光電変換装置
【課題】漏れ電流が抑制されて変換効率が向上した光電変換装置を提供する。
【解決手段】基板1上に、2つの発電セル層91,92を備える光電変換層3と、前記2つの発電セル層91,92の間に介在する中間コンタクト層5とを含む光電変換装置100であって、前記中間コンタクト層5が、Ga2O3が添加されたZnOを主成分とし、かつ、窒素原子を含み、水素プラズマ曝露後の前記中間コンタクト層5のシート抵抗が、1kΩ/□以上100kΩ/□以下とされる。
【解決手段】基板1上に、2つの発電セル層91,92を備える光電変換層3と、前記2つの発電セル層91,92の間に介在する中間コンタクト層5とを含む光電変換装置100であって、前記中間コンタクト層5が、Ga2O3が添加されたZnOを主成分とし、かつ、窒素原子を含み、水素プラズマ曝露後の前記中間コンタクト層5のシート抵抗が、1kΩ/□以上100kΩ/□以下とされる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光電変換装置に関し、特に発電層を製膜で作製する薄膜系太陽電池に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光のエネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池に用いられる光電変換装置としては、基板に形成された透明電極層上にp型シリコン系半導体(p層)、i型シリコン系半導体(i層)及びn型シリコン系半導体(n層)の薄膜をプラズマCVD法等で製膜して形成した光電変換層を備えた薄膜シリコン系光電変換装置が知られている。
薄膜シリコン系太陽電池の変換効率、すなわち、発電出力を増加させるために、吸収波長帯域が異なる発電セル層を2段重ねた光電変換層とすることによって、入射光を効率良く吸収させるタンデム型太陽電池が提案されている。タンデム型太陽電池では、光電変換層である第1の発電セル層と第2の発電セル層との間でのドーパント相互拡散の抑制、及び、光量配分の調整を目的として、中間コンタクト層が挿入される場合がある。
【0003】
中間コンタクト層材料としては、一般的に、屈折率が2.0程度とシリコンに比べて低く、プラズマ耐性及び透明性に優れた酸化亜鉛(ZnO)が用いられる。しかし、酸化亜鉛は、水素プラズマ雰囲気に曝されると抵抗率が低下する。抵抗率の低下、すなわち導電率の増大は、水素プラズマによってZnOに酸素欠陥が発生しやすいためと考えられる。この結果、集積型太陽電池モジュールとした場合に、セル接続部において中間コンタクト層から金属電極への漏れ電流(横方向の漏れ電流)が発生し、形状因子が低下する。漏れ電流(シャント成分)を抑制するために、接続部にレーザ加工部を追加するなどの対策が講じられているが、新たな加工部を設けることによる有効面積の減少や工程増加によるコスト増加が生じる。
【0004】
特許文献1には、第1の光起電力素子と第2の光起電力素子との間に、シート抵抗が100kΩ/□以上100MΩ/□以下と高抵抗の選択反射層が設けられることにより、起電力の低下を伴わずに大きな光電流を得ることができる積層型光起電力素子が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−311970号公報(請求項1、段落[0019]、[0029]、[0036])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1において評価されている選択的反射層のシート抵抗値は、同文献の段落[0054]から理解できるように、基板上に選択的反射層を直接製膜し、選択的反射層の表面が水素プラズマに曝されていないサンプルについて測定された値である。すなわち、特許文献1では、酸化亜鉛層が水素プラズマに曝されることによる抵抗低下は考慮されていない。このように、プラズマ処理後の抵抗率が制御されていない場合では、漏れ電流を効果的に抑制することはできない。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであって、水素プラズマ曝露後の導電率が適正な範囲に設定されることにより、漏れ電流が抑制されて変換効率が向上した光電変換装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、基板上に、2つの発電セル層を備える光電変換層と、前記2つの発電セル層の間に介在する中間コンタクト層とを含む光電変換装置であって、前記中間コンタクト層が、Ga2O3が添加されたZnOを主成分とし、かつ、窒素原子を含み、水素プラズマ曝露後の前記中間コンタクト層のシート抵抗が、1kΩ/□以上100kΩ/□以下とされる光電変換装置を提供する。
上記発明において、前記中間コンタクト層が、Ga2O3が添加されたZn1−xMgxO2(0.096≦x≦0.183)を主成分としても良い。
【0009】
GZOを主成分とする窒素原子含有膜は、水素プラズマ曝露後の抵抗率が窒素原子を含まない場合より高くなる。すなわち、GZOを主成分とする膜に窒素原子を添加することにより、中間コンタクト層の導電率(抵抗率)を適正な範囲に制御することが可能である。セル接続部での漏れ電流を抑制しつつ、良好なコンタクト性を確保するためには、中間コンタクト層のシート抵抗は、1kΩ/□以上とされる。一方、膜垂直方向への電気伝導を確保するためには、直列抵抗を低くすることが不可欠であることから、中間コンタクト層のシート抵抗は100kΩ/□以下とする必要がある。
【0010】
上記発明において、前記中間コンタクト層が、Ga2O3が添加されたZnOを主成分とする第1層と、前記第1層の前記基板側と反対側の表面に、Ga2O3が添加されたZnOを主成分とし、かつ、窒素原子を含有する第2層とを備え、水素プラズマ曝露後の前記第2セル層のシート抵抗が、1kΩ/□以上100kΩ/□以下とされることが好ましい。
この場合、前記第2層が、Ga2O3が添加されたZn1−xMgxO2(0.096≦x≦0.183)を主成分としても良い。
【0011】
このように、中間コンタクト層を2層構成とし、基板と反対側、すなわち、中間コンタクト層上に設けられる発電セル層と接触する側の層としてGZOを主成分とする窒素原子含有膜を設けることによっても、セル接続部での漏れ電流を抑制することができる。
【発明の効果】
【0012】
中間コンタクト層として窒素を含有しGZOを主成分とする膜を設けることにより、水素プラズマ処理後の中間コンタクト層のシート抵抗を制御することができる。この結果、新たな加工部を設けることなく漏れ電流を抑制することができ、高効率の光電変換装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1実施形態に係る光電変換装置の構成を表す概略図である。
【図2】第1実施形態の光電変換装置として太陽電池パネルを製造する一実施形態を説明する概略図である。
【図3】第1実施形態の光電変換装置として太陽電池パネルを製造する一実施形態を説明する概略図である。
