光照射装置
【課題】低出力光の照射で皮膚に負担をかけることなく脱毛が可能な光照射装置を提供する。
【解決手段】
400〜1200nmの波長の光を、半値幅が600μsのパルスとして付与する光源部と、この光源部から付与された光のパルスを、出射面から5mmの距離に0.2〜0.25J/cm2のエネルギー強度で分布させる導光部と、を備える。
【解決手段】
400〜1200nmの波長の光を、半値幅が600μsのパルスとして付与する光源部と、この光源部から付与された光のパルスを、出射面から5mmの距離に0.2〜0.25J/cm2のエネルギー強度で分布させる導光部と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光によって脱毛や抑毛を行う光照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医療分野において光照射による脱毛や抑毛が知られている。これは、高出力(クラス4)レーザを皮膚に照射して、毛根部及び毛包部の細胞を破壊するネクローシスによる。このようなレーザを用いた脱毛や抑毛は、細胞の破壊を伴うために火傷、シミ等の副作用が起きやすく、皮膚に対する負担が大きいため、専門の医師により施術が行われる。しかし、専門家による施術では経済的及び時間的な負担があることから、家庭で手軽に使用できる脱毛・抑毛機が望まれている。そこで、例えば、低出力の光を照射する家庭用脱毛機が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−172179号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これまでの家庭用脱毛機では、十分な脱毛・抑毛効果が得られない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明に係る光照射装置は、400〜1200nmの波長の光を、半値幅が600μsのパルスとして付与する光源部と、この光源部から付与された光のパルスを、出射面から5mmの距離に0.2〜0.25J/cm2のエネルギー強度で分布させる導光部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、低出力光の照射で皮膚に負担をかけることなく脱毛・抑毛が可能な光照射装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】(a)本発明の実施の形態に係る光照射装置の外観を示す正面図である。(b)本発明の実施の形態に係る光照射装置の外観を示す側面図である。
【図2】光照射装置の配光制御手段とフレームの脱離状態での光照射装置の斜視図である。
【図3】照射ユニットの分解斜視図である。
【図4】(a)照射ユニットを示す正面図である。(b)図4(a)のA−A断面図である。
【図5】照射ユニットのフレームブロックの斜視図である。
【図6】本体及び配光制御手段内に配設された制御回路のブロック図である。
【図7】照射された光の発光の波長分布を示す図である。
【図8】レンズのレンズ幅方向における光量分布を示す図である。
【図9】(a)コントロールのマウスの皮膚のHE染色の結果を示す顕微鏡写真である。(b)コントロールのマウスの皮膚の抗BrdUHE抗体を用いた結果を示す顕微鏡写真である。(c)コントロールのマウスの皮膚の抗ssDNA抗体を用いた結果を示す顕微鏡写真である。(d)照射10時間後のマウスの皮膚のHE染色の結果を示す顕微鏡写真である。(e)照射10時間後のマウスの皮膚の抗BrdUHE抗体を用いた結果を示す顕微鏡写真である。(f)照射10時間後のマウスの皮膚の抗ssDNA抗体を用いた結果を示す顕微鏡写真である。
【図10】(a)コントロールのマウスの皮膚のHE染色の結果を示す顕微鏡写真である。(b)コントロールのマウスの皮膚の抗BrdUHE抗体を用いた結果を示す顕微鏡写真である。(c)コントロールのマウスの皮膚の抗ssDNA抗体を用いた結果を示す顕微鏡写真である。(d)照射24時間後のマウスの皮膚のHE染色の結果を示す顕微鏡写真である。(e)照射24時間後のマウスの皮膚の抗BrdUHE抗体を用いた結果を示す顕微鏡写真である。(f)照射24時間後のマウスの皮膚の抗ssDNA抗体を用いた結果を示す顕微鏡写真である。
【図11】(a)コントロールのマウスの皮膚のHE染色の結果を示す顕微鏡写真である。(b)コントロールのマウスの皮膚の抗BrdUHE抗体を用いた結果を示す顕微鏡写真である。(c)コントロールのマウスの皮膚の抗ssDNA抗体を用いた結果を示す顕微鏡写真である。(d)照射3日後のマウスの皮膚のHE染色の結果を示す顕微鏡写真である。(e)照射3日後のマウスの皮膚の抗BrdUHE抗体を用いた結果を示す顕微鏡写真である。(f)照射3日後のマウスの皮膚の抗ssDNA抗体を用いた結果を示す顕微鏡写真である。
【図12】(a)コントロールのマウスの皮膚のHE染色の結果を示す顕微鏡写真である。(b)コントロールのマウスの皮膚の抗BrdUHE抗体を用いた結果を示す顕微鏡写真である。(c)コントロールのマウスの皮膚の抗ssDNA抗体を用いた結果を示す顕微鏡写真である。(d)照射5日後のマウスの皮膚のHE染色の結果を示す顕微鏡写真である。(e)照射5日後のマウスの皮膚の抗BrdUHE抗体を用いた結果を示す顕微鏡写真である。(f)照射5日後のマウスの皮膚の抗ssDNA抗体を用いた結果を示す顕微鏡写真である。
【図13】(a)照射2時間後のリアルタイムPCRの結果を示す図である。(b)照射12時間後のリアルタイムPCRの結果を示す図である。(c)照射1日後のリアルタイムPCRの結果を示す図である。
【図14】(a)照射3日後のリアルタイムPCRの結果を示す図である。(b)照射5日後のリアルタイムPCRの結果を示す図である。(c)照射7日後のリアルタイムPCRの結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明に係る光照射装置について添付図面に示す実施の形態に基づいて説明する。 図1(a)は本発明の実施の形態に係る光照射装置1の外観を示す正面図、図1(b)は側面図である。図2は、図1に示す光照射装置1の配光制御手段6とフレーム7の脱離状態での光照射装置1の斜視図である。図3は照射ユニット4の分解斜視図、図4(a)は照射ユニットを示す正面図、図4(b)は、図4(a)のA−A断面図である。図5は、照射ユニット4のフレームブロックの斜視図である。図6は、本体2及び配光制御手段6内に配設された制御回路のブロック図である。
【0009】
本発明の実施の形態に係る光照射装置1は、生体表面、特に皮膚表面に光照射を行うことにより、生体表面の脱毛を行う光脱毛や、生体表面の毛の再生及び成長を抑制する光抑毛等を行う。本発明の実施の形態に係る光照射装置1は、片手で把持可能な本体2と、本体2の一端に着脱自在に取り付けられ、上部にレンズ5、内部に光源9を有する光照射手段である照射ユニット4と、照射ユニット4の周囲を覆い、かつ照射ユニット4から照射された光を調節する配光制御手段6と、配光制御手段6を保持し、かつ本体2に着脱自在の本体カバー3を備える。
【0010】
