内副管継手、およびそれを用いたマンホールまたは枡
【構成】 内副管継手10は、継手本体12を備え、マンホール100の内壁面102に取り付けられて、流入下水が高所から落下することによるマンホール100底面108の摩耗や損傷、および下水の飛散を防ぐ。継手本体12は、可撓性を有する合成樹脂からなり、流入管104から流入する下水を受け入れる下水受部14、および内副管120を接続する立管部16を含む。下水受部14は、マンホール100壁面側に配置される第1管壁18、およびマンホール100中心側に配置される第2管壁20からなり、上部開口の漏斗状に形成される。第1管壁18は、可撓性を有しているので、サイズの異なる複数のマンホールの内壁面に沿うように変形可能である。
【効果】 1つの内副管継手をサイズの異なる複数のマンホールや枡に適用可能である。
【効果】 1つの内副管継手をサイズの異なる複数のマンホールや枡に適用可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、内副管継手、およびそれを用いたマンホールまたは枡に関し、特にたとえば、合流式下水道のマンホールや枡の内壁面に取り付けられる、内副管継手、およびそれを用いたマンホールまたは枡に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の内副管継手の一例が、特許文献1および2に開示されている。
【0003】
特許文献1の技術では、内副管用継手の本体の壁面(つまり、本体壁面)はマンホールの側壁の曲率と同じ曲率で湾曲し、本体壁面の外面が側壁の内面(つまり、内壁面)に沿うように形成されている。そして、この内副管用継手をマンホールに取り付ける場合には、本体壁面をマンホールの内壁面に沿わせながら、本体壁面の挿通孔にアンカーボルトを挿通し、締め付けることにより、内副管用継手をマンホールに固定する。
【0004】
また、特許文献2の技術では、マンホールの大きさに応じて、マンホールの内周壁面(内壁面)とそのマンホールの内壁面に固定するサドル部との間にスペーサを配設するようにしている。このスペーサの一方の面はマンホールの内壁面の湾曲面と略等しい湾曲面に形成され、他方の面はマンホール内副管継手本体のサドル部の湾曲面と略等しい湾曲面に形成されている。
【特許文献1】特開2007−100410号[E03F 5/02]
【特許文献2】特許3825775号[E02D 29/12]
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、マンホールは大きさにより内壁面の湾曲率が異なるため、特許文献1の技術では、マンホールの大きさに応じて本体取り付け面の曲率の異なる内副管用継手を用意する必要があるので、品揃え点数が多くなり、その分だけコストが嵩んでしまう。
【0006】
一方、特許文献2の技術では、マンホールの大きさに応じてスペーサを選択することにより、マンホールの大きさが異なっても、同一のマンホール内副管継手本体を使用することが可能になるものの、スペーサの分だけ部品点数が多くなってしまう。つまり、特許文献2の技術では、部品点数が多いことにより、マンホール内副管継手本体の取り付け作業が煩雑になるので、施工性に劣るという問題がある。
【0007】
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、内副管継手、およびそれを用いたマンホールまたは枡を提供することである。
【0008】
この発明の他の目的は、コストを低減でき、しかも簡単な施工でマンホールや枡の内壁面に取り付けることができる、内副管継手、およびそれを用いたマンホールまたは枡を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号および補足説明などは、本発明の理解を助けるために後述する実施の形態との対応関係を示したものであって、本発明を何ら限定するものではない。
【0010】
第1の発明は、マンホールまたは枡の内壁面に沿わせた状態で当該内壁面に取り付けられる内副管継手であって、合成樹脂からなり、少なくとも内壁面側に配置される取り付け面が可撓性を有する継手本体、および継手本体に設けられ、継手本体を内壁面に取り付けるための取付部を備える、内副管継手である。
【0011】
第1の発明では、内副管継手(10)は、継手本体(12)を備え、たとえば枡やマンホール(100,150,160,170,180)の内壁面(102,152,162,172,182)に取り付けられる。継手本体は、合成樹脂からなり、下水を受け入れる下水受部(14)、および内副管(120)を接続する立管部(16)を含む。下水受部は、マンホールや枡の内壁面への取り付け面となる第1管壁(18)を含む。この第1管壁は、可撓性を有しており、サイズの異なる複数のマンホールや枡の内壁面に沿うように変形可能である。つまり、内副管継手をマンホールや枡の内壁面に取り付けるときには、下水受部の第1管壁を内壁面の曲率に合うように曲げ変形させることによって、内壁面に沿わせるようにする。また、継手本体には、内副管継手を内壁面に固定するための取付部(32)が設けられている。たとえば、取付部には、内副管継手の取り付け時にアンカーボルト(114)を挿通するための挿通孔(34)が形成される。
【0012】
第1の発明によれば、継手本体の取り付け面を曲げ変形させてマンホールや枡の内壁面に沿わせることにより、サイズの異なる複数のマンホールや枡の内壁面に対して共通する内副管継手を取り付けることが可能になるので、製品の種類および在庫量の削減を図ることができる。
【0013】
さらに、部品点数が少なくて済むので、その分だけマンホールや枡への取り付け作業が容易になり、施工性にも優れる。
【0014】
第2の発明は、第1の発明に従属し、取り付け面は、所定の条件に基づいて予め定めたサイズの異なる複数のマンホールまたは枡の内壁面の最大曲率と最小曲率との間の範囲で曲げ変形可能な湾曲板状に形成される。
【0015】
第2の発明では、枡やマンホール(100,150,160,170,180)の内壁面(102,152,162,172,182)への取り付け面となる第1管壁(18)は、所定の条件に基づいて予め定めたサイズの異なる複数のマンホールまたは枡の内壁面の最大曲率と最小曲率との間の範囲で曲げ変形可能な湾曲板状に形成される。
【0016】
第3の発明は、第1または2の発明に従属し、継手本体と一体または別体で形成され、継手本体の背面を補強する補強部をさらに備える。
【0017】
第3の発明では、継手本体(12)の下水受部(14)は、継手本体の取り付け面となる第1管壁(18)、および第1管壁の両側端を結ぶ第2管壁(20)を含み、第2管壁には、補強部(30)が設けられる。たとえば、補強部は、鋼鉄や軟鉄またはステンレスなどの金属によって帯状に形成され、第2管壁の湾曲方向に沿ってその全長に亘って埋め込まれる。
【0018】
第3の発明によれば、流入管から流入する下水等による継手本体の背面への負荷を軽減することができる。
【0019】
第4の発明は、第1ないし3のいずれかの発明に従属し、第1または第2の発明の内副管継手を施工した、マンホールまたは枡である。
【0020】
第4の発明では、継手本体(12)の第1管壁(18)を枡やマンホール(100,150,160,170,180)の内壁面(102,152,162,172,182)に沿うように曲げ変形させる。そして、たとえば、第1管壁の上端中央部が流入管(104)の管底(116)より所定寸法下げた位置になるように、内副管継手(10)を所定位置に位置決めする。それから、たとえば、第1管壁の挿通孔(28)に挿通したアンカーボルト(110)を締め付けるとともに、取付部(32)の挿通孔(34)に挿通したアンカーボルト(114)を締め付けることにより、内副管継手をマンホールや枡の内壁面に固定する。そして、内副管継手に内副管(120,122)を接続して、下水を流出管(106)へと導く下水管路を形成する。
【0021】
第5の発明は、第4の発明に従属し、取付部と前記内壁面との間に当該取付部を上方から覆うカバー部材が介在された。
【0022】
第5の発明では、内副管継手(10)の取付部(32)の挿通孔(34)に挿通したアンカーボルト(114)を、たとえば枡やマンホール(100,150,160,170,180)の内壁面(102,152,162,172,182)に締め付けるときに、取付部と内壁面との間にカバー部材(126)が介在される。カバー部材は、たとえば合成ゴム等によって形成されるゴムカバー部(128)を含み、ゴムカバー部の一端には、アンカーボルトを挿通させるための挿通孔(132)が形成される。カバー部材を装着する際には、たとえば、カバー部材を挿通孔が下になるように配置し、取付部の挿通孔に挿通させたアンカーボルトをさらにカバー部材の挿通孔に挿通して、内壁面に締め付ける。それから、ゴムカバー部をマンホール中央側に折り込んで、ゴムカバー部によってアンカーボルトおよび内副管継手の取付部を上方から覆う。
【0023】
第5の発明によれば、下水に含まれるゴミなどがアンカーボルトや、内副管継手の取付部とマンホールや枡の内壁面との間に生じる隙間に付着、堆積することを防止できるので、作業者はマンホールの維持管理を容易に行うことができるようになる。
【発明の効果】
【0024】
この発明によれば、1つの内副管継手で異なるサイズのマンホールや枡に適用できるようにしたので、コストを低減することができる。しかも、内副管継手の部品点数を少なくできる分、マンホールや枡への取り付け作業が容易になり、施工性にも優れる。
【0025】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】この発明の一実施例である内副管継手をマンホール内に取り付けた状態を示す概略断面図である。
【図2】図1の内副管継手を示す正面図である。
【図3】図1の内副管継手を示す背面図である。
【図4】図1の内副管継手を示す側面図である。
【図5】図1の内副管継手を示す上面図である。
【図6】図1の内副管継手をマンホール内に取り付けた状態を示す部分拡大背面図である。
【図7】(a)は、図5のVII(a)―VII(a)線における内副管継手の断面を示す断面図であり、(b)は、図5のVII(b)―VII(b)線における内副管継手の断面を示す断面図である。
【図8】(a)は、図1の内副管継手の取付部を示す上面図であり、(b)は、図1の内副管継手の取付部を示す正面図である。
