説明

光重合性組成物

【構成】 下記の化合物(i)、(ii)及び(iii)を含有する光重合性組成物。
(i)付加重合性不飽和結合を有する重合可能な化合物、(ii)250〜1000nmの間の放射線を吸収することができ、かつ2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンを分光増感する増感用化合物、及び(iii)2−アリール−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン。
【効果】 紫外光から可視光の幅広い領域の活性光線に対して高感度を有する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光重合性組成物に関する。さらに詳しくは、付加重合性不飽和結合を有する重合可能な化合物と新規な組成の光重合開始剤と、必要に応じて線状有機高分子重合体とを含有する光重合性組成物に関し、たとえば、アルゴンレーザー光源に対しても感応しうる、感光性印刷版の感光層等に有用な光重合性組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】付加重合性不飽和結合を有する重合可能な化合物と光重合開始剤と更に必要に応じて適当な皮膜形成能を有する結合剤、熱重合禁止剤を混和させた感光性組成物を用いて、写真的手法により画像の複製を行なう方法は、従来より知られるところであり、例えば、米国特許第2,927,022 号、同第2,902,356 号あるいは同第3,870,524 号等にその例が見られる。これ等の米国特許に記載されているように、この種の感光性組成物は光照射により光重合を起こし、硬化し不溶化することから、該感光性組成物を適当な皮膜となし、所望の陰画像を通して光照射を行ない、適当な溶媒により未露光部のみを除去する(以下、単に現像と呼ぶ)ことにより所望の光重合性組成物の硬化画像を形成することができる。このタイプの感光性組成物は印刷版等を作製するために使用されるものとして極めて有用であることは論をまたない。
【0003】また従来より、付加重合性不飽和結合を有する重合可能な化合物のみでは充分な感光性がなく、感光性を高めるために光重合開始剤を添加することが提唱されており、かかる光重合開始剤としてはベンジル、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ミヒラーケトン、アントラキノン、アクリジン、フェナジン、ベンゾフェノン、2−エチルアントラキノン等が用いられてきた。しかしながら、これらの光重合開始剤を用いた場合、光重合性組成物の硬化の感応度が低いので画像形成における像露光に長時間を要した。このため細密な画像の場合には、操作にわずかな振動があると良好な画質の画像が再現されず、さらに露光の光源のエネルギー放射量を増大しなければならないためにそれに伴なう多大な発熱の放散を考慮する必要があった。加えて熱による組成物の皮膜の変形および変質も生じ易い等の問題があった。また、近年、紫外線に対する高感度化や、レーザーを用いて画像を形成する方法が検討され、印刷版作成におけるUVプロジェクション露光法、レーザー直接製版、レーザーファクシミリ、ホログラフィー等が既に実用の段階であり、これらに対応する高感度な感光材料が望まれ、開発されているところである。しかし未だ十分な感度を有する感光材料が見出されたとは言えない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高感度の光重合性組成物を提供することである。すなわち、本発明の目的は広く一般に付加重合性不飽和結合を有する重合可能な化合物を含む光重合性組成物の光重合速度を増大させる光重合開始剤を含んだ光重合性組成物を提供することである。また本発明の他の目的は、400nm以上の可視光線、特にAr+ レーザーの出力に対応する488nm付近の光に対しても感度の高い光重合開始剤を含んだ光重合性組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、ある特定の光重合開始剤系が付加重合性不飽和結合を有する重合可能な化合物の光重合速度を著しく増大させ、また400nm以上の可視光線に対しても高感度を示すことを見出し、本発明に到達したものである。すなわち、本発明は、下記の化合物(i)、(ii)及び(iii)、及び必要によりさらに化合物(iv) を含有する光重合性組成物である。
(i)付加重合性不飽和結合を有する重合可能な化合物。
(ii)250〜1000nmの間の放射線を吸収することができ、かつ2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンを分光増感する増感用化合物。
(iii)式(I)又は(II)で示される2,4,6−置換−1,3,5−トリアジン化合物。
【0006】
【化3】


