説明

光無線通信端末装置、光無線通信システム、光無線通信方法、およびプログラム

【課題】従来の光無線通信端末装置においては、光無線通信で情報を送信する装置と、情報を受信する装置との間で、双方向で情報をやりとりできないという課題があった。
【解決手段】撮影部101が光無線通信光源を含む光源を撮影して取得した撮影画像内において光無線通信光源を検出し、光無線通信光源の位置情報を取得する光源位置検出部102と、この位置情報から、光無線通信光源の光の入射位置の情報である通信光入射位置情報を取得し、この情報が示す位置において光無線通信光源から光無線通信により送信され送信体対象情報を取得する情報取得部103と、この情報を出力する出力部104と、送信対象となる端末送信対象情報を受け付ける端末送信対象情報受付部105と、送信用光源106から端末送信対象情報を光無線通信で送信する端末送信対象情報送信部107とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可視光等の光を用いた光無線通信により送信された情報を受信する光無線通信端末装置等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、照明のためのLED光源と、該LED光源に電力を供給するための電力線と、該電力線に複数の情報を変調し多重化して電力波形と重畳させて送出する情報変調手段と、電力線上の変調された複数の情報から1ないし複数を選択的に分離して前記LED光源の光量あるいは点滅を制御するフィルタ手段を有し、前記LED光源の光量の変化あるいは点滅によって情報を送信する放送システムが知られていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この放送システムにおいては、受光端末を用いて可視光通信により送信される情報の受信を行っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−147063号公報(第1頁、第1図等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、可視光通信等の光無線通信を行う光源と、光無線通信を行わない光源や、間接照明や自然光等の環境光等が混在している状況下において、上述したような受光端末等を用いて、光源から光無線通信により送信される情報を受信しようとした場合、受光端末が光無線通信を行う光源から発光される光だけを選択的に受光することができず、光無線通信を行わない他の光源等が発光した光も受信しまう。このため、光無線通信を行わない光源が発光した光等が、光無線通信を行う光源が発光する光と混ざって受光される結果、光無線通信により送信される情報を精度良く受信することができない、という課題があった。
【0006】
また、受光端末は光無線通信により送信される情報の受信しかできないため、受光端末側に入力された情報や、受光端末自身が有する情報等を、光無線通信により情報を送信する装置に対して伝達することができないという課題があった。このため、受光端末と光無線通信により情報を送信する装置との間で、双方向で情報のやりとりを行うことができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の光無線通信端末装置は、光無線通信を行う光源である光無線通信光源を含む1以上の光源を撮影して画像を取得する撮影部と、前記撮影部が取得した画像である撮影画像内において光無線通信光源を検出し、当該光無線通信光源の位置の情報である位置情報を取得する光源位置検出部と、前記光源位置検出部が取得した光無線通信光源の位置情報から、光無線通信光源から出力される光が入射される位置の情報である通信光入射位置情報を取得し、当該通信光入射位置情報が示す位置において前記光無線通信光源から光無線通信により送信される情報である光源送信対象情報を取得する情報取得部と、前記情報取得部が取得した情報を出力する出力部と、送信対象となる情報である端末送信対象情報を受け付ける端末送信対象情報受付部と、前記端末送信対象情報を送信するための送信用光源と、前記送信用光源から前記端末送信対象情報を光無線通信により送信する端末送信対象情報送信部とを備えた光無線通信端末装置である。
【0008】
かかる構成により、光無線通信を行う光源から送信される情報を精度良く受信することができるとともに、光無線通信を行う光源を備えた装置との間で、双方向の情報のやりとりを行うことができる。
【0009】
本発明の光無線通信システムは、光無線通信端末装置と、光無線通信を行う光源である1以上の光無線通信光源を有する光無線通信光源装置とを備えた光無線通信システムであって、前記光無線通信端末装置は、前記光無線通信光源装置が有する光無線通信光源を含む1以上の光源を撮影して画像を取得する撮影部と、前記撮影部が取得した画像である撮影画像内において光無線通信光源を検出し、当該光無線通信光源の位置の情報である位置情報を取得する光源位置検出部と、前記光源位置検出部が取得した光無線通信光源の位置情報から、光無線通信光源から出力される光が入射される位置の情報である通信光入射位置情報を取得し、当該通信光入射位置情報が示す位置において、前記光無線通信光源装置が有する光源である光無線通信光源から光無線通信により送信される情報である光源送信対象情報を取得する情報取得部と、前記情報取得部が取得した情報を出力する出力部と、送信対象となる情報である端末送信対象情報を受け付ける端末送信対象情報受付部と、端末送信対象情報を送信するための送信用光源と、前記送信用光源から前記端末送信対象情報を光無線通信により送信する端末送信対象情報送信部とを備え、前記光無線通信光源装置は、前記光無線通信端末装置から光無線通信により送信される端末送信対象情報を受信する端末送信対象情報受信部と、前記端末送信対象情報受信部が受信した端末送信対象情報を送信する受信情報送信部と、前記光無線通信端末装置に対する送信対象となる情報である光源送信対象情報を受信する光源送信対象情報受信部と、前記光源送信対象情報を送信するための、光無線通信を行う光源である1以上の光無線通信光源と、前記光源送信対象情報受信部が受信した前記光源送信対象情報を、前記光無線通信光源から、光無線通信により送信する光源送信対象情報送信部とを備えた光無線通信システムである。
【0010】
かかる構成により、光無線通信端末装置により、光無線通信を行う光源から送信される情報を精度良く受信することが可能となるとともに、光無線通信端末装置と、光無線通信光源装置との間で、双方向の情報のやりとりを行うことが可能となる
【0011】
また、本発明の光無線通信システムは、前記光無線通信システムにおいて、前記光無線通信光源装置は、自装置を識別する情報である識別情報が格納され得る識別情報格納部をさらに備え、前記受信情報送信部は、前記端末送信対象情報受信部が受信した端末送信対象情報を、前記自装置の識別情報と対応付けて送信する光無線通信システムである。
【0012】
かかる構成により、光無線通信端末装置から送信された端末送信対象情報を受信した光無線通信光源装置を識別情報を用いて識別することが可能となり、端末送信対象情報を送信した光無線通信端末装置を結果的に特定することが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明による光無線通信端末装置等によれば、光無線通信を行う光源から送信される情報を精度良く受信することができるとともに、光無線通信を行う光源を備えた装置との間で、双方向の情報のやりとりを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態における光無線通信システムの概念図
【図2】同光無線通信端末装置のブロック図
【図3】同光無線通信光源装置のブロック図
【図4】同サーバ30のブロック図
【図5】同光無線通信端末装置の動作について説明するフローチャート
【図6】同光無線通信端末装置の動作について説明するフローチャート
【図7】同光無線通信光源装置の動作について説明するフローチャート
【図8】同サーバの動作について説明するフローチャート
【図9】同光無線通信システムにおける、マーカー信号とサンプリング周期との関係を示す模式図
【図10】同光無線通信システムの具体例を説明するための模式図
【図11】同サーバ30の番組情報管理表の一例を示す図
【図12】同サーバ30の基礎情報の一例を示す図
【図13】同光無線通信端末装置が撮影した撮影画像を示す図
【図14】同光無線通信端末装置が撮影した撮影画像を二値化して示した図
【図15】同光無線通信端末装置の光源座標管理表の一例を示す図
【図16】同光無線通信端末装置の可視光通信光源管理表の一例を示す図
【図17】同光無線通信端末装置の動作を説明するための、液晶パネルの透過領域を示す図
【図18】同光無線通信端末装置の動作を説明するための、液晶パネルを透過した光が受光される状態を示す図
【図19】同光無線通信端末装置の表示例を示す図
【図20】同光無線通信端末装置の表示例を示す図
【図21】同コンピュータシステムの外観の一例を示す模式図
【図22】同コンピュータシステムの構成の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、光無線通信端末装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
【0016】
(実施の形態)
図1は、本実施の形態における光無線通信システムの概念図である。
【0017】
光無線通信システム1は、光無線通信端末装置10、光無線通信光源装置20、サーバ30を具備する。光無線通信光源装置20とサーバ30とは、電力通信線やネットワーク等により、通信可能となるよう接続されている。なお、この概念図においては、光無線通信端末装置10が携帯型の装置であり、サーバ30がコンピュータである場合を例に挙げて示しているが、本発明においてはこれらがどのような形態の装置であっても良い。また、ここでは、光無線通信端末装置10、および光無線通信光源装置20が、それぞれ一つずつである場合を例に挙げて説明しているが、これらをそれぞれ二以上備えていても良い。
【0018】
光無線通信とは、送信するデータを変調した信号に応じて光源が発する光の強度を変化させることによって、データを送信する装置である。言い換えれば、光の強度の変動により情報を送信する技術である。光の強度の変動は、光の点滅を含む概念である。ただし、ここでの光の点滅は光強度の強弱の変化と考えても良い。光無線通信に用いられる光は、可視光であっても可視光でなくても良い。光無線通信は可視光を利用して通信を行う可視光通信を含む概念である。
【0019】
本実施の形態においては、特に、光無線通信システムが、可視光通信を行う可視光通信システムであり、光無線通信端末装置10が、可視光通信を行う可視光通信端末装置、光無線通信光源装置20が、可視光通信を行う可視光通信光源装置である場合を例に挙げて説明する。ただし、本発明は、可視光通信以外の光無線通信を行うものについても適用可能なものである。可視光通信を行う光源を、ここでは、可視光通信光源と呼ぶ。本実施の形態においては、可視光通信光源は、LED(Light Emitting Diode)光源であることが好ましい。また、可視光通信光源以外の光源を可視光通信光源であると誤って検出してしまう誤検出を防ぐためには、可視光通信光源以外の他の光源もちらつきの少ない光源、例えば蛍光灯以外の、LED光源や白熱灯等であることが好ましい。可視光通信光源を介して情報を送信するための構成等、可視光通信の技術については公知技術であるので詳細な説明は省略する。
【0020】
図2は、光無線通信端末装置10の構成を説明するためのブロック図である。光無線通信端末装置10は、撮影部101、光源位置検出部102、情報取得部103、出力部104、端末送信対象情報受付部105、送信用光源106、端末送信対象情報送信部107、第一レンズ111、ビームスプリッタ112を備えている。光無線通信端末装置10は、光無線通信光源装置20の光源から送信される情報を受信し、さらに光無線通信光源装置20に情報を送信可能な装置である。
【0021】
撮影部101は、撮像素子1011および画像処理手段1012を備えている。
【0022】
光源位置検出部102は、光源検出手段1021および光源選択手段1022を備えている。
【0023】
情報取得部103は、入射位置情報取得手段1031、選択透過手段1032、受光手段1033、情報取得手段1034、および第二レンズ113を備えている。
【0024】
選択透過手段1032は、液晶パネル10321および遮光制御手段10322を備えている。
【0025】
端末送信対象情報送信部107は、変調手段1071、および送信手段1072を備えている。
【0026】
第一レンズ111は、可視光通信に用いられる光源を含む1以上の光源から発光される光を集光して光無線通信端末装置10内に入射させるための集光手段である。可視光通信に用いられる光源とは、この実施の形態においては、具体的には、光無線通信光源装置20が有する光源である。第一レンズ111により集光された光は、撮影部101に入射される。第一レンズ111の代わりに、凹面鏡等の他の集光手段等を備えていても良い。なお、第一レンズ111は、光無線通信端末装置10をユーザ等が操作可能な状態で保持した場合に、その光軸が、光源の配置されている方向、例えば、通常、光源が配置される天井方向を向くように光無線通信端末装置10内に設置しておくことが好ましい。
【0027】
ビームスプリッタ112は、第一レンズ111を経て入射される光を透過させて撮影部101に入射させ、さらに、入射される光を反射させて後述する情報取得部103に入射させる。具体的には、ビームスプリッタ112は、透過させた光を撮像素子1011に入射させる。また、ビームスプリッタ112は、反射させた光を、後述する情報取得部103の選択透過手段1032、より具体的には液晶パネル10321上に入力させる。ここではハーフミラーもビームスプリッタ112の一つと考える。なお、本実施の形態においては、第一レンズ111を経て入射される光を、撮影部101と、情報取得部103との両方に、同時、または切り替えて入射させることが可能な構造を備えていれば、ビームスプリッタ112以外の構成を備えていても良い。例えば、いわゆる一眼レフカメラ等に利用されている跳ね上げ式のミラーをビームスプリッタ112の代わりに設けて、このミラーの跳ね上げのタイミングを制御することで、第一レンズ111を経て入射される光を、撮影部101と、情報取得部103との両方に、切り替えて入射させるようにしても良い。また、撮影部101と情報取得部103と第一レンズ111との位置関係を相対的に移動させて、第一レンズ111の光軸上に、撮影部101と情報取得部103とを切り替えて配置できるようにしても良い。
