説明

内外気圧差解消装置

【課題】テコの原理を利用して、扉を開け難いという問題点を解消する。
【解決手段】扉に設けられた操作手段、扉の自由端部に設けられた箱体、該箱体の内部に設けられ、操作手段の操作力によりかつ付勢手段の付勢力に抗して水平移動すると共に、扉枠側の当接部に圧接する押圧部材とを備えた内外気圧差解消装置に於いて、押圧部材は、箱体のフロント又は後壁方向のいずれかにスライドする摺動制御体と、この摺動制御体の先端部にその内端部が連結手段を介して連結されていると共に、垂直軸を介して軸支されかつその先端部側に前記フロントから常に突出する係合先端部を有するスイング式押圧体とから成り、操作手段で前記扉を開けるときに、スイング式押圧体が水平方向に回転して差圧解消が行えることを特徴する内外気圧差解消装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力差のある空間を仕切る扉を容易に開けることができる内外気圧差解消装置に関し、例えばラッチ錠における内外気圧差解消装置に適合する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、本願発明と同様に、圧力差のある空間を仕切る扉を容易に開けることができる内外気圧差解消装置に関するものである。この特許文献1は、特に錠前を有する扉、空調室の扉等の用途を限定するものではないが、例えば扉に設けられた室外側の締まり金物(操作部材、裏・表の座金)で建物等の扉を開けると時に、前記締まり金物を構成するノブ、レバーハンドル等の操作部材を操作し、該操作力により、室外側の締まり金物を構成する表座金50の透孔部(貫通孔)53が、扉の外壁面に固定された裏座金40の透孔部(貫通孔)43に一致すると、扉の貫通孔30、室内側の締まり金物(操作部材、裏・表の座金)を介して室内外の差圧解消が行えるものである(符号は特許文献1のもの)。
【0003】
しかしながら、特許文献1は、裏・表の座金が必要であるのみならず、複数の透孔部(貫通孔)を水平ライン上に一致するように形成しなければならないと共に、美的外観や防災上の理由から、締まり金物の各透孔部(貫通孔)を大きく形成することができなかった。そのために、扉の閉扉時、瞬間的な差圧解消が行えないという問題点があった。
【0004】
以下の特許文献2等は、用途を「ラッチ錠」に限定した内外気圧差解消装置に関するものである。すなわち、特許文献2はラッチ錠における内外気圧差解消装置に関するもので、例えば図7と共に、その段落0037には、「こじ開けラッチ44が進出され、こじ開けラッチ44の傾斜面103が反力部材39の角部109に摺接すると、こじ開けラッチ44の傾斜面103が反力部材39の角部109から扉7を開方向へこじる反力を受け、この反力が扉7を開放する方向(扉開動方向)の助勢力となる。つまり、ラッチボルト65と同方向の移動動作から開動助勢力が分力として得られるようになる。このため、簡素かつ少ないスペースで、しかも、外部へ表出させることなく助勢力の発生機構が構成されている事項」が記載されている(符号は特許文献2のもの)。
【0005】
また、特許文献3も、ラッチ錠における内外気圧差解消装置に関するものである。この特許文献3に記載の内外気圧差解消装置も、特許文献2と同様に「ラッチ形態の突出杆」がラッチボルト或いはデッドボルトと同一方向へ直進して、いわば「扉をこじ開けるようにして」、扉自体に開放方向の反力の一部(分力)を与えようとするものである。
ところで、特許文献4には、ラッチ錠を構成するラッチ部材の一例として「ラッチボルト」を用いたものが記載されている。このラッチ錠のラッチボルトは、操作部材の操作力により回転する駆動カム(リトラクタ)の駆動腕により、ラッチバネのバネ力に抗して錠箱内に後退可能である(周知乃至自明事項)。
【0006】
また、特許文献5乃至特許文献7には、ラッチ錠を構成するラッチ部材の一例として「反転ラッチ」を用いたものが記載されている。これらの各特許文献には、基本的には「反転ラッチ」とプッシュ・プル式の操作部材の枢着基端部に設けられ、かつラッチ錠の錠箱に形成した窓を貫通する「作動突片」との間に、例えば該作動突片の位置変位によって回動する駆動カムと、該駆動カムと協働する連動機構を介して、又は連動機構を介さないで回転する単数又は複数のロッキングピースを介在させ、扉を開く際、前記プッシュ・プル式の操作部材を引く又は押すと、前記作動突片が水平方向又は垂直方向へ移動し、これにより前記駆動カムがラッチの仮施錠状態を解く方向へ所定量回転し、前記操作部材を把持した状態で扉を開くことができる(周知乃至自明事項)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3853495号
【特許文献2】特開2005−127044号
【特許文献3】特許第4034216号
【特許文献4】特開平9−151653号
