光照射装置
【課題】ケーシングの内部に配置されたＬＥＤ素子および電装部を効率よく冷却することができ、スペースを有効に利用して配置することができる光照射装置を提供する。
【解決手段】前面壁部および当該前面壁部に対向する背面壁部を有するケーシングと、このケーシングの内部に配置されたＬＥＤ素子および電装部とを具え、ケーシングにおける前面壁部に、ＬＥＤ素子からの光を当該ケーシングの外部に放射するための光放射用開口が形成された光照射装置において、ケーシングにおける背面壁部が、上部背面壁部と、この上部背面壁部よりも当該ケーシングの前面壁部からの離間距離が大きい下部背面壁部とを有し、ケーシングにおける上部背面壁部に、当該ケーシングの内部に冷却風を引き込む吸気口が形成されていると共に、ケーシングにおける下部背面壁部に、当該ケーシングの外部に冷却風を排出する排気口が形成されていることを特徴とする。
【解決手段】前面壁部および当該前面壁部に対向する背面壁部を有するケーシングと、このケーシングの内部に配置されたＬＥＤ素子および電装部とを具え、ケーシングにおける前面壁部に、ＬＥＤ素子からの光を当該ケーシングの外部に放射するための光放射用開口が形成された光照射装置において、ケーシングにおける背面壁部が、上部背面壁部と、この上部背面壁部よりも当該ケーシングの前面壁部からの離間距離が大きい下部背面壁部とを有し、ケーシングにおける上部背面壁部に、当該ケーシングの内部に冷却風を引き込む吸気口が形成されていると共に、ケーシングにおける下部背面壁部に、当該ケーシングの外部に冷却風を排出する排気口が形成されていることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ケーシングの内部にＬＥＤ素子および電装部が配置されてなる光照射装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、接着剤、塗料、インク、レジスト等の硬化処理または乾燥処理を行うために、紫外光を用いる技術が広く利用されている。このような紫外光を照射するための光照射装置としては、ケーシング内に光源として放電ランプを具えてなる光照射装置が特許文献１に記載されている。
この光照射装置においては、直方体状のケーシングの内部に、放電ランプおよびこの放電ランプを点灯させるための電源部が配置され、ケーシングには、その上面を形成する上面壁部に、放電ランプからの光を出射するための光出射部が設けられ、この光出射部が設けられた上面壁部と対向する下面壁部に冷却風の吸気口および排気口が形成されている。 このような光照射装置によれば、ケーシングの下面壁部に冷却風の吸気口および排気口が形成されているため、複数の光照射装置を用いる場合には、それぞれのケーシングの側面が互いに接するよう並べて配置することが可能であり、装置の設置面積が小さく、例えば接着剤、塗料、インク、レジスト等の硬化処理に用いる場合において、スペースを有効に利用して配置することができる。
【０００３】
近年、光照射装置の小型化および省エネルギー化を図るため、光源として放電ランプの代わりにＬＥＤ素子を具えた光照射装置の開発が進められており、このような光照射装置においても、ＬＥＤ素子およびこれを点灯するための電装部を冷却するために、ケーシングに冷却風の吸気口および排気口を形成することが必要であり、これらの吸気口および排気口を、ケーシングにおける同一の壁部に形成することにより、複数の光照射装置を用いる場合において、スペースを有効に利用して配置することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開２００１−０１４９４１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、このような光照射装置においては、以下のような問題がある。
ケーシングの吸気口から当該ケーシングの内部に取り込まれた空気は、ＬＥＤ素子や電装部を冷却することにより、ＬＥＤ素子や電装部から発生する熱によって温められた状態で、ケーシングの排気口から当該ケーシングの外部に排気される。
然るに、ケーシングにおける同一の壁部に、冷却風の吸気口および排気口を形成した場合には、ケーシングの排気口から排気された空気が、再び吸気口からケーシングの内部に取り込まれやすいため、ケーシングの内部に配置されたＬＥＤ素子および電装部を効率よく冷却することが困難である。
また、ケーシングにおける異なる壁部に吸気口および排気口を形成すると、複数の光照射装置を用いる場合において、光照射装置の各々を、互いに離間して配置することが必要となるため、スペースを有効に利用して配置することが困難となる。
【０００６】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、ケーシングの内部に配置されたＬＥＤ素子および電装部を効率よく冷却することができ、スペースを有効に利用して配置することができる光照射装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明の光照射装置は、前面壁部および当該前面壁部に対向する背面壁部を有するケーシングと、このケーシングの内部に配置されたＬＥＤ素子および電装部とを具えてなり、前記ケーシングにおける前面壁部に、前記ＬＥＤ素子からの光を当該ケーシングの外部に放射するための光放射用開口が形成された光照射装置において、
前記ケーシングにおける背面壁部が、上部背面壁部と、この上部背面壁部よりも当該ケーシングの前面壁部からの離間距離が大きい下部背面壁部とを有し、
前記ケーシングにおける上部背面壁部に、当該ケーシングの内部に冷却風を引き込む吸気口が形成されていると共に、前記ケーシングにおける下部背面壁部に、当該ケーシングの外部に冷却風を排出する排気口が形成されていることを特徴とする。
