光電発電機の最大電力点を決定する方法
電力/電圧曲線上の最大限検索可能な検索領域内で、光電発電機の下流側に接続された装置により、2つのパラメータ検索電圧及び検索電流のうち少なくとも一つのパラメータの変動により、光電発電機(PV)の最大電力点(MPP)を決定する方法であって、開始電圧及び開始電流を用いて開始電力で開始点(4)を定義することにより初期化するステップ(ステップ100)と、前記検索領域を制限する為に少なくとも2つの制限条件を考慮に入れ、前記検索領域内の前記検索電圧の繰返し変動及び前記検索電流の繰返し変動により、少なくとも1つの検索方向(5,6)において前記最大電力点(MPP)を検索するステップと、前記検索領域を制限する為の前記少なくとも2つの制限条件の1つが満足される場合には前記検索を終了し、あるいは、前記検索領域を制限する為に少なくとも1つの第1制限条件および1つの第2制限条件を考慮に入れ、2つの検索方向において、前記最大電力点(MPP)を検索するステップと、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前段に従う方法に関する。
【0002】
光電発電機(PV=フォトボルタイクス)は、光入力に応じて電気エネルギを発生させる。光電発電機により発生されたDC電圧を公共の供給ネットワークに提供可能にするには、インバータが必要になる。このインバータの動作的制御において、消費される電力を連続して再調整する為に、いわゆる「最大電力点MPPトラッカー」が使用され、光電発電機は、最大電力が消費される”MPP”(最大電力点)で、可能な限り連続して動作される。このため、前記MPPトラッカーは、引き出される電流あるいは電圧を僅かな大きさで変動させ、各々の場合において電流及び電圧の積を計算し、より高い電力の方向にその電流又は電圧値を調整する。I−U特性曲線の求められた最適MPP点は、P−U特性曲線のグローバル最大値を形成する。
【0003】
光電発電機が部分的に影になっている場合、しばしば一つ以上のローカル最大値がP−U特性曲線に生じる。しかしながら、この場合、大抵のMPP追従方法(MPP:最大電力点)が、ローカル最大値とグローバル最大値とを区別することはできない。実用上、影の形成に始まる履歴に依存するが、MPPトラッカーがローカルMPPに着手し、そこで止まる場合、これは、歩留まり損失になる場合がある。
【0004】
取り付けの全動作領域にわたる検索では、エネルギ損失が生じる場合がある。損失は、検索される領域を限定することにより、減少可能である。
【0005】
EP2326200は、最大電力点を決定する方法が開示され、この方法は、ローカル最大値及びグローバル又は絶対最大値を区別することを許容する。検索は、検索領域を制限する為の一つの制限条件を考慮に入れて実施される。この条件を考慮した検索は、決定された電力が以前の最大電力より大きくなると直ぐに終了される。検索は、以前の最大及び決定された電流から計算される幅を有する分離された階段において単一方向で実施される。
【0006】
そのため、本発明の一態様は、光電発電機の最大電力点を決定する為の最適化された方法を提供する。各々の場合において、請求項1及び2の特徴を備える方法は、このために役立つ。
【0007】
この方法により、高い電力点、すなわち、グローバル最大電力点MPPの検索中、検索中に生じる損失が、検索領域を知的に制限することにより、最小限化される。この場合の前提条件は、グローバル最大電力点MPPが、まだ、制限される検索領域内に位置していることである。したがって、定義済み判定基準を使用することによる高電力点の検索は、検索方向が維持される場合、もはや電力増加の見込みが存在しないときには終了されることが意図されている。換言すると、その検索方向は、残りの検索領域において電力増加の見込みがある限り、維持される。以前に動作されたものより電力の大きい電力点が発見されると終わる検索方法と比較すると、これは、電力が更に高い電力点を見つけるオプションを持ち続ける。しかしながら、更なる電力増加の見込みを考慮に入れると、見込みの無い場合に検索は続けられない。光電発電機の動作状態及びPVインバータの技術的データに依存するが、検索期間及び検索中に生じる損失は、この方法だと、部分的にかなり減少される。一例を挙げると、検索は、PV電圧を上下させることにより、達成される。
【0008】
請求項1は、電力/電圧曲線上の最大限に検索可能な検索領域内で、光電発電機(PV)の下流側に接続された装置により、2つのパラメータである検索電圧及び検索電流のうち少なくとも一つのパラメータの変動により光電発電機の最大電力点(MPP)を決定する為の好ましい方法を提供するが、以下のステップを備える。
【0009】
a)開始電圧及び開始電流を用いて開始電力で開始点(4)を定義することにより初期化するステップ(ステップ100)
b)前記検索領域を制限する為に少なくとも二つの制限条件を考慮に入れ、前記検索領域内の前記検索電圧の繰返し変動及び前記検索電流の繰返し変動により、少なくとも一つの検索方向(5,6)において前記最大電力点(MPP)を検索するステップ
c)ステップb)における前記検索領域を制限する為の前記少なくとも二つの制限条件のうちの1つが満足される場合には前記検索を終了するステップ
請求項2は、本発明の他の有利かつ好ましい変形例に従い、電力/電圧曲線上の最大限に検索可能な検索領域内で、光電発電機の下流側に接続された装置の手段により、2つのパラメータ検索電圧及び検索電流のうち少なくとも一つのパラメータの変動により、光電発電機(PV)の最大電力点(MPP)を決定する方法を提供するが、以下のステップを備える。
【0010】
a)開始電圧及び開始電流を用いて開始電力で開始点(4)を定義することにより初期化するステップ
b)前記検索領域を制限する為に少なくとも二つの制限条件を考慮に入れ、前記検索領域内の前記検索電圧の繰返し変動及び前記検索電流の繰返し変動により、少なくとも一つの検索方向(5,6)において前記最大電力点(MPP)を検索するステップ
c)ステップb)における前記検索領域を制限する為の前記少なくとも二つの制限条件のうちの1つが満足される場合には前記検索を終了するステップと、
d)その後、前記検索領域を制限する為に少なくとも一つの第2制限条件を考慮に入れ、前記検索領域内の前記検索電圧の繰返し変動及び前記検索電流の繰返し変動により、第2検索方向において前記最大電力点(MPP)を検索するステップ
e)ステップd)における前記検索領域を制限する為の前記第2制限条件が満足される場合に前記第2検索方向(5,6)において前記検索を終了させるステップ
請求項1に従う方法において、強調されるべき一つの利点は、検索領域を制限する為に更に二つの制限条件を考慮に入れる結果としての特別な効率である。
【0011】
請求項2に従う方法において、強調されるべき一つの利点は、検索領域を制限する為に、2つの検索方向と少なくとも一つ以上の制限条件を考慮に入れる結果としての特別な効率である。
【0012】
必須の変形例ではないが、請求項2に従う一つの好ましい変形例によると、検索領域を制限する為の2つ以上の制限条件が、検索中に考慮に入れられ、更に効率を高める。
【0013】
特に好ましくは、検索領域を制限する為の少なくとも一つの制限条件は、決定済み終了条件、好ましくは、論理的に決定済み終了条件を備えてもよく、これは、検索方向が維持される場合に、電力増加の見込みがあり得ないことを決める。これは、検索が可能な限りはやく終了することを確実にするので、MPP方法の結果として、電力損失を減らす。別の観点から、換言すると、検索方向は、残りの検索領域に電力増加の見込みがある限り、維持される。そのため、電力損失は、ローカルなMPPは不必要に維持されないことが確実なので、同様に減じられる。
【0014】
この場合、検索領域を制限する為の少なくとも一つの制限条件が、検索中に既に達せられた動作状態に与えられたパラメータの評価で決定されている場合、その方法は、現時点で関連する方式で所定の動作状態に常に適合されているため、更に有利である。
【0015】
更に好ましい変形例により、検索領域を制限する為の少なくとも一つ以上の制限条件が、この動作状態における物理的境界条件の為に与えられなければならない複数の境界条件又は一つの境界条件の決定に基づく有力な動作状態において与えられたパラメータの評価で決定されるなら、その変形例は、好都合である。
【0016】
本発明の一つの任意の変形例により、開始点から徐々に繰り返して検索電圧が増加または検索電流が減少される右手検索として、第1検索方向において検索が達成されるなら、その変形例は有利である。
【0017】
更なる任意の変形例によると、開始点から、徐々に繰り返して検索電圧が減少または検索電流が増加される左手検索として第2検索方向で検索が達せられるなら、その変形例は更に有益である。
【0018】
検索領域を制限する為の一つの制限条件が満たされるかという点が、当該方法の進行中に、絶え間なく新たにチェックされるなら、MPP方法は特に有益であり、MPP方法の精度は高める。
【0019】
この場合、検索領域を制限する為の少なくとも一つの制限条件は、検索方向が維持される場合に最小電力がアンダーシュートになることを決める論理的に決定された終了条件を備えてもよい。
【0020】
少なくとも一つの制限条件が、個別的に又は組み合わせて、以下のパラメータのうち一つ以上のパラメータを考慮に入れる終了条件であるなら、好都合である。
【0021】
Upvは、現在の光電発電機の電圧、
Ipvは、現在の光電発電機の電流、
Ppvは、現在の光電発電機の電力、
Pminは、満たされるべき光電発電機の最小電力、
Pmaxは、検索中に以前に見つけられた最大電力、
Isearchは、最大検索電流(又は、最大インバータPV電流)、
Usearchは、最大検索電圧、Pratedは、光電発電機の定格電力、
kiは、係数MPP電流/対応する電池の種類の短絡回路電流、
である。
【0022】
より高い電力点を右手検索中に見つけた後に開始電圧と検索電流の積が最大電力未満または最大電力に等しいなら、左手検索は排除されてもよく、より高い電力点を左手検索中に見つけた後に開始電流と検索電圧の積が最大電力未満または最大電力に等しいなら、右手検索は排除されてもよい。
【0023】
必須ではないが、検索方向は、検索を始める前に選択されるのが好ましい。
【0024】
右手検索は、右手検索で可能な最大電力が左手検索で可能な最大電力より大きい場合に選択されるのが好ましいが、逆も同様である(左手検索は、左手検索で可能な最大電力が右手検索で可能な最大電力より大きい場合に選択されるのが好ましい)。
【0025】
しかしながら、左手検索において可能な最大電力及び右手検索において可能な最大電力が同一であるときにはランダムに検索方向を選択することも考えられる。
【0026】
それぞれに決定される最大電力点、及び/又は、この点での電圧、及び/又は、この点での電流は、保存されるのが好ましい。
【0027】
さらに、最大値が決定された電力に伴う点が、検索終了後に設定されるなら、好都合である。
【0028】
請求項2の対象について、第2検索方向における検索は、検索領域を制限する為の制限条件が満たされるなら、該当する場合には、排除されてもよいことに留意されたい。
【0029】
請求項2において、第1制限条件は、第2制限条件とは異なるのが好ましい。
【0030】
本発明の特に有利な変形例において、検索領域を制限する為の条件は、検索前に既に定義されている。これは、検索を更に簡単にする。
【0031】
更に好ましい変形例において、定義済み最小電力は、検索中にアンダーシュートではない点が考慮に入れられる。これは、例えば、PVインバータの動作に必要な電力が、PVストリングを経てのみ得られるなら、或いは、提供されるべきグリッドを経て得られるなら、有利である。
【0032】
制限された検索領域で、より高い電力点又は最大電力点を検索する為の方法は、とりわけ、既存の追従方法をグローバル最大電力点MPPに積み換える為に、或いは、追従方法の為の開始点を見つける為に利用可能であるが、それ自体も、インバータの実際の追従方法として利用可能である。
【0033】
更なる実施形態において、開始電圧、開始電流、最大検索電圧、最大検索電流は、開始点を定義するときに定義可能である。これらの値は、検索中に更新可能であるが、その結果、検索時間が短縮される。
【0034】
第1検索方向における検索は、検索電圧を上昇させることにより、或いは、検索電流を低下させることにより実施され、第2検索方向における検索は、検索電圧を低下させ、検索電流を上昇させることにより実施される。この場合、上昇及び低下は、連続して、或いは、限定できる手順で達成される。
【0035】
検索領域を制限する為の少なくとも一つの制限条件は、終了条件であり、検索方向が維持される場合に電力増加の見込みが無いなら、その結果、当該方法は既知の方法に比べて短縮化される。
【0036】
更なる効率の増加は、検索を始める前に選択方向が選ばれるなら生じる。これは、例えば、左手検索において最大可能電力及び右手検索において最大可能電力に基づいて、なし得る。そのため、例えば、右手検索における最大可能電力が、左手検索における最大可能電力より大きいなら、右手検索を選ぶことができるが、逆も同様である。最大可能電力において著しい差異が無い場合には、検索方向はランダムに選ぶことができる。該当する場合、選ばれた検索方向において検索を実行した後、反対方向における検索を排除することが可能である。
【0037】
複数の制限条件が互いに組み合わされると、更に好都合である。
【0038】
以下、添付図面を参照して、例示的な実施形態に基づき、本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】図1は、光電発電機の典型的な等価回路図を示す。
【図2】図2は、光電発電機の典型的なPU特性曲線のグラフによる例示を示す。
【図3a】図3aは、グローバル最大電力点MPPに対する検索用電圧の時間的変化の一例に対するグラフによる例示を示す。
【図3b】図3bは、検索中の損失を解明する為の、図3aに対応する電力曲線を示す。
【図4a】図4aは、最大電力点MPPを見つける為の本発明に従う方法の典型的な第1実施形態のフローチャートを示す。
【図4b】図4bは、最大電力点MPPを見つける為の本発明に従う方法の典型的な第2実施形態のフローチャートを示す。
【図5】図5は、右手検索が与える電圧の事前定義を実行する典型的なグラフによる例示を示す。
【図6a】図6aは、電圧の事前定義で、右手検索の為の典型的なフローチャートを示す。
【図6b】図6bは、電流の事前定義で、右手検索の為の典型的なフローチャートを示す。
【図7】図7は、左手検索が与える電圧の事前定義を実行する典型的なグラフによる例示を示す。
【図8a】図8aは、電圧の事前定義で、左手検索の為の典型的なフローチャートを示す。
【図8b】図8bは、電流の事前定義で、左手検索の為の典型的なフローチャートを示す。
【図9】図9は、日陰になっていないIU特性曲線の場合、最大電力点MPPを解明する為のグラフによる例示を示す。
【図10】図10は、電圧の事前定義で、接続されたPV発電機の定格電力を考慮するとき、右手検索を実行する更に典型的なグラフによる例示を示す。
【図11a】図11aは、図10に従う電圧の事前定義で、接続されたPV発電機の定格電力を考慮するときの右手検索の為の典型的なフローチャートを示す。
【図11b】図11bは、図10に従う電流の事前定義で、接続されたPV発電機の定格電力を考慮するときの右手検索の為の典型的なフローチャートを示す。
【図12】図12は、日陰になっていないIU特定曲線の場合、最大電力点MPPを解明する為の更なるグラフによる例示を示す。
【図13】図13は、電圧の事前定義で、接続されたPV発電機の定格電力を考慮するときの左手検索を実行する更に典型的なグラフによる例示を示す。
【図14a】図14aは、図13に従う電圧の事前定義で、接続されたPV発電機の定格電力を考慮するときの左手検索の為の典型的なフローチャートを示す。
【図14b】図14bは、図13に従う電流の事前定義で、接続されたPV発電機の定格電力を考慮するときの左手検索の為の典型的なフローチャートを示す。
【図15】図15は、右手検索中に定義済みの最大電力を確実にする為に検索領域限度を導く為の典型的なグラフによる例示を示す。
【図16】図16は、左手検索中に定義済みの最小電力を確実にする為に検索領域限度を導く為の典型的なグラフによる例示を示す。
【図17】図17は、右手検索の場合に反対方向における検索の排除を解明する為の典型的なグラフによる例示を示す。
【図18】図18は、図17に従う右手検索の為の典型的なフローチャートを示す。
【図19】図19は、左手検索の場合に反対方向における検索の排除を解明する為の典型的なグラフによる例示を示す。
【図20】図20は、図19に従う右手検索の為の典型的なフローチャートを示す。
【図21】図21は、初期の右手検索で、検索方向の選択を解明する為の典型的なグラフによる例示を示す。
【図22】図22は、図21に従う検索方向の選択の場合の典型的なフローチャートを示す。
【図23】図23は、初期の左手検索で、検索方向の選択を解明する為の典型的なグラフによる例示を示す。
【発明の詳細な説明】
【0040】
図1は、発生エネルギの為の設備の典型的な等価回路図を例示する。
【0041】
光電発電機PV(例えば、一つ以上のシリコン太陽電池から成る)は、電流源PVとして例示され、ダイオードD及び抵抗Riと並列に接続されている。その端子には、可変負荷RLが接続されており、可変負荷RLを通じて、PVモジュールの電流Ipvが流れ、可変負荷RLにわたって電圧Upvが降下する。
【0042】
装置−DC/DCコンバータ及びDC/ACインバータから構成され、全体として「インバータ」として明示される−好ましくはアレンジメントは、例えば、可変負荷RLとして光電発電機の下流側に一般的に接続されるが、DC/DCコンバータにおいて、最適動作点または光電発電機PVの電力/電圧特性曲線上の最大電力点MPPは、いわゆるMPPトラッカーまたはMPP追従方法により設定され、これは、好ましくは、DC/DCコンバータを制御するマイクロプロセッサによりDC/DCコンバータで続行されるか実施される。
【0043】
以下、これを詳細に説明する。
【0044】
図2は、光電発電機PVの、典型的な電力/電圧特性曲線、または、略して「PU特性曲線」の概略の例示を示す。日陰になっていない光電発電機PVの定格特性曲線10は、最大値を有する。後者は、最大電力点1MPPとして明示される。
【0045】
PVモジュールまたは光電発電機が部分的に日陰になっている場合、例えば、2つ以上のローカル最大値がPU特性曲線に生じ、例えば、グローバル電力点2MPP及びローカル最大電力点3MPPを有する実際の特性曲線11が生じる。
【0046】
PVモジュールが、それぞれの実際の特性曲線11に従って最大電力点MPPで動作可能になるためには、構成部分として、或いは、サブルーチン又は独立した方法のルーチンとして、いわゆるMPP追従方法を持ち得る動作制御方法が存在する。
【0047】
以下、用語「右手」検索は、開始点から、より高い電圧Upvに向かって、右側領域内のPU特性曲線上で、MPP追従方法を用いた検索を意味するものとして理解されるべきである。この場合、徐々に繰り返しで、或いは連続的に(この点で図5も参照)、検索電圧が増加されるか検索電流が減少される。
【0048】
用語「左手」検索は、開始点から、より低い電圧Upvに向かって、左側領域内の検索を意味するものとして理解されるべきである。この場合、徐々に繰り返して、或いは連続的に、検索電圧が減少するか検索電流が増加される。
【0049】
例えば、慣例的なMPPトラッカーの周期的或いはイベントトリガー型割り込みにより、或いは、より高い最大電力点MPPの為の検索により、MPPトラッカーは、グローバル最大電力点MPP2を決定可能であり、グローバル最大電力点MPP2に移行可能であり、更に、グローバル最大電力点MPP2を設定可能になる。
【0050】
この情勢において指摘されるべきことは、簡単な例示の為に、本発明に従う方法の以下の説明が電圧の事前定義を伴う検索に基づいて記載されている点である。電流の事前定義を伴う検索に関する本発明の概念の対応した実施例も同様に、本発明の概念により包含されることが意図されている。
【0051】
この点で、図3aは、グローバル最大電力点MPPの為の検索に対して、時間tにわたる電圧Upvの変化の、グラフによる例示を示す。
【0052】
このような検索は、最大検索電圧20と最小制限検索電圧26との間で、PV電圧Upvを上下に段階的に或いは勾配を与えることにより、実現可能である。
【0053】
この場合において、より高い電力点が見つかると、そのとき、この検索後に、ターゲット方式で、この電力点に移行させることができる。そのような検索は、減じられた電力での発電機の時間的動作になるので、検索期間、検索回数、検索領域に依存して取得可能なエネルギ歩留まりの損失になる。この失われるエネルギ歩留まりは、時間に対して、図3aに対応する電力Ppvにおいて、図3bに電力損失19として例示されている。
【0054】
図4a及び図4bのフローチャートとして示され、その後、以下に包括的に説明される本発明に従う方法により、より高い電力点の為の、或いはグローバル最大電力点MPPの為の検索中に、電力損失19は、検索領域を聡明に制限することにより最小化される。
【0055】
検索領域の限度は、一般的に、連続してモニタされた終了判別基準が満足されることにより実現可能であるばかりか、当該方法の進行中に達せられるパラメータの所定値によっても実現可能である。
【0056】
図4aは、最大電力点MPPを見つける為の、本発明に従う方法の典型的な第1実施形態のフローチャートを示す。
【0057】
当該方法の第1ステップ100において、検索が開始され、ここで、異なる境界条件、特に開始点が定義される。前記開始点は、最後の検索中に決定された値でもよい。しかしながら、開始点は、図2からのPU特性曲線上の如何なる所でもよく、さらには、算出されてもよい。
【0058】
当該方法の第2ステップ200において、例えば、DC/DCコンバータにおける検索の為に、開始電圧の設定、開始電流の設定のような初期化が実施される。
