説明

光通信機器および光通信方法

【課題】赤外線通信を利用したハンディーターミナル等の携帯端末と周辺機器との通信では、赤外線の指向性を考慮して携帯端末本体と周辺機器の赤外線モジュール同士の位置を正しく行わないと通信が不安定になってしまう。
【解決手段】携帯端末本体の赤外線ユニットに電磁石を設け、更にこの赤外線ユニットを回転可能に構成した。これによって、赤外線送信器や赤外線通信アダプタ装置等の周辺機器内部に設けた磁石との磁力により、携帯端末および周辺機器内の赤外線ユニット同士が通信時に向き合い赤外線の指向性が調整されるようにした赤外線通信機器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光通信を利用したハンディーターミナル等の携帯端末と光通信機器、及び光通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光通信を用いての情報交換などは携帯電話機器間の通信など広く利用されている。また例えばハンディーターミナルへ不正使用防止のためのセキュリティデータを送信する手段として、赤外線を用いた専用データ送信器等が使用されている。またハンディーターミナルで収集したデータをホストPCへ送る場合、ホストPCとハンディーターミナル間の通信手段として比較的安価で高速な赤外線通信が使用されており、ホストPCに接続して赤外通信するための赤外線通信アダプタ等が利用されている。
【0003】
また、下記特許文献1においては、さらに、携帯端末機器に赤外線モジュールと磁気センサーが設けられ、磁気センサーが通信相手からの磁気を感知したときに赤外線モジュールの電源を入れ、自動で通信を開始させることによって、通信を起動する手間を省くとともに、無駄な消費電力を削減している。
また、端末間の赤外線通信を距離によらず安定させる手段として、特許文献2の赤外線通信機器では、通信端末間の距離を検出する手段を設け、距離に応じて赤外線LEDの発光強度を制御する手段を設けている。
【特許文献1】特開2005−311918号 公報
【特許文献2】特開2001−060919号 公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような従来の赤外線通信装置は何れも通信相手の距離に対応したものであり、赤外線の指向性は考慮されていない。そのため、通信機器間で互いの赤外線モジュールの向きを合わせて通信を行わなくてはならず、端末間の位置関係が赤外線モジュールの指向範囲を外れていると通信不能になってしまう可能性があるという問題を有している。
したがって本発明は、上記課題に鑑み、光通信を利用した機器間の通信において、通信可能な位置関係の許容範囲を大きくして、より安定した光通信が可能となる光通信機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明では上記課題を解決する為に以下のように構成した光通信方法および光通信機器機器を提供する。
すなわち、光通信をするための発光手段または受光手段のうち少なくとも一方を有する光通信手段を具えた光通信機器間において、
少なくとも一方の光通信機器は、他方の光通信機器の光通信手段と対向するための磁気発生手段を具え、
前記磁気発生手段からの磁力に応じて、
少なくとも一方の光通信機器は、他方の光通信機器の光通信手段と対向するように、前記光通信手段の向きを変えて通信を行うことを特徴とする。
【0006】
また、光通信をするための発光手段または受光手段のうち少なくとも一方を有する光通信手段を具えた光通信機器において、
前記光通信機器は、磁性体を具えた他の光通信機器の光通信手段と対向するための磁気発生手段を具え、
前記磁気発生手段と前記他の光通信機器の磁性体との間の磁力によって、
前記他の光通信機器の光通信手段と対向するように、光通信手段の向きが変わることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の光通信機器によれば、光通信を利用した機器間において、光通信モジュールの向きが調整されることにより、通信可能な位置関係の許容範囲が大きくなり、従ってより安定した光通信が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
