熱材料を含んでもよい。特に、潜熱蓄熱材料をマイクロカプセル化した蓄熱カプセルなどを含んでいてもよい。蓄熱カプセルは、例えば脂肪族炭化水素化合物、アルコール、エステル、脂肪酸などの潜熱蓄熱材料を、例えば数μm径の樹脂皮膜内に内包させた構造を有する。蓄熱部材140は、光変換素子130と放熱部材150とに熱的に接続している。したがって、蓄熱部材140は、光変換素子130が発生した熱の一部を蓄えて、一部の熱を放熱部材150に伝熱する。
【0013】
放熱部材150は、熱を光源装置100外の環境に放熱する部材である。光変換素子130で発熱した熱は、蓄熱部材140を介して放熱部材150に伝熱され、放熱部材150から放熱される。光源装置100の外装等を放熱部材150として機能させてもよい。なお、図1において、放熱部材150から装置外へ向けた矢印は、放熱部材150から光源装置100の外部へ放熱されていることを模式的に表している。
【0014】
光変換素子130、蓄熱部材140及び放熱部材150が配置された光源装置100の先端部の構造の例を図2に示す。図2(a)は光源装置100の先端部の概略を模式的に示す斜視図であり、図2(b)はこの先端部の断面の概略を示す模式図である。本実施形態において光源装置100の光変換素子130が配置されている先端部は、円筒形状をしている。光源装置100では、外装が放熱部材150として機能する。したがって、放熱部材150は中空の円筒形状をしている。光変換素子130は、放熱部材150の端部の中心付近に配置されている。光変換素子130に接続する光ファイバ120は、放熱部材150の中心軸に沿って配置されている。本実施形態では、放熱部材150内の空間であり、光変換素子130及び光ファイバ120等の構造物以外の領域に、蓄熱部材140が充填されている。なお、図3に示すように、外装である放熱部材150の一部が光変換素子130と接するような構造でもよい。
【0015】
本実施形態に係る光源装置100の動作を説明する。例えば1次光源110は、レーザ光を射出するレーザ光源であるものとする。1次光源110は、1次光としてのレーザ光を射出する。射出されたレーザ光は、光ファイバ120に入射する。このレーザ光は、光ファイバ120内を進行し、光変換素子130に到達する。
【0016】
例えば光変換素子130は、1次光としてのレーザ光を励起光として吸収し、蛍光を発する蛍光体を含んでいるものとする。この場合、光変換素子130は、光ファイバ120によって導かれたレーザ光を吸収し、励起光を放射する。すなわち、光変換素子130は、波長変換を行う。この波長変換された蛍光及び波長変換されなかった励起光は、光源装置100の先端から照明光として射出される。
【0017】
光変換素子130は、波長変換する際に熱を発生する。この光変換素子130から発生した熱は、蓄熱部材140に伝達される。蓄熱部材140は、光変換素子130から伝えられた熱の一部を蓄える。蓄熱部材140が水や高比熱の金属等の顕熱蓄熱材料を含んでいる場合、一部の熱は顕熱として顕熱蓄熱材料に蓄熱される。また、蓄熱部材140が蓄熱カプセルを含んでいる場合、一部の熱は潜熱として蓄熱カプセルに吸収される。蓄熱部材140に蓄えられなかった熱は、放熱部材150に伝達される。蓄熱部材140から熱を伝えられた放熱部材150は、その熱の一部を光源装置100の外部へと放出する。
【0018】
このように、例えば光変換素子130は、照明光を射出する光変換部として機能する。例えば放熱部材150は、光変換部で発生した熱を外部に放出する放熱部として機能する。例えば蓄熱部材140は、光変換部又は放熱部と熱的に接続し、熱を蓄える蓄熱部として機能する。
【0019】
本実施形態の効果を説明するため、時間経過に対する温度変化を示す図を図4に示す。この図において、実線は本実施形態に係る光源装置100の先端部周面の温度変化、すなわち蓄熱部材140を有する場合の放熱部材150の温度変化を示す。一方、一点破線は比較例の場合の温度変化を示す。この比較例では、本実施形態と同様の構造を有しながら蓄熱部材を有さない場合、すなわち、本実施形態における蓄熱部材140の部分が例えば放熱部材150と同様の比熱の低い材料で充填されている場合の温度変化を示す。図4に示すように光源装置の表面温度は、本実施形態では蓄熱部材140が熱を吸収しながら放熱部材150に熱を伝達するので、蓄熱部材140がない比較例に比べてゆっくりと上昇する。
【0020】
例えば、光源装置100が損傷しないため、及び/又は光源装置100を安全に使用するため、表面温度に許容限界を設ける必要が想定される。この許容温度を図4において、破線で示す。許容温度を超える前まで光源装置100を使用できるとすると、この図を見て明らかなように、蓄熱部材140がある本実施形態の場合の動作可能時間は、蓄熱部材がない比較例の場合の動作可能時間よりも大幅に長くなる。蓄熱部材140の熱容量を、(発光素子の発熱量)×(光源装置の必要とする使用時間)を基準として決められる値よりも大きくすることで、必要とする使用時間、許容温度を超えずに光源装置100を使用することができるようになる。
【0021】
上記の許容温度を装置の各部の故障や劣化を引き起こさない温度や、ユーザに不快感等を与えない温度とすることで、装置の故障やユーザに不快感を与えることを防止することができる。なお、蓄熱部材140に潜熱蓄熱材量を用いる場合、潜熱蓄熱材料の蓄熱温度を、許容温度より低く設定することで、特に効果が得られる。
【0022】
本実施形態では、蓄熱部材140を放熱部材150と光変換素子130との間に設置したが、光変換素子130から熱が伝達される部位であればどこに設置してもよい。また、放熱部材150に蓄熱部材140を組み込むようにしてもよい。また、比熱が比較的高い材料で放熱部材150を形成してもよい。また、放熱部材150を設けず、蓄熱部材140から光源装置100の外部に放熱されるような構造としてもよい。何れの場合も上記と同様の効果が得られる。
【0023】
[第1の実施形態の第1の変形例]
第1の実施形態の第1の変形例について説明する。ここでは、第1の実施形態との相違点について説明し、同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。本変形例の光源装置101の構成例を示す模式図を図5に示す。この図に示すように、本変形例に係る光源装置101は、第1の実施形態の光源装置100に加えて伝熱部材160を有する。伝熱部材160は、熱伝導率が高い物質で形成されており、熱抵抗すなわち熱の伝えにくさが低い。伝熱部材160は、例えばグラファイトシートや、銅等の熱伝導率が高い金属を用いて形成される。また、伝熱部材160は、ヒートパイプを用いて形成されてもよい。
【0024】
伝熱部材160は、光変換素子130と蓄熱部材140との間に挿入されている。図5に示す例では、光源装置101の先端側に光変換素子130が配置され、基端側に蓄熱部材140と放熱部材150とが配置されている。光変換素子130と蓄熱部材140との間に伝熱部材160が配置されている。
【0025】