【0059】
300は、当該方法の第3ステップを明示し、このステップで、検索がプログラムループとして実行される。ここで、少なくとも一つの検索領域限度もチェック或いは作り出され、プログラムループの為の終了条件としてチェックされる。
【0060】
当該方法のステップ400は、見つけられたものを最大電力点MPPに移行すること、更に/又は、それを更なる応用の為に保存することに関連する。
【0061】
最後に、当該方法は、ステップ500で終了される。
【0062】
図4bは、最大電力点MPPを見つける為の、本発明に従う方法の典型的な第2実施形態のフローチャートを表示する。
【0063】
典型的な第1実施形態と比較すると、ここでは、当該方法の追加のステップ250は、検索前に検索領域限度を定義するステップ及び/又は好ましい検索方向を決定するステップに関連する。
【0064】
以下、個別又は部分的に組み合わせて考慮するとき、MPP点の為の検索を簡単に短縮できる、様々な有利な検索領域限度を説明する。
【0065】
より高い電力の可能な範囲のための検索領域限度における原則は、以下のとおりである:
より高い電力点の為の検索中、少なくとも一つ以上の定義済み判別基準を各ステップにおける終了条件として使用する観点で、検索方向が維持される場合、電力増加の見込みがあるかをチェックする。そうでない場合、その後、検索は終了する。
【0066】
右手検索5及び左手検索6の為に、各々の場合において、終了条件の説明が最初になされる。
【0067】
右手検索5における終了条件の導出は、図5を参照して例示されている。
【0068】
ここで、参照符号12を有する曲線は、以前に見つけられた最大電力である。
【0069】
前記曲線12において、PV電圧Upv及びPV電流Ipvから構成され、互いに掛け算される全ての値の組が、同一の電力になる。
【0070】
曲線12は、より高い電力が検索中に見つけられるときに更新される。
【0071】
最大検索電圧20及び最大検索電流30は、検索領域の限界を定め、光電発電機PV、光電発電機PVの下流側に接続されるインバータ(図示せず)の技術的データに依存し、更に、該当する場合、その動作状態にも依存する。
【0072】
ここで例示される開始点4は、グローバル又はローカルな最大電力点MPPでもよく、また、光電発電機PVのIU特性曲線上の任意の点でもよいが、ここでは、点線の実際の特性曲線11として描かれている。
【0073】
実際の特性曲線11とUpvとの交差点は、光電発電機PVの開放回路電圧21を表示し、実際の特性曲線11と軸Ipvとの交差点は、短絡回路電流31である。
【0074】
右手検索5において、開始点4で開始電圧22から着手すると、より高い電力点は、前記電圧の右手側に、位置することしかできない。
【0075】
さらに、より高い電力は、以前に見つけられた最大電力12を有する曲線の上方に位置することしかできない。
【0076】
PVモジュールの場合、或いは、光電発電機の場合、物理的規定のため、電流は、PV電圧が上昇する場合には上昇できず、最大で一定にとどまるはずである。
【0077】
このため、より高い電力点は、現在のPV電流Ipvあるいは現在のPV電流Ipvの下方に位置することしかできない。
【0078】
開始電圧22から着手すると、これは、より高い電力点の為に可能な領域として点線で例示された電力範囲13で生じる。
【0079】
PV電流Ipvが、右手検索5の間、最大検索電圧20と、以前に見つけられた最大電力12を有するラインの交差点(右手検索終点40)における電流以下になると、その後、右手終了電流33及び関連付けられた右手終了電圧23の場合に検索は終了可能になるが、これは、より高い電力の可能領域が達成不能になったからである。
【0080】
これを明らかにするため、日陰になっているPVモジュール又は光電発電機の点線の(未知の)IU特性曲線(実際の特性曲線11)が描かれている。この実施例において、右手検索5の為の検索領域は、開始電圧22から検索電圧20までの電圧範囲の、ほぼ半分まで減少された。
【0081】
電流又は電圧の事前定義の場合、対応する終了条件は、次の通りである。
【0082】
Ipv < Pmax / Usearch (G01)
ここで、
Ipvは現在のPV電流、
Pmaxは検索中に見つけられた最大電力、
Usearchは最大検索電圧(又は、最大追従電圧又は最大インバータPV電圧)、
である。
【0083】
電圧の事前定義が付与された右手検索5の為に、対応するフローチャートが図6aに示されている。より高い電力が見つけられるとき、好ましくは、現在の動作点が設定され、保存される。
【0084】
この場合に有効なものは、以下の通り:
kは、実行指標、
Ipvは、現在のPV電流、
Ppvは、現在のPV電力、
Pmaxは、検索中に見つけられた最大電力、
Usearchは、最大検索電圧(又は、最大追従電圧または最大インバータPV電圧)、
である。
【0085】
ステップ331は、右手検索の開始を明示する。
【0086】
ステップ332は、最大電力Pmaxの初期化を明示し、ここで、開始点Ppv(0)において、Pmax(k)=Ppv(k)である。
【0087】
その後、プログラムループが開始される。
【0088】
ステップ333において、電圧Upvは、その後、一段階、例えば、上昇勾配での一段階のように(最大限に検索電圧20まで)増加される。
【0089】
ステップ335において、現時点において電圧増加により移行されたPmax(k)を、現在決定済みの電力値Ppv(k)と比較することにより、以前に移行された電力点Pmax(k-1)よりも高い電力点が達成されたかを決定する為に、チェックがなされる。
【0090】
Pmax(k) = max (Pmax (k-1 ) , Ppv(k))
その後、次の終了条件が満たされるか、或いは、最大検索電圧20が達せられたかを決定する為に、比較ステップ336でチェックされる。
【0091】
Ipv(k) < Pmax(k) / Usearch(k)
そうでない場合、当該方法は、ステップ333に戻り、電圧が更に増加され、より良い最大電力点MPPが求め続けられる。
【0092】
例示が示すのは、より高い電力が見つけられる場合に現在の動作点が保存されることではない。
【0093】
より高い電力を有する最大電力点MPPが見つけられると、その後、それは、現在の動作点として保存され、更なるステップで移行可能になる。より高いMPPが見つけられることなく、終了条件が満たされるか最大検索電圧20が達せられた場合、その後、以前の或いは最後に見つけられたMPPが維持される。
【0094】
検索は、ステップ338で終了される。
【0095】
電圧の事前定義の代わりに、電流の事前定義も同様に、右手検索5に関しては有効である。
【0096】
図6bにおける電流の事前定義を伴う右手検索5の為の典型的なフローチャートにおいて、これが示されている。
【0097】
この場合に有効なものは、以下の通り:
kは、実行指標、
Ipvは、現在のPV電流、
Ppvは、現在のPV電力、
Pmaxは、検索中に見つけられた最大電力、
Usearchは、最大検索電圧(又は、最大追従電圧または最大インバータPV電圧)、
である。
【0098】
ステップ331において、右手検索が始まる。
【0099】
Pmax(ここで、Pmax(k) = Ppv(k))の初期化は、ステップ332により明記されている。
【0100】
そうすると、可能な掛け算が繰り返される検索プログラムループが開始される。
【0101】
この場合、最初にステップ334において、現在のIpvは、一ステップで減少される。
【0102】
その後、ステップ335において、電力Pmaxが再び決定される:
Pmax(k) = max (Pmax (k-1 ) , Ppv(k))
比較ステップ336では、次の終了条件が満たされるか、或いは、最小検索電流が達せられたかを決定する為にチェックされる。
【0103】
Ipv(k) < Pmax(k) / Usearch(k)
より高い電力を有するMPPが見つけられる場合、その後、それは、現在の動作点として保存され、更なるステップで移行可能になる。より高いMPPが見つけられることなく、終了条件が満たされるか最小検索電流が達せられた場合、その後、以前の或いは最後に見つけられたMPPが維持される。
【0104】
検索は、ステップ338で終了される。
【0105】
図7は、左手検索6における終了条件の導出を説明する為の典型的なグラフによる例示を示す。参照符号12を有する曲線は、また再び、以前に見つけられた最大電力である。
【0106】
この曲線上のPV電圧Upv及びPV電流Ipvから構成される全ての値の対は、互いに掛け算されると、同一の電力をもたらす。この場合も、より高い電力が検索中に見つけられる場合には最大電力12が更新される。最大検索電圧20及び最大検索電流30は、検索領域の限界を定め、光電発電機PVの下流側に接続されるインバータ(図示せず)の技術的データに依存するが、該当する場合、その動作状態に依存する。ここで例示された開始点4は、グローバル最大電力点MPPでもローカル最大電力点MPPでもよいが、光電発電機PVのIU特性曲線上の如何なる点でもよい。
【0107】
左手検索6において、開始点4における開始電圧22から着手すると、より高い電力点は、開始電圧22の左手側に位置することしかできない。
【0108】
さらに、より高い電力点は、以前に見つけられた最大電力12の上方に位置することしかできない。最大検索電流30は、更に、より高い電力の可能な領域を制限する。開始点4における開始電圧22から着手すると、これは、より高い電力点に対する点線方式で例示された可能な電力範囲13になる。左手検索中、最大検索電流30と左手検索終点41で先に見つけられた最大電力12を有するラインとの交差点における電圧以下に、Upvが落ちるとき、その後、検索は、左手終了電圧24の場合に終了可能になる。
【0109】
電流又は電圧の事前定義の場合に、対応する終了条件は、以下のとおりである。
【0110】
Upv < Pmax / Isearch (G02)
ここで、
Upvは、現在のPV電圧、
Pmaxは、検索中に見つけられた最大電力、
Isearchは、最大検索電流(又は、最大インバータPV電流)、
である。
【0111】
この情勢で、検索電圧の為に低い制限を定義することは、更に可能である。
【0112】
このため、図8aは、電圧の事前定義を伴う左手検索の為の典型的なフローチャートを示す。この例示は、より高い電力が見つけられる場合に本発明の動作点が保存されることは示していない。
【0113】
この場合に有効なものは、以下の通り:
kは、実行指標、
Upvは、現在のPV電圧、
Ppvは、現在の電力、
Pmaxは、検索中に見つけられた最大電力、
Isearchは、最大検索電流(又は、最大インバータPV電流)、
である。
【0114】
ステップ361において、左手検索が開始する。ステップ362は、Pmax(ここで、Pmax(k) = Ppv(k))の初期化を示す。
【0115】
その後、可能な掛け算が繰り返されるループ内のステップ363にて、電圧Upvは、例えば最小検索電圧まで一定の勾配において、k段階で減少される。
【0116】
ループを繰り返す間、Pmaxは、その後、各々の場合において、以下の通り、ステップ365で決定される。Pmax(k) = max (Pmax (k-1 ) , Ppv(k) )
比較ステップ366では、以下の通り、終了条件がチェックされる。
【0117】
Upv(k) < Pmax(k) / Isearch(k)
また、最小検索電圧が達成されたかを決定する為にも、チェックがなされる。そうでない場合、当該方法は、ステップ363に戻り、電圧が更に減少される。
【0118】
より高い電力を有するMPPが見つけられる場合、その後、それが、現在の動作点として保存され、更なるステップで移行可能になる。より高いMPPが見つけられることなく、終了条件が満たされるか最小検索電圧が達せられた場合、その後、以前の或いは最後に見つけられたMPPが維持される。
【0119】
検索は、ステップ368で終了される。
【0120】
電圧の事前定義の代わりに、電流の事前定義も同様に、左手検索に関しては有効である。図8bにおける電流の事前定義を伴う左手検索の為の典型的なフローチャートにおいて、これが示されている。
【0121】
ここでも有効なものは、以下の通り:
kは、実行指標、
Ipvは、現在のPV電流、
Ppvは、現在の電力、
Pmaxは、検索中に見つけられた最大電力、
Usearchは、最大検索電圧(又は、最大追従電圧または最大インバータPV電圧)、
である。
【0122】
左手検索は、ステップ361で始まる。Pmax(ここで、Pmax(k) = Ppv(k))の初期化は、ステップ361により明記されている。
【0123】
その後、ループ364において、電流Ipvがk段階で増加、すなわち、最大検索電流30まで一定の勾配で増加される。各々の場合でのループ内のステップ365において、以下の通り、Pmaxが再び決定される。Pmax(k) = max (Pmax (k-1 ) , Ppv(k))
ループ内の比較ステップ367では、その後、当該ループの終了条件である
Upv(k) < Pmax(k) / Isearch(k)
が満たされるか、或いは、最大検索電流30が達せられたかを決定する為にチェックがなされる。
【0124】
より高い電力を有する最大電力点MPPが見つけられる場合、その後、それは、現在の動作点として保存され、更なるステップで移行可能になる。より高い最大電力点MPPが見つけられることなく、終了条件が満たされるか最大検索電流30が達せられた場合、その後、以前の或いは最後に見つけられた最大電力点MPPが維持される。
【0125】
ステップ368において、左手検索が終わる。
【0126】
検索領域の更なる限度は、接続されるストリングの定格電力により有効化され得る。
【0127】
IU特性曲線のプロファイルのため、最大検索電流30が最大検索電圧20の場合に流れることは物理的に不可能であり、逆も同様である。検索されるべきストリングに接続された光電発電機の全負荷における最大電力または定格電力が既知の場合、その時、最大検索電圧20及び最大検索電流30は、この情報に基づき、予め減少可能になる。定格電力に基づき決定される新たな制限値、この場合、(詳細に後述される)定格検索電圧25として明示される最大検索電圧と、(ここでは、定格検索電流35として明示される)対応して決定される最大検索電流は、そうすると、前述された決定済み終了条件の下に使用可能になる。この方法は、最大電力付近で、関連ストリングの主な動作中に検索領域を更に制限する。定格電力に関する情報は、例えば、施設運営者により、或いは、取り付け技術者により、直接的に事前定義可能であり、関連ストリングの動作データから決定可能である。最大許容ストリング電力が、最大(定格)検索電流により掛け算される最大(定格)検索電圧未満であるインバータにおいて、代替え的に、関連ストリングに接続された定格電力の代わりに最大許容ストリング電力を使用することも可能である。
【0128】
最初に、右手検索5を説明する。
【0129】
日陰になっていないPVモジュールまたは定格動作の光電発電機が最初に前提とされる場合、そうすると、この場合は検索が有効化されなければならない最大電圧は以下のように算出される。
【0130】
Usearch = Prated/ Impp (G03)
ここで、
Usearchは、最大検索電圧、
Prated は、検索されるべきストリングに接続された光電発電機の定格電力、
Imppは、最大電力点におけるPV電流、
である。
【0131】
しかしながら、このアプローチは、定格動作であり、かつ、日陰になっていない光電発電機を用いた場合にのみ有効である。
【0132】
図9は、日陰になっていないIU特性曲線の場合、最大電力点MPPを解明する為のグラフによる例示を示すが、ここでも、定格特性曲線10として明示されている。参照符号12は、最大電力点1がある一定の電力の曲線を表示する。
【0133】
全体的に有効な公式を得る為に、電流Imppは、検索前に電流により置換されなければならない。後者は、最大限、接続される光電発電機の短絡回路電流31である。この場合、最大電力点(最大電力点MPP)1にて関連付けられた電流は、例えばシリコン電池の場合、通常、短絡回路電流31の概略90%であり、参照符号35を伴う定格検索電流として、図9に表示されている。検索の如何なる開始点でも有効な全体的に有効な式を得る為に、この場合が公式化されなければならない。シリコン電池に対しては、以下のようになる:
U'search = Prated / (Istart * 0.9) (G04)
ここで、
U'search は、定格電力に対する最大検索電圧、
Pratedは、検索されるべきストリングに接続される光電発電機の定格電力、
Istartは、検索前のPV電流Ipv、
である。
【0134】
電池の種類に依存しないと、以下のようになる:
U'search := Prated / (Istart * ki) (G05)
ここで、
U'searchは、定格電力に対する最大検索電圧、
Pratedは、検索されるべきストリングに接続される光電発電機の定格電力、
kiは、例えば、係数(MPP電流/対応する電池の種類の短絡回路電流)、
Istart は、検索前のPV電流Ipv、
である。
【0135】
この式は、一般的に有効である。弱い照射の場合、例えば、日陰になっているPVモジュールまたは光電発電機の場合、短絡回路電流31,または、検索開始前の電流は、対応して減少する。そうすると、最大検索電圧は、対応して増大され、定格動作における最大電力点MPP1の右手側にあり、その結果として生じるMPPが、同様に見つけられる。
【0136】
最大検索電圧Usearchより大きい定格電力U’searchに対する最大検索電圧の増大を避ける為に、U’search及びUsearchの最小値は、終了条件(G01)に挿入されるべきである。
【0137】
そのため、拡大終了条件は、以下のようになる:
Ipv < Pmax / min (U ' search, Usearch) (G06)
Ipv < Pmax / min(Prated / (Istart * ki), Usearch) (G07)
ここで、
Ipv は、現在のPV電流、
Pmax は、検索中に見つけられた最大電力、
Usearchは、最大検索電圧(または最大追従電圧または最大インバータPV電圧)、
U ' search は、定格電力に対する最大検索電圧、
Prated は、検索されるべきストリングに接続される光電発電機の定格電力、
ki は、例えば、係数(MPP電流/対応する電池の種類の短絡回路電流)、
Istart は、検索前のPV電流、
である。
【0138】
接続されるPVモジュール又は光電発電機の定格電力の為の検索領域の限度は、グラフにより図10に例示されている。光電発電機の接続される定格電力から算出される最大検索電圧のために、前記検索電圧は定格検索電圧25として明示され、より高い電力の可能な範囲が、例示された場合には更に制限される。以前の右手検索終点40の前で左にある右手検索終点40’において、定格検索電圧25が最大電力12と交差するという事実により、これが認識可能になる。その後、最大電力12のプロファイルの為、検索が終了される電流は、より高くなる。そのため、検索領域は、同様に、更に制限されてきた。開始電流は、32により明示され、参照符号23は、その更に左にある右手終了電圧を表示する。
【0139】
任意の変形例において、ここで言及された検索領域限度及び終了条件の全てを導出するとき、最善状態の電流が右手検索の継続の際に一定になる(又は減少する)という公式化された前提を変形することも可能である。一つの単純な変形例は、一定の電流の代わりに、電圧が上昇するときに線形的に電流が増加する電流プロファイルを前提とすることにより与えられる。同一の変形例は、電圧に対しても、同様に実施可能である。この場合、傾斜の大きさは、電流Ipvの傾斜に対して係数m_Ipv、電圧Upvの傾斜に対してm_Upvにより明示される。その後、前述された条件G01,G02は、以下のように変形される:
Ipv < Pmax / Usearch + m_Ipv * (Usearch - Upv) (G01 ' )
Upv < Pmax / Isearch + l/m_Upv * (Isearch - Ipv) (G02 ' )
概念を変形することについての一般化において、一定の電流の前提が、所望のモデル電流プロファイルにより置き換えられる。この場合、モデル電流プロファイルImodel(U)は、持続される検索電圧の関数としての電流予測、すなわち、(より高い)電圧Uが得られる際に少なくとも電流Ipvが落ちる電流値に対する経過予想(prognosis)を定義する。プロファイルImodel (U)は、例えば、光電発電機PVの典型的な理想特性曲線から決定可能、或いは、理想PV発電機の並列抵抗或いは直列抵抗のようなパラメータに基づいてモデルプロファイルにより決定可能である。この一般化の場合、右手検索5は、UpvとUsearch(又はUsearch')との間に何も電圧値Uintermediateが存在しないときに終了され、そのために有効なものは以下の通りである。
【0140】
Pmax < Uintermediate* Ipv* Imodel (Uintermediate ) / Imodel (Upv) (G01")
次の変形された終了判別基準は、以下のように、類似的に左手検索にも使用可能である。
【0141】
Upv < Pmax / Isearch * Imodel (U=0) / Imodel (Upv) (G02")
ここで、
Ipvは、現在のPV電流、
Pmaxは、検索中に見つけられる最大電力、
Usearchは、最大検索電圧(又は最大追従電圧又は最大インバータPV電圧)、
Imodel (U)は、電圧Uの関数としてのモデル電流プロファイル、
m_Ipvは、電圧が上昇したときに前提とされた電流が減少するときの線形係数、
m_Upvは、電流が上昇するときに前提とされた電圧が減少するときの線形係数、
である。
【0142】