【図4】第1実施形態の光電変換装置として太陽電池パネルを製造する一実施形態を説明する概略図である。
【図5】第1実施形態の光電変換装置として太陽電池パネルを製造する一実施形態を説明する概略図である。
【図6】接続部でのシャント抵抗と電池性能との関係を示すグラフである。
【図7】GZO製膜時のN2ガス添加量とGZO膜のシート抵抗との関係を示すグラフである。
【図8】製膜時のN2ガス添加量を変えたGZO膜の光学特性を示すグラフである。
【図9】第2実施形態に係る光電変換装置の構成を表す概略図である。
【図10】中間コンタクト層製膜時のN2ガス添加量と短絡電流との関係を示すグラフである。
【図11】中間コンタクト層製膜時のN2ガス添加量と開放電圧との関係を示すグラフである。
【図12】中間コンタクト層製膜時のN2ガス添加量と形状因子との関係を示すグラフである。
【図13】中間コンタクト層製膜時のN2ガス添加量と発電効率との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<第1実施形態>
図1は、本発明の光電変換装置の構成を示す概略図である。光電変換装置100は、タンデム型シリコン系太陽電池であり、基板1、透明電極層2、太陽電池光電変換層3としての第1セル層91(非晶質シリコン系)及び第2セル層92(結晶質シリコン系)、中間コンタクト層5、及び裏面電極層4を備える。なお、ここで、シリコン系とはシリコン(Si)やシリコンカーバイト(SiC)やシリコンゲルマニウム(SiGe)を含む総称である。また、結晶質シリコン系とは、非晶質シリコン系以外のシリコン系を意味するものであり、微結晶シリコンや多結晶シリコンも含まれる。
【0015】
第1実施形態に係る光電変換装置を、太陽電池パネルを製造する工程を例に挙げて説明する。図2から図5は、本実施形態の太陽電池パネルの製造方法を示す概略図である。
【0016】
(1)図2(a)
基板1としてソーダフロートガラス基板(例えば1.4m×1.1m×板厚:3.5mm〜4.5mm)を使用する。基板端面は熱応力や衝撃などによる破損防止にコーナー面取りやR面取り加工されていることが望ましい。
【0017】
(2)図2(b)
透明電極層2として、酸化錫(SnO2)を主成分とする膜厚約500nm以上800nm以下の透明導電膜を、熱CVD装置にて約500℃で製膜する。この際、透明電極膜の表面には、適当な凹凸のあるテクスチャーが形成される。透明電極層2として、透明電極膜に加えて、基板1と透明電極膜との間にアルカリバリア膜(図示されず)を形成しても良い。アルカリバリア膜は、酸化シリコン膜(SiO2)を50nm〜150nm、熱CVD装置にて約500℃で製膜処理する。
【0018】
(3)図2(c)
その後、基板1をX−Yテーブルに設置して、YAGレーザーの第1高調波(1064nm)を、図の矢印に示すように、透明電極膜の膜面側から照射する。加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、透明電極膜を発電セルの直列接続方向に対して垂直な方向へ、基板1とレーザー光を相対移動して、溝10を形成するように幅約6mmから15mmの所定幅の短冊状にレーザーエッチングする。
【0019】
(4)図2(d)
第1セル層91として、非晶質シリコン薄膜からなるp層、i層及びn層を、プラズマCVD装置により製膜する。SiH4ガス及びH2ガスを主原料にして、減圧雰囲気:30Pa以上1000Pa以下、基板温度:約200℃にて、透明電極層2上に太陽光の入射する側から非晶質シリコンp層31、非晶質シリコンi層32、非晶質シリコンn層33の順で製膜する。非晶質シリコンp層31は非晶質のBドープシリコンを主とし、膜厚10nm以上30nm以下である。非晶質シリコンi層32は、膜厚200nm以上350nm以下である。非晶質シリコンn層33は、非晶質シリコンに微結晶シリコンを含有するPドープシリコンを主とし、膜厚30nm以上50nm以下である。非晶質シリコンp層31と非晶質シリコンi層32の間には、界面特性の向上のためにバッファー層を設けても良い。
【0020】
第1セル層91と第2セル層92の間に、接触性を改善するとともに電流整合性を取るために半反射膜となる中間コンタクト層5を設ける。本実施形態の中間コンタクト層は、Ga2O3がドープされたZnO(GZO)を主成分とし、窒素原子を含有する。本実施形態の中間コンタクト層の膜厚は、20nm以上100nm以下とされる。
本実施形態では、中間コンタクト層の製膜方法としてRFマグネトロンスパッタリング法またはDCスパッタリング法を適用できる。RFマグネトロンスパッタリング法により製膜する場合、製膜条件は、ターゲット:Ga2O3ドープZnO燒結体、原料ガス:Arガス、O2ガス及びN2ガス、圧力:0.13〜0.67Pa、RFパワー:1.1〜4.4W/cm2、基板温度:120℃とされる。
【0021】
中間コンタクト層は、後段の第2セル層92製膜時に水素プラズマに曝される。これにより、中間コンタクト層のシート抵抗は、中間コンタクト層製膜時よりも低下する。本実施形態において、水素プラズマ曝露後の中間コンタクト層5のシート抵抗は、1kΩ/□以上100kΩ/□以下、好ましくは10kΩ/□以上100kΩ/□以下とされる。
【0022】
図6に、本実施形態のモジュール構造に対応する等価回路を用いて、接続部でのシャント抵抗と電池性能とを算出した結果を示す。同図において、横軸はシャント抵抗、縦軸はモジュールの発電効率である。シャント抵抗が1kΩ/□より低くなると、発電効率が急激に低下する。第1セル層(非晶質シリコン系)でのシャント抵抗の低下が、モジュールの発電効率に特に影響を与える。シャント抵抗が1kΩ/□以上、特に10kΩ/□以上になると、モジュール性能へのシャント抵抗の影響がほぼ無くなることが分かる。
【0023】
図7に、GZO製膜時のN2ガス添加量とGZO膜のシート抵抗との関係を示す。同図において、横軸はArガス流量に対するN2ガス流量の割合、縦軸はGZO膜のシート抵抗である。GZO膜の製膜は、基板:ガラス基板、ターゲット:Ga2O30.5質量%添加ZnO燒結体、Arガスに対するO2ガス流量:1%、圧力:0.2Pa、RFパワー:4.4W/cm2、基板温度:120℃、目標膜厚:80nmの条件にて実施した。水素プラズマ処理条件は、40Pa、0.5W/cm2とした。水素プラズマ曝露後のGZO膜のシート抵抗は、製膜直後に比べて2〜3桁低下する。図7を取得した製膜条件では、Arガスに対するN2ガス流量1%以上4%以下で水素プラズマ曝露後のGZO膜のシート抵抗が1kΩ/□〜100kΩ/□の範囲内、2%以上4%以下で10kΩ/□〜100kΩ/□の範囲内にすることができる。
【0024】
GZO膜中の窒素原子濃度は、Arガスに対するN2ガスの流量比(分圧比)により制御できる。N2ガス量の増加に伴い、GZO膜中の窒素原子濃度も増加する傾向がある。上記製膜条件では、N2ガス添加量1%の場合に0.25原子%、2%の場合に0.5原子%、4%の場合に1原子%の窒素原子が膜中に取り込まれる。
【0025】