本変形例において、光源装置101の先端部の光変換素子130で発生した熱は、伝熱部材160を伝わって、光源装置101の基端部の蓄熱部材140に伝えられる。蓄熱部材140に伝達された熱は、第1の実施形態の場合と同様に、その一部は蓄熱部材140に蓄熱され、一部の熱は放熱部材150に伝達されて放熱部材150から放熱される。
【0026】
本変形例によれば、蓄熱部材140と放熱部材150とを、光変換素子130から離れた位置に配置することができる。例えば狭い場所の照明のために用いられる光源装置では、照明光の射出部分の小型化が求められることがある。このような場合、本変形例によれば、小型化が求められる光変換素子130が配置された先端部から離れた位置に、比較的大きな蓄熱部材140や放熱部材150を配置することが可能となる。その結果、光源装置101の先端部の温度上昇をより抑制することができる。また、本変形例に係る光源装置101は、光源装置101の先端部において装置外に放熱することが困難な状況での使用にも効果を発揮する。
【0027】
このように、例えば伝熱部材160は、光変換部で発生した熱を放熱部又は蓄熱部に伝達する伝熱部として機能する。なお、伝熱部材160を長くすることで、伝熱部材160からの放熱も有効に利用するようにしてもよい。すなわち、伝熱部材160を放熱部材150として機能させるようにしてもよい。また、本変形例では、蓄熱部材140を放熱部材150側に放熱部材150と接触させて配置しているが、蓄熱部材140を光変換素子130側に光変換素子130と接触させて配置させ、この蓄熱部材140と放熱部材150とを伝熱部材160で熱的に接続するようにしてもよい。
【0028】
[第2の実施形態]
第2の実施形態について説明する。ここでは、第1の実施形態の第1の変形例との相違点について説明し、同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。本実施形態に係る光源装置200の構成例の概略を図6に示す。この図に示すように、本実施形態に係る光源装置200は、蓄熱部材140と同様の構成を有し同様に機能する第1の蓄熱部材242と第2の蓄熱部材244とを有する。また、光源装置200は、放熱部材150と同様の構成を有し同様に機能する第1の放熱部材252と第2の放熱部材254とを有する。第1の蓄熱部材242と第1の放熱部材252とは接触し熱的に接続しており、それらは光変換素子130から離れて配置されている。同様に、第2の蓄熱部材244と第2の放熱部材254とは、接触し熱的に接続しており、それらは光変換素子130及び第1の蓄熱部材242と第1の放熱部材252とから離れて配置されている。ここで、第1の放熱部材252と第2の放熱部材254との放熱能力、すなわち、光源装置200の外部の雰囲気への熱コンダクタンス(熱の伝えやすさ)は同等である。
【0029】
光変換素子130と第1の蓄熱部材242とは、伝熱部材160と同様の構成を有し同様に機能する第1の伝熱部材262によって熱的に接続されている。同様に、光変換素子130と第2の蓄熱部材244とは、伝熱部材160と同様の構成を有し同様に機能する第2の伝熱部材264によって熱的に接続されている。
【0030】
光変換素子130と第1の蓄熱部材242との距離は、光変換素子130と第2の蓄熱部材244との距離と異なる。すなわち、第1の伝熱部材262と第2の伝熱部材264とは、互いに長さが異なる。本実施形態では、第1の放熱部材252の方が第2の放熱部材254よりも光変換素子130の近くに配置されており、第1の伝熱部材262は第2の伝熱部材264よりも短い。したがって、仮に第1の伝熱部材262と第2の伝熱部材264とを、同じ材料を用いて同じ構造とした場合、第1の伝熱部材262の方が、熱コンダクタンスが高くなる。そこで本実施形態では、第1の伝熱部材262と第2の伝熱部材264との材料及び/又は構造を異なるものにし、第1の伝熱部材262と第2の伝熱部材264との熱コンダクタンスを等しくしている。例えば、第2の伝熱部材264を第1の伝熱部材262よりも厚さを厚く及び/又は幅を広くすることで、第1の伝熱部材262と第2の伝熱部材264との熱コンダクタンスが等しくなるように調整されている。また、第1の伝熱部材と第2の伝熱部材をどちらも同じ材質であるグラファイトシートとしてもよいし、互いに別の材質を用いてもよい。別の材料を用いることによっても、熱コンダクタンスの調整が可能である。
【0031】
上記のように熱コンダクタンスを調整することにより、第1の放熱部材252と第2の放熱部材254とに伝熱され放熱される熱量は互いに等しくなる。その結果、第1の放熱部材252と第2の放熱部材254との表面温度は等しくなる。
【0032】
本実施形態のように、第1の放熱部材252と第2の放熱部材254の複数の放熱部材を設けることで、光変換素子130で発生した熱を複数個所に分散させることができる。その結果、光源装置200が局所的に高温となることを防ぐことができる。
【0033】
本実施形態では第1の放熱部材252と第2の放熱部材254との放熱能力を同等としたが、放熱能力に差がある場合、第1の放熱部材252と第2の放熱部材254との熱コンダクタンスの逆数の比に比例するように、第1の伝熱部材262と第2の伝熱部材264との熱コンダクタンスを設定することで、第1の放熱部材252と第2の放熱部材254との温度を等しくすることができる。また、本実施形態では、伝熱部材、蓄熱部材及び放熱部材が2つの場合を例に挙げて説明したが、3つ以上としてもよいことはもちろんである。
【0034】
また、本実施形態では、光変換素子130と第1の蓄熱部材242とは第1の伝熱部材262を介して熱的に接続されており、光変換素子130と第2の蓄熱部材244とは第2の伝熱部材264を介して熱的に接続されているものとしたが、第1の蓄熱部材242と第2の蓄熱部材244とのうち何れか一方が、光変換素子130に熱的に直接接続するようにしてもよい。
【0035】
[第2の実施形態の第1の変形例]
第2の実施形態の第1の変形例について説明する。ここでは、第2の実施形態との相違点について説明し、同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。本変形例に係る光源装置201の構成の概略を図7に示す。この図に示すように、本変形例では、光源装置201には、第1の伝熱部材262及び第2の伝熱部材264の代わりに、1つの伝熱部材266が設けられている。
【0036】
第1の蓄熱部材242と第2の蓄熱部材244とは、伝熱部材266に熱的に接続されている。第1の蓄熱部材242には第1の放熱部材252が熱的に接続し、第2の蓄熱部材244には第2の放熱部材254が熱的に接続している。第1の放熱部材252及び第1の蓄熱部材242は、第2の放熱部材254及び第2の蓄熱部材244よりも光変換素子130の近くに設置されている。このため、光変換素子130から第1の蓄熱部材242までの熱抵抗は、光変換素子130から第2の蓄熱部材244までの熱抵抗よりも低くなる。
【0037】
