説明

内視鏡用オーバーチューブ

【課題】体内への内視鏡の挿入を容易にするために用いられる内視鏡用オーバーチューブにおいて、マウスピースの筒状部の径を小さくすることができ、且つマウスピースとオーバーチューブとの連結が確実で容易なものとする。
【解決手段】内視鏡2を内挿自在なチューブ本体3と、チューブ本体3の基端に設けられたグリップ4と、チューブ本体3を内挿自在な筒状部51と筒状部51の基端に設けられたフランジ52とを有するマウスピース5と、グリップ4の外周面に設けられた付勢手段42により径方向に付勢されると共に径方向に突出する凸部を有するフック43と、フランジ52の基端面に設けられ、チューブ本体3をマウスピース5の筒状部51に内挿させた状態で、フック43と係合自在な係合部53とを備え、付勢手段42が付勢力に抗して押圧されることにより、フック43と係合部53との係合が解除される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体内への内視鏡の挿入を容易にするために用いられる内視鏡用オーバーチューブに関する。
【背景技術】
【0002】
経口的内視鏡検査や手術等を行う場合には、内視鏡を案内する内視鏡用オーバーチューブ(以下、オーバーチューブという。)を患者の口から挿入すると共に、患者の歯によりオーバーチューブや内視鏡等が噛まれない様にマウスピースが用いられる。
【0003】
ここで、オーバーチューブから一旦内視鏡を抜き去る際に、内視鏡とオーバーチューブとが接触してオーバーチューブも内視鏡と一緒に動いてしまう場合がある。この場合、オーバーチューブを単に押し込んで元の位置に戻そうとするとオーバーチューブの先端が食道等の粘膜を傷つける虞がある。このため、再度、内視鏡をオーバーチューブ内に挿入し、オーバーチューブの先端が食道等の粘膜を傷つけない様に内視鏡で観察しながらオーバーチューブを挿入する必要があり手間がかかる。
【0004】
このため、従来、マウスピースとオーバーチューブの基端に設けられたグリップとを連結させ、内視鏡を一旦抜き去る際にオーバーチューブが一緒に抜け出ない様にしたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
特許文献1ではマウスピースとグリップとの連結構造として、次の3つが記載されている。
【0006】
第1の連結構造は、患者が口でくわえるマウスピースの筒状部の側壁に貫通孔を形成し、オーバーチューブの基端に設けられた筒状のグリップの外周面に、径方向外方に突出する凸部を有し凸部を径方向外方に付勢する板バネを設け、貫通孔に凸部を係合させるとともに、板バネを付勢力に抗して径方向内方に押圧することにより貫通孔と凸部との係合が解除されるものである。
【0007】
第2の連結構造は、マウスピースの筒状部の内周面に凹部を形成し、グリップの外周面に凸部を形成し、凹部と凸部とを嵌合させるものである。
【0008】
第3の連結構造は、マウスピースの筒状部の内周面にL字状の溝部を形成し、グリップの外周面に凸部を形成し、グリップを回転させることにより凸部をL字状の溝部に引掛ける様にして掛止させるものである。
【0009】
ここで、第2の連結構造では、凹部と凸部との嵌合力を弱くするとオーバーチューブをマウスピースから取り外し易くなるが、意図せずに外れる虞がある。逆に凹部と凸部との嵌合力が強すぎると、マウスピースとオーバーチューブとを嵌合させ難くなるという問題がある。
【0010】
又、第3の連結構造では、オーバーチューブの先端の開口面は一般的に軸方向に対して所定の角度で傾斜させているため、マウスピースに対してオーバーチューブを回転させて掛止させる際に、オーバーチューブの先端の傾斜させた開口面により食道等の粘膜を傷つける虞があり、マウスピースとオーバチューブとを連結させるに際し注意を要する。
【0011】
以上の理由から、マウスピースとグリップとの連結が容易であり且つしっかりと係合させることができる第1の連結構造を採用することが好ましい。
【0012】
しかしながら、第1の連結構造は、マウスピースの筒状部内に板バネの遥動範囲を確保する必要があり、マウスピースの筒状部の径を大きくする必要がある。従って、患者は内視鏡による検査や手術等の間、大きく口をあけた状態となるため、患者の負担が大きいという問題がある。
