説明

光送達システム

光線治療を患者に提供する光送達システムは、光を患者内の標的部位へ伝送する複数の光源を有する、カテーテルアセンブリを含む。一実施形態では、光送達システムは、少なくとも部分的にカテーテルアセンブリの遠位先端部を通って延在する可撓性の透明な基盤に搭載された、複数の光源を有する。光源は、フリップチップ配列で、基盤上に電線結束または搭載可能である。遠位先端部を生成する一実施形態では、光エネルギー供給源のアレイは、固定デバイスのホルダのアレイによって、保持可能である。真空が適用され、対応するホルダ内で各光エネルギー供給源を固定する。真空が適用されている間、エネルギー供給源は、電線結束によって電気的に接続される。真空を低減または停止することによって、光エネルギー供給源を固定デバイスから除去することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、米国仮特許出願第60/851,141号(2006年10月11日出願)の米国特許法119条(e)項の利益を主張するものであり、この仮出願はその全体を参考として本明細書に援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、概して、増殖性疾患の治療のための光療法等、医療処置に使用可能な光送達システムに関する。
【背景技術】
【0003】
光療法は、特定の波長または周波数帯の光が、光感受性、光開始、または光反応性の物質の投与を介して光反応性が与えられた標的の単数または複数の細胞へ誘導されるプロセスである、光線力学療法(PDT)を含む。この光感受性物質は、特徴的な光吸収の周波数帯を有し、一般に、静脈注射、経口投与を介して、または治療部位への局所送達によって、患者に投与される。体内の異常細胞は、健常細胞に対する標準よりも、ある光感受性物質を選択的に吸収し得ることが知られている。異常細胞が、光感受性物質を吸収すると、および/またはそれと分子結合すると、異常細胞は、次に、それらの細胞を光感受性物質の吸収波長または周波数帯に実質的に一致する適切な波長または周波数帯の光に暴露することによって、処理されることが可能である。
【0004】
PDTの目的は、診断または治療のいずれかであってもよい。診断用途では、光の波長は、標的細胞を損傷せずに、標的細胞に関する情報を取得する手段として、光感受性物質を蛍光発光させるために選択される。治療用途では、光感受性物質で処理された標的細胞に送達される光の波長によって、物質は、局所的な標的細胞内の酸素と光化学反応し、局所的な細胞溶解または壊死をもたらす遊離基種(一重項酸素等)を産出する。
【0005】
したがって、PDTは、標的癌細胞を破壊するための有効な腫瘍治療であることが証明されている。加えて、PDTは、他の病気の治療としても提案されており、そのいくつかは、本出願人の同時係属中の特許文献1(米国特許出願第10/799,357号、以下では、第357号特許出願と呼ぶ)に記載されている。
【0006】
PDT治療のために使用される光送達システムの種類の1つは、特殊な光拡散先端部を有する単一光ファイバの送達システムを使用する、レーザ等の光源から標的細胞への光の送達を含む。この種の光送達システムは、単一光ファイバ円筒状拡散器、球状拡散器、マイクロレンズシステム、有線円筒状拡散式複数光ファイバカテーテル、および光拡散光ファイバ誘導線をさらに含んでもよい。この光送達システムは、概して、遠隔に配置された高出力レーザ、または標的細胞に光を送達するための光ファイバに連結された固体レーザダイオードアレイを採用する。しかしながら、レーザ光源の使用は、比較的高い資本費用、比較的大型の装置、複雑な操作手順、および高出力レーザおよびその周辺の作業における安全性の問題等、いくつかの欠点を有する。
【0007】
第357号特許出願は、これらの懸念のいくつかを解決し、また、血管または他の開口部内に固定可能な光発生装置の開発要望にも対処する。また、そのような装置の固定機構は、標的細胞と光伝送器との間の光路から、血液、組織、または別の物体等、光吸収または光遮断の材料を除去することが可能である。血管内への装置の固定は、例えば、バルーンが膨張すると血管の直径に一致する膨張性バルーンカテーテルによって達成することが可能である。
【0008】
シースを通して患者の体内に他の機器を挿入するための通路を生成するために、自身の中を通って延在する内腔を有する導入シースは、光送達システムとともに使用されてもよい。導入シースの種類の1つは、本出願人の同時係属中の別の特許出願であるPCT出願番号PCT/US2005/032851に記載されている。一般に、この種の導入シースは貫通装置を取り囲んでおり、この貫通装置は体内に導入され、次いで、通路としてシースを残して除去される。シースを通して挿入可能な機器の1つは、PDT治療のための光カテーテルである。
【0009】
また、PDT治療のために使用される光システム用の光源は、発光ダイオード(LED)であってもよい。配列されたLEDは、光システムのための光バーを形成し、LEDは、他の種類の半導体チップを導電基板上に配列する際に使用される「フリップチップ」技術を利用して、電線結束または電気的に連結されてもよい。LEDの種々の配列および構成は、特許文献2、特許文献3、および特許文献4、ならびに第357号特許出願にも記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許出願公開第2005/0228260号明細書
【特許文献2】米国特許第6,958,498号明細書
【特許文献3】米国特許第6,784,460号明細書
【特許文献4】米国特許第6,445,011号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本明細書に記載の実施形態は、概して、光療法によって患者を治療するために使用することが可能である光送達システムに関する。本明細書で使用されるように、用語「光療法」は、外部的におよび/または内部的に適用される光によって、患者を治療する方法を含むが、これに限定されることなく、広く解釈される。光療法は、癌を含む、増殖性疾患等の種々の種類の病状を治療するために使用可能である。光送達システムは、比較的単純な構造を有し、製造時間および加工コストを低減することが可能である。いくつかの実施形態では、光送達システムは、搭載基盤に沿って配置される一連の光源によって形成される光バーを有するカテーテルを備える。光バーは、標的組織を効果的に治療するために十分な量の光を送達可能である。一実施形態では、光バーは、カテーテルの遠位先端部内に配置される。
【0012】
遠位先端部は、好ましくは、捩り、曲げ、回転、または別様に変形を受けることが可能なように可撓性である。したがって、遠位先端部は、カテーテルの性能に悪影響を及ぼすことなく、または患者に外傷を与えることなく、治療の際に種々の姿勢をとることが可能である。他の実施形態では、遠位先端部は、半剛性または剛性であって、直線状の送達路に沿って送達するために、特に好適である。半剛性または剛性の遠位先端部は、送達プロセス全体を通して、その形状を維持することが可能である。
【0013】
いくつかの実施形態では、患者を治療するための光送達システムは、光を放出することが可能な1つ以上の光源を有するカテーテルを含む。光源は、放射エネルギーを出力するように、原位置で電圧を加えることが可能である。いくつかの実施形態では、光源は、光バーを形成するLEDである。LEDは、カテーテルの遠位端に沿って、直線的に離間されることが可能である。いくつかの変形例では、LEDは、少なくとも180°、160°、140°、100°、90°、80°の角度、またはそのような角度を包含する範囲にわたって曲がることに十分なほど可撓性である、搭載部材に搭載される。いくつかの変形例では、搭載部材は、LEDによって放出される光を伝送するために、実質的に、光学的に透明である。
【0014】
いくつかの実施形態では、光送達システムは、患者の遠隔の標的領域を治療するために使用される薄型カテーテルである。カテーテルは、カテーテルの遠位端を所望の遠隔の標的領域に配置するために、患者を通る蛇行路に沿って送達可能なように、十分に可撓性である。
【0015】
いくつかの実施形態では、医療処置を行うためのデバイスは、患者を治療するための光を放出可能な複数の光源と、遠位先端部とを備える。遠位先端部は、細長い基盤を有し、患者内に載置するために寸法調整される。基盤は、伝送材料を備えることが可能である。いくつかの実施形態では、デバイスは、可撓性、半剛性、および/または剛性であることが可能である。
【0016】
他の実施形態では、医療処置を行うデバイスが提供される。デバイスは、患者を治療するための光を放出可能な複数の光源と、細長い基盤を有し、患者内に載置するために十分なほど可撓性である遠位先端部であって、基盤は、光源に電圧が加えられると、基盤へ誘導される複数の光源から放出される光の大部分が、基盤を通って伝送されるように、伝送材料を備え、複数の光源は、基盤上に搭載される、遠位先端部とを備える。
【0017】
いくつかの実施形態では、患者を治療するカテーテルを生成するための方法が提供される。方法は、複数の光源を透明の細長い支持部上に連結するステップであって、光源は、互いに離間している、ステップと、電源が複数の光源に電圧を加えるように、複数の光源を接続するステップと、細長い支持部と、それに搭載される複数の光源との周囲に外側本体を載置するステップであって、外側本体は、選択された治療位置に患者を配置するために構成される、ステップとを備える。