【特許文献5】特開2001−227210号(特に、図4)
【特許文献6】特開2008−50864号(特に、図1)
【特許文献7】特開2008−280752号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本願発明の所期の目的は、扉に設けられた操作手段、扉の自由端部に設けられた箱体、該箱体の内部に設けられ、前記操作手段の操作力によりかつ付勢手段の付勢力に抗して水平移動すると共に、前記扉枠側の当接部に圧接する押圧部材とを備えた内外気圧差解消装置に於いて、「扉をこじ開けるようにして」、扉自体に開放方向に分力を与えようとするものではなく、テコの原理を利用して(異なる解決手段により)、扉を開け難いという問題点を解消することである。第2の目的は、箱体のフロント又は後壁方向のいずれかにスライドする摺動制御体を利用して、扉枠側の当接部に対するスイング式押圧体の圧接力を扉に対して十分に発揮させることである。第3の目的は、極力構成する部品を少なくし、錠箱内に簡単に組み込むことができることである。第4の目的は、実施例によっては、摺動制御体とこれに追動あるいは協働するスイング式押圧体がバラバラに成らず、確実に作動することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明の内外気圧差解消装置は、扉に設けられた操作手段、扉の自由端部に設けられた箱体、該箱体の内部に設けられ、前記操作手段の操作力によりかつ付勢手段の付勢力に抗して水平移動すると共に、扉枠側の当接部に圧接する押圧部材とを備えた内外気圧差解消装置に於いて、前記押圧部材は、前記箱体のフロント又は後壁方向のいずれかにスライドする摺動制御体と、この摺動制御体の先端部にその内端部が連結手段を介して連結されていると共に、垂直軸を介して軸支されかつその先端部側に前記フロントから常に突出する係合先端部を有するスイング式押圧体とから成り、前記操作手段で前記扉を開けるときに、前記スイング式押圧体が水平方向に回転して差圧解消が行えることを特徴とする。
【0010】
また、本願発明の内外気圧差解消装置は、扉に設けられた操作手段と、扉の自由端部に設けられた箱体と、該箱体の内部に設けられ、前記操作手段の操作力によりかつ付勢手段の付勢力に抗して水平移動すると共に、扉枠側の当接部に圧接する押圧部材とを備えた内外気圧差解消装置に於いて、前記押圧部材は、前記箱体のフロント又は後壁方向のいずれかにスライドする摺動制御体と、この摺動制御体の先端部にその内端部が被係合部を介して連係されていると共に、垂直軸を介して軸支されかつその先端部側に前記フロントから常に突出する係合先端部を有するスイング式押圧体とから成り、前記操作手段で前記扉を開けるときに、前記スイング式押圧体が水平方向に回転して差圧解消が行えることを特徴とする。なお、錠箱内に配設された摺動制御体用の付勢手段は、錠箱のフロント側又は後壁側のいずれか(所定方向)に付勢する。
【発明の効果】
【0011】
(a)特許文献1のように、室内外の気圧差を解消させる手段が、裏・表の座金に形成した小さな透孔部(貫通孔)ではなく、扉の縦方向の扉開閉端と扉枠の縦枠との間に生じる垂直ライン上の隙間なので、瞬時に室内外の気圧差を解消させることができる。また室外から押圧部材が見えないので、美的外観や防災に配慮する必要は全くない。
(b)スイング式押圧体の係合先端部の圧接力は、特許文献2、特許文献3等のような「直進方向に対する分力」とは成らず、略全て扉を開く方向に作用する反力と成るので、扉枠側の当接部に対するスイング式押圧体の圧接力を十分に発揮することができる。
(c)構成する部品が少ないので、錠箱内に簡単に組み込むことができる。また、スイング式押圧体と摺動制御体とが連結手段を介して連結されている実施形態の場合には、摺動制御体とこれに追動あるいは協働するスイング式押圧体がバラバラに成らず、確実に作動する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1乃至図13は本発明を、例えばラッチ錠に適用した場合の第1実施形態を示す各説明図。以下、同様で、図14は本発明の第2実施形態を示す説明図。図15乃至図17は本発明の第3実施形態を示す各説明図。図18乃至図22は、その余の実施形態を示す各説明図。
【図1】戸枠側の部材と扉側の部材を示す環境説明図。
【図2】錠箱を縦断面視した環境説明図(自明事項は省略)。
【図3】主要部の位置関係を示す平面視からの環境説明図。
【図4】主要部の側面視からの説明図。
【図5】主要部の平面視からの説明図。
【図6】主要部を構成するスイング式押圧体、摺動制御体等の分解斜視図。
【図7】図6のA−A線とB−B線断面図。
【図8】要部(扉枠側)の概略断面説明図。
【図9】図8の正面視からの概略説明図。
【図10】図8の10−10線断面図。
