説明

光照射型美容装置

【課題】 高電圧を印加したトリガ電極により発光部に高電圧が掛かったものにおいても、その電圧による悪影響を与えないまま発光部やランプハウジングが高熱となるのを防ぐことができることで、被施療者および施療者が火傷を負う危険を低減させると共に、光学パネルの熱による変形をも防ぎ、発光体の一回の発光に対する発光エネルギーや、連続して発光するに当たっての各発光間の時間間隔を制限する必要のない光照射型美容装置を提供する。
【解決手段】 発光部1と、発光部1を内部に収容するランプハウジング2と、を備えた光照射型美容装置Aである。放熱フィン51を備えたヒートシンク5を伝熱性且つ絶縁性を備えた中間部材6を介して発光部1に取り付け、放熱フィン51をランプハウジング2の外部に露出する。発光ユニット3を本体ハウジング4に装着したときに放熱フィン51が本体ハウジング4の内部に収容されるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光照射型美容装置、詳しくは発光部を備え、発光部からの光を処理対象の皮膚に対して照射することで、この処理対象の皮膚をトリートメントする光照射型美容装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、処理対象となる皮膚に光を照射して、光の作用により体毛の脱毛や毛髪の再生を抑制し、あるいは皮膚の赤みや色素沈着等を改善することで、肌をトリートメントする光照射型美容装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
図6及び図7に示す光照射型美容装置は、本体ハウジング4に発光ユニット3を装着することで構成されており、この発光ユニット3は、ランプハウジング2の内部に発光部1を収容することで構成されている。そして、この発光ユニット3に備わる発光部1から発する光を光照射型美容装置の外部に向けて照射するようになっている。このような光照射型美容装置を使用するに当たっては、同装置本体に設けられた光照射部7を処理対象の皮膚に押し当ててセットし、この皮膚に押し当てた状態を維持して発光部1を発光させる。こうすることで、処理対象の皮膚に光を照射させて、その部分の体毛を脱毛したり又は脱毛した後の毛髪の再生を抑制したり、あるいは皮膚の赤みや色素沈着等を改善できるようになっている(図2及び図3参照)。
【0004】
この発光ユニット3における発光部1は、図7に示すように、電気伝導性を有するアルミニウム製の反射傘12の内部に発光体11を収容し、この反射傘12の開口に光を透過する光学パネル13を配設することで構成してある。なお、図中の11a,11bは、発光体11の両端に設けられ発光体11に電圧を印加するための陰極11a及び陽極11bを示している。
【0005】
ここで、この発光体11は放電管により構成されており、放電を引き起こすためのトリガが設けられている。このトリガは、以下のような構成となっている。
【0006】
反射傘12の外側面と本体ハウジング4内に設けた回路基板8とはリード線Bを介して電気的に接続してある。詳しくは、反射傘12の外側面にトリガ電極となる銅テープ121を貼着し、そのトリガ電極としての銅テープ121上にリード線Bをはんだ付けすることにより、反射傘12に対してリード線Bが導通接続されている。また、図7に示すように、反射傘12の内周面における発光体11が配設される部位には、発光体11に沿うようにして導通突条部122が平行に並んで2つ突設されている。一方、発光体11は円筒状の放電管により構成されており、その放電管の外周面には透明な透明導電膜が、真空蒸着やスパッタリング等によりコーティングされている。
【0007】
そして、このような反射傘12の導通突条部122に発光体11の外周面が接触するようにして、これらは設置されており、回路基板8に設けられたトリガトランスにより発生する高電圧が、リード線B、銅テープ121、反射傘12、導通突条部122、発光体11の透明導電膜、の順で導通し、この高電圧が放電のためのトリガとなる。
【0008】
このような発光部1により光を発生させるには、発光体11の両端に高電圧を印加すると共に、このトリガ電極としての銅テープ121に高電圧を付与する。こうすることで、電気伝導性を有するアルミニウム製の反射傘12を介して発光体11の透明導電膜に高電圧が印加され、発光体11の内部の放電ガスを励起し導通させて発光する。