式(I)及び(II)において、YおよびZはそれぞれアルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基又は置換アラルキル基を表し、互いに同一でも異なってもよいが、それらのうちの少なくとも1つはモノ−、ジ−又はトリハロゲン置換メチル基を表わし、X1 〜X5 は、水素原子又はハメットのσm 値が0.40より大きい基を表し、すべてが水素原子であることはなく、W1 及びW5 はハメットのσm 値が、0<σm ≦0.40の範囲にある基を表し、W2 、W3 及びW4 はW1 及びW5 と同じか又は水素原子を表す。
【0007】(iv) 下記(イ)、(ロ)、(ハ)からなる群から選ばれた化合物。
(イ) R1R2N−を有する化合物。
1 及びR2 は水素原子、炭素数1〜18のアルキル基もしくは置換基として、−OR3 、−CO−R3、−CO−C6H4−(B) n 、−COOR3 、−NH−CO−R3、−NH−CO−C6H4−(B) n 、−(CH2CH2O) m −R3、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)を有する炭素数1〜18の置換アルキル基を表わす。但し、R3 は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表わし、Bは、ジアルキルアミノ基、水酸基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基を表わす。nは0〜4の整数、mは1〜20の整数を表わす。
(ロ)下記一般式(III)で示されるチオ化合物。
(ハ)下記一般式(IV)で表される化合物。
【0008】
【化4】


式中、R4 はアルキル基または置換アルキル基、アリール基または置換アリール基を示し、R5 は水素原子またはアルキル基または置換アルキル基を示す。また、R4 とR5 は、互いに結合して酸素、硫黄および窒素原子から選ばれたヘテロ原子を含んでもよい5員ないし7員環を形成するのに必要な非金属原子群を示す。R6 、R7 、R8 及びR9 は互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のアリール基、置換又は非置換のアルケニル基、置換又は非置換のアルキニル基、もしくは置換又は非置換の複素環基を示し、R6 、R7 、R8 及びR9 はその2個以上の基が結合して環状構造を形成してもよい。ただし、R6 、R7 、R8 及びR9 のうち、少なくとも1つはアルキル基である。Z+ はアルカリ金属カチオンまたは第4級アンモニウムカチオンを示す。
【0009】以下、本発明の光重合性組成物の各成分について詳しく説明する。本発明に使用される成分(i)の付加重合性不飽和結合を有する重合可能な化合物は、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオリゴマー、またはそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつものである。モノマーおよびその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド等があげられる。
【0010】脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー等がある。
【0011】メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(アクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトラメタクリレート等がある。
【0012】クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエタスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。さらに、前述のエステルモノマーの混合物もあげることができる。また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。
【0013】その他の例としては、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記の一般式(A)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加した1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等があげられる。
CH2=C(R)COOCH2CH(R′)OH (A)
(ただし、RおよびR′はHあるいは CH3を示す。)
また、特開昭51−37193号に記載されているようなウレタンアクリレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートをあげることができる。さらに日本接着協会誌 vol. 20、No. 7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。なお、これらの使用量は、全成分に対して5〜50重量%(以下%と略称する。)、好ましくは10〜40%である。
【0014】成分(ii)の増感用化合物としては次のようなものが挙げられる。シアニン色素、メロシアニン色素、クマリン色素、ケトクマリン色素、(チオ)キサンテン色素、アクリジン色素、チアゾール色素、チアジン色素、オキサジン色素、アジン色素、アミノケトン色素、スクアリリウム色素、ピリジニウム色素、(チア)ピリリウム色素、ポルフィリン色素、トリアリールメタン色素、(ポリ)メチン色素、アミノスチリル化合物、芳香族多環式炭化水素、このうち、好ましい増感化合物は、シアニン色素、メロシアニン色素、ケトクマリン色素、(チオ)キサンテン色素、(ポリ)メチン色素、(チア)ピリリウム色素、アミノスチリル化合物である。シアニン色素の例としては、特開昭64−13140号に記載のものが挙げられる。メロシアニン色素としては、特開昭59−89303号、特開平2−244050号、特開平2−179643号記載のものが挙げられる。ケトクマリン色素の例としては、Polymer. Eng. Sci,23、1022(1983)、特開昭63−178105号に記載のものが挙げられる。(チオ)キサンテン色素の例としては、特開昭64−13140号、特開平1−126302号に記載のものが挙げられる。(ポリ)メチン色素の例としては、特願平3−152062号、同3−232037号、同3−264494号明細書に記載のものが挙げられる。(チア)ピリリウム色素の例としては、特開昭58−40302号、特開平1−100536号に記載のものが挙げられる。アミノスチリル化合物の例としては、特開昭55−50001号、特開平2−69号、特開平2−63053号、特開平2−229802号に記載のものが挙げられる。
【0015】成分(iii)の式(I)又は(II)の2,4,6−置換−1,3,5−トリアジン化合物としては、次のようなものが挙げられる。
【0016】
【化5】