【図11】ラッチ部材の後退動の説明図(ラッチ部材が所要位置まで後退)。
【図12】図11の状態に於いて、スイング式押圧体等の作用の説明図。
【図13】平面視からの要部の流れを示す説明図。
【図14】本発明の第2実施形態を示す説明図。
【図15】第3実施形態の主要部の位置関係を示す平面視からの環境説明図。
【図16】平面視からの要部の作用を示す説明図。
【図17】平面視からの要部の流れを示す説明図。
【図18】本発明の第4実施形態を示す説明図。
【図19】本発明の第5実施形態を示す説明図。
【図20】本発明の第6実施形態を示す説明図。
【図21】第6実施形態の作用を示す説明図。
【図22】本発明の第7実施形態を示す説明図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1乃至図13は、用途例の代表的なものとして「ラッチ錠」を示す本発明の第1実施形態を示す各説明図である。なお、本発明はラッチ錠の構成を権利請求するものではなく、扉、望ましくは「開き扉」に適用される内外気圧差解消装置の新規構造を権利請求するものである。
【0014】
(1)環境部材
図1乃至図3を参照にして環境部材を説明する。なお、当業者にとって、デッドボルトの出没機構やラッチ部材に対する仮施錠用の係脱機構などの自明事項は省略する。
まず、本発明は、扉に設けられた操作手段、扉の自由端部に設けられた箱体、該箱体の内部に設けられ、前記操作手段の操作力によりかつ付勢手段の付勢力に抗して水平移動すると共に、扉枠側の当接部に圧接する押圧部材とを備えた内外気圧差解消装置を前提とするので、操作手段、箱体の一例としての錠箱、戸枠側の部材、扉側の部材等の環境部材を説明する。
【0015】
図1は戸枠側の部材と扉側の部材を示す環境説明図で、特に、扉7の外壁面と箱体としての錠箱8のフロント8aが見える斜視図である。この図に於いて、1は玄関扉用の扉枠で、この扉枠1の縦枠には錠受け2が縦方向に固定されている。錠受け2には、上方から順番にデッド受け穴3、ラッチ受け穴4、スイング式押圧体用の切欠部分5がそれぞれ形成されている。また扉枠1の縦枠には、戸当り6、前記錠受け2を取付けるための切欠状の凹所がそれぞれ形成されている(後述)。本発明の本質的事項ではないが、実施形態如何によって、前記戸当り6には、戸当り6と扉7との隙間をシールするパッキン(ガスケット)が適宜に設けられている。
【0016】
したがって、扉7が室外の方向に開動する開閉体であれば、室内側が負圧となることで、扉7の開閉端部7aの内側(図1では向こう側の内壁面)は、パッキンを介して又は介さないで戸当り6に押付けられる。
【0017】
一方、扉7の吊元と反対側の開閉端部7aには、ラッチ錠Xの錠箱8が内装されている。ここで「ラッチ錠」とは、ラッチボルトや反転ラッチと称されるラッチ部材を有する錠前のことで、デッドボルトのみを有する本締り錠を除く。したがって、ラッチボルトのみを有する空錠、ラッチボルト又は反転ラッチのいずれかを有すると共に、デッドボルトを持つ錠前(例えば玄関錠)は、ここでのラッチ錠Xに含まれる。
【0018】
図1で示すように、このラッチ錠Xの錠箱8の外壁面側(つまり扉7の室外側の面)には、外側操作部材の一例としてのレバーハンドル9が設けられている。また、扉7の室外側に鍵孔が表れるシリンダ錠10が設けられる。一方、扉7の室内側に内側操作部材の一例としてのレバーハンドル11が設けられている。また、シリンダ錠10の軸線上に位置するようにサムターン装置12が設けられている。
【0019】
そして、13は例えば外側操作部材9の操作力によって後退動するラッチ部材(本実施例では、ラッチボルト)、14は例えばシリンダ錠10の鍵孔に差し込まれた合鍵の操作力によって後退動するデッドボルトである。符号15は錠受け2に直交する扉枠1の縦枠の前面に固定される縦長状補強片で、この補強片15は縦枠に切欠凹所を形成するので、それを補強するためのものである。補強片15は発明の本質的事項ではない。
【0020】
上記構成に於いて、扉7が室外の方向に開動する開閉体であれば、室内側が負圧となることで、扉7の開閉端部7aの内側(図1では向こう側の内壁面)は、戸当り6に押付けられる。したがって、扉7を開け難いという問題点があり、それを解決するために「内外気圧差解消装置(主要部)」が設けられている。
【0021】
(2)本発明の主要部
本発明の内外気圧差解消装置は、例えばラッチ錠Xに適用することができる。本発明は、圧力差のある空間を仕切る扉を容易に開けることであるから、典型例としては、居住空間を仕切る建物の開き扉の自由端部に設けられた箱体に組み込まれる。
【0022】