【0018】
いくつかの実施形態では、患者を治療する光送達システムを形成する方法が提供される。方法は、光エネルギー供給源のアレイを固定デバイスのホルダのアレイ内に載置するステップであって、光エネルギー供給源は、原位置で電圧を加えられると患者を治療するように構成される、ステップと、光エネルギー供給源を電気的に一体に連結する一方で、光エネルギー供給源はホルダ内に保持される、ステップと、光エネルギー供給源を一体に連結後に、光エネルギー供給源を固定デバイスから除去するステップと、光エネルギー供給源のアレイを外側本体内に封入するステップであって、外側本体は、患者内に載置するために寸法調整される、ステップとを備える。
【0019】
本明細書に記載の光送達システムは、他の使用にも非常に好適である。例えば、光送達システムは、製造プロセス、据え付けプロセス、修理プロセス等の際に、照明条件を改善するために使用することが可能である。いくつかの実施形態では、光送達システムは、視認システム(例えば、カメラ、光ファイバ等)と組み合わせて使用することが可能である。視認システムの操作の際に、光送達システムは、適切な視認のための適度な照明を提供することが可能である。したがって、光送達システムは、航空宇宙産業、電子工学産業、建設、および他の産業、あるいは、例えば、アクセスが制限された比較的に小さいおよび/または遠隔の位置における視認を必要とし得る環境において使用可能である。
【0020】
光送達システムは、導管、パイプ、電気部品、壁、内腔、体内の管(例えば、血管系)等を通って蛇行し、着目領域にアクセスする際に可撓性を提供することが可能である。便宜上、光送達システムは、主に、医療使用に関して論じられる。
【0021】
いくつかの実施形態では、光送達装置を使用して、組織の標的部位を治療し、組織増殖(例えば、細胞分裂、細胞増殖、または拡大等)の促進、治癒率の増加、循環の改善、疼痛の軽減または最小化、硬直の緩和等が可能である。光送達装置は、治療剤を使用せずに、筋肉、骨、軟骨、または他の好適な組織等の異なる種類の組織を照明することが可能である。光送達装置の1つ以上の光源は、近赤外線または赤外線波長光を放出するように構成可能である。本光自体が、組織増殖を生じさせることが可能である。別様に、光送達装置は、増殖促進剤、増殖因子等と組み合わせて使用可能である。
【0022】
また、光送達装置は、細胞破壊を生じさせるエネルギーを放出することによって、組織を破壊するために使用可能である。光送達装置の1つ以上のエネルギー供給源は、細胞破壊のために十分な熱を発生するように起動可能である。エネルギー供給源がLEDの場合、LEDは、起動されると、組織損傷を生じさせるために十分な量の熱を発生可能である。他の実施形態では、エネルギー供給源は、標的細胞を破壊する紫外線光を放出可能である。そのような実施形態は、特に、治療剤を使用せずに、または下層の組織を損傷せずに、薄層の組織を破壊するために非常に好適である。
【0023】
図面では、同じ参照番号は、類似の要素または作用を示す。図面内の要素のサイズおよび相対位置は、必ずしも、正確な縮尺で描画されない。例えば、種々の要素の形状および角度は、正確な縮尺で描画されず、これらの要素のいくつかは、図面の視認性を改善するために、任意に、拡大および配置され得る。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、図示される一実施形態による、カテーテルアセンブリと、制御システムとを有する、光送達システムの側面立面図である。
【図2A】図2Aは、図1のカテーテルアセンブリの遠位端の側面立面図であって、遠位端は、細長い基盤に搭載される光源のアレイを含む。内部構成要素は、破線で示される。
【図2B】図2Bは、図1のカテーテルアセンブリの遠位端の上面概略図である。
【図3A】図3Aは、図2Aの細長い基盤の側面立面図である。
【図3B】図3Bは、図3Aの細長い基盤の上面立面図である。
【図3C】図3C〜3Eは、光源のアレイを担持するために好適な、基盤の異なる実施形態の軸方向断面図である。
【図3D】図3C〜3Eは、光源のアレイを担持するために好適な、基盤の異なる実施形態の軸方向断面図である。
【図3E】図3C〜3Eは、光源のアレイを担持するために好適な、基盤の異なる実施形態の軸方向断面図である。
【図4】図3Aおよび3Bの基盤に搭載される、光源のアレイの側面立面図である。
【図5A】図5Aおよび5Bそれぞれ、光放出システムの側面および上面立面図であって、電線は、隣接する光源を接続する。
【図5B】図5Aおよび5Bそれぞれ、光放出システムの側面および上面立面図であって、電線は、隣接する光源を接続する。
【図6】図示される一実施形態による、細長い基盤に搭載されるフリップチップである光源を有する、カテーテルアセンブリの遠位端の側面概略図である。
【図7】図7は、図6の基盤の上面立面図である。
【図8A】図8Aは、図7の基盤上方に配置される、光源の1つの側面立面図である。
【図8B】図8Bは、光源が基盤に組み込まれた後の、図8Aの光源の側面立面図である。
【図9】図9は、基盤の上面に線形に搭載された、光源のアレイの上面立面図である。
【図10】図10は、図示される一実施形態による、基盤を通して延在する開口の上方に搭載される、光源の側面立面図である。
【図11】図11は、カテーテルの遠位端の側面概略図であって、光源のアレイは、封止体内にある。
【図12A】図12Aは、図示される一実施形態による、光放出システムの一部の上面立面図である。
【図12B】図12Bは、線12B−12Bに沿った、図12Aの光放出システムの断面図である。
【図13】図13は、図12Aの光放出システムの軸方向断面図であって、光放出システムは、封止体内にある。
【図14A】図14Aは、基盤に連結された配線を有する、回路の上面立面図である。
【図14B】図14Bは、図14Aの回路の裏面立面図である。
【図15A】図15Aは、別の図示される実施形態による、基盤に連結された配線を有する、回路の上面立面図である。
【図15B】図15Bは、図15Aの回路の裏面立面図である。
【図16A】図16Aは、別の図示される実施形態による、基盤に連結された配線を有する、回路の上面立面図である。
【図16B】図16Bは、図16Aの回路の遠位部である。
【図16C】図16Cは、図16Aの回路の中心部である。
【図16D】図16Dは、図16Aの回路の近位部である。
【図17】図17は、多層回路に搭載される、1対の光源の断面図である。
【図18A】図18Aは、光バー回路の一実施形態の回路略図である。
【図18B】図18Bは、光バー回路の別の実施形態の回路略図である。
【図19】図19は、図11の光源を保持するための、空の製造ツールの斜視図である。
【図20】図20は、図19の製造ツールの斜視図であって、製造ツールは、電線によって接続される光源のアレイを保持している。
【図21】図21は、図20に図示される光源、電線、および製造ツールの拡大斜視図である。
【図22】図22は、一実施形態による、両面光源アレイを有する遠位先端部の側面立面図である。
【図23】図23は、別の実施形態による、両面光源アレイを有する遠位先端部の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、一実施形態による、制御システム106と、制御システム106から遠位に延在し、それに連結される、カテーテルアセンブリ110とを含む、光送達システム100の側面立面図である。光送達システム100を使用して、種々の種類の光療法を行うことが可能である。光療法は、1つ以上の標的細胞を、同等ではないにしても、標的細胞の少なくとも1つの励起波長におよそ近接する光の1つ以上の波長に曝すことによって、1つ以上の標的細胞を光活性化または光励起するステップを含むと、広く解釈される。この光励起プロセスは、腫瘍治療計画の際に使用され、例えば、罹患、または別様に望ましくない、および/または癌標的細胞を治療可能である。1つの細胞が「標的化」される場合でも、標的細胞近傍の他の細胞もまた、光に曝され得る可能性があることを理解されたい。光送達システム100を使用して、他の種類の異常細胞を治療することが可能である。
【0026】
カテーテルアセンブリ110は、遠位先端部114と、遠位先端部114と制御システム106との間に延在するカテーテル本体116とを含む。遠位先端部114は、患者内の標的領域を治療するために好適な放射エネルギー等、エネルギーを出力するように構成される放出システム120(想像線で図示)を含む。遠位先端部114が、標的部位に配置られると、制御システム106は、遠位先端部114からの出力を選択的に制御するために利用されることが可能である。
【0027】
制御システム106は、コントローラ124と、放出システム120と連通する電力供給源126(図1の想像線で図示)とを含むことが可能である。コントローラ124は、光放出システム120によって放出される放射エネルギーの量を選択するように操作可能である。
【0028】
図示される内部電力供給源126は、リチウム電池等のバッテリである。他の実施形態では、光送達システム100は、一般的には、病院、医療施設、または光療法を行うための他の好適な場所で見られる電気コンセント等のAC電源によって駆動される。制御システム106は、AC電源に接続可能な電源コードを含むことが可能である。故に、種々の種類の内部および/または外部電源を利用して、光送達システム100を駆動可能である。