【0028】
撮影部101は、可視光通信を行う光源である可視光通信光源を含む1以上の光源を撮影して画像を取得する。ここで述べる可視光通信光源は、この実施の形態においては、具体的には、光無線通信光源装置20が有する可視光通信光源である。撮影部101が撮影して取得した画像を、ここでは、撮影画像と呼ぶ。撮影部101は、第一レンズ111を介して、可視光通信光源を含む1以上の光源を撮影して、1以上の光源を撮影した画像の情報を取得する。なお、可視光通信光源以外の光源とは、光を利用して情報が送信されない通常の照明等の光源である。撮影画像は、後述する光源位置検出部102において可視光通信を行う光源の位置検出が可能な画像であれば、カラー画像であっても良いし、2以上の階調の画像、例えばグレースケール画像や、画像の輝度だけを表す画像等であってもよい。撮影部101は、静止画像を撮影しても良いし、複数のフレームにより構成される動画像である撮影画像を撮影しても良い。この実施の形態においては、特に、撮影部101が撮像素子1011および画像処理手段1012を備えている場合を例に挙げて撮影部101の構成を説明する。撮影部101は、通常、撮像素子やGPU(Graphics Processing Unit)やMPUやメモリ等から実現され得る。撮影部101の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0029】
撮像素子1011は、入射された光に応じた電気信号を出力する。撮像素子1011は、複数の受光素子(図示せず)を配列して構成した素子である。撮像素子1011は、具体的には、いわゆるイメージセンサである。撮像素子1011は、例えば、CCDまたはCMOS等である。撮像素子1011は、入射された光を光の強度に応じた電気信号に変換して、入射された光の強度の変化に応じて波形が変化する電気信号を出力する。具体的には、撮像素子1011を構成する各受光素子は、それぞれに入射された光の強度に応じた電気信号を出力し、この結果、撮像素子1011は、当該撮像素子1011の受光面上の入射された光の強度の分布に応じた電気信号を出力する。通常、撮像素子1011は、所望の領域の受光素子が、受光した光に応じて得られる電気信号だけを取り出すことが可能である。本実施の形態においては、被写体から発光される光や被写体で反射される光が第一レンズ111等により集光され、撮像素子1011に入射される。撮像素子1011の入射面には、通常、RGB等のカラーフィルタが設けられており、カラーフィルタにより、各受光素子に入射される光の色を選択するようにすることで、最終的にカラー画像が構成可能となっている。ただし、カラーフィルタは、撮像素子1011の構造や光源検出の際の必要に応じて省略しても良い。また、カラーフィルタを特定の波長の光だけを透過させるフィルタに変更しても良い。
【0030】
画像処理手段1012は、撮像素子1011が出力する電気信号を受け付けて、被写体の画像を構成する。被写体の画像とは、具体的には、可視光通信を行う光源である可視光通信光源を含む1以上の光源を撮影した画像である。画像処理手段1012は、具体的には、撮像素子1011が出力する電気信号を復調し、デジタル信号等に変換して撮影画像の情報を構成する。画像処理手段1012が撮影画像の情報を構成する処理は、公知技術であるので、詳細な説明は省略する。画像処理手段1012が構成する画像は、例えば一以上の静止画像や、複数フレームの画像を備えた動画像である。画像処理手段1012の構成する画像のファイル形式等は問わない。画像処理手段1012は、構成した画像の情報を、例えば、図示しないメモリ等の記憶媒体等に一時記憶する。画像処理手段1012は、例えばDSP(Digital Signal Processor)やGPUやメモリ等から実現され得る。画像処理手段1012の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0031】
光源位置検出部102は、撮影部101が取得した画像である撮影画像内において可視光通信光源を検出する。そして検出した可視光通信光源の位置の情報である位置情報を取得する。ここで述べる可視光通信光源の位置とは、撮影画像内の可視光通信光源の画像が存在する領域内の全てあるいは一部の画素の位置や、撮影画像内の可視光通信光源の画像が存在する領域の中心点の位置や、領域の輪郭の位置や、各コーナー等の領域を代表する位置等である。光源位置検出部102が取得する位置情報とは、例えば、検出した可視光通信光源の位置を示す撮影画像内の座標の情報である。この座標情報の単位等は、例えば、画素単位や、撮影画像の縦や横の長さに対する相対的な値等である。また、撮影画像内の可視光通信光源の画素を得るために利用した電気信号の出力元となる撮像素子1011内の受光素子(図示せず)の位置を示す情報、例えば座標の情報であっても良い。
【0032】
光源位置検出部102は、例えば、撮影画像内において可視光通信光源も含めた全ての光源の位置を検出する。そして、検出した各光源が、光の強度が変動する光源であるか否かを判断し、光の強度が変動する光源である場合、検出した光源を可視光通信光源と判断し、検出した光源の位置を示す情報を、可視光通信光源の位置情報として取得する。なお、光源位置検出部102は、上記以外の他の方法により可視光通信光源を検出しても良い。例えば、可視光通信光源が他の光源とは異なる、予め指定された色の光を発光するようにしておき、撮影画像内において、この色に近い画素が存在する領域を検索し、検索された領域を示す位置を、可視光通信光源の領域の位置として検出するようにしても良い。予め指定された色の光とは、特定の波長の色が除外された光も含む概念である。また、可視光通信光源の表面やその近傍に、予め形状や色等が指定されている、可視光通信光源であることを示すマーカーを予め設けておき、パターンマッチング等によりこの指定された形状にマッチングする形状を検出する処理を撮影画像内において実行し、マッチする画像、もしくはその近傍の輝度が高い画素が存在する領域を、可視光通信光源として検出しても良い。このマーカーは例えば赤色LED等の検出しやすい色のマーカーであることが好ましい。あるいは、可視光通信光源の形状や配列等を予め指定しておくようにし、パターンマッチング等によりこの指定された形状や配列にマッチングする形状を撮影画像内において検出し、マッチする形状の領域を、可視光通信光源であると判断しても良い。なお、可視光通信光源が光の完全なon、offにより可視光通信を行うものである場合においては、可視光通信光源の位置の検出に用いる撮影画像として動画像を用いる場合、必ずしも撮影画像の全てのフレームに可視光通信光源の画像が含まれるとは限らないため、1フレームの画像に対して上記のような可視光通信光源の検出を行っても、必ずしも確実に可視光通信光源を検出できるとは限らない。したがって、複数のフレームについてそれぞれ上記のような色や形状による可視光通信光源の検出を行い、一回以上、可視光通信光源が検出された位置の情報全てを、可視光通信光源の位置情報として取得することが好ましい。即ち複数のフレーム画像のそれぞれから取得した可視光通信光源の位置情報の論理和を求めることが好ましい。あるいは、予め動画像の複数フレームの画像を合成した画像から可視光通信光源の位置情報を取得しても良い。また、撮影画像として静止画像を用いる場合、可視光通信の光源のon、offの周期よりも十分に長い露光時間で撮影した静止画像を用いることが好ましい。なお、光源位置検出部102は、撮影画像内の可視光通信光源の画像の位置情報を、継続的に繰り返し取得して、位置情報を常に最新の情報に更新することが好ましい。このようにすることで、光無線通信端末装置10の位置が移動等により変更しても、常に正確な可視光通信光源の位置情報を取得することが可能となる。光源位置検出部102は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。光源位置検出部102の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0033】
本実施の形態においては、特に、光源位置検出部102が光源検出手段1021と光源選択手段1022とを有しており、これらを用いて撮影画像から、可視光通信光源の位置情報を取得する場合について例に挙げて説明する。
【0034】
なお、ここでは、一例として、外部の可視光通信光源から、可視光通信で送信する対象となる情報と、可視光通信光源の位置を検出するために用いられる信号であるマーカー信号とを重畳した情報が送信されているものとする。外部の可視光通信光源から送信される可視光通信で送信する対象となる情報をここでは、光源送信対象情報と呼ぶ。光源送信対象情報は、例えば、後述する光無線通信光源装置20の可視光通信光源205から可視光通信により送信される情報である。光源送信対象情報は、どのような情報であっても良く、画像データや、音声データや、テキストデータや、実行ファイル等、どのような情報であっても良い。マーカー信号とは、所定の周波数の信号であって、所定のパターンで値が変動する信号である。マーカー周波数は、通常は、所定の周期で所定のパターンが繰り返される二値のデータである。マーカー信号の周波数をここでは、マーカー周波数と呼ぶ。マーカー周波数は、撮像素子1011でも情報を取得することが可能な周波数であるとする。一方、可視光通信で送信される光源送信対象情報は、後述する受光手段1033が受光可能な周波数であれば撮像素子1011が受信可能な周波数よりも高い周波数の情報であっても良い。また、ここでは、例として、可視光通信光源から出力される光は、光の強度の変動により情報を送信するものであり、情報の送信の際には、通常は点灯した状態であるものとする。
【0035】
光源検出手段1021は、撮影部101が取得した画像である撮影画像内において光源を検出する。ここで検出する光源は、可視光通信光源および可視光通信光源以外の光源も含めた光源である。例えば、光源検出手段1021は、撮像素子1011が撮影した撮影画像から、輝度の高い領域を検出する。撮影画像がカラー画像である場合、ここで述べる輝度は、特定の色や色成分についての輝度、例えば青色の輝度であってもよい。また、特定の範囲の色の領域を検出しても良い。このようにして検出した領域が、撮影画像内の可視光通信の光源も含めた全ての光源と判断した領域である。例えば、光源検出手段1021は、撮影画像内の輝度の高い画素、例えば閾値以上の輝度値の画素が、予め指定されている画素数以上隣接して存在している領域を、光源であると判断しても良い。なお、光源検出手段1021は他の方法により光源の位置を検出しても良い。例えば、予め指定した色の領域、例えば光源が発光する光の色が予め分かっている場合、この色を指定しておくことで、撮影画像内のこの色に近い画素が存在する領域を光源であると判断することが可能である。あるいは、光源の形状が予め特定できる場合、光源の形状をパターンマッチングにより撮影画像内から光源を検出しても良い。光源検出手段1021は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。光源検出手段1021の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0036】
光源選択手段1022は、光源検出手段1021が撮影画像内において検出した光源のうちの、可視光通信光源を選択し、当該選択した可視光通信光源の位置情報を取得する。通常、可視光通信光源は、可視光通信を行うために光の強度が短時間の間に変動するが、他の光源は、短時間での光の強度の変動がほとんどない場合が多い。従って、可視光通信光源以外の光源が、LED光源等の光の強度が経時的に変動していない光源であるとすると、撮影画像内に撮影されている光源のうちの光の強度が変動する光源が可視光通信光源となる。このため、光源選択手段1022は、例えば、光源検出手段1021が検出した光源の画像のうちの、光の強度が経時的に変動する光源の画像である可視光通信光源の画像の位置情報を取得してもよい。
【0037】
ここで、CCDやCMOS等のイメージセンサである撮像素子1011の応答速度は、フォトディテクタ等と比べて遅く、撮像素子1011が出力する電気信号から検出可能な電気信号の周波数は現状では100KHz程度が最高であり、応答速度の速いフォトディテクタ等を用いた場合のように100MHz程度の周波数の電気信号の変動を検出することはできない。従って、可視光通信の広帯域化を図るために、高い周波数で変調した送信対象情報を可視光通信で送信する場合においては、画像処理手段1012を用いて、送信対象情報だけを送信するための可視光通信の光から、光の強度の変動を検出することは困難である。このため、周波数が比較的に低い上述したマーカー信号を、可視光通信で送信する情報に重畳して、可視光通信光源から送信するようにしている。このマーカー信号は、応答速度の遅い撮像素子1011が出力する電気信号からでも検出可能である。このため、ここでは、光源選択手段1022は、各光源から送信された光に応じて撮像素子1011が出力する電気信号からマーカー周波数の信号、即ちマーカー信号と同じ周波数の信号を分離して取り出し、この信号が値の変動しているマーカー信号であるか否かを判断することで、光源がマーカー信号を重畳した情報を可視光通信で送信する可視光通信光源であるか否かを判断する。
【0038】