【0017】
【化6】


【0018】
【化7】


【0019】
【化8】


【0020】成分(iv)の(イ)の化合物としては、各種アミン類が挙げられ、具体例としては、次のようなものがある。
【0021】
【化9】


【0022】
【化10】


【0023】
【化11】


【0024】(ロ)の一般式(III)で示されるチオ化合物の具体例としては、下表に示すようなR4 及びR5 を有する化合物があげられる。但し、化合物15〜43の場合はR1 及びR2 が結合して形成された基を示す。
【0025】
【化12】


【0026】
【化13】


【0027】
【化14】


【0028】
【化15】


【0029】(ハ)の化合物の具体例としては、特開平2−179643号公報に記載のものが挙げられる。本発明の光重合性組成物には、バインダーとしての線状有機高分子重合体を含有させることが好ましい。このような「線状有機高分子重合体」としては、光重合可能なエチレン性不飽和化合物と相溶性を有している線状有機高分子重合体である限り、どれを使用しても構わない。好ましくは水現像或いは弱アルカリ水現像を可能とする水あるいは弱アルカリ水可溶性又は膨潤性である線状有機高分子重合体が選択される。線状有機高分子重合体は、該組成物の皮膜形成剤としてだけでなく、水、弱アルカリ水或は有機溶剤現像剤としての用途に応じて選択使用される。例えば、水可溶性有機高分子重合体を用いると水現像が可能になる。この様な線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸基を有する付加重合体、例えば特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭54−92723号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号に記載されているもの、すなわち、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等がある。また同様に側鎖にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘導体がある。この外に水酸基を有する付加重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用である。特にこれらの中で〔ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他の付加重合性ビニルモノマー〕共重合体及び〔アリル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他の付加重合性ビニルモノマー〕共重合体が好適である。この他に水溶性線状有機高分子として、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド等が有用である。また硬化皮膜の強度をあげるためにアルコール可溶性ナイロンや2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロロヒドリンのポリエーテル等も有用である。これらの線状有機高分子重合体は全組成物中に任意な量を混和させることができる。しかし90重量%を超える場合には形成される画像強度等の点で好ましい結果を与えない。好ましくは30〜85%である。また光重合可能なエチレン性不飽和化合物と線状有機高分子重合体は、重量比で1/9〜7/3の範囲とするのが好ましい。より好ましい範囲は3/7〜5/5である。本発明の組成物中のこれらの光重合開始剤系の含有濃度は通常わずかなものである。また、不適当に多い場合には有効光線の遮断等好ましくない結果を生じる。本発明における光重合開始剤系の量は、光重合可能なエチレン性不飽和化合物と必要に応じて添加される線状有機高分子重合体との合計に対して0.01%から60%の範囲で使用するのが好ましい。より好ましくは、1%から30%で良好な結果を得る。
【0030】本発明に使用される光重合開始剤としての成分である成分(ii)と成分(iii)の比は、成分(ii)の増感剤1重量部に対して、成分(iii)を0.05〜30重量部が適当であり、より好ましくは0.1〜10重量部、最も好ましくは0.2〜5重量部である。成分(iv)を加える場合、添加量は、成分(iii)1重量部に対して0.05〜50重量部、より好ましくは0.1〜30重量部、最も好ましくは0.2〜10重量部である。
【0031】また、本発明の組成物においては以上の基本成分の他に感光性組成物の製造中あるいは保存中において付加重合性不飽和結合を有する重合可能な化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の熱重合防止剤を添加することが望ましい。適当な熱重合防止剤としてはハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン第一セリウム塩、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩などがあげられる。熱重合防止剤の添加量は、全組成物の重量に対して約0.01%〜約5%が好ましい。また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で感光層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、全組成物の約0.5%〜約10%が好ましい。さらに、感光層の着色を目的として染料もしくは顔料を添加してもよい。染料および顔料の添加量は全組成物の約0.5〜約5%が好ましい。加えて、硬化皮膜の物性を改良するために無機充填剤や、その他の公知の添加剤を加えてもよい。