基本的には、操作手段の具体的態様、入力側の駆動手段(例えば駆動カム、スライド片、クランクなど)の具体的構成態様、錠前のラッチ機構の具体的態様を問わず、箱体の一例としての錠箱乃至開き扉側に、操作手段と、駆動手段と、摺動制御体と、単数又は複数の付勢手段と、テコの原理を応用したスイング式押圧体が設けられ、一方、扉枠側に前記スイング式押圧体の先端部(係合先端部)が圧接する当接部が存在すれば良い。例えば図2で示すように、本発明の内外気圧差解消装置は、ラッチ錠Xの錠箱8に、操作手段9、11の操作力によって作動する駆動部材(例えば駆動カム)21と、その後端部が該駆動カム21の駆動腕21aと係合し、かつ該駆動腕21aの駆動力により錠箱8のフロント8a側へ付勢手段23の付勢力に抗してスライドする摺動制御体24と、この摺動制御体24の先端部にその内端部が連結手段25を介して連結されている共に、例えば角部に相当する中央部が前記錠箱8の扉の内壁面側の一側壁に垂直軸26を介して軸支され、かつ、先端部側に前記フロント8aから常に突出する係合先端部を有するスイング式押圧体27を、それぞれ組み込み、開扉時、前記操作手段9、11の操作力によって作動する前記駆動カム21及び摺動制御体24を介して前記スイング式押圧体27が扉枠側の当接部28に圧接すると、該圧接力は扉自体7を開く方向へ全て作用する。
【0023】
本発明の押圧部材は、箱体8のフロント8a又は後壁8b方向のいずれかにスライドする摺動制御体(24、24A、24B、24C)と、この摺動制御体の先端部にその内端部が連結手段(31,32)を介して連結され、或は係合手段(27a、24c)を介して連係していると共に、垂直軸26を介して軸支され、かつその先端部側に前記フロント8aから常に突出する係合先端部27bを有するスイング式押圧体(27、27A、27B、27C)とから成り、操作手段で扉7を開けるときに、前記スイング式押圧体が水平方向に回転して差圧解消が行えることを特徴とする。
【0024】
なお、入力手段を構成する操作手段は、例えば図1で示すレバーハンドルに限定されるものではなく、箱体8の外部から操作することができる部材であれば何でも良い。また、摺動制御体(24、24A、24B、24C)を箱体8のフロント8a又は後壁8b方向のいずれかにスライドさせる駆動手段は、直接部材又は間接的部材のいずれでも良い。さらに、摺動制御体をスライドさせる駆動手段は、回転カム等の回転式部材、クランク等のテコ式揺動部材、摺動制御体の嵌合部に遊嵌合する嵌合部材、摺動制御体の後端部に形成した傾斜状の受け面に対して上下方向から圧接する押圧カム手段等様々な駆動手段を採用することができる。
【0025】
(3)第1実施形態の各部材の具体的構成
例えば図2や図4を参照にして各部材の具体的構成を説明する。まず、ラッチ部材13の一例としてのラッチボルトの構成を説明する。ラッチ部材13は、例えば外側操作部材9の握り部が水平状態の場合には、その後端部と錠箱8の後壁との間に存在するラッチバネ17のバネ力により、係合先端部13aがフロント8aから突出する。突出状態の係合先端部13aは、図2で示す手前側にラッチ受け穴4に係止される係止面を有し、該係止面の反対側(図2で示す向こう側)に摺接傾斜面を有する。また、係合先端部13aの後端面には棒状のラッチ杆13bが一体的に設けられ、さらに、ラッチ杆13bの後端部には所定長の係合後端部13cが連設する。係合後端部13cは、ラッチバネ17を支持する端部に略垂直の受け面と、該受け面の下端から後方へ傾斜する逃がし用の下方傾斜面を有する左向台形形状の受け部18を有する(公知事項)。
【0026】
次に、駆動部材の一例としての駆動カム21を説明する。駆動カム21は、内外の操作部材の軸部を連結する角軸19が貫通する不番の筒状部分と、この筒状部分から半径外方向に延在する長い駆動腕21aと、この駆動腕とは略反対方向に延在する短い駆動腕21bとを有し、前記短い駆動腕21bは、その先端面が緩やかな谷形状乃至弧状に切欠され、その後端部側の縁部で前述した台形形状の受け部18を押し込んだ後に於いても、前記縁部が受け部18の逃がし用の下方傾斜面の下方へと位置変位することができる(公知事項)。
【0027】
一方、前記長い駆動腕21aは、駆動カム21が操作手段9、11の操作力によって回転し、その結果、前述した係合先端部13aがラッチ受け穴4から外れる寸前乃至外れた瞬間(操作者はその瞬間扉を開けようとするが)、その指先状先端部分で摺動制御体24の後端を付勢手段23のバネ力に抗して押し出すことが可能である(図2の仮想線参照)。
【0028】
次に、図6や図7を参照にして、本発明の主要部(摺動制御体24と、スイング式押圧体27)を説明する。摺動制御体24は、ラッチ部材13と同一方向に進退するように錠箱8内の下方空間に配設されている。本実施例の摺動制御体24は、図6で示すように、全体として「ピストル形態」の印象を受けるブロック体であるが、その左右の垂直側面の中央部には、錠箱8側の被案内部分(例えば水平溝、水平切欠など)と係合する案内部分(例えば水平突起、複数の突起、突片等)24aが設けられている。これにより、摺動制御体24は安定した状態で進退動する。また、摺動制御体24は、その上壁は水平面となっているが、下壁は後壁に至る方向に適宜段差状に切欠され、その後端部に相当する切欠面には付勢手段23の後端部を支持するバネ端支持突起24bが設けられている。さらに、その前壁の中央部には連結突片24cが設けられ、該連結突片24cには、連結手段(連結軸)31が貫通する非真円の連結孔32が形成されている。