さらに、このケースは、検索中、発電機特性曲線の一部が達成されるときに生じ得るが、ここでは、より高い発電機電力値の理論的な取得可能性に未だ余裕があるが、そのため、決められた終了判別基準は、未だ満たされていない。しかしながら、可能な動作点が既に達せられた電力の僅かだけ上方にある場合、動作点が検索領域の縁の近傍にある場合、或いは、動作点の存在の蓋然性が単に低い場合、それにも拘わらず、検索が、そのような状況で更に続けられないことが望ましいであろう。これを実現する為の一つの可能性は、既に達せられた電力Pmax、例えば、大きさ又は係数により増加された電力値Pmax'の代わりに、説明された終了判別基準で使用することである。この場合、左手検索又は右手検索は、対応して早期に、すなわち、検索の持続の際に実現されるべき増加された電力値に対し、左手検索又は右手検索が不可能になったときに終了される。
【0143】
図11aは、右手検索5に対する電圧の事前定義(図示せず:より高い電力が見つけられる場合に、現在の動作点が保存される)の場合のフローチャートを示す。
【0144】
このフローチャートで有効なものは、以下の通り:
Ipvは、現在のPV電流、
Ppvは、現在のPV電圧、
Pmaxは、検索中に見つけられる最大電力、
Usearchは、最大検索電圧(または、最大追従電圧又は最大インバータPV電圧)、
Pratedは、検索されるべきストリングに接続される光電発電機の定格電力、
kiは、例えば、係数(MPP電流/対応する電池の種類の場合の短絡電流、
Istartは、検索前のPV電流、
である。
【0145】
ステップ331とともに、右手検索が開始する。Pmaxの初期化(ここで、Pmax(k) = Ppv(k))は、ステップ332で明記されている。その後、ループ内のステップ333にて、例えば最大限に検索電圧20まで一定の勾配において、k段階で電圧Upvが増加される。
【0146】
ステップ335にて、各々の場合に、Pmaxが以下のように決定される。
【0147】
Pmax(k) = max (Pmax (k-1 ) , Ppv(k))
比較ステップ336では、以下の終了条件が満たされるか、或いは、最大検索電圧20が得られたか決定される為のチェックがなされる。
【0148】
Ipv < Pmax / min(Prated / (Istart * ki), Usearch)
そうでない場合、当該方法は、ステップ333に戻り、電圧は更に増加される。より高い電力を有するMPPが見つけられる場合、その後、それは、現在の動作点として保存され、後のステップで移行可能になる。より高いMPPが見つけられることなく、終了条件が満たされるか最大検索電圧20が達せられた場合、その後、見つけられたものが、以前の或いは最後のMPPに移行される。
【0149】
検索は、ステップ338で終了される。
【0150】
対応するフローチャートは、電流の事前定義を伴う右手検索5の為に図11bに例示されるように、電流の事前定義において生じる(この例示は、より高い電力が見つけられる場合に、現在の動作点が保存されることを示していない)。
【0151】
この場合に有効なものは、以下の通り:
Ipvは、現在のPV電流、
Ppvは、現在のPV電圧、
Pmaxは、検索中に見つけられる最大電力、
Usearchは、最大検索電圧(または最大追従電圧又は最大インバータPV電圧)、
Pratedは、検索されるべきストリングに接続される光電発電機の定格電力、
kiは、例えば、係数(MPP電流/対応する電池の種類の場合における短絡電流、
Istartは、検索前のPV電流、
である。
【0152】
ステップ331は、右手検索の開始を表示する。ステップ332において、Pmaxの初期化(ここで、Pmax(k) = Ppv(k))が明記されている。その後、ステップ334において、電流Ipvは、例えば、最小検索電流まで一定の勾配で、k段階で減少される。
【0153】
ステップ335において、Pmaxは、以下のように決定される:
Pmax(k) = max (Pmax (k-1) , Ppv(k) )
比較ステップ340では、以下の終了条件が満たされるか、最小検索電流が達せられたかを決定する為のチェックがなされる。
【0154】
Ipv < Pmax / min(Prated / (Istart * ki), Usearch)
そうでない場合、当該方法はステップ334に戻り、電圧が更に増加される。
【0155】
より高い電力を有するMPPが見つけられる場合、その後、それは、現在の動作点として保存され、更なるステップで移行可能になる。より高いMPPが見つけられることなく、終了条件が満たされるか最小検索電流が達せられた場合、その後、以前の或いは最後に見つけられたMPPが維持される。
【0156】
検索は、ステップ338で終了される。
【0157】
以下、左手検索6を説明する。
【0158】
日陰になっていないPVモジュール又は定格動作における光電発電機が、再び、最初に前提とされる場合、そうすると、この場合は検索が有効化されなければならない最大電流は以下のように算出される:
Isearch = Prated/Umpp
ここで:
Isearchは、最大検索電流、
Pratedは、検索されるべきストリングに接続される光電発電機の定格電力、
Umppは、最大電力点でのPV電圧、
である。
【0159】
しかしながら、このアプローチは、定格動作であり、かつ、日陰になっていない光電発電機を用いた場合にのみ有効である。図12は、日陰になっていないIU特性曲線(定格特性曲線10)の場合、最大電力点MPP1を解明する為にグラフによる例示を示す。参照符号12は、最大電力点MPP1がある最大電力曲線を表示する。一般的に有効な式を得るために、電圧Umppは、検索前の電圧により置き換えられなければならない。後者は、最大限に、接続された光電発電機の開放回路電圧21になり得る。この場合、最大電力点にて関連付けられた電圧は、シリコン電池の場合、例えば、通常、開放電圧の概略80%であり、ここでは、定格検索電圧25として表示されている。検索の如何なる開始点に対しても有効な一般的に有効な式を得る為に、この場合を公式化することができる。
【0160】
シリコン電池の実施例に対しては、以下の通りである:
I 'search = Prated / (Ustart * 0.8) (G08)
ここで、
I ' searchは、定格電力に対する最大検索電流、
Pratedは、検索されるべきストリングに接続される光電発電機の定格電力、
Ustartは、検索前のPV電圧、
である。
【0161】
セルの種類に依存しないと、以下の通りである:
I ' search = Prated / (Ustart * ku) (G09)
ここで、
I ' searchは、定格電力に対する最大検索電流、
Pratedは、検索されるべきストリングに接続された光電発電機の定格電力、
kuは、例えば、係数(MPP電圧/対応する電池の種類の場合における開放ー回路電圧)、Ustartは、検索前のPV電圧、
である。
【0162】
この式は、広く使用可能である。例えば、弱い照射の場合、或いは、日陰になっているPVモジュール又は光電発電機の場合、短絡−回路電流31,又は、検索開始前の電流は、対応して減少する。接続された定格電力に対して、ここで算出された電流I ' searchは、その後、最大電力点において実際の電流の上方にある。
【0163】
最大検索電流Isearchより大きい定格電力I’searchに対する最大検索電流の拡大を避ける為に、Isearch及びI’searchの最小値は、終了条件(G02)に挿入されるべきである。
【0164】
拡大された終了条件は、以下の通りである:
Upv < Pmax / min ( I ' search,Isearch) (G10)
Upv < Pmax / min (Prated / (Ustart* ku) , Isearch) (G11)
この場合、有効なものは以下の通り:
Upvは、現在のPV電圧、
Pmaxは、検索中に見つけられる最大電力、
Isearchは、最大検索電流(又は最大インバータPV電流)、
I ' searchは、定格電力に対する最大検索電流、
Pratedは、検索されるべきストリングに接続された光電発電機の定格電力、
kuは、例えば係数(MPP電圧/対応する電池の種類の場合における開放−回路電圧、Ustartは、検索前のPV電圧、
である。
【0165】
接続されたPVモジュール又は光電発電機の定格電力の為の検索領域の限度は、左手検索6に対し、グラフにより図13に例示されている。光電発電機の接続された定格電力から算出された最大検索電流のため、より高い電力の可能な範囲は、例示された場合に更に制限される。そのため、対応する検索領域は、同様に更に制限された。以前の左手終点41の下方にある左手検索終点41’において、定格検索電流35が最大電力12と交差するという点で、これが認識可能になる。開始点4における開始電圧は、22により明示されており;参照符号24は、左点終了電圧を表示する。
【0166】
電圧の事前定義の場合(この例示は、より高い電力が見つけられる場合に、現在の動作点が保存されることを示していない)、左手検索6の為に図14aに示されていることが、対応するフローチャートに示されている。
【0167】
ここで、
Upv は、現在のPV電圧、
Ppvは、現在のPV電力、
Pmaxは、検索中に見つけられた最大電力、
Isearchは、最大検索電流(又は、最大インバータPV電流)、
Pratedは、検索されるべきストリングに接続された光電発電機の定格電力、
kuは、例えば係数(MPP電圧/対応する電池の種類の場合における開放−回路電圧、Ustartは、検索前のPV電圧、
である。
【0168】
ステップ361で、左手検索が始まる。ステップ362において、Pmaxの初期化(ここで、Pmax(k) = Ppv(k))が明記されている。ステップ363で、電圧Upvがk段階で、例えば、最小検索電圧まで一定の勾配で減少される。ステップ365で、Pmaxが以下のように決定される。Pmax(k) = max (Pmax (k-1 ) , Ppv(k))
比較ステップ370では、以下の終了条件が満たされるか、最小検索電流が達せられたかを決定する為のチェックがなされる。Upv < Pmax / min (Prated / (Ustart * ku) , Isearch)
そうでない場合、当該方法はステップ363に戻り、電圧が更に減少される。
【0169】
より高い電力を有するMPPが見つけられる場合、その後、それは、現在の動作点として保存され、更なるステップで移行可能、或いは、更なるステップで設定される。より高いMPPが見つけられることなく、終了条件が満たされるか最小検索電圧が達せられた場合、その後、以前の或いは最後に見つけられたMPPが維持される。
【0170】
検索は、ステップ368で終了される。
【0171】
図14bに例示されるように、電流事前定義の場合には(より高い電力が見つけられる場合に現在の動作点が保存されることは例示されていない)対応するフローチャートが生じる。
【0172】
このフローチャートには、次の用語が使用されている。
【0173】
Upvは、現在のPV電圧、
Ppvは、現在のPV電力、
Pmaxは、検索中に見つけられる最大電力、
Isearchは、最大検索電流(又は、最大インバータPV電流)、
Pratedは、検索されるべきストリングに接続される光電発電機の定格電力、
kuは、例えば、係数(MPP電圧/対応する電池の種類の場合における開放−回路電圧、
Ustartは、検索前のPV電圧、
である。
【0174】
ステップ361において、左手検索が始まる。ステップ362で、Pmaxの初期化(ここで、Pmax(k) = Ppv(k))が有効化される。ステップ364に伴い、検索電流Ipvは、k段階で、例えば、最大検索電流まで一定の勾配で増加される。
【0175】
ステップ365で、Pmaxが以下のように決定される。
【0176】
Pmax(k) = max (Pmax (k-1) , Ppv(k) )
比較ステップ369では、以下の終了条件が満たされるか、最大検索電流(例えば、20)が達せられたかを決定する為のチェックがなされる。
【0177】
Upv < Pmax / min (Prated / (Ustart * ku), Isearch)
そうでない場合、当該方法はステップ364に戻り、検索電流が更に増加される。より高い電力を有するMPPが見つけられる場合、その後、それは、現在の動作点として保存され、更なるステップで移行可能、或いは、更なるステップで設定される。より高いMPPが見つけられることなく、終了条件が満たされるか最大検索電流が達せられた場合、その後、以前の或いは最後に見つけられたMPPが維持される。
【0178】
検索は、ステップ368で終了される。
【0179】
検索中、定義済み最小電力14がアンダーシュートでないことを確実にするため、どのように検索領域が更に制限可能であるかを以下に説明する。PVインバータを動作させる為に必要な電力がPVストリングにより得られるだけであり、更に、供給されるべきグリッドにより得られることが意図されないか得られないとき、これは主に必要である。検索中にインバータを動作させる為に必要な最小電力14のアンダーシュートは、その後、インバータの瞬間的故障を導く可能性がある。この場合、最大検索電流又は最大検索電圧を減少すること、あるいは、最小検索電流又は最小検索電圧を上昇させることにより、限度が有効化されるが、終了条件によっては有効化されない。
【0180】
最初に、右手検索5を説明する。
【0181】
終了条件(G01)及び(G02)と組み合わせた右手検索中に定義済み最小電力14がアンダーシュートにならないことを確実にするため、該当する場合、現在の動作点に依存しつつ、検索可能な領域が追加で制限される。
【0182】
電圧の事前定義の場合の式が最初に導かれ、その後、電流の事前定義の場合の式が導かれる。
【0183】
電圧の事前定義(右手検索用終了判別基準との組合せ専用):
一般的に、常に意図されていることは、現在の電力が最小電力より大きいことを確実にする点である:
Upv * Ipv >= Pmin
ここで、
Upvは、現在のPV電圧、
Ipvは、現在のPV電流、
Pminは、検索中の最小許容電力
である。
【0184】
右手検索中、以下の場合、検索は遅くとも終了される。
【0185】
Ipv < Pmax / Usearch
ここで、
Ipvは、現在のPV電流、
Pmaxは、以前に見つけられた最大電力、
Usearchは、最大検索電圧(又は、最大追従電圧又は最大インバータPV電圧)、
である。
【0186】
これにより、PV電流は、以前に見つけられた電力を最大検索電圧で割った値より大きいか、等しくなる:
Ipv >= Pmax / Usearch
ここで、
Ipvは、現在のPV電流、
Pmaxは、以前に見つけられた最大電力、
Usearchは、最大検索電圧(又は、最大追従電圧又は最大インバータPV電圧)、
である。
【0187】
そのため、PV電流は、以前に見つけられた電力を最大PV検索電圧で割った値と少なくとも等しくなる。これが、前述した第1の式に挿入されると、以下のようになる。
【0188】
Upv * Pmax / Usearch >= Pmin
ここで、
Upvは、現在のPV電圧、
Pmaxは、以前に見つけられた最大電力、
Usearchは、最大検索電圧(又は、最大追従電圧又は最大インバータPV電圧)、
Pminは、検索中の最小許容電力、
である。
【0189】
現在の電圧、最小許容電力、以前に見つけられた最大電力により、最大許容検索電圧を算出しようとすると、以下のようになる。
【0190】
U" search = Upv * Pmax / Pmin (G12)
ここで、
Upvは、現在のPV電圧、
Pmaxは、以前に見つけられた最大電力、
U"searchは、定義済み最小電力を考慮に入れた最大検索電圧、
Pminは、検索中の最小許容電力、
である。
【0191】
最大検索電圧Usearchを考慮に入れると、最大検索電圧は以下のようになる。
【0192】
最大検索電圧=min (U" search, Usearch) (G13)
最大検索電圧=min (Upv * Pmax / Pmin, Usearch) (G14)
ここで、
U"searchは、定義済み最小電力を考慮に入れた最大検索電圧、
Usearchは、最大検索電圧(又は、最大追従電圧又は最大インバータPV電圧)、
Upvは、現在のPV電圧、
Pmaxは、以前に見つけられた最大電力、
Pminは、検索中の最小許容電力、
である。
【0193】
前述した最大検索電圧は、検索中、電圧の事前定義の為の制限値として観念的には使用されるべきである。しかしながら、検索領域を制限する為に、これを前述した終了条件に挿入可能である。前述した最大検索電圧を、新たに、各ステップ毎に算出する。
【0194】
電圧の事前定義の為に特定された式も同様に、終了条件として使用可能であり、電流の事前定義の場合には検索領域の限度として使用可能である。
【0195】
右手検索の為の、更には、電流の事前定義の場合の、対応した限度の導出は、図15を参照して、以下に例示される。
【0196】
検索中に許容される最小電力14は、一定電力の湾曲線として描かれている。右手検索5の間、PVモジュールの電圧Upv又は光電発電機のUpvは、物理的な指導原理の為に減少できない。そのため、右手検索中に最小許容電流を算出する為に、電圧Upvは、(最悪の場合)一定とみなさなければならない。そのとき、後者は、最小許容電力上に垂直に突出可能である。開始電流32を用いて現在の動作点4から着手する交差点の制限検索電流42における電流は、事前定義済み最小電力14がアンダーシュートされることが許容されないなら、右手検索5の間の最小許容電流である。以下のように算出される。
【0197】
I"searchmin = Pmin / Upv (G15)
ここで、
I"searchminは、定義済み最小電力を考慮に入れた最小検索電流、
Pminは、検索中の最小許容電力、
Upvは、現在のPV電圧、
である。
【0198】
検索中の最小検索電流に対して追加で定義された制限を考慮に入れると、右手検索中の所望値に対し、以下のようになる。
【0199】
最小検索電流=max ( I " searchmin, Imin) (G16)
最小検索電流=max (Pmin / Upv, Imin) (G17)
ここで、
I"searchminは、定義済み最小電力を考慮に入れた最小検索電流、
Iminは、最小電流に対して追加で定義された制限、
Pminは、検索中の最小許容電力、
Upvは、現在のPV電圧、
である。
前述した最小検索電流は、検索中、電流の事前定義の為の制限値として観念的には使用されるべきであり、制限検索電流36として明示される。新たに、各ステップ毎に算出する。
【0200】
電流の事前定義の為に特定された式も同様に、終了条件として使用可能であり、電圧の事前定義の場合には検索領域の限度として使用可能である。
【0201】
左手検索6の間、定義済み最小電力14がアンダーシュートでないことを確実にするため、該当する場合、現在の動作点に依存しつつ、検索可能な領域が追加で制限される。このため、該当する場合、検索中に最小許容電圧が上昇される。
【0202】
電圧の事前定義の場合の式が最初に導びれ、その後、電流の事前定義の場合の式が導びかれる。
【0203】
以下、左手検索6の為に対応した限度の導出が、図16を参照して例示される。
【0204】
検索中に許容された最小電力14は、一定電力の湾曲線として描かれている。左手検索6の間、PVモジュールの電流Ipvあるいは光電発電機の電流Ipvは、物理的指導原理のため、減少できない。そのため、左手検索6の間の最小許容電圧を算出する為に、(最悪の場合)電流Ipvは一定とみなされなければならない。その後、現在の電流は、最小許容電力上に垂直に突出可能になる。現在の動作点4から着手する交差点制限検索電圧43における電圧は、事前定義済み最小電力がアンダーシュートされることが許容されないなら、左手検索中の最小許容電圧(制限検索電圧26)である。それは、次のように算出される:
U"searchmin = Pmin / Ipv (G18)
ここで、
U"searchminは、定義済み最小電力を考慮に入れた最小検索電圧、
Pminは、検索中の最小許容電力、
Ipvは、現在のPV電流、
である。
【0205】
検索中の最小検索電圧に対して追加で定義された制限を考慮に入れると、左手検索中の所望値に対し、以下のようになる。
【0206】
最小検索電圧=max (U" searchmin, Umin) (G19)
最小検索電圧=max (Pmin / Ipv, Umin) (G20)
ここで、
U"searchminは、定義済み最小電力を考慮に入れた最小検索電圧、
Uminは、追加で定義された最小電圧に対する制限、
Pminは、検索中の最小許容電力、
Ipvは、現在のPV電流、
である。
【0207】
前述した最小検索電圧(制限検索電圧26)は、検索中、電圧の事前定義の為の制限値として観念的には使用されるべきである。新たに、各ステップ毎に算出する。
【0208】
電圧の事前定義の為に特定された式も同様に、終了条件として使用可能であり、電流の事前定義の場合には検索領域の限度として使用可能である。
【0209】
電流の事前定義(左手検索に対する終了判別基準との組合せ専用)
一般的に常に意図されていることは、現在の電力が最小電力より大きいことを確実にすることである。
【0210】
Upv * Ipv >= Pmin
ここで、
Upvは、現在のPV電圧、
Ipvは、現在のPV電流、
Pminは、検索中の最小許容電力、
である。
【0211】
左手検索6の間、検索は、遅くとも、以下の場合に終了される。
【0212】
Upv < Pmax / Isearch
ここで、
Upvは、現在のPV電圧、
Pmaxは、以前に見つけられた最大電力、
Isearchは、最大検索電流(又は最大インバータPV電流)、
である。
【0213】
これにより、PV電圧は、以前に見つけられた電力を最大検索電流で割った値より大きいか、等しくなる:
Upv >= Pmax / Isearch
ここで、
Upvは、現在のPV電圧、
Pmaxは、以前に見つけられた最大電力、
Isearchは、最大検索電流(又は最大インバータPV電流)、
