説明

光路切換えプリズム

【課題】光路切換えプリズムを含む光学機器における光軸調整作業の負担を軽減する技術を提供する。
【解決手段】長さの異なる直角三角柱プリズム2と直角三角柱プリズム3の斜面同士を接合して光路切換えプリズム1を構成する。さらに、接合面5を形成する直角三角柱プリズム2の斜面と直角三角柱プリズム3の斜面の少なくとも一方の斜面が、その斜面の接合面5を形成する領域に半透過膜4がコーティングされた領域を含むように、光路切換えプリズム1は構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光路切換えプリズムに関し、特に、顕微鏡の光路切換えプリズムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の導出口を有し、試料からの光を任意の導出口から選択的に射出する顕微鏡鏡筒が知られている。このような顕微鏡鏡筒を備えた顕微鏡では、顕微鏡鏡筒内部に設けられた光路切換えプリズムを用いて試料からの光が射出される導出口を切換えることにより、カメラによる試料の撮像と、接眼部を用いた試料の目視観察と、を切換えることができる。さらに、試料からの光をいずれかの導出口から射出するだけではなく、試料からの光を顕微鏡鏡筒内で分割し、分割された光を複数の導出口から同時に射出することができる顕微鏡鏡筒も知られている。このような顕微鏡鏡筒は、例えば、特許文献1で開示されている。
【0003】
特許文献1に開示される顕微鏡鏡筒は、顕微鏡鏡筒内に、光路切換えプリズムとして、目視観察光路のみに光を導くプリズムと、撮像光路のみに光を導くプリズムと、目視観察光路と撮像光路の両方に光を導くプリズムと、を含んでいる。これらのプリズムを移動させていずれかのプリズムを択一的に入射光路上に配置することで、試料からの光が射出される導出口を切換えることができる。
【0004】
このため、特許文献1に開示される光路切換えプリズムによれば、目視観察、撮像、目視観察と撮像との併用のいずれかの状態に、容易に切り換えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−191471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、顕微鏡のような光学機器では、像の偏心を抑えるために、光学素子の光軸の傾きや光軸の位置を調整する作業(以降、光軸調整作業と記す。)が、目視観察光路や撮像光路などの光路毎に行われる。
しかしながら、特許文献1に開示される光路切換えプリズムでは、目視観察光路(または撮像光路)のみに光を導く単一光路形成部材であるプリズムと、目視観察光路と撮像光路の両方に光を導く複数光路形成部材であるプリズムとが、個別に設けられている。このため、プリズムの個体差により、同一光路へ光を導くために択一的に用いられるプリズム間で、光軸の位置や傾きに関してズレが生じうる。
【0007】
従って、特許文献1に開示される光路切換えプリズムを含む顕微鏡では、光軸調整作業を、同一光路に対して光路切換え後の状態毎に行う必要があり、作業の負担が大きい。
以上のような実情を踏まえて、本発明では、光路切換えプリズムを含む光学機器における光軸調整作業の負担を軽減する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様は、第1の直角三角柱プリズムと、第1の直角三角柱プリズムと長さが異なる第2の直角三角柱プリズムと、を含み、第1の直角三角柱プリズムの斜面と第2の直角三角柱プリズムの斜面が接合された接合面を形成する少なくとも一方の斜面は、少なくとも一方の斜面の接合面を形成する領域に、半透過膜がコーティングされた第1の領域を含む光路切換えプリズムを提供する。
【0009】
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載の光路切換えプリズムにおいて、その少なくとも一方の斜面は、その少なくとも一方の斜面の接合面を形成する領域に、半透過膜がコーティングされていない第2の領域を含む光路切換えプリズムを提供する。
【0010】