【０００８】
本発明の光照射装置においては、前記ＬＥＤ素子は、紫外光を放射するものであることが好ましい。
また、前記ケーシングにおける光放射用開口には、前記ＬＥＤ素子からの光が基端に入射されて先端から出射される光ファイバ部材が挿入されていることが好ましい。
【発明の効果】
【０００９】
本発明の光照射装置によれば、ケーシングにおける背面壁部が、上部背面壁部およびこの上部背面壁部よりも当該ケーシングの前面壁部からの離間距離が大きい下部背面壁部を有し、当該上部背面壁部に冷却風の吸気口が形成されていると共に、当該下部背面壁部に冷却風の排気口が形成されていることにより、排気口から排出された空気が吸気口からケーシングの内部に再び引き込まれることが抑制されるので、ケーシングの内部に配置されたＬＥＤ素子および電装部を効率よく冷却することができる。
また、ケーシングの前面壁部に光放射用開口が形成されていると共に、当該ケーシングの背面壁部に冷却風の吸気口および排気口が形成されていることにより、複数の光照射装置を、それぞれのケーシングの側面が互いに接するよう水平に並べて配置したり、それぞれのケーシングの上面および下面が互いに接するよう積み重ねて配置したりすることが可能であるため、例えば接着剤、塗料、インク、レジスト等の硬化処理に用いる場合において、スペースを有効に利用して配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１０】
【図１】本発明の光照射装置の一例における外観を示す説明図であって、（ａ）は斜め前方から見た斜視図、（ｂ）は斜め後方から見た斜視図である。
【図２】図１に示す光照射装置のケーシングの内部の構成を示す側面断面図である。
【図３】図１に示す光照射装置のケーシングにおけるＬＥＤ配置室内の構成を示す平面断面図である。
【図４】図１に示す光照射装置におけるＬＥＤ装置の平面図である。
【図５】図１に示す光照射装置の複数が、それぞれのケーシングの側面が互いに接するよう水平に並べて配置された状態を示す説明図であって、（ａ）は斜め前方から見た斜視図、（ｂ）は斜め後方から見た斜視図である。
【図６】本発明の光照射装置の他の例におけるケーシングの内部の構成を示す側面断面図である。
【図７】本発明の光照射装置におけるＬＥＤ装置の変形例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【００１１】
以下、本発明の光照射装置の実施の形態について説明する。
図１は、本発明の光照射装置の一例における外観を示す説明図であって、（ａ）は斜め前方から見た斜視図、（ｂ）は斜め後方から見た斜視図であり、図２は、図１に示す光照射装置のケーシングの内部の構成を示す側面断面図であり、図３は、図１に示す光照射装置のケーシングにおけるＬＥＤ配置室内の構成を示す平面断面図である。
この光照射装置１は、前面形成する前面壁部１１と、この前面壁部１１に対向する、背面を形成する背面壁部１２とを有するケーシング１０を具えており、このケーシング１０の内部にＬＥＤ素子２５を具えたＬＥＤ装置２０および電装部３０が配置されている。図示の例では、ケーシング１０の前面に、操作部２および表示部３が設けられ、ケーシング１０の背面に，電装部３０に接続された電源用コネクタ４が設けられている。
【００１２】
ケーシング１０の内部は、水平な隔壁１５によって上下に区画されることにより、当該隔壁１５の上方に、ＬＥＤ装置２０が配置されたＬＥＤ装置配置室Ｓ１が形成されていると共に、当該隔壁１５の下方に、電装部３０が配置された電装部配置室Ｓ２が形成されており、ＬＥＤ装置配置室Ｓ１および電装部配置室Ｓ２は、隔壁１５における前面壁部１１とＬＥＤ装置２０との間に位置する箇所に形成された開口１５ａを介して、互いに連通している。
【００１３】
ケーシング１０における前面壁部１１の上側部分には、ＬＥＤ素子２５からの光をケーシング１０の外部に放射するための光放射用開口１０ａが形成されている。
また、ケーシング１０における背面壁部１２は、ＬＥＤ装置配置室Ｓ１を形成する上部背面壁部１３と、この上部背面壁部１３よりも前面壁部１１からの離間距離が大きい、電装部配置室Ｓ２を形成する下部背面壁部１４とを有し、ケーシング１０における上部背面壁部１３には、当該ケーシング１０の内部に冷却風を引き込む吸気口１０ｂが形成されており、ケーシング１０における下部背面壁部１４には、当該ケーシング１０の外部に冷却風を排出する複数の排気口１０ｃが形成されている。
【００１４】
背面壁部１２における上部背面壁部１３と下部背面壁部１４との段差ｄは、５ｍｍ以上であることが好ましく、より好ましくは２０ｍｍである。この段差ｄが過小である場合には、排気口１０ｃから排出された空気が吸気口１０ｂからケーシング１０の内部に再び引き込まれやすくなるため、ケーシング１０の内部に配置されたＬＥＤ素子２５および電装部３０を効率よく冷却することが困難となることがある。一方、この段差ｄが過大である場合には、ケーシング１０の下側部分の寸法が大きくなるため、光照射装置１の小型化が困難となることがある。
【００１５】
また、ケーシング１０の光放射用開口１０ａには、ＬＥＤ素子２５からの光が基端に入射されて先端から出射される、可撓性を有する光ファイバ部材１６が挿入されており、この光ファイバ部材１６の先端の向きを変えることによって、所要の方向に光を出射すことができる。
また、ケーシング１０の吸気口１０ｂには、当該吸気口１０ｂから空気を引き込むためのファン１７が設けられている。
【００１６】
ＬＥＤ装置２０は、図４にも示すように、表面に配線２２が形成された基板２１を有し、この基板２１の表面上にＬＥＤ素子２５が配置され、一方、基板２１の裏面には、複数のフィン２７を有する、例えばアルミニウムよりなる放熱器２６が設けられている。そして、ＬＥＤ装置２０は、ＬＥＤ素子２５が光ファイバ部材１６の基端面に対向し、放熱器２６がファン１７に対向するよう配置されている。