【0029】
次に、スイング式押圧体27を説明する。スイング式押圧体27は、摺動制御体24の進退動に追動あるいは共働して水平方向へ所定量回転することができるように垂直軸26及び上下の軸受け部材33、33を介して錠箱8内のフロント8a付近に軸支されている。
【0030】
このスイング式押圧体27も前記摺動制御体24と同様にブロック体であるが、幅広後端部(内端部)27aは摺動制御体24の連結突片24cを挟むことができる連結部分27aと成っていると共に、錠箱の扉の内壁面側の角部の上下壁には、垂直軸(本実施例では上下の垂直突起)26、26を有している。
【0031】
すなわち、本実施例では、前述したようにスイング式押圧体27の幅広後端部27aは、摺動制御体24の先端部に連結軸31を介して連結されることから、前記内端部に扉7を開放する室外側乃至摺動制御体24側を指向する所要幅の切欠凹所35を形成し、この切欠凹所35に摺動制御体24の連結突片24cが嵌入した上で、前記内端部に形成した上下の連結孔36,36と前記連結突片24cの連結孔32に連結軸31を差し込んで、両者24、27を一体的に連結している。連結突片24cの連結孔32は非真円であることから、該非真円の連結孔32に連結軸31に遊嵌合している。
【0032】
ここで、図6の斜視図及び図7の横断面を参照にすると、幅広後端部27aに所要幅の切欠凹所35を形成することによって、該切欠凹所35は、連結孔36を有する上下の水平支持面と、この水平支持面と交差する複数の垂直面38a、38bを有し、前記垂直面38a、38bは、一応、人差し指状の先端部27b側の垂直面38aと、垂直軸37側の垂直面38bとに区分けすることができる。
【0033】
さらに、スイング式押圧体27は、例えば図3で示すように、錠箱8内に垂直軸26、26を介して軸支されると、操作部材を操作しない常態では、角部を形成する後側の縁辺aと、これに直交する扉枠側の当接部と対向する側の縁辺bは、錠箱8の幅広側壁の内壁面に対して略均等角度(例えば45度づつ)にそれぞれ交差している。また前記後側の縁辺aと交差する室外側の縁辺cは弧状乃至錠箱8の幅広側壁の内壁面に当接する垂直線と成り、さらに、前記扉枠側の当接部と対向する側の縁辺bと前記室外側の縁辺cは、先端部付近に至るにしたがって次第に幅が狭くなっている。そして、前述した人差し指状の先端部27bは、錠箱8のフロント8aから常に食み出している。
【0034】
なお、前述した下の軸受け部材33は、スイング式押圧体27用の軸受け機能の他、連結突片24cと対向する不番のバネ端支持部を有し、付勢手段23の先端部を支持する機能も有する。
【0035】
(4)扉枠側の当接部
図8は、要部(扉枠側)の概略断面説明図、図9は正面視からの概略説明図、図10は断面図である。これらの図を参照にして扉枠1側の当接部28を説明する。本実施例では、当接部28は、図1で示すように、デッド受け穴3及びラッチ受け穴4を有する「いわゆる1枚のストライク板」の裏側(例えばトロヨケ)に配設されているが、もちろん、設計如何によっては、周知のストライク板等と、当接部28を有する内外気圧差解消装置の受け具とは別体に成形されたものであっても良い。
【0036】
さて、この当接部28は、基本的には、錠受け2内に固定された支持ブラケット41と、これに軸支された垂直ローラ42とから成る。支持ブラケット41は、扉枠1に形成された切欠状の凹所43に固設され、この凹所43底面に対して、錠箱8のフロント8a(扉7の木口)に向かって延出するように構成される。垂直ローラ42はローラ垂直軸44を介して支持ブラケット41の先端に設けられている。前記支持ブラケット41が固設される凹所43は、錠受け2又は錠受け2とは別体の受け具の内部空間よりも深く、錠箱8のフロント8aより離間した位置を底面とする形状に構成されるとともに、扉7の開放方向側が開口した形状とされ、建物の扉枠1としては、室外側に向かう段部のように形成される。
【0037】
ところで、支持ブラケット41に支持された垂直ローラ42の位置は、例えば図3で示すように、フロント8a或いは摺動制御体24の中心線「O」上ではなく、室内側、具体的には、スイング式押圧体27の垂直軸26側にやや偏芯する位置とされている。これに対して、前記スイング式押圧体27の連結軸31は、前記中心線「O」よりも外側にやや偏芯する位置とされている。
【0038】
したがって、常態では、中心線「O」を挟んで、垂直ローラ42とスイング式押圧体27の前述した当接部と対向する側の縁辺bを有する垂直面側は所要間隔を有して対向している。