【図9】図1の内副管継手をマンホール内に取り付けた状態を模式的に示す図解図である。
【図10】図1の内副管継手を図9とは異なるサイズのマンホール内に取り付けた状態を模式的に示す図解図である。
【図11】内副管継手を図9とは異なるサイズの桝内に取り付けた状態を模式的に示す図解図である。
【図12】図1の内副管継手をカバー部材を介してマンホール内に取り付けた状態を示す部分拡大背面図である。
【図13】この発明のさらに別の実施例の内副管継手を示す正面図である。
【図14】図13の内副管継手を示す背面図である。
【図15】図13の内副管継手を示す側面図である。
【図16】図13の内副管継手を示す上面図である。
【図17】図13の内副管継手をマンホール内に取り付けた状態を模式的に示す図解図である。
【図18】図13の内副管継手を図17とは異なるサイズのマンホール内に取り付けた状態を模式的に示す図解図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1を参照して、この発明の一実施例である内副管継手10は、継手本体12を備え、たとえば合流式下水道のマンホール100の内壁面102に沿わせた状態で当該内壁面102に取り付けられる。そして、流入管104から流入する下水を受けて流出管106に導くことによって、流入下水が高所から落下することによるマンホール100の底面108の摩耗や損傷、および下水の飛散を防ぐ。
【0028】
なお、図1に示すマンホール100は、たとえば、内径が900mmのマンホールであり、流入管104の管径は、たとえば600mmである。
【0029】
図2−図5に示すように、継手本体12は、合成樹脂製であるが、具体的には、FRP(繊維強化プラスチック)を含むポリエチレンまたはポリプロプレン等の、可撓性を有する合成樹脂によって形成される。この実施例では、継手本体12は、FRPによって形成され、下水受部14および立管部16を含む。
【0030】
下水受部14は、流入管104から流入する下水を受け入れる受枠となる部分である。下水受部14は、一体的に形成される第1管壁18および第2管壁からなり、上端22から下端24に向かって徐々に縮径する上部開口の漏斗状に形成される。
【0031】
第1管壁18は、マンホール100の内壁面102側に配置されて、継手本体12の“取り付け面”となる。第1管壁18は、マンホール100の内壁面102の曲率と同程度の曲率で湾曲する湾曲板状に形成され、その曲率半径は、たとえば450mmである。ただし、第1管壁18は可撓性を有しているので、詳細は後で説明するように、サイズ(大きさ)の異なる複数のマンホールの内壁面に沿うように曲げ変形可能である。
【0032】
第1管壁18の外面には、パッキン材26が貼りつけられている。パッキン材26としては、EPDM製の樹脂発泡体(たとえば、三和化工株式会社製の「オプシーラー」)等を用いることができる。
【0033】
第1管壁18およびパッキン材26には、第1管壁18の上端中央部より所定寸法、たとえば90mm下げた位置に、挿通孔28が形成される。そして、この挿通孔28には、内副管継手10の取り付け時にアンカーボルト110が挿通される。挿通孔28を第1管壁18の上端中央部より所定寸法下げた理由は、図6に示すように、挿通孔28に挿通するアンカーボルト110、ならびにそのアンカーボルト110を安定的に固定するために必要な当該アンカーボルト110の周囲のスペース(図6中斜線で示す範囲)を、流入管104の周囲に充填されているモルタル等の充填材112よりも外側に位置させるためである。
【0034】
図2−図5に戻って、第2管壁20は、マンホール100の中心側に配置されて、第1管壁18の両側端を断面U字状に結び、継手本体12の“背面”となる。そして、この第1管壁18および第2管壁20によって、下水受部14は、上方からの平面視において、幅方向に長く奥行き方向に短い略楕円形状に形成される。この実施例では、下水受部14の上端22の幅方向の長さは、たとえば400mmであり、下水受部14の上端22の奥行き方向の長さは、たとえば290mmである。
【0035】
第2管壁20には、継手本体12の背面を補強するための補強部30が設けられる。補強部30は、鋼鉄や軟鉄、ステンレスなどの金属によって細長い帯状に形成され、詳細は後述する、取付部32どうしを繋ぐように、第2管壁20の湾曲方向に沿ってその全長に亘って設けられる。図示は省略するが、補強部30は、上下方向に所定の間隔を隔てた2本の棒鋼を、一定間隔ごとに補助用の棒鋼で溶接により上下に繋ぐことによって形成され、図7に示すように、第2管壁20の内部に埋め込まれる。ただし、図7では、補強部30を矩形状で簡単に図示していることに留意されたい。
【0036】
図2−図5に戻って、第2管壁20の両側端には、それぞれ取付部32が設けられる。取付部32は、内副管継手10をマンホール100に固定するための部分であり、ステンレス等の金属によって形成される。
【0037】
取付部32は、図8に示すように、第1板部32a、第2板部32bおよび固定部32cを含み、溶接等によって補強部30の外面に固着される。第1板部32aおよび第2板部32bは、上方からの平面視において、略く字状に形成される。具体的には、第1板部32aは、奥行き方向に延びる矩形の板状に形成され、補強部30とともに第2管壁20の内部に埋め込まれる。そして、第2板部32bは、第1板部32aの奥行き方向の一端から、幅方向の外側(つまり、継手本体12と反対側)に屈曲して連続的に形成され、第2管壁20の外側で第1管壁18の湾曲方向と略等しい方向に向けて延びる。第2板部32bには、挿通孔34が形成されている。固定部32cは、第1板部32aおよび第2板部32bを補強部30の外面に固着するための部分であり、第1板部32aの幅方向の内側(つまり、継手本体12側)の面に沿う板状に形成され、第1板部32aおよび補強部30とともに第2管壁20の内部に埋め込まれる。固定部32cの奥行き方向の両端部は、内側に向けて立ち上がる形状を有しており、その立上り部分の先端面は、第2管壁20に沿う傾斜状に形成され、溶接等によって補強部30の外面に固着される。
【0038】
第2板部32bの挿通孔34には、内副管継手10の取り付け時にアンカーボルト114が挿通される。ここで、第2板部32bの挿通孔34(つまり、取付部32)は、下水受部14の上端22より所定寸法、たとえば35−40mm下げた位置に形成されている。挿通孔34を下水受部14の上端22より所定寸法下げた理由は、上述した挿通孔28と同様に、挿通孔34に挿通するアンカーボルト114、ならびにそのアンカーボルト114を安定的に固定するために必要な当該アンカーボルト114の周囲のスペース(図6中斜線で示す範囲)を、流入管104の周囲に充填されているモルタル等の充填材112よりも外側に位置させるためである。
【0039】
また、図2−図5に戻って、下水受部14の下端24には、立管部16が形成される。立管部16は、直管状の内副管120を接続する部分であり、この実施例では、鉛直方向に延びる短管円筒状(短管状)に形成され、その径は、たとえば200mmである。
【0040】
図2−図5を参照して、このような内副管継手10を製造するには、先ず、FRPにより継手本体12を成形する。それから、補強部30の両側端に取付部32(の固定部32c)を溶接等によって固着させた後、下水受部14の第2管壁20の外面に補強部30を取り付ける。次に、ローラや刷毛などを用いて、補強部30とその周囲の第2管壁20とに亘る範囲に、継手本体12を成形した合成樹脂と同じ合成樹脂、この実施例では、FRPを積層する。そして、その合成樹脂が固化すると、下水受部14の第2管壁20(つまり、継手本体12の背面)に補強部30が一体的に埋め込まれた内副管継手10が得られる。
【0041】
図1および図9を参照して、内副管継手10をマンホール100に取り付ける設置方法を以下に説明する。なお、上述したように、図9(a)に示すマンホール100は、たとえば、内径が900mmのマンホールである。
【0042】
内副管継手10をマンホール100に取り付ける際には、先ず、流入管104の管底116を基準として取り付け位置を決める。
【0043】
具体的には、図9(b)に示すように、下水受部14の第1管壁18(つまり、継手本体12の取り付け面)をマンホール100の内壁面102に沿わせながら、第1管壁18の上端中央部が、流入管104の管底116より所定寸法下げた位置になるように位置決めする。第1管壁18の上端中央部と流入管104の管底116との高低差の所定寸法は、流入管104を流れる下水の流量および流速、ならびに下水受部12の上端20の奥行き方向の長さなどを考慮して適宜設定され、この実施例では、第1管壁18の上端中央部を流入管104の管底116より100mm下げた位置になるように位置決めする。
【0044】
それから、第1管壁18の挿通孔28にアンカーボルト110を挿通して、そのアンカーボルト110をマンホール100の内壁面102に締め付けるとともに、取付部32の挿通孔34にアンカーボルト114を挿通して、そのアンカーボルト114を調整部材118を介してマンホール100の内壁面102に締め付けることにより、内副管継手10をマンホール100の内壁面102に固定する。このとき、マンホール100の内壁面102と下水受部14の外面とによってパッキン材26が圧着されて、この部分の止水性が保持される。なお、調整部材118は、ゴムブッシュ等であり、基本的には、内副管継手10の取付部32とマンホール100の内壁面102との間隔に応じたサイズのものを使用するが、サイズの異なる複数のマンホールや枡に共通に使用可能であるので、この調整部材118によって部品点数が増えてしまうようなことはない。
【0045】
内副管継手10の取付作業が終わると、続いて、内副管継手10に内副管120,122を接続して、下水を流出管106へと導く下水管路を形成する。具体的には、内副管継手10の立管部16に直管状の内副管120を接合し、その直管状の内副管120にエルボ状の内副管122を接合してから、固定金具124によって内副管継手10の立管部16および直管状の内副管120をマンホール100の内壁面102に適宜固定し、作業を終了する。
【0046】