この例におけるＬＥＤ素子２５は、紫外光を放射するものであって、このようなＬＥＤ素子２５としては、インジウム（Ｉｎ）、アルミニウム（Ａｌ）を含む窒化ガリウム（ＧａＮ）系の材料よりなる発光層を有するものを用いることができる。
【００１７】
電装部３０においては、ＬＥＤ装置２０およびファン１７に電力を供給する電源が備えられており、この他に、これらの動作を制御する基板が備えられていてもよい。
【００１８】
上記の光照射装置１においては、ＬＥＤ装置２０におけるＬＥＤ素子２５が点灯されると、当該ＬＥＤ素子２５からの光が光ファイバ部材１６の基端に入射され、当該光ファイバ部材１６の先端から出射される。
一方、ファン１７が駆動されることにより、ケーシング１０の吸気口１０ｂから当該ケーシング１０の内部におけるＬＥＤ装置配置室Ｓ１に冷却風が引き込まれる。そして、この冷却風がＬＥＤ装置２０における放熱器２６に衝突することにより、当該ＬＥＤ装置２０が冷却され、更に、冷却風が、隔壁１５の開口１５ａを介して電装部配置室Ｓ２に導入されて流過することにより、電装部３０が冷却され、その後、ケーシング１０の排気口１０ｃから外部に排出される。このとき、ケーシング１０の吸気口１０ｂから当該ケーシング１０の内部に取り込まれた空気は、ＬＥＤ装置２０および電装部３０を冷却することにより、ＬＥＤ装置２０および電装部３０から発生する熱によって温められた状態で、ケーシング１０の排気口１０ｃから当該ケーシング１０の外部に排気される。
以上において、ファン１７による冷却風の風量は、０．１〜３．０ｍｍ3 ／ｍｉｎであることが好ましい。
【００１９】
このような光照射装置１によれば、ケーシング１０の背面壁部１２が、上部背面壁部１３およびこの上部背面壁部１３よりも当該ケーシング１０の前面壁部１１からの離間距離が大きい下部背面壁部１４を有し、当該上部背面壁部１３に冷却風の吸気口１０ｂが形成されていると共に、当該下部背面壁部１４に冷却風の排気口１０ｃが形成されていることにより、排気口１０ｃから排出される空気が再び吸気口１０ｂからケーシング１０の内部に引き込まれることが抑制されるので、ケーシング１０の内部に配置されたＬＥＤ素子２５および電装部３０を効率よく冷却することができる。
【００２０】
また、上記の光照射装置１においては、ケーシング１０の前面壁部１１に光放射用開口１０ａが形成されていると共に、当該ケーシング１０の背面壁部１２に冷却風の吸気口１０ｂおよび排気口１０ｃが形成されているため、図５に示すように、複数の光照射装置１を、それぞれのケーシング１０の側面が互いに接するよう水平に並べて配置することが可能であり、或いは、それぞれのケーシング１０の上面および下面が互いに接するよう積み重ねて配置することも可能である。従って、光照射装置１を、例えば接着剤、塗料、インク、レジスト等の硬化処理に用いる場合において、スペースを有効に利用することができる。
【００２１】
図６は、本発明の光照射装置の他の例におけるケーシングの内部の構成を示す側面断面図である。この光照射装置１は、ケーシング１０の前面壁部１１に形成された光放射用開口１０ａに、光ファイバ部材が挿入される代わりにレンズ１８が配置されていると共に、このレンズ１８の前方に当該レンズ１８からの光を下方に反射するミラー１９が設けられていること以外は図１〜図３に示す光照射装置１と同様の構成である。
【００２２】
この光照射装置１においては、ＬＥＤ装置２０におけるＬＥＤ素子２５が点灯されると、当該ＬＥＤ素子２５からの光がレンズ１８およびミラー１９を介して出射される。
一方、ファン１７が駆動されることにより、ケーシング１０の吸気口１０ｂから当該ケーシング１０の内部におけるＬＥＤ装置配置室Ｓ１に冷却風が引き込まれる。そして、この冷却風がＬＥＤ装置２０における放熱器２６に衝突することにより、当該ＬＥＤ装置２０が冷却され、更に、冷却風が、隔壁１５の開口１５ａを介して電装部配置室Ｓ２に導入されて流過することにより、電装部３０が冷却され、その後、ケーシング１０の排気口１０ｃから外部に排出される。
【００２３】
このような光照射装置１によれば、ケーシング１０の背面壁部１２が、上部背面壁部１３およびこの上部背面壁部１３よりも当該ケーシング１０の前面壁部１１からの離間距離が大きい下部背面壁部１４を有し、当該上部背面壁部１３に冷却風の吸気口１０ｂが形成されていると共に、当該下部背面壁部１４に冷却風の排気口１０ｃが形成されていることにより、排気口１０ｃから排出される空気が再び吸気口１０ｂからケーシング１０の内部に引き込まれることが抑制されるので、ケーシング１０の内部に配置されたＬＥＤ素子２５および電装部３０を効率よく冷却することができる。
また、ケーシング１０の前面壁部１１に光放射用開口１０ａが形成されていると共に、当該ケーシング１０の背面壁部１２に冷却風の吸気口１０ｂおよび排気口１０ｃが形成されていることにより、複数の光照射装置１を、それぞれのケーシング１０の側面が互いに接するよう水平に並べて配置したり、それぞれのケーシング１０の上面および下面が互いに接するよう積み重ねて配置したりすることが可能であるため、例えば接着剤、塗料、インク、レジスト等の硬化処理に用いる場合において、スペースを有効に利用して配置することができる。
【００２４】
以上、本発明の光照射装置の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されず、種々の変更を加えることが可能である。
例えばＬＥＤ装置２０は、図７に示すように、基板２１の表面上に複数のＬＥＤ素子２５が配置されてなるものであってもよい。
また、ＬＥＤ素子２５は紫外光を放射するものに限定されず、例えば可視光を放射するものであってもよい。
【実施例】
