説明

光記録媒体

【課題】 点字等の識読部を識読する場合に、従来よりも円滑に識読することができるようにした光記録媒体を提供する。
【解決手段】 光により記録又は再生を行なうための情報記録再生面2と、情報記録再生面2とは反対側に存在する印刷面3とを有する光記録媒体1に、印刷面3に形成された潤滑層5と、潤滑層5上に形成された凹型又は凸型の識読部6,7とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光記録媒体に関し、特に、視覚障害者等のための光記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
光記録媒体の情報読取面(情報記録再生面)とは反対側の面(印刷面)には、通常、例えば媒体の種類、情報記録容量、メーカー名、商品名などの様々な情報を表わすための記号(以下適宜、「レーベル」という)が印刷され、これにより、使用者が当該情報を認識できるようになっている。しかし、視覚に何らかの障害を有する視覚障害者は、上記の印刷面に表示されたレーベルを認識することができないことがあった。なお、ここで言う「視覚障害者」には、目が全く見えない者以外に、乱視、弱視、近視、遠視、色盲、老眼など、上記印刷面のレーベルを認識できない程度に視力に何らかの障害を有している者のことを指し、高齢者などを含めて広義の者を表わすものとする。
【0003】
上記のようなケースに対応するため、特許文献1には、ディスク状の光記録媒体の中心部に点字等を設けることが提案されている。また、特許文献1には、上記のように点字等を形成することにより、光記録媒体の種類を識別できる他、表裏の確認もできるようになると記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−269836号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の引用文献1に記載の技術においては、点字等をポリカーボネートの基板上に形成していた。しかしながら、ポリカーボネート基板は滑り性が低い(滑りにくい)ため、点字等を指触により識読しようとした場合に指滑りが悪く、円滑な識読が難かった。これは、光記録媒体には平坦性が要求されるために、基板を平坦にしたことにより、点字等を形成する部分の滑り性が充分でないために生じたものである。
本発明は上記の課題に鑑みて創案されたもので、点字等の識読部を識読する場合に、従来よりも円滑に識読することができるようにした光記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の発明者は、上記の課題を解決するべく鋭意検討した結果、識読部を形成する面の滑り性を高めることにより、識読の際に指すべりを滑らかにして従来よりも円滑に識読できるようにした光記録媒体を提供できることを見出し、本発明を完成させた。
【0007】
即ち、本発明の要旨は、光により記録又は再生を行なうための記録再生機能層と、該光が入射する情報記録再生面と、該記録再生機能層を挟んで該情報記録再生面とは反対側に存在する潤滑層と、該潤滑層上に形成された凹型又は凸型の識読部とを有することを特徴とする、光記録媒体に存する(請求項1)。
【0008】
このとき、該潤滑層の表面粗さRaは、0.05μm〜5μmであることが好ましい(請求項2)。
【0009】
さらに、該潤滑層は、硬化性樹脂とフィラーとを含有することが好ましい(請求項3)。
【0010】
また、該潤滑層は、硬化性樹脂と潤滑剤とを含有していても好ましい(請求項4)。
【0011】
また、該情報記録再生面上には、ハードコート層が形成されていることが好ましい(請求項5)。
【0012】
さらに、該ハードコート層は、スピンコート法により形成されたものが好ましい(請求項6)。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、識読の際に指すべりを滑らかにして従来よりも円滑に識読できるようにした光記録媒体を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態について図面を用いて説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変形して実施することができる。
図1〜図4は本発明の一実施形態としての光記録媒体について説明するもので、図1は光記録媒体の模式的な断面図、図2は光記録媒体の模式的な平面図、図3は記録再生機能層の層構成を説明する模式的な断面図、図4は光記録媒体を積み重ねた場合の模式的な断面図である。なお、図1は、図2のA−A’面における断面を図2中左側から見たものを示している。
【0015】
[1.概要]
図1に示すように、光記録媒体1は、光により記録又は再生を行なうための記録再生機能層4と、この記録再生機能層4に対して記録又は再生用の光が入射する面として情報記録再生面2とを有する。さらに、光記録媒体1は、記録再生機能層4を挟んで情報記録再生面2とは反対側に存在する潤滑層5を有する。そして、上記の情報記録再生面2とは反対側の面が印刷面3となる。即ち、潤滑層5の表面が印刷面3となる。
【0016】
さらに、潤滑層5上には、点字6や記号部7等の、凹型又は凸型の識読部(以下適宜、点字6や記号部7を含めて識読部を広く指す場合、「識読部6,7」という)が形成される。
また、適宜、印刷面3には、図2に示すようにレーベル8やスペーサ部9,10が形成される。さらに、情報記録再生面2には、図1に示すように突起部11やハードコート層12が形成される。
【0017】
[2.記録再生機能層]
記録再生機能層4は、光記録媒体1が、再生専用媒体(ROM媒体)の場合と、一度の記録のみ可能な追記型媒体(Write Once媒体)の場合と、記録消去を繰り返し行える書換型媒体(ReWritable媒体)の場合とにより、それぞれの目的に応じた層構成を採用することができる。また、記録再生機能層4は、記録・再生光の入射方向によって、基板面入射型と、膜面入射型とに分けることができる。
【0018】
(再生専用媒体の例)
光記録媒体1が再生専用媒体である場合、記録再生機能層4は、通常、所定の大きさのピットが形成された基板と、この基板上に形成された反射層及び保護層とを有して構成される。
反射層の材料としては、情報の記録及び再生が可能な限り任意のものを用いることができるが、通常は、Al、Ag、Au等の金属又はこれらの合金が用いられる。なお、反射層の材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組合せ及び比率で併用してもよい。
【0019】
また、保護層の材料としても、情報の記録及び再生が可能な限り任意のものを用いることができるが、通常は、紫外線硬化性樹脂等が用いられる。また、保護層として、例えば、ポリカーボネート等の樹脂製や金属製等の板状部材を用いる場合もある。
なお、光記録媒体1が再生専用媒体である場合、基板面入射型であっても膜面入射型であっても、記録再生機能層4の層構成は同一となる。
【0020】
また、光記録媒体1が再生専用媒体である場合、記録再生機能層4の製造方法も任意である。保護層を紫外線硬化性樹脂等の樹脂材料により形成する場合には、通常、スパッタ法により基板上に反射層を成膜する。次に、反射層上に樹脂材料をスピンコート法等により塗布し、塗布された樹脂材料を硬化させて保護層を形成する。このようにして、記録再生機能層4を形成する。また、保護層として板状部材を用いる場合には、通常、これら板状部材を接着剤により反射層上に接着して記録再生機能層4を形成する。