【0029】
図1のカテーテルアセンブリ110は、患者内での経皮的な前進および航行に好都合な薄型構成を有する。そのような構造は、大型の光バーを有するカテーテルと異なり、患者内の遠隔位置での遠位先端部114の都合のよい送達および載置を可能にする。また、カテーテルアセンブリ110は、送達および載置の他の手段のためにも寸法調整可能である。例えば、カテーテルアセンブリ110は、外部光送達(例えば、経表皮的または経真皮的な送達)のために構成可能である。この外部カテーテルアセンブリは、経皮的に送達される前述のカテーテルアセンブリよりも大きくすることが可能である。故に、カテーテルアセンブリ110の寸法(例えば、軸方向長さ、断面幅等)は、標的組織の接近容易性に基づいて、選択可能である。
【0030】
カテーテルアセンブリ110は、断面幅約1.25mm未満を有することが可能である。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリ110は、断面幅約1mm未満を有する。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリ110は、断面幅約0.80mm未満を有する。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリ110は、断面幅約0.75mm未満を有する。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリ110は、断面幅約0.70mm未満を有する。遠位先端部は、断面幅約10mm、5mm、1.5mm、1.25mm、1.0mm、0.75mm、0.5mm未満、およびそのような幅を包含する範囲を有することが可能である。また、他の寸法も可能である。
【0031】
いくつかの実施形態では、光送達システム100は、低侵襲的処置、切開処置、半切開処置、または好ましくは、所望の標的領域へのアクセスを提供する他の外科的処置等、別の医療処置の際の補助として使用可能である。多くの場合、標的領域へのアクセスを提供するために使用されるアクセス技術および処置は、外科医および/または低侵襲的手術を行うために使用されるロボットシステム等のロボットデバイスによって行うことが可能である。当業者は、標的領域にアクセス可能な多くの異なる方法があることを理解されたい。選択的に、光送達システム100は、誘導線、送達シース、送達デバイス(例えば、内視鏡、気管支鏡、光学機器等)、導入器、套管針、生検針、または他の好適な医療装置とともに使用される。標的治療部位が、患者内の遠隔位置にある場合、送達デバイスは、蛇行性の体内内腔または患者内の他の解剖学的構造を通る好都合な航行のために使用されるべきである。可撓性の光送達システム100は、例えば、内視鏡、気管支鏡等の可動型デバイスを使用して、患者内に容易に配置可能である。半剛性または剛性の光送達システム100は、半切開処置、切開処置、または、例えば、ほぼ直線の送達路を提供する他の送達ツール/処置を使用する套管針、アクセスポート、剛性送達シースを使用して、送達可能である。有利には、半剛性または剛性システム100は、内部組織を変位させ、標的組織への光送達の促進を支援するために十分に剛性であることが可能である。患者内に挿入されると、システム100は、軸方向に容易に回転および前進可能である一方、その構成を維持する。
【0032】
図2Aおよび2Bは、保護的な外側本体136内に封入される放出システム120を含む、遠位先端部114を示す。放出システム120が起動すると、有効量の放射エネルギーが標的領域に達するように、放射エネルギーが、放出システム120から、外側本体136を通って、所望の標的領域、好ましくは、外側本体136近傍の組織まで送達される。
【0033】
放出システム120は、基盤142上に搭載される1つ以上のエネルギー供給源138を含む。本明細書で使用されるように、用語「エネルギー供給源」は、広範な用語であって、電磁エネルギー等の放射エネルギーを放出することが可能なエネルギー供給源を含むが、それに限定されない。限定的ではない、例示的なエネルギー供給源は、可視光波、非可視光波、およびそれらの組み合わせを放出することが可能な光源であり得る。エネルギー供給源は、LED(エッジ放出LED、表面放出LED、超放射LED等)、レーザダイオード、または他の好適なエネルギー供給源であることが可能である。
【0034】
図2Aおよび2Bは、遠位先端部114の全長に沿って離間したLED138の直線状のアレイを図示する。図示される実施形態では、LED138は、細長い基盤142の縦方向に延在する上面200の上に連結される。導電コネクタ148は、LED間に電気エネルギーを分散するように、LED138を相互に接続する。用語「導電コネクタ」は、広範な用語であって、リード、電線(好ましくは、可撓性電線)、母線、基板に適用される導電膜またはインク、あるいはLED138を制御システム106に電子的に連結するために好適な他の伝導体を含むが、それらに限定されない。図2Aおよび2Bの図示される実施形態では、導電コネクタ148は、LED138の上方に延在し、それに連結され、それによって、完全な回路を形成する、1対の電線160、162によって形成される複数のリード150である。
【0035】
LED138は、並列に、直列に、またはそれらの組み合わせにおいて配列が可能である。例えば、いくつかのLED138は、直列に配列が可能である一方、他のLEDは、並列に配列される。したがって、種々の回路構成が、LED138を基盤142に搭載する際に使用可能である。例示的な非限定の回路の実施形態が、以下に詳述される。
【0036】
図2Bを引き続き参照すると、各LED138は、それぞれ、電線160、162に連結される電極170、172を有する。また、各LED138は、図2Aに示されるように、電極170、172と基板182との間に配置される1つ以上の層(例えば、GaN層、AlGaN層、InGaN層、AllnGap層、および/またはAllnGaN層)を含むがことが可能である。図示される実施形態では、基板182は、伝導基板である。例えば、基板182は、前述の層から放出される光に対して光学的に透明であることが可能である。
【0037】
図示されるLED138は、治療剤の使用にかかわらず、患者を治療するために好適な適切な波長または周波数帯を放出可能である。治療剤(例えば、光反応性または感光性の物質)が利用される場合、LED138は、好ましくは、物質を励起または別様に活性化させる波長または周波数帯に対応する、あるいは少なくともそれに重複する放射波長または周波数帯を放出する。光反応性物質は、多くの場合、それらを励起し、患者の標的組織を損傷、破壊、または別様に治療する物質を生成する、1つ以上の吸収波長または周波数帯を有することが可能である。例えば、LED138は、約400ナノメートル乃至1,000ナノメートルの範囲の波長または周波数帯を有する光を放出するように構成可能である。いくつかの実施形態では、LED138は、約600ナノメートル乃至約800ナノメートルの範囲の波長または周波数帯を有する光を放出する。いくつかの実施形態では、LED138は、約600ナノメートル乃至約700ナノメートルの範囲の波長または周波数帯を有する光を放出する。一実施形態では、例えば、LED138は、664ナノメートル±5ナノメートルのピーク波長を有する放射線を放出する。
【0038】
遠位先端部114の各LED138は、同一の波長または周波数帯を放出するように構成可能である。しかしながら、異なる波長または周波数帯を有するLEDを使用して、可変出力を提供することも可能である。これらのLED138は、所望の治療に応じて、同時にまたは異なる時に起動されることが可能である。また、種々のLED138は、パルスシーケンスで起動および解除可能である。例えば、LED138は、光アレイを二等分し、交互にオンオフされてもよい。代替として、本システムは、光バーの全長に沿って、LED138の異なる選択されたセグメントを選択的に起動および解除するようにプログラムされてもよい。このように、例えば、選択された時間周期の間、特定の出力レベルで、LEDをあるシーケンスで点灯させる治療プロトコルが、制御システム106内にプログラムされてもよい。
【0039】
遠位先端部114は、任意の数のLED138を有することが可能である。図示される実施形態では、5つのLEDが、概して、遠位先端部114の縦軸に沿って配置されている。しかしながら、より多いまたはより少ない数のLEDが、所望のエネルギー出力、放出される波長および/または周波数帯、標的部位の表面積、所望のレベルのエネルギー浸透、および他の治療パラメータに基づいて、選択されることが可能である。いくつかの実施形態では、例えば、約60のLEDが、遠位先端部114に沿って、1mm間隔で離間している。他の実施形態では、LEDは、約1.5mm乃至約0.5mmの範囲の間隔であることが可能である。いくつかの実施形態では、70未満のLEDが、遠位先端部114に沿って離間している。他の実施形態では、50未満のLEDが、遠位先端部114に沿って離間している。さらに他の実施形態では、40未満のLEDが、遠位先端部114に沿って離間している。図示されるLED138は、均等に離間して、単一の列を形成する。しかしながら、他のLED配列も可能である。例えば、遠位先端部114は、マトリクス状のLED138を含むことが可能である。
