説明

内部コード補強ゴム層を含有するタイヤ

【課題】コード補強材を含有するコンパウンド中の天然シス1,4−ポリイソプレンゴムを、シス1,4−ポリイソプレンゴムと合成トランス1,4−ポリイソプレンゴムからなる合成ポリイソプレンエラストマーの組合せで完全置換され、コード補強されたゴム複合材料の内部層を含む部品を含有するタイヤを提供する。
【解決手段】下記を含むゴム組成物により被覆されたコード:(a)0〜70phrの天然シス1,4−ポリイソプレンゴム、(b)20〜95phrの合成シス1,4−ポリイソプレンゴム、及び(c)2〜20phrのトランス1,4−ポリイソプレンゴム;20〜70phr(ゴム100重量部に対して)の粒状ゴム補強充填剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部コード補強ゴム層を含有するタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
空気入りゴムタイヤは、通常、コード補強材を含有する部品、例えばカーカスプライ及び周方向トレッドベルトプライを用いて製造されている。そのようなコード補強材は、例えば、複数のフィラメントを含み、それらを一緒に撚り合わせて(ケーブル化して)コードにすることができる。
【0003】
例えば、トレッドベルトプライは、周方向トレッドゴム層の下にある金属コード補強(金属コードで補強された)ゴム層と言える。安定性を増すためにタイヤトレッドとタイヤカーカスの間に配置され、それによってタイヤ構成に対する寸法保全性(dimensional integrity)を増強している。そのようなタイヤ構造物は当業者には周知である。
【0004】
そのような周方向ベルトプライ、又は金属コード補強ゴム層の層は、例えば、複数のブラス被覆スチールワイヤコード、又はテキスタイルコードを天然シス1,4−ポリイソプレンゴム組成物で覆った形態の補強材を含みうる。そのようなテキスタイルコードは、例えば、複数のナイロン、ポリエステル、レーヨン及びポリアラミドフィラメントの少なくとも一つでありうる。
【0005】
典型的には、天然シス1,4−ポリイソプレンエラストマーが、未硬化ゴムの生(なま)強度、構築時粘着力及びコードへの接着を促進するため、そしてまた硫黄硬化ゴム組成物の切傷生長及び引裂抵抗性も促進するために、コード補強ゴム層に使用されている。
【0006】
合成シス1,4−ポリイソプレンエラストマーは、タイヤのコード補強ゴム層にとって重要な、特に前述の望ましい生強度及び構築時粘着力(例えば、タイヤ構築及びタイヤ硬化プロセス中の成形のための)に関する物理的性質を促進するのにあまり効果的でないと考えられている。
【0007】
天然シス1,4−ポリイソプレンゴムの一部を、そのような目的、すなわちタイヤ部品のコード補強ゴム組成物のために合成シス1,4−ポリイソプレンエラストマーで部分置換することの評価について課題が提示され、本発明の重要な側面が提示されている。
【0008】
本発明の記載において、用語“phr”は、使用されている場合、“100重量部のゴムあたりの材料の重量部”を意味する。用語“ゴム”と“エラストマー”は、別途記載のない限り、互換的に使用されうる。用語“ゴム組成物”と“コンパウンド”は、別途記載のない限り、互換的に使用されうる。
【発明の概要及び発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に従ってコード補強されたゴム複合材料の内部層を含む部品を含有するタイヤを提供する。前記複合材料は、100重量部のゴムあたりの重量部(phr)を基にして、
(A)下記を含むゴム組成物:
(1)下記を含むエラストマー:
(a)0〜約70、あるいは約20〜約70phrの天然シス1,4−ポリイソプレンゴム、
(b)約20〜約95、あるいは約30〜約70phrの合成シス1,4−ポリイソプレンゴム、及び
(c)約2〜約20、あるいは約5〜約15phrのトランス1,4−ポリイソプレンゴム;
(2)下記を含む約20〜約70phrの量の粒状ゴム補強充填剤:
(a)ゴム補強カーボンブラック、又は
(b)沈降シリカ、又は
(c)約5〜45phrの前記沈降シリカを含有するゴム補強カーボンブラックと沈降シリカとの組合せ;
所望により、前記沈降シリカ上のヒドロキシル基(例えばシラノール基)と反応する部分及び前記天然シス1,4−ポリイソプレンゴム、合成シス1,4−ポリイソプレンゴム及びトランス1,4−ポリイソプレンゴムと相互作用する別の異なる部分を有する前記沈降シリカのためのカップリング剤を含有していてもよい(前記ゴム組成物が前記沈降シリカを含有する場合)、及び
(B)前記ゴム組成物によって被包された少なくとも一つのコード、好ましくは実質的に相互に平行に配列されている好ましくは複数の平行コード、
ここで、前記コードは個別に少なくとも一つのフィラメント、あるいは複数のケーブル化された(一緒に撚り合わされた)フィラメントを含み、