【0032】本発明の光重合性組成物を支持体上に塗布する際には種々の有機溶剤に溶かして使用に供される。ここで使用する溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、エチレンジクロライド、テトラヒドロフラン、トルエン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシプロパノール、メトキシメトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、乳酸メチル、乳酸エチルなどがある。これらの溶媒は、単独あるいは混合して使用することができる。そして、塗布溶液中の固形分の濃度は、2〜50%が適当である。その被覆量は乾燥後の重量で約0.1g/m2〜約10g/m2の範囲が適当である。より好ましくは0.5〜5g/m2である。
【0033】上記支持体としては、寸法的に安定な板状物が用いられる。このような材料としては、紙、プラスチック(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなど)がラミネートされた紙、また、例えばアルミニウム(アルミニウム合金も含む)、亜鉛、銅などのような金属の板、さらに、例えば二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタールなどのようなプラスチックのフィルム、上記の如き金属がラミネートもしくは蒸着された紙もしくはプラスチックフィルムなどがあげられる。これらの支持体のうち、アルミニウム板は寸度的に著しく安定であり、しかも安価であるので特に好ましい。さらに、特公昭48−18327号に記載されているようなポリエチレンテレフタレートフィルム上にアルミニウムシートが結合された複合体シートも好ましい。
【0034】また、金属、特にアルミニウムの表面を有する支持体の場合には、砂目立て処理、ケイ酸ソーダ、弗化ジルコニウム酸カリウム、リン酸塩等の水溶液への浸漬処理、あるいは陽極酸化処理などの表面処理がなされていることが好ましい。さらに、砂目立てしたのちにケイ酸ナトリウム水溶液に浸漬処理されたアルミニウム板が好ましく使用できる。特公昭47−5125号に記載されているようにアルミニウム板を陽極酸化処理したのちに、アルカリ金属ケイ酸塩の水溶液に浸漬処理したものが好適に使用される。上記陽極酸化処理は、例えば、リン酸、クロム酸、硫酸、硼酸等の無機酸、もしくは蓚酸、スルファミン酸等の有機酸またはこれらの塩の水溶液または非水溶液の単独または二種以上を組み合わせた電解液中でアルミニウム板を陽極として電流を流すことにより実施される。また、米国特許第3,658,662 号に記載されているようなシリケート電着も有効である。更に、特公昭46−27481号、特開昭52−58602号、特開昭52−30503号に開示されているような電解グレインを施した支持体に、上記陽極酸化処理およびケイ酸ソーダ処理を組合せた表面処理を施したものも有用である。また、特開昭56−28893号に開示されているような機械的粗面化、化学的エッチング、電解グレイン、陽極酸化処理さらに珪酸ソーダ処理を順に行ったものも好適である。更に、これらの処理を行った後に、水溶性の樹脂、たとえばポリビニルホスホン酸、スルホン酸基を側鎖に有する重合体および共重合体、ポリアクリル酸、水溶性金属塩(例えば硼酸亜鉛)もしくは黄色染料、アミン塩等を下塗りしたものも好適である。
【0035】これらの親水化処理は、支持体の表面を親水性とするために施される以外に、その上に設けられる光重合性組成物の有害な反応を防ぐこと、感光層の密着性を向上させること等のために施されるものである。支持体上に設けられた光重合性組成物の層の上には、空気中の酸素による重合禁止作用を防止するため、例えばポリビニルアルコール、特にケン化度99%以上のポリビニルアルコール、酸性セルロース類などのような酸素遮断性に優れたポリマーよりなる保護層を設けてもよい。このような保護層の塗布方法については、例えば米国特許第3,458,311 号、特公昭55−49729号等に詳しく記載されている。
