説明

光触媒式空気浄化装置

【課題】開口面積が異なっている各種の空気流通路に対して有効に対処できるようになる光触媒式空気浄化装置を提供すること。
【解決手段】空気が流通する空気流通路に、光触媒を担持した光触媒担持部材と、光触媒を励起する発光源とが配置された光触媒式空気浄化装置において、空気流通路50に光触媒ユニット20が配置され、この光触媒ユニット20は、外枠部材21の内部に光触媒担持部材である光触媒シート89と発光源である紫外線ランプ88とが組み込まれたものであり、この光触媒ユニット20は、空気流通路50における空気流通方向と直交する方向に複数個並設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気流通路を流通する空気についての除菌や脱臭等の浄化を光触媒で行うための光触媒式空気浄化装置に係り、例えば、エアーハンドリングユニットを含む各種の空調装置等に利用することができるものである。
【背景技術】
【0002】
建物内のそれぞれの部屋の空気を集中して管理する中央ダクト方式の従来の空調装置は、すなわち、従来のエアーハンドリングユニットは、空気中の塵埃等に対応した各種性能の濾過方式のフィルターを用いたものとなっていたが、この濾過方式のフィルターによると、頻繁にフィルターを交換しなければならないなどの問題があり、このような問題を解消できるものとして、下記の特許文献1には、光触媒方式の空気浄化装置が示されている。この光触媒方式の空気浄化装置では、空気が流通する空気流通路に、光触媒を担持した光触媒担持部材と、光触媒を励起する発光源とが配置されている。発光源からの光が光触媒にあたることによって生ずる酸化作用により、空気中に存在する細菌及び臭気成分や有害成分となっている有機化合物が分解され、これにより、空気流通路を流通する空気についての除菌や脱臭等の浄化が行われる。
【特許文献1】特開2007−307297号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
光触媒方式の空気浄化装置が配置されるべき空気流通路には、各種の開口面積を有するものがあり、エアーハンドリングユニットにおける空気流通路の開口面積は大きく、このエアーハンドリングユニットにおける空気流通路の開口面積にも、各種の大きさのものがある。開口面積が異なるこれらの空気流通路ごとに、これらの開口面積と対応する大きさを有する光触媒方式の空気浄化装置を用意することは、空気浄化装置の製造、管理が面倒で煩雑になるため、開口面積が異なっている各種の空気流通路に対して有効に対処できるようになる光触媒式空気浄化装置が求められる。
【0004】
本発明の目的は、開口面積が異なっている各種の空気流通路に対して有効に対処できるようになる光触媒式空気浄化装置を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る光触媒式空気浄化装置は、空気が流通する空気流通路に、光触媒を担持した光触媒担持部材と、前記光触媒を励起する発光源とが配置された光触媒式空気浄化装置において、前記空気流通路に、外枠部材を有していて、この外枠部材の内部に前記光触媒担持部材と前記発光源とが組み込まれた光触媒ユニットが配置されているとともに、この光触媒ユニットが、前記空気流通路における空気流通方向と直交する方向に複数個並設されていることを特徴とするものである。
【0006】
この光触媒式空気浄化装置では、空気流通路に、外枠部材を有していて、この外枠部材の内部に光触媒担持部材と発光源とが組み込まれた光触媒ユニットが配置されており、この光触媒ユニットは、空気流通路における空気流通方向と直交する方向に複数個並設されているため、開口面積が小さい空気流通路については、空気流通路における空気流通方向と直交する方向に並設される光触媒ユニットの個数を少なくし、開口面積が大きい空気流通路については、空気流通路における空気流通方向と直交する方向に並設される光触媒ユニットの個数を多くすることにより、開口面積が異なっている各種の空気流通路に対して有効に対処できるようになる。
【0007】
本発明において、複数個の光触媒ユニットが並設される方向は、1つでもよく、あるいは、2つでもよい。2つである場合には、これらの並設方向は、例えば、上下方向と横方向のように、互いに直交する方向となる。
【0008】
このように複数個の光触媒ユニットが並設される方向を2つとし、これらの並設方向を互いに直交する方向とした場合には、これらの方向の寸法が大きくなっている空気流通路に対しても、本発明に係る光触媒式空気浄化装置は有効に対処できるようになる。
【0009】
1つの方向又は2つの方向に並設される複数個の光触媒ユニットは、それぞれを連結せずに空気流通路に配置してもよく、あるいは、これらの光触媒ユニットを連結して空気流通路に配置してもよい。
【0010】
また、1つの方向又は2つの方向に並設される複数個の光触媒ユニットを連結して空気流通路に配置する場合には、これらの光触媒ユニットのうち、最外部の光触媒ユニットを、空気流通路の外壁を形成している空気流通路外壁部材にブラケット部材を介して連結してもよい。
【0011】
このように1つの方向又は2つの方向に並設される複数個の光触媒ユニットのうち、最外部の光触媒ユニットを、空気流通路の外壁を形成している空気流通路外壁部材にブラケット部材を介して連結することは、最外部の光触媒ユニットと空気流通路外壁部材との間に間隔がない場合、すなわち、最外部の光触媒ユニットが空気流通路外壁部材に接触した状態で配置される場合でも実施することができ、あるいは、最外部の光触媒ユニットと空気流通路外壁部材との間に間隔がある場合でも実施することができる。
【0012】