ここで前記フィラメントは、
(1)ブラス被覆されたスチールフィラメントを含む金属フィラメント、あるいは
(2)ナイロン、ポリエステル、レーヨン及びポリアラミドフィラメントの少なくとも一つを含む有機フィラメント
を含む;
を含む。
【0010】
好適な態様において、前記コードは前記ブラス被覆スチールフィラメントを含む(従って、前記有機フィラメント、すなわちナイロン、ポリエステル、レーヨン及びポリアラミドフィラメントの少なくとも一つを含むコードは除外される)。
【0011】
一態様において、ゴム層は、周方向外側ゴムトレッドと支持内部ゴムカーカスとの間に配置された周方向ゴム層であるという意味においてベルトプライである。
一態様において、ゴム層は、通常空気入りタイヤカーカスのビードからビードへ(タイヤのクラウン部を通って)伸びるカーカスプライである。
【0012】
一態様において、前記ゴム組成物は、ゴム組成物内で現場形成されるメチレン供与体とメチレン受容体化合物との樹脂性反応生成物(ゴム組成物内の前記メチレン供与体とメチレン受容体の反応から形成される)を含有して、低歪剛性を促進し(低歪時、又は動的伸び時のゴム組成物の剛性を促進し)、タイヤコードへの硬化接着を促進する。そのようなメチレン供与体は、例えばヘキサメトキシメチルメラミンを含みうる。前記メチレン受容体は、例えば、未改質フェノールノボラック樹脂及び改質フェノールノボラック樹脂、レソルシノール及びそれらの混合物の少なくとも一つを含みうる。
【0013】
一態様において、ブラス被覆スチールフィラメントを含むコードの場合、前記ゴム組成物は、コバルト又はジルコニウム塩を含有することにより、ブラス被覆スチールフィラメントへの改良された初期及び経時(老化)接着を促進する。そのようなコバルト又はジルコニウム塩は、例えば、約0.05〜約5phrの量のナフテン酸コバルト又はジルコニウム、及びネオデカン酸コバルト又はジルコニウムの少なくとも一つを含みうる。
【0014】
金属コード補強ゴム組成物のゴム組成物に任意選択のジルコニウム又はコバルト塩、特にナフテン酸コバルトを使用することの意味は、本明細書では、特にブラス又はブロンズ被覆スチールワイヤがコードに使用される場合、良好なコード接着を促進するために有益であると考えられている。
【0015】
本発明の重要な側面、又は態様は、特にブラス被覆スチールフィラメントのコードが使用されている場合、コード補強材を含有するコンパウンド中の天然シス1,4−ポリイソプレンゴムを、シス1,4−ポリイソプレンゴムと合成トランス1,4−ポリイソプレンゴムからなる合成ポリイソプレンエラストマーの組合せで完全置換することである。
【0016】
代替の態様は、特にブラス被覆スチールフィラメントのコードが使用されている場合、コード補強材を含有するコンパウンドに、天然シス1,4−ポリイソプレンゴム、合成シス1,4−ポリイソプレンゴム及びトランス1,4−ポリイソプレンゴムを含むポリイソプレンエラストマーの組合せからなるエラストマーを含有するゴムを利用することである。
【0017】
歴史的には、トレッドベースゴム組成物、すなわち外側トレッドキャップゴム層の下にあるゴム層に、天然及び合成シス1,4−ポリイソプレンゴムの少なくとも一つとトランス1,4−ポリイソプレンゴムを含む、コード補強材なしのゴム組成物が提案されている。例えば、米国特許第5,284,195号参照。
【0018】
金属コードで補強されたゴム複合材料のゴム組成物のゴムに、天然シス1,4−ポリイソプレンゴムから、天然シス1,4−ポリイソプレンゴム、合成シス1,4−ポリイソプレンゴム及び合成トランス1,4−ポリイソプレンゴムを含む前述の合成ポリイソプレンエラストマーの組合せへの置換(それによって他のエラストマーを除外する)を求めることの意味は、例えば、未硬化ゴム組成物の生強度及び粘着(構築時粘着)力及び硬化ゴム組成物の前述のコード、特にブラス被覆スチールフィラメントのコードへの接着を促進すること、及び硬化ゴム組成物の切傷生長抵抗性も改良することであり、いずれもある意味で過去の慣習から脱却している。
【0019】
実際、合成シス1,4−ポリイソプレンゴムは、未硬化ゴムに関して、典型的には生強度が比較的不良であり、かつ典型的には粘着(例えば構築時粘着)強度が多少低いという意味で、天然シス1,4−ポリイソプレンゴムと異なることが認められている。
【0020】
実際、トランス1,4−ポリイソプレンゴムは独特の合成ポリイソプレンポリマーである。その未硬化状態において約60℃という比較的低い軟化点を有するが、これは密閉式ゴムミキサー内での従来のゴム混合温度である約140℃〜約180℃の範囲よりかなり低い。さらに、その結晶化度のために、室温(例えば23℃)では大部分のその他のゴムよりも熱可塑性ポリマー、又は樹脂に近い傾向がある。このことは、密閉式ゴムミキサー内でのより高い混合剪断を促進し、それによってゴム組成物中の補強充填剤の分散を改良する可能性をもたらす。しかしながら、一つには、そのポリマー主鎖中に多数の炭素炭素二重結合を含有しているために、しかしながら、エラストマーと適切にブレンド及び硫黄共硬化(sulfur co-cured)でき、硬化ゴム組成物を得ることができる。
