説明

光線力学的治療剤

【課題】 生体内における安定性が高く、可視光の照射下により患部の深部においても効果的に病原体を殺滅して疾病を治療することができる光線力学的治療剤を提供する。
【解決手段】 表面に担持された有機色素の単分子層により光化学的に増感された無機酸化物半導体超微粒子の水性液体分散体であり、該有機色素に由来する波長400nm以上の光学吸収を示す感光性組成物からなる光線力学的治療剤とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可視光を照射することにより、人間の疾病の原因となる細菌、ウイルスのような微生物や癌細胞のような病原体を殺滅して、疾病を治療するための光線力学的治療剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポルフィリンやフタロシアニンのような有機色素を光感受体として、患部に可視光を照射して、肺癌、胃癌、子宮癌、皮膚癌などの癌を治療する方法は、いわゆる光線力学的治療(photodynamic therapy、以下PDTと略す)として実用化され、この方法に用いる有機色素として、各種の色素が提案されている(非特許文献1参照)。
【0003】
そして、このPDTにおいては、感光性色素の存在下、水や酸素の光化学反応により生成する一重項酸素やヒドロキシラジカルなどの活性酸素、あるいはそれから発生するラジカル種が、細胞の活動や増殖を阻害する結果、癌細胞が破壊され、治療効果を奏すると考えられており、したがってPDTに使用される感光性色素については、光化学的に高い酸化還元作用を示すことが必要である。
【0004】
ところで、PDTについては、患者への負担を最小限に抑え、治療効果を高める目的から、光照射による治療時間が短く、治療速度が速いこと、正常細胞への副作用が少ないことが要求され、さらに治療剤については、患部の深部までも効率よく光を受容できること、治療のターゲットとなる細胞に対する蓄積効果が高いこと、細胞内の代謝に際し、適正の分解速度を示すなどの性質が要求される。そして、このようなものとして、これまでに色素単体を感光性物質として含む組成物が提案されている(特許文献1ないし5参照)。
【0005】
しかしながら、一般に有機色素分子は、体内でマクロファージや酵素などにより分解するため、色素単体を感光性物質として含む組成物は、投与したのちに生体内での安定性を欠き、寿命が短くなるという欠点がある。このような欠点を改良するために、例えば色素をリポソームなどに担持・内包させて投与する方法が提案されているが(特許文献6、特許文献7参照)、色素を担持・内包させるには煩雑な操作を必要とする上に、コスト高になるのを免れない。
【0006】
一方、有機色素の代りに、生体内での分解速度が低い無機物質、例えば酸化チタンの光触媒反応を利用して癌細胞を殺滅する方法の研究も行われている(非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4参照)。
【0007】
しかしながら、酸化チタンのような金属酸化物は、紫外線の波長領域で光吸収するだけであるため、PDTに利用する場合、紫外線を含む光照射を用いなければならないという制限があるが、紫外線の照射では患部の表面のみ吸収されるのみで、深部までには到達しないので、高い治療効果が得られないという欠点がある。
【0008】
【特許文献1】特開2003−261787号公報(特許請求の範囲その他)
【特許文献2】特開2002−212455号公報(特許請求の範囲その他)
【特許文献3】特開2000−7693号公報(特許請求の範囲その他)
【特許文献4】特開2004−513948号公報(特許請求の範囲その他)
【特許文献5】国際公開第02/020621号パンフレット(特許請求の範囲その他)
【特許文献6】特開平6−122628号公報(特許請求の範囲その他)
【特許文献7】特表平11−509834号公報(特許請求の範囲その他)
【非特許文献1】加藤治文監修、「PDTハンドブック」、医学書院発行、2002年p.1−10
