説明

入力装置、及び画像処理装置

【課題】操作パネルの表示部に故障が生じても、代替部材を用いることなく、正確に操作入力を受け付けることができる入力装置、及び画像処理装置を提供する。
【解決手段】入力装置20の検出部24は、液晶バックライト監視光センサからなり、液晶バックライト233の光量が所定値未満になると、操作パネル23の液晶バックライト233に故障が発生した旨を示す故障検出信号を制御部21へ出力する。制御部21は、故障検出信号が入力された後、タッチパネル231からタッチ領域が入力されると、図5(D)に示す故障時対応関係テーブル222を参照して、タッチ領域が含まれる表示領域に対応する設定情報(原稿と同じサイズの用紙に当倍率でコピー開始)を本体装置60の本体制御部61へ送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、タッチパネルを備えた入力装置、及び画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置は、用紙サイズや印刷枚数等の画像形成条件等の操作入力を受け付ける入力装置を備えている。この入力装置として、ハードキーと操作パネルとを備えたものがある。ハードキーは、電源オン/オフキーやテンキー等の単一機能の操作キーが割り当てられる。操作パネルは、LCDやEL等の表示部の上にタッチパネルを重ねてなる。一例として、LCDの表示部は、バックライトにより照らされており、各種操作キーが割り当てられたアイコンを表示データに基づいて表示する。操作パネルのタッチパネルは、表示部への押下を検出して、押下した領域をタッチ領域として出力する。操作パネルは、アイコンが表示された領域にタッチ領域が含まれると、アイコンに割り当てられた操作キーが操作入力されたものとして受け付けている。操作パネルは、表示データを変更するだけで、様々な操作キーとして操作入力を受け付けることができる。
【0003】
このような入力装置では、操作パネルの表示部やタッチパネルに故障が生じると、操作入力を受け付けることができない。例えば、バックライトの光量が低くなると、表示部上のアイコンをユーザに認識させることができず、正確な操作入力を受け付けることができない。また、タッチパネルがオンしたままになると、誤った操作入力を受け付けてしまう。
【0004】
そこで、操作パネルに故障が生じても、ハードキー等の代替部材を用いることで操作入力を受け付ける入力装置が各種提案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載の入力装置は、操作パネルのタッチパネルに故障が生じると、操作パネルに割り当てられる各種操作キーをハードキーに代替し、その代替内容を表示部に表示する。入力装置は、表示部の表示内容に基づいてハードキーを押下させることで、操作入力を受け付けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−016296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の入力装置では、操作パネルの表示部に故障が生じると、代替内容を表示部に表示することができないため、操作入力を受け付けることができない。
【0007】
また、近年は、ハードキーを備えず、各種操作キーを容易に割り当てることができる操作パネルのみを備えた入力装置の数が増加している。操作パネルのみを備えた入力装置では、故障が生じても代替部材がないため、特許文献1に記載のように操作入力を受け付けることができない。
【0008】
そこで、この発明は、操作パネルの表示部に故障が生じても、代替部材を用いることなく、正確に操作入力を受け付けることができる入力装置、及びこの入力装置を備えた画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明の入力装置は、操作パネル、検出手段、記憶手段、及び制御手段を備えている。操作パネルは、複数の入力情報のそれぞれの表示部材の画像を画面上に表示する表示部と、該表示部の画面上における押下領域をタッチ領域として出力するタッチパネルと、からなる。
【0010】
検出手段は、表示部の故障を検出する。例えば、検出手段は、表示部の光量を監視し、所定値未満になると故障を検出する。記憶手段は、正常時の表示部に表示される複数の入力情報とそれぞれの表示領域との関係を対応付けた正常時対応関係、及び故障時の入力情報とその表示領域との関係を対応付けた故障時対応関係を記憶する。制御手段は、検出手段が表示部の故障を検出しない間は、正常時対応関係に基づいて、タッチパネルから入力されたタッチ領域が含まれる表示領域に対応する入力情報を出力する。制御手段は、検出手段が表示部の故障を検出すると、故障時対応関係に基づいて、タッチパネルから入力されたタッチ領域が含まれる表示領域に対応する入力情報を出力する。