図8に、製膜時のN2ガス添加量を変えたGZO膜の光学特性を示す。同図において、横軸は波長、縦軸は実効透過率である。GZO膜に窒素原子を添加することにより、波長700nm以下の可視光領域における透過率が減少する。上記製膜条件では、N2ガスの割合が1〜4%の範囲であれば、光吸収損失を抑えることができる。
【0026】
中間コンタクト層としてのGZO膜のシート抵抗は、Ga2O3ドープ量、製膜雰囲気中の酸素分圧などによっても変化する。そこで、Ga2O3ドープ量、製膜雰囲気中の酸素分圧などの製膜条件毎に、N2ガス流量またはN2ガス分圧と水素プラズマ曝露後のシート抵抗との関係を取得すると良い。
【0027】
また、本実施形態では、中間コンタクト層5はGa2O3が添加されたZn1−xMgxO2で表される化合物を主成分としても良い。上述の水素プラズマ曝露後のシート抵抗を満たすために、上記組成において0.096≦x≦0.183とされる。Ga2O3が添加されたZn1−xMgxO2の製膜には、ターゲットとして、例えばGa2O3ドープZnO−MgO混合ターゲット(MgO比率:5〜10質量%)を用いる。
【0028】
次に、中間コンタクト層5の上に、プラズマCVD装置により、減圧雰囲気:3000Pa以下、基板温度:約200℃、プラズマ発生周波数:40MHz以上100MHz以下にて、第2セル層92としての結晶質シリコンp層41、結晶質シリコンi層42、及び、結晶質シリコンn層43を順次製膜する。結晶質シリコンp層41はBドープした微結晶シリコンを主とし、膜厚10nm以上50nm以下である。結晶質シリコンi層42は微結晶シリコンを主とし、膜厚は1.2μm以上3.0μm以下である。結晶質シリコンn層43はPドープした微結晶シリコンを主とし、膜厚20nm以上50nm以下である。
【0029】
微結晶シリコンを主とするi層膜をプラズマCVD法で形成するにあたり、プラズマ放電電極と基板1の表面との距離dは、3mm以上10mm以下にすることが好ましい。3mmより小さい場合、大型基板に対応する製膜室内の各構成機器精度から距離dを一定に保つことが難しくなるとともに、近過ぎて放電が不安定になる恐れがある。10mmより大きい場合、十分な製膜速度(1nm/s以上)を得難くなるとともに、プラズマの均一性が低下しイオン衝撃により膜質が低下する。
【0030】
(5)図2(e)
基板1をX−Yテーブルに設置して、レーザーダイオード励起YAGレーザーの第2高調波(532nm)を、図の矢印に示すように、光電変換層3の膜面側から照射する。パルス発振:10kHzから20kHzとして、加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、透明電極層2のレーザーエッチングラインの約100μmから150μmの横側を、溝11を形成するようにレーザーエッチングする。またこのレーザーは基板1側から照射しても良く、この場合は光電変換層3の非晶質シリコン系の第1セル層で吸収されたエネルギーで発生する高い蒸気圧を利用して光電変換層3をエッチングできるので、更に安定したレーザーエッチング加工を行うことが可能となる。レーザーエッチングラインの位置は前工程でのエッチングラインと交差しないように位置決め公差を考慮して選定する。
【0031】
(6)図3(a)
裏面電極層4としてAg膜/Ti膜を、スパッタリング装置により、減圧雰囲気、製膜温度:150℃から200℃にて製膜する。本実施形態では、Ag膜:150nm以上500nm以下、これを保護するものとして防食効果の高いTi膜:10nm以上20nm以下を、この順に積層する。あるいは、裏面電極層4を、25nmから100nmの膜厚を有するAg膜と、15nmから500nmの膜厚を有するAl膜との積層構造としても良い。結晶質シリコンn層43と裏面電極層4との接触抵抗低減と光反射向上を目的に、光電変換層3と裏面電極層4との間に、スパッタリング装置により、膜厚:50nm以上100nm以下のGZO(GaドープZnOまたはAlドープZnO)膜を製膜して設けても良い。
【0032】
(7)図3(b)
基板1をX−Yテーブルに設置して、レーザーダイオード励起YAGレーザーの第2高調波(532nm)を、図の矢印に示すように、基板1側から照射する。レーザー光が光電変換層3で吸収され、このとき発生する高いガス蒸気圧を利用して裏面電極層4が爆裂して除去される。パルス発振:1kHz以上10kHz以下として加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、透明電極層2のレーザーエッチングラインの250μmから400μmの横側を、溝12を形成するようにレーザーエッチングする。
【0033】
(8)図3(c)と図4(a)
発電領域を区分して、基板端周辺の膜端部をレーザーエッチングし、直列接続部分で短絡し易い影響を除去する。基板1をX−Yテーブルに設置して、レーザーダイオード励起YAGレーザーの第2高調波(532nm)を、基板1側から照射する。レーザー光が透明電極層2と光電変換層3で吸収され、このとき発生する高いガス蒸気圧を利用して裏面電極層4が爆裂して、裏面電極層4/光電変換層3/透明電極層2が除去される。パルス発振:1kHz以上10kHz以下として加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、基板1の端部から5mmから20mmの位置を、図3(c)に示すように、X方向絶縁溝15を形成するようにレーザーエッチングする。なお、図3(c)では、光電変換層3が直列に接続された方向に切断したX方向断面図となっているため、本来であれば絶縁溝15位置には裏面電極層4/光電変換層3/透明電極層2の膜研磨除去をした周囲膜除去領域14がある状態(図4(a)参照)が表れるべきであるが、基板1の端部への加工の説明の便宜上、この位置にY方向断面を表して形成された絶縁溝をX方向絶縁溝15として説明する。このとき、Y方向絶縁溝は後工程で基板1周囲膜除去領域の膜面研磨除去処理を行うので、設ける必要がない。
【0034】
絶縁溝15は基板1の端より5mmから15mmの位置にてエッチングを終了させることにより、太陽電池パネル端部からの太陽電池モジュール6内部への外部湿分浸入の抑制に、有効な効果を呈するので好ましい。
【0035】
尚、以上までの工程におけるレーザー光はYAGレーザーとしているが、YVO4レーザーやファイバーレーザーなどが同様に使用できるものがある。
【0036】
(9)図4(a:太陽電池膜面側から見た図、b:受光面の基板側から見た図)
後工程のEVA等を介したバックシート24との健全な接着・シール面を確保するために、基板1周辺(周囲膜除去領域14)の積層膜は、段差があるとともに剥離し易いため、この膜を除去して周囲膜除去領域14を形成する。基板1の端から5〜20mmで基板1の全周囲にわたり膜を除去するにあたり、X方向は前述の図3(c)工程で設けた絶縁溝15よりも基板端側において、Y方向は基板端側部付近の溝10よりも基板端側において、裏面電極層4/光電変換層3/透明電極層2を、砥石研磨やブラスト研磨などを用いて除去を行う。
研磨屑や砥粒は基板1を洗浄処理して除去した。
【0037】