【0021】
(追記型の媒体の例1)
光記録媒体1が追記型の媒体である場合、それが膜面入射型の媒体であるときには、記録再生機能層4は、通常、基板上に、反射層、記録層及び保護層をこの順に設けることによって構成される。ここで、記録層と保護層との間に、無機材料(例えば、ZnS/SiO2)で形成されるバッファー層を設けてもよい。
【0022】
一方、光記録媒体1が追記型の媒体である場合、それが基板面入射型の媒体であるときには、記録再生機能層4は、通常、基板上に、記録層、反射層及び保護層をこの順に設けることによって得られる。
反射層及び保護層の材料及び形成方法は、それぞれ「(再生専用媒体の例)」で上述したものと同様である。なお、保護層に板状部材を用いる場合には、これら板状部材を接着剤を用いて、記録層、バッファー層又は反射層に接着すればよい。
【0023】
また、光記録媒体1が上記追記型の媒体である場合における記録層の材料としては、情報の記録及び再生が可能な限り任意のものを用いることができるが、通常、有機色素が用いられる。このような有機色素としては、例えば、大環状アザアヌレン系色素(フタロシアニン色素、ナフタロシアニン色素、ポルフィリン色素など)、ポリメチン系色素(シアニン色素、メロシアニン色素、スクワリリウム色素など)、アントラキノン系色素、アズレニウム系色素、含金属アゾ系色素、含金属インドアニリン系色素などが挙げられる。特に含金属アゾ系色素は、耐久性および耐光性に優れているため好ましい。なお、この場合の記録層の材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
【0024】
さらに、光記録媒体1が上記追記型の媒体である場合、記録層の形成方法は任意である。ただし、有機色素により記録層を形成する場合は、通常、有機色素を適当な溶媒に溶解させた溶液によるスピンコート、スプレーコート、ディップコート、ロールコート等の塗布方法で記録層を成膜する。この際、使用する溶媒に制限は無いが、例えば、ジアセトンアルコール、3−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタノン等のケトンアルコール溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ溶媒、テトロフルオロプロパノール、オクタフルオロペンタノール等のパーフルオロアルキルアルコール溶媒、乳酸メチル、イソ酪酸メチル等のヒドロキシエチル溶媒が好適に使用される。なお、溶媒は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
【0025】
また、記録層の厚さは、記録方法等により適した膜厚が異なるため、特に限定されないが、十分な変調度を得るために、通常5nm以上、好ましくは10nm以上、より好ましくは20nm以上である。但し、記録層に光を透過させる必要がある場合には、記録層の厚さは、通常3μm以下であり、好ましくは1μm以下、より好ましくは200nm以下である。
【0026】
(追記型の媒体の例2)
光記録媒体1が追記型の媒体である場合、それが膜面入射型の媒体であるときにおける他の具体例においては、記録再生機能層4は、通常、基板上に、反射層、誘電体層、記録層、誘電体層及び保護層をこの順に設けることによって構成される。
一方、光記録媒体1が追記型の媒体である場合、それが基板面入射型の媒体であるときにおける他の具体例においては、記録再生機能層4は、通常、基板上に、誘電体層、記録層、誘電体層、反射層、及び保護層をこの順に設けることによって構成される。
【0027】
反射層及び保護層の材料及び形成方法は、それぞれ「(再生専用媒体の例)」で上述したものと同様である。なお、保護層に板状部材を用いる場合には、これら板状部材を接着剤を用いて、誘電体層又は反射層に接着すればよい。
【0028】
誘電体層の材料としては、所望の耐熱性や機械的特性を有する限り任意のものを用いることができるが、通常、無機材料(代表的には、ZnS/SiO2)が用いられる。また、誘電体層の形成方法も任意であるが、通常、スパッタリングすることによって形成される。
【0029】
また、光記録媒体1が上記のような追記型の媒体である場合、記録層の材料は、情報の記録及び再生が可能な限り任意のものを用いることができるが、通常、無機材料(例えば、Ge・Te、Ge・Sb・Teの様なカルコゲン系合金)が用いられる。また、このとき、記録層の製造方法は任意であるが、通常、スパッタリングによって形成される。さらに、この場合の記録層の膜厚にも制限は無いが、通常1nm〜50nm程度とされる。
【0030】
(書き換え可能型の媒体の例1)
光記録媒体1が書き換え可能型の媒体である場合、それが膜面入射型の媒体であるときには、記録再生機能層4は、通常、基板上に、反射層、誘電体層、記録層、誘電体層及び保護層をこの順に設けることによって構成される。
一方、光記録媒体1が書き換え可能型の媒体である場合、それが基板面入射型の媒体であるときには、記録再生機能層4は、通常、基板上に、誘電体層、記録層、誘電体層、反射層及び保護層をこの順に設けることによって構成される。
【0031】
反射層、誘電体層、記録層、及び保護層としては、上記追記型の媒体の例2と同様にすればよい。但し、記録層は、記録・消去を可逆的に行えるような材料とする必要がある。このような材料としては、例えば、SbTe系、GeTe系、GeSbTe系、InSbTe系、AgSbTe系、AgInSbTe系、GeSb系、GeSbSn系、InGeSbTe系、InGeSbSnTe系等の材料が挙げられる。これらの中でも、結晶化速度を高めるために、記録層にSbを主成分とする組成を用いることが好ましい。
【0032】
(書き換え可能型の媒体の例2)
光記録媒体1が書き換え可能型の媒体である場合、他の具体例として、光磁気記録媒体(MOディスク)を挙げることもができる。
【0033】
(共通事項:基板について)
記録再生機能層4を構成する基板の材料としては、通常、適度な加工性と剛性を有するものを任意に用いることができ、例えば、プラスチック、金属、ガラス等を用いることができる。ただし、光記録媒体1が基板面入射型である場合には、基板の材料として、入射する光に対して透明である光透過性材料が用いられる。一方、光記録媒体1が膜面入射型の光記録媒体である場合には、基板は入射する光に対して透明である必要はない。
【0034】
なかでも、通常は、基板はプラスチック材料により形成される。プラスチック材料の具体例としては、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。なお、基板の材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
【0035】
また、基板の厚さは所定の強度を確保できる限り任意であるが、通常は0.5mm〜1.2mm程度とするのが好ましい。尚、CD型媒体の場合は、通常、厚さがほぼ1.2mmの基板が使用される。また、DVD型媒体の場合は、表面に所定のピットまたはトラッキング用案内溝が形成された厚さがほぼ0.6mmの基板が使用され、記録再生機能層4における基板とは反対側の面に厚さがほぼ0.6mmのダミー基板を貼り合わせることにより光記録媒体としての剛性が付与される。
【0036】
