説明

内面溝付伝熱管

【課題】 圧力損失を増大することなしに熱交換性能を高めることができる内面溝付伝熱管を得る。
【解決手段】 金属管の内周面がその周方向において2以上の領域R1〜R4に区分され、これら各領域のそれぞれに伝熱管1の軸線方向に並ぶ多数のフィン2が形成され、奇数番の領域R1,R3に含まれるフィン2は伝熱管軸線に対して10〜25゜傾斜するとともに、偶数番の領域R2,R4に含まれるフィン2は伝熱管軸線に対して−10〜−25゜傾斜し、周方向に隣接するフィン2同士の間には間隙4Aが形成されている。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空調装置や冷却装置の熱交換器等に用いられる内面溝付伝熱管に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の内面溝付伝熱管は、空調装置や冷却装置の熱交換器等において蒸発管または凝縮管として主に使用されるもので、最近では内面の全面に亙って螺旋状のフィンを形成した伝熱管が広く市販されている。
【0003】現在主流となっている伝熱管は、引き抜きまたは押し出し加工により得られたシームレス(継ぎ目のない)管の内部に、外周面に螺旋溝が形成されたフローティングプラグを通すことにより、金属管の内周面の全面に亙ってフィンを転造する方法により製造されており、一般に使用されている外径10mm程度の伝熱管では、フィンの高さは0.15〜0.20mm、フィンのピッチ(隣接するフィンの頂点間の距離)は0.45〜0.55mm、フィン間に形成された溝の底幅は0.20〜0.30mm程度とされている。
【0004】このような螺旋状フィンを形成した内面溝付伝熱管では、伝熱管の内部下側に溜まる熱媒液体が、管内を流れる蒸気流に吹き流されて螺旋状フィンに沿って巻き上げられ、管内周面の全面に広がる。この作用により、管内周面の全面がほぼ均一に濡れるから、熱媒液体を気化するための蒸発管として使用した場合には、沸騰の生じる領域の面積を増して沸騰効率を高めることができる。また、熱媒気体を液化するための凝縮管として使用した場合には、フィン先端が液面から露出することにより金属面と熱媒気体との接触効率を高め、凝縮効率を高めることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、本発明者らは、伝熱管の溝の展開形状を様々に変化させて多種類の内面溝付伝熱管を作成し、これらの性能を比較した結果、伝熱管内面に周方向へジグザグに延びる多数のフィンを形成した場合、他の溝形状に比して高い熱交換性能が得られることを見いだした。
【0006】しかし同時に、この場合には、内面溝付伝熱管内を流れる熱媒体の圧力損失が増し、熱媒体の循環装置に負担がかかるため、高い熱交換性能にも拘わらず現実には使用困難であることが判明した。そこで、本発明者らはさらに検討を重ねた結果、ジグザグ形状のフィンの各屈折部に間隙を形成することにより、圧力損失を増大することなしに熱交換性能を高めることができることを見いだすに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る内面溝付伝熱管は、金属管の内周面がその周方向において2以上の領域に区分され、これら各領域のそれぞれには伝熱管の軸線方向に並ぶ多数のフィンが形成され、いずれか1つの領域から数えて奇数番の領域に含まれるフィンは伝熱管の軸線に対して10〜25゜傾斜させられているとともに、前記1の領域から数えて偶数番の領域に含まれるフィンは伝熱管の軸線に対して−10〜−25゜傾斜しており、さらに、周方向に隣接するフィンの端部同士の間には間隙が形成されていることを特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る内面溝付伝熱管の第1の実施形態を示す一部展開した平面図である。この内面溝付伝熱管1の内周面は、その周方向90゜毎に4つの領域R1〜R4に区分され、これら領域R1〜R4のそれぞれには、伝熱管1の軸線方向に並ぶ多数のフィン2が互いに平行に形成され、平行なフィン2同士の間は溝部3とされている。
