説明

具材入りノンオイル液状調味料

【課題】 具材を配合した具材入りノンオイル液状調味料において、ヒアルロン酸又はその塩を配合すると、経時的に調味料全体がゲル化する場合があり、当該現象を防止することで、具材入りノンオイル液状調味料の使用の際に、具材を調味料全体に略均一に分散し易くしたヒアルロン酸又はその塩を配合した具材入りノンオイル液状調味料を提供する。
【解決手段】 具材を配合した具材入りノンオイル液状調味料において、ヒアルロン酸又はその塩と、有機酸塩を配合している具材入りノンオイル液状調味料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、具材を配合した具材入りノンオイル液状調味料において、ヒアルロン酸又はその塩を配合した具材入りノンオイル液状調味料に関する。詳しくは、具材を配合した具材入りノンオイル液状調味料において、ヒアルロン酸又はその塩を配合すると、経時的に調味料全体がゲル化する場合があり、当該現象を防止することで、具材入りノンオイル液状調味料の使用の際に、具材を調味料全体に略均一に分散し易くしたヒアルロン酸又はその塩を配合した具材入りノンオイル液状調味料に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、健康を気になる方々が増加し、機能性成分を添加した様々な健康訴求型の食品が販売されるようになった。このような状況下、本出願人の一部は、皮膚(特に真皮)の弾力性や柔軟性を担う化粧料原料としてしばしば使用されているヒアルロン酸又はその塩に着目し、これを経口摂取するならば、優れた肌改善効果が得られることを見出し、既に、特開2002−356432号公報(特許文献1)として出願した。
【0003】
そこで、本出願人は、上記ヒアルロン酸又はその塩の具材入りノンオイル液状調味料への応用を試みるべく具材入りノンオイル液状調味料にヒアルロン酸又はその塩を配合した同調味料を試作した。しかしながら、ヒアルロン酸又はその塩を単に配合すると、経時的に調味料全体がゲル化する場合があった。
【0004】
具材入りノンオイル液状調味料は、具材が沈殿していたり、あるいは調味料の上部に浮遊して必ずしも調味料全体に均一に分散していないことが多いことから、使用の際は、容器を軽く振って具材を略均一に分散して使用する。しかしながら、上記のとおり調味料全体がゲル化した状態では、具材入りノンオイル液状調味料を使用の際に、具材を略均一に分散することが出来ないという不都合を生じた。
【0005】
【特許文献1】特開2002−356432号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明の目的は、具材を配合した具材入りノンオイル液状調味料において、ヒアルロン酸又はその塩を配合すると、経時的に調味料全体がゲル化する場合があり、当該現象を防止することで、具材入りノンオイル液状調味料の使用の際に、具材を調味料全体に略均一に分散し易くしたヒアルロン酸又はその塩を配合した具材入りノンオイル液状調味料を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は、上記目的を達成すべく配合原料に関し鋭意研究を重ねた結果、有機酸塩を併用するならば意外にもヒアルロン酸又はその塩に由来する水相部全体のゲル化現象を防止することができ、遂に本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、
(1)具材を配合した具材入りノンオイル液状調味料において、ヒアルロン酸又はその塩と、有機酸塩を配合している具材入りノンオイル液状調味料、
(2)有機酸塩が、酢酸ナトリウム及び/又はクエン酸三ナトリウムである(1)の具材入りノンオイル液状調味料、
(3)ヒアルロン酸又はその塩の配合量が全体に対し0.02%以上である(1)又は(2)の具材入りノンオイル液状調味料、
(4)有機酸塩の配合量が全体に対し0.01%以上である(1)乃至(3)のいずれかの具材入りノンオイル液状調味料、
(5)ヒアルロン酸又はその塩の平均分子量が5万以上である(1)乃至(4)のいずれかの具材入りノンオイル液状調味料、