具体的には、光源選択手段1022は、光源検出手段1021が光源であると判断した領域のうちの一の領域に対応する撮像素子1011内の領域に含まれる受光素子(図示せず)が、光の入射に応じて出力する電気信号を、所定時間だけ継続的に取得する。この撮像素子1011内の光源に対応した領域に含まれる受光素子が出力する電気信号は、撮像素子1011を構成する複数の受光素子のうちの、光源に対応した領域に含まれる一以上の受光素子が出力する電気信号を加えた値等であっても良いし、複数の受光素子が出力する電気信号の平均値であっても良い。光源選択手段1022は、一の領域から継続的に取得した電気信号から、マーカー周波数の情報を取り出す。このとき、一の領域が可視光通信領域であれば、得られる電気信号は、上述したように送信対象情報と、マーカー信号とを重畳した情報の信号である。
【0039】
光源選択手段1022は、取り出したマーカー周波数の情報から、所定のサンプリング周期で、所定数の電圧の値を取得し、取得した電圧の値に変動が生じているか否かを判断する。例えば、取得した電圧の最大値と最小値との差が閾値以上であるか判断し、差が閾値以上であれば、変動が生じていると判断し、閾値より小さければ、変動が生じていないと判断する。変動が生じていると判断された場合、例えば、最大値と最小値との差が閾値以上である場合、一の領域から取得した電気信号にマーカー信号が含まれていると考えることができるため、一の領域が、可視光通信の光源であると判断する。また、逆に、変動が生じていない場合、光の強度の変化しないその他の光源であると判断する。そして、同様の処理を、光源検出手段1021が光源であると判断した他の領域についても行うことで、撮影画像に撮影された各光源が可視光通信光源であるか否かを判断することができる。そして、光源選択手段1022は、撮影画像内の可視光通信光源であると判断された光源の位置を示す情報を、可視光通信光源の位置情報として取得する。なお、撮影画像内の、可視光通信光源であると判断された光源の位置を示す情報を、可視光通信光源の位置情報として取得する代わりに、撮像素子1011における、可視光通信光源であると判断された光源から入射される光を受信する領域の位置を示す情報を、可視光通信光源の位置情報として取得するようにしてもよい。
【0040】
なお、マーカー信号を所定回数のサンプリングにより確実に検出できるようにするためには、マーカー信号の周波数およびパターンを例えば以下のようなマーカー信号とサンプリング周期との関係に基づいて決定しても良い。
【0041】
図9は、マーカー信号とサンプリング周期との関係を示す模式図である。図において、サンプリング周期41は、サンプリングを行うタイミングを示す。ここでは、一定の時間間隔でサンプリングを行っている。マーカー信号42a〜42jは、それぞれ「H」と「L」の二値の値を有する信号であるとする。ここでは、「H」を斜線で示し、「L」は、無地で示している。ここでは、サンプリング周期41が示すサンプリング間隔を「1」として、マーカー信号42a〜42jの周期と、マーカー信号42a〜42jのパターンである二値の値が出現する期間の比とを表している。例えば、マーカー信号42aは、周波数がサンプリング周期41の1/3で、「H」の期間が1/3,「L」の期間が2/3である信号である。また、マーカー信号42bは、周波数がサンプリング周期41の1/3で、「H」の期間が1/3,「L」の期間が1/3である信号である。また、マーカー信号42cは、周波数がサンプリング周期41の1/2で、「H」の期間が1/2,「L」の期間が1である信号である。
【0042】
例えば、マーカー信号42aでは、サンプリング周期41によりサンプリングした場合、例えば「H」のみ、といったように、常に一方のデータのみが検出される。このため、マーカー信号42aを用いた場合、値の変動する信号であるマーカー信号を検出することができない。逆に、マーカー信号42bでは、サンプリング周期41によりサンプリングした場合、「H」と「L」の信号が交互に検出される。このため、マーカー信号42aを用いた場合、マーカー周波数で取り出した信号が、値が「H」と「L」とに変動する信号である場合、マーカー信号を検出したこととなる。このため、光源位置検出部102において、可視光通信光源であるか否かの判断が可能となる。なお、マーカー信号を所定回数のサンプリングにより確実に検出できるようにするためには、サンプリング周期を変動させるようにしても良い。光源選択手段1022は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。光源選択手段1022の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0043】
なお、撮影部101が撮影する画像が複数のフレーム画像により構成される動画像である場合、まず、光源検出手段1021は、撮像素子1011が撮影した撮影画像の一のフレーム画像から、輝度の高い領域を検出し、その後の複数のフレーム画像について、検出した輝度の高い領域別に取得した輝度値に、予め指定した閾値以上の変動が生じているか否かを判断して、変動が生じていた場合、一の領域が、光の強度が変化する可視光通信の光源であると判断してもよい。なお、このようにフレーム画像から可視光通信光源の位置を検出する場合、上記と同様に、複数のフレーム画像を用いて確実に可視光通信光源の輝度の変化が検出できるように、マーカー信号の値が変化するパターンおよび周波数は、撮影画像のフレームレート等に応じて設定しておく必要がある。この場合、フレームレートが上述したサンプリングのレートであると考えても良い。
【0044】
情報取得部103は、光源位置検出部102が取得した可視光通信光源の位置情報から、可視光通信光源から出力される光が入射される位置の情報である通信光入射位置情報を取得し、この通信光入射位置情報が示す位置において可視光通信光源から可視光通信により送信される情報を取得する。可視光通信光源から可視光通信により送信される情報は、上述した光源送信対象情報である。ここで述べる可視光通信光源とは、具体的には、光無線通信光源装置20が有する可視光通信光源である。具体的には、情報取得部103は、第一レンズ111を経た光が情報取得部103に入射される領域と、第一レンズ111を経た光を撮影した撮影画像との位置の対応関係を示す情報を予め記憶媒体等に有しており、この対応関係を示す情報を用いて、光源位置検出部102が取得した撮影画像内の可視光通信光源の位置情報に対応する、情報取得部103の第一レンズ111を経た光が入射される領域上の位置の情報を取得する。そして、この取得した位置に入射される光のみを選択的に受光し、受光した光から送信対象情報を取得する。情報取得部103の第一レンズ111を経た光が入射される領域とは、具体的には、後述する液晶パネル10321上における光が入射される領域である。また、情報取得部103は、例えば、光源位置検出部102が可視光通信光源の位置情報を取得するごと、あるいは位置情報が変化するごとに、可視光通信光源から出力される光が入射される位置を示す情報である通信光入射位置情報を取得し、当該通信光入射位置情報が示す位置において可視光通信光源から送信される光源送信対象情報を取得する。
【0045】
なお、光源位置検出部102が、二以上の可視光通信光源に対応する通信光入射位置情報を取得した場合においては、情報取得部103は図示しない受付部等から、二以上の可視光通信光源の位置情報のうちのいずれか一つを選択させる指示である選択指示を受け付け、当該選択指示により指定される可視光通信光源の位置情報に対応する通信光入射位置情報を取得し、通信光入射位置情報が示す位置において可視光通信光源から可視光通信により送信される送信対象情報を取得するようにしてもよい。また、撮影画像内において最も面積の大きい可視光通信光源の位置情報に対応する通信光入射位置情報を取得するようにしても良い。あるいは、二以上の可視光通信光源に対応する通信光入射位置が示す二以上の位置において、特定又は不特定の所定のタイミング等で交互に送信対象情報を取得するようにしても良い。
【0046】
ここでは、情報取得部103が、入射位置情報取得手段1031、選択透過手段1032、第二レンズ113、受光手段1033、情報取得手段1034を有しており、これらを用いて、可視光通信光源から送信される光を選択的に受光して、可視光通信光源から送信される送信対象情報を取得するものである場合について、以下に説明する。
【0047】
入射位置情報取得手段1031は、光源位置検出部102が取得した可視光通信光源の位置情報から、情報取得部103の可視光通信光源から出力される光が入射される領域における、可視光通信光源から出力される光が入射される位置の情報である通信光入射位置情報を取得する。具体的には、撮影部101が撮影した撮影画像と、情報取得部103における第一レンズ111を経た光が入射される領域の形状とが相似の関係にあり、両者の座標軸が、第一レンズ111を経て入射される像に対して同じ方向となるよう設定されている場合、撮影画像と光が入射される領域との間の相似比を用いて、撮影画像の可視光通信光源の座標情報である位置情報から、情報取得部103における第一レンズ111を経た光が入射される領域内における可視光通信光源からの光が入射される位置の座標情報である光源位置情報を取得する。例えば、位置情報が座標情報であるとすると、相似比が1対1である場合、入射位置情報取得手段1031は、光源位置検出部102が取得した撮影画像内の可視光通信光源の座標情報を、そのまま情報取得部103における光が入射される領域のうちの入射位置の情報である座標情報として取得する。また、撮影画像と、光が入射される領域との相似比が2対1の場合、撮影画像内の可視光通信光源の座標情報のx軸およびy軸の値を、それぞれ2分の1とした座標情報を、情報取得部103における光が入射される領域のうちの入射位置の情報である座標情報として取得する。即ち、撮影画像と、光が入射される領域との相似比がn(nは任意の正の数)対1の場合、撮影画像内の可視光通信光源の座標情報のx軸およびy軸の値を、それぞれn分の一とした座標情報を、情報取得部103における光が入射される領域のうちの入射位置の情報である座標情報として取得する。た、予め、撮影画像内の一以上の画素と、情報取得部103における光が入射される領域の位置を示す情報、例えば座標情報とを対応付けた情報を管理しておき、この対応付けた情報から、撮影画像内の可視光通信光源が検出された画素に対応した情報取得部103における光が入射される領域内の位置を示す情報を通信光入射位置情報として取得するようにしても良い。なお、本実施の形態においては、後述するように、情報取得部103の第一レンズ111を経た光が入射される領域が、液晶パネル10321である場合を例に挙げて説明する。このため、通信光入射位置情報として、液晶パネ10321内の座標情報を用いる代わりに、液晶パネル10321内の画素(図示せず)を特定する情報、例えば画素のIDや番号等を用いても良い。例えば、予め、撮影画像内の一以上の画素と、液晶パネル10321の一以上の画素とを対応付けた情報を管理しておき、この対応付けた情報から、撮影画像内の可視光通信光源が検出された画素に対応した液晶パネル10321の画素を指定する情報を取得しても良い。なお、撮影部101が撮影した撮影画像と、情報取得部103における第一レンズ111を経た光が入射される領域の形状とが、完全に相似でない場合、その形状の違いに応じて、取得する位置情報を補正すればよい。なお、光源位置検出部102が取得した可視光通信光源の位置情報が、例えば、撮影画像内の可視光通信光源の中心位置の位置情報等の、可視光通信光源の一部の位置情報である場合、入射位置情報取得手段1031は、情報取得部103における光が入射される領域内の、この位置情報に対応する位置の周囲の領域も含めた領域を、通信光入射位置に設定するようにしても良い。入射位置情報取得手段1031は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。入射位置情報取得手段1031の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0048】
選択透過手段1032は、第一レンズ111を経て入射される光のうちの、入射位置情報取得手段1031が取得した通信光入射位置情報が示す位置に入射される光のみを選択的に透過させる。具体的には、選択透過手段1032は、第一レンズ111を経た光が入射される領域内の任意の領域においてのみ光を透過可能な領域を構成可能なフィルタや絞り等を有するようにし、このフィルタや絞りを制御して、入射位置情報取得手段1031が取得した入射位置の情報が示す位置にのみ光を透過可能な領域を構成する。ここでは、選択透過手段1032が液晶パネル10321と遮光制御手段10322とを有しており、上記の処理を、これらを用いて行う場合について説明する。
【0049】
液晶パネル10321は、複数配列した電極により液晶に電圧を加えることで、液晶の配向を変更して、電極が設けられたセグメント毎に光を透過させるか否かを制御することで、光が透過する領域の形状を制御可能なものである。ここでは、例えば、セグメントが格子状に配列されている液晶パネルを用いている。このセグメントをここでは画素と呼んでいる。液晶パネル10321は、RGBカラー等のカラーの液晶パネルであってもよいし、白黒等の二値や、グレースケールの液晶パネルであっても良い。液晶パネル10321は光を透過可能な色と、透過させない色の二つの色とを表示可能なものであれば良く、表示可能な階調数は二以上であればよい。液晶パネル10321としてカラーの液晶パネルを用いることで、光を透過させる領域の色を任意の色、例えば青色等に設定することが可能である。このようにすることで、可視光通信光源からの光のうちの任意の色のみ、例えば青色のみを透過させることが可能となる。液晶パネル10321は、第一レンズ111を経た光が入射される位置に配置されている。
【0050】
