説明

内視鏡用アダプタ

アダプタとアダプタを含むキットが提供される。アダプタは、内視鏡に細長い医療デバイスを連結するように構成されている。アダプタは、内視鏡に連結する寸法及び形状とされた遠位端を有する第1の部分を含んでいる。第1の部分はそこを通って画定されている第1の開口部が含まれている。アダプタは、さらに第1の部分に連結可能な第2の部分を含み、該第2の部分を通って画定され、第1のルーメンに動作可能に連結可能である第2の開口部を含んでいる。第2の部分は、細長い医療デバイスがアダプタに連結されるとき、細長い医療デバイスのシャフトが第1の開口部と第2の開口部を通って内視鏡の中に遠位方向に伸長可能であるように、細長い医療デバイスの少なくとも一部分を収容する寸法及び形状とされた近位端部分にコネクタを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2009年4月29日に出願された米国仮出願第61/173、780号の利益を主張しており、この開示の全体を参照により本明細書に援用する。
【0002】
本発明は、一般的に内視鏡に挿入可能な細長い医療デバイスを収容するためのアダプタに関し、特に内視鏡の補助チャネルポートに連結するためのアダプタに関する。
【背景技術】
【0003】
内視鏡装置及び内視鏡治療は、内部器官を精密に検査することにより、様々な病態を診断、観察及び治療するために使用することができる。従来の内視鏡は、一般的には、体内部位の内部を可視化するためのデバイス及び1つ以上の治療デバイスを挿通するためのルーメンを有する器具である。一般的な分野の内視鏡に関して、広範囲に及ぶ応用が開発されてきたが、一例として、次のものが挙げられる。即ち、関節鏡、血管内視鏡、気管支鏡、総胆管鏡、結腸鏡、細胞鏡、十二指腸鏡、腸内鏡、食道胃−十二指腸鏡(胃カメラ)、腹腔鏡、喉頭鏡、鼻腔頭−ネプロスコープ(nasopharyngo−neproscope)、S状結腸鏡、胸腔鏡、及び尿管鏡(個別に及び集合的に、「内視鏡」)である。
【特許文献1】米国特許第6、976、955号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
幾つかの内視鏡装置では、体内部位の可視化は、ビデオカメラを用いて得られる。ビデオカメラは、手術器具又は手順を観察するための視野を提供する。また、医療用超音波は、外科的処置を視野内で監視するために使用されている。超音波内視鏡検査(EUS)は、生体組織の画像又はエコー源性面を作成するために高周波音波を利用している。超音波は、内視鏡の先端に位置する振動子から放射される。エコー源性面を有する外科用器具は超音波を反射し、内視鏡操作者が患者内のデバイスの位置を監視できるようにしている。
【0005】
幾つかの内視鏡治療では、医療デバイスは、内部器官にアクセスするために内視鏡に挿通される。例えば、針などの細長いデバイスを、診断と治療処置のために内視鏡の補助チャネルに挿通することができる。
【0006】
異なる会社によって製造された内視鏡は、細長い医療デバイスと連結するための補助チャネルのポートに異なる種類のコネクタを有する場合がある。補助チャネルのポートにおける異なる種類のコネクタにより、それぞれの細長い医療デバイスは、それぞれの異なる種類の内視鏡のための適切なコネクタを備えることを必要とする。様々な種類の細長い医療デバイスの多様さに対する様々なコネクタへの要求により、医療処置中に使用される内視鏡の種類に応じて、医療デバイスのさらなる品揃えの必要性を大幅に増大させている。増加した品揃えはまた、これらの医療処置に関連するコストも増加させる。
【0007】
任意の種類の内視鏡の補助チャネルのポートに一般的に連結可能なアダプタを有することが望ましく、該アダプタは内視鏡操作者によって選定される細長い医療デバイスを収容する寸法及び形状とされる部分を有している。
【課題を解決するための手段】
【0008】
従って、1つ以上の前述の欠点を解決又は改善する特徴を有する内視鏡用のアダプタを提供することが本発明の目的である。
【0009】
上記の目的は、細長い医療デバイスを内視鏡に連結するように構成されたアダプタを提供することにより、本発明の一態様で得られており、該アダプタと内視鏡は非互換性コネクタを有している。アダプタは、内視鏡に連結する寸法及び形状とされた遠位端を有する第1の部分を含んでいる。第1の部分はそこを通って画定されている第1の開口部が含まれている。アダプタは、さらに第1の部分に連結可能な第2の部分を含み、該第2の部分を通って画定され、第1の開口部に動作可能に連結可能である第2の開口部を含んでいる。第2の部分は、細長い医療デバイスがアダプタに連結されるとき、細長い医療デバイスのシャフトが第1の開口部と第2の開口部を通って内視鏡の中に遠位方向に伸長可能であるように、細長い医療デバイスの少なくとも一部分を収容する寸法及び形状とされた近位端部分にコネクタを有する。