このように内副管継手10を取り付けたマンホール100においては、晴天時に、流入管104から通常水量の下水が流れてくると、下水は下水受部14の上部開口から内副管継手10内に流入する。そして、漏斗状に形成される下水受部14内を滑らかに流れ、直管状およびエルボ状の内副管120,122を通って、流出管106から流出する。これにより、流入管104から流入した下水がマンホール100の底面108に打ちつけられることによる、マンホール100の底面108の浸食や損傷を抑制できる。また、内副管継手10によって下水の飛散を防止できるので、晴天時にマンホール100内で維持管理などを行う作業者の作業性が向上される。
【0047】
一方、雨天時には、下水の流量および流速が増すので、下水は流入管104から勢いよく飛び出すが、下水受部14の上端22が流入管104の管底116より所定寸法下げられているため、下水は内副管継手10を飛び超えてマンホール100内に直接流入する。つまり、晴天時の計画最大流量を上回る雨天時の下水は、内副管継手10の管壁(下水受部14の第2管壁20など)にあまり衝突しないので、雨天時の下水の負荷による内副管継手10の破損が防止される。
【0048】
さらに、このような内副管継手10は、継手本体12が可撓性を有しているので、上述したような、自身の取り付け面の曲率と同程度の曲率のマンホール100のみならず、自身の取り付け面より曲率が小さい(つまり、曲率半径が大きい)マンホールに取り付けることが可能である。
【0049】
以下、この内副管継手10を、図10(a)に示す内径が1800mmのマンホール150に設置する方法の一例を説明する。
【0050】
先ず、下水受部14の第1管壁18をマンホール150の内壁面152に沿うように変形させながら、上述したのと同じ要領で、第1管壁18の上端中央部が、流入管104の管底116より所定寸法下げた位置になるように位置決めする。
【0051】
このとき、下水受部14の第1管壁18(つまり、継手本体12の取り付け面)の曲率はマンホール150の内壁面152の曲率よりも大きいので、図10(b)に示すように、第1管壁18をマンホール150の内壁面152の曲率に合うように曲げ変形させることによって、マンホール150の内壁面152に沿わせる。
【0052】
そして、第1管壁18の挿通孔28にアンカーボルト110を挿通して、そのアンカーボルト110をマンホール150の内壁面152に締め付けるとともに、取付部32の挿通孔34にアンカーボルト114を挿通して、そのアンカーボルト114をゴムブッシュ等の調整部材118を介してマンホール150の内壁面152に締め付けることにより、内副管継手10をマンホール150の内壁面152に固定する。
【0053】
以上のように、この実施例では、継手本体12が可撓性を有しているので、継手本体12の取り付け面をマンホールの内壁面の曲率に合うように曲げ変形させて、マンホールの内壁面に沿わせることができる。したがって、継手本体12の取り付け面と同程度の曲率のマンホールのみならず、サイズの異なる複数のマンホールの内壁面に対して、共通する内副管継手10を取り付けることが可能である。つまり、この実施例によれば、製品の種類および在庫量の削減を図ることで、コストを低減することができる。
【0054】
さらに、内副管継手10の継手本体12の取り付け面を曲げ変形させて、マンホールの内壁面に沿わせるようにしているので、特許文献2の技術のように、マンホールのサイズに応じたスペーサを選択して曲率を変換するよりも部品点数が少なくて済む。つまり、この実施例によれば、部品点数が少ない分、内副管継手10のマンホールへの取り付け作業が容易になるので、施工性に優れる。
【0055】
また、この実施例では、継手本体12の背面に補強部30が設けられる。ここで、継手本体12をFRPによって製造した場合には、その材質上、継手本体12は層間剥離を引き起こす方向(つまり、引張方向)の荷重に対して弱くなってしまう。特に、継手本体12の背面は、マンホールの内壁面に固定していないので、流入管104から流入した下水による引張方向の荷重を受けやすい。しかしながら、この実施例によれば、継手本体12の背面に補強部30を設けるようにしたため、流入管104から流入した下水による引張方向の荷重が継手本体12の背面にかかっても、その荷重を補強部30が負担することで、継手本体12の背面への負荷を軽減できる。
【0056】
さらに、継手本体12の背面に補強部30を設けるようにしたため、継手本体12の取り付け面をマンホールの内壁面の曲率に合うように曲げ変形させるときに背面に生じる荷重を、第2管壁20の湾曲方向の全体に分散させることで、継手本体12の背面への負荷を軽減できる。
【0057】
したがって、この実施例によれば、内副管継手10の性能低下を低減できるようになる。
【0058】
なお、上述の実施例では、内副管継手10を自身の継手本体12の取り付け面の曲率と同程度の曲率のマンホール100や、自身の継手本体12の取り付け面より曲率が小さい(つまり、曲率半径が大きい)マンホール150に取り付けたが、このような内副管継手10が、自身の継手本体12の取り付け面より曲率が大きい(つまり、曲率半径が小さい)マンホールにも適用され得ることは言うまでもない。要は、継手本体12の取り付け面は、継手本体12のサイズや継手本体12を形成する可撓性材料の種類など所定の条件に基づいて予め定めた、サイズの異なる複数のマンホールや枡の内壁面の最大曲率と最小曲率との間の範囲で曲げ変形可能である。また、合流式下水道のマンホールのみならず、分流式下水道のマンホール、および排水用の枡などに適用され得ることも勿論である。
【0059】
以下、この内副管継手10を、図11(a)に示す内径が600mmのマンホール160に設置する方法の一例を説明する。
【0060】
先ず、下水受部14の第1管壁18をマンホール160の内壁面162に沿うように変形させながら、上述したのと同じ要領で、第1管壁18の上端中央部が、流入管104の管底116より所定寸法下げた位置になるように位置決めする。
【0061】
このとき、下水受部14の第1管壁18(つまり、継手本体12の取り付け面)の曲率はマンホール160の内壁面162の曲率よりも小さいので、図11(b)に示すように、第1管壁18をマンホール160の内壁面162の曲率に合うように曲げ変形させることによって、マンホール160の内壁面162に沿わせる。
【0062】
そして、第1管壁18の挿通孔28にアンカーボルト110を挿通して、そのアンカーボルト110をマンホール160の内壁面162に締め付けるとともに、取付部32の(第2板部32bの)挿通孔34にアンカーボルト114を挿通して、そのアンカーボルト114をゴムブッシュ等の調整部材118を介してマンホール160の内壁面162に締め付けることにより、内副管継手10をマンホール160の内壁面162に固定する。
【0063】
さらに、上述の実施例では、上下方向に所定の間隔を隔てた2本の棒鋼を、一定間隔ごとに補助用棒鋼を溶接して上下に繋ぐことによって形成した補強部30を第2管壁20の内部に埋め込んだが、これに限定される必要はない。継手本体12の背面をその湾曲方向の全長に亘って補強することができるのであれば、補強部30の形状は特に問わない。たとえば、補強部30として、1本の棒鋼を第2管壁20の内部に埋め込むようにしてもよい。また、必ずしも補強部30を第2管壁20の内部に埋め込む必要はなく、接着または融着等により第2管壁20の外面に露出するように補強部30を固定してもよい。
【0064】
また、上述の実施例では、補強部30の両側端に溶接等によって別体の取付部32を固着させたが、これに限定される必要はない。補強部30と取付部32とを一体的に形成してもよい。たとえば、補強部30の両側端を第1管壁18と同じかそれよりもやや大きい曲率で延びる板状に突出させて、その部分を取付部32として利用するようにしてもよい。
【0065】
さらに、上述の実施例では、補強部30を鋼鉄や軟鉄などの金属によって継手本体12と別体として形成したが、これに限定される必要もなく、補強部30を継手本体12と一体的に形成するようにしてもよい。一例を挙げると、図示は省略するが、継手本体12の成形時に、第2管壁20の湾曲方向に沿ってその全長に亘るリブを形成しておき、そのリブを補強部30として機能させるようにしてもよい。この場合にも、リブの両側端を第1管壁18と同じかそれよりもやや大きい曲率で延びる板状に突出させて、その部分を取付部32として利用するようにしてもよい。
【0066】
また、上述の実施例では、略く字状に形成した第1板部32aおよび第2板部32bを固定部32cを介して補強部30の外面側に溶接等によって固着したが、これに限定される必要はない。たとえば、図示は省略するが、取付部32に固定部32cを形成せずに、取付部32を第1板部32aおよび第2板部32bによって略く字状に形成し、その第1板部32aを補強部30の内面側や外面側に溶接等によって固着させるようにしてもよい。
【0067】
さらに、上述の実施例では、取付部32の第2板部32bの挿通孔34にアンカーボルト114を挿通しマンホールや枡の内壁面に締め付けることによって、継手本体12をマンホールや枡の内壁面に取り付けたが、継手本体12をマンホールや枡の内壁面に取り付けることができるのであれば、必ずしも取付部32にアンカーボルトを挿通させてマンホールや枡の内壁面に締め付けるようにする必要はなく、取付部32の形状も特に問わない。
【0068】
さらにまた、継手本体12の上下方向に複数の補強部30ならびに取付部32を設けるようにしてもよい。
【0069】
また、上述の実施例では、第1管壁18の上端中央部より所定寸法下げた位置にアンカーボルト110を挿通させるための挿通孔28が形成され、さらに、下水受部14の上端22よりも所定寸法下げた位置に設けられた取付部32にアンカーボルト114を挿通させるための挿通孔34が形成された。
【0070】
しかしながら、これらの高低差は、マンホールの内壁面にアンカーボルト110,114を固定できない等の不具合が生じることがないように設けたものであるので、内副管継手10をマンホールや枡の内壁面に安定的に固定することが可能であれば、必ずしも挿通孔28を第1管壁18の上端中央部より所定寸法下げた位置に形成する必要はない。また、必ずしも挿通孔34を下水受部14の上端22より所定寸法下げた位置に形成する必要もない。
【0071】
要は、継手本体12の形状や、流入管104の管径、充填材112の厚み、第1管壁18の上端中央部と流入管104の管底116との高低差の所定寸法等の条件を勘案することによって、挿通孔28,34の形成位置を適宜決めるようにすればよい。
【0072】