遮光制御手段10322は、液晶パネル10321の、入射位置情報取得手段1031が取得した入射位置の情報が示す入射位置以外の領域が、光を遮る領域となるよう、液晶パネル10321を制御する。この場合、入射位置情報取得手段1031が取得する入射位置情報は、液晶パネル10321の一以上の画素を指定可能な情報であることが好ましい。具体的には、液晶パネル10321の各画素を制御する制御信号を液晶パネル10321に出力して、入射位置情報取得手段1031が取得した通信光入射位置に対応する液晶パネル10321の画素が光を透過可能な画素とし、その他の領域の画素を光を遮る画素となるよう、液晶パネル10321を制御する。これにより第一レンズ111を経て液晶パネル10321に入射された光のうちの、通信光入射位置に入力された光のみ、即ち可視光通信光源からの光のみが、液晶パネル10321を透過することとなる。透過可能な画素とは、可視光通信からの光が透過可能な画素のことである。透過可能な画素は、例えば、透明や半透明等とした画素であっても良いし、特定の色の光のみを透過させる色の画素であっても良い。例えば、液晶パネル10321がカラー液晶パネルである場合、液晶パネル10321の、入射位置情報取得手段1031が取得した通信光入射位置に対応する画素を、青色の画素とし、その他の領域を黒色等にすることで、通信光入射位置に対応する画素の位置から青色の光だけを選択的に透過させることができる。遮光制御手段10322は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。遮光制御手段10322の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0051】
第二レンズ113は、選択透過手段1032、具体的には液晶パネル10321を透過した光を集光して、受光手段1033に入射させるための集光手段である。第二レンズ113は、選択透過手段1032、具体的には液晶パネル10321のどの位置を透過した光も、受光手段1033に入射されるように設置されている必要がある。第二レンズ113の代わりに、凹面鏡等の他の集光手段等を備えていても良い。また、受光手段1033のサイズが十分大きい場合等のように、選択透過手段1032を透過した光を、集光することなく受光手段1033に入射させることができる場合、第二レンズ113は省略可能である。
【0052】
受光手段1033は、入射位置の情報が示す入射位置に入射される光を受光して電気信号に変換する。具体的には、選択透過手段1032、具体的には液晶パネル10321により選択的に取り出された光が、第二レンズ113により集光されて、受光手段1033に入射される。受光手段1033はこのようにして入射される光の強度を電気信号に変換する。受光手段1033は、応答速度の速い受光素子、具体的にはフォトディテクタである。受光手段1033は、一つのフォトディテクタとして機能すれば、複数のフォトディテクタにより構成されていても良い。受光手段1033として一つのフォトディテクタを用いることで、高速に光を電気信号に変換でき、高速に変動する可視光通信の光を精度良く受信することができる。
【0053】
情報取得手段1034は、受光手段1033が変換した電気信号から、可視光通信で送信された情報を取得する。情報取得手段1034は、例えば、受光手段1033が変換した電気信号を予め指定された所定の周波数で復調して情報を取り出す。また、取り出した情報に対して適宜AD変換等を行うようにしても良い。情報取得手段1034の構成等は、通常の可視光通信システムの受信端末に用いられている情報取得手段等と同様であるので、詳細な説明は省略する。情報取得手段1034は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。情報取得手段1034の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0054】
出力部104は、情報取得部103が取得した情報を出力する。具体的には、情報取得部103が取得した端末送信対象情報を出力する。ここで述べる出力とは、ディスプレイへの表示、プリンタへの印字、音出力、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラム等への処理結果の引渡し等を含む概念である。出力部104は、ディスプレイやプリンタ等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。出力部104は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
【0055】
端末送信対象情報受付部105は、光無線通信端末装置10が可視光通信により送信する対象となる情報を受け付ける。この送信する対象となる情報をここでは端末送信対象情報と呼ぶ。端末送信対象情報は、例えば、光無線通信光源装置20を送信先として送信される情報である。端末送信対象情報は、画像情報や、テキスト情報、光無線通信端末装置10自身の識別情報やユーザの識別情報等のどのような情報であってもよい。ここで述べる受付とは、例えば、入力手段からの受付や、他の機器等から送信される入力信号の受信や、記録媒体等からの情報の読み出し等である。端末送信対象情報の入力手段は、テンキーやキーボードやマウスやメニュー画面によるもの等、何でも良い。端末送信対象情報受付部105は、テンキーやキーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現され得る。
【0056】
送信用光源106は、LEDや白熱灯や蛍光灯などの発光体(図示せず)を備えている。送信用光源106は、可視光通信により情報を送信するための光源である。送信用光源106は、フラッシュライト等どのような光源であっても良い。ただし、送信する情報量を多くするためには、例えば、高速に点滅させることが可能なLED等を用いることが好ましい。送信用光源106の発光強度は、送信用光源106に供給する電圧を調整することで調整される。この送信用光源106の発する光の強度を、端末送信対象情報受付部105が受け付けた情報に応じて変動させる、例えば点滅させることで、端末送信対象情報受付部105が受け付けた情報を可視光通信で送信することが可能となる。
【0057】
端末送信対象情報送信部107は、送信用光源106から端末送信対象情報受付部105が受け付けた端末送信対象情報を可視光通信により送信する。端末送信対象情報送信部107は、一般的な可視光通信に用いられる通信手段等で実現され得る。なお、この具体例においては、端末送信対象情報送信部107が変調手段1071と送信手段1072とを用いて送信処理を行う場合を例に挙げて説明する。
【0058】
変調手段1071は、端末送信対象情報受付部105が受け付けた端末送信対象情報を所定の周波数で変調する。ここで変調する周波数は、光無線通信光源装置20の受光手段等が処理可能な周波数であって、十分なデータの転送レートが得られる周波数であることが好ましい。例えば、変調する周波数は、数十MHzから数百MHzの周波数である。
【0059】
送信手段1072は、変調手段1071が変調した端末送信対象情報に応じて送信用光源106を制御して、送信用光源106から端末送信対象情報を可視光通信により送信させる。例えば、変調手段1071が変調した端末送信対象情報を送信用光源106に供給することで、光源106から端末送信対象情報を出力させる。
【0060】
図3は、光無線通信光源装置20の構成を説明するためのブロック図である。光無線通信光源装置20は、端末送信対象情報受信部201、識別情報格納部202、受信情報送信部203、光源送信対象情報受信部204、一以上の可視光通信光源205、および光源送信対象情報送信部206を具備する。
【0061】
端末送信対象情報受信部201は、受光手段2011および情報取得手段2012を備えている。
【0062】
光源送信対象情報送信部206は、変調手段2061、マーカー信号出力手段1062、重畳手段2063、および送信手段2064を備えている。
【0063】
端末送信対象情報受信部201は、光無線通信端末装置10から可視光通信により送信される端末送信対象情報を受信する。具体的には、光無線通信端末装置10の送信用光源106から出力される光を受光して、受光した光から端末送信対象情報を取り出す。端末送信対象情報受信部201は、通常の可視光通信装置の受信手段と同様の構成を有していれば良い。ここでは、例として、端末送信対象情報受信部201が、受光手段2011および情報取得手段2012とを用いて可視光通信により送信される端末送信対象情報を受信する場合について説明する。
【0064】
受光手段2011は、光無線通信端末装置10の送信用光源106から出力される光を受光して電気信号に変換する。受光手段2011の構成については、入射される光が異なる点を除けば、上述した受光手段1033と同様であるので詳細な説明は省略する。なお、光無線通信光源装置20は、光無線通信端末装置10の送信用光源106から出力される光を集光して、受光手段1033の受光面に入力させるためのレンズ(図示せず)を備えていても良い。このレンズは、例えば、上述した第一レンズ111や第二レンズ113等と同様のレンズであっても良い。受光手段2011は、可視光通信光源205の近傍に配置することが好ましい。
【0065】
情報取得手段2012は、受光手段2011が変換した電気信号から、可視光通信で送信された端末送信対象情報を取得する。情報取得手段2012の構成については、上述した情報取得手段1034と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0066】
識別情報格納部202には、自装置を識別する情報である識別情報が格納され得る。自装置を識別する識別情報とは、どのような情報であっても良く、光無線通信光源装置20のMACアドレスやネットワーク上のアドレス情報等であってもよいし、光無線通信光源装置20が配置されている物理的な位置を示す情報であってもよい。また、光無線通信光源装置に割り当てられた固有の情報であっても良い。識別情報が蓄積される過程等は問わない。識別情報格納部202は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0067】
受信情報送信部203は、端末送信対象情報受信部201が受信した端末送信対象情報を、自装置の識別情報と対応付けて送信する。具体的には、受信情報送信部203は、識別情報格納部202に格納されている自装置の識別情報を読み出して、当該識別情報と、端末送信対象情報とを対応付けて送信する。なお、識別情報と端末送信対象情報とは、結果的に両者が対応付けられていることが分かるように送信されればよく、例えば、識別情報と端末送信対象情報とを一の送信用情報にまとめて送信してもよいし、対応関係を管理する情報とともに、識別情報と端末送信対象情報を別々に送信しても良い。受信情報送信部203は、ネットワークや電力通信線等を介して送信を行う。送信先は、例えばサーバ30である。受信情報送信部203は、無線の通信手段が好適であるが、放送を受信する手段や有線の通信手段でも実現可能である。また、電力通信線を介して電力線通信により送信を行う場合、受信情報送信部203は、いわゆる電力線通信用のモデム等を備えていても良い。
【0068】
なお、受信情報送信部203が、自装置の識別情報を送信する必要がない場合、端末送信対象情報と対応付けて識別情報を送信しないようにしても良く、識別情報格納部202を省略してもよい。
【0069】
光源送信対象情報受信部204は、光無線通信端末装置10に対する送信対象となる情報である光源送信対象情報を受信する。光源送信対象情報受信部204は、サーバ30等から、ネットワークや電力通信線等を介して送信される光源送信対象情報を受信する。光源送信対象情報受信部204は、無線の通信手段が好適であるが、放送を受信する手段や有線の通信手段でも実現可能である。また、電力線通信により電力通信線を介して受信を行う場合、光源送信対象情報受信部204は、いわゆる電力線通信用のモデム等を備えていても良い。
【0070】
可視光通信光源205は、光源送信対象情報を送信するための、可視光通信を行う光源である。可視光通信光源205の構成については、送信用光源106と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0071】
光源送信対象情報送信部206は、光源送信対象情報受信部204が受信した光源送信対象情報を、可視光通信光源205から、光無線通信により送信する。この実施の形態においては、特に、光源送信対象情報送信部206が、光源送信対象情報に加えて、さらに上述したマーカー信号も出力する場合について説明する。光源送信対象情報送信部206は、一般的な可視光通信に用いられる通信手段等で実現され得る。なお、この具体例においては、光源送信対象情報受信部204が、変調手段2061と、マーカー信号出力手段2062と、重畳手段2063と、送信手段1064とを用いて送信処理を行う場合を例に挙げて説明する。
【0072】
変調手段2061は、光源送信対象情報受信部204が取得した光源送信対象情報を所定の周波数で変調する。ここで変調する周波数は、上述した光無線通信端末装置10の、フォトディテクタ等の受光手段1033が処理可能な周波数であって、十分なデータの転送レートが得られる周波数であることが好ましい。例えば、変調する周波数は、数十MHzから数百MHzの周波数である。
【0073】
マーカー信号出力手段2062は、光無線通信端末装置10が可視光通信光源205の位置を検出するために用いる情報であるマーカー信号を出力する。マーカー信号は、図9を用いて説明したような光無線通信端末装置10のイメージセンサ等の撮像素子1011が受信可能な周波数の信号である。この周波数は、例えば、数十KHzから数百KHz程度の周波数である。マーカー信号は、例えば、一定のパターンで、信号の大きさが変化する情報である。マーカー信号出力手段2062は、所定の周波数のマーカー信号を生成しても良いし、予め図示しない記憶媒体等に蓄積されているデジタルのマーカー信号を読み出し、これを所定の周波数で変調して出力しても良い。
【0074】
重畳手段2063は、変調手段2061が出力する変調された一以上の光源送信対象情報と、マーカー信号出力手段2062が出力するマーカー信号とを重畳する。
【0075】
送信手段2064は、重畳手段2063が重畳した光源送信対象情報とマーカー信号とに応じて、可視光通信光源205を制御して、可視光通信光源205から、光源送信対象情報とマーカー信号とを可視光により送信する。例えば、送信手段2064は、重畳手段2063が重畳した端末送信対象情報およびマーカー信号に応じた電圧を、可視光通信光源205に供給することで、可視光通信光源205から光源送信対象情報とマーカー信号とに応じた光を出力させる。