【0021】
典型的には、トランス1,4−ポリイソプレンは、そのイソプレン反復単位の少なくとも90、より通常的及び好適には少なくとも95パーセントがトランス1,4−異性体微細構造を含んでおり、その未硬化状態で約50℃〜約70℃の範囲の融点を有している。一方、シス1,4−ポリイソプレンゴムは、少なくとも約90、より通常的には少なくとも約95パーセントのシス1,4−異性体微細構造を有しうる。
【0022】
トランス1,4−異性体含有量は、例えば赤外分析法によって決定できる。その融点(Tm)は、例えば、当業者には公知の従来法により、1分あたり10℃の加熱速度での示差走査熱量分析によって決定することができる。例えばDuPont 9900機器などの機器が使用されうる。“融点”という用語は、より正確にはTmのことを言うと考えられるが、本テキストでは場合によっては軟化点として参照されることもある。そのガラス転移温度(Tg)は、例えば約−65〜約−75℃の範囲でありうる。
【0023】
任意選択のメチレン受容体化合物の添加剤を金属コード補強ゴム組成物に使用することができる。メチレン供与体化合物はそれと反応してゴム組成物内の現場で樹脂生成物を形成する。メチレン受容体として使用できる代表的化合物は、フェノールノボラック樹脂を含み、特に改質フェノールノボラック樹脂である。様々なメチレン受容体が、例えば、米国特許第6,605,670号、6,472,457号、5,945,500号、5,936,056号、5,688,871号、5,665,799号、5,504,127号、5,405,897号、5,244,725号、5,206,389号、5,194,513号、5,030,692号、4,605,696号、4,436,853及び4,092,455号に記載されている。
【0024】
ゴム組成物中のメチレン受容体化合物の量は、ある程度、使用されるメチレン供与体化合物の量並びにメチレン受容体化合物自体の選択及びメチレン供与体化合物対メチレン受容体化合物の所望の比率に応じて変動しうる。例えば、前記メチレン供与体とメチレン受容体の前記樹脂性反応生成物の成分としてのメチレン受容体化合物の量は、約0.1〜約5、あるいは約0.5〜約3phrの範囲でありうる。
【0025】
メチレン受容体化合物対メチレン供与体化合物の重量比は、例えば約5/1〜約1/5の範囲であろう。
コード補強ゴム複合材料のゴム組成物のためのメチレン供与体化合物とメチレン受容体化合物の組合せは、本明細書では、硬化ゴム組成物の高い低歪剛性(100℃における1〜10パーセント歪時のG’貯蔵弾性率)値及びゴム組成物の補強コードへの良好な接着を促進するために有益であると考えられている。
【0026】
シリカカップリング剤と組み合わせた沈降シリカ補強剤を使用することの意味は、本明細書では、ゴム組成物の低いヒステリシスを促進するのに有益であると考えられている。
本発明を評価するためには、未硬化ゴム組成物の生強度及び構築時粘着力、そしてまた硬化ゴム組成物の切傷生長抵抗性及びコード接着性を含む物理的性質を考慮しなければならない。規定の試験手順に従い、少なくとも5ニュートン(5N)という粘着値が、本発明のエラストマーブレンドをタイヤ構築プロセスに使用する場合、すべてのタイヤ構築用に適切であると考えられる。更なる焦点は、粘着強度として5Nという最小値を維持しながら、ワイヤ接着に加えて生強度及び切傷生長を改良するだけでない能力に当てられる。
【0027】
以下の実施例を参照することにより本発明の実施をさらに例示する。下記実施例は、本発明の範囲を制限するのではなく代表することを目的としている。別途記載のない限り、部及びパーセンテージは重量による。
【実施例】
【0028】
実施例I
ゴム組成物中のブラス被覆スチールフィラメント補強材の複合材料について、合成シス1,4−ポリイソプレンゴムをトランス1,4−ポリイソプレンゴムで置換することの評価のためにゴムサンプルを製造した。
【0029】
この評価のためにゴムサンプルA〜Eを評価した。
対照ゴムサンプルAは、そのエラストマー成分に天然シス1,4−ポリイソプレンゴムを用いて製造した。
【0030】
対照ゴムサンプルBは、そのエラストマー成分に合成シス1,4−ポリイソプレンゴムを用いて製造した。
実験ゴムサンプルC、D及びEは、対照ゴムサンプルBの合成シス1,4−ポリイソプレンゴムをそれぞれ5、10及び20phrのトランス1,4−ポリイソプレンポリマーで置換して製造した。
【0031】