【0010】
別の態様において、キットが提供される。キットは、パッケージに提供される少なくとも1つのアダプタを含んでいる。キットは、複数のアダプタを含めることができる。キットは、細長い医療デバイスを含んでもよい。
【0011】
別の態様では、アダプタが細長い医療デバイスを内視鏡に連結するために設けられ、細長い医療デバイス及び内視鏡は非互換性のコネクタを有している。アダプタは内視鏡に連結する形状とされた本体を有する第1の部分を有し、第1の部分はそこを通って画定された第1の開口部を有して、第1の部分の表面がコネクタのフランジの一部分に当接するように内視鏡のコネクタと横方向に係合可能である。アダプタは、第1の部分に連結可能な第2の部分を含み、該第2の部分を通って画定され、第1の開口部に動作可能に連結可能である第2の開口部を含んでいる。第2の部分は近位端部分にアダプタのコネクタを有し、該アダプタのコネクタは細長い医療デバイスがアダプタに連結されるとき、細長い医療デバイスのシャフトが第1の開口部と第2の開口部を通って内視鏡の中に遠位方向に伸長可能であるように、細長い医療デバイスの少なくとも一部分を収容する寸法及び形状とされている。
【0012】
本発明の利点は、例示として示され説明されている本発明の好ましい実施例の以下の記述から、当業者に、更に明らかになるであろう。理解されるように、本発明は他の、そして、異なった実施形態ができ、その詳細は様々な観点で変更ができる。従って、図面と説明は、事実上例示的なものとして見なされるべきであり、限定的なものとして見なされるべきでない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明によるアダプタの部分側面斜視図である。
【0014】
【図2】アダプタの第1の部分が部分的に内視鏡に連結されている図1に示すアダプタの部分側面斜視図である。
【0015】
【図3】アダプタが内視鏡に連結されている図1に示すアダプタの部分側面斜視図である。
【0016】
【図4】本発明によるアダプタの断面図である。
【0017】
【図5】図3に示すアダプタ及び細長い医療デバイスの部分側面斜視図である。
【0018】
【図6】図5に示すアダプタの部分側面斜視図であり、細長い医療デバイスが該アダプタに連結されている。
【0019】
【図7】図6に示すアダプタ及び医療デバイスの部分側面斜視図であり、医療デバイスの動きを示している。
【0020】
【図8】本発明による別のアダプタの部分側面斜視図である。
【0021】
【図9】図8に示すアダプタ及び細長い医療デバイスの部分側面斜視図である。
【0022】
【図10】本発明による、開いた位置にある状態の別のアダプタの部分側面斜視図である。
【0023】
【図11】図10に示す、閉じた位置にある状態のアダプタの部分側面斜視図である。
【0024】
【図12】本発明による別のアダプタの部分側面斜視図である。
【0025】
【図13】図12に示すアダプタの側面断面図である。
【0026】
【図14】本発明による別のアダプタの斜視図である。
【0027】
【図15】補助チャネルに密接に嵌合している図14に示すアダプタの斜視図である。
【0028】
【図16】アダプタが閉じられ、補助チャネルに連結された、図15に示すアダプタの斜視図である。
【0029】
【図17】本発明のアダプタと細長い医療デバイスを含むキットの上面図である。
【0030】
【図18】複数のアダプタを含むキットの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明は図面に関連付けて説明されており、図中、類似要素は類似の符号で示されている。本発明の様々な要素の関係及び機能は、以下の詳細な説明でより深く理解される。しかしながら、本発明の実施形態は図に描かれた実施形態に限定されるものではない。また、図は縮尺合わせされているわけではなく、場合によっては、本発明を理解する上で必要でない詳細事項、例えば従来通りの製作及び組み立ての詳細事項などは省略されていることを理解されたい。
【0032】
本明細書で使用する、近位及び遠位という用語は、患者に挿入する内視鏡及び細長い医療デバイスを操作する医師から見てのものであると理解すべきである。従って、遠位という用語は医師から最も遠いデバイスの部分を意味し、近位という用語は医師に最も近いデバイスの部分を意味する。
【0033】
図1は、本発明の実施形態によるアダプタ10を示す。アダプタ10は、内視鏡20に取り外し可能に連結できるように構成されている。アダプタ10は、第1の部分22と第2の部分24を含む。第1の部分22と第2の部分24は、互いに関して独立して可動性があってもよく、また互いに解放可能に連結可能であってもよい。
【0034】