【0076】
なお、光無線通信端末装置10が、マーカー信号を用いて可視光通信光源205の位置を検出しない場合、光源送信対象情報送信部206のマーカー信号を送信するための構成を省略しても良い。例えば、マーカー信号出力手段2062や、重畳手段2063を省略しても良い。
【0077】
また、マーカー信号と光源送信対象情報とを時分割で送信する場合、重畳手段2063は省略しても良い。
【0078】
図4は、サーバ30の構成を説明するためのブロック図である。サーバ30は、サーバ格納部301と、サーバ情報取得部302と、サーバ送信部303と、サーバ受信部304と、サーバ処理部305とを備えている。
【0079】
なお、ここで示しているサーバ30は一例であり、本発明においては、サーバ30は、光無線通信光源装置20の受信情報送信部203が送信する情報を受信し、光無線通信光源装置20に対して情報を送信可能な装置であれば、上記以外の構成の装置であっても良い。
【0080】
サーバ格納部301には、一以上の光源送信対象情報が格納され得る。光源送信対象情報がどのような情報であるかは問わない。サーバ格納部301は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0081】
サーバ情報取得部302は、サーバ格納部301に格納されている光源送信対象情報を取得する。サーバ情報取得部302が、どのようにして読み出す光源送信対象情報を決定するかは問わない。例えば、後述するサーバ処理部305が決定した光源送信対象情報を読み出しても良いし、予め指定された順番に従って光源送信対象情報を読み出しても良い。また、サーバ情報取得部302は、サーバ格納部301に格納されている光源送信対象情報を用いて、更に新たな光源送信対象情報を構成し、取得しても良い。例えば、サーバ情報取得部302は、サーバ格納部301に格納されている光源送信対象情報のリストを示す情報を作成し、このリストの情報を光源送信対象情報として取得しても良い。サーバ情報取得部302は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。サーバ情報取得部302の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0082】
サーバ送信部303は、サーバ情報取得部302が取得した光源送信対象情報を、ネットワークや電力通信線等を介して、光無線通信光源装置20に送信する。サーバ送信部303は、一般的な可視光通信に用いられる通信手段等で実現され得る。また、電力線通信により電力通信線を介して送信を行う場合、サーバ送信部303は、いわゆる電力線通信用のモデム等を備えていても良い。
【0083】
サーバ受信部304は、光無線通信光源装置20から送信される端末送信対象情報と、光無線通信光源装置20の識別情報とを、ネットワークや電力通信線等を介して受信する。サーバ受信部304は、一般的な可視光通信に用いられる通信手段等で実現され得る。また、電力線通信により電力通信線を介して受信を行う場合、サーバ受信部304は、いわゆる電力線通信用のモデム等を備えていても良い。
【0084】
サーバ処理部305は、サーバ受信部304が受信した端末送信対象情報と識別情報とに対して所定の処理を行う。この所定の処理はどのような処理であっても良く、受信した端末送信対象情報と識別情報とを図示しない記憶媒体等に蓄積する処理であっても良いし、受信した識別情報から端末送信対象情報を受信した光無線通信光源装置20やその位置を検出し、その位置の情報を取得する処理であっても良いし、受信した識別情報から端末送信対象情報を受信した光無線通信光源装置20やその位置を検出し、当該検出した光無線通信光源装置20に対して、受信した端末送信対象情報に応じた光源送信対象情報をサーバ格納部301から読み出して送信するよう、サーバ情報取得部302やサーバ送信部303等を制御する処理であっても良い。サーバ処理部305は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。サーバ処理部305の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0085】
次に、本実施の形態における光無線通信端末装置10の動作について図5のフローチャートを用いて説明する。ここでは、光無線通信光源装置20の可視光通信光源205から、周波数の異なるマーカー信号と、可視光通信の対象となる光源送信対象情報と、を重畳した情報が、可視光通信により送信される場合を例に挙げて説明する。
【0086】
(ステップS501)撮影部101は、画像を撮影して、撮影画像を取得する。撮影画像は、静止画像であっても良いし、複数のフレーム画像により構成される動画像であっても良い。
【0087】
(ステップS502)光源位置検出部102は、ステップS501において取得した撮影画像内における可視光通信光源の位置情報を取得する。この処理の詳細は後述する。
【0088】
(ステップS503)入射位置情報取得手段1031は、ステップS502において取得した可視光通信光源の位置情報に対応する通信光入射位置情報を取得する。具体的には、撮影画像と液晶パネルの対応関係を示す情報を用いて、撮影画像における可視光通信光源の位置に対応する液晶パネル10321上の位置の情報を、可視光通信光源の位置情報から取得する。
【0089】
(ステップS504)遮光制御手段10322は、ステップS503において取得した通信光入射位置情報を用いて液晶パネル10321を制御して、液晶パネル10321の通信光入射位置情報が示す位置の画素のみを光が透過可能な状態として、その他の領域の画素を光を遮る状態とする。例えば、通信光入射位置情報が示す領域のみが透過領域で、その他の領域が光を通さない黒色である画像を液晶パネル10321に表示させる。これにより、可視光通信光源から出力された光だけが、液晶パネル10321の通信光入射位置情報が示す位置の画素により構成される領域を透過し、その他の光は液晶パネル10321で遮られる。
【0090】
(ステップS505)情報取得手段1034は、液晶パネル10321を透過した光を受光した受光手段1033が出力する電気信号から、可視光通信により送信された情報の取得を開始する。取得した情報は、図示しないメモリ等の記憶媒体等に一時記憶する。
【0091】
(ステップS506)端末送信対象情報受付部105は、端末送信対象情報を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合、ステップS507に進み、受け付けていない場合、ステップS508に進む。
【0092】
(ステップS507)端末送信対象情報送信部107は、ステップS506で受け付けた端末送信対象情報を変調し、送信用光源106から可視光通信により送信する。
【0093】
(ステップS508)光無線通信端末装置10は、可視光通信により送信される光源送信対象情報の受信および端末送信対象情報の送信を中止するか否かを判断する。光無線通信端末装置10は、どのようなトリガーに応じて光源送信対象情報の受信および端末送信対象情報の送信の中止を決定しても良い。例えば、図示しない受付部等から送受信を中止する指示を受け付けた場合に、送受信を中止することを決定しても良いし、光無線通信端末装置10の電源をオフする指示等を受け付けた場合や、操作が行われない時間が所定の時間経過して光無線通信端末装置10が待機状態となる場合に、受信を中止することを判断してもよい。受信を中止する場合、処理を終了し、中止しない場合、ステップS501に戻る。
【0094】
なお、ステップS508において送受信を中止しないと判断した場合において、可視光通信光源の位置を取得してから予め指定した時間が経過するまでは、ステップS505に戻るようにして、同じ通信光入射位置情報が示す位置で送信対象情報の取得を繰り返し行うようにし、所定の時間が経過した場合に、ステップS501に戻って、可視光光源の位置を再度取得しなおすようにしても良い。
【0095】
また、ステップS508において送受信を中止しないと判断した場合に、ステップS501に戻るようにしているが、この後の、ステップS501以降の処理中においても、ステップS505において開始した、情報取得部103が可視光通信で送信される情報を受信する処理を、並列的に行うようにしても良い。
【0096】
なお、ステップS502の直後に、入射位置情報取得手段1031が、ステップS502において複数の可視光通信光源の位置情報を取得したか否かを判断するようにしてもよい。そして、複数の可視光通信光源の位置情報を取得した場合、複数の可視光通信光源の中から、一の可視光通信光源の位置情報を選択する処理を行うようにし、この選択した可視光通信光源の位置情報に対応した通信光入射位置情報を取得するようにしても良い。可視光通信光源の位置情報の選択は、例えば、ユーザからの可視光通信光源の一つを選択する指示を受け付けるようにし、この指示に対応する可視光通信光源の位置情報を選択するようにしても良い。また、予め指定された規則に従って、いずれか一つの可視光通信光源の位置情報を選択するようにしてもよい。この規則は、どのような規則でも良く、例えば、ランダムに位置情報を選択しても良いし、撮影画像の中心により近い位置情報を選択しても良い。また、それぞれの位置情報から得られる光の強度が高い方を選択するようにしても良い。また、最もサイズの大きい可視光通信光源の位置情報を選択するようにしても良い。複数の可視光通信光源の位置情報を取得していない場合、ステップS503に進むようにすればよい。
【0097】
つぎに、図6のフローチャートを用いて、上述した撮影画像を利用して可視光通信光源の位置情報を取得する処理の詳細について説明する。この処理は、ステップS502の処理に相当する処理である。
【0098】
(ステップS601)光源検出手段1021は、上述したステップS501において取得した撮影画像において、光源を検出する。具体例を挙げると、通常、光源は、撮影画像内においては輝度値の高い画素により構成されるため、撮影画像を構成する各画素について、輝度値と、光源を構成する画素を判別するための閾値とを順次比較していく。そして、閾値以上の輝度値を有する画素を光源の画素であると判断する。光源の画素であると判断された画素が連続して存在する領域を一つの光源として順次検出していく。そしてこの光源を構成する各画素の座標情報を、例えば光源を識別する識別情報等と対応付けて、図示しない記憶媒体等に蓄積していく。この一の光源を構成する一以上の画素の座標情報の集合を、ここでは一の光源の位置を示す位置情報とする。なお、一の光源を構成する領域の中心座標や、重心座標や、輪郭を定義する座標等を、光源の位置情報としても良い。なお、光源の位置の検出は他の方法により行っても良く、例えば、光源の形状が予め決まっている場合、光源の形状についてパターンマッチングを行うことで検出するようにしても良い。なお、ここで用いる撮影画像は、静止画像や動画像内の1フレームの画像であっても良いし、動画像の複数フレームの画像を合成した画像等であっても良い。また、ここでは、撮影画像の輝度値を利用するようにしたが、撮影画像内の色等により光源を検出しても良いし、撮影画像内の特定のチャンネルの値、例えばRチャンネルや、Gチャンネルや、Bチャンネルの値を用いて、光源を検出しても良い。
【0099】
(ステップS602)光源選択手段1022は、カウンターqに1を代入する。
【0100】
(ステップS603)光源選択手段1022は、ステップS601において検出した光源に、q番目の光源が存在するか否かを判断する。ある場合、ステップS604に進み、ない場合、取得した可視光通信光源の位置の情報を、上位の処理にリターンする。
【0101】
(ステップS604)光源選択手段1022は、撮像素子1011の、q番目の光源に対応する位置において得られる電気信号を取得する。具体的には、光源選択手段1022は、撮像素子1011の、撮影画像内におけるq番目の光源の位置に対応する位置に配置されている一以上の受光素子から出力される電気信号を取得する。なお、撮像素子1011の各受光素子が出力する電気信号から撮影画像が作成されるため、撮影画像内の各画素の位置と、当該画素を作成するために用いられる電気信号を出力する一以上の受光素子の位置との対応関係は、予め指定されているため、この対応関係を示す情報を用いることで、q番目の光源を構成する画素に対応する受光素子の位置を取得することが可能である。なお、ここでは、撮影を行う場合とは異なり、撮像素子1011をスキャンせずに、撮像素子1011が出力する電気信号を継続的に取得する。これにより、q番目の光源から出力される光を連続した電気信号に変換することができる。
【0102】
(ステップS605)光源選択手段1022は、ステップS603から取得した電気信号から、マーカー信号の周波数であるマーカー周波数の信号を取得する。なお、電気信号から所定の周波数の信号を取り出す技術は公知技術であるので、ここでは説明を省略する。
【0103】
(ステップS606)光源選択手段1022は、ステップS605において取得した電気信号を、予め指定された所定の周期でサンプリング、即ち数値化する。
【0104】
(ステップS607)光源選択手段1022は、q番目の光源についてのステップS604の処理の開始から、所定時間が経過したか否かを判断する。この所定時間は、具体的には、マーカー信号の検出を行うための信号を、一つの光源から受信する期間を指定する情報である。所定の時間が経過した場合、ステップS608に進み、経過していない場合、ステップS603に戻る。なお、所定の時間だけ、撮像素子1011が出力する電気信号を受信した後、受信した電気信号に対してサンプリングを行うようにしても良い。
【0105】