【特許文献1】特開2004−321401号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、この発光体11は、高電圧が陰極及び陽極に印加されることで高エネルギーの光を繰り返し発光するようになっているが、この高エネルギーの光を直接受ける反射傘12や光学パネル13は、発光体11を繰り返し発光させることで高熱になってしまう。しかも、この反射傘12や光学パネル13が高温になると、これらに接触しているランプハウジング2までも高温になってしまう。
【0010】
このように光学パネル13が高熱になると、光学パネル13に直接接触する被施療者の処理対象の皮膚が火傷を負ってしまったり、光学パネル13自体が高熱になって変形したりしてしまうし、反射傘12が高熱になると、反射傘12表面に貼着してあるトリガ電極用銅テープ121がリード線B諸共剥離してしまうという問題が生じてしまう。また、ランプハウジング2が高熱になると、ランプハウジング2自体が変形してしまう。そのため、反射傘12や光学パネル13並びにランプハウジング2が高熱にならないようにするために、発光体11の一回の発光に対する発光エネルギーや、連続して発光するに当たっての各発光間の時間間隔を制限して、これらの反射傘12やレンズ、並びにランプハウジング2が高熱となるのを抑制するようにしていた。
【0011】
そこで、本発明に至る過程で、本発明の発明者はこの発光部に放熱器を接触させて取り付けることを考え出した。しかしながら、上記のものは、トリガ電極としての銅テープ121を反射傘12に貼着したものに、高電圧を印加するようになっているため、反射傘12に対しても高い電圧を付与してしまっているため、高熱となる反射傘12に、放熱器(ヒートシンク)のようなものをただ単に接触させて取付けただけであれば、その放熱器自体にも高電圧が掛かってしまうというという点で問題があった。
【0012】
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、高電圧を印加したトリガ電極により発光部に高電圧が掛かったものにおいても、その電圧による悪影響を与えないまま発光部やランプハウジングが高熱となるのを防ぐことができることで、被施療者および施療者が火傷を負う危険を低減させると共に、光学パネルの熱による変形をも防ぎ、しかも、発光体の一回の発光に対する発光エネルギーや、連続して発光するに当たっての各発光間の時間間隔を制限する必要のない光照射型美容装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために請求項1に係る発明にあっては、処理対象の皮膚に光を照射するための光を発する発光部1と、発光部1を内部に収容するランプハウジング2と、を備えた発光ユニット3を本体ハウジング4に装着して成る光照射型美容装置Aであって、発光ユニット3は、放熱フィン51を備えたヒートシンク5を伝熱性且つ電気絶縁性を備えた中間部材6を介して発光部1に取り付けると共に該放熱フィン51をランプハウジング2の外部に露出してなり、発光ユニット3を本体ハウジング4に装着したときに放熱フィン51が本体ハウジング4の内部に収容されて成ることを特徴とするものである。
【0014】
このように構成したことで、処理対象の皮膚に光を繰り返し発したとしても、それにより発生する熱を、ランプハウジング2内に篭らせることなくランプハウジング2の外部に効率良く放熱することができるため、発光部1やランプハウジング2が高熱になるのを防ぐことができる。また、ヒートシンク5を伝熱性且つ電気絶縁性を備えた中間部材6を介して発光部1に装着したから、発光部1が帯電した場合であっても、ヒートシンク5が帯電することがなくなる。更に言えば、発光ユニット3を本体ハウジング4に装着したときに放熱フィン51が本体ハウジング4の内部に収容されるように構成したから、施療者が誤って放熱フィン51に触れて火傷をしてしまうことがない。
【0015】
また、請求項2に係る発明にあっては、請求項1に係る発明において、前記放熱フィン51を本体ハウジング4の長手方向における発光ユニット3の装着された部位に対して遠い側の端部に向けて延出し、該ハウジングの長手方向における発光ユニット3の装着された部位に対して遠い側の端部にハウジングの内外を連通する排熱用孔41を設けて成ることを特徴とするものである。
【0016】
このように構成したことで、請求項1に係る効果に加えて、処理対象の皮膚の体毛の成長を調節するための光を繰り返し発したとしても、それにより発生する熱を、排熱用孔41から光照射型美容装置A外に効率良く放熱することができるため、発光部1やランプハウジング2が高熱になるのを防ぐことができ、しかも、放熱フィン51を本体ハウジング4の長手方向における発光部1の位置する部位に対して遠い側の端部に向けて延出しているから、放熱フィン51の放熱面積を広くすることができて、より放熱効率を向上させることができる。また、排熱用孔41を施療者が通常触れない部位である本体ハウジング4の端部に設けたから、排熱により施療者が火傷をするのを防止できる。