(10)図5(a)(b)
端子箱23の取付け部分はバックシート24に開口貫通窓を設けて集電板を取出す。この開口貫通窓部分には絶縁材を複数層で設置して外部からの湿分などの浸入を抑制する。
直列に並んだ一方端の太陽電池発電セルと、他方端部の太陽電池発電セルとから銅箔を用いて集電して太陽電池パネル裏側の端子箱23の部分から電力が取出せるように処理する。銅箔は各部との短絡を防止するために銅箔幅より広い絶縁シートを配置する。
集電用銅箔などが所定位置に配置された後に、太陽電池モジュール6の全体を覆い、基板1からはみ出さないようにEVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)等による接着充填材シートを配置する。
EVAの上に、防水効果の高いバックシート24を設置する。バックシート24は本実施形態では防水防湿効果が高いようにPETシート/Al箔/PETシートの3層構造よりなる。
バックシート24までを所定位置に配置したものを、ラミネータにより減圧雰囲気で内部の脱気を行い約150〜160℃でプレスしながら、EVAを架橋させて密着させる。
【0038】
(11)図5(a)
太陽電池モジュール6の裏側に端子箱23を接着剤で取付ける。
(12)図5(b)
銅箔と端子箱23の出力ケーブルとをハンダ等で接続し、端子箱23の内部を封止剤(ポッティング剤)で充填して密閉する。これで太陽電池パネル50が完成する。
(13)図5(c)
図5(b)までの工程で形成された太陽電池パネル50について発電検査ならびに、所定の性能試験を行う。発電検査は、AM1.5、全天日射基準太陽光(1000W/m2)のソーラシミュレータを用いて行う。
(14)図5(d)
発電検査(図5(c))に前後して、外観検査をはじめ所定の性能検査を行う。
【0039】
<第2実施形態>
図9に示される第2実施形態に係る光電変換装置では、中間コンタクト層5は、基板1側から順に第1層5a及び第2層5bで構成される。第1層5aは、窒素を含有しないGZO膜とされる。第2層5bは、第1実施形態と同様の窒素原子を含有するGZO膜とされる。
【0040】
第2実施形態に係る光電変換装置は、中間コンタクト層5の形成工程以外は第1実施形態と同じ工程にて製造される。
【0041】
第2実施形態の中間コンタクト層の形成では、まず、RFマグネトロンスパッタリング装置を用い、ターゲット:Ga2O3ドープZnO燒結体、原料ガス:Arガス及びO2ガス、圧力:0.13〜0.67Pa、RFパワー:1.1〜4.4W/cm2、基板温度:120℃の条件で、第1層5aが製膜される。第1層製膜後、原料ガスとしてN2ガスを供給して第2層5bが製膜される。
第2セル層92と接触する第2層5bとして窒素を含有するGZO膜を形成において、水素プラズマ曝露後のシート抵抗を1kΩ/□以上100kΩ/□以下となるように製膜条件を調整すれば、漏れ電流を抑制できるとともに良好なコンタクト性を有する中間コンタクト層とすることができる。
【0042】
第2実施形態の中間コンタクト層5の膜厚は、20nm以上100nm以下とされる。水素プラズマは曝露表面付近にて強く作用するため、第2層5bの膜厚は10nm以上15nm以下とされる。
【0043】
本実施形態において、第1層5a及び第2層5bの少なくとも一方が、Ga2O3が添加されたZn1−xMgxO2(0.096≦x≦0.183)で表される化合物を主成分とされても良い。
第1層5aと第2層5bとが同じ材料である場合は、同一製膜室内にて連続して製膜することができる。第1層5aと第2層5bとが異なる材料である場合には、例えば2つの製膜室にそれぞれターゲットとしてGa2O3ドープZnO焼結体及びGa2O3ドープZnO−MgO混合ターゲット(MgO比率:5〜10質量%)が配置されたスパッタリング装置が用いて製膜することができる。
【実施例】
【0044】
ガラス基板上に、図1に示す層構成のタンデム型太陽電池モジュールを形成した。各層の条件を以下に示す。
透明電極層:FドープSnO2薄膜、膜厚800nm
第1セル層 p層:膜厚10nm
i層:膜厚200nm
n層:膜厚30nm
中間コンタクト層:窒素含有GZO膜(Ga2O3:0.5質量%)、膜厚80nm
第2セル層 p層:膜厚30nm
i層:膜厚1900nm
n層:膜厚30nm
裏面電極層 :Ag薄膜、膜厚250nm
中間コンタクト層は、Arガス流量に対するN2ガス流量の割合:0〜6%、O2ガス流量比:1%、基板温度120℃、製膜圧力:0.2Pa、RFパワー:4.4W/cm2の条件で製膜した。
モジュール構造は、図3(c)に示すように、1つの接続部に3本の溝(溝10〜12)を形成する構造とした。
【0045】
図10乃至図13に、中間コンタクト層製膜時のN2ガス添加量とモジュール性能との関係を示す。図10乃至図13の横軸は、Arガス流量に対するN2ガス流量の割合である。縦軸は、図10では短絡電流、図11では開放電圧、図12では形状因子、図13では発電効率である。短絡電流はN2ガス添加量の増加とともに減少する。一方、形状因子は、N2ガス添加量3%において極大を示した。形状因子の影響により、発電効率はN2ガス添加量1〜4%において、添加量0%(窒素を含有しないGZO膜)の場合よりも大幅に向上した。
【符号の説明】
【0046】
1 基板
2 透明電極層
3 光電変換層
4 裏面電極層
5 中間コンタクト層
6 太陽電池モジュール
31 非晶質シリコンp層
32 非晶質シリコンi層
33 非晶質シリコンn層
41 結晶質シリコンp層
42 結晶質シリコンi層
43 結晶質シリコンn層
91 第1セル層
92 第2セル層
100 光電変換装置
【技術分野】
【0001】
本発明は光電変換装置に関し、特に発電層を製膜で作製する薄膜系太陽電池に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光のエネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池に用いられる光電変換装置としては、基板に形成された透明電極層上にp型シリコン系半導体(p層)、i型シリコン系半導体(i層)及びn型シリコン系半導体(n層)の薄膜をプラズマCVD法等で製膜して形成した光電変換層を備えた薄膜シリコン系光電変換装置が知られている。
薄膜シリコン系太陽電池の変換効率、すなわち、発電出力を増加させるために、吸収波長帯域が異なる発電セル層を2段重ねた光電変換層とすることによって、入射光を効率良く吸収させるタンデム型太陽電池が提案されている。タンデム型太陽電池では、光電変換層である第1の発電セル層と第2の発電セル層との間でのドーパント相互拡散の抑制、及び、光量配分の調整を目的として、中間コンタクト層が挿入される場合がある。
【0003】