上記のことから、第1の蓄熱部材242及び第1の放熱部材252の構成と、第2の蓄熱部材244及び第2の放熱部材254の構成とを等しくすると、それらの温度変化は図8に示すようになる。図8において、一点破線は第1の放熱部材252の表面温度の時間変化を示し、実線は第2の放熱部材254の表面温度の時間変化を示す。この図に示すように、第1の放熱部材252の表面温度の方が第2の放熱部材254の表面温度よりも高くなる。すなわち、第1の放熱部材252の方が第2の放熱部材254よりも許容温度を下回る動作時間が短くなる。そこで本変形例では、第1の蓄熱部材242の熱容量を、第2の蓄熱部材244の熱容量よりも大きくすることで、図9に示す様に、第1の放熱部材252と第2の放熱部材254との表面温度を一定の期間においてほぼ等しくする。このようにすることで、光源装置201の動作可能時間を図8に示した場合よりも長くする。
【0038】
本変形例によれば、第1の放熱部材252及び第2の放熱部材254の放熱効率と、伝熱部材266の熱コンダクタンスを可能な限り高めた状態で、第1の放熱部材252と第2の放熱部材254との放熱効率に合わせて第1の蓄熱部材242と第2の蓄熱部材244との熱容量を設定し、第1の放熱部材252と第2の放熱部材254との表面温度を一致させることができる。したがって、光源装置201の表面が局所的高温となることなく、光変換素子130から発生した熱を装置の外部に放射することができる。
【0039】
[第3の実施形態]
第3の実施形態について説明する。ここでは、第1の実施形態の第1の変形例との相違点について説明し、同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。本実施形態の光源装置300は、光変換素子130が配置された先端部と、1次光源110が配置された基端部との間が湾曲する光源装置である。本実施形態に係る光源装置300の構成の概略を図10に示す。図10において、1次光源110と光ファイバ120とは省略して図示していない。図10(a)は光源装置300が伸展した状態、図10(b)は光源装置300が湾曲した状態を示す。
【0040】
図10に示すように、本実施形態に係る光源装置300において、光変換素子130は、装置の先端側に配置され、蓄熱部材140及び放熱部材150は、光変換素子130から離れた位置に配置されている。光変換素子130と蓄熱部材140とは、伝熱部材360で熱的に接続されている。ここで、伝熱部材360は、例えばグラファイトシートで形成されている。伝熱部材360の一部は、らせん状(スプリング状)の形状を有し、伸縮可能となっている。すなわち、伝熱部材360の一部は湾曲可能となっている。
【0041】
光源装置300が湾曲する際、伝熱部材360に対しては、伸張又は収縮の力が印加される。ここで、伝熱部材360が螺旋状の形状を有し変形可能であることで、伝熱部材360の局所に応力が集中することを防止できる。その結果、本実施形態に係る光源装置300は、伝熱部材360が破断することなく湾曲できる。
【0042】
なお、伝熱部材360の形状は、らせん形状に限定されない。例えばジグザグ形状など、全体として伸縮可能な形状であればどのような形状でもよい。図10を参照した説明では、光源装置300が1方向に湾曲する場合を例として示したが、ねじれるように変形したり、2軸方向に湾曲したりできる構成についても同様である。
【0043】
[第3の実施形態の第1の変形例]
第3の実施形態の第1の変形例について説明する。ここでは、第3の実施形態との相違点について説明し、同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。本変形例に係る光源装置301の構成を示す模式図を図11に示す。図11(a)は光源装置301が伸展した状態、図11(b)は光源装置301が湾曲した状態を示す。本変形例では、蓄熱部材340はゲル状の物質を用いて形成されている。また、第3の実施形態の伝熱部材360に代えて、本実施形態では、線状又はリボン状の直線的な形状であり伸縮する機能を有していない伝熱部材361が設けられている。
【0044】
本実施形態では、放熱部材150が光変換素子130と離れた基端側の位置に、光源装置300の周面を取り囲むように配置されている。光変換素子130と接続した伝熱部材361は、放熱部材150が配置されている部位まで光源装置301内を挿通している。伝熱部材361と放熱部材150との間には、ゲル状の蓄熱部材340が充填されている。ゲル状の蓄熱部材340は、力が加わると変形する。
【0045】
光源装置301が湾曲すると、伝熱部材361はその長手方向に力が加わる。このように湾曲によって伝熱部材361に力が印加された際に、ゲル状の蓄熱部材340は変形するので、図11(b)に示すように、伝熱部材361の位置はずれる。このように、ゲル状の蓄熱部材340が変形し、伝熱部材361の位置がずれることで、伝熱部材361の局所に応力が集中することを防止できる。したがって、伝熱部材361を破断させることなく、壊れにくい湾曲可能な光源装置301を構成することができる。
【0046】
なお、蓄熱部材340は、ゲル状の蓄熱材料以外にも、水、空気、蓄熱カプセルを分散させたスラリー液等の流体を含み、伝熱部材361を機械的に固定せずに伝熱部材361と放熱部材150とを熱的に接続するようにしても、同様の効果を得ることができる。
【0047】
[第3の実施形態の第2の変形例]
第3の実施形態の第2の変形例について説明する。ここでは、第3の実施形態の第1の変形例との相違点について説明し、同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。本変形例に係る光源装置302の構成の概略を図12に示す。本変形例では、放熱部材150の内面に、蓄熱部材342が配置されており、この蓄熱部材342と伝熱部材361との間に、ゲル状伝熱部材362が配置されている。また、第3の実施形態の第1の変形例の場合と同様に、伝熱部材361は、線状又はリボン状の直線的な形状であり伸縮する機能を有していない。
【0048】
本変形例によっても、光源装置302が湾曲し、伝熱部材361に力が印加された際、ゲル状伝熱部材362が変形し、伝熱部材361の局所に応力が集中することを防ぐことができる。したがって、本変形例によっても壊れにくい湾曲可能な光源装置302を構成することができる。このように、例えばゲル状伝熱部材362は、変形伝熱部材として機能する。
【0049】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても、発明が解決しようとする課題の欄で述べられた課題が解決でき、かつ、発明の効果が得られる場合には、この構成要素が削除された構成も発明として抽出され得る。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0050】
100…光源装置、101…光源装置、110…次光源、120…光ファイバ、130…光変換素子、140…蓄熱部材、150…放熱部材、160…伝熱部材、200…光源装置、201…光源装置、242…第1の蓄熱部材、244…第2の蓄熱部材、252…第1の放熱部材、254…第2の放熱部材、262…第1の伝熱部材、264…第2の伝熱部材、266…伝熱部材、300…光源装置、301…光源装置、340…蓄熱部材、360…伝熱部材、361…伝熱部材、362…ゲル状伝熱部材。