また、基板の表面には、通常、所定のトラックピッチのトラッキング用案内溝が形成されている。トラックピッチは、記録再生光の波長により異なり、CD系光記録媒体では、通常1.5μm〜1.6μmである。また、DVD系光記録媒体では、通常0.7μm〜0.8μmである。青色レーザー用光記録媒体では、通常0.2μm〜0.5μmである。さらに、トラッキング用案内溝の溝深さは特に制限されないが、CD系光記録媒体では、通常10nm〜300nmである。DVD系光記録媒体では、通常10nm〜200nmである。青色レーザー用光記録媒体では、通常10nm〜200nmである。
【0037】
なお、上記の案内溝を基板に形成する方法に制限は無いが、例えば、プラスチック材料で基板を形成する場合には、射出成型等により基板自体の円盤状の形状と基板表面の案内溝とを一工程で形成することができる。また、例えば金属、ガラス等で基板を形成する場合には、基板の表面に光硬化性または熱硬化性の薄い樹脂層を形成し、その樹脂層に溝を形成するようにする。
【0038】
(共通事項:記録再生領域について)
記録再生機能層4には、記録再生領域13が設定されていて、この記録再生機能層4の記録再生領域13に、光記録媒体1に記録するべきユーザーデータが記録されるようになっている。記録再生領域13は、記録再生機能層4が中心孔を有する平板の環状形状の場合は、通常、図1で示すような、内周径よりも大きい内径と外周径よりも小さい外径との範囲内に、ドーナッツ状に設けられる。
【0039】
(その他)
なお、光記録媒体1においては、上記「(再生専用媒体の例)」、「(追記型の媒体の例1)」、「(追記型の媒体の例2)」、及び「(書き換え可能型の媒体の例1)」のいずれにおいても、記録容量向上の観点から、記録層を複数設けることも行われる。記録層を複数設ける場合、記録容量を考慮し、記録層の数は、通常2層以上、好ましくは3層以上とする。一方、記録層の数は、通常5層以下とする。
【0040】
本実施形態においては、図1に示すように、中央に表裏を貫通するセンターホール14を形成された円板形状の記録再生機能層4を採用し、この記録再生機能層4に図中下方から情報記録再生面2に情報の記録又は再生のための光が照射され、記録再生機能層内の情報の記録又は再生ができるようになっているものとする。
【0041】
本実施形態においては、詳しくは、記録再生機能層4は、図3に示すように、光透過性材料からなる基板41と、基板41の表面に形成された情報記録層42とを有していて、情報記録層42は、基板41の表面に形成された所定のトラッキング用溝411上に、有機色素を含む記録層421と、例えば、Ag、Al等の金属からなる反射層422と、紫外線硬化性樹脂等から形成されている保護層423とが、順番に積層された構造を有しているものとする。つまり、本実施形態では、上記説明した「追記型の媒体の例1」で説明した記録再生機能層の一例を用いている。
【0042】
そして、この記録再生機能層4には、記録又は再生のためのレーザー光が、所定の開口数(NA)を有する対物レンズ(図示省略)を介して情報記録層42に照射されるようになっている。
このような記録再生機能層4を有する光記録媒体1では、レーザー光が入射する側の面が情報記録再生面2となり、その反対側の面が印刷面3となる。
また、本実施形態においても、記録再生領域13は、図1に示すように、内周径よりも大きい内径と外周径よりも小さい外径との範囲内に、ドーナッツ状に設けられているものとする。
【0043】
[3.潤滑層]
潤滑層5は、点字を指触する場合に、指すべりを向上させるためのものである。したがって、潤滑層5は、その露出している部位の滑り性が優れていることが要求される。
また、潤滑層5を設ける副次的な効果として、識読部6、7(特に点字6)の経年劣化に伴う光記録媒体1に記録された情報の再生不良が抑制されやすくなる点が挙げられる。つまり、識読部6、7が樹脂材料(例えば硬化性樹脂)で形成される場合には、識読部6、7が経時的に収縮したり膨張したりする場合がある。この収縮又は膨張が大きいと、記録再生機能層4が圧迫又は緊張し、記録再生機能層4に記録された信号が良好に再生できなくなる場合が発生する。本発明者等の検討によれば、潤滑層5を設けることにより、上記信号の再生不良が抑制されることがわかった。これは、潤滑層5が、上記識読部6、7の経時的な変化(例えば体積変化)を吸収することにより、上記変化が記録再生機能層4に伝わりにくくなるためではないかと考えられる。潤滑層5を設けることによる上記効果は、識読部6、7と記録再生機能層4中の記録層との距離が近い場合(例えば、CD系の光ディスクの場合)に、顕著に発揮されるようである。
いずれにせよ、第一義的には、潤滑層5は、表面の滑り性を向上させることができる層であれば、その具体的構成は任意である。このような具体的構成の一つとしては、潤滑層5の表面粗さ〔Ra〕を従来よりも粗くすることにより、滑り性を向上させる手法を挙げることができる。
【0044】
潤滑層5の具体的な表面粗さ〔Ra〕の範囲は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.05μm以上、好ましくは0.1μm以上、また、通常5μm以下、好ましくは2μm以下である。この範囲の下限を下回ると潤滑層5の表面が平坦になりすぎて印刷面3の滑り性が低下する虞があり、上限を上回ると見た目が悪化したり点字6と他の部位との差が小さくなって識読しにくくなったりする虞がある。なお、表面粗さ〔Ra〕は、算術平均粗さを表わし、定義や測定方法については、例えば、JIS B 0601−1994で規定されている通りである。
【0045】
潤滑層5を形成する材料に制限は無く、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。例えば、硬化性樹脂とフィラーとを含有させてもよい。フィラーを含有させることにより、上記表面粗さを確保しやすくなる。また、例えば硬化性樹脂と潤滑剤とを含有させてもよい。潤滑剤により、潤滑層の滑り性が確保されやすくなる。さらに、例えば硬化性樹脂とフィラーと潤滑剤とを全て含有するようにしてもよい。さらに、例えば上記の組み合わせに更にその他の添加剤を含有させてもよい。
【0046】
(硬化性樹脂)
潤滑層5に用いられる硬化性樹脂は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常は、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等が用いられる。中でも、硬化性樹脂としては、光硬化性樹脂が望ましい。これは、光硬化性樹脂を用いることにより、一般的に硬化速度が速く作業性が容易となりやすいためである。
【0047】
光硬化性樹脂の例としては、紫外線硬化性樹脂を挙げることができる。また、紫外線硬化性樹脂の例としては、ラジカル系(ラジカル重合型の)紫外線硬化性樹脂、カチオン系(カチオン重合型の)紫外線硬化性樹脂などが挙げられ、いずれも使用することができる。
【0048】
ラジカル系紫外線硬化性樹脂としては、例えば、紫外線硬化性化合物と光重合開始剤とを必須成分として含む組成物が挙げられる。ラジカル系紫外線硬化性化合物との具体例としては、単官能(メタ)アクリレート及び多官能(メタ)アクリレートを重合性モノマー成分として用いることができる。ここで、アクリレートとメタアクリレートとを併せて(メタ)アクリレートと称する。なお、光重合開始剤としては、光開裂型又は水素引き抜き型のものが好ましい。
【0049】