本体2は、光照射を制御する制御手段及び内臓電源とを内部に備えると共に、外装に、本体2の電源のオンオフを行う電源スイッチ2bと、本体カバー3の着脱を操作する着脱操作部2aを備える。本体2の照射ユニット4が取り付けられる側の端部には、照射ユニット4を着脱自在とするユニット装着部3aと、着脱操作部2aにより操作され本体カバー3を着脱自在に係止する本体側係止部と、照射ユニット4の光源9を発光させる図示しない発光スイッチとを備える。
【0011】
本体カバー3は、配光制御手段6をスライド自在で保持する配光制御手段6用の開口を有し、照射ユニット4を覆うカバー部材で形成されている。本体カバー3は、本体2と図示しない係止手段によって保持されている。
【0012】
照射ユニット4は、光が照射される略長方形状の照射口を一端に有する、前後に2つ割りしたランプケーシング8とその内部に光源9を備え、光照射口に蓋としてレンズ5が嵌め込まれている。照射ユニット4の長手方向の両外側、詳しくはレンズ5の長手方向における両端にユニット装着部3aに係脱自在な取付用突起8aが延設されており、照射ユニット4は取付用突起8aとユニット装着部3aとが係合することで本体2に着脱自在に取り付けられる。光源9として、例えばキセノン管を用いることができる。更に、照射ユニット4は、光源9からの光を反射して照射口に嵌め込んだレンズ5に向けるリフレクタ10と、リフレクタ10を保持する基台16と、発光スイッチからの信号を受けて光源9を発光させるトリガトランスである回路ユニット11を備える。回路ユニット11は、コネクタ12を搭載した回路P板13を有する。リフレクタ10は、照射口側に照射口と略同じ大きさの開口を有し、かつ反射面を内側に備えた略U字のカップ形状である。リフレクタ10の開口と逆の位置であるカップ形状の底部の内側には光源9が位置する。リフレクタ10とレンズ5は、光源9からの光を均一化する。詳しくは、リフレクタ10は光源9の発光により生じた光の向きを照射口に直行する向きに揃えると共に、照射口から照射される光量の分布を略一定に揃える。照射ユニット4の光源9は、キセノン管に限られず、一つ又は複数のダイオードとしても良い。光源9はリフレクタ10と点接触しており、両極にゴムプレート14を通し、フィクスチャ15で保持されている。
【0013】
配光制御手段6は、照射ユニット4と皮膚表面との間に介在し、図5に示すように、光を透過しない不透明部材で筒形状に形成された遮光部6bと、遮光部6bの筒形状に略長方形状で開口した一端に、光学的部材として、例えばレンズを設けた放出部6aとを備える。遮光部6bは、照射ユニット4の側面を覆い、かつ照射ユニット4が光を照射口から皮膚表面に照射する光照射方向に向かって照射ユニット4を覆う面を延設した筒形状であり、筒の開口と照射ユニット4の照射口とに対向して配置される。延設した側に位置する開口が照射ユニット4からの光を外部に放出する放出口となっており、放出口を形成する遮光部6bの端部が光照射の際に皮膚表面に当接する。光照射方向とは、照射口の開口面に直行する方向であり、リフレクタ10とレンズ5によって光量が均一化されて照射口から光が照射される。なお、光学的部材は、照射ユニット4から入射された光に対して集光する等して光の強度や向きを変化させることなく光量を均一化する形状に形成したものであり、例えば、本発明の実施の形態のように嵌合位置の光量に合わせて格子状に形成したレンズ等があげられる。また、放出部6aは放出口より光照射方向側に突出しない、詳しくは放出口を形成する遮光部6bの内部空間への入り込みを抑制して、皮膚表面が照射ユニット4、特にレンズ5に接触することを防止する。
【0014】
遮光部6bの左右両側にはフック部6b1が設けられ、本体カバー3に嵌合させることで保持されている。遮光部6bの開口の長手方向を形成する端辺を有する側面には、開口に直行する光照射方向に沿ってスライドガイド6b2、6b4がそれぞれ設けられている。スライドガイド6b2、6b4は光照射装置1を組み立てた際に配光制御手段6を光照射方向と平行にスライド自在とする。遮光部6bの側面のうち、一方の面の放出口と反対側の開口を形成する端辺の略中央には、スイッチ用突起6b3が面に平行して突設されており、スイッチ用突起6b3はスライドガイド6b2、6b4により配光制御手段6がスライドした際に発光スイッチを作動させる。電源スイッチ2bがオンの状態で、放出口を形成する部位を生体表面に密着させて光照射方向に押す又は皮膚表面に押し当てることで、光照射方向と反対の方向に配光制御手段6がスライドされる。スライドに伴い、スイッチ用突起6b3が発光スイッチを押圧し、押圧された発光スイッチはユニット回路を介して光源9を発光させる。そして、光照射後に配光制御手段6が光照射方向にスライドすることで、スイッチ用突起6b3が発光スイッチから離れて発光スイッチの押圧が解除される。この光照射動作は一例であり、生体表面に押し当てて発光スイッチを作動させた状態で電源スイッチ2bをオンにすることで光照射するのはもちろん、更に他の照射スイッチを備えたものでもかまわない。
【0015】
配光制御手段6は、図6に示すように本体2及び配光制御手段6内に配設された制御回路によって制御される。制御回路は、マイクロプロセッサユニット(MPU)21と、アダプタ付きLiイオンセルとその保護ICとを備えた充電制御部22と、ストロボコンデンサとその電圧制御ICとを備えるコンデンサチャージ部23と、光源9のトリガ制御を行うフラッシュ制御部24と、周辺回路部25とを備える。制御回路が行う光照射の制御として、例えば、照射ユニット4の連続光照射回数・通算光照射回数の記憶及び回数に応じた光源9の発光量の調節等の長期使用における光量の制御や、照射ユニット4の温度検知あるいは本体カバー3・照射ユニット4の有無検知等の安全管理等を行うことは、適宜設計変更可能である。
【0016】
例えば、光源9としてキセノンフラッシュランプを用いた場合に、キセノン管両端に600V印加(管陰極に−300V印加)し、次にキセノン管表面に5kV印加して、トリガートランスにより300Vを昇圧し、キセノン管内がイオン化され、電流通過(約110A、1ms)により発光させる。図7に、この条件で皮膚表面に照射された光の発光の波長分布(スペクトル分布)7Xを示す。図7に示すように、スペクトル分布7Xは、波長400〜500(nm)に第1の高エネルギー部7X1を、波長800〜1000(nm)に第2の高エネルギー部7X2を有する。レンズ5から照射された光は、配光制御手段6を介して、出射面であるレンズ5の前面から5mmの位置に、図8に示す光量分布8Xを有するように光学設計されている。光量分布8Xは、図3に示すレンズ5のレンズ幅方向(矢印5Xの方向)における光量分布を示しており、極大値8X1、8X2、8X3を有する。
【0017】
配光制御手段6により、光源9から照射した光を皮膚表面に直接接触させることがなくなる。また、光源9を覆う遮光部6bにより照射された光が漏れることを防止すると共に、光学的部材を配置した放出部6aにより、皮膚表面が光照射装置1に入り込むことを抑えて、光照射手段である光源9に皮膚表面が接触して火傷等が生じるおそれを防止する。更に、放出部6aが照射した光量を均一化して照射するため、皮膚表面に安定した光量で光を照射することができる。