最外部の光触媒ユニットと空気流通路外壁部材との間には間隔がある場合には、この間隔を上記ブラケット部材によって塞いでもよい。
【0013】
これによると、最外部の光触媒ユニットと空気流通路外壁部材との間を空気が通過してしまうことをブラケット部材によって阻止することができ、空気通過阻止部材を兼ねたブラケット部材により、光触媒ユニットを通過する空気量を増大させることができる。
【0014】
また、ブラケット部材を最外部の光触媒ユニットに対して、複数個の光触媒ユニットの並設方向へ位置変更可能としてもよい。
【0015】
これによると、複数個の光触媒ユニットの並設方向の寸法が異なる複数個の空気流通路に対して対処できるようになる。
【0016】
そして、このようにブラケット部材を最外部の光触媒ユニットに対して、複数個の光触媒ユニットの並設方向へ位置変更可能とする場合には、ブラケット部材を、複数個の光触媒ユニットの並設方向における両側の最外部の光触媒ユニットごとに設け、これらのブラケット部材の位置変更可能の寸法の合計を、複数個の光触媒ユニットの並設方向における1個の光触媒ユニットの寸法と同じ又はこの寸法よりも大きい寸法とすることもできる。
【0017】
これによると、2個のブラケット部材の位置変更可能の寸法の合計を、複数個の光触媒ユニットの並設方向における1個の光触媒ユニットの寸法と同じとしても、光触媒ユニットが配置される空気流通路の大きさに各種のものがあって、複数個の光触媒ユニットの並設方向における寸法の違いが、この並設方向についての光触媒ユニットの1個分の寸法と同じ又はこの寸法よりも小さくなっている複数個の空気流通路については、同じ個数の光触媒ユニットを同じブラケット部材を用いて並設配置することができる。言い換えると、これらの空気流通路について、同じブラケット部材を共通化して用いることができる。
【0018】
また、2個のブラケット部材の位置変更可能の寸法の合計を、複数個の光触媒ユニットの並設方向における1個の光触媒ユニットの寸法と同じとしても、複数個の光触媒ユニットの並設方向における寸法の違いが、この並設方向についての光触媒ユニットの1個分の寸法よりも大きくなっている複数個の空気流通路については、複数個の光触媒ユニットの並設方向に並設させる光触媒ユニットの個数を1個以上相違させることにより、これらの光触媒ユニットを同じブラケット部材を用いて空気流通路に並設配置することができる。
【0019】
すなわち、この場合にも、同じブラケット部材を共通化して用いることができる。
【0020】
また、本発明において、ブラケット部材の形状は、任意である。その一例は、ブラケット部材を、空気流通方向が幅方向となっているベース部と、このベース部の両端から最外部の光触媒ユニットの側へ延出する一対の延出部とを有する断面コ字形状とすることである。
【0021】
これによると、ブラケット部材は、最外部の光触媒ユニットを前述の空気流通路外壁部材に補強して連結するための補強連結部材となり、最外部の光触媒ユニットを空気流通路外壁部材に大きな強度で連結することができる。
【0022】
また、前述したように同じ方向に並設されている複数個の光触媒ユニットを連結する場合には、互いに隣接している光触媒ユニットの前述の外枠部材同士を対面状態にして連結部材で連結し、この連結部材を、互いに隣接している光触媒ユニットの外枠部材同士における互いに隣接する枠部の端面を跨いでいる跨ぎ部を有しているものとすることが好ましい。
【0023】
これによると、互いに隣接している光触媒ユニットの前述の外枠部材同士の間にたとえ隙間があっても、この隙間を連結部材の上記跨ぎ部によって塞ぐことができるため、光触媒ユニットを通過する空気量を増加させることができ、また、空気流通路を流通する空気の圧力損失の増加を防止することもできる。
【0024】
なお、この場合における連結部材は、複数個の光触媒ユニットが並設される方向が1つの方向である場合には、この方向と直交する方向の長さを有する連結部材でもよく、複数個の光触媒ユニットが並設される方向が、互いに直交する2つの方向である場合には、これらの方向のうち、少なくとも一方の方向と直交する方向の長さを有する連結部材でもよく、さらに、複数個の光触媒ユニットが並設される方向が、互いに直交する2つの方向である場合には、これらの方向が交差する部分に配置される連結部材でもよい。
【0025】
本発明において、光触媒は酸化チタンであるが、この酸化チタンの種類は任意であり、この酸化チタンには、結晶が柱状となっている柱状酸化チタンも含まれる。
【0026】
また、本発明に係る光触媒式空気浄化装置は、光触媒ユニットだけによって構成されたものでもよく、あるいは、この光触媒ユニットに、他の機能を有する付設ユニット(例えば、フィルター機能を有するユニットや、電気集塵機能を有するユニット等)を空気流通方向に直列的に連結することによって構成されたものでもよい。
【0027】
さらに、本発明に係る光触媒式空気浄化装置は、任意な空気流通路に適用することができ、本発明に係る光触媒式空気浄化装置の一般的な用途は、空調装置の空気流通路であり、この空調装置には、エアーハンドリングユニットが含まれる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によると、開口面積が異なっている各種の空気流通路に対して有効に対処できるという効果を得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。本実施形態に係る光触媒式空気浄化装置は、建物内のそれぞれの部屋の空気を集中して管理する中央ダクト方式の空調装置となっているエアーハンドリングユニットに適用されている。
【0030】