【0017】
また、請求項3に係る発明にあっては、処理対象の皮膚に光を照射するための光を発する発光部1と、発光部1を制御する制御部を備えた回路基板8と、回路基板8から発する熱を放熱する基板用放熱フィン91を複数備え回路基板8に取付けられる基板用ヒートシンク9と、前記発光部1と回路基板8と基板用ヒートシンク9とを内部に収容する本体ハウジング4と、を備え、発光部1が発する光を本体ハウジング4の外部に向けて照射するようにした光照射型美容装置Aにおいて、伝熱性且つ電気絶縁性を備えた中間部材6を介して前記発光部1を基板用ヒートシンク9に装着し、回路基板8から発する熱と共に発光部1から発する熱を放熱するようにしたことを特徴とするものである。
【0018】
このように構成したことで、処理対象の皮膚に光を繰り返し発したとしても、それにより発生する熱を回路基板8に取付けてある基板用ヒートシンク9を介して熱することができるため、発光部1が高熱になるのを防ぐことができる。つまり、発光部1用に新たにヒートシンク5を設けなくとも、簡略した構成で発光部1が高熱になるのを防ぐことができるため、コストを低減することができる。また、基板用ヒートシンク9を伝熱性且つ電気絶縁性を備えた中間部材6を介して発光部1に装着したから、発光部1が帯電した場合であっても、基板用ヒートシンク9が帯電することがなくなる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、トリガ電極により発光部が帯電するものであっても、発光部やランプハウジングが高熱となるのを防止することができるので、この光照射型美容装置の施療者や被施療者が負う火傷を低減することができ、また、発光体の一回の発光に対する発光エネルギーや、連続して発光するに当たっての各発光間の時間間隔を制限する必要もなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明について添付図面に基づいて説明する。なお、説明の便宜上本体ハウジング4の長手方向を上下方向とし、特に本体ハウジング4において発光ユニット3を装着した端部側を上方として説明する。
【0021】
添付図面に示すように本実施形態の光照射型美容装置Aは、脱毛効果及び毛髪の再生を抑制する(以下、抑毛という)波長の光を発する発光部1を内部に備えた光照射型美容装置Aである。この光照射型美容装置Aは、図2及び図3に示すように、片手で把持可能な円筒状の本体ハウジング4の上部に発光部1を備える発光ユニット3を装着し、この発光ユニット3内の発光部1が発する光を、該発光ユニット3の上方に設けられた光照射部7を通して外部に照射するようになっている。
【0022】
本実施形態の本体ハウジング4は、長手方向の略中間部が把持部44となっており、把持部44として把持し易いようにややくびれて形成されており、その把持部44近傍に照射スイッチ42が設けられている。この照射スイッチ42のON/OFFにより発光部1による発光がなされるように構成されている。
【0023】
発光ユニット3は、発光部1と、発光部1を内部に収容するランプハウジング2と、発光部1に接続されて発光部1の熱を放熱するヒートシンク5とを備えている。このヒートシンク5は複数の放熱フィン51を備えており、中間部材6を介して発光部1に取り付けられている。この放熱フィン51は、ランプハウジング2の外部に露出するようにして配設されている。
【0024】
発光部1は、発光体11の後方を集光用の反射傘12で覆うようにして発光体11が反射傘12の内部に収容されており、その反射傘12の前方の開口を透過性を有する光学パネル13によって覆うようにして構成してある。発光部1にある発光体11は、上述のように、脱毛及び発毛を抑制するための光を発する放電管で構成されており、具体的には、一方の端部を陽極とすると共にその他方の端部を陰極とする円筒状の放電管内にキセノンガスを封入したキセノンランプから成るフラッシュライトで構成されている。この放電管の外周面は、スパッタリングや真空蒸着等により、透明で且つ導電性を有する透明導電膜によってコーティングされている。さらに、この発光体11を後方から覆う反射傘12は、電気導電性を有するアルミニウムにより形成されており、図1(b)に示すように、断面においては開口に近づくほど対向する側面間の距離が広がるような断面椀状に形成されている。この反射傘12の底部には、2つの導通突条部122が発光体11に沿うように平行に突設されており、この導通突条部122に接触するようにして前述の発光体11が配設されている(図7参照)。