一方、カチオン系紫外線硬化性樹脂としては、例えば、カチオン重合型の光開始剤を含むエポキシ樹脂が挙げられる。エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA−エピクロールヒドリン型、脂環式エポキシ、長鎖脂肪族型、臭素化エポキシ樹脂、グリシジルエステル型、グリシジルエーテル型、複素環式系等が挙げられる。
【0050】
さらに、エポキシ樹脂としては、遊離した塩素及び塩素イオン含有率が少ないものを用いるのが望ましい。具体的な範囲を挙げると、塩素の量は、通常1重量%以下、好ましくは0.5重量%以下であることが望ましい。なお、カチオン重合型の光開始剤としては、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、ジアゾニウム塩等が挙げられる。
【0051】
上述したものの中でも、潤滑層5を形成する際には、ラジカル重合型のアクリル酸エステルを主体とする未硬化の紫外線硬化樹脂を用い、これを硬化させて得られる紫外線硬化樹脂を用いることが特に好ましい。
なお、硬化性樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
【0052】
(フィラー)
フィラーとしては、有機フィラー及び無機フィラーのいずれを用いてもよい。また、有機フィラーと無機フィラーとを併用してもよい。
有機フィラーとしては、例えば、アクリル樹脂、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、スチレン樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、変性メラミン樹脂微粒子、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ゴム等の微粒子の他、これらポリマーの架橋微粒子、さらに、リグニン、プロテイン、セルロース、絹の粉末等が挙げられる。
【0053】
一方、無機フィラーとしては、例えば、酸化珪素(シリカ)、タルク、酸化チタン、クレー、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、硫酸バリウム、マイカ、珪藻土シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム等が挙げられる。これらの中でも、酸化珪素(シリカ)、タルク、酸化チタン、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナが好ましい。特に好ましくは、酸化珪素(シリカ)、タルク、酸化チタン、アルミナである。
なお、フィラーは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
【0054】
さらに、フィラーの粒径も本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。ただし、有機フィラーの粒径は、通常、0.1μm以上、20μm以下が望ましい。また、無機フィラーの粒径は、通常、0.01μm以上、20μm以下が望ましい。この範囲の下限を下回ると表面のすべり性効果が不十分となる虞があり、上限を上回ると表面の粗さが過度に大きくなる虞がある。
【0055】
また、潤滑層5に含有させるフィラーの量も、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。ただし、通常は、フィラーの好適な含有量は、含有させるフィラーの粒径(粒度分布)に依存するため、フィラーの粒径に応じてフィラーの含有量を設定することが望ましい。具体的な範囲を挙げると、潤滑層5中のフィラーの含有量は、通常0.1重量%以上、好ましくは0.3重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上、さらに好ましくは1重量%以上、特に好ましくは2重量%以上、また、通常50重量%以下、好ましくは40重量%以下、より好ましくは35重量%以下とすることが望ましい。上記範囲内とすれば、表面粗さを確保して、良好な潤滑性を有する潤滑層が得やすくなるためである。
【0056】
(潤滑剤)
潤滑剤としては、例えば、フッ素化合物、シリコーンなどが挙げられる。
潤滑剤として使用できるフッ素化合物の具体例としては、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、3−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)−2− ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチルアクリレート、3−パーフルオロオクチル−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−9−メチルオクチル)エチル(メタ)アクリレート、3−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−9−メチルデシル)エチル(メタ)アクリレート、1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニル(メタ)アクリレート等のフッ素系(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。また、上記のフッ素系(メタ)アクリレート化合物の(メタ)アクリレート基の代わりに、ビニル基またはメルカプト基を有するフッ素系化合物なども好ましく用いることができる。
【0057】
さらに、フッ素化合物としては、フッ素系置換基を有する部位と、環状エーテル基およびビニルエーテル基の中から選択される少なくとも1つの反応性基とを有する化合物も挙げられる。例えば、3−(1H,1H−パーフルオロオクチロキシ)−1,2−エポキシプロパン、3−(1H,1H−パーフルオロノニロキシ)−1,2−エポキシプロパン、3−(1H,1H−パーフルオロデシロキシ)−1,2−エポキシプロパン、3−(1H,1H−パーフルオロウンデシロキシ)−1,2−エポキシプロパン、3−(1H,1H−パーフルオロテトラデシロキシ)−1,2−エポキシプロパン、3−(1H,1H−パーフルオロヘキサデシロキシ)−1,2−エポキシプロパン、1H,1H,6H,6H−パーフルオロ−1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、1H,1H,8H,8H−パーフルオロ−1,8−オクタンジオールジグリシジルエーテル、1H,1H,9H,9H−パーフルオロ−1,9−ノナンジオールジグリシジルエーテル、1H,1H,10H,10H−パーフルオロ−1,10−デカンジオールジグリシジルエーテル、1H,1H,12H,12H−パーフルオロ−1,12−ドデカンジオールジグリシジルエーテル、アウジモント株式会社製「Fombrin Z DOL」(商品名:アルコール変性パーフルオロポリエーテル)のジグリシジルエーテルなどが挙げられる。また、例えば、反応性基として、3,4−エポキシシクロヘキシル基などの脂環エポキシ基や、ビニルエーテル基を有する化合物も、好ましく用いることができる。
【0058】
一方、潤滑剤として使用できるシリコーンの具体例としては、例えば、以下のものが挙げられる。なお、下記式において、Rは、それぞれ独立に、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、メルカプト基、環状エーテル基及びビニルエーテル基よりなる群から選ばれる少なくとも1つの反応性基を含む置換基であり、n、mは重合度である。