である。
【0214】
そのため、PV電圧は、以前に見つけられた電力を最大PV検索電流で割った値に等しくなる。これを最初に述べた式に挿入すると、次のようになる。
【0215】
Pmax / Isearch * Ipv >= Pmin
ここで、
Ipvは、現在のPV電流、
Pmaxは、以前に見つけられた最大電力、
Isearchは、最大検索電流(又は最大インバータPV電流)、
Pminは、検索中の最小許容電力、
である。
【0216】
ここで、現在の電流、最小許容電力及び以前に見つけられた最大電力に従って最大許容検索電流を算出しようとすると、次のようになる。
【0217】
I "search = Ipv * Pmax / Pmin (G21)
ここで、
Ipvは、現在のPV電流、
Pmaxは、以前に見つけられた最大電力、
I"searchは、定義済み最小電力を考慮に入れた最大検索電流、
Pminは、検索中の最小許容電力、
である。
【0218】
最大検索電流Isearchを考慮に入れると、最大検索電流は以下のようになる。
【0219】
最大検索電流=min ( I " search, Isearch) (G22)
最大検索電流=min(Ipv * Pmax/Pmin, Isearch) (G23)
ここで、
I"searchは、定義済み最小電力を考慮に入れた最大検索電流、
Isearchは、最大検索電流(又は最大インバータPV電流)、
Ipvは、現在のPV電流、
Pmaxは、以前に見つけられた最大電力、
Pminは、検索中の最小許容電力、
である。
【0220】
前述した最小検索電流は、検索中、電流の事前定義(制限検索電流36)の為の制限値として観念的には使用されるべきである。しかしながら、検索領域を制限する為に。これを前述した終了条件に挿入することができる。前述した最大検索電流は、新たに、各ステップ毎に算出される。
【0221】
電流の事前定義の為に特定された式も同様に、終了条件として使用可能であり、電圧の事前定義の場合には検索領域の限度として使用可能である。
【0222】
以下、反対方向における検索の排除の為の説明である。
【0223】
より高い電力点が検索中に見つかると、その後、(該当する場合には)反対方向における検索が排除可能である。
【0224】
右手検索の場合に、反対方向における検索が排除可能であるかの決定は、図17を参照して導かれる。PV発電機又はPVモジュールのIU特定曲線(実際の特性曲線11)における最大勾配から着手すると、PV電圧Upvは、PV電流Ipvが上昇されるとき、最大で一定になる。そのため、最大検索電流30と組み合わせて、左手検索中の最大可能電力は、次のように算出可能である。
【0225】
左手検索中の最大可能電力=Ustart * Isearch
ここで、
Ustartは、検索前のPV電圧(開始電圧22)
Isearchは、最大検索電流30、
である。
【0226】
右手検索5の間に見つけられた電力(見つけられたグローバル最大電力点MPP2における右手最大電力)が左手検索中の可能な左手最大電力18を超えると、その後、左手検索は排除可能である。この場合、検索前の開始点4は、グローバル又はローカル最大電力点MPPでもよく、IU特性曲線上の任意の点又は実際の特性曲線11上の任意の点でもよい。
【0227】
左手検索6が排除可能であることに対する対応条件は、次のようになる。
【0228】
Ustart * Isearch <= Pmax (G24)
ここで、
Ustartは、検索前のPV電圧、
Isearchは、最大検索電流(又は、最大インバータPV電流)、
Pmaxは、検索中に見つけられた最大電力、
である。
【0229】
ここで使用された最大検索電流30は、同様に、接続された光電発電機の定格電力により、定格検索電流35まで、対応させて減少させることができる。
【0230】
図18には、電圧の事前定義又は電流の事前定義の場合に対応するフローチャートが例示されている。
【0231】
この場合、有効なものは以下の通り:
Ustartは、検索前のPV電圧、
Isearchは、最大検索電流(又は、最大インバータPV電流)
Pmaxは、検索中に見つけられた最大電力、
である。
【0232】
ステップ301にて、検索が始まる。ステップ302において、以下の初期化が有効化される。Ustart = Upv
これに、ステップ3330が続き、見つけられる最大電力がPmaxとして保存される。
【0233】
比較ステップ303において、以下の条件が、更なる左手検索が排除可能かについてチェックされる。
【0234】
Ustart * Isearch <= Pmax
そうでない場合、ステップ360において、左手検索が実行される。ステップ303における比較を考慮に入れて、左手検索が排除可能であるなら、その後、ステップ360は省略される。ステップ305において、見つけられたものが最大電力点に移行される。
【0235】
ステップ306において、検索は終了される。
【0236】
図19を参照して、左手検索の場合に反対方向における検索が排除可能であるかの決定が導かれている。IU特性曲線の特徴を考慮に入れると、電流Ipvは、右手検索中、最大で一定にとどまることができる。そのため、最大検索電圧20と組み合わせて、右手検索中の最大可能電力は、次のように算出可能である。
【0237】
右手検索中の最大可能電力=Istart * Usearch
ここで、Istartは、検索前のPV電流、Usearchは、最大検索電圧である。
【0238】
開始電圧22で最大電力12の開始点4から着手する左手検索6の間に、グローバル最大電力点MPP2と共に見つけられた左手最大電力16が、右手検索中の可能右手最大電力17を超えると、その後、右手検索は排除可能である。この場合、検索前の開始点4は、グローバル又はローカル最大電力点MPPでもよく、IU特性曲線上の任意の点又は実際の特性曲線11上の任意の点でもよい。
【0239】
右手検索が排除可能であることに対する対応条件は、次のようになる。
【0240】
Istart * Usearch <= Pmax (G25)
ここで、
Istartは、検索前のPV電流、
Usearchは、最大検索電圧(又は最大追従電圧又は最大インバータPV電圧)、
Pmaxは、検索中に見つけられた最大電力、
である。
【0241】
ここで使用された最大検索電圧20は、同様に、接続された光電発電機の定格電力により、或いは/更に、定義済み最小電力14を確実にする為の検索領域限度により、定格検索電圧25まで、対応させて減少させることができる。
【0242】
図20には、電圧の事前定義又は電流の事前定義の場合に対応するフローチャートが生じる。
【0243】
この場合、有効なものは以下の通り:
Istartは、検索前のPV電流、
Usearchは、最大検索電圧(又は、最大追従電圧又は最大インバータPV電圧)、
Pmaxは、検索中に見つけられた最大電力、
である。
【0244】
ステップ301において、検索が開始される。ステップ312において、次の初期化が有効化される。Istart = Ipv
これに、ステップ360における左手検索が続く(ここで、見つけられた最大電力は、Pmaxとして保存される)。
【0245】
比較ステップ304において、更なる右手検索が排除可能であるかについて、次の条件がチェックされる。
【0246】
Istart * Usearch <= Pmax
そうでない場合、ステップ330において、左手検索が実行される。
【0247】
ステップ304における比較に基づき、右手検索が排除可能であるなら、その後、ステップ330は省略される。
【0248】
ステップ305において、見つけられたものが最大電力点に移行される。
【0249】
ステップ306において、検索は終了される。
【0250】
より高い電力が見つけられる場合に反対方向における検索の排除に対する条件が有効になる為に、正確な検索方向で始めることが必要である。そのため、検索を始める前に、正確な検索方向で決定することが得策である。これは、左手検索中に最大可能電力18、右手検査中に最大可能電力17を用いて、行うことができる。右手検索中の最大可能電力17が、左手検索中の最大可能電力18より大きいなら、その後は、右手検索で始めることが得策である。この場合、図21及び図23に示されるように、より高い電力点が見つけられると、その後、反対方向における検索の排除に対し、超えられる2つの電力のうち小さなものに対してのみ、必要になる。この場合、検索前の開始点4及び検索方向の選択の際の開始点4は、グローバル又はローカル最大電力点MPPでもよく、IU特性曲線上の任意の点又は実際の特性曲線11上の任意の点でもよい。
【0251】
図21は、初期の右手検索で、検索方向の選択を解明する為の典型的なグラフによる例示を示す。
【0252】
検索領域は、可能な右手最大電力17により範囲が限定されている。実際の特性曲線11は、右手最大電力15の曲線上にあるグローバル最大電力点MPP2を有する。参照符号18を有する曲線は、可能な左手最大電力を表示する。開始電圧22及び開始電流32は、以前の最大電力12の開始点4に基づいて生じ、検索電圧20及び検索電流30は、最大値として明記される。
【0253】
意図が右手検索5で始めるべきであるという事実の為の条件は、次のように読める(図21を参照)。
【0254】
Istart * Usearch > Ustart * Isearch ^ right-hand search first (G26)
ここで、
Istartは、検索前のPV電流、
Usearchは、最大検索電圧(又は、最大追従電圧又は最大インバータPV電圧)、
Ustartは、検索前のPV電圧、
Isearchは、最大検索電流(又は、最大インバータPV電流)、
である。
ここで使用された最大検索電流30は、同様に、接続された光電発電機の定格電力により、対応させて減少させることができる。ここで使用された最大検索電圧20は、接続された光電発電機の定格電力により、或いは/更に、定義済み最小電力14を確実にする為の検索領域限度により、対応させて減少させることができる。
【0255】
電圧の事前定義又は電流の事前定義の場合の対応するフローチャートは、図22に示されている。
【0256】
この場合、有効なものは以下の通り:
Istartは、検索前のPV電流、
Usearchは、最大検索電圧(又は、最大追従電圧又は最大インバータPV電圧)、
Ustartは、検索前のPV電圧、
Isearchは、最大検索電流(又は、最大インバータPV電流)、
である。
検索は、ステップ301において開始され、ステップ322における、Istart=Ipv及びUstart=Upvの初期化が続く。ステップ323にて、どの検索方向が最初にとられるかについての決定がなされる比較ステップが続く。比較条件は、次のように読める。
【0257】
Istart * Usearch > Ustart * Isearch
この条件が満たされると、その後、ステップ330において右手検索を用いて検索が始まり、その後、
Ustart * Isearch <= Pmax
という条件を用いて、ステップ360にて検索を左手側で続けるか、或いは、省略されるかについてのチェックがなされる比較ステップ303が続く。ステップ305において、最大電力点に移行され、ステップ306において、検索が終了される。
【0258】
ステップ323において、以下の条件が満たされないと、その後、ステップ360において、最初に左手検索で当該方法が始まる。
【0259】
Istart * Usearch > Ustart * Isearch
比較ステップ304において、以下の条件を用いて、ステップ330において右手検索側で続けられるか、或いは省略されるかについてのチェックがなされる。
【0260】
Istart * Usearch <= Pmax
ステップ305において、最大電力点に移行され、ステップ306において、検索は終了される。
【0261】
条件(G26)における両方の電力の大きさが等しいなら、その時、最初の検索方向は、重要ではない。
【0262】
前記条件(G26)は、同様に、左手検索を用いて始める為の条件に、再度の公式化が可能である。
【0263】
Istart * Usearch < Ustart * Isearch → left-hand search first (G27)
ここで、
Istartは、検索前のPV電流、
Usearchは、最大検索電圧(又は、最大追従電圧又は最大インバータPV電圧)
Ustartは、検索前のPV電圧、
Isearchは、最大検索電流(又は最大インバータPV電流)、
である。
【0264】
条件(G26)に関する違いは、不等記号の反転に存在する。
【0265】
図23は、初期の左手検索を用いた検索方向の選択を解明する為の典型的なグラフによる例示を例示する。
【0266】
検索領域は、可能な左手最大電力18により限界が定められる。実際の特性曲線11は、左手最大電力16の曲線上にあるグローバル最大電力点MPP2を有する。参照符号17を有する曲線は、可能な右手最大電力を表示する。開始電圧及び開始電流32は、先の最大電力12に基づいて生じ、検索電圧20及び検索電流30は、最大値として明記される。
【0267】
ここで使用された最大検索電流30は、同様に、接続された光電発電機の定格電力により、対応させて減少させることができる。ここで使用された最大検索電圧20は、接続された光電発電機の定格電力により、或いは/更に、定義済み最小電力を確実にする為の検索領域限度により、対応させて減少させることができる。
【0268】
比較ステップ323(不等記号の反転)では満たされない条件(G26)の観点で、図22には、電圧又は電流の事前定義の場合の対応するフローチャートが含まれている。
【0269】
この点で、既に説明が示されている。
【0270】
本発明は、前述した典型的な実施形態に限定されるものではない。もちろん、添付される請求項の範囲内で変形は可能である。
【0271】
そのため、本発明に従う方法は、一例として、既存の追従方法をグローバルな最大電力点MPPに積み換える為に、或いは、追従方法の為に開始点を見つける為に、より高い又は最大電力点を検索する為に使用可能であるが、それ自体を追従方法として使用することも可能である。本発明は、前述された一つ以上の典型的な実施形態に限定されるものではない。むしろ、請求項の単なる文言に限定されることなく、他の方法で他の手段を用いて、その目的が達成される等価物も同様に、請求項の文言に該当するものである。
【0272】
特に、詳細な説明における様々な終了の判別基準は、組み合わされて、補助的に、適合される方式で、多様に使用可能である。
【参照符号】
【0273】
1…最大電力点(MPP)、2…グローバル最大電力点MPP、3…ローカル最大電力点、4…開始点、5…右手検索、6…左手検索、10…定格特性曲線、11…実際の特性曲線、12…最大電力、13…電力範囲、14…最小電力、15…右手最大電力、16…左手最大電力、17…右手可能最大電力、18…左手可能最大電力、19…電力損失、20…最大検索電圧、21…開放回路電圧、22…開始電圧、23…右手終了電圧、24…左手終了電圧、25…定格検索電圧、26…制限検索電圧、30…最大検索電流、31…短絡回路電流、32…開始電流、33…右手検索終了電流、34…左手終了電流、35…定格検索電流、36…制限検索電流、40,40’…右手検索終了点、41,41’…m左点検索終了点、42…交差点制限検索電流、43…交差点制限検索電圧、100〜500…当該方法のステップ、I…電流、D…ダイオード、N…電力PV光電発電機、PV…電流源、Ri…内部抵抗、RL…負荷、t…時間、U…電圧
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前段に従う方法に関する。
【0002】
光電発電機(PV=フォトボルタイクス)は、光入力に応じて電気エネルギを発生させる。光電発電機により発生されたDC電圧を公共の供給ネットワークに提供可能にするには、インバータが必要になる。このインバータの動作的制御において、消費される電力を連続して再調整する為に、いわゆる「最大電力点MPPトラッカー」が使用され、光電発電機は、最大電力が消費される”MPP”(最大電力点)で、可能な限り連続して動作される。このため、前記MPPトラッカーは、引き出される電流あるいは電圧を僅かな大きさで変動させ、各々の場合において電流及び電圧の積を計算し、より高い電力の方向にその電流又は電圧値を調整する。I−U特性曲線の求められた最適MPP点は、P−U特性曲線のグローバル最大値を形成する。
【0003】
光電発電機が部分的に影になっている場合、しばしば一つ以上のローカル最大値がP−U特性曲線に生じる。しかしながら、この場合、大抵のMPP追従方法(MPP:最大電力点)が、ローカル最大値とグローバル最大値とを区別することはできない。実用上、影の形成に始まる履歴に依存するが、MPPトラッカーがローカルMPPに着手し、そこで止まる場合、これは、歩留まり損失になる場合がある。
【0004】
取り付けの全動作領域にわたる検索では、エネルギ損失が生じる場合がある。損失は、検索される領域を限定することにより、減少可能である。
【0005】
EP2326200は、最大電力点を決定する方法が開示され、この方法は、ローカル最大値及びグローバル又は絶対最大値を区別することを許容する。検索は、検索領域を制限する為の一つの制限条件を考慮に入れて実施される。この条件を考慮した検索は、決定された電力が以前の最大電力より大きくなると直ぐに終了される。検索は、以前の最大及び決定された電流から計算される幅を有する分離された階段において単一方向で実施される。
【0006】
そのため、本発明の一態様は、光電発電機の最大電力点を決定する為の最適化された方法を提供する。各々の場合において、請求項1及び2の特徴を備える方法は、このために役立つ。
【0007】
この方法により、高い電力点、すなわち、グローバル最大電力点MPPの検索中、検索中に生じる損失が、検索領域を知的に制限することにより、最小限化される。この場合の前提条件は、グローバル最大電力点MPPが、まだ、制限される検索領域内に位置していることである。したがって、定義済み判定基準を使用することによる高電力点の検索は、検索方向が維持される場合、もはや電力増加の見込みが存在しないときには終了されることが意図されている。換言すると、その検索方向は、残りの検索領域において電力増加の見込みがある限り、維持される。以前に動作されたものより電力の大きい電力点が発見されると終わる検索方法と比較すると、これは、電力が更に高い電力点を見つけるオプションを持ち続ける。しかしながら、更なる電力増加の見込みを考慮に入れると、見込みの無い場合に検索は続けられない。光電発電機の動作状態及びPVインバータの技術的データに依存するが、検索期間及び検索中に生じる損失は、この方法だと、部分的にかなり減少される。一例を挙げると、検索は、PV電圧を上下させることにより、達成される。
【0008】
請求項1は、電力/電圧曲線上の最大限に検索可能な検索領域内で、光電発電機(PV)の下流側に接続された装置により、2つのパラメータである検索電圧及び検索電流のうち少なくとも一つのパラメータの変動により光電発電機の最大電力点(MPP)を決定する為の好ましい方法を提供するが、以下のステップを備える。
【0009】
a)開始電圧及び開始電流を用いて開始電力で開始点(4)を定義することにより初期化するステップ(ステップ100)
b)前記検索領域を制限する為に少なくとも二つの制限条件を考慮に入れ、前記検索領域内の前記検索電圧の繰返し変動及び前記検索電流の繰返し変動により、少なくとも一つの検索方向(5,6)において前記最大電力点(MPP)を検索するステップ
c)ステップb)における前記検索領域を制限する為の前記少なくとも二つの制限条件のうちの1つが満足される場合には前記検索を終了するステップ
請求項2は、本発明の他の有利かつ好ましい変形例に従い、電力/電圧曲線上の最大限に検索可能な検索領域内で、光電発電機の下流側に接続された装置の手段により、2つのパラメータ検索電圧及び検索電流のうち少なくとも一つのパラメータの変動により、光電発電機(PV)の最大電力点(MPP)を決定する方法を提供するが、以下のステップを備える。
【0010】
a)開始電圧及び開始電流を用いて開始電力で開始点(4)を定義することにより初期化するステップ
b)前記検索領域を制限する為に少なくとも二つの制限条件を考慮に入れ、前記検索領域内の前記検索電圧の繰返し変動及び前記検索電流の繰返し変動により、少なくとも一つの検索方向(5,6)において前記最大電力点(MPP)を検索するステップ
c)ステップb)における前記検索領域を制限する為の前記少なくとも二つの制限条件のうちの1つが満足される場合には前記検索を終了するステップと、
d)その後、前記検索領域を制限する為に少なくとも一つの第2制限条件を考慮に入れ、前記検索領域内の前記検索電圧の繰返し変動及び前記検索電流の繰返し変動により、第2検索方向において前記最大電力点(MPP)を検索するステップ
e)ステップd)における前記検索領域を制限する為の前記第2制限条件が満足される場合に前記第2検索方向(5,6)において前記検索を終了させるステップ
請求項1に従う方法において、強調されるべき一つの利点は、検索領域を制限する為に更に二つの制限条件を考慮に入れる結果としての特別な効率である。
【0011】
請求項2に従う方法において、強調されるべき一つの利点は、検索領域を制限する為に、2つの検索方向と少なくとも一つ以上の制限条件を考慮に入れる結果としての特別な効率である。
【0012】
必須の変形例ではないが、請求項2に従う一つの好ましい変形例によると、検索領域を制限する為の2つ以上の制限条件が、検索中に考慮に入れられ、更に効率を高める。
【0013】
特に好ましくは、検索領域を制限する為の少なくとも一つの制限条件は、決定済み終了条件、好ましくは、論理的に決定済み終了条件を備えてもよく、これは、検索方向が維持される場合に、電力増加の見込みがあり得ないことを決める。これは、検索が可能な限りはやく終了することを確実にするので、MPP方法の結果として、電力損失を減らす。別の観点から、換言すると、検索方向は、残りの検索領域に電力増加の見込みがある限り、維持される。そのため、電力損失は、ローカルなMPPは不必要に維持されないことが確実なので、同様に減じられる。