【0011】
この構成により、制御手段は、表示部の故障を検出するまでは、正常時対応関係を参照して、押下されたタッチ領域が含まれる表示領域に応じた入力情報を出力する。制御手段は、表示部の故障を検出すると、正常時対応関係に代えて故障時対応関係を参照して、押下されたタッチ領域が含まれる表示領域に応じた入力情報を出力する。
【0012】
この発明の画像処理装置は、上述の入力装置、画像読取手段、及び本体制御手段を備える。入力装置は、画像処理に関する設定情報を入力情報として出力する。設定情報とは、画像処理に関する機能を選択する選択条件、各機能の条件を指定する設定条件、及び各機能の実行を指示する開始指示等である。画像読取手段は、原稿の画像を読み取り画像データを生成する。本体制御手段は、入力装置から入力情報が入力されると、画像読取手段に原稿を読み取らせて画像データを生成させ、入力情報に基づいて画像データの画像処理を行う。
【0013】
この構成により、本体制御手段は、入力装置の表示部に故障が生じても、入力装置から設定情報が入力される。本体制御部は、入力装置から入力された設定情報に基づいて、画像読取手段が読み取った画像データに対して画像処理を行う。これにより、画像処理装置は、入力装置の操作パネルの表示部に故障が生じても、代替部材を用いることなく、画像処理に関する設定情報を入力して、画像処理を行うことができる。
【0014】
入力装置の制御手段は、検出手段が故障を検出すると、表示部に故障が発生していることを示す故障検出信号を出力する構成が好ましい。この場合、画像処理装置は、本体記憶手段、用紙格納手段、及び画像形成手段を更に備える。本体記憶手段は、故障時に印刷する画像データである故障時画像データを記憶する。用紙格納手段は、画像形成の対象となる用紙を格納する。画像形成手段は、画像データに基づく画像を用紙格納手段に格納された用紙に形成する。本体制御手段は、入力装置から故障検出信号が入力されると、故障時画像データに基づく画像を画像形成手段よって用紙に形成させる。
【0015】
この構成により、本体制御手段は、表示部に故障が生じると、故障時画像データに基づく画像を用紙に形成させる。これにより、ユーザは、操作パネルの表示部に故障が発生したことを認識することができる。
【0016】
本体記憶手段は、故障時対応関係の表示領域に、対応する設定情報を示す表示部材の画像を配置している画像データを記憶している構成が好ましい。
【0017】
この構成により、本体制御手段は、表示部に故障が生じると、各設定情報に対応する表示領域に、それぞれの設定情報を示す表示部材の画像を用紙に印刷する。印刷した用紙は、操作パネル上に載置して用いられる。これにより、ユーザは、操作パネル上の各設定情報に対応する表示領域を認識することができるため、操作パネルを用いて各種設定情報を指定することができる。
【0018】
画像処理装置は、用紙に穴を形成する穿孔機を備え、本体制御手段は、故障時画像データに基づく画像形成後の用紙に形成された故障時対応関係の表示領域に穿孔機によって穴を形成させる構成とすることが好ましい。
【0019】
この構成により、本体制御手段は、用紙にパンチ穴を形成させる。これにより、ユーザは、操作パネルを直接押下させることができるため、静電容量方式のタッチパネルであっても、操作パネルを用いて各種設定情報を指定することができる。
【0020】
画像処理装置は、入力装置と、本体記憶手段、画像読取手段、用紙格納手段、画像形成手段、及び本体制御手段とを備える。入力装置の前記制御手段は、検出手段が故障を検出すると、表示部に故障が発生していることを示す故障検出信号を本体制御手段へ出力する構成であることが好ましい。
【0021】
本体記憶手段は、故障時の画像処理に関する各種設定情報を登録するマークシートの画像データを記憶する。画像読取手段は、原稿の画像を読み取り、画像データを生成する。用紙格納手段は、画像形成の対象となる用紙を格納する。画像形成手段は、画像データに基づく画像を用紙格納手段に格納された用紙に形成する。本体制御手段は、入力装置から故障検出信号が入力された後に次の第1〜第3制御工程を実行する。
【0022】