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、1次光源から1次光を射出し、この1次光を光ファイバで光変換部に導光し、この光変換部において1次光の特性を変換し、照明光として変換光を射出する光源装置が知られている。例えば特許文献1には、1次光としての励起光を射出する1次光源である励起光源と、光変換部としての蛍光体とを備えた光源装置に係る技術が開示されている。特許文献1に開示されている光源装置では、励起光源から射出された励起光は光ファイバで導光されて蛍光体に入射する。蛍光体は、導光された励起光を波長変換し、蛍光を放射する。この光源装置は、放射された蛍光と、励起光源から導光された励起光とを照明光として射出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−220326号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような光源装置において、光変換部では光変換に伴って熱が発生する。光源装置を安定して動作させるためには、発生した熱を光変換部から除去する必要がある。この際、光源装置の表面温度が装置に応じて設定される許容温度を超えて高温とならないように、光変換部を適切に冷却する必要がある。
【0005】
そこで本発明は、使用中の装置の表面温度を許容温度以下としながら光変換部を冷却する機構を有する光源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を果たすため、本発明の光源装置の一態様は、照明光を射出する光変換部と、前記光変換部で発生した熱を環境に放出する放熱部と、前記光変換部又は前記放熱部と熱的に接続し、熱を蓄える蓄熱部と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、熱を蓄える蓄熱部材を有するので、使用中の装置の表面温度を許容温度以下としながら光変換部を冷却することができる光源装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る光源装置の構成の概略を示す図。
【図2】第1の実施形態に係る光源装置の先端部の概略を説明するための図。
【図3】第1の実施形態に係る光源装置の光源装置の先端部の別の構成例の概略を説明するための図。
【図4】第1の実施形態に係る光源装置に係る動作開始からの時間経過と放熱部材の表面温度との関係の概略を説明するための図。
【図5】第1の実施形態の第1の変形例に係る光源装置の構成の概略を示す図。
【図6】第2の実施形態に係る光源装置の構成の概略を示す図。
【図7】第2の実施形態の第1の変形例に係る光源装置の構成の概略を示す図。
【図8】第2の実施形態に係る光源装置に係る動作開始からの時間経過と放熱部材の表面温度との関係の概略を説明するための図であり、第1の蓄熱部材と第2の蓄熱部材との構成を同様とした場合の図。
【図9】第2の実施形態に係る光源装置に係る動作開始からの時間経過と放熱部材の表面温度との関係の概略を説明するための図であり、第1の蓄熱部材と第2の蓄熱部材との構成を適切に設定した場合の図。
【図10】第3の実施形態に係る光源装置の構成の概略を示す図。
【図11】第3の実施形態の第1の変形例に係る光源装置の構成の概略を示す図。
【図12】第3の実施形態の第2の変形例に係る光源装置の構成の概略を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態に係る光源装置100の構成の概略を図1に示す。光源装置100は、1次光源110と、光ファイバ120と、光変換素子130と、蓄熱部材140と、放熱部材150とを有する。
【0010】
1次光源110は、1次光を射出する。1次光としては、後述の光変換素子130に応じて、種々の光を用いることができる。光ファイバ120は、1次光源110が射出した1次光を光変換素子130へ導く。すなわち、光ファイバ120は、1次光源110と光変換素子130とに接続する。
【0011】
光変換素子130は、光ファイバ120によって導かれた1次光を受け、光源装置100が射出する照明光としての2次光を射出する。光変換素子130は、例えば1次光を励起光として蛍光を発する蛍光体を含んでもよい。また、光変換素子130は、例えば1次光がレーザ光であるときに、1次光の広がり角を広げて安全な2次光として射出する、光拡散機能を有した素子を含んでもよい。また、光変換素子130は、例えば1次光がレーザ光であるときに、このレーザ光を例えば位相変換して可干渉性を軽減しスペックルの発生を防ぐ機能を有した素子を含んでもよい。
【0012】
蓄熱部材140は、蓄熱機能を有する。例えば、蓄熱部材140は、水や高比熱の金属等を用いた顕熱蓄熱材料を含んでいてもよい。また、蓄熱部材140は、相変化時の吸熱を用いた潜熱蓄熱材料を含んでもよい。特に、潜熱蓄熱材料をマイクロカプセル化した蓄熱カプセルなどを含んでいてもよい。蓄熱カプセルは、例えば脂肪族炭化水素化合物、アルコール、エステル、脂肪酸などの潜熱蓄熱材料を、例えば数μm径の樹脂皮膜内に内包させた構造を有する。蓄熱部材140は、光変換素子130と放熱部材150とに熱的に接続している。したがって、蓄熱部材140は、光変換素子130が発生した熱の一部を蓄えて、一部の熱を放熱部材150に伝熱する。
【0013】
放熱部材150は、熱を光源装置100外の環境に放熱する部材である。光変換素子130で発熱した熱は、蓄熱部材140を介して放熱部材150に伝熱され、放熱部材150から放熱される。光源装置100の外装等を放熱部材150として機能させてもよい。なお、図1において、放熱部材150から装置外へ向けた矢印は、放熱部材150から光源装置100の外部へ放熱されていることを模式的に表している。
【0014】
光変換素子130、蓄熱部材140及び放熱部材150が配置された光源装置100の先端部の構造の例を図2に示す。図2(a)は光源装置100の先端部の概略を模式的に示す斜視図であり、図2(b)はこの先端部の断面の概略を示す模式図である。本実施形態において光源装置100の光変換素子130が配置されている先端部は、円筒形状をしている。光源装置100では、外装が放熱部材150として機能する。したがって、放熱部材150は中空の円筒形状をしている。光変換素子130は、放熱部材150の端部の中心付近に配置されている。光変換素子130に接続する光ファイバ120は、放熱部材150の中心軸に沿って配置されている。本実施形態では、放熱部材150内の空間であり、光変換素子130及び光ファイバ120等の構造物以外の領域に、蓄熱部材140が充填されている。なお、図3に示すように、外装である放熱部材150の一部が光変換素子130と接するような構造でもよい。
【0015】
