説明

入力装置

【課題】指の初期位置が異なる場合であっても、所望の入力コードを正確に出力することができる入力装置を提供することにある。
【解決手段】指の空間的な動作に対応する入力コードを出力する入力装置は、利用者の指又は手の装着部に装着され、前記指の空間的な動作に伴って変化する動作信号を検出する検出手段と、前記指が初期位置にあることを入力するために用いられる初期位置入力手段と、前記検出された動作信号と、前記入力された初期位置とに基づき、前記入力された初期位置からの前記動作信号に対応する前記入力コードを出力するコード出力手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置の技術分野に属し、より詳細には、指の空間的な動作に伴って変化する動作信号を検出し、当該検出された動作信号に対応する入力コードを出力する入力装置の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ装置等において、アルファベット等の文字を入力する際の入力装置として、各文字に対応し指により操作されるキーが配列されたキーボードが使用されている。このキーボードは、その配置のためのスペースが必要であり、省スペースの観点からキーボードの小型化が望まれている。しかし、キーボードのキーが指により操作される点を考慮すると、操作性の観点から、キーボードの小型化には限界がある。
【0003】
そこで、現在、入力装置として、キーボードの配置のためのスペースが不要である仮想キーボード装置が提案されている。この種のキーボード装置では、指にセンサを装着し、当該センサにより指の空間的な動作を検出し、当該検出した動作を示す動作信号に対応する入力コードが出力される。このような仮想キーボード装置に関する従来技術は、例えば、下記特許文献1乃至3に記載されている。
【0004】
特許文献1に記載された仮想キーボード装置においては、指に指輪型センサを装着し、机等の支持物体を指先で叩いたときの衝撃等を当該センサで検出する。このセンサからの検出信号に基づき、指により入力されるべき文字あるいは動作を認識する。
【0005】
特許文献2に記載された、手の機能が制限された人用のデータ入力デバイスにおいては、指の動きを検出する曲げセンサを有する手袋を手に装着し、指の動きに応じた曲げセンサからの検出信号に基づいて、キーボードのキー入力として指の動きを認識する。
【0006】
特許文献3に記載された仮想キーボード装置においては、手に装着されるグローブ装置は、操作者の各指の関節の曲がり具合を埋め込まれた光ファイバの光量を用いて間接的に検出し、更に、机の上に配置される検出装置は、磁界の変化を検知して左右いずれの手が動いたかを検知する。そして、グローブ装置及び検出装置からの検出信号に基づき、仮想キーのいずれが指で操作されたかを判断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平7−121294号公報
【特許文献2】特願2004−528660号(特表2006−503350号公報)
【特許文献3】特開平5−289792号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1乃至特許文献3に記載された仮想キーボード装置において、操作者により指の初期位置が異なることがあり、また、同じ操作者であっても、操作毎に指の初期位置が異なることがある。このように指の初期位置が異なった状態で、仮想キーボード装置のキー入力操作を行うと、正確なキー入力操作を行うことができないという問題がある。
【0009】
本発明は、上記の問題点等に鑑みて為されたものであり、その目的の一例は、指の初期位置が変わる場合であっても、所望の入力コードを正確に出力することができる入力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、指の空間的な動作に対応する入力コードを出力する入力装置において、利用者の指又は手の装着部に装着され、前記指の空間的な動作に伴って変化する動作信号を検出する検出手段と、前記指が初期位置にあることを入力するために用いられる初期位置入力手段と、前記検出された動作信号と、前記入力された初期位置とに基づき、前記入力された初期位置からの前記動作信号に対応する前記入力コードを出力するコード出力手段と、を備えることを特徴とする入力装置である。
【0011】
上記の課題を解決するために、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の入力装置において、前記初期位置入力手段は、右手用の初期位置入力スイッチと、及び左手用の初期位置入力スイッチとから構成され、前記右手用の初期位置入力スイッチは、左手で押下できる位置に配置され、前記左手用の初期位置入力スイッチは、右手で押下できる位置に配置されていることを特徴とする入力装置である。
【0012】
上記の課題を解決するために、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の入力装置において、一方の手の指を初期位置に置いた状態で、他方の手について予め設定された初期位置を表す手の動作を実行することにより、前記初期位置入力手段は、前記一方の手についての前記指が初期位置にあることを入力することを特徴とする入力装置である。