さらに、上述の実施例では、内副管継手10をマンホール100の内壁面102に固定する際に、取付部32の挿通孔34に挿通したアンカーボルト114を調整部材118を介してマンホール100の内壁面102に締め付けたが、これに限定する必要はない。たとえば、取付部32を金属によって形成した場合に、取付部32の第2板部32bをマンホールや枡の内壁面に沿うように塑性変形させるのであれば、必ずしもアンカーボルト114を調整部材118を介してマンホール100の内壁面102に締め付ける必要はない。また、取付部32を可撓性を有する合成樹脂によって形成した場合に、取付部32の第2板部32bをマンホールや枡の内壁面に沿うように曲げ変形させるのであれば、必ずしもアンカーボルト114を調整部材118を介してマンホール100の内壁面102に締め付ける必要はない。
【0073】
さらにまた、内副管継手10の取付部34とマンホールの内壁面との間にカバー部材126を介在させるようにしてもよい。
【0074】
カバー部材126は、図12に示すように、流入管104から流入した下水に含まれるゴミなどがアンカーボルト114や、内副管継手10の取付部32とマンホール100の内壁面102との間に生じる隙間に付着、堆積するのを防止するためのものであり、ゴムカバー部128と、ゴムカバー部128をアンカーボルトに固定するための固定部130とを含む。ゴムカバー部128は、SBR(スチレンブタジエンゴム)やNBR(アクリロニトリルブタジエンゴム)等の合成ゴムによって矩形の板状に形成される。固定部130は、ステンレスまたは合成樹脂などの素材によって板状に形成され、ゴムカバー部128の一端に貼り付けられる。そして、ゴムカバー部128および固定部130には、アンカーボルト114を挿通させるための挿通孔132が形成される。
【0075】
このようなカバー部材126をアンカーボルト114に取り付ける際には、図12(a)に示すように、カバー部材126をその固定部130が下になるように配置して、内副管継手10の取付部32の挿通孔34に挿通させたアンカーボルト114を固定部130の挿通孔132に挿通し、さらにそのアンカーボルト114を調整部材118を介してマンホール100の内壁面102に締め付ける。それから、図12(b)に示すように、カバー部材126のゴムカバー部128をマンホール100中央側に折り込んで、ゴムカバー部128によってアンカーボルト114および内副管継手10の取付部32を上方から覆う。こうすることにより、流入管104から流入した下水に含まれるゴミなどが、ゴムカバー部128の表面上を流れて流出管106から流出するようになるので、作業者はマンホールの維持管理を容易に行うことができるようになる。
【0076】
なお、ここでは、内副管継手10を図9(a)に示すマンホール100の内壁面102に取り付ける場合について説明したが、図10(a)に示すマンホール150や図11(a)に示すマンホール160でも同様である。
【0077】
また、カバー部材126のゴムカバー部128を固定部130側の端部が薄くなるように形成しておくと、ゴムカバー部128によってアンカーボルト114および内副管継手10の取付部32を上方から覆うときに、ゴムカバー部128をマンホール100中央側に折り込み易くなるので、好適である。
【0078】
さらにまた、上述の実施例では、継手本体12の立管部16は鉛直方向に延びる短管円筒状(短管状)に形成され、その径は、たとえば200mmに設定されたが、これに限定される必要はない。立管部16は、差口構造を有していてもよいし、受口構造を有していてもよく、その大きさも、流入管の大きさに応じて適宜設定するとよい。
【0079】
一例を挙げると、図13−図18に示すこの発明の他の一実施例である内副管継手10は、図1の実施例における内副管継手10とサイズが異なるものである。以下、図1に示す内副管継手10と同様の部分については、同じ参照番号を用い、その説明を省略或いは簡略化する。
【0080】
図13に示すように、内副管継手10は、継手本体12を備え、たとえば合流式下水道のマンホール170の内壁面172に沿わせた状態で当該内壁面172に取り付けられる。なお、図13(a)に示すマンホール170は、たとえば、内径が1200mmのマンホールであり、流入管の管径は、たとえば1000mmである。
【0081】
図14−図17に示すように、継手本体12の下水受部14は、上端22から下端24に向かって徐々に縮径する上部開口の漏斗状に形成され、第1管壁18および第2管壁20を含んでいる。第1管壁18は、マンホール170の内壁面172の曲率と同程度の曲率で湾曲する。この実施例では、第1管壁18の曲率半径は、たとえば600mmである。第1管壁18の外面には、パッキン材26が貼りつけられている。また、第1管壁18およびパッキン材26には、内副管継手10の取り付け時にアンカーボルト110を挿通するための挿通孔28が形成される。挿通孔28は、第1管壁18の上端中央部より所定寸法、たとえば130mm下げた位置に形成されている。
【0082】
そして、第1管壁18の両側端を断面U字状に結ぶように、第2管壁20が形成される。この第1管壁18および第2管壁20によって、下水受部14は、上方からの平面視において、幅方向に長く奥行き方向に短い略楕円形状に形成される。たとえば、下水受部14の上端22の幅方向の長さは、たとえば660mmであり、下水受部14の上端22の奥行き方向の長さは、たとえば360mmである。
【0083】
第2管壁20には、補強部30が設けられる。補強部30は、たとえば鋼鉄や軟鉄、ステンレスなどの金属または合成樹脂によって帯状ないし棒状に形成され、第2管壁20の湾曲方向に沿ってその全長に亘って設けられる。
【0084】
そして、補強部30の両側端には、マンホール170に内副管継手10を固定するための取付部32がそれぞれ設けられる。この実施例では、取付部32の挿通孔34は、下水受部14の上端22より所定寸法、たとえば35−40mm下げた位置に設けられている。
【0085】
さらに、下水受部14の下端24には、立管部16が形成される。立管部16は、直管状の内副管112を接続する部分であり、この実施例では、鉛直方向に延びる短管円筒状(短管状)に形成される。立管部16の内径は、たとえば250mmである。
【0086】
このような内副管継手10を、マンホール170に取り付ける際には、図13に示すように、下水受部14の第1管壁(つまり、継手本体12の取り付け面)18がマンホール170の内壁面172と同程度の曲率を有しているので、第1管壁18をマンホール170の内壁面172に沿わせながら、上述したのと同じ要領で、第1管壁18の上端中央部が、流入管104の管底116より所定寸法、たとえば100mm下げた位置になるように位置決めする。
【0087】
さらに、このような内副管継手10は、継手本体12が可撓性を有しているので、上述したような、自身の取り付け面の曲率と同程度の曲率のマンホール100のみならず、自身の取り付け面よりも曲率が小さいマンホール、ならびに自身の取り付け面よりも曲率が大きいマンホールに取り付けることが可能である。
【0088】
たとえば、図18に示すように、マンホールが、内径が1800mmのマンホール180の場合には、下水受部14の第1管壁18がマンホール180の内壁面182よりも大きい曲率を有しているので、第1管壁18をマンホール180の内壁面182に沿うように変形させながら、上述したのと同じ要領で、第1管壁18の上端中央部が、流入管104の管底116より所定寸法、たとえば100mm下げた位置になるように位置決めするとよい。
【0089】
このように、この実施例においても、図1の実施例と同様に、サイズの異なる複数のマンホールの内壁面に対して、共通する内副管継手10を取り付けることが可能であるので、コストを低減することができる。しかも、部品点数が少ないことにより、内副管継手10のマンホールの内壁面への取り付け作業が容易になるので、施工性にも優れる。
【0090】
なお、上述の各実施例ではいずれも、下水受部14は、平面視で幅方向に長く奥行き方向に短い略楕円形状に形成された。しかし、これに限定されず、下水受部14は、平面視で円形状であってもよいし、方形状を含む多角形状であってもよい。
【0091】
また、上述の各実施例ではいずれも、FRP(繊維強化プラスチック)によって継手本体12を成形したが、これに限定される必要はなく、ポリエチレン、ポリプロピレン等の他の合成樹脂による射出成形、回転成形、ブロー成形等の方法によって継手本体12を成形するようにしてもよい。
【0092】
さらに、必ずしも継手本体12の全体をFRPを含むポリエチレンまたはポリプロプレン等の、可撓性を有する合成樹脂によって形成する必要はない。少なくとも継手本体12の、内壁面側に配置される取り付け面を可撓性を有する合成樹脂によって形成すれば(つまり、継手本体12の取り付け面が可撓性を有していれば)、それ以外の部分の材質は特に限定されない。たとえば、継手本体12の取り付け面と背面とを、それぞれ異なる合成樹脂によって形成するようにしてもよい。
【0093】
さらにまた、上述した径や高さ等の具体的数値は、いずれも単なる一例であり、必要に応じて適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0094】
10 …内副管継手
12 …継手本体
18 …第1管壁
20 …第2管壁
28,34 …挿通孔
30 …補強部
32 …取付部
100 …マンホール
102 …内壁面
114 …アンカーボルト
128 …カバー部材
【技術分野】
【0001】
この発明は、内副管継手、およびそれを用いたマンホールまたは枡に関し、特にたとえば、合流式下水道のマンホールや枡の内壁面に取り付けられる、内副管継手、およびそれを用いたマンホールまたは枡に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の内副管継手の一例が、特許文献1および2に開示されている。
【0003】
特許文献1の技術では、内副管用継手の本体の壁面(つまり、本体壁面)はマンホールの側壁の曲率と同じ曲率で湾曲し、本体壁面の外面が側壁の内面(つまり、内壁面)に沿うように形成されている。そして、この内副管用継手をマンホールに取り付ける場合には、本体壁面をマンホールの内壁面に沿わせながら、本体壁面の挿通孔にアンカーボルトを挿通し、締め付けることにより、内副管用継手をマンホールに固定する。
【0004】
また、特許文献2の技術では、マンホールの大きさに応じて、マンホールの内周壁面(内壁面)とそのマンホールの内壁面に固定するサドル部との間にスペーサを配設するようにしている。このスペーサの一方の面はマンホールの内壁面の湾曲面と略等しい湾曲面に形成され、他方の面はマンホール内副管継手本体のサドル部の湾曲面と略等しい湾曲面に形成されている。