【化1】

【0059】
さらに、潤滑剤としては、アクリル系、シリコン系、変性シリコン系、ポリシロキサン系等のレベリング剤なども用いることができる。
なお、潤滑剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
また、潤滑層5に含有させる潤滑剤の量も、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。具体的な範囲を挙げると、潤滑層5中の潤滑剤の含有量は、通常0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは1重量%以上、また、通常15重量%以下、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下とすることが望ましい。上記範囲内とすれば、表面のすべり性を十分に確保しつつ、潤滑層5上に形成する識読部の接着性も良好となりやすいという利点を得ることができる。
【0060】
(その他の添加剤)
さらに、上記の硬化性樹脂、フィラー及び潤滑剤の他の添加剤を潤滑層5に含有させてもよい。添加剤の例としては、消泡剤、はじき防止剤、表面調整剤、顔料などが挙げられる。また、特にフィラーを使用する場合は、添加剤として消泡剤を使用するようにしてもよい。なお、添加剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
また、添加剤の使用量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.05重量部〜20重量部である。
【0061】
(潤滑層の膜厚)
さらに、潤滑層5の膜厚は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。ただし、通常3μm以上、好ましくは5μm以上、また、通常20μm以下、好ましくは15μm以下とすることが望ましい。この範囲とすれば、通常のスクリーン印刷による形成が容易となる。
【0062】
(潤滑層の形成領域)
また、潤滑層5は、記録再生機能層4上の少なくとも一部に形成されていればよいが、できるだけ多くの領域に形成されていることが好ましく、また、識読部6,7が形成されている領域には少なくとも形成されていることが好ましい。さらに、記録再生機能層4の全体に形成されていることがより好ましい。
【0063】
(潤滑層の形成方法)
潤滑層の形成方法に制限は無く、本発明の効果を著しく損なわない限り任意の方法により形成することができる。例えば、スピンコート法、スクリーン印刷等などの方法により、潤滑層5を形成する硬化性樹脂、フィラー、潤滑剤及び添加剤などを適宜含有する材料を記録再生機能層4に塗布し、塗布した材料中の硬化性樹脂を硬化させることにより形成することができる。中でも、工業的な観点、及び、表面粗さ〔Ra〕を好適な範囲に収めやすいために、スクリーン印刷法を用いて塗布を行なうようにすることが望ましい。
【0064】
ただし、潤滑剤を潤滑層5に含有させる場合には、潤滑層5の表面の表面エネルギーが低下して潤滑層5の上に点字6や記号部7などの識読部やスペーサ部9,10を形成することができなくなる虞がある。そこで、潤滑剤を使用する場合には、潤滑層5に含有させる消泡剤の含有量を少なくする等により、潤滑層5の成膜時に潤滑層5を発泡させてもよい。潤滑層5を発泡させれば、その表面粗さが粗くなり、識読部6,7やスペーサ部9,10が形成しやすくなる。
【0065】
本実施形態では、潤滑層5は、硬化性樹脂とフィラーとを含有して形成されているものとする。また、潤滑層5は、記録再生機能層4の全面に亘って形成されているものとする。
【0066】
[4.識読部]
識読部6,7は、その識読部が有する情報が触覚により識読しうるよう、印刷面3上に立体的形状を有して形成されたものである。この識読部は、凹型(即ち、識読部が形成された部位を、周囲の部位よりも凹ませて形成されたもの)と凸型(即ち、識読部が形成された部位を、周囲の部位よりも突出させて形成されたもの)とがあるが、光記録媒体1には、どちらを形成してもよい。
識読部の例としては、点字6や記号部7などが挙げられる。
【0067】
点字6を形成する位置に制限は無く任意である。
また、点字6の寸法は、通常、視覚障害者が識読しうる程度に大きく形成される。本発明者等が、光記録媒体1の印刷面3上に様々な高さの点字6を形成して視覚障害者に識読してもらったところ、光記録媒体1における点字6の高さは、0.15mm程度が好ましいことがわかった。さらに、0.15mm程度の高さとすれば、点字6を光ディスクの規格で決められたスタックリブ(後述の突起部11の一態様)の高さの範囲内に納めることができる。つまり、光記録媒体1に点字6を設ける場合にあっては、製造上及び識読のためには0.15mm程度の高さが好適である。したがって、点字6の高さは、通常50μm以上、好ましくは70μm以上、より好ましくは100μm以上、また、通常400μm以下である。但し、上述の通り、光記録媒体1においては、点字6を0.15mm(150μm)程度の高さで設ければ、製造上も識読上も好ましい。このため、点字6の高さは、好ましくは300μm以下、より好ましくは250μm以下、さらに好ましくは200μm以下とする。さらに、点字6の直径は、通常0.5mm以上、好ましくは0.8mm以上、また、通常2.5mm以下、好ましくは2.0mm以下である。
【0068】
一方、記号部7は、識読させようとする記号の形状に合わせて、印刷面3に凹凸を形成したものである。この際、記号部7は凸部のみで形成されていてもよく、凹部のみで形成されていてもよく、凸部と凹部とを組み合わせて形成されていてもよい。
また、当該凹凸を形成する際、その記号の形状に合わせてどのように凹凸を形成するかも任意であり、例えば、その記号の形状の輪郭部分のみを突出させたり凹ませたりしてもよく、記号の形状全体を突出させたり凹ませたりしてもよい。
【0069】
さらに、記号部7として表示する記号の種類も制限は無く、例えば文字、符号、図形、模様など、その記号部7により表わそうとする情報に応じて任意の記号を用いることができる。
【0070】
また、記号部7の大きさは、視覚障害者が識読しうる程度に大きく形成することが望ましい。具体的な大きさはその記号の複雑さの程度などに応じて任意に設定することができるが、当該記号の径(即ち、差し渡しの大きさ)が、通常3mm以上、好ましくは5mm以上、より好ましくは10mm以上であることが望ましい。ただし、記号部7の大きさがあまりに大きすぎると、逆に識読が困難になる虞があるため、通常80mm以下、好ましくは60mm以下、より好ましくは40mm以下とすることが望ましい。
【0071】
さらに、記号部7を形成する際の凹凸の高さ(或いは、深さ)も、当該記号部7が表示する記号を触覚により識読しうる限り任意であるが、通常50μm以上、好ましくは70μm以上、より好ましくは100μm以上、また、通常400μm以下、好ましくは300μm以下、より好ましくは250μm以下、さらに好ましくは200μm以下である。なお、記号部7の高さは、点字6の高さと同様とすることが好ましい。
【0072】