【００２５】
以下、本発明の光照射装置の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【００２６】
〈実施例１〉
図１および図２の構成に従い、下記の仕様の光照射装置を作製した。
［ケーシング（１０）］
前面壁部（１１）の寸法：２００ｍｍ（高さ）×１５０ｍｍ（幅）
上部背面壁部（１３）の寸法：１００ｍｍ（高さ）×１５０ｍｍ（幅）
下部背面壁部（１４）の寸法：１００ｍｍ（高さ）×１５０ｍｍ（幅）
上部背面壁部（１３）と下部背面壁部（１４）との段差ｄ：４０ｍｍ
吸気口（１０ｂ）の寸法：６０ｍｍ×５６ｍｍ
排気口（１０ｃ）の寸法：１０ｍｍ×３０ｍｍ
排気口（１０ｃ）の数：１９
［ＬＥＤ装置（２０）］
ＬＥＤ素子（２５）：窒化ガリウム（ＧａＮ）系材料よりなる発光層を有する、発光ピーク波長が３６５ｎｍで、定格電力が３０Ｗのもの。
放熱器（２６）の材質：アルミニウム
放熱器（２６）の底部の寸法：６０ｍｍ×６０ｍｍ
放熱器（２６）のフィン（２７）の寸法：６０ｍｍ×４０ｍｍ×０．７ｍｍ
放熱器（２６）のフィン（２７）の数：３３
放熱器（２６）のフィン（２７）の離間距離：１．８ｍｍ
［ファン（１７）］
寸法：６０ｍｍ×６０ｍｍ
風量：０．７ｍ3 ／ｍｉｎ
【００２７】
〈実施例２〉
ケーシング（１０）を下記の仕様のものに変更したこと以外は、実施例１と同様の構成の光照射装置を作製した。
［ケーシング（１０）］
前面壁部（１１）の寸法：２００ｍｍ（高さ）×１５０ｍｍ（幅）
上部背面壁部（１３）の寸法：１００ｍｍ（高さ）×１５０ｍｍ（幅）
下部背面壁部（１４）の寸法：１００ｍｍ（高さ）×１５０ｍｍ（幅）
上部背面壁部（１３）と下部背面壁部（１４）との段差ｄ：２０ｍｍ
吸気口（１０ｂ）の寸法：６０ｍｍ×５６ｍｍ
排気口（１０ｃ）の寸法：１０ｍｍ×３０ｍｍ
排気口（１０ｃ）の数：１９
【００２８】
〈実施例３〉
ケーシング（１０）を下記の仕様のものに変更したこと以外は、実施例１と同様の構成の光照射装置を作製した。
［ケーシング（１０）］
前面壁部（１１）の寸法：２００ｍｍ（高さ）×１５０ｍｍ（幅）
上部背面壁部（１３）の寸法：１００ｍｍ（高さ）×１５０ｍｍ（幅）
下部背面壁部（１４）の寸法：１００ｍｍ（高さ）×１５０ｍｍ（幅）
上部背面壁部（１３）と下部背面壁部（１４）との段差ｄ：１０ｍｍ
吸気口（１０ｂ）の寸法：６０ｍｍ×５６ｍｍ
排気口（１０ｃ）の寸法：１０ｍｍ×３０ｍｍ
排気口（１０ｃ）の数：１９
【００２９】
〈実施例４〉
ケーシング（１０）を下記の仕様のものに変更したこと以外は、実施例１と同様の構成の光照射装置を作製した。
［ケーシング（１０）］
前面壁部（１１）の寸法：２００ｍｍ（高さ）×１５０ｍｍ（幅）
上部背面壁部（１３）の寸法：１００ｍｍ（高さ）×１５０ｍｍ（幅）
下部背面壁部（１４）の寸法：１００ｍｍ（高さ）×１５０ｍｍ（幅）
上部背面壁部（１３）と下部背面壁部（１４）との段差ｄ：５ｍｍ
吸気口（１０ｂ）の寸法：６０ｍｍ×５６ｍｍ
排気口（１０ｃ）の寸法：１０ｍｍ×３０ｍｍ
排気口（１０ｃ）の数：１９
【００３０】
〈比較例１〉
ケーシング（１０）を下記の仕様のものに変更したこと以外は、実施例１と同様の構成の光照射装置を作製した。
［ケーシング（１０）］
前面壁部（１１）の寸法：２００ｍｍ（高さ）×１５０ｍｍ（幅）
上部背面壁部（１３）の寸法：１００ｍｍ（高さ）×１５０ｍｍ（幅）
下部背面壁部（１４）の寸法：１００ｍｍ（高さ）×１５０ｍｍ（幅）
上部背面壁部（１３）と下部背面壁部（１４）との段差ｄ：０ｍｍ
吸気口（１０ｂ）の寸法：６０ｍｍ×５６ｍｍ
排気口（１０ｃ）の寸法：１０ｍｍ×３０ｍｍ
排気口（１０ｃ）の数：１９
【００３１】
［評価］
温度が２５℃に調整された試験室内において、実施例１〜４および比較例１に係る光照射装置の各々を、その背面壁部と試験室の壁との離間距離が３０ｍｍとなる位置に配置し、この状態で、光照射装置の各々を作動させた。そして、光照射装置を作動させてから３０分間経過後に、ケーシングの排気口から排出される空気の温度を測定した。下記結果を表１に示す。
【００３２】
【表１】
【００３３】
表１の結果から明らかなように、実施例１〜４に係る光照射装置によれば、ケーシングの排気口から排出される空気の温度が、試験室の温度に対して＋５℃以下に保たれており、ケーシング内に配置されたＬＥＤ素子および電装部を効率よく冷却することができることが理解される。
【符号の説明】
【００３４】
１ 光照射装置
２ 操作部
３ 表示部
４ 電源用コネクタ
１０ ケーシング
１０ａ 光放射用開口
１０ｂ 吸気口
１０ｃ 排気口
１１ 前面壁部
１２ 背面壁部
１３ 上部背面壁部
１４ 下部背面壁部
１５ 隔壁
１５ａ 開口
１６ 光ファイバ部材
１７ ファン
１８ レンズ
１９ ミラー
２０ ＬＥＤ装置
２１ 基板
２２ 配線
２５ ＬＥＤ素子
２６ 放熱器
２７ フィン
３０ 電装部
Ｓ１ ＬＥＤ装置配置室
Ｓ２ 電装部配置室
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ケーシングの内部にＬＥＤ素子および電装部が配置されてなる光照射装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、接着剤、塗料、インク、レジスト等の硬化処理または乾燥処理を行うために、紫外光を用いる技術が広く利用されている。このような紫外光を照射するための光照射装置としては、ケーシング内に光源として放電ランプを具えてなる光照射装置が特許文献１に記載されている。
