説明

光照射型美容装置

【課題】 光源の位置ずれを防止して、長期的に安定して光照射を行える光照射型美容装置を提供する。
【解決手段】 本発明の光照射型美容装置1は、手で把持する本体11の一端に光源からレンズ5を介して生体表面に光照射を行う光照射手段を有した装置である。そして、光照射手段が、光源であるキセノン管6と、生体表面へ照射される光源からの光量を均一化するリフレクター7およびレンズ5と、リフレクター7を取り付ける基台8と、光源にトリガ電圧を与えるトリガ47と、を備えた本体11に着脱自在な照射ユニット4である。更に、キセノン管6がリフレクター7に固定されており、リフレクター7が基台8およびレンズ5に保持されている。これにより、光照射手段を交換することで光源6の位置ずれを容易に修正でき、長期的に安定して光量を照射することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光照射型美容装置、詳しくは光源を備え、光源からの光を生体表面、特に生体の肌面である皮膚に対して照射することで肌をトリートメントする光照射型美容装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、光源から生体表面、特に生体の肌面である皮膚に光を照射して脱毛や抑毛等を行うことで、肌をトリートメントする光照射型美容装置は、特許文献1や特許文献2のように、手で把持して使用できるハンドヘルド型のコンパクトな本体を有し、且つ本体に光照射手段を設けたものである。
【特許文献1】特開2004−321401号公報
【特許文献2】特表2006−518612号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、いずれの特許文献も、本体に光照射手段を一体とした光照射手段を容易に着脱できないものとなっており、光照射手段、特に、光源の交換を考慮しておらず、取り落としによる光源の位置ずれや光照射手段の劣化等で光量が低下した際に、光照射手段あるいは光源を容易に交換することができないものであった。
【0004】
そこで、本発明は上記問題に鑑みて発明したものであり、取り落としによる衝撃や発光に伴う熱による劣化や変形等の光源の位置ずれを防止すると共に、光源の位置ずれを容易に修正可能とすることで、長期的に安定した光量を照射可能とした光照射型美容装置を提供することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の光照射型美容装置1は、手で把持する本体11の一端に光源からレンズ5を介して生体表面に光を照射する光照射手段を有し、且つ上記光照射手段が、上記光源であるキセノン管6と、上記生体表面へ照射される上記光源からの光量を均一化するリフレクター7およびレンズ5と、上記リフレクター7を取り付ける基台8と、光源にトリガ電圧を与えるトリガ47と、をケース内に備えた照射ユニット4であると共に、上記照射ユニット4が上記本体11から着脱自在である装置において、上記キセノン管6は上記リフレクター7に固定されており、上記リフレクター7は上記基台8および上記レンズ5により保持されていることを特徴としている。
【0006】
このような構成としたことで、照射ユニット4を本体11に着脱自在としたことで、光照射手段が本体11から着脱自在となり、発光に伴う熱等の光照射型美容装置1の使用より構成部品に経年劣化や変形が生じ易い光照射手段を容易に交換でき、光源を固定したリフレクター7がレンズ5と基台8とに保持されることで、光源のレンズ5およびリフレクター7に対する位置ずれが防止することができる。
【0007】
また、キセノン管6は弾性体61によりリフレクター7に固定されており、リフレクター7は弾性部材83を介して基台8に取り付けられているものであれば、キセノン管6のリフレクター7への固定が弾性的なものとなり、且つリフレクター7が基台8およびレンズ5によって弾性的に照射ユニット4に保持されるため、光照射型美容装置1の光照射時である使用時や照射ユニット4の本体11からの着脱時に振動や衝撃が加わっても、弾性体61および弾性部材83が振動および衝撃を緩和吸収でき、光源の位置ずれを抑制して、照射する光量を安定化させることができる。
【0008】
また、ケースは放熱用の開口部を備えたものであれば、光源から発生した熱が開口部からケース外に放出されるため、照射ユニット4内の発光に伴う温度上昇を抑え、熱による光照射手段の劣化および構成部品の変形を抑制して、照射する光量の低下を防止することができる。
【0009】