また、記号部7が点字6やスペーサ部9,10にあまりに近いと、それらの点字6やスペーサ部9,10があたかも記号部7の一部であるかのように認識されて正確な識読が困難となる場合があるため、記号部7は、点字6やスペーサ部9,10から、通常5mm以上、好ましくは7mm以上、より好ましくは10mm以上離れた位置に形成することが望ましい。
【0073】
さらに、記号部7は点字6に比べて占有する体積が大きく、光記録媒体1の回転時の重量バランスに対して大きい影響を及ぼす可能性がある。したがって、記録又は読み取り時に光記録媒体1の回転を不安定にしないようにする観点からは、記号部7は、光記録媒体1の重心のズレを少なくするように配置することが望ましい。具体的には、ソニーマニュファクチュアリングシステムズ社製のディスクバランスチェッカーDUC−10で測定されるアンバランス(偏重心)量(g・mm)が、通常5以下、好ましくは4以下、より好ましくは3以下となるように、記号部7の配置を行う。なお、アンバランス値の下限は、理論上はゼロとなる。
【0074】
また、識読部6,7の材料としては、本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを用いることができる。通常、上記の識読部6,7を形成する材料としては、硬度が大きい、硬化収縮が小さい、経時変化の少ない、等の特性が求められるため、これらの特性を有する材料を用いることが望ましい。
【0075】
上記の好ましい特性を有する材料としては、通常、熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂等の硬化性樹脂を用いる。中でも、一般的に硬化速度が速く作業性が容易となりやすいため、光硬化性樹脂が好ましい。
一般に、光硬化性樹脂は、樹脂の骨格となる樹脂主成分であるオリゴマー、反応性希釈剤としてモノマー、重合開始剤、添加剤等の混合物からなる。この光硬化性樹脂に上記の硬度が大きい、硬化収縮が小さい、経時変化の少ない、等の特性を備えさせるには、以下の手段を用いればよい。
【0076】
即ち、光硬化性樹脂の硬度を大きくするには、オリゴマーそのものの分子構造を工夫したり、立体的に架橋するように、2官能、3官能またはそれ以上の反応基を有するモノマーを用いたりすればよい。
ただし、上記の多官能モノマー成分は、多すぎると硬化収縮が大きくなる虞がある。これを防ぐために、オリゴマーの構造を工夫したり、各モノマーの組成を調整してバランスをとったりすることが望ましい。
【0077】
さらに、光硬化性樹脂においては、経時変化は、未硬化成分の揮発、分解による腐食成分の発生等によりもたらされる事が多い。このため、経時変化を抑制するためには、混合物の組成、特に重合開始剤の種類、量などを工夫することが望ましい。ただし、この重合開始剤は、樹脂の架橋に組み込まれないので、徐々に揮発(溶出)されることがある。したがって、上記重合開始剤は、必要最低限の量に止めることが好ましい。
【0078】
光硬化性樹脂の例としては、紫外線硬化性樹脂を挙げることができる。また、紫外線硬化性樹脂の例としては、潤滑層5の材料として説明したものと同様のものが挙げられる。
なお、識読部6,7の材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
【0079】
ただし、識読部6,7の材料として硬化性樹脂を用いる場合には、その粘度(室温(25±5℃)での粘度)は、通常0.5Pa・s以上、好ましくは1Pa・s以上とすることが望ましい。硬化性樹脂の粘度を上記範囲とすれば、硬化性樹脂の塗布性が良好となり、識読部6,7やスペーサ部9,10などの高さ制御が行ないやすくなる。一方、硬化性樹脂の粘度(室温(25±5℃)での粘度)の上限は、通常100Pa・s以下、好ましくは50Pa・s以下とすることが望ましい。硬化性樹脂の粘度を上記範囲とすれば、一般的に、温度による粘度変化も抑制しやすくなり、実用上好ましい。
【0080】
また、識読部6,7の形成方法に制限は無く任意である。通常は、識読部6,7の材料(通常は、硬化性樹脂)を印刷面3の潤滑層5上に印刷し、これを硬化させて形成する。
印刷の方法に制限は無く、任意である。例えば、スクリーン印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷、ディスペンスノズルでの印刷などが挙げられる。ただし、これら印刷方法の中でも、所定の厚み(高さ)を有する印刷が可能となる点、及び、工業生産上の観点からスクリーン印刷を用いることが好ましい。
【0081】
ただし、上記のような印刷は、通常は2回以上行なうようにする。これは、点字6や記号部7などの識読部は、視覚障害者が識読できるようにするため、2回以上印刷を行なって、所定以上の高さに形成することが望ましいからである。
【0082】
本実施形態においては、識読部として、印刷面から凸に形成された点字6と、同じく印刷面から凸に形成された記号部7とを形成されているものとする。また、記号部7は、レーベル8よりも大きく形成されているものとする。
【0083】
[5.レーベル]
レーベル8は、媒体の種類、情報記録容量、メーカー名、商品名などの様々な情報を表わすための記号を印刷面3に印刷して表示するもので、特に制限無く任意のものを用いることができる。ただし、印刷されたレーベル8を視覚障害者が認識しやすくするためには、記号の大きさは大きいほど好ましく、また、その記号部分とその他の地の部分とは色調が大きく異なる色で印刷することが望ましい。
【0084】
レーベル8の形成方法も任意であるが、通常は、識読部6,7と同様の方法で形成される。また、光記録媒体1の製造工程を少なく抑える観点からは、識読部6,7と同様の工程で形成することが好ましい。ただし、通常はレーベル8は識読のために高さを高くする必要が無いため、2回以上印刷する必要は無い。なお、多色刷りの場合は、多色刷りに使用する色の種類の数に応じて2回以上印刷が行なわれる。
【0085】
本実施形態においては、図2に示すように、印刷面3にレーベル8として文字が印刷されているものとする。なお、図1においては、レーベル8は図示を省略する。
【0086】
[6.スペーサ部]
スペーサ部9,10は、印刷面3に突出して形成された部分である。通常は、記録再生機能層4の全面に潤滑層5が形成されるため、識読部6,7等と同様に、スペーサ部9,10も潤滑層5上に形成される。
【0087】
このスペーサ部9,10は、図4に示すように、光記録媒体1,1’同士を情報記録再生面2’と印刷面3とが対向するように重ね合わせた場合に、情報記録再生面2’と、印刷面3及び識読部6,7との接触を防止するための部分である。これは、情報記録再生面2’が何らかの物体と接触して傷が付き、情報の記録や再生が不安定になったり、できなくなったりすることを防止することを目的とする。なお、図4においては、上側の光記録媒体1’の各部の符号には、下側の光記録媒体1との区別のため、それぞれ「’」を付して表示している。ここで、スペーサ部9,10があったとしても、情報記録再生面2’と印刷面3とは瞬間的に接触する場合がありうる。従って、本発明においては、情報の記録や再生に影響を与えない上記のような瞬間的な接触は当然に許容される。
【0088】