【0009】本発明の内面溝付伝熱管1は、フィン2の配置に主たる特徴を有する。すなわち、この伝熱管1では、いずれか1つの領域(この場合R1)から数えて奇数番の領域R1,R3に含まれるフィン2が、伝熱管軸線に対して10〜25゜の角度αをなすように形成される一方、偶数番の領域R2,R4に含まれるフィン2は、伝熱管軸線に対して−10〜−25゜の角度βをなすように形成されている。フィン2の傾斜角度α,βの絶対値が25゜を越えるとフィン2が流れに対して垂直に近くなり、流れを遮って圧力損失が大きくなるため好ましくない。また、フィン2の傾斜角度α,βの絶対値が10゜未満であると、フィン2が流れに対して平行に近くなり、フィン2による乱流発生効果が低下する。
【0010】傾斜角度α,βの正負は逆であってもよく、要は、フィン2が全体としてジグザク状に配列されるように、周方向へ隣接するフィン2が伝熱管軸線に対し交互に逆方向へ傾斜していればよい。この実施形態では、隣接するフィン2の端部が周方向に揃えられている。また、図1では、同じ領域内のフィン2が互いに平行にされているが、これらは必ずしも平行でなくてもよく、前記範囲内でフィン毎に傾斜角度を異ならせてもよい。
【0011】各領域R1〜R4の境界には、伝熱管1の長手方向に連続する溝部4が形成されており、これにより、周方向に隣接するフィン2同士の間には、それぞれ一定の間隙4Aが形成されている。溝部4の底面は溝部3の底面と同一高さであってもよいし、溝部3より若干高くてもよい。外径が1cm程度の汎用伝熱管の場合には、間隙4Aの幅C1は0.05〜0.5mm、特に0.1〜0.3mmであることが好ましい。幅C1が0.05〜0.5mmの範囲であると、圧力損失と熱交換効率とのバランスが良好である。但し、本発明は上記範囲のみに限定されるものではなく、他の値も採用できるのは勿論である。
【0012】フィン2の断面形状は必ずしも限定されるものではないが、本発明では図2に示すように、同じ領域内のフィン2のピッチPが0.3〜0.4mm、フィン2の金属管内周面からの高さHが0.15〜0.30mmであることが好適である。このように従来よりも背の高いフィン形状を採用した場合には、乱流発生効果が良好であり、特殊なフィン配置による効果と相まって、伝熱管1の熱交換効率がいっそう向上できる。また、このように細く高いフィン2によれば、金属管1の内面が熱媒液体で覆われた際にも、フィン2の先端部における排液性が良好になるから、凝縮管として使用した場合にフィン2の先端金属面が熱媒気体と直接接触しやすく、良好な凝縮性能を得ることができる。
【0013】フィン2の両側面のなす角度γ(頂角)は、必ずしも限定されるものではないが、より好ましくは10〜25゜とされる。このようにフィン2の頂角が小さい場合には、フィン2の側面が管内周面からほぼ垂直に起立するため、伝熱管1内を流れる熱媒気体の風圧によって熱媒液体がフィン2上へ吹き上げられることが少ない。このため、フィン2により熱媒液体の流れを規制して乱流を引き起こす効果が増すだけでなく、この伝熱管1を凝縮管として使用した場合には、個々のフィン2の先端部が露出する傾向が高くなり、熱媒気体と金属面との接触面積を増して、高い凝縮効率を得ることができる。また、図示の例ではフィン2の頂点が断面半円状にされているが、本発明は断面台形状としても、断面三角形状としてもよい。
【0014】伝熱管1の外径、肉厚、長さ等の寸法は限定されず、従来から使用されているいかなる寸法の伝熱管にも本発明は適用可能である。伝熱管1の材質としては一般に銅または銅合金が使用されるが、本発明はそれに限定されることなく、アルミニウムを始めとする各種金属も使用可能である。なお、この実施形態では伝熱管1の断面形状が円形であるが、本発明は断面円形に限らず、必要に応じて断面楕円形や偏平管状等としてもよい。さらに、ヒートパイプの本体として使用することも有効である。