【特許文献1】特開平7−163516号公報(段落番号0024、第1図、第4図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、以上の点に鑑み、マウスピースの筒状部の径を小さくすることができ、且つマウスピースとオーバーチューブとの連結が確実で容易なオーバーチューブを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、本発明は、体内への内視鏡の挿入を容易にするために用いられる内視鏡用オーバーチューブにおいて、内視鏡を内挿自在なチューブ本体と、チューブ本体の基端に設けられた筒状のグリップと、チューブ本体を内挿自在な筒状部と、筒状部の基端に径方向外方へ張り出す様に設けられたフランジとを有し、筒状部を患者の口にくわえさせるマウスピースと、グリップの外周面、又はフランジの基端面の何れか一方に設けられ、径方向に突出する凸部を有するフックと、グリップの外周面、又はフランジの基端面の何れか他方に設けられ、チューブ本体をマウスピースの筒状部に基端側から内挿させた状態で、フックと係合自在な係合部とを備え、グリップの外周面に設けられたフック又は係合部は、フック又は係合部を径方向に付勢する付勢手段を介してグリップの外周面に設けられ、付勢手段が付勢力に抗して押圧されることにより、フックと係合部との係合が解除されることを特徴とする。
【0015】
係る発明によれば、マウスピースとグリップとの連結は、グリップの外周面と、フランジの基端面とに設けられたフック及び係合部により行われる。このため、マウスピースの筒状部の径を従来品の様に板バネが遥動する間隔を存するように設定する必要がなく、従来品と比較してマウスピースの筒状部の小型化を図ることができる。従って、患者が大きな口をあける必要がなく負担を軽減させることができると共に、容易且つ確実にマウスピースとグリップとを連結させることができる。
【0016】
又、マウスピースとグリップとが連結するため、内視鏡をチューブ本体から抜き去る際に、チューブ本体がマウスピースに対して基端側へずれることを防止し、内視鏡を用いた検査や手術等が容易になる。
【0017】
又、チューブ本体は、内挿される内視鏡の外周面から間隔を存する内径を有し、チューブ本体に、内視鏡を挿通自在な内径を有する内筒を着脱自在に内挿し、内筒の先端の開口面を、軸方向に対して所定の角度で傾斜させると共に、チューブ本体の先端から突出させ、内筒の基端部の外周面に径方向に突出する突出部を形成し、グリップの内周面に突出部と相対する位置に案内溝を形成し、突出部と案内溝とが嵌合することにより内筒がチューブ本体に対して相対的に回転することを防止させることが好ましい。
【0018】
係る構成によれば、チューブ本体と内視鏡との間に内筒が配置されているため、チューブ本体と内視鏡との間の隙間が少なくなる。これにより、内視鏡用オーバーチューブと共に内視鏡を患者の口から挿入する際に、食道等の粘膜を内視鏡用オーバーチューブと内視鏡との間の隙間に巻き込むことを抑制させることができる。又、内視鏡用オーバーチューブを患者に完全に挿入した後は、内筒をチューブ本体から抜き去って内視鏡とチューブ本体との間に隙間を形成することができる。この隙間を利用して、内視鏡の外周に種々のオプションチューブ等を取付け、検査や手術等の幅を広げることができる。
【0019】
又、突出部と案内溝との嵌合により内筒がチューブ本体に対して相対的に回転することを防止しているため、内筒の先端の傾斜された開口面が回転して食道等の粘膜を傷つけることを防止することができる。
【0020】
又、マウスピースの筒状部の外周面をシリコーンゴムで覆うことが好ましい。係る構成によれば、患者がマウスピースを口でくわえた際に、患者の歯が柔らかいシリコーンゴムに接触することとなり、患者の負担を軽減することができる。又、使用後には、シリコーンゴムに患者の歯型が残るため、マウスピースの再使用防止を促進させることができる。
【0021】
又、マウスピースのフランジに、患者の後頭部に巻回してマウスピースを患者の口に固定するためのベルトを挿通させるための一対の孔部を設け、少なくとも一方の孔部を筒状部の外周面から径方向外方に向かって大きく開口させることが好ましい。
【0022】
係る発明によれば、少なくとも一方の孔部が筒状部の外周面から径方向外方に向かって大きく開口されているため、孔部及び患者がマウスピースを噛んだ際に生じる口の隙間を介して患者の口内へ唾液吸引管を挿入することができる。これにより、唾液吸引管で患者の唾液を吸引し唾液が口から流れ落ちることを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の実施の形態を図1から図6を参照して説明する。図1は本発明の実施形態の内視鏡用オーバーチューブを一部断面で示す説明図、図2は本実施形態のグリップを基端側から示す説明図、図3は本実施形態のマウスピースを基端側から示す説明図、図4は本実施形態のグリップと内筒との連結状態を示す説明図、図5、図6は本実施形態のグリップと脱気防止弁との嵌合状態を示す説明図である。
【0024】