上述のように、赤外線通信を利用した機器間では、互いの赤外線の向き合わせが適当でないと通信動作が不安定になってしまう。図9は、従来の赤外線送信器とハンディーターミナルが赤外線通信する際の、赤外線の指向性による通信可能範囲を示したものである。同図は赤外線LEDとして±15度の指向性を持つものを使用した場合を示しており、この範囲から外れてしまうと、ハンディーターミナル1側の赤外線モジュールの受信側のフォトトランジスタの受光感度が弱くなるため、通信動作が不安定になったり、通信不能になることがある。
このように、赤外線を搭載した各機器を使用する際、安定した通信を行うには赤外線モジュールの搭載位置や指向性を意識して操作する必要があり、位置合わせが適当ではないと通信動作が不安定になってしまうことがある。
【0009】
よって、上記のような問題を解決するための本発明の構成について、例えば以下のように構成することができる。以下、一例の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
本実施形態では、光通信機器として、赤外線通信をするための発光手段または受光手段のうち少なくとも一方を有する赤外線通信手段を具える通信機器を用いて説明する。また、赤外線通信手段を具える通信機器の一例として、ハンディーターミナル1および、ハンディーターミナル1の周辺機器とを用いて説明する。さらに、周辺機器の一例として、不正使用防止のためセキュリティ情報をハンディーターミナルへ送信する赤外線送信器13や、赤外線通信アダプタ27等を用いて説明する。
【実施例1】
【0010】
図1は本発明の第一の実施例を示す図である。
図5は赤外線送信器の外観図であり、送信方向に外乱防止の加工が施された赤外線窓26がある。図6は、赤外線送信器13とハンディーターミナル1が赤外線通信を行っている様子を示す図である。図13はハンディーターミナルへセキュリティデータを送信する例を表している。
【0011】
まず図1から図4を用いて本発明の実施形態におけるハンディーターミナル1及び赤外線送信器13の赤外線通信の構成について説明する。
図1において、1は業務用携帯端末であるハンディーターミナル、2はハンディーターミナル1全体の制御を司るCPUである。3はハンディーターミナル1を動作させるためのプログラムが格納されたROM、4はROM3に格納されたプログラムを実行するためのワーク用のメモリ4である。5はハンディーターミナル1の表示を制御するLCDコントローラ、6はハンディーターミナルの入力インターフェースであるタッチパネル入力を制御するタッチパネルコントローラである。7はハンディーターミナル1の表示器であるLCDと入力インターフェースであるタッチパネルで構成されているLCDモジュールである。
8は赤外線インターフェースを制御するIrDAコントローラ、9は流す電流を制御する事で磁界の発生がオンオフする電磁石(磁気発生手段)、10は赤外線インターフェース用送受信モジュールが内蔵された赤外線モジュール(光通信手段)である。11は電磁石9と赤外線モジュール10で構成された赤外線ユニット、12は電磁石11に流す電流を制御し、電磁石9の動作を制御する電磁石オンオフ手段12である。
【0012】
13はハンディーターミナルのセキュリティ情報を赤外線により送信する赤外線送信器であり、14は赤外線送信器13のデータ送信オンオフを操作するためのオンオフスイッチである。15は赤外線送信器13の全体を制御する赤外線送信制御部、16は赤外線送信器13の赤外線を発光する赤外線LED(光通信手段)、17は赤外線LED近くに配置された磁性体である磁石(磁気発生手段)、18は赤外線LED16と磁石17で構成された赤外線送信ユニットである。19は赤外線送信器13が送信するセキュリティデータが格納されている赤外線データである。
【0013】
上記構成において、まずハンディーターミナル1と赤外線送信器13との赤外線通信の動作について簡潔に説明する。
ハンディーターミナル1は電源オンされると、不正使用防止の為、赤外線送信器13からのセキュリティデータ待ち受けモードに入る。またCPU2はLCDコントローラ5を通してLCDモジュール7にその旨を表示する。
その状態で赤外線送信器13のオンオフスイッチ14が押されると、赤外線データ19に基づいて赤外線制御部15は赤外線ユニット18内の赤外線LEDをオンし、セキュリティデータをハンディーターミナル1側に送信する。ハンディーターミナル1内の赤外線ユニット11の赤外線モジュール10がセキュリティデータを受信すると、CPU2は、IrDAコントローラ8を通して受信したデータが正しいセキュリティデータか否か判断し、正しければハンディーターミナル1を使用可能状態にする。このときCPU2はLCDコントローラ5を通してLCDモジュール7の表示を変化させ、ハンディーターミナル1が使用可能である旨を表示する。