図1に示すように、アダプタ10の第1の部分22は、内視鏡20の補助チャネル30のコネクタ28に連結することができる遠位端部分26を含む。遠位端部分26は、相補的にコネクタ28を係合する寸法及び形状とされている。遠位端部分26は、内視鏡と共に供与される内視鏡コネクタの種類に応じて様々な寸法と形状で提供することができる。非制限的実施例として、コネクタ28は図1に示すようにフランジ31と2つの平坦な側面33を有していてもよい。第1の部分22の遠位端部分26は、コネクタ28の平坦な側面33と嵌合するように構成されている、2つの相補的に対応する平坦な内部側面34を有している。スロット36がコネクタ28に被さって横方向にスライドできるように、遠位端部分26は、コネクタ28のフランジ31のリップと係合する寸法及び形状のスロット36と、遠位端部分26の壁内の開口部37をさらに有している。第1の部分22のスロット36は、アダプタ10をコネクタ28に対して長手方向に固定するように、アダプタ10を内視鏡20のコネクタ28に固定する。図4に示すように、ルーメン48が、第1の部分22を貫通して延在し、内視鏡20の補助チャネル30に動作可能に連結されている。
【0035】
図2は、内視鏡20のコネクタ28に連結された遠位端部分26と共にアダプタ10を示している。アダプタ10の第2の部分24は、内視鏡20にアダプタ10をさらに固定するために、アダプタ10の第1の部分22に対して移動することができる。第2の部分24は、当業者に公知の任意の機構、例えば、ねじ又はスナップ嵌合結合により、第1の部分22に対して固定することができる。図2に示すように、アダプタ10を内視鏡20のコネクタ28に軸線方向に固定するために、第1の部分22を被って第2の部分24をねじるように、(図4に示すように)第1の部分22は第2の部分24の雌ねじ68と合わせてねじることができる雄ねじ42を含む。ルーメン49は、第2の部分24を貫通して延在し、第1の部分22のルーメン48に動作可能に連結されている。
【0036】
図3は、第1の部分22を被って固定されたアダプタ10の第2の部分24を示している。第2の部分24は、開口部37が第2の部分24によって閉鎖されるように第1の部分22に係合しており、スロット36と平坦な側面33は、液体と空気が第1の部分22とコネクタ28の間の連結部から漏洩しないようにコネクタ28に押圧されている。
【0037】
内視鏡に固定される前のアダプタ10の断面図を図4に示す。第1の部分22と第2の部分24に加えて、第1の部分22との組み合わせで、アダプタ10内に配置し、コネクタ28に締め付けることができるシール60を、アダプタ10はさらに含んでもよい。液体が漏れないように、且つ必要なときに吸引が維持できるように、シール60は、コネクタ28に対してアダプタ10の密封を容易にしている。アダプタ10のルーメン49が内視鏡20の補助チャネル30に動作可能に連結できるように、チャネル67がシール60を貫通して設けられている。シール60は、第2の部分24の遠位側空洞壁66及び第1の部分22に当接する寸法及び形状とされてもよい。第2の部分24の雌ねじ68が第1の部分22の雄ねじ42を下方に締め付けるとき、第1の部分22のスロット36はコネクタ28に固く締まり、シール60は第1の部分22の中に摺動し且つコネクタ28の上端に固く締まる。
【0038】
当業者によって理解されるように、第1の部分22と第2の部分24のさらなる構成により、内視鏡20のコネクタ28と連結することができる。第1の部分22は、異なる種類のコネクタ28と相補的に係合するように変更されてもよい。例えば、コネクタ28が、図1に示す平坦化された側面を有する基部の代わりに突出フランジの下部に丸い基部を有する典型的なルアー型コネクタの場合には、アダプタ10の第1の部分22は、平坦化された側面33の代わりに丸くされた内部表面を有するスロット36を含むことができる。
【0039】
図3に示すように、アダプタ10のルーメン49が内視鏡20の補助チャネル30に連結するように、ルーメン49は、アダプタ10を貫通して延在し、且つコネクタ28内の(図1に示す)開口部40と動作可能に連結されている。アダプタ10は、内視鏡20に長手方向及び軸線方向に固定され、該アダプタを貫通して細長い医療デバイス50を収容できる状態になっている。細長い医療デバイス50は、通常内視鏡の補助チャネルを通して挿入される、どのような種類のデバイスであってもよい。アダプタ10の第2の部分24は、細長い医療デバイス50を収容する寸法及び形状とされる近位部分46の開口部44を含む。本発明のアダプタで使用できる細長い医療デバイスの典型的なタイプはマルチパートハンドルアセンブリ(multipart handle assembly)を有するエコー源性針である。本発明のアダプタでの使用に適した典型的なハンドルは、米国特許第6、976、955号に記載されている。典型的な針はエコチップウルトラ(Echotip Ultra)(登録商標)超音波内視鏡検査針(クックメディカル、インディアナ州ブルーミントン)である。