【0018】
本発明の実施の形態に係る光照射装置1では、上記した構成により、400〜1200nmの波長の光を、半値幅が600μsのパルスを、レンズ5の前面から5mmの距離に0.2〜0.25J/cm2のエネルギー強度で分布させる。これらの光は、皮膚表面に火傷、シミ等の副作用を起こすことのない、皮膚表面に対する負担の小さな光である。このため、本発明の実施の形態に係る光照射装置1により、専門の医師による施術によらなくても、家庭で手軽に脱毛・抑毛効果が得られる。
【0019】
上記した光のパルスを皮膚表面に照射することにより、例えば皮膚表面のIl1bの発現を上昇させたり、shh及び/又Bmpの発現を減少させる。これにより、皮膚表面の毛の発育を抑制する。また、Il1bの発現の上昇や、shh及び/又Bmpの発現を減少等により、メラニンを含む細胞においてメラニンの合成が低下し、結果として毛の発育が抑制される。
【実施例】
【0020】
以下、実施例により本発明の実施の形態に係る光照射装置について更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
【0021】
本発明の実施の形態に係る光照射装置の脱毛・抑毛効果を確認するために、次に説明する評価試験を行った。
【0022】
C57BL/6マウスの背部皮膚の毛包が成長期ではなく休止期のマウスの背部皮膚にワックス脱毛を行い、毛の成長期を誘導した。脱毛後5日で照射を開始した。照射は1×3cm、1日に5回連続照射した。照射したマウスに対し、経過観察又は皮膚のサンプリングを行った。皮膚のサンプリングは、照射後、照射2時間後、照射12時間後、照射1日後、照射3日後、照射7日後に行った。なお、サンプリングするときには増殖細胞にBrdUを取り込ませるために、サンプリング1時間前にBrdU(100ug/g bodyweight)を腹腔内に注射した。
【0023】
<組織切片の作製方法>
1.採皮するマウスを頚椎脱臼した。
2.マウスの背部皮膚に70%エタノールをかけ、キムワイプ又はティッシュで拭いて、皮膚表面の皮脂を取り除いた。
3.照射領域にあわせて皮膚を切った。本実験では、照射領域を1×3cmと設定したため、確実に照射されていると考えられる0.7×2cmくらいの領域を切り取った。照射しないコントロールも同様に行った。
4.切り取った皮膚を1×PBS(−)につけた。
5.皮膚をさらに0.2×0.5cmの大きさに必要量をメスで切った。
6.必要に応じて皮膚を平らに固定するためにメッシュに挟んだ。
7.リン酸緩衝中性ホルマリンで3時間、又は組織用迅速固定液(KURABO)で1時間固定した。
8.1×PBS(−)で10分×3回洗った。
9.70%エタノールにつけた。このまま4℃で数日は保存可能であり、すぐに次のステップに進む場合には室温で30分ゆっくり振とうさせながら置いた。
10.このあとは以下の通りに液交換をし、パラフィンに包埋した。
99.5%エタノール 30分×2回
100%エタノール 30分×2回
キシレン 30分×3回
キシレン/パラフィン(45℃) 30分×1回
パラフィン(60℃) 30分×3回
11.包埋ブロックを滑走式ミクロトームで4〜5μmの切片にした。
【0024】
<免疫染色の方法>
組織切片を貼り付けたスライドガラスを以下の手順で液につけ、脱パラフィンした。
キシレン 10分×3回
99.5%エタノール 5分×4回
1×PBS(−) 5分程度
サンプルが乾かないようにDAKOペン(DAKO)でサンプルの周りを囲んだ。
1×PBS(−)をのせた。
これ以降は抗体によって異なる処理を行った。
【0025】
<BrdU染色>
1.2N HClをサンプルにのせ、室温で20分間インキュベートした。
2.1×PBS(−)で洗浄した。
3.0.1%トリプシンをサンプルにのせ、37℃で5分間インキュベートした。
4.1×PBS(−)で洗浄した。
5.1%BSAをサンプルにのせ、室温で30分間ブロッキングした。
6.anti−BrdU抗体(DAKO社)を1:200で希釈し、サンプルにのせた。
7.4℃で一晩、または室温で2時間反応させた。
8.1×PBS(−)で5分×3回洗浄した。
9.二次抗体を反応させた。これは、使用抗体:donkey anti−mouse IgG Alexa Flour 594(インビトロジェン) 1:2000〜3000 室温で30分行った。
10.1×PBS(−)で5分×3回洗浄した。
11.0.5mg/ml DAPIを1000倍希釈したものをサンプルに1滴たらし、その後封入した。
【0026】
<ssDNA染色>
1.0.4〜0.8mg/ml proKをサンプルにのせ、室温で15分反応させた。
2.1×PBS(−)で洗浄した。
3.1%BSAをサンプルにのせ、室温で30分間ブロッキングした。
4.anti−ssDNA抗体(DAKO社)を1:100で希釈し、サンプルにのせた。
5.4℃で一晩、または室温で2時間反応させた。
6.1×PBS(−)で5分×3回洗浄した。
7.二次抗体を反応させた。これは、使用抗体:donkey anti−rabbit IgG Alexa Flour 488(インビトロジェン) 1:1000〜2000 室温で30分行った。
8.1×PBS(−)で5分×3回洗浄した。
9.0.5mg/ml DAPIを1000倍希釈したものをサンプルに1滴たらした後封入した。
【0027】
<顕微鏡観察>
顕微鏡としてOLYMPUS BX−50を使用した。対物レンズは10倍とし、使用フィルターは、WU(DAPI染色)、WIY(Alexa594)、NIBA(Alexa488)とした。デジタルカメラは、Pixera penguin 150CLMを用いた。
【0028】
<RNA抽出〜リアルタイム方法>
1.皮膚を1.5×0.5cm程度の大きさに切り取り、アルミ箔に挟んで液体窒素の中に入れた。
2.このまま保存するときは、−80℃のディープフリーザーに入れた。
3.クライオプレス(マイクロテックニチオン)で皮膚を破砕した。なお、セルはよく液体窒素で冷やして行った。
4.粉砕した皮膚を用いて、RNeasy Fibrous Tissue Mini Kit(QIAGEN)でRNA抽出した。
5.1ugのRNAを用いてQuantitect Reverse Transcription Kit(QIAGEN)でcDNAを合成した。
6.SYBR試薬はSYBR Premix Ex Taq II (Takara)、装置はThermal Cycler Dice (Takara)を用いてリアルタイムPCRを行った。プライマーは、次に示すTakaRa製の各セットを用いた。
【0029】
<プライマー>
MA082472-F, MA082472-R (Egfr); MA080988-F, MA080988-R (Hgf); MA029052-F, MA029052-R (Ikbkb); MA025939-F, MA025939-R (Il1b); MA081429-F, MA081429-R (Mitf); MA073973-F, MA073973-R (Nfkb1); MA057895-F, MA057895-R (Nfkb2); MA076991-F, MA076991-R (Shh); MA079248-F, MA079248-R (Stat3); MA030397-F, MA030397-R (Tgfb1); MA027420-F, MA027420-R (Tgfb2); MA078455-F, MA078455-R (Map3k5); MA032002-F, MA032002-R (Mapk8); MA050368-F, MA050368-R (Actb)
