説明

入力エラー項目表示装置、方法及びプログラム

【課題】入力エラー項目を容易に特定でき、一画面内の全ての入力エラー項目を一度に通知できる入力エラー項目表示装置、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報を表示する表示装置130と、ユーザがデータを入力するのに用いる入力装置101と、複数のデータ入力項目を備えた入力画面を表示装置130に表示させる手段と、入力画面内の各データ項目について、入力されたデータが所定の形式に適合するか否かを判断する入力項目チェック部111と、各データ入力項目にそれぞれ入力されたデータの少なくともいずれかが所定の形式に適合していない場合に、そのデータ入力項目を入力画面とは別色の枠を設けた再入力画面を生成する出力項目編集部112と、再入力画面を表示装置130に表示させる手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画面から入力したデータの表示方法に関し、特に、入力エラー項目の存在を把握しやすく表示する入力エラー項目表示装置、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、情報処理端末は、データ入力画面を表示してデータの入力を受け付ける際に、ある項目の入力内容をチェックした結果がエラーとなったらエラーメッセージを表示するとともに、その項目にフォーカスを位置づけて再入力を促す。
【0003】
情報処理端末は、再入力を促した項目に正しくデータが入力されると次の入力項目をチェックし、同じ画面内に別の入力エラー項目が存在すると、再びエラーメッセージを表示し、その項目にフォーカスを位置づけ(換言すると、その項目入力フィールドにカーソルを配置)して再入力を促す。
従来の情報処理端末は、同一画面内の入力項目にエラーが無くなるまでこの動作を繰り返し実行する。
【0004】
このような手法では、複数の項目の入力欄が密集して画面内に配置されている場合には、入力項目にフォーカスを位置づけするだけでは、どの項目に入力エラーがあったのか一目では分かりづらい。
【0005】
この問題を解決するため従来技術として、特許文献1に開示される「データチェック装置」がある。
特許文献1に開示される発明は、入力データにエラーや異常がある場合には、入力領域の背景色を変えるなどして表示態様を変化させるものである。
【特許文献1】特開2002−197283号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、複数の項目に入力エラーがある場合に、入力エラーの項目を一つずつ順番に通知するとなると、全ての入力エラー項目を修正し終えるまでに多くの時間を要してしまう。
特許文献1に開示される発明は、この問題について考慮されたものではなく、これに対する解決策は示唆すらされていない。
【0007】
本発明はかかる問題に鑑みてなされたものであり、入力エラー項目を容易に特定でき、一画面内の全ての入力エラー項目を一度に通知できる入力エラー項目表示装置、方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は、第1の態様として、情報を表示する表示手段と、データを入力するための入力手段と、複数のデータ入力項目を備えた入力画面を表示手段に表示させる手段と、入力画面内の各データ項目について、入力手段を用いて入力されたデータが所定の形式に適合するか否かを判断する入力データチェック手段と、各データ入力項目にそれぞれ入力されたデータの少なくともいずれかが所定の形式に適合していない場合に、そのデータ入力項目を入力画面とは別色の枠を設けた再入力画面を生成する出力項目編集手段と、再入力画面を表示手段に表示させる手段とを有することを特徴とする入力エラー項目表示装置を提供するものである。
【0009】
上記本発明の第1の態様においては、入力データチェック手段は、所定の形式を表す書誌情報が各データ入力項目ごとに格納された記憶装置と、各データ入力項目について、入力されたデータが書誌情報に適合するか否かを判断する手段とを有することが好ましい。また、出力項目編集手段は、入力されたデータが所定の形式に適合していないデータ入力項目に関するエラーメッセージを再入力画面に含めることが好ましい。また、入力されたデータが所定の形式に適合していないデータ入力項目の背景色を入力画面とは別色として再入力画面を生成することが好ましい。また、出力項目編集手段は、入力されたデータが所定の形式に適合していないデータ入力項目の文字色及びフォントの少なくとも一方を表示画面とは相違させて再入力画面を生成することが好ましい。
【0010】
また、上記目的を達成するため、本発明は、第2の態様として、複数のデータ入力項目を備えた入力画面を表示装置に表示させる工程と、入力画面内の各データ入力項目について、入力されたデータが所定の形式に適合するか否かを判断する入力データチェック工程と、各データ入力項目にそれぞれ入力されたデータの少なくともいずれかが所定の形式に適合していない場合に、そのデータ入力項目に入力画面とは別色の枠を設けた再入力画面を生成する出力項目編集工程と、再入力画面を表示装置に表示させる工程とを有することを特徴とする入力エラー項目表示方法を提供するものである。
【0011】
