説明

光記録媒体

【課題】 点字や凹凸部などの識読部を印刷する際に、印刷ずれを抑制しながら印刷できるようにした光記録媒体を提供する。
【解決手段】 光により記録又は再生を行なうための情報記録再生面2と、情報記録再生面2とは反対側に存在する印刷面3とを有する光記録媒体1に、印刷面3に形成された凹型又は凸型の識読部9,10と、光記録媒体1の周方向に対して少なくとも一部が不均一な形状となるよう、印刷面3に突出して形成され、光記録媒体1同士を情報記録再生面2と印刷面3とを対向するように重ね合わせた場合に情報記録再生面2と印刷面3及び識読部9,10との接触を防止しうるスペーサ部11,12とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光記録媒体に関し、特に、視覚障害者のための光記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
光記録媒体の情報読取面(情報記録再生面)とは反対側の面(印刷面)には、通常、例えば媒体の種類、情報記録容量、メーカー名、商品名などの様々な情報を表わすための記号(以下適宜、「レーベル」という)が印刷され、これにより、使用者が当該情報を認識できるようになっている。しかし、視覚に何らかの障害を有する視覚障害者は、上記の印刷面に表示されたレーベルを認識することができないことがあった。なお、ここで言う「視覚障害者」には、目が全く見えない者以外に、乱視、弱視、近視、遠視、色盲、老眼など、上記印刷面のレーベルを認識できない程度に視力に何らかの障害を有している者のことを指し、高齢者などを含めて広義の者を表わすものとする。
【0003】
上記のようなケースに対応するため、特許文献1には、印刷面に点字を設けることが提案されている。また、特許文献1においては、情報読取面上に形成されたスタックリブ(リング状の突起部)に対応して、印刷面上に同心円状に印刷により肉厚のリング部を形成し、印刷面上に形成された点字が情報読取面と接触しないようにすることも記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2001−43570号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
光記録媒体の印刷面に設けられる点字やレーベルは、例えばスクリーン印刷で形成することができる。ここで、本発明者等の検討によれば、点字の高さは0.15mm程度とすると識読可能であり、また光記録媒体の製造上からも、点字の高さは0.15mm程度とすることが好適であることがわかった。
【0006】
また、点字以外にも、印刷面に、何らかの凹凸により視覚障害者が識読できるような凹凸部を形成する場合がある。この凹凸部においても、識読可能とするために凹凸の高さを0.15mm程度以上に形成することになる。
いずれにしても、識読可能な点字や凹凸部等を光記録媒体に設けようとした場合、その部分にはある程度の高さで形成することが望ましい。
【0007】
ところが、点字等をスクリーン印刷により形成しようとした場合、一度の印刷では上記のように識読できる程度の高さの点字等を形成することができなかった。また、スクリーン印刷以外の印刷方法によって点字等を形成する場合も、同様であった。したがって、点字等を印刷により形成する場合、印刷回数は複数回となり、2回以上塗り重ねを行なうことによって点字等を形成することになる。
【0008】
さらに、印刷面へのレーベルの印刷は多色刷りで行なわれる場合が多い。したがって、多色刷りでレーベルの印刷を行なう場合にも、複数回に分けて印刷面への印刷が行なわれることになる。
【0009】
しかしながら、複数回の印刷を行なって点字等やレーベルを形成する場合に、印刷ずれがあると良好な高さを有する点字等を形成することができなくなったり、レーベルがきれいに印刷されなくなったりする場合がある。特に点字は、印刷面上にドットとして形成されるので、複数回の印刷で形成する場合に、非常に精密な位置制御が必要となる。
本発明は上記の課題に鑑みて創案されたもので、点字や凹凸部などの識読部を印刷する際に、印刷ずれを抑制しながら印刷できるようにした光記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、光記録媒体同士を情報記録再生面と印刷面とが対向するように重ね合わせたときに、情報記録再生面と印刷面及び識読部との接触を防止するスペーサ部を設ける場合に、スペーサ部の形状を以下のように形成することにより、識読部の印刷ずれが抑制できることを見出した。つまり、光記録媒体の印刷面上に設けるスペーサ部の形状を、リング状、即ち、光記録媒体の周方向に対して均一な形状とはせず、光記録媒体の周方向に対して少なくとも一部が不均一な形状となるようにすることにより、当該スペーサ部を用いて位置あわせすることが可能となり、点字や凹凸部などの識読部を印刷する際に印刷ずれを抑制しながら複数回印刷できるようになることを見出し、本発明を完成させた。
【0011】
即ち、本発明の要旨は、光により記録又は再生を行なうための情報記録再生面と、該情報記録再生面とは反対側に存在する印刷面とを有する光記録媒体であって、該印刷面に形成された凹型又は凸型の識読部と、該光記録媒体の周方向に対して少なくとも一部が不均一な形状となるよう、該印刷面に突出して形成され、該光記録媒体同士を該情報記録再生面と該印刷面とが対向するように重ね合わせた場合に該情報記録再生面と該印刷面及び該識読部との接触を防止しうるスペーサ部とを備えることを特徴とする、光記録媒体に存する(請求項1)。
【0012】
このとき、該光記録媒体同士を該情報記録再生面と該印刷面とが対向するように重ね合わせた場合に、該スペーサ部と当接しうる該情報記録再生面の位置に、突起部を設けることが好ましい(請求項2)。
【0013】
また、該スペーサ部は、該光記録媒体同士を該情報記録再生面と該印刷面とが対向するように重ね合わせた場合に、該スペーサ部が記録再生領域の外側において該情報記録再生面と当接するように形成されていることが好ましい(請求項3)。
【0014】
さらに、該識読部としては、点字が形成されていることが好ましく(請求項4)、また、記号部が形成されていても好ましい(請求項5)。
【0015】
また、該情報記録再生面上には、ハードコート層が形成されていることが好ましい(請求項6)。
【発明の効果】
【0016】
本発明の光記録媒体によれば、点字や凹凸部などの識読部を印刷する際に、印刷ずれを抑制しながら印刷を行なうことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を用いて本発明の一実施形態について詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、任意に変形して実施することができる。
図1〜図10は本発明の一実施形態について説明するもので、図1は光記録媒体の模式的な断面図、図2は記録再生機能層の層構成を説明する模式的な断面図、図3は光記録媒体の模式的な平面図、図4は光記録媒体を積み重ねた場合の模式的な断面図、図5(a)〜(c)はスペーサ部の形状の例を示す模式的な図、図6は光記録媒体に印刷を行なう印刷装置の概要を模式的に示す図、図7は印刷装置の第1印刷部を説明するための模式的な図、図8は印刷装置の第1硬化部を説明するための模式的な図、図9は印刷装置の第2印刷部を説明するための模式的な図、図10は印刷装置の第2印刷部を説明するための模式的な図である。なお、図1は、図3のA−A’面における断面を図3中左側から見たものを示している。
【0018】
[1.概要]