【0014】
次に上記説明に基づき、本発明に特徴的な、ハンディーターミナル1と赤外線送信器13との、赤外線モジュールの向きの調整動作について説明する。図2はハンディーターミナル1の赤外線ユニット11、及び赤外線送信器13の赤外線送信ユニット18の構造を簡略的に示す図である。20は赤外線ユニット11の回転の軸となる回転軸である。
【0015】
図1および図2において、ハンディーターミナル1が電源オンされ、セキュリティデータ待ち受けモードに入ると同時に、CPU2は電磁石オンオフ手段12を通して赤外線ユニット11内の電磁石9をオンにする。
すると磁力を発生した赤外線ユニット11内の電磁石9と、赤外線送信器13内の磁石17とは互いの磁力により引き合う。
このとき、ハンディーターミナル1の赤外線ユニット11は、図4に示すように、回転軸20を中心にして、赤外線モジュールが実装された基板の平面に対し水平方向に回転する構成となっている。この構成によって、ハンディーターミナル1の赤外線ユニット11は、赤外線送信器13の磁石17と引き合う方向、つまり赤外線送信ユニット18と対向する方向に向くように回転する。
【0016】
これによって、結果としてハンディーターミナル1の赤外線ユニット11と、赤外線送信器13内の赤外線LED16とが向き合うように位置が調整される。このように位置が調整された状態で、赤外線送信器13からセキュリティデータが送信され、赤外線通信が開始されるため、赤外線モジュール10は安定した状態でセキュリティデータを受信できる。
【0017】
図3はハンディーターミナル1内の赤外線ユニット11が赤外線送信器13との磁力により回転軸20を中心に回転している様子を示している。図3に示すように赤外線送信器13を矢印方向に移動すると、この移動に伴い赤外線ユニット11は磁力32により回転軸20を中心に回転し、赤外線送信器13と向き合う方向に向きを変える。
図4は、図3の赤外線ユニット11が回転している様子を、回転軸20の位置を中心に表している図である。
【0018】
図5は、赤外線ユニット11を構成する基板をハンディーターミナル本体内の設置部33に設置している様子を表している。本実施形態の赤外線ユニット11の回転は、設置部33に設けられたガイド部36によりその可動量を制限している。
【0019】
次に、実施例1の2つ目の例として、先のハンディーターミナル1と赤外線送信器13との例に代わり、ハンディーターミナル1と赤外線通信アダプタ27との赤外線通信について説明する。図6は、ハンディーターミナル1を赤外線通信アダプタ27にセットしたときの通信の様子を示している。
27は、図14に示すように、ハンディーターミナル1とホストPCとの間で赤外線データ通信するための赤外線通信アダプタであり、ハンディーターミナル1を所定の位置で固定保持し、LANケーブル28を介してホストPCと接続可能にする端末装置である。
【0020】
図6(a)は、正しく赤外線通信アダプタ27にハンディーターミナル1をセットした場合を示しており、両機器内の赤外線モジュールは正対し、問題なく通信できる。
図6(b)は、ハンディーターミナル1が正しくセットされなかった場合を表している。このときハンディーターミナル1内の赤外線モジュール10から発光する赤外線の送信可能範囲39は同図のようになり、赤外線通信アダプタ27の赤外線通信アダプタ内赤外線モジュール38の受信範囲を外れ、通信不良を起こしてしまう。
【0021】
一方図6(c)は、本発明を利用し、ハンディーターミナル1内の赤外線ユニット11に電磁石9と回転軸20とを設け、また赤外線通信アダプタ内赤外線モジュール38に赤外線通信アダプタ内磁石40を設け、回転可能に構成したときの図を表している。
通信時にCPU2により電磁石オンオフ手段12を通して電磁石9がオンされると、ハンディーターミナル1の赤外線ユニット11は赤外線通信アダプタ27内の赤外線通信アダプタ内磁石40と引き合い回転移動することによって、両赤外線モジュールは正対し、問題なく通信可能となる。
【0022】