図1に示す様に、本発明の実施形態の内視鏡用オーバーチューブ1(以下、オーバーチューブ1という)は、内視鏡2を径方向に間隔を存して内挿自在なチューブ本体3と、チューブ本体3の基端に設けられた筒状のグリップ4と、チューブ本体3を内挿自在で且つグリップ4に連結するマウスピース5とを備える。チューブ本体3にはステンレス製のワイヤWが螺旋状に埋設されており、これによりチューブ本体3のキンク(折れ潰れ)を防止することができる。
【0025】
グリップ4の基端には径方向外方に張り出す張出部41が形成されている。張出部41の外周縁にはU字状に湾曲する板バネ42(図2参照)を介してフック43が一対設けられている。本実施形態においては、板バネ42が付勢手段に該当する。フック43の基端側には、板バネ42を径方向内方に圧縮し易くするための把持部43aが設けられている。尚、板バネ42の形状はU字状に限られず、例えば、環状の板バネであってもよい。又、本発明の付勢手段は板バネに限定されるものではない。
【0026】
又、グリップ4の外周面には軸方向に延びる一対の突条部44a,44bが形成されている。突条部44aは一本の突条で構成され、突条部44bは隣接する2本の突条により構成される(図6参照)。
【0027】
マウスピース5は、チューブ本体3を挿通自在な筒状部51と、筒状部51の基端に設けられた径方向外方に張り出すフランジ52とで構成される。筒状部51の外周面はシリコーンゴム51aで覆われている。これにより、患者がマウスピース5を口にくわえた際に筒状部51を歯で噛んでも歯への負担を軽減させることができる。又、マウスピース5の使用後には、シリコーンゴム51aに歯型が残るため、マウスピース5が既に使用されたものであることが容易に分かり、マウスピース5の再使用防止を促進させることができる。
【0028】
又、図3に示す様に、筒状部51の内周面には、グリップ4の先端部を筒状部51に基端側から内挿する際に、グリップ4の外周面に形成された突条部44a,44bを案内する一対の溝部51b,51cが形成されている。突条部44aが1本の突条で構成され、突条部44bが2本の突条で構成されているため、対応する溝部51bも1本の溝で構成され、溝部51cも2本の溝で構成されている。よって、マウスピース5に対してグリップ4を正しく合せなければ、グリップ4の先端部をマウスピース5の筒状部51に挿入することはできない。従って、例えば、食道等へ挿入し易くするためにチューブ本体3を湾曲させて構成している場合に、医療従事者が誤った状態でチューブ本体3を患者の口から挿入する虞を軽減させることができる。尚、医療従事者がマウスピース5の患者への取付状態を誤らない様に、フランジ52は上下非対称に形成されている(図3参照)。
【0029】
又、フランジ52には基端方向に突出するU字状の一対の係合部53が設けられている。図1に示す様に、係合部53には、把持部43aを径方向内方に押圧して板バネ42を縮ませることにより、フック43を径方向内方側から引掛けて係合させることができる。又、フック43と係合部53との係合を解除させるには、把持部43aを径方向内方に押圧して板バネ42を縮ませて、係合部53からフック43を外せばよい。このようにして、グリップ4がマウスピース5と着脱自在に連結する。
【0030】
又、図3に示す様に、フランジ52には一対の孔部52a,52bが形成されている。孔部52aは筒状部51の外周面から径方向外方に向かって大きく開口されている。ここで、内視鏡による検査等を行っている間は患者は唾液を飲み込むことができない。従って、唾液をそのまま口から垂れ流すか、唾液吸引管により唾液を吸引する必要がある。本実施形態によれば、この孔部52aから患者のマウスピースを噛んだ際に生じる口の隙間を介して、口内へ唾液を吸引する唾液吸引管(図示省略)を挿入し、唾液を吸引することができる。
【0031】
尚、本実施形態においては、孔部52bは筒状部51の外周面から間隔を存して径方向外方に開口されているが、これは、経口的内視鏡検査等を行うに際し、患者は横向きに寝かせられ、唾液は患者の口の中の左右のどちらか一方に溜まり、孔部52a側が下に位置する様に患者を横向きに寝かせれば事足りるからである。但し、孔部52bを孔部52aと同様に筒状部51の外周面から径方向外方に向かって大きく開口させて、患者をどちら向きに寝かせても対応できる様に構成させてもよい。
【0032】
又、フランジ52の外周縁には径方向外方端部が拡径された一対の突部52cが設けられている。そして、孔部52a,52bにベルトBの両端を夫々挿通し、ベルトBの両端部に長手方向に沿って複数間隔を存して形成された孔Bの何れか1つに突部52cを通してマウスピース5にベルトが固定される。このベルトBは、マウスピース5を患者がくわえた状態で患者の後頭部に巻回す様にしてマウスピース5を患者に固定する為に用いられる。ベルトBがゆるい場合には、他の孔Bに突部52cを挿通して締め付けを調整する。