図1に示すように、光記録媒体1は、光により記録又は再生を行なうための情報記録再生面2と、情報記録再生面とは反対側に存在する印刷面3とを有する。また、光記録媒体1は、光による記録又は再生が少なくとも可能な記録再生機能層4を有し、この記録再生機能層4に対して記録又は再生用の光が入射する面が情報記録再生面2となる。さらに、上記の情報記録再生面2とは反対側の面が印刷面3となり、この印刷面3には印刷層5が形成されている。
【0019】
[2.記録再生機能層]
記録再生機能層4は、光記録媒体1が、再生専用媒体(ROM媒体)の場合と、一度の記録のみ可能な追記型媒体(Write Once媒体)の場合と、記録消去を繰り返し行える書換型媒体(ReWritable媒体)の場合とにより、それぞれの目的に応じた層構成を採用することができる。また、記録再生機能層4は、記録・再生光の入射方向によって、基板面入射型と、膜面入射型とに分けることができる。
【0020】
(再生専用媒体の例)
光記録媒体1が再生専用媒体である場合、記録再生機能層4は、通常、所定の大きさのピットが形成された基板と、この基板上に形成された反射層及び保護層とを有して構成される。
反射層の材料としては、情報の記録及び再生が可能な限り任意のものを用いることができるが、通常は、Al、Ag、Au等の金属又はこれらの合金が用いられる。なお、反射層の材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組合せ及び比率で併用してもよい。
【0021】
また、保護層の材料としても、情報の記録及び再生が可能な限り任意のものを用いることができるが、通常は、紫外線硬化性樹脂等が用いられる。また、保護層として、例えば、ポリカーボネート等の樹脂製や金属製等の板状部材を用いる場合もある。
なお、光記録媒体1が再生専用媒体である場合、基板面入射型であっても膜面入射型であっても、記録再生機能層4の層構成は同一となる。
【0022】
また、光記録媒体1が再生専用媒体である場合、記録再生機能層4の製造方法も任意である。保護層を紫外線硬化性樹脂等の樹脂材料により形成する場合には、通常、スパッタ法により基板上に反射層を成膜する。次に、反射層上に樹脂材料をスピンコート等により塗布し、塗布された樹脂材料を硬化させて保護層を形成する。このようにして、記録再生機能層4を形成する。また、保護層として板状部材を用いる場合には、通常、これら板状部材を接着剤により反射層上に接着して記録再生機能層4を形成する。
【0023】
(追記型の媒体の例1)
光記録媒体1が追記型の媒体である場合、それが膜面入射型の媒体であるときには、記録再生機能層4は、通常、基板上に、反射層、記録層及び保護層をこの順に設けることによって構成される。ここで、記録層と保護層との間に、無機材料(例えば、ZnS/SiO2)で形成されるバッファー層を設けてもよい。
【0024】
一方、光記録媒体1が追記型の媒体である場合、それが基板面入射型の媒体であるときには、記録再生機能層4は、通常、基板上に、記録層、反射層及び保護層をこの順に設けることによって得られる。
反射層及び保護層の材料及び形成方法は、それぞれ「(再生専用媒体の例)」で上述したものと同様である。なお、保護層に板状部材を用いる場合には、これら板状部材を接着剤を用いて、記録層、バッファー層又は反射層に接着すればよい。
【0025】
また、光記録媒体1が上記追記型の媒体である場合における記録層の材料としては、情報の記録及び再生が可能な限り任意のものを用いることができるが、通常、有機色素が用いられる。このような有機色素としては、例えば、大環状アザアヌレン系色素(フタロシアニン色素、ナフタロシアニン色素、ポルフィリン色素など)、ポリメチン系色素(シアニン色素、メロシアニン色素、スクワリリウム色素など)、アントラキノン系色素、アズレニウム系色素、含金属アゾ系色素、含金属インドアニリン系色素などが挙げられる。特に含金属アゾ系色素は、耐久性および耐光性に優れているため好ましい。なお、この場合の記録層の材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
【0026】
さらに、光記録媒体1が上記追記型の媒体である場合、記録層の形成方法は任意である。ただし、有機色素により記録層を形成する場合は、通常、有機色素を適当な溶媒に溶解させた溶液によるスピンコート、スプレーコート、ディップコート、ロールコート等の塗布方法で記録層を成膜する。この際、使用する溶媒に制限は無いが、例えば、ジアセトンアルコール、3−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタノン等のケトンアルコール溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ溶媒、テトロフルオロプロパノール、オクタフルオロペンタノール等のパーフルオロアルキルアルコール溶媒、乳酸メチル、イソ酪酸メチル等のヒドロキシエチル溶媒が好適に使用される。なお、溶媒は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
【0027】
また、記録層の厚さは、記録方法等により適した膜厚が異なるため、特に限定されないが、十分な変調度を得るために、通常5nm以上、好ましくは10nm以上、より好ましくは20nm以上である。但し、記録層に光を透過させる必要がある場合には、記録層の厚さは、通常3μm以下であり、好ましくは1μm以下、より好ましくは200nm以下である。
【0028】
(追記型の媒体の例2)
光記録媒体1が追記型の媒体である場合、それが膜面入射型の媒体であるときにおける他の具体例においては、記録再生機能層4は、通常、基板上に、反射層、誘電体層、記録層、誘電体層及び保護層をこの順に設けることによって構成される。
一方、光記録媒体1が追記型の媒体である場合、それが基板面入射型の媒体であるときにおける他の具体例においては、記録再生機能層4は、通常、基板上に、誘電体層、記録層、誘電体層、反射層、及び保護層をこの順に設けることによって構成される。
【0029】
反射層及び保護層の材料及び形成方法は、それぞれ「(再生専用媒体の例)」で上述したものと同様である。なお、保護層に板状部材を用いる場合には、これら板状部材を接着剤を用いて、誘電体層又は反射層に接着すればよい。
【0030】
誘電体層の材料としては、所定の耐熱性や機械的特性を有する情報の記録及び再生が可能な限り任意のものを用いることができるが、通常、無機材料(代表的には、ZnS/SiO2)が用いられる。また、誘電体層の形成方法も任意であるが、通常、スパッタリングすることによって形成される。
【0031】
また、光記録媒体1が上記のような追記型の媒体である場合、記録層の材料は、情報の記録及び再生が可能な限り任意のものを用いることができるが、通常、無機材料(例えば、Ge・Te、Ge・Sb・Teの様なカルコゲン系合金)が用いられる。また、このとき、記録層の製造方法は任意であるが、通常、スパッタリングによって形成される。さらに、この場合の記録層の膜厚にも制限は無いが、通常1nm〜50nm程度とされる。
【0032】
(書き換え可能型の媒体の例1)
光記録媒体1が書き換え可能型の媒体である場合、それが膜面入射型の媒体であるときには、記録再生機能層4は、通常、基板上に、反射層、誘電体層、記録層、誘電体層及び保護層をこの順に設けることによって構成される。
一方、光記録媒体1が書き換え可能型の媒体である場合、それが基板面入射型の媒体であるときには、記録再生機能層4は、通常、基板上に、誘電体層、記録層、誘電体層、反射層及び保護層をこの順に設けることによって構成される。
【0033】
反射層、誘電体層、記録層、及び保護層としては、上記追記型の媒体の例2と同様にすればよい。但し、記録層は、記録・消去を可逆的に行えるような材料とする必要がある。このような材料としては、例えば、SbTe系、GeTe系、GeSbTe系、InSbTe系、AgSbTe系、AgInSbTe系、GeSb系、GeSbSn系、InGeSbTe系、InGeSbSnTe系等の材料が挙げられる。これらの中でも、結晶化速度を高めるために、記録層にSbを主成分とする組成を用いることが好ましい。