この光照射装置においては、直方体状のケーシングの内部に、放電ランプおよびこの放電ランプを点灯させるための電源部が配置され、ケーシングには、その上面を形成する上面壁部に、放電ランプからの光を出射するための光出射部が設けられ、この光出射部が設けられた上面壁部と対向する下面壁部に冷却風の吸気口および排気口が形成されている。 このような光照射装置によれば、ケーシングの下面壁部に冷却風の吸気口および排気口が形成されているため、複数の光照射装置を用いる場合には、それぞれのケーシングの側面が互いに接するよう並べて配置することが可能であり、装置の設置面積が小さく、例えば接着剤、塗料、インク、レジスト等の硬化処理に用いる場合において、スペースを有効に利用して配置することができる。
【０００３】
近年、光照射装置の小型化および省エネルギー化を図るため、光源として放電ランプの代わりにＬＥＤ素子を具えた光照射装置の開発が進められており、このような光照射装置においても、ＬＥＤ素子およびこれを点灯するための電装部を冷却するために、ケーシングに冷却風の吸気口および排気口を形成することが必要であり、これらの吸気口および排気口を、ケーシングにおける同一の壁部に形成することにより、複数の光照射装置を用いる場合において、スペースを有効に利用して配置することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開２００１−０１４９４１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、このような光照射装置においては、以下のような問題がある。
ケーシングの吸気口から当該ケーシングの内部に取り込まれた空気は、ＬＥＤ素子や電装部を冷却することにより、ＬＥＤ素子や電装部から発生する熱によって温められた状態で、ケーシングの排気口から当該ケーシングの外部に排気される。
然るに、ケーシングにおける同一の壁部に、冷却風の吸気口および排気口を形成した場合には、ケーシングの排気口から排気された空気が、再び吸気口からケーシングの内部に取り込まれやすいため、ケーシングの内部に配置されたＬＥＤ素子および電装部を効率よく冷却することが困難である。
また、ケーシングにおける異なる壁部に吸気口および排気口を形成すると、複数の光照射装置を用いる場合において、光照射装置の各々を、互いに離間して配置することが必要となるため、スペースを有効に利用して配置することが困難となる。
【０００６】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、ケーシングの内部に配置されたＬＥＤ素子および電装部を効率よく冷却することができ、スペースを有効に利用して配置することができる光照射装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明の光照射装置は、前面壁部および当該前面壁部に対向する背面壁部を有するケーシングと、このケーシングの内部に配置されたＬＥＤ素子および電装部とを具えてなり、前記ケーシングにおける前面壁部に、前記ＬＥＤ素子からの光を当該ケーシングの外部に放射するための光放射用開口が形成された光照射装置において、
前記ケーシングにおける背面壁部が、上部背面壁部と、この上部背面壁部よりも当該ケーシングの前面壁部からの離間距離が大きい下部背面壁部とを有し、
前記ケーシングにおける上部背面壁部に、当該ケーシングの内部に冷却風を引き込む吸気口が形成されていると共に、前記ケーシングにおける下部背面壁部に、当該ケーシングの外部に冷却風を排出する排気口が形成されていることを特徴とする。
【０００８】
本発明の光照射装置においては、前記ＬＥＤ素子は、紫外光を放射するものであることが好ましい。
また、前記ケーシングにおける光放射用開口には、前記ＬＥＤ素子からの光が基端に入射されて先端から出射される光ファイバ部材が挿入されていることが好ましい。
【発明の効果】
【０００９】
本発明の光照射装置によれば、ケーシングにおける背面壁部が、上部背面壁部およびこの上部背面壁部よりも当該ケーシングの前面壁部からの離間距離が大きい下部背面壁部を有し、当該上部背面壁部に冷却風の吸気口が形成されていると共に、当該下部背面壁部に冷却風の排気口が形成されていることにより、排気口から排出された空気が吸気口からケーシングの内部に再び引き込まれることが抑制されるので、ケーシングの内部に配置されたＬＥＤ素子および電装部を効率よく冷却することができる。
また、ケーシングの前面壁部に光放射用開口が形成されていると共に、当該ケーシングの背面壁部に冷却風の吸気口および排気口が形成されていることにより、複数の光照射装置を、それぞれのケーシングの側面が互いに接するよう水平に並べて配置したり、それぞれのケーシングの上面および下面が互いに接するよう積み重ねて配置したりすることが可能であるため、例えば接着剤、塗料、インク、レジスト等の硬化処理に用いる場合において、スペースを有効に利用して配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１０】
【図１】本発明の光照射装置の一例における外観を示す説明図であって、（ａ）は斜め前方から見た斜視図、（ｂ）は斜め後方から見た斜視図である。
【図２】図１に示す光照射装置のケーシングの内部の構成を示す側面断面図である。
【図３】図１に示す光照射装置のケーシングにおけるＬＥＤ配置室内の構成を示す平面断面図である。
【図４】図１に示す光照射装置におけるＬＥＤ装置の平面図である。
【図５】図１に示す光照射装置の複数が、それぞれのケーシングの側面が互いに接するよう水平に並べて配置された状態を示す説明図であって、（ａ）は斜め前方から見た斜視図、（ｂ）は斜め後方から見た斜視図である。
【図６】本発明の光照射装置の他の例におけるケーシングの内部の構成を示す側面断面図である。
【図７】本発明の光照射装置におけるＬＥＤ装置の変形例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【００１１】