【0025】
ここで、上述した通り発光体11はキセノンランプから成る放電管で構成されており、放電のための絶縁破壊を起こすために、トリガ電極が設けられている。詳しく説明すると、反射傘12の外側面に銅テープ121が貼着してあり、その銅テープ121がトリガ電極となる。このトリガ電極には、後述するトリガ回路とリード線Bを介して電気的に接続してあるが、具体的には、銅テープ121上にリード線Bがはんだ付けされて導通接続されている。上述の通り、反射傘12はアルミニウムにより形成されているため、リード線B、銅テープ121、反射傘12、導通突条部122、発光体11の透明導電膜は相互に導通するように構成されている。
【0026】
ヒートシンク5はアルミニウム等の熱伝導性の良好な材料により形成されており、複数の放熱フィン51と、この放熱フィン51を連結する連結片52とが一体となって構成されている。また、この連結片52の放熱フィン51の設けられていない側の面が、発光部1の反射傘12の外面と中間部材6を介して対向する接触面53となっている。この接触面53は、図1(b)に示すように、反射傘12の外形に対応した形状に形成されており、反射傘12と接触面53とは中間部材6を介して面状に密着できるように形成されている。この接触面53の背面に設けられる複数の放熱フィン51は、各放熱フィン51が略平行となるように設けられており、図1(a)(b)に示すように、本実施形態の放熱フィン51はランプハウジング2の外部にまで延出して露出している。このように設けられたヒートシンク5は、その接触面53に高熱を帯びた反射傘12が中間部材6を介して接触した場合には、その熱は接触面53から連結片52を介して放熱フィン51に至り、この放熱フィン51からランプハウジング2の外部に放熱する。
【0027】
中間部材6は、反射傘12とヒートシンク5との間に介装されており、この中間部材6は伝熱性且つ電気絶縁性を備えたシート状の伝熱性絶縁シート6aによって構成されている。本実施形態の伝熱性絶縁シート6aから成る中間部材6は、熱伝導性シリコーンゴムで形成された熱伝導用シート(熱伝導性シリコーンゴムシート)が用いられている。この中間部材6は柔軟性を有しているため、反射傘12とヒートシンク5とが密着した状態で固設できるようになっている。
【0028】
ランプハウジング2は、発光部1を内部に収容できるような平面視略楕円形の筒状に形成されている。このランプハウジング2の上部には、光学パネル13を固設するための取付凹所21が設けられており、光学パネル13の外縁をこの取付凹所21に嵌め込んで固定した状態では、ランプハウジング2の上端と光学パネル13の上面とが面一となるように構成されている。また、ランプハウジング2の内面には、発光体11の両端にある陰極11aと陽極11bにそれぞれ導通する導通板(図示なし)が上下方向に敷設されており、このそれぞれの導通板はランプハウジング2の下部に設けられた雄コネクタ部22と電気的に接続されている。
【0029】
このようなランプハウジング2の内部には、光学パネル13を取付凹所21に嵌め込んで設置し、その光学パネル13の下部に、内部に発光体11を収容した反射傘12が配設されており、さらに、その反射傘12の下面にはヒートシンク5が反射傘12に密着した状態で取り付けられており、更に、このヒートシンク5の放熱フィン51が、ランプハウジング2から下方に向けて突出している。なお、反射傘12には上述のように、リード線Bがはんだ付けにより固設されているが、このリード線Bはランプハウジング2から突出した位置でコネクタ接続できるようになっている。つまり、この発光ユニット3は、本体ハウジング4に対して着脱自在となるように構成されている。
【0030】
このように構成された発光ユニット3は、円筒状の本体ハウジング4の上端部に装着される。詳しくは、まず、トリガ電極に接続されるリード線Bと、本体ハウジング4内のトリガ回路に接続されるリード線とをコネクタ接続し、次いで、発光ユニット3から放熱フィン51が突出した状態の発光ユニット3を、この突出した放熱フィン51を本体ハウジング4の内部に挿通しつつ、本体ハウジング4内の回路基板8にある制御部と電気的に接続された雌コネクタ部(図示なし)に、発光ユニット3の雄コネクタ部22を接続するようにして装着する。このように、本体ハウジング4に発光ユニット3が装着された状態で、放熱フィン51が本体ハウジング4の内部に収容されるようになっている。そして、本体ハウジング4に装着された発光ユニット3の略上方には、発光部1により発せられる光を光照射型美容装置Aの外部に照射するための光照射部7が設けられている。この光照射部7は、筒状の筒体部71によって構成されている。