【0040】
図2Aおよび2Bに関連して上述のように、LED138は、基盤142の上面200上に搭載される。任意の好適な搭載手段を採用して、一時的または恒久的に、LED138を基盤142上に連結することが可能である。例えば、接着剤、接合材料、固定具、はんだ、または他の連結手段は、LED138を基盤142にしっかりと連結することが可能である。LED138によって発生される光を基盤142に放出するために、搭載手段は光学的に透明であることが可能であり、基盤142は、次に、最終的に患者に到達する光を放出する。図2Aおよび2Bの図示された実施形態では、光学的に透明なエポキシは、直線状に離間したLED138を上面200に恒久的に連結する。
【0041】
図2Aおよび2Bを引き続き参照すると、基盤142は、遠位先端部114に沿って縦方向に延在する細長い部材であって、LED138の好都合な載置のために、上面200上に比較的に大きい搭載領域を提供する。基盤は、任意の数のLEDを保持するようにサイズ調整された支持基板であることが可能である。
【0042】
基盤142は、好ましくは、蛇行路に沿って送達するために、遠位先端部114の十分な変形を可能にするように、十分に可撓性である。基盤142は、好ましくは、基盤142および/またはそれに搭載されるLED138に対して、いかなる顕著な損傷も伴わずに、捩り、曲げ、回転、および/または別様に変形を受けることが可能である。いくつかの実施形態では、基盤142は、角度220°、180°、150°、130°、90°、70°、50°、およびそのような角度を包含する範囲にわたって移動させられることが可能である。
【0043】
いくつかの実施形態では、基盤142は、可撓性材料の薄く平坦な細片である。薄い基盤142によって、光放出システム120の外形を縮小し、その結果、遠位先端部114全体の断面幅を減少させるのに役立つ。さらに、基盤142は、患者内の蛇行路に沿って航行可能なように、容易に曲げおよび捩りを受けることが可能であって、こうして、治療プロトコルを選択する際の柔軟性を可能にする。
【0044】
基盤142は、多角形の軸方向断面(例えば、矩形断面)、楕円断面、または他の好適な軸方向断面を有することが可能である。図3C〜3Eは、基盤142の種々の軸方向断面を図示する。
【0045】
種々の材料を使用して、基盤142を構成可能である。可撓性、半剛性、および/または剛性の基盤142は、ゴム、合成材料、熱可塑性物質、ポリマー(例えば、ポリエステル、テレフタル酸ポリエチレン(PET)、ポリプロピレン、ポリエチレンナフタレート(PEN)、およびそれらの組み合わせ)からつくられることが可能である。一実施形態では、基盤142は、やや透明な材料、好ましくは、光学的に透明なポリエステルを備える。LEDによって放出される光の少なくとも1つの波長は、以下にさらに詳述されるように、基盤142を通過することが可能である。
【0046】
基盤142を形成する材料は、所望の構造特性、熱特性、電気特性、光学特性、および耐久性を達成するように選択可能である。例えば、LED138によって発生される熱を放散するために、基盤142は、光放出システム120を適切な動作温度に維持するために、LEDから熱を奪うための放熱板として作用し得る熱導電材料を備えることが可能である。加えて、1つ以上の肋材、補剛材、継手、補強部材、応力緩和要素、または他の構造要素を基盤142に追加し、所望の特性を達成可能である。前述のように、基盤142は、いくつかの医療用途に対してやや剛性であってもよい。例えば、患者に外部的に光を適用するための遠位先端部114内の基盤142は、金属、剛性プラスチック、または他の好適に堅固な材料から成る剛性部材であってもよい。
【0047】
上述のように、基盤142は、LEDから放出される光を自身を通って通過させる伝送材料を備えることが可能である。したがって、基盤142は、有利には、LED138を支持する一方、また、そこを通る光の通過を可能にし、光線治療の効率を増大させ、電力消費を低減する。さらに、基盤142は、標的組織に到達する光の量を著しく減少させずに、拡大されたLED搭載領域に対して、比較的に大きくあることが可能である。これは、LEDの容易な載置をもたらす。
【0048】
好適な伝送材料は、ポリエステル、PET、ポリプロピレン、それらの組み合わせ等のポリマーを含むが、それらに限定されない。材料の1つ以上の層が、基盤142を形成可能である。好ましくは、LED138から基盤142に向かって誘導される実質的の光の量が、基盤142を通して放出される。いくつかの実施形態では、基盤142へ放出される光の少なくとも40%が、そこを通して放出される。いくつかの実施形態では、基盤142へ誘導される光の少なくとも50%が、そこを通して放出される。いくつかの実施形態では、基盤142へ誘導される光の少なくとも60%が、そこを通して放出される。いくつかの実施形態では、基盤142へ誘導される光の少なくとも70%が、そこを通して放出される。いくつかの実施形態では、基盤142へ誘導される光の少なくとも80%が、そこを通って伝送される。いくつかの実施形態では、基盤142へ誘導される光の少なくとも90%が、そこを通して放出される。加えて、1つ以上の光路、貫通孔、窓、または他の構造を基盤142内に形成して、基盤142を通過する光の量を増大させることが可能である。
【0049】
基盤142は、選択的に、1つ以上の波長または周波数帯がそこを通過することを阻止または防止する、1つ以上の不透明材料を含むことが可能である。混濁剤、添加剤、コーティング、またはそれらの組み合わせを利用して、基盤142(または、その一部)をやや不透明にすることが可能である。いくつかの実施形態では、混濁剤は、染料、顔料、金属粒子または粉末、あるいは基盤142上にコーティング、全体に分布、または別様に蒸着可能な他の材料を含むが、それらに限定されない。所望に応じて、基盤142は、1つ以上の波長または周波数帯が、患者の組織に到達することを阻止または防止するように、フィルタとして機能することが可能である。
【0050】
いくつかの実施形態では、基盤142は、カテーテル本体116の全長に沿って、遠位先端部114から近位に延在する。他の実施形態では、基盤142の近位端は、カテーテルアセンブリ110の近位端の遠位に配置される。例えば、基盤142の近位端は、カテーテル本体116に沿って、または遠位先端部114内のいくつかの点に配置することが可能である。
【0051】
図2Aおよび2Bに示されるように、光放出システム120は、上述のように、外側本体136内に格納される。外側本体136は、好ましくは、光放出システム120から放射される放射線を放出するように伝送性である。例えば、外側本体136は、基盤142を形成する同一材料から成ることが可能である。患者の体内を通っての前進および標的部位への載置の際に、外力が、遠位先端部114に加えられてもよい。故に、外側本体136は、光放出システム120への望ましくない損傷を抑制または防止するために好適な材料から成ることが可能である。
【0052】
外側本体136は、光放出システム120を収容するようにサイズ調整されたチャンバ206を画定することが可能である。いくつかの実施形態では、外側本体136に対して、光放出システム120の移動を最小化または防止するために、封入体(例えば、ポリマー)を使用して、チャンバ206を充填することが可能である。別様に、外側本体136は、遠位先端部114の全体の可撓性を増大し得る、中空チャンバ206を画定することが可能である。選択的に、外側本体136は、参照することによって全体として本明細書に組み込まれる第357号特許出願に開示されるような、拡張可能部材であることが可能である。チャンバ206は、膨張流体で充填され、外側本体136を膨張させることが可能である。他の実施形態では、外側本体136は、光放出システム上に成形される部材等の一体的な保護の外側部材である。故に、外側本体136は、一体型または多部品の構造を有することが可能である。
【0053】
図3A、3B、および4−5Bは、電線結束技術を使用して、遠位先端部114を生成するプロセスの一実施形態を図示する。図3A−3Eは、遠位先端部114を形成するための出発材料である基盤142を示す。LED138は、図4に示されるように、基盤142の上表面200に取り付けられ。基盤142は、搭載されるLED138間の所望の間隔を維持する一方で、電線結束150が形成される。このように、基盤142は、たとえLEDが後続の処理を受け得るとしても、LED間の公差を改善することに役立つ。図5Aの図示される実施形態では、例えば、1対の電線160、162は、それぞれ、電極170、172にはんだによって接続される一方で、LED138は、基盤142にしっかりと搭載されたままである。故に、基盤142は、LEDホルダとして機能し、したがって、加工時間を減少させ、公差を改善することが可能である。加えて、基盤142は、遠位先端部アセンブリ114内に最終的に統合される低コスト材料(例えば、ポリエステル)からつくられることが可能であり、それによって、材料の無駄およびコストを低減することが可能である。
【0054】