【0030】
<観察結果>
図9に照射10時間後の顕微鏡による10倍での観察結果を示す。図9(a)〜(c)は光を照射していないコントロールのマウスの皮膚を観察したものであり、図9(a)はHE染色の結果を、図9(b)は抗BrdUHE抗体を用いた結果を、図9(c)は抗ssDNA抗体を用いた結果を示す。図9(d)〜(e)は光を照射したマウスの皮膚を観察したものであり、図9(d)はHE染色の結果を、図9(e)は抗BrdUHE抗体を用いた結果を、図9(f)は抗ssDNA抗体を用いた結果を示す。図9(a)、(d)に示すHE染色の結果より、9a、9dで示すように皮膚表面に特に目立った変化は起きていない。また、図9(b)、(e)において9b、9eで示すように、BrdU陽性細胞の分布領域や数はほとんど差はない。図9(c)、(f)において9c、9fで示すように、光を照射した方ではssDNA陽性の部分(9f)が存在しており、細胞死(アポトーシス)が起きている可能性が示された。
【0031】
図10に照射24時間(1日)後の顕微鏡による10倍での観察結果を示す。図10(a)〜(c)は光を照射していないコントロールのマウスの皮膚を観察したものであり、図10(a)はHE染色の結果を、図10(b)は抗BrdUHE抗体を用いた結果を、図10(c)は抗ssDNA抗体を用いた結果を示す。図10(d)〜(e)は光を照射したマウスの皮膚を観察したものであり、図10(d)はHE染色の結果を、図10(e)は抗BrdUHE抗体を用いた結果を、図10(f)は抗ssDNA抗体を用いた結果を示す。図10(a)において10aで示すように、コントロールの表皮が少し肥厚化していた。また、図10(b)において10bで示すように、コントロール側でBrdU陽性細胞の数が多く見られ、これはかきむしったり、怪我をしていた可能性が考えられた。また、図10(f)で示すように、照射側の毛包では、10時間で細胞死を起こしたメラニンを含むメラノサイトや一部のケラチノサイトが毛母から上方へ押し出されている様子が見られた。
【0032】
同様に、図11に照射3日後の顕微鏡による10倍での観察結果を示す。図11(a)〜(c)は光を照射していないコントロールのマウスの皮膚を観察したものであり、図11(a)はHE染色の結果を、図11(b)は抗BrdUHE抗体を用いた結果を、図11(c)は抗ssDNA抗体を用いた結果を示す。図11(d)〜(e)は光を照射したマウスの皮膚を観察したものであり、図11(d)はHE染色の結果を、図11(e)は抗BrdUHE抗体を用いた結果を、図11(f)は抗ssDNA抗体を用いた結果を示す。同様に、図12に照射5日後の顕微鏡による10倍での観察結果を示す。図12(a)〜(c)は光を照射していないコントロールのマウスの皮膚を観察したものであり、図12(a)はHE染色の結果を、図12(b)は抗BrdUHE抗体を用いた結果を、図12(c)は抗ssDNA抗体を用いた結果を示す。図12(d)〜(e)は光を照射したマウスの皮膚を観察したものであり、図12(d)はHE染色の結果を、図12(e)は抗BrdUHE抗体を用いた結果を、図12(f)は抗ssDNA抗体を用いた結果を示す。
【0033】
図9〜12の結果より、照射して10時間前後でメラニンを含むメラノサイトと一部のケラチノサイトが細胞死を起こし、その細胞死を起こした細胞は、数日で体外に排出されることがわかった。この結果より、光を照射することで細胞周期が遅くなる等の原因で、結果的に見た目上の成長期が長くなることが考えられた。また、光照射側の毛包がコントロール側に比べて小さくなっており、更に、照射側の毛包には照射3日以降メラニンが確認できなかった。
【0034】
次に、リアルタイムPCRの結果を示す。図13(a)は照射2時間後の結果であり、図13(b)は照射12時間後、図13(c)は照射1日後の結果、図14(a)は照射3日後の結果、図14(b)は照射5日後、図14(c)は照射7日後の結果である。各図において、グラフ左側のCの付いている側がコントロールであり、右側のLの付いている側が照射側の結果である。図13、図14より、特にIl1b(インターロイキン1β)、shh、Bmp4の発現に変化が見られた。Il1bの発現が照射側で上がっており、炎症が起こっていることが考えられた。また、shh及びBmp4の発現が照射側で減少していた。特に、図14(c)で示す、照射7日目で照射側とコントロール側でPCRの結果に差が出ているのは、コントロール側は毛が成長しているのに対して、照射側は抑毛されているからと考えられた。
【0035】
以上、本実施の形態について説明したが、上記実施の形態の開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解するべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【符号の説明】
【0036】
1…光照射装置
2…本体
2a…着脱操作部
2b…電源スイッチ
3…本体カバー
3a…ユニット装着部
4…照射ユニット
5…レンズ
6…配光制御手段
6a…放出部
6b…遮光部
7…フレーム
8…ランプケーシング
8a…取付用突起
9…光源
10…リフレクタ
11…回路ユニット
22…充電制御部
23…コンデンサチャージ部
24…フラッシュ制御部
25…周辺回路部
【技術分野】
【0001】
本発明は、光によって脱毛や抑毛を行う光照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医療分野において光照射による脱毛や抑毛が知られている。これは、高出力(クラス4)レーザを皮膚に照射して、毛根部及び毛包部の細胞を破壊するネクローシスによる。このようなレーザを用いた脱毛や抑毛は、細胞の破壊を伴うために火傷、シミ等の副作用が起きやすく、皮膚に対する負担が大きいため、専門の医師により施術が行われる。しかし、専門家による施術では経済的及び時間的な負担があることから、家庭で手軽に使用できる脱毛・抑毛機が望まれている。そこで、例えば、低出力の光を照射する家庭用脱毛機が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−172179号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これまでの家庭用脱毛機では、十分な脱毛・抑毛効果が得られない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明に係る光照射装置は、400〜1200nmの波長の光を、半値幅が600μsのパルスとして付与する光源部と、この光源部から付与された光のパルスを、出射面から5mmの距離に0.2〜0.25J/cm2のエネルギー強度で分布させる導光部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、低出力光の照射で皮膚に負担をかけることなく脱毛・抑毛が可能な光照射装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】(a)本発明の実施の形態に係る光照射装置の外観を示す正面図である。(b)本発明の実施の形態に係る光照射装置の外観を示す側面図である。