【0031】
この筒体部71は平面視環状に形成されており、平面視中央の開口を発光部1からの光を通過させる光照射口としている。筒体部71は、発光部1の周囲を囲むようにして設置されると共に、筒体部71の上端は発光部1の上端(すなわち、光学パネル13上面)よりも上方に位置している。また、筒体部71の下部には、外方に広がる固定片(図示なし)が形成されている。このような筒体部71は、本体ハウジング4に装着された発光ユニット3を被嵌した状態のまま、さらにその筒体部71の上方から、筒状の光照射カバー43が挿通される。このとき、光照射カバー43は、筒体部71に設けられた固定片を上方から本体ハウジング4に対して押さえつけるようになっており、この光照射カバー43が本体ハウジング4に係止固定されることで、筒体部71も本体ハウジング4に対して固定されるようになる。
【0032】
この筒体部71により、施療者が施療時に被施療者の処理対象の皮膚にこの筒体部71を押し当てた状態であっても、発光部1の光学パネル13が処理対象の皮膚に接触しないようになっており、その上、筒体部71を押し当てた状態のまま、本体ハウジング4の照射スイッチ42をONにすれば、発光部1から光を発した場合においても、外部に対する光の漏れを防ぐことができる。
【0033】
本体ハウジング4内には、発光部1を制御する制御部を備えた回路基板8が収納してある。制御部は、電源に接続されてこの電源から供給される電圧を昇圧させるためのDC/DCコンバータ回路と、DC/DCコンバータ回路により昇圧された電圧を発光体11の端部に設けられた陰極及び陽極に電荷を印加する放電コンデンサと、トリガトランスを介することにより発光体11を励起させるトリガ回路と、を備えている。このトリガトランスは反射傘12に設けられたトリガ電極に接続されており、トリガトランスにより昇圧された高電圧をトリガ電極に印加するようになっている。このような制御部を備える回路基板8には、基板用放熱フィン91を複数備えた基板用ヒートシンク9が設けられており、回路基板8から生じる熱を排熱できるようになっている。なお、この基板用ヒートシンク9と回路基板8との間には、上記と同様の熱伝導性シリコーンゴムで形成された伝熱性絶縁シート6aから成る中間部材6が介装されている。
【0034】
このようにして構成された光照射型美容装置Aを用いて脱毛及び抑毛処理を行うには、本体ハウジング4を片手で把持した状態で、処理対象の皮膚に対して筒体部71の先端を押し当て、この先端に囲まれる領域内に処理対象となる皮膚が位置するようにセットする。この状態で照射スイッチ42を操作して光照射をONにすれば、発光体11から発せられる光が、光学パネル13を介して処理対象の皮膚に照射され、この処理対象の皮膚の体毛に対して脱毛及び抑毛作用を及ぼし、その結果、処理対象の皮膚に美肌効果を及ぼす。このとき、上述したように、筒体部71の先端を全周に亘って皮膚に圧接した状態を維持することで、照射される閃光の外部への漏れは防止される。
【0035】
ところで、通常、このような光照射を繰り返し行なうと、発光体11が発する光によって反射傘12や光学パネル13、並びにランプハウジング2が高温となってしまう。反射傘12が高温になると、反射傘12に貼着されたトリガ電極としての銅テープ121が剥離し、また光学パネル13やランプハウジング2が高温になると光学パネル13やランプハウジング2それ自体が変形してしまうという問題が生じてしまうが、本実施形態の光照射型美容装置Aは、上記のように反射傘12にヒートシンク5を密着させて設置しているから、反射傘12や光学パネル13や発光体11から成る発光部1の熱を効果的に排熱することができる。つまり、光照射型美容装置Aを使用したことにより発光部1が高熱を帯びたとしても、ヒートシンク5を介してランプハウジング2外部に排熱することができるので、トリガ電極としての銅テープ121の剥離や、光学パネル13やランプハウジング2の変形を防止することができる。
【0036】