本実施形態に係る光源装置100の動作を説明する。例えば1次光源110は、レーザ光を射出するレーザ光源であるものとする。1次光源110は、1次光としてのレーザ光を射出する。射出されたレーザ光は、光ファイバ120に入射する。このレーザ光は、光ファイバ120内を進行し、光変換素子130に到達する。
【0016】
例えば光変換素子130は、1次光としてのレーザ光を励起光として吸収し、蛍光を発する蛍光体を含んでいるものとする。この場合、光変換素子130は、光ファイバ120によって導かれたレーザ光を吸収し、励起光を放射する。すなわち、光変換素子130は、波長変換を行う。この波長変換された蛍光及び波長変換されなかった励起光は、光源装置100の先端から照明光として射出される。
【0017】
光変換素子130は、波長変換する際に熱を発生する。この光変換素子130から発生した熱は、蓄熱部材140に伝達される。蓄熱部材140は、光変換素子130から伝えられた熱の一部を蓄える。蓄熱部材140が水や高比熱の金属等の顕熱蓄熱材料を含んでいる場合、一部の熱は顕熱として顕熱蓄熱材料に蓄熱される。また、蓄熱部材140が蓄熱カプセルを含んでいる場合、一部の熱は潜熱として蓄熱カプセルに吸収される。蓄熱部材140に蓄えられなかった熱は、放熱部材150に伝達される。蓄熱部材140から熱を伝えられた放熱部材150は、その熱の一部を光源装置100の外部へと放出する。
【0018】
このように、例えば光変換素子130は、照明光を射出する光変換部として機能する。例えば放熱部材150は、光変換部で発生した熱を外部に放出する放熱部として機能する。例えば蓄熱部材140は、光変換部又は放熱部と熱的に接続し、熱を蓄える蓄熱部として機能する。
【0019】
本実施形態の効果を説明するため、時間経過に対する温度変化を示す図を図4に示す。この図において、実線は本実施形態に係る光源装置100の先端部周面の温度変化、すなわち蓄熱部材140を有する場合の放熱部材150の温度変化を示す。一方、一点破線は比較例の場合の温度変化を示す。この比較例では、本実施形態と同様の構造を有しながら蓄熱部材を有さない場合、すなわち、本実施形態における蓄熱部材140の部分が例えば放熱部材150と同様の比熱の低い材料で充填されている場合の温度変化を示す。図4に示すように光源装置の表面温度は、本実施形態では蓄熱部材140が熱を吸収しながら放熱部材150に熱を伝達するので、蓄熱部材140がない比較例に比べてゆっくりと上昇する。
【0020】
例えば、光源装置100が損傷しないため、及び/又は光源装置100を安全に使用するため、表面温度に許容限界を設ける必要が想定される。この許容温度を図4において、破線で示す。許容温度を超える前まで光源装置100を使用できるとすると、この図を見て明らかなように、蓄熱部材140がある本実施形態の場合の動作可能時間は、蓄熱部材がない比較例の場合の動作可能時間よりも大幅に長くなる。蓄熱部材140の熱容量を、(発光素子の発熱量)×(光源装置の必要とする使用時間)を基準として決められる値よりも大きくすることで、必要とする使用時間、許容温度を超えずに光源装置100を使用することができるようになる。
【0021】
上記の許容温度を装置の各部の故障や劣化を引き起こさない温度や、ユーザに不快感等を与えない温度とすることで、装置の故障やユーザに不快感を与えることを防止することができる。なお、蓄熱部材140に潜熱蓄熱材量を用いる場合、潜熱蓄熱材料の蓄熱温度を、許容温度より低く設定することで、特に効果が得られる。
【0022】
本実施形態では、蓄熱部材140を放熱部材150と光変換素子130との間に設置したが、光変換素子130から熱が伝達される部位であればどこに設置してもよい。また、放熱部材150に蓄熱部材140を組み込むようにしてもよい。また、比熱が比較的高い材料で放熱部材150を形成してもよい。また、放熱部材150を設けず、蓄熱部材140から光源装置100の外部に放熱されるような構造としてもよい。何れの場合も上記と同様の効果が得られる。
【0023】
[第1の実施形態の第1の変形例]
第1の実施形態の第1の変形例について説明する。ここでは、第1の実施形態との相違点について説明し、同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。本変形例の光源装置101の構成例を示す模式図を図5に示す。この図に示すように、本変形例に係る光源装置101は、第1の実施形態の光源装置100に加えて伝熱部材160を有する。伝熱部材160は、熱伝導率が高い物質で形成されており、熱抵抗すなわち熱の伝えにくさが低い。伝熱部材160は、例えばグラファイトシートや、銅等の熱伝導率が高い金属を用いて形成される。また、伝熱部材160は、ヒートパイプを用いて形成されてもよい。
【0024】
伝熱部材160は、光変換素子130と蓄熱部材140との間に挿入されている。図5に示す例では、光源装置101の先端側に光変換素子130が配置され、基端側に蓄熱部材140と放熱部材150とが配置されている。光変換素子130と蓄熱部材140との間に伝熱部材160が配置されている。
【0025】
本変形例において、光源装置101の先端部の光変換素子130で発生した熱は、伝熱部材160を伝わって、光源装置101の基端部の蓄熱部材140に伝えられる。蓄熱部材140に伝達された熱は、第1の実施形態の場合と同様に、その一部は蓄熱部材140に蓄熱され、一部の熱は放熱部材150に伝達されて放熱部材150から放熱される。
【0026】
本変形例によれば、蓄熱部材140と放熱部材150とを、光変換素子130から離れた位置に配置することができる。例えば狭い場所の照明のために用いられる光源装置では、照明光の射出部分の小型化が求められることがある。このような場合、本変形例によれば、小型化が求められる光変換素子130が配置された先端部から離れた位置に、比較的大きな蓄熱部材140や放熱部材150を配置することが可能となる。その結果、光源装置101の先端部の温度上昇をより抑制することができる。また、本変形例に係る光源装置101は、光源装置101の先端部において装置外に放熱することが困難な状況での使用にも効果を発揮する。
【0027】
このように、例えば伝熱部材160は、光変換部で発生した熱を放熱部又は蓄熱部に伝達する伝熱部として機能する。なお、伝熱部材160を長くすることで、伝熱部材160からの放熱も有効に利用するようにしてもよい。すなわち、伝熱部材160を放熱部材150として機能させるようにしてもよい。また、本変形例では、蓄熱部材140を放熱部材150側に放熱部材150と接触させて配置しているが、蓄熱部材140を光変換素子130側に光変換素子130と接触させて配置させ、この蓄熱部材140と放熱部材150とを伝熱部材160で熱的に接続するようにしてもよい。
【0028】
[第2の実施形態]