ゴム組成物は、成分を密閉式ゴムミキサーにて一連の逐次混合ステップでブレンドすることによって製造した。その間、混合ステップの合間にゴム混合物を分出し(sheeting out)し、40℃未満の温度に冷却した。逐次混合ステップは、第一のノンプロダクティブ混合ステップとそれに続くプロダクティブ混合ステップ(硫黄及び促進剤が添加される)を含んでいた。
【0032】
そのような逐次ノンプロダクティブ及びプロダクティブゴム混合ステップは当業者には周知である。
ゴムサンプルA〜Eの基本配合を以下の表1に示す(単位は別途記載のない限り重量部)。
【0033】
【表1】

【0034】
合成シス1,4−ポリイソプレンゴム、The Goodyear Tire & Rubber Company社製NAT(登録商標)2200
天然シス1,4−ポリイソプレンゴム、TSR10
合成トランス1,4−ポリイソプレンゴム、Kururay社製TPR(登録商標)301
ゴム補強カーボンブラック(N347)、ASTM規格
沈降シリカ、Rhodia社製Zeosil(登録商標)1165 MP
シリカカップリング剤、Evonic社製Si266(登録商標)、ポリスルフィドブリッジ中に平均約2〜約2.6個の連結硫黄原子を有するビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィドを含む
脂肪酸、主にステアリン酸、パルミチン酸及びオレイン酸を含む
スルフェンアミド促進剤、t−ブチルベンゾチアゾールスルフェンアミド
以下の表2に、表1の基本配合に基づくゴムサンプルA〜Eの硬化挙動及び各種物理的性質を示す。ゴムサンプルは、必要に応じて約150℃で約32分間硫黄硬化された。
【0035】
【表2】

【0036】
粘着力:二つの未硬化ゴムサンプル間の界面粘着力を見る陽圧粘着試験(positive pressure tack test)による。二つの未硬化ゴムサンプルを0.2MPa(30psi)の圧力で30秒間互いに押し付けた後圧力を解放し、室温(例えば23℃)で引き離す。サンプルを引き離すための力をニュートン(N)力の単位で測定する。
【0037】
生強度:未硬化サンプルを、成形コンパウンドシートから型抜きした(切り取った)ダンベルを用い、23℃で試験した。引張速度508cm/分で試験し、引っ張るのに測定された力をMPaで報告した。
【0038】
切傷生長速度:ゴムサンプルの連続動的屈曲により、亀裂生長速度を測定。表では23℃における屈曲時間に関し、ミリメートル(mm)の単位で表されている。
標準のワイヤ及びテキスタイルコード接着試験(SWAT):ブラス被覆ワイヤコードをゴム組成物中に包埋することによって実施した。次にゴム/コードサンプルを指示温度で硬化した。ゴムサンプル中の各コードをASTM D2229−73による引抜き試験に付した。引抜き試験の結果をニュートンで表す。ワイヤコードのゴム被覆率を報告する。100パーセントの被覆率が望ましいが、得るのは困難である。ワイヤコードはブラス被覆スチールワイヤであった。
【0039】
ムービング・ダイ・レオメーター機器(MDR)によるデータ
ラバー・プロセス・アナライザー機器(RPA)によるデータ
Instron Corporation社の自動試験システム機器(ATS)によるデータ
引裂強さ(剥離接着試験(peel strength adhesion test)):ゴム組成物の二つのサンプル間の界面接着力を測定する。特に、そのような界面接着力は、インストロン機器を用い、ゴム組成物の二つの端部を互いに180°の角度で引き離しながら、一方のゴム組成物を他方から、引き裂かれていない試験片に対して直角に引き離すことによって測定する。ゴムサンプル間の界面における接触面積は、二つのゴムサンプルが互いに接触できるようにフィルムに切り抜きウィンドウを設けたマイラー(Mylar)(登録商標)フィルムをサンプル間に配置することによって容易化される。その後該サンプルを一緒に加硫し、得られた二つのゴム組成物の複合材料を剥離試験に使用する。
【0040】
表2からわかるように、100phrの合成シス1,4−ポリイソプレンを含有する対照ゴムサンプルBを100phrの天然ゴムを含有する対照ゴムサンプルAと比較すると、合成シス1,4−ポリイソプレンゴムは以下の重要な相対的不利益を示している。すなわち未硬化ゴム組成物の低い粘着力及び低い生強度である。未硬化ゴムコンパウンドのこれら二つの性質は、特にそれがコードを含有するタイヤ部品、例えばプライ又はベルトオンパウンドに使用される場合、タイヤコードとの成形的カレンダリングプロセスをひどく妨害する。なぜならば、適正なコード間隔を維持するためには高い生強度が必要だからである。タイヤ構築プロセス中もゴム組成物の生強度及び粘着力は、タイヤ部品のために均一なゴム/コード複合材料を構築するための重要な物理的性質である。生強度は、硬化金型内での硬化プロセス中に起こるタイヤ成形時にも非常に重要である。このことは、適切な構築時粘着力及び/又は生強度が欠如すると、タイヤの最終硬化後、コードがプライ又はベルトコンパウンド中で不均一な間隔を有しうるという点でタイヤの均一性の劣化がもたらされうるので重要と見なされる。