【0039】
(5)作用
図11乃至図13は、作用を示す各説明図である。図2では、ダルマ20及びデッドボルト14を仮想線で概略的に示したが、前記デッドボルト14は、周知のように、シリンダ錠10が施錠状態の場合には、錠箱8のフロント8aから突出する。また、操作部材の操作力により、ラッチボルト13が前記フロント8aから突出すると、図示しないラッチ規制手段(例えばラッチボルト13をロックする仮施錠機構)により、該ラッチボルト13は、その後退が阻止される。開扉時、普通一般に、操作手段を操作すると、前記仮施錠機構を構成するラッチ規制板やラッチ用のロックレバーが作動してラッチボルト13の規制が解除される。
【0040】
そこで、今仮に、図2で示す仮施錠状態から外側操作部材9を押し下げ、駆動カム21が時計方向へ回転すると、図11で示すように、駆動カム21の短い駆動腕21bの縁部がラッチボルト13の後端部の係合部18を押し付けるので、ラッチボルト13は駆動カム21の駆動力により、矢印で示すように錠箱8の後壁側へ後退する。そして、前記短い駆動腕21bの縁部が前記係合部18の下方に潜り込む寸前の所で、駆動カム21の長い駆動腕21aの先端部分の前面が摺動制御体24の後端面に当接する。
【0041】
次いで、外側操作部材9の操作力により前記駆動カム21がさらに時計方向に回転し続けると、図12及び図13で示すように、スイング式押圧体27は、その幅広後端部が中心線「O」よりも外側(室外)にやや偏芯する位置で摺動制御体24の先端部で押されることになるから、上下の垂直軸26、26を支点に、その指先状の突出先端部27aが支持ブラケット41の垂直ローラ42に接近する方向へ水平回転し、かつ、該垂直ローラ42にテコの原理で圧接する。そして、該圧接力に基づく反力は全て扉自体を開く方向へ作用する。これにより、扉7の扉開閉端7aと扉枠1との間に隙間が生じ、室内外の通気が行われて室内側の負圧がなくなり、室内が負圧となって開動に大きな力が必要となった扉7であっても、容易な開動が可能となる。
【実施例】
【0042】
この欄では、本発明を適用した他の実施形態を説明する(同一の構成部分には同一・同様の符号を付して重複する説明を割愛する)。第1実施形態に於いて、垂直軸26はスイング式押圧体27の角部に相当する中央部に設けられているが、角部に垂直軸26を設けることや該垂直軸26を可動軸にすること設計変更事項である。付言すると、垂直軸26を角部からやや離れた位置に設け、或いは上下の軸受け部材33、33の各軸孔を長孔、楕円等に形状して垂直軸26が多少位置変位するように、いわゆる権利範囲を回避するような設計変更をしたとしても、本発明の効果を得ることができる限り、これらの設計変更例は、本発明と実質的に同一である。
【0043】
また、第1の実施形態は、特許文献4と同様に、ラッチ錠を構成するラッチ部材13の一例として「ラッチボルト」を用いたものである。これに対して、図14は、ラッチ錠を構成するラッチ部材の一例として「反転ラッチ13A」を用いたものである(第2実施形態)。この反転ラッチ13Aと図示しない公知のプッシュ・プル式の操作部材とを組み合わせたラッチ錠X1の具体的構成は、特許文献4乃至特許文献6に見られるように、既に周知乃至自明事項なので、その詳細は割愛する。
【0044】
図14に於いて、51、51は錠箱8Aの側壁の上下に形成した窓、52、52はプッシュ・プル式の操作部材の枢着基端部に設けられ、かつ前記窓を貫通する上下の作動突片で、これらの上下の作動突片52、52は、駆動カム21Aの中心軸53を基準にして点対象の上下の位置に存在し、水平方向に移動可能である。21aは摺動制御体24の後端面を押し付ける駆動腕である。そして、54は駆動カム21Aに連動するように組み合わせられた上下一対のロッキングピースである。
【0045】
例えば図1、図14等の例示からも明らかなように、本発明は、操作手段の具体的構成態様、入力側の駆動手段(例えば駆動カム)の具体的態様、錠前のラッチ機構の具体的態様を問わず、箱体としての錠箱乃至開き扉側に、レバー式、プッシュ・プル式、ノブ式等の操作手段(19、11)と、該操作手段の操作力によって所定方向へ回転する駆動手段(21、21A)と、単数又は複数の付勢手段(23)と、摺動制御体(24)と、テコの原理を応用したスイング式押圧体(27)が設けられ、一方、扉枠1側に前記スイング式押圧体の先端部(係合先端部)が圧接する当接部(28)がそれぞれ存在している。
【0046】
なお、当接部(28)の垂直ローラをスイング式押圧体の突出先端部に設け、一方、前記当接部を非回転式の受け面に設計変更する事項は、均等の範囲内である。
【0047】