放出システム120の組み込み後(図5Aおよび5Bに示されるように)、外側本体136は、種々の成形技術によって形成されることが可能である。例えば、外側本体136は、成形プロセス(例えば、射出成形プロセス、圧縮成形プロセス等)、熱成形、機械加工プロセス、またはそれらの組み合わせを介して形成されることが可能である。いくつかの実施形態では、光放出システム120は、外側本体136の所望の形状に対応する型穴内に載置されることが可能である。光放出システム120を外側被覆するために、溶融ポリマーを型穴の中に注入することが可能である。あるいは、外側本体136は、予成形された中空部材であることが可能である。光放出システム120は、遠位先端部114が完全に組み込まれるまでは、部材の中に挿入されることが可能である。
【0055】
図6は、図1の光送達システム100内に組み込み可能な遠位先端部の別の実施形態を示す。図6の遠位先端部300は、以下にさらに詳述されるものを除き、図1に図示される遠位先端部114に一般に類似してもよい。
【0056】
図6の遠位先端部300は、フリップチップ配列に搭載されるLED304のアレイを有する。フリップチップは、チップ間の電線結束を必要としない集積回路(IC)チップ搭載配列の一種である(例えば、図1−5Bに関連して上述のチップ搭載配列)。したがって、一般的には、接続要素を有するチップ/基板を接続する電線またはリードは排除され、遠位先端部の外形をさらに縮小することが可能である。すなわち、遠位先端部300は、遠位先端部114よりも小さい外形を有することが可能であって、細い通路に沿って送達するために非常に好適である。一例として、図1の遠位先端部114は、約1.5mm乃至約1.2mmの範囲の直径を有することが可能であるが、他の直径もまた可能である。図6のフリップチップ搭載遠位先端部300は、約0.8mm乃至約0.7mmの範囲の直径を有する。いくつかの実施形態では、遠位先端部300は、直径約0.74mmを有する。したがって、遠位先端部300は、比較的に細い送達路に沿って送達可能である一方、電線結束される遠位先端部114と同一の出力を提供する。
【0057】
図7−10は、フリップチップ搭載LEDを有する図6の遠位先端部300を生成するためのプロセスの一実施形態を図示する。概してチップが基板内/上に上下逆さに搭載されると、電気接続が基板の導電配線とチップとの間に確立されるように、前述の電線結束の代わりに、はんだビードまたは他の要素をチップパッド上に配置または蒸着することが可能である。
【0058】
図7は、基盤310と、フリップチップ搭載に好適な導電配線または電極314、316のアレイとを含む、回路309を図示する。図8Aに示されるように、LED304は、1対の配線314、316の上方に配置可能である。はんだビード320がLED304の電極324上に形成されることにより、LED304が回路309上に降下されると、事前成形されたはんだビードが、LEDを基盤310の配線314、316に電気的および機械的に接続されることが可能である。1つ以上のLED304が基盤310上に載置された後において、はんだビード320は、図8Bに示されるように、はんだがLED304を基盤310にしっかりと連結するまで、加熱または熱的に処理されることが可能である。LED304を基盤310上に搭載後に、外側本体330は、前述の方法で形成されることが可能である。
【0059】
図7の基盤310は、図2Aおよび2Bの基盤142と同一の材料から成ることが可能である。しかしながら、基盤310は、他の材料からも形成されることが可能である。例えば、基盤310は、特に、フリップチップ搭載配列に非常に好適なポリアミド材料(例えば、ポリアミドフレックス)から形成されることが可能である。基盤310を通過する光の量を増加させるために、1つ以上の光路は、基盤310の中に形成されることが可能である。光路は、貫通孔、窓、伝送材料、または基盤310を通って進行する光の量を増大させるための他の好適な要素であることが可能である。光路の数および/またはサイズは、それぞれ、放出される光の量を増減させるために増加または減少されることが可能である。
【0060】
図10は、基盤310内の貫通孔の形としての光路334(想像線で図示)を示す。したがって、LED304から放出される光は、光路334を通って、基盤310を容易に通過することが可能である。光路334は、LED304が基盤310に搭載される前、その間、またはその後に形成されることが可能である。例えば、LED304は、事前形成される穿孔された基盤310上に搭載可能である。好ましくは、光路334は、LEDから基盤310を通って効果的に光を放出するように配置される。
【0061】
図11は、図1の光送達システム100の中に組み込み可能な別の遠位先端部を示す。遠位先端部400は、概して、以下にさらに詳述されるものを除き、図1に図示される遠位先端部114と類似してもよい。
【0062】
図11の遠位先端部400は、リードの形の複数の導電要素412によって共に電線結束される複数の光源410を含む、光放出システムを有する。有利には、遠位先端部400は、上述のように、支持基盤を利用せずに、形成されることが可能である。光放出システムは、先端を形成する構成要素の数を低減するように、外側本体406内に直接搭載可能である。加えて、前述の支持基盤は、自身を通る光の通過を阻止し、それによって、組織の照明を制限してもよい。したがって、遠位先端部400を使用して、増大した光の量を送達することが可能である。
【0063】
図2Aの基盤142は、遠位先端部114の屈曲軸を画定するのに役立ち得るため、図11のリード412上の応力は、図2Aおよび2Bのリード150が受ける応力も少ない場合がある。したがって、基盤142は、遠位先端部114が屈曲すると、リード内に増大した軸方向応力をもたらすリードから望ましくない距離だけ屈曲軸を離間させることが可能である。しかしながら、図11では、支持基盤は、屈曲軸をリード412から離さない。故に、リード412は、遠位先端部400の中立軸または近傍に配置され、それによって、リード上の軸方向応力を低減または除去することが可能である。いくつかの実施形態では、リード412は、所望に応じて、遠位先端部400の屈曲軸を画定する回転軸として作用可能である。
【0064】
図12Aおよび12Bは、回路353に連結された複数のフリップチップ搭載光源352A、352Bを有する、光放出システム340を図示する。回路353の基盤354は、封止体と光放出システム340との間の連結を促進するための1つ以上の係止構造360を画定する。図13に示されるように、封止体362は、光放出システム340を囲繞可能であって、封止体362の部分363は、基盤354を通って延在する係止構造360を通過することが可能である。したがって、係止構造360は、光放出システム340と封止体362との間の移動を最小化、制限、または防止することが可能である。加えて、係止構造360は、有利には、基盤354からの封止体362の層間剥離を抑制または防止可能である。
【0065】
図12A〜13の図示される係止構造360は、細長い軸方向断面を有する貫通孔である。いくつかの非制限例示的実施形態では、係止構造360は、幅約0.005インチ(0.127mm)および長さ約0.011インチ(0.28mm)を有し、それぞれ、長さおよび幅約0.014インチ(0.356mm)を有する2つの光源352A、352Bの間に位置する。係止構造360のサイズは、それぞれ、基盤354を通って延在する封止体363の量を増減させるために増大または減少させられることが可能である。他の実施形態では、係止構造360は、多角形(円形多角形を含む)、楕円、円形、または任意の他の好適な断面を有することが可能である。穿孔プロセス、機械加工プロセス、または他の好適なプロセスを使用して、構造360を形成することが可能である。
【0066】
図12Aを再び参照すると、光放出システム340は、光源352A、352Bと基盤354との間に組み込まれる1対の概して縦方向に延在する配線364、366を含む。配線364、366は、隣接する対の光源352A、352Bを相互接続する。拡大した係止構造360を収容するために、配線364、366の部分間の距離は、図12Aに示されるように、増大されることが可能である。図12Aの図示される実施形態では、配線364、366間の距離D1は、光源352A、352Bに隣接するまたは下方の配線364、366の部分間の距離D2よりも大きい。配線364、366間の間隔は、係止構造360のサイズ、位置、および/または構成に基づいて選択可能である。
【0067】
また、本明細書に開示される他の光放出システムは、1つ以上の係止構造を含むことが可能である。例えば、図2Aの基盤142は、隣接する対の電線結束されたLED間に組み込まれる1つ以上の係止構造を含むことが可能である。したがって、係止構造は、電線結束されたLED、フリップチップLED、および他のチップ搭載配列によって使用可能である。
【0068】
図12Aおよび12Bを引き続き参照すると、配線364、366は、光源352A、352Bを接続する送達配線である。基盤354は、送達配線364、366と戻り配線368、370との間に介在する。カバーレイ361(図12Aでは除かれる)は、図12Bに示されるように、基盤354および配線364、366、368、370の両方の少なくとも一部を覆うことが可能である。
【0069】
