説明

免疫賦活オリゴヌクレオチドマルチマー

本発明は、免疫賦活核酸を提供する。本発明のこの側面による特定の態様において、免疫賦活オリゴヌクレオチドおよび/またはイムノマーの配列は少なくとも部分的に自己相補的である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
関連出願
本出願は、2004年6月15日に出願された米国仮出願第60/579,985号、および2004年8月6日に出願された米国仮出願第60/599,362号の利益を主張する。上記出願の全体の教示は、参照によって本明細書に組み込む。
発明の分野
本発明は、オリゴヌクレオチド類似体による免疫刺激に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の概要
Tokunaga et al., J. Natl. Cancer Inst. 72 (1984) 955-96、Pisetsky et al.; Reich et al., Mol. Biol. Rep. 18 (1993) 217-221、Krieg et al.,Yi et al., Nature 374 (1995) 546-549およびSato et al., Science 273 (1996) 352-354は、特定の配列コンテクスト(CpG DNA)において、非メチル化CpG−ジヌクレオチドを含有する細菌DNA、合成オリゴデオキシヌクレオチド、およびDNAワクチンが、脊椎動物の免疫システムを活性化すると教示している。
【0003】
Krieg et al., Annu. Rev. Immunol. 20 (2002) 709-760、Dalpke et al., Biol. Chem. 383 (2002) 1491-1500およびKandimalla et al., Curr. Opin. Mol. Ther. 4 (2002) 122-129は、CpG DNAが、細胞傷害性Tリンパ球(CTL)反応、およびB細胞による免疫グロブリンの産生を促進するTh1サイトカインを産生するように、自然免疫細胞を誘導すると教示している。CpG DNAの免疫賦活特性は、癌、ウイルスおよび細菌感染、炎症性疾患を含む広い範囲の疾患適応のための治療薬として、ならびに免疫治療におけるアジュバントとしてのそれらの使用を可能にしてきた。
【0004】
化学修飾に加え、多くの構造修飾がCpG DNAの活性に影響してきた。Kandimalla et al., Nucleic Acids Res. 30 (2002) 4460-4469は、3’−3’結合を介した、2つの自由に利用できる5’末端を含むCpG DNAが、CpGモチーフの複数コピーおよび単一の5’末端を含む標準のCpG DNAよりも大きな活性を持っていると教示している。
【0005】
Kandimalla et al, Biochem. Biophys. Res. Commun. 306 (2003) 948-953 は、CpG DNAにおける二次構造の存在が、二次構造の位置と性質に依存してそれらの活性に大きな影響を及ぼすこと、5’末端におけるヘアピン構造の存在が刺激活性を無効にすること、および3’末端における同じ構造が刺激活性にわずかな影響を持っているが、より低いIL−6分泌を引き起こし、ヌクレアーゼに対するより高い安定性に寄与することを教示している。
オリゴヌクレオチド類似体の修飾によって、免疫反応を「カスタマイズ」する必要が残っている。
【発明の開示】
【0006】
本発明の概要
第1の側面において、本発明は、配列が少なくとも部分的に自己相補的である、免疫賦活オリゴヌクレオチドを提供する。免疫賦活核酸は、CpG、CpG、CpGおよびCpGからなる群から選ばれる、少なくとも1つのジヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を含み、ここで、Cはシチジンまたは2’−デオキシシチジンであり、Gはグアノシンまたは2’−デオキシグアノシンであり、
【0007】
は2’−デオキシチミジン、1−(2’−デオキシ−β−D−リボフラノシル)−2−オキソ−7−デアザ−8−メチル−プリン、2’−ジデオキシ−5−ハロシトシン、2’−ジデオキシ−5−ニトロシトシン、アラビノシチジン、2’−デオキシ−2’−置換アラビノシチジン、2’−O−置換アラビノシチジン、2’−デオキシ−5−ヒドロキシシチジン、2’−デオキシ−N4−アルキル−シチジン、2’−デオキシ−4−チオウリジン、または他のピリミジンヌクレオシド類似体であり、Gは2’−デオキシ−7−デアザグアノシン、2’−デオキシ−6−チオグアノシン、アラビノグアノシン、2’−デオキシ−2’置換−アラビノグアノシン、2’−O−置換−アラビノグアノシン、2’−デオキシイノシン、または他のプリンヌクレオシド類似体であり、pはホスホジエステル、ホスホロチオエート、およびホスホロジチオエートからなる群から選ばれるヌクレオシド間結合である。
【0008】
ある態様において、免疫賦活核酸は長さ約2〜約50ヌクレオチドである。特定の態様において、免疫賦活核酸は長さ約12〜約26ヌクレオチドである。ある態様において、オリゴヌクレオチドはそれぞれ約3〜約35のヌクレオシド残基を、さらなる態様において約4〜約30のヌクレオシド残基を、またさらなる態様において、約4〜約20のヌクレオシド残基を有している。ある態様において、オリゴヌクレオチドは約5〜約18、または約5〜約14のヌクレオシド残基を有している。
【0009】
本明細書において、用語「約」は正確な数字が重要ではないという意味を含む。したがって、オリゴヌクレオチドにおけるヌクレオシド残基の数は重要でなく、そして1つもしくは2つ少ないヌクレオシド残基、または1〜数個の追加のヌクレオシド残基を有するオリゴヌクレオチドは、上記説明されたそれぞれの態様の均等物として考慮される。ある態様においては、1つまたは2つ以上のオリゴヌクレオチドは11のヌクレオチドを有する。
【0010】
第2の側面において、本発明は、非ヌクレオチドリンカーで結合された、少なくとも2つのオリゴヌクレオチドを含むイムノマーを提供し、ここで免疫賦活オリゴヌクレオチドの配列は、少なくとも部分的に自己相補的である。本発明のこの側面にによる特定の態様において、少なくとも1つのオリゴヌクレオチドは、CpG、CpG、CpGおよびCpGからなる群から選ばれる、少なくとも1つのジヌクレオチドを含み、ここでCはシチジンまたは2’−デオキシシチジン、Gはグアノシンまたは2’−デオキシグアノシンであり、
【0011】
は2’−デオキシチミジン、1−(2’−デオキシ−β−D−リボフラノシル)−2−オキソ−7−デアザ−8−メチル−プリン、2’−ジデオキシ−5−ハロシトシン、2’−ジデオキシ−5−ニトロシトシン、アラビノシチジン、2’−デオキシ−2’−置換アラビノシチジン、2’−O−置換アラビノシチジン、2’−デオキシ−5−ヒドロキシシチジン、2’−デオキシ−N4−アルキル−シチジン、2’−デオキシ−4−チオウリジン、または他のピリミジンヌクレオシド類似体であり、Gは2’−デオキシ−7−デアザグアノシン、2’−デオキシ−6−チオグアノシン、アラビノグアノシン、2’−デオキシ−2’置換−アラビノグアノシン、2’−O−置換−アラビノグアノシン、2’−デオキシイノシン、または他のプリンヌクレオシド類似体であり、pはホスホジエステル、ホスホロチオエート、およびホスホロジチオエートからなる群から選ばれるヌクレオシド間結合である。
【0012】
ある態様において、免疫賦活核酸は長さ約2〜約50ヌクレオチドである。特定の態様において、免疫賦活核酸は長さ約12〜約26ヌクレオチドである。ある態様において、オリゴヌクレオチドはそれぞれ約3〜約35のヌクレオシド残基、または約4〜約30のヌクレオシド残基、または約4〜約20のヌクレオシド残基を有している。ある態様において、オリゴヌクレオチドは、約5〜約18、または約5〜約14のヌクレオシド残基を有している。
【0013】
本明細書において、用語「約」は正確な数字が重要ではないという意味を含む。したがって、オリゴヌクレオチドにおけるヌクレオシド残基の数は重要でなく、そして1つもしくは2つ少ないヌクレオシド残基、または1〜数個の追加のヌクレオシド残基を有するオリゴヌクレオチドは、上記説明されたそれぞれの態様の均等物として考慮される。ある態様においては、1つまたは2つ以上のオリゴヌクレオチドは11のヌクレオチドを有する。
【0014】
第3の側面において、本発明は医薬組成物を提供する。これらの組成物は、本発明の第1および第2の側面において開示されたいずれかの組成物を単独で、あるいは組み合わせて含み、かつ薬学的に許容し得るキャリヤーを含む。
【0015】
第4の側面において、本発明は、脊椎動物において免疫反応を発生させるための方法を提供する。この方法は、本発明の第1、第2および第3の側面において開示されたいずれかの組成物を単独あるいは併用で脊椎動物に投与することを含む。本明細書中に開示された組成物は、非経口、経口、舌下、経皮、局所、鼻腔内、エアロゾル、眼内、気管内、直腸内、膣内、遺伝子銃、皮膚パッチ、点眼、点耳およびマウスウォッシュを含むが、これらに限定されない、任意の好適な投与経路で投与されてもよい。
【0016】
第5の側面において、本発明は、癌、自己免疫疾患、気道炎症、炎症性疾患、皮膚疾患、アレルギー、喘息または病原体によって引き起こされる病気を有する脊椎動物を治療的に処置するための方法を提供する。この方法は、本発明の第1、第2および第3の側面において開示されたいずれかの組成物を単独あるいは併用で脊椎動物に投与することを含む。本明細書中に開示された組成物は、非経口、経口、舌下、経皮、局所、鼻腔内、エアロゾル、眼内、気管内、直腸内、膣内、遺伝子銃、皮膚パッチ、点眼、点耳およびマウスウォッシュを含むが、これらに限定されない、任意の好適な投与経路で投与されてもよい。
【0017】
第6の側面において、本発明は、癌、自己免疫疾患、気道炎症、炎症性疾患、皮膚疾患、アレルギー、喘息または病原体によって引き起こされる病気を脊椎動物において予防するための方法を提供する。この方法は、本発明の第1、第2および第3の側面において開示されたいずれかの組成物を単独あるいは併用で脊椎動物に投与することを含む。本明細書中に開示された組成物は、非経口、経口、舌下、経皮、局所、鼻腔内、エアロゾル、眼内、気管内、直腸内、膣内、遺伝子銃、皮膚パッチ、点眼、点耳およびマウスウォッシュを含むが、これらに限定されない、任意の好適な投与経路で投与されてもよい。
【0018】
好ましい態様の詳細な説明
本明細書中に引用された、発行済み特許、特許出願および参考文献は、それぞれが参照により組み込まれるべく具体的かつ個別に示される場合と同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。ここで引用されたいずれかの参考文献のいずれかの教示と本願明細書との間に矛盾がある場合は、後者が本発明に関して優先される。
【0019】
本発明は、免疫治療用途のための免疫賦活剤としてのオリゴヌクレオチドの治療上の使用に関する。本発明はさらに、例えば、限定されずに、成人および小児用途、ヒトおよび獣医用途における、癌、自己免疫疾患、喘息、呼吸器アレルギー、食物アレルギー、および細菌、寄生虫およびウイルス感染の治療および/または予防などの免疫治療用途のために使用される免疫賦活化合物がもたらす免疫反応を、惹起、強化および改善するための方法を提供する。
【0020】
アレルギー性喘息は、本発明の方法および化合物による処置のための特定の具体的な症状である。したがって、本発明はさらに免疫治療のための免疫賦活効果の最適水準を有する化合物、ならびにかかる化合物を製造および使用する方法を提供する。さらに、本発明の免疫賦活オリゴヌクレオチド/イムノマーは、DNAワクチン、抗体、アレルゲン、化学療法薬、およびアンチセンスオリゴヌクレオチドとの併用で、アジュバントとして有用である。
【0021】
第1の側面において、本発明は、その配列が、少なくとも部分的に自己相補的な、免疫賦活オリゴヌクレオチドを提供する。免疫賦活核酸は、CpG、CpG、CpGおよびCpGからなる群から選ばれる、少なくとも1つのジヌクレオチドを含む核酸配列を含み、ここでCはシチジンまたは2’−デオキシシチジンであり、Gはグアノシンまたは2’−デオキシグアノシンであり、
【0022】
は2’−デオキシチミジン、1−(2’−デオキシ−β−D−リボフラノシル)−2−オキソ−7−デアザ−8−メチル−プリン、2’−ジデオキシ−5−ハロシトシン、2’−ジデオキシ−5−ニトロシトシン、アラビノシチジン、2’−デオキシ−2’−置換アラビノシチジン、2’−O−置換アラビノシチジン、2’−デオキシ−5−ヒドロキシシチジン、2’−デオキシ−N4−アルキル−シチジン、2’−デオキシ−4−チオウリジン、またはその他のピリミジンヌクレオシド類似体であり、Gは2’−デオキシ−7−デアザグアノシン、2’−デオキシ−6−チオグアノシン、アラビノグアノシン、2’−デオキシ−2’置換−アラビノグアノシン、2’−O−置換−アラビノグアノシン、2’−デオキシイノシン、またはその他のプリンヌクレオシド類似体であり、pはホスホジエステル、ホスホロチオエート、およびホスホロジチオエートからなる群から選ばれるヌクレオシド間結合である。
【0023】
ある態様において、免疫賦活核酸は長さ約2〜約50ヌクレオチドである。特定の態様において、免疫賦活核酸は長さ約12〜約26ヌクレオチドである。ある態様において、オリゴヌクレオチドは約3〜約35ヌクレオシド残基、または約4〜約30ヌクレオシド残基、または約4〜約20ヌクレオシド残基である。ある態様において、オリゴヌクレオチドは約5〜約18、または約5〜約14のヌクレオシド残基を有している。
【0024】
本明細書において、用語「約」は正確な数字は重要ではないという意味を含む。したがって、オリゴヌクレオチドにおけるヌクレオシド残基の数は重要でなく、そして1つもしくは2つ少ないヌクレオシド残基、または1〜数個の追加のヌクレオシド残基を有するオリゴヌクレオチドは、上記説明されたそれぞれの態様の均等物として考慮される。ある態様において、1つまたは2つ以上のオリゴヌクレオチドは11のヌクレオチドを有する。
【0025】
当業者に認識されるように、オリゴヌクレオチドの相補的配列は、分子間水素結合を可能にし、それにより二次構造をオリゴヌクレオチドに与える。さらなるオリゴヌクレオチドは共に結合することができ、それによって本発明のオリゴヌクレオチドの鎖またはマルチマーを形成する。
【0026】
第2の側面において、本発明は、非ヌクレオチドリンカーで結合された、少なくとも2つのオリゴヌクレオチドを含むイムノマーを提供し、ここで免疫賦活オリゴヌクレオチドの配列は少なくとも部分的に自己相補的である。本発明のこの側面による特定の態様において、少なくとも1つのオリゴヌクレオチドは、CpG、CpG、CpGおよびCpGからなる群から選ばれる、少なくとも1つのジヌクレオチドを含有し、ここでCはシチジンまたは2’−デオキシシチジンであり、Gはグアノシンまたは2’−デオキシグアノシンであり、
【0027】
は2’−デオキシチミジン、1−(2’−デオキシ−β−D−リボフラノシル)−2−オキソ−7−デアザ−8−メチル−プリン、2’−ジデオキシ−5−ハロシトシン、2’−ジデオキシ−5−ニトロシトシン、アラビノシチジン、2’−デオキシ−2’−置換アラビノシチジン、2’−O−置換アラビノシチジン、2’−デオキシ−5−ヒドロキシシチジン、2’−デオキシ−N4−アルキル−シチジン、2’−デオキシ−4−チオウリジン、または他のピリミジンヌクレオシド類似体であり、Gは2’−デオキシ−7−デアザグアノシン、2’−デオキシ−6−チオグアノシン、アラビノグアノシン、2’−デオキシ−2’置換−アラビノグアノシン、2’−O−置換−アラビノグアノシン、2’−デオキシイノシン、または他のプリンヌクレオシド類似体であり、pはホスホジエステル、ホスホロチオエート、およびホスホロジチオエートからなる群から選ばれるヌクレオシド間結合である。
【0028】
この側面において、免疫賦活核酸は、式(I)で示される構造を含む。
ドメインA−ドメインB−ドメインC (I)
ドメインは長さ約2〜約12ヌクレオチドであってもよい。ドメインAは、CpG、CpG、CpGおよびCpGからなる群から選ばれる、少なくとも1つのジヌクレオチドを含む、または含まない、回文または自己相補的ドメインを有する、5’−3’または3’−5’または2’−5’DNA、RNA、RNA−DNA、DNA−RNAであってもよく、ここで、Cはシチジンまたは2’−デオキシシチジンであり、Gはグアノシンまたは2’−デオキシグアノシンであり、
【0029】
は2’−デオキシチミジン、1−(2’−デオキシ−β−D−リボフラノシル)−2−オキソ−7−デアザ−8−メチル−プリン、2’−デオキシ−5−ハロシトシン、2’−デオキシ−5−ニトロシトシン、アラビノシチジン、2’−デオキシ−2’−置換アラビノシチジン、2’−O−置換アラビノシチジン、2’−デオキシ−5−ヒドロキシシチジン、2’−デオキシ−N4−アルキル−シチジン、2’−デオキシ−4−チオウリジン、または他のピリミジンヌクレオシド類似体であり、Gは2’−デオキシ−7−デアザグアノシン、2’−デオキシ−6−チオグアノシン、アラビノグアノシン、2’−デオキシ−2’置換−アラビノグアノシン、2’−O−置換−アラビノグアノシン、2’−デオキシイノシン、または他のプリンヌクレオシド類似体であり、pはホスホジエステル、ホスホロチオエート、およびホスホロジチオエートからなる群から選ばれるヌクレオシド間結合である。特定の態様において、免疫賦活ジヌクレオチドはCpGではない。
【0030】
特定の態様において、ドメインAは、CpG、CpG、CpGおよびCpGからなる群から選ばれる2つ以上のジヌクレオチドを有する。
下記で「X」と表すドメインBは、ドメインAおよびCを接合するリンカーであり、3’−5’結合、2’−5’結合、3’−3’結合、リン酸基、ヌクレオシド、または脂肪族、芳香族、アリール、環状、キラル、アキラル、ペプチド、炭水化物、脂質、脂肪酸、モノ−、トリ−またはヘキサポリエチレングリコール、またはヘテロ環状部分であり得る非ヌクレオシドリンカーであってもよい。
【0031】
ドメインCは、CpG、CpG、CpGおよびCpGからなる群から選ばれる、少なくとも1つのジヌクレオチドを含む、または含まない、回文または自己相補的ドメインを有する、5’−3’または3’−5’、2’−5’DNA、RNA、RNA−DNA、DNA−RNA、PolyI−PolyCであってもよく、ここでCはシチジンまたは2’−デオキシシチジンであり、Gはグアノシンまたは2’−デオキシグアノシンであり、
【0032】
は2’−デオキシチミジン、1−(2’−デオキシ−β−D−リボフラノシル)−2−オキソ−7−デアザ−8−メチル−プリン、2’−デオキシ−5−ハロシトシン、2’−ジデオキシ−5−ニトロシトシン、アラビノシチジン、2’−デオキシ−2’−置換アラビノシチジン、2’−O−置換アラビノシチジン、2’−デオキシ−5−ヒドロキシシチジン、2’−デオキシ−N4−アルキル−シチジン、2’−デオキシ−4−チオウリジン、他のピリミジンヌクレオシド類似体であり、Gは2’−デオキシ−7−デアザグアノシン、2’−デオキシ−6−チオグアノシン、アラビノグアノシン、2’−デオキシ−2’置換−アラビノグアノシン、2’−O−置換−アラビノグアノシン、2’−デオキシイノシン、または他のプリンヌクレオシド類似体であり、pはホスホジエステル、ホスホロチオエート、およびホスホロジチオエートからなる群から選ばれるヌクレオシド間結合である。
【0033】
特定の態様において、免疫賦活ジヌクレオチドはCpGではない。ある態様において、ドメインBは好ましくは、ドメインAおよびドメインCのオリゴヌクレオチドを結びつける非ヌクレオチドリンカーであり、「イムノマー」と称される。特定の態様において、ドメインCはジヌクレオチドCpG、CpG、CpGまたはCpGを有しない。
【0034】
ある態様において、式(I)に含まれるオリゴヌクレオチドは長さ約2〜約50ヌクレオチドである。特定の態様において、式(I)に含まれるオリゴヌクレオチドは長さ約12〜約26ヌクレオチドである。ある態様において、オリゴヌクレオチドはそれぞれ約3〜約35のヌクレオシド残基、好ましくは約4〜約30のヌクレオシド残基、さらに好ましくは約4〜約20のヌクレオシド残基を有している。ある態様において、オリゴヌクレオチドは、約5〜約18、または約5〜約14のヌクレオシド残基を有している。
【0035】
本明細書において、用語「約」は正確な数字は重要ではないという意味を含む。したがって、オリゴヌクレオチドにおけるヌクレオシド残基の数は重要ではない、そして1つもしくは2つ少ないヌクレオシド残基、または1〜数個の追加のヌクレオシド残基を有するオリゴヌクレオチドは、上記説明されたそれぞれの態様の均等物として考慮される。ある態様においては、1つまたは2つ以上のオリゴヌクレオチドは11のヌクレオチドを有する。
【0036】
ここで用いられる自己相補的配列は、適切なアラインメントにより、G−C、A−T、A−Uおよび/またはG−Uゆらぎ対(wobble pair)間の分子内、またはさらに典型的には分子間の塩基対合を形成し得る塩基配列を示す。1つの態様において、自己相補性の程度は少なくとも50パーセントである。例えば、少なくとも50パーセント自己相補的である8−merは、4、5、6、7、または8対のG−C、A−T、A−Uおよび/またはG−Uゆらぎ塩基対を形成することができる配列を有してもよい。このような塩基対は、自己相補的免疫賦活オリゴヌクレオチドおよび/またはイムノマーのいずれか一端に位置する塩基を含んでもよいが、必ずしもそうでなくてもよい。
【0037】
核酸の安定化が、免疫賦活オリゴヌクレオチドおよび/またはイムノマーにとって重要である場合、二本鎖核酸の一端または両端を、塩基対合またはその他の好適な方法のいずれかで一緒に「固定する」ことが有利であるかもしれない。自己相補性の度合いは、免疫賦活オリゴヌクレオチドおよび/またはイムノマー間のアラインメントに依存し得、かかるアラインメントは、単一のまたは複数のヌクレオシドオーバーハングを含んでも、含まなくてもよい。他の態様において、自己相補性の度合いは、少なくとも60パーセント、少なくとも70パーセント、少なくとも80パーセント、少なくとも90パーセント、または100パーセントでさえある。
【0038】
異なる塩基配列の免疫賦活オリゴヌクレオチドおよび/またはイムノマー間の分子間塩基対合に対して、同じ考慮が当てはまる。したがって、複数個の免疫賦活オリゴヌクレオチドおよび/またはイムノマーが一緒に使われる場合、複数個の免疫賦活オリゴヌクレオチドおよび/またはイムノマーは、少なくとも部分的に互いに相補的である配列を含んでもよいが、そうでなくてもよい。1つの態様において、複数個の免疫賦活オリゴヌクレオチドおよび/またはイムノマーは、第1の配列を有する免疫賦活オリゴヌクレオチドおよび/またはイムノマー、および第2の配列を有する免疫賦活オリゴヌクレオチドおよび/またはイムノマーを含み、ここで、第1の配列と第2の配列とは、少なくとも50パーセント相補的である。
【0039】
例えば、少なくとも50パーセント相補的である2つの8−merの間で、それらは4、5、6、7、または8対のG−C、A−T、A−U、および/またはG−Uゆらぎ塩基対を形成してもよい。このような塩基対は自己相補的免疫賦活オリゴヌクレオチドおよび/またはイムノマーのいずれか一端に位置する塩基を含んでもよいが、必ずしもそうでなくてもよい。自己相補性の度合いは、免疫賦活オリゴヌクレオチドおよび/またはイムノマー間のアラインメントに依存し得、かかるアラインメントは、単一または複数のヌクレオシドオーバーハング含んでも含まなくてもよい。他の態様において、自己相補性の度合いは、少なくとも60パーセント、少なくとも70パーセント、少なくとも80パーセント、少なくとも90パーセント、または100パーセントでさえある。
【0040】
非限定例として、特定の態様において、この側面の免疫賦活核酸は、式(II)で表される構造を有する。
【化1】