【図2】光照射装置の配光制御手段とフレームの脱離状態での光照射装置の斜視図である。
【図3】照射ユニットの分解斜視図である。
【図4】(a)照射ユニットを示す正面図である。(b)図4(a)のA−A断面図である。
【図5】照射ユニットのフレームブロックの斜視図である。
【図6】本体及び配光制御手段内に配設された制御回路のブロック図である。
【図7】照射された光の発光の波長分布を示す図である。
【図8】レンズのレンズ幅方向における光量分布を示す図である。
【図9】(a)コントロールのマウスの皮膚のHE染色の結果を示す顕微鏡写真である。(b)コントロールのマウスの皮膚の抗BrdUHE抗体を用いた結果を示す顕微鏡写真である。(c)コントロールのマウスの皮膚の抗ssDNA抗体を用いた結果を示す顕微鏡写真である。(d)照射10時間後のマウスの皮膚のHE染色の結果を示す顕微鏡写真である。(e)照射10時間後のマウスの皮膚の抗BrdUHE抗体を用いた結果を示す顕微鏡写真である。(f)照射10時間後のマウスの皮膚の抗ssDNA抗体を用いた結果を示す顕微鏡写真である。
【図10】(a)コントロールのマウスの皮膚のHE染色の結果を示す顕微鏡写真である。(b)コントロールのマウスの皮膚の抗BrdUHE抗体を用いた結果を示す顕微鏡写真である。(c)コントロールのマウスの皮膚の抗ssDNA抗体を用いた結果を示す顕微鏡写真である。(d)照射24時間後のマウスの皮膚のHE染色の結果を示す顕微鏡写真である。(e)照射24時間後のマウスの皮膚の抗BrdUHE抗体を用いた結果を示す顕微鏡写真である。(f)照射24時間後のマウスの皮膚の抗ssDNA抗体を用いた結果を示す顕微鏡写真である。
【図11】(a)コントロールのマウスの皮膚のHE染色の結果を示す顕微鏡写真である。(b)コントロールのマウスの皮膚の抗BrdUHE抗体を用いた結果を示す顕微鏡写真である。(c)コントロールのマウスの皮膚の抗ssDNA抗体を用いた結果を示す顕微鏡写真である。(d)照射3日後のマウスの皮膚のHE染色の結果を示す顕微鏡写真である。(e)照射3日後のマウスの皮膚の抗BrdUHE抗体を用いた結果を示す顕微鏡写真である。(f)照射3日後のマウスの皮膚の抗ssDNA抗体を用いた結果を示す顕微鏡写真である。
【図12】(a)コントロールのマウスの皮膚のHE染色の結果を示す顕微鏡写真である。(b)コントロールのマウスの皮膚の抗BrdUHE抗体を用いた結果を示す顕微鏡写真である。(c)コントロールのマウスの皮膚の抗ssDNA抗体を用いた結果を示す顕微鏡写真である。(d)照射5日後のマウスの皮膚のHE染色の結果を示す顕微鏡写真である。(e)照射5日後のマウスの皮膚の抗BrdUHE抗体を用いた結果を示す顕微鏡写真である。(f)照射5日後のマウスの皮膚の抗ssDNA抗体を用いた結果を示す顕微鏡写真である。
【図13】(a)照射2時間後のリアルタイムPCRの結果を示す図である。(b)照射12時間後のリアルタイムPCRの結果を示す図である。(c)照射1日後のリアルタイムPCRの結果を示す図である。
【図14】(a)照射3日後のリアルタイムPCRの結果を示す図である。(b)照射5日後のリアルタイムPCRの結果を示す図である。(c)照射7日後のリアルタイムPCRの結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明に係る光照射装置について添付図面に示す実施の形態に基づいて説明する。 図1(a)は本発明の実施の形態に係る光照射装置1の外観を示す正面図、図1(b)は側面図である。図2は、図1に示す光照射装置1の配光制御手段6とフレーム7の脱離状態での光照射装置1の斜視図である。図3は照射ユニット4の分解斜視図、図4(a)は照射ユニットを示す正面図、図4(b)は、図4(a)のA−A断面図である。図5は、照射ユニット4のフレームブロックの斜視図である。図6は、本体2及び配光制御手段6内に配設された制御回路のブロック図である。
【0009】
本発明の実施の形態に係る光照射装置1は、生体表面、特に皮膚表面に光照射を行うことにより、生体表面の脱毛を行う光脱毛や、生体表面の毛の再生及び成長を抑制する光抑毛等を行う。本発明の実施の形態に係る光照射装置1は、片手で把持可能な本体2と、本体2の一端に着脱自在に取り付けられ、上部にレンズ5、内部に光源9を有する光照射手段である照射ユニット4と、照射ユニット4の周囲を覆い、かつ照射ユニット4から照射された光を調節する配光制御手段6と、配光制御手段6を保持し、かつ本体2に着脱自在の本体カバー3を備える。
【0010】
本体2は、光照射を制御する制御手段及び内臓電源とを内部に備えると共に、外装に、本体2の電源のオンオフを行う電源スイッチ2bと、本体カバー3の着脱を操作する着脱操作部2aを備える。本体2の照射ユニット4が取り付けられる側の端部には、照射ユニット4を着脱自在とするユニット装着部3aと、着脱操作部2aにより操作され本体カバー3を着脱自在に係止する本体側係止部と、照射ユニット4の光源9を発光させる図示しない発光スイッチとを備える。
【0011】
本体カバー3は、配光制御手段6をスライド自在で保持する配光制御手段6用の開口を有し、照射ユニット4を覆うカバー部材で形成されている。本体カバー3は、本体2と図示しない係止手段によって保持されている。
【0012】
照射ユニット4は、光が照射される略長方形状の照射口を一端に有する、前後に2つ割りしたランプケーシング8とその内部に光源9を備え、光照射口に蓋としてレンズ5が嵌め込まれている。照射ユニット4の長手方向の両外側、詳しくはレンズ5の長手方向における両端にユニット装着部3aに係脱自在な取付用突起8aが延設されており、照射ユニット4は取付用突起8aとユニット装着部3aとが係合することで本体2に着脱自在に取り付けられる。光源9として、例えばキセノン管を用いることができる。更に、照射ユニット4は、光源9からの光を反射して照射口に嵌め込んだレンズ5に向けるリフレクタ10と、リフレクタ10を保持する基台16と、発光スイッチからの信号を受けて光源9を発光させるトリガトランスである回路ユニット11を備える。回路ユニット11は、コネクタ12を搭載した回路P板13を有する。リフレクタ10は、照射口側に照射口と略同じ大きさの開口を有し、かつ反射面を内側に備えた略U字のカップ形状である。リフレクタ10の開口と逆の位置であるカップ形状の底部の内側には光源9が位置する。リフレクタ10とレンズ5は、光源9からの光を均一化する。詳しくは、リフレクタ10は光源9の発光により生じた光の向きを照射口に直行する向きに揃えると共に、照射口から照射される光量の分布を略一定に揃える。照射ユニット4の光源9は、キセノン管に限られず、一つ又は複数のダイオードとしても良い。光源9はリフレクタ10と点接触しており、両極にゴムプレート14を通し、フィクスチャ15で保持されている。