本明細書に記載の光送達システムは、異なる構成の回路を有することが可能である。回路の構成は、各光源から所望の出力を達成するように選択可能である。図14A〜16Dは、本明細書に開示される光送達システムにおいて使用可能な回路を図示する。図14Aは、基盤375に連結される複数の配線372、373、374を有する配線システム369を含む、回路371を図示する。接合パッド376は、光源377(想像線で図示)を受容するように配置される。
【0070】
配線372、373、374のうちの少なくとも1つは、交差配線であることが可能である。図14Aの図示される実施形態では、配線374は、交差配線であって、1対の対向する縦方向に延在する側面部分374A、374Bと、側面部分374A、374B間に側方に延在する交差配線374Cとを含む。このように、配線374は、隣接する光源377の対向するコネクタを接続することが可能である。回路371は、所望に応じて、任意の数の配線を有することが可能である。
【0071】
図14Bの1対の戻り配線378、379は、基盤375の裏面に連結され、光源377から放出される実質的な量の光を遮断せずに、光送達システムの能力を担持する電流を増大することが可能である。戻り配線378、379は、配線378、379が、遮断される光の量が増大しないように、配線372、373、374の部分に対向して直接配置可能である。いくつかの実施形態では、配線378、379の幅は、概して、対応する配線372、373、374の対向する部分の幅以下であることが可能である。
【0072】
図15Aおよび15Bは、光送達システムのための別の回路を図示する。配線システム380は、1つ以上の光源群の独立起動を提供するセグメントを有する。図示される配線システム380は、基盤382に搭載される複数の配線381A〜Dを含む。電流を選択的に制御するためのコントローラまたはスイッチ384は、配線381B、381C間に配置される。したがって、コントローラ384は、遠位光源(図示せず)への電流を決定することが可能である。図示される配線システム380は、単一のコントローラ384を有する。しかしながら、任意の所望の数のコントローラを使用して、1つ以上の光源を分離することが可能である。
【0073】
図16A〜16Dは、一実施形態による、光放出システムを示す。図16Aの図示される光放出システム385は、遠位部386(図16B)と、近位部387(図16D)と、その間に延在する中央部388(図16C)とを有する。1対の配線389A、389Bは、放出システム385の全長に沿って延在する。基盤413は、配線389A、389B間に配置される。図16B〜16Dに示されるように、光源415(想像線で図示)は、光放出システム385に沿って、互いに離間されることが可能である。配線389A、389Bは、好ましくは、基盤413を通る改善された放出のために、光源415から側方に離間している。一実施形態では、基盤413は、透明である。
【0074】
図示される光放出システム385は、片面または両面搭載の配列を有することが可能である。基盤413の材料は、基盤413の光学特性を改善するために除去することが可能である。レーザおよび/または機械的ルーティング技術を使用して、複数の光源415の隣接しておよび/または下方に配置される基盤413の材料の一部(例えば、実質的部分)を除去することが可能である。また、エッチング等の他の種類の材料除去技術も使用可能である。
【0075】
図14A〜16Dの回路は、片面または両面のフリップチップ搭載配列のために使用可能である。図17は、多層の板391の対向する面に搭載される光源390A、390Bを有する両面配列を示す。板391は、はんだ394を介して、配線392、393に搭載される光源390Aを含む。配線392、393は、上基盤395の上面に搭載される。戻り配線396は、上基盤395と下基盤397との間に介在する。光源390Bは、はんだ400を介して、配線398、399に搭載される。上下カバーレイ401A、401Bは、それぞれ、配線392、393および配線398、399を被覆および保護することが可能である。当然ながら、板391は、そこを通る光の通過を可能にするように透明であることができる。
【0076】
前述のように、本明細書に開示される光放出システムは、種々の種類の回路配列を有することが可能である。図18Aは、光源404A〜Dを示す回路図403である。光源404A、404Bは、並列配列である。光源404Cおよび404Dも同様に、並列配列である。任意の所望の数の光源が、並列配列に配列されることが可能である。光源404A、404Bおよび光源404C、404Dは、それぞれ、直列に配列される群405、406を形成する。任意の数の光源群が、直列に配列されることが可能である。図18Bは、直列配列の複数の光源407A〜Cを図示する。
【0077】
図19および23は、光送達システムのための遠位先端部を生成する方法を示す。図19〜21は、後述されるように、図11の遠位先端部400等の遠位先端部を生成するためのプロセスの一実施形態を図示する。
【0078】
図19は、組み込みの際に、LED410を受容および保持するように構成される固定デバイス440を示す。図示される固定デバイス440は、ホルダ442のアレイと、固定デバイス440の片面から内向きに沿って延在する1対の細長いスロット448とを含む。ホルダ442は、LED410の少なくとも一部を受容するようにサイズ調整および構成される。ホルダ442のパターンは、LEDの所望のパターンに対応する。各ホルダ442は、搭載部分444と、貫通孔446とを備える。搭載部分444は、LEDの少なくとも一部を受容するように構成される陥凹であることが可能である。あるいは、搭載部分444は、1つ以上の突起、楔構造、またはLEDを係合および保持するための他の好適な構造であることが可能である。
【0079】
図示される実施形態では、LED410を対応するホルダ442内に載置するために、図20に示されるように、LEDの電極が、外向きに面するように、各LED410の裏面部分は、対応する搭載部分444内に載置される。LEDがその対応するホルダ442内に適切に保定されることを確実にするために、貫通孔446を介して、真空が適用されることが可能である。選択的に、搭載部分444は、密封部材(例えば、ゴム性挿入物、弾性フランジ等)を有し、LEDとホルダ442との間の密封を形成することが可能である。好ましくは、真空が、継続して適用される一方で、電線リードは、LEDの電極に取設される。
【0080】
図20に示されるように、最外のLEDから延在する電線は、電線ホルダとして機能するスロット448を通過することが可能である。このように、固定デバイス440は、LEDおよび電線を所望の位置に効果的に保持し、適切な配置および整合を確実にすることが可能である。光放出システム450が組み込まれると(図20に示されるように)、光放出システム450は、後続の処理のために、固定デバイス440から除去可能である。組み込みの際に真空が適用される場合に、真空を低減または除去して、固定デバイス440からLEDを容易に除去することが可能である。いくつかの実施形態では、正の圧力が適用され、LEDをツールから解放する。組み込まれたLEDは、次いで、図23に関連して論じられるように、型内に載置され、所望の最終寸法に、材料で封入されることが可能である。
【0081】
前述の遠位先端部は、任意の数の方向に面する光源を有するように修正可能である。図22は、両面光放出システム510を有する遠位先端部500を示す。光放出システム510は、第1の光源のアレイ524と第2の光源のアレイ528との間に介在する。図示される実施形態では、電線結束された光源524、528は、それぞれ、基盤510の上下面532、536に搭載される。光源524、528は、有利には、異なる方向、好ましくは、実質的に反対方向に、直接照らすことが可能である。図示される光源524、528は、図3A〜5Bに図示されるプロセスを使用することによって、基盤510に適用可能である。他の実施形態では、両面の光放出システムは、好ましくは、図7〜9に図示されるプロセスによって形成される基盤の上下面に搭載される、フリップチップ搭載光源を含む。したがって、光源は、搭載基板の任意の数の面に適用可能である。
【0082】
図23は、両面のチップ搭載配列を有する光放出システム600の遠位部を示す。光源602、604は、内側部分606内に封入される。外側部分608は、内側部分606上に配置される。
【0083】
内側部分606は、射出成形プロセス等の鋳造または成形プロセスを介して形成されることが可能である。内側部分606および光源602、604は、次いで、外側部分608内に挿入されることが可能である。一実施形態では、外側部分608は、管の形態である。外側部分608は、外側部分608を内側部分606に接合、接着、または別様に連結するように処理可能である。いくつかの実施形態では、外側部分608は、内側部分606を受容する熱可塑性エラストマ管(例えば、ポリエーテルブロックアミド管、PEBAX(登録商標)管等)である。内側および外側部分606、608の組み入れ後、アセンブリは、リフロー温度に加熱され、内側部分606および外側部分608のうちの少なくとも1つが流動されて、それによって、内側および外側部分606、608を連結する。本リフロー封入プロセスは、内側および外側部分606、608間に形成される強固な接合をもたらす。
【0084】