【0041】
同じく表2からわかるように、5phrのトランス1,4−ポリイソプレンを合成シス1,4−ポリイソプレンに(実験ゴムサンプルC)又は10phrのトランス1,4−ポリイソプレンを合成シス1,4−ポリイソプレンに(実験ゴムサンプルD)添加すると、表2に報告されている高い値に示されているように、未硬化ゴムの粘着力及び生強度に相当の改良をもたらすことができる。
【0042】
しかしながら、20phrのトランス1,4−ポリイソプレンを合成シス1,4−ポリイソプレンに添加すると(実験ゴムサンプルE)、生強度はさらに改良されるものの、粘着力に悪影響があることもさらに観察できる。
【0043】
実験ゴムサンプルC、D及びEに関して表2で報告されている結果は、試験を60分間実施した後に観察された切傷生長の値が低いので、切傷生長抵抗性(切傷生長速度)における顕著な改良も示している。
【0044】
追加の重要な好結果は、トランス1,4−ポリイソプレンをそれぞれ5及び10phr含有する実験ゴムサンプルC及びDの改良されたワイヤ接着について観察されている。それは、初期ワイヤ接着のほか、サンプルを90℃の水中で10日間、又は120℃の窒素雰囲気中で10日間老化させた後に測定されたワイヤ接着に関するものである。しかしながら、20phrのトランス1,4−ポリイソプレンレベルでは、すなわち実験ゴムサンプルEの場合、ワイヤ接着は老化前は等しいが、ワイヤ接着試験前に適用されたいずれかの老化条件後は顕著に低下していることもさらに観察されている。これらの結果から、トランス1,4−ポリイソプレンの上方最大使用量は、天然シス1,4−ポリイソプレンの不在下で合成シス1,4−ポリイソプレンとブレンドする場合、20phr未満であることが示唆される。このことは、合成シス1,4−ポリイソプレンとのブレンド中のトランス1,4−ポリイソプレンレベルが5又は10phrだと粘着力を改良し、生強度並びに初期及び経時(老化)ワイヤ接着も、100phrの天然シス1,4−ポリイソプレンを含有する対照コンパウンド(対照ゴムサンプルA)と比較した場合に改良が観察できるので、重要であると考えられる。
【0045】
実施例II
10パーセントの天然シス1,4−ポリイソプレンゴムを合成トランス1,4−ポリイソプレンゴムで置換することの評価のためにゴムサンプルを製造した。
【0046】
この評価のために対照ゴムサンプルF及び比較ゴムサンプルGを評価し、結果を表3に示す。
対照ゴムサンプルFは、そのエラストマー成分に天然シス1,4−ポリイソプレンゴム(100phr)を用いて製造した。
【0047】
比較ゴムサンプルGは、そのエラストマー成分に90phrの天然シス1,4−ポリイソプレンゴム及び10phrの合成トランス1,4−ポリイソプレンゴムを用いて製造した。この比較は、前の実施例(実施例I)で、10phrのトランス1,4−ポリイソプレンを合成シス1,4−ポリイソプレンに添加すると、改良された粘着力及び生強度、改良された切傷生長抵抗性及び改良された初期及び経時ワイヤ接着が得られることが示されたために行われた。
【0048】
ゴム組成物は実施例Iのように製造された。
以下の表3に、実施例Iの表1に示された基本配合に基づくゴムサンプルF及びGの硬化挙動及び各種物理的性質を示す。ゴムサンプルは、必要に応じて約150℃で約32分間硫黄硬化された。
【0049】
【表3】

【0050】
表3から、10phrの合成トランス1,4−ポリイソプレンの添加によって天然シス1,4−ポリイソプレンの切傷生長及び生強度は改良されているが、粘着力並びに初期及び経時ワイヤ接着は低下していることがわかる。これは、実施例Iで観察されたような合成シス1,4−ポリイソプレンへの同じ10phrのトランス1,4−ポリイソプレンの添加とは際立って対照的である。
【0051】
要するに、合成トランス1,4−ポリイソプレンの合成及び天然シス1,4−ポリイソプレンへのそれぞれの添加は、粘着力及びワイヤ接着に関して異なる結果をもたらすが、生強度及び切傷生長抵抗性に及ぼす好影響は同様である、と結論付けられる。
【0052】
実施例III
天然シス1,4−ポリイソプレンゴムを、合成シス1,4−ポリイソプレン及び合成トランス1,4−ポリイソプレンから選ばれる合成ポリイソプレンエラストマーで置換することの評価のためにゴムサンプルを製造した。
【0053】
この評価のためにゴムサンプルH〜Oを評価し、結果を表4に示す。
実験ゴムサンプルHは100phrの合成シス1,4−ポリイソプレンを含有していたが、ゴムサンプルJ、L及びNは、それらのエラストマー成分に、天然シス1,4−ポリイソプレンゴム及び合成シス1,4−ポリイソプレンゴムの組合せを含む二つのポリイソプレンエラストマーを用いて製造した。
【0054】