以下、本発明の光照射装置の実施の形態について説明する。
図１は、本発明の光照射装置の一例における外観を示す説明図であって、（ａ）は斜め前方から見た斜視図、（ｂ）は斜め後方から見た斜視図であり、図２は、図１に示す光照射装置のケーシングの内部の構成を示す側面断面図であり、図３は、図１に示す光照射装置のケーシングにおけるＬＥＤ配置室内の構成を示す平面断面図である。
この光照射装置１は、前面形成する前面壁部１１と、この前面壁部１１に対向する、背面を形成する背面壁部１２とを有するケーシング１０を具えており、このケーシング１０の内部にＬＥＤ素子２５を具えたＬＥＤ装置２０および電装部３０が配置されている。図示の例では、ケーシング１０の前面に、操作部２および表示部３が設けられ、ケーシング１０の背面に，電装部３０に接続された電源用コネクタ４が設けられている。
【００１２】
ケーシング１０の内部は、水平な隔壁１５によって上下に区画されることにより、当該隔壁１５の上方に、ＬＥＤ装置２０が配置されたＬＥＤ装置配置室Ｓ１が形成されていると共に、当該隔壁１５の下方に、電装部３０が配置された電装部配置室Ｓ２が形成されており、ＬＥＤ装置配置室Ｓ１および電装部配置室Ｓ２は、隔壁１５における前面壁部１１とＬＥＤ装置２０との間に位置する箇所に形成された開口１５ａを介して、互いに連通している。
【００１３】
ケーシング１０における前面壁部１１の上側部分には、ＬＥＤ素子２５からの光をケーシング１０の外部に放射するための光放射用開口１０ａが形成されている。
また、ケーシング１０における背面壁部１２は、ＬＥＤ装置配置室Ｓ１を形成する上部背面壁部１３と、この上部背面壁部１３よりも前面壁部１１からの離間距離が大きい、電装部配置室Ｓ２を形成する下部背面壁部１４とを有し、ケーシング１０における上部背面壁部１３には、当該ケーシング１０の内部に冷却風を引き込む吸気口１０ｂが形成されており、ケーシング１０における下部背面壁部１４には、当該ケーシング１０の外部に冷却風を排出する複数の排気口１０ｃが形成されている。
【００１４】
背面壁部１２における上部背面壁部１３と下部背面壁部１４との段差ｄは、５ｍｍ以上であることが好ましく、より好ましくは２０ｍｍである。この段差ｄが過小である場合には、排気口１０ｃから排出された空気が吸気口１０ｂからケーシング１０の内部に再び引き込まれやすくなるため、ケーシング１０の内部に配置されたＬＥＤ素子２５および電装部３０を効率よく冷却することが困難となることがある。一方、この段差ｄが過大である場合には、ケーシング１０の下側部分の寸法が大きくなるため、光照射装置１の小型化が困難となることがある。
【００１５】
また、ケーシング１０の光放射用開口１０ａには、ＬＥＤ素子２５からの光が基端に入射されて先端から出射される、可撓性を有する光ファイバ部材１６が挿入されており、この光ファイバ部材１６の先端の向きを変えることによって、所要の方向に光を出射すことができる。
また、ケーシング１０の吸気口１０ｂには、当該吸気口１０ｂから空気を引き込むためのファン１７が設けられている。
【００１６】
ＬＥＤ装置２０は、図４にも示すように、表面に配線２２が形成された基板２１を有し、この基板２１の表面上にＬＥＤ素子２５が配置され、一方、基板２１の裏面には、複数のフィン２７を有する、例えばアルミニウムよりなる放熱器２６が設けられている。そして、ＬＥＤ装置２０は、ＬＥＤ素子２５が光ファイバ部材１６の基端面に対向し、放熱器２６がファン１７に対向するよう配置されている。
この例におけるＬＥＤ素子２５は、紫外光を放射するものであって、このようなＬＥＤ素子２５としては、インジウム（Ｉｎ）、アルミニウム（Ａｌ）を含む窒化ガリウム（ＧａＮ）系の材料よりなる発光層を有するものを用いることができる。
【００１７】
電装部３０においては、ＬＥＤ装置２０およびファン１７に電力を供給する電源が備えられており、この他に、これらの動作を制御する基板が備えられていてもよい。
【００１８】
上記の光照射装置１においては、ＬＥＤ装置２０におけるＬＥＤ素子２５が点灯されると、当該ＬＥＤ素子２５からの光が光ファイバ部材１６の基端に入射され、当該光ファイバ部材１６の先端から出射される。
一方、ファン１７が駆動されることにより、ケーシング１０の吸気口１０ｂから当該ケーシング１０の内部におけるＬＥＤ装置配置室Ｓ１に冷却風が引き込まれる。そして、この冷却風がＬＥＤ装置２０における放熱器２６に衝突することにより、当該ＬＥＤ装置２０が冷却され、更に、冷却風が、隔壁１５の開口１５ａを介して電装部配置室Ｓ２に導入されて流過することにより、電装部３０が冷却され、その後、ケーシング１０の排気口１０ｃから外部に排出される。このとき、ケーシング１０の吸気口１０ｂから当該ケーシング１０の内部に取り込まれた空気は、ＬＥＤ装置２０および電装部３０を冷却することにより、ＬＥＤ装置２０および電装部３０から発生する熱によって温められた状態で、ケーシング１０の排気口１０ｃから当該ケーシング１０の外部に排気される。
以上において、ファン１７による冷却風の風量は、０．１〜３．０ｍｍ3 ／ｍｉｎであることが好ましい。
【００１９】
このような光照射装置１によれば、ケーシング１０の背面壁部１２が、上部背面壁部１３およびこの上部背面壁部１３よりも当該ケーシング１０の前面壁部１１からの離間距離が大きい下部背面壁部１４を有し、当該上部背面壁部１３に冷却風の吸気口１０ｂが形成されていると共に、当該下部背面壁部１４に冷却風の排気口１０ｃが形成されていることにより、排気口１０ｃから排出される空気が再び吸気口１０ｂからケーシング１０の内部に引き込まれることが抑制されるので、ケーシング１０の内部に配置されたＬＥＤ素子２５および電装部３０を効率よく冷却することができる。
【００２０】