【0041】
当業者に認識されるように、ドメインの配列が相補的であり、分子間水素結合を可能にするので、上記の免疫賦活核酸/イムノマー化合物は二次構造を有している。ドメインAおよびA’は同一であってもなくてもよく、ドメインAおよびCは同一であってもなくてもよく、ドメインAおよびC’は同一であってもなくてもよく、ドメインA’およびCは同一であってもなくてもよく、ドメインA’およびC’は同一であってもなくてもよく、ドメインBおよびB’は同一であってもなくてもよく、ドメインCおよびC’は同一であってもなくてもよい。さらに、図1に示されるように、さらなるイムノマーが分子間水素結合を介して結合することができ、それによって、本発明のイムノマーの鎖またはマルチマーを形成する。nは、連続した、自己相補的イムノマー化合物の任意の数であり得る。
【0042】
本明細書において、用語「相補的」は、核酸にハイブリダイズする能力を有することを意味する。かかるハイブリダイゼーションは通常、相補鎖間の水素結合、好ましくは、ワトソン・クリックまたはフーグスティーン(Hoogsteen)塩基対を形成する水素結合の結果であるが、その他の形態の水素結合ならびに塩基スタッキングもハイブリダイゼーションを導くことができる。
【0043】
本明細書において「二次構造」は分子間水素結合を示す。分子間水素結合は二重鎖の核酸分子の形成をもたらす。
【0044】
「回文配列」は逆向きの反復(すなわち、AおよびA’、BおよびB’などが通常のワトソン・クリック塩基対を形成することができる塩基である、ABCDEE’D’C’B’A’などの配列)を意味する。in vivoで、このような配列は二本鎖構造を形成し得る。1つの態様において、CpG核酸は回文配列を含む。この文脈で使われる回文配列は、CpGが回文の一部である回文を示す。ある態様において、CpGは回文の中心である。ほかの態様において、CpG核酸は、回文を含まない。回文を含まない免疫賦活核酸とは、CpGジヌクレオチドが回文の一部ではないものである。かかるオリゴヌクレオチドは、CpGが回文の中心ではない、回文を含んでもよい。
【0045】
本発明において、用語「オリゴヌクレオチド」は、複数個の結合されたヌクレオシド単位から形成された、ポリヌクレオチドを示す。このようなオリゴヌクレオチドは、ゲノムDNAまたはcDNAを含む、既存の核酸源から得ることができるが、合成的な方法によって生成されることが好ましい。ある態様において、それぞれのヌクレオシド単位は、複素環塩基および、ペントフラノシル、2’−デオキシペントフラノシル、トレハロース、アラビノース、2’−デオキシ−2’−置換アラビノース、2’−O−置換アラビノースまたはヘキソース糖類を含む。ヌクレオシド残基は、多数の既知のヌクレオシド間結合のいずれかによって、互いに結合され得る。このようなヌクレオシド間結合は、ホスホジエステル、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、アルキルホスホネート、アルキルホスホノチオエート、ホスホトリエステル、ホスホルアミデート、シロキサン、炭酸塩、カルボアルコキシ、アセトアミデート、カーバメート、モルホリノ、ボラノ、チオエーテル、架橋ホスホルアミデート、架橋ホスホン酸メチレン、架橋ホスホロチオエート、およびスルホンヌクレオシド間結合を含むが、これらに限定されない。
【0046】
用語「オリゴヌクレオチド」はまた、1または2以上の立体特異的ヌクレオシド間結合(例えば、(RP)−または(SP)−ホスホロチオエート、アルキルホスホネートまたはホスホトリエステル結合)を有するポリヌクレオシドを包含する。本明細書において、用語「オリゴヌクレオチド」および「ジヌクレオチド」は、かかる任意のヌクレオシド間結合を、該結合がリン酸基を含むか否かにかかわらず有するポリヌクレオシドおよびジヌクレオシドを包含することを明示的に意図している。特定の態様において、これらのヌクレオシド間結合は、ホスホジエステル、ホスホロチオエート、またはホスホロジチオエート結合、もしくはこれらの組み合わせであってもよい。
【0047】
用語「オリゴヌクレオチド」はまた、限定されずに、タンパク質基、親油基、挿入剤、ジアミン、葉酸、コレステロールおよびアダマンタンを含む、さらなる置換基を有するポリヌクレオシドも包含する。用語「オリゴヌクレオチド」はまた、ペプチド核酸(PNA)、リン酸基を伴ったペプチド核酸(PHONA)、ロックト核酸(LNA)、モルホリノ−バックボーンオリゴヌクレオチド、およびアルキルリンカーまたはアミノリンカーを伴う主鎖部分を有するオリゴヌクレオチドを含むが、これらに限定されない、任意の他の核酸塩基を含むポリマーをも包含する。
【0048】
本発明のオリゴヌクレオチドは、天然に存在するヌクレオシド、修飾ヌクレオシド、またはそれらの混合物を含むことができる。本明細書において、用語「修飾ヌクレオシド」は、修飾複素環塩基、修飾糖部分、またはこれらの組み合わせを含むヌクレオシドである。ある態様において、修飾ヌクレオシドは、ここで説明されるように、非天然ピリミジンまたはプリンヌクレオシドである。ある態様において、修飾ヌクレオシドは、2’−置換リボヌクレオシド、アラビノヌクレオシドまたは2’−デオキシ−2’−置換−アラビノシドである。
【0049】
本発明において、用語「2’−置換リボヌクレオシド」または「2’−置換アラビノシド」は、ペントース部分の2’位にあるヒドロキシル基が、2’−置換または2’−O−置換リボヌクレオシドを生成するために置換された、リボヌクレオシドまたはアラビノヌクレオシドを含む。特定の態様において、かかる置換は、1〜6個の飽和または不飽和炭素原子を含む低級アルキル基、または、6〜10個の炭素原子を有するアリール基によって行われ、ここでかかるアルキル、またはアリール基は非置換であってもよく、または例えば、ハロ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、アシル、アシルオキシ、アルコキシ、カルボキシル、カルボアルコキシ、またはアミノ基で置換されていてもよい。2’−O−置換リボヌクレオシド、または2’−O−置換−アラビノシドの例は、2’−O−メチルリボヌクレオシドまたは2’−O−メチルアラビノシド、および2’−O−メトキシエトキシリボヌクレオシドまたは2’−O−メトキシエトキシアラビノシドを含むが、これらに限定されない。
【0050】
用語「2’−置換リボヌクレオシド」または「2’−置換アラビノシド」はまた、2’−ヒドロキシル基が、1〜6個の飽和または不飽和炭素原子を含む低級アルキル基、またはアミノもしくはハロ基で置換された、リボヌクレオシドまたはアラビノヌクレオシドも含む。かかる2’−置換リボヌクレオシドまたは2’−置換アラビノシドの例は、2’−アミノ、2’−フルオロ、2’−アリル、および2’−プロパルギルリボヌクレオシドまたはアラビノシドを含むが、これらに限定されない。
【0051】
用語「オリゴヌクレオチド」は、ハイブリッドおよびキメラオリゴヌクレオチドを含む。「キメラオリゴヌクレオチド」は、2種類以上のヌクレオシド間結合を有するオリゴヌクレオチドである。かかるキメラオリゴヌクレオチドの1つの非限定例は、ホスホロチオエート、ホスホジエステルまたはホスホロジチオエート領域および、アルキルホスホネートまたはアルキルホスホノチオエート結合などの非イオン結合を含む、キメラオリゴヌクレオチドである(例えば、Pederson et al.、米国特許第5,635,377号および第5,366,878号参照)。
【0052】
「ハイブリッドオリゴヌクレオチド」は、2種類以上のヌクレオシドを有するオリゴヌクレオチドである。かかるハイブリッドオリゴヌクレオチドの1つの非限定例は、リボヌクレオチドまたは2’置換リボヌクレオチド領域、およびデオキシリボヌクレオチド領域を含む(例えば、Metelev and Agrawal、米国特許第5,652,355号、第6,346,614号および第6,143,881等参照)。
あるいは、本発明の核酸分子は、非ヌクレオチドリンカーで結合された2つのイムノマーであり得る。
【0053】
本発明の特定の態様において、少なくとも1つの本発明の免疫賦活オリゴヌクレオチドは、式5’−Pyr−Pur−3’の免疫賦活ジヌクレオチドを含み、ここでPyrは天然ピリミジンヌクレオシドまたはそれらの類似体であり、Purは天然プリンヌクレオシドまたはそれらの類似体である。本明細書において、用語「ピリミジンヌクレオシド」は、ヌクレオシドの塩基成分がピリミジン塩基であるヌクレオシドを示す。同様に、用語「プリンヌクレオシド」は、ヌクレオシドの塩基成分がプリン塩基であるヌクレオシドを示す。本発明において、「合成」ピリミジンまたはプリンヌクレオシドは、天然に存在しないピリミジンまたはプリン塩基、天然に存在しない糖部分、またはこれらの組み合わせを含む。
【0054】
特定の態様において、本発明の方法に使用される免疫賦活オリゴヌクレオチドおよび/またはイムノマーにおけるピリミジンヌクレオシドは、構造(III):
【化2】