【0013】
上記の課題を解決するために、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の入力装置において、前記指の基準初期位置からの前記動作信号を、当該指の動作信号のパターンを示すパターン情報として記憶する記憶手段と、前記コード出力手段は、前記初期位置入力手段により入力された前記初期位置と、前記検出手段により検出された前記動作信号と、前記記憶手段に記憶されているパターン情報とに基づいて、前記検出された動作信号に対応する前記入力コードを出力することを特徴とする入力装置である。
【0014】
上記の課題を解決するために、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の入力装置において、前記コード出力手段は、前記基準初期位置と前記初期位置との差に基づいて前記検出手段により検出された前記動作信号を補正し、当該補正後の動作信号と前記記憶されているパターン情報に対応する前記動作信号とを比較して前記入力コードを出力することを特徴とする入力装置である。
【0015】
上記の課題を解決するために、請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の入力装置において、前記コード出力手段は、前記基準初期位置と前記初期位置との差に基づいて前記記憶されているパターン情報を補正し、当該補正後のパターン情報に対応する動作信号と前記検出手段により検出された前記動作信号とを比較して前記入力コードを出力することを特徴とする入力装置である。
【0016】
上記の課題を解決するために、請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載の入力装置において、前記検出手段は、当該検出手段が装着されている前記装着部について予め設定されているX軸、Y軸及びZ軸各々について前記指の前記動作により前記装着部に発生する加速度を検出して前記動作信号を検出することを特徴とする入力装置である。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の発明によれば、指が初期位置にあることが入力されたとき、当該入力された初期位置と検出された動作信号とに基づいて、入力された初期位置からの動作信号に対応する入力コードを出力するので、指の初期位置が異なる場合であっても、所望の入力コードを正確に出力することができる。
【0018】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の効果に加えて、前記右手用の初期位置入力スイッチは、左手で押下できる位置に配置され、前記左手用の初期位置入力スイッチは、右手で押下できる位置に配置されているので、右手用の初期位置入力スイッチ及び左手用の初期位置入力スイッチにより、初期位置の入力を容易に行うことができる。
【0019】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1に記載の効果に加えて、一方の手の指を初期位置に置いた状態で、他方の手について予め設定された初期位置を表す手の動作を実行することにより、前記初期位置入力手段は、初期位置の入力を容易に行うことができる。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の効果に加えて、指が初期位置にあることが入力されたとき、当該入力された初期位置と検出された動作信号と記憶されているパターン情報とに基づいて、入力された初期位置からの動作信号に対応する入力コードを出力するので、初期位置が異なる場合であっても、所望の入力コードを正確に出力することができる。
【0021】
請求項5に記載の発明によれば、請求項4に記載の効果に加えて、基準初期位置と初期位置との差に基づいて検出手段により検出された動作信号を補正し、当該補正後の動作信号とパターン情報に対応する動作信号とを比較して入力コードを出力するので、初期位置からの動作信号に対応する入力コードを正確に出力することができる。
【0022】
請求項6に記載の発明によれば、請求項4に記載の効果に加えて、基準初期位置と初期位置との差に基づいてパターン情報を補正し、当該補正後のパターン情報に対応する動作信号と検出手段により検出された動作信号とを比較して入力コードを出力するので、初期位置からの動作信号に対応する入力コードを正確に出力することができる。
【0023】
請求項7に記載の発明によれば、請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載の効果に加えて、指の動作に伴う三軸の加速度を検出してその指の動作信号を検出するので、当該動作信号を各指毎に正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】仮想キーボード装置の構成を示す図である。
【図2】仮想キーボード装置の他の構成を示す図である。
【図3】指センサを示す図である。
【図4】静止状態での指センサの出力電圧の例を示すグラフ図である。
【図5】キー押下げ時における指センサの出力電圧を示すグラフ図である。