図1は、このエアーハンドリングユニット1の全体を示す正面図である。エアーハンドリングユニット1は、建物内のそれぞれの部屋からのリターン空気2が図示しないダクトを介して戻ってくるリターンフィルターセクション3と、除菌や脱臭等の空気浄化を光触媒によって行うための光触媒セクション4と、空気温度及び空気湿度を調整するための冷温水コイル5が配置されたコイルセクション6と、建物内のそれぞれの部屋へダクトを介して空気7を送り出すためのファン8が配置されたファンセクション9と、が空気流通方向の上流側から下流側へ順次配置されたものとなっており、さらに、リターンフィルターセクション3において、建物の外部の新鮮空気10が上記リターン空気2と合流するようになっている。また、リターンフィルターセクション3には、メンテナンス作業を行えるようにするために、扉11A付きの窓孔11が設けられている。
【0031】
図2は、図1のS2−S2線断面図であり、この図2には、光触媒セクション4に配置されている光触媒ユニット20が示されている。図2において、上下方向は第1方向であり、横方向(左右方向)は第2方向である。これらの第1方向及び第2方向は、光触媒セクション4の空気流通路50における空気流通方向A(図3〜図5及び図8を参照)と直交する方向になっており、また、第1方向と第2方向は、互いに直交する方向になっている。図2に示されているように、光触媒ユニット20は、第1方向と第2方向の両方について、複数個並設されており、本実施形態では、第1方向における光触媒ユニット20の並設個数は3個となっており、第2方向における光触媒ユニット20の並設個数も3個となっている。したがって、第1方向に3個が並設されている光触媒ユニット20の列は、第2方向に3列あり、第2方向に3個が並設されている光触媒ユニット20の列は、第1方向に3列ある。
【0032】
図3は、図2のS3−S3線断面図であり、図4は、図2のS4−S4線断面図である。これらの図3と図4から分かるように、それぞれの光触媒ユニット20には付設ユニット40が連結され、これらの付設ユニット40は、光触媒ユニット20に対して空気流通方向Aの上流側に配置されている。
【0033】
全部の光触媒ユニット20の大きさ、形状及び構造は、同じになっており、また、それぞれの光触媒ユニット20の外形状は、図5で示されている外枠部材21によって形成され、全部の外枠部材21の寸法は、同じになっている。これらの外枠部材21は、空気流通方向Aと直交する前面部と後面部とが開口した箱型であって、第1方向に互いに対向する第1枠部(上枠部)21A及び第2枠部(下枠部)21Bと、第2方向に互いに対向する第3枠部(左枠部)21C及び第4枠部(右枠部)21Dとを有する。そして、外枠部材21の第1方向についての寸法はL1であり、外枠部材21の第2方向についての寸法はL2である。
【0034】
また、外枠部材21における空気流通方向Aの下流側のそれぞれの角部には、後述する第1ブラケット部材や第2ブラケット部材、第2連結部材を受けるための小面積の受け部22が設けられ、これらの受け部22には、外枠部材21と第1ブラケット部材や第2ブラケット部材、第2連結部材とを連結する連結具であるボルト・ナットのボルトを挿入するための孔23が形成されている。また、外枠部材21の第1枠部21Aと第2枠部21Bにおける空気流通方向Aの上流側の端部には、外枠部材21の内側へ屈曲した屈曲部24が形成されている(図8も参照)。
【0035】
図3及び図4で示されているそれぞれの付設ユニット40の外形状は、図5で示されている外枠部材41によって形成されている。これらの外枠部材41は、上述した光触媒ユニット20の外枠部材21と同じ形状及び構造で形成されているため、この外枠部材41も、空気流通方向Aと直交する前面部と後面部とが開口した箱型であって、第1方向に互いに対向する第1枠部(上枠部)41A及び第2枠部(下枠部)41Bと、第2方向に互いに対向する第3枠部(左枠部)41C及び第4枠部(右枠部)41Dとを有する。しかし、図2のS8−S8線断面図である図8(この図8では、光触媒ユニット20の外枠部材21の内部に組み込まれている部材や、付設ユニット40の外枠部材41の内部に組み込まれている部材は省略されている。)に示されているように、外枠部材41のそれぞれの角部に設けられ、それぞれに孔43が形成されている受け部42は、空気流通方向Aの上流側に設けられている。また、外枠部材41の第1枠部41Aと第2枠部41Bにおいて、外枠部材41の内側へ屈曲して形成されている屈曲部44は、第1枠部41Aと第2枠部41Bにおける空気流通方向Aの下流側の端部に設けられている。
【0036】
図5に示されているように、外枠部材41の第1方向についての寸法はL1であり、外枠部材41の第2方向についての寸法はL2である。なお、外枠部材41の空気流通方向Aについての寸法は、光触媒ユニット20の外枠部材21の空気流通方向Aについての寸法と同じでもよく、異なっていてもよい。
【0037】
図8に示されているとおり、光触媒ユニット20と付設ユニット40とが図2の光触媒セクション4の空気流通路50に配置されたときには、光触媒ユニット20の外枠部材21の屈曲部24と、付設ユニット40の外枠部材41の屈曲部44とは、これらの屈曲部24,44に形成された孔に挿入されたボルトと、このボルトに螺締されたナットとによる連結具25で連結されている。これにより、それぞれの光触媒ユニット20の外枠部材21とそれぞれの付設ユニット40の外枠部材41は、空気流通方向Aに直列的に連結され、外枠部材21は空気流通方向Aの下流側に、外枠部材41は空気流通方向Aの上流側に、それぞれ配置されている。
【0038】