【0055】
式中:
Dは水素結合供与体であり;
D’は、水素、水素結合供与体、水素結合受容体、親水基、疎水基、電子求引基および電子供与基からなる群から選ばれ;
Aは水素結合受容体または親水基であり;
A’は、水素結合受容体、親水基、疎水基、電子求引基および電子供与基からなる群から選ばれ;
Xは炭素または窒素であり;そして
S’は、ペントースもしくはヘキソース糖環、または天然に存在しない糖である、
を有する。
【0056】
特定の態様において、糖環は、リン酸部分、修飾リン酸部分、またはピリミジンヌクレオシドを他のヌクレオシドまたはヌクレオシド類似体に結合するのに適した他のリンカー部分で誘導体化されている。
【0057】
ある態様において、水素結合供与体は、−NH−、−NH、−SHおよび−OHを含むが、これらに限定されない。好ましい水素結合受容体は、C=O、C=S、および芳香族複素環の環窒素原子、例えばシトシンのN3を含むが、これらに限定されない。
【0058】
ある態様において、(III)における塩基部分は、天然に存在しないピリミジン塩基である。好ましい天然に存在しないピリミジン塩基の例は、5−ヒドロキシシトシン、5−ヒドロキシメチルシトシン、N4−アルキルシトシン、またはN4−エチルシトシン、および4−チオウラシルを含むが、これらに限定されない。ある態様において、(III)における糖部分S’は、天然に存在しない糖部分である。本発明において、「天然に存在する糖部分」は核酸の一部として天然に存在する糖部分、例えば、リボースおよび2’−デオキシリボースであり、そして「天然に存在しない糖部分」は、核酸の一部として天然に存在しない糖であるが、オリゴヌクレオチドのための主鎖として用いることができる任意の糖、例えばヘキソースである。アラビノースおよびアラビノース誘導体は、糖部分の非限定例である。
【0059】
ある態様において、本発明の方法に使用される免疫賦活オリゴヌクレオチドおよび/またはイムノマーにおけるプリンヌクレオシド類似体は、構造(IV):
【化3】