【0040】
図5に示すように、細長い医療デバイス50は、コネクタ28に固定されているアダプタ10を通して内視鏡20の中に挿入可能である。非限定的な例として、アダプタ10の近位端部分46における開口部44の中に延在するシャフト52と共に典型的な細長い医療デバイス50を示す。近位端部分46は、細長い医療デバイス50を内視鏡20の補助チャネル30の中で正しい方向を向くように、開口部44の中に突出し、且つ細長い医療デバイス50の一部分のキー溝58と嵌合するように構成されている、方向を合わせるキー56を含むことができる。幾つかの実施形態では、アダプタ10はキー溝とキーが設けられた細長い医療デバイスを備えることができる。
【0041】
アダプタ10は、アダプタ10に細長い医療デバイス50の少なくとも一部分を固定するための近位端部分46に、固定部72をさらに備えることができる。細長い医療デバイス50の遠位端が手技を実行する(図示せず)ために内視鏡の遠位端から抜け出て伸長することができるように、細長い医療デバイス50の追加の部分がアダプタ10と内視鏡20に対して長手方向に移動可能であってもよい。図5に示すように、アダプタ10の遠位端部分46はある種の固定部72として、アダプタ10から半径方向外側に伸張するフランジ74を含めることができる。細長い医療デバイス50は、アダプタ10に細長い医療デバイス50を固定するために、1つ以上のクリップ78などの対応する固定部76を含んでもよい。
【0042】
図6及び7は、内視鏡20に固定されているアダプタ10に固定された細長い医療デバイス50を示している。シャフト52は、アダプタ10のルーメン48を通って内視鏡20の補助チャネル30に延在している。細長い医療デバイス50は、シャフト52を作業チャネル30を通って長手方向に移動させるように操作することができるハンドル82を含む。ハンドル82、又はその各部は、さらに細長い医療デバイス50がアダプタ10に固定され、医療デバイス50のクリップ78がアダプタ10のフランジ74に固定された状態で、アダプタ10に対して回転させることができる。図7に示すように、ハンドル82の回転により、シャフト52の長手方向の移動が可能になる。加えて、方向を合わせるキー56及びキー溝58が含まれている場合、ハンドル82が回転可能であり、細長いデバイス50が長手方向に移動可能である一方、アダプタ10内で及び内視鏡20に対して細長い医療デバイス50のシャフト52が軸線方向を維持している。
【0043】
本発明のアダプタの別の実施形態が図8及び9に示されている。図8は、第1の部分122と第2の部分124を有するアダプタ110を示している。上記アダプタ10と同様に、第1の部分122は相補的に内視鏡20のコネクタ28を係合する寸法及び形状とされている。第1の部分122は内視鏡の製造者に応じて特定のコネクタ形状に相補的に係合する寸法及び形状とされている。第1の部分122は、上記のアダプタ10と同様の方法でコネクタ28に固定されている。
【0044】
アダプタ110は、上記アダプタ10と同様の内視鏡20のコネクタ28に第1の部分122をさらに固定するために構成された第2の部分124を有する。近位端部分146には、ハンドル82の一部分84をアダプタ110に固定するために、(図9に示す)細長い医療デバイス50のハンドル82と嵌合するように設計されているアダプタ110の別の固定部172を示している。後述するように、キー又はキー溝を医療デバイスを回転方向に向かわせるために備えることもできる。固定部172は、アダプタ10の中に細長い医療デバイス50を固定するために、ハンドルの一部分84に押し付ける回転可能なつまみねじであってもよい。アダプタ110はまた、細長い医療デバイス50の、ハンドルの一部分84がアダプタ110の中にどこまで延在しているを示す数値マーキングなどの部分を視認する側壁開口部175を含むことができ、その結果、内視鏡20に対する細長い医療デバイス50の位置を示す。
【0045】
アダプタ10の第2の部分24と同様に、第2の部分124は、内視鏡20に対して細長い医療デバイス50を回転方向に向けるために、キー156又はキー溝158の一方を備えることができる。アダプタ110が内視鏡20に固定されるときに、上記アダプタ10と同様に、第1の部分122と第2の部分124は、そこを通って延在し、内視鏡20の補助チャネル30に動作可能に連結しているルーメン148、149を備えている。図9に示すように、医療デバイス50のシャフト52は、ルーメン149を貫通して内視鏡20の補助チャネル30に延在する。一旦、ハンドルの一部分84が、アダプタ110の遠位端部分146に配置され、且つキー156とキー溝158が細長い医療デバイス50の一部分に方向を合わせるように嵌合されると、固定部172は、ハンドルの一部分84に対して締め付けることができる。固定部172をハンドルの一部分84に締め付けるとき、ハンドル82の一部分が回転し、細長いデバイス50のシャフト52が内視鏡20に対して長手方向に移動可能である一方、細長い医療デバイス50のシャフト52は、アダプタ110内で及び内視鏡20に対して軸線方向を保持する。