【0036】本発明の光重合性組成物は通常の光重合反応に使用できる。さらに、印刷版、プリント基板等作成の際のフォトレジスト等多方面に適用することが可能である。本発明の光重合性組成物を用いた感光材料は、画像露光したのち、現像液で感光層の未露光部を除去し、画像を得る。本発明の光重合性組成物を平版印刷版の作成に使用する際の好ましい現像液としては、特公昭57−7427号に記載されているような現像液があげられ、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、第三リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第三リン酸アンモニウム、第二リン酸アンモニウム、メタケイ酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、アンモニア水などのような無機アルカリ剤やモノエタノールアミンまたはジエタノールアミンなどのような有機アルカリ剤の水溶液が適当である。該アルカリ溶液の濃度が0.1〜10%、好ましくは0.5〜5%になるように添加される。また、該アルカリ性水溶液には、必要に応じ界面活性剤やベンジルアルコール、2−フェノキシエタノール、2−ブトキシエタノールのような有機溶媒を少量含有させることができる。例えば、米国特許第3,375,171 号および同第3,615,480 号に記載されているものをあげることができる。さらに、特開昭50−26601号、同58−54341号、特公昭56−39464号、同56−42860号の各公報に記載されている現像液も優れている。
【0037】
【発明の効果】本発明の光重合性組成物は紫外光から可視光の幅広い領域の活性光線に対して高感度を有する。従って光源としては超高圧、高圧、中圧、低圧の各水銀灯、ケミカルランプ、カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライド灯、可視及び紫外の各種レーザーランプ、蛍光灯、タングステン灯、太陽光等が使用できる。
【0038】合成例■ P−(メチルチオ)ベンゾニトリルP−(メチルチオ)ベンズアルデヒド50.0g(3.28×10-1mol)、塩酸ヒドロキシルアミン26.3g(3.78×10-1mol 、1.15当量)、ギ酸ナトリウム40.2g(5.91×10-1mol 、1.8当量)、ギ酸430mlを1リットルのナス型フラスコに取り、1時間還流した。冷却後、水3.5リットル中にあけ晶析させた。結晶をろ取し水1リットルでかけ洗いしシャーレに取り真空乾燥した。収量43.4g収率88.7%でP−(メチルチオ)ベンゾニトリルが得られた。
■ 2−〔P−(メチルチオ)フェニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンP−(メチルチオ)ベンゾニトリル30.0g(0.20ml)、トリクロロアセトニトリル173.3g(1.20mol 、6当量)を300ml三ツ口フラスコに取り攪拌し、氷浴で冷却した。十分冷却した後、臭化アルミニウム5.33g(0.02mol 、0.1当量)を加え反応液に HClガスを3時間通した。その後冷却したまま2時間攪拌し、さらに6時間室温で攪拌し、一夜放置した。酢酸エチル1.2リットルにとかし4回水洗し分液した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮した。残渣をエタノールで再結晶すると、収量44.9g収率51%で2−〔P−(メチルチオ)フェニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンが得られた。
【0039】■ 2−〔P−(メタンスルホニル)フェニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン2−〔P−(メチルチオ)フェニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン10.0g(22.8mmol)、31%過酸化水素水40mlを200mlナス型フラスコに取り、攪拌し、酢酸44mlをゆっくり加え、1時間還流した。室温まで冷却し晶析した。これにエタノール50mlを加え再結晶すると、収量8.37g収率78%でm.p.195〜197℃の目的物が得られた。
λmax THF =271nm(ε=2.42×104
■ 2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン2,6−ジフルオロベンゾニトリル10.0g(71.9mmol)、トリクロロアセトニトリル62.3g(431mmol、6当量)を200ml三ツ口フラスコに取り攪拌し、氷浴で冷却した。十分冷却した後、臭化アルミニウム1.92g(7.19mmol、0.1当量)を加え、反応液に HClガスを3時間通した。その後冷却したまま2時間攪拌し、さらに6時間室温で攪拌し一夜放置した。酢酸エチルにとかし4回水洗し分液した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮し、残渣をn−ヘキサンにてカラムクロマトにかけた。フラクションを濃縮し残渣をn−ヘキサンで再結晶すると収量3.2g収率10%で目的物が得られた。
λmax THF =264nm(ε=1.25×104
【0040】