【図6】パターン判断部を含む入力コード出力部の構成を示す図である。
【図7】仮想キーボード装置の学習動作を示すフローチャート図である。
【図8】仮想キーボード装置を含むシステムを示す図である。
【図9】本願の実施の形態による仮想キーボード装置を示す図である。
【図10】本願の実施の形態による仮想キーボード装置の全体的な構成を示す図である。
【図11】手及び仮想キーボードを側面から見た図である。
【図12】手及び2つの仮想キーボードを側面から見た図である。
【図13】2つの手及び2つの仮想キーボードを側面から見た図である。
【図14】垂直状態にある手及び仮想キーボードを側面から見た図である。
【図15】手及び仮想キーボードが垂直状態である場合に静止状態での指センサの出力電圧を示すグラフ図である。
【図16】仮想キーボードが実際の初期位置であるときの出力電圧及び仮想キーボードが基準初期位置であるときの出力電圧を並べて示すグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、仮想キーボード装置に対して本発明を適用した場合の実施の形態である。
【0026】
本願の実施の形態による仮想キーボード装置の概略
まず、仮想キーボード装置の概略について説明する。
【0027】
図1には、仮想キーボード装置の構成が示されている。図1において、利用者の装着部としての左手10L及び右手10Rの指14−1乃至14−5及び14−6乃至14−10には、それぞれ、指センサ16−1乃至16−5及び16−6乃至16−10が装着されている。この指センサ16は、指の空間的な動作に伴って変化する動作信号を検出するセンサであり、例えば、加速度センサ又はジャイロセンサから構成されている。なお、指センサ16の詳細については、後述する。左手10L及び右手10Rの例えば手の甲には、それぞれ、データ収集部18、20が装着されており、当該データ収集部18、20には、指センサ16−1乃至16−5及び16−6乃至16−10からの動作信号がハーネス22−1乃至22−5及び22−6乃至22−10を介して供給される。データ収集部18、20は、それぞれ、無線部24、26を有しており、当該無線部24、26からの動作信号は、入力コード出力部28の無線部30に受信される。データ収集部18、20に収集された動作信号は有線(ハーネス)を介して、入力コード出力部28に受信されてもよい。
【0028】
入力コード出力部28は、無線部30に加え、動作パターン辞書部32、及び動作パターン判断部34を備えている。動作パターン辞書部32は、指の動作信号のパターンを示すパターン情報を記憶する記憶部である。前記動作パターン判断部34は、前記動作パターン辞書部32に記憶されているパターン情報に対応する動作信号と、前記無線部30から供給された動作信号とを比較し、検出された動作信号に対応する入力コードを出力する。前記出力された入力コードは、入力コード出力部28に設けられた無線部36から、文字表示器38の無線部40に送信される。文字表示器38は、表示部42を有しており、当該表示部42には、指の動作により入力された入力コードとして例えば文字コード44が表示される。この場合も、入力コード出力部28と文字表示器38は有線(ハーネス)で接続され、通信されてもよい。
【0029】
図2には、仮想キーボード装置の他の構成が示されている。前記図1の構成では、左手10L及び右手10Rにそれぞれデータ収集部18、20が装着されていたが、図2の構成では、データ収集部が設けられていない。そして、指センサ16−1乃至16−5及び16−6乃至16−10からの動作信号は、ハーネス22−1乃至22−5及び22−6乃至22−10を介して、入力コード出力部28の動作パターン判断部34に供給されることとなる。
【0030】
図3には、前記指センサ16の例として加速度センサが示されている。図3において、指センサ16は、3軸加速度センサであり、X軸、Y軸、及びZ軸のそれぞれについて指の動作による加速度を検出する。なお、Z軸は、重力加速度の方向44を示す。
【0031】
図4には、指の静止状態での指センサ16の出力電圧の例が示されている。図4において、Z軸方向の出力電圧は、X軸方向及びY軸方向の出力電圧と比較して、重力加速度分(符号46を参照)だけ異なることが分かる。
【0032】
図5には、空間内でキー押下げ動作をした時の指センサ16の出力電圧が示されている。図5は、仮想キーボードにおいて文字Qのキーを押下げるように左手10Lの指を動作させた場合の指センサの出力電圧を示している。なお、本発明の仮想キーボードのキー配列はJIS配列を採用している。図5の上段、中段、及び下段のグラフは、それぞれ、小指14−5、薬指14−4、及び親指14−1に装着された加速度センサのX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向の出力電圧を示す。なお、他の指に装着された加速度センサのX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向の出力電圧につぃては、図示を省略する。そして、図5において、文字Qのキーを押下げる際(符合48で示す時間を参照)には、小指14−5の動作が大きく、すなわち、図5の上段に示されるように、小指14−5に装着された加速度センサのX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向の出力電圧の変化は、他の指に装着された加速度センサのX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向の出力電圧の変化と比較して、大きいことが分かる。