したがって、スペーサ部9,10は、上記の接触を防止できる程度の高さに形成することになる。例えば、印刷面3から識読部として点字6や記号部7などが凸に形成されていれば、スペーサ部9,10は、当該識読部6,7よりも高く形成して、当該識読部6,7と情報記録再生面2’とが接触しないようにするればよい。また、例えば、印刷面3に識読部が凹んで形成されていれば、スペーサ部9,10は、所定の高さに形成して、印刷面3と情報記録再生面2’とが接触しないようにすればよい。但し、スペーサ部9,10の高さは、後述する突起部11を用いる場合と用いない場合とで異なる値をとる。つまり、突起部11を用いる場合は、スペーサ部9と突起部11との合計の高さを、識読部6,7の高さよりも高くすることが好ましい。一方、突起部11を用いない場合には、スペーサ部9,10の単独の高さを識読部6,7の高さよりも高くすることが好ましい。
【0089】
具体的には、突起部11及びスペーサ部9,10を用いる場合は、突起部11及びスペーサ部9の合計の高さ並びにスペーサ部10の高さそれぞれを、通常200μm以上、好ましくは300μm以上、より好ましくは350μm以上として形成する。スペーサ部9,10を単独で用いる場合には、スペーサ部9,10の高さを、通常200μm以上、好ましくは300μm以上、より好ましくは350μm以上として形成する。
また、特に、識読部6,7の高さよりも通常50μm以上、好ましくは100μm以上、より好ましくは200μm以上、高く形成することが望ましい。
【0090】
スペーサ部9,10の形状に制限は無く、任意である。ただし、記録又は再生時の光記録媒体1の回転を安定化させるためには、スペーサ部9,10は、光記録媒体1の回転中心に対して点対称な形状に形成することが望ましい。
【0091】
また、スペーサ部9,10を形成する位置にも制限は無く任意である。通常は、記録再生領域13の内側に形成されるが、上述した情報記録再生面2’と印刷面3及び識読部6,7との接触を防止する観点からは、スペーサ部10を、記録再生領域13の外側に形成することが望ましい。光記録媒体1,1’を積み重ねた場合、上側の光記録媒体1’の外縁がたわむことにより上記の接触が生じやすくなるが、記録再生領域13の外側にスペーサ部10を形成して光記録媒体1の外縁を支えるようにすることで、記録再生領域13を上記の接触から保護することが可能となる。また、同様の観点から、スペーサ部9,10は、記録再生領域13の内側及び外側の少なくとも一方に形成することが好ましいが、記録再生領域13の内側及び外側の両方に形成することがより好ましい。
【0092】
さらに、スペーサ部9,10の形成方法に制限は無く任意である。通常は、識読部6,7と同様の方法で形成する。また、光記録媒体1の製造工程を少なく抑える観点からは、識読部6,7と同じ工程で形成することが好ましい。
【0093】
本実施形態においては、図1,2に示すように、光記録媒体1には、記録再生領域13よりも内側、即ち、光記録媒体1の内縁部に、三角形のスペーサ部9を4箇所形成するものとする。また、この光記録媒体1には、記録再生領域13よりも外側、即ち、光記録媒体1の外縁部に、光記録媒体1の外周形状に沿った弧状のスペーサ部10を4箇所形成してあるものとする。
【0094】
さらに、これらのスペーサ部9,10は、それぞれ同じ形状に形成され、対向するスペーサ部9,10同士が光記録媒体1の記録再生時の回転中心に対して点対称となっている。したがって、これらのスペーサ部9,10は、いずれも、記録や再生の際に光記録媒体1を回転させても、光記録媒体1の回転を不安定にさせることはないようになっている。
また、各スペーサ部9,10は、いずれも上述した接触を防止できる程度に高く印刷面3から凸に形成されている。
【0095】
[7.突起部]
情報記録再生面2には、図4に示すように光記録媒体1,1’同士を情報記録再生面2’と印刷面3とが対向するように重ね合わせた場合に、スペーサ部9と当接しうる位置に突起部11’を形成することが好ましい。これにより、光記録媒体1,1’を積み重ねた場合に、突起部11’とスペーサ部9とが当接し、情報記録再生面2’と、印刷面3及び識読部6,7との接触をより確実に防止することができるようになる。
【0096】
なお、図1に示すように、突起部11を形成する具体的な位置は、記録再生機能層4を挟んでスペーサ部9が形成された部分のちょうど反対側の位置とすることが望ましい。通常は、スペーサ部9は光記録媒体1の記録再生時の安定性のために同心円上に位置するように形成されるので、突起部11も、情報記録再生面2の上記の同心円上の位置に形成することが望ましい。
【0097】
また、光記録媒体1,1’を積み重ねた場合に上記の接触を防止することができるのであれば、突起部11の形状に制限は無い。したがって、当接するスペーサ部9と同様の形状に形成してもよいが、積み重ねた場合の光記録媒体1の周方向の位相によらず確実にスペーサ部9と突起部11’とが当接しうるよう、突起部11は円環形状に形成することが望ましい。
【0098】
さらに、突起部11の寸法にも制限は無く任意である。例えば、上記の接触を確実に防止すべく、突起部11の高さはスペーサ部9と同様に形成してもよい。
また、突起部11の形成方法は任意であり、例えば射出成形によって基板41と一体として形成することもできる。また、突起部11は、スクリーン印刷などの印刷手段を用いて形成してもよい。この場合、突起部11の形成工程は、点字形成工程の前に行なってもよく、点字形成工程の後に行なってもよい。
本実施形態においては、情報記録再生面2の内縁部の、光記録媒体1,1’を積み重ねた場合にスペーサ部9と当接しうる位置に、円環形状の突起部11,11’を形成してあるものとする。
【0099】
[8.ハードコート層]
情報記録再生面2には、情報記録再生面2が傷つくことを防止するため、ハードコート層12を形成することが望ましい。点字6や記号部7などの識読部を識読する際、視覚障害者は、光記録媒体1の表裏が明確には分からないため、通常、情報記録再生面2と印刷面3とを両方とも指触する。この際、情報記録再生面2には傷がつきやすいため、ハードコート層12により情報記録再生面2を保護することが好ましい。
【0100】
ハードコート層12は、記録再生機能層3への記録又は再生に用いる光の透過を許容しつつ、情報記録再生面2が傷つくことを防止できれば任意のものを用いることができる。このようなハードコート層は、例えば、光硬化性樹脂中に無機フィラーを含有させた材料を塗布、硬化することによって得ることができる。より具体的には、例えば特開2004−272993号公報に記載のハードコート層を適用することができる。
【0101】
また、ハードコート層12は少なくとも情報記録再生面2の記録再生領域13に対応する部位、即ち、記録再生領域13の情報の記録又は再生のための光が透過する部位に形成することが望ましい。記録又は再生を安定して行なえるようにするためである。
【0102】
さらに、ハードコート層12の製造方法に制限は無く任意であるが、通常は、ハードコート層12の材料を情報記録再生面2上に塗布し、これを硬化させて形成する。この際、塗布の方法に制限は無く、任意であるが、工業的な生産性や表面性の確保の観点から、スピンコート法を用いることが望ましい。
本実施形態においても、光記録媒体1の情報記録再生面2にはハードコート層12が形成されているものとする。
【0103】
[9.効果]
本実施形態の光記録媒体1は上記のように構成されているため、点字6や記号部7等の識読部によって、視覚障害者であっても当該光記録媒体1に関する情報等を把握できるようになる。また、暗所などでの上記光記録媒体1に関する情報の把握が可能となる。さらに、この光記録媒体1は、識読の際に指すべりを滑らかにすることができるため、従来よりも円滑に識読することが可能となる。
【0104】