【0046】
図10と11は、本発明のアダプタの別の実施形態を示している。第1の部分222と第2の部分224を有するアダプタ210が図10に示されている。第1の部分222は内視鏡20のコネクタ28を相補的に係合するように構成されている。第1の部分222は、間に開口部248を有する一対の柔軟性のある脚226を有している。アダプタ210が内視鏡20のコネクタ28に固定することができるように、脚226は、コネクタ28のフランジ31の下に、及びコネクタ28の周りに摺動するのに十分な柔軟性がある。図10に示すように、アダプタ210の第2の部分224は、ヒンジ228によって第1の部分222に連結することができる。或いは、第2の部分224は第1の部分222から独立して設けてもよい。アダプタ210は、第1の部分222がコネクタ28を被って摺動できるように、ヒンジ228を開いた状態で提供することができ、また、第2の部分224は、フランジ31が第1の部分222と第2の部分224の間に固定されるように、コネクタ28及び第1の部分222に閉じ具230によって固定することができる。幾つかの実施形態では、閉じ具230は、第1の部分222と一体に形成され、アダプタ210をコネクタ28に固定するために第2の部分224にスナップ嵌合する。或いは、閉じ具230は、第1の部分222を第2の部分224と共に及びコネクタ28に固定する、別個の部品として設けてもよい。
【0047】
図11に示すように、第2の部分224は、コネクタ28のフランジ31を収容し、且つコネクタ28に対してシールを形成する寸法及び形状とされている陥凹部232を備える。上記実施形態と同様に、別個のシール部材を設けてもよい(図示せず)。第2の部分224は、第2の部分224を貫通して延在し、内視鏡20の補助チャネル30の開口部40に動作可能に連結しているルーメン249への開口部244を含んでいる。細長い医療デバイスをアダプタ210に容易に連結するために、ルアータイプコネクタ250を開口部244に設けることができる。所望の細長い医療デバイスと連結する任意のタイプのコネクタ250をアダプタ210の第2の部分224に設けてもよい。細長い医療デバイスのシャフトが、開口部244及び40を通って補助チャネル30に延在するように、細長い医療デバイスをアダプタ20のコネクタ250に連結することができる。
【0048】
図12及び13は、本発明のアダプタの別の実施形態を示している。第1の部分322と第2の部分324を有するアダプタ310を図12に示す。第1の部分322は内視鏡20のコネクタ28のフランジ31を相補的に係合するように構成されている。第1の部分322は、コネクタ28を越えて拡張し、次にコネクタ28のフランジ31の下で元の構成に戻り、且つスナップ嵌合するために、外側に拡張するのに十分な可撓性を有する柔軟性のある脚326を含む。図13に示すように、アダプタ310はコネクタ28及び内視鏡20に固定されている。
【0049】
図13に示すように、アダプタ310は、コネクタ28のフランジ31を収容する寸法及び形状とされ、且つコネクタ28に対して密封するシール334を有する陥凹部332を含んでいる。シール334をアダプタ310の一体部分として設けることができる。或いは、シール334は、別個の部品として設けることができる。第2の部分324は、第2の部分324及びシール334を貫通して延在し、且つ内視鏡20の補助チャネル30の開口部40に動作可能に連結しているルーメン349の開口部344を含んでいる。第2の部分324は、単一のアダプタ310を提供するために、第1の部分322と一体に形成されてもよい。細長い医療デバイスをアダプタ310に容易に連結するために、ルアータイプコネクタ350を開口部344に設けることができる。所望の細長い医療デバイスと容易に連結する任意のタイプのコネクタ350をアダプタ310の第2の部分324に設けてもよい。細長い医療デバイスのシャフトが、開口部344、シール334及び開口部40を通って補助チャネル30に延在するように、細長い医療デバイスをアダプタ20のコネクタ250に連結することができる。
【0050】