【0034】
(書き換え可能型の媒体の例2)
光記録媒体1が書き換え可能型の媒体である場合、他の具体例として、光磁気記録媒体(MOディスク)を挙げることもができる。
【0035】
(共通事項:基板について)
記録再生機能層4を構成する基板の材料としては、通常、適度な加工性と剛性を有するものを任意に用いることができ、例えば、プラスチック、金属、ガラス等を用いることができる。ただし、光記録媒体1が基板面入射型である場合には、基板の材料として、入射する光に対して透明である光透過性材料が用いられる。一方、光記録媒体1が膜面入射型の光記録媒体である場合には、基板は入射する光に対して透明である必要はない。
【0036】
なかでも、通常は、基板はプラスチック材料により形成される。プラスチック材料の具体例としては、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。なお、基板の材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
【0037】
また、基板の厚さは所定の強度を確保できる限り任意であるが、通常は0.5mm〜1.2mm程度とするのが好ましい。尚、CD型媒体の場合は、通常、厚さがほぼ1.2mmの基板が使用される。また、DVD型媒体の場合は、表面に所定のピットまたはトラッキング用案内溝が形成された厚さがほぼ0.6mmの基板が使用され、記録性性機能層4の基板とは反対側の面に厚さがほぼ0.6mmのダミー基板を貼り合わせることにより光記録媒体としての剛性が付与される。
【0038】
また、基板の表面には、通常、所定のトラックピッチのトラッキング用案内溝が形成されている。トラックピッチは、記録再生光の波長により異なり、CD系光記録媒体では、通常1.5μm〜1.6μmである。また、DVD系光記録媒体では、通常0.7μm〜0.8μmである。青色レーザー用光記録媒体では、通常0.2μm〜0.5μmである。さらに、トラッキング用案内溝の溝深さは特に制限されないが、CD系光記録媒体では、通常10nm〜300nmである。DVD系光記録媒体では、通常10nm〜200nmである。青色レーザー用光記録媒体では、通常10nm〜200nmである。
【0039】
なお、上記の案内溝を基板に形成する方法に制限は無いが、例えば、プラスチック材料で基板を形成する場合には、射出成型等により基板自体の円盤状の形状と基板表面の案内溝とを一工程で形成することができる。また、例えば金属、ガラス等で基板を形成する場合には、基板の表面に光硬化性または熱硬化性の薄い樹脂層を形成し、その樹脂層に溝を形成するようにする。
【0040】
(共通事項:記録再生領域について)
記録再生機能層4には、記録再生領域6が設定されていて、この記録再生機能層4の記録再生領域6に、光記録媒体1に記録するべきユーザーデータが記録されるようになっている。記録再生領域6は、記録再生機能層4が中心孔を有する平板の環状形状の場合は、通常、図1で示すような、内周径よりも大きい内径と外周径よりも小さい外径との範囲内に、ドーナッツ状に設けられる。
【0041】
(その他)
なお、光記録媒体1においては、上記「(再生専用媒体の例)」、「(追記型の媒体の例1)」、「(追記型の媒体の例2)」、及び「(書き換え可能型の媒体の例1)」のいずれにおいても、記録容量向上の観点から、記録層を複数設けることも行われる。記録層を複数設ける場合、記録容量を考慮し、記録層の数は、通常2層以上、好ましくは3層以上とする。一方、記録層の数は、通常5層以下とする。
【0042】
本実施形態においては、図1に示すように、中央に表裏を貫通するセンターホール7を形成された円盤形状の記録再生機能層4を採用し、この記録再生機能層4に図中下方から情報記録再生面2に情報の記録又は再生のための光が照射され、記録再生機能層内の情報の記録又は再生ができるようになっているものとする。
【0043】
本実施形態においては、詳しくは、記録再生機能層4は、図2に示すように、光透過性材料からなる基板41と、基板41の表面に形成された情報記録層42とを有していて、情報記録層42は、基板41の表面に形成された所定のトラッキング用溝411上に、有機色素を含む記録層421と、例えば、Ag、Al等の金属からなる反射層422と、紫外線硬化性樹脂等から形成されている保護層423とが、順番に積層された構造を有しているものとする。つまり、本実施形態では、上記説明した「追記型の媒体の例1」で説明した記録再生機能層の一例を用いている。
【0044】
そして、この記録再生機能層4には、記録又は再生のためのレーザー光が、所定の開口数(NA)を有する対物レンズ(図示省略)を介して情報記録層42に照射されるようになっている。
このような記録再生機能層4を有する光記録媒体では、レーザー光が入射する側の面が情報記録再生面2となり、その反対側の面が印刷面3となる。
また、本実施形態においても、記録再生領域6は、図1に示すように、内周径よりも大きい内径と外周径よりも小さい外径との範囲内に、ドーナッツ状に設けられているものとする。
【0045】
[3.印刷層]
印刷層5は、記録再生機能層4の、情報記録再生面2とは反対側の印刷面3に形成される層である。この印刷層5には、図3に示すように、レーベル8の他、識読部としての点字9及び記号部10と、スペーサ部11,12とが形成されている。
【0046】
[3−1.レーベル]
レーベル8は、媒体の種類、情報記録容量、メーカー名、商品名などの様々な情報を表わすための記号を印刷面3に印刷して表示するもので、特に制限無く任意のものを用いることができる。ただし、印刷されたレーベル8を視覚障害者が認識しやすくするためには、記号の大きさは大きいほど好ましく、また、その記号部分とその他の地の部分とは色調が大きく異なる色で印刷することが望ましい。
本実施形態においては、図3に示すように、印刷面3にレーベル8として文字が印刷されているものとする。なお、図1においては、レーベル8は図示を省略する。
【0047】
[3−2.識読部]
識読部は、その識読部が有する情報が触覚により識読しうるよう、印刷面3上に立体的形状を有して形成されたものである。この識読部は、凹型(即ち、識読部が形成された部位を、周囲の部位よりも凹ませて形成されたもの)と凸型(即ち、識読部が形成された部位を、周囲の部位よりも突出させて形成されたもの)とがあるが、光記録媒体1には、どちらを形成してもよい。
識読部の例としては、点字9や記号部10などが挙げられる。
【0048】
点字9を形成する位置に制限は無く任意である。
また、点字9の寸法は、通常、視覚障害者が識読しうる程度に大きく形成される。具体的な範囲を挙げると、点字の高さは、通常50μm以上、好ましくは70μm以上、より好ましくは100μm以上、また、通常400μm以下である。
但し、本発明者等が、光記録媒体1の印刷面3上に様々な高さの点字9を形成して視覚障害者に識読してもらったところ、光記録媒体1における点字9の高さは、0.15mm程度が好ましいことがわかった。さらに、0.15mm程度の高さとすれば、点字9を光ディスクの規格で決められたスタックリブ(後述の突起部13の一態様)の高さの範囲内に納めることができる。つまり、光記録媒体1においては、0.15mm(150μm)程度の高さで点字9を設ければ、製造上も識読上も好ましい。したがって、点字9の高さは、好ましくは300μm以下、より好ましくは250μm以下、さらに好ましくは200μm以下である。さらに、点字の直径は、通常0.5mm以上、好ましくは0.8mm以上、また、通常2.5mm以下、好ましくは2.0mm以下である。