また、リフレクター7はレンズ5に点接触して保持されているものであれば、光源からの熱がリフレクター7を介してレンズ5に伝達されることを抑制でき、熱による光照射手段の劣化およぶ構成部品の変形を抑制して、照射する光量の低下を防止することができる。
【発明の効果】
【0010】
上記のように、本発明の光照射型美容装置は、光源を備えた照射ユニットを本体から着脱可能としたことで、光源の劣化や故障時に光源を本体から容易に取り外せ、経年劣化や故障した光源の交換が容易に行うことができると共に、光源の発光に伴い生じる熱を特に受ける部位である光源、リフレクター、レンズを照射ユニットとして一体化したことで、長期的な装置の使用に伴い光源、リフレクター、レンズに劣化や変形が生じて光源の位置ずれが発生しても、照射ユニットを交換することで容易に光源の位置ずれを修正することができ、長期的に安定した光量を照射することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態について説明する。
【0012】
本発明の光照射型美容装置1は、生体表面、特に生体の肌面である皮膚に光照射を行うことにより、生体表面の脱毛を行う光脱毛や、生体表面の毛の成長あるいは再生を抑制する光抑毛等の美容を行うものである。そして、図3〜図5に示すように、片手で把持可能な本体11と、本体11の一端に着脱自在で取り付けられた光照射手段である照射ユニット4と、照射ユニット4の周囲を覆い且つ本体11に着脱自在のカバー3と、からなる装置である。
【0013】
光照射型美容装置1の上記本体11は、内蔵電源12、例えば、蓄電池、と、光照射を制御する制御回路13と、を内部に有すると共に、上記照射ユニット4を取り付ける本体11の端部である照射側端部2には、照射ユニット4を着脱自在とするユニット装着部21である二つの略U字形状の爪と、上記照射側端部2から突出し且つ本体11と照射ユニット4を電気的に接続する本体側コネクタ22と、カバー3を着脱自在に係止する本体側係止部23と、を備えている。
【0014】
また、上記カバー3は、図4および図6に示すように、上記照射側端部2および照射ユニット4を覆うカバー部材31と、カバー部材31を上記本体側係止部23に係脱自在とするカバー側係止部32と、照射ユニット4の光を外部に放出する放出口34を備えた筒形状のフロートブロック33と、を有するものである。
【0015】
そして、上記フロートブロック33は、図6および図7に示すように、光を照射する光照射方向F、詳しくは、上記放出口34に直交する方向、にフロート自在で上記カバー部材31に取り付けてあり、放出口34を生体表面に押し当てた状態で照射ユニット4を発光させることで放出口34を介して生体表面に光照射が行われるものである。更に、フロートブロック33は遮光部材で形成されており、筒の内側の空間に照射ユニット4が位置することで、放出口34以外から照射ユニット4の光が漏れることを防止している。
【0016】
また、上記放出口34には光学的部材からなる格子35が設けてあり、光照射を行うためにフロートブロック33の放出口34を生体表面に押し当てた際に生体表面のフロートブロック33の筒の内部への入り込みを抑制して、生体表面が照射ユニット4に接触することを防止している。なお、上記格子35を形成する光学的部材とは、例えば、照射ユニット4から光量を均一化されて照射された光、詳しくは光の強度や向き、を略変化させることなく透過可能な部材であり、格子35によって光量の不均一化が生じることを防止するものである。
【0017】
また、上記照射ユニット4は、上記放出口34と連通して光を外方へ照射する照射口42を一端に有する略長方形状の箱であり、図1および図2に示すように、上記箱は長手方向に二つ割りとなるケース部材41により形成されており、且つ上記照射口42に蓋としてレンズ5が嵌込されている。
【0018】
そして、箱の長手方向の両外側、詳しくは長手方向の両端に位置する外側の側面には取付用突起43が夫々延設されており、取付用突起43が照射側端部2のU字形状の爪に夫々係脱自在となっている。更に、照射口42の反対側の端部である底部は略中央に凹所45を有しており、上記凹所45には本体11装着時に前記本体側コネクタ22と電気的に接続される照射側コネクタ46が設けてある。
【0019】
照射ユニット4と本体11の係脱機構において詳しくは、ケース部材41の取付用突起43が延設された両外側と略直交する面である短手方向の両外側を把持した状態で、照射ユニット4の凹所45を照射側端部2の本体側コネクタ22が突出した位置に合わせることで、装着位置に位置決めされる。そして、光照射方向Fと反対の方向に照射ユニット4を押し込み、取付用突起43をU字形状の爪の間に押し込むことで、各取付用突起43が爪に夫々挟持され、照射ユニット4を本体11に装着されることができる。