図14、15及び16は、本発明のアダプタの別の実施形態を示している。第1の部分422及び第2の部分424を有するアダプタ410を図14に示す。第1の部分422は内視鏡20を相補的に係合するとともに、ステム部分29の周囲及び補助チャネル30のコネクタ28のフランジ31の下に嵌合するように構成されている。第1の部分422は、第1の部分422を通って延在し、内視鏡20の補助チャネル30と密接に嵌合する寸法及び形状とされている本体部分423によって画定される開口部448を有している。第1の部分422の表面435がコネクタ28のフランジ31の下に摺動するように、第1の部分422は内視鏡20の補助チャネル部分に横方向に摺動する構成とされている。上述のように、幾つかの内視鏡20では、コネクタ28はステム部分29に平坦な側面を設けることができる。内視鏡20に応じて、平坦な側面部分は異なる向きであってもよい。アダプタ410の第1の部分422の開口部448は、平坦な側面部分の向きに関係なく、第1の部分422の本体部分423が、補助チャネル30を抱き挟み、コネクタ28のステム部分29に嵌合することを可能にしている。第1の部分422は、内視鏡20にアダプタ410を保持するために、コネクタ28のフランジ31の下に収まる寸法及び形状とされている表面435をさらに有している。図15に示すように、第1の部分422が補助チャネル30に密接に取り付けられているとき、コネクタ28は開口部448を貫通して延在し、フランジ31は表面435の一部分に拡張している。また、後述するように、第1の部分422は、第2の部分424を閉じ且つ固定するために、閉じ具430を備えていてもよい。閉じ具430は、一対の柔軟性のある脚426によって本体部分423に連結してもよい。
【0051】
図14及び15に示すように、アダプタ410の第2の部分424は、ヒンジ428によって第1の部分422に連結することができる。或いは、第2の部分424は、第1の部分422から独立して設けても、或いは当業者に公知の任意の手段によって連結されてもよい。第1の部分422が、フランジ31の下でコネクタ28の一部分29を越えて横方向に摺動可能となり、次に、閉じ具430が対応する第2の部分424の閉じ具431に連結されることによって、第2の部分424がコネクタ28に被さって第1の部分422に固定することができるように、アダプタ410は開いた位置の状態のヒンジ428を設けてもよい。フランジ31は、アダプタ410の第1の部分422と第2の部分424との間に固定される。幾つかの実施形態では、閉じ具430は、第1の部分422と一体に形成され、アダプタ410を補助チャネル30のコネクタ28に固定するために第2の部分424の閉じ具431にスナップ嵌合する。或いは、閉じ具430は、第1の部分422を第2の部分424と共に及びコネクタ28に固定する、別個の部品として設けてもよい。また、第2の部分424は、第1の部分の第2の部分への閉鎖を容易にするために、把持部材440を有してもよい。
【0052】
図14に示すように、第2の部分424は、コネクタ28を収容し、且つコネクタ28に対してシールを形成する寸法及び形状とされている陥凹部432を備える。前述の実施例と同様に、別個のシール部材434を、細長い医療デバイスが該シール部材434を貫通できるようにするために、また流体や汚染物のアダプタ410への出入りを防止するために設けてもよい。第2の部分224は、中にシール434を有する第2の部分424を貫通して画定され、内視鏡20の補助チャネル30の開口部40に操作可能に連結している開口部444を有している。細長い医療デバイスをアダプタ410に容易に連結するために、ルアータイプコネクタ450を開口部444に設けることができる。所望の細長い医療デバイスと連結する任意のタイプのコネクタ450をアダプタ410の第2の部分424に設けてもよい。細長い医療デバイスのシャフトが、開口部444及び40を通って補助チャネル30に延在するように、細長い医療デバイスをアダプタ410のコネクタ450に連結することができる。図16は、補助チャネル30の一部分29に固定されたアダプタ410と、第1の部分422に固定された第2の部分424と、それらの間のフランジ31とを示している。細長い医療デバイスは、コネクタ450及び開口部444に挿通されたデバイスに連結してもよい。細長い医療デバイスを挿通することができるように、且つ液体が漏れないようにシールを設けることができる。
【0053】
また、本明細書に記載されたアダプタはキット100に納めることができる。キット100は、無菌又は非無菌部品を備えることができる。図17に示すように、少なくとも1つのアダプタ10が、パッケージ90を有するキット100の中に細長い医療デバイス50と共に納められていてもよい。幾つかの実施形態では、キット100は、細長い医療デバイス50の有無にかかわらず、複数のアダプタ10を納めることができる。キット100の複数のアダプタ10には、単一の第1の部分22及び複数の異なる形状の第2の部分24を含めることができる。或いは、キット100の複数のアダプタ10には、単一の第2の部分24を有する複数の異なる形状の第1の部分22を納めることができる。幾つかの実施形態では、キット100には、複数の第1の部分22と複数の第2の部分24を有する複数のアダプタ10を含めることができる。