【0013】
配光制御手段6は、照射ユニット4と皮膚表面との間に介在し、図5に示すように、光を透過しない不透明部材で筒形状に形成された遮光部6bと、遮光部6bの筒形状に略長方形状で開口した一端に、光学的部材として、例えばレンズを設けた放出部6aとを備える。遮光部6bは、照射ユニット4の側面を覆い、かつ照射ユニット4が光を照射口から皮膚表面に照射する光照射方向に向かって照射ユニット4を覆う面を延設した筒形状であり、筒の開口と照射ユニット4の照射口とに対向して配置される。延設した側に位置する開口が照射ユニット4からの光を外部に放出する放出口となっており、放出口を形成する遮光部6bの端部が光照射の際に皮膚表面に当接する。光照射方向とは、照射口の開口面に直行する方向であり、リフレクタ10とレンズ5によって光量が均一化されて照射口から光が照射される。なお、光学的部材は、照射ユニット4から入射された光に対して集光する等して光の強度や向きを変化させることなく光量を均一化する形状に形成したものであり、例えば、本発明の実施の形態のように嵌合位置の光量に合わせて格子状に形成したレンズ等があげられる。また、放出部6aは放出口より光照射方向側に突出しない、詳しくは放出口を形成する遮光部6bの内部空間への入り込みを抑制して、皮膚表面が照射ユニット4、特にレンズ5に接触することを防止する。
【0014】
遮光部6bの左右両側にはフック部6b1が設けられ、本体カバー3に嵌合させることで保持されている。遮光部6bの開口の長手方向を形成する端辺を有する側面には、開口に直行する光照射方向に沿ってスライドガイド6b2、6b4がそれぞれ設けられている。スライドガイド6b2、6b4は光照射装置1を組み立てた際に配光制御手段6を光照射方向と平行にスライド自在とする。遮光部6bの側面のうち、一方の面の放出口と反対側の開口を形成する端辺の略中央には、スイッチ用突起6b3が面に平行して突設されており、スイッチ用突起6b3はスライドガイド6b2、6b4により配光制御手段6がスライドした際に発光スイッチを作動させる。電源スイッチ2bがオンの状態で、放出口を形成する部位を生体表面に密着させて光照射方向に押す又は皮膚表面に押し当てることで、光照射方向と反対の方向に配光制御手段6がスライドされる。スライドに伴い、スイッチ用突起6b3が発光スイッチを押圧し、押圧された発光スイッチはユニット回路を介して光源9を発光させる。そして、光照射後に配光制御手段6が光照射方向にスライドすることで、スイッチ用突起6b3が発光スイッチから離れて発光スイッチの押圧が解除される。この光照射動作は一例であり、生体表面に押し当てて発光スイッチを作動させた状態で電源スイッチ2bをオンにすることで光照射するのはもちろん、更に他の照射スイッチを備えたものでもかまわない。
【0015】
配光制御手段6は、図6に示すように本体2及び配光制御手段6内に配設された制御回路によって制御される。制御回路は、マイクロプロセッサユニット(MPU)21と、アダプタ付きLiイオンセルとその保護ICとを備えた充電制御部22と、ストロボコンデンサとその電圧制御ICとを備えるコンデンサチャージ部23と、光源9のトリガ制御を行うフラッシュ制御部24と、周辺回路部25とを備える。制御回路が行う光照射の制御として、例えば、照射ユニット4の連続光照射回数・通算光照射回数の記憶及び回数に応じた光源9の発光量の調節等の長期使用における光量の制御や、照射ユニット4の温度検知あるいは本体カバー3・照射ユニット4の有無検知等の安全管理等を行うことは、適宜設計変更可能である。
【0016】
例えば、光源9としてキセノンフラッシュランプを用いた場合に、キセノン管両端に600V印加(管陰極に−300V印加)し、次にキセノン管表面に5kV印加して、トリガートランスにより300Vを昇圧し、キセノン管内がイオン化され、電流通過(約110A、1ms)により発光させる。図7に、この条件で皮膚表面に照射された光の発光の波長分布(スペクトル分布)7Xを示す。図7に示すように、スペクトル分布7Xは、波長400〜500(nm)に第1の高エネルギー部7X1を、波長800〜1000(nm)に第2の高エネルギー部7X2を有する。レンズ5から照射された光は、配光制御手段6を介して、出射面であるレンズ5の前面から5mmの位置に、図8に示す光量分布8Xを有するように光学設計されている。光量分布8Xは、図3に示すレンズ5のレンズ幅方向(矢印5Xの方向)における光量分布を示しており、極大値8X1、8X2、8X3を有する。
【0017】
配光制御手段6により、光源9から照射した光を皮膚表面に直接接触させることがなくなる。また、光源9を覆う遮光部6bにより照射された光が漏れることを防止すると共に、光学的部材を配置した放出部6aにより、皮膚表面が光照射装置1に入り込むことを抑えて、光照射手段である光源9に皮膚表面が接触して火傷等が生じるおそれを防止する。更に、放出部6aが照射した光量を均一化して照射するため、皮膚表面に安定した光量で光を照射することができる。
【0018】
本発明の実施の形態に係る光照射装置1では、上記した構成により、400〜1200nmの波長の光を、半値幅が600μsのパルスを、レンズ5の前面から5mmの距離に0.2〜0.25J/cm2のエネルギー強度で分布させる。これらの光は、皮膚表面に火傷、シミ等の副作用を起こすことのない、皮膚表面に対する負担の小さな光である。このため、本発明の実施の形態に係る光照射装置1により、専門の医師による施術によらなくても、家庭で手軽に脱毛・抑毛効果が得られる。
【0019】
上記した光のパルスを皮膚表面に照射することにより、例えば皮膚表面のIl1bの発現を上昇させたり、shh及び/又Bmpの発現を減少させる。これにより、皮膚表面の毛の発育を抑制する。また、Il1bの発現の上昇や、shh及び/又Bmpの発現を減少等により、メラニンを含む細胞においてメラニンの合成が低下し、結果として毛の発育が抑制される。
【実施例】
【0020】
以下、実施例により本発明の実施の形態に係る光照射装置について更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
【0021】
本発明の実施の形態に係る光照射装置の脱毛・抑毛効果を確認するために、次に説明する評価試験を行った。
【0022】
C57BL/6マウスの背部皮膚の毛包が成長期ではなく休止期のマウスの背部皮膚にワックス脱毛を行い、毛の成長期を誘導した。脱毛後5日で照射を開始した。照射は1×3cm、1日に5回連続照射した。照射したマウスに対し、経過観察又は皮膚のサンプリングを行った。皮膚のサンプリングは、照射後、照射2時間後、照射12時間後、照射1日後、照射3日後、照射7日後に行った。なお、サンプリングするときには増殖細胞にBrdUを取り込ませるために、サンプリング1時間前にBrdU(100ug/g bodyweight)を腹腔内に注射した。
【0023】
<組織切片の作製方法>
1.採皮するマウスを頚椎脱臼した。
2.マウスの背部皮膚に70%エタノールをかけ、キムワイプ又はティッシュで拭いて、皮膚表面の皮脂を取り除いた。