図9は、図2のS9−S9断面図である。この図9で示されている第1連結部材60により、第1方向に並設されている光触媒ユニット20の外枠部材21部材同士が連結されている。この第1連結部材60は、第2方向への長さを有している基部60Aと、この基部60Aの第1方向の両端から空気流通方向Aの上流側へ延出している一対の挟着部60B,60Cとを備えている。第1方向に並設される光触媒ユニット20の外枠部材21同士のうち、一方の外枠部材21(上側の外枠部材21)の第2枠部21Bと、他方の外枠部材21(下側の外枠部材21)の第1枠部21Aとを接触状態にして対面させた後に、第2枠部21Bにおける空気流通方向Aの下流側の端面21E及び第1枠部21Aにおける空気流通方向Aの下流側の端面21Fの側から、第1連結部材60を一方の外枠部材21と他方の外枠部材21に向かって押し込み、これにより、第1連結部材60の一対の挟着部60B,60Cによって一方の外枠部材21の第2枠部21Bと他方の外枠部材21第1枠部21Aとを挟着する。そして次に、一対の挟着部60B,60Cに形成されている孔26と、第2枠部21Bと第1枠部21Aに形成されている孔27(図5も参照)とに、ボルト28A・ナット28Bによる連結具28のうちのボルト28Aを挿入し、ボルト28Aの端部にナット28Bを螺締する。
【0039】
これにより、第1方向に並設されている光触媒ユニット20の外枠部材21部材同士が第1連結部材60で連結されることになる。この連結作業を、それぞれの第1方向において互いに隣接配置される全部の光触媒ユニット20の外枠部材21同士について行う。
【0040】
なお、図5で示されているように、第1連結部材60の一対の挟着部60B、60Cの先端は末広がり状の傾斜部60D,60Eとなっており、これにより、一対の挟着部60B,60Cの間に、一方の外枠部材21の第2枠部21Bと他方の外枠部材21の第1枠部21Aとを挿入しやすくなっている。
【0041】
また、図2に示されているように、第1方向と第2方向とに隣接配置された合計4個の外枠部材21の角部が集まる箇所には、第2連結部材61が配置され、この第2連結部材61により、合計4個の外枠部材21における空気流通方向Aの下流側のそれぞれの角部が連結されている。図10には第2連結部材61が示されており、この第2連結部材61は四角形の板材である。第2連結部材61には、4個の外枠部材21に形成されている前述の孔23と対応する孔62が4個設けられている。これらの孔62に、ボルト63A・ナット63Bによる連結具63のうちのボルト63Aを挿入し、ボルト63Aの端部にナット63Bを螺締することにより、4個の外枠部材21は第2連結部材61を介して連結されることになる(図8も参照)。
【0042】
以上説明した第1連結部材60と第2連結部材61は、光触媒ユニット20の外枠部材21同士を連結するためのものであったが、前述の付設ユニット40の外枠部材41同士も第1連結部材60と第2連結部材61により連結され、これらの外枠部材41同士を連結する第1連結部材60と第2連結部材61は、図8で示されているように、空気流通方向Aの上流側において、光触媒ユニット20の外枠部材21同士の連結構造と同一の構造により、付設ユニット40の外枠部材41同士を連結している。
【0043】
図2及び図4に示されているとおり、第2方向に並設されている複数個の光触媒ユニット20の外枠部材21のうち、両側の最外部の外枠部材21は、2個の第1ブラケット部材70により、空気流通路50の外壁を形成している空気流通路外壁部材51に連結されている。図6は、この第1ブラケット部材70を示している。第1方向を長さ方向とする第1ブラケット部材70は、図4で分かるように、空気流通方向Aが幅方向となっているベース部70Aと、このベース部70Aの両端から最外部の光触媒ユニット20の外枠部材21の側へ延出する一対の延出部70B,70Bとを有する断面コ字形状となっている。
【0044】
これらの延出部70B,70Cの間隔は、光触媒ユニット20の外枠部材21と付設ユニット40の外枠部材41との空気流通方向Aについての合計寸法と対応する大きさになっている。また、これらの延出部70B,70Cのうち、空気流通方向Aの下流側の延出部70Bには、第1方向に並設される複数個の光触媒ユニット20の外枠部材21に形成されている前述のそれぞれの孔23と対応する長孔71が形成されており、空気流通方向Aの上流側の延出部70Cには、第1方向に並設される複数個の付設ユニット40の外枠部材41に形成されている前述のそれぞれの孔43と対応する長孔72が形成されている。これらの長孔71,72は第2方向へ長くなっているとともに、それぞれの長孔71,72の有効寸法L3は同じであり、この有効寸法L3は、図5で示した光触媒ユニット20の外枠部材21と付設ユニット40の外枠部材41とについての第2方向の寸法L2の半分と同じか、この寸法L2の半分よりも大きくなっている。
【0045】
そして、第2方向に並設されている複数個の光触媒ユニット20の外枠部材21のうち、両側の最外部の外枠部材21は、上述したように2個の第1ブラケット部材70により、空気流通路50の外壁を形成している空気流通路外壁部材51に連結されているため、2個の第1ブラケット部材70ごとに設けられている長孔71,72の有効寸法L3の2倍は、光触媒ユニット20の外枠部材21と付設ユニット40の外枠部材41とについての第2方向の寸法L2と同じか、この寸法L2よりも大きくなっている。すなわち、2L3≧L2である。また、それぞれの第1ブラケット部材70は、第2方向に複数個並設されている外枠部材21や外枠部材41のうち、最外部の外枠部材21や外枠部材41に対して第2方向へ寸法L3分だけ位置変更可能となっている。
【0046】