本発明の第2の態様においては、入力データチェック工程においては、所定の形式を表す書誌情報が各データ入力項目ごとに格納された記憶装置から書誌情報を読み出す処理と、各データ入力項目について、入力されたデータが書誌情報に適合するか否かを判断する処理とを行うことが好ましい。また、出力項目編集工程においては、入力されたデータが所定の形式に適合していないデータ入力項目に関するエラーメッセージを含んだ再入力画面を生成することが好ましい。また、出力項目編集工程においては、入力されたデータが所定の形式に適合していないデータ入力項目の背景色を入力画面とは別色として再入力画面を生成することが好ましい。また、出力項目編集工程においては、入力されたデータが所定の形式に適合していないデータ入力項目の文字色及びフォントの少なくとも一方を表示画面とは相違させて再入力画面を生成することが好ましい。
【0012】
また、上記目的を達成するため、本発明は、第3の態様として、上記本発明の第2の態様のいずれかの入力エラー項目表示方法をコンピュータに実行させる入力エラー項目表示プログラムを提供するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、入力エラー項目を容易に特定でき、一画面内の全ての入力エラー項目を一度に通知できる入力エラー項目表示装置、方法及びプログラムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の好適な実施の形態について説明する。図1に、本実施形態に係る入力エラー項目表示装置の構成を示す。入力エラー項目表示装置は、入力装置101、データ制御装置110、記憶装置120及び出力装置130を有する。
【0015】
入力装置101は、ユーザが情報を入力するためのインタフェースであり、キーボード、マウス、タッチパネルといった公知のユーザインタフェースを適用可能である。なお、予め作成済みのデータを読み出す装置(例えば、フレキシブルディスクドライブ)なども、本発明においては入力装置101の一つとして適用可能である。
データ制御装置110は、入力項目チェック部111と出力項目編集部112とを有する。記憶装置120には、項目属性マスタ121とメッセージテーブル122とが格納されている。出力装置130は、情報をユーザに視覚的に提示するための装置(CRTやLCDなど)であり、データ入力項目を含んだ入力画面などが表示される。
【0016】
入力項目チェック部111は、入力装置101からデータ制御装置110に情報が入力されると、記憶装置120に記憶されている項目属性マスタ121を参照し、入力項目エラーのチェック(文字タイプ、桁数、入力値範囲など)を行う。また、特定の入力項目については、他の入力項目との関連(Aという項目が入力されている場合、Bという項目は必須であるとか、Aという項目に入力されたコードによって、B項目の入力値が制限される)についてもチェックする。例えば、年月日を入力する際に月の項目が“4月”となっているならば、日の項目が“31”となっていないかをチェックする。入力項目をチェックした結果、入力エラー項目を検出した場合には、入力エラー項目に関する情報を出力項目編集部112へ受け渡す。
【0017】
出力項目編集部112は、入力項目チェック部111から受け渡された情報に基づいて、メッセージテーブル122からエラーメッセージを取得するとともに、エラー項目に対して色付きの枠を表示するように編集する。
【0018】
項目属性マスタ121は、入力項目ごとのチェック内容(文字タイプ、桁数、入力値範囲など)の情報を記憶している。
【0019】
メッセージテーブル122は、入力エラーとなった項目に対するエラーメッセージを記憶している。
【0020】
なお、入力項目チェック部111及び出力項目編集部112は、ハードウェアとしての構成に限定されることはなく、CPUがROMなどに格納されたプログラムを読み出し、RAMをワークエリアとして実行することによってコンピュータ上に形成されるものであっても良い。
【0021】
図2に、本実施形態にかかる入力エラー項目表示装置の動作の流れを示す。
まず、所定の入力項目に入力された内容を取得する(ステップS101)。次に、取得した項目の入力内容についてエラーがあるか否かをチェックする(ステップS102)。入力内容にエラーが存在するのであれば(ステップS102/Yes)、入力エラーを検出した項目のフラグを立てる(ステップS103)。
【0022】
その後、全ての入力項目についてエラーのチェックが完了したか否かを確認する(ステップS104)。全ての入力項目についてのチェックが完了していなければ(ステップS104/No)、ステップS101へ進み上記の処理を繰り返す。
【0023】
全ての入力項目についてのチェックが完了したならば(ステップS104/Yes)、フラグが立てられている入力項目について、データの出力項目を編集する(ステップS105)。ここでいう出力項目の編集とは、エラー項目に対して色付きの枠を表示させるための処理である。
【0024】
このように、本実施形態にかかる入力エラー項目表示装置は、全ての入力項目について入力エラーの有無を確認した後、入力エラーが検出された全ての項目について色付きの枠を表示させる。よって、ユーザは入力エラーのある全ての項目を一度に容易に認識できる。
