説明

内視鏡用制御装置

【課題】従来に比べてユーザの負担を軽減可能な内視鏡用制御装置を提供する。
【解決手段】本発明の内視鏡用制御装置は、内視鏡を着脱可能な第1コネクタ受け部及び第2コネクタ受け部と、第1コネクタ受け部及び第2コネクタ受け部における内視鏡の接続を検知し、接続検知信号として出力する接続検知部と、第1コネクタ受け部の後段に電気的に接続され、かつ、第1の基準電位点に接続された第1患者回路と、第2コネクタ受け部の後段に電気的に接続され、かつ、第1の基準電位点と異なる第2の基準電位点に接続された第2患者回路と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡用制御装置に関し、特に、複数の患者回路を有する内視鏡用制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
内視鏡及び該内視鏡を制御するための内視鏡用制御装置等を有して構成される内視鏡システムは、医療分野及び工業分野等において従来広く用いられている。また、内視鏡システムは、例えば、医療分野においては、生体組織等に対して観察及び種々の処置を行う際に用いられている。
【0003】
また、前述した内視鏡用制御装置に相当する装置として、例えば、複数のコネクタ受け部を具備することにより複数の種類の内視鏡を接続可能とした、特許文献1の電子内視鏡用プロセッサ装置が提案されている。
【0004】
特許文献1の電子内視鏡用プロセッサ装置は、複数のコネクタ受け部に電気的に接続される回路同士が共通のGND(基準電位点)に接続されているとともに、該回路同士が共通の電源制御回路を介して動作する、という構成を有している。
【特許文献1】特開2004−236738号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の電子内視鏡用プロセッサ装置のように、複数のコネクタ受け部に接続される内視鏡のうちいずれか1つを電気的に排他的な接続とするための構成を採用した場合、使用しない側のコネクタ受け部にはスコープが接続されないため、プロセッサ装置のフロントパネルに設けられた各コネクタ受け部のうち、少なくとも1つのコネクタ受け部が開口したままの状態になることがある。
【0006】
使用しない側のコネクタ受け部に不意に体液などの液体が浸入し、あるいは、処置具などの金属製の器具が該コネクタ受け部に接触することにより、該コネクタ受け部内部における電気接点の短絡が生じると、該コネクタ受け部に接続される後段の回路に不具合が生じる可能性がある。特に、特許文献1に記載の電子内視鏡用プロセッサ装置においては、複数のスコープに夫々接続される回路系の間に絶縁されていない電流の経路が存在するため、前述した不具合がプロセッサ装置内部の回路全域に及んでしまう可能性がある。
【0007】
そして、特許文献1に記載の電子内視鏡用プロセッサ装置においては、この不具合を防止するために、使用しない側のコネクタ受け部に蓋をする等の対策をユーザ側で講じる必要があることに応じ、例えば、スコープの付け替えを行う度に蓋の付け替えを併せて行わなければならないといった手間が生じ、結果的に過度な負担をユーザに強いてしまう、という課題が生じている。
【0008】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、従来に比べてユーザの負担を軽減可能な内視鏡用制御装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明における内視鏡用制御装置は、内視鏡を着脱可能な第1コネクタ受け部及び第2コネクタ受け部と、前記第1コネクタ受け部及び前記第2コネクタ受け部における前記内視鏡の接続状態を検知し、接続検知信号として出力する接続検知部と、前記第1コネクタ受け部の後段に電気的に接続され、かつ、第1の基準電位点に接続された第1患者回路と、前記第2コネクタ受け部の後段に電気的に接続され、かつ、前記第1の基準電位点と異なる第2の基準電位点に接続された第2患者回路と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明における内視鏡用制御装置によると、従来に比べてユーザの負担を軽減可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0012】
図1から図4は、本発明の実施形態に係るものである。図1は、本発明の実施形態に係るプロセッサが用いられる内視鏡システムの構成の一例を示す図である。図2は、本実施形態のプロセッサが有する電源部の構成の一例を示す図である。図3は、図1のプロセッサに設けられたフロントパネルの具体的な構成の一例を示す図である。図4は、本実施形態のプロセッサが行う制御の一例を示すフローチャートである。
【0013】