また、図2及び図3に示されているとおり、第1方向に並設されている複数個の光触媒ユニット20の外枠部材21のうち、両側の最外部の外枠部材21は、2個の第2ブラケット部材75により、空気流通路50の外壁を形成している空気流通路外壁部材51に連結されている。図7は、この第2ブラケット部材75を示している。第2方向を長さ方向とする第2ブラケット部材75も、図3で分かるように、空気流通方向Aが幅方向となっているベース部75Aと、このベース部75Aの両端から最外部の光触媒ユニット20の外枠部材21の側へ延出する一対の延出部75B,75Cとを有する断面コ字形状となっている。
【0047】
これらの延出部75B,75Cの間隔も、光触媒ユニット20の外枠部材21と付設ユニット40の外枠部材41との空気流通方向Aについての合計寸法と対応する大きさになっている。また、これらの延出部75B,75Cのうち、空気流通方向Aの下流側の延出部75Bには、第2方向に並設される複数個の光触媒ユニット20の外枠部材21に形成されている前述のそれぞれの孔23と対応する長孔76が形成されており、空気流通方向Aの上流側の延出部75Cには、第2方向に並設される複数個の付設ユニット40の外枠部材41に形成されている前述のそれぞれの孔43と対応する長孔77が形成されている。これらの長孔76,77は第1方向へ長くなっているとともに、それぞれの長孔76,77の有効寸法L4は同じであり、この有効寸法L4は、図5で示した光触媒ユニット20の外枠部材21と付設ユニット40の外枠部材41とについての第1方向の寸法L1の半分と同じか、この寸法L1の半分よりも大きくなっている。
【0048】
そして、第1方向に並設されている複数個の光触媒ユニット20の外枠部材21のうち、両側の最外部の外枠部材21は、2個の第2ブラケット部材75により、空気流通路50の外壁を形成している空気流通路外壁部材51に連結されているため、2個の第2ブラケット部材75ごとに設けられている長孔76,77の有効寸法L4の2倍は、光触媒ユニット20の外枠部材21と付設ユニット40の外枠部材41についての第2方向の寸法L1と同じか、この寸法L1よりも大きくなっている。すなわち、2L4≧L1である。また、それぞれの第2ブラケット部材75は、第1方向に複数個並設されている外枠部材21や外枠部材41のうち、最外部の外枠部材21や外枠部材41に対して第1方向へ寸法L4分だけ位置変更可能となっている。
【0049】
図3及び図4で示されているように、空気流通路外壁部材51は、図1で説明した光触媒セクション4において分断された分断部材51A,51Bによって形成されており、これらの分断部材51A,51Bの間に、図3及び図4に示されているように、第1及び第2ブラケット部材70,75が、それぞれのベース部70A,75Aの幅方向を空気流通方向Aにして配置され、分断部材51A,51Bと第1及び第2ブラケット部材70,75とはボルト・ナットによる締結具又は溶接等で結合されている。
【0050】
なお、第1ブラケット部材70は、空気流通路50における第1方向の両側の端部まで達する長さを有しており、第2ブラケット部材75は、空気流通路50における第2方向の両側の端部まで達する長さを有しているが、図6に示すように、第1ブラケット部材70の一対の延出部70B,70Cにおける第1方向の端部側の近辺部は、これらの延出部70B,70Cの厚さ方向外側へ少し折り曲げ変形された変形部70Dとなっており、これらの変形部70Dの内側に、図3に示されているように、第2ブラケット部材75の一対の延出部75B,75Cにおける第2方向の端部側の近辺部が配置されているため、第1及び第2ブラケット部材70,75を、上述のようにして分断部材51A,51Bの間に介入して空気流通路外壁部材51に配置した場合に、第1ブラケット部材70の一対の延出部70B,70Cにおける第1方向の端部側の近辺部と、第2ブラケット部材75の一対の延出部75B,75Cにおける第2方向の端部側の近辺部とが互いに干渉することはない。
【0051】
前述の第1及び第2連結部材60,61でそれぞれが空気流通方向Aに連結された光触媒ユニット20の外枠部材21と付設ユニット40の外枠部材41とが空気流通路50に配置されたときには、図8に示されているとおり、これらの外枠部材21,41は、第1ブラケット部材70の一対の延出部70B、70Cの間及び第2ブラケット部材75の一対の延出部75B,75Cの間に配置されている。そして、前述したように第2方向に3列あって、それぞれが第1方向に並設されている複数個の光触媒ユニット20の外枠部材21のうち、それぞれの列における第1方向の両側の最外部の外枠部材21における孔23と、第2ブラケット部材75の延出部75Bの長孔76とに、ボルト・ナットによる連結具78のうちのボルトが挿入され、このボルトに連結具78のうちのナットが螺締されることにより、それぞれの列における第1方向の両側の最外部の外枠部材21は、2個の第2ブラケット部材75を介して空気流通路外壁部材51に連結される。また、第2方向に3列あって、それぞれが第1方向に並設されている複数個の付設ユニット40の外枠部材41のうち、それぞれの列における第1方向の両側の最外部の外枠部材41における孔43と、第2ブラケット部材75の延出部75Cの長孔77とに、ボルト・ナットによる連結具79のうちのボルトが挿入され、このボルトに連結具79のうちのナットが螺締されることにより、それぞれの列における第1方向の両側の最外部の外枠部材41は、2個の第2ブラケット部材75を介して空気流通路外壁部材51に連結される。
【0052】
さらに、以上と同様の連結構造により、それぞれの光触媒ユニット20の外枠部材21とそれぞれの付設ユニット40の外枠部材41は、2個の第1ブラケット部材70によって空気流通路外壁部材51に連結される。
【0053】