【特許文献1】特開2007−100410号[E03F 5/02]
【特許文献2】特許3825775号[E02D 29/12]
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、マンホールは大きさにより内壁面の湾曲率が異なるため、特許文献1の技術では、マンホールの大きさに応じて本体取り付け面の曲率の異なる内副管用継手を用意する必要があるので、品揃え点数が多くなり、その分だけコストが嵩んでしまう。
【0006】
一方、特許文献2の技術では、マンホールの大きさに応じてスペーサを選択することにより、マンホールの大きさが異なっても、同一のマンホール内副管継手本体を使用することが可能になるものの、スペーサの分だけ部品点数が多くなってしまう。つまり、特許文献2の技術では、部品点数が多いことにより、マンホール内副管継手本体の取り付け作業が煩雑になるので、施工性に劣るという問題がある。
【0007】
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、内副管継手、およびそれを用いたマンホールまたは枡を提供することである。
【0008】
この発明の他の目的は、コストを低減でき、しかも簡単な施工でマンホールや枡の内壁面に取り付けることができる、内副管継手、およびそれを用いたマンホールまたは枡を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号および補足説明などは、本発明の理解を助けるために後述する実施の形態との対応関係を示したものであって、本発明を何ら限定するものではない。
【0010】
第1の発明は、マンホールまたは枡の内壁面に沿わせた状態で当該内壁面に取り付けられる内副管継手であって、合成樹脂からなり、少なくとも内壁面側に配置される取り付け面が可撓性を有する継手本体、および継手本体に設けられ、継手本体を内壁面に取り付けるための取付部を備える、内副管継手である。
【0011】
第1の発明では、内副管継手(10)は、継手本体(12)を備え、たとえば枡やマンホール(100,150,160,170,180)の内壁面(102,152,162,172,182)に取り付けられる。継手本体は、合成樹脂からなり、下水を受け入れる下水受部(14)、および内副管(120)を接続する立管部(16)を含む。下水受部は、マンホールや枡の内壁面への取り付け面となる第1管壁(18)を含む。この第1管壁は、可撓性を有しており、サイズの異なる複数のマンホールや枡の内壁面に沿うように変形可能である。つまり、内副管継手をマンホールや枡の内壁面に取り付けるときには、下水受部の第1管壁を内壁面の曲率に合うように曲げ変形させることによって、内壁面に沿わせるようにする。また、継手本体には、内副管継手を内壁面に固定するための取付部(32)が設けられている。たとえば、取付部には、内副管継手の取り付け時にアンカーボルト(114)を挿通するための挿通孔(34)が形成される。
【0012】
第1の発明によれば、継手本体の取り付け面を曲げ変形させてマンホールや枡の内壁面に沿わせることにより、サイズの異なる複数のマンホールや枡の内壁面に対して共通する内副管継手を取り付けることが可能になるので、製品の種類および在庫量の削減を図ることができる。
【0013】
さらに、部品点数が少なくて済むので、その分だけマンホールや枡への取り付け作業が容易になり、施工性にも優れる。
【0014】
第2の発明は、第1の発明に従属し、取り付け面は、所定の条件に基づいて予め定めたサイズの異なる複数のマンホールまたは枡の内壁面の最大曲率と最小曲率との間の範囲で曲げ変形可能な湾曲板状に形成される。
【0015】
第2の発明では、枡やマンホール(100,150,160,170,180)の内壁面(102,152,162,172,182)への取り付け面となる第1管壁(18)は、所定の条件に基づいて予め定めたサイズの異なる複数のマンホールまたは枡の内壁面の最大曲率と最小曲率との間の範囲で曲げ変形可能な湾曲板状に形成される。
【0016】
第3の発明は、第1または2の発明に従属し、継手本体と一体または別体で形成され、継手本体の背面を補強する補強部をさらに備える。
【0017】
第3の発明では、継手本体(12)の下水受部(14)は、継手本体の取り付け面となる第1管壁(18)、および第1管壁の両側端を結ぶ第2管壁(20)を含み、第2管壁には、補強部(30)が設けられる。たとえば、補強部は、鋼鉄や軟鉄またはステンレスなどの金属によって帯状に形成され、第2管壁の湾曲方向に沿ってその全長に亘って埋め込まれる。
【0018】
第3の発明によれば、流入管から流入する下水等による継手本体の背面への負荷を軽減することができる。
【0019】
第4の発明は、第1ないし3のいずれかの発明に従属し、第1または第2の発明の内副管継手を施工した、マンホールまたは枡である。
【0020】
第4の発明では、継手本体(12)の第1管壁(18)を枡やマンホール(100,150,160,170,180)の内壁面(102,152,162,172,182)に沿うように曲げ変形させる。そして、たとえば、第1管壁の上端中央部が流入管(104)の管底(116)より所定寸法下げた位置になるように、内副管継手(10)を所定位置に位置決めする。それから、たとえば、第1管壁の挿通孔(28)に挿通したアンカーボルト(110)を締め付けるとともに、取付部(32)の挿通孔(34)に挿通したアンカーボルト(114)を締め付けることにより、内副管継手をマンホールや枡の内壁面に固定する。そして、内副管継手に内副管(120,122)を接続して、下水を流出管(106)へと導く下水管路を形成する。
【0021】
第5の発明は、第4の発明に従属し、取付部と前記内壁面との間に当該取付部を上方から覆うカバー部材が介在された。
【0022】
第5の発明では、内副管継手(10)の取付部(32)の挿通孔(34)に挿通したアンカーボルト(114)を、たとえば枡やマンホール(100,150,160,170,180)の内壁面(102,152,162,172,182)に締め付けるときに、取付部と内壁面との間にカバー部材(126)が介在される。カバー部材は、たとえば合成ゴム等によって形成されるゴムカバー部(128)を含み、ゴムカバー部の一端には、アンカーボルトを挿通させるための挿通孔(132)が形成される。カバー部材を装着する際には、たとえば、カバー部材を挿通孔が下になるように配置し、取付部の挿通孔に挿通させたアンカーボルトをさらにカバー部材の挿通孔に挿通して、内壁面に締め付ける。それから、ゴムカバー部をマンホール中央側に折り込んで、ゴムカバー部によってアンカーボルトおよび内副管継手の取付部を上方から覆う。
【0023】
第5の発明によれば、下水に含まれるゴミなどがアンカーボルトや、内副管継手の取付部とマンホールや枡の内壁面との間に生じる隙間に付着、堆積することを防止できるので、作業者はマンホールの維持管理を容易に行うことができるようになる。
【発明の効果】
【0024】
この発明によれば、1つの内副管継手で異なるサイズのマンホールや枡に適用できるようにしたので、コストを低減することができる。しかも、内副管継手の部品点数を少なくできる分、マンホールや枡への取り付け作業が容易になり、施工性にも優れる。
【0025】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】この発明の一実施例である内副管継手をマンホール内に取り付けた状態を示す概略断面図である。
【図2】図1の内副管継手を示す正面図である。
【図3】図1の内副管継手を示す背面図である。
【図4】図1の内副管継手を示す側面図である。
【図5】図1の内副管継手を示す上面図である。
【図6】図1の内副管継手をマンホール内に取り付けた状態を示す部分拡大背面図である。
【図7】(a)は、図5のVII(a)―VII(a)線における内副管継手の断面を示す断面図であり、(b)は、図5のVII(b)―VII(b)線における内副管継手の断面を示す断面図である。
【図8】(a)は、図1の内副管継手の取付部を示す上面図であり、(b)は、図1の内副管継手の取付部を示す正面図である。
【図9】図1の内副管継手をマンホール内に取り付けた状態を模式的に示す図解図である。
【図10】図1の内副管継手を図9とは異なるサイズのマンホール内に取り付けた状態を模式的に示す図解図である。
【図11】内副管継手を図9とは異なるサイズの桝内に取り付けた状態を模式的に示す図解図である。
【図12】図1の内副管継手をカバー部材を介してマンホール内に取り付けた状態を示す部分拡大背面図である。
【図13】この発明のさらに別の実施例の内副管継手を示す正面図である。
【図14】図13の内副管継手を示す背面図である。
【図15】図13の内副管継手を示す側面図である。
【図16】図13の内副管継手を示す上面図である。
【図17】図13の内副管継手をマンホール内に取り付けた状態を模式的に示す図解図である。
【図18】図13の内副管継手を図17とは異なるサイズのマンホール内に取り付けた状態を模式的に示す図解図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1を参照して、この発明の一実施例である内副管継手10は、継手本体12を備え、たとえば合流式下水道のマンホール100の内壁面102に沿わせた状態で当該内壁面102に取り付けられる。そして、流入管104から流入する下水を受けて流出管106に導くことによって、流入下水が高所から落下することによるマンホール100の底面108の摩耗や損傷、および下水の飛散を防ぐ。
【0028】
なお、図1に示すマンホール100は、たとえば、内径が900mmのマンホールであり、流入管104の管径は、たとえば600mmである。
【0029】
図2−図5に示すように、継手本体12は、合成樹脂製であるが、具体的には、FRP(繊維強化プラスチック)を含むポリエチレンまたはポリプロプレン等の、可撓性を有する合成樹脂によって形成される。この実施例では、継手本体12は、FRPによって形成され、下水受部14および立管部16を含む。
【0030】
下水受部14は、流入管104から流入する下水を受け入れる受枠となる部分である。下水受部14は、一体的に形成される第1管壁18および第2管壁からなり、上端22から下端24に向かって徐々に縮径する上部開口の漏斗状に形成される。