【非特許文献2】「ブリテッシュ・ジャーナル・オブ・キャンサー(Br.J.Cancer)」、第70巻(6)、p.1107−11(1994)
【非特許文献3】「ビオシミカ・エ・ビオフィシカ・アクタ(Biochim.biophys.Acta)」、第1201巻(2)、p.259−65(1994)
【非特許文献4】「キャンサー・リサーチ(Cancer Res)」、第52巻(8)、p.2346−8(1992)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、生体内における安定性が高く、可視光の照射下により患部の深部においても効果的に病原体を殺滅して疾病を治療することができる光線力学的治療剤を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、可視光の照射により患部の深部においても病原体に作用し、これを効果的に殺滅し得る光線力学的治療剤を開発するために鋭意研究を重ねた結果、表面に有機色素の単分子層を担持させることにより、光化学的に増感された無機酸化物半導体の超微粒子を水に分散させてなる水性液体組成物により、その目的を達成できることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、表面に担持された有機色素の単分子層により光化学的に増感された無機酸化物半導体超微粒子の水性液体分散体であり、該有機色素に由来する波長400nm以上の光学吸収を示す感光性組成物からなる光線力学的治療剤を提供するものである。
【0012】
次に、本発明を構成する感光性組成物について詳細に説明する。
本発明で用いる無機酸化物半導体の超微粒子としては、n型の金属酸化物半導体、例えば酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化ニオブ、酸化タングステン、酸化カルシウムとその複合酸化物などが挙げられるが、生体内での化学的安定性の点で好ましい半導体は、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化カルシウムとその複合酸化物であり、生体への安全性の点で酸化チタン特に二酸化チタン(TiO2)が好ましい。
【0013】
これらの半導体粒子は、結晶性であっても非結晶(アモルファス)であってもよいが、結晶性であることが好ましい。酸化チタンを用いる場合、結晶形としてアナターゼとルチルそしてブルッカイト(Brookite)を用いることができるが、ブルッカイトを用いることがナノ粒子の分散性が高い点において、特に好ましい。
【0014】
本発明に用いる無機酸化物半導体の超微粒子は、その平均粒子径が40nm以下のナノ粒子である。この平均粒子径は、2nm以上35nm以下、特に2nm以上30nm以下が好ましい。これらのナノ粒子の形状は、球形、多面体、チューブ状、フィラメント状、無定形のいずれであってもよいが、色素担持面積が大きい点と細胞膜通過適性の点で多面体であることが好ましい。
【0015】
このようなナノサイズをもつ半導体微粒子の作製法の例としては、作花済夫の「ゾル−ゲル法の科学」、アグネ承風社(1998年)等に記載のゾル−ゲル法、金属塩化物を酸水素塩中で高温加水分解により酸化物を作製する方法や、金属化合物を気相中、高温で熱分解して超微粒子とするいわゆる気相合成法などが用いられる。ナノ粒子の平均粒子径は、レーザー光散乱法による測定や走査型電子顕微鏡によるサイズ観察によって決定することができる。
【0016】
上記の超微粒子には、粒子の光吸収波長を長波長に延長する目的あるいは粒子の化学的、物理的性質を改善する目的で、各種の元素をドープすることができる。これらのドープ元素として、窒素、炭素、アルカリ金属元素、遷移金属元素などを用いることができる。また、超微粒子の表面を異種の金属酸化物や金属の薄膜で覆うこともできる。例えば、酸化ケイ素(シリカ)、酸化アルミニウム(アルミナ)、アパタイトなどの絶縁性材料や炭素などの導電材料で表面の一部を覆うことができる。
【0017】