である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、具材を配合した具材入りノンオイル液状調味料において、ヒアルロン酸又はその塩を配合したとしても、当該調味料全体の経時的なゲル化現象を防止できることから、具材入りノンオイル液状調味料の使用の際に、具材を調味料全体に略均一に分散することができる。更に、本発明によれば、調味料全体の経時的なゲル化現象を防止できることから、高濃度のヒアルロン酸又はその塩を配合することができ、ヒアルロン酸又はその塩の生理機能例えば、肌改善効果等に優れた調味料の提供を可能とならしめる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下本発明を詳細に説明する。なお、本発明において「%」は「質量%」を意味する。
【0011】
本発明においてノンオイル液状調味料とは、積極的に食用油脂を配合しておらず、栄養成分としての脂質の含量が3%未満の液状調味料、つまり原材料名の欄において食用油脂が表示されていない液状調味料のことであって、一般的に水性媒体(例えば、食酢、醤油、果汁、液糖、清水等)に水溶性原料や水分散性原料が配合された調味料であり、本発明の調味料は、更に具材が配合された具入りノンオイル液状調味料である。
【0012】
なお、上記栄養成分としての脂質の含量は、本発明の調味料が具入りノンオイル液状調味料であることから、具材中の脂質成分の抽出効率を良くするため、先ず、製品を細断処理した後、所定量をフリーズドライにより水分を除去し、得られた乾燥物から溶剤(クロロホルム:メタノール=2:1(容量比))で全脂質成分を抽出した後、溶剤を蒸発乾固して、得られた全脂質成分の質量を測定し、製品に対する全脂質成分の含量を算出する。
【0013】
また、本発明の調味料に配合されている具材としては、液状調味料に一般的に使用するものであればいずれものでもよく、具体的には例えば、玉ねぎ、大根、赤ピーマン、ニンニク、しょうが、梅、かつおぶし、オリーブ、バジル等のハーブ、唐辛子、みょうが、ごま、のり、青じそ、しいたけ、ねぎ、ナッツ、ベーコン、ゆず等の截断物、おろし、あるいはペースト状物等が挙げられる。また、具材の配合量は、液状調味料中に具材が目視で認識される程度配合されていればよく、望ましくは生換算で0.1%以上、より望ましくは0.5%以上配合すればよい。
【0014】
本発明は、上記具材入りノンオイル液状調味料において、ヒアルロン酸又はその塩に、有機酸塩を併用し配合していることを特徴とする。ここでヒアルロン酸とは、グルクロン酸とN−アセチルグルコサミンの2糖を反復構成単位とする多糖類であり、ヒアルロン酸の塩としては例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム等が挙げられる。
【0015】
ヒアルロン酸又はその塩は一般的に、鶏冠、臍の緒、眼球、皮膚、軟骨等の生物組織、あるいはストレプトコッカス属の微生物等のヒアルロン酸生産微生物を培養して得られる培養液等を原料として、これらの原料から抽出、さらに精製することで得られもので、本発明で使用するヒアルロン酸又はその塩としては、当該粗抽出物あるいは精製物の何れを用いてもよいが、精製物、具体的には、ヒアルロン酸又はその塩の純度が90%以上のものが好ましく、95%以上のものがより好ましい。前記純度のヒアルロン酸又はその塩を使用することにより、具材入りノンオイル液状調味料の一原料として用いた場合でも保存中に着色や異臭が発生し難いので、好ましい本発明の具材入りノンオイル液状調味料が得られ易い。
【0016】
本発明は、具材入りノンオイル液状調味料にヒアルロン酸又はその塩を配合することにより経時的に発現する調味料全体のゲル化現象を、後述する有機酸塩により防止するものである。当該ゲル化現象は、ヒアルロン酸又はその塩の平均分子量が高いほど、あるいはヒアルロン酸又はその塩の配合量が多いほど発現し易い。したがって、本発明は、平均分子量5万以上のヒアルロン酸又はその塩に対し好適であり、平均分子量10万以上のものに対しより好適である。またヒアルロン酸又はその塩の配合量に関しても、本発明は、配合量0.02%以上に対し好適であり、0.1%以上に対しより好適である。前記ヒアルロン酸又はその塩の配合量は、具材入りノンオイル液状調味料のサラダ1回分の使用量と想定される25gに対し、0.02%以上配合品は5mg以上、0.1%以上配合品は25mg以上に相当する。これらのヒアルロン酸又はその塩の量は、例えば、特開2002−356432号公報(特許文献1)で開示の肌改善効果が期待される一日の摂取量とほぼ同等である。よって、ヒアルロン酸又はその塩を前記配合量配合した本発明の具材入りノンオイル液状調味料は、肌改善効果等の生理機能が期待される。