以上のように、赤外線通信機器間の赤外線通信において、赤外線ユニット11を回転可能に構成し、互いの磁力により通信相手の機器と対向するように向きが自然と調整されるようにすることによって、通信時に赤外線モジュール同士の指向性を注意する手間が軽減されると同時に、より安定した通信が可能になる。
【0023】
また、公知技術として赤外線の通信可能範囲を大きくとるために赤外線の送受信範囲を広角に設定した赤外線通信機器もあるが、そのように赤外線を広角に設定した場合であっても、通信機器間が至近距離にあるときは、向き合わせが適当でないとその送受信範囲を外れてしまうことがある。そのため本発明のように磁力によって、赤外線ユニットの指向すなわち赤外線の指向を調整可能に構成することは、特に通信機器間が至近距離にあるとき有効であると言える。
【0024】
また、このように赤外線通信アダプタに本発明を利用することによって、次のような効果がある。すなわち、多機種の携帯端末機器に対し共通して使用できる汎用の赤外線通信アダプタを使用する場合などは、携帯端末機器の機種によって赤外線通信手段間の位置や指向性が異なってしまうことがある。加えて、携帯端末機器の赤外線通信アダプタへの設置は両機器間が至近距離に位置付けられるため、上記のように、赤外線光を広角に設定しても送受信範囲を調整することが難しい。
このような場合に、磁力によってハンディーターミナル1の赤外線ユニット11が指向性を調整できる構成にすることにより、多機種の携帯端末機器を共通使用しても安定して赤外線通信を行うことが可能となる。
【0025】
さらに、本実施例に用いた赤外線送信器13は、セキュリティデータを送信する機器であるため、情報の拡散防止のため赤外線の指向性が比較的狭く設定されている。そのために、従来赤外線通信を行う際、特に指向性を意識して通信を行う必要があった。よって本発明のように、赤外線の指向が自然と調整可能に構成することによって、向き合わせの手間が軽減される。
【0026】
なお本実施例では、ハンディーターミナル1の赤外線ユニット11を回転可能に構成したもので説明したが、赤外線送信器13や赤外線通信アダプタ27など、通信相手となる機器側の赤外線ユニットを回転可能に構成しても良い。
また本実施例において、ハンディーターミナル1の通信相手である周辺機器には磁性体として永久磁石を設けているが、ハンディーターミナル1の赤外線ユニット11が周辺機器の赤外線通信手段に磁力によって対向できればよく、周辺機器には例えば永久磁石ではなく鉄片(磁性体)などを設けても良い。
【実施例2】
【0027】
次に、本発明における他の実施例について説明する。
図7は実施例2におけるハンディーターミナルと赤外線送信ユニット13についてのブロック図であり、図1におけるハンディーターミナル1にホール素子21(磁気検知手段)を追加したものを示している。
ホール素子は、ホール効果を利用した磁気センサーであり、磁石の発生する磁界や電流の発生する磁界を電気信号に変換して出力する。
図8は図7のホール素子を利用した磁界検出回路を示している。21はホール素子、22はホール素子21に電圧をかけ、赤外線送信器13が近付いたときの磁界による出力電圧を得るためのホール素子制御手段である。23は制御手段22から得た出力を増幅するアンプ、24はさらにヒステリシスを持たせた出力にするバッファ部、25はオープンドレイン出力のプルアップ抵抗である。
【0028】
このような構成により、赤外線送信器13がハンディーターミナル1に近付くと、赤外線送信器13内の磁石17による磁界を、ハンディーターミナル1内のホール素子21による磁界検出回路が検出し、CPU2は電磁石オンオフ手段12を通して電磁石9をオンにする。
これによって、赤外線送信器13が近いたときにハンディーターミナル1の電磁石9が磁力を発生し、これによってハンディーターミナル1の赤外線ユニット11は、赤外線送信器13内の磁石17と引き合い回転移動することによって、赤外線モジュール同士が向き合い、安定した赤外線データの送受信が可能になる。
【0029】
図10は、本実施例のホール素子による磁界検出と赤外線通信のフローチャートを示している。