【0060】
式中:
Dは水素結合供与体であり;
D’は、水素、水素結合供与体、および親水基からなる群から選ばれ;
Aは水素結合受容体または親水基であり;
Xは炭素または窒素であり;
それぞれのLは、独立して、C、O、NおよびSからなる群から選ばれ;そして
S’はペントースもしくはヘキソース糖環、または天然に存在しない糖である、
を有する。
【0061】
特定の態様において、糖環は、リン酸部分、修飾リン酸部分、またはピリミジンヌクレオシドを他のヌクレオシドまたはヌクレオシド類似体に結合するのに適した他のリンカー部分で誘導体化されている。
【0062】
特定の態様において、水素結合供与体は、−NH−、−NH、−SHおよび−OHを含むが、これらに限定されない。好ましい水素結合受容体は、C=O、C=S、−NOおよび芳香族複素環の環窒素原子、例えばグアニンのN1を含むが、これらに限定されない。
【0063】
ある態様において、(IV)における塩基部分は天然に存在しないプリン塩基である。好ましい天然に存在しないプリン塩基の例は、6−チオグアニンおよび7−デアザグアニンを含むが、これらに限定されない。ある態様において、(IV)における、糖部分S’は、構造(III)で説明されたように、天然に存在する糖部分である。
【0064】
第3の側面において、本発明は医薬組成物を提供する。これらの組成物は、本発明の第1および第2の側面において開示されたいずれかの組成物を単独または組み合わせて含むと共に、薬学的に許容し得るキャリヤーを含む。
【0065】
本明細書において、用語「生理的に許容し得る」は、本発明の第1、第2または第3の側面の組成物の有効性を妨げず、かつ、細胞、細胞培養物、組織または有機体などの生物系に適合できる物質を示す。特定の態様において、生物系は、脊椎動物などの生命体である。
【0066】
本明細書において、用語「キャリヤー」は、任意の賦形剤、希釈剤、充てん剤、塩、緩衝剤、安定剤、可溶化剤、脂質、または医薬組成物への使用のために当該技術分野でよく知られているその他の物質を包含する。当然のことながら、キャリヤー、賦形剤、または希釈剤の特性は、特定の用途のための投与経路に依存することが理解されるだろう。これらの物質を含有する薬学的に許容し得る製剤の調合は、例えばRemington’s Pharmaceutical Sciences, 18th Edition, ed. A. Gennaro, Mack Publishing Co., Easton, PA, 1990, ISBN: 0-912734-04-3に開示されている。
【0067】
本発明の医薬組成物はまた、EFG、抗イディオタイプ癌ワクチン、Gp75抗原、GMKメラノーマワクチン、MGVガングリオシド結合ワクチン、Her2/new、Ovarex、M−Vax、O−Vax、L−Vax、STn−KHLテラトープ(Theratope)、BLP25(MUC−1)、リポソームイディオタイプワクチン、メラシン、ペプチド抗原ワクチン、毒素/抗原ワクチン、MVAベースのワクチン、PACIS、BCGワクチン、TA−HPV、TA−CIN、DISC−ウイルス、およびImmunCyst/TheraCysから選ばれる癌ワクチンを含む、癌ワクチンを含んでもよい。
【0068】
本発明の様々な態様において、本発明の第1、第2または第3の側面の組成物は、抗原に共有結合していてもよく、さもなければ、抗原と作動可能に連結していてもよい。本明細書において、用語「作動可能に連結する」は、本発明の第1、第2または第3の側面の組成物および抗原の両方の活性を維持する任意の連結を示す。かかる作動可能な連結の非限定例は、同じリポソームまたは他のかかる送達媒体または試薬の一部であることを含む。本発明の第1、第2または第3の側面の組成物が抗原と共有結合している態様において、かかる共有結合は、本発明の第1、第2または第3の側面の組成物の、免疫賦活オリゴヌクレオチドのアクセス可能な5’末端以外のいずれの位置であってもよい。例えば、抗原はヌクレオシド間結合に付着していてもよく、または非ヌクレオチドリンカーに付着していてもよい。あるいは、抗原自体が非ヌクレオチドリンカーであってもよい。
【0069】
本発明の様々な態様において、本発明の第1、第2または第3の側面の組成物は、アンチセンス活性を持つオリゴヌクレオチドを含んでもよい。本明細書において、「アンチセンス活性」は、オリゴヌクレオチドが細胞または動物に導入されたとき、それと相補的な遺伝子の発現の低減を起こすことを意味する。
【0070】
本発明の様々な態様において、本発明の第1、第2または第3の側面の組成物は、アプタマーであるオリゴヌクレオチド配列を含んでもよい。アプタマーは、他の分子に結びつく能力に基づいて、無作為なプールから選ばれた核酸分子である。核酸、タンパク質、小有機化合物、および生体全体にさえも結合するアプタマーが選択される。これらの新規分子は、医学および科学技術における多くの利用可能性を有している(例えば、Burgstaller P., et al. Curr Opin Drug Discov Devel. 5: 690-700 (2002)参照)。
【0071】
本発明の医薬組成物は、非経口、経口、舌下、経皮、局所、鼻腔内、エアロゾル、眼内、気管内、直腸内、膣内、遺伝子銃、皮膚パッチによる、もしくは点眼薬、点耳薬またはマウスウォッシュの形状を含むが、これらに限定されない、任意の好適な経路によって投与されてもよい。医薬組成物は、望ましい効果、例えば、癌治療、感染症治療および自己免疫疾患の治療を得る効果的な投与量および期間の、周知の手順を用いて送達することができる。
【0072】
全身的に投与された場合、医薬組成物は、本発明の第1、第2および/または第3の側面の組成物の血中濃度を、約0.0001マイクロモーラー〜約10マイクロモーラーに到達させるのに十分な投与量で投与される。局所的な投与では、これよりかなり低い濃度が効果的であり得、また、かなり高い濃度が耐容され得る。特定の態様において、免疫賦活オリゴヌクレオチドおよび/またはイムノマーの総投与量は、患者1人あたり1日約0.0001mg〜体重1kgあたり1日約200mgの範囲である。治療有効量の1種または2種以上の本発明の治療組成物を、個体に、単一の処置エピソードとして、同時にまたは順次投与することが望ましいだろう。
【0073】
免疫賦活オリゴヌクレオチドは、以下の合成の手順にしたがって、イムノマーとして作製した。本発明の免疫賦活オリゴヌクレオチドおよび/またはイムノマーは、図2および4に図式的に描かれるように、自動合成器およびホスホラミダイトアプローチを使用して、都合良く合成することができる。ある態様において、免疫賦活オリゴヌクレオチドおよび/またはイムノマーは、線形合成アプローチ(図2参照)によって合成する。この合成のための代表的なリンカーは、図3に提示されている。本明細書において、用語「線形合成」は、イムノマーの一端で始まり、直線的に他端へ進む合成を示す。線形合成は、同一または非同一の(長さ、塩基組成および/または組み入れられた化学修飾に関して)単量体ユニットを、免疫賦活オリゴヌクレオチドおよび/またはイムノマーへ組み込むことを可能にする。
【0074】
免疫賦活オリゴヌクレオチドおよび/またはイムノマーのための、合成の代替様式は、合成が中心リンカー部分から外側に向かう「パラレル合成」である(図4参照)。この合成方法のための代表的なリンカーは、図5に提示されている。米国特許第5,912,332号に開示されているように、固体支持体付着リンカーをパラレル合成に使用することができる。あるいは、制御細孔ガラス(controlled pore glass)支持体に付着させたリン酸塩などの、汎用的な固体支持体を使用することもできる。
【0075】
免疫賦活オリゴヌクレオチドおよび/またはイムノマーのパラレル合成は、線形合成に比べ様々な利点がある:(1)パラレル合成は、同一の単量体ユニットの組み込みを可能にする、(2)線形合成と違い、両方(または全て)の単量体ユニットが同時に合成され、それにより、合成工程の数および合成に必要とされる時間が、1単量体ユニットのそれと同じである、ならびに(3)合成工程の減少が、最終イムノマー生成物の純度および収率を高める。
【0076】
線形合成またはパラレル合成のいずれかの手順よる合成の最後において、本発明の免疫賦活オリゴヌクレオチドまたはイムノマーは、修飾ヌクレオシドが組み込まれている場合は、濃縮アンモニア溶液によって、またはホスホルアミダイトの供給者により推奨されるとおりに都合良く脱保護することができる。免疫賦活オリゴヌクレオチドおよび/またはイムノマー製品は、好ましくは、逆相HPLCにより精製し、脱トリチル化し、脱塩し、透析する。
【0077】
本発明の第1、第2または第3の側面で開示された組成物は、免疫賦活オリゴヌクレオチドまたはイムノマーを、単体で、またはオリゴヌクレオチド/イムノマー接合体として含むことができる。オリゴヌクレオチド/イムノマー接合体は、上記のオリゴヌクレオチドまたはイムノマーと、該オリゴヌクレオチドおよび/またはイムノマーに、アクセス可能な5’末端以外の位置で接合した抗原とを含む。ある態様において、非ヌクレオチドリンカーは、オリゴヌクレオチドに接合した抗原を含む。ある別の態様において、抗原は、オリゴヌクレオチドに、その3’末端以外の位置で接合される。ある態様において、抗原は、ワクチン効果をもたらす。免疫賦活オリゴヌクレオチドまたはイムノマーは、単体もしくはオリゴヌクレオチド/イムノマー接合体として、下記に論じる方法で投与することができる。
【0078】
抗原は、病原体に関連した抗原、癌に関連した抗原、自己免疫疾患に関連した抗原、および他の疾患、例えば、限定されずに、動物疾患もしくは小児疾患、もしくは抗原がアレルゲンである疾患などに関連した抗原から任意に選ばれる。本発明において、用語「関連した」は、病原体、癌、自己免疫疾患、食物アレルギー、皮膚アレルギー、呼吸器アレルギー、喘息または他の病気が存在するときにその抗原が存在するが、病原体、癌、自己免疫疾患、食物アレルギー、皮膚アレルギー、呼吸器アレルギー、または病気がないときは、その抗原が存在しないか、または少ない量で存在することを意味する。
【0079】
イムノマーは抗原に共有結合しているか、または、さもなければ抗原と作動可能に連結している。本明細書において、用語「作動可能に連結する」は、イムノマーおよび抗原の両方の活性を維持する任意の連結を意味する。このような、作動可能な連結の非限定例は、同じリポソームまたは他のかかる送達媒体または試薬の一部であることを含む。イムノマーが抗原に共有結合している態様において、かかる共有結合は、好ましくは、免疫賦活オリゴヌクレオチドのアクセス可能な5’末端以外の、イムノマーの位置にある。例えば、抗原は、ヌクレオシド間結合に付着してもよく、または非ヌクレオチドリンカーに付着してもよい。あるいは、抗原自体が、非ヌクレオチドリンカーであってもよい。
【0080】
第4の側面において、本発明は脊椎動物において免疫反応を惹起および/または調節するための方法を提供し、かかる方法は、本発明のイムノマーまたはイムノマー接合体を脊椎動物に投与することを含む。ある様態において、脊椎動物は哺乳類である。本発明において、用語「哺乳類」はヒトを含むことを明示的に意図している。特定の態様において、イムノマーまたはイムノマー接合体は、免疫賦活を必要とする脊椎動物に投与される。
【0081】
本明細書において、用語「調節すること」または「調節する」は、もとの免疫賦活核酸の免疫賦活活性に比較して、免疫賦活核酸の免疫賦活活性を増減することを意味する。
【0082】
本発明のこの側面の方法において、イムノマーの投与は、任意の好適な経路によることができ、これは、非経口、経口、舌下、経皮、局所、鼻腔内、筋肉内、腹腔内、皮下、皮内、エアロゾル、眼内、気管内、直腸内、膣内、遺伝子銃、皮膚パッチによるもの、または点眼薬、点耳薬もしくはマウスウォッシュの形状でのものを含むが、これらに限定されない。イムノマーの治療組成物の投与は、疾患の症状または代理マーカーを低減するのに効果的な投与量および期間の周知の手順を用いて行うことができる。
【0083】