複数のアダプタが細長い医療デバイスと共にキット100に納められている場合、各アダプタ10は、キット100に納められた医療デバイス50を相補的に係合するように構成された近位端部分26を有する第2の部分24を含む。各アダプタ10は、異なるタイプの内視鏡と嵌合できる異なる構成の第1の部分22a、22bが設けられていてもよい。例えば、第1の端部22aは、コネクタが一対の平坦な側面を含む内視鏡のコネクタを相補的に係合するように構成することができる。第1の端部22bは、丸みを帯びた基部を有する内視鏡のコネクタを、典型的なルアーコネクタなどのフランジで相補的に係合するように構成することができる。キット100は、医療デバイス50を医師が好む任意の内視鏡と共に使用することができるように、アダプタ10の複数の異なる構成の第1の端部22を備えることができる。キット100はまた、複数のアダプタ10を備えて、医療デバイスなしで提供されてもよい。アダプタ10は、異なる構成の第1の部分22と第2の部分24を有していてもよい。図18に示すように、キット100は、滅菌キットの状態で提供することができるパッケージ92及び複数の第1の部分22a、22b、22c及び複数の第2の部分24a、24b、24cを含んでいる。また、キットは、非滅菌であってもよい。第1の部分22a、22b、22c及び第2の部分24a、24b、24cは、一般的なアダプタ10を提供するために、任意の第1の部分が任意の第2の部分に係合するように互換性があってもよい。或いは、すでに連結又は一体的に連結されている第1及び第2の部分を有する複数の異なる構成のアダプタを提供してもよい。
【0054】
上記の図及び開示は例示であり網羅的なものではないことを意図している。本説明は、当業者に多くの変形物と代替物を示唆するであろう。このような変形物及び代替物の全てが、添付の特許請求の範囲内に包含されることが意図されている。当業者は本明細書に記載した特定の実施形態に対する他の等価物を認識することができ、該等価物はまた添付の特許請求の範囲によって包含されることを意図している。本発明は、例えば、摺動可能なハンドルとシャフトを有する医療用デバイスを用いて、例示目的だけのために説明されている。任意の他の細長い医療デバイスへの本発明の原理の応用は、当該分野の通常技術内のものであり、添付の特許請求の範囲内に包含されることが意図されている。
【符号の説明】
【0055】
10、110、210、310、410 アダプタ
22、22a、22b、22c、122、222、322、422 第1の部分
24、24a、24b、24c、124、224、324、424 第2の部分
26 遠位端部分
28、450 コネクタ
29 ステム部分
30 補助チャンネル、作業チャネル
31 フランジ
34 平坦な内部側面
36 スロット
37、40、44、244、248、344、444、448 開口部
42 雄ねじ
46、146 近位部分、近位端部分
48、49、149、249、349、344 ルーメン
50 細長い医療デバイス
52 シャフト
56、156 キー
58、158 キー溝
60、334、434 シール
66 遠位側空洞壁
67 チャネル
68 雌ねじ
72、76、172 固定部
78 クリップ
82 ハンドル
84 ハンドルの一部分
90、92 パッケージ
100 キット
175 側壁開口部
226 柔軟性のある脚
228、428 ヒンジ
230、430、431 閉じ具
232、332 陥凹部
250、450 ルアータイプコネクタ
326 脚
423 本体部分
434 シール部材
435 表面
440 把持部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長い医療デバイスを内視鏡に連結するためのアダプタであって、前記細長い医療デバイス及び前記内視鏡は非互換性のコネクタを有し、前記アダプタは、
内視鏡に連結する寸法及び形状とされた遠位端を有し、該遠位端を通って画定された第1の開口部を有する第1の部分と、
前記第1の部分に連結可能であり、前記第2の部分を通って画定された第2の開口部を含み、前記第1の開口部に動作可能に連結可能である第2の部分であって、前記第2の部分は近位端部分にコネクタを有し、前記コネクタは、前記細長い医療デバイスが前記アダプタに連結されるとき、前記細長い医療デバイスのシャフトが前記第1の開口部と前記第2の開口部を通って前記内視鏡の中に遠位方向に伸長可能であるように、前記細長い医療デバイスの少なくとも一部分を収容する寸法及び形状とされている第2の部分と
を備えているアダプタ。
【請求項2】
前記第1の部分と前記第2の部分が別個の連結可能な部分である、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項3】
前記第1の部分がねじ面を有し、前記第2の部分が前記第1と第2の部分を前記第1の部分のねじ面で共に固定するために嵌合するねじ面を有する、請求項2に記載のアダプタ。