本発明において用いる酸化物半導体の超微粒子は、それを光化学的に増感することのできる有機色素を単分子層として表面に担持することによって、増感されていることが必要である。このように色素増感された酸化物半導体超微粒子は水に分散され、水性液体組成物に調製される。このものは、少なくとも波長400nm以上に該有機色素に由来する光学吸収を有することが必要である。また、色素増感された酸化物半導体超微粒子を分散した水性液体組成物は、500nm以上の波長に光学吸収を有することが好ましく、550nm以上に光学吸収を有することがさらに好ましい。
【0018】
上記の光学吸収の測定は、粒子が光散乱を通常引き起こして可視光の波長領域でバックグラウンドの光吸収値が上昇することから、積分球を使った分光吸収測定法によって、光反射を除く実質の光吸収率の測定をもとにして行わなければならない。
【0019】
有機色素として本発明で用いることができるものは、有機色素が表面担持される酸化物半導体に対して、該有機色素の光励起状態からの電子注入が可能な有機色素である。本発明で、細胞殺滅効果を与える仕組みとしては、色素の光増感電子移動による活性酸素種の生成が考えられる。
【0020】
光励起された色素から半導体の伝導帯への電子注入が起こると、化学的還元力をもつ伝導帯の電子は最終的に半導体粒子から発生し、外液に存在する酸素分子(溶存酸素)などの化学種に移行し、活性なラジカル種を生成する。一方、色素の酸化体は外液の化学種と反応してこれを酸化し、例えば、水の水酸イオン(OH-)と反応して活性はOHラジカルを生成する。このようにして、細胞の生存を阻害する化学的な活性種が色素の光化学電子移動反応によって生じると考えられる。
【0021】
有機色素としては、例えばシアニン系、メロシアニン系、オキソノール系、キサンテン系、スクワリリウム系、ポリメチン系、クマリン系、リボフラビン系、ペリレン系などの有機色素、Ru錯体や金属フタロシアニン誘導体、金属ポルフィリン誘導体、クロロフィル誘導体などの錯体系色素のほか、吉田 司ら、「機能材料」、2003年6月号、5頁〜18頁に記載のある合成色素と天然色素、K.Haraら、「J.Chem.Phys.」B.107巻,597頁(2003年)とその参考文献に記載されるクマリンを中心とする有機色素を用いることができる。
【0022】
このような有機色素として好ましいものは、カボキシル基、水酸基、リン酸基、スルホン酸基、硫酸基から選ばれる官能基を構造中にもつ色素である。また、このような官能基をもつ有機色素は水溶性であることが好ましい。水溶性として、少なくとも中性の水に対して25℃において10-5モル/リットルの溶解度を持つことが好ましい。また、色素には、天然由来の色素が生体適合性に優れる点から好ましく選ばれる。
【0023】
本発明において好ましい色素の具体例としては、クロリンを含めるクロロフィル誘導体(カルボキシル基を有する)、ポルフィリン類の水溶性誘導体、エオシン(フェノール性OH基あるいはカルボキシル基を有する)、アントシアニン類(フェノール性のOH基を有する)、シアニン類の水溶性誘導体、などが挙げられる。これらの色素は、水溶液として光学吸収最大波長が500nm以上に位置することが好ましい。
【0024】
本発明で用いる水性液体組成物において色素増感半導体超微粒子を分散する溶媒には、水が主体として用いられる。水以外に有機溶媒が混合される場合は、水の含有量は少なくとも70%以上であることが必要であり、90%以上であることが好ましく、95%以上であることがさらに好ましい。水以外の有機物としてはエタノールやグリセリンなどのアルコール類やラクトン類が挙げられる。また、水性液体組成物はそのpHが5以上8.5以下であることが必要であり、6以上8以下であることが好ましい。さらに、水性液体組成物は生理食塩水に分散された中性の組成物であることが最も好ましい。
【0025】
本発明の水性液体組成物には、超微粒子の分散助剤などの目的で、各種の有機系添加剤を併用することができる。このような添加物としては、シクロデキストリン、キチンやキトサンの誘導体、ポリエチレングリコール、ゼラチンなどのコラーゲン、リン脂質やコール酸などの天然界面活性物質、ポリオキシエチレンアルキルエーテルや脂肪酸塩などの界面活性剤、などが挙げられる。
【0026】