【0031】
第1管壁18は、マンホール100の内壁面102側に配置されて、継手本体12の“取り付け面”となる。第1管壁18は、マンホール100の内壁面102の曲率と同程度の曲率で湾曲する湾曲板状に形成され、その曲率半径は、たとえば450mmである。ただし、第1管壁18は可撓性を有しているので、詳細は後で説明するように、サイズ(大きさ)の異なる複数のマンホールの内壁面に沿うように曲げ変形可能である。
【0032】
第1管壁18の外面には、パッキン材26が貼りつけられている。パッキン材26としては、EPDM製の樹脂発泡体(たとえば、三和化工株式会社製の「オプシーラー」)等を用いることができる。
【0033】
第1管壁18およびパッキン材26には、第1管壁18の上端中央部より所定寸法、たとえば90mm下げた位置に、挿通孔28が形成される。そして、この挿通孔28には、内副管継手10の取り付け時にアンカーボルト110が挿通される。挿通孔28を第1管壁18の上端中央部より所定寸法下げた理由は、図6に示すように、挿通孔28に挿通するアンカーボルト110、ならびにそのアンカーボルト110を安定的に固定するために必要な当該アンカーボルト110の周囲のスペース(図6中斜線で示す範囲)を、流入管104の周囲に充填されているモルタル等の充填材112よりも外側に位置させるためである。
【0034】
図2−図5に戻って、第2管壁20は、マンホール100の中心側に配置されて、第1管壁18の両側端を断面U字状に結び、継手本体12の“背面”となる。そして、この第1管壁18および第2管壁20によって、下水受部14は、上方からの平面視において、幅方向に長く奥行き方向に短い略楕円形状に形成される。この実施例では、下水受部14の上端22の幅方向の長さは、たとえば400mmであり、下水受部14の上端22の奥行き方向の長さは、たとえば290mmである。
【0035】
第2管壁20には、継手本体12の背面を補強するための補強部30が設けられる。補強部30は、鋼鉄や軟鉄、ステンレスなどの金属によって細長い帯状に形成され、詳細は後述する、取付部32どうしを繋ぐように、第2管壁20の湾曲方向に沿ってその全長に亘って設けられる。図示は省略するが、補強部30は、上下方向に所定の間隔を隔てた2本の棒鋼を、一定間隔ごとに補助用の棒鋼で溶接により上下に繋ぐことによって形成され、図7に示すように、第2管壁20の内部に埋め込まれる。ただし、図7では、補強部30を矩形状で簡単に図示していることに留意されたい。
【0036】
図2−図5に戻って、第2管壁20の両側端には、それぞれ取付部32が設けられる。取付部32は、内副管継手10をマンホール100に固定するための部分であり、ステンレス等の金属によって形成される。
【0037】
取付部32は、図8に示すように、第1板部32a、第2板部32bおよび固定部32cを含み、溶接等によって補強部30の外面に固着される。第1板部32aおよび第2板部32bは、上方からの平面視において、略く字状に形成される。具体的には、第1板部32aは、奥行き方向に延びる矩形の板状に形成され、補強部30とともに第2管壁20の内部に埋め込まれる。そして、第2板部32bは、第1板部32aの奥行き方向の一端から、幅方向の外側(つまり、継手本体12と反対側)に屈曲して連続的に形成され、第2管壁20の外側で第1管壁18の湾曲方向と略等しい方向に向けて延びる。第2板部32bには、挿通孔34が形成されている。固定部32cは、第1板部32aおよび第2板部32bを補強部30の外面に固着するための部分であり、第1板部32aの幅方向の内側(つまり、継手本体12側)の面に沿う板状に形成され、第1板部32aおよび補強部30とともに第2管壁20の内部に埋め込まれる。固定部32cの奥行き方向の両端部は、内側に向けて立ち上がる形状を有しており、その立上り部分の先端面は、第2管壁20に沿う傾斜状に形成され、溶接等によって補強部30の外面に固着される。
【0038】
第2板部32bの挿通孔34には、内副管継手10の取り付け時にアンカーボルト114が挿通される。ここで、第2板部32bの挿通孔34(つまり、取付部32)は、下水受部14の上端22より所定寸法、たとえば35−40mm下げた位置に形成されている。挿通孔34を下水受部14の上端22より所定寸法下げた理由は、上述した挿通孔28と同様に、挿通孔34に挿通するアンカーボルト114、ならびにそのアンカーボルト114を安定的に固定するために必要な当該アンカーボルト114の周囲のスペース(図6中斜線で示す範囲)を、流入管104の周囲に充填されているモルタル等の充填材112よりも外側に位置させるためである。
【0039】
また、図2−図5に戻って、下水受部14の下端24には、立管部16が形成される。立管部16は、直管状の内副管120を接続する部分であり、この実施例では、鉛直方向に延びる短管円筒状(短管状)に形成され、その径は、たとえば200mmである。
【0040】
図2−図5を参照して、このような内副管継手10を製造するには、先ず、FRPにより継手本体12を成形する。それから、補強部30の両側端に取付部32(の固定部32c)を溶接等によって固着させた後、下水受部14の第2管壁20の外面に補強部30を取り付ける。次に、ローラや刷毛などを用いて、補強部30とその周囲の第2管壁20とに亘る範囲に、継手本体12を成形した合成樹脂と同じ合成樹脂、この実施例では、FRPを積層する。そして、その合成樹脂が固化すると、下水受部14の第2管壁20(つまり、継手本体12の背面)に補強部30が一体的に埋め込まれた内副管継手10が得られる。
【0041】
図1および図9を参照して、内副管継手10をマンホール100に取り付ける設置方法を以下に説明する。なお、上述したように、図9(a)に示すマンホール100は、たとえば、内径が900mmのマンホールである。
【0042】
内副管継手10をマンホール100に取り付ける際には、先ず、流入管104の管底116を基準として取り付け位置を決める。
【0043】
具体的には、図9(b)に示すように、下水受部14の第1管壁18(つまり、継手本体12の取り付け面)をマンホール100の内壁面102に沿わせながら、第1管壁18の上端中央部が、流入管104の管底116より所定寸法下げた位置になるように位置決めする。第1管壁18の上端中央部と流入管104の管底116との高低差の所定寸法は、流入管104を流れる下水の流量および流速、ならびに下水受部12の上端20の奥行き方向の長さなどを考慮して適宜設定され、この実施例では、第1管壁18の上端中央部を流入管104の管底116より100mm下げた位置になるように位置決めする。
【0044】
それから、第1管壁18の挿通孔28にアンカーボルト110を挿通して、そのアンカーボルト110をマンホール100の内壁面102に締め付けるとともに、取付部32の挿通孔34にアンカーボルト114を挿通して、そのアンカーボルト114を調整部材118を介してマンホール100の内壁面102に締め付けることにより、内副管継手10をマンホール100の内壁面102に固定する。このとき、マンホール100の内壁面102と下水受部14の外面とによってパッキン材26が圧着されて、この部分の止水性が保持される。なお、調整部材118は、ゴムブッシュ等であり、基本的には、内副管継手10の取付部32とマンホール100の内壁面102との間隔に応じたサイズのものを使用するが、サイズの異なる複数のマンホールや枡に共通に使用可能であるので、この調整部材118によって部品点数が増えてしまうようなことはない。
【0045】
内副管継手10の取付作業が終わると、続いて、内副管継手10に内副管120,122を接続して、下水を流出管106へと導く下水管路を形成する。具体的には、内副管継手10の立管部16に直管状の内副管120を接合し、その直管状の内副管120にエルボ状の内副管122を接合してから、固定金具124によって内副管継手10の立管部16および直管状の内副管120をマンホール100の内壁面102に適宜固定し、作業を終了する。
【0046】
このように内副管継手10を取り付けたマンホール100においては、晴天時に、流入管104から通常水量の下水が流れてくると、下水は下水受部14の上部開口から内副管継手10内に流入する。そして、漏斗状に形成される下水受部14内を滑らかに流れ、直管状およびエルボ状の内副管120,122を通って、流出管106から流出する。これにより、流入管104から流入した下水がマンホール100の底面108に打ちつけられることによる、マンホール100の底面108の浸食や損傷を抑制できる。また、内副管継手10によって下水の飛散を防止できるので、晴天時にマンホール100内で維持管理などを行う作業者の作業性が向上される。
【0047】
一方、雨天時には、下水の流量および流速が増すので、下水は流入管104から勢いよく飛び出すが、下水受部14の上端22が流入管104の管底116より所定寸法下げられているため、下水は内副管継手10を飛び超えてマンホール100内に直接流入する。つまり、晴天時の計画最大流量を上回る雨天時の下水は、内副管継手10の管壁(下水受部14の第2管壁20など)にあまり衝突しないので、雨天時の下水の負荷による内副管継手10の破損が防止される。
【0048】
さらに、このような内副管継手10は、継手本体12が可撓性を有しているので、上述したような、自身の取り付け面の曲率と同程度の曲率のマンホール100のみならず、自身の取り付け面より曲率が小さい(つまり、曲率半径が大きい)マンホールに取り付けることが可能である。
【0049】
以下、この内副管継手10を、図10(a)に示す内径が1800mmのマンホール150に設置する方法の一例を説明する。
【0050】
先ず、下水受部14の第1管壁18をマンホール150の内壁面152に沿うように変形させながら、上述したのと同じ要領で、第1管壁18の上端中央部が、流入管104の管底116より所定寸法下げた位置になるように位置決めする。
【0051】
このとき、下水受部14の第1管壁18(つまり、継手本体12の取り付け面)の曲率はマンホール150の内壁面152の曲率よりも大きいので、図10(b)に示すように、第1管壁18をマンホール150の内壁面152の曲率に合うように曲げ変形させることによって、マンホール150の内壁面152に沿わせる。
【0052】
