説明

光AD変換方法及び光AD変換器

【課題】標本化周波数が高い場合でも所定のNOLM伝達関数を実現できる光AD変換方法及び光AD変換器を提供する。
【解決手段】光AD変換器1は、NOLM2と矩形化器3、及び矩形化器3からの出力光をNOLM2に入射するための光カプラ4から構成される。標本化された光アナログ信号であるパルス状コントロール光11は、Gauss関数型もしくはsech関数型のパルス列で形成されており、これを矩形化器3に入射して矩形状コントロール光12に整形し、これを光カプラ4からNOLM2に入射する。透過ポート8からは、スイッチングされたプローブ光14が出力される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光アナログ信号を光ディジタル信号に変換する光アナログーディジタル(AD)変換器の技術分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
アナログーディジタル(AD)変換及びディジタルーアナログ(DA)変換は、連続的に変化するアナログ信号と、信号処理、伝達、記録などに適したディジタル信号とを結ぶ技術として研究及び開発が行われている。近年の信号処理速度の向上に伴い、電子デバイスの動作制限を受けない超高速光AD変換、超高速光DA変換が求められている。
【0003】
AD変換には、標本化、量子化、及び符号化の3つの処理が必要である。電子デバイスの発展には目を見張るものがあり、電気的なAD変換では並列処理を導入して高速化の努力が図られている。しかしながら、電子回路の熱雑音、標本化のアパチャのジッタ、比較器の曖昧性、さらにはハイゼンベルグの不確定性原理などの物理的な限界から、標本化周波数は高々数10GHzとされている。
【0004】
そこで、より高速な処理を実現するものとして、光AD変換の研究・開発が進められており、特に高速大容量化のニーズが高い通信分野において重要性が高まっている。
光標本化を実現する方法として、2次の非線形光学結晶中での和周波発生を用いる方法、非線形光ループミラー中での相互位相変調(XPM)を用いる方法、及び光ファイバ中での四光波混合(FWM)を用いる方法等がすでに提案されている。
【0005】
一方、量子化及び符号化は動作が複雑であることから、光信号に対して実現することは容易ではない。光信号の量子化及び符号化を一括して実現するために、Sagnac干渉計に基づく非線形光ループミラー(NOLM)スイッチを用いる方法が特許文献1で提案されている。以下では、特許文献1で記載の量子化及び符号化の方法について図7を用いて説明する。
【0006】
標本化された光アナログ信号として、強度が光アナログ信号の振幅に比例する光パルス列を用い、これをコントロール光111としている。図7では、コントロール光111を光カプラ102からNOLM101に入射しており、NOLM101の一方向にのみ(時計回り)伝搬するようにしている。
【0007】
またプローブ光112として、標本化された光アナログ信号である前記コントロール光111の標本化クロックに同期した光パルス列を用いている。プローブ光112は、光カプラ103の入力ポート104からNOLM101に入射され、NOLM101の両方向に伝搬するようにしている。図7では、時計回りのプローブ光を112Aとし、反時計回りのプローブ光を112Bとしている。
【0008】
NOLM101中を両方向に伝搬するプローブ光112のうち、コントロール光111と同じ方向に伝搬するプローブ光112Aは、コントロール光111と時間的に重ね合わせられ、両者の間でXPMが発生する。プローブ光112Aには、コントロール光111とのXPMによる位相シフトが発生するが、その量はコントロール光111の強度、すなわち前記標本化されたアナログ信号の強度に比例する。
【0009】
コントロール光111が存在しない場合には、NOLM101を一周伝搬したプローブ光112Aと112Bとはそれぞれ同じ位相となっている。その結果、透過ポート105では両者が逆位相で干渉して両方の成分が消える一方、入射ポート104では両者が同位相で干渉して強め合い、結果的にプローブ光112は入射ポート104に出力される。
【0010】
コントロール光111を光カプラ102から入射する場合、その強度を線形的に大きくしていくと、プローブ光112がスイッチングされて透過ポート105へ出力される割合(スイッチングされたプローブ光113の出力割合)、すなわちNOLM101の伝達関数が正弦波的に変化する。特許文献1では、正弦波的な前記伝達関数の周期が異なる複数のNOLMスイッチを構成することで、量子化及びGray符号に基づく符号化を実現している。
【0011】
一方、光信号処理の別の技術として、例えば光信号の再生等に必要な光信号の波形整形に関する技術もすでに知られており、例えば非特許文献1、あるいは非特許文献2に報告されている技術がある。
【特許文献1】特開2005−173530号
【特許文献2】WO2003−104886
【非特許文献1】S. Watanabe et al., “160 Gbit/s Optical 3R-Regenerator in a Fiber Transmission Experiment”, OFC2003, PD16(2003)
【非特許文献2】H. Nakatsuka et al., Phys. Rev. Lett. Vol. 47, p.910 (1981).