全身的に投与する場合、治療組成物は、好ましくは、イムノマーの血中濃度を約0.0001マイクロモーラー〜約10マイクロモーラーに到達させるのに十分な投与量で投与する。局所的な投与では、これよりかなり低い濃度が効果的であり得、また、かなり高い濃度が耐容され得る。好ましくは、イムノマーの総投与量は、患者1人あたり1日約0.0001mg〜体重1kgあたり1日約200mgの範囲である。治療有効量の1種または2種以上の本発明の治療組成物を、個体に、単一の処置エピソードとして、同時にまたは順次投与することが望ましいだろう。
【0084】
イムノマーまたはワクチンのいずれか一方、または両方は、適宜、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、コレラ毒素Bサブユニットなどの免疫原性タンパク質、または任意の他の免疫原性キャリヤータンパク質または非免疫原性キャリヤータンパク質に任意に結合していてもよい。限定されずに、フロイント完全アジュバント、フロイント不完全アジュバント、KLH、モノホスホリル脂質A(MPL)、アラム、およびQS−21を包含するサポニン、イミキモド、R848、またはそれらの組み合わせを含む、多種多様なアジュバントのうち任意のものを用いることができる。
【0085】
トール様受容体(TLR)は、感染のセンサーとして機能し、自然免疫反応および適応免疫反応の活性化を誘発する。TLRは、病原体関連分子パターン(PAMP)と呼ばれる、多種多様のリガンドを認識する。保存された病原体関連分子生成物を認識すると、TLRは、細胞内シグナル伝達ドメイン、トール/インターロイキン−1受容体(TIR)ドメイン、および下流アダプタータンパク質MyD88を介して宿主防衛反応を活性させる。樹状細胞およびマクロファージは通常、トール様受容体(TLR)リガンドおよびサイトカイン(例えば、インターロイキン−1β、IL−6および腫瘍壊死因子、TNF)に反応するが、これらの細胞もこれらのサイトカインを産生する。ナチュラルキラー(NK)細胞およびT細胞も前炎症性回路に関与している。
【0086】
細菌化合物によるTLR刺激の後、自然免疫細胞は様々なサイトカインを放出する。TLRリガンドのいくらかの例は、リポタンパク質、ペプチドグリカン、ザイモサン(TLR2)、二本鎖RNA、ポリI:ポリC(TLR3)、リポ多糖体、熱ショックタンパク質、タキソール(TLR4)、フラジェリン(TLR5)、ならびにイミダゾキノリン−R848、レシキモド、イミキモド、ssRNA(TLR7/8)、ベータ−リンパ球(TLR10)および尿路病原性大腸菌(TLR11)を含むが、これらに限定されない。
【0087】
本発明のこの側面の方法は、免疫系のモデル研究に有益である。該方法は、ヒトまたは動物の病気の予防または治療処置のためにも有益である。例えば、小児用および獣医用ワクチン用途に有益である。
【0088】
第5の側面において、本発明は、病気または疾患を有する脊椎動物を治療的に処置するための方法を提供し、かかる方法は、本発明のイムノマーまたはイムノマー接合体を脊椎動物に投与することを含む。さまざまな態様において、処置される病気または疾患は、癌、自己免疫疾患、気道炎症、炎症性疾患、アレルギー、喘息または病原体によって引き起こされる病気である。病原体は、細菌、寄生虫、菌類、ウイルス、ウイロイドおよびプリオンを含む。投与は、本発明の第4の側面に開示されたように実施される。
【0089】
本発明において、用語「アレルギー」は、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎(別名花粉症)、アレルギー性結膜炎、じんましん(urticaria)(別名じんましん(hives))、呼吸器アレルギー、ならびにラテックス、医薬品および虫刺されなどの他の物質に対するアレルギー反応、またはアレルギー性鼻炎−副鼻腔炎、中耳炎およびCOPDが通常もたらす問題を含むが、これらに限定されない。用語「気道炎症」は、喘息を含むが、これに限定されない。喘息の具体的な例は、アレルギー性喘息、非アレルギー性喘息、運動誘発性喘息、職業性喘息、および夜間喘息を含むが、これらに限定されない。
【0090】
アレルギー性喘息は、アレルギーと関連した気道閉塞に特徴付けられ、アレルゲンと呼ばれる物質によって誘発される。アレルギー性喘息の誘因は、空中花粉、カビ、動物の鱗屑、イエダニおよびゴキブリの糞を含むが、これらに限定されない。非アレルギー性喘息はウイルス感染、特定の医薬品または空気中に見出される刺激物によって引き起こされ、鼻および気道を悪化させる。非アレルギー性喘息の誘因は、空中の粉塵(例えば、石炭、チョークのちり)、空気汚染物質(例えば、タバコの煙、木の煙)、強い臭いまたはスプレー(例えば、香水、家庭用クリーナー、料理の煙霧、ペンキまたはニス)、ウイルス感染(例えば、風邪、ウイルス性肺炎、副鼻腔炎、鼻ポリープ)、アスピリン過敏性、および胃食道逆流症(GERD)を含むが、これらに限定されない。
【0091】
運動誘発性喘息(EIA)は、激しい身体的活動によって誘発される。EIAの症状は、大多数の喘息で苦しむ人において様々な程度でおこり、運動中に冷たい、乾いた空気を呼吸することの結果として誘発されるようである。EIAの誘因は、運動中に空中の花粉を呼吸すること、運動中に大気汚染物質を呼吸すること、ウイルス性気道感染を伴って運動すること、および冷たい、乾いた空気の中で運動することを含むが、これらに限定されない。職業性喘息は、職場に見出される刺激物および他の有害な恐れのある物資を吸い込むことに直接関連している。職業性喘息の誘因は、煙霧、化学物質、ガス、樹脂、金属、ちり、蒸気および殺虫剤を含むが、これらに限定されない。
【0092】
本明細書において、用語「自己免疫疾患」は、免疫系によって「自己」タンパク質が攻撃を受ける疾患を示す。かかる用語は、自己免疫喘息を含む。
【0093】
いずれの特定の理論に縛られることを望むことなく、先進国において細菌への暴露の減少が、喘息、アトピー性皮膚炎および鼻炎などのアレルギー疾患による、上昇した発生率、重症度および死亡率に部分的に関与している可能性がある。この仮説は、細菌感染または生成物が、実験動物モデルおよび臨床研究において、アレルギー性疾患の発症を抑制することができることに裏付けられている。非メチル化CpGジヌクレオチドおよび/または修飾CpGジヌクレオチドを特定の配列コンテキスト(CpG DNA)において含む、細菌DNAまたは合成オリゴデオキシヌクレオチドは、自然免疫反応を強く刺激し、それによって獲得免疫を強く刺激する。
【0094】
CpG DNAへの免疫反応は、自然免疫細胞の活性化、B細胞の増殖、Th1サイトカイン分泌の誘発、および免疫グロブリン(Ig)の産生を含む。CpG DNAによる免疫細胞の活性化は、分子パターン認識受容体である、トール様受容体9(TLR9)を介して起こる。CpG DNAは、IL−12およびIFNγの分泌によって特徴付けられる、強いTh1優位の免疫反応を誘発する。イムノマー(IMO)は単体、またはアレルゲン接合体として、アレルギー性喘息のマウスモデルにおいて、IL−4、IL−5、およびIgEの産生を減らし、かつ好酸球増加症を軽減した。IMO化合物はまた、Th2反応をTh1反応に変換することにより、確立したアトピー性好酸球性気道疾患を効果的に回復させる。
【0095】
アラムを伴うOVAは、様々なマウスおよびラットモデルにおいて、Th2優位の免疫反応を確立するために一般的に用いられている。Th2免疫反応は、増大したIL−4、IL−5、およびIL−13産生、上昇した総IgE、IgG1および抗原特異的IgE、IgG1の血中濃度、ならびにより低いIgG2aレベルを含む。IMO化合物は、マウスにおいて、確立されたTh2優位の免疫反応を予防し、後退させる。マウスへの、IMO化合物のOVA/アラムとの同時投与は、IL−4、IL−5、およびIL−13産生を減少させ、抗原再刺激にさらされた脾臓細胞培養物において、IFN−γ産生を誘発する。さらに、IMO化合物は、これらのマウスにおいて、抗原特異的および総IgEを抑制し、IgG2a産生を増強する。
【0096】
OVA/アラムおよびIMO化合物の注入は、マウスにおいて、Th2関連サイトカイン、IgEおよびIgG1の低いレベル、ならびにTh1関連サイトカインおよびIgG2aの高いレベルによって特徴付けられる、リンパ球抗原リコール(antigen-recall)反応(Th1タイプ)を誘発する。IMO化合物の、マンソン住血吸虫卵および鶏卵リゾチームなどの、他の種類の抗原との同時投与も、Th2反応の、Th1優位の反応への逆転を、in vitroおよびin vivo研究においてもたらした。ここで説明されるように、IMO化合物は、Th2免疫反応の発生を効果的に予防し、強いTh1反応を可能にする。
【0097】
Th2サイトカインは、IgEおよびIgG1産生へのIgアイソタイプスイッチを招くが、Th1サイトカインであるIFN−γは、B−リンパ球によるIgG2aの産生を誘発する。OVA/アラムおよびIMO化合物を注入されたマウスは、OVA/アラムのみを注入されたマウスよりも、IL−4、IL−5、およびIL−13のより低いレベル、ならびにIFN−γのより高いレベルを産生し、より低いIgEおよびIgG1レベル、およびより高いIgG2aレベルを伴う。これは、抗原およびIMO化合物を受けたマウスにおける、Th1サイトカインの誘導と免疫グロブリンアイソタイプスイッチとの間の密接な関係の存在を示唆している。
【0098】
血清抗原特異的IgEおよび総IgEレベルは、OVA/アラムのみを受けたマウスよりも、OVA/アラムおよびIMO化合物を受けたマウスにおいて著しく低い。その一方、OVA/アラムのみを注入されたマウスと比べて、OVA−特異的IgG1レベルはほとんど変わらず、総IgG1レベルはわずかに減少した(データは示さず)。異なる反応は、IgEおよびIgG1クラススイッチの制御に関わる、異なるメカニズムの結果かもしれないが、両方のアイソタイプはIL−4およびIL−13によって影響されている。例えば、IL−6は、IL−4存在下で、Bリンパ球がIgG1を合成することを促進する。
【0099】
第6の側面において、本発明は、癌、自己免疫疾患、気道炎症、炎症性疾患、皮膚疾患、アレルギー、喘息または病原体によって引き起こされる病気を脊椎動物において予防するための方法を提供する。この方法は、本発明の第1、第2および第3の側面において開示されたいずれかの組成物を、単独あるいは併用で脊椎動物に投与することを含む。病原体は、細菌、寄生虫、菌類、ウイルス、ウイロイドおよびプリオンを含む。投与は、本発明の第4の側面について開示されたように行う。
【0100】
本発明のいずれの方法においても、免疫賦活オリゴヌクレオチドおよび/またはイムノマーまたはそれらの接合体は、オリゴヌクレオチドまたはイムノマーの免疫賦活効果を減少させない、病気または症状を処置するために有益な他の任意の薬剤と組み合わせて投与することができる。本発明のこの側面に関して、用語「組み合わせて」は、同じ患者における同じ病気を処置する過程で、を意味し、オリゴヌクレオチドおよび/またはイムノマー、ならびに薬剤を、同時投与や、時間的に間隔をあけた任意の順序、例えば、連続的に他方の直後に一方を投与することから、数日あけて投与することまでを含む、任意の順序で投与することを含む。かかる併用療法は、2回以上のイムノマーの投与、およびこれと独立した薬剤の投与を含んでもよい。オリゴヌクレオチドおよび/またはイムノマーならびに薬剤の投与は、同一、または異なる経路によってもよい。
【0101】
本発明のいずれの方法においても、病気または症状を処置するため有益な剤は、ワクチン、抗原、抗体、細胞毒性薬、アレルゲン、抗生物質、アンチセンスオリゴヌクレオチド、ペプチド、タンパク質、遺伝子治療ベクター、DNAワクチンおよび/または免疫反応の特異性または規模を増大させるためのアジュバント、またはサイトカイン、ケモカイン、タンパク質リガンド、トランス活性化因子、ペプチドおよび修飾アミノ酸を含むペプチドなどの共刺激分子を含むが、これらに限定されない。さらに、剤は、抗原またはアレルゲンをコードするDNAベクターを含むことができる。これらの態様において、本発明のイムノマーは、アジュバントとして様々に作用すること、および/または直接的な免疫賦活効果をもたらすことができる。
【0102】
以下の例は、本発明の特定の好ましい態様をさらに説明することを意図し、本発明の範囲を限定することを意図しない。