そして、第1管壁18の挿通孔28にアンカーボルト110を挿通して、そのアンカーボルト110をマンホール150の内壁面152に締め付けるとともに、取付部32の挿通孔34にアンカーボルト114を挿通して、そのアンカーボルト114をゴムブッシュ等の調整部材118を介してマンホール150の内壁面152に締め付けることにより、内副管継手10をマンホール150の内壁面152に固定する。
【0053】
以上のように、この実施例では、継手本体12が可撓性を有しているので、継手本体12の取り付け面をマンホールの内壁面の曲率に合うように曲げ変形させて、マンホールの内壁面に沿わせることができる。したがって、継手本体12の取り付け面と同程度の曲率のマンホールのみならず、サイズの異なる複数のマンホールの内壁面に対して、共通する内副管継手10を取り付けることが可能である。つまり、この実施例によれば、製品の種類および在庫量の削減を図ることで、コストを低減することができる。
【0054】
さらに、内副管継手10の継手本体12の取り付け面を曲げ変形させて、マンホールの内壁面に沿わせるようにしているので、特許文献2の技術のように、マンホールのサイズに応じたスペーサを選択して曲率を変換するよりも部品点数が少なくて済む。つまり、この実施例によれば、部品点数が少ない分、内副管継手10のマンホールへの取り付け作業が容易になるので、施工性に優れる。
【0055】
また、この実施例では、継手本体12の背面に補強部30が設けられる。ここで、継手本体12をFRPによって製造した場合には、その材質上、継手本体12は層間剥離を引き起こす方向(つまり、引張方向)の荷重に対して弱くなってしまう。特に、継手本体12の背面は、マンホールの内壁面に固定していないので、流入管104から流入した下水による引張方向の荷重を受けやすい。しかしながら、この実施例によれば、継手本体12の背面に補強部30を設けるようにしたため、流入管104から流入した下水による引張方向の荷重が継手本体12の背面にかかっても、その荷重を補強部30が負担することで、継手本体12の背面への負荷を軽減できる。
【0056】
さらに、継手本体12の背面に補強部30を設けるようにしたため、継手本体12の取り付け面をマンホールの内壁面の曲率に合うように曲げ変形させるときに背面に生じる荷重を、第2管壁20の湾曲方向の全体に分散させることで、継手本体12の背面への負荷を軽減できる。
【0057】
したがって、この実施例によれば、内副管継手10の性能低下を低減できるようになる。
【0058】
なお、上述の実施例では、内副管継手10を自身の継手本体12の取り付け面の曲率と同程度の曲率のマンホール100や、自身の継手本体12の取り付け面より曲率が小さい(つまり、曲率半径が大きい)マンホール150に取り付けたが、このような内副管継手10が、自身の継手本体12の取り付け面より曲率が大きい(つまり、曲率半径が小さい)マンホールにも適用され得ることは言うまでもない。要は、継手本体12の取り付け面は、継手本体12のサイズや継手本体12を形成する可撓性材料の種類など所定の条件に基づいて予め定めた、サイズの異なる複数のマンホールや枡の内壁面の最大曲率と最小曲率との間の範囲で曲げ変形可能である。また、合流式下水道のマンホールのみならず、分流式下水道のマンホール、および排水用の枡などに適用され得ることも勿論である。
【0059】
以下、この内副管継手10を、図11(a)に示す内径が600mmのマンホール160に設置する方法の一例を説明する。
【0060】
先ず、下水受部14の第1管壁18をマンホール160の内壁面162に沿うように変形させながら、上述したのと同じ要領で、第1管壁18の上端中央部が、流入管104の管底116より所定寸法下げた位置になるように位置決めする。
【0061】
このとき、下水受部14の第1管壁18(つまり、継手本体12の取り付け面)の曲率はマンホール160の内壁面162の曲率よりも小さいので、図11(b)に示すように、第1管壁18をマンホール160の内壁面162の曲率に合うように曲げ変形させることによって、マンホール160の内壁面162に沿わせる。
【0062】
そして、第1管壁18の挿通孔28にアンカーボルト110を挿通して、そのアンカーボルト110をマンホール160の内壁面162に締め付けるとともに、取付部32の(第2板部32bの)挿通孔34にアンカーボルト114を挿通して、そのアンカーボルト114をゴムブッシュ等の調整部材118を介してマンホール160の内壁面162に締め付けることにより、内副管継手10をマンホール160の内壁面162に固定する。
【0063】
さらに、上述の実施例では、上下方向に所定の間隔を隔てた2本の棒鋼を、一定間隔ごとに補助用棒鋼を溶接して上下に繋ぐことによって形成した補強部30を第2管壁20の内部に埋め込んだが、これに限定される必要はない。継手本体12の背面をその湾曲方向の全長に亘って補強することができるのであれば、補強部30の形状は特に問わない。たとえば、補強部30として、1本の棒鋼を第2管壁20の内部に埋め込むようにしてもよい。また、必ずしも補強部30を第2管壁20の内部に埋め込む必要はなく、接着または融着等により第2管壁20の外面に露出するように補強部30を固定してもよい。
【0064】
また、上述の実施例では、補強部30の両側端に溶接等によって別体の取付部32を固着させたが、これに限定される必要はない。補強部30と取付部32とを一体的に形成してもよい。たとえば、補強部30の両側端を第1管壁18と同じかそれよりもやや大きい曲率で延びる板状に突出させて、その部分を取付部32として利用するようにしてもよい。
【0065】
さらに、上述の実施例では、補強部30を鋼鉄や軟鉄などの金属によって継手本体12と別体として形成したが、これに限定される必要もなく、補強部30を継手本体12と一体的に形成するようにしてもよい。一例を挙げると、図示は省略するが、継手本体12の成形時に、第2管壁20の湾曲方向に沿ってその全長に亘るリブを形成しておき、そのリブを補強部30として機能させるようにしてもよい。この場合にも、リブの両側端を第1管壁18と同じかそれよりもやや大きい曲率で延びる板状に突出させて、その部分を取付部32として利用するようにしてもよい。
【0066】
また、上述の実施例では、略く字状に形成した第1板部32aおよび第2板部32bを固定部32cを介して補強部30の外面側に溶接等によって固着したが、これに限定される必要はない。たとえば、図示は省略するが、取付部32に固定部32cを形成せずに、取付部32を第1板部32aおよび第2板部32bによって略く字状に形成し、その第1板部32aを補強部30の内面側や外面側に溶接等によって固着させるようにしてもよい。
【0067】
さらに、上述の実施例では、取付部32の第2板部32bの挿通孔34にアンカーボルト114を挿通しマンホールや枡の内壁面に締め付けることによって、継手本体12をマンホールや枡の内壁面に取り付けたが、継手本体12をマンホールや枡の内壁面に取り付けることができるのであれば、必ずしも取付部32にアンカーボルトを挿通させてマンホールや枡の内壁面に締め付けるようにする必要はなく、取付部32の形状も特に問わない。
【0068】
さらにまた、継手本体12の上下方向に複数の補強部30ならびに取付部32を設けるようにしてもよい。
【0069】
また、上述の実施例では、第1管壁18の上端中央部より所定寸法下げた位置にアンカーボルト110を挿通させるための挿通孔28が形成され、さらに、下水受部14の上端22よりも所定寸法下げた位置に設けられた取付部32にアンカーボルト114を挿通させるための挿通孔34が形成された。
【0070】
しかしながら、これらの高低差は、マンホールの内壁面にアンカーボルト110,114を固定できない等の不具合が生じることがないように設けたものであるので、内副管継手10をマンホールや枡の内壁面に安定的に固定することが可能であれば、必ずしも挿通孔28を第1管壁18の上端中央部より所定寸法下げた位置に形成する必要はない。また、必ずしも挿通孔34を下水受部14の上端22より所定寸法下げた位置に形成する必要もない。
【0071】
要は、継手本体12の形状や、流入管104の管径、充填材112の厚み、第1管壁18の上端中央部と流入管104の管底116との高低差の所定寸法等の条件を勘案することによって、挿通孔28,34の形成位置を適宜決めるようにすればよい。
【0072】
さらに、上述の実施例では、内副管継手10をマンホール100の内壁面102に固定する際に、取付部32の挿通孔34に挿通したアンカーボルト114を調整部材118を介してマンホール100の内壁面102に締め付けたが、これに限定する必要はない。たとえば、取付部32を金属によって形成した場合に、取付部32の第2板部32bをマンホールや枡の内壁面に沿うように塑性変形させるのであれば、必ずしもアンカーボルト114を調整部材118を介してマンホール100の内壁面102に締め付ける必要はない。また、取付部32を可撓性を有する合成樹脂によって形成した場合に、取付部32の第2板部32bをマンホールや枡の内壁面に沿うように曲げ変形させるのであれば、必ずしもアンカーボルト114を調整部材118を介してマンホール100の内壁面102に締め付ける必要はない。
【0073】
さらにまた、内副管継手10の取付部34とマンホールの内壁面との間にカバー部材126を介在させるようにしてもよい。
【0074】
カバー部材126は、図12に示すように、流入管104から流入した下水に含まれるゴミなどがアンカーボルト114や、内副管継手10の取付部32とマンホール100の内壁面102との間に生じる隙間に付着、堆積するのを防止するためのものであり、ゴムカバー部128と、ゴムカバー部128をアンカーボルトに固定するための固定部130とを含む。ゴムカバー部128は、SBR(スチレンブタジエンゴム)やNBR(アクリロニトリルブタジエンゴム)等の合成ゴムによって矩形の板状に形成される。固定部130は、ステンレスまたは合成樹脂などの素材によって板状に形成され、ゴムカバー部128の一端に貼り付けられる。そして、ゴムカバー部128および固定部130には、アンカーボルト114を挿通させるための挿通孔132が形成される。
【0075】
このようなカバー部材126をアンカーボルト114に取り付ける際には、図12(a)に示すように、カバー部材126をその固定部130が下になるように配置して、内副管継手10の取付部32の挿通孔34に挿通させたアンカーボルト114を固定部130の挿通孔132に挿通し、さらにそのアンカーボルト114を調整部材118を介してマンホール100の内壁面102に締め付ける。それから、図12(b)に示すように、カバー部材126のゴムカバー部128をマンホール100中央側に折り込んで、ゴムカバー部128によってアンカーボルト114および内副管継手10の取付部32を上方から覆う。こうすることにより、流入管104から流入した下水に含まれるゴミなどが、ゴムカバー部128の表面上を流れて流出管106から流出するようになるので、作業者はマンホールの維持管理を容易に行うことができるようになる。