別の実施形態では、光放出システム600は、外側部分608内に挿入される。材料は、外側部分608の内腔613内に注入され、内側部分606を形成する。いくつかの実施形態では、溶融ポリマーが内腔613内に注入され、外側部分608と光放出システム600との間を流動する。ポリマーは、好ましくは、内腔613との空間を充填する。
【0085】
外側部分608の厚さTは、カテーテルの所望の全体の軸方向幅に基づいて、選択可能である。図23の図示される実施形態では、内側部分606は、約0.015インチ(0.381mm)乃至約0.025インチ(0.635mm)の範囲の直径を有する。いくつかの実施形態では、内側部分606の直径は、約0.020インチ(0.508mm)である。外側部分608の厚さTは、約0.002インチ(0.051mm)乃至約0.007インチ(0.178mm)の範囲であることが可能である。いくつかの実施形態では、厚さTは、約0.005インチ(0.127mm)である。
【0086】
概して、光送達システムは、標的部位に対して配置され、次いで、光を標的部位に送達するように起動可能である。光送達システムを使用して、臓器、血管、組織(例えば、上皮組織、結合組織、筋組織、および神経組織)、ならびに臓器系、循環系、および患者内の他の好適な系を含むが、それらに限定されない、種々の系を治療することが可能である。
【0087】
いくつかの実施形態では、光送達システムを使用して、内部臓器に近接して位置する皮膚または脂肪組織(例えば、内臓脂肪または腹腔内脂肪)直下に位置する皮下脂肪組織等の脂肪組織を治療する。治療剤を投与後、光送達システムを使用して、これらの種類の脂肪組織を除去または別様に変性させることが可能である。参照することによって、全体として本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2005−0085455号は、内臓脂肪を治療するために、本明細書に記載の光送達システムと組み合わせて使用可能な種々の方法、治療剤等を開示している。
【0088】
皮下脂肪組織等の内臓脂肪は、II型糖尿病等の病状において、誘因的役割を有する場合がある。この内臓脂肪の減少は、患者の病状を改善し得る。II型糖尿病患者の場合、例えば、内臓脂肪の減少は、インスリン抵抗、糖尿病症候群、および/または代謝症候群を後退または改善し得る。これは、糖尿病に関連する医療費の低減につながり得る。また、糖尿病の合併症(例えば、心疾患、腎不全、足部潰瘍、および糖尿病性網膜症等)の頻度および可能性を低減または除去し得る。
【0089】
いくつかの実施形態では、図1の光送達システム100は、患者内へのおよび患者を通しての挿入(例えば、経皮送達)のために寸法調整されるカテーテルアセンブリ110を有する。遠位先端部114は、患者の内臓脂肪との手術の係合に移動可能である。配置されると、遠位先端部114は、所望の時間周期の間、内臓脂肪を照明することが可能である。いくつかの非限定的な実施形態では、例えば、カテーテルアセンブリ110は、患者内への都合のよい載置のために、外側直径約1mm未満を有する。
【0090】
種々の送達技術が、内臓脂肪へのアクセスを提供することが可能である。導入器または生検針等の送達デバイスを使用して、内臓脂肪にアクセスすることが可能である。光送達システム100が載置される一方で、視覚化技術(例えば、超音波、蛍光透視、CT、およびMRI)を利用して、適切な配置を促進することが可能である。1つ以上の視覚化補助機器がシステム100上に提供されて、原位置での容易な視角化を可能にする。
【0091】
タラポルフィンナトリウム等の治療剤は、好適な送達手段によって、患者に投与可能である。治療上有効な量の物質を送達するために、物質は、静脈内にまたは任意の他の好適な手段によって投与可能である。物質を適度に標的部位に分散後、放出システム120は、標的部位を照明するように起動される。例えば、放出システム120は、約1時間起動され、次いで、患者から除去されることが可能である。放出システム120は、自動的にまたはユーザ入力によって、停止可能である。
【0092】
治療される脂肪細胞は、分解され(例えば、即時または長期間にわたって徐々に)、続いて、患者の体内で吸収されてもよい。このように、内臓脂肪の量は、制御され態様で低減されることが可能である。本処置は、所望の脂肪量が除去されるまで、異なる位置で任意の回数行うことが可能である。例えば、内臓脂肪は、インスリン抵抗の顕著な改善を達成するまで、除去することが可能である。当然ながら、他の標的部位における脂肪もまた、同様の方法で治療可能である。したがって、脂肪蓄積は、健康または美容上の理由のために、正確に破壊または除去されることが可能である。さらに、システム100は、薄型であるため、遠位先端部114は、低侵襲的技術を使用して、遠隔位置に送達されることが可能である。
【0093】
また、光送達システムは、例えば、静脈または動脈の内腔等の血管系、あるいは呼吸器系内の他の解剖学的な内腔内に嵌合するように寸法調整可能である。光送達システムのサイズは、標的治療部位および治療部位への送達路に基づいて、選択可能である。
【0094】
本明細書に参照されるおよび/または出願データシートに列挙される前述のすべての米国特許、米国特許出願刊行物、米国特許出願、外国特許、外国特許出願、および非特許刊行物は、米国特許第6,958,498号、同第6,784,460号、同第6,661,167号、および同第6,445,011号、米国特許出願公開第2005/0228260号、国際出願PCT/US2005/032851号および同第PCT/US01/44046号、ならびに米国仮特許出願第60/640,382号を含み、参照することによって、全体として本明細書に組み込まれる。本明細書に記載される場合を除き、本明細書に記載の実施形態、特徴、システム、デバイス、材料、方法、および技術は、いくつかの実施形態では、組み込まれる参照文献に記載の実施形態、特徴、システム、デバイス、材料、方法、および技術のうちの任意の1つ以上に類似し得る。さらに、本明細書に記載の実施形態、特徴、システム、デバイス、材料、方法、および技術は、ある実施形態では、前述の組み込まれる参照文献に記載の実施形態、特徴、システム、デバイス、材料、方法、および技術のうちの任意の1つ以上に適用または関連して使用され得る。
【0095】
前述の種々の方法および技術は、本発明を実行するためのいくつかの方法を提供する。当然ながら、必ずしも、記載されるすべての目的または利点が、本明細書に記載の任意の特定の実施形態によって達成され得ないことを理解されたい。したがって、例えば、当業者は、本方法が、必ずしも、本明細書に教示または示唆され得る他の目的または利点を達成せずに、本明細書に教示される1つの利点または複数の利点を達成あるいは最適化する方法で実行され得ることを理解されたい。
【0096】
さらに、当業者は、本明細書に開示される異なる実施形態の種々の特徴の互換性を理解されたい。同様に、前述の種々の特徴およびステップ、ならびにそのような各特徴またはステップの他の周知の同等物は、当業者によって混合または適合され、本明細書に記載の原理に従って、方法を実行することが可能である。さらに、本明細書に記載および図示される方法は、記載される作用の正確なシーケンスに限定されず、また、必ずしも、記載の作用のすべての実践に限定されるわけでもない。事象および作用の他のシーケンスまたは全部に満たない事象、あるいは事象の同時発生が、本発明の実施形態を実践する際に利用されてもよい。
【0097】
本発明は、ある実施形態および実施例に関連して開示されたが、当業者は、本発明が、他の代替の実施形態および/または使用に対して具体的に開示された実施形態、明白な修正、ならびにその同等物を超えて拡大することを理解されたい。本明細書に開示される材料、方法、範囲、および実施形態は、一例としてのみ提供されるものであって、いかなるたいかようにも本開示の範囲を限定することを意図しない。故に、本発明は、本明細書に開示される好ましい実施形態の特定の開示に制限されることを意図しない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象上で光療法を行うカテーテルアセンブリであって、
ユーザによって操作されるように適合される、制御システムと、
該制御システムから延在し、該対象内に載置するために寸法調整される、カテーテル本体と、
該カテーテル本体の一端における遠位先端部であって、該遠位先端部は、複数の係止特徴を有する透明な基板と、該基板上に搭載され、該制御システムによって制御される、光を放出する離間した光源のアレイと、該基板および該光源の両方を封入し、該係止特徴を介して該基板に係止される可撓性の外側部材とを含み、該透明な基板は、該基板および該外側部材を通って十分な量の光が伝送されることにより、該対象内において治療上有効な量の治療剤を活性化させるように、該光源のアレイから放出される該光の大部分を該基板に向かって伝送する、遠位先端部と
を備える、アセンブリ。
【請求項2】
前記外側部材は、約1.25mm未満である断面幅を有する、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項3】
医療処置を行うデバイスであって、
患者を治療する光を放出することが可能である複数の光源と、
細長い支持部を有し、患者内に載置するために寸法調整される遠位先端部であって、該支持部に向かって誘導される該複数の光源から放出される該光の実質的な部分が、該光源に電圧が加えられると、該支持部を通って伝送されるように、該支持部は伝送材料を備え、該複数の光源は該支持部に連結される、遠位先端部と