【0103】
例1:オリゴヌクレオチドの合成、精製および熱融解プロファイル
CpGオリゴヌクレオチド(免疫賦活オリゴヌクレオチド/イムノマー)を、PerSeptive Biosystem’s 8909 Expedite DNA合成装置(PerSeptive Biosystem, Boston, MA)で、β−シアノエチルホスホラミダイトを使用して、1〜2μモルスケールで合成した。dA、dG、dC、およびTのホスホラミダイトは、PE Biosystems(Foster City, CA)から入手した。
【0104】
Iyer R.P., et al.(J. Am. Chem. Soc. 112: 1253-1254 (1990))に開示されたように、ヨウ素酸化剤を、ホスホロチオエートバックボーン修飾を得るために使用した。全てのオリゴを、標準プロトコルを使用して脱保護し、HPLCによって精製し、USP品質の洗浄用滅菌水に対して透析した。オリゴを凍結乾燥し、再び蒸留水に溶解し、260nmにおける紫外吸光度から濃度を決定した。全てのオリゴを、純度および分子量について、それぞれCGEおよびMALDI−TOF質量分析(Applied Biosystem’s Voyager-DETM STR BiospectrometryTM Workstation)によって特徴付けた。
【0105】
完全長オリゴの純度は、CGEおよび/または変性PAGEで測定したところ90〜96%の範囲であり、残りは1または2ヌクレオチド(n−1およびn−2)短かった。全てのオリゴは、リムルス試験(現在はCambrex Bio Science Walkersville, Inc., Walkersville, MDとして知られるBio-Whittaker)で測定したところ、<0.1EU/mLより少ない内毒素を含有していた。
【0106】
熱融解研究は、150mMのNaClおよび2mMのMgClを含有する、10mMのリン酸水素二ナトリウム、pH7.2±0.2の溶液1mL中で行った。溶液は95℃まで10分間加熱し、一晩4℃で貯蔵される前に、ゆっくりと室温に至るように放置した。オリゴヌクレオチド鎖の最終濃度は2.0μMであった。UV熱融解測定を、0.5℃/分の加熱速度で、1cmの路長のキュベットを使用して、ペルチェ熱制御装置およびパーソナルコンピュータに接続されたPerkin-Elmer Lambda 20 Spectrophotometerにより、260nmで行った。融解温度(Tm)は、半解離(half-dissociation)の温度とみなし、一次導関数プロットから得た。それぞれのTm値は、2または3回の独立した実験の平均であり、その値は±1.0℃の範囲内であった。
【0107】
例2:細胞培養条件および試薬
4〜8週齢BALB/c、C57BL/6またはC3H/HeJマウスからの脾臓細胞を、Zhao, Q., et al.(Biochem Pharmacol. 51: 173-182 (1996))およびBranda, R.F., et al.(Biochem. Pharmacol. 45: 2037-2043 (1993))に開示されたように、RPMI完全培地で培養した。マウスJ774マクロファージ(American Type Culture Collection, Manassas, VA)は、10%(v/v)ウシ胎仔血清および抗生物質(100IU/mLのペニシリンG/ストレプトマイシン)を補充した、ダルベッコ変法イーグル培地で培養した。その他の全ての培養試薬は、Mediatech (Gaithersburg, MD)から購入した。
【0108】
例3:脾臓細胞増殖試験
典型的に、マウス(Balb−C)脾臓細胞を、48時間の間、0.1、1.0、および10.0μg/mlの濃度のイムノマー化合物とともに培養し、細胞増殖を、Zhao, Q., et al.(Biochem Pharmacol. 51: 173-182 (1996))に開示されたように、3H−ウリジン取り込みによって測定した。
【0109】
例4:サイトカイン誘導試験
マウス脾臓細胞またはJ774細胞を、それぞれ5×10または1×10細胞/mLで、24ウェルディッシュに蒔いた。TEバッファー(10mMのTris−HCl、pH7.5、1mMのEDTA)に溶解したイムノマー化合物を、最終濃度0.03、0.1、0.3、1.0、3.0、または10.0μg/mLで、細胞培養物に添加した。細胞をその後37°Cで24時間インキュベートし、上清をELISA分析のために採取した。実験は、それぞれのイムノマー化合物について2、3回、そして各濃度について三重に(in triplicate)行った。IL−12およびIL−6の分泌は、Bhagat L., et al.(Biochem. Biophys. Res. Commun. 300: 853-861 (2003))に開示されたように、サンドイッチELISAで測定した。サイトカイン抗体および標準物質を含む、必要な試薬は、BD Biosciences Pharmingen (San Diego, CA)から購入した。
【0110】
例5:マウス脾腫試験
雌のBALB/cマウス(4〜6週、19〜21グラム)を、マウス3匹の群に分けた。イムノマー化合物を、無菌リン酸緩衝生理食塩水(PBS)に溶解し、マウスに5mg/kgの用量で皮下(SC)投与した。マウスを、48時間後に犠牲にし、Zhao, Q., et al.(Biochem Pharmacol. 51: 173-182 (1996))およびBranda, R.F., et al.(Biochem. Pharmacol. 45: 2037-2043 (1993))に開示されるように、脾臓を採取し、重量を測定した。
【0111】
例6:NF−κB経路の活性化
トール様受容体9(TLR9)が、細菌、プラスミドおよび合成DNA中の非メチル化CpG−ジヌクレオチドを認識すること(Hemmi H., et al. Nature 408: 740-745 (2000))、ならびにストレスキナーゼ(Yi A.K., et al. J. Immunol. 161: 4493-4497 (1998))およびNF−κB経路(Stacey K.J., et al. J. Immunol. 157: 2116-2122 (1996))を活性化することが示されている。イムノマー化合物で処置されたJ774細胞における、NF−κB活性化は、Yu D., et al.(Biochem. Biophys. Res. Commun. 297: 83-90 (2002))およびBhagat L., et al.(Biochem. Biophys. Res. Commun. 300: 853-861 (2003))に開示されるように行い、EMSAによって分析した。
【0112】
例7:ヒトB細胞および形質細胞様樹状細胞(pDC)の分離
新たに採取した健康なボランティアの血液(CBR Laboratories, Boston, MA)からのPBMCは、フィコール密度勾配遠心法(Histopaque-1077, Sigma)によって分離し、B細胞を、製造会社の使用説明書に従って、CD19細胞分離キット(Miltenyi Biotec)を使用したポジティブ選択によって、PBMCから分離した。表1は、C57BL/6脾細胞試験における、本発明のイムノマー化合物の免疫賦活活性を示す。
【0113】
表1 イムノマー構造およびC57BL/6脾細胞試験(24時間)
【表1】