【0049】
一方、記号部10は、識読させようとする記号の形状に合わせて、印刷面3に凹凸を形成したものである。この際、記号部10は凸部のみで形成されていてもよく、凹部のみで形成されていてもよく、凸部と凹部とを組み合わせて形成されていてもよい。
また、当該凹凸を形成する際、その記号の形状に合わせてどのように凹凸を形成するかも任意であり、例えば、その記号の形状の輪郭部分のみを突出させたり凹ませたりしてもよく、記号の形状全体を突出させたり凹ませたりしてもよい。
【0050】
さらに、記号部10として表示する記号の種類も制限は無く、例えば文字、符号、図形、模様など、その記号部10により表わそうとする情報に応じて任意の記号を用いることができる。
【0051】
また、記号部10の大きさは、視覚障害者が識読しうる程度に大きく形成することが望ましい。具体的な大きさはその記号の複雑さの程度などに応じて任意に設定することができるが、当該記号の径(即ち、差し渡しの大きさ)が、通常3mm以上、好ましくは5mm以上、より好ましくは10mm以上であることが望ましい。ただし、記号部10の大きさがあまりに大きすぎると、逆に識読が困難になる虞があるため、通常80mm以下、好ましくは60mm以下、より好ましくは40mm以下とすることが望ましい。
【0052】
さらに、記号部10を形成する際の凹凸の高さ(或いは、深さ)も、当該記号部10が表示する記号を触覚により識読しうる限り任意であるが、通常50μm以上、好ましくは70μm以上、より好ましくは100μm以上、また、通常400μm以下、好ましくは300μm以下、より好ましくは250μm以下、さらに好ましくは200μm以下である。なお、記号部10の高さは、点字9の高さと同様とすることが好ましい。
【0053】
また、記号部10が点字9やスペーサ部11にあまりに近いと、それらの点字9やスペーサ部11があたかも記号部10の一部であるかのように認識されて正確な識読が困難となる場合があるため、記号部10は、点字9やスペーサ部11から、通常5mm以上、好ましくは7mm以上、より好ましくは10mm以上離れた位置に形成することが望ましい。
【0054】
さらに、記号部10は点字9に比べて占有する体積が大きく、光記録媒体1の回転時の重量バランスに対して大きい影響を及ぼす可能性がある。したがって、記録又は読み取り時に光記録媒体1の回転を不安定にしないようにする観点からは、記号部10は、光記録媒体1の重心のズレを少なくするように配置することが望ましい。具体的には、ソニーマニュファクチュアリングシステムズ社製のディスクバランスチェッカーDUC−10で測定されるアンバランス(偏重心)量(g・mm)が、通常5以下、好ましくは4以下、より好ましくは3以下となるように、記号部10の配置を行う。なお、アンバランス値の下限は、理論上はゼロとなる。
【0055】
本実施形態においては、識読部として、印刷面から凸に形成された点字9と、同じく印刷面から凸に形成された記号部10とを形成されているものとする。また、記号部10はレーベル8よりも大きく形成されているものとする。なお、以下適宜、点字9と記号部10とを区別せずに指す場合、「識読部9,10」という。
【0056】
[3−3.スペーサ部]
スペーサ部11,12は、印刷面3に突出して形成された部分である。このスペーサ部11,12は、図4に示すように、光記録媒体1,1’同士を情報記録再生面2’と印刷面3とが対向するように重ね合わせた場合に、情報記録再生面2’と、印刷面3及び識読部9,10との接触を防止するための部分である。これは、情報記録再生面2’が何らかの物体と接触して傷が付き、情報の記録や再生が不安定になったり、できなくなったりすることを防止することを目的とする。なお、図4においては、上側の光記録媒体1’の各部の符号には、下側の光記録媒体1との区別のため、それぞれ「’」を付して表示している。ここで、スペーサ部11,12があったとしても、情報記録再生面2’と印刷面3とは瞬間的に接触する場合がありうる。従って、本発明においては、情報の記録や再生に影響を与えない上記のような瞬間的な接触は当然に許容される。
【0057】
したがって、スペーサ部11,12は、上記の接触を防止できる程度の高さに形成することになる。例えば、印刷面3から識読部として点字9や記号部10などが凸に形成されていれば、スペーサ部11,12は、当該識読部9,10よりも高く形成して、当該識読部9,10と情報記録再生面2’とが接触しないようにすればよい。また、例えば、印刷面3に識読部が凹んで形成されていれば、スペーサ部11,12は、所定の高さに形成して、印刷面3と情報記録再生面2’とが接触しないようにすればよい。但し、スペーサ部11,12の高さは、後述する突起部13を用いる場合と用いない場合とで異なる値をとる。つまり、突起部13を用いる場合は、スペーサ部11と突起部13との合計の高さを、識読部9,10の高さよりも高くすることが好ましい。一方、突起部13を用いない場合には、スペーサ部11,12の単独の高さを識読部9,10の高さよりも高くすることが好ましい。
【0058】
具体的には、突起部13及びスペーサ部11,12を用いる場合は、突起部13及びスペーサ部11の合計の高さ並びにスペーサ部12の高さそれぞれを、通常200μm以上、好ましくは300μm以上、より好ましくは350μm以上として形成する。スペーサ部11,12を単独で用いる場合には、スペーサ部11,12の高さを、通常200μm以上、好ましくは300μm以上、より好ましくは350μm以上として形成する。
また、特に、上記の高さを、識読部9,10の高さよりも通常50μm以上、好ましくは100μm以上、より好ましくは200μm以上、高く形成することが望ましい。
【0059】
ただし、従来技術とは異なり、スペーサ部11,12は、光記録媒体1の周方向に対して少なくとも一部が不均一な形状となるように形成する。これは、点字9や記号部10等の識読部を印刷して形成する際に位置あわせの目印としてスペーサ部11,12を用いるためである。即ち、後述するように、識読部は視覚障害者が識読しうる程度に高低差を有する立体的な形状に形成する必要があり、これを実現するため、その形成時には2回以上印刷を行なって識読部の高さを確保することになるが、この際の光記録媒体1の位置決めのために、スペーサ部11,12を使用するようになっているのである。
【0060】
従来は、スペーサ部はリング状、即ち、円環形状となるよう、周方向に均一に形成されていた。これは、記録又は再生時に光記録媒体を回転させることになるため、この回転を安定化させるには、リング状とすることが好ましかったためである。しかし、これでは光記録媒体1の周方向の位置あわせの基準としてスペーサ部を使用することができない。そこで、本発明において用いる光記録媒体1では、少なくとも一部が光記録媒体1の周方向において不均一となるようにし、その不均一部分を位置あわせ用の基準(目印)として使用できるようにしたのである。
【0061】
したがって、スペーサ部11,12の形状は、少なくとも一部が光記録媒体1の周方向において不均一であれば、具体的形状は任意である。よって、例えば図5(a)のように断続的に複数個所にスペーサ部Sを形成してもよく、図5(b)のようにリング形状の一部に切欠s1を形成した形状にスペーサ部Sを形成してもよく、図5(c)のようにリング形状の一部に突起s2を形成した形状にスペーサ部Sを形成してもよい。また、これら以外の形状に形成することも可能である。ただし、記録又は再生時の光記録媒体1の回転を安定化させるためには、スペーサ部11,12は、光記録媒体1の回転中心に対して点対称な形状に形成することが望ましい。
【0062】