また、上記の光照射装置１においては、ケーシング１０の前面壁部１１に光放射用開口１０ａが形成されていると共に、当該ケーシング１０の背面壁部１２に冷却風の吸気口１０ｂおよび排気口１０ｃが形成されているため、図５に示すように、複数の光照射装置１を、それぞれのケーシング１０の側面が互いに接するよう水平に並べて配置することが可能であり、或いは、それぞれのケーシング１０の上面および下面が互いに接するよう積み重ねて配置することも可能である。従って、光照射装置１を、例えば接着剤、塗料、インク、レジスト等の硬化処理に用いる場合において、スペースを有効に利用することができる。
【００２１】
図６は、本発明の光照射装置の他の例におけるケーシングの内部の構成を示す側面断面図である。この光照射装置１は、ケーシング１０の前面壁部１１に形成された光放射用開口１０ａに、光ファイバ部材が挿入される代わりにレンズ１８が配置されていると共に、このレンズ１８の前方に当該レンズ１８からの光を下方に反射するミラー１９が設けられていること以外は図１〜図３に示す光照射装置１と同様の構成である。
【００２２】
この光照射装置１においては、ＬＥＤ装置２０におけるＬＥＤ素子２５が点灯されると、当該ＬＥＤ素子２５からの光がレンズ１８およびミラー１９を介して出射される。
一方、ファン１７が駆動されることにより、ケーシング１０の吸気口１０ｂから当該ケーシング１０の内部におけるＬＥＤ装置配置室Ｓ１に冷却風が引き込まれる。そして、この冷却風がＬＥＤ装置２０における放熱器２６に衝突することにより、当該ＬＥＤ装置２０が冷却され、更に、冷却風が、隔壁１５の開口１５ａを介して電装部配置室Ｓ２に導入されて流過することにより、電装部３０が冷却され、その後、ケーシング１０の排気口１０ｃから外部に排出される。
【００２３】
このような光照射装置１によれば、ケーシング１０の背面壁部１２が、上部背面壁部１３およびこの上部背面壁部１３よりも当該ケーシング１０の前面壁部１１からの離間距離が大きい下部背面壁部１４を有し、当該上部背面壁部１３に冷却風の吸気口１０ｂが形成されていると共に、当該下部背面壁部１４に冷却風の排気口１０ｃが形成されていることにより、排気口１０ｃから排出される空気が再び吸気口１０ｂからケーシング１０の内部に引き込まれることが抑制されるので、ケーシング１０の内部に配置されたＬＥＤ素子２５および電装部３０を効率よく冷却することができる。
また、ケーシング１０の前面壁部１１に光放射用開口１０ａが形成されていると共に、当該ケーシング１０の背面壁部１２に冷却風の吸気口１０ｂおよび排気口１０ｃが形成されていることにより、複数の光照射装置１を、それぞれのケーシング１０の側面が互いに接するよう水平に並べて配置したり、それぞれのケーシング１０の上面および下面が互いに接するよう積み重ねて配置したりすることが可能であるため、例えば接着剤、塗料、インク、レジスト等の硬化処理に用いる場合において、スペースを有効に利用して配置することができる。
【００２４】
以上、本発明の光照射装置の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されず、種々の変更を加えることが可能である。
例えばＬＥＤ装置２０は、図７に示すように、基板２１の表面上に複数のＬＥＤ素子２５が配置されてなるものであってもよい。
また、ＬＥＤ素子２５は紫外光を放射するものに限定されず、例えば可視光を放射するものであってもよい。
【実施例】
【００２５】
以下、本発明の光照射装置の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【００２６】
〈実施例１〉
図１および図２の構成に従い、下記の仕様の光照射装置を作製した。
［ケーシング（１０）］
前面壁部（１１）の寸法：２００ｍｍ（高さ）×１５０ｍｍ（幅）
上部背面壁部（１３）の寸法：１００ｍｍ（高さ）×１５０ｍｍ（幅）
下部背面壁部（１４）の寸法：１００ｍｍ（高さ）×１５０ｍｍ（幅）
上部背面壁部（１３）と下部背面壁部（１４）との段差ｄ：４０ｍｍ
吸気口（１０ｂ）の寸法：６０ｍｍ×５６ｍｍ
排気口（１０ｃ）の寸法：１０ｍｍ×３０ｍｍ
排気口（１０ｃ）の数：１９
［ＬＥＤ装置（２０）］
ＬＥＤ素子（２５）：窒化ガリウム（ＧａＮ）系材料よりなる発光層を有する、発光ピーク波長が３６５ｎｍで、定格電力が３０Ｗのもの。
放熱器（２６）の材質：アルミニウム
放熱器（２６）の底部の寸法：６０ｍｍ×６０ｍｍ
放熱器（２６）のフィン（２７）の寸法：６０ｍｍ×４０ｍｍ×０．７ｍｍ
放熱器（２６）のフィン（２７）の数：３３
放熱器（２６）のフィン（２７）の離間距離：１．８ｍｍ
［ファン（１７）］
寸法：６０ｍｍ×６０ｍｍ
風量：０．７ｍ3 ／ｍｉｎ
【００２７】
〈実施例２〉
ケーシング（１０）を下記の仕様のものに変更したこと以外は、実施例１と同様の構成の光照射装置を作製した。
［ケーシング（１０）］
前面壁部（１１）の寸法：２００ｍｍ（高さ）×１５０ｍｍ（幅）
上部背面壁部（１３）の寸法：１００ｍｍ（高さ）×１５０ｍｍ（幅）
下部背面壁部（１４）の寸法：１００ｍｍ（高さ）×１５０ｍｍ（幅）
上部背面壁部（１３）と下部背面壁部（１４）との段差ｄ：２０ｍｍ
吸気口（１０ｂ）の寸法：６０ｍｍ×５６ｍｍ
排気口（１０ｃ）の寸法：１０ｍｍ×３０ｍｍ
排気口（１０ｃ）の数：１９
【００２８】
〈実施例３〉
ケーシング（１０）を下記の仕様のものに変更したこと以外は、実施例１と同様の構成の光照射装置を作製した。
［ケーシング（１０）］
前面壁部（１１）の寸法：２００ｍｍ（高さ）×１５０ｍｍ（幅）
上部背面壁部（１３）の寸法：１００ｍｍ（高さ）×１５０ｍｍ（幅）
下部背面壁部（１４）の寸法：１００ｍｍ（高さ）×１５０ｍｍ（幅）
上部背面壁部（１３）と下部背面壁部（１４）との段差ｄ：１０ｍｍ
吸気口（１０ｂ）の寸法：６０ｍｍ×５６ｍｍ