また、入力項目の背景色や文字色を変更してしまうと入力画面が見にくくなってしまうことあるが、本実施形態にかかる入力エラー項目表示装置は、入力エラーが検出された項目については色付きの枠を表示するようにを変更するため、表示画面が見にくくなってしまうことはない。
【0025】
なお、上記実施形態は本発明の好適な実施の一例であり、本発明はこれに限定されることはない。
例えば、上記実施形態においては入力エラーのある項目に色付きの枠を表示させる構成を例としたが、入力エラーのある項目を点滅表示させるなどしても良い。
このように、本発明は様々な変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の好適な実施の形態にかかる入力エラー項目表示装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の好適な実施の形態にかかる入力エラー項目表示装置の動作の流れを示す図である。
【符号の説明】
【0027】
101 入力装置
110 データ制御装置
111 入力項目チェック部
112 出力項目編集部
120 記憶装置
121 項目属性マスタ
122 メッセージテーブル
130 出力装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を表示する表示手段と、
データを入力するための入力手段と、
複数のデータ入力項目を備えた入力画面を前記表示手段に表示させる手段と、
前記入力画面内の前記各データ項目について、前記入力手段を用いて入力されたデータが所定の形式に適合するか否かを判断する入力データチェック手段と、
前記各データ入力項目にそれぞれ入力されたデータの少なくともいずれかが前記所定の形式に適合していない場合に、そのデータ入力項目を前記入力画面とは別色の枠を設けた再入力画面を生成する出力項目編集手段と、
前記再入力画面を前記表示手段に表示させる手段とを有することを特徴とする入力エラー項目表示装置。
【請求項2】
前記入力データチェック手段は、前記所定の形式を表す書誌情報が前記各データ入力項目ごとに格納された記憶装置と、
前記各データ入力項目について、入力されたデータが前記書誌情報に適合するか否かを判断する手段とを有することを特徴とする請求項1記載の入力エラー項目表示装置。
【請求項3】
前記出力項目編集手段は、入力されたデータが前記所定の形式に適合していないデータ入力項目に関するエラーメッセージを前記再入力画面に含めることを特徴とする請求項1又は2記載の入力エラー項目表示装置。
【請求項4】
前記出力項目編集手段は、入力されたデータが前記所定の形式に適合していないデータ入力項目の背景色を前記入力画面とは別色として前記再入力画面を生成することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の入力エラー項目表示装置。
【請求項5】
前記出力項目編集手段は、入力されたデータが前記所定の形式に適合していないデータ入力項目の文字色及びフォントの少なくとも一方を前記表示画面とは相違させて前記再入力画面を生成することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の入力エラー項目表示装置。
【請求項6】
複数のデータ入力項目を備えた入力画面を表示装置に表示させる工程と、
前記入力画面内の前記各データ入力項目について、入力されたデータが所定の形式に適合するか否かを判断する入力データチェック工程と、
前記各データ入力項目にそれぞれ入力されたデータの少なくともいずれかが前記所定の形式に適合していない場合に、そのデータ入力項目に前記入力画面とは別色の枠を設けた再入力画面を生成する出力項目編集工程と、
前記再入力画面を前記表示装置に表示させる工程とを有することを特徴とする入力エラー項目表示方法。
【請求項7】
前記入力データチェック工程においては、前記所定の形式を表す書誌情報が前記各データ入力項目ごとに格納された記憶装置から前記書誌情報を読み出す処理と、
前記各データ入力項目について、入力されたデータが前記書誌情報に適合するか否かを判断する処理とを行うことを特徴とする請求項6記載の入力エラー項目表示方法。
【請求項8】
前記出力項目編集工程においては、入力されたデータが前記所定の形式に適合していないデータ入力項目に関するエラーメッセージを含んだ前記再入力画面を生成することを特徴とする請求項6又は7記載の入力エラー項目表示方法。
【請求項9】
前記出力項目編集工程においては、入力されたデータが前記所定の形式に適合していないデータ入力項目の背景色を前記入力画面とは別色として前記再入力画面を生成することを特徴とする請求項6から8のいずれか1項記載の入力エラー項目表示方法。
【請求項10】
前記出力項目編集工程においては、入力されたデータが前記所定の形式に適合していないデータ入力項目の文字色及びフォントの少なくとも一方を前記表示画面とは相違させて前記再入力画面を生成することを特徴とする請求項6から9のいずれか1項記載の入力エラー表示方法。
【請求項11】
請求項6から10のいずれか1項記載の入力エラー項目表示方法をコンピュータに実行させる入力エラー項目表示プログラム。

【図1】
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【図2】
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