なお、スペーサ部11,12は、図5(a),(b)のように、印刷面3上に不連続に形成されることが好ましい。これは、スペーサ部11,12をリング形状に形成すると、図4に示すように、光記録媒体1,1’を重ねたときに、スペーサ部11,12と突起部13や情報記録再生面2’との間でブロッキング(固着)が起きる場合があるからである。上記のブロッキングは、スペーサ部11,12を硬化性樹脂(特に紫外線硬化性樹脂)を用いる場合に起こりやすくなる。接触面積を減らして、上記ブロッキングを抑制する観点から好ましいのは、スペーサ部11,12を3分割以上とすることである(例えば、図3、図5(a)はスペーサ部11,12を4分割した例である)。より好ましくは、スペーサ部11,12を4分割以上とする。一方、工業生産を考慮し、スペーサ部11,12は適宜1000分割以下、好ましくは500分割以下とする。
【0063】
スペーサ部11,12を形成する位置に制限は無く任意である。通常は、記録再生領域6の内側に形成されるが、上述した情報記録再生面2’と印刷面3及び識読部9,10との接触を防止する観点からは、スペーサ部12を、記録再生領域6の外側に形成することも望ましい。光記録媒体1,1’を積み重ねた場合、上側の光記録媒体1’の外縁がたわむことにより上記の接触が生じやすくなるが、記録再生領域6の外側にスペーサ部12を形成して光記録媒体1の外縁を支えるようにすることで、記録再生領域6を上記の接触から保護することが可能となる。即ち、スペーサ部12が記録再生領域6の外側において情報記録再生面2’と当接することによって、スペーサ部12が光記録媒体1の外縁を支えるようにするのである。また、同様の観点から、スペーサ部11,12は、記録再生領域6の内側及び外側の少なくとも一方に形成することが好ましいが、記録再生領域6の内側及び外側の両方に形成することがより好ましい。
【0064】
本実施形態においては、図3に示すように、光記録媒体1には、記録再生領域6よりも内側、即ち、光記録媒体1の内縁部に、三角形のスペーサ部11が4箇所形成されている。また、この光記録媒体1には、記録再生領域6よりも外側、即ち、光記録媒体1の外縁部に、光記録媒体1の外周形状に沿った弧状のスペーサ部12が4箇所形成されているものとする。したがって、これらのスペーサ部11,12は、いずれも光記録媒体1の周方向に対して少なくとも一部が不均一な形状となり、印刷時に位置あわせの基準として用いることができるようになっている。
【0065】
さらに、これらのスペーサ部11,12は、それぞれ同じ形状に形成され、対向するスペーサ部11,12同士が光記録媒体1の記録再生時の回転中心に対して点対称となっている。したがって、これらのスペーサ部11,12は、いずれも、記録や再生の際に光記録媒体1を回転させても、光記録媒体1の回転を不安定にさせることはないようになっている。
また、各スペーサ部11,12は、いずれも上述した接触を防止できる程度に高く印刷面3から凸に形成されている。
【0066】
[3−4.印刷層の材料]
印刷層5を構成するレーベル8、点字9や記号部10等の識読部、スペーサ部11,12などは、本発明の要旨を逸脱しない限り任意のもので形成することができるが、上記の識読部9,10やスペーサ部11,12を形成する材料としては、硬度が大きい、硬化収縮が小さい、経時変化の少ない、等の特性が求められるため、これらの特性を有する材料を用いることが望ましい。
【0067】
これらの特性を有する印刷層5の材料としては、通常、熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂等の硬化性樹脂を用いる。中でも、一般的に硬化速度が速く作業性が容易となりやすいため、光硬化性樹脂が好ましい。
【0068】
一般に、光硬化性樹脂は、樹脂の骨格となる樹脂主成分であるオリゴマー、反応性希釈剤としてモノマー、重合開始剤、添加剤等の混合物からなる。この光硬化性樹脂に上記の硬度が大きい、硬化収縮が小さい、経時変化の少ない、等の特性を備えさせるには、以下の手段を用いればよい。
【0069】
即ち、光硬化性樹脂の硬度を大きくするには、オリゴマーそのものの分子構造を工夫したり、立体的に架橋するように、2官能、3官能またはそれ以上の反応基を有するモノマーを用いたりすればよい。
ただし、上記の多官能モノマー成分は、多すぎると硬化収縮が大きくなる虞がある。これを防ぐために、オリゴマーの構造を工夫したり、各モノマーの組成を調整してバランスをとったりすることが望ましい。
【0070】
さらに、光硬化性樹脂においては、経時変化は、未硬化成分の揮発、分解による腐食成分の発生等によりもたらされる事が多い。このため、経時変化を抑制するためには、混合物の組成、特に重合開始剤の種類、量などを工夫することが望ましい。ただし、この重合開始剤は、樹脂の架橋に組み込まれないので、徐々に揮発(溶出)されることがある。したがって、上記重合開始剤は、必要最低限の量に止めることが好ましい。
【0071】
光硬化性樹脂の例としては、紫外線硬化性樹脂材料を挙げることができる。また、紫外線硬化性樹脂の例としては、ラジカル系(ラジカル重合型の)紫外線硬化性樹脂、カチオン系(カチオン重合型の)紫外線硬化性樹脂などが挙げられ、いずれも使用することができる。
【0072】
ラジカル系紫外線硬化性樹脂としては、例えば、紫外線硬化性化合物と光重合開始剤とを必須成分として含む組成物が挙げられる。ラジカル系紫外線硬化性化合物との具体例としては、単官能(メタ)アクリレート及び多官能(メタ)アクリレートを重合性モノマー成分として用いることができる。ここで、アクリレートとメタアクリレートとを併せて(メタ)アクリレートと称する。なお、光重合開始剤としては、光開裂型又は水素引き抜き型のものが好ましい。
【0073】
一方、カチオン系紫外線硬化性樹脂としては、例えば、カチオン重合型の光開始剤を含むエポキシ樹脂が挙げられる。エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA−エピクロールヒドリン型、脂環式エポキシ、長鎖脂肪族型、臭素化エポキシ樹脂、グリシジルエステル型、グリシジルエーテル型、複素環式系等が挙げられる。
【0074】
さらに、エポキシ樹脂としては、遊離した塩素及び塩素イオン含有率が少ないものを用いるのが望ましい。具体的な範囲を挙げると、塩素の量は、通常1重量%以下、好ましくは0.5重量%以下であることが望ましい。なお、カチオン重合型の光開始剤としては、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、ジアゾニウム塩等が挙げられる。
【0075】
上述したものの中でも、印刷層5を構成するレーベル8、識読部9,10、スペーサ部11,12の材料としては、ラジカル重合型のアクリル酸エステルを主体とする未硬化の紫外線硬化樹脂を用いることが特に好ましい。
なお、印刷層5の材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
【0076】
また、印刷層5の材料として硬化性樹脂を用いる場合には、その粘度(室温(25±5℃)での粘度)は、通常0.5Pa・s以上、好ましくは1Pa・s以上とすることが望ましい。硬化性樹脂材料の粘度を上記範囲とすれば、硬化性樹脂材料の塗布性が良好となり、識読部9,10やスペーサ部11,12などの高さ制御が行ないやすくなる。一方、硬化性樹脂材料の粘度(室温(25±5℃)での粘度)の上限は、通常100Pa・s以下、好ましくは50Pa・s以下とすることが望ましい。硬化性樹脂材料の粘度を上記範囲とすれば、一般的に、温度による粘度変化も抑制しやすくなり、実用上好ましい。
【0077】
[4.突起部]
情報記録再生面2には、図4に示すように光記録媒体1,1’同士を情報記録再生面2’と印刷面3とが対向するように重ね合わせた場合に、スペーサ部11と当接しうる位置に突起部13’を形成することが好ましい。これにより、光記録媒体1,1’を積み重ねた場合に、突起部13’とスペーサ部11とが当接し、情報記録再生面2’と、印刷面3及び識読部9,10との接触をより確実に防止することができるようになる。