内視鏡システム1は、図1に示すように、体腔内に挿入可能であるとともに、該体腔内の被写体の像を撮像し、撮像信号として出力する内視鏡2と、内視鏡2の撮像対象となる被写体を照明するための照明光を発する光源装置3と、内視鏡2から出力される撮像信号に対して信号処理を施し、映像信号として出力するプロセッサ4と、プロセッサ4から出力される映像信号に応じた被写体の像を画像表示するモニタ5と、を要部として有している。
【0014】
内視鏡2は、図1に示すように、体腔内に挿入可能な形状の挿入部21と、挿入部21の先端部に設けられた対物光学系22及びCCD23と、挿入部21の基端部に設けられ、プロセッサ4に対して着脱自在なコネクタ24と、を有して構成されている。また、内視鏡2の内部には、一端が光源装置3のライトガイド受け部31に接続可能であるとともに、他端が挿入部21の先端部に配置されたライトガイド6が挿通されている。このような構成により、光源装置3において発せられた照明光は、ライトガイド受け部31に接続されたライトガイド6により伝送された後、挿入部21の先端部から被写体へと出射される。
【0015】
対物光学系22は、挿入部21の先端部における先端面に配置され、被写体の像を結像する。
【0016】
CCD23は、対物光学系22の結像位置に配置されており、対物光学系22により結像された被写体の像を撮像し、撮像信号として出力する。
【0017】
プロセッサ4は、図1に示すように、内視鏡2のコネクタ24を着脱可能な第1コネクタ受け部41A及び第2コネクタ受け部41Bと、第1接続検知部42Aと、第2接続検知部42Bと、第1患者回路43Aと、第2患者回路43Bと、絶縁回路44A、44B、44C及び44Dと、CPU45と、商用電力が入力される電源部46と、2次回路47と、を有して構成されている。
【0018】
第1接続検知部42Aは、スイッチPWREN11がオンしている場合に動作するとともに、第1コネクタ受け部41Aへのコネクタ24の接続状態を検知し、第1コネクタ受け部41Aにコネクタ24が接続された際に第1接続検知信号を出力する。
【0019】
第2接続検知部42Bは、スイッチPWREN21がオンしている場合に動作するとともに、第2コネクタ受け部41Bへのコネクタ24の接続状態を検知し、第2コネクタ受け部41Bにコネクタ24が接続された際に第2接続検知信号を出力する。
【0020】
そして、前記第1接続検知信号及び前記第2接続検知信号は、絶縁回路44Dを経た後、CPU45に入力される。
【0021】
第1患者回路43Aは、第1コネクタ受け部41Aの後段に電気的に接続された回路であり、CCD駆動部431Aと、アナログ信号処理部432Aと、A/Dコンバータ433Aとを有して構成されている。また、第1患者回路43Aは、スイッチPWREN1及びSYNCEN1がオンしている場合に動作する。さらに、第1患者回路43Aの回路全体は、第1の基準電位点であるGND1に接続されている。
【0022】
CCD駆動部431Aは、第1コネクタ受け部41Aに接続された内視鏡2のCCD23を駆動するための駆動信号を出力する。前記駆動信号は、スイッチDRVEN1がオンしている場合に、第1コネクタ受け部41A及びコネクタ24を経た後、CCD23に入力される。
【0023】
アナログ信号処理部432Aは、第1コネクタ受け部41Aに接続された内視鏡2から出力される撮像信号に対し、増幅及びノイズ除去等の信号処理を施した後、該信号処理後の撮像信号をA/Dコンバータ433Aへ出力する。
【0024】
A/Dコンバータ433Aは、アナログ信号処理部432Aから出力される撮像信号をデジタル信号に変換して出力する。そして、前記デジタル信号は、絶縁回路44Aを経た後、2次回路47に入力される。
【0025】
第2患者回路43Bは、第2コネクタ受け部41Bの後段に電気的に接続された回路であり、CCD駆動部431Bと、アナログ信号処理部432Bと、A/Dコンバータ433Bとを有して構成されている。また、第2患者回路43Bは、スイッチPWREN2及びSYNCEN2がオンしている場合に動作する。さらに、第2患者回路43Bの回路全体は、前述した第1の基準電位点と異なる第2の基準電位点であるGND2に接続されている。すなわち、第1患者回路43A及び第2患者回路43Bは、プロセッサ4の内部において、相互に電気的に独立した状態として設けられている。
【0026】
CCD駆動部431Bは、第2コネクタ受け部41Bに接続された内視鏡2のCCD23を駆動するための駆動信号を出力する。前記駆動信号は、スイッチDRVEN2がオンしている場合に、第2コネクタ受け部41B及びコネクタ24を経た後、CCD23に入力される。
【0027】
アナログ信号処理部432Bは、第2コネクタ受け部41Bに接続された内視鏡2から出力される撮像信号に対し、増幅及びノイズ除去等の信号処理を施した後、該信号処理後の撮像信号をA/Dコンバータ433Bへ出力する。
【0028】
A/Dコンバータ433Bは、アナログ信号処理部432Bから出力される撮像信号をデジタル信号に変換して出力する。そして、前記デジタル信号は、絶縁回路44Bを経た後、2次回路47に入力される。