すなわち、前述したように第1方向に3列あって、それぞれが第2方向に並設されている複数個の光触媒ユニット20の外枠部材21のうち、それぞれの列における第2方向の両側の最外部の外枠部材21における孔23と、第1ブラケット部材70の延出部70Bの長孔71とに、ボルト・ナットによる連結具80(図2を参照)のうちのボルトが挿入され、このボルトに連結具80のうちのナットが螺締されることにより、それぞれの列における第2方向の両側の最外部の外枠部材21は、2個の第1ブラケット部材70を介して空気流通路外壁部材51に連結される。また、第1方向に3列あって、それぞれが第2方向に並設されている複数個の付設ユニット40の外枠部材41のうち、それぞれの列における第2方向の両側の最外部の外枠部材41における孔43と、第1ブラケット部材70の延出部70Cの長孔72とに、ボルト・ナットによる連結具のうちのボルトが挿入され、このボルトに連結具のうちのナットが螺締されることにより、それぞれの列における第2方向の両側の最外部の外枠部材41は、2個の第1ブラケット部材70を介して空気流通路外壁部材51に連結される。
【0054】
なお、第1ブラケット部材70のそれぞれの長孔71と第2ブラケット部材75のそれぞれの長孔76とのうちには、互いに重なるものがあり、また、第1ブラケット部材70のそれぞれの長孔72と第2ブラケット部材75のそれぞれの長孔77とのうちにも、互いに重なるものがあるが、このように重なる長孔には、これらの長孔に共通となったボルト・ナットによる連結具のボルトが挿入される。
【0055】
図5に示されているように、それぞれの光触媒ユニット20の外枠部材21の内部は、仕切り部材85により、第2方向に主室86と副室87とに仕切られている。副室87よりも第2方向の寸法が大きい主室86には、図2で示すように、発光源である紫外線ランプ88と、この紫外線ランプ88の光で励起される光触媒を担持している光触媒担持部材となっている光触媒シート89とが組み込まれている。これらの紫外線ランプ88と光触媒シート89は、第1方向に交互に配置されている。光触媒は酸化チタンであり、光触媒シート89は、酸化チタンをシートに被覆等することによって固定化したものである。なお、図2では、紫外線ランプ88の本数が2本となっているが、この本数は任意である。
【0056】
副室87は、それぞれの紫外線ランプ88のため電線ケーブルを収納配線するためのスペースであり、これらの電線ケーブルを、前述の第1及び第2連結部材60,61で第1方向に並設連結されている複数個の外枠部材21を越えて延出配線できるようにするために、図5に示されているとおり、外枠部材21の第1枠部21Aと第2枠部21Bには、開口部90が形成されている。
【0057】
なお、空気が副室87を通過することを阻止するために、空気流通方向Aと直交する副室87の前面及び/又は後面に遮断壁を設けてもよい。
【0058】
また、本実施形態では、空気流通方向Aの上流側において光触媒ユニット20の外枠部材21に連結されている前述の付設ユニット40の外枠部材41の内部には、中性能フィルターや電気集塵装置が組み込まれている。
【0059】
このため、本実施形態によると、図1で示されているリターンフィルターセクション3から光触媒セクション4へ流入する空気は、光触媒ユニット20に達する前において、付設ユニット40において、空気中の塵埃が除去され、この後に、光触媒ユニット20に空気が達する。そして、光触媒セクション4では、紫外線ランプ88からの光が光触媒シート89の酸化チタンあたることによって生ずる酸化作用により、空気中に存在する細菌及び臭気成分や有害成分となっている有機化合物が分解され、このように除菌や脱臭等の浄化が行われた空気が、コイルセクション6とファンセクション9に送られることになる。
【0060】
以上説明した本実施形態の光触媒空気浄化装置は、光触媒ユニット20を、空気流通路50を流通する空気の流通方向と直交する方向になっている第1方向(図3の寸法L5の方向)に複数個並設したものとなっているため、第1方向の寸法が小さいために開口面積が小さい空気流通路50については、第1方向に並設される光触媒ユニット20の個数を少なくし、第1方向の寸法が大きいために開口面積が大きい空気流通路50については、第1方向に並設される光触媒ユニット20の個数を多くすることにより、第1方向の寸法が相違しているために開口面積が異なっている各種の空気流通路50に対して有効に対処できるようになる。
【0061】
また、光触媒ユニット20は、空気流通路50を流通する空気の流通方向と直交する方向であって、第1方向とも直交する方向になっている第2方向(図4の寸法L6の方向)にも複数個並設されるため、第2方向の寸法が小さいために開口面積が小さい空気流通路50については、第2方向に並設される光触媒ユニット20の個数を少なくし、第2方向の寸法が大きいために開口面積が大きい空気流通路50については、第2方向に並設される光触媒ユニット20の個数を多くすることにより、第2方向の寸法が相違しているために開口面積が異なっている各種の空気流通路50に対しても有効に対処できるようになる。
【0062】
さらに、本実施形態によると、それぞれの光触媒ユニット20は、第1及び第2連結部材60,61で連結されて空気流通路50に配置されるため、これらの光触媒ユニット20を、全体で1個の光触媒装置が構成されているようにして空気流通路50に配置することができ、このため、光触媒ユニット20の取り扱いが容易となる。
【0063】
また、第1方向と第2方向のそれぞれに並設された複数個の光触媒ユニット20のうち、最外部の光触媒ユニット20は、第1及び第2ブラケット部材70,75を介して空気流通路50の外壁を形成している空気流通路外壁部材51に連結され、また、第1方向と第2方向に並設されているそれぞれの光触媒ユニット20は、第1及び第2連結部材60,61で連結されているため、全部の光触媒ユニット20を空気流通路外壁部材51に固定して配置することができる。