【請求項4】
前記第1の部分と前記第2の部分が蝶番連結され(hingedly connected)ている、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項5】
前記第2の部分と前記内視鏡の間に配置可能なシールをさらに備えている、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項6】
前記第1の部分が前記内視鏡の補助チャネルの外側部分に横方向に係合する寸法及び形状とされた本体部分を含む、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項7】
前記第1の部分が前記内視鏡の前記コネクタのフランジに係合するように構成された表面を有し、前記フランジが前記第1の部分と前記第2の部分の間に配置されている、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項8】
前記第1の部分が前記第2の部分に前記第1の部分を固定する閉じ具部材を備える、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項9】
内視鏡に細長い医療デバイスを連結するためのキットであって、
内視鏡に連結する寸法及び形状とされた遠位端を有し、該遠位端を通って画定された第1の開口部を有する第1の部分と、
前記第1の部分に連結可能であり、前記第2の部分を通って画定された第2の開口部を含み、前記第1の開口部に動作可能に連結可能である第2の部分であって、前記第2の部分は、前記細長い医療デバイスが前記アダプタに連結されるとき、前記細長い医療デバイスのシャフトが前記第1の開口部と前記第2の開口部を通って前記内視鏡の中に遠位方向に伸長可能であるように、前記細長い医療デバイスの少なくとも一部分を収容する寸法及び形状とされた近位端部分にコネクタを有する第2の部分と
を備えるアダプタと、
前記アダプタを同封するためのパッケージと
を備えるキット。
【請求項10】
前記パッケージに納められた細長い医療デバイスをさらに含む、請求項9に記載のキット。
【請求項11】
内視鏡に細長い医療デバイスを連結するためのアダプタであって、前記細長い医療デバイス及び前記内視鏡は非互換性のコネクタを有し、前記アダプタは、
内視鏡に連結する形状とされた本体を有する第1の部分であって、前記第1の部分はそこを通って画定された第1の開口部を有して、前記第1の部分の表面が前記コネクタのフランジの一部分に当接するように前記内視鏡の前記コネクタと横方向に係合可能である第1の部分と、
前記第1の部分に連結可能であり、前記第2の部分を通って画定される第2の開口部を含み、前記第1の開口部に動作可能に連結可能である第2の部分であって、前記第2の部分は近位端部分にアダプタのコネクタを有し、前記アダプタのコネクタは、前記細長い医療デバイスが前記アダプタに連結されるとき、前記細長い医療デバイスのシャフトが前記第1の開口部と前記第2の開口部を通って前記内視鏡の中に遠位方向に伸長可能であるように、前記細長い医療デバイスの少なくとも一部分を収容する寸法及び形状とされている第2の部分と
を備えているアダプタ。
【請求項12】
前記第2の部分と前記内視鏡の間に配置可能なシールをさらに備えている、請求項11に記載のアダプタ。
【請求項13】
前記第1の部分と前記第2の部分が前記コネクタに接し、且つ前記内視鏡に前記アダプタを固定するように、前記第1の部分と前記第2の部分を連結しているスナップ嵌合の閉じ具部材をさらに備えている、請求項11に記載のアダプタ。
【請求項14】
前記開口部が、前記本体の側面と前記内視鏡に横方向に係合する寸法及び形状とされた前記開口部を通って画定されている、請求項11のアダプタ。
【請求項15】
前記本体と閉じ具部材との間に延在するアームであって、該アームを通って前記内視鏡コネクタを横方向に収容するために離れて配置されたアームをさらに備える、請求項11に記載のアダプタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公表番号】特表2012−525219(P2012−525219A)
【公表日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−508564(P2012−508564)
【出願日】平成22年4月26日(2010.4.26)
【国際出願番号】PCT/US2010/032398
【国際公開番号】WO2010/126824
【国際公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(511152957)クック メディカル テクノロジーズ エルエルシー (76)
【氏名又は名称原語表記】COOK MEDICAL TECHNOLOGIES LLC
【Fターム(参考)】