【0015】このような内面溝付伝熱管を製造するには、以下のような方法が採用できる。まず、帯状の金属板条材を用意し、この板条材を、フィン2、溝部3、および溝部4とそれぞれ相補形状をなす断面を有する圧延ロールおよび受けロールの間に通して圧延することにより、板条材の表面にフィン2、溝部3、および溝部4を同時に形成する。前記圧延ロールとしては、フィン2と溝部3を形成するための螺旋溝付き圧延ロールと、溝部4を形成するための円板状ロールとを交互に重ねた積層ロールを使用することもでき、その場合には、積層する各ロールを交換することにより、各部の形状を任意に設定することが可能となる。
【0016】次に、フィン2、溝部3,4が転写された金属板条材を、その溝形成面を内面側に向けた状態で電縫装置にセットし、多段階に成形ロールの間を通して板条材を幅方向に丸め、最後に突き合わせた両側縁部5を溶接し円管形に成形し、内面溝付伝熱管とする。電縫装置は通常使用されているものでよく、電縫条件も通常の加工と同じでよい。その後、伝熱管の外周面において溶接部を整形したうえ、伝熱管をロール状に巻きとるか所定の長さで切断する。
【0017】上記構成からなる内面溝付伝熱管1によれば、内面に形成されているフィン2が、いずれの向きに流れる熱媒体に対しても、流れの上流に向けて開く2対のV字を構成するように配置されているので、各フィン2の側面により集められた熱媒体はV字の突き合わせ部分で衝突して合流し、さらにフィン2同士の間隙4Aを通り抜ける。この過程において、熱媒体は攪拌されて不規則な乱流が発生するため、熱媒体の流れの中に温度勾配が生じることが防止でき、熱媒と伝熱管金属面との熱交換を促進して伝熱効率を高めることが可能である。特に、混合熱媒(複数の熱媒を混合したもの)を使用した場合には、熱媒成分の分離を防ぐことができ、混合熱媒本来の性能を引き出すことができる。
【0018】また、フィン2同士の端部間には間隙4Aが形成されているので、これら間隙4Aを通って熱媒流体を逃すことができ、高い伝熱効率の向上率にも拘わらず伝熱管1内を流れる圧力損失を小さく抑えることができる。このように、伝熱効率の向上と、圧力損失の低下という相反する2つの効果を両立させることができる点が、本発明の重要な効果である。
【0019】[第2実施形態]図3は、本発明の第2実施形態を示している。前記第1実施形態では、周方向に隣接するフィン2の端部が揃えられていたが、この第2実施形態では、隣接する領域のフィン2を半ピッチずらしたことを特徴としている。他の構成は第1実施形態と同様でよい。
【0020】このように、フィン2を各領域R1〜4で半ピッチずらしたことにより、溝部4の幅を変えずとも、周方向に隣接するフィン2同士の間隙4Aが実質的に拡大できる。また、図中矢印に示すように、熱媒体の流れが蛇行する傾向を増す。
【0021】[第3実施形態]図4は、本発明の第3実施形態を示している。第1および第2実施形態では、伝熱管1の内面を周方向に4つの領域R1〜R4に分けていたが、この例では、周方向に2つの領域R1,R2のみに分けたことを特徴としている。このため伝熱管の外径が同一であれば、前記各実施形態に比してフィン2の長さが略2倍になる。他の構成に関しては、前記各実施形態と同様でよい。
【0022】このような第3実施形態によれば、内面に形成されているフィン2が、いずれの向きに流れる熱媒体に対しても、流れの上流に向けて開く単一のV字を構成するように配置され、このV字の谷間に相当する側の溝部4に熱媒体が集まる特性を有する。この特性を生かすため、この第3実施形態では、使用態様に応じて伝熱管1の上下を設定することが好ましい。
【0023】例えば、凝縮管として使用するのであれば、金属面と熱媒気体とを直接接触させることが好ましいので、蒸気流に対してV字の谷間に相当する側の溝部4を下向きに配置する。すると、伝熱管1内に溜まって流れる熱媒液体がフィン2に沿って伝熱管1の内面上側にまで広がりにくくなるから、前記効果と相まって凝縮効率を高めることが可能である。なお、この実施形態においても隣接する領域のフィンのピッチをずらすことが可能である。