【0020】
更に、本体11に照射ユニット4をした状態から、上記ケース部材41の短手方向の両外側を把持して照射ユニット4を光照射方向Fに向かって引っ張ることで、取付用突起43が爪の間から抜け出して、照射ユニット4を本体11から離脱させることができる。
【0021】
また、上記ケースの短手方向の両外側には照射ユニット4の内外を貫通する開口部であるスリット48が長手方向に沿って複数設けてある。そして、照射ユニット4内の熱がスリット48を介して外に放出されるものとなっている。
【0022】
また、上記レンズ5で蓋をされた箱の内部には、箱の長手方向に長い管球状の光源であるキセノン管6と、上記光源からの光を反射して照射口42に向けるリフレクター7と、上記リフレクター7を前記レンズ5と共に弾性部材83を介して保持する基台8と、上記照射側コネクタ46から送られた電気信号を受けてキセノン管6にトリガ電圧を与えキセノン管6を発光させるトリガ47と、が収納されている。
【0023】
そして、上記リフレクター7は、照射口42側に略長方形状の開口を有し且つ反射面を内側に備えた略U字のカップ形状となっており、光源からの光を上記レンズ5と共に均一化して放出口34から生体表面に光照射を行うものである。更に、上記開口と逆の位置であるカップ形状の底部側には、キセノン管6を挿通する挿通孔71が夫々長手方向の両側に設けてあり、上記二つの挿通孔71にキセノン管6を挿通させることで、カップの内側に光源が位置するものである。
【0024】
また、上記挿通孔71に挿通されるキセノン管6の長手方向である軸方向の両端には、夫々弾性体61、例えば略ドーナツ形状のゴムプレートが嵌合されている。そして、上記二つの弾性体61が互いの面を対向し且つ夫々がリフレクター7の挿通孔71を形成する各側面に当接することで、リフレクター7を両側から挟持すると共に、キセノン管6を弾性的にリフレクター7に固定している。
【0025】
また、上記基台8は、リフレクター7の底部を保持する台座部81と、台座部81から突出し上記反射面の裏側である裏面を保持する側部82と、からなるものであり、光源の発光によって生じた熱を光源およびリフレクター7から放熱する複数の開口を備えている。そして、リフレクター7の底部と基台8との間には弾性部材83、例えば略板状のゴムプレートが介在しており、詳しくは上記弾性部材83の一方の面にリフレクター7の底部が当接して、弾性部材83の反対側の面に基台8が当接している。
【0026】
更に、基台8の側部82にはレンズ5の箱に嵌合する外周の一部に係合する保持用係合部を備えており、保持用係合部により基台8とレンズ5の被係合部が係合することで、リフレクター7の開口を形成する四つの端辺がレンズ5に当接すると共に、基台8とレンズ5との間に挟まれることで基台8とリフレクター7の間に位置する弾性部材83が圧縮されて、リフレクター7をレンズ5および基台8が弾性的に保持するものである。
【0027】
また、本実施形態では特に図示していないが、上記レンズ5と当接するリフレクター7の端辺には複数の突起がリフレクター7の開口を遮ることないよう延設されている。そして、リフレクター7が弾性的に保持される際に、リフレクター7の端部が直接接触するのではなく、突起がレンズ5に点接触して保持されることで、発光に伴い生じた熱がリフレクター7を介してレンズ5へ伝わることを防止していている。なお、上記突起は、例えば、リフレクター7の各辺の端部が連接する四隅と、長手方向に長い二辺の夫々の辺の中点と、の六ヶ所にリフレクター7の厚さ、詳しくは反射面から裏面までの厚さと略同じ寸法を直径とする突起が光照射方向Fに沿って延設されたものである。
【0028】
したがって、光源を備えた照射ユニット4を本体11から着脱可能とし、且つ着脱にねじ回し等の着脱用の工具を必要としない方法で係脱自在としたことで、着脱時に工具が不要となり、光源の劣化や故障時に光源を本体11から容易に取り外すことができ、経年劣化や故障した光源の交換が容易に行えるため、長期的に安定した光量で光照射を行うことができるものとなっている。なお、本発明において長期的とは、本発明の光照射型美容装置1を一度の使用で連続して光照射を複数回行わせることではなく、数回使用を日毎に繰り返し行う等の年月を意味するものである。
【0029】
そして、光源の発光に伴い生じる熱を受け易い光源、リフレクター7、レンズ5を照射ユニット4として一体化したことで、長期的な光照射型美容装置1の使用に伴い光源、リフレクター7、レンズ5に劣化や変形が生じて光源の位置ずれが発生しても、照射ユニット4を交換することで、容易に光源の位置ずれを修正することができ、より長期的に安定した光量を照射することができる。