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上記従来の技術では以下のような問題があった。図7に示すNOLM101の内部でコントロール光111とプローブ光112Aとの間でXPMを発生させるためには、以下の条件を満たす必要がある。第一に、コントロール光111とプローブ光112Aとが時間的に重なりを持つこと、第二に、コントロール光111とプローブ光112の波長が異なっていること、そして第三に、コントロール光111をポンプ光とするパラメトリック増幅効果によってプローブ光112Aが受ける利得を、できる限り抑圧することである。
【0013】
XPMの効率を最大にするためには、図8に示すようにコントロール光111とプローブ光112Aの頭頂部の位置を常に一致させ、同じ群速度でNOLM101中を伝搬させる必要があるが、そのためにはコントロール光111とプローブ光112のそれぞれの波長の中間において、NOLM101を構成する非線形ファイバの分散値が零である必要がある。
【0014】
仮に前記非線形ファイバの分散値が零でない場合には、コントロール光111とプローブ光112との波長差が両者の群速度差となり、NOLM101内を伝搬中にコントロール光111とプローブ光112との間に時間位置のずれ(ウォークオフ)が発生して、XPMの効率が劣化してしまうといった問題がある。ウォークオフの1例を図9に示す。
【0015】
通常、光パルスの波形はGauss関数もしくはsech関数型が多く用いられるが、図9に示す通り、コントロール光111のパルス幅121(電力半値幅;FWHM)の半分に相当する時間差122が発生すると、XPMの効率がピーク値に比較して50%劣化してしまうという問題がある。
【0016】
一方、前記非線形ファイバの分散値を零に近づけた場合には、コントロール光111とプローブ光112Aの間でFWM(四光波混合)が発生する。このFWMによってプローブ光112Aにパラメトリック利得が発生するため、出力時にプローブ光112Aのエネルギーがプローブ光112Bを上回ることになり、意図された干渉効果を実現できず、NOLM101のスイッチ特性の劣化につながってしまうといった問題がある。
【0017】
そこで特許文献1では、NOLM101を構成する非線形ファイバの分散値を零でない所定の値に設定することにより、多少のウォークオフを受容する代わりに、パラメトリック利得を抑圧する方法を提案している。しかしながら特許文献1の方法でも、標本化周波数が増大するとウォークオフの影響が顕著になってしまうといった問題がある。
【0018】
標本化周波数が増大するほどウォークオフの影響が顕著になる理由として、第一に、コントロール光111やプローブ光112に用いる光パルスの幅が短くなるためである。ウォークオフの程度は、コントロール光111のパルス幅、及びコントロール光111とプローブ光Aとの時間差の両者の相対的な関係で決まってくる。そのため、コントロール光111のパルス幅が短くなれば、前記時間差がわずかであってもコントロール光111とプローブ光112の重なりに著しく影響してしまう。
【0019】
第二の理由として、前記光パルスの幅が短くなることで、周波数領域の観点からはそれぞれの信号の帯域が増大することになるため、両者の波長差を大きくする必要がある。その結果、同じファイバ分散値でも、波長差が大きいためより大きな時間差につながってしまう。
【0020】
上記の理由から、パラメトリック利得を抑圧するためにNOLM101を構成する非線形ファイバの分散値を零でない所定の値に設定すると、標本化周波数が増大した場合には、発生するウォークオフの幅が小さくてもその影響は顕著になってしまうといった問題がある。
【0021】
そこで、本発明はこれらの問題を解決するためになされたものであり、標本化周波数が高い場合でも所定のNOLM伝達関数を実現できる光AD変換方法及び光AD変換器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
この発明の第1の態様は、プローブ光と標本化されたアナログ光であるコントロール光とをNOLM(非線形光ループミラー)に入射して前記プローブ光を前記コントロール光でスイッチングする光AD変換方法であって、前記コントロール光を矩形化して前記NOLMに入射することを特徴とする光AD変換方法である。
【0023】
この発明の第2の態様は、前記コントロール光を所定の光ファイバに伝搬させることで矩形化することを特徴とする光AD変換方法である。
【0024】
この発明の第3の態様は、前記所定の光ファイバが偏波保持ファイバであり、前記コントロール光の偏波状態を直交固有偏波状態に対しパワーが等分されるよう調整して前記偏波保持ファイバに入射することを特徴とする光AD変換方法である。
【0025】