3.照射領域にあわせて皮膚を切った。本実験では、照射領域を1×3cmと設定したため、確実に照射されていると考えられる0.7×2cmくらいの領域を切り取った。照射しないコントロールも同様に行った。
4.切り取った皮膚を1×PBS(−)につけた。
5.皮膚をさらに0.2×0.5cmの大きさに必要量をメスで切った。
6.必要に応じて皮膚を平らに固定するためにメッシュに挟んだ。
7.リン酸緩衝中性ホルマリンで3時間、又は組織用迅速固定液(KURABO)で1時間固定した。
8.1×PBS(−)で10分×3回洗った。
9.70%エタノールにつけた。このまま4℃で数日は保存可能であり、すぐに次のステップに進む場合には室温で30分ゆっくり振とうさせながら置いた。
10.このあとは以下の通りに液交換をし、パラフィンに包埋した。
99.5%エタノール 30分×2回
100%エタノール 30分×2回
キシレン 30分×3回
キシレン/パラフィン(45℃) 30分×1回
パラフィン(60℃) 30分×3回
11.包埋ブロックを滑走式ミクロトームで4〜5μmの切片にした。
【0024】
<免疫染色の方法>
組織切片を貼り付けたスライドガラスを以下の手順で液につけ、脱パラフィンした。
キシレン 10分×3回
99.5%エタノール 5分×4回
1×PBS(−) 5分程度
サンプルが乾かないようにDAKOペン(DAKO)でサンプルの周りを囲んだ。
1×PBS(−)をのせた。
これ以降は抗体によって異なる処理を行った。
【0025】
<BrdU染色>
1.2N HClをサンプルにのせ、室温で20分間インキュベートした。
2.1×PBS(−)で洗浄した。
3.0.1%トリプシンをサンプルにのせ、37℃で5分間インキュベートした。
4.1×PBS(−)で洗浄した。
5.1%BSAをサンプルにのせ、室温で30分間ブロッキングした。
6.anti−BrdU抗体(DAKO社)を1:200で希釈し、サンプルにのせた。
7.4℃で一晩、または室温で2時間反応させた。
8.1×PBS(−)で5分×3回洗浄した。
9.二次抗体を反応させた。これは、使用抗体:donkey anti−mouse IgG Alexa Flour 594(インビトロジェン) 1:2000〜3000 室温で30分行った。
10.1×PBS(−)で5分×3回洗浄した。
11.0.5mg/ml DAPIを1000倍希釈したものをサンプルに1滴たらし、その後封入した。
【0026】
<ssDNA染色>
1.0.4〜0.8mg/ml proKをサンプルにのせ、室温で15分反応させた。
2.1×PBS(−)で洗浄した。
3.1%BSAをサンプルにのせ、室温で30分間ブロッキングした。
4.anti−ssDNA抗体(DAKO社)を1:100で希釈し、サンプルにのせた。
5.4℃で一晩、または室温で2時間反応させた。
6.1×PBS(−)で5分×3回洗浄した。
7.二次抗体を反応させた。これは、使用抗体:donkey anti−rabbit IgG Alexa Flour 488(インビトロジェン) 1:1000〜2000 室温で30分行った。
8.1×PBS(−)で5分×3回洗浄した。
9.0.5mg/ml DAPIを1000倍希釈したものをサンプルに1滴たらした後封入した。
【0027】
<顕微鏡観察>
顕微鏡としてOLYMPUS BX−50を使用した。対物レンズは10倍とし、使用フィルターは、WU(DAPI染色)、WIY(Alexa594)、NIBA(Alexa488)とした。デジタルカメラは、Pixera penguin 150CLMを用いた。
【0028】
<RNA抽出〜リアルタイム方法>
1.皮膚を1.5×0.5cm程度の大きさに切り取り、アルミ箔に挟んで液体窒素の中に入れた。
2.このまま保存するときは、−80℃のディープフリーザーに入れた。
3.クライオプレス(マイクロテックニチオン)で皮膚を破砕した。なお、セルはよく液体窒素で冷やして行った。
4.粉砕した皮膚を用いて、RNeasy Fibrous Tissue Mini Kit(QIAGEN)でRNA抽出した。
5.1ugのRNAを用いてQuantitect Reverse Transcription Kit(QIAGEN)でcDNAを合成した。
6.SYBR試薬はSYBR Premix Ex Taq II (Takara)、装置はThermal Cycler Dice (Takara)を用いてリアルタイムPCRを行った。プライマーは、次に示すTakaRa製の各セットを用いた。
【0029】
<プライマー>
MA082472-F, MA082472-R (Egfr); MA080988-F, MA080988-R (Hgf); MA029052-F, MA029052-R (Ikbkb); MA025939-F, MA025939-R (Il1b); MA081429-F, MA081429-R (Mitf); MA073973-F, MA073973-R (Nfkb1); MA057895-F, MA057895-R (Nfkb2); MA076991-F, MA076991-R (Shh); MA079248-F, MA079248-R (Stat3); MA030397-F, MA030397-R (Tgfb1); MA027420-F, MA027420-R (Tgfb2); MA078455-F, MA078455-R (Map3k5); MA032002-F, MA032002-R (Mapk8); MA050368-F, MA050368-R (Actb)
【0030】
<観察結果>
図9に照射10時間後の顕微鏡による10倍での観察結果を示す。図9(a)〜(c)は光を照射していないコントロールのマウスの皮膚を観察したものであり、図9(a)はHE染色の結果を、図9(b)は抗BrdUHE抗体を用いた結果を、図9(c)は抗ssDNA抗体を用いた結果を示す。図9(d)〜(e)は光を照射したマウスの皮膚を観察したものであり、図9(d)はHE染色の結果を、図9(e)は抗BrdUHE抗体を用いた結果を、図9(f)は抗ssDNA抗体を用いた結果を示す。図9(a)、(d)に示すHE染色の結果より、9a、9dで示すように皮膚表面に特に目立った変化は起きていない。また、図9(b)、(e)において9b、9eで示すように、BrdU陽性細胞の分布領域や数はほとんど差はない。図9(c)、(f)において9c、9fで示すように、光を照射した方ではssDNA陽性の部分(9f)が存在しており、細胞死(アポトーシス)が起きている可能性が示された。
【0031】
図10に照射24時間(1日)後の顕微鏡による10倍での観察結果を示す。図10(a)〜(c)は光を照射していないコントロールのマウスの皮膚を観察したものであり、図10(a)はHE染色の結果を、図10(b)は抗BrdUHE抗体を用いた結果を、図10(c)は抗ssDNA抗体を用いた結果を示す。図10(d)〜(e)は光を照射したマウスの皮膚を観察したものであり、図10(d)はHE染色の結果を、図10(e)は抗BrdUHE抗体を用いた結果を、図10(f)は抗ssDNA抗体を用いた結果を示す。図10(a)において10aで示すように、コントロールの表皮が少し肥厚化していた。また、図10(b)において10bで示すように、コントロール側でBrdU陽性細胞の数が多く見られ、これはかきむしったり、怪我をしていた可能性が考えられた。また、図10(f)で示すように、照射側の毛包では、10時間で細胞死を起こしたメラニンを含むメラノサイトや一部のケラチノサイトが毛母から上方へ押し出されている様子が見られた。