(ステップS608)光源選択手段1022は、マーカー周波数で取得した信号が、マーカー信号であるか否かを検出する。ここでのマーカー信号の検出は、マーカー信号の特徴である信号の大きさが変化する信号を検出することを検出することと考えて良い。具体的には、光源選択手段1022は、ステップS606において、上述した所定の時間内にサンプリングにより取得した電気信号の強さの値が、変動しているか否かを判断し、変動している場合、マーカー信号であると判断し、変動していない場合、マーカー信号でないと判断する。なお、変動しているか否かは、どのように判断してもよく、例えば、所定の時間内にサンプリングした値の最大値と最小値との差が、予め設定した閾値より大きい場合変動していると判断しても良い。また、サンプリングした値に、予め設定した最大値よりも大きい値と、予め設定した最小値よりも小さい値とが、少なくともそれぞれ1以上含まれる場合に変動していると判断してもよい。マーカー信号が検出された場合、ステップS609に進み、マーカー信号が検出されなかった場合、ステップS610に進む。
【0106】
(ステップS609)光源検出手段1021は、ステップS601で検出した光源のうちのq番目の光源の位置の情報を、可視光通信光源の位置情報として取得する。例えば、q番目の光源を構成する1以上の画素の座標情報を可視光通信光源の位置情報として取得する。そして取得した位置情報を、例えば可視光通信光源を識別する情報等と対応付けて、図示しない記憶媒体等に一時記憶する。この一時記憶された可視光通信光源の位置情報が、光源位置検出部102が取得する可視光通信光源の位置情報である。
【0107】
(ステップS611)光源選択手段1022は、カウンタqの値を1インクリメントする。そして、ステップ303に戻る。
【0108】
なお、図5において説明したフローチャートにおいて、一旦、可視光通信光源の位置を検出した後は、ステップS501に示すような撮影部101による画像の撮影を繰り返し、新たに取得した撮影画像内において、上述したステップS601の処理と同様に画素の輝度等から光源の位置を新たに検出し、新たに検出した光源のうち、直前に検出した可視光通信光源との相関が高い光源、あるいは直前に検出した可視光通信光源との距離が最も近い光源等を、新たに撮影した画像における可視光通信光源の位置として検出するようにしても良い。そして、この検出した可視光通信光源の位置情報を用いて可視光通信情報を受信するようにしても良い。これにより、可視光通信光源の位置が変化した場合においても、変化後の位置を高速に検出して、位置の変化に追従して可視光通信される情報を受信できる。
【0109】
次に、光無線通信光源装置20の動作について図7のフローチャートを用いて説明する。
【0110】
(ステップS701)光源送信対象情報受信部204は、ネットワーク等を介して光源送信対象情報を受信したか否かを判断する。受信した場合、ステップS702に進み、受信していない場合、ステップS704に進む。
【0111】
(ステップS702)光源送信対象情報送信部206は、ステップS701において受信した光源送信対象情報と、マーカー信号出力手段2062が出力するマーカー信号とを重畳する。
【0112】
(ステップS703)光源送信対象情報送信部206は、ステップS702で重畳して得られた情報を、可視光通信光源205を用いて可視光により送信する。そして、ステップS701に戻る。
【0113】
(ステップS704)端末送信対象情報受信部201は、端末送信対象情報を受信したか否かを判断する。具体的には、受光手段2011が受光した光から情報取得手段2012が端末送信対象情報を受信したか否かを判断する。受信した場合、ステップS705に進み、受信していない場合、ステップS701に戻る。
【0114】
(ステップS705)受信情報送信部203は、識別情報格納部202から識別情報を読み出す。
【0115】
(ステップS706)受信情報送信部203は、ステップS704において受信した端末送信対象情報と、ステップS705において受け付けた識別情報とを対応付けてサーバ30に送信する。これにより、対応付けられた識別情報から、端末送信対象情報が、どの光無線通信光源装置20で受信されたものであるかを、サーバ30等が検出することができる。そして、ステップS701に戻る。
【0116】
なお、図7のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0117】
次に、サーバ30の動作について図8のフローチャートを用いて説明する。
【0118】
(ステップS801)サーバ情報取得部302は、光源送信対象情報を送信するか否かを判断する。サーバ情報取得部302が、どのようなタイミングやトリガーに応じて、光源送信対象情報を送信するか否かを判断しても良い。例えば、予め決められているタイミング等になった場合に、予め指定された光源送信対象情報を送信することを決定しても良い。また、サーバ受信部304が光源送信対象情報を送信する指示を含む端末送信対象情報を受け付けた場合に、光源送信端末情報を送信することを決定しても良い。また、サーバ処理部305の制御によって、光源送信端末情報を送信することを決定しても良い。送信する場合、ステップS802に進み、送信しない場合、ステップS804に進む。
【0119】
(ステップS802)サーバ情報取得部302は、光源送信対象情報を、サーバ格納部301から読み出す。例えば、サーバ情報取得部302は、予め設定されたスケジュールやサーバ処理部305が出力する指示により指定された光源送信対象情報を読み出す。
【0120】
(ステップS803)サーバ送信部303は、ステップS802で読み出した光源送信対象情報を送信する。サーバ送信部303は、光源送信対象情報の送信先をどのように決定しても良い。例えば、予め指定された一以上の光無線通信光源装置20に対して光源送信対象情報を送信しても良いし、サーバ受信部304が受信した端末送信対象情報に対応付けられた識別情報が示す光無線通信光源装置20にのみ、光源送信対象情報を送信しても良い。そして、ステップS801に戻る。
【0121】
(ステップS804)サーバ受信部304は、端末送信対象情報を受信したか否かを判断する。受信した場合、ステップS805に進み、受信していない場合、ステップS801に戻る。
【0122】
(ステップS805)サーバ処理部305は、ステップS804で受信した端末送信対象情報と対応付けられて送信された識別情報を取得する。
【0123】
(ステップS806)サーバ処理部305は、ステップS804およびステップS805において受信した端末送信対象情報および識別情報に応じた所定の処理を行う。この処理はどのような処理であっても良い。例えば、端末送信対象情報が、ある光源送信対象情報を要求する情報であった場合、サーバ処理部305は、サーバ情報取得部302に対して、この要求する情報をサーバ格納部301から取得する指示を、サーバ情報取得部302に出力してもよい。そして、サーバ送信部303に対し、この指示に応じてサーバ情報取得部302が取得した情報を、ステップS805において取得した識別情報が示す光無線通信光源装置20に送信する指示を出力してもよい。そして、ステップS801に戻る。
【0124】
なお、図8のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0125】
以下、本実施の形態における光無線通信システムの具体的な動作について説明する。光無線通信端末装置の概念図は図1である。
【0126】
図10は、光無線通信システムの具体例を説明するための模式図である。光無線通信端末装置10は、ここでは、携帯可能な携帯端末である光無線通信携帯端末10aの少なくとも一部を構成しているものとする。光無線通信携帯端末10aは、例えば、電話や、PDAや、携帯型ミュージックプレーヤや、携帯型ビデオプレーヤ等である。光無線通信端末装置10は、一例として、出力デバイスである表示デバイス1051を備えているものとする。光無線通信携帯端末10aの第一レンズ111の隣には送信用光源106が設けられているものとする。送信用光源106はここではLEDにより構成されたフラッシュライトであるとする。また、光無線通信端末装置10が存在する部屋の天井には、LED光源51〜54が設置されているものとする。ここでは特に、LED光源51が光無線通信光源装置20の可視光通信光源205であるとする。光無線通信光源装置20は、電力線通信(PLC)等によりサーバ30と通信可能に接続されているものとする。また、LED光源51の隣に、光無線通信光源装置20の受光手段2011が下向きに設置されているものとする。
【0127】
ここではサーバ30にサーバ格納部301には、光源送信対象情報として、予め、サーバ30がユーザに提供可能な複数のテレビ番組の情報である番組情報と、これらの提供可能な番組情報についてのリストを示す情報である基礎情報と、が格納されているものとする。番組情報は、例えば動画像の情報である。
【0128】
図11は、サーバ格納部301に格納されている番組情報を管理する番組情報管理表の一例を示す図である。番組情報管理表は、「番組ID」「番組データ」、という項目を有している。「番組ID」は、番組情報を管理するための識別情報である。「番組情報」は送信されるテレビ番組の番組情報である。
【0129】
図12は、サーバ格納部301に格納されている基礎情報の一例を示す図である。基礎情報は、「番組名」、「番組ID」「プレビュー」、という項目を有している。「番組名」は、コンテンツである番組の名称である。「番組ID」は、番組の識別情報である。「プレビュー」は送信されるテレビ番組のプレビュー画像である。「番組ID」は、図11の「番組ID」と対応している。基礎情報の形式等は問わない。
【0130】
まず、サーバ情報取得部302は、サーバ格納部301から、図12に示したような基礎情報を取得する。そして、サーバ送信部303がサーバ情報取得部302が取得した基礎情報を、電力通信線(図示せず)を介して、光無線通信光源装置20に送信する。この基礎情報が光源送信対象情報の一つである。
【0131】
光無線通信光源装置20の光源送信対象情報受信部204は、電力通信線を介してサーバ30から送信される光源送信対象情報である基礎情報を受信する。光源送信対象情報送信部206は、受信した基礎情報を変調し、マーカー情報とを重畳して、可視光通信光源205から可視光通信により送信する。なお、ここでは、マーカー信号の周波数は28.8KHz、基礎情報の周波数は40MHzとする。なお、基礎情報の送信は、ここでは、繰り返し行われるものとする。
【0132】
つぎに、ユーザが第一レンズ111を天井に向けて保持している状態で、例えば、電源を投入すると、光無線通信端末装置10の撮影部101は、第一レンズ111を介して天井の画像を撮影する。ここでは、撮影部101が撮影する画像の画素数は、説明のため、一例として320×240ピクセルであるとする。なお、画素数が多いほど、光源を検出する精度が向上するが、その分処理が遅くなる。
【0133】
図13は、撮影部101が撮影した撮影画像を示す図である。この撮影画像には点灯している状態の全てのLED光源が撮影されている。図において図10と同一符号は同一の光源の画像を示している。なお、図13の画像において、左上が座標(0,0)であり、座標の右方向がx軸方向、座標の下方向がy軸方向であるとする。座標の単位は、ピクセルであるとする。
【0134】
次に、光源検出手段1021が、撮影画像を取得し、この撮影画像において、光源を検出する。ここでは、撮影画像の各画素の輝度値を予め指定した輝度値の閾値と比較し、閾値以上の輝度値の画素を光源の画素であると判断する。なお、ここでは、輝度値が大きいほど輝度が高いものとする。そして、閾値以上の輝度値が連続している領域を1つの光源であると判断する。
【0135】
例えば、取得した撮影画像が図13に示したような静止画像であったとすると、この画像の閾値以上の輝度値の画素が存在する領域を白、閾値より小さい輝度値の画素が存在する領域を斜線で示す、即ちこの画像を輝度値の閾値により二値化して示すと図14のようになる。上記のような光源を検出する処理により、図14において白で表された独立した4つの領域51a〜54aが光源であると判断される。なお、領域51a〜54aは、光源51〜54にそれぞれ対応した領域である。
【0136】
検出された各光源を構成する画素の座標情報は、各光源に付与される識別情報とともに図示しないメモリ等の記憶媒体に一時記憶される。
【0137】
図15は光源と光源を構成する画素の座標情報とを管理するための光源座標管理表である。光源座標管理表は、光源に付与された識別情報である「光源ID」という項目と、光源を構成する画素の座標である「座標」という項目を有している。ここでは、領域51a〜54aをそれぞれ構成する画素に、「領域ID」として「001」〜「004」を、対応付けたとする。
【0138】
次に、光源選択手段1022は、まず、撮影画像の「光源ID」が「001」である領域、即ち領域51aに対応する、撮像素子1011内の領域の受光素子が出力する電気信号を受信する。例えば、撮像素子1011と、撮影画像とが相似の関係にある場合、撮影画像の「光源ID」が「001」である領域に対して相似の関係にある撮像素子1011上の領域の、受光素子が受光した光の強度に応じて出力する電気信号だけを、継続的に受信する。
【0139】
光源選択手段1022は、受信した電気信号からマーカー信号の周波数、ここでは28.8KHzの周波数の信号を分離する。そして、分離した信号を所定のサンプリング周期でサンプリングする。なお、この具体例においては、サンプリング周期とマーカー信号との関係は、図9を用いて説明したように、マーカー信号を確実に検出できるような関係となるようにしておく。
【0140】
光源選択手段1022は、電気信号の受信開始から所定時間、例えば、10分の1から30分の1秒程度経過した時点で、電気信号の受信とサンプリングとを終了し、電気信号からマーカー信号が検出されたか否か、即ち、電気信号からマーカー信号の周波数で分離した信号が値が変動するマーカー信号であるか否かを判断する。例えば、サンプリングにより得られた複数の値を予め指定した閾値で2値化して得られた値に、「H」と「L」の2値が含まれるか否かを判断する。ここでは、2値が含まれていたとすると、光源選択手段1022はマーカー信号が検出されたと判断する。そして、光源選択手段1022は、撮影画像の「光源ID」が「001」である領域の位置を示す情報、ここでは例として領域51aに含まれる画素の座標情報を、可視光通信光源の位置情報として取得し、図示しないメモリ等に蓄積する。