【0033】
又、図1及び図4に示す様に、チューブ本体3内には内筒6が着脱自在に挿入され、内筒6は内視鏡2を内挿自在な内径を備える。内筒6の先端の開口面61は、患者に挿入し易い様に軸方向に対して所定の角度で傾斜させており、又、チューブ本体3の先端から突出させている。又、内筒6の基端には、開口面61の最も基端側に位置する箇所と一致する様にマーク6aが付されている。これにより、オーバーチューブ1を患者に挿入する際に、医療従事者は先端縁61の向きを確認することができ、挿入方向を誤ることを防止できる。
【0034】
又、図4に示す様に、内筒6の基端部62の外周面には軸方向に延びる突出部としてのリブ62aが一対設けられている。グリップ4の内周面にはリブ62aと相対する位置に案内溝4aが一対形成されている(図2参照)。リブ62aと案内溝4aとが嵌合することにより内筒6がチューブ本体3内で回転することを防止し、内筒6の傾斜した先端縁61により食道等の粘膜が損傷する虞を回避することができる。
【0035】
又、リブ62aの先端部62bは径方向外方に膨らんでいる。又、案内溝4aの先端部には径方向外方に開口する開口部4bが形成されている。そして、リブ62aの先端部62bが開口部4bと嵌合することにより、内筒6が意図せずにグリップ4から抜け出ることを防止することができる。
【0036】
又、グリップ4には、図5に示すように、内筒6をチューブ本体3から抜き去った際に、内視鏡2を介して送気された空気のリークを防止する脱気防止弁7を着脱自在に装着することができる。脱気防止弁7は、先端部がグリップ4に基端側から内挿される接続筒部71と、接続筒部71の基端部に設けられシリコーンゴムや合成ゴム等で成形された弁体72とで構成される。弁体72は中央に開口部72aを備える。接続筒部71の外周面の先端部には一対の突起71aが設けられている。
【0037】
又、図6に示すように、グリップ4の内周面に形成された案内溝4aの先端部には周方向に延びる引掛溝4cが形成されている。そして、突起71aが案内溝4aに沿うように脱気防止弁7をグリップ4内に基端側から挿入し、突起71aが案内溝4aの先端に達したところで、脱気防止弁7をグリップ4に対して相対的に回転させることにより、突起71aが引掛溝4bに嵌合し、脱気防止弁7がグリップ4から意図せずに脱落することを防止できる。尚、図6においては、グリップ4の板バネ42、フック43、把持部43aを省略して示している。
【0038】
次いで、本実施形態のオーバーチューブ1の使用方法について説明する。
【0039】
まず、マウスピース5を患者の口に取り付けベルトBで固定する。次いで、チューブ本体3、内筒6、内視鏡2に潤滑剤を塗る。次いで、チューブ本体3に内筒6を挿入し、次いで、内筒6に内視鏡2を挿入する。
【0040】
そして、内視鏡2をオーバーチューブ1と共にマウスピース5を介して患者の口から挿入する。このときチューブ本体3と内視鏡2との間に内筒6が配置されているため、患者へ内視鏡2とオーバーチューブ1とを挿入するに際し、チューブ本体3と内視鏡2との間に口腔や食道等の粘膜が巻き込まれることを防止することができる。
【0041】
オーバーチューブ1の挿入が完了したら、把持部43aを径方向内方に押圧し、板バネ42を圧縮させ、フック43を係合部53内に引掛けることによりグリップ4とマウスピース5とを連結させる。そして、内視鏡2と内筒6とをチューブ本体3から抜き去る。このとき、マウスピース5とグリップ4とが連結しているため、内筒6を抜き去る際に、チューブ本体3が内筒6と共に基端側にずれることを防止することができる。
【0042】
内視鏡2及び内筒6をチューブ本体3から抜き去った後、グリップ4に脱気防止弁7を挿着する。そして、内視鏡2を脱気防止弁7の弁体72の開口部72aを介してチューブ本体3内に挿入し、検査や手術等を行う。
【0043】
脱気防止弁7はグリップ4に着脱自在に設けられているため、患者が吐血した場合には直ちに脱気防止弁7をグリップ4から取り外し、血液の排除を容易に行うことができる。
【0044】
本実施形態のオーバーチューブ1によれば、マウスピース5のフランジ52の基端面に基端側に突出するU字状の係合部53を設け、係合部53にグリップ4に板バネ42を介して設けられたフック43を引掛けることによりマウスピース5とグリップ4とを連結させている。このため、従来品と比較して、マウスピース5の筒状部51の径を最小限に設定することができ、マウスピース5の筒状部51の大きさを小さくすることができる。従って、患者は口を大きく開ける必要がなく、内視鏡による治療等を楽な状態で受けることができる。