本発明の水性液体組成物の調製には例えば次のような方法がある。
すなわち、平均粒子径が30nm以下の酸化チタンナノ粒子が凝集することなく均一に分散した中性の生理食塩水を用意し、これに増感色素を溶解した生理食塩水を添加して、混合する。混合液を、室温から40℃の温度範囲内で撹拌下で終夜放置して増感色素を酸化チタンナノ粒子に化学吸着させる。粒子に対する色素の添加量を調整し、吸着によっても粒子が凝集を引き起こさないことを確認して水性液体組成物を調製する。
【0027】
本発明の水性液体組成物における無機酸化物超微粒子の含有量は、2質量%以上20質量%以下であることが好ましく、5質量%以上15質量%以下であることがさらに好ましい。
【0028】
本発明の水性液体組成物を光線力学的治療の薬剤に用いる場合は、本組成物を治療すべき患部に対して皮下注射、静脈注射、外科的手段などによって投与し、患部と被験者を一定時間の間、光に暴露しない環境に静置したのちに、患部に対して一定時間の光照射を行う。この光照射には、人工拡散光源、レーザーなど各種の光源を用いることができるが、好ましい光源としては、ハロゲン灯、キセノン灯、メタルハライド灯が挙げられる。光源としてLEDや有機EL素子などの発光素子を用いることもできる。本発明の組成物を薬剤に用いるPDTでは、可視光に強い放射強度スペクトルを持つ光源としてメタルハライド灯を活用することが特に好ましい。
【0029】
本発明の水性液体組成物を、微生物の殺滅に用いる場合は、本組成物を微生物の存在する部分に投与し、投与した領域を自然太陽光に曝すか、もしくは人工光源によって一定時間光照射する。人工光源によって照射する場合は、紫外光をフィルター等でカットした光を照射することが好ましい。
【0030】
本発明の水性液体組成物を光線力学的治療に用いる場合、治療のターゲットとなる生物として好ましいものは、癌細胞、粥状動脈硬化病変、関節リウマチ病変、難治性疣贅、尋常性座瘡、パピロマーウイルスなどが挙げられる。このうち、好ましいものは癌細胞である。癌細胞の中でも治療効果が上がるものとして好ましいものは基底細胞癌、ボーエン病、日光角化症などの皮膚癌である。
【0031】
本発明の水性液体組成物は治療だけでなく、例えば、大腸菌、緑膿菌、サルモネラ菌などの細菌に対する殺菌あるいは抗菌にも利用することができる。また、クラドスポリウム(クロカビ)、アルペルギウスなどのカビの除去あるいは発生防止にも用いることができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、可視光線を用いて患部の深い組織まで効果的に病原体、特に癌細胞を殺滅し得る光線力学的治療剤を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、実施例により本発明を実施するための最良の形態を説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
【実施例1】
【0034】
(1)光線力学的治療剤の調製
ブルッカイト型の結晶性酸化チタンナノ粒子(平均粒子径15nm)を10質量%含有する水分散液10ml(pH6)に対して、色素として、紫イモから抽出したアントシアニン(日農化学製)を5mMの濃度で含む水溶液を100μl添加し、よく混合した後に、暗中40℃で終夜、混合液を放置して、色素を酸化チタンナノ粒子の表面に吸着させた。
次に、色素吸着ナノ粒子が分散された水溶液に、リン酸ナトリウムとリン酸カリウムなどを添加して、水溶液の組成を生理食塩水に近い組成となるように調製し、分散組成物のpHを最終的に7.0〜7.2に調節した。このようにして、二酸化チタンの含有量が約10質量%であり、分光吸収スペクトル測定において、550から600nmに光学吸収のピークを有する光線力学的治療剤を得た。
【0035】
(2)光線力学的治療の実験
5×105個/mlのマウス胸腺リンパ系腫瘍細胞に、上記の光線力学的治療剤を50μl添加し、暗所、37℃、5%CO2の条件で所定時間放置した。放置後、メタルハライドランプを用いて550〜750nmの放射スペクトルを持つ光を1時間照射し、照射後、トリパンブルーを用いて細胞の生存率を測定した。生存率が小さいほど、細胞殺滅効果が高いことを意味する。その結果を表1に示す。