【0141】
つぎに、同様に、撮影画像の「光源ID」が「002」である領域、即ち領域52aに対応する、撮像素子1011内の領域の受光素子が出力する電気信号を受信する。そして、この電気信号からマーカー信号の周波数の信号を分離し、サンプリングを行う。そして、上記と同様にサンプリングした値がマーカー信号であるか否かを判断する。ここでは、サンプリングした値に2値が含まれていなかったとする。光源選択手段1022は、マーカー信号が検出されないと判断して、撮影画像の「光源ID」が「002」である領域の位置の情報は、可視光通信光源の位置情報として取得しない。
【0142】
以下、同様の処理を、「光源ID」が「003」、「004」の領域についても行う。そして、これらの処理の結果、「光源ID」が「001」である一つの光源51を構成する画素の座標情報だけが、可視光通信光源の位置情報として取得されたとする。
【0143】
図16は可視光通信光源の位置情報を管理する可視光通信光源管理表である。可視光通信光源管理表は、可視光通信光源の識別情報である「光源ID」という項目と、可視光通信光源を構成する各画素の座標情報である「位置情報」という項目を有している。「光源ID」は、ここでは、図17の光源座標管理表の「光源ID」に対応しており、同じ値の光源は、同じ光源であるとする。
【0144】
次に、図16に示した可視光通信光源の位置情報を用いて、入射位置情報取得手段1031は、液晶パネル10321上における可視光通信光源から送信される光が入射される位置の情報である通信光入射位置情報を取得する。ここでは、例として、液晶パネル10321の画素数が撮影画像の画素数と同じ320×240ピクセルであるとし、第一レンズ111を経た光が撮像素子1011に達するまでの光路長と、第一レンズ111を経た光がビームスプリッタ112で反射されて液晶パネルまで達する光路長とが同じであるとする。そして、図13に示した撮影画像と全く同じ撮影範囲の像が、液晶パネル10321に入射されるものとする。即ち、液晶パネル10321の座標情報と、撮影画像の座標情報とが1対1で対応している。このため、入射位置情報取得手段1031は、可視光通信光源の位置情報を、そのまま、通信光入射位置情報として取得する。このような構成とすることで、光源位置検出部102で検出した可視光通信光源の位置情報から、通信光入射位置情報を算出する処理が省略でき、処理の高速化を図ることができる。従って、ここで取得される通信光入射位置情報は、図16と同様のものとなる。なお、撮影画像の画素数と、液晶パネル10321の画素数が異なる場合、予め撮影画像内の各画素と、この画素が示す像と同じ像が投射される位置にある液晶パネル10321の一以上の画素との対応関係を示す対応表を図示しない記憶媒体等に用意しておき、この対応表を用いて、可視光通信光源の位置情報から、通信光入射位置情報を取得するようにしても良い。あるは、座標変換等を行うようにしても良い。
【0145】
次に、遮光制御手段10322は、液晶パネル10321の画素のうちの、取得された通信光入射位置情報が示す位置以外の領域が、光を遮光する領域となるように、液晶パネル10321を制御する。具体的には、通信光入射位置情報が示す座標の画素だけが光を透過する画素となるように、液晶パネル10321を制御する。これにより、図17に示すように、液晶パネルは10321の通信光入射位置情報が示す位置だけが光の透過領域1010となる。この領域が、可視光通信光源である光源51が発する光が液晶パネル10321上に入射される位置である。
【0146】
この結果、図18に示すように、液晶パネルは10321の通信光入射位置情報が示す領域である透過領域1010を経て、可視光通信光源である光源51が発する光のみが選択的に受光手段1033に入力される。そして、受光手段1033は、入力された光に応じた電気信号を継続的に出力する。
【0147】
フォトディテクタ等の受光手段1033は、撮像素子1011とは異なり、単に光の強度に応じた電気信号を出力するものであるため、高速な処理が可能である。このため、受光手段1033が入射光に応じて出力する電気信号からは、撮像素子1011よりも、高い周波数の情報を取り出すことができる。
【0148】
ここでは、まず、基礎情報を取り出すよう予め設定されているとすると、情報取得手段1034は、基礎情報を取り出すために、受光素子1033が出力する電気信号から、最初の20m秒程度、基礎情報の周波数である40MHzの信号を分離して取り出す。さらに、この分離した信号を復調して、基礎情報を取り出す。そして、取り出した基礎情報を、図示しない記憶媒体等に一時記憶する。ここでは、情報取得手段1034が取得した基礎情報は、図12に示したような、サーバ30が提供可能な番組情報についてのリストを示す情報である。
【0149】
次に、出力部104は、情報取得手段1034が取得した図12に示すような基礎情報を用いて、当該基礎情報が示す番組のリストの情報、例えばプレビュー画像等を、モニタ1051に表示して、ユーザに視聴する番組の選択を促すメッセージ、例えば、「番組を選択してください」等を表示する。出力部104の表示例を図19に示す。
【0150】
つぎに、ユーザが、図示しないボタンやタッチパネル等を操作して、「ニュース007」という番組を選択したとすると、光無線通信端末装置10の端末送信対象情報受付部105は、情報取得手段1034が取得した図12に示したような基礎情報において、「ニュース007」に対応付けられている「番組ID」の属性値である「S087643」を受け付ける。この「番組ID」の値が、端末送信対象情報である。そして、端末送信対象情報送信部107は、端末送信対象情報受付部105が受け付けた「番組ID]である「S087643」を、送信用光源106を用いて、可視光通信により送信する。このとき利用する周波数等は、予め指定された周波数であるとする。この際、光無線通信携帯端末10aの第一レンズ111が天井側に向けられているため、送信用光源106も天井側を向いており、可視光通信の光も天井に向けて発せされることとなる。
【0151】
光無線通信光源装置20の受光手段2011が、光無線通信携帯端末10aから発せられる光を受光すると、受光手段2011が出力する電気信号から、情報取得手段2012が、光無線通信携帯端末10aから送信された端末送信対象情報である「S087643」を取得する。受信情報送信部203は、この端末送信対象情報「S087643」と、識別情報格納部202に予め格納されている光無線通信光源装置20の識別情報を対にして、サーバ30に対して電力通信線経由で送信する。例えば、受信情報送信部203は、識別情報を端末送信対象情報のヘッダに付加して送信する。この識別情報は、この具体例においては、光無線通信光源装置20のIPアドレスであり、例えば「192.168.1.31」であるとする。
【0152】
サーバ30のサーバ受信部304は、光無線通信光源装置20から送信される識別情報「LP001」と端末送信対象情報「S087643」とを受信する。サーバ処理部305は、サーバ受信部304が受信した端末送信対象情報「S087643」に対応する番組情報を、識別情報「192.168.1.31」に対応する光無線通信光源装置20に対して送信する指示を、サーバ情報取得部302およびサーバ送信部303に与える。
【0153】
サーバ情報取得部302は、この指示を受けて、図11に示した画像情報管理表を用いて、「番組ID」が「S087643」である番組情報を取得する。この番組情報は、番組名が「ニュース007」である番組情報である。サーバ送信部303は、サーバ情報取得部302が取得した「番組ID」が「S087643」である番組情報を、IPアドレスが「192.168.1.031」である光無線通信光源装置20に対して送信する。この送信する番組情報が、光源送信対象情報である。
【0154】
光無線通信光源装置20は、サーバ30からIPアドレス「192.168.1.31」を指定して送信される番組情報、即ち光源送信対象情報を受信し、受信した番組情報を可視光通信により送信する。なお、ここでは、光源送信対象情報送信部206は、番組情報を80MHzで送信するものとする。ただし、上述したような基礎情報を同じ40MHsの周波数等で送信を行っても良い。
【0155】
光無線通信携帯端末10aは、上述した番組リストの操作に応じて番組情報を受信するため、上述した基礎情報を受信する際の動作と同様の動作により、光無線通信光源装置20から可視光通信で送信される情報のうちの、番組情報が送信される周波数として予め指定されている周波数、ここでは80MHzで送信される番組情報を取得する。
【0156】
そして、出力部104は、受信した番組情報である「ニュース007」を表示デバイス1051に表示する。図20に表示デバイス1051による番組情報「ニュース007」の表示例を示す。
【0157】
なお、光源位置検出部102は、撮影部101により順次撮影される第二撮影画像を用いて可視光通信光源の位置情報を取得する処理を繰り返し行っており、光無線通信携帯端末10aに対する可視光通信光源の相対的な位置が変化しても、その変化した位置において、可視光通信光源の位置情報を新たに取得する。そして、この新たに取得した位置情報から、通信光入射位置情報を取得して、液晶パネル10321の透過領域の位置を調整する。この結果、可視光通信光源から出力される光を確実に受光することが可能である。特に本実施の形態においては、液晶パネル10321を用いて、透過領域の位置を調整していることにより、物理的な動作が不要であるため、位置調整を迅速に行うことができる。また、機械的な故障が発生しにくい。また、光源の形状が多様化していても、透過領域を光源の形状等に合わせて自由に変更できるため、適応性が高いという利点がある。
【0158】
また、上記具体例において、例えば、ユーザが番組のリスト等を予め有している場合等のように、基礎情報が不要である場合には、基礎情報の送信や受信等は省略してもよい。
【0159】
以上、本実施の形態によれば、撮影画像から可視光通信光源の位置情報を取得し、当該位置情報を用いて可視光通信光源から出力される光が入射される位置の情報である通信光入射位置情報を取得し、当該通信光入射位置情報が示す位置において前記可視光通信光源から可視光通信により送信される情報である送信対象情報を取得するようにしたことにより、他の光源が存在している場合や、撮影された光源以外の光源が出力する光、例えば環境光や間接照明等による光等が入射されている場合等においても、可視光通信を行う一の光源から送信される情報を精度良く受信することができる。
【0160】
また、本実施の形態においては、可視光通信光源から送信される光を選択的に受信するための手段として、特に液晶パネル10321を設けるようにしている。そして、可視光通信光源の位置に応じて、液晶パネル10321に透過領域を形成して、可視光通信光源から送信される光を選択的に受信するようにしている。このような構成においては、液晶パネル10321の、撮影画像内の可視光通信光源が検出された位置に対応した位置に、透過領域が形成されるように液晶パネル10321の表示画像を制御すればよいため、可視光通信光源の向きや光源の光の形状や大きさ等の演算が不要である。この結果、処理速度の高速化が図れる。また、光を選択的に受信するための物理的な機構が省略できるため、摩耗等により動作の不良が発生しにくくすることができる。
【0161】
なお、本発明において、液晶パネル10321は、第一レンズ111を経た光が入射される位置に配置されていればよく、その配置は問わない。例えば、上記実施の形態のように、ビームスプリッタ112と第二レンズ113との間に配置されていても良いし、第二レンズ113と受光手段1033との間に配置されていても良い。また、液晶パネル10321を受光手段1033上に配置するようにしても良い。液晶パネル10321をいずれの位置に配置した場合においても、上記実施の形態と同様に、遮光制御手段10322により入射位置情報取得手段1031が取得した入射位置情報が示す入射位置以外の領域が光を遮る領域となるよう液晶パネル10321を制御することで、上記実施の形態と同様の効果を奏する。特に、液晶パネル10321を、第二レンズ113と受光手段1033との間に配置することで、第二レンズ113で収束された光の透過を制御すれば良いため、液晶パネル10321のサイズを小型化して、コストを低減させることができる。
【0162】
また、本実施の形態によれば、光無線通信端末装置10が、可視光通信により、端末送信対象情報を送信するようにしたことにより、光無線通信端末装置10と光無線通信を行う光源を備えた装置である光無線通信光源装置20との間で、双方向の情報のやりとりを行うことができ、例えばインタラクティブな情報提供を行うことができる。
【0163】
また、本実施の形態によれば、光無線通信光源装置20の受信情報送信部203が、端末送信対象情報受信部201が受信した端末送信対象情報を、自装置の識別情報と対応付けて送信することにより、サーバ30が、端末送信対象情報を受信した光無線通信光源装置20を特定することができ、これにより、端末送信対象情報を送信した光無線通信端末装置10の位置がどの光無線通信光源装置20の近傍であるか、あるいはどの光無線通信光源装置20を用いて光無線端末装置10と通信を行えるか等を判断することができ、端末送信対象情報を送信した光無線通信端末装置を結果的に特定することが可能となる。
【0164】
なお、上記実施の形態においては、一の光無線通信光源装置20が光無線通信による情報の送信と、光無線通信で送信される情報の受信とを行う場合について説明したが、本発明においては、光無線通信光源装置は実質的に上記と同様の処理を行うことができるものであれば、複数の装置によって実現されていても良く、例えば、光無線通信で情報を送信する装置と、光無線通信で送信される情報を受信する装置との組み合わせにより実現されても良い。
【0165】
また、上述したように、本発明の光無線通信システム等は、可視光以外の光、例えば、赤外線や紫外線等も利用可能な光無線通信においても適用可能なものであり、このような場合においても、上記実施の形態と同様の効果を奏する。なお、ここで述べる光無線通信は、可視光や、赤外線や紫外線等の、電波と比べて非常に高い周波数の光波を用いた通信のことである。