実験ゴムサンプルK、M及びOは、それらのエラストマー成分に、天然シス1,4−ポリイソプレンゴム、合成シス1,4−ポリイソプレンゴム及び合成トランス1,4−ポリイソプレンゴムの組合せを含む三つのポリイソプレンエラストマーを用いて製造した。
【0055】
実験ゴムサンプルIは、そのエラストマー成分に、合成シス1,4−ポリイソプレンゴム及び合成トランス1,4−ポリイソプレンゴムの組合せを含む二つのポリイソプレンエラストマーを用いて製造した。
【0056】
ゴム組成物は実施例Iの様式で製造された。
以下の表4に、実施例Iの表1の基本配合に基づくゴムサンプルH〜Oの硬化挙動及び各種物理的性質を示す。ゴムサンプルは、必要に応じて約150℃で約32分間硫黄硬化された。
【0057】
【表4】

【0058】
表4からわかるように、10phrの合成トランス1,4−ポリイソプレンの合成シス1,4−ポリイソプレンのみへの添加は、対照ゴムサンプルH及びIに見られるように、粘着力の改良をもたらす。しかしながら、10phrの合成トランス1,4−ポリイソプレンを合成シス1,4−ポリイソプレンと天然シス1,4−ポリイソプレンのブレンドに添加すると、実験ゴムサンプルK、M及びOに見られるように、粘着力のある程度の喪失をもたらした。しかしながら、これは、未硬化ゴム組成物に関して以前報告された、少なくとも5ニュートンという粘着力の最小目標値に基づくと、まだ適切であると考えられる。これに対し、10phrのトランス1,4−ポリイソプレンの全ゴムサンプルI、K、M及びOへの添加は、改良された生強度及び改良された切傷生長抵抗性をもたらした。
【0059】
10phrのトランス1,4−ポリイソプレンの添加は、トランス1,4−ポリイソプレンと合成シス1,4−ポリイソプレンのみとのブレンド(実験ゴムサンプルI)であれ、合成シス1,4−ポリイソプレンと天然シス1,4−ポリイソプレンの組合せとのブレンド(ゴムサンプルK、M及びO)であれ、全ゴムサンプルに改良された経時ワイヤ接着を提供している。ほとんどの場合で、10phrのトランス1,4−ポリイソプレンを含有するすべてのブレンドは、改良された初期ワイヤ接着も示している。データを注意深く分析すると、10phrのトランス1,4−ポリイソプレンのシス1,4−ポリイソプレンへのブレンドに関して以下の結論も得られる。合成シス1,4−ポリイソプレンと天然シス1,4−ポリイソプレンのブレンドへの添加は良好な経時ワイヤ接着性をもたらしており、実施の最良の形態の基本は、トランス1,4−ポリイソプレンと合成シス1,4−ポリイソプレン及び天然シス1,4−ポリイソプレンの組合せとのブレンドである、ということが確立される。この結果は全く予想外で、本発明の実施の最良の形態を提供している。
【0060】
本発明を説明する目的で、一定の代表的態様及び詳細を示してきたが、当業者には、本発明の精神又は範囲から逸脱することなく、その中で多様な変更及び修正がなされうることは明白であろう。
【0061】
[発明の態様]
1.コード補強されたゴム複合材料の内部層を含有するタイヤであって、前記複合材料は、100重量部のゴムあたりの重量部(phr)を基にして、
(A)下記を含むゴム組成物:
(1)下記を含むエラストマー:
(a)0〜約70phrの天然シス1,4−ポリイソプレンゴム、
(b)約20〜約95phrの合成シス1,4−ポリイソプレンゴム、及び
(c)約2〜約20phrのトランス1,4−ポリイソプレンゴム;
(2)下記を含む約20〜約70phrの量の粒状ゴム補強充填剤:
(a)ゴム補強カーボンブラック、又は
(b)沈降シリカ、又は
(c)約5〜45phrの前記沈降シリカを含有するゴム補強カーボンブラックと沈降シリカとの組合せ;
(B)前記ゴム組成物によって被包された少なくとも一つのコード、ここで前記コードは個別に少なくとも一つのフィラメントを含み、ここで前記フィラメントは、
(1)ブラス被覆されたスチールフィラメントを含む金属フィラメント、又は
(2)ナイロン、ポリエステル、レーヨン及びポリアラミドフィラメントの少なくとも一つを含む有機フィラメント
を含む;
を含むタイヤ。
【0062】
2.前記ゴム組成物が、前記沈降シリカ上のヒドロキシル基と反応する部分及び前記天然シス1,4−ポリイソプレンゴム、合成シス1,4−ポリイソプレンゴム及びトランス1,4−ポリイソプレンゴムと相互作用する別の異なる部分を有する前記沈降シリカのためのカップリング剤を含有する、1記載のタイヤ。
【0063】
3.前記エラストマーが、
(A)約20〜約70phrの天然シス1,4−ポリイソプレンゴム、
(B)約30〜約70phrの合成シス1,4−ポリイソプレンゴム、及び
(C)約5〜約15phrのトランス1,4−ポリイソプレンゴム
を含む、1記載のタイヤ。
【0064】
4.前記ゴム組成物が、前記沈降シリカ上のヒドロキシル基と反応する部分及び前記天然シス1,4−ポリイソプレンゴム、合成シス1,4−ポリイソプレンゴム及びトランス1,4−ポリイソプレンゴムと相互作用する別の異なる部分を有する前記沈降シリカのためのカップリング剤を含有する、3記載のタイヤ。