図10において、通信フローが開始され(ステップS1)、赤外線送信器13が近付くと、ホール素子制御手段22はハンディーターミナル1内のホール素子21により赤外線送信器13内の磁石17による磁界を検知する(ステップS2)。するとCPU2は電磁石オンオフ手段12を通して赤外線ユニット11内部に設けられた電磁石9をオンする(ステップS3)。また赤外線送信器の磁界を検出しなければ検出ルーチンに戻る(ステップS2)。電磁石9がオンされる事により赤外線送信器13内部の磁石17と引き合う磁力が発生し、それに従い、ハンディーターミナル1内の赤外線ユニット11は赤外線送信器13の方向に向きを回転する。引き続いて赤外線通信を開始し(ステップS4)、赤外線通信が終了する(ステップS5)と、電磁石9をオフし(ステップS6)、再び赤外線送信器検出ルーチンに戻る(ステップS2)。そしてハンディーターミナル1を電源オフすると、検出ルーチンは終了される。
【0030】
以上のように、実施例2ではホール素子を用いた構成により、電磁石のオンを赤外線送信器13が近付いた時のみにする事が可能になり、非通信時に発生する磁界の影響や無駄な電力の消費を防ぎ、効率的に赤外線モジュールの位置合わせを行う事が可能になる。
なお、本実施例において赤外線送信器13に設けた磁石17は、磁気を発生するものであれば良く、例えば磁性体として永久磁石の代わりに電磁石を設けて、オンオフスイッチ14が押されると同時にこの電磁石が磁力を発生するように構成しても良い。
【実施例3】
【0031】
次に第3の実施例として、図11を用いて説明する。本実施例では、図11(b)に示すように、ハンディーターミナル1の赤外線ユニット11だけでなく、通信相手である赤外線送信器13の赤外線ユニットにも赤外線送信器回転軸35を設け、双方の通信機器の赤外線ユニットを回転可能に構成している。
【0032】
図11(a)に示すように、赤外線送信器13内の赤外線ユニット18は通信可能角度36のような放射角の赤外線を出力しており、ハンディーターミナル1内の赤外線ユニット11の受信可能範囲41を外れてしまっている。
このようにハンディーターミナル1内の赤外線ユニット11が回転しているにも関わらず赤外線送信器内の赤外線ユニット18の向きが原因で通信が出来ない状態になってしまう場合がある。
【0033】
それに対し図11(b)に示す本実施例のように、赤外線送信器13内の赤外線送信ユニット18にも赤外線送信器回転軸35を設けた構成により、通信機器間の双方で赤外線ユニットの向きが調整されることによって、更に安定した赤外線通信が可能になる。
これにより、使用者が赤外線の指向性を意識しなくても通信可能になる範囲が広がり、より使用性を向上することができる。
なおハンディーターミナル1と通信相手との双方の通信機器の赤外線通信手段を向き調整可能にする構成としては、赤外線通信アダプタ27や図15のような携帯型プリンター29の赤外線ユニットを回転可能に構成しても同等の効果を得ることができる。
【0034】
以上、本発明の具体的な構成例について実施例1から実施例3により説明した。
なお本実施の形態では、光通信機器として、通信に赤外線を使用する通信機器を用いて説明しているが、可視光線やレーザー光線等を使用する通信機器においても本発明は実施可能である。
また、赤外線ユニットの回転方向としては、上記説明では赤外線モジュールが実装された基板の平面に対し水平方向としているが、軸の設け方によって、例えば基板に対し垂直方向に回転可能に構成することができるなど任意の方向に向きを変えることができ、本実施形態に限らない。
また、ハンディーターミナル1が具える磁気発生手段としては、本実施形態に用いた電磁石9に限らず永久磁石を用いても構成できる。
また実施例1から実施例3において、ハンディーターミナル1と赤外線送信器13との関係は、一方が送信のみを行い、他方が受信のみを行う関係となっているが、これらは実施形態の一例に過ぎず、双方で互いに送受信が可能な通信機器においても本発明は実施可能である。
さらに、本発明はハンディーターミナル1やその周辺機器を用いた本実施形態に限らず、携帯電話機器やその他、現在多くに利用されて公知である赤外線通信手段(光通信手段)を具えた通信機器においても実施可能である。
【0035】
また、先の実施例では、ハンディーターミナル1に設けられた電磁石をオンするにつき、ハンディーミナル1の電源オンと同期して電磁石9をオンする構成(実施例1)と、ホール素子21を用いて、通信相手側の磁界を検知したときに電磁石9をオンにする構成(実施例2)で説明した。しかしこれらに限らず、赤外線通信を起動するための通信起動ボタンのようなものを通信機器に設けて、それが押されて赤外線通信を起動すると同時に電磁石9をオンにするように構成しても良く、本実施の形態に限らない。