【0078】
なお、図1に示すように、突起部13を形成する具体的な位置は、記録再生機能層4(光記録媒体1)を挟んでスペーサ部11が形成された部分のちょうど反対側の位置とすることが望ましい。通常は、スペーサ部11は光記録媒体1の記録再生時の安定性のために同心円上に位置するように形成されるので、突起部13も、情報記録再生面2の上記の同心円上の位置に形成することが望ましい。
【0079】
また、光記録媒体1,1’を積み重ねた場合に上記の接触を防止することができるのであれば、突起部13の形状に制限は無い。したがって、当接するスペーサ部11と同様の形状に形成してもよいが、積み重ねた場合の光記録媒体1の周方向の位相によらず確実にスペーサ部11と突起部13’とが当接しうるよう、突起部13は円環形状に形成することが望ましい。
【0080】
さらに、突起部13の寸法にも制限は無く任意である。例えば、上記の接触を確実に防止すべく、突起部13の高さはスペーサ部11と同様に形成してもよい。
また、突起部13の形成方法は任意であり、例えば射出成形によって基板4と一体として形成することもできる。また、突起部13は、スクリーン印刷などの印刷手段を用いて形成してもよい。この場合、突起部13の形成工程は、点字形成工程の前に行なってもよく、点字形成工程の後に行なってもよい。
本実施形態においては、情報記録再生面2の内縁部の、光記録媒体1,1’を積み重ねた場合にスペーサ部11と当接しうる位置に、円環形状の突起部13を形成してあるものとする。
【0081】
[5.ハードコート層]
情報記録再生面2には、情報記録再生面2が傷つくことを防止するため、ハードコート層14を形成することが望ましい。点字9や記号部10などの識読部を識読する際、視覚障害者は、光記録媒体1の表裏が明確には分からないため、通常、情報記録再生面2と印刷面3とを両方とも指触する。この際、情報記録再生面2には傷がつきやすいため、ハードコート層14により情報記録再生面2を保護することが好ましい。
【0082】
ハードコート層14は、記録再生機能層3への記録又は再生に用いる光の透過を許容しつつ、情報記録再生面2が傷つくことを防止できれば任意のものを用いることができる。このようなハードコート層14としては、例えば、光硬化性樹脂の中に無機フィラーを含有させた材料を塗布、硬化することによって得ることができる。より具体的には、例えば特開2004−272993号公報に記載のハードコート層を適用することができる。
【0083】
また、ハードコート層14は少なくとも情報記録再生面2の記録再生領域6に対応する部位、即ち、記録再生領域6の情報の記録又は再生のための光が透過する部位に形成することが望ましい。記録又は再生を安定して行なえるようにするためである。
本実施形態においても、光記録媒体1の情報記録再生面2にはハードコート層14が形成されているものとする。
【0084】
[6.作用(形成方法)]
本実施形態の光記録媒体1は上記のように構成されているため、点字9や記号部10などの識読部を形成する際、スペーサ部11,12を位置あわせの基準(目印)にしながら2回以上重ねて正確な印刷を行なうことが可能であり、したがって、印刷ずれを抑制しながら識読部9,10を精密に形成することが可能である。
以下、この点について例を示しながら説明する。
【0085】
点字9や記号部10などの識読部は、上記のように、その材料(通常は、硬化性樹脂)を印刷面3に印刷し、これを硬化させて形成する。
印刷の方法に制限は無く、任意である。例えば、スクリーン印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷、ディスペンスノズルでの印刷などが挙げられる。ただし、これら印刷方法の中でも、所定の厚み(高さ)を有する印刷が可能となる点、及び、工業生産上の観点からスクリーン印刷を用いることが好ましい。
【0086】
ただし、上記のような印刷は、通常2回以上行なうようにする。これは、点字9や記号部10などの識読部は、視覚障害者が識読できるようにするため、2回以上印刷を行なって、所定以上の高さに形成しなくてはならないからである。
ここで、点字9は、その配置によって意味を有するものであるが、比較的大きさが小さいので、2回以上印刷を行なう場合には各印刷における位置あわせを精密に行なうようにすることが要求される。また、記号部10も、触覚により適切に識読できるように形成するには、正確な位置あわせを行ないながら複数回の印刷により精密に形成することが要求される。そこで、本実施形態の光記録媒体1においては、上記のように識読部9,10を形成する際の位置あわせのための基準(目印)としてスペーサ部11,12を用い、正確な複数回印刷を行なうのである。
【0087】
印刷層5の形成には、例えば、図6に示すような印刷装置101を用いる。この印刷装置101は、搬送装置102によって搬送されてきた印刷層5の形成前の光記録媒体1(以下適宜、「ディスク100」という)を取り込み、印刷層5をスクリーン印刷により形成して、再び搬送装置102に送り出すものである。なお、この印刷装置101では、印刷を2回行なうものとするが、実際には、適宜、所望の高さの識読部9,10及びスペーサ部11,12が形成できる回数だけ印刷を行なうようにする。また、この印刷装置101では光硬化性樹脂により印刷層5を形成するが、印刷層5(レーベル8、点字9、記号部10、スペーサ部11,12)はこれ以外の材料で形成してもよい。
【0088】
印刷装置101は、搬送装置102からディスク100を取り込む取込部103と、1回目のスクリーン印刷を行なう第1印刷部104と、第1印刷部104で印刷された硬化性樹脂を硬化させる第1硬化部105と、2回目のスクリーン印刷を行なう第2印刷部106と、第2印刷部106で印刷された硬化性樹脂を硬化させる第2硬化部107と、印刷層5の形成後のディスク100(即ち、光記録媒体1)を搬送装置102に送り出す送出部108と、取込部103で取り込んだディスク100を第1印刷部104、第1硬化部105、第2印刷部106、第2硬化部107及び送出部108の順に移動させるディスク移動装置109とを備えている。
【0089】
また、第1印刷部104には、図7に示すようなスクリーン印刷具110が設けられている。このスクリーン印刷具110は、枠体111に張設された印刷用スクリーン112と、印刷用スクリーン112に硬化性樹脂Pを押し伸ばすためのスキージ113とを備えて構成されている。また、印刷用スクリーン112には、ディスク100の印刷面3に印刷するべき印刷層5の形状(即ち、レーベル8、点字9、記号部10及びスペーサ部11,12の形状)に合わせて開口された印刷用パターン114が形成されていて、スキージ113で硬化性樹脂Pを印刷用スクリーン112に押し伸ばすことにより、印刷用パターン114を通ってディスク100上に硬化性樹脂Pが供給され、スクリーン印刷が行なわれるようになっている。
【0090】
さらに、第1印刷部104のスクリーン印刷具110の下部には、ディスク100を載置するための印刷台115が設置されている。この印刷台115は、ディスク移動装置109により運ばれてきたディスク100を真空吸引などにより固定して、正確な印刷ができるようにするためのものである。
【0091】
また、第1硬化部105には、図8に示すように、硬化性樹脂Pを硬化させるための光源116が設けられていて、この光源116からディスク100上の硬化性樹脂Pに光を照射することにより、硬化性樹脂Pが硬化するようになっている。
【0092】