第1制御工程は、入力装置から前記入力情報が入力されると、故障時画像データに基づく画像を画像形成手段によって用紙に形成させる。第2制御工程は、第1制御工程で画像を形成した用紙の画像を画像読取手段に読み取らせ画像データを生成させると、画像データを解析して各種設定情報を取得する。第3制御工程は、画像読取手段に新たに原稿を読み取らせ画像データを生成させると、この画像データと第2制御工程で取得した各種設定情報とに基づいて画像処理を行う。
【0023】
この構成により、本体制御手段は、入力装置の操作パネルに故障が発生した後に、操作パネルが押下されると、各種設定情報がチェック可能なマークシートを印刷させる。これにより、ユーザは、マークシートに各種設定情報をチェックするだけで、画像処理に関する各種設定情報を設定して、画像処理を行うことができる。
【発明の効果】
【0024】
この発明の入力装置は、操作パネルの表示部に故障が生じても、代替部材を用いることなく、正確に操作入力を受け付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】画像形成装置の概略の正面断面図である。
【図2】画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図3】入力装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】液晶表示部に表示する表示データの一例を示す図である。
【図5】正常時対応関係テーブル、故障時対応関係テーブルの一例を示す図である。
【図6】故障時における本体装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】故障が発生したことを知らせるエラー用紙の一例を示す図である。
【図8】第2実施例のエラー用紙の一例を示す図である。
【図9】第2実施例のエラー用紙の使用例を示す図である。
【図10】第2実施例の故障時対応関係テーブルの一例を示す図である。
【図11】第2実施例のエラー用紙の他の例を示す図である。
【図12】第3実施例の設定条件の設定に用いるマークシートの一例を示す図である。
【図13】第3実施例の故障時対応関係テーブルの一例を示す図である。
【図14】第3実施例の故障時における本体装置の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に、この発明の実施形態に係る入力装置、及び入力装置を備えた画像処理装置について図面を参照して説明する。実施例1〜3について説明する。
【実施例1】
【0027】
図1に示すように、画像形成装置(本発明の画像処理装置である。)100は、原稿から読み取った画像データに基づいて所定の用紙に多色又は単色の画像を形成する。画像形成装置100は、入力装置20(図2参照)、画像読取部120、画像形成部110、及び給紙部130を備えている。
【0028】
入力装置20は、操作パネル23を備え、ユーザからの操作入力を受け付ける。
【0029】
画像読取部120は、スキャナユニット70、原稿台71、及び自動原稿搬送装置72を備え、原稿の表裏両面の画像を原稿反転読取方式又は両面同時読取方式の何れかで読み取る。スキャナユニット70は、例えば縮小光学系センサであり、高精度で画像を読み取ることができる。原稿台71は、硬質板ガラスで構成される。
【0030】
自動原稿搬送装置72は、原稿台71の上面の背面側で回動自在に支持されている。作業者が原稿台71上に手動操作で原稿を載置する場合、自動原稿搬送装置72を回動操作して原稿台71の上面を開閉する。
【0031】
自動原稿搬送装置72は、画像読取前の原稿を収納する原稿トレイ73、及び画像読取後の原稿を収納する排紙トレイ74を備えている。排紙トレイ74は、原稿トレイ73の下方で、原稿トレイ73の底面との間に所定の空間を設けて配置されている。自動原稿搬送装置72の内部には、原稿トレイ73から排紙トレイ74に至る間に、搬送路75が形成されている。
【0032】
また、画像形成部110は、中間転写ベルトユニット40、画像形成ステーション30A〜画像形成ステーション30D、2次転写ユニット51、露光ユニット52、定着ユニット53を備えている。中間転写ベルトユニット40は、無端ベルトである中間転写ベルト41を駆動ローラ42及び従動ローラ43等によって回転自在に張架している。
【0033】
画像形成ステーション30A〜画像形成ステーション30Dは、それぞれブラック、シアン、マゼンタ及びイエローの各色の現像剤を用いて電子写真方式の画像形成を行う。例えば、画像形成ステーション30Aは、感光体ドラム31Aの周囲に帯電器32A、現像器33A、1次転写器34Aを配置している。画像形成ステーション30B〜画像形成ステーション30Dは、画像形成ステーション30Aと同様に構成されている。