【0029】
絶縁回路44Aは、第1患者回路43Aと2次回路47との間を電気的に絶縁状態にしつつ、A/Dコンバータ433Aからのデジタル信号を2次回路47へ出力可能な構成を有している。
【0030】
絶縁回路44Bは、第2患者回路43Bと2次回路47との間を電気的に絶縁状態にしつつ、A/Dコンバータ433Bからのデジタル信号を2次回路47へ出力可能な構成を有している。
【0031】
絶縁回路44Cは、第1患者回路43Aと2次回路47との間を電気的に絶縁状態にしつつ、2次回路47からの同期信号を、第1患者回路43Aに接続されたスイッチSYNCEN1へ出力可能な構成を有している。また、絶縁回路44Cは、前述した構成に加え、第2患者回路43Bと2次回路47との間を電気的に絶縁状態にしつつ、2次回路47からの同期信号を、第2患者回路43Bに接続されたスイッチSYNCEN2へ出力可能な構成を有している。
【0032】
絶縁回路44Dは、第1接続検知部42A、第2接続検知部42B、第1患者回路43A及び第2患者回路43Bの各部とCPU45との間を電気的に絶縁状態にしつつ、該各部とCPU45との間における各種信号のやりとりを仲介可能な構成を有している。
【0033】
CPU45は、第1接続検知信号及び第2接続検知信号に基づき、第1患者回路43Aまたは第2患者回路43Bのいずれか一方を動作させるための制御を行う。なお、CPU45が行う制御の内容については、後程詳述する。
【0034】
電源部46は、図2に示すように、第1接続検知部42A及び第1患者回路43Aが動作するために必要な電力を供給する第1電源回路461と、第2接続検知部42B及び第2患者回路43Bが動作するために必要な電力を供給する第2電源回路462と、CPU45及び2次回路47の各部が動作するために必要な電力を供給する第3電源回路463と、を有して構成されている。
【0035】
なお、第1電源回路461、第2電源回路462及び第3電源回路463は、電源部46の内部において、相互に電気的に独立した状態として設けられているものとする。
【0036】
2次回路47は、図1に示すように、タイミングジェネレータ471と、セレクタ472と、デジタル信号処理部473と、マスク画像及び文字情報等を生成及び出力するマスク生成部474と、画像合成部475と、D/Aコンバータ476と、を有して構成されている。なお、本実施形態の2次回路47の回路全体は、第1患者回路43Aに接続される第1の基準電位点GND1の電位、及び、第2患者回路43Bに接続される第2の基準電位点GND2の電位のいずれとも異なる電位の基準電位点に接続されているものとする。
【0037】
タイミングジェネレータ471は、CPU45の制御に基づき、第1患者回路43A及び第2患者回路43Bのうち、動作させる一方の患者回路の動作タイミングに係る同期信号を生成及び出力する。
【0038】
セレクタ472は、CPU45の制御に基づき、第1患者回路43Aが動作している場合には、絶縁回路44Aを経て入力されるデジタル信号をデジタル信号処理部473へ出力する。また、セレクタ472は、CPU45の制御に基づき、第2患者回路43Bが動作している場合には、絶縁回路44Bを経て入力されるデジタル信号をデジタル信号処理部473へ出力する。
【0039】
デジタル信号処理部473は、セレクタ472から出力されるデジタル信号に対し、γ補正及び画像強調等の画像処理を施した後、該画像処理後のデジタル信号を画像合成部475へ出力する。
【0040】
画像合成部475は、デジタル信号処理部473から出力されるデジタル信号と、マスク生成部474から出力されるマスク画像及び文字情報とを合成し、デジタル合成画像信号としてD/Aコンバータ476へ出力する。
【0041】
D/Aコンバータ476は、画像合成部475から出力されるデジタル合成画像信号をアナログの映像信号に変換してモニタ5へ出力する。これにより、内視鏡2により撮像された被写体の像に対してマスク画像及び文字情報が重畳された画像がモニタ5に表示される。
【0042】
なお、内視鏡システム1における第1コネクタ受け部41A及び第2コネクタ受け部41Bは、プロセッサ4のフロントパネル上に、例えば図3に示すような状態として配置されているものとする。
【0043】
また、本実施形態における第1コネクタ受け部41A及び第2コネクタ受け部41Bは、メス型に形成され、かつ、人体により直接触れることができない位置に接続用の端子が配置されるものであっても良い。
【0044】
次に、本実施形態の内視鏡システム1の作用について説明を行う。
【0045】
内視鏡システム1が有するプロセッサ4のCPU45は、主電源がオンされたことを検知すると、初期設定として、PWREN1、PWREN11、SYNCEN1、DRVEN1、PWREN2、PWREN21、SYNCEN2及びDRVEN2の各スイッチをオフするための制御を行う(図4のステップS1)。
【0046】