第2印刷部106も、図9に示すように、第1印刷部104と同様の構成を有するスクリーン印刷具110’を備えている。ただし、レーベル8を単色刷りする場合には、通常、レーベル8は複数回印刷する必要は無いため、スクリーン印刷具110’においては、印刷用パターン114’にレーベル8に対応したパターンは必ずしも必要ではない。本実施形態においても、第2印刷部106に設けられたスクリーン印刷具110’の印刷用パターン114’には、レーベル8に対応したパターンは形成していないものとする。なお、図9において、図7と同様の部位は、図7と同様の符号を用いて示す。
【0093】
ここで、第2印刷部106での印刷と第1印刷部104とでの位置合わせについて説明する。
位置合わせの第1の方法としては、生産を行なう前に、位置合わせの作業を行なう方法を挙げることができる。すなわち、第1印刷部104及び第1硬化部105で印刷されたスペーサ部11、12を目印に、第2印刷部106の枠体111の位置調整を行ない、第2印刷部106及び第2硬化部107での印刷作業を行なう。上記作業を繰り返しながら、第1印刷部104での印刷と第2印刷部106での印刷との位置ずれを徐々に低減していく。そして、位置あわせが完了した後に、光記録媒体1の生産を開始する。この方法は、印刷装置を簡便にできるという利点がある。
位置あわせの第2の方法としては、生産を行ないつつ位置合わせを適宜行う方法を挙げることができる。
【0094】
つまり、第2印刷部106には、図10に示すように、スペーサ部11,12を用いて位置あわせを行なうための手段として、可動印刷台117と、ディスク位置検出手段としてのカメラ118と、位置調整手段としての制御部119とが設けられている。
可動印刷台117は、制御部119の制御にしたがって水平方向及びディスク100の周方向に可動に形成されたもので、印刷台115と同様、ディスク移動装置109により運ばれてきたディスク100を真空吸引などにより固定できるようになっている。
【0095】
また、カメラ118は、ディスク100の印刷面3を撮影し、その情報を制御部119に送るものである。
さらに、制御部119は、送られてきた印刷面3の情報から、スペーサ部11,12が印刷された位置を認識し、そのスペーサ部11,12の位置を基に、可動印刷台117上のディスク100が本来あるべき位置にあるか否か、及び、本来あるべき位置にないとすればどれだけずれているかを判定するようになっている。なお、ここでディスク100が本来あるべき位置とは、印刷時にスクリーン印刷具110’の印刷用パターン114’により印刷される硬化性樹脂が、第1印刷部104により印刷された印刷層5上に正確に印刷できる位置をいい、ディスク100の周方向の位置も含む。
【0096】
そして、ディスク100の位置がずれている場合には、制御部119は、ディスク100の位置を本来あるべき位置に合わせるべく、可動印刷台117を動かして位置を調整し、可動印刷台117上のディスク100の位置を、本来あるべき位置に合わせることができるようになっている。
また、第2硬化部107は、第1硬化部105と同様に構成されている。
【0097】
したがって、この印刷装置101を用いて印刷層5の形成を行なう場合は、以下のような手順により印刷が行なわれる。まず、図6のように、搬送装置102から取込部103がディスク100を取り込み、ディスク移動装置109がそれを第1印刷部104にまで運ぶ。
【0098】
第1印刷部104に運ばれたディスク100は、図7のように印刷台115上に載置され、固定される。そして、スクリーン印刷具110により、ディスク100の印刷面3上に開口された印刷用パターン114に合わせて印刷が行なわれる。
こうして1回目の印刷が行なわれたディスク100は、ディスク移動装置109によって第1硬化部105に運ばれる。第1硬化部105では、図8のように、ディスク100上に印刷された硬化性樹脂に光が照射され、硬化性樹脂を硬化させる。
【0099】
その後、ディスク100はディスク移動装置109によって第2印刷部106に運ばれ、図10のように、可動印刷台117に載置される。そして、第2印刷部106ではカメラ118がディスク100の印刷面3を撮影し、この撮影した像の情報を基に制御部119がスペーサ部11,12を目印として、可動印刷台117の位置を調整することにより、ディスク100の位置あわせを行なう。
【0100】
次いで、第2印刷部106では、図9のように、スクリーン印刷具110’による印刷が行なわれる。この際、制御部119によって位置あわせが行なわれたため、スクリーン印刷具110’により印刷される硬化性樹脂は、1回目の印刷により印刷された部位の上に正確に印刷されることになる。
【0101】
上記のようにして2回目の印刷が行なわれたディスク100は、ディスク移動装置109によって第2硬化部107に運ばれ、光を照射されて、印刷された硬化性樹脂を硬化させられることになる。
こうして印刷層5の印刷が行なわれたディスク100(即ち、光記録媒体1)は、移動装置109によって送出部108に送られ、送出部108によって搬送装置102に送り出される。
【0102】
このように、本実施形態のようにスペーサ部11,12を形成された光記録媒体1は、複数回印刷を行なって点字9や記号部10のような識読部を形成する際に、スペーサ部11,12を位置合わせに用いることにより、正確な印刷をすることができる。
また、レーベル8の印刷はここでは1回しか行なわないようにしたが、レーベル8を多色印刷にて形成する場合には、印刷もその色に合わせて2回以上行なうことになる。このような場合にも、本実施形態の光記録媒体1では、スペーサ部11,12を位置合わせに用いることにより、より正確できれいな印刷が可能となる。
【0103】
ここで、点字9や記号部10等の識読部そのものを位置あわせのための目印として用いるよりも、スペーサ部11,12を目印として位置あわせを行なうことが好ましいのは、以下の理由による。即ち、識読部は、表わそうとする情報などに応じてしばしば変化することが予想されるため、その識読部の形状や配置が変更される度に印刷装置101の設定を変更することが必要となり、操作が煩雑となりやすい。これに対して、スペーサ部11,12は光記録媒体1の種類や規格などに応じて一定に設定することができるため、変更する機会は少なく、たとえ光記録媒体1のデザイン等を変更したとしても共通に使用できる。したがって、このスペーサ部11,12を位置あわせのための目印として使用するようにすれば、光記録媒体1の製造を工業的に有利に行なうことが可能となるのである。また、点字9は点で形成されているので印刷位置のずれが発生しているのかが分かりにくい。このような観点からも、スペーサ部11,12を位置あわせの目印として使用することが好ましい。
【0104】
[7.効果]
以上のように、本実施形態の光記録媒体1によれば、点字9や記号部10等の識読部によって、視覚障害者であっても当該光記録媒体1に関する情報等を把握できるようになる。また、暗所などでの上記光記録媒体1に関する情報の把握が可能となる。さらに、この光記録媒体1は、製造時にスペーサ部11,12によって位置あわせをすることができるため、複数回の印刷を精密に行なうことが可能であり、識読部9,10の高さを十分に確保して、確実に識読しうる識読部を形成することができる。
【0105】
また、光記録媒体1には識読部として点字9を形成したために、点字9を用いて情報の把握が可能である。さらに、記号部10を形成したため、点字9を読めない者であっても記号部10が表わす情報を認識することができる。また、この記号部10はレーベル8よりも大きく形成してあるために、レーベル8を読むことができなかった視覚障害者であっても、障害の程度によっては、視覚により当該記号部10を読み取ることも可能である。
【0106】
また、光記録媒体1にはスペーサ部11,12が形成されているため、光記録媒体1,1’(図4参照)を積み重ねた場合でも、情報記録再生面2’が他の光記録媒体1の印刷面3や識読部9,10に接触して傷つくことを防止することができる。特に、記録再生領域6の外側にスペーサ部12を形成してため、より確実に上記の接触を防止することができる。