【0034】
露光ユニット52は、画像読取部120で読み取られたブラック、シアン、マゼンタ及びイエローの各色の画像データに基づいて半導体レーザ(不図示)を駆動し、各色のレーザ光を画像形成ステーション30B〜画像形成ステーション30Dに配光する。露光ユニット52は、画像データに基づいて駆動されるLEDアレイ等の半導体レーザ以外の光源を用いたものであってもよい。
【0035】
例えば、画像形成ステーション30Aでは、感光体ドラム31Aの周面が、帯電器32Aによって均一に帯電された後、露光ユニット52から配光されたブラックの画像データに基づくレーザ光で露光される。これによって、感光体ドラム31Aの周面に、ブラックの画像データに基づく静電潜像が形成される。次いで、感光体ドラム31Aの周面には、現像器33Aからブラックの現像剤が供給され、静電潜像がブラックのトナー像に可視像化される。感光体ドラム31Aの周面に形成されたトナー像は、1次転写器34Aによって中間転写ベルト41の表面に転写される。
【0036】
カラー画像形成時には、画像形成ステーション30B〜画像形成ステーション30Dでも、シアン、マゼンタ及びイエローの各色について、画像形成ステーション30Aと同様の処理が行われる。ブラック、シアン、マゼンタ及びイエローの各色のトナー像が、中間転写ベルト41の表面で重ね合わされる。
【0037】
2次転写ユニット51は、中間転写ベルト41の表面に担持されたトナー像を用紙に転写する。定着ユニット53は、トナー像が転写された用紙を加熱及び加圧し、用紙にトナー像を定着させる。
【0038】
給紙部130は、給紙カセット81及び手差しトレイ82を備えている。給紙カセット81には、使用頻度の比較的高いサイズ及び種類の用紙が複数枚収納される。手差しトレイ82には、使用頻度の比較的低いサイズや種類の用紙が載置される。給紙部130から排紙部90に至るまで用紙搬送路83が形成されている。
【0039】
次に、画像形成装置100の構成について説明する。図2に示すように、画像形成装置100は、入力装置20と本体装置60とから構成される。入力装置20は、制御部21、記憶部22、操作パネル23、及び検出部24を備える。本体装置60は、本体制御部61、本体記憶部62、画像読取部120、画像形成部110、給紙部130、及びFAX通信部140を備える。制御部21と本体制御部61とは通信可能に接続されているが、制御部21は、本体制御部61に含まれてもよい。この場合、記憶部22は、本体記憶部62に含まれる。
【0040】
入力装置20の制御部21は、記憶部22、操作パネル23、及び検出部24を制御する。制御部21は、本体装置60の本体制御部61との通信を制御する。
【0041】
操作パネル23は、タッチパネル231、液晶表示部232、及び液晶バックライト233を重ねてなる。液晶表示部232は、画像処理に関する各種設定情報のアイコンを表示データ223に基づいて表示する。設定情報には、画像処理に関する機能を選択する選択条件、各機能の条件を指定する設定条件、及び各機能の実行を指示する開始指示等が含まれる。例えば、選択条件は、原稿を複写するコピー機能、原稿の画像を読み取るスキャン機能、及び原稿をFAX送信するFAX送信機能の選択等である。コピー機能の設定条件は、コピー枚数、用紙サイズの指定等である。スキャン機能の設定条件は、拡大縮小サイズ、保存先の指定等である。FAX送信機能の設定条件は、FAX送信先の指定等である。開始指示は、コピー機能、スキャン機能、及びFAX送信機能等の実行を指示する。なお、液晶表示部232は、アイコンに限らず、文字や写真等の表示部材を表示すればよい。
【0042】
タッチパネル231は、液晶表示部232の画面上に配置される。タッチパネル231は、液晶表示部232の画面上における押下領域をタッチ領域として検出し、制御部21へ出力する。液晶バックライト233は、液晶表示部232を背面から照らす。
【0043】
検出部24は、液晶バックライト監視光センサからなり、液晶バックライト233の光量が所定値未満になると、液晶バックライト233に故障が発生した旨を示す故障検出信号を制御部21へ出力する。
【0044】