更に言えば、従来はトリガ電極としての銅テープ121の剥離や、光学パネル13及びランプハウジング2の変形を防止するために、発光体11の一回の発光に対する発光エネルギーや、連続して発光するに当たっての各発光間の時間間隔を制限するようにしていたが、本実施形態の構成によれば効果的な排熱効果を奏することができるので、発光体11の一回の発光に対する発光エネルギーや、連続して発光するに当たっての各発光間の時間間隔を制限する必要がない。つまり言い換えれば、このヒートシンク5により発光部1を効果的に冷却することができるので、発光体11の一回の発光に対する発光エネルギーを高エネルギーとでき、連続して発光するに当たっての各発光間の時間間隔を短くでき、それでいて、トリガ電極としての銅テープ121の剥離や光学パネル13の変形を防止することができるのである。
【0037】
次に、他の実施形態について図4に基づいて説明する。なお、本実施形態は図1(a)(b)に示す実施形態と大部分において同じであるため、同じ部分においては同符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
【0038】
本実施形態の光照射型美容装置Aは、放熱フィン51を本体ハウジング4の長手方向における発光部1の位置する部位に対して遠い側の端部に向けて延出し、該本体ハウジング4の長手方向における発光部1の位置する部位に対して遠い側の端部に本体ハウジング4の内外を連通する排熱用孔41を設けたものである。
【0039】
図4に示すように、発光ユニット3の発光部1の反射傘12には、上記実施形態と同様にヒートシンク5が設けられており、このヒートシンク5の複数の放熱フィン51が、ランプハウジング2から突出して、本体ハウジング4の長手方向の下方の端部近傍にまで延出することで構成されている。また、この本体ハウジング4の長手方向の下方の端部には、本体ハウジング4の内外を連通する排熱用孔41が穿設してある。本実施形態の排熱用孔41は、排熱用孔41としてのスリット状の排熱スリット41aが複数並設することで構成されている。
【0040】
このように、本実施形態の光照射型美容装置Aは、発光ユニット3を本体ハウジング4の上部に設置し且つ、本体ハウジング4の長手方向における発光ユニット3のある側とは反対側の端部(つまり、本体ハウジング4の下部)に向けて放熱フィン51を延出させたから、放熱フィン51の表面積を大きくすることができ、発光部1から発せられる熱の放熱効率を大幅に向上させることができる。その上、本実施形態においては、放熱フィン51の先端側の本体ハウジング4の端部に、放熱フィン51から放熱した熱を本体ハウジング4の外部に排出できる排熱用孔41を設けてある。すなわち、施療者が本体ハウジング4を把持した場合においても、通常触れることのない本体ハウジング4の端部に排熱用孔41が穿設されているから、放熱フィン51による放熱した熱気を外部に排出しても、その排熱によって施療者が火傷を負う危険を低減することができる。
【0041】
なお、本実施形態における排熱孔は本体ハウジング4の長手方向の下端部に設けたが、この排熱孔は、施療者が使用するに当たって、触れることのない部位に設けるものであれば、上記と同様に、施療者が火傷を負う危険を低減させることができる。
【0042】
次に、他の実施形態について図5に基づいて説明する。なお、本実施形態は図1乃至図4に示す実施形態と大部分において同じであるため、同じ部分においては同符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
【0043】
本実施形態の光照射型美容装置Aは、発光部1には上記実施形態のようなヒートシンク5が個別に設けられていない。しかし、本実施形態の発光部1は回路基板8に設けてある基板用ヒートシンク9と接触して設けてあり、回路基板8から発する熱と共に発光部1から発する熱を放熱するようにしている。詳しく説明すると、回路基板8に中間部材6を介して設置された基板用ヒートシンク9の発光部1側の端部には、発光部1に接触するための接触部92が形成されており、本体ハウジング4から上方に向けて突出している。この接触部92は、反射傘12の外形と対応した形状に形成されており、発光ユニット3を本体ハウジング4に装着したときに、反射傘12と接触部92とは中間部材6を介して面状に密着できるように形成されている。
【0044】
この中間部材6は、上記実施形態と同様に、伝熱性且つ電気絶縁性を備えたシート状の伝熱性絶縁シート6aによって構成されている。本実施形態の伝熱性絶縁シート6aから成る中間部材6は、熱伝導性シリコーンゴムで形成された熱伝導用シート(熱伝導性シリコーンゴムシート)が用いられている。この中間部材6は柔軟性を有しているため、反射傘12と基板用ヒートシンク9の接触部92とが密着した状態で固設できるようになっている。
【0045】