つまり、本実施形態は本発明を限定するものではなく、本実施例中の形態を組み合わせることはもちろんのこと、本発明とは直接的に関係のないあらゆる構成を含め、本発明の主旨に鑑みて用途や目的などに応じて任意に変更し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】実施例1を表すブロック図
【図2】実施例1の磁力により赤外線ユニットが向きを変える様子を表す図
【図3】実施例1の回転する赤外線ユニットを表す図
【図4】図3の赤外線ユニット11が回転している様子を表している図
【図5】実施例1の回転する赤外線ユニットを設置を表している図
【図6】ハンディーターミナルと赤外線通信アダプタとの位置関係の違いによる通信
【図7】実施例2を表すブロック図
【図8】実施例2の磁界検出回路
【図9】赤外線送信器とハンディーターミナルの通信可能角度を示した図
【図10】実施例2を表すフローチェート図
【図11】実施例3を表す図
【図12】赤外線送信器の外観図
【図13】赤外線通信を行っているハンディーターミナルと赤外線送信器の様子
【図14】ハンディーターミナルを赤外線通信アダプタに設置する様子
【図15】携帯型プリンターとハンディーターミナルの外観図
【符号の説明】
【0037】
1 ハンディーターミナル
8 IrDAコントローラ
9 電磁石
10 IrDAモジュール
11 赤外線ユニット
12 電磁石オンオフ手段
13 赤外線送信器
14 オンオフスイッチ
15 赤外線送信制御部
16 赤外線LED
17 磁石
18 赤外線送信ユニット
19 赤外線データ
20 回転軸
21 ホール素子
22 ホール素子制御手段
27 赤外線通信アダプタ
29 携帯型プリンター
32 磁力
33 設置部
35 赤外線送信器回転軸
36 ガイド部
37 可動量
38 赤外線通信アダプタ内赤外線モジュール
40 赤外線通信アダプタ内磁石




【特許請求の範囲】
【請求項1】
光通信をするための発光手段または受光手段のうち少なくとも一方を有する光通信手段を具えた光通信機器間において、
少なくとも一方の光通信機器は、他方の光通信機器の光通信手段と対向するための磁気発生手段を具え、
前記磁気発生手段からの磁力に応じて、
少なくとも一方の光通信機器は、他方の光通信機器の光通信手段と対向するように、前記光通信手段の向きを変えて通信を行うことを特徴とする光通信方法。
【請求項2】
前記光通信機器は、赤外線通信をするための発光手段または受光手段のうち少なくとも一方を有する赤外線通信手段を具えることを特徴とする請求項1に記載の光通信方法。
【請求項3】
前記光通信機器の一方は携帯端末機器であり、
前記他方の光通信機器は、前記携帯端末機器を所定の位置で固定保持して接続可能な端末装置であることを特徴とした請求項1または請求項2に記載の光通信方法。
【請求項4】
光通信をするための発光手段または受光手段のうち少なくとも一方を有する光通信手段を具えた光通信機器において、
前記光通信機器は、磁性体を具えた他の光通信機器の光通信手段と対向するための磁気発生手段を具え、
前記磁気発生手段と前記他の光通信機器の磁性体との間の磁力によって、
前記他の光通信機器の光通信手段と対向するように、光通信手段の向きが変わることを特徴とする光通信機器。
【請求項5】
前記磁気発生手段は、永久磁石または電磁石であることを特徴とする請求項4に記載の光通信機器。
【請求項6】
前記光通信機器は磁気発生手段として電磁石と、
さらに磁気検知手段を具え、
前記磁気検知手段が、前記他の光通信機器に具えられた磁性体からの磁気を検知したときに、
前記光通信機器の電磁石が磁力発生可能になることを特徴とする請求項4に記載の光通信機器。
【請求項7】
前記光通信機器は、赤外線通信をするための発光手段または受光手段のうち少なくとも一方を有する赤外線通信手段を具えることを特徴とする請求項4から請求項6の何れかに記載の光通信機器。
【請求項8】
前記光通信機器の一方は携帯端末機器であり、
前記他方の光通信機器は、前記携帯端末機器を所定の位置で固定保持して接続可能な端末装置であることを特徴とした請求項4から請求項7の何れかに記載の光通信機器。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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