記憶部22は、正常時対応関係テーブル221と故障時対応関係テーブル222と表示データ223とを記憶している。正常時対応関係テーブル221は、液晶バックライト233に故障が発生していない時(以下、正常時と称す。)に制御部21により参照され、図5(A)〜図5(C)に示すように複数の設定情報とそれぞれの液晶表示部232の画面上における表示領域との関係を対応付けて記憶している。液晶表示部232が表示データ223に基づいて表示する複数のアイコンは、それぞれ正常時対応関係テーブル221の設定情報を示し、対応する表示領域に配置さる。
【0045】
故障時対応関係テーブル222は、液晶バックライト233に故障が発生した時(以下、故障時と称す。)に制御部21により参照され、図5(D)に示すように原稿と同一サイズの用紙に等倍率で原稿をコピーする設定情報を、液晶表示部232の画面上における全領域に対応付けて記憶している。
【0046】
本体装置60の本体制御部61は、本体記憶部62、画像読取部120、画像形成部110、給紙部130、及び、電話回線を通してFAXデータの送受信を行うFAX通信部140を制御する。本体制御部61は、入力装置20の制御部21との通信を制御する。
【0047】
本体記憶部62は、故障時に、本体制御部61により参照される故障時画像データ621を記憶している。
【0048】
次に、制御部21、本体制御部61の処理ついて、図3〜7を参照して説明する。正常時は、コピー機能が選択された場合を例に挙げて説明する。
【0049】
図3に示すように、入力装置20の検出部24は、液晶バックライト233の光量を監視し、光量が所定値未満になると故障が発生したことを検出して、故障検出信号を制御部21へ出力する(S11)。制御部21は、故障が発生していない時(S11:No)には、図4(A)に示す表示データ223を液晶画面232に表示する。制御部21は、タッチパネル231からタッチ領域が入力されると(S12)、図5(A)に示す正常時対応関係テーブル221を参照して、タッチ領域が含まれる表示領域に対応する設定情報(コピー機能)を取得する。制御部21は、取得した設定情報を本体装置60の本体制御部61へ送信する(S13)。制御部21は、液晶画面232に表示する表示データ223を、コピー機能に対応する表示データ223(図4(B)参照)に変更する(S14)。本体制御部61へ送信した設定情報(コピー機能)がコピー開始を示す開始指示ではないため(S15)、S12へ戻る。
【0050】
制御部21は、タッチパネル231からタッチ領域が入力されると(S12)、図5(B)に示す正常時対応関係テーブル221を参照して、タッチ領域が含まれる表示領域に対応する設定情報(用紙サイズ指定)を取得する。制御部21は、取得した設定情報を本体装置60の本体制御部61へ送信する(S13)。制御部21は、液晶画面232に表示する表示データ223を、用紙サイズ指定に対応する表示データ223(図4(C)参照)に変更する(S14)。本体制御部61へ送信した設定情報(用紙サイズ指定)がコピー開始を示す開始指示ではないため(S15)、S12へ戻る。
【0051】
制御部21は、タッチパネル231からタッチ領域が入力されると(S12)、図5(C)に示す正常時対応関係テーブル221を参照して、タッチ領域が含まれる表示領域に対応する設定情報(用紙サイズA4)を取得する。制御部21は、取得した設定情報を本体装置60の本体制御部61へ送信する(S13)。制御部21は、液晶画面232に表示する表示データ223を、元に戻して表示データ223(図4(B)参照)に変更する(S14)。本体制御部61へ送信した設定情報(用紙サイズA4)がコピー開始を示す開始指示ではないため(S15)、S12へ戻る。
【0052】
制御部21は、タッチパネル231からタッチ領域が入力されると(S12)、図5(B)に示す正常時対応関係テーブル221を参照して、タッチ領域が含まれる表示領域に対応する設定情報(コピー開始)を取得する。制御部21は、取得した設定情報を本体装置60の本体制御部61へ送信する(S13)。制御部21は、液晶画面232に表示する表示データ223を、元に戻して表示データ223(図4(A)参照)に変更する(S14)。本体制御部61へ送信した設定情報(コピー開始)がコピー開始を示す開始指示であるため(S15)、S11へ戻る。
【0053】
このようにして、制御部21は、選択条件、設定条件、及び開始指示の順に操作入力を受け付けて、本体装置60の本体制御部61へ送信する。本体装置60の本体制御部61は、制御部21から受信した、選択条件、設定条件、及び開始指示に基づいて、各機能部を制御して画像処理を行う。
【0054】