【0166】
また、上記実施の形態において、各処理(各機能)は、単一の装置(システム)によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0167】
また、上記実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段(受信情報送信部203と光源送信対象情報受信部204など)は、物理的に一の媒体で実現されても良いことは言うまでもない。
【0168】
また、上記実施の形態において、各構成要素が実行する処理に関係する情報、例えば、各構成要素が受け付けたり、取得したり、選択したり、生成したり、送信したり、受信したりする情報や、各構成要素が処理で用いるしきい値や数式、アドレス等の情報等は、上記説明で明記していない場合であっても、図示しない記録媒体において、一時的に、あるいは長期にわたって保持されていてもよい。また、その図示しない記録媒体への情報の蓄積を、各構成要素、あるいは、図示しない蓄積部が行ってもよい。また、その図示しない記録媒体からの情報の読み出しを、各構成要素、あるいは、図示しない読み出し部が行ってもよい。
【0169】
また、上記各実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよく、あるいは、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。
【0170】
なお、上記各実施の形態における光無線通信端末装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータを、光無線通信を行う光源である光無線通信光源を含む1以上の光源を撮影して画像を取得する撮影部と、前記撮影部が取得した画像である撮影画像内において光無線通信光源を検出し、当該光無線通信光源の位置の情報である位置情報を取得する光源位置検出部と、前記光源位置検出部が取得した光無線通信光源の位置情報から、光無線通信光源から出力される光が入射される位置の情報である通信光入射位置情報を取得し、当該通信光入射位置情報が示す位置において前記光無線通信光源から光無線通信により送信される情報である光源送信対象情報を取得する情報取得部と、前記情報取得部が取得した情報を出力する出力部と、送信対象となる情報である端末送信対象情報を受け付ける端末送信対象情報受付部と、光無線通信を行うための光源である送信用光源から前記端末送信対象情報を光無線通信により送信する端末送信対象情報送信部として機能させるためのプログラムである。
【0171】
なお、上記プログラムにおいて、情報を送信する送信ステップや、情報を受信する受信ステップなどでは、ハードウェアによって行われる処理、例えば、送信ステップにおけるモデムやインターフェースカードなどで行われる処理(ハードウェアでしか行われない処理)は含まれない。
【0172】
なお、上記プログラムにおいて、上記プログラムが実現する機能には、ハードウェアでしか実現できない機能は含まれない。例えば、情報を取得する取得部や、情報を出力する出力部などにおけるモデムやインターフェースカードなどのハードウェアでしか実現できない機能は、上記プログラムが実現する機能には含まれない。
【0173】
また、このプログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
【0174】
図21は、上記プログラムを実行して、上記実施の形態による光無線通信端末装置等を実現するコンピュータの外観の一例を示す模式図である。上記実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムによって実現されうる。
【0175】
図21において、コンピュータシステム900は、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)ドライブ905、FD(Floppy(登録商標) Disk)ドライブ906を含むコンピュータ901と、キーボード902と、マウス903と、モニタ904とを備える。
【0176】
図22は、コンピュータシステム900の内部構成を示す図である。図22において、コンピュータ901は、CD−ROMドライブ905、FDドライブ906に加えて、MPU(Micro Processing Unit)911と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM912と、MPU911に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶すると共に、一時記憶空間を提供するRAM(Random Access Memory)913と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するハードディスク914と、MPU911、ROM912等を相互に接続するバス915とを備える。なお、コンピュータ901は、LANへの接続を提供する図示しないネットワークカードを含んでいてもよい。
【0177】
コンピュータシステム900に、上記実施の形態による光無線通信端末装置等の機能を実行させるプログラムは、CD−ROM921、またはFD922に記憶されて、CD−ROMドライブ905、またはFDドライブ906に挿入され、ハードディスク914に転送されてもよい。これに代えて、そのプログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ901に送信され、ハードディスク914に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM913にロードされる。なお、プログラムは、CD−ROM921やFD922、またはネットワークから直接、ロードされてもよい。
【0178】
プログラムは、コンピュータ901に、上記実施の形態による光無線通信端末装置等の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティプログラム等を必ずしも含んでいなくてもよい。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいてもよい。コンピュータシステム900がどのように動作するのかについては周知であり、詳細な説明は省略する。
【0179】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0180】
以上のように、本発明にかかる光無線通信端末装置等は、光無線通信により通信を行う装置等として適しており、特に、可視光通信により通信を行う装置等として有用である。
【符号の説明】
【0181】
1 光無線通信システム
10 光無線通信端末装置
10a 光無線通信携帯端末
20 光無線通信光源装置
30 サーバ
101 撮影部
102 光源位置検出部
103 情報取得部
104 出力部
105 端末送信対象情報受付部
106 送信用光源
107 端末送信対象情報送信部
111 第一レンズ
112 ビームスプリッタ
113 第二レンズ
201 端末送信対象情報受信部
202 識別情報格納部
203 受信情報送信部
204 光源送信対象情報受信部
205 可視光通信光源
206 光源送信対象情報送信部
301 サーバ格納部
302 サーバ情報取得部
303 サーバ送信部
304 サーバ受信部
305 サーバ処理部
1011 撮像素子
1012 画像処理手段
1021 光源検出手段
1022 光源選択手段
1031 入射位置情報取得手段
1032 選択透過手段
1033 受光素子
1033、2011 受光手段
1034、2012 情報取得手段
1051 表示デバイス
2062 マーカー信号出力手段
2063 重畳手段
1071、2061 変調手段
1072、2064 送信手段
10321 液晶パネル
10322 遮光制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光無線通信を行う光源である光無線通信光源を含む1以上の光源を撮影して画像を取得する撮影部と、
前記撮影部が取得した画像である撮影画像内において光無線通信光源を検出し、当該光無線通信光源の位置の情報である位置情報を取得する光源位置検出部と、
前記光源位置検出部が取得した光無線通信光源の位置情報から、光無線通信光源から出力される光が入射される位置の情報である通信光入射位置情報を取得し、当該通信光入射位置情報が示す位置において前記光無線通信光源から光無線通信により送信される情報である光源送信対象情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部が取得した情報を出力する出力部と、
送信対象となる情報である端末送信対象情報を受け付ける端末送信対象情報受付部と、
前記端末送信対象情報を送信するための送信用光源と、
前記送信用光源から前記端末送信対象情報を光無線通信により送信する端末送信対象情報送信部とを備えた光無線通信端末装置。
【請求項2】
光無線通信端末装置と、光無線通信を行う光源である1以上の光無線通信光源を有する光無線通信光源装置とを備えた光無線通信システムであって、
前記光無線通信端末装置は、
前記光無線通信光源装置が有する光無線通信光源を含む1以上の光源を撮影して画像を取得する撮影部と、
前記撮影部が取得した画像である撮影画像内において光無線通信光源を検出し、当該光無線通信光源の位置の情報である位置情報を取得する光源位置検出部と、
前記光源位置検出部が取得した光無線通信光源の位置情報から、光無線通信光源から出力される光が入射される位置の情報である通信光入射位置情報を取得し、当該通信光入射位置情報が示す位置において、前記光無線通信光源装置が有する光源である光無線通信光源から光無線通信により送信される情報である光源送信対象情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部が取得した情報を出力する出力部と、
送信対象となる情報である端末送信対象情報を受け付ける端末送信対象情報受付部と、
端末送信対象情報を送信するための送信用光源と、
前記送信用光源から前記端末送信対象情報を光無線通信により送信する端末送信対象情報送信部とを備え、
前記光無線通信光源装置は、
前記光無線通信端末装置から光無線通信により送信される端末送信対象情報を受信する端末送信対象情報受信部と、
前記端末送信対象情報受信部が受信した端末送信対象情報を送信する受信情報送信部と、
前記光無線通信端末装置に対する送信対象となる情報である光源送信対象情報を受信する光源送信対象情報受信部と、
前記光源送信対象情報を送信するための、光無線通信を行う光源である1以上の光無線通信光源と、
前記光源送信対象情報受信部が受信した前記光源送信対象情報を、前記光無線通信光源から、光無線通信により送信する光源送信対象情報送信部とを備えた光無線通信システム。
【請求項3】
前記光無線通信光源装置は、
自装置を識別する情報である識別情報が格納され得る識別情報格納部をさらに備え、
前記受信情報送信部は、前記端末送信対象情報受信部が受信した端末送信対象情報を、前記自装置の識別情報と対応付けて送信する請求項2記載の光無線通信システム。
【請求項4】
撮影部と、光源位置検出部と、情報取得部と、出力部と、端末送信対象情報受付部と、光無線通信を行うための光源である送信用光源と、端末送信対象情報送信部とを用いて行われる光無線通信方法であって、
前記撮影部が、光無線通信を行う光源である光無線通信光源を含む1以上の光源を撮影して画像を取得する撮影ステップと、
前記光源位置検出部が、前記撮影ステップで取得した画像である撮影画像内において光無線通信光源を検出し、当該光無線通信光源の位置の情報である位置情報を取得する光源位置検出ステップと、
前記情報取得部が、前記光源位置検出ステップで取得した光無線通信光源の位置情報から、光無線通信光源から出力される光が入射される位置の情報である通信光入射位置情報を取得し、当該通信光入射位置情報が示す位置において前記光無線通信光源から光無線通信により送信される情報である光源送信対象情報を取得する情報取得ステップと、
前記出力部が、前記情報取得ステップで取得した情報を出力する出力ステップと、
前記端末送信対象情報受付部が、送信対象となる情報である端末送信対象情報を受け付ける端末送信対象情報受付ステップと、
前記端末送信対象情報送信部が、前記送信用光源から前記端末送信対象情報を光無線通信により送信する端末送信対象情報送信ステップとを備えた光無線通信方法。
【請求項5】
コンピュータを、
光無線通信を行う光源である光無線通信光源を含む1以上の光源を撮影して画像を取得する撮影部と、
前記撮影部が取得した画像である撮影画像内において光無線通信光源を検出し、当該光無線通信光源の位置の情報である位置情報を取得する光源位置検出部と、
前記光源位置検出部が取得した光無線通信光源の位置情報から、光無線通信光源から出力される光が入射される位置の情報である通信光入射位置情報を取得し、当該通信光入射位置情報が示す位置において前記光無線通信光源から光無線通信により送信される情報である光源送信対象情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部が取得した情報を出力する出力部と、
送信対象となる情報である端末送信対象情報を受け付ける端末送信対象情報受付部と、
光無線通信を行うための光源である送信用光源から前記端末送信対象情報を光無線通信により送信する端末送信対象情報送信部として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2011−9805(P2011−9805A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−148167(P2009−148167)
【出願日】平成21年6月23日(2009.6.23)
【出願人】(597073645)ナルックス株式会社 (38)
【Fターム(参考)】