その後、CPU45は、前記各スイッチのうち、スイッチPWREN11及びPWREN21をオンすることにより、第1接続検知部42A及び第2接続検知部42Bを動作させる(図4のステップS2)。これにより、第1コネクタ受け部41A及び第2コネクタ受け部41Bのうち、内視鏡2が接続された一方のコネクタ受け部に対応する接続検知信号が出力される。
【0047】
CPU45は、入力される接続検知信号が第1接続検知信号及び第2接続検知信号のいずれであるかを識別する。これにより、CPU45は、入力される接続検知信号が第1接続検知信号である場合には、第1コネクタ受け部41Aに内視鏡2が接続されたと判定し、また、入力される接続検知信号が第2接続検知信号である場合には、第2コネクタ受け部41Bに内視鏡2が接続されたと判定する。
【0048】
そして、CPU45は、第2コネクタ受け部41Bに内視鏡2が接続されたと判定した場合(図4のステップS3)、スイッチPWREN2をオンするための制御(図4のステップS4)、セレクタ472において第2患者回路43B側を選択させるための制御(図4のステップS5)、スイッチSYNCEN2をオンするための制御(図4のステップS6)、及び、スイッチDRVEN2をオンするための制御(図4のステップS7)を順次行った後、さらに、スイッチPWREN11をオフするための制御を行う(図4のステップS8)。
【0049】
すなわち、CPU45は、図4のステップS8の制御を行うことにより、第2コネクタ受け部41Bに内視鏡2が接続されている期間(第2接続検知信号が自身に入力されている期間)において、第1コネクタ受け部41Aに対応する第1接続検知部42Aへの電力の供給を停止する。
【0050】
また、図4のステップS1からステップS3を経た後、さらに図4のステップS4からステップS8に至るまでの制御が行われることにより、内視鏡2が接続されている側のコネクタ受け部41Bに対応する第2接続検知部42B及び第2患者回路43Bに電力が供給されるとともに、内視鏡2が接続されていない側のコネクタ受け部41Aに対応する第1接続検知部42A及び第1患者回路43Aへの電力の供給が停止される。
【0051】
一方、CPU45は、第1コネクタ受け部41Aに内視鏡2が接続されたと判定した場合(図4のステップS3)、スイッチPWREN1をオンするための制御(図4のステップS9)、セレクタ472において第1患者回路43A側を選択させるための制御(図4のステップS10)、スイッチSYNCEN1をオンするための制御(図4のステップS11)、及び、スイッチDRVEN1をオンするための制御(図4のステップS12)を順次行った後、さらに、スイッチPWREN21をオフするための制御を行う(図4のステップS13)。
【0052】
すなわち、CPU45は、図4のステップS13の制御を行うことにより、第1コネクタ受け部41Aに内視鏡2が接続されている期間(第1接続検知信号が自身に入力されている期間)において、第2コネクタ受け部41Bに対応する第2接続検知部42Bへの電力の供給を停止する。
【0053】
また、図4のステップS1からステップS3を経た後、さらに図4のステップS9からステップS13に至るまでの制御が行われることにより、内視鏡2が接続されている側のコネクタ受け部41Aに対応する第1接続検知部42A及び第1患者回路43Aに電力が供給されるとともに、内視鏡2が接続されていない側のコネクタ受け部41Bに対応する第2接続検知部42B及び第2患者回路43Bへの電力の供給が停止される。
【0054】
以上に述べたように、本実施形態のプロセッサ4は、各コネクタ受け部における内視鏡2の接続状態に応じ、電気的に独立した患者回路同士が排他的に動作する、という構成及び作用を有している。
【0055】
CPU45は、前述した、図4のステップS8またはステップS13の制御を行った後、例えば自身への接続検知信号の入力が停止したか否かに基づき、内視鏡2が第1コネクタ受け部41Aまたは第2コネクタ受け部41Bから抜去されたか否かを判定する(図4のステップS14)。そして、CPU45は、内視鏡2が第1コネクタ受け部41Aまたは第2コネクタ受け部41Bから抜去されない限りにおいては、図4のステップS8またはステップS13の制御を行った後の状態を維持しつつ、一連の制御を終了する。また、CPU45は、内視鏡2が第1コネクタ受け部41Aまたは第2コネクタ受け部41Bから抜去されたことを検知した場合、前述した図4のステップS1からの一連の制御を繰り返し行う。すなわち、CPU45は、内視鏡2が第1コネクタ受け部41Aまたは第2コネクタ受け部41Bから抜去されたことを契機として、第1接続検知部42A及び第2接続検知部42B双方への電力の供給を復帰させている。これにより、ユーザは、例えば内視鏡2のコネクタ24を第1コネクタ受け部41Aから第2コネクタ受け部41Bへ付け替える作業を、スムーズに行うことができる。
【0056】