また、故障が発生した時(S11:Yes)には、制御部21は、本体装置60の本体制御部61へ故障検出信号を送信する(S16)。制御部21は、タッチパネル231からタッチ領域が入力されると(S17)、図5(D)に示す故障時対応関係テーブル222を参照して、タッチ領域が含まれる表示領域に対応する設定情報(原稿と同じサイズの用紙に当倍率でコピー開始)を取得する。制御部21は、取得した設定情報(用紙サイズを示す設定情報及びコピー開始を示す設定情報)を本体装置60の本体制御部61へ送信する(S18)。
【0055】
制御部21は、液晶バックライト233の光量が所定値以上となり、故障が修復したことを検出部24が検出すると(S19)、復帰信号を本体装置60の本体制御部61へ送信して(S20)、S11へ戻る。制御部21は、故障が修復するまで、S17〜S19の処理を繰り返し実行する。
【0056】
図6に示すように、本体装置60の本体制御部61は、故障検出信号を受信すると(S21)、図7に示すエラー用紙65Aを印刷させる(S22)。エラー用紙65Aは、本体記憶部62に記憶している故障時画像データ621に基づいて、画像形成部110が画像を形成したものである。本体制御部61は、入力装置20の制御部21から設定情報を受信すると(S23)、受信した順次一時記憶していく(S24)。本体制御部61は、開始指示を示す設定情報(コピー開始)を受信すると(S25)、記憶している設定情報に基づいてコピーを開始させる(S26)。本体制御部61は、復帰信号を検出するまで(S27)、S23〜S26の処理を繰り返し実行する。
【0057】
以上のように、画像形成装置100は、液晶バックライト233の故障を検出すると、操作パネル23が1回押下される毎に、原稿と同一サイズの用紙に等倍率で原稿をコピーする。これにより、画像形成装置100は、液晶バックライト233の故障を検出しても、代替部材を用いることなく、コピー機能を実行することができる。
【実施例2】
【0058】
本発明の実施例2に係る画像形成装置100Bは、図8に示すエラー用紙65Bを用いてコピー機能を実行する点で、実施例1に係る画像形成装置100と相違する。以下、実施例1に係る画像形成装置100との相違点のみ説明する。
【0059】
本体装置60の本体制御部61は、図6のS22にて、図8に示すエラー用紙65Bを印刷する。エラー用紙65Bには、複数の設定情報を示すアイコンが操作パネル23と同一サイズの領域内に印刷されており、当該領域を囲む切り取り線が印刷されている。エラー用紙65Bを切り取り線で切り取ると、操作用紙651Bとなる。図9に示すように、操作パネル23と同一サイズの操作用紙651Bは、操作パネル23の上に載置して用いられ、各設定情報を示すアイコンの位置をユーザに認識させる。
【0060】
故障時画像データ621Bは、エラー用紙65Bに印刷される画像データである。故障時対応関係テーブル222Bは、図10に示すように、操作用紙651Bに印刷された複数の設定情報と、それぞれの表示領域を対応付けて記憶している。
【0061】
これにより、画像形成装置100Bは、液晶バックライト233に故障が発生したとしても、代替部材を用いることなく、正確に設定条件を選択してコピー機能を実行することができる。
【0062】
なお、画像形成装置100Bは、図11に示すエラー用紙65Cを印刷してもよい。エラー用紙65Cの操作用紙651Cには、設定情報を示すアイコン毎にパンチ穴が形成されている。パンチ穴は、画像形成装置100Bが備える穿孔機(不図示)によって形成される。この場合、入力装置20の制御部21は、記憶部22に記憶している故障時対応関係テーブル222の表示領域を本体装置60の本体制御部61へ送信する。本体装置60の本体制御部61は、受信した表示領域に基づいてパンチ穴を形成する位置を特定し、穿孔機を制御してパンチ穴を形成させる。これにより、画像形成装置100Bは、操作パネル23を直接押下させることができるため、操作パネル23に静電容量方式のタッチパネル231を用いることができる。
【実施例3】
【0063】
本発明の実施例3に係る画像形成装置100Dは、図12に示すマークシート65Dを用いてコピー機能を実行する点で、実施例1に係る画像形成装置100と相違する。以下、実施例1に係る画像形成装置100との相違点のみ説明する。
【0064】
図12に示すマークシート65Dは、故障時画像データ621Dに基づいて、画像形成部110が画像を形成したものである。マークシート65Dには、各種設定条件のチェック欄が印刷されている。図13に示す故障時対応関係テーブル222Dは、押下回数に応じた設定情報を、液晶表示部232の画面上における全領域に対応付けて記憶している。