【0014】
この場合、検索領域を制限する為の少なくとも一つの制限条件が、検索中に既に達せられた動作状態に与えられたパラメータの評価で決定されている場合、その方法は、現時点で関連する方式で所定の動作状態に常に適合されているため、更に有利である。
【0015】
更に好ましい変形例により、検索領域を制限する為の少なくとも一つ以上の制限条件が、この動作状態における物理的境界条件の為に与えられなければならない複数の境界条件又は一つの境界条件の決定に基づく有力な動作状態において与えられたパラメータの評価で決定されるなら、その変形例は、好都合である。
【0016】
本発明の一つの任意の変形例により、開始点から徐々に繰り返して検索電圧が増加または検索電流が減少される右手検索として、第1検索方向において検索が達成されるなら、その変形例は有利である。
【0017】
更なる任意の変形例によると、開始点から、徐々に繰り返して検索電圧が減少または検索電流が増加される左手検索として第2検索方向で検索が達せられるなら、その変形例は更に有益である。
【0018】
検索領域を制限する為の一つの制限条件が満たされるかという点が、当該方法の進行中に、絶え間なく新たにチェックされるなら、MPP方法は特に有益であり、MPP方法の精度は高める。
【0019】
この場合、検索領域を制限する為の少なくとも一つの制限条件は、検索方向が維持される場合に最小電力がアンダーシュートになることを決める論理的に決定された終了条件を備えてもよい。
【0020】
少なくとも一つの制限条件が、個別的に又は組み合わせて、以下のパラメータのうち一つ以上のパラメータを考慮に入れる終了条件であるなら、好都合である。
【0021】
Upvは、現在の光電発電機の電圧、
Ipvは、現在の光電発電機の電流、
Ppvは、現在の光電発電機の電力、
Pminは、満たされるべき光電発電機の最小電力、
Pmaxは、検索中に以前に見つけられた最大電力、
Isearchは、最大検索電流(又は、最大インバータPV電流)、
Usearchは、最大検索電圧、Pratedは、光電発電機の定格電力、
kiは、係数MPP電流/対応する電池の種類の短絡回路電流、
である。
【0022】
より高い電力点を右手検索中に見つけた後に開始電圧と検索電流の積が最大電力未満または最大電力に等しいなら、左手検索は排除されてもよく、より高い電力点を左手検索中に見つけた後に開始電流と検索電圧の積が最大電力未満または最大電力に等しいなら、右手検索は排除されてもよい。
【0023】
必須ではないが、検索方向は、検索を始める前に選択されるのが好ましい。
【0024】
右手検索は、右手検索で可能な最大電力が左手検索で可能な最大電力より大きい場合に選択されるのが好ましいが、逆も同様である(左手検索は、左手検索で可能な最大電力が右手検索で可能な最大電力より大きい場合に選択されるのが好ましい)。
【0025】
しかしながら、左手検索において可能な最大電力及び右手検索において可能な最大電力が同一であるときにはランダムに検索方向を選択することも考えられる。
【0026】
それぞれに決定される最大電力点、及び/又は、この点での電圧、及び/又は、この点での電流は、保存されるのが好ましい。
【0027】
さらに、最大値が決定された電力に伴う点が、検索終了後に設定されるなら、好都合である。
【0028】
請求項2の対象について、第2検索方向における検索は、検索領域を制限する為の制限条件が満たされるなら、該当する場合には、排除されてもよいことに留意されたい。
【0029】
請求項2において、第1制限条件は、第2制限条件とは異なるのが好ましい。
【0030】
本発明の特に有利な変形例において、検索領域を制限する為の条件は、検索前に既に定義されている。これは、検索を更に簡単にする。
【0031】
更に好ましい変形例において、定義済み最小電力は、検索中にアンダーシュートではない点が考慮に入れられる。これは、例えば、PVインバータの動作に必要な電力が、PVストリングを経てのみ得られるなら、或いは、提供されるべきグリッドを経て得られるなら、有利である。
【0032】
制限された検索領域で、より高い電力点又は最大電力点を検索する為の方法は、とりわけ、既存の追従方法をグローバル最大電力点MPPに積み換える為に、或いは、追従方法の為の開始点を見つける為に利用可能であるが、それ自体も、インバータの実際の追従方法として利用可能である。
【0033】
更なる実施形態において、開始電圧、開始電流、最大検索電圧、最大検索電流は、開始点を定義するときに定義可能である。これらの値は、検索中に更新可能であるが、その結果、検索時間が短縮される。
【0034】
第1検索方向における検索は、検索電圧を上昇させることにより、或いは、検索電流を低下させることにより実施され、第2検索方向における検索は、検索電圧を低下させ、検索電流を上昇させることにより実施される。この場合、上昇及び低下は、連続して、或いは、限定できる手順で達成される。
【0035】
検索領域を制限する為の少なくとも一つの制限条件は、終了条件であり、検索方向が維持される場合に電力増加の見込みが無いなら、その結果、当該方法は既知の方法に比べて短縮化される。
【0036】
更なる効率の増加は、検索を始める前に選択方向が選ばれるなら生じる。これは、例えば、左手検索において最大可能電力及び右手検索において最大可能電力に基づいて、なし得る。そのため、例えば、右手検索における最大可能電力が、左手検索における最大可能電力より大きいなら、右手検索を選ぶことができるが、逆も同様である。最大可能電力において著しい差異が無い場合には、検索方向はランダムに選ぶことができる。該当する場合、選ばれた検索方向において検索を実行した後、反対方向における検索を排除することが可能である。
【0037】
複数の制限条件が互いに組み合わされると、更に好都合である。
【0038】
以下、添付図面を参照して、例示的な実施形態に基づき、本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】図1は、光電発電機の典型的な等価回路図を示す。
【図2】図2は、光電発電機の典型的なPU特性曲線のグラフによる例示を示す。
【図3a】図3aは、グローバル最大電力点MPPに対する検索用電圧の時間的変化の一例に対するグラフによる例示を示す。
【図3b】図3bは、検索中の損失を解明する為の、図3aに対応する電力曲線を示す。
【図4a】図4aは、最大電力点MPPを見つける為の本発明に従う方法の典型的な第1実施形態のフローチャートを示す。
【図4b】図4bは、最大電力点MPPを見つける為の本発明に従う方法の典型的な第2実施形態のフローチャートを示す。
【図5】図5は、右手検索が与える電圧の事前定義を実行する典型的なグラフによる例示を示す。
【図6a】図6aは、電圧の事前定義で、右手検索の為の典型的なフローチャートを示す。
【図6b】図6bは、電流の事前定義で、右手検索の為の典型的なフローチャートを示す。
【図7】図7は、左手検索が与える電圧の事前定義を実行する典型的なグラフによる例示を示す。
【図8a】図8aは、電圧の事前定義で、左手検索の為の典型的なフローチャートを示す。
【図8b】図8bは、電流の事前定義で、左手検索の為の典型的なフローチャートを示す。
【図9】図9は、日陰になっていないIU特性曲線の場合、最大電力点MPPを解明する為のグラフによる例示を示す。
【図10】図10は、電圧の事前定義で、接続されたPV発電機の定格電力を考慮するとき、右手検索を実行する更に典型的なグラフによる例示を示す。
【図11a】図11aは、図10に従う電圧の事前定義で、接続されたPV発電機の定格電力を考慮するときの右手検索の為の典型的なフローチャートを示す。
【図11b】図11bは、図10に従う電流の事前定義で、接続されたPV発電機の定格電力を考慮するときの右手検索の為の典型的なフローチャートを示す。
【図12】図12は、日陰になっていないIU特定曲線の場合、最大電力点MPPを解明する為の更なるグラフによる例示を示す。
【図13】図13は、電圧の事前定義で、接続されたPV発電機の定格電力を考慮するときの左手検索を実行する更に典型的なグラフによる例示を示す。
【図14a】図14aは、図13に従う電圧の事前定義で、接続されたPV発電機の定格電力を考慮するときの左手検索の為の典型的なフローチャートを示す。
【図14b】図14bは、図13に従う電流の事前定義で、接続されたPV発電機の定格電力を考慮するときの左手検索の為の典型的なフローチャートを示す。
【図15】図15は、右手検索中に定義済みの最大電力を確実にする為に検索領域限度を導く為の典型的なグラフによる例示を示す。
【図16】図16は、左手検索中に定義済みの最小電力を確実にする為に検索領域限度を導く為の典型的なグラフによる例示を示す。
【図17】図17は、右手検索の場合に反対方向における検索の排除を解明する為の典型的なグラフによる例示を示す。
【図18】図18は、図17に従う右手検索の為の典型的なフローチャートを示す。
【図19】図19は、左手検索の場合に反対方向における検索の排除を解明する為の典型的なグラフによる例示を示す。
【図20】図20は、図19に従う右手検索の為の典型的なフローチャートを示す。
【図21】図21は、初期の右手検索で、検索方向の選択を解明する為の典型的なグラフによる例示を示す。
【図22】図22は、図21に従う検索方向の選択の場合の典型的なフローチャートを示す。
【図23】図23は、初期の左手検索で、検索方向の選択を解明する為の典型的なグラフによる例示を示す。
【発明の詳細な説明】
【0040】
図1は、発生エネルギの為の設備の典型的な等価回路図を例示する。
【0041】
光電発電機PV(例えば、一つ以上のシリコン太陽電池から成る)は、電流源PVとして例示され、ダイオードD及び抵抗Riと並列に接続されている。その端子には、可変負荷RLが接続されており、可変負荷RLを通じて、PVモジュールの電流Ipvが流れ、可変負荷RLにわたって電圧Upvが降下する。
【0042】
装置−DC/DCコンバータ及びDC/ACインバータから構成され、全体として「インバータ」として明示される−好ましくはアレンジメントは、例えば、可変負荷RLとして光電発電機の下流側に一般的に接続されるが、DC/DCコンバータにおいて、最適動作点または光電発電機PVの電力/電圧特性曲線上の最大電力点MPPは、いわゆるMPPトラッカーまたはMPP追従方法により設定され、これは、好ましくは、DC/DCコンバータを制御するマイクロプロセッサによりDC/DCコンバータで続行されるか実施される。
【0043】
以下、これを詳細に説明する。
【0044】
図2は、光電発電機PVの、典型的な電力/電圧特性曲線、または、略して「PU特性曲線」の概略の例示を示す。日陰になっていない光電発電機PVの定格特性曲線10は、最大値を有する。後者は、最大電力点1MPPとして明示される。
【0045】
PVモジュールまたは光電発電機が部分的に日陰になっている場合、例えば、2つ以上のローカル最大値がPU特性曲線に生じ、例えば、グローバル電力点2MPP及びローカル最大電力点3MPPを有する実際の特性曲線11が生じる。
【0046】
PVモジュールが、それぞれの実際の特性曲線11に従って最大電力点MPPで動作可能になるためには、構成部分として、或いは、サブルーチン又は独立した方法のルーチンとして、いわゆるMPP追従方法を持ち得る動作制御方法が存在する。
【0047】
以下、用語「右手」検索は、開始点から、より高い電圧Upvに向かって、右側領域内のPU特性曲線上で、MPP追従方法を用いた検索を意味するものとして理解されるべきである。この場合、徐々に繰り返しで、或いは連続的に(この点で図5も参照)、検索電圧が増加されるか検索電流が減少される。
【0048】
用語「左手」検索は、開始点から、より低い電圧Upvに向かって、左側領域内の検索を意味するものとして理解されるべきである。この場合、徐々に繰り返して、或いは連続的に、検索電圧が減少するか検索電流が増加される。
【0049】
例えば、慣例的なMPPトラッカーの周期的或いはイベントトリガー型割り込みにより、或いは、より高い最大電力点MPPの為の検索により、MPPトラッカーは、グローバル最大電力点MPP2を決定可能であり、グローバル最大電力点MPP2に移行可能であり、更に、グローバル最大電力点MPP2を設定可能になる。
【0050】
この情勢において指摘されるべきことは、簡単な例示の為に、本発明に従う方法の以下の説明が電圧の事前定義を伴う検索に基づいて記載されている点である。電流の事前定義を伴う検索に関する本発明の概念の対応した実施例も同様に、本発明の概念により包含されることが意図されている。
【0051】
この点で、図3aは、グローバル最大電力点MPPの為の検索に対して、時間tにわたる電圧Upvの変化の、グラフによる例示を示す。
【0052】
このような検索は、最大検索電圧20と最小制限検索電圧26との間で、PV電圧Upvを上下に段階的に或いは勾配を与えることにより、実現可能である。
【0053】
この場合において、より高い電力点が見つかると、そのとき、この検索後に、ターゲット方式で、この電力点に移行させることができる。そのような検索は、減じられた電力での発電機の時間的動作になるので、検索期間、検索回数、検索領域に依存して取得可能なエネルギ歩留まりの損失になる。この失われるエネルギ歩留まりは、時間に対して、図3aに対応する電力Ppvにおいて、図3bに電力損失19として例示されている。
【0054】
図4a及び図4bのフローチャートとして示され、その後、以下に包括的に説明される本発明に従う方法により、より高い電力点の為の、或いはグローバル最大電力点MPPの為の検索中に、電力損失19は、検索領域を聡明に制限することにより最小化される。
【0055】
検索領域の限度は、一般的に、連続してモニタされた終了判別基準が満足されることにより実現可能であるばかりか、当該方法の進行中に達せられるパラメータの所定値によっても実現可能である。
【0056】
図4aは、最大電力点MPPを見つける為の、本発明に従う方法の典型的な第1実施形態のフローチャートを示す。
【0057】
当該方法の第1ステップ100において、検索が開始され、ここで、異なる境界条件、特に開始点が定義される。前記開始点は、最後の検索中に決定された値でもよい。しかしながら、開始点は、図2からのPU特性曲線上の如何なる所でもよく、さらには、算出されてもよい。
【0058】
当該方法の第2ステップ200において、例えば、DC/DCコンバータにおける検索の為に、開始電圧の設定、開始電流の設定のような初期化が実施される。
【0059】
300は、当該方法の第3ステップを明示し、このステップで、検索がプログラムループとして実行される。ここで、少なくとも一つの検索領域限度もチェック或いは作り出され、プログラムループの為の終了条件としてチェックされる。
【0060】
当該方法のステップ400は、見つけられたものを最大電力点MPPに移行すること、更に/又は、それを更なる応用の為に保存することに関連する。
【0061】
最後に、当該方法は、ステップ500で終了される。
【0062】
図4bは、最大電力点MPPを見つける為の、本発明に従う方法の典型的な第2実施形態のフローチャートを表示する。
【0063】
典型的な第1実施形態と比較すると、ここでは、当該方法の追加のステップ250は、検索前に検索領域限度を定義するステップ及び/又は好ましい検索方向を決定するステップに関連する。
【0064】
以下、個別又は部分的に組み合わせて考慮するとき、MPP点の為の検索を簡単に短縮できる、様々な有利な検索領域限度を説明する。
【0065】
より高い電力の可能な範囲のための検索領域限度における原則は、以下のとおりである:
より高い電力点の為の検索中、少なくとも一つ以上の定義済み判別基準を各ステップにおける終了条件として使用する観点で、検索方向が維持される場合、電力増加の見込みがあるかをチェックする。そうでない場合、その後、検索は終了する。
【0066】
右手検索5及び左手検索6の為に、各々の場合において、終了条件の説明が最初になされる。
【0067】
右手検索5における終了条件の導出は、図5を参照して例示されている。
【0068】
ここで、参照符号12を有する曲線は、以前に見つけられた最大電力である。
【0069】
前記曲線12において、PV電圧Upv及びPV電流Ipvから構成され、互いに掛け算される全ての値の組が、同一の電力になる。
【0070】
曲線12は、より高い電力が検索中に見つけられるときに更新される。
【0071】
最大検索電圧20及び最大検索電流30は、検索領域の限界を定め、光電発電機PV、光電発電機PVの下流側に接続されるインバータ(図示せず)の技術的データに依存し、更に、該当する場合、その動作状態にも依存する。
【0072】
ここで例示される開始点4は、グローバル又はローカルな最大電力点MPPでもよく、また、光電発電機PVのIU特性曲線上の任意の点でもよいが、ここでは、点線の実際の特性曲線11として描かれている。
【0073】
実際の特性曲線11とUpvとの交差点は、光電発電機PVの開放回路電圧21を表示し、実際の特性曲線11と軸Ipvとの交差点は、短絡回路電流31である。
【0074】
右手検索5において、開始点4で開始電圧22から着手すると、より高い電力点は、前記電圧の右手側に、位置することしかできない。
【0075】
さらに、より高い電力は、以前に見つけられた最大電力12を有する曲線の上方に位置することしかできない。
【0076】
PVモジュールの場合、或いは、光電発電機の場合、物理的規定のため、電流は、PV電圧が上昇する場合には上昇できず、最大で一定にとどまるはずである。
【0077】
このため、より高い電力点は、現在のPV電流Ipvあるいは現在のPV電流Ipvの下方に位置することしかできない。
【0078】
開始電圧22から着手すると、これは、より高い電力点の為に可能な領域として点線で例示された電力範囲13で生じる。
【0079】
PV電流Ipvが、右手検索5の間、最大検索電圧20と、以前に見つけられた最大電力12を有するラインの交差点(右手検索終点40)における電流以下になると、その後、右手終了電流33及び関連付けられた右手終了電圧23の場合に検索は終了可能になるが、これは、より高い電力の可能領域が達成不能になったからである。
【0080】
これを明らかにするため、日陰になっているPVモジュール又は光電発電機の点線の(未知の)IU特性曲線(実際の特性曲線11)が描かれている。この実施例において、右手検索5の為の検索領域は、開始電圧22から検索電圧20までの電圧範囲の、ほぼ半分まで減少された。
【0081】
電流又は電圧の事前定義の場合、対応する終了条件は、次の通りである。
【0082】
Ipv < Pmax / Usearch (G01)
ここで、
Ipvは現在のPV電流、
Pmaxは検索中に見つけられた最大電力、
Usearchは最大検索電圧(又は、最大追従電圧又は最大インバータPV電圧)、
である。
【0083】
電圧の事前定義が付与された右手検索5の為に、対応するフローチャートが図6aに示されている。より高い電力が見つけられるとき、好ましくは、現在の動作点が設定され、保存される。
【0084】
この場合に有効なものは、以下の通り:
kは、実行指標、
Ipvは、現在のPV電流、
Ppvは、現在のPV電力、
Pmaxは、検索中に見つけられた最大電力、
Usearchは、最大検索電圧(又は、最大追従電圧または最大インバータPV電圧)、
である。
【0085】
ステップ331は、右手検索の開始を明示する。
【0086】
ステップ332は、最大電力Pmaxの初期化を明示し、ここで、開始点Ppv(0)において、Pmax(k)=Ppv(k)である。
【0087】
その後、プログラムループが開始される。
【0088】
ステップ333において、電圧Upvは、その後、一段階、例えば、上昇勾配での一段階のように(最大限に検索電圧20まで)増加される。
【0089】
ステップ335において、現時点において電圧増加により移行されたPmax(k)を、現在決定済みの電力値Ppv(k)と比較することにより、以前に移行された電力点Pmax(k-1)よりも高い電力点が達成されたかを決定する為に、チェックがなされる。
【0090】
Pmax(k) = max (Pmax (k-1 ) , Ppv(k))
その後、次の終了条件が満たされるか、或いは、最大検索電圧20が達せられたかを決定する為に、比較ステップ336でチェックされる。
【0091】
Ipv(k) < Pmax(k) / Usearch(k)
そうでない場合、当該方法は、ステップ333に戻り、電圧が更に増加され、より良い最大電力点MPPが求め続けられる。
【0092】
例示が示すのは、より高い電力が見つけられる場合に現在の動作点が保存されることではない。
【0093】
より高い電力を有する最大電力点MPPが見つけられると、その後、それは、現在の動作点として保存され、更なるステップで移行可能になる。より高いMPPが見つけられることなく、終了条件が満たされるか最大検索電圧20が達せられた場合、その後、以前の或いは最後に見つけられたMPPが維持される。
【0094】
検索は、ステップ338で終了される。
【0095】
電圧の事前定義の代わりに、電流の事前定義も同様に、右手検索5に関しては有効である。
【0096】
図6bにおける電流の事前定義を伴う右手検索5の為の典型的なフローチャートにおいて、これが示されている。
【0097】
この場合に有効なものは、以下の通り:
kは、実行指標、
Ipvは、現在のPV電流、
Ppvは、現在のPV電力、
Pmaxは、検索中に見つけられた最大電力、
Usearchは、最大検索電圧(又は、最大追従電圧または最大インバータPV電圧)、
である。
【0098】
ステップ331において、右手検索が始まる。
【0099】
Pmax(ここで、Pmax(k) = Ppv(k))の初期化は、ステップ332により明記されている。
【0100】
そうすると、可能な掛け算が繰り返される検索プログラムループが開始される。
【0101】
この場合、最初にステップ334において、現在のIpvは、一ステップで減少される。
【0102】
その後、ステップ335において、電力Pmaxが再び決定される:
Pmax(k) = max (Pmax (k-1 ) , Ppv(k))
比較ステップ336では、次の終了条件が満たされるか、或いは、最小検索電流が達せられたかを決定する為にチェックされる。
【0103】
Ipv(k) < Pmax(k) / Usearch(k)
より高い電力を有するMPPが見つけられる場合、その後、それは、現在の動作点として保存され、更なるステップで移行可能になる。より高いMPPが見つけられることなく、終了条件が満たされるか最小検索電流が達せられた場合、その後、以前の或いは最後に見つけられたMPPが維持される。
【0104】
検索は、ステップ338で終了される。
【0105】
図7は、左手検索6における終了条件の導出を説明する為の典型的なグラフによる例示を示す。参照符号12を有する曲線は、また再び、以前に見つけられた最大電力である。
【0106】
この曲線上のPV電圧Upv及びPV電流Ipvから構成される全ての値の対は、互いに掛け算されると、同一の電力をもたらす。この場合も、より高い電力が検索中に見つけられる場合には最大電力12が更新される。最大検索電圧20及び最大検索電流30は、検索領域の限界を定め、光電発電機PVの下流側に接続されるインバータ(図示せず)の技術的データに依存するが、該当する場合、その動作状態に依存する。ここで例示された開始点4は、グローバル最大電力点MPPでもローカル最大電力点MPPでもよいが、光電発電機PVのIU特性曲線上の如何なる点でもよい。
【0107】
左手検索6において、開始点4における開始電圧22から着手すると、より高い電力点は、開始電圧22の左手側に位置することしかできない。
【0108】
さらに、より高い電力点は、以前に見つけられた最大電力12の上方に位置することしかできない。最大検索電流30は、更に、より高い電力の可能な領域を制限する。開始点4における開始電圧22から着手すると、これは、より高い電力点に対する点線方式で例示された可能な電力範囲13になる。左手検索中、最大検索電流30と左手検索終点41で先に見つけられた最大電力12を有するラインとの交差点における電圧以下に、Upvが落ちるとき、その後、検索は、左手終了電圧24の場合に終了可能になる。
【0109】
電流又は電圧の事前定義の場合に、対応する終了条件は、以下のとおりである。
【0110】
Upv < Pmax / Isearch (G02)
ここで、
Upvは、現在のPV電圧、
Pmaxは、検索中に見つけられた最大電力、
Isearchは、最大検索電流(又は、最大インバータPV電流)、
である。
【0111】
この情勢で、検索電圧の為に低い制限を定義することは、更に可能である。
【0112】
このため、図8aは、電圧の事前定義を伴う左手検索の為の典型的なフローチャートを示す。この例示は、より高い電力が見つけられる場合に本発明の動作点が保存されることは示していない。
【0113】
この場合に有効なものは、以下の通り:
kは、実行指標、
Upvは、現在のPV電圧、
Ppvは、現在の電力、
Pmaxは、検索中に見つけられた最大電力、
Isearchは、最大検索電流(又は、最大インバータPV電流)、
である。
【0114】
ステップ361において、左手検索が開始する。ステップ362は、Pmax(ここで、Pmax(k) = Ppv(k))の初期化を示す。
【0115】
その後、可能な掛け算が繰り返されるループ内のステップ363にて、電圧Upvは、例えば最小検索電圧まで一定の勾配において、k段階で減少される。
【0116】
ループを繰り返す間、Pmaxは、その後、各々の場合において、以下の通り、ステップ365で決定される。Pmax(k) = max (Pmax (k-1 ) , Ppv(k) )
比較ステップ366では、以下の通り、終了条件がチェックされる。
【0117】
Upv(k) < Pmax(k) / Isearch(k)
また、最小検索電圧が達成されたかを決定する為にも、チェックがなされる。そうでない場合、当該方法は、ステップ363に戻り、電圧が更に減少される。
【0118】
より高い電力を有するMPPが見つけられる場合、その後、それが、現在の動作点として保存され、更なるステップで移行可能になる。より高いMPPが見つけられることなく、終了条件が満たされるか最小検索電圧が達せられた場合、その後、以前の或いは最後に見つけられたMPPが維持される。
【0119】
検索は、ステップ368で終了される。
【0120】
電圧の事前定義の代わりに、電流の事前定義も同様に、左手検索に関しては有効である。図8bにおける電流の事前定義を伴う左手検索の為の典型的なフローチャートにおいて、これが示されている。
【0121】
ここでも有効なものは、以下の通り:
kは、実行指標、
Ipvは、現在のPV電流、
Ppvは、現在の電力、
Pmaxは、検索中に見つけられた最大電力、
Usearchは、最大検索電圧(又は、最大追従電圧または最大インバータPV電圧)、
である。
【0122】
左手検索は、ステップ361で始まる。Pmax(ここで、Pmax(k) = Ppv(k))の初期化は、ステップ361により明記されている。
【0123】
その後、ループ364において、電流Ipvがk段階で増加、すなわち、最大検索電流30まで一定の勾配で増加される。各々の場合でのループ内のステップ365において、以下の通り、Pmaxが再び決定される。Pmax(k) = max (Pmax (k-1 ) , Ppv(k))
ループ内の比較ステップ367では、その後、当該ループの終了条件である
Upv(k) < Pmax(k) / Isearch(k)
が満たされるか、或いは、最大検索電流30が達せられたかを決定する為にチェックがなされる。
【0124】
より高い電力を有する最大電力点MPPが見つけられる場合、その後、それは、現在の動作点として保存され、更なるステップで移行可能になる。より高い最大電力点MPPが見つけられることなく、終了条件が満たされるか最大検索電流30が達せられた場合、その後、以前の或いは最後に見つけられた最大電力点MPPが維持される。
【0125】
ステップ368において、左手検索が終わる。
【0126】
検索領域の更なる限度は、接続されるストリングの定格電力により有効化され得る。
【0127】
IU特性曲線のプロファイルのため、最大検索電流30が最大検索電圧20の場合に流れることは物理的に不可能であり、逆も同様である。検索されるべきストリングに接続された光電発電機の全負荷における最大電力または定格電力が既知の場合、その時、最大検索電圧20及び最大検索電流30は、この情報に基づき、予め減少可能になる。定格電力に基づき決定される新たな制限値、この場合、(詳細に後述される)定格検索電圧25として明示される最大検索電圧と、(ここでは、定格検索電流35として明示される)対応して決定される最大検索電流は、そうすると、前述された決定済み終了条件の下に使用可能になる。この方法は、最大電力付近で、関連ストリングの主な動作中に検索領域を更に制限する。定格電力に関する情報は、例えば、施設運営者により、或いは、取り付け技術者により、直接的に事前定義可能であり、関連ストリングの動作データから決定可能である。最大許容ストリング電力が、最大(定格)検索電流により掛け算される最大(定格)検索電圧未満であるインバータにおいて、代替え的に、関連ストリングに接続された定格電力の代わりに最大許容ストリング電力を使用することも可能である。
【0128】
最初に、右手検索5を説明する。
【0129】
日陰になっていないPVモジュールまたは定格動作の光電発電機が最初に前提とされる場合、そうすると、この場合は検索が有効化されなければならない最大電圧は以下のように算出される。
【0130】
Usearch = Prated/ Impp (G03)
ここで、
Usearchは、最大検索電圧、
Prated は、検索されるべきストリングに接続された光電発電機の定格電力、
Imppは、最大電力点におけるPV電流、
である。
【0131】
しかしながら、このアプローチは、定格動作であり、かつ、日陰になっていない光電発電機を用いた場合にのみ有効である。
【0132】
図9は、日陰になっていないIU特性曲線の場合、最大電力点MPPを解明する為のグラフによる例示を示すが、ここでも、定格特性曲線10として明示されている。参照符号12は、最大電力点1がある一定の電力の曲線を表示する。
【0133】
全体的に有効な公式を得る為に、電流Imppは、検索前に電流により置換されなければならない。後者は、最大限、接続される光電発電機の短絡回路電流31である。この場合、最大電力点(最大電力点MPP)1にて関連付けられた電流は、例えばシリコン電池の場合、通常、短絡回路電流31の概略90%であり、参照符号35を伴う定格検索電流として、図9に表示されている。検索の如何なる開始点でも有効な全体的に有効な式を得る為に、この場合が公式化されなければならない。シリコン電池に対しては、以下のようになる:
U'search = Prated / (Istart * 0.9) (G04)
ここで、
U'search は、定格電力に対する最大検索電圧、
Pratedは、検索されるべきストリングに接続される光電発電機の定格電力、
Istartは、検索前のPV電流Ipv、
である。
【0134】
電池の種類に依存しないと、以下のようになる:
U'search := Prated / (Istart * ki) (G05)
ここで、
U'searchは、定格電力に対する最大検索電圧、
Pratedは、検索されるべきストリングに接続される光電発電機の定格電力、
kiは、例えば、係数(MPP電流/対応する電池の種類の短絡回路電流)、
Istart は、検索前のPV電流Ipv、
である。
【0135】
この式は、一般的に有効である。弱い照射の場合、例えば、日陰になっているPVモジュールまたは光電発電機の場合、短絡回路電流31,または、検索開始前の電流は、対応して減少する。そうすると、最大検索電圧は、対応して増大され、定格動作における最大電力点MPP1の右手側にあり、その結果として生じるMPPが、同様に見つけられる。
【0136】
最大検索電圧Usearchより大きい定格電力U’searchに対する最大検索電圧の増大を避ける為に、U’search及びUsearchの最小値は、終了条件(G01)に挿入されるべきである。
【0137】
そのため、拡大終了条件は、以下のようになる:
Ipv < Pmax / min (U ' search, Usearch) (G06)
Ipv < Pmax / min(Prated / (Istart * ki), Usearch) (G07)
ここで、
Ipv は、現在のPV電流、
Pmax は、検索中に見つけられた最大電力、
Usearchは、最大検索電圧(または最大追従電圧または最大インバータPV電圧)、
U ' search は、定格電力に対する最大検索電圧、
Prated は、検索されるべきストリングに接続される光電発電機の定格電力、
ki は、例えば、係数(MPP電流/対応する電池の種類の短絡回路電流)、
Istart は、検索前のPV電流、
である。
【0138】
接続されるPVモジュール又は光電発電機の定格電力の為の検索領域の限度は、グラフにより図10に例示されている。光電発電機の接続される定格電力から算出される最大検索電圧のために、前記検索電圧は定格検索電圧25として明示され、より高い電力の可能な範囲が、例示された場合には更に制限される。以前の右手検索終点40の前で左にある右手検索終点40’において、定格検索電圧25が最大電力12と交差するという事実により、これが認識可能になる。その後、最大電力12のプロファイルの為、検索が終了される電流は、より高くなる。そのため、検索領域は、同様に、更に制限されてきた。開始電流は、32により明示され、参照符号23は、その更に左にある右手終了電圧を表示する。
【0139】
任意の変形例において、ここで言及された検索領域限度及び終了条件の全てを導出するとき、最善状態の電流が右手検索の継続の際に一定になる(又は減少する)という公式化された前提を変形することも可能である。一つの単純な変形例は、一定の電流の代わりに、電圧が上昇するときに線形的に電流が増加する電流プロファイルを前提とすることにより与えられる。同一の変形例は、電圧に対しても、同様に実施可能である。この場合、傾斜の大きさは、電流Ipvの傾斜に対して係数m_Ipv、電圧Upvの傾斜に対してm_Upvにより明示される。その後、前述された条件G01,G02は、以下のように変形される:
Ipv < Pmax / Usearch + m_Ipv * (Usearch - Upv) (G01 ' )
Upv < Pmax / Isearch + l/m_Upv * (Isearch - Ipv) (G02 ' )
概念を変形することについての一般化において、一定の電流の前提が、所望のモデル電流プロファイルにより置き換えられる。この場合、モデル電流プロファイルImodel(U)は、持続される検索電圧の関数としての電流予測、すなわち、(より高い)電圧Uが得られる際に少なくとも電流Ipvが落ちる電流値に対する経過予想(prognosis)を定義する。プロファイルImodel (U)は、例えば、光電発電機PVの典型的な理想特性曲線から決定可能、或いは、理想PV発電機の並列抵抗或いは直列抵抗のようなパラメータに基づいてモデルプロファイルにより決定可能である。この一般化の場合、右手検索5は、UpvとUsearch(又はUsearch')との間に何も電圧値Uintermediateが存在しないときに終了され、そのために有効なものは以下の通りである。
【0140】
Pmax < Uintermediate* Ipv* Imodel (Uintermediate ) / Imodel (Upv) (G01")
次の変形された終了判別基準は、以下のように、類似的に左手検索にも使用可能である。
【0141】
Upv < Pmax / Isearch * Imodel (U=0) / Imodel (Upv) (G02")
ここで、
Ipvは、現在のPV電流、
Pmaxは、検索中に見つけられる最大電力、
Usearchは、最大検索電圧(又は最大追従電圧又は最大インバータPV電圧)、
Imodel (U)は、電圧Uの関数としてのモデル電流プロファイル、
m_Ipvは、電圧が上昇したときに前提とされた電流が減少するときの線形係数、
m_Upvは、電流が上昇するときに前提とされた電圧が減少するときの線形係数、
である。
【0142】
さらに、このケースは、検索中、発電機特性曲線の一部が達成されるときに生じ得るが、ここでは、より高い発電機電力値の理論的な取得可能性に未だ余裕があるが、そのため、決められた終了判別基準は、未だ満たされていない。しかしながら、可能な動作点が既に達せられた電力の僅かだけ上方にある場合、動作点が検索領域の縁の近傍にある場合、或いは、動作点の存在の蓋然性が単に低い場合、それにも拘わらず、検索が、そのような状況で更に続けられないことが望ましいであろう。これを実現する為の一つの可能性は、既に達せられた電力Pmax、例えば、大きさ又は係数により増加された電力値Pmax'の代わりに、説明された終了判別基準で使用することである。この場合、左手検索又は右手検索は、対応して早期に、すなわち、検索の持続の際に実現されるべき増加された電力値に対し、左手検索又は右手検索が不可能になったときに終了される。
【0143】
図11aは、右手検索5に対する電圧の事前定義(図示せず:より高い電力が見つけられる場合に、現在の動作点が保存される)の場合のフローチャートを示す。
【0144】
このフローチャートで有効なものは、以下の通り:
Ipvは、現在のPV電流、
Ppvは、現在のPV電圧、
Pmaxは、検索中に見つけられる最大電力、
Usearchは、最大検索電圧(または、最大追従電圧又は最大インバータPV電圧)、
Pratedは、検索されるべきストリングに接続される光電発電機の定格電力、
kiは、例えば、係数(MPP電流/対応する電池の種類の場合の短絡電流、
Istartは、検索前のPV電流、
である。
【0145】
ステップ331とともに、右手検索が開始する。Pmaxの初期化(ここで、Pmax(k) = Ppv(k))は、ステップ332で明記されている。その後、ループ内のステップ333にて、例えば最大限に検索電圧20まで一定の勾配において、k段階で電圧Upvが増加される。
【0146】
ステップ335にて、各々の場合に、Pmaxが以下のように決定される。
【0147】
Pmax(k) = max (Pmax (k-1 ) , Ppv(k))
比較ステップ336では、以下の終了条件が満たされるか、或いは、最大検索電圧20が得られたか決定される為のチェックがなされる。
【0148】
Ipv < Pmax / min(Prated / (Istart * ki), Usearch)
そうでない場合、当該方法は、ステップ333に戻り、電圧は更に増加される。より高い電力を有するMPPが見つけられる場合、その後、それは、現在の動作点として保存され、後のステップで移行可能になる。より高いMPPが見つけられることなく、終了条件が満たされるか最大検索電圧20が達せられた場合、その後、見つけられたものが、以前の或いは最後のMPPに移行される。
【0149】
検索は、ステップ338で終了される。
【0150】
対応するフローチャートは、電流の事前定義を伴う右手検索5の為に図11bに例示されるように、電流の事前定義において生じる(この例示は、より高い電力が見つけられる場合に、現在の動作点が保存されることを示していない)。
【0151】
この場合に有効なものは、以下の通り:
Ipvは、現在のPV電流、
Ppvは、現在のPV電圧、
Pmaxは、検索中に見つけられる最大電力、
Usearchは、最大検索電圧(または最大追従電圧又は最大インバータPV電圧)、
Pratedは、検索されるべきストリングに接続される光電発電機の定格電力、
kiは、例えば、係数(MPP電流/対応する電池の種類の場合における短絡電流、
Istartは、検索前のPV電流、
である。
【0152】
ステップ331は、右手検索の開始を表示する。ステップ332において、Pmaxの初期化(ここで、Pmax(k) = Ppv(k))が明記されている。その後、ステップ334において、電流Ipvは、例えば、最小検索電流まで一定の勾配で、k段階で減少される。
【0153】
ステップ335において、Pmaxは、以下のように決定される:
Pmax(k) = max (Pmax (k-1) , Ppv(k) )
比較ステップ340では、以下の終了条件が満たされるか、最小検索電流が達せられたかを決定する為のチェックがなされる。
【0154】
Ipv < Pmax / min(Prated / (Istart * ki), Usearch)
そうでない場合、当該方法はステップ334に戻り、電圧が更に増加される。
【0155】
より高い電力を有するMPPが見つけられる場合、その後、それは、現在の動作点として保存され、更なるステップで移行可能になる。より高いMPPが見つけられることなく、終了条件が満たされるか最小検索電流が達せられた場合、その後、以前の或いは最後に見つけられたMPPが維持される。
【0156】
検索は、ステップ338で終了される。
【0157】
以下、左手検索6を説明する。
【0158】
日陰になっていないPVモジュール又は定格動作における光電発電機が、再び、最初に前提とされる場合、そうすると、この場合は検索が有効化されなければならない最大電流は以下のように算出される:
Isearch = Prated/Umpp
ここで:
Isearchは、最大検索電流、
Pratedは、検索されるべきストリングに接続される光電発電機の定格電力、
Umppは、最大電力点でのPV電圧、
である。
【0159】
しかしながら、このアプローチは、定格動作であり、かつ、日陰になっていない光電発電機を用いた場合にのみ有効である。図12は、日陰になっていないIU特性曲線(定格特性曲線10)の場合、最大電力点MPP1を解明する為にグラフによる例示を示す。参照符号12は、最大電力点MPP1がある最大電力曲線を表示する。一般的に有効な式を得るために、電圧Umppは、検索前の電圧により置き換えられなければならない。後者は、最大限に、接続された光電発電機の開放回路電圧21になり得る。この場合、最大電力点にて関連付けられた電圧は、シリコン電池の場合、例えば、通常、開放電圧の概略80%であり、ここでは、定格検索電圧25として表示されている。検索の如何なる開始点に対しても有効な一般的に有効な式を得る為に、この場合を公式化することができる。
【0160】
シリコン電池の実施例に対しては、以下の通りである:
I 'search = Prated / (Ustart * 0.8) (G08)
ここで、
I ' searchは、定格電力に対する最大検索電流、
Pratedは、検索されるべきストリングに接続される光電発電機の定格電力、
Ustartは、検索前のPV電圧、
である。
【0161】
セルの種類に依存しないと、以下の通りである:
I ' search = Prated / (Ustart * ku) (G09)
ここで、
I ' searchは、定格電力に対する最大検索電流、
Pratedは、検索されるべきストリングに接続された光電発電機の定格電力、
kuは、例えば、係数(MPP電圧/対応する電池の種類の場合における開放ー回路電圧)、Ustartは、検索前のPV電圧、
である。
【0162】
この式は、広く使用可能である。例えば、弱い照射の場合、或いは、日陰になっているPVモジュール又は光電発電機の場合、短絡−回路電流31,又は、検索開始前の電流は、対応して減少する。接続された定格電力に対して、ここで算出された電流I ' searchは、その後、最大電力点において実際の電流の上方にある。
【0163】
最大検索電流Isearchより大きい定格電力I’searchに対する最大検索電流の拡大を避ける為に、Isearch及びI’searchの最小値は、終了条件(G02)に挿入されるべきである。
【0164】
拡大された終了条件は、以下の通りである:
Upv < Pmax / min ( I ' search,Isearch) (G10)