本発明の第3の態様は、第1の態様または第2の態様に記載の光路切換えプリズムにおいて、第2の直角三角柱プリズムは、第1の直角三角柱プリズムの屈折率と同一の屈折率を有する光路切換えプリズムを提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、光路切換えプリズムを含む光学機器における光軸調整作業の負担を軽減する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例1に係る光路切換えプリズムの構成を例示した図である。
【図2】実施例2に係る光路切換えプリズムの構成を例示した図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0013】
図1は、本実施例に係る光路切換えプリズムの構成を例示した図である。なお、図1のXYZ座標系は、方向参照の便宜のために設けた右手直交座標系である。
図1に例示される光路切換えプリズム1は、第1の光路切換えプリズム7と、直方体プリズム8からなる第2の光路切換えプリズム9とを含み、例えば、倒立顕微鏡の鏡筒内部でY方向に沿って移動可能に配置されている。
【0014】
第1の光路切換えプリズム7は、直角三角柱プリズム2(第1の直角三角柱プリズム)と、直角三角柱プリズム2と屈折率が同一である直角三角柱プリズム3(第2の直角三角柱プリズム)と、直角三角柱プリズム2と直角三角柱プリズム3との間に設けられた半透過膜4と、直角三角柱プリズム2の斜面と直角三角柱プリズム3の斜面が接合された接合面5と、直角三角柱プリズム3の底面に設けられた楔形プリズム6と、を含んでいる。
【0015】
直角三角柱プリズム2と直角三角柱プリズム3を比較すると、直角三角柱プリズム2の長さは、直角三角柱プリズム3の長さとは異なっている。より具体的には、直角三角柱プリズム2のY方向の長さは、直角三角柱プリズム3のY方向の長さに比べて長い。このため、接合面5は、直角三角柱プリズム2の斜面の一部と直角三角柱プリズム3の斜面全体とが接合された接合面である。
【0016】
接合面5を形成する少なくとも一方の斜面は、その斜面のうちの接合面5を形成する領域に、半透過膜4がコーティングされた領域(第1の領域)を含んでいる。即ち、直角三角柱プリズム2の斜面と直角三角柱プリズム3の斜面の少なくとも一方に、半透過膜4がコーティングされた領域が含まれている。半透過膜4は、例えば、入射光の50%を反射し、残りの50%を透過する特性を有している。なお、半透過膜4がコーティングされた領域は、接合面5に入射する光束の径よりも大きな領域であればよい。
【0017】
楔形プリズム6は、Z方向の厚さがX方向に沿って異なる楔形状を有し、Z軸と平行な回転軸周りに回転可能に設けられている。なお、楔形プリズム6のZ軸に垂直な断面形状は円形である。
図1に例示される光路切換えプリズム1は、顕微鏡の鏡筒内部でY方向に沿って移動することで、入射光が入射する位置を異ならせることができる。以降、異なる位置に入射した入射光IL1、入射光IL2、入射光IL3のそれぞれに対する作用について説明する。
【0018】
入射光IL1は、Z軸と平行な光として直角三角柱プリズム2に入射する。そして、入射光IL1は、空気と接している直角三角柱プリズム2の斜面で全反射されて、直角三角柱プリズム2から反射光RL1として射出される。
【0019】
入射光IL2は、Z軸と平行な光として直角三角柱プリズム2に入射する。そして、入射光IL2は、半透過膜4がコーティングされた斜面(接合面5)のうちの半透過膜4がコーティングされた領域に入射する。入射光IL2の一部は、接合面5で反射されて、直角三角柱プリズム2から反射光RL2として射出される。接合面5で反射されなかった入射光IL2は、接合面5を通過して、直角三角柱プリズム3へ入射する。さらに、直角三角柱プリズム3の底面に配置された楔形プリズム6へ入射する。そして、楔形プリズム6でわずかに進行方向が調整されて、楔形プリズム6から透過光TL2として射出される。
【0020】
入射光IL3は、Z軸と平行な光として直方体プリズム8に入射する。そして、入射光IL3は、直方体プリズム8内を直進して、直方体プリズム8から透過光TL1として射出される。
【0021】