この発明の第4の態様は、前記所定の光ファイバが、正常分散ファイバであることを特徴とする光AD変換方法である。
【0026】
この発明の第5の態様は、前記正常分散ファイバが、高非線形ファイバであることを特徴とする光AD変換方法である。
【0027】
この発明の第6の態様は、前記所定の光ファイバが、高非線形ファイバと低非線形正常分散ファイバとを接続して形成されることを特徴とする光AD変換方法である。
【0028】
この発明の第7の態様は、プローブ光と標本化されたアナログ光であるコントロール光とをNOLMに入射して前記プローブ光を前記コントロール光でスイッチングする光AD変換器であって、前記コントロール光を矩形化する矩形化器を備え、前記矩形化器で矩形化された前記コントロール光を前記NOLMに入射することを特徴とする光AD変換器である。
【0029】
この発明の第8の態様は、前記矩形化器が、所定の光ファイバを備えることを特徴とする光AD変換器である。
【0030】
この発明の第9の態様は、前記所定の光ファイバが偏波保持ファイバであり、前記コントロール光の偏波状態を直交固有偏波状態に対しパワーが等分されるよう調整して前記偏波保持ファイバに入射することを特徴とする光AD変換器である。
【0031】
この発明の第10の態様は、前記光ファイバが、正常分散ファイバであることを特徴とする光AD変換器である。
【0032】
この発明の第11の態様は、前記正常分散ファイバが、高非線形ファイバであることを特徴とする光AD変換器である。
【0033】
この発明の第12の態様は、前記光ファイバが、高非線形ファイバと低非線形正常分散ファイバとを接続して形成されることを特徴とする光AD変換器である。
【発明の効果】
【0034】
以上説明したように本発明によれば、コントロール光の時間波形を矩形化することによって、NOLM中を伝搬するコントロール光とプローブ光との間に生ずるウォークオフに起因するXPM効率劣化を低減することができる。これにより、標本化周波数が高い場合でも所定のNOLM伝達関数を実現できる光AD変換方法及び光AD変換器を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
図面を参照して本発明の好ましい実施の形態における光AD変換方法及び光AD変換器について詳細に説明する。なお、同一機能を有する各構成部については、図示及び説明簡略化のため、同一符号を付して示す。
【0036】
本発明の光AD変換方法及び光AD変換器は、プローブ光と標本化されたアナログ光であるコントロール光とをNOLMに入射して前記プローブ光を前記コントロール光でスイッチングする光AD変換方法であり、前記コントロール光として用いるパルスの波形を、通常用いられるGauss関数型もしくはsech関数型から、パルス頭頂部が平坦な形、すなわち略矩形形状に変換してNOLMに入射するようにしている。
【0037】
図1は、本発明の実施の形態に係る光AD変換器の構成を示す模式図である。光AD変換器1は、NOLM2と矩形化器3、及び矩形化器3からの出力光をNOLM2に入射するための光カプラ4から構成される。また、NOLM2は、光ファイバ5と別の光カプラ6から構成されている。
【0038】
標本化された光アナログ信号であるパルス状コントロール光11は、通常用いられるGauss関数型もしくはsech関数型のパルス列で形成されており、各々のパルスの振幅が標本化対象の光アナログ信号の振幅に比例している。パルス状コントロール光11は、矩形化器3に入射されて上記のパルス波形から略矩形状に整形され、これを矩形状コントロール光12として光カプラ4からNOLM2に入射される。そして、透過ポート8からスイッチングされたプローブ光14が出力される。
【0039】
一方、プローブ光13は、前記光アナログ信号の標本化クロックに同期した光パルス列で形成されている。プローブ光13は、光カプラ6の入力ポート7からNOLM2に入射され、NOLM2の両方向に伝搬する。図1では、時計回りのプローブ光を13Aとし、反時計回りのプローブ光を13Bとしている。
【0040】
矩形化器3において実施される波形整形について、図2を用いて以下に説明する。図2は、パルス状コントロール光11を略矩形状に整形して矩形状コントロール光12を形成する波形整形の一例を示す図である。
【0041】
図2において、コントロール光を通常用いられるGauss関数型もしくはsech関数型のパルス21で形成する場合、パルス21とプローブ光13との頭頂部の位置がパルス21のパルス幅(FWHM)22の半分に相当する時間差23だけずれる(ウォークオフ)と、XPMの効率がピーク値に比較して50%劣化してしまうという問題があった。
【0042】