第2の実施形態について説明する。ここでは、第1の実施形態の第1の変形例との相違点について説明し、同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。本実施形態に係る光源装置200の構成例の概略を図6に示す。この図に示すように、本実施形態に係る光源装置200は、蓄熱部材140と同様の構成を有し同様に機能する第1の蓄熱部材242と第2の蓄熱部材244とを有する。また、光源装置200は、放熱部材150と同様の構成を有し同様に機能する第1の放熱部材252と第2の放熱部材254とを有する。第1の蓄熱部材242と第1の放熱部材252とは接触し熱的に接続しており、それらは光変換素子130から離れて配置されている。同様に、第2の蓄熱部材244と第2の放熱部材254とは、接触し熱的に接続しており、それらは光変換素子130及び第1の蓄熱部材242と第1の放熱部材252とから離れて配置されている。ここで、第1の放熱部材252と第2の放熱部材254との放熱能力、すなわち、光源装置200の外部の雰囲気への熱コンダクタンス(熱の伝えやすさ)は同等である。
【0029】
光変換素子130と第1の蓄熱部材242とは、伝熱部材160と同様の構成を有し同様に機能する第1の伝熱部材262によって熱的に接続されている。同様に、光変換素子130と第2の蓄熱部材244とは、伝熱部材160と同様の構成を有し同様に機能する第2の伝熱部材264によって熱的に接続されている。
【0030】
光変換素子130と第1の蓄熱部材242との距離は、光変換素子130と第2の蓄熱部材244との距離と異なる。すなわち、第1の伝熱部材262と第2の伝熱部材264とは、互いに長さが異なる。本実施形態では、第1の放熱部材252の方が第2の放熱部材254よりも光変換素子130の近くに配置されており、第1の伝熱部材262は第2の伝熱部材264よりも短い。したがって、仮に第1の伝熱部材262と第2の伝熱部材264とを、同じ材料を用いて同じ構造とした場合、第1の伝熱部材262の方が、熱コンダクタンスが高くなる。そこで本実施形態では、第1の伝熱部材262と第2の伝熱部材264との材料及び/又は構造を異なるものにし、第1の伝熱部材262と第2の伝熱部材264との熱コンダクタンスを等しくしている。例えば、第2の伝熱部材264を第1の伝熱部材262よりも厚さを厚く及び/又は幅を広くすることで、第1の伝熱部材262と第2の伝熱部材264との熱コンダクタンスが等しくなるように調整されている。また、第1の伝熱部材と第2の伝熱部材をどちらも同じ材質であるグラファイトシートとしてもよいし、互いに別の材質を用いてもよい。別の材料を用いることによっても、熱コンダクタンスの調整が可能である。
【0031】
上記のように熱コンダクタンスを調整することにより、第1の放熱部材252と第2の放熱部材254とに伝熱され放熱される熱量は互いに等しくなる。その結果、第1の放熱部材252と第2の放熱部材254との表面温度は等しくなる。
【0032】
本実施形態のように、第1の放熱部材252と第2の放熱部材254の複数の放熱部材を設けることで、光変換素子130で発生した熱を複数個所に分散させることができる。その結果、光源装置200が局所的に高温となることを防ぐことができる。
【0033】
本実施形態では第1の放熱部材252と第2の放熱部材254との放熱能力を同等としたが、放熱能力に差がある場合、第1の放熱部材252と第2の放熱部材254との熱コンダクタンスの逆数の比に比例するように、第1の伝熱部材262と第2の伝熱部材264との熱コンダクタンスを設定することで、第1の放熱部材252と第2の放熱部材254との温度を等しくすることができる。また、本実施形態では、伝熱部材、蓄熱部材及び放熱部材が2つの場合を例に挙げて説明したが、3つ以上としてもよいことはもちろんである。
【0034】
また、本実施形態では、光変換素子130と第1の蓄熱部材242とは第1の伝熱部材262を介して熱的に接続されており、光変換素子130と第2の蓄熱部材244とは第2の伝熱部材264を介して熱的に接続されているものとしたが、第1の蓄熱部材242と第2の蓄熱部材244とのうち何れか一方が、光変換素子130に熱的に直接接続するようにしてもよい。
【0035】
[第2の実施形態の第1の変形例]
第2の実施形態の第1の変形例について説明する。ここでは、第2の実施形態との相違点について説明し、同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。本変形例に係る光源装置201の構成の概略を図7に示す。この図に示すように、本変形例では、光源装置201には、第1の伝熱部材262及び第2の伝熱部材264の代わりに、1つの伝熱部材266が設けられている。
【0036】
第1の蓄熱部材242と第2の蓄熱部材244とは、伝熱部材266に熱的に接続されている。第1の蓄熱部材242には第1の放熱部材252が熱的に接続し、第2の蓄熱部材244には第2の放熱部材254が熱的に接続している。第1の放熱部材252及び第1の蓄熱部材242は、第2の放熱部材254及び第2の蓄熱部材244よりも光変換素子130の近くに設置されている。このため、光変換素子130から第1の蓄熱部材242までの熱抵抗は、光変換素子130から第2の蓄熱部材244までの熱抵抗よりも低くなる。
【0037】
上記のことから、第1の蓄熱部材242及び第1の放熱部材252の構成と、第2の蓄熱部材244及び第2の放熱部材254の構成とを等しくすると、それらの温度変化は図8に示すようになる。図8において、一点破線は第1の放熱部材252の表面温度の時間変化を示し、実線は第2の放熱部材254の表面温度の時間変化を示す。この図に示すように、第1の放熱部材252の表面温度の方が第2の放熱部材254の表面温度よりも高くなる。すなわち、第1の放熱部材252の方が第2の放熱部材254よりも許容温度を下回る動作時間が短くなる。そこで本変形例では、第1の蓄熱部材242の熱容量を、第2の蓄熱部材244の熱容量よりも大きくすることで、図9に示す様に、第1の放熱部材252と第2の放熱部材254との表面温度を一定の期間においてほぼ等しくする。このようにすることで、光源装置201の動作可能時間を図8に示した場合よりも長くする。
【0038】
本変形例によれば、第1の放熱部材252及び第2の放熱部材254の放熱効率と、伝熱部材266の熱コンダクタンスを可能な限り高めた状態で、第1の放熱部材252と第2の放熱部材254との放熱効率に合わせて第1の蓄熱部材242と第2の蓄熱部材244との熱容量を設定し、第1の放熱部材252と第2の放熱部材254との表面温度を一致させることができる。したがって、光源装置201の表面が局所的高温となることなく、光変換素子130から発生した熱を装置の外部に放射することができる。
【0039】
[第3の実施形態]
第3の実施形態について説明する。ここでは、第1の実施形態の第1の変形例との相違点について説明し、同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。本実施形態の光源装置300は、光変換素子130が配置された先端部と、1次光源110が配置された基端部との間が湾曲する光源装置である。本実施形態に係る光源装置300の構成の概略を図10に示す。図10において、1次光源110と光ファイバ120とは省略して図示していない。図10(a)は光源装置300が伸展した状態、図10(b)は光源装置300が湾曲した状態を示す。