光路切換えプリズム1では、入射光IL1と入射光IL2(より厳密には、入射光IL2の一部)は、いずれも直角三角柱プリズム2の斜面で反射される。つまり、入射光IL1の反射面と入射光IL2の反射面は、同一平面である。また、入射光IL1と入射光IL2では、入射面と射出面も、それぞれ同一平面である。このため、直角三角柱プリズム2から射出される反射光RL1と反射光RL2は、同じ位置から同じ方向へ進行することになる。
【0022】
従って、光路切換えプリズム1では、光路切換えによる反射光の光路(以降、反射光路と記す。)に対する光軸の傾き及び位置の変化を防止することができる。このため、反射光路に対して、光軸調整作業を光路切換え後の状態毎に行う必要がない。光軸調整作業を光路切換えプリズム1よりも像側の任意の一箇所で行うことが可能であり、作業の負担を軽減することができる。
【0023】
また、光路切換えプリズム1では、透過光TL1と透過光TL2では、通過するプリズムが異なるため、プリズムの個体差により、進行方向に変化が生じうる。しかしながら、光路切換えプリズム1では、楔形プリズム6を回転軸周りに回転させることで、透過光TL2の射出角度を調整することができる。このため、透過光TL1と透過光TL2の進行方向を一致させることができる。
【0024】
従って、光路切換えプリズム1では、透過光の光路(以降、透過光路と記す。)に対して、光軸調整作業を光路切換えプリズム1よりも像側の任意の一箇所で行うことが可能であり、作業の負担を軽減することができる。
【0025】
以上、本実施例に係る光路切換えプリズム1によれば、光路切換えプリズムを含む光学機器における光軸調整作業の負担を軽減することができる。特に、光路切換えによる反射光路に対する光軸の傾き及び位置の変化を防止することができるため、反射光路の光軸調整作業の負担を大幅に軽減することができる。また、光路毎に個別のプリズムに設けた光路切換えプリズムに比べて、部品点数を減らすことができる。
【0026】
なお、光路切換えプリズム1を含む顕微鏡では、反射光路上にカメラを、透過光路上に接眼レンズを配置して、反射光路を撮像光路として、透過光路を目視観察光路として用いてもよい。反対に、反射光路を目視観察光路として、透過光路を撮像光路として用いてもよい。
【0027】
また、図1では、Y方向に沿って光路切換えプリズム1を移動させた場合に、入射光が導かれる光路が、反射光路のみ、反射光路と透過光路の両方、透過光路のみ、の順に、切換わる構成が例示されているが、特にこれに限られない。光路切換えプリズム1は、入射光が導かれる光路が上述した順番とは異なる順番で切り換わるように構成されてもよい。
【0028】
また、光路切換えプリズム1に含まれる半透過膜4の光学特性として、入射光の50%を反射し、残りの50%を透過する特性を例示したが、半透過膜4の光学特性は特にこれに限られない。半透過膜4は、入射光を異なる比率で反射光と透過光に分割しても良い。
【0029】
また、図1では、光路切換えプリズム1が倒立顕微鏡の鏡筒内部に配置されている場合を想定して、入射光が光路切換えプリズム1の上方から入射する場合を例示したが、光路切換えプリズム1が用いられる顕微鏡は倒立顕微鏡に限られない。光路切換えプリズム1は、正立顕微鏡に含まれても良く、また、顕微鏡以外の光学機器に含まれても良い。
【0030】
また、図1では、屈折率が同一の直角三角柱プリズム2と直角三角柱プリズム3を例示したが、特にこれに限られない。ただし、屈折率が同一の直角三角柱プリズム2と直角三角柱プリズム3が接合された光路切換えプリズム1は、接合面での屈折や反射を抑制することができる点で好ましい。
また、光路切り替えプリズム1を精度よく納められる枠構造を採用できる場合や光路切換え時の光軸ズレが問題とならない場合には、楔形プリズム6は省略することができる。その際、照明光IL3が第2の光路切換えプリズム9を通過する場合の光路長と、照明光IL2が直角三角柱プリズム2及び直角三角柱プリズム3を通過する場合の光路長とが、同じになるように、第2の光路切換えプリズム9の光軸方向の長さを変更する必要がある。
【実施例2】
【0031】
図2は、本実施例に係る光路切換えプリズムの構成を例示した図である。なお、図2のXYZ座標系は、方向参照の便宜のために設けた右手直交座標系である。
まず、図2に例示される光路切換えプリズム11の構成について説明する。
【0032】
光路切換えプリズム11は、実施例1に係る光路切換えプリズム1と同様に、例えば、倒立顕微鏡の鏡筒内部でY方向に沿って移動可能に配置されている。