また、光記録媒体1には識読部として点字6を形成したために、点字6を用いて情報の把握が可能である。さらに、記号部7を形成したため、点字6を読めない者であっても記号部7が表わす情報を認識することができる。また、この記号部7はレーベル8よりも大きく形成してあるために、レーベル8を読むことができなかった視覚障害者であっても、障害の程度によっては、視覚により当該記号部7を読み取ることも可能である。
【0105】
また、光記録媒体1にはスペーサ部9,10が形成されているため、光記録媒体1,1’(図4参照)を積み重ねた場合でも、情報記録再生面2’が他の光記録媒体1の印刷面3や識読部6,7に接触して傷つくことを防止することができる。特に、記録再生領域13の外側にスペーサ部10を形成しているため、より確実に上記の接触を防止することができる。
【0106】
さらに、光記録媒体1には情報記録再生面2にスペーサ部9と当接しうる突起部11を形成したため、上記の接触を、さらに確実に防止することが可能である。
また、光記録媒体1の情報記録再生面2にはハードコート層12が形成されているため、積み重ねたときや、識読するときなどに情報記録再生面2が傷つくことを、より確実に防止することができる。さらに、このハードコート層12は、スピンコート法により形成することで、情報の記録や再生を妨げない平坦な層として、工業的に有利に形成することが可能である。
【0107】
[10.その他]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。
例えば、識読部としては、上記の点字6や記号部7以外のものを形成してもよい。また、上記実施形態では識読部は凸型(突出した形状)に形成したが、凹型(凹んだ形状)に形成しても、視覚障害者が触覚により識読することは可能である。この変形例について説明すると、例えば、図5に示すような光記録媒体1”を形成するようにしてもよい。
【0108】
図5の光記録媒体1”は、ベース層15が、記号部7”を囲むように潤滑層5上に印刷されることにより、記号部7”が凹型に形成されているほかは、上記実施形態で説明した光記録媒体1と同様に構成されている。即ち、光記録媒体1”においては、点字6、スペーサ部9,10はいずれも、潤滑層5上に直接形成されていて、記号部7”は、記号部7と同様の位置にベース層15が凹むことにより形成されている。この場合も、記号部7”ではベース層15との間に立体的な段差が形成されるため、視覚障害者は識読が可能である。なお、図5において、図1と同様の部位は、図1と同様の符号で示すものとする。
【0109】
また、例えば、上記実施形態では識読部6,7により視覚障害者が光記録媒体1に関する情報を指触して認識できるように形成したが、これに加え、視覚障害者が視覚的に認識可能な大きさの記号等を2次元的に印刷しても、視覚障害者の障害の程度によっては、同様に視覚障害者は光記録媒体1に関する情報を認識できる。
さらに、記録再生機能層4の層構成も任意であり、上述した層以外の層を備えていてもよい。
【0110】
また、外縁部に形成されたスペーサ部10に対応した突起部を、情報記録再生面2に形成するようにしてもよい。
さらに、上述した以外の構成部を組み合わせて光記録媒体を形成してもよい。
また、上記の識読部6,7、スペーサ部9,10などは、潤滑層5と同様に滑りやすく形成するようにしてもよい。
【実施例】
【0111】
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
十条ケミカル社製UV硬化インク、レイキュアGA4100メジウム(紫外線硬化性樹脂)100重量部と平均粒径2.4μmの球状シリカ粒子5重量部とからなる組成物を調製した。そして、市販のCD−R(三菱化学メディア(株)社製)の情報記録再生面とは反対側の面上の半径位置18mmから59mmの領域に、上記組成物をスクリーン印刷で塗布した。その後、紫外線を照射して硬化させて、潤滑層を形成した。この潤滑層の表面粗さ〔Ra〕を、ミツトヨ社製サーフテストSJ−201で測定したところ、Ra=0.18μmであった。
この潤滑層上に、以下の方法で点字を形成した。つまり、十条ケミカル社製UV硬化インク、レイキュアGA4100RL−Dメジウム(紫外線硬化性樹脂)を#100メッシュスクリーンで印刷した後に、印刷した紫外線硬化性樹脂を硬化させた。この印刷・硬化の作業を合計3回繰り返して行い、識読部として点字を形成した。
この点字を指でなぞったところ、指はスムーズに動き、点字を円滑に識読できた。
【産業上の利用可能性】
【0112】
本発明の光記録媒体は、CD、DVD、青色レーザ対応の次世代の光記録媒体等の各種の光記録媒体の分野において、好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】本発明の一実施形態としての光記録媒体の模式的な断面図である。
【図2】本発明の一実施形態としての光記録媒体の模式的な平面図である。
【図3】本発明の一実施形態としての光記録媒体の記録再生機能層の層構成を説明する模式的な断面図である。
【図4】本発明の一実施形態としての光記録媒体を積み重ねた場合の模式的な断面図である。
【図5】本発明の変形例としての光記録媒体の模式的な断面図である。
【符号の説明】
【0114】
1,1’,1” 光記録媒体
2,2’ 情報記録再生面
3,3’ 印刷面
4,4’ 記録再生機能層
5,5’ 潤滑層
6,6’ 点字(識読部)
7,7’,7” 記号部(識読部)
8 レーベル
9,9’,10,10’ スペーサ部
11,11’ 突起部
12,12’ ハードコート層
13,13’ 記録再生領域
14,14’ センターホール
15 ベース層
41 基板
42 情報記録層
411 トラッキング用溝
421 記録層
422 反射層
423 保護層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光により記録又は再生を行なうための記録再生機能層と、
該光が入射する情報記録再生面と、
該記録再生機能層を挟んで該情報記録再生面とは反対側に存在する潤滑層と、
該潤滑層上に形成された凹型又は凸型の識読部とを有する
ことを特徴とする、光記録媒体。
【請求項2】
該潤滑層の表面粗さRaが、0.05μm〜5μmである
ことを特徴とする、請求項1記載の光記録媒体。
【請求項3】
該潤滑層が、硬化性樹脂とフィラーとを含有する
ことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の光記録媒体。
【請求項4】
該潤滑層が、硬化性樹脂と潤滑剤とを含有する
ことを特徴とする、請求項1記載の光記録媒体。
【請求項5】
該情報記録再生面上に、ハードコート層が形成されている
ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光記録媒体。
【請求項6】
該ハードコート層が、スピンコート法により形成された
ことを特徴とする、請求項5記載の光記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−95159(P2007−95159A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−282365(P2005−282365)
【出願日】平成17年9月28日(2005.9.28)
【出願人】(501495237)三菱化学メディア株式会社 (105)
【Fターム(参考)】