【0033】
図6には、動作パターン判断部34を含む入力コード出力部の構成が示されている。図6において、例えば左手について考えると、指14のそれぞれについて指センサ16が装着され、1つの指センサ16は、3軸(X軸、Y軸、及びZ軸)の動作信号を出力する。従って、動作パターン判断部34には、5×3=15個の動作信号50が供給される。なお、15個の動作信号50、すなわち、15個のデータを、ニューラルネットワークを用いて各文字52にマッピングすることにより学習を行い、動作パターン辞書部32における辞書パターンを作成又は更新する。この学習動作について、図7を用いて説明する。
【0034】
図7には、仮想キーボード装置の学習動作を示すフローチャートが示されている。図7において、ステップS10で電源をオンにし、ステップS11−1で、初期位置に手を置き、初期位置設定信号を入力する。ステップS11−2で、キャリブレーションを行い、ステップS12に進む。なお、これらのステップS11−1及ステップS11−2は、本願の実施の形態による仮想キーボード装置の動作を示すものであり、本願の実施の形態による仮想キーボード装置の詳細については、後述する。そして、ステップS12で入力操作者の判断により、学習モードであると、ステップS14に進み、キーボードを入力コード出力部28(図1、2を参照)に接続する。ステップS16でキーボードを打鍵し、ステップS18で、この打鍵時の指センサ16の加速度データの読み込みを行い、ステップS20で、加速度データの必要個所のデータ加工(例えば加速度データの変化時点から±500msにおけるデータ加工)を行う。ステップS22で、ニューラルネットワークで学習し、ステップS24で、新しい辞書パターンを構築し、ステップS26で入力操作者の判断により学習終了でないと、ステップS16に戻り、一方、ステップS26で入力操作者の判断により学習終了であると、ステップS28に進む。なお、前記ステップS12で入力操作者の判断により学習モードでないと、ステップS28に進む。
【0035】
ステップS28で、指センサの加速度データの読込みが行われ、ステップS30で、加速度データをデータテーブル値と比較し、手、指が動いたか否かが判断される。ステップS30でNoの場合には、ステップS28に戻り、ステップS30でYesの場合には、ステップS32に進み、加速度データの必要個所のデータ加工(例えば指センサの変化時点から±500msにおけるデータ加工)を行う。ステップS34で、加速度データに基づく指の動作がデータベースとして保有されている辞書パターンと比較され、ステップS36で、最も近い入力コードに対応した入力コードが出力され、ステップS38で、当該入力コードは、パーソナルコンピュータ等の文字出力機器に送信され、ステップS40に進む。
【0036】
ステップS40で入力操作者の判断により入力を継続しない場合には、ステップS42で電源がオフにされ、一方、ステップS40で入力操作者の判断により入力を継続する場合には、ステップS44に進む。ステップS44で、入力操作者が表示画面60(後述する図8を参照)を見ることにより入力操作者の判断により正確な文字入力がされている場合には、ステップS28に進み、一方、ステップS44で、入力操作者が表示画面60(後述する図8を参照)を見ることにより入力操作者の判断により正確な文字入力がされていない場合には、ステップS11−1に進む。
【0037】
なお、上記図7のフローチャートにおいて、ステップS12、S26、S40、及びS44における入力操作者の判断について説明すると、データ収集部18、若しくは20に操作ボタンを設け、入力操作者(すなわち利用者)は、判断に応じた操作を当該操作ボタンに対して行い、仮想キーボード装置は、当該操作ボタンに対して行われた操作に応じて判断を行う。
【0038】
図8には、仮想キーボード装置を含むシステムが示されている。図8において、各指に装着される指センサ16からの動作信号は、動作パターン判断部34に供給され、当該動作パターン判断部34は、指センサ16からの動作信号と、動作パターン辞書部32に記憶されているパターン情報に対応する動作信号とを比較し、検出された動作信号に対応する入力コードをパーソナルコンピュータ56に供給する。パーソナルコンピュータ56は、入力コードを表示装置58に出力し、入力コードにより示される文字、例えばA、B、C、・・・の列59が表示装置58の表示画面60に表示されるようにする。
【0039】
本願の実施の形態による仮想キーボード装置の詳細