Upv < Pmax / min (Prated / (Ustart* ku) , Isearch) (G11)
この場合、有効なものは以下の通り:
Upvは、現在のPV電圧、
Pmaxは、検索中に見つけられる最大電力、
Isearchは、最大検索電流(又は最大インバータPV電流)、
I ' searchは、定格電力に対する最大検索電流、
Pratedは、検索されるべきストリングに接続された光電発電機の定格電力、
kuは、例えば係数(MPP電圧/対応する電池の種類の場合における開放−回路電圧、Ustartは、検索前のPV電圧、
である。
【0165】
接続されたPVモジュール又は光電発電機の定格電力の為の検索領域の限度は、左手検索6に対し、グラフにより図13に例示されている。光電発電機の接続された定格電力から算出された最大検索電流のため、より高い電力の可能な範囲は、例示された場合に更に制限される。そのため、対応する検索領域は、同様に更に制限された。以前の左手終点41の下方にある左手検索終点41’において、定格検索電流35が最大電力12と交差するという点で、これが認識可能になる。開始点4における開始電圧は、22により明示されており;参照符号24は、左点終了電圧を表示する。
【0166】
電圧の事前定義の場合(この例示は、より高い電力が見つけられる場合に、現在の動作点が保存されることを示していない)、左手検索6の為に図14aに示されていることが、対応するフローチャートに示されている。
【0167】
ここで、
Upv は、現在のPV電圧、
Ppvは、現在のPV電力、
Pmaxは、検索中に見つけられた最大電力、
Isearchは、最大検索電流(又は、最大インバータPV電流)、
Pratedは、検索されるべきストリングに接続された光電発電機の定格電力、
kuは、例えば係数(MPP電圧/対応する電池の種類の場合における開放−回路電圧、Ustartは、検索前のPV電圧、
である。
【0168】
ステップ361で、左手検索が始まる。ステップ362において、Pmaxの初期化(ここで、Pmax(k) = Ppv(k))が明記されている。ステップ363で、電圧Upvがk段階で、例えば、最小検索電圧まで一定の勾配で減少される。ステップ365で、Pmaxが以下のように決定される。Pmax(k) = max (Pmax (k-1 ) , Ppv(k))
比較ステップ370では、以下の終了条件が満たされるか、最小検索電流が達せられたかを決定する為のチェックがなされる。Upv < Pmax / min (Prated / (Ustart * ku) , Isearch)
そうでない場合、当該方法はステップ363に戻り、電圧が更に減少される。
【0169】
より高い電力を有するMPPが見つけられる場合、その後、それは、現在の動作点として保存され、更なるステップで移行可能、或いは、更なるステップで設定される。より高いMPPが見つけられることなく、終了条件が満たされるか最小検索電圧が達せられた場合、その後、以前の或いは最後に見つけられたMPPが維持される。
【0170】
検索は、ステップ368で終了される。
【0171】
図14bに例示されるように、電流事前定義の場合には(より高い電力が見つけられる場合に現在の動作点が保存されることは例示されていない)対応するフローチャートが生じる。
【0172】
このフローチャートには、次の用語が使用されている。
【0173】
Upvは、現在のPV電圧、
Ppvは、現在のPV電力、
Pmaxは、検索中に見つけられる最大電力、
Isearchは、最大検索電流(又は、最大インバータPV電流)、
Pratedは、検索されるべきストリングに接続される光電発電機の定格電力、
kuは、例えば、係数(MPP電圧/対応する電池の種類の場合における開放−回路電圧、
Ustartは、検索前のPV電圧、
である。
【0174】
ステップ361において、左手検索が始まる。ステップ362で、Pmaxの初期化(ここで、Pmax(k) = Ppv(k))が有効化される。ステップ364に伴い、検索電流Ipvは、k段階で、例えば、最大検索電流まで一定の勾配で増加される。
【0175】
ステップ365で、Pmaxが以下のように決定される。
【0176】
Pmax(k) = max (Pmax (k-1) , Ppv(k) )
比較ステップ369では、以下の終了条件が満たされるか、最大検索電流(例えば、20)が達せられたかを決定する為のチェックがなされる。
【0177】
Upv < Pmax / min (Prated / (Ustart * ku), Isearch)
そうでない場合、当該方法はステップ364に戻り、検索電流が更に増加される。より高い電力を有するMPPが見つけられる場合、その後、それは、現在の動作点として保存され、更なるステップで移行可能、或いは、更なるステップで設定される。より高いMPPが見つけられることなく、終了条件が満たされるか最大検索電流が達せられた場合、その後、以前の或いは最後に見つけられたMPPが維持される。
【0178】
検索は、ステップ368で終了される。
【0179】
検索中、定義済み最小電力14がアンダーシュートでないことを確実にするため、どのように検索領域が更に制限可能であるかを以下に説明する。PVインバータを動作させる為に必要な電力がPVストリングにより得られるだけであり、更に、供給されるべきグリッドにより得られることが意図されないか得られないとき、これは主に必要である。検索中にインバータを動作させる為に必要な最小電力14のアンダーシュートは、その後、インバータの瞬間的故障を導く可能性がある。この場合、最大検索電流又は最大検索電圧を減少すること、あるいは、最小検索電流又は最小検索電圧を上昇させることにより、限度が有効化されるが、終了条件によっては有効化されない。
【0180】
最初に、右手検索5を説明する。
【0181】
終了条件(G01)及び(G02)と組み合わせた右手検索中に定義済み最小電力14がアンダーシュートにならないことを確実にするため、該当する場合、現在の動作点に依存しつつ、検索可能な領域が追加で制限される。
【0182】
電圧の事前定義の場合の式が最初に導かれ、その後、電流の事前定義の場合の式が導かれる。
【0183】
電圧の事前定義(右手検索用終了判別基準との組合せ専用):
一般的に、常に意図されていることは、現在の電力が最小電力より大きいことを確実にする点である:
Upv * Ipv >= Pmin
ここで、
Upvは、現在のPV電圧、
Ipvは、現在のPV電流、
Pminは、検索中の最小許容電力
である。
【0184】
右手検索中、以下の場合、検索は遅くとも終了される。
【0185】
Ipv < Pmax / Usearch
ここで、
Ipvは、現在のPV電流、
Pmaxは、以前に見つけられた最大電力、
Usearchは、最大検索電圧(又は、最大追従電圧又は最大インバータPV電圧)、
である。
【0186】
これにより、PV電流は、以前に見つけられた電力を最大検索電圧で割った値より大きいか、等しくなる:
Ipv >= Pmax / Usearch
ここで、
Ipvは、現在のPV電流、
Pmaxは、以前に見つけられた最大電力、
Usearchは、最大検索電圧(又は、最大追従電圧又は最大インバータPV電圧)、
である。
【0187】
そのため、PV電流は、以前に見つけられた電力を最大PV検索電圧で割った値と少なくとも等しくなる。これが、前述した第1の式に挿入されると、以下のようになる。
【0188】
Upv * Pmax / Usearch >= Pmin
ここで、
Upvは、現在のPV電圧、
Pmaxは、以前に見つけられた最大電力、
Usearchは、最大検索電圧(又は、最大追従電圧又は最大インバータPV電圧)、
Pminは、検索中の最小許容電力、
である。
【0189】
現在の電圧、最小許容電力、以前に見つけられた最大電力により、最大許容検索電圧を算出しようとすると、以下のようになる。
【0190】
U" search = Upv * Pmax / Pmin (G12)
ここで、
Upvは、現在のPV電圧、
Pmaxは、以前に見つけられた最大電力、
U"searchは、定義済み最小電力を考慮に入れた最大検索電圧、
Pminは、検索中の最小許容電力、
である。
【0191】
最大検索電圧Usearchを考慮に入れると、最大検索電圧は以下のようになる。
【0192】
最大検索電圧=min (U" search, Usearch) (G13)
最大検索電圧=min (Upv * Pmax / Pmin, Usearch) (G14)
ここで、
U"searchは、定義済み最小電力を考慮に入れた最大検索電圧、
Usearchは、最大検索電圧(又は、最大追従電圧又は最大インバータPV電圧)、
Upvは、現在のPV電圧、
Pmaxは、以前に見つけられた最大電力、
Pminは、検索中の最小許容電力、
である。
【0193】
前述した最大検索電圧は、検索中、電圧の事前定義の為の制限値として観念的には使用されるべきである。しかしながら、検索領域を制限する為に、これを前述した終了条件に挿入可能である。前述した最大検索電圧を、新たに、各ステップ毎に算出する。
【0194】
電圧の事前定義の為に特定された式も同様に、終了条件として使用可能であり、電流の事前定義の場合には検索領域の限度として使用可能である。
【0195】
右手検索の為の、更には、電流の事前定義の場合の、対応した限度の導出は、図15を参照して、以下に例示される。
【0196】
検索中に許容される最小電力14は、一定電力の湾曲線として描かれている。右手検索5の間、PVモジュールの電圧Upv又は光電発電機のUpvは、物理的な指導原理の為に減少できない。そのため、右手検索中に最小許容電流を算出する為に、電圧Upvは、(最悪の場合)一定とみなさなければならない。そのとき、後者は、最小許容電力上に垂直に突出可能である。開始電流32を用いて現在の動作点4から着手する交差点の制限検索電流42における電流は、事前定義済み最小電力14がアンダーシュートされることが許容されないなら、右手検索5の間の最小許容電流である。以下のように算出される。
【0197】
I"searchmin = Pmin / Upv (G15)
ここで、
I"searchminは、定義済み最小電力を考慮に入れた最小検索電流、
Pminは、検索中の最小許容電力、
Upvは、現在のPV電圧、
である。
【0198】
検索中の最小検索電流に対して追加で定義された制限を考慮に入れると、右手検索中の所望値に対し、以下のようになる。
【0199】
最小検索電流=max ( I " searchmin, Imin) (G16)
最小検索電流=max (Pmin / Upv, Imin) (G17)
ここで、
I"searchminは、定義済み最小電力を考慮に入れた最小検索電流、
Iminは、最小電流に対して追加で定義された制限、
Pminは、検索中の最小許容電力、
Upvは、現在のPV電圧、
である。
前述した最小検索電流は、検索中、電流の事前定義の為の制限値として観念的には使用されるべきであり、制限検索電流36として明示される。新たに、各ステップ毎に算出する。
【0200】
電流の事前定義の為に特定された式も同様に、終了条件として使用可能であり、電圧の事前定義の場合には検索領域の限度として使用可能である。
【0201】
左手検索6の間、定義済み最小電力14がアンダーシュートでないことを確実にするため、該当する場合、現在の動作点に依存しつつ、検索可能な領域が追加で制限される。このため、該当する場合、検索中に最小許容電圧が上昇される。
【0202】
電圧の事前定義の場合の式が最初に導びれ、その後、電流の事前定義の場合の式が導びかれる。
【0203】
以下、左手検索6の為に対応した限度の導出が、図16を参照して例示される。
【0204】
検索中に許容された最小電力14は、一定電力の湾曲線として描かれている。左手検索6の間、PVモジュールの電流Ipvあるいは光電発電機の電流Ipvは、物理的指導原理のため、減少できない。そのため、左手検索6の間の最小許容電圧を算出する為に、(最悪の場合)電流Ipvは一定とみなされなければならない。その後、現在の電流は、最小許容電力上に垂直に突出可能になる。現在の動作点4から着手する交差点制限検索電圧43における電圧は、事前定義済み最小電力がアンダーシュートされることが許容されないなら、左手検索中の最小許容電圧(制限検索電圧26)である。それは、次のように算出される:
U"searchmin = Pmin / Ipv (G18)
ここで、
U"searchminは、定義済み最小電力を考慮に入れた最小検索電圧、
Pminは、検索中の最小許容電力、
Ipvは、現在のPV電流、
である。
【0205】
検索中の最小検索電圧に対して追加で定義された制限を考慮に入れると、左手検索中の所望値に対し、以下のようになる。
【0206】
最小検索電圧=max (U" searchmin, Umin) (G19)
最小検索電圧=max (Pmin / Ipv, Umin) (G20)
ここで、
U"searchminは、定義済み最小電力を考慮に入れた最小検索電圧、
Uminは、追加で定義された最小電圧に対する制限、
Pminは、検索中の最小許容電力、
Ipvは、現在のPV電流、
である。
【0207】
前述した最小検索電圧(制限検索電圧26)は、検索中、電圧の事前定義の為の制限値として観念的には使用されるべきである。新たに、各ステップ毎に算出する。
【0208】
電圧の事前定義の為に特定された式も同様に、終了条件として使用可能であり、電流の事前定義の場合には検索領域の限度として使用可能である。
【0209】
電流の事前定義(左手検索に対する終了判別基準との組合せ専用)
一般的に常に意図されていることは、現在の電力が最小電力より大きいことを確実にすることである。
【0210】
Upv * Ipv >= Pmin
ここで、
Upvは、現在のPV電圧、
Ipvは、現在のPV電流、
Pminは、検索中の最小許容電力、
である。
【0211】
左手検索6の間、検索は、遅くとも、以下の場合に終了される。
【0212】
Upv < Pmax / Isearch
ここで、
Upvは、現在のPV電圧、
Pmaxは、以前に見つけられた最大電力、
Isearchは、最大検索電流(又は最大インバータPV電流)、
である。
【0213】
これにより、PV電圧は、以前に見つけられた電力を最大検索電流で割った値より大きいか、等しくなる:
Upv >= Pmax / Isearch
ここで、
Upvは、現在のPV電圧、
Pmaxは、以前に見つけられた最大電力、
Isearchは、最大検索電流(又は最大インバータPV電流)、
である。
【0214】
そのため、PV電圧は、以前に見つけられた電力を最大PV検索電流で割った値に等しくなる。これを最初に述べた式に挿入すると、次のようになる。
【0215】
Pmax / Isearch * Ipv >= Pmin
ここで、
Ipvは、現在のPV電流、
Pmaxは、以前に見つけられた最大電力、
Isearchは、最大検索電流(又は最大インバータPV電流)、
Pminは、検索中の最小許容電力、
である。
【0216】
ここで、現在の電流、最小許容電力及び以前に見つけられた最大電力に従って最大許容検索電流を算出しようとすると、次のようになる。
【0217】
I "search = Ipv * Pmax / Pmin (G21)
ここで、
Ipvは、現在のPV電流、
Pmaxは、以前に見つけられた最大電力、
I"searchは、定義済み最小電力を考慮に入れた最大検索電流、
Pminは、検索中の最小許容電力、
である。
【0218】
最大検索電流Isearchを考慮に入れると、最大検索電流は以下のようになる。
【0219】
最大検索電流=min ( I " search, Isearch) (G22)
最大検索電流=min(Ipv * Pmax/Pmin, Isearch) (G23)
ここで、
I"searchは、定義済み最小電力を考慮に入れた最大検索電流、
Isearchは、最大検索電流(又は最大インバータPV電流)、
Ipvは、現在のPV電流、
Pmaxは、以前に見つけられた最大電力、
Pminは、検索中の最小許容電力、
である。
【0220】
前述した最小検索電流は、検索中、電流の事前定義(制限検索電流36)の為の制限値として観念的には使用されるべきである。しかしながら、検索領域を制限する為に。これを前述した終了条件に挿入することができる。前述した最大検索電流は、新たに、各ステップ毎に算出される。
【0221】
電流の事前定義の為に特定された式も同様に、終了条件として使用可能であり、電圧の事前定義の場合には検索領域の限度として使用可能である。
【0222】
以下、反対方向における検索の排除の為の説明である。
【0223】
より高い電力点が検索中に見つかると、その後、(該当する場合には)反対方向における検索が排除可能である。
【0224】
右手検索の場合に、反対方向における検索が排除可能であるかの決定は、図17を参照して導かれる。PV発電機又はPVモジュールのIU特定曲線(実際の特性曲線11)における最大勾配から着手すると、PV電圧Upvは、PV電流Ipvが上昇されるとき、最大で一定になる。そのため、最大検索電流30と組み合わせて、左手検索中の最大可能電力は、次のように算出可能である。
【0225】
左手検索中の最大可能電力=Ustart * Isearch
ここで、
Ustartは、検索前のPV電圧(開始電圧22)
Isearchは、最大検索電流30、
である。
【0226】
右手検索5の間に見つけられた電力(見つけられたグローバル最大電力点MPP2における右手最大電力)が左手検索中の可能な左手最大電力18を超えると、その後、左手検索は排除可能である。この場合、検索前の開始点4は、グローバル又はローカル最大電力点MPPでもよく、IU特性曲線上の任意の点又は実際の特性曲線11上の任意の点でもよい。
【0227】
左手検索6が排除可能であることに対する対応条件は、次のようになる。
【0228】
Ustart * Isearch <= Pmax (G24)
ここで、
Ustartは、検索前のPV電圧、
Isearchは、最大検索電流(又は、最大インバータPV電流)、
Pmaxは、検索中に見つけられた最大電力、
である。
【0229】
ここで使用された最大検索電流30は、同様に、接続された光電発電機の定格電力により、定格検索電流35まで、対応させて減少させることができる。
【0230】
図18には、電圧の事前定義又は電流の事前定義の場合に対応するフローチャートが例示されている。
【0231】
この場合、有効なものは以下の通り:
Ustartは、検索前のPV電圧、
Isearchは、最大検索電流(又は、最大インバータPV電流)
Pmaxは、検索中に見つけられた最大電力、
である。
【0232】
ステップ301にて、検索が始まる。ステップ302において、以下の初期化が有効化される。Ustart = Upv
これに、ステップ3330が続き、見つけられる最大電力がPmaxとして保存される。
【0233】
比較ステップ303において、以下の条件が、更なる左手検索が排除可能かについてチェックされる。
【0234】
Ustart * Isearch <= Pmax
そうでない場合、ステップ360において、左手検索が実行される。ステップ303における比較を考慮に入れて、左手検索が排除可能であるなら、その後、ステップ360は省略される。ステップ305において、見つけられたものが最大電力点に移行される。
【0235】
ステップ306において、検索は終了される。
【0236】
図19を参照して、左手検索の場合に反対方向における検索が排除可能であるかの決定が導かれている。IU特性曲線の特徴を考慮に入れると、電流Ipvは、右手検索中、最大で一定にとどまることができる。そのため、最大検索電圧20と組み合わせて、右手検索中の最大可能電力は、次のように算出可能である。
【0237】
右手検索中の最大可能電力=Istart * Usearch
ここで、Istartは、検索前のPV電流、Usearchは、最大検索電圧である。
【0238】
開始電圧22で最大電力12の開始点4から着手する左手検索6の間に、グローバル最大電力点MPP2と共に見つけられた左手最大電力16が、右手検索中の可能右手最大電力17を超えると、その後、右手検索は排除可能である。この場合、検索前の開始点4は、グローバル又はローカル最大電力点MPPでもよく、IU特性曲線上の任意の点又は実際の特性曲線11上の任意の点でもよい。
【0239】
右手検索が排除可能であることに対する対応条件は、次のようになる。
【0240】
Istart * Usearch <= Pmax (G25)
ここで、
Istartは、検索前のPV電流、
Usearchは、最大検索電圧(又は最大追従電圧又は最大インバータPV電圧)、
Pmaxは、検索中に見つけられた最大電力、
である。
【0241】
ここで使用された最大検索電圧20は、同様に、接続された光電発電機の定格電力により、或いは/更に、定義済み最小電力14を確実にする為の検索領域限度により、定格検索電圧25まで、対応させて減少させることができる。
【0242】
図20には、電圧の事前定義又は電流の事前定義の場合に対応するフローチャートが生じる。
【0243】
この場合、有効なものは以下の通り:
Istartは、検索前のPV電流、
Usearchは、最大検索電圧(又は、最大追従電圧又は最大インバータPV電圧)、
Pmaxは、検索中に見つけられた最大電力、
である。
【0244】
ステップ301において、検索が開始される。ステップ312において、次の初期化が有効化される。Istart = Ipv
これに、ステップ360における左手検索が続く(ここで、見つけられた最大電力は、Pmaxとして保存される)。
【0245】
比較ステップ304において、更なる右手検索が排除可能であるかについて、次の条件がチェックされる。
【0246】
Istart * Usearch <= Pmax
そうでない場合、ステップ330において、左手検索が実行される。
【0247】
ステップ304における比較に基づき、右手検索が排除可能であるなら、その後、ステップ330は省略される。
【0248】
ステップ305において、見つけられたものが最大電力点に移行される。