これに対し、本実施形態の矩形状コントロール光12は、矩形化器3により波形を矩形波24のように整形されることから、上記の時間差23に相当するウォークオフが発生しても、矩形状コントロール光12の光強度がピーク値からわずかしか低下していないため、XPMの効率もほとんど劣化しないといった効果が得られる。
【0043】
上記の通り、コントロール光を図2に示す矩形波24のように整形することにより、仮にNOLM2の内部で矩形状コントロール光12とプローブ光13Aとの間にウォークオフが発生した場合でも、矩形状コントロール光12の光強度が頭頂部からほとんど低下しないため、XPMの発生効率もほぼ一定とすることができ、所望のNOLM伝達関数を実現することが可能となる。
【0044】
矩形化器3において、パルス状コントロール光11を矩形状コントロール光12に整形する方法として、パルス状コントロール光11を所定の光ファイバに伝搬させることで矩形化する方法がある(例えば非特許文献1あるいは非特許文献2)。例えば、偏波保持ファイバを用い、直交する固有偏波状態に等分にエネルギーが配分されるようにパルス状コントロール光11を前記偏波保持ファイバに入射することで、パルス状コントロール光11のパルス波形を矩形化することができる。
【0045】
あるいは、正常分散ファイバ中の非線形効果を用いて波形を矩形化する方法もある。例えば、パルス状コントロール光11の光パルスの自己位相変調(SPM)と、正常分散ファイバの正常分散効果との相互作用により、光パルスの時間波形を矩形化することができる。また、正常分散ファイバとして高非線形ファイバを用いることで、矩形化の効率を高めることができる。
【0046】
さらに、高非線形ファイバと低非線形正常分散ファイバとを接続し、各ファイバの非線形効果と正常分散効果を光パルスに順次独立して与えることで、さらに効率のよい矩形化を実現することができる。
【0047】
偏波保持ファイバを用いてパルス状コントロール光11のパルス波形を矩形化する方法を、図3を用いて詳細に説明する。図3は、簡単のため強度波形が三角形の光31を偏波保持ファイバ32に入射した例を示している。偏波保持ファイバ32は、固有偏波軸であるx偏波軸33とy偏波軸34を有しており、図3では光31をそれぞれの固有偏波軸の成分、x偏波成分31xとy偏波成分31y、に分解して示している。
【0048】
光31を偏波保持ファイバ32に入射すると、x偏波軸33の方向とy偏波軸34の方向とで伝搬速度が異なるために、x偏波成分31xとy偏波成分31yとの間に遅延量が発生する。図3では、x偏波成分31xに対する遅延量がy偏波成分31yに発生している。この遅延量により、偏波保持ファイバ32から光強度が矩形化された光35が出力される。
【0049】
光35の波形は、偏波保持ファイバ32から出力されるx偏波成分31xとy偏波成分31yとを合成して形成されることから、前記遅延量を調整することで光35の波形を変えることができる。前記遅延量は、偏波保持ファイバ32を伝搬する距離が長くなるほど大きくなることから、偏波保持ファイバ32の長さを調整することで、前記遅延量を調整して光35の波形を調整することができる。すなわち、偏波保持ファイバ32の長さを調整することで、所望の矩形波を実現することが可能となる。
【0050】
パルス波形を矩形化する別の方法として、正常分散ファイバ中の非線形効果を用いる方法を、図4に基づいて以下に説明する。図4は、パルス光41を正常分散ファイバ42に入射することで、矩形波43を出力する例を示している。
【0051】
図4に示す例で用いる正常分散ファイバ42としては、1.55μm帯で分散値が零となる分散シフトファイバ(DSF)を用いることができる。そして、矩形状コントロール光12の波長では正常分散となるよう、矩形状コントロール光12の波長を零分散波長からある程度ずらして用いることにより、パルス光41を矩形化することが可能となる。
【0052】
パルス波形を矩形化するさらに別の方法として、非線形効果の効率を高めるため、図5に示すように、矩形状コントロール光12の波長で正常分散値を持つ高非線形ファイバ44を用いる方法が考えられる。
【0053】
あるいは、パルス波形を矩形化するさらに別の方法として、矩形状コントロール光12の波長で零分散もしくは小さな正常分散値を持つ高非線形ファイバと、非線形性が低くて大きな正常分散値を持つファイバ、例えば分散補償ファイバを用いる方法がある。
【0054】
このような2種類のファイバを用いることで、非線形効果と正常分散効果のそれぞれを独立して順に与えることが可能となり、より高い効率で矩形化を実現することができる。図6では、零分散高非線形ファイバ45と正常分散低非線形ファイバ46を用いた例を示している。
【0055】
なお、本実施の形態における記述は、本発明に係る光AD変換方法及び光AD変換器の一例を示すものであり、これに限定されるものではない。本実施の形態における光AD変換方法及び光AD変換器の細部構成及び詳細な動作等に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係る光AD変換器の構成を示す模式図である。