上述した仮想キーボード装置において、動作パターン辞書部32(図1、2を参照)には、指の基準初期位置からの動作信号が、当該指の動作信号のパターンを示すパターン情報として記憶されている。動作パターン判断部34(図1、2、6を参照)は、動作パターン辞書部32に記憶されているパターン情報に対応する動作信号と、前記指に装着された指センサ16からの動作信号とを比較し、動作信号に対応する入力コードを出力する。ここで、指の初期位置は、操作者により基準初期位置と異なることがあり、また、同じ操作者であっても、指の初期位置は、操作毎により基準初期位置と異なることがある。このように指の初期位置が基準初期位置と異なった状態で、仮想キーボード装置のキー入力操作を行うと、正確なキー入力操作を行うことができない。
【0040】
そこで、本願の実施の形態による仮想キーボード装置においては、図9に示されるように、指が初期位置にあることを入力するために用いられる初期位置入力スイッチ62が指に装着されている。なお、初期位置入力スイッチ62は、例えば押下げスイッチであり、右手10Rの指を初期位置に置いた状態で、当該右手10Rに装着された初期位置入力スイッチ62を、他方の手である左手の指で押下操作することにより、初期位置入力スイッチ62が動作するようになっている。また、初期位置入力手段として、初期位置入力スイッチ62ではなく他の構成であっても実施可能であり、例えば、右手10Rの指を初期位置に置いた状態で、他方の手である左手について、予め設定された初期位置を表す手の動作を実行することにより、初期位置入力を行わせることもできる。そして、前記初期位置入力スイッチ62、及び指センサ16−6乃至16−10を、入力コード出力部28に接続する構成としては、ハーネス22及びデータ収集部20等を使用する構成(前記図1を参照)、あるいは、ハーネス22のみを使用してデータ収集部を使用しない構成(前記図2を参照)のうちいずれであっても実施可能である。なお、この間のデータの供給は、ハーネス(有線)でなく無線であっても可能である。そして、前記入力コード出力部28は、指センサ16により検出された指の動作信号と、初期位置入力スイッチ62からの初期位置信号と、動作パターン辞書部32に記憶されているパターン情報に基づき、前記入力された初期位置からの指の動作信号に対応する入力コードを出力することができる。
【0041】
このように、本願の実施の形態による仮想キーボード装置においては、検出された指の動作信号と、初期位置入力スイッチ62からの初期位置信号と、記憶されているパターン情報に基づき、実際の初期位置からの指の動作信号に対応する入力コードを出力するので、実際の初期位置が基準初期位置と異なる場合であっても、所望の入力コードを正確に出力することができる。
【0042】
次に、本願の実施の形態による仮想キーボード装置の動作を説明する。なお、以下の説明は、初期位置入力スイッチ及び指センサを入力コード出力部に接続する構成として、ハーネス22及びデータ収集部18、20を使用する構成(前記図1を参照)が採用されている仮想キーボード装置の動作の説明である。
【0043】
(1)まず、左右の手の指に指センサを装着た状態で、初期位置に手を置く。
【0044】
(2)初期位置入力スイッチ62を操作する。あるいは、予め設定された初期位置を表す手の動作を実行する。
【0045】
(3)初期位置入力スイッチ62からの信号、あるいは初期位置を表す手の動作のデータをハーネス22を介してデータ収集部20に供給する。
【0046】
(4)データ収集部20から入力コード出力部28に無線・有線でデータが送信される。入力コード出力部28内の動作パターン判断部34においては、受信されたデータに基づき、手の状態(形状、設置状態)等が判断される。
【0047】
(5)動作パターン判断部34において、上記判断された手に基づく指の平面上に仮想キーボードが配置されるように、仮想キーボード平面が仮想的に形成され、この仮想キーボード平面が、データベースとして保有している動作パターン辞書32と関連付けられる。このようにして、初期位置の設定が完了する。
【0048】
(6)その後の入力操作においては、動作パターン判断部34は、指センサ16により検出された指の動作信号と、動作パターン辞書部32に記憶されているパターン情報に対応する動作信号とを比較し、両者の相違が所定の閾値内にある場合には、検出された指の動作信号に対応する入力コードを出力して送信する。
【0049】
(7)上記送信された入力コードは、表示装置58で受信され、入力データに対応する文字が表示される。
【0050】
(8)上記(6)及び(7)の入力操作を繰り返している間に、指の初期位置がずれ、誤入力が増えてきた場合には、報知手段(例えば、警告音発生手段、警告表示手段等)により、初期位置の設定を再度行うように入力操作者に促す。このように、報知手段により入力操作者が初期位置の設定を再度行うように促されると、上記(2)の処理に戻る。
【0051】
なお、上記の説明は、初期位置入力スイッチ62及び指センサ16を入力コード出力部28に接続する構成として、ハーネス22及びデータ収集部20を使用する構成(前記図1を参照)が採用されている仮想キーボード装置の動作の説明であるが、この説明は、初期位置入力スイッチ62及び指センサ16を入力コード出力部28に接続する構成として、ハーネス22のみを使用しデータ収集部を使用しない構成(前記図2を参照)が採用されている仮想キーボード装置についても適用される。ただし、この場合には、データ収集部を使用しないので、上記(3)及び(4)の動作は、「初期位置入力スイッチ62からの信号、あるいは初期位置を表す手の動作のデータをハーネス22を介して入力コード出力部28に送信する。入力コード出力部28内の動作パターン判断部34においては、受信されたデータに基づき、手の状態(形状、設置状態)等が判断されることになる。