光路切換えプリズム11は、直角三角柱プリズム12(第1の直角三角柱プリズム)と、直角三角柱プリズム12と屈折率が同一である直角三角柱プリズム13(第2の直角三角柱プリズム)と、直角三角柱プリズム12と直角三角柱プリズム13との間に設けられた半透過膜14と、直角三角柱プリズム12の斜面と直角三角柱プリズム13の斜面が接合された接合面15と、を含んでいる。
【0033】
直角三角柱プリズム12と直角三角柱プリズム13を比較すると、直角三角柱プリズム12の長さは、直角三角柱プリズム13の長さとは異なっている。より具体的には、直角三角柱プリズム12のY方向の長さは、直角三角柱プリズム13のY方向の長さに比べて長い。このため、接合面15は、直角三角柱プリズム12の斜面の一部と直角三角柱プリズム13の斜面全体とが接合された接合面である。
【0034】
接合面15を形成する少なくとも一方の斜面は、その斜面のうちの接合面15を形成する領域に、半透過膜14がコーティングされている領域(第1の領域)と、半透過膜14がコーティングされていない領域(第2の領域)と、を含んでいる。半透過膜14は、例えば、入射光の50%を反射し、残りの50%を透過する特性を有している。なお、半透過膜14がコーティングされた領域と半透過膜14がコーティングされていない領域は、それぞれ接合面15に入射する光束の径よりも大きい領域であればよい。
【0035】
図2に例示される光路切換えプリズム11は、顕微鏡の鏡筒内部でY方向に沿って移動することで、入射光が入射する位置を異ならせることができる。以降、異なる位置に入射した入射光IL1、入射光IL2、入射光IL3のそれぞれに対する作用について説明する。
【0036】
入射光IL1は、Z軸と平行な光として直角三角柱プリズム12に入射する。そして、入射光IL1は、空気と接している直角三角柱プリズム12の斜面で全反射されて、直角三角柱プリズム12から反射光RL1として射出される。
【0037】
入射光IL2は、Z軸と平行な光として直角三角柱プリズム12に入射する。そして、入射光IL2は、半透過膜14がコーティングされた斜面(接合面15)のうちの半透過膜14がコーティングされた領域に入射する。入射光IL2の一部は、接合面15で反射されて、直角三角柱プリズム12から反射光RL2として射出される。接合面15で反射されなかった入射光IL2は、接合面15を通過して、直角三角柱プリズム13へ入射する。そして、直角三角柱プリズム13内を直進して、直角三角柱プリズム13から透過光TL2として射出される。
【0038】
入射光IL3は、Z軸と平行な光として直角三角柱プリズム12に入射する。そして、入射光IL3は、半透過膜14がコーティングされた斜面(接合面15)のうちの半透過膜14がコーティングされていない領域に入射する。入射光IL3は、接合面15を通過して、直角三角柱プリズム13へ入射する。そして、直角三角柱プリズム13内を直進して、直角三角柱プリズム13から透過光TL1として射出される。
【0039】
光路切換えプリズム11では、入射光IL1と入射光IL2(より厳密には、入射光IL2の一部)は、いずれも直角三角柱プリズム12の斜面(接合面15)で反射される。つまり、入射光IL1の反射面と入射光IL2の反射面は、同一平面である。また、入射光IL1と入射光IL2では、入射面と射出面も、それぞれ同一平面である。このため、直角三角柱プリズム12から射出される反射光RL1と反射光RL2は、同じ位置から同じ方向へ進行することになる。
【0040】
従って、光路切換えプリズム11では、実施例1に係る光路切換えプリズム1と同様に、光路切換えによる反射光路に対する光軸の傾き及び位置の変化を防止することができる。このため、反射光路に対して、光軸調整作業を光路切換え後の状態毎に行う必要がない。光軸調整作業を光路切換えプリズム11よりも像側の任意の一箇所で行うことが可能であり、作業の負担を軽減することができる。
【0041】
また、光路切換えプリズム11では、実施例1に係る光路切換えプリズム1と異なり、入射光IL2(より厳密には、入射光IL2の一部)と入射光IL3は、いずれも接合面15を通過する。また、入射光IL2と入射光IL3では、入射面と射出面も、それぞれ同一平面である。このため、直角三角柱プリズム13から射出される透過光TL1と透過光TL2は、光量は異なるが、同じ位置から同じ方向へ進行することになる。