【0076】
なお、ここでは、内副管継手10を図9(a)に示すマンホール100の内壁面102に取り付ける場合について説明したが、図10(a)に示すマンホール150や図11(a)に示すマンホール160でも同様である。
【0077】
また、カバー部材126のゴムカバー部128を固定部130側の端部が薄くなるように形成しておくと、ゴムカバー部128によってアンカーボルト114および内副管継手10の取付部32を上方から覆うときに、ゴムカバー部128をマンホール100中央側に折り込み易くなるので、好適である。
【0078】
さらにまた、上述の実施例では、継手本体12の立管部16は鉛直方向に延びる短管円筒状(短管状)に形成され、その径は、たとえば200mmに設定されたが、これに限定される必要はない。立管部16は、差口構造を有していてもよいし、受口構造を有していてもよく、その大きさも、流入管の大きさに応じて適宜設定するとよい。
【0079】
一例を挙げると、図13−図18に示すこの発明の他の一実施例である内副管継手10は、図1の実施例における内副管継手10とサイズが異なるものである。以下、図1に示す内副管継手10と同様の部分については、同じ参照番号を用い、その説明を省略或いは簡略化する。
【0080】
図13に示すように、内副管継手10は、継手本体12を備え、たとえば合流式下水道のマンホール170の内壁面172に沿わせた状態で当該内壁面172に取り付けられる。なお、図13(a)に示すマンホール170は、たとえば、内径が1200mmのマンホールであり、流入管の管径は、たとえば1000mmである。
【0081】
図14−図17に示すように、継手本体12の下水受部14は、上端22から下端24に向かって徐々に縮径する上部開口の漏斗状に形成され、第1管壁18および第2管壁20を含んでいる。第1管壁18は、マンホール170の内壁面172の曲率と同程度の曲率で湾曲する。この実施例では、第1管壁18の曲率半径は、たとえば600mmである。第1管壁18の外面には、パッキン材26が貼りつけられている。また、第1管壁18およびパッキン材26には、内副管継手10の取り付け時にアンカーボルト110を挿通するための挿通孔28が形成される。挿通孔28は、第1管壁18の上端中央部より所定寸法、たとえば130mm下げた位置に形成されている。
【0082】
そして、第1管壁18の両側端を断面U字状に結ぶように、第2管壁20が形成される。この第1管壁18および第2管壁20によって、下水受部14は、上方からの平面視において、幅方向に長く奥行き方向に短い略楕円形状に形成される。たとえば、下水受部14の上端22の幅方向の長さは、たとえば660mmであり、下水受部14の上端22の奥行き方向の長さは、たとえば360mmである。
【0083】
第2管壁20には、補強部30が設けられる。補強部30は、たとえば鋼鉄や軟鉄、ステンレスなどの金属または合成樹脂によって帯状ないし棒状に形成され、第2管壁20の湾曲方向に沿ってその全長に亘って設けられる。
【0084】
そして、補強部30の両側端には、マンホール170に内副管継手10を固定するための取付部32がそれぞれ設けられる。この実施例では、取付部32の挿通孔34は、下水受部14の上端22より所定寸法、たとえば35−40mm下げた位置に設けられている。
【0085】
さらに、下水受部14の下端24には、立管部16が形成される。立管部16は、直管状の内副管112を接続する部分であり、この実施例では、鉛直方向に延びる短管円筒状(短管状)に形成される。立管部16の内径は、たとえば250mmである。
【0086】
このような内副管継手10を、マンホール170に取り付ける際には、図13に示すように、下水受部14の第1管壁(つまり、継手本体12の取り付け面)18がマンホール170の内壁面172と同程度の曲率を有しているので、第1管壁18をマンホール170の内壁面172に沿わせながら、上述したのと同じ要領で、第1管壁18の上端中央部が、流入管104の管底116より所定寸法、たとえば100mm下げた位置になるように位置決めする。
【0087】
さらに、このような内副管継手10は、継手本体12が可撓性を有しているので、上述したような、自身の取り付け面の曲率と同程度の曲率のマンホール100のみならず、自身の取り付け面よりも曲率が小さいマンホール、ならびに自身の取り付け面よりも曲率が大きいマンホールに取り付けることが可能である。
【0088】
たとえば、図18に示すように、マンホールが、内径が1800mmのマンホール180の場合には、下水受部14の第1管壁18がマンホール180の内壁面182よりも大きい曲率を有しているので、第1管壁18をマンホール180の内壁面182に沿うように変形させながら、上述したのと同じ要領で、第1管壁18の上端中央部が、流入管104の管底116より所定寸法、たとえば100mm下げた位置になるように位置決めするとよい。
【0089】
このように、この実施例においても、図1の実施例と同様に、サイズの異なる複数のマンホールの内壁面に対して、共通する内副管継手10を取り付けることが可能であるので、コストを低減することができる。しかも、部品点数が少ないことにより、内副管継手10のマンホールの内壁面への取り付け作業が容易になるので、施工性にも優れる。
【0090】
なお、上述の各実施例ではいずれも、下水受部14は、平面視で幅方向に長く奥行き方向に短い略楕円形状に形成された。しかし、これに限定されず、下水受部14は、平面視で円形状であってもよいし、方形状を含む多角形状であってもよい。
【0091】
また、上述の各実施例ではいずれも、FRP(繊維強化プラスチック)によって継手本体12を成形したが、これに限定される必要はなく、ポリエチレン、ポリプロピレン等の他の合成樹脂による射出成形、回転成形、ブロー成形等の方法によって継手本体12を成形するようにしてもよい。
【0092】
さらに、必ずしも継手本体12の全体をFRPを含むポリエチレンまたはポリプロプレン等の、可撓性を有する合成樹脂によって形成する必要はない。少なくとも継手本体12の、内壁面側に配置される取り付け面を可撓性を有する合成樹脂によって形成すれば(つまり、継手本体12の取り付け面が可撓性を有していれば)、それ以外の部分の材質は特に限定されない。たとえば、継手本体12の取り付け面と背面とを、それぞれ異なる合成樹脂によって形成するようにしてもよい。
【0093】
さらにまた、上述した径や高さ等の具体的数値は、いずれも単なる一例であり、必要に応じて適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0094】
10 …内副管継手
12 …継手本体
18 …第1管壁
20 …第2管壁
28,34 …挿通孔
30 …補強部
32 …取付部
100 …マンホール
102 …内壁面
114 …アンカーボルト
128 …カバー部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マンホールまたは枡の内壁面に沿わせた状態で当該内壁面に取り付けられる内副管継手であって、
合成樹脂からなり、少なくとも前記内壁面側に配置される取り付け面が可撓性を有する継手本体、および
前記継手本体に設けられ、前記継手本体を前記内壁面に取り付けるための取付部を備える、内副管継手。
【請求項2】
前記取り付け面は、所定の条件に基づいて予め定めたサイズの異なる複数のマンホールまたは枡の内壁面の最大曲率と最小曲率との間の範囲で曲げ変形可能な湾曲板状に形成される、請求項1記載の内副管継手。
【請求項3】
前記継手本体と一体または別体で形成され、前記継手本体の背面を補強する補強部をさらに備える、請求項1または2記載の内副管継手。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の内副管継手を施工した、マンホールまたは枡。
【請求項5】
前記取付部と前記内壁面との間に当該取付部を上方から覆うカバー部材が介在された、請求項4記載のマンホールまたは枡。
【請求項1】
マンホールまたは枡の内壁面に沿わせた状態で当該内壁面に取り付けられる内副管継手であって、
合成樹脂からなり、少なくとも前記内壁面側に配置される取り付け面が可撓性を有する継手本体、および
前記継手本体に設けられ、前記継手本体を前記内壁面に取り付けるための取付部を備える、内副管継手。
【請求項2】
前記取り付け面は、所定の条件に基づいて予め定めたサイズの異なる複数のマンホールまたは枡の内壁面の最大曲率と最小曲率との間の範囲で曲げ変形可能な湾曲板状に形成される、請求項1記載の内副管継手。
【請求項3】
前記継手本体と一体または別体で形成され、前記継手本体の背面を補強する補強部をさらに備える、請求項1または2記載の内副管継手。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の内副管継手を施工した、マンホールまたは枡。
【請求項5】
前記取付部と前記内壁面との間に当該取付部を上方から覆うカバー部材が介在された、請求項4記載のマンホールまたは枡。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−188840(P2012−188840A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−52324(P2011−52324)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(505142964)クボタシーアイ株式会社 (192)
【出願人】(000220675)東京都下水道サービス株式会社 (98)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(505142964)クボタシーアイ株式会社 (192)
【出願人】(000220675)東京都下水道サービス株式会社 (98)
【Fターム(参考)】
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