以上に述べたように、本実施形態のプロセッサ4は、各患者回路が電気的に独立するように設けられているとともに、該各患者回路に対応する電源回路についても各々が電気的に独立するように設けられている。さらに、本実施形態のプロセッサ4は、内視鏡が接続されていないコネクタ受け部に対応する患者回路への電力の供給を停止し、かつ、内視鏡が接続されているコネクタ受け部に対応する患者回路のみへ電力を供給する。
【0057】
このような構成及び作用により、本実施形態のプロセッサ4は、患者回路へ体液等の異物の侵入をユーザに過度に意識させることがなくなり、その結果、従来に比べてユーザの負担を軽減することができる。
【0058】
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更や応用が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施形態に係るプロセッサが用いられる内視鏡システムの構成の一例を示す図。
【図2】本実施形態のプロセッサが有する電源部の構成の一例を示す図。
【図3】図1のプロセッサに設けられたフロントパネルの具体的な構成の一例を示す図。
【図4】本実施形態のプロセッサが行う制御の一例を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0060】
1 内視鏡システム
2 内視鏡
3 光源装置
4 プロセッサ
5 モニタ
6 ライトガイド
41A 第1コネクタ受け部
41B 第2コネクタ受け部
42A 第1接続検知部
42B 第2接続検知部
43A 第1患者回路
43B 第2患者回路
46 電源部
461 第1電源回路
462 第2電源回路
463 第3電源回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡を着脱可能な第1コネクタ受け部及び第2コネクタ受け部と、
前記第1コネクタ受け部及び前記第2コネクタ受け部における前記内視鏡の接続状態を検知し、接続検知信号として出力する接続検知部と、
前記第1コネクタ受け部の後段に電気的に接続され、かつ、第1の基準電位点に接続された第1患者回路と、
前記第2コネクタ受け部の後段に電気的に接続され、かつ、前記第1の基準電位点と異なる第2の基準電位点に接続された第2患者回路と、
を有することを特徴とする内視鏡用制御装置。
【請求項2】
前記第1の基準電位点及び前記第2の基準電位点の電位は、前記第1患者回路及び前記第2患者回路の後段の2次回路に接続される基準電位点の電位と各々異なる電位であることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用制御装置。
【請求項3】
前記接続検知信号に基づき、前記第1患者回路または前記第2患者回路のうち、前記内視鏡が接続されていない一方のコネクタ受け部に対応する一方の患者回路への電力の供給を停止するための制御を行う制御部をさらに有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内視鏡用制御装置。
【請求項4】
前記接続検知部は、前記第1コネクタ受け部における前記内視鏡の接続状態を検知するための第1接続検知部と、前記第2コネクタ受け部における前記内視鏡の接続状態を検知するための第2接続検知部と、を有して構成され、
前記制御部は、前記接続検知信号に基づき、前記一方のコネクタ受け部と異なる他方のコネクタ受け部に前記内視鏡が接続されている期間において、前記一方のコネクタ受け部に対応する一方の接続検知部への電力の供給を停止するための制御をさらに行うことを特徴とする請求項3に記載の内視鏡用制御装置。
【請求項5】
前記第1患者回路及び前記第1接続検知部が動作するために必要な電力を供給する第1電源回路と、前記第2患者回路及び前記第2接続検知部が動作するために必要な電力を供給する第2電源回路と、をさらに有し、
前記第1電源回路及び前記第2電源回路は、相互に電気的に独立した状態として設けられていることを特徴とする請求項4に記載の内視鏡用制御装置。
【請求項6】
前記制御部の制御に基づき、前記第1患者回路または前記第2患者回路のうち、前記内視鏡が接続された前記他方のコネクタ受け部に対応する他方の患者回路を前記2次回路に接続するセレクタをさらに有することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の内視鏡用制御装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記内視鏡に設けられた撮像素子を駆動するための駆動信号のうち、前記一方のコネクタ受け部側に出力される一方の駆動信号の供給を停止させるための制御をさらに行うことを特徴とする請求項3乃至請求項6のいずれか一に記載の内視鏡用制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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