【0045】
尚、本実施形態においては、グリップ4の外周面に付勢手段(板バネ42)を介してフック43を設け、フランジ52の基端面にフック43と係合自在な係合部53を設けたものを説明したが、フックをフランジ52の基端面に設け、フックに係合する係合部をグリップ4の外周面に付勢手段を介して設けても、本発明の作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施形態のオーバーチューブを一部断面で示す説明図。
【図2】本実施形態のグリップを基端側から示す説明図。
【図3】本実施形態のマウスピースを基端側から示す説明図。
【図4】本実施形態のグリップと内筒との嵌合状態を示す説明図。
【図5】本実施形態のグリップと脱気防止弁との嵌合状態を示す説明図。
【図6】本実施形態のグリップと脱気防止弁との嵌合状態を示す説明図。
【符号の説明】
【0047】
1…オーバーチューブ、 2…内視鏡、 3…チューブ本体、 4…グリップ、 4a…案内溝、 4b…開口部、 4c…引掛溝、 41…張出部、 42…板バネ(付勢手段)、 43…フック、 43a…把持部、 44a,44b…突条部、 5…マウスピース、 51…筒状部、 51a…シリコーンゴム、 51b,c…溝部、 52…フランジ、 52a,52b…孔部、 52c…突部、 53…係合部、 6…内筒、 61…開口面、 62…基端部、 62a…リブ(突出部)、 62b…リブの先端部、 7…脱気防止弁、 71…接続筒部、 71a…突起、 72…弁体、 72a…開口部、 W…ワイヤ、 B…ベルト、 B…孔。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
体内への内視鏡の挿入を容易にするために用いられる内視鏡用オーバーチューブにおいて、
内視鏡を内挿自在なチューブ本体と、
該チューブ本体の基端に設けられた筒状のグリップと、
該チューブ本体を内挿自在な筒状部と、該筒状部の基端に径方向外方へ張り出す様に設けられたフランジとを有し、該筒状部を患者の口にくわえさせるマウスピースと、
前記グリップの外周面、又は前記フランジの基端面の何れか一方に設けられ、径方向に突出する凸部を有するフックと、
前記グリップの外周面、又は前記フランジの基端面の何れか他方に設けられ、前記チューブ本体を前記マウスピースの筒状部に基端側から内挿させた状態で、前記フックと係合自在な係合部とを備え、
前記グリップの外周面に設けられた前記フック又は前記係合部は、該フック又は該係合部を径方向に付勢する付勢手段を介して前記グリップの外周面に設けられ、
該付勢手段が付勢力に抗して押圧されることにより、前記フックと前記係合部との係合が解除されることを特徴とする内視鏡用オーバーチューブ。
【請求項2】
前記チューブ本体は、内挿される内視鏡の外周面から間隔を存する内径を有し、
前記チューブ本体には、前記内視鏡を挿通自在な内径を有する内筒が着脱自在に内挿され、
該内筒の先端の開口面は、軸方向に対して所定の角度で傾斜されると共に、前記チューブ本体の先端から突出され、
該内筒の基端部の外周面には径方向に突出する突出部が形成され、前記グリップの内周面には該突出部と相対する位置に案内溝が形成され、該突出部と案内溝とが嵌合することにより内筒がチューブ本体に対して相対的に回転することが防止されることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用オーバーチューブ。
【請求項3】
前記マウスピースの筒状部の外周面はシリコーンゴムで覆われていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の内視鏡用オーバーチューブ。
【請求項4】
前記マウスピースのフランジには、患者の後頭部に巻回して前記マウスピースを患者の口に固定するためのベルトを挿通させるための一対の孔部が設けられ、
少なくとも一方の該孔部は前記筒状部の外周面から径方向外方に向かって大きく開口されていることを特徴とする請求項1から請求項3のうち何れか1項に記載の内視鏡用オーバーチューブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−220794(P2008−220794A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−66025(P2007−66025)
【出願日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【出願人】(390029676)株式会社トップ (106)
【Fターム(参考)】