【0107】
さらに、光記録媒体1には情報記録再生面2にスペーサ部11と当接しうる突起部13を形成したため、上記の接触を、さらに確実に防止することが可能である。
また、光記録媒体1の情報記録再生面2にはハードコート層14が形成されているため、積み重ねたときや、識読するときなどに情報記録再生面2が傷つくことを、より確実に防止することができる。
【0108】
[8.その他]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。
例えば、識読部としては、上記の点字9や記号部10以外のものを形成してもよい。また、上記実施形態では識読部は凸型(突出した形状)に形成したが、凹型(凹んだ形状)に形成しても、視覚障害者が触覚により識読することは可能である。この変形例について説明すると、例えば、図11に示すような光記録媒体1”を形成するようにしてもよい。
【0109】
図11の光記録媒体1”は、ベース層15が、記号部10”を囲むように印刷面3に印刷されることにより、記号部10”が凹型に形成されているほかは、上記実施形態で説明した光記録媒体1と同様に構成されている。即ち、光記録媒体1”においては、点字9、スペーサ部11,12はいずれも、記録再生機能層4上に直接形成されていて、記号部10”は、記号部10と同様の位置にベース層15が凹むことにより形成されている。この場合も、記号部10”ではベース層15との間に立体的な段差が形成されるため、視覚障害者は識読が可能である。なお、図11において、図1と同様の部位は、図1と同様の符号で示すものとする。
【0110】
また、例えば、上記実施形態では識読部9,10により視覚障害者が光記録媒体1に関する情報を指触して認識できるように形成したが、これに加え、視覚障害者が視覚的に認識可能な大きさの記号等を2次元的に印刷しても、視覚障害者の障害の程度によっては、同様に視覚障害者は光記録媒体1に関する情報を認識できる。
【0111】
また、上記の印刷層5の形成方法はあくまで一例であり、他の方法により光記録媒体1に印刷層5を形成するようにしてもよい。例えば、上記実施形態では印刷を2回行なう例を示したが、3回以上印刷を行なうようにしても良い。また、スペーサ部11,12の少なくとも一部を識読部9,10より以前又は同時に形成し、スペーサ部11,12を目印として識読部9,10の形成を行なう限り、印刷層5を形成する各部の形成順序も任意である。
さらに、記録再生機能層4の層構成も任意であり、上述した層以外の層を備えていてもよい。
【0112】
また、外縁部に形成されたスペーサ部12に対応した突起部を、情報記録再生面2に形成するようにしてもよい。
さらに、上述した以外の構成部を組み合わせて光記録媒体を形成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明の光記録媒体は、CD、DVD、青色レーザ対応の次世代の光記録媒体等の各種の光記録媒体の分野において、好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明の一実施形態としての光記録媒体の模式的な断面図である。
【図2】本発明の一実施形態としての光記録媒体の記録再生機能層の層構成を説明する模式的な断面図である。
【図3】本発明の一実施形態としての光記録媒体の模式的な平面図である。
【図4】本発明の一実施形態としての光記録媒体を積み重ねた場合の模式的な断面図である。
【図5】本発明の一実施形態について説明するもので、(a)〜(c)はいずれもスペーサ部の形状の例を示す模式的な図である。
【図6】本発明の一実施形態について説明するもので、光記録媒体に印刷を行なう印刷装置の概要を模式的に示す図である。
【図7】本発明の一実施形態について説明するもので、印刷装置の第1印刷部を説明するための模式的な図である。
【図8】本発明の一実施形態について説明するもので、印刷装置の第1硬化部を説明するための模式的な図である。
【図9】本発明の一実施形態について説明するもので、印刷装置の第2印刷部を説明するための模式的な図である。
【図10】本発明の一実施形態について説明するもので、印刷装置の第2印刷部を説明するための模式的な図である。
【図11】本発明の変形例としての光記録媒体の模式的な断面図である。
【符号の説明】
【0115】
1,1’,1” 光記録媒体
2,2’ 情報記録再生面
3,3’ 印刷面
4,4’ 記録再生機能層
5,5’ 印刷層
6,6’ 記録再生領域
7,7’ センターホール
8,8’ レーベル
9,9’ 点字(識読部)
10,10’,10” 記号部(識読部)
11,11’,12,12’ スペーサ部
13,13’ 突起部
14,14’ ハードコート層
15 ベース層
41 基板
42 情報記録層
100 ディスク
101 印刷装置
102 搬送装置
103 取込部
104 第1印刷部
105 第1硬化部
106 第2印刷部
107 第2硬化部
108 送出部
109 ディスク移動装置
110,110’ スクリーン印刷具
111 枠体
112 印刷用スクリーン
113 スキージ
114,114’ 印刷用パターン
115 印刷台
116 光源
117 可動印刷台
118 カメラ
119 制御部
411 トラッキング用溝
421 記録層
422 反射層
423 保護層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光により記録又は再生を行なうための情報記録再生面と、該情報記録再生面とは反対側に存在する印刷面とを有する光記録媒体であって、
該印刷面に形成された凹型又は凸型の識読部と、
該光記録媒体の周方向に対して少なくとも一部が不均一な形状となるよう、該印刷面に突出して形成され、該光記録媒体同士を該情報記録再生面と該印刷面とが対向するように重ね合わせた場合に該情報記録再生面と該印刷面及び該識読部との接触を防止しうるスペーサ部とを備える
ことを特徴とする、光記録媒体。
【請求項2】
該光記録媒体同士を該情報記録再生面と該印刷面とが対向するように重ね合わせた場合に、該スペーサ部と当接しうる該情報記録再生面の位置に、突起部を備える
ことを特徴とする、請求項1記載の光記録媒体。
【請求項3】
該光記録媒体同士を該情報記録再生面と該印刷面とが対向するように重ね合わせた場合に、該スペーサ部が記録再生領域の外側において該情報記録再生面と当接するように、該スペーサ部を備える
ことを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の光記録媒体。
【請求項4】
該識読部として点字が形成されている
ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光記録媒体。
【請求項5】
該識読部として記号部が形成されている
ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光記録媒体。
【請求項6】
該情報記録再生面上に、ハードコート層が形成されている
ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の光記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−95158(P2007−95158A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−282364(P2005−282364)
【出願日】平成17年9月28日(2005.9.28)
【出願人】(501495237)三菱化学メディア株式会社 (105)
【Fターム(参考)】