を備える、デバイス。
【請求項4】
前記遠位先端部は、前記支持部および複数の光源を囲む外側部材をさらに備える、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記外側部材は、前記患者内の標的領域に経皮的な送達するために寸法調整される、請求項4に記載のデバイス
【請求項6】
前記外側部材は、プラスチックから成り、前記支持部および前記複数の光源を封入する、請求項4に記載のデバイス。
【請求項7】
前記外側部材は、約1.25mm未満の断面幅を有する、請求項4に記載のデバイス。
【請求項8】
前記外側部材は、約1mm未満の断面幅を有する、請求項4に記載のデバイス。
【請求項9】
前記外側部材は、約0.75mm未満の断面幅を有する、請求項4に記載のデバイス。
【請求項10】
1対のリードは、各隣接する対の光源に電気的に接続する、請求項3に記載のデバイス。
【請求項11】
前記複数の光源は、フリップチップ配列で、前記支持部に搭載されるLEDである、請求項3に記載のデバイス。
【請求項12】
前記支持部は、複数の係止構造を備え、該係止構造のうちの少なくとも1つは、各隣接する対の光源間に配置される、請求項3に記載のデバイス。
【請求項13】
前記支持部および光源を囲む封止体をさらに備え、
各係止構造は、該封止体の一部を受容する貫通孔である、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記複数の光源を電気的に接続するための手段をさらに備える、請求項3に記載のデバイス。
【請求項15】
前記複数の光源を電気的に接続する前記手段は、該光源と連絡する配線を備え、該配線は、該光源の選択された数の起動を提供するように配列される、請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
患者を治療するカテーテルを生成する方法であって、
透明な細長い支持部上に複数の光源を連結することであって、該光源は、互いに離間している、ことと、
該複数の光源を該複数の光源に電圧を加える電源に接続することと、
該細長い支持部と、それに連結された複数の光源との周囲に外側本体を載置することであって、該外側本体は、選択された治療位置に患者を配置するように構成される、ことと
を包含する、方法。
【請求項17】
前記複数の光源を連結することは、接合材料によって、一連のLEDを前記細長い支持部上に搭載することを包含する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記複数の光源を接続することは、1対のリードによって、隣接する光源を接続することを包含する、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
各光源は、第1の側面と、対向する第2の側面とを有し、該第1の側面は、前記細長い支持部に搭載され、前記リードは、該第2の側面に接続される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記複数の光源を前記細長い支持部に連結することは、
各光源の1対の電極を前記支持部上の対応する対の搭載パッドに連結することを包含する、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
患者を治療する光送達システムを形成する方法であって、
固定デバイスのホルダのアレイ内に光エネルギー供給源のアレイを載置することであって、該光エネルギー供給源は、原位置で電圧を加えられると、患者を治療するように構成される、ことと、
該光エネルギー供給源を電気的に一体に連結する一方で、該光エネルギー供給源は、該ホルダ内に保持される、ことと、
該光エネルギー供給源を一体に連結した後に、該光エネルギー供給源を該固定デバイスから除去することと、
該光エネルギー供給源のアレイを外側本体内に封入することであって、該外側本体は、患者内に載置するために寸法調整される、ことと
を包含する、方法。
【請求項22】
前記光エネルギー供給源が、対応するホルダ内に引き込まれるように、真空を適用することをさらに包含する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
患者を治療するカテーテルを製造する方法であって、
光伝送アセンブリを外側部材の内腔内に載置することであって、該光伝送アセンブリは、細長い基盤に連結された複数の光源を備える、ことと、
該光伝送アセンブリを該外側部材内に載置後に、該光伝送アセンブリを該外側部材内に熱的に封入することと
を包含する、方法。
【請求項24】
前記光伝送アセンブリの前記熱的封入は、前記外側部材を該光伝送アセンブリ上に溶解させることを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記光伝送アセンブリの前記熱的封入は、流動性材料を該光伝送アセンブリと前記外側部材との間の前記外側部材の内腔内に載置することと、該流動性材料を該外側部材の該内腔内に載置後に、該流動性材料および該外側部材のうちの少なくとも1つを再流動することとを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記細長い基盤は、光学的に透明な材料を備える、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記細長い基盤は、前記光源の下方に配置される窓を備える、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
内臓脂肪組織を治療する方法であって、
複数の光源を伴う遠位端を有するカテーテルを提供することであって、該遠位端は、患者内に載置するために十分に可撓性である、ことと、
該遠位端が該内臓脂肪組織に近接するまで、前記患者を通って該カテーテルの該遠位端を前進させることと、
該複数の光源によって、該内臓脂肪組織を照明することと
を包含する、方法。
【請求項29】
前記複数の光源によって前記内臓脂肪組織を照明することは、該脂肪組織の少なくとも一部を破壊するように、治療剤を該内臓脂肪組織内において活性化することを包含する、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
内臓脂肪組織を治療するカテーテルであって、
患者を通って送達するために寸法調整される遠位先端部であって、該遠位先端部が該脂肪組織に近接する治療位置にあると、治療剤を該内臓脂肪組織内において活性化させるために十分な量の光を放出するように適合される、遠位先端部と、
該遠位先端部から延在する主要本体であって、該遠位先端部の該治療位置への経皮的な送達のために寸法調整される、主要本体と
を備える、カテーテル。
【請求項31】
前記電圧を加えられた遠位先端部は、治療剤を前記内臓脂肪組織内において活性化させて、該遠位先端部によって照明される該内臓脂肪組織を破壊するために十分な量の光を放出する、請求項30に記載のカテーテル。
【請求項32】
患者を治療するカテーテルを製造する方法であって、
複数の光源を透明な支持部材に連結することと、
電源が、該複数の光源に電圧を加えることが可能であるように、該複数の光源を電気的に一体に連結することと、
該支持部材と、それに連結された複数の光源との周囲に外側本体を形成することであって、該外側本体は患者内に載置するために寸法調整される、ことと
を包含する、方法。
【請求項33】
前記複数の光源を電気的に一体に連結することは、1対のリードによって隣接する光源を接続することを包含する、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
電源を前記複数の光源に連結することであって、該電源は、実質的な数の該光源に同時に電圧を加えることが可能である、ことをさらに包含する、請求項32に記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図16D】
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【図17】
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【図18A】
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【図18B】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公表番号】特表2010−506624(P2010−506624A)
【公表日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−532583(P2009−532583)
【出願日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際出願番号】PCT/US2007/081131
【国際公開番号】WO2008/046015
【国際公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【出願人】(507177375)ライト、サイエンシーズ、オンコロジー、インコーポレイテッド (4)
【氏名又は名称原語表記】LIGHT SCIENCES ONCOLOGY, INC.
【Fターム(参考)】