【0065】
図3に示すように、入力装置20の制御部21は、故障が発生すると、本体装置60の本体制御部61へ故障検出信号を送信する(S16)。その後、制御部21は、タッチパネル231からタッチ領域が入力されると(S17)、図13に示す故障時対応関係テーブル222Dを参照して、表示領域にタッチ領域が含まれ押下回数が1回目の設定情報(マークシート65Dの印刷)を取得する。制御部21は、取得した設定情報を本体装置60の本体制御部61へ送信する(S18)。
【0066】
制御部21は、タッチパネル231からタッチ領域が入力されると(S17)、図13に示す故障時対応関係テーブル222Dを参照して、表示領域にタッチ領域が含まれ押下回数が2回目の設定情報(マークシート65Dの記載内容に基づいて実行)を取得する。制御部21は、取得した設定情報を本体装置60の本体制御部61へ送信する(S18)。
【0067】
図14に示すように、本体装置60の本体制御部61は、故障検出信号を受信すると(S21)、入力装置20の制御部21から設定情報を受信するまで待機する。本体制御部61は、1回目の押下に応じた設定情報(マークシート65Dの印刷)を受信すると(S41)、図12に示すマークシート65Dを印刷させる(S42)。このマークシート65Dは、各種設定情報のチェック後、コピー対象の原稿の先頭に載置される。
【0068】
本体制御部61は、2回目の押下に応じた設定情報(マークシート65Dの記載内容に基づいて実行)を受信すると(S43)、先頭に載置されたマークシート65Dの画像を画像読取部120によって読み取らせて画像データを生成させる(S44)。本体制御部61は、この画像データを解析し、マークシート65Dのチェック済み設定条件を設定する(S45)。本体制御部61は、画像を解析した際に、先頭の原稿がマークシート65D以外の原稿であると判断した場合は、「先頭にマークシートを入れてください。」とエラーメッセージを表示してもよい。この場合、本体制御部61は、S44の処理へ戻る。
【0069】
本体制御部61は、マークシート65Dのチェック済み設定条件に基づいて、コピーを開始する(S46)。本体制御部61は、復帰信号を受信するまで(S47)、S41〜S46の処理を繰り返す。
【0070】
以上のように、画像形成装置100Dは、液晶バックライト233の故障を検出した後に、操作パネル23が1回押下されると、各種設定条件の登録可能なマークシート65Dを印刷する。そして、画像形成装置100Dは、原稿の先頭に載置されたマークシート65Dの画像を読み取ることで、各種設定条件を設定してコピーを開始する。これにより、画像形成装置100Dは、液晶バックライト233の故障を検出しても、コピー機能を実行することができる。
【0071】
なお、上述の実施例では、正常時、画像処理に関する機能を選択する選択条件、各機能の条件を指定する設定条件、各機能の実行を指示する開始指示の順に他階層で選択させたが、選択条件、設定条件、及び開始指示を1階層で選択させてもよい。
【0072】
なお、上述の実施例では、故障時にコピー機能のみを実行可能としたが、スキャン機能のみ、FAX機能のみを実行可能としてもよい。また、正常時と同様にすべての機能を実行可能としてもよい。この場合、画像形成装置100Bは、各機能の開始指示のみを印刷した操作用紙651B’を用い、何れかの機能が選択されると、予め定めた設定条件で選択された機能を実行すればよい。また、画像形成装置100Dは、選択条件、設定条件、及び開始指示を印刷したマークシート65D’を用いればよい。
【0073】
なお、上述の実施形態は、画像形成装置100、100B,100Dについて説明したが、画像形成部110を備えないスキャナ装置であってもよい。この場合、エラー用紙65Aは必須ではなく、エラー用紙65B,65Cやマークシート65Dは予め用意しておけばよい。
【0074】
上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。更に、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0075】
100…画像形成装置
110…画像形成部
120…画像読取部
20…入力装置
21…制御部
22…記憶部
221…正常時対応関係テーブル
222…故障時対応関係テーブル
23…操作パネル
231…タッチパネル
232…液晶表示部
233…液晶バックライト
24…検出部