【0065】
5.前記エラストマーが、
(A)20〜約95phrの合成シス1,4−ポリイソプレンゴム、及び
(B)約5〜約15phrのトランス1,4−ポリイソプレンゴム
を含む、1記載のタイヤ。
【0066】
6.前記ゴム組成物が、前記沈降シリカ上のヒドロキシル基と反応する部分及び前記天然シス1,4−ポリイソプレンゴム、合成シス1,4−ポリイソプレンゴム及びトランス1,4−ポリイソプレンゴムと相互作用する別の異なる部分を有する前記沈降シリカのためのカップリング剤を含有する、5記載のタイヤ。
【0067】
7.前記トランス1,4−ポリイソプレンが、少なくとも90パーセントのトランス1,4−異性体単位を含む微細構造を有する、1記載のタイヤ。
8.前記天然及び合成シス1,4−ポリイソプレンが、少なくとも90パーセントのシス1,4−異性体単位を含む微細構造を有する、1記載のタイヤ。
【0068】
9.前記トランス1,4−ポリイソプレンが、少なくとも90パーセントのトランス1,4−異性体単位を含む微細構造を有する、2記載のタイヤ。
10.前記トランス1,4−ポリイソプレンが、少なくとも90パーセントのトランス1,4−異性体単位を含む微細構造を有する、4記載のタイヤ。
【0069】
11.前記トランス1,4−ポリイソプレンが、少なくとも90パーセントのトランス1,4−異性体単位を含む微細構造を有する、6記載のタイヤ。
12.前記コードが少なくとも一つのブラス被覆スチールフィラメントを含み、前記有機フィラメントは除外される、1記載のタイヤ。
【0070】
13.前記コードが少なくとも一つのブラス被覆スチールフィラメントを含み、前記有機フィラメントは除外される、2記載のタイヤ。
14.前記コードが少なくとも一つのブラス被覆スチールフィラメントを含み、前記有機フィラメントは除外される、3記載のタイヤ。
【0071】
15.前記コードが、ナイロン、ポリエステル、レーヨン及びポリアラミドフィラメントの少なくとも一つを含み、金属フィラメントは除外される、1記載のタイヤ。
16.前記コードが、ナイロン、ポリエステル、レーヨン及びポリアラミドフィラメントの少なくとも一つを含み、金属フィラメントは除外される、2記載のタイヤ。
【0072】
17.前記コードが、ナイロン、ポリエステル、レーヨン及びポリアラミドフィラメントの少なくとも一つを含み、金属フィラメントは除外される、3記載のタイヤ。
18.前記補強充填剤がゴム補強カーボンブラックである、1記載のタイヤ。
【0073】
19.前記補強充填剤がゴム補強カーボンブラックと沈降シリカの前記組合せである、2記載のタイヤ。
20.前記タイヤ部品が、カーカスプライ及び周方向トレッドベルトプライの少なくとも一つを含む、1記載のタイヤ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コード補強されたゴム複合材料の内部層を含有するタイヤであって、前記複合材料は、100重量部のゴムあたりの重量部(phr)を基にして、
(A)下記を含むゴム組成物:
(1)下記を含むエラストマー:
(a)0〜70phrの天然シス1,4−ポリイソプレンゴム、
(b)20〜95phrの合成シス1,4−ポリイソプレンゴム、及び
(c)2〜20phrのトランス1,4−ポリイソプレンゴム;
(2)下記を含む20〜70phrの量の粒状ゴム補強充填剤:
(a)ゴム補強カーボンブラック、又は
(b)沈降シリカ、又は
(c)5〜45phrの前記沈降シリカを含有するゴム補強カーボンブラックと沈降シリカとの組合せ;
(B)前記ゴム組成物によって被包された少なくとも一つのコード、ここで前記コードは個別に少なくとも一つのフィラメントを含み、ここで前記フィラメントは、
(1)ブラス被覆されたスチールフィラメントを含む金属フィラメント、又は
(2)ナイロン、ポリエステル、レーヨン及びポリアラミドフィラメントの少なくとも一つを含む有機フィラメント
を含む;
を含むことを特徴とするタイヤ。
【請求項2】
前記ゴム組成物が、前記沈降シリカ上のヒドロキシル基と反応する部分及び前記天然シス1,4−ポリイソプレンゴム、合成シス1,4−ポリイソプレンゴム及びトランス1,4−ポリイソプレンゴムと相互作用する別の異なる部分を有する前記沈降シリカのためのカップリング剤を含有することを特徴とする、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項3】
前記エラストマーが、
(A)20〜70phrの天然シス1,4−ポリイソプレンゴム、
(B)30〜70phrの合成シス1,4−ポリイソプレンゴム、及び
(C)5〜15phrのトランス1,4−ポリイソプレンゴム
を含むことを特徴とする、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項4】