次に、図15乃至図17は本発明を適用した第3実施形態を示す各説明図である。これらの図に於いて、第1実施形態と異なる点は摺動制御体24Aとスイング式押圧体27Aの組み合わせ構成である。第1実施形態では、摺動制御体24の先端部に連結突片24cが形成され、該連結突片24cがスイング式押圧体27の後端部に形成した切欠凹所35に差し込まれた状態で連結手段31を介して一体的に連結されているが、第3実施形態では、必ずしも「連結手段31」を用いなくても良い旨を示している。
【0048】
すなわち、第3実施形態では、摺動制御体24Aの先端部を「押圧先端部(係合先端部)24c」とし、一方、スイング式押圧体27の後端部に形成した切欠凹所35を「被係合部(押圧先端部に押される部位)」としている。なお、この第3実施形態では、望ましくは、スイング式押圧体27Aは垂直軸26に巻装された復帰バネ29により初期位置へ戻るように付勢されている。このように構成しても本発明の目的・効果を得ることができる。
【0049】
次に、図18は本発明を適用した第4実施形態を示す説明図である。この第4実施形態が第1実施形態(図2、図4)と主に異なる点は、駆動カム21Bと摺動制御体24Bとの係合である。すなわち、21Bは第1実施形態の長い駆動腕(係合腕)に相当するピニオン部分で、該ピニオン部分21aは、駆動カム21Bの外周部の一部に設けられている。一方、24dは摺動制御体24Bの中央部乃至後端部の上面に突設され、前記ピニオン部分21aと係合(噛合)するラックである。
【0050】
この様に、駆動カム21Bと摺動制御体24Bとの係合を、ピニオンとラックに置換しても、第1実施形態と同一の目的を達成することができる。したがって、特に図示しないが、係合構造をクランクとレバーの組合せにしても、同様の目的を達成することができる。
【0051】
次に、図19は本発明を適用した第5実施形態を示す説明図である。この第5実施形態が第1実施形態と主に異なる点は、図14の第2実施形態と同様に、(a)ラッチ錠を構成するラッチ部材の一例として「反転ラッチ13A」を用いた点、(b)例えば実公平3−6773号記載のラッチ錠と同様の構成を、本発明の主要部に加味した点である。
【0052】
なお、実公平3−6773号に記載のラッチ錠の構成は、反転ラッチ用のロッキングピースの垂直部分が、互いに逆方向へ水平移動する作動板のいずれかに押されても、一対の前記ロッキングピースが同時に対称的に反転するものであるが、該仮施錠機構は周知事項であると共に、ラッチ部材13A用の仮施錠機構は本発明の限定要件ではないので、ここでは詳細な説明を割愛する。
【0053】
しかしながら、ラッチ部材13Aが反転ラッチの場合には、ラッチ錠は、望ましくは、プッシュ・プル式の操作部材を操作して前記反転ラッチ用のロッキングピース54の仮施錠を解きながら、扉の引き離し機構(ラッチ錠用の内外気圧差解消装置)を作動させるので、念のために反転ラッチ用の仮施錠機構を簡単に説明する。
【0054】
しかして、符号51は錠箱8Aの側壁の上部に形成した窓である。52、52はプッシュ・プル式の操作部材の枢着基端部に設けられ、かつ前記窓51を貫通する上下の作動突片で、これらの上下の作動突片52、52は、仮施錠機構を構成する駆動カム21Aの中心軸53を基準にして、駆動カム21Aの上方係合腕の方に存在し、プッシュ・プル式の操作部材の操作に対応して互いに異なる方向に移動可能である。また21aは摺動制御体24の後端面を押し付ける駆動カム21Aの駆動腕である。54は駆動カム21Aに連動する上下一対のロッキングピースである(図14と同様)。
【0055】
図20及び図21は、本発明を適用した第6実施形態を示す各説明図である。この第6実施形態が第1実施形態(図2、図4)と主に異なる点は、次の通りである。
(a)ラッチ錠用の内外気圧差解消装置、すなわち、開扉時における扉の引き離し機構は、ラッチ部材13よりも上方に配設されている点。
(b)内外気圧差解消装置を構成する摺動制御体24Bは、バネ受け後端部24eが、やや下方に突出状に延在し、駆動カム21Bの駆動腕21aを受ける係合受け部の機能を有する点。
(c)前記摺動制御体24Bを所定方向に付勢する付勢手段23Bが、摺動制御体24Bのバネ受け後端部24eと錠箱8Bの後壁8bの間に設けられている点。付言すると、付勢手段23Bは、摺動制御体24B及びスイング式押圧体27Bを、錠箱8Bのフロント8aから突出方向へと付勢している点。
(d)初期位置に於いて、スイング式押圧体27Bの係合先端部27bの突出量が大きい点。
(e)図21と図13の作用を比較すると明らかなように、逆パターン(スイング式押圧体27Bが回転しながら後退する方式)である点。すなわち、開扉時、駆動カム21Bの駆動腕21aが摺動制御体24Bのバネ受け後端部24eに当り、摺動制御体24Bが駆動カム21Bのさらなる回転により、付勢手段23Bのバネ力に抗して錠箱8Bの後壁8b側に後退すると、該摺動制御体24Bはスイング式押圧体27Bを引っ張ることになり、その結果、スイング式押圧体27Bは垂直軸26を支点にして矢印A方向へと回転して、その係合先端部27bが当接部28に衝突する。