【0064】
さらに、図3で示されている空気流通路50の第1方向の寸法L5が、図5で示されている光触媒ユニット20の第1方向の寸法L1の整数倍となっておらず、また、図4で示されている空気流通路50の第2方向の寸法L6が、図5で示されている光触媒ユニット20の第2方向の寸法L2の整数倍となっていないために、第1方向や第2方向に複数個並設された光触媒ユニット20のうち、最外部の光触媒ユニット20と、空気流通路外壁部材51との間に間隔が生じていても、第1及び第2ブラケット部材70,75は、前述の延出部70B,70C,75B,75Cによってこの間隔を塞ぐための塞ぎ部材ともなっているため、前述の長孔71,72,76,77を通過する空気を除き、この間隔を空気が通過してしまうことを阻止できる。
【0065】
また、光触媒ユニット20の第1方向についての寸法L1と、第2ブラケット部材75の長孔76,77の有効寸法L4は、前述したとおり、2L4≧L1の関係になっているため、たとえ、2L4=L1であっても、第1方向の寸法L5が異なっている各種の空気流通路50があり、これらの空気流通路50のうち、第1方向の寸法の違いが寸法L1よりも小さくなっている複数個の空気流通路50については、同じ第2ブラケット部材75を用いて同じ個数の光触媒ユニット20を空気流通路50に配置することができる。
【0066】
そして、この場合には、第1方向の寸法と対応した長さを有する第1ブラケット部材が用意される。
【0067】
なお、本実施形態の図3の寸法L5は、光触媒ユニット20を第2ブラケット部材75に連結するために、長孔76,77における光触媒ユニット20側の端部に前述のボルト・ナットによる連結具のボルトが挿入された場合の寸法になっているため、同じ第2ブラケット部材75を用いて同じ個数の光触媒ユニット20を配置することができる空気流通路50は、第1方向の寸法が、図3の寸法L5と比較して、L1よりも小さい寸法分だけ短くなっているものとなる。
【0068】
また、本実施形態によると、第1方向の寸法の違いが寸法L1も大きくなっている複数個の空気流通路50については、たとえ、2L4=L1であっても、第1方向に並設させる光触媒ユニット20の個数を1個以上相違させることにより、これらの光触媒ユニット20を同じ第2ブラケット部材75を用いて空気流通路50に並設配置することができる。
【0069】
すなわち、この場合も、第2ブラケット部材75を共通化して用いることができる。なお、この場合には、第1方向における光触媒ユニット20の並設個数が変更されるため、この並設個数と対応した長さとなった新たな第1ブラケット部材が用意される。
【0070】
以上の説明は、第1方向の寸法が異なっている複数個の空気流通路50についてであったが、本実施形態では、前述したように、光触媒ユニット20の第2方向についての寸法L2と、第1ブラケット部材70の長孔71,72の有効寸法L3は、2L3≧L2の関係になっているため、第2方向の寸法L6が異なっている各種の空気流通路50については、第1ブラケット部材70を共通して用いることができる。
【0071】
また、第1方向及び第2方向における最外部の光触媒ユニット20を空気流通路外壁部材51に連結する第1及び第2ブラケット部材70,75は、空気流通方向Aが幅方向となっているベース部70A,75Aと、ベース部70A,75Aの両端から光触媒ユニット20の側へ延出する一対の延出部70B,70C,75B,75Cとを有する断面コ字形状となっているため、これらの第1及び第2ブラケット部材70,75は大きな強度を有している。このため、これらのブラケット部材70,75は、最外部の光触媒ユニット20を空気流通路外壁部材51に補強して連結するための補強連結部材ともなり、最外部の光触媒ユニット20を空気流通路外壁部材21に大きな強度で連結することができる。
【0072】
さらに、第1方向に並設される光触媒ユニット20は図9で示された第1連結部材60で連結され、この第1連結部材60は、互いに第1方向に並設される2個の光触媒ユニット20のうち、一方の光触媒ユニット20の外枠部材21の第2枠部21Bにおける端面21Eと、他方の光触媒ユニット20の外枠部材21の第1枠部21Aにおける端面21Fとに跨る基部60Aを有するものとなっているため、第2枠部21Bと第1枠部21Aとが対面状態となって上記2個の光触媒ユニット20が並設されていて、これらの第2枠部21Bと第1枠部21Aとの間にたとえ隙間が生じていても、端面21Eと端面21Fとを跨いでいる跨ぎ部となっている基部60Aにより、この隙間を塞ぐことができる。このため、光触媒ユニット20を通過する空気量を増加させることができ、また、空気流通路50を流通する空気の圧力損失の増加を防止することもできる。
【0073】
また、4個の光触媒ユニット20を連結している第2連結部材61も、これらの光触媒ユニット20の外枠部材21の角部同士が集まる箇所において、これらの外枠部材21の端面を跨いで配置されているため、第2連結部材61は外枠部材21同士の間の隙間を塞いでいる。したがって、この第2連結部材61によっても、光触媒ユニット20を通過する空気量を増加させることができ、また、空気流通路50を流通する空気の圧力損失の増加を防止することもできる。
【0074】