本実施形態の光照射型美容装置Aは、上記のように構成されているから、発光部1が光を繰り返し発したとしても、それにより発生する熱を回路基板8に取付けてある基板用ヒートシンク9を介して排熱することができるため、発光部1やランプハウジング2が高熱になるのを防ぐことができる。つまり、発光部1に新たにヒートシンク5を設けなくとも、簡略した構成で発光部1やランプハウジング2が高熱になるのを防ぐことができるため、コストを低減することができる。
【0046】
なお、第2の実施形態のように本実施形態の基板用放熱フィン91を本体ハウジング4の長手方向の下端部にまで延出し且つその本体ハウジング4の長手方向の下端部に排熱用孔41を設けたものであってももちろん良い。
【0047】
以上、キセノンライトを用いた光照射型美容装置Aに基づいて本発明の光照射型美容装置を説明したが、発光体11はキセノンライトから成るフラッシュライトに限定されず、他の構成から成るフラッシュライトであってもよい。また、上記実施形態のように発光体11は脱毛及び抑毛を図るものに限定されず、上記実施形態の発光体11による波長を、皮膚の赤みや色素沈着等を改善できる波長にして、美肌効果をより向上させるものであっても勿論よい。
【0048】
また、上記のいずれの実施形態においても、中間部材6として伝熱性且つ電気絶縁性を備えたシート状の伝熱性絶縁シート6aを用いているが、この中間部材6は伝熱性絶縁シート6aでなくてもよく、熱伝導性グリースを使用してもよい。なお、熱伝導性グリースとしては熱伝導性シリコーングリースを使用することができる。
【0049】
また、反射傘12はアルミニウムにより形成されているが、例えば銀により形成したものであってもよく、特に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の一実施形態の光脱毛装置の発光ユニットを説明する図であり(a)は正面図であり(b)は側断面図である。
【図2】同上の光脱毛装置の正面図である。
【図3】同上の光脱毛装置の側面図である。
【図4】他の実施形態の側断面図である。
【図5】更に他の実施形態の一部を省略した側断面図である。
【図6】従来例の発光ユニットの断面図である。
【図7】従来例の発光部の要部の斜視図である。
【符号の説明】
【0051】
1 発光部
11 発光体
12 反射傘
13 光学パネル
2 ランプハウジング
3 発光ユニット
4 本体ハウジング
5 ヒートシンク
51 放熱フィン
52 連結片
53 接触面
6 中間部材
6a 伝熱性絶縁シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理対象の皮膚に光を照射するための光を発する発光部と、発光部を内部に収容するランプハウジングと、を備えた発光ユニットを本体ハウジングに装着して成る光照射型美容装置であって、発光ユニットは、放熱フィンを備えたヒートシンクを伝熱性且つ電気絶縁性を備えた中間部材を介して発光部に取り付けると共に該放熱フィンをランプハウジングの外部に露出してなり、発光ユニットを本体ハウジングに装着したときに放熱フィンが本体ハウジングの内部に収容されて成ることを特徴とする光照射型美容装置。
【請求項2】
前記放熱フィンを本体ハウジングの長手方向における発光ユニットの装着された部位に対して遠い側の端部に向けて延出し、該ハウジングの長手方向における発光ユニットの装着された部位に対して遠い側の端部にハウジングの内外を連通する排熱用孔を設けて成ることを特徴とする請求項1に記載の光照射型美容装置。
【請求項3】
処理対象の皮膚に光を照射するための光を発する発光部と、発光部を制御する制御部を備えた回路基板と、回路基板から発する熱を放熱する基板用放熱フィンを複数備え回路基板に取付けられる基板用ヒートシンクと、前記発光部と回路基板と基板用ヒートシンクとを内部に収容するハウジングと、を備え、発光部が発する光をハウジングの外部に向けて照射するようにした光照射型美容装置において、伝熱性且つ電気絶縁性を備えた中間部材を介して前記発光部を基板用ヒートシンクに装着し、回路基板から発する熱と共に発光部から発する熱を放熱するようにしたことを特徴とする光照射型美容装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−142612(P2010−142612A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−326533(P2008−326533)
【出願日】平成20年12月22日(2008.12.22)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】