前記ゴム組成物が、前記沈降シリカ上のヒドロキシル基と反応する部分及び前記天然シス1,4−ポリイソプレンゴム、合成シス1,4−ポリイソプレンゴム及びトランス1,4−ポリイソプレンゴムと相互作用する別の異なる部分を有する前記沈降シリカのためのカップリング剤を含有することを特徴とする、請求項3に記載のタイヤ。
【請求項5】
前記エラストマーが、
(A)20〜95phrの合成シス1,4−ポリイソプレンゴム、及び
(B)5〜15phrのトランス1,4−ポリイソプレンゴム
を含むことを特徴とする、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項6】
前記ゴム組成物が、前記沈降シリカ上のヒドロキシル基と反応する部分及び前記天然シス1,4−ポリイソプレンゴム、合成シス1,4−ポリイソプレンゴム及びトランス1,4−ポリイソプレンゴムと相互作用する別の異なる部分を有する前記沈降シリカのためのカップリング剤を含有することを特徴とする、請求項5に記載のタイヤ。
【請求項7】
前記トランス1,4−ポリイソプレンが、少なくとも90パーセントのトランス1,4−異性体単位を含む微細構造を有することを特徴とする、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項8】
前記天然及び合成シス1,4−ポリイソプレンが、少なくとも90パーセントのシス1,4−異性体単位を含む微細構造を有することを特徴とする、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項9】
前記トランス1,4−ポリイソプレンが、少なくとも90パーセントのトランス1,4−異性体単位を含む微細構造を有することを特徴とする、請求項2に記載のタイヤ。
【請求項10】
前記トランス1,4−ポリイソプレンが、少なくとも90パーセントのトランス1,4−異性体単位を含む微細構造を有することを特徴とする、請求項4に記載のタイヤ。
【請求項11】
前記トランス1,4−ポリイソプレンが、少なくとも90パーセントのトランス1,4−異性体単位を含む微細構造を有することを特徴とする、請求項6に記載のタイヤ。
【請求項12】
前記コードが少なくとも一つのブラス被覆スチールフィラメントを含み、前記有機フィラメントは除外されることを特徴とする、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項13】
前記コードが少なくとも一つのブラス被覆スチールフィラメントを含み、前記有機フィラメントは除外されることを特徴とする、請求項2に記載のタイヤ。
【請求項14】
前記コードが少なくとも一つのブラス被覆スチールフィラメントを含み、前記有機フィラメントは除外されることを特徴とする、請求項3に記載のタイヤ。
【請求項15】
前記コードが、ナイロン、ポリエステル、レーヨン及びポリアラミドフィラメントの少なくとも一つを含み、金属フィラメントは除外されることを特徴とする、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項16】
前記コードが、ナイロン、ポリエステル、レーヨン及びポリアラミドフィラメントの少なくとも一つを含み、金属フィラメントは除外されることを特徴とする、請求項2に記載のタイヤ。
【請求項17】
前記コードが、ナイロン、ポリエステル、レーヨン及びポリアラミドフィラメントの少なくとも一つを含み、金属フィラメントは除外されることを特徴とする、請求項3に記載のタイヤ。
【請求項18】
前記補強充填剤がゴム補強カーボンブラックであることを特徴とする、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項19】
前記補強充填剤がゴム補強カーボンブラックと沈降シリカの前記組合せであることを特徴とする、請求項2に記載のタイヤ。
【請求項20】
前記タイヤ部品が、カーカスプライ及び周方向トレッドベルトプライの少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項1に記載のタイヤ。

【公開番号】特開2013−112820(P2013−112820A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−257330(P2012−257330)
【出願日】平成24年11月26日(2012.11.26)
【出願人】(590002976)ザ・グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー・カンパニー (256)
【氏名又は名称原語表記】THE GOODYEAR TIRE & RUBBER COMPANY
【住所又は居所原語表記】1144 East Market Street,Akron,Ohio 44316−0001,U.S.A.
【Fターム(参考)】