【0040】
図10に示すように、本実施形態に係る光源装置300において、光変換素子130は、装置の先端側に配置され、蓄熱部材140及び放熱部材150は、光変換素子130から離れた位置に配置されている。光変換素子130と蓄熱部材140とは、伝熱部材360で熱的に接続されている。ここで、伝熱部材360は、例えばグラファイトシートで形成されている。伝熱部材360の一部は、らせん状(スプリング状)の形状を有し、伸縮可能となっている。すなわち、伝熱部材360の一部は湾曲可能となっている。
【0041】
光源装置300が湾曲する際、伝熱部材360に対しては、伸張又は収縮の力が印加される。ここで、伝熱部材360が螺旋状の形状を有し変形可能であることで、伝熱部材360の局所に応力が集中することを防止できる。その結果、本実施形態に係る光源装置300は、伝熱部材360が破断することなく湾曲できる。
【0042】
なお、伝熱部材360の形状は、らせん形状に限定されない。例えばジグザグ形状など、全体として伸縮可能な形状であればどのような形状でもよい。図10を参照した説明では、光源装置300が1方向に湾曲する場合を例として示したが、ねじれるように変形したり、2軸方向に湾曲したりできる構成についても同様である。
【0043】
[第3の実施形態の第1の変形例]
第3の実施形態の第1の変形例について説明する。ここでは、第3の実施形態との相違点について説明し、同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。本変形例に係る光源装置301の構成を示す模式図を図11に示す。図11(a)は光源装置301が伸展した状態、図11(b)は光源装置301が湾曲した状態を示す。本変形例では、蓄熱部材340はゲル状の物質を用いて形成されている。また、第3の実施形態の伝熱部材360に代えて、本実施形態では、線状又はリボン状の直線的な形状であり伸縮する機能を有していない伝熱部材361が設けられている。
【0044】
本実施形態では、放熱部材150が光変換素子130と離れた基端側の位置に、光源装置300の周面を取り囲むように配置されている。光変換素子130と接続した伝熱部材361は、放熱部材150が配置されている部位まで光源装置301内を挿通している。伝熱部材361と放熱部材150との間には、ゲル状の蓄熱部材340が充填されている。ゲル状の蓄熱部材340は、力が加わると変形する。
【0045】
光源装置301が湾曲すると、伝熱部材361はその長手方向に力が加わる。このように湾曲によって伝熱部材361に力が印加された際に、ゲル状の蓄熱部材340は変形するので、図11(b)に示すように、伝熱部材361の位置はずれる。このように、ゲル状の蓄熱部材340が変形し、伝熱部材361の位置がずれることで、伝熱部材361の局所に応力が集中することを防止できる。したがって、伝熱部材361を破断させることなく、壊れにくい湾曲可能な光源装置301を構成することができる。
【0046】
なお、蓄熱部材340は、ゲル状の蓄熱材料以外にも、水、空気、蓄熱カプセルを分散させたスラリー液等の流体を含み、伝熱部材361を機械的に固定せずに伝熱部材361と放熱部材150とを熱的に接続するようにしても、同様の効果を得ることができる。
【0047】
[第3の実施形態の第2の変形例]
第3の実施形態の第2の変形例について説明する。ここでは、第3の実施形態の第1の変形例との相違点について説明し、同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。本変形例に係る光源装置302の構成の概略を図12に示す。本変形例では、放熱部材150の内面に、蓄熱部材342が配置されており、この蓄熱部材342と伝熱部材361との間に、ゲル状伝熱部材362が配置されている。また、第3の実施形態の第1の変形例の場合と同様に、伝熱部材361は、線状又はリボン状の直線的な形状であり伸縮する機能を有していない。
【0048】
本変形例によっても、光源装置302が湾曲し、伝熱部材361に力が印加された際、ゲル状伝熱部材362が変形し、伝熱部材361の局所に応力が集中することを防ぐことができる。したがって、本変形例によっても壊れにくい湾曲可能な光源装置302を構成することができる。このように、例えばゲル状伝熱部材362は、変形伝熱部材として機能する。
【0049】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても、発明が解決しようとする課題の欄で述べられた課題が解決でき、かつ、発明の効果が得られる場合には、この構成要素が削除された構成も発明として抽出され得る。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0050】
100…光源装置、101…光源装置、110…次光源、120…光ファイバ、130…光変換素子、140…蓄熱部材、150…放熱部材、160…伝熱部材、200…光源装置、201…光源装置、242…第1の蓄熱部材、244…第2の蓄熱部材、252…第1の放熱部材、254…第2の放熱部材、262…第1の伝熱部材、264…第2の伝熱部材、266…伝熱部材、300…光源装置、301…光源装置、340…蓄熱部材、360…伝熱部材、361…伝熱部材、362…ゲル状伝熱部材。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明光を射出する光変換部と、
前記光変換部で発生した熱を環境に放出する放熱部と、
前記光変換部又は前記放熱部と熱的に接続し、熱を蓄える蓄熱部と、
を具備することを特徴とする光源装置。
【請求項2】
前記光変換部と前記放熱部とは離間して設けられており、
前記光変換部で発生した熱を前記放熱部又は前記蓄熱部に伝達する伝熱部をさらに具備する、
ことを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
前記蓄熱部は潜熱蓄熱材料を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の光源装置。
【請求項4】
前記蓄熱部は水を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の光源装置。
【請求項5】
前記蓄熱部は前記放熱部として機能することを特徴とする請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の光源装置。
【請求項6】
前記放熱部は、第1の放熱部材と第2の放熱部材とを有しており、
前記第1の放熱部材及び/又は前記第2の放熱部材は、前記伝熱部を介して前記光変換部と熱的に接続されており、
前記第1の放熱部材の表面温度と前記第2の放熱部材の表面温度とが一致するように、前記第1の放熱部材、前記第2の放熱部材、前記伝熱部及び前記蓄熱部の熱特性が設定されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の光源装置。
【請求項7】
前記伝熱部は、第1の伝熱部材と第2の伝熱部材とを有し、