中間コンタクト層材料としては、一般的に、屈折率が2.0程度とシリコンに比べて低く、プラズマ耐性及び透明性に優れた酸化亜鉛(ZnO)が用いられる。しかし、酸化亜鉛は、水素プラズマ雰囲気に曝されると抵抗率が低下する。抵抗率の低下、すなわち導電率の増大は、水素プラズマによってZnOに酸素欠陥が発生しやすいためと考えられる。この結果、集積型太陽電池モジュールとした場合に、セル接続部において中間コンタクト層から金属電極への漏れ電流(横方向の漏れ電流)が発生し、形状因子が低下する。漏れ電流(シャント成分)を抑制するために、接続部にレーザ加工部を追加するなどの対策が講じられているが、新たな加工部を設けることによる有効面積の減少や工程増加によるコスト増加が生じる。
【0004】
特許文献1には、第1の光起電力素子と第2の光起電力素子との間に、シート抵抗が100kΩ/□以上100MΩ/□以下と高抵抗の選択反射層が設けられることにより、起電力の低下を伴わずに大きな光電流を得ることができる積層型光起電力素子が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−311970号公報(請求項1、段落[0019]、[0029]、[0036])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1において評価されている選択的反射層のシート抵抗値は、同文献の段落[0054]から理解できるように、基板上に選択的反射層を直接製膜し、選択的反射層の表面が水素プラズマに曝されていないサンプルについて測定された値である。すなわち、特許文献1では、酸化亜鉛層が水素プラズマに曝されることによる抵抗低下は考慮されていない。このように、プラズマ処理後の抵抗率が制御されていない場合では、漏れ電流を効果的に抑制することはできない。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであって、水素プラズマ曝露後の導電率が適正な範囲に設定されることにより、漏れ電流が抑制されて変換効率が向上した光電変換装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、基板上に、2つの発電セル層を備える光電変換層と、前記2つの発電セル層の間に介在する中間コンタクト層とを含む光電変換装置であって、前記中間コンタクト層が、Ga2O3が添加されたZnOを主成分とし、かつ、窒素原子を含み、水素プラズマ曝露後の前記中間コンタクト層のシート抵抗が、1kΩ/□以上100kΩ/□以下とされる光電変換装置を提供する。
上記発明において、前記中間コンタクト層が、Ga2O3が添加されたZn1−xMgxO2(0.096≦x≦0.183)を主成分としても良い。
【0009】
GZOを主成分とする窒素原子含有膜は、水素プラズマ曝露後の抵抗率が窒素原子を含まない場合より高くなる。すなわち、GZOを主成分とする膜に窒素原子を添加することにより、中間コンタクト層の導電率(抵抗率)を適正な範囲に制御することが可能である。セル接続部での漏れ電流を抑制しつつ、良好なコンタクト性を確保するためには、中間コンタクト層のシート抵抗は、1kΩ/□以上とされる。一方、膜垂直方向への電気伝導を確保するためには、直列抵抗を低くすることが不可欠であることから、中間コンタクト層のシート抵抗は100kΩ/□以下とする必要がある。
【0010】
上記発明において、前記中間コンタクト層が、Ga2O3が添加されたZnOを主成分とする第1層と、前記第1層の前記基板側と反対側の表面に、Ga2O3が添加されたZnOを主成分とし、かつ、窒素原子を含有する第2層とを備え、水素プラズマ曝露後の前記第2セル層のシート抵抗が、1kΩ/□以上100kΩ/□以下とされることが好ましい。
この場合、前記第2層が、Ga2O3が添加されたZn1−xMgxO2(0.096≦x≦0.183)を主成分としても良い。
【0011】
このように、中間コンタクト層を2層構成とし、基板と反対側、すなわち、中間コンタクト層上に設けられる発電セル層と接触する側の層としてGZOを主成分とする窒素原子含有膜を設けることによっても、セル接続部での漏れ電流を抑制することができる。
【発明の効果】
【0012】
中間コンタクト層として窒素を含有しGZOを主成分とする膜を設けることにより、水素プラズマ処理後の中間コンタクト層のシート抵抗を制御することができる。この結果、新たな加工部を設けることなく漏れ電流を抑制することができ、高効率の光電変換装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1実施形態に係る光電変換装置の構成を表す概略図である。
【図2】第1実施形態の光電変換装置として太陽電池パネルを製造する一実施形態を説明する概略図である。
【図3】第1実施形態の光電変換装置として太陽電池パネルを製造する一実施形態を説明する概略図である。
【図4】第1実施形態の光電変換装置として太陽電池パネルを製造する一実施形態を説明する概略図である。
【図5】第1実施形態の光電変換装置として太陽電池パネルを製造する一実施形態を説明する概略図である。
【図6】接続部でのシャント抵抗と電池性能との関係を示すグラフである。
【図7】GZO製膜時のN2ガス添加量とGZO膜のシート抵抗との関係を示すグラフである。
【図8】製膜時のN2ガス添加量を変えたGZO膜の光学特性を示すグラフである。
【図9】第2実施形態に係る光電変換装置の構成を表す概略図である。
【図10】中間コンタクト層製膜時のN2ガス添加量と短絡電流との関係を示すグラフである。
【図11】中間コンタクト層製膜時のN2ガス添加量と開放電圧との関係を示すグラフである。
【図12】中間コンタクト層製膜時のN2ガス添加量と形状因子との関係を示すグラフである。
【図13】中間コンタクト層製膜時のN2ガス添加量と発電効率との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<第1実施形態>
図1は、本発明の光電変換装置の構成を示す概略図である。光電変換装置100は、タンデム型シリコン系太陽電池であり、基板1、透明電極層2、太陽電池光電変換層3としての第1セル層91(非晶質シリコン系)及び第2セル層92(結晶質シリコン系)、中間コンタクト層5、及び裏面電極層4を備える。なお、ここで、シリコン系とはシリコン(Si)やシリコンカーバイト(SiC)やシリコンゲルマニウム(SiGe)を含む総称である。また、結晶質シリコン系とは、非晶質シリコン系以外のシリコン系を意味するものであり、微結晶シリコンや多結晶シリコンも含まれる。
【0015】
第1実施形態に係る光電変換装置を、太陽電池パネルを製造する工程を例に挙げて説明する。図2から図5は、本実施形態の太陽電池パネルの製造方法を示す概略図である。
【0016】
(1)図2(a)
基板1としてソーダフロートガラス基板(例えば1.4m×1.1m×板厚:3.5mm〜4.5mm)を使用する。基板端面は熱応力や衝撃などによる破損防止にコーナー面取りやR面取り加工されていることが望ましい。
【0017】
(2)図2(b)
透明電極層2として、酸化錫(SnO2)を主成分とする膜厚約500nm以上800nm以下の透明導電膜を、熱CVD装置にて約500℃で製膜する。この際、透明電極膜の表面には、適当な凹凸のあるテクスチャーが形成される。透明電極層2として、透明電極膜に加えて、基板1と透明電極膜との間にアルカリバリア膜(図示されず)を形成しても良い。アルカリバリア膜は、酸化シリコン膜(SiO2)を50nm〜150nm、熱CVD装置にて約500℃で製膜処理する。