【0052】
次に、図10乃至図16を参照しながら、本願の実施の形態による仮想キーボード装置について更に詳細に説明する。図10は、本願の実施の形態による仮想キーボード装置の全体的な構成を示しており、図10において、前記図1と同一部材には、同一符号が付されている。図10において、左手10Lには、図9に関連して説明された初期位置入力スイッチ64が装着され、右手10Rには、同様の初期位置入力スイッチ62が装着されている。初期位置入力スイッチ62、64は、それぞれ、ハーネス22−11及び22−12を介してデータ収集部20、18に接続されている。仮想キーボード装置では、実際のキーボードは存在しないが、説明の便宜のため、図10においては、仮想キーボード66が図示されている。仮想キーボード装置では、このような仮想キーボード66を想定し、指14の動作信号を指センサ16により検出し、当該検出された指の動作信号に対応する入力キーに対応する入力コードが出力される。なお、図10において、左手10L及び右手10Rの指は、それぞれ、初期位置にあり、白い丸が付されている入力キー(例えば符号68が付されている入力キー)は、左手10Lの指により入力操作される入力キーであり、一方、斜線が付された丸が付されている入力キー(例えば符号70が付されている入力キー)は、右手10Rの指により入力操作される入力キーである。
【0053】
図11は、手及び仮想キーボードを側面から見た図であり、図11においては、手10、指センサ16、及び実在しない仮想キーボード66が示されている。なお、符号72は、重力方向を示す。
【0054】
図12は、手及び2つの仮想キーボードを側面から見た図であり、図12においては、符号66Lは、左手用の仮想キーボードであり、符号66Rは、右手用の仮想キーボードである。入力操作を行う場合、左手10Lにより入力操作される入力キーと、右手10Rにより入力操作される入力キーとは、前記図10に示されるように分けられているので、左右のそれぞれの手の初期位置に応じて、左手用の仮想キーボード66L及び右手用の仮想キーボード66Rを設定することができる。
【0055】
図13は、2つの手及び2つの仮想キーボードを側面から見た図であり、図13においては、符号66Lは、左手10L用の仮想キーボードであり、符号66Rは、右手10R用の仮想キーボードである。実線で示される仮想キーボード66Lは、左手10Lについて基準となる初期位置にあり、実線で示される仮想キーボード66Rは、右手10Rについて基準となる初期位置にある。ここで、操作者が入力操作を行う際に、左手10L及び右手10R用の仮想キーボードが基準となる初期位置からずれることがあり、符号74L及び74Rは、それぞれ、左手10L及び右手10Rについて実際の初期位置での仮想キーボードを示す。
【0056】
このように実際の初期位置が基準となる初期位置からずれることがあるので、本願の実施の形態による仮想キーボード装置では、前記図10に示されるように、左右の手の指が初期位置にあることを入力するために用いられる初期位置入力スイッチ62、64が指に装着されており、当該初期位置入力スイッチ62、64からの信号、指センサ16により検出された指の動作信号と、動作パターン辞書部32に記憶されているパターン情報とに基づき、実際の初期位置での仮想キーボード74L、74Rに対して、指の動作信号に対応する入力コードが出力される。従って、実際の初期位置が異なる場合であっても、所望の入力コードを正確に出力することができる。
【0057】
ここで、手10及び仮想キーボード66が図11に示される状態であると、指センサ16からの静止状態でのX軸、Y軸、及びZ軸方向の出力電圧は、前記図4に示される波形を有する。一方、手10及び仮想キーボード66が図14に示される状態であると、すなわち、手10及び仮想キーボード76が垂直状態であると、指センサ16からの静止状態でのX軸、Y軸、及びZ軸方向の出力電圧は、図15に示される波形を有する。図15において、X軸方向の出力電圧は、Y軸方向及びZ軸方向の出力電圧と比較して、重力加速度分(符号78を参照)だけ異なっている。
【0058】
前述したように、本願の実施の形態による仮想キーボード装置では、図10に示されるように、初期位置入力スイッチ62、64からの信号、指センサ16により検出された指の動作信号と、動作パターン辞書部32に記憶されているパターン情報とに基づき、実際の初期位置での仮想キーボード76に対して、指の動作信号に対応する入力コードが出力される。この処理は、入力コード出力部28内の動作パターン判断部34により行われる。以下、動作パターン判断部34の当該処理を説明する。
【0059】
前記動作パターン判断部34の補正処理としては、2種類の補正処理がある。第1の補正処理としては、基準となる初期位置と実際の初期位置との相違に基づいて、検出された指の動作信号を補正し、当該補正後の指の動作信号を動作パターン辞書部32に記憶されているパターン情報に対応する動作信号と比較する処理である。第2の補正処理としては、基準となる初期位置と実際の初期位置との相違に基づいて、動作パターン辞書部32に記憶されているパターン情報を補正し、当該補正後のパターン情報に対応する動作信号を検出された指の動作信号と比較する処理である。以下、第1の処理及び第2の処理を説明するが、以下の説明では、仮想キーボードの基準となる初期位置は、図11の状態であり、仮想キーボードの実際の初期位置は、図14の状態であるとする。