【図2】図2は、パルス状コントロール光を略矩形状に整形して矩形状コントロール光を形成する波形整形の一例を示す図である。
【図3】図3は、ファイバを用いてパルス状コントロール光のパルス波形を矩形化する方法を示す模式図である。
【図4】図4は、ファイバを用いてパルス状コントロール光のパルス波形を矩形化する別の方法を示す模式図である。
【図5】図5は、ファイバを用いてパルス状コントロール光のパルス波形を矩形化するさらに別の方法を示す模式図である。
【図6】図6は、ファイバを用いてパルス状コントロール光のパルス波形を矩形化するさらに別の方法を示す模式図である。
【図7】図7は、従来の光AD変換器の構成を示す模式図である。
【図8】図8は、コントロール光とプローブ光の頭頂部の位置が一致した状態を示す模式図である。
【図9】図9は、コントロール光とプローブ光との間に時間位置のずれ(ウォークオフ)が発生した状態を示す模式図である。
【符号の説明】
【0057】
1、・・・光AD変換器
2、101・・・NOLM
3・・・矩形化器
4、6、102、103・・・光カプラ
5・・・光ファイバ
7、104・・・入力ポート
8、105・・・透過ポート
11・・・パルス状コントロール光
12・・・矩形状コントロール光
13、112・・・プローブ光
14,113・・・スイッチングされたプローブ光
22、121・・・パルス幅
23、122・・・時間差
31、35・・・光
32・・・偏波保持ファイバ
33・・・x偏波軸
34・・・y偏波軸
41・・・パルス光
42・・・正常分散ファイバ
43・・・矩形波
44、45・・・高非線形ファイバ
46・・・低非線形正常分散ファイバ
111・・・コントロール光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プローブ光と標本化されたアナログ光であるコントロール光とをNOLM(非線形光ループミラー)に入射して前記プローブ光を前記コントロール光でスイッチングする光AD変換方法であって、
前記コントロール光を矩形化して前記NOLMに入射することを特徴とする光AD変換方法。
【請求項2】
前記コントロール光を所定の光ファイバに伝搬させることで矩形化することを特徴とする請求項1に記載の光AD変換方法。
【請求項3】
前記所定の光ファイバは偏波保持ファイバであり、前記コントロール光の偏波状態を直交固有偏波状態に対しパワーが等分されるよう調整して前記偏波保持ファイバに入射することを特徴とする請求項2に記載の光AD変換方法。
【請求項4】
前記所定の光ファイバは、正常分散ファイバであることを特徴とする請求項2に記載の光AD変換方法。
【請求項5】
前記正常分散ファイバは、高非線形ファイバであることを特徴とする請求項4に記載の光AD変換方法。
【請求項6】
前記所定の光ファイバは、高非線形ファイバと低非線形正常分散ファイバとを接続して形成されることを特徴とする請求項2に記載の光AD変換方法。
【請求項7】
プローブ光と標本化されたアナログ光であるコントロール光とをNOLMに入射して前記プローブ光を前記コントロール光でスイッチングする光AD変換器であって、
前記コントロール光を矩形化する矩形化器を備え、
前記矩形化器で矩形化された前記コントロール光を前記NOLMに入射することを特徴とする光AD変換器。
【請求項8】
前記矩形化器は、所定の光ファイバを備えることを特徴とする請求項7に記載の光AD変換器。
【請求項9】
前記所定の光ファイバは偏波保持ファイバであり、前記コントロール光の偏波状態を直交固有偏波状態に対しパワーが等分されるよう調整して前記偏波保持ファイバに入射することを特徴とする請求項8に記載の光AD変換器。
【請求項10】
前記光ファイバは、正常分散ファイバであることを特徴とする請求項8に記載の光AD変換器。
【請求項11】
前記正常分散ファイバは、高非線形ファイバであることを特徴とする請求項10に記載の光AD変換器。
【請求項12】
前記光ファイバは、高非線形ファイバと低非線形正常分散ファイバとを接続して形成されることを特徴とする請求項8に記載の光AD変換器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−256323(P2007−256323A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−76835(P2006−76835)
【出願日】平成18年3月20日(2006.3.20)
【出願人】(503360115)独立行政法人科学技術振興機構 (1,734)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】