【0042】
従って、光路切換えプリズム11では、実施例1に係る光路切換えプリズム1と異なり、光路切換えによる透過光路に対する光軸の傾き及び位置の変化を防止することができる。このため、透過光路に対しても、光軸調整作業を光路切換え後の状態毎に行う必要がない。光軸調整作業を光路切換えプリズム11よりも像側の任意の一箇所で行うことが可能であり、作業の負担を軽減することができる。
【0043】
以上、本実施例に係る光路切換えプリズム11によれば、光路切換えプリズムを含む光学機器における光軸調整作業の負担を軽減することができる。特に、光路切換えによる透過光路と反射光路の両方に対する光軸の傾き及び位置の変化を防止することができるため、実施例1と比較して、さらに光軸調整作業の負担を軽減することができる。また、実施例1と比較して、さらに部品点数を減らすことができる。
【0044】
なお、光路切換えプリズム11を含む顕微鏡では、反射光路と透過光路のいずれを撮像光路としてもよく、また、反射光路と透過光路のいずれを目視観察光路として用いてもよい。
【0045】
また、光路切換えプリズム11は、入射光が導かれる光路が、反射光路のみ、反射光路と透過光路の両方、透過光路のみ、の順番とは異なる順番で切り換わるように構成されてもよい。
【0046】
また、光路切換えプリズム11に含まれる半透過膜14は、入射光を任意の比率で反射光と透過光に分割しても良い。
また、光路切換えプリズム11が用いられる顕微鏡は倒立顕微鏡に限られない。光路切換えプリズム11は、正立顕微鏡に含まれても良く、また、顕微鏡以外の光学機器に含まれても良い。
【0047】
また、直角三角柱プリズム12と直角三角柱プリズム13の屈折率は、必ずしも同一である必要はない。ただし、屈折率が同一の直角三角柱プリズム12と直角三角柱プリズム13が接合された光路切換えプリズム11は、接合面での屈折や反射を抑制することができる点で好ましい。
また、照明光IL1と照明光IL2の間の位置で、直角三角柱プリズム12を分割してもよい。これにより、直角三角柱プリズム13と分割後の直角三角柱プリズム12について部品を共通化することができるため、製造コストを抑制することができる。
【符号の説明】
【0048】
1、11 ・・・光路切換えプリズム
2、3、12、13 ・・・直角三角柱プリズム
4、14 ・・・半透過膜
5、15 ・・・接合面
6 ・・・楔形プリズム
7 ・・・第1の光路切換えプリズム
8 ・・・直方体プリズム
9 ・・・第2の光路切換えプリズム
IL1、IL2、IL3・・・入射光
RL1、RL2 ・・・反射光
TL1、TL2 ・・・透過光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の直角三角柱プリズムと、
前記第1の直角三角柱プリズムと長さが異なる第2の直角三角柱プリズムと、を含み、
前記第1の直角三角柱プリズムの斜面と前記第2の直角三角柱プリズムの斜面が接合された接合面を形成する少なくとも一方の斜面は、前記少なくとも一方の斜面の前記接合面を形成する領域に、半透過膜がコーティングされた第1の領域を含む
ことを特徴とする光路切換えプリズム。
【請求項2】
請求項1に記載の光路切換えプリズムにおいて、
前記少なくとも一方の斜面は、前記少なくとも一方の斜面の前記接合面を形成する領域に、半透過膜がコーティングされていない第2の領域を含む
ことを特徴とする光路切換えプリズム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の光路切換えプリズムにおいて、
前記第2の直角三角柱プリズムは、前記第1の直角三角柱プリズムの屈折率と同一の屈折率を有する
ことを特徴とする光路切換えプリズム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−198322(P2012−198322A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−61273(P2011−61273)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】