【0060】
まず、仮想キーボードの実際の初期位置が図14の状態であるとき、指センサ16からの動作信号のX軸、Y軸、及びZ軸のデータについて、出力電圧が測定される。これらのX軸、Y軸、及びZ軸の電圧は、仮想キーボードが基準となる初期位置(図11)であるときのX軸、Y軸、及びZ軸のデータの電圧と比較され、X軸、Y軸、及びZ軸の差分が求められる。図16を参照すると、図16の左側のグラフは、仮想キーボードが実際の初期位置であるとき(すなわち図14の状態であるとき)の指センサ16からのX軸、Y軸、及びZ軸の出力電圧を示しており、これは、前記図15のグラフと同様である。一方、図16の右側のグラフは、仮想キーボードが基準となる初期位置であるとき(すなわち図11であるとき)の指センサ16からのX軸、Y軸、及びZ軸の出力電圧を示しており、これは、前記図4のグラフと同様である。図16の左側のグラフと図16の右側のグラフとの比較から分かるように、Y軸の出力電圧は同一であるが、X軸、及びZ軸の出力電圧はそれぞれ差分DX、及びDZだけ相違することが分かる。以上のようにして、基準となる初期位置と実際の初期位置との相違が求められる。
【0061】
前記第1の補正処理においては、その後の入力操作において、基準となる初期位置と実際の初期位置との相違に基づいて検出された指の動作信号を補正し、すなわち、検出された指の動作信号について、Y軸の出力電圧は変更せず、X軸、及びZ軸の出力電圧にはそれぞれ差分DX、及びDZを補正(加算)する。そして、補正後の指の動作信号、すなわち、変更されていないY軸の出力電圧、差分DX、及びDZがそれぞれ補正されたX軸、及びZ軸の出力電圧を、動作パターン辞書部32に記憶されているパターン情報に対応する動作信号のX軸、Y軸、及びZ軸の出力電圧と比較する。
【0062】
一方、前記第2の補正処理においては、その後の入力操作において、基準となる初期位置と実際の初期位置との相違に基づいて動作パターン辞書部32に記憶されているパターン情報を補正し、すなわち、動作パターン辞書部32に記憶されているパターン情報に対応する動作信号について、Y軸の出力電圧は変更せず、X軸、及びZ軸の出力電圧にはそれぞれ差分DX、及びDZを補正(減算)する。そして、補正後のパターン情報に対応する動作信号、すなわち、変更されていないY軸の出力電圧、差分DX、及びDZがそれぞれ補正されたX軸、及びZ軸の出力電圧を、検出された指の動作信号のX軸、Y軸、及びZ軸の出力電圧と比較する。
【0063】
なお、上記本願の実施の形態による仮想キーボード装置では、動作パターン辞書部32には、指の基準となる初期位置からの動作信号が、当該指の動作信号のパターンを示すパターン情報として記憶されており、すなわち、動作パターン辞書部32には、指の基準となる初期位置に対応する1種類のパターン情報が記憶されている。しかし、本願において、動作パターン辞書部32の構成は、これに限られず、動作パターン辞書部32には、複数の異なる初期位置ごとにパターン情報が記憶されるように構成することも可能である。すなわち、動作パターン辞書部32には、複数の異なる初期位置に対応した複数種類のパターン情報が記憶されるようにしておき、動作パターン判断部34は、初期位置入力スイッチ62、64から入力される初期位置に基づき、動作パターン辞書部32に記憶された複数種類のパターン情報から、前記入力された初期位置に対応するパターン情報を選択し、この選択されたパターン情報に対応する動作信号を、検出された動作信号と比較するように構成することも可能である。
【0064】
以上説明したように、本願の実施の形態による仮想キーボード装置によれば、指が初期位置にあることが入力されたとき、当該入力された初期位置と検出された動作信号とに基づいて、入力された初期位置からの動作信号に対応する入力コードを出力するので、指の初期位置が異なる場合であっても、所望の入力コードを正確に出力することができる。
【0065】
また、本願の実施の形態による仮想キーボード装置において、前記右手用の初期位置入力スイッチ62は、左手で押下できる位置に配置され、前記左手用の初期位置入力スイッチ64は、右手で押下できる位置に配置されているので、右手用の初期位置入力スイッチ62及び左手用の初期位置入力スイッチ64により、初期位置の入力を容易に行うことができる。
【0066】
また、本願の実施の形態による仮想キーボード装置において、一方の手の指を初期位置に置いた状態で、他方の手について予め設定された初期位置を表す手の動作を実行することにより、前記初期位置入力手段は、初期位置の入力を容易に行うことができる。
【0067】
また、本願の実施の形態による仮想キーボード装置において、指が初期位置にあることが入力されたとき、当該入力された初期位置と検出された動作信号と記憶されているパターン情報とに基づいて、入力された初期位置からの動作信号に対応する入力コードを出力するので、初期位置が異なる場合であっても、所望の入力コードを正確に出力することができる。