【表2】

【表3】

【0114】
標準字体はホスホロチオエート結合を示し、イタリック体はホスホジエステル結合を示す。
=2’−デオキシ−7−デアザグアノシン
=アラビノグアノシン
=1−(2’−デオキシ−β−D−リボフラノシル)−2−オキソ−7−デアザ−8−メチルプリン
X=グリセロールリンカー
Y=C3リンカー
【0115】
例8:ヒトpDC培養ならびにIFN−αおよびIFN−βELISA
pDCは、ヒトPBMCから、製造会社の使用説明書に従って、BDCA−4細胞分離キット(Miltenyi Biotec)を使用して単離した。pDCを、96ウェルプレートに、1×10細胞/mL、200μL/ウェルで蒔いた。イムノマー化合物を、0.3、1.0、3.0、または10.0μg/mLの最終濃度で、細胞培養物に添加し、37℃で24時間インキュベートした。その後上清を採取し、IFN−αおよびIFN−βについて、ELISAキット(PBL)を用いて分析した。表2A〜2Dは、10.0μg/mLの濃度の発明のイムノマー化合物に関する、IFN−αおよびIFN−βの平均値±SDを示す。
【0116】
表2A ヒトDC試験におけるイムノマー構造および免疫賦活活性(24時間)
【表4】

【0117】
標準字体はホスホロチオエート結合を示す。
=2’−デオキシ−7−デアザグアノシン
=アラビノグアノシン
X=グリセロールリンカー
【0118】
表2B ヒトDC試験におけるイムノマー構造および免疫賦活活性(24時間)
【表5】

【0119】
標準字体はホスホロチオエート結合を示す。
=2’−デオキシ−7−デアザグアノシン
=アラビノグアノシン
=2’−デオキシイノシン
=1−(2’−デオキシ−β−D−リボフラノシル)−2−オキソ−7−デアザ−8−メチルプリン
=アラビノシチジン
=2’−デオキシ−5−ヒドロキシシチジン
【0120】
表2C ヒトDC試験におけるイムノマー構造および免疫賦活活性(24時間)
【表6】

【0121】
【表7】

【表8】

【0122】
標準字体はホスホロチオエート結合を示す。
=2’−デオキシ−7−デアザグアノシン
=アラビノグアノシン
=1−(2’−デオキシ−β−D−リボフラノシル)−2−オキソ−7−デアザ−8−メチルプリン
X=グリセロールリンカー
【0123】
表2D ヒトDC試験におけるイムノマー構造および免疫賦活活性(24時間)
【表9】

【0124】
【表10】

【0125】
【表11】

【表12】

【0126】
標準字体はホスホロチオエート結合を示し、イタリック体はホスホジエステル結合を示す。
=2’−デオキシ−7−デアザグアノシン
=アラビノグアノシン
=1−(2’−デオキシ−β−D−リボフラノシル)−2−オキソ−7−デアザ−8−メチルプリン
X=グリセロールリンカー
Y=C3リンカー
【0127】
例9:サイトカイン分析
脊椎動物細胞、好ましくはBALB/cマウス脾臓細胞またはヒトPBMCにおける、IFN−αの分泌を、サンドイッチELISAで測定した。サイトカイン抗体およびサイトカイン標準物質を含む、必要な試薬は、PharMingen, San Diego, CAから購入した。ELISAプレート(Costar)は、5μg/mLの適切な抗体とともに、PBSNバッファー(PBS/0.05%アジ化ナトリウム、pH9.6)中、一晩、4℃でインキュベートし、その後、PBS/1%BSAで、37℃にて30分間ブロッキングした。
【0128】
細胞培養上清およびサイトカイン標準物質を、適切にPBS/10%FBSで希釈し、プレートに三重に加え、25℃で2時間インキュベートした。プレートは、1μg/mLの適切なビオチン化抗体でオーバーレイし、25℃で1.5時間インキュベートした。その後、プレートを、PBS−Tバッファー(PBS/0.05%Tween20)で十分に洗浄し、ストレプトアビジン接合ペルオキシダーゼ(Sigma, St. Louis, MO)を加えた後、さらに25℃で1.5時間インキュベートした。プレートを、Sure Blue(登録商標)(Kirkegaard and Perry)発色試薬で発色させ、反応を、Stop Solution(Kirkegaard and Perry)を加えることで終止した。変色を、Ceres 900 HDI Spectrophotometer(Bio-Tek Instruments)で測定した。
【0129】
ヒト末梢血単核球(PBMC)を、フィコール密度勾配遠心法(Histopaque-1077, Sigma, St. Louis, MO)によって、健康なボランティアの末梢血から単離した。簡潔に述べると、ヘパリン加血液を、コニカル遠心チューブ内のHistopaque-1077(等容積)上に層にし、400×gで30分間、室温で遠心分離した。単核細胞を含有するバフィーコートを注意深く取り出し、等張リン酸緩衝食塩水(PBS)で、250×gでの10分間の遠心分離によって、二度洗浄した。
【0130】
その後、得られた細胞ペレットをL−グルタミンを含み、10%熱不活性化FCSおよびペニシリン−ストレプトマイシン(100U/ml)が補充されたRPMI1640培地(MediaTech, Inc., Herndon, VA)に再懸濁した。細胞を、24ウェルプレート中で、異なる時間、オリゴヌクレオチドの存在下または不在下において、1×10細胞/ml/ウェルで培養した。培養期間の終わりに上清を採取し、IFN−α(BioSource International)を含む様々なサイトカインを、サンドイッチELISAで分析するまで、−70℃で保存冷凍した。結果を、下記表3A〜3Dに示す。
【0131】
全ての場合において、細胞培養上清中のIFN−αのレベルは、同じ実験状態下で構築されたIFN−αの標準曲線から計算した。
【0132】
表3A ヒトPBMC試験におけるイムノマー構造および免疫賦活活性(24時間)
【表13】

【0133】
標準字体はホスホロチオエート結合を示す。
=2’−デオキシ−7−デアザグアノシン
=アラビノグアノシン
X=グリセロールリンカー
【0134】
表3B ヒトPBMC試験におけるイムノマー構造および免疫賦活活性(24時間)
【表14】

【0135】
標準字体はホスホロチオエート結合を示す。
=2’−デオキシ−7−デアザグアノシン
=アラビノグアノシン
=2’−デオキシイノシン
=1−(2’−デオキシ−β−D−リボフラノシル)−2−オキソ−7−デアザ−8−メチルプリン
=アラビノシチジン
=2’−デオキシ−5−ヒドロキシシチジン
【0136】
表3C ヒトPBMC試験におけるイムノマー構造および免疫賦活活性(24時間)
【表15】

【0137】
【表16】

【表17】

【0138】
標準字体はホスホロチオエート結合を示す。
=2’−デオキシ−7−デアザグアノシン
=アラビノグアノシン
=1−(2’−デオキシ−β−D−リボフラノシル)−2−オキソ−7−デアザ−8−メチルプリン
X=グリセロールリンカー
【0139】
表3D ヒトPBMC試験におけるイムノマー構造および免疫賦活活性(24時間)
【表18】