【0249】
ステップ306において、検索は終了される。
【0250】
より高い電力が見つけられる場合に反対方向における検索の排除に対する条件が有効になる為に、正確な検索方向で始めることが必要である。そのため、検索を始める前に、正確な検索方向で決定することが得策である。これは、左手検索中に最大可能電力18、右手検査中に最大可能電力17を用いて、行うことができる。右手検索中の最大可能電力17が、左手検索中の最大可能電力18より大きいなら、その後は、右手検索で始めることが得策である。この場合、図21及び図23に示されるように、より高い電力点が見つけられると、その後、反対方向における検索の排除に対し、超えられる2つの電力のうち小さなものに対してのみ、必要になる。この場合、検索前の開始点4及び検索方向の選択の際の開始点4は、グローバル又はローカル最大電力点MPPでもよく、IU特性曲線上の任意の点又は実際の特性曲線11上の任意の点でもよい。
【0251】
図21は、初期の右手検索で、検索方向の選択を解明する為の典型的なグラフによる例示を示す。
【0252】
検索領域は、可能な右手最大電力17により範囲が限定されている。実際の特性曲線11は、右手最大電力15の曲線上にあるグローバル最大電力点MPP2を有する。参照符号18を有する曲線は、可能な左手最大電力を表示する。開始電圧22及び開始電流32は、以前の最大電力12の開始点4に基づいて生じ、検索電圧20及び検索電流30は、最大値として明記される。
【0253】
意図が右手検索5で始めるべきであるという事実の為の条件は、次のように読める(図21を参照)。
【0254】
Istart * Usearch > Ustart * Isearch ^ right-hand search first (G26)
ここで、
Istartは、検索前のPV電流、
Usearchは、最大検索電圧(又は、最大追従電圧又は最大インバータPV電圧)、
Ustartは、検索前のPV電圧、
Isearchは、最大検索電流(又は、最大インバータPV電流)、
である。
ここで使用された最大検索電流30は、同様に、接続された光電発電機の定格電力により、対応させて減少させることができる。ここで使用された最大検索電圧20は、接続された光電発電機の定格電力により、或いは/更に、定義済み最小電力14を確実にする為の検索領域限度により、対応させて減少させることができる。
【0255】
電圧の事前定義又は電流の事前定義の場合の対応するフローチャートは、図22に示されている。
【0256】
この場合、有効なものは以下の通り:
Istartは、検索前のPV電流、
Usearchは、最大検索電圧(又は、最大追従電圧又は最大インバータPV電圧)、
Ustartは、検索前のPV電圧、
Isearchは、最大検索電流(又は、最大インバータPV電流)、
である。
検索は、ステップ301において開始され、ステップ322における、Istart=Ipv及びUstart=Upvの初期化が続く。ステップ323にて、どの検索方向が最初にとられるかについての決定がなされる比較ステップが続く。比較条件は、次のように読める。
【0257】
Istart * Usearch > Ustart * Isearch
この条件が満たされると、その後、ステップ330において右手検索を用いて検索が始まり、その後、
Ustart * Isearch <= Pmax
という条件を用いて、ステップ360にて検索を左手側で続けるか、或いは、省略されるかについてのチェックがなされる比較ステップ303が続く。ステップ305において、最大電力点に移行され、ステップ306において、検索が終了される。
【0258】
ステップ323において、以下の条件が満たされないと、その後、ステップ360において、最初に左手検索で当該方法が始まる。
【0259】
Istart * Usearch > Ustart * Isearch
比較ステップ304において、以下の条件を用いて、ステップ330において右手検索側で続けられるか、或いは省略されるかについてのチェックがなされる。
【0260】
Istart * Usearch <= Pmax
ステップ305において、最大電力点に移行され、ステップ306において、検索は終了される。
【0261】
条件(G26)における両方の電力の大きさが等しいなら、その時、最初の検索方向は、重要ではない。
【0262】
前記条件(G26)は、同様に、左手検索を用いて始める為の条件に、再度の公式化が可能である。
【0263】
Istart * Usearch < Ustart * Isearch → left-hand search first (G27)
ここで、
Istartは、検索前のPV電流、
Usearchは、最大検索電圧(又は、最大追従電圧又は最大インバータPV電圧)
Ustartは、検索前のPV電圧、
Isearchは、最大検索電流(又は最大インバータPV電流)、
である。
【0264】
条件(G26)に関する違いは、不等記号の反転に存在する。
【0265】
図23は、初期の左手検索を用いた検索方向の選択を解明する為の典型的なグラフによる例示を例示する。
【0266】
検索領域は、可能な左手最大電力18により限界が定められる。実際の特性曲線11は、左手最大電力16の曲線上にあるグローバル最大電力点MPP2を有する。参照符号17を有する曲線は、可能な右手最大電力を表示する。開始電圧及び開始電流32は、先の最大電力12に基づいて生じ、検索電圧20及び検索電流30は、最大値として明記される。
【0267】
ここで使用された最大検索電流30は、同様に、接続された光電発電機の定格電力により、対応させて減少させることができる。ここで使用された最大検索電圧20は、接続された光電発電機の定格電力により、或いは/更に、定義済み最小電力を確実にする為の検索領域限度により、対応させて減少させることができる。
【0268】
比較ステップ323(不等記号の反転)では満たされない条件(G26)の観点で、図22には、電圧又は電流の事前定義の場合の対応するフローチャートが含まれている。
【0269】
この点で、既に説明が示されている。
【0270】
本発明は、前述した典型的な実施形態に限定されるものではない。もちろん、添付される請求項の範囲内で変形は可能である。
【0271】
そのため、本発明に従う方法は、一例として、既存の追従方法をグローバルな最大電力点MPPに積み換える為に、或いは、追従方法の為に開始点を見つける為に、より高い又は最大電力点を検索する為に使用可能であるが、それ自体を追従方法として使用することも可能である。本発明は、前述された一つ以上の典型的な実施形態に限定されるものではない。むしろ、請求項の単なる文言に限定されることなく、他の方法で他の手段を用いて、その目的が達成される等価物も同様に、請求項の文言に該当するものである。
【0272】
特に、詳細な説明における様々な終了の判別基準は、組み合わされて、補助的に、適合される方式で、多様に使用可能である。
【参照符号】
【0273】
1…最大電力点(MPP)、2…グローバル最大電力点MPP、3…ローカル最大電力点、4…開始点、5…右手検索、6…左手検索、10…定格特性曲線、11…実際の特性曲線、12…最大電力、13…電力範囲、14…最小電力、15…右手最大電力、16…左手最大電力、17…右手可能最大電力、18…左手可能最大電力、19…電力損失、20…最大検索電圧、21…開放回路電圧、22…開始電圧、23…右手終了電圧、24…左手終了電圧、25…定格検索電圧、26…制限検索電圧、30…最大検索電流、31…短絡回路電流、32…開始電流、33…右手検索終了電流、34…左手終了電流、35…定格検索電流、36…制限検索電流、40,40’…右手検索終了点、41,41’…m左点検索終了点、42…交差点制限検索電流、43…交差点制限検索電圧、100〜500…当該方法のステップ、I…電流、D…ダイオード、N…電力PV光電発電機、PV…電流源、Ri…内部抵抗、RL…負荷、t…時間、U…電圧
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力/電圧曲線上の最大限に検索可能な検索領域内で、光電発電機の下流側に接続された装置により、2つのパラメータである検索電圧及び検索電流のうち少なくとも一つのパラメータの変動により、光電発電機(PV)の最大電力点(MPP)を決定する為の方法であって、
a)開始電圧及び開始電流を伴う開始電力を用いて開始点(4)を定義することにより初期化するステップ(ステップ100)と、
b)前記検索領域を制限する為に少なくとも二つの制限条件を考慮に入れ、前記検索領域内の前記検索電圧の繰返し変動及び前記検索電流の繰返し変動により、少なくとも一つの検索方向(5,6)において前記最大電力点(MPP)を検索するステップと、
c)ステップb)における前記検索領域を制限する為の前記少なくとも二つの制限条件の1つが満足される場合には前記検索を終了するステップと、
を備える、方法。
【請求項2】
電力/電圧曲線上の最大限に検索可能な検索領域内で、光電発電機の下流側に接続された装置の手段により、2つのパラメータ検索電圧及び検索電流のうち少なくとも一つのパラメータの変動により、光電発電機(PV)の最大電力点(MPP)を決定する方法であって、
a)開始電圧及び開始電流を用いて開始電力で開始点(4)を定義することにより初期化するステップ(ステップ100)と、
b)前記検索領域を制限する為に少なくとも二つの制限条件を考慮に入れ、前記検索領域内の前記検索電圧の繰返し変動及び前記検索電流の繰返し変動により、少なくとも一つの検索方向(5,6)において前記最大電力点(MPP)を検索するステップと、
c)ステップb)における前記検索領域を制限する為の前記少なくとも二つの制限条件の1つが満足される場合には前記検索を終了するステップと、
d)前記検索領域を制限する為に少なくとも一つの第2制限条件を考慮に入れ、前記検索領域内の前記検索電圧の繰返し変動及び前記検索電流の繰返し変動により、第2検索方向(5,6)において前記最大電力点(MPP)を検索するステップと、
e)ステップd)における前記検索領域を制限する為の前記第2制限条件が満足される場合に前記第2検索方向(5,6)において前記検索を終了させるステップと、
を備える、方法。
【請求項3】
検索領域を制限する為の2つ以上の制限条件は、前記検索を考慮に入れることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
検索領域を制限する為の前記少なくとも一つの制限条件は、決定された終了条件を備え、前記終了条件は、残りの前記検索領域に電力増加の見込みがある限り前記検索方向が維持されることを決めることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記検索領域を制限する為の前記少なくとも一つの制限条件は、前記検索中に既に達成される動作状態において与えられるパラメータの評価で決定されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
最大検索電圧(20)及び最大検索電流(30)は、前記開始点(4)で前記検索領域を定義する時に考慮に入れられることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1検索方向における前記検索は、右手用の検索として遂げられることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第2検索方向における前記検索は、左手用の検索として遂げられることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記検索領域を制限する為の前記制限条件の一つが満足されるかという点が、前記方法の進行中に連続して新たにチェックされることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記検索領域を制限する為の前記少なくとも一つの制限条件は、検索方向が維持される場合に最小電力がアンダーシュートになることを決める論理的に決定された終了条件を備えることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも一つの制限条件は、終了条件であり、前記終了条件は、個別的に或いは組み合わせて、一つ以上の以下のパラメータ、すなわち、
Upv:=現在の光電発電機の電圧、
ipv:=現在の光電発電機の電流、
Ppv:=現在の光電発電機の電力、
Pmin:=満たされるべき光電発電機の最小電力、
Pmax:=検索中に以前に見いだされた最大電力、
Iseach:=最大検索電流(又は、最大インバータPV電流)、
Useach:=最大検索電圧、
Prated:=光電発電機の定格電力、
ki:=係数MPP電流/対応するセル型の短絡回路電流、
を考慮に入れることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記第1検索方向における前記最大可能電力は、前記第2検索方向における最大可能電力よりも高いことを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
それぞれに決定される前記最大電力点は保存されることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記最大決定電力における点は、前記検索が終了された後に設定されることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記第2検索方向における前記検索は、前記検索領域を制限する為の制限条件が満足される場合に取り除かれることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記第1制限条件は、前記第2制限条件とは異なることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項17】
前記電力増加は、ゼロとは異なる所定最小値を超える、請求項4に記載の方法。
【請求項1】
電力/電圧曲線上の最大限に検索可能な検索領域内で、光電発電機の下流側に接続された装置により、2つのパラメータである検索電圧及び検索電流のうち少なくとも一つのパラメータの変動により、光電発電機(PV)の最大電力点(MPP)を決定する為の方法であって、
a)開始電圧及び開始電流を伴う開始電力を用いて開始点(4)を定義することにより初期化するステップ(ステップ100)と、
b)前記検索領域を制限する為に少なくとも二つの制限条件を考慮に入れ、前記検索領域内の前記検索電圧の繰返し変動及び前記検索電流の繰返し変動により、少なくとも一つの検索方向(5,6)において前記最大電力点(MPP)を検索するステップと、
c)ステップb)における前記検索領域を制限する為の前記少なくとも二つの制限条件の1つが満足される場合には前記検索を終了するステップと、
を備える、方法。
【請求項2】
電力/電圧曲線上の最大限に検索可能な検索領域内で、光電発電機の下流側に接続された装置の手段により、2つのパラメータ検索電圧及び検索電流のうち少なくとも一つのパラメータの変動により、光電発電機(PV)の最大電力点(MPP)を決定する方法であって、
a)開始電圧及び開始電流を用いて開始電力で開始点(4)を定義することにより初期化するステップ(ステップ100)と、
b)前記検索領域を制限する為に少なくとも二つの制限条件を考慮に入れ、前記検索領域内の前記検索電圧の繰返し変動及び前記検索電流の繰返し変動により、少なくとも一つの検索方向(5,6)において前記最大電力点(MPP)を検索するステップと、
c)ステップb)における前記検索領域を制限する為の前記少なくとも二つの制限条件の1つが満足される場合には前記検索を終了するステップと、
d)前記検索領域を制限する為に少なくとも一つの第2制限条件を考慮に入れ、前記検索領域内の前記検索電圧の繰返し変動及び前記検索電流の繰返し変動により、第2検索方向(5,6)において前記最大電力点(MPP)を検索するステップと、
e)ステップd)における前記検索領域を制限する為の前記第2制限条件が満足される場合に前記第2検索方向(5,6)において前記検索を終了させるステップと、
を備える、方法。
【請求項3】
検索領域を制限する為の2つ以上の制限条件は、前記検索を考慮に入れることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
検索領域を制限する為の前記少なくとも一つの制限条件は、決定された終了条件を備え、前記終了条件は、残りの前記検索領域に電力増加の見込みがある限り前記検索方向が維持されることを決めることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記検索領域を制限する為の前記少なくとも一つの制限条件は、前記検索中に既に達成される動作状態において与えられるパラメータの評価で決定されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
最大検索電圧(20)及び最大検索電流(30)は、前記開始点(4)で前記検索領域を定義する時に考慮に入れられることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1検索方向における前記検索は、右手用の検索として遂げられることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第2検索方向における前記検索は、左手用の検索として遂げられることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記検索領域を制限する為の前記制限条件の一つが満足されるかという点が、前記方法の進行中に連続して新たにチェックされることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記検索領域を制限する為の前記少なくとも一つの制限条件は、検索方向が維持される場合に最小電力がアンダーシュートになることを決める論理的に決定された終了条件を備えることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも一つの制限条件は、終了条件であり、前記終了条件は、個別的に或いは組み合わせて、一つ以上の以下のパラメータ、すなわち、
Upv:=現在の光電発電機の電圧、
ipv:=現在の光電発電機の電流、
Ppv:=現在の光電発電機の電力、
Pmin:=満たされるべき光電発電機の最小電力、
Pmax:=検索中に以前に見いだされた最大電力、
Iseach:=最大検索電流(又は、最大インバータPV電流)、
Useach:=最大検索電圧、
Prated:=光電発電機の定格電力、
ki:=係数MPP電流/対応するセル型の短絡回路電流、
を考慮に入れることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記第1検索方向における前記最大可能電力は、前記第2検索方向における最大可能電力よりも高いことを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
それぞれに決定される前記最大電力点は保存されることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記最大決定電力における点は、前記検索が終了された後に設定されることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記第2検索方向における前記検索は、前記検索領域を制限する為の制限条件が満足される場合に取り除かれることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記第1制限条件は、前記第2制限条件とは異なることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項17】
前記電力増加は、ゼロとは異なる所定最小値を超える、請求項4に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図4a】
【図4b】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図9】
【図10】
【図11a】
【図11b】
【図12】
【図13】
【図14a】
【図14b】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図4a】
【図4b】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図9】
【図10】
【図11a】
【図11b】
【図12】
【図13】
【図14a】
【図14b】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公表番号】特表2013−520739(P2013−520739A)
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−554330(P2012−554330)
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【国際出願番号】PCT/EP2011/052646
【国際公開番号】WO2011/104253
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(504109698)エスエムエー ソーラー テクノロジー アーゲー (14)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【国際出願番号】PCT/EP2011/052646
【国際公開番号】WO2011/104253
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(504109698)エスエムエー ソーラー テクノロジー アーゲー (14)
【Fターム(参考)】
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