【実施例2】
【0036】
実施例1(1)におけるアントシアニンの代りに、食品添加物であるファストグリーンFCF(ナカライテスク社製)を用い、実施例1(1)と同様に処理して、二酸化チタン含有量が約10質量%で、630nm付近に光学吸収のピークを有する光線力学的治療剤を得た。
このようにして得た光線力学的治療剤について実施例1(2)と同様の実験を行って、細胞の生存率を測定した。その結果を表1に示す。
【0037】
比較例1
実施例(1)におけるアントシアニンを吸着した酸化チタンナノ粒子の代りに、アントシアニン単体を用いて光線力学的治療剤を調製し、実施例1(2)と同様の実験を行って、細胞の生存率を測定した。その結果を表1に示す。
【0038】
比較例2
実施例(1)におけるアントシアニンを吸着した酸化チタンナノ粒子の代りに、ファストグリーンFCF単体を用いて光線力学的治療剤を調製し、実施例1(2)と同様の実験を行って、細胞の生存率を測定した。その結果を表1に示す。
【0039】
比較例3
実施例(1)におけるアントシアニンを吸着した酸化チタンナノ粒子の代りに、酸化チタンナノ粒子単体を用いて光線力学的治療剤を調製し、実施例1(2)と同様の実験を行って、細胞の生存率を測定した。その結果を表1に示す。
【0040】
【表1】

【0041】
表1の結果から、アントシアニンあるいはファストグリーンFCFを吸着した酸化チタン微粒子と、550〜750nmの可視光線とを用いることによって、色素単体あるいは酸化チタン微粒子単体より殺細胞効果が高いことが分る。
【実施例3】
【0042】
5×105個/mlのマウス胸腺リンパ系腫瘍細胞に、実施例2で調製した光線力学的治療剤50〜2000μlを添加し、暗所、37℃、5%CO2の条件で所定時間放置した。放置後、メタルハライドランプを用いて550〜750nmの放射スペクトルを持つ光を1時間照射し、照射後、トリパンブルーを用いて細胞の生存率を測定した。その結果を表2に示す。
【0043】
【表2】

【0044】
表2の結果から、ファストグリーンFCFを吸着した酸化チタン微粒子の添加量が増加するとともに、細胞殺滅効果が増加することが分る。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明の光線力学的治療剤は、癌治療に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に担持された有機色素の単分子層により光化学的に増感された無機酸化物半導体超微粒子の水性液体分散体であり、該有機色素に由来する波長400nm以上の光学吸収を示す感光性組成物からなる光線力学的治療剤。
【請求項2】
無機酸化物半導体超微粒子が酸化チタンを主成分とする超微粒子である請求項1記載の光線力学的治療剤。
【請求項3】
酸化チタンがブルッカイト型結晶である請求項2記載の光線力学的治療剤。
【請求項4】
無機酸化物半導体超微粒子が平均粒子径40nm以下である請求項1、2又は3記載の光線力学的治療剤。
【請求項5】
有機色素がカボキシル基、水酸基、リン酸基、スルホン酸基及び硫酸基の中から選ばれた官能基を有する化合物である請求項1ないし4のいずれかに記載の光線力学的治療剤。
【請求項6】
有機色素に由来する波長500nm以上の光学吸収を示す請求項1ないし5のいずれかに記載の光線力学的治療剤。
【請求項7】
癌細胞を殺滅するための請求項1ないし6のいずれかに記載の光線力学的治療剤。

【公開番号】特開2006−34375(P2006−34375A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−214955(P2004−214955)
【出願日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成16年7月2日 第26回日本光医学・光生物学会発行の「第26回 日本光医学・光生物学会」に発表
【出願人】(593232206)学校法人桐蔭学園 (33)
【Fターム(参考)】