60…本体装置
61…本体制御部
62…本体記憶部
621…故障時画像データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の入力情報のそれぞれの表示部材の画像を画面上に表示する表示部と、該表示部の画面上における押下領域をタッチ領域として出力するタッチパネルと、からなる操作パネルと、
前記表示部の故障を検出する検出手段と、
正常時の前記表示部に表示される複数の入力情報とそれぞれの表示領域との関係を対応付けた正常時対応関係と、及び故障時の入力情報と表示領域との関係を対応付けた故障時対応関係とを記憶する記憶手段と、
前記検出手段が故障を検出していない時に、前記正常時対応関係に基づいて前記タッチパネルから入力されたタッチ領域を含む表示領域に対応する入力情報を出力し、前記検出手段が故障を検出した時に、前記故障時対応関係に基づいて前記タッチパネルから入力されたタッチ領域を含む表示領域に対応する入力情報を出力する制御手段と、を備える入力装置。
【請求項2】
請求項1に記載の入力装置を備えた画像形成装置であって、
前記入力装置は、画像処理に関する各種設定情報を前記入力情報として本体制御手段に出力し、
原稿の画像を読み取り、画像データを生成する画像読取手段を備え、
前記入力装置から入力情報が入力されると、前記画像読取手段に原稿を読み取らせて画像データを生成させ、該入力情報に基づいて該画像データの画像処理を行う前記本体制御手段と、を備える画像処理装置。
【請求項3】
前記入力装置の前記制御手段は、前記検出手段が故障を検出すると、前記表示部に故障が発生していることを示す故障検出信号を前記本体制御手段へ出力し、
前記故障時に印刷する画像データである故障時画像データを記憶する本体記憶手段と、
画像形成の対象となる用紙を格納する用紙格納手段と、
画像データに基づく画像を前記用紙格納手段に格納された用紙に形成する画像形成手段と、を更に備え、
前記本体制御手段は、前記入力装置から前記故障検出信号が入力されると、前記故障時画像データに基づく画像を前記画像形成手段よって前記用紙格納手段に格納された用紙に形成させる請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記本体記憶手段は、前記故障時対応関係の表示領域に、対応する設定情報を示す表示部材の画像を配置している画像データを記憶している請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
用紙に穴を形成する穿孔機を更に備え、
前記本体制御手段は、前記故障時画像データに基づく画像形成後の用紙に形成された前記故障時対応関係の表示領域に前記穿孔機によって穴を形成させる請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
請求項1に記載の入力装置を備えた画像形成装置であって、
前記入力装置の前記制御手段は、前記検出手段が故障を検出すると、前記表示部に故障が発生していることを示す故障検出信号を本体制御手段へ出力し、
前記故障時の画像処理に関する各種設定情報を登録するマークシートの故障時画像データを記憶する本体記憶手段と、
原稿の画像を読み取り、画像データを生成する画像読取手段と、
画像形成の対象となる用紙を格納する用紙格納手段と、
画像データに基づく画像を前記用紙格納手段に格納された用紙に形成する画像形成手段と、
前記入力装置から前記故障検出信号が入力された後に第1〜第3制御工程を実行する前記本体制御手段と、を備え、
前記第1制御工程は、前記入力装置から前記入力情報が入力されると、前記故障時画像データに基づく画像を前記画像形成手段によって用紙に形成させ、
前記第2制御工程は、前記第1制御工程で画像を形成した用紙の画像を前記画像読取手段に読み取らせ画像データを生成させると、該画像データを解析して前記各種設定情報を取得し、
前記第3制御工程は、前記画像読取手段に新たに原稿を読み取らせ画像データを生成させると、前記第2制御工程で取得した各種設定情報と該画像データに基づいて画像処理を行う画像処理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2011−192006(P2011−192006A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−57358(P2010−57358)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】