【0056】
最後に、図22は本発明を適用した第7実施形態を示す説明図である。この第7実施形態は、図14の第2実施形態の付勢手段23の付勢方向を逆にしたパターン(スイング式押圧体27Cが回転しながら後退する方式)である。つまり、第6実施形態の逆パターンを図14の第2実施形態に応用したものである。
【0057】
したがって、摺動制御体24C用付勢手段23Cは、第6実施形態と同様に摺動制御体24Cのバネ受け後端部24eと錠箱8Cの後壁8bの間に設けられている点、付勢手段23Cは、摺動制御体24C及びスイング式押圧体27Cを、錠箱8Cのフロント8aから突出方向へと付勢している点、及び内外気圧差解消装置の作用は第6実施形態と全く同じである(図13の説明を援用する)。
【0058】
以上の様に構成しても、第1実施形態と同様に、スイング式押圧体の係合先端部の圧接力は、特許文献1等のような「直進方向に対する分力」とは成らず、略全て扉を開く方向に作用する反力と成るので、扉枠側の当接部に対するスイング式押圧体の圧接力を十分に発揮することができる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、例えば錠前及び建具の分野で利用される。
【符号の説明】
【0060】
1…扉枠、2…錠受け、X、X1…ラッチ錠、3…デッド受け穴、4…ラッチ受け穴、5…切欠部分、6…戸当り、7…扉、7a…開閉端部、8、8A、8B、8C…錠箱、8a…フロント、9…外側操作部材、10…シリンダ錠、11…内側操作部材、12…サムターン装置、13、13A…ラッチ部材、13a…係合先端部、14…デッドボルト、15…補強片、17…ラッチバネ、18…受け部、19…角軸、21、21A、21B…駆動カム、21a…長い駆動腕・ピニオン部分、21b…短い駆動腕、23、23B、23C…付勢手段、24、24A、24B、24C…摺動制御体、24c…連結突片、24d…ラック、25…連結手段、26…垂直軸、27、27A、27B、27C…スイング式押圧体、27a…幅広後端部(内端部)、27b…係合先端部、28…当接部、29…復帰バネ、31…連結軸、33…軸受け部材、41…支持ブラケット、42…垂直ローラ、43…切欠状凹所、51…窓、52…作動突片、54…ロッキングピース。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
扉に設けられた操作手段、扉の自由端部に設けられた箱体、該箱体の内部に設けられ、前記操作手段の操作力によりかつ付勢手段の付勢力に抗して水平移動すると共に、扉枠側の当接部に圧接する押圧部材とを備えた内外気圧差解消装置に於いて、前記押圧部材は、前記箱体のフロント又は後壁方向のいずれかにスライドする摺動制御体と、この摺動制御体の先端部にその内端部が連結手段を介して連結されていると共に、垂直軸を介して軸支されかつその先端部側に前記フロントから常に突出する係合先端部を有するスイング式押圧体とから成り、前記操作手段で前記扉を開けるときに、前記スイング式押圧体が水平方向に回転して差圧解消が行えることを特徴する内外気圧差解消装置。
【請求項2】
請求項1に於いて、スイング式押圧体が箱体の後壁方向にスライドする摺動制御体に引っ張られた場合には、該スイング式押圧体は復帰バネにより付勢され初期位置へ戻ることを特徴とする内外気圧差解消装置。
【請求項3】
扉に設けられた操作手段と、扉の自由端部に設けられた箱体と、該箱体の内部に設けられ、前記操作手段の操作力によりかつ付勢手段の付勢力に抗して水平移動すると共に、扉枠側の当接部に圧接する押圧部材とを備えた内外気圧差解消装置に於いて、前記押圧部材は、前記箱体のフロント又は後壁方向のいずれかにスライドする摺動制御体と、この摺動制御体の先端部にその内端部が被係合部を介して連係されていると共に、垂直軸を介して軸支されかつその先端部側に前記フロントから常に突出する係合先端部を有するスイング式押圧体とから成り、前記操作手段で前記扉を開けるときに、前記スイング式押圧体が水平方向に回転して差圧解消が行えることを特徴する内外気圧差解消装置。
【請求項4】
請求項3に於いて、スイング式押圧体が箱体の後壁方向にスライドする摺動制御体に引っ張られた場合には、該スイング式押圧体は復帰バネにより付勢され初期位置へ戻ることを特徴とする内外気圧差解消装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2013−104235(P2013−104235A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−249235(P2011−249235)
【出願日】平成23年11月15日(2011.11.15)
【出願人】(390037028)美和ロック株式会社 (868)