排気口（１０ｃ）の寸法：１０ｍｍ×３０ｍｍ
排気口（１０ｃ）の数：１９
【００２９】
〈実施例４〉
ケーシング（１０）を下記の仕様のものに変更したこと以外は、実施例１と同様の構成の光照射装置を作製した。
［ケーシング（１０）］
前面壁部（１１）の寸法：２００ｍｍ（高さ）×１５０ｍｍ（幅）
上部背面壁部（１３）の寸法：１００ｍｍ（高さ）×１５０ｍｍ（幅）
下部背面壁部（１４）の寸法：１００ｍｍ（高さ）×１５０ｍｍ（幅）
上部背面壁部（１３）と下部背面壁部（１４）との段差ｄ：５ｍｍ
吸気口（１０ｂ）の寸法：６０ｍｍ×５６ｍｍ
排気口（１０ｃ）の寸法：１０ｍｍ×３０ｍｍ
排気口（１０ｃ）の数：１９
【００３０】
〈比較例１〉
ケーシング（１０）を下記の仕様のものに変更したこと以外は、実施例１と同様の構成の光照射装置を作製した。
［ケーシング（１０）］
前面壁部（１１）の寸法：２００ｍｍ（高さ）×１５０ｍｍ（幅）
上部背面壁部（１３）の寸法：１００ｍｍ（高さ）×１５０ｍｍ（幅）
下部背面壁部（１４）の寸法：１００ｍｍ（高さ）×１５０ｍｍ（幅）
上部背面壁部（１３）と下部背面壁部（１４）との段差ｄ：０ｍｍ
吸気口（１０ｂ）の寸法：６０ｍｍ×５６ｍｍ
排気口（１０ｃ）の寸法：１０ｍｍ×３０ｍｍ
排気口（１０ｃ）の数：１９
【００３１】
［評価］
温度が２５℃に調整された試験室内において、実施例１〜４および比較例１に係る光照射装置の各々を、その背面壁部と試験室の壁との離間距離が３０ｍｍとなる位置に配置し、この状態で、光照射装置の各々を作動させた。そして、光照射装置を作動させてから３０分間経過後に、ケーシングの排気口から排出される空気の温度を測定した。下記結果を表１に示す。
【００３２】
【表１】
【００３３】
表１の結果から明らかなように、実施例１〜４に係る光照射装置によれば、ケーシングの排気口から排出される空気の温度が、試験室の温度に対して＋５℃以下に保たれており、ケーシング内に配置されたＬＥＤ素子および電装部を効率よく冷却することができることが理解される。
【符号の説明】
【００３４】
１ 光照射装置
２ 操作部
３ 表示部
４ 電源用コネクタ
１０ ケーシング
１０ａ 光放射用開口
１０ｂ 吸気口
１０ｃ 排気口
１１ 前面壁部
１２ 背面壁部
１３ 上部背面壁部
１４ 下部背面壁部
１５ 隔壁
１５ａ 開口
１６ 光ファイバ部材
１７ ファン
１８ レンズ
１９ ミラー
２０ ＬＥＤ装置
２１ 基板
２２ 配線
２５ ＬＥＤ素子
２６ 放熱器
２７ フィン
３０ 電装部
Ｓ１ ＬＥＤ装置配置室
Ｓ２ 電装部配置室
【特許請求の範囲】
【請求項１】
前面壁部および当該前面壁部に対向する背面壁部を有するケーシングと、このケーシングの内部に配置されたＬＥＤ素子および電装部とを具えてなり、前記ケーシングにおける前面壁部に、前記ＬＥＤ素子からの光を当該ケーシングの外部に放射するための光放射用開口が形成された光照射装置において、
前記ケーシングにおける背面壁部が、上部背面壁部と、この上部背面壁部よりも当該ケーシングの前面壁部からの離間距離が大きい下部背面壁部とを有し、
前記ケーシングにおける上部背面壁部に、当該ケーシングの内部に冷却風を引き込む吸気口が形成されていると共に、前記ケーシングにおける下部背面壁部に、当該ケーシングの外部に冷却風を排出する排気口が形成されていることを特徴とする光照射装置。
【請求項２】
前記ＬＥＤ素子は、紫外光を放射するものであることを特徴とする請求項１に記載の光照射装置。
【請求項３】
前記ケーシングにおける光放射用開口には、前記ＬＥＤ素子からの光が基端に入射されて先端から出射される光ファイバ部材が挿入されていることを特徴とする請求項１または請求項２に記載の光照射装置。
【請求項１】
前面壁部および当該前面壁部に対向する背面壁部を有するケーシングと、このケーシングの内部に配置されたＬＥＤ素子および電装部とを具えてなり、前記ケーシングにおける前面壁部に、前記ＬＥＤ素子からの光を当該ケーシングの外部に放射するための光放射用開口が形成された光照射装置において、
前記ケーシングにおける背面壁部が、上部背面壁部と、この上部背面壁部よりも当該ケーシングの前面壁部からの離間距離が大きい下部背面壁部とを有し、
前記ケーシングにおける上部背面壁部に、当該ケーシングの内部に冷却風を引き込む吸気口が形成されていると共に、前記ケーシングにおける下部背面壁部に、当該ケーシングの外部に冷却風を排出する排気口が形成されていることを特徴とする光照射装置。
【請求項２】
前記ＬＥＤ素子は、紫外光を放射するものであることを特徴とする請求項１に記載の光照射装置。
【請求項３】
前記ケーシングにおける光放射用開口には、前記ＬＥＤ素子からの光が基端に入射されて先端から出射される光ファイバ部材が挿入されていることを特徴とする請求項１または請求項２に記載の光照射装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【公開番号】特開２０１３−５４８７４（Ｐ２０１３−５４８７４Ａ）
【公開日】平成２５年３月２１日（２０１３．３．２１）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−１９１３０６（Ｐ２０１１−１９１３０６）
【出願日】平成２３年９月２日（２０１１．９．２）
【出願人】（０００１０２２１２）ウシオ電機株式会社 (1,414)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２５年３月２１日（２０１３．３．２１）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年９月２日（２０１１．９．２）
【出願人】（０００１０２２１２）ウシオ電機株式会社 (1,414)
【Ｆターム（参考）】
[ Back to top ]