【0017】
なお、上記純度は乾物換算で100%よりヒアルロン酸又はその塩以外の蛋白分解物、脂肪分(粗脂肪)、コンドロイチン硫酸等の不純物を除いた値として定義される。具体的に鶏冠を原料とする精製ヒアルロン酸又はその塩の純度は、以下式(1)で求めることができる。
【0018】
[数1]
ヒアルロン酸又はその塩の純度(%)=100−蛋白分解物(%)−粗脂肪(%)−コンドロイチン硫酸(%) (1)
【0019】
式(1)中、蛋白分解物(%)はLowry法により求めた値であり、粗脂肪(%)は新・食品分析法(光琳(株)発行)「第1章一般成分および関連成分、1-4脂質、1-4-2エーテル抽出法」により求めた値である。
【0020】
また、コンドロイチン硫酸(%)は、以下に説明する方法により得られた値である。まず、ヒアルロン酸又はその塩を乾燥し、その50mgを精密に量り、精製水を加えて溶かし、正確に100mlとして試験溶液とし、その試験溶液4mlを試験管にとり、0.5mol/l濃度の硫酸1mlを加えて混和し、水浴中で10分間加熱し、その後冷却して得られた溶液に0.04mol/l濃度の臭化セチルトリメチルアンモニウムを0.2ml加えて混和し、室温で1時間放置し、層長10mm、波長660nmにおける吸光度を測定する。
【0021】
次に、得られた吸光度データをコンドロイチン硫酸の検量線に適用してヒアルロン酸又はその塩中のコンドロイチン硫酸量(%)を求める。ここで、その検量線は、クジラ軟骨由来のコンドロイチン硫酸Aナトリウム塩(SG(Special Grade)、生化学工業(株)製)を乾燥(減圧、五酸化リン、60℃、5時間)させたものを精密に量り、精製水を加えて溶かし、1ml中に10μg、20μg、30μg、40μgのコンドロイチン硫酸Aナトリウム塩を含む溶液をそれぞれ調製し、それぞれの溶液4mlについて、0.5mol/l濃度の硫酸1mlを加えて混和後、0.04mol/l濃度の臭化セチルトリメチルアンモニウムを0.2ml加えて混和し、室温で1時間放置後、同様に吸光度を測定し、その吸光度を縦軸に、対応するコンドロイチン硫酸Aナトリウム塩溶液(μg/ml)を横軸にプロットすることによって作成したものである。
【0022】
また、本発明で使用するヒアルロン酸又はその塩の平均分子量は、当該粗抽出物の場合は、常法である例えば、エタノール濃度約80〜95容量%の含水エタノールで洗浄等を施して純度が98%以上となるように精製したヒアルロン酸又はその塩で、また純度98%以上のものはそのまま用いて下記の方法で求めた値として定義される。
【0023】
すなわち、平均分子量が100万程度の場合には約0.05g、50万〜70万程度の場合には約0.1g、20万程度の場合には約0.5g、5万〜10万程度の場合には約1gの精製ヒアルロン酸又はその塩を精密に量り、0.2mol/L濃度の塩化ナトリウム溶液に溶かし、正確に100mLとした溶液及びこの溶液8mL、12mL並びに16mLを正確に量り、それぞれに0.2mol/L濃度の塩化ナトリウム溶液を加えて正確に20mLとした溶液を試料溶液とする。この試料溶液及び0.2mol/L濃度の塩化ナトリウム溶液につき、日本薬局方(第十四改正)一般試験法の粘度測定法(第1法 毛細管粘度測定法)により30.0±0.1℃で比粘度を測定し(式(2))、各濃度における還元粘度を算出する(式(3))。還元粘度を縦軸に、本品の換算した乾燥物に対する濃度(g/100mL)を横軸にとってグラフを描き、各点を結ぶ直線と縦軸との交点から極限粘度を求める。ここで求められた極限粘度をLaurentの式(式(4))に代入し、平均分子量を算出する。
【0024】
[数2]
比粘度={(試料溶液の所要流下秒数)/(0.2mol/L塩化ナトリウム溶液の所要流下秒数)}−1 (2)
【0025】
[数3]
還元粘度=比粘度/(本品の換算した乾燥物に対する濃度(g/100mL))(3)
【0026】
[数4]
極限粘度=3.6×10−40.78 (4)
M:平均分子量
【0027】