【0068】
また、本願の実施の形態による仮想キーボード装置において、基準初期位置と初期位置との差に基づいて検出手段により検出された動作信号を補正し、当該補正後の動作信号とパターン情報に対応する動作信号とを比較して入力コードを出力するので、初期位置からの動作信号に対応する入力コードを正確に出力することができる。
【0069】
また、本願の実施の形態による仮想キーボード装置において、基準初期位置と初期位置との差に基づいてパターン情報を補正し、当該補正後のパターン情報に対応する動作信号と検出手段により検出された動作信号とを比較して入力コードを出力するので、初期位置からの動作信号に対応する入力コードを正確に出力することができる。
【0070】
また、本願の実施の形態による仮想キーボード装置において、指の動作に伴う三軸の加速度を検出してその指の動作信号を検出するので、当該動作信号を各指毎に正確に検出することができる。
【0071】
なお、本願の実施の形態による入力装置においては、指センサ16の装着部として手の指が設定されているが、指センサ16を手の甲に装着してもよい。あるいは、指センサ16を全ての指に装着せず、全ての指の空間的な動きを検出できるような特定の指にだけ指センサ16を装着してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0072】
以上説明したように、本発明は入力装置の分野に利用することが可能であり、特に仮想キーボードを用いた入力装置の分野に適用すれば特に顕著な効果が得られる。
【符号の説明】
【0073】
10、10L、10R:手
14、14−1〜14−10:指
16、16−1〜16−10:指センサ
28:入力コード出力部
32:動作パターン辞書部
34:動作パターン判断部
36:無線部
62、64:初期入力スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
指の空間的な動作に対応する入力コードを出力する入力装置において、
利用者の指又は手の装着部に装着され、前記指の空間的な動作に伴って変化する動作信号を検出する検出手段と、
前記指が初期位置にあることを入力するために用いられる初期位置入力手段と、
前記検出された動作信号と、前記入力された初期位置とに基づき、前記入力された初期位置からの前記動作信号に対応する前記入力コードを出力するコード出力手段と、を備えることを特徴とする入力装置。
【請求項2】
請求項1に記載の入力装置において、
前記初期位置入力手段は、右手用の初期位置入力スイッチと、及び左手用の初期位置入力スイッチとから構成され、
前記右手用の初期位置入力スイッチは、左手で押下できる位置に配置され、前記左手用の初期位置入力スイッチは、右手で押下できる位置に配置されていることを特徴とする入力装置。
【請求項3】
請求項1に記載の入力装置において、
一方の手の指を初期位置に置いた状態で、他方の手について予め設定された初期位置を表す手の動作を実行することにより、前記初期位置入力手段は、前記一方の手についての前記指が初期位置にあることを入力することを特徴とする入力装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の入力装置において、
前記指の基準初期位置からの前記動作信号を、当該指の動作信号のパターンを示すパターン情報として記憶する記憶手段と、
前記コード出力手段は、前記初期位置入力手段により入力された前記初期位置と、前記検出手段により検出された前記動作信号と、前記記憶手段に記憶されているパターン情報とに基づいて前記検出された動作信号に対応する前記入力コードを出力することを特徴とする入力装置。
【請求項5】
請求項4に記載の入力装置において、
前記コード出力手段は、前記基準初期位置と前記初期位置との差に基づいて前記検出手段により検出された前記動作信号を補正し、当該補正後の動作信号と前記記憶されているパターン情報に対応する前記動作信号とを比較して前記入力コードを出力することを特徴とする入力装置。
【請求項6】
請求項4に記載の入力装置において、
前記コード出力手段は、前記基準初期位置と前記初期位置との差に基づいて前記記憶されているパターン情報を補正し、当該補正後のパターン情報に対応する動作信号と前記検出手段により検出された前記動作信号とを比較して前記入力コードを出力することを特徴とする入力装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載の入力装置において、
前記検出手段は、当該検出手段が装着されている前記装着部について予め設定されているX軸、Y軸及びZ軸各々について前記指の前記動作により前記装着部に発生する加速度を検出して前記動作信号を検出することを特徴とする入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−238208(P2010−238208A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−88463(P2009−88463)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】