【0032】
同様に、図11に照射3日後の顕微鏡による10倍での観察結果を示す。図11(a)〜(c)は光を照射していないコントロールのマウスの皮膚を観察したものであり、図11(a)はHE染色の結果を、図11(b)は抗BrdUHE抗体を用いた結果を、図11(c)は抗ssDNA抗体を用いた結果を示す。図11(d)〜(e)は光を照射したマウスの皮膚を観察したものであり、図11(d)はHE染色の結果を、図11(e)は抗BrdUHE抗体を用いた結果を、図11(f)は抗ssDNA抗体を用いた結果を示す。同様に、図12に照射5日後の顕微鏡による10倍での観察結果を示す。図12(a)〜(c)は光を照射していないコントロールのマウスの皮膚を観察したものであり、図12(a)はHE染色の結果を、図12(b)は抗BrdUHE抗体を用いた結果を、図12(c)は抗ssDNA抗体を用いた結果を示す。図12(d)〜(e)は光を照射したマウスの皮膚を観察したものであり、図12(d)はHE染色の結果を、図12(e)は抗BrdUHE抗体を用いた結果を、図12(f)は抗ssDNA抗体を用いた結果を示す。
【0033】
図9〜12の結果より、照射して10時間前後でメラニンを含むメラノサイトと一部のケラチノサイトが細胞死を起こし、その細胞死を起こした細胞は、数日で体外に排出されることがわかった。この結果より、光を照射することで細胞周期が遅くなる等の原因で、結果的に見た目上の成長期が長くなることが考えられた。また、光照射側の毛包がコントロール側に比べて小さくなっており、更に、照射側の毛包には照射3日以降メラニンが確認できなかった。
【0034】
次に、リアルタイムPCRの結果を示す。図13(a)は照射2時間後の結果であり、図13(b)は照射12時間後、図13(c)は照射1日後の結果、図14(a)は照射3日後の結果、図14(b)は照射5日後、図14(c)は照射7日後の結果である。各図において、グラフ左側のCの付いている側がコントロールであり、右側のLの付いている側が照射側の結果である。図13、図14より、特にIl1b(インターロイキン1β)、shh、Bmp4の発現に変化が見られた。Il1bの発現が照射側で上がっており、炎症が起こっていることが考えられた。また、shh及びBmp4の発現が照射側で減少していた。特に、図14(c)で示す、照射7日目で照射側とコントロール側でPCRの結果に差が出ているのは、コントロール側は毛が成長しているのに対して、照射側は抑毛されているからと考えられた。
【0035】
以上、本実施の形態について説明したが、上記実施の形態の開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解するべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【符号の説明】
【0036】
1…光照射装置
2…本体
2a…着脱操作部
2b…電源スイッチ
3…本体カバー
3a…ユニット装着部
4…照射ユニット
5…レンズ
6…配光制御手段
6a…放出部
6b…遮光部
7…フレーム
8…ランプケーシング
8a…取付用突起
9…光源
10…リフレクタ
11…回路ユニット
22…充電制御部
23…コンデンサチャージ部
24…フラッシュ制御部
25…周辺回路部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
400〜1200nmの波長の光を、半値幅が600μsのパルスとして付与する光源部と、
前記光源部から付与された光のパルスを、出射面から5mmの距離に0.2〜0.25J/cm2のエネルギー強度で分布させる導光部と、
を備えることを特徴とする光照射装置。
【請求項2】
前記光源部から付与された光のパルスは、Il1bの発現を上昇させて毛の発育を抑制することを特徴とする請求項1に記載の光照射装置。
【請求項3】
前記光源部から付与された光のパルスは、shh及び/又Bmpの発現を減少させて毛の発育を抑制することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光照射装置。
【請求項4】
前記光源部から付与された光のパルスは、メラニンを含む細胞に作用して毛の発育を抑制することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の光照射装置。
【請求項5】
さらに、前記光源部と前記導光部とを収納する収納部材を備え、前記収納部材は把持部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の光照射装置。
【請求項1】
400〜1200nmの波長の光を、半値幅が600μsのパルスとして付与する光源部と、
前記光源部から付与された光のパルスを、出射面から5mmの距離に0.2〜0.25J/cm2のエネルギー強度で分布させる導光部と、
を備えることを特徴とする光照射装置。
【請求項2】
前記光源部から付与された光のパルスは、Il1bの発現を上昇させて毛の発育を抑制することを特徴とする請求項1に記載の光照射装置。
【請求項3】
前記光源部から付与された光のパルスは、shh及び/又Bmpの発現を減少させて毛の発育を抑制することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光照射装置。
【請求項4】
前記光源部から付与された光のパルスは、メラニンを含む細胞に作用して毛の発育を抑制することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の光照射装置。
【請求項5】
さらに、前記光源部と前記導光部とを収納する収納部材を備え、前記収納部材は把持部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の光照射装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−193883(P2011−193883A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−2762(P2009−2762)
【出願日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【特許番号】特許第4380785号(P4380785)
【特許公報発行日】平成21年12月9日(2009.12.9)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【特許番号】特許第4380785号(P4380785)
【特許公報発行日】平成21年12月9日(2009.12.9)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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