本発明で使用する有機酸塩とは、分子中にカルボキシル基を有する化合物である有機酸の塩(例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム等)であって、用途により一括名として「調味料(有機酸)」、「酸味料」又は「pH調整剤」と表示できるものである。このような有機酸塩としては、例えば、酢酸ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、クエン酸カルシウム、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、L−酒石酸水素カルウム、L−酒石酸ナトリウム、DL−酒石酸水素カリウム、DL−酒石酸ナトリウム、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、乳酸カルシウム、フマル酸ナトリウム等が挙げられる。また、本発明で使用する有機酸塩には、前記定義したものの他、有機酸塩として一般的に含めているアスコルビン酸塩、具体的には、例えば、アスコルビン酸ナトリウム等も含まれる。
【0028】
具材入りノンオイル液状調味料にヒアルロン酸又はその塩を配合することにより経時的に発現する調味料全体のゲル化現象は、塩でない単なる有機酸を併用しただけではゲル化現象を防止することはできないが、上記のような有機酸の塩の1種又は2種以上を併用することにより、当該経時的なゲル化現象を防止することができる。その結果、本発明の具材入りノンオイル液状調味料は、使用の際に、具材を調味料全体に略均一に分散して使用することができる。特に、有機酸塩のうち、酢酸ナトリウム、クエン酸三ナトリウム又はこれらを組み合わせて用いると、調味料の食味を損なうことなく上記ゲル化現象を効率よく防止することができ好ましい。
【0029】
また、有機酸塩の配合量は、上記経時的なゲル化現象を防止できる程度配合すればよく、当該配合量は、ヒアルロン酸又はその塩の配合量、あるいは当該平均分子量にもよるが、具体的には、全体に対し0.01%以上が好ましく、0.06%以上がより好ましい。前記値より有機酸塩の配合量が少ないとヒアルロン酸又はその塩の配合による上記経時的なゲル化現象を十分に防止することが難しく好ましくないからである。なお、有機酸塩には、例えば、酢酸ナトリウムやクエン酸三ナトリウムのように水が水和した結晶型のものと、そうでない無水型のものがあるが、上記有機酸塩の配合量は、無水型に換算した配合量を意味する。
【0030】
本発明の必須の配合原料である上述したヒアルロン酸又はその塩、並びに有機酸塩は、いずれも水溶性である。したがって、本発明の具材入りノンオイル液状調味料を製する際は、前記両原料を他の水溶性原料と同様の添加方法で添加し、常法に則り調味料を製すればよい。なお、本発明は、本発明の効果を損なわない範囲で具材入りノンオイル液状調味料に一般的に使用されている原料を適宜選択し配合すればよい。このような原料としては、例えば、食酢、食塩、砂糖、醤油、味噌、核酸系旨味調味料等の各種調味料、クエン酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸、柑橘果汁等の酸材、香辛料、アスコルビン酸、ビタミンE等の酸化防止剤、色素、キサンタンガム、タマリンドシードガム、ジェランガム、アラビアガム等の増粘材等が挙げられる。
【0031】
以下、本発明の具材入りノンオイル液状調味料について、実施例及び比較例、並びに参考例に基づき具体的に説明する。なお、本発明は、これらに限定するものではない。
【実施例】
【0032】
[実施例1]
下記の配合割合に準じ、まずバジル以外の原料を均一に混合した後、バジルを添加し均一に分散させた。そして、得られた具材入りノンオイル液状調味料を250mL容量のPET容器に充填し密栓した。なお、原料のヒアルロン酸は、キユーピー(株)製の商品「ヒアルロンサンHA−F」を用い、当該ヒアルロン酸は、平均分子量約80万、純度99%、水分含量約3%である。また、下記配合割合の酢酸ナトリウム(結晶)0.5%は、酢酸ナトリウム(無水)0.3%に相当する。
【0033】
<具材入りノンオイル液状調味料の配合割合>
バジル(生截断物) 1%
食酢(酸度4%) 25%
ブドウ糖果糖液糖 15%
食塩 4%
ブルーベリー濃縮果汁 3%
食塩 3%
砂糖 3%
ヒアルロン酸 0.5%
酢酸ナトリウム(結晶) 0.5%
キサンタンガム 0.1%
清水 残余