【0018】
(3)図2(c)
その後、基板1をX−Yテーブルに設置して、YAGレーザーの第1高調波(1064nm)を、図の矢印に示すように、透明電極膜の膜面側から照射する。加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、透明電極膜を発電セルの直列接続方向に対して垂直な方向へ、基板1とレーザー光を相対移動して、溝10を形成するように幅約6mmから15mmの所定幅の短冊状にレーザーエッチングする。
【0019】
(4)図2(d)
第1セル層91として、非晶質シリコン薄膜からなるp層、i層及びn層を、プラズマCVD装置により製膜する。SiH4ガス及びH2ガスを主原料にして、減圧雰囲気:30Pa以上1000Pa以下、基板温度:約200℃にて、透明電極層2上に太陽光の入射する側から非晶質シリコンp層31、非晶質シリコンi層32、非晶質シリコンn層33の順で製膜する。非晶質シリコンp層31は非晶質のBドープシリコンを主とし、膜厚10nm以上30nm以下である。非晶質シリコンi層32は、膜厚200nm以上350nm以下である。非晶質シリコンn層33は、非晶質シリコンに微結晶シリコンを含有するPドープシリコンを主とし、膜厚30nm以上50nm以下である。非晶質シリコンp層31と非晶質シリコンi層32の間には、界面特性の向上のためにバッファー層を設けても良い。
【0020】
第1セル層91と第2セル層92の間に、接触性を改善するとともに電流整合性を取るために半反射膜となる中間コンタクト層5を設ける。本実施形態の中間コンタクト層は、Ga2O3がドープされたZnO(GZO)を主成分とし、窒素原子を含有する。本実施形態の中間コンタクト層の膜厚は、20nm以上100nm以下とされる。
本実施形態では、中間コンタクト層の製膜方法としてRFマグネトロンスパッタリング法またはDCスパッタリング法を適用できる。RFマグネトロンスパッタリング法により製膜する場合、製膜条件は、ターゲット:Ga2O3ドープZnO燒結体、原料ガス:Arガス、O2ガス及びN2ガス、圧力:0.13〜0.67Pa、RFパワー:1.1〜4.4W/cm2、基板温度:120℃とされる。
【0021】
中間コンタクト層は、後段の第2セル層92製膜時に水素プラズマに曝される。これにより、中間コンタクト層のシート抵抗は、中間コンタクト層製膜時よりも低下する。本実施形態において、水素プラズマ曝露後の中間コンタクト層5のシート抵抗は、1kΩ/□以上100kΩ/□以下、好ましくは10kΩ/□以上100kΩ/□以下とされる。
【0022】
図6に、本実施形態のモジュール構造に対応する等価回路を用いて、接続部でのシャント抵抗と電池性能とを算出した結果を示す。同図において、横軸はシャント抵抗、縦軸はモジュールの発電効率である。シャント抵抗が1kΩ/□より低くなると、発電効率が急激に低下する。第1セル層(非晶質シリコン系)でのシャント抵抗の低下が、モジュールの発電効率に特に影響を与える。シャント抵抗が1kΩ/□以上、特に10kΩ/□以上になると、モジュール性能へのシャント抵抗の影響がほぼ無くなることが分かる。
【0023】
図7に、GZO製膜時のN2ガス添加量とGZO膜のシート抵抗との関係を示す。同図において、横軸はArガス流量に対するN2ガス流量の割合、縦軸はGZO膜のシート抵抗である。GZO膜の製膜は、基板:ガラス基板、ターゲット:Ga2O30.5質量%添加ZnO燒結体、Arガスに対するO2ガス流量:1%、圧力:0.2Pa、RFパワー:4.4W/cm2、基板温度:120℃、目標膜厚:80nmの条件にて実施した。水素プラズマ処理条件は、40Pa、0.5W/cm2とした。水素プラズマ曝露後のGZO膜のシート抵抗は、製膜直後に比べて2〜3桁低下する。図7を取得した製膜条件では、Arガスに対するN2ガス流量1%以上4%以下で水素プラズマ曝露後のGZO膜のシート抵抗が1kΩ/□〜100kΩ/□の範囲内、2%以上4%以下で10kΩ/□〜100kΩ/□の範囲内にすることができる。
【0024】
GZO膜中の窒素原子濃度は、Arガスに対するN2ガスの流量比(分圧比)により制御できる。N2ガス量の増加に伴い、GZO膜中の窒素原子濃度も増加する傾向がある。上記製膜条件では、N2ガス添加量1%の場合に0.25原子%、2%の場合に0.5原子%、4%の場合に1原子%の窒素原子が膜中に取り込まれる。
【0025】
図8に、製膜時のN2ガス添加量を変えたGZO膜の光学特性を示す。同図において、横軸は波長、縦軸は実効透過率である。GZO膜に窒素原子を添加することにより、波長700nm以下の可視光領域における透過率が減少する。上記製膜条件では、N2ガスの割合が1〜4%の範囲であれば、光吸収損失を抑えることができる。
【0026】
中間コンタクト層としてのGZO膜のシート抵抗は、Ga2O3ドープ量、製膜雰囲気中の酸素分圧などによっても変化する。そこで、Ga2O3ドープ量、製膜雰囲気中の酸素分圧などの製膜条件毎に、N2ガス流量またはN2ガス分圧と水素プラズマ曝露後のシート抵抗との関係を取得すると良い。
【0027】
また、本実施形態では、中間コンタクト層5はGa2O3が添加されたZn1−xMgxO2で表される化合物を主成分としても良い。上述の水素プラズマ曝露後のシート抵抗を満たすために、上記組成において0.096≦x≦0.183とされる。Ga2O3が添加されたZn1−xMgxO2の製膜には、ターゲットとして、例えばGa2O3ドープZnO−MgO混合ターゲット(MgO比率:5〜10質量%)を用いる。
【0028】
次に、中間コンタクト層5の上に、プラズマCVD装置により、減圧雰囲気:3000Pa以下、基板温度:約200℃、プラズマ発生周波数:40MHz以上100MHz以下にて、第2セル層92としての結晶質シリコンp層41、結晶質シリコンi層42、及び、結晶質シリコンn層43を順次製膜する。結晶質シリコンp層41はBドープした微結晶シリコンを主とし、膜厚10nm以上50nm以下である。結晶質シリコンi層42は微結晶シリコンを主とし、膜厚は1.2μm以上3.0μm以下である。結晶質シリコンn層43はPドープした微結晶シリコンを主とし、膜厚20nm以上50nm以下である。
【0029】
微結晶シリコンを主とするi層膜をプラズマCVD法で形成するにあたり、プラズマ放電電極と基板1の表面との距離dは、3mm以上10mm以下にすることが好ましい。3mmより小さい場合、大型基板に対応する製膜室内の各構成機器精度から距離dを一定に保つことが難しくなるとともに、近過ぎて放電が不安定になる恐れがある。10mmより大きい場合、十分な製膜速度(1nm/s以上)を得難くなるとともに、プラズマの均一性が低下しイオン衝撃により膜質が低下する。
【0030】
(5)図2(e)