【実施例】以下実施例をもって本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1及び2、比較例1〜4厚さ0.30mmのアルミニウム板をナイロンブラシと400メッシュのパミストンの水懸濁液とを用いその表面を砂目立てした後、よく水で洗浄した。10%水酸化ナトリウムに70℃で60秒間浸漬してエッチングした後、流水で水洗後20%硝酸で中和洗浄し、次いで水洗した。これをVA =12.7Vの条件下で正弦波の交番波形電流を用いて1%硝酸水溶液中で160クーロン/dm2 の陽極時電気量で電解粗面化処理を行った。その表面粗さを測定したところ、0.6μ(Ra表示)であった。引き続いて30%の硫酸水溶液中に浸漬し50℃で2分間デスマットした後、20%硫酸水溶液中、電流密度2A/dm2 において陽極酸化皮膜の厚さが2.7g/m2になるように2分間陽極酸化処理した。このように処理されたアルミニウム板上に、下記組成の感光性組成物を乾燥塗布重量が1.4g/m2となるように塗布し、80℃で2分間乾燥させ感光層を形成させた。
トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシ プロピル)エーテル 2.0g アリルメタアクリレート/メタクリル酸共重合体 (共重合モル比80/20) 2.0g 光重合開始剤 Xg フッ素系ノニオン界面活性剤 0.03g メチルエチルケトン 20g プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 20gこの感光層上にポリビニルアルコール(ケン化度86.5〜89モル%、重合度1000)の3重量%の水溶液を乾燥塗布重量が2g/m2となるように塗布し、100℃で2分間乾燥させた。感光性試験は可視光により行なった。可視光としてはキセノンランプを光源とし、ケンコー光学フィルターBP−49を通して得た単色光を用いた。
【0041】感光測定には富士PSステップガイド(富士写真フィルム株式会社製、初段の透過光学濃度が0.05で順次0.15ずつ増えていき15段まであるステップタブレット)を使用して行った。感光膜面部での照度0.0132mW/cm2 で80秒露光したときのPSステップガイドのクリアー段数で感光性を示した。現像は、下記の現像液に25℃で、1分間浸漬して行った。
1Kケイ酸カリウム 30g 水酸化カリウム 15g C12C25−C6H4−O −C6H4−SO3Na 3g 水 1000g結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 光 重 合 開 始 剤 ステップタブ例 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━レット 成分(ii) (g) 成分(iii) (g) 成分(iv) (g) クリヤー段数━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1 (ii)−1(0.1) (iii) −1(0.1) ━━━ 11 2 (ii)−2(0.1) (iii) −1(0.1) ━━━ 8実 3 (ii)−3(0.1) (iii) −1(0.1) ━━━ 10.5 4 (ii)−1(0.1) (iii) −2(0.1) ━━━ 11 5 (ii)−1(0.1) (iii) −3(0.1) ━━━ 11施 6 (ii)−1(0.1) (iii) −4(0.1) ━━━ 11 7 (ii)−1(0.1) (iii) −6(0.1) ━━━ 11 8 (ii)−1(0.1) (iii) −5(0.1) ━━━ 10.5例 9 (ii)−1(0.1) (iii) −2(0.1) (iv)−1(0.2) 12 10 (ii)−1(0.1) (iii) −2(0.1) (iv)−2(0.2) 12 11 (ii)−1(0.1) (iii) −2(0.1) (iv)−3(0.2) 13━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1 (ii)−1(0.1) ━━━ ━━━ 画像なし 2 (ii)−2(0.1) ━━━ ━━━ 画像なし 3 (ii)−3(0.1) ━━━ ━━━ 画像なし比 4 (ii)−1(0.1) ━━━ (iv)−1(0.2) 画像なし 5 (ii)−1(0.1) ━━━ (iv)−2(0.2) 画像なし 6 (ii)−1(0.1) ━━━ (iv)−3(0.2) 画像なし較 7 ━━━ (iii) −1(0.1) ━━━ 画像なし 8 ━━━ (iii) −2(0.1) ━━━ 画像なし 9 ━━━ (iii) −3(0.1) ━━━ 画像なし例 10 ━━━ (iii) −1(0.1) (iv)−1(0.2) 画像なし 11 ━━━ (iii) −2(0.1) (iv)−2(0.2) 画像なし 12 ━━━ (iii) −3(0.1) (iv)−3(0.2) 画像なし━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0043】表1の結果より、本発明において、成分(ii)及び(iii)を含む光重合性組成物は高感度であり、成分(iv) を加えることにより、更に高感度化されることがわかる。化合物(ii)−1〜(ii)−3及び(iv) −1〜(iv) −3の構造を以下に示す。
【0044】
【化16】