【0030】
更に、弾性体61を用いて光源をリフレクター7に弾性的に固定し、且つレンズ5と基台8の間に弾性部材83を介してリフレクター7を弾性的に保持したことにより、レンズ5およびリフレクター7に対して光源がずれることを防止すると共に、生体表面にフロートブロック33の放出口34を押し当てて光照射を行った際や照射ユニット4を本体11から着脱した際の振動や衝撃を弾性体61および弾性部材83が緩和吸収するため、照射ユニット4内で光源およびリフレクター7がずれることを抑制され、光源の位置ずれ、詳しくは照射口42から照射される光が不均一になることを防止でき、安定した光量を長期的に照射することができる。
【0031】
また、ケースに複数のスリット48を設けて、発光に伴い生じる熱を照射ユニット4から外部に放出させ、照射ユニット4内の温度上昇を抑制し、且つリフレクター7とレンズ5を点接触させて、発光による熱がリフレクター7からレンズ5に伝達されるのを防止して、発光に伴う熱で照射ユニット4が劣化や変形することを抑制して、光源の位置ずれを防止すると共に、照射ユニット4の耐久性が向上されて、より長期的に安定した光量を照射可能なものとなっている。
【0032】
なお、本実施形態では、弾性体61や弾性部材83等で例示を行ったが、上記例示は限定するものではなく好ましい実施例であり、弾性体61と弾性部材83を一体としたものでもよく、本発明の作用効果を得られる光照射型美容装置であれば適宜設計変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の光照射型美容装置における光照射手段の分解斜視図である。
【図2】同上の光照射手段の(a)正面図、(b)A−A断面図である。
【図3】本発明の光照射型美容装置の(a)正面図、(b)側面図である。
【図4】同上の(a)がB−B断面図であり、(b)がC−C断面図である。
【図5】図3のカバーを外した状態の斜視図である。
【図6】同上で外したカバーの(a)正面図、(b)D−D断面図である。
【図7】同上のフロートブロックの説明図である。
【符号の説明】
【0034】
1 光照射型美容装置
11 本体
2 照射側端部
3 カバー
33 フロートブロック
4 照射ユニット
41 ケース部材
42 照射口
43 取付用突起
45 凹所
5 レンズ
6 キセノン管
61 弾性体
7 リフレクター
71 挿通孔
8 基台
83 弾性部材
F 光照射方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
手で把持する本体の一端に光源からレンズを介して生体表面に光を照射する光照射手段を有し、且つ上記光照射手段が、上記光源であるキセノン管と、上記生体表面へ照射される上記光源からの光量を均一にするリフレクターおよびレンズと、上記リフレクターを取り付ける基台と、光源にトリガ電圧を与えるトリガと、をケース内に備えた照射ユニットであると共に、上記照射ユニットが上記本体から着脱自在である光照射型美容装置において、上記キセノン管は上記リフレクターに固定されており、上記リフレクターは上記基台および上記レンズにより保持されていることを特徴とする光照射型美容装置。
【請求項2】
前記キセノン管は弾性体により前記リフレクターに固定されており、上記リフレクターは弾性部材を介して基台に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の光照射型美容装置。
【請求項3】
前記ケースは放熱用の開口部を備えたものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光照射型美容装置。
【請求項4】
前記リフレクターは前記レンズに点接触して保持されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の光照射型美容装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2010−142604(P2010−142604A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−326411(P2008−326411)
【出願日】平成20年12月22日(2008.12.22)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】