基板1をX−Yテーブルに設置して、レーザーダイオード励起YAGレーザーの第2高調波(532nm)を、図の矢印に示すように、光電変換層3の膜面側から照射する。パルス発振:10kHzから20kHzとして、加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、透明電極層2のレーザーエッチングラインの約100μmから150μmの横側を、溝11を形成するようにレーザーエッチングする。またこのレーザーは基板1側から照射しても良く、この場合は光電変換層3の非晶質シリコン系の第1セル層で吸収されたエネルギーで発生する高い蒸気圧を利用して光電変換層3をエッチングできるので、更に安定したレーザーエッチング加工を行うことが可能となる。レーザーエッチングラインの位置は前工程でのエッチングラインと交差しないように位置決め公差を考慮して選定する。
【0031】
(6)図3(a)
裏面電極層4としてAg膜/Ti膜を、スパッタリング装置により、減圧雰囲気、製膜温度:150℃から200℃にて製膜する。本実施形態では、Ag膜:150nm以上500nm以下、これを保護するものとして防食効果の高いTi膜:10nm以上20nm以下を、この順に積層する。あるいは、裏面電極層4を、25nmから100nmの膜厚を有するAg膜と、15nmから500nmの膜厚を有するAl膜との積層構造としても良い。結晶質シリコンn層43と裏面電極層4との接触抵抗低減と光反射向上を目的に、光電変換層3と裏面電極層4との間に、スパッタリング装置により、膜厚:50nm以上100nm以下のGZO(GaドープZnOまたはAlドープZnO)膜を製膜して設けても良い。
【0032】
(7)図3(b)
基板1をX−Yテーブルに設置して、レーザーダイオード励起YAGレーザーの第2高調波(532nm)を、図の矢印に示すように、基板1側から照射する。レーザー光が光電変換層3で吸収され、このとき発生する高いガス蒸気圧を利用して裏面電極層4が爆裂して除去される。パルス発振:1kHz以上10kHz以下として加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、透明電極層2のレーザーエッチングラインの250μmから400μmの横側を、溝12を形成するようにレーザーエッチングする。
【0033】
(8)図3(c)と図4(a)
発電領域を区分して、基板端周辺の膜端部をレーザーエッチングし、直列接続部分で短絡し易い影響を除去する。基板1をX−Yテーブルに設置して、レーザーダイオード励起YAGレーザーの第2高調波(532nm)を、基板1側から照射する。レーザー光が透明電極層2と光電変換層3で吸収され、このとき発生する高いガス蒸気圧を利用して裏面電極層4が爆裂して、裏面電極層4/光電変換層3/透明電極層2が除去される。パルス発振:1kHz以上10kHz以下として加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、基板1の端部から5mmから20mmの位置を、図3(c)に示すように、X方向絶縁溝15を形成するようにレーザーエッチングする。なお、図3(c)では、光電変換層3が直列に接続された方向に切断したX方向断面図となっているため、本来であれば絶縁溝15位置には裏面電極層4/光電変換層3/透明電極層2の膜研磨除去をした周囲膜除去領域14がある状態(図4(a)参照)が表れるべきであるが、基板1の端部への加工の説明の便宜上、この位置にY方向断面を表して形成された絶縁溝をX方向絶縁溝15として説明する。このとき、Y方向絶縁溝は後工程で基板1周囲膜除去領域の膜面研磨除去処理を行うので、設ける必要がない。
【0034】
絶縁溝15は基板1の端より5mmから15mmの位置にてエッチングを終了させることにより、太陽電池パネル端部からの太陽電池モジュール6内部への外部湿分浸入の抑制に、有効な効果を呈するので好ましい。
【0035】
尚、以上までの工程におけるレーザー光はYAGレーザーとしているが、YVO4レーザーやファイバーレーザーなどが同様に使用できるものがある。
【0036】
(9)図4(a:太陽電池膜面側から見た図、b:受光面の基板側から見た図)
後工程のEVA等を介したバックシート24との健全な接着・シール面を確保するために、基板1周辺(周囲膜除去領域14)の積層膜は、段差があるとともに剥離し易いため、この膜を除去して周囲膜除去領域14を形成する。基板1の端から5〜20mmで基板1の全周囲にわたり膜を除去するにあたり、X方向は前述の図3(c)工程で設けた絶縁溝15よりも基板端側において、Y方向は基板端側部付近の溝10よりも基板端側において、裏面電極層4/光電変換層3/透明電極層2を、砥石研磨やブラスト研磨などを用いて除去を行う。
研磨屑や砥粒は基板1を洗浄処理して除去した。
【0037】
(10)図5(a)(b)
端子箱23の取付け部分はバックシート24に開口貫通窓を設けて集電板を取出す。この開口貫通窓部分には絶縁材を複数層で設置して外部からの湿分などの浸入を抑制する。
直列に並んだ一方端の太陽電池発電セルと、他方端部の太陽電池発電セルとから銅箔を用いて集電して太陽電池パネル裏側の端子箱23の部分から電力が取出せるように処理する。銅箔は各部との短絡を防止するために銅箔幅より広い絶縁シートを配置する。
集電用銅箔などが所定位置に配置された後に、太陽電池モジュール6の全体を覆い、基板1からはみ出さないようにEVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)等による接着充填材シートを配置する。
EVAの上に、防水効果の高いバックシート24を設置する。バックシート24は本実施形態では防水防湿効果が高いようにPETシート/Al箔/PETシートの3層構造よりなる。
バックシート24までを所定位置に配置したものを、ラミネータにより減圧雰囲気で内部の脱気を行い約150〜160℃でプレスしながら、EVAを架橋させて密着させる。
【0038】
(11)図5(a)
太陽電池モジュール6の裏側に端子箱23を接着剤で取付ける。
(12)図5(b)
銅箔と端子箱23の出力ケーブルとをハンダ等で接続し、端子箱23の内部を封止剤(ポッティング剤)で充填して密閉する。これで太陽電池パネル50が完成する。
(13)図5(c)
図5(b)までの工程で形成された太陽電池パネル50について発電検査ならびに、所定の性能試験を行う。発電検査は、AM1.5、全天日射基準太陽光(1000W/m2)のソーラシミュレータを用いて行う。
(14)図5(d)
発電検査(図5(c))に前後して、外観検査をはじめ所定の性能検査を行う。
【0039】
<第2実施形態>
図9に示される第2実施形態に係る光電変換装置では、中間コンタクト層5は、基板1側から順に第1層5a及び第2層5bで構成される。第1層5aは、窒素を含有しないGZO膜とされる。第2層5bは、第1実施形態と同様の窒素原子を含有するGZO膜とされる。
【0040】
第2実施形態に係る光電変換装置は、中間コンタクト層5の形成工程以外は第1実施形態と同じ工程にて製造される。
【0041】