【0045】
【化17】


【特許請求の範囲】
【請求項1】 下記の化合物(i)、(ii)及び(iii)を含有する光重合性組成物。
(i)付加重合性不飽和結合を有する重合可能な化合物、(ii)250〜1000nmの間の放射線を吸収することができ、かつ2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンを分光増感する増感用化合物、及び(iii)式(I)又は(II)で示される2,4,6−置換−1,3,5−トリアジン化合物。
【化1】


式(I)及び(II)において、YおよびZはそれぞれアルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基又は置換アラルキル基を表し、互いに同一でも異なってもよいが、それらのうちの少なくとも1つはモノ−、ジ−又はトリハロゲン置換メチル基を表し、X1 〜X5 は、水素原子又はハメットのσm 値が0.40より大きい基を表し、すべてが水素原子であることはなく、W1 及びW5 はハメットのσm 値が、0<σm ≦0.40の範囲にある基を表し、W2 、W3 及びW4 はW1 及びW5 と同じか又は水素原子を表す。
【請求項2】 さらに下記の化合物(iv) を含有する請求項1記載の光重合性組成物。
(iv) 下記(イ)、(ロ)、(ハ)からなる群から選ばれた化合物。
(イ) R1R2N−を有する化合物。
1 及びR2 は水素原子、炭素数1〜18のアルキル基もしくは置換基として、−OR3 、−CO−R3、−CO−C6H4−(B) n 、−COOR3 、−NH−CO−R3、−NH−CO−C6H4−(B) n 、−(CH2CH2O) m −R3、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)を有する炭素数1〜18の置換アルキル基を表わす。但し、R3 は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表わし、Bは、ジアルキルアミノ基、水酸基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基を表わす。nは0〜4の整数、mは1〜20の整数を表わす。
(ロ)下記一般式(III)で示されるチオ化合物。
(ハ)下記一般式(IV)で表される化合物。
【化2】


式中、R4 はアルキル基または置換アルキル基、アリール基または置換アリール基を示し、R5 は水素原子またはアルキル基または置換アルキル基を示す。また、R4 とR5 は、互いに結合して酸素、硫黄および窒素原子から選ばれたヘテロ原子を含んでもよい5員ないし7員環を形成するのに必要な非金属原子群を示す。R6 、R7 、R8 及びR9 は互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のアリール基、置換又は非置換のアルケニル基、置換又は非置換のアルキニル基、もしくは置換又は非置換の複素環基を示し、R6 、R7 、R8 及びR9 はその2個以上の基が結合して環状構造を形成してもよい。ただし、R6 、R7 、R8 及びR9 のうち、少なくとも1つはアルキル基である。Z+ はアルカリ金属カチオンまたは第4級アンモニウムカチオンを示す。
【請求項3】 前記増感用化合物が、シアニン色素、メロシアニン色素、クマリン色素、ケトクマリン色素、(チオ)キサンテン色素、アクリジン色素、チアゾール色素、チアジン色素、オキサジン色素、アジン色素、アミノケトン色素、スクアリリウム色素、ピリジニウム色素、(チア)ピリリウム色素、ポルフィリン色素、トリアリールメタン色素、(ポリ)メチン色素、アミノスチリル化合物、芳香族多環式炭化水素からなる群から選択される、請求項1または2記載の光重合性組成物。