なお、第2方向に並設される光触媒ユニット20の外枠部材21同士を連結するために、第1連結部材60と同様の連結部材を用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、例えば、エアーハンドリングユニットを含む各種の空調装置等の空気流通路に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る光触媒式空気浄化装置が適用されている空調装置であるエアーハンドリングユニットの全体を示す正面図である。
【図2】図2は、図1のS2−S2線断面図である。
【図3】図3は、図2のS3−S3線断面図である。
【図4】図4は、図2のS4−S4線断面図である。
【図5】図5は、光触媒ユニットの外枠部材と、光触媒ユニットに連結された付設ユニットの外枠部材とを示す斜視図である。
【図6】図6は、図2で示されている第1ブラケット部材を示す斜視図である。
【図7】図7は、図2で示されている第2ブラケット部材を示す斜視図である。
【図8】図8は、図2のS8−S8線断面であって、光触媒ユニットの外枠部材の内部に組み込まれている部材や、付設ユニットの外枠部材の内部に組み込まれている部材を省略して示した図である。
【図9】図9は、図2のS9−S9断面図であって、第1連結部材による光触媒ユニットの外枠部材同士の連結構造を示す図である。
【図10】図10は、図2で示されている第2連結部材を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0077】
1 空調装置であるエアーハンドリングユニット
20 光触媒ユニット
21 光触媒ユニットの外枠部材
21A〜21D 枠部
21E,21F 端面
50 空気流通路
60 第1連結部材
60A 跨ぎ部である基部
61 第2連結部材
70 第1ブラケット部材
70A ベース部
70B,70C 一対の延出部
75 第2ブラケット部材
75A ベース部
75B,75C 一対の延出部
88 発光源である紫外線ランプ
89 光触媒担持部材である光触媒シート
A 空気流通方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気が流通する空気流通路に、光触媒を担持した光触媒担持部材と、前記光触媒を励起する発光源とが配置された光触媒式空気浄化装置において、
前記空気流通路に、外枠部材を有していて、この外枠部材の内部に前記光触媒担持部材と前記発光源とが組み込まれた光触媒ユニットが配置されているとともに、この光触媒ユニットが、前記空気流通路における空気流通方向と直交する方向に複数個並設されていることを特徴とする光触媒式空気浄化装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光触媒式空気浄化装置において、前記複数個の光触媒ユニットが並設されている方向は2つあり、これらの並設方向は互いに直交する方向になっていることを特徴とする光触媒式空気浄化装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の光触媒式空気浄化装置において、同じ方向に並設されている前記複数個の光触媒ユニットは連結されていることを特徴とする光触媒式空気浄化装置。
【請求項4】
請求項3に記載の光触媒式空気浄化装置において、同じ方向に並設されている前記複数個の光触媒ユニットのうち、最外部の光触媒ユニットは、前記空気流通路の外壁を形成している空気流通路外壁部材にブラケット部材を介して連結されていることを特徴とする光触媒式空気浄化装置。
【請求項5】
請求項4に記載の光触媒式空気浄化装置において、前記最外部の光触媒ユニットと前記空気流通路外壁部材との間には間隔があり、この間隔が前記ブラケット部材によって塞がれていることを特徴とする光触媒式空気浄化装置。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の光触媒式空気浄化装置において、前記最外部の光触媒ユニットに対して前記ブラケット部材は、前記複数個の光触媒ユニットの並設方向へ位置変更可能となっていることを特徴とする光触媒式空気浄化装置。
【請求項7】
請求項6に記載の光触媒式空気浄化装置において、前記ブラケット部材は、前記複数個の光触媒ユニットの並設方向における両側の最外部の光触媒ユニットごとにあり、これらのブラケット部材の前記位置変更可能の寸法の合計は、前記複数個の光触媒ユニットの並設方向における1個の光触媒ユニットの寸法と同じ又はこの寸法よりも大きい寸法となっていることを特徴とする光触媒式空気浄化装置。
【請求項8】
請求項4〜7のいずれかに記載の光触媒式空気浄化装置において、前記ブラケット部材は、前記空気流通方向が幅方向となっているベース部と、このベース部の両端から前記最外部の光触媒ユニットの側へ延出する一対の延出部とを有する断面コ字形状となっていることを特徴とする光触媒式空気浄化装置。
【請求項9】
請求項3〜8にいずれかに記載の光触媒式空気浄化装置において、同じ方向に並設されている前記複数個の光触媒ユニットは、互いに隣接している光触媒ユニットの前記外枠部材同士が対面状態となって連結部材で連結されており、この連結部材は、互いに隣接している光触媒ユニットの前記外枠部材同士における互いに隣接する枠部の端面を跨いでいる跨ぎ部を有していることを特徴とする光触媒式空気浄化装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2009−240502(P2009−240502A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−90075(P2008−90075)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(308005903)T.T.EM株式会社 (1)
【出願人】(308010996)酒井工業株式会社 (1)
【Fターム(参考)】