―――――――――――――――――――
合計 100%
【0034】
[実施例2]
実施例1において、実施例1で配合のヒアルロン酸0.5%を後述するヒアルロン酸ナトリウム0.8%に、また酢酸ナトリウム(結晶)0.5%をクエン酸三ナトリウム(結晶)0.4%に変更した以外は、実施例1と同様の方法で具材入りノンオイル液状調味料を製造した。なお、ヒアルロン酸は、商品名「ヒアルロンサンHA−Q」を塩酸で低分子化した平均分子量約15万、純度99%、水分含量約3%のものを用いた。また、上記クエン酸三ナトリウム(結晶)0.4%は、クエン酸三ナトリウム(無水)0.35%に相当する。
【0035】
[実施例3]
実施例1において、酢酸ナトリウム(結晶)0.5%の代わりに酢酸ナトリウム(結晶)0.3%及びクエン酸三ナトリウム(結晶)0.2%に変更した以外は、実施例1と同様の方法で具材入りノンオイル液状調味料を製造した。なお、上記酢酸ナトリウム(結晶)0.3%及びクエン酸三ナトリウム(結晶)0.2%の有機酸塩の無水型に換算した合計量は0.36%である。
【0036】
[比較例1]
実施例1において、酢酸ナトリウム(結晶)を除いた以外は、実施例1と同様の方法で製造した。
【0037】
[比較例2]
実施例1において、有機酸塩として配合した酢酸ナトリウム(結晶)の換わりに当該有機酸である酢酸を食酢(酸度4%)として加配(食酢5.5%加配)した以外は、実施例1と同様の方法で具材入りノンオイル液状調味料を製造した。
【0038】
[参考例1]
実施例1において、ヒアルロン酸及び酢酸ナトリウム(結晶)を除いた以外は、実施例1と同様の方法で具材入りノンオイル液状調味料を製造した。
【0039】
なお、実施例1乃至3、比較例1及び2、並びに参考例1で得られた各具入りノンオイル液状調味料は、いずれも脂質含量が3%未満であった。
【0040】
[試験例1]
実施例1乃至3、比較例1及び2、並びに参考例1で得られた各具材入りノンオイル液状調味料の製造直後及び翌日の状態を観察した。
【0041】
実施例1乃至3、比較例1乃至2並びに参考例1で得られた各調味料は、いずれも製造直後において、調味料全体はゲル化現象を発現しておらず、容器を軽く振って調味料の上部に浮遊した具材を略均一に分散することが可能であった。しかしながら、翌日観察したところ、有機酸塩を配合しなかった比較例1、並びに有機酸塩の換わりに有機酸を配合した比較例2の具材入りノンオイル液状調味料は、調味料全体がゲル化し、具材の分散が十分に出来ない状態であった。これに対し、ヒアルロン酸又はその塩と共に有機酸塩を配合した実施例1乃至3、並びに両原料を配合しなかった参考例1の具材入りノンオイル液状調味料は、比較例1乃至2のようなゲル化現象を発現しておらず、使用の際の具材の分散が十分に可能であった。したがって、具材入りノンオイル液状調味料にヒアルロン酸又はその塩を配合することにより経時的に発現する調味料全体のゲル化現象は、有機酸塩を併用することにより、当該経時的なゲル化現象を防止することができることが理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
具材を配合した具材入りノンオイル液状調味料において、ヒアルロン酸又はその塩と、有機酸塩を配合していることを特徴とする具材入りノンオイル液状調味料。
【請求項2】
有機酸塩が、酢酸ナトリウム及び/又はクエン酸三ナトリウムである請求項1記載の具材入りノンオイル液状調味料。
【請求項3】
ヒアルロン酸又はその塩の配合量が全体に対し0.02%以上である請求項1又は2記載の具材入りノンオイル液状調味料。
【請求項4】
有機酸塩の配合量が全体に対し0.01%以上である請求項1乃至3のいずれかに記載の具材入りノンオイル液状調味料。
【請求項5】
ヒアルロン酸又はその塩の平均分子量が5万以上である請求項1乃至4のいずれかに記載の具材入りノンオイル液状調味料。

【公開番号】特開2007−97467(P2007−97467A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−291073(P2005−291073)
【出願日】平成17年10月4日(2005.10.4)
【出願人】(000001421)キユーピー株式会社 (657)
【出願人】(502310841)株式会社ケイパック (6)
【Fターム(参考)】