【0140】
【表19】

【0141】
【表20】

【表21】

【0142】
標準字体はホスホロチオエート結合を示し、イタリック体はホスホジエステル結合を示す。
=2’−デオキシ−7−デアザグアノシン
=アラビノグアノシン
=1−(2’−デオキシ−β−D−リボフラノシル)−2−オキソ−7−デアザ−8−メチルプリン
X=グリセロールリンカー
Y=C3リンカー
【0143】
例10:フローサイトメトリー分析
CD69およびCD86の細胞表面マーカーを、BD Pharmingen(San Diego, USA)から購入した抗ヒトCD69−FitcおよびCD86−Fitcを用いて、Coulter Epics-XL Flow Cytometerで検出した。
【0144】
染色方法を、以下に簡潔に説明する。活性化された培養細胞を、染色バッファー(1%BSAおよび0.1%NaNを含むPBS)中の10%ヒトAB血清(Sigma)で、4℃にて1時間ブロッキングし、抗体によって4℃で一晩染色した。PBMC(4×10)は、CD69−FitcおよびCD86−Fitcで染色した。PDC(2×10)は、CD86−Fitcで染色した。細胞染色データをCoulter System II softwareで取得、分析した(下記表4A〜4F参照)。
【0145】
表4A イムノマー構造およびヒトPBMC(2×10細胞/ml)からのDCの発現(24時間)
【表22】

【表23】

【0146】
標準字体はホスホロチオエート結合を示し
=2’−デオキシ−7−デアザグアノシン
=アラビノグアノシン
X=グリセロールリンカー
【0147】
表4B イムノマー構造およびヒトPBMC(2×10細胞/ml)からのDCの発現(24時間)
【表24】

【表25】

【0148】
標準字体はホスホロチオエート結合を示す。
=2’−デオキシ−7−デアザグアノシン
=アラビノグアノシン
=2’−デオキシイノシン
=1−(2’−デオキシ−β−D−リボフラノシル)−2−オキソ−7−デアザ−8−メチルプリン
=アラビノシチジン
=2’−デオキシ−5−ヒドロキシシチジン
【0149】
表4C イムノマー構造およびヒトPBMC(2×10細胞/ml)からのDCの発現(24時間)
【表26】

【0150】
【表27】

【0151】
【表28】

【表29】

【0152】
標準字体はホスホロチオエート結合を示す。
=2’−デオキシ−7−デアザグアノシン
=アラビノグアノシン
=1−(2’−デオキシ−β−D−リボフラノシル)−2−オキソ−7−デアザ−8−メチルプリン
X=グリセロールリンカー
【0153】
表4D イムノマー構造およびヒトPBMC(2×10細胞/ml)からのDCの発現(24時間)
【表30】

【表31】

【0154】
標準字体はホスホロチオエート結合を示す。
=2’−デオキシ−7−デアザグアノシン
=アラビノグアノシン
=1−(2’−デオキシ−β−D−リボフラノシル)−2−オキソ−7−デアザ−8−メチルプリン
X=グリセロールリンカー
【0155】
表4E イムノマー構造およびヒトPBMCからのDCの発現(24時間)
【表32】

【0156】
【表33】

【0157】
【表34】

【0158】
【表35】

【0159】
【表36】

【表37】

【0160】
標準字体はホスホロチオエート結合を示し、イタリック体はホスホジエステル結合を示す。
=2’−デオキシ−7−デアザグアノシン
=アラビノグアノシン
=1−(2’−デオキシ−β−D−リボフラノシル)−2−オキソ−7−デアザ−8−メチルプリン
X=グリセロールリンカー
Y=C3リンカー
【0161】
表4F イムノマー構造およびヒトPBMCからのDCの発現(24時間)
【表38】

【0162】
【表39】

【表40】

【0163】
標準字体はホスホロチオエート結合を示し、イタリック体はホスホジエステル結合を示す。
=2’−デオキシ−7−デアザグアノシン
=アラビノグアノシン
=1−(2’−デオキシ−β−D−リボフラノシル)−2−オキソ−7−デアザ−8−メチルプリン
X=グリセロールリンカー
Y=C3リンカー
【0164】
例11:B細胞増殖試験
合計1×10のB細胞/200mlを、本発明のイムノマー化合物の0.3、1.0、3.0、または10.0mg/mLの濃縮で16時間刺激し、その後0.75mCiの[H]−チミジンでパルスし、8時間後に採取した。放射活性の取り込みを、液体シンチレーションカウンタを使用して測定した。表5は、最終濃度1.0mg/mLでのB細胞増殖の平均値±SDを示す。
【0165】
表5 ヒトB−細胞増殖試験におけるイムノマー構造および免疫賦活活性(24時間)
【表41】

【表42】

【0166】
標準字体はホスホロチオエート結合を示し、イタリック体はホスホジエステル結合を示す。
=2’−デオキシ−7−デアザグアノシン
=アラビノグアノシン
=1−(2’−デオキシ−β−D−リボフラノシル)−2−オキソ−7−デアザ−8−メチルプリン
X=グリセロールリンカー
Y=C3リンカー
【0167】
均等物
前述の発明は、明瞭性および理解の目的のために詳細に開示されているが、本開示を読むことにより、本発明および添付された特許請求の範囲の真の範囲から逸脱することなく、形式および詳細に関する様々な変更が可能であることが当業者により理解される。
【図面の簡単な説明】
【0168】
【図1A】本発明の様々な態様を表した図である。
【図1B】本発明の様々な態様を表した図である。mおよびnは独立して0〜1000である。
【図2】本発明のイムノマーの線形合成のための合成スキームを示した図である。図中、DMTr=4,4’−ジメトキシトリチル、CE=シアノエチルである。
【図3】本発明のイムノマーの線形合成に好適な代表的な小分子リンカーの群を示した図である。
【図4】本発明のイムノマーのパラレル合成のための合成スキームを示した図である。図中、DMTr=4,4’−ジメトキシトリチル、CE=シアノエチルである。
【図5】本発明のイムノマーのパラレル合成に好適な代表的な小分子リンカーの群を示した図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
pG、CpGおよびCpGから選択される少なくとも1つのジヌクレオチドを含む免疫賦活オリゴヌクレオチドであって、該オリゴヌクレオチドの配列が少なくとも部分的に自己相補的である、前記免疫賦活オリゴヌクレオチド。
【請求項2】
オリゴヌクレオチドが、長さ約2〜約50ヌクレオチドである、請求項1に記載の免疫賦活オリゴヌクレオチド。
【請求項3】
オリゴヌクレオチドの配列が、少なくとも40パーセント自己相補的である、請求項1に記載の免疫賦活オリゴヌクレオチド。
【請求項4】
癌、自己免疫疾患、気道炎症、炎症性疾患、皮膚疾患、アレルギー、喘息または病原体によって引き起こされる病気を有する脊椎動物を治療的に処置するための方法であって、請求項1に記載の免疫賦活オリゴヌクレオチドを脊椎動物に投与することを含む、前記方法。
【請求項5】
投与の経路が、非経口、経口、舌下、経皮、局所、鼻腔内、エアロゾル、眼内、気管内、直腸内、膣内、遺伝子銃、皮膚パッチ、点眼、点耳およびマウスウォッシュから選ばれる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
請求項1に記載のオリゴヌクレオチドおよび生理的に許容し得るキャリヤーを含む医薬組成物。
【請求項7】
脊椎動物において免疫反応を惹起するための方法であって、請求項1に記載の免疫賦活オリゴヌクレオチドを脊椎動物に投与することを含む、前記方法。
【請求項8】
投与の経路が非経口、経口、舌下、経皮、局所、鼻腔内、エアロゾル、眼内、気管内、直腸内、膣内、遺伝子銃、皮膚パッチ、点眼、点耳およびマウスウォッシュから選ばれる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
癌、自己免疫疾患、気道炎症、炎症性疾患、皮膚疾患、アレルギー、喘息または病原体によって引き起こされる病気を脊椎動物において予防するための方法であって、請求項1に記載の免疫賦活オリゴヌクレオチドを脊椎動物に投与することを含む、前記方法。
【請求項10】
投与の経路が非経口、経口、舌下、経皮、局所、鼻腔内、エアロゾル、眼内、気管内、直腸内、膣内、遺伝子銃、皮膚パッチ、点眼、点耳およびマウスウォッシュから選ばれる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
非ヌクレオチドリンカーによって結合されたオリゴヌクレオチドを少なくとも2つ含むイムノマーであって、少なくとも1つのオリゴヌクレオチドが、CpG、CpG、CpGおよびCpGから選ばれる少なくとも1つのジヌクレオチドを含み、オリゴヌクレオチドの配列が少なくとも部分的に自己相補的である、前記イムノマー。
【請求項12】
オリゴヌクレオチドが、長さ約2〜約50ヌクレオチドである、請求項11に記載のイムノマー。
【請求項13】
オリゴヌクレオチドの配列が、少なくとも40パーセント自己相補的である、請求項11に記載のイムノマー。
【請求項14】
癌、自己免疫疾患、気道炎症、炎症性疾患、皮膚疾患、アレルギー、喘息または病原体によって引き起こされる病気を有する脊椎動物を治療的に処置するための方法であって、請求項11に記載のイムノマーを脊椎動物に投与することを含む、前記方法。
【請求項15】
投与の経路が、非経口、経口、舌下、経皮、局所、鼻腔内、エアロゾル、眼内、気管内、直腸内、膣内、遺伝子銃、皮膚パッチ、点眼、点耳およびマウスウォッシュから選ばれる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
請求項11に記載のイムノマーおよび生理的に許容し得るキャリヤーを含む医薬組成物。
【請求項17】
脊椎動物において免疫反応を惹起するための方法であって、請求項11に記載のイムノマーを脊椎動物に投与することを含む、前記方法。
【請求項18】
投与の経路が、非経口、経口、舌下、経皮、局所、鼻腔内、エアロゾル、眼内、気管内、直腸内、膣内、遺伝子銃、皮膚パッチ、点眼、点耳およびマウスウォッシュから選ばれる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
癌、自己免疫疾患、気道炎症、炎症性疾患、皮膚疾患、アレルギー、喘息または病原体によって引き起こされる病気を脊椎動物において予防するための方法であって、請求項11に記載のイムノマーを脊椎動物に投与することを含む、前記方法。
【請求項20】
投与の経路が、非経口、経口、舌下、経皮、局所、鼻腔内、エアロゾル、眼内、気管内、直腸内、膣内、遺伝子銃、皮膚パッチ、点眼、点耳およびマウスウォッシュから選ばれる、請求項19に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−502688(P2008−502688A)
【公表日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−516632(P2007−516632)
【出願日】平成17年6月15日(2005.6.15)
【国際出願番号】PCT/US2005/020911
【国際公開番号】WO2006/002038
【国際公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【出願人】(398032717)イデラ ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (38)
【Fターム(参考)】