第2実施形態の中間コンタクト層の形成では、まず、RFマグネトロンスパッタリング装置を用い、ターゲット:Ga2O3ドープZnO燒結体、原料ガス:Arガス及びO2ガス、圧力:0.13〜0.67Pa、RFパワー:1.1〜4.4W/cm2、基板温度:120℃の条件で、第1層5aが製膜される。第1層製膜後、原料ガスとしてN2ガスを供給して第2層5bが製膜される。
第2セル層92と接触する第2層5bとして窒素を含有するGZO膜を形成において、水素プラズマ曝露後のシート抵抗を1kΩ/□以上100kΩ/□以下となるように製膜条件を調整すれば、漏れ電流を抑制できるとともに良好なコンタクト性を有する中間コンタクト層とすることができる。
【0042】
第2実施形態の中間コンタクト層5の膜厚は、20nm以上100nm以下とされる。水素プラズマは曝露表面付近にて強く作用するため、第2層5bの膜厚は10nm以上15nm以下とされる。
【0043】
本実施形態において、第1層5a及び第2層5bの少なくとも一方が、Ga2O3が添加されたZn1−xMgxO2(0.096≦x≦0.183)で表される化合物を主成分とされても良い。
第1層5aと第2層5bとが同じ材料である場合は、同一製膜室内にて連続して製膜することができる。第1層5aと第2層5bとが異なる材料である場合には、例えば2つの製膜室にそれぞれターゲットとしてGa2O3ドープZnO焼結体及びGa2O3ドープZnO−MgO混合ターゲット(MgO比率:5〜10質量%)が配置されたスパッタリング装置が用いて製膜することができる。
【実施例】
【0044】
ガラス基板上に、図1に示す層構成のタンデム型太陽電池モジュールを形成した。各層の条件を以下に示す。
透明電極層:FドープSnO2薄膜、膜厚800nm
第1セル層 p層:膜厚10nm
i層:膜厚200nm
n層:膜厚30nm
中間コンタクト層:窒素含有GZO膜(Ga2O3:0.5質量%)、膜厚80nm
第2セル層 p層:膜厚30nm
i層:膜厚1900nm
n層:膜厚30nm
裏面電極層 :Ag薄膜、膜厚250nm
中間コンタクト層は、Arガス流量に対するN2ガス流量の割合:0〜6%、O2ガス流量比:1%、基板温度120℃、製膜圧力:0.2Pa、RFパワー:4.4W/cm2の条件で製膜した。
モジュール構造は、図3(c)に示すように、1つの接続部に3本の溝(溝10〜12)を形成する構造とした。
【0045】
図10乃至図13に、中間コンタクト層製膜時のN2ガス添加量とモジュール性能との関係を示す。図10乃至図13の横軸は、Arガス流量に対するN2ガス流量の割合である。縦軸は、図10では短絡電流、図11では開放電圧、図12では形状因子、図13では発電効率である。短絡電流はN2ガス添加量の増加とともに減少する。一方、形状因子は、N2ガス添加量3%において極大を示した。形状因子の影響により、発電効率はN2ガス添加量1〜4%において、添加量0%(窒素を含有しないGZO膜)の場合よりも大幅に向上した。
【符号の説明】
【0046】
1 基板
2 透明電極層
3 光電変換層
4 裏面電極層
5 中間コンタクト層
6 太陽電池モジュール
31 非晶質シリコンp層
32 非晶質シリコンi層
33 非晶質シリコンn層
41 結晶質シリコンp層
42 結晶質シリコンi層
43 結晶質シリコンn層
91 第1セル層
92 第2セル層
100 光電変換装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に、2つの発電セル層を備える光電変換層と、前記2つの発電セル層の間に介在する中間コンタクト層とを含む光電変換装置であって、
前記中間コンタクト層が、Ga2O3が添加されたZnOを主成分とし、かつ、窒素原子を含み、
水素プラズマ曝露後の前記中間コンタクト層のシート抵抗が、1kΩ/□以上100kΩ/□以下とされる光電変換装置。
【請求項2】
前記中間コンタクト層が、Ga2O3が添加されたZn1−xMgxO2(0.096≦x≦0.183)を主成分とする請求項1に記載の光電変換装置。
【請求項3】
前記中間コンタクト層が、Ga2O3が添加されたZnOを主成分とする第1層と、
前記第1層の前記基板側と反対側の表面に、Ga2O3が添加されたZnOを主成分とし、かつ、窒素原子を含有する第2層とを備え、
水素プラズマ曝露後の前記第2セル層のシート抵抗が、1kΩ/□以上100kΩ/□以下とされる請求項1または請求項2に記載の光電変換装置。
【請求項4】
前記第2層が、Ga2O3が添加されたZn1−xMgxO2(0.096≦x≦0.183)を主成分とする請求項3に記載の光電変換装置。
【請求項1】
基板上に、2つの発電セル層を備える光電変換層と、前記2つの発電セル層の間に介在する中間コンタクト層とを含む光電変換装置であって、
前記中間コンタクト層が、Ga2O3が添加されたZnOを主成分とし、かつ、窒素原子を含み、
水素プラズマ曝露後の前記中間コンタクト層のシート抵抗が、1kΩ/□以上100kΩ/□以下とされる光電変換装置。
【請求項2】
前記中間コンタクト層が、Ga2O3が添加されたZn1−xMgxO2(0.096≦x≦0.183)を主成分とする請求項1に記載の光電変換装置。
【請求項3】
前記中間コンタクト層が、Ga2O3が添加されたZnOを主成分とする第1層と、
前記第1層の前記基板側と反対側の表面に、Ga2O3が添加されたZnOを主成分とし、かつ、窒素原子を含有する第2層とを備え、
水素プラズマ曝露後の前記第2セル層のシート抵抗が、1kΩ/□以上100kΩ/□以下とされる請求項1または請求項2に記載の光電変換装置。
【請求項4】
前記第2層が、Ga2O3が添加されたZn1−xMgxO2(0.096≦x≦0.183)を主成分とする請求項3に記載の光電変換装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−109011(P2011−109011A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−265173(P2009−265173)
【出願日】平成21年11月20日(2009.11.20)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成21年度 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 新エネルギー技術研究開発 太陽光発電システム未来技術研究開発 高電流型高効率薄膜シリコン太陽電池の研究開発(トップセルおよびミドルセル)委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月20日(2009.11.20)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成21年度 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 新エネルギー技術研究開発 太陽光発電システム未来技術研究開発 高電流型高効率薄膜シリコン太陽電池の研究開発(トップセルおよびミドルセル)委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]