前記第1の放熱部材は前記第1の伝熱部材を介して前記光変換部と熱的に接続されており、
前記第2の放熱部材は前記第2の伝熱部材を介して前記光変換部と熱的に接続されており、
前記第1の放熱部材に伝達される熱量と、前記第2の放熱部材に伝達される熱量との比が所定の値になるように、前記第1の伝熱部材と前記第2の伝熱部材との熱コンダクタンスが設定されている、
ことを特徴とする請求項6に記載の光源装置。
【請求項8】
前記放熱部は、第1の放熱部材と第2の放熱部材とを有しており、
前記蓄熱部は、第1の蓄熱部材と第2の蓄熱部材とを有しており、
前記第1の放熱部材は前記第1の蓄熱部材と熱的に接続されており、
前記第2の放熱部材は前記第2の蓄熱部材と熱的に接続されており、
前記第1の蓄熱部材及び/又は前記第2の蓄熱部材は、前記伝熱部を介して前記光変換部と熱的に接続されており、
前記第1の放熱部材と前記第2の放熱部材との放熱手段の放熱能力に応じて、前記光変換部を機能させてから前記第1の放熱部材の表面温度が所定の値になるまでの時間と、前記光変換部を機能させてから前記第2の放熱部材の表面温度が所定の値になるまでの時間とが等しくなるように、前記第1の蓄熱部材の熱容量と前記第2の蓄熱部材の熱容量とが設定されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の光源装置。
【請求項9】
前記伝熱部は、前記放熱部として機能することを特徴とする請求項2に記載の光源装置。
【請求項10】
前記光変換部が位置する部分と前記放熱部が位置する部分との間で湾曲することを特徴とする請求項2に記載の光源装置。
【請求項11】
前記湾曲したときに、前記伝熱部は、長さを変化させる又はねじれることを特徴とする請求項10に記載の光源装置。
【請求項12】
前記伝熱部と前記放熱部とは、機械的に固定されておらず、流体によって熱的に接続されていることを特徴とする請求項10に記載の光源装置。
【請求項13】
前記蓄熱部材は変形可能であり、前記伝熱部と前記放熱部とは変形する前記蓄熱部材によって熱的に接続されていることを特徴とする請求項10に記載の光源装置。
【請求項14】
変形可能な変形伝熱部材を更に具備し、
前記伝熱部と前記放熱部とは前記変形伝熱部材を介して熱的に接続されていることを特徴とする請求項10に記載の光源装置。
【請求項1】
照明光を射出する光変換部と、
前記光変換部で発生した熱を環境に放出する放熱部と、
前記光変換部又は前記放熱部と熱的に接続し、熱を蓄える蓄熱部と、
を具備することを特徴とする光源装置。
【請求項2】
前記光変換部と前記放熱部とは離間して設けられており、
前記光変換部で発生した熱を前記放熱部又は前記蓄熱部に伝達する伝熱部をさらに具備する、
ことを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
前記蓄熱部は潜熱蓄熱材料を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の光源装置。
【請求項4】
前記蓄熱部は水を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の光源装置。
【請求項5】
前記蓄熱部は前記放熱部として機能することを特徴とする請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の光源装置。
【請求項6】
前記放熱部は、第1の放熱部材と第2の放熱部材とを有しており、
前記第1の放熱部材及び/又は前記第2の放熱部材は、前記伝熱部を介して前記光変換部と熱的に接続されており、
前記第1の放熱部材の表面温度と前記第2の放熱部材の表面温度とが一致するように、前記第1の放熱部材、前記第2の放熱部材、前記伝熱部及び前記蓄熱部の熱特性が設定されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の光源装置。
【請求項7】
前記伝熱部は、第1の伝熱部材と第2の伝熱部材とを有し、
前記第1の放熱部材は前記第1の伝熱部材を介して前記光変換部と熱的に接続されており、
前記第2の放熱部材は前記第2の伝熱部材を介して前記光変換部と熱的に接続されており、
前記第1の放熱部材に伝達される熱量と、前記第2の放熱部材に伝達される熱量との比が所定の値になるように、前記第1の伝熱部材と前記第2の伝熱部材との熱コンダクタンスが設定されている、
ことを特徴とする請求項6に記載の光源装置。
【請求項8】
前記放熱部は、第1の放熱部材と第2の放熱部材とを有しており、
前記蓄熱部は、第1の蓄熱部材と第2の蓄熱部材とを有しており、
前記第1の放熱部材は前記第1の蓄熱部材と熱的に接続されており、
前記第2の放熱部材は前記第2の蓄熱部材と熱的に接続されており、
前記第1の蓄熱部材及び/又は前記第2の蓄熱部材は、前記伝熱部を介して前記光変換部と熱的に接続されており、
前記第1の放熱部材と前記第2の放熱部材との放熱手段の放熱能力に応じて、前記光変換部を機能させてから前記第1の放熱部材の表面温度が所定の値になるまでの時間と、前記光変換部を機能させてから前記第2の放熱部材の表面温度が所定の値になるまでの時間とが等しくなるように、前記第1の蓄熱部材の熱容量と前記第2の蓄熱部材の熱容量とが設定されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の光源装置。
【請求項9】
前記伝熱部は、前記放熱部として機能することを特徴とする請求項2に記載の光源装置。
【請求項10】
前記光変換部が位置する部分と前記放熱部が位置する部分との間で湾曲することを特徴とする請求項2に記載の光源装置。
【請求項11】
前記湾曲したときに、前記伝熱部は、長さを変化させる又はねじれることを特徴とする請求項10に記載の光源装置。
【請求項12】
前記伝熱部と前記放熱部とは、機械的に固定されておらず、流体によって熱的に接続されていることを特徴とする請求項10に記載の光源装置。
【請求項13】
前記蓄熱部材は変形可能であり、前記伝熱部と前記放熱部とは変形する前記蓄熱部材によって熱的に接続されていることを特徴とする請求項10に記載の光源装置。
【請求項14】
変形可能な変形伝熱部材を更に具備し、
前記伝熱部と前記放熱部とは前記変形伝熱部材を介して熱的に接続されていることを特徴とする請求項10に記載の光源装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−98150(P2013−98150A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−243207(P2011−243207)
【出願日】平成23年11月7日(2011.11.7)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月7日(2011.11.7)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
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