【0024】[第4実施形態]図5は、本発明の第4実施形態を示している。この例では、伝熱管1の内周面を周方向に6つの領域R1〜R6に分けたことを特徴としており、これら領域R1〜R6のそれぞれに、伝熱管1の軸線方向に並ぶ多数のフィン2が互いに平行に形成されている。他の構成は第1実施形態と同様であるから同一符号を付して説明を省略する。
【0025】このような構成からなる内面溝付伝熱管1によっても、第1実施形態と同様の優れた効果が得られる。
【0026】[第5実施形態]図6は、本発明の第5実施形態を示している。この例では、伝熱管1の内周面を周方向に4つに区画している点が第1実施形態と同様であるが、各領域の境界部に溝部4を形成しておらず、その代わりに、フィン2を各領域R1〜4で半ピッチずらして相互の間に間隙6を形成したことを特徴としている。外径が1cm程度の汎用伝熱管の場合、伝熱管軸線方向における間隙6の幅C2は0.05〜0.5mm、特に0.1〜0.3mmであることが好ましい。幅C2が0.05〜0.5mmの範囲であると、圧力損失と熱交換効率とのバランスが特に良好である。但し、本発明は上記範囲のみに限定されるものではなく、他の値も採用できるのは勿論である。
【0027】このような構成によっても、伝熱管内面に形成されているフィン2が、いずれの向きに流れる熱媒体に対しても、流れの上流に向けて開く2対のV字(y字)を構成するように配置されているので、各フィン2の側面により集められた熱媒体はV字の突き合わせ部分で衝突して合流し、さらにフィン2同士の間隙6を通り抜ける。この過程において、熱媒流体は攪拌されて不規則な乱流が発生するため、熱媒液体の流れの中に温度勾配が生じることが防止でき、熱媒と伝熱管金属面との熱交換を促進して伝熱効率を高めることが可能である。また、フィン2同士の端部間に間隙6が形成されているので、これら間隙6を通して熱媒流体を逃すことができ、高い伝熱効率の向上率にも拘わらず伝熱管1内を流れる圧力損失を小さく抑えることができるという優れた効果を奏する。
【0028】なお、本発明に係る内面溝付伝熱管は、上記各実施形態に限定されるものではなく、その他にも種々の構成が可能である。例えば、伝熱管の外径が大きい場合には、伝熱管の内周面を8つ以上の領域に区画することも可能であるし、必要であれば各フィンを円弧状に形成することも可能である。さらに、各フィン2の中央部等に凹部や切り込みを別途形成してもよい。
【0029】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明の効果を実証する。フィンの形状のみが異なる下記8通りの伝熱管をそれぞれ形成し、これら伝熱管について、伝熱効率と圧力損失を比較した。
【0030】a1型:内面に螺旋状の溝を形成した伝熱管(比較例1)
b1型:内面に単一のV字状をなすように2列のフィンが形成されているが、周方向に隣接するフィン間に間隙が形成されていない伝熱管(比較例2)
c1型:内面に2対のV字状をなすように4列のフィンが形成されているが、周方向に隣接するフィン間に間隙が形成されていない伝熱管(比較例3)
d1型:内面に3対のV字状をなすように6列のフィンが形成されているが、周方向に隣接するフィン間に間隙が形成されていない伝熱管(比較例4)
c2型:内面に2対のV字状をなすように4列のフィンが形成され、周方向に隣接するフィン間に間隙が形成されている伝熱管(実施例1):図1d2型:内面に3対のV字状をなすように6列のフィンが形成され、周方向に隣接するフィン間に間隙が形成されている(実施例2):図5c3型:内面に2対のV字状をなすように4列のフィンが形成され、周方向に隣接するフィンが互いに半ピッチずらされて間隙が形成されている伝熱管(実施例3):図6d3型:内面に3対のV字状をなすように6列のフィンが形成され、周方向に隣接するフィンが互いに半ピッチずらされて間隙が形成されている伝熱管(実施例4)
【0031】なお、以下の寸法に関しては、いずれの伝熱管でも共通とした。
フィンのピッチP=0.36mmフィンの高さH=0.24mmフィンの両側面のなす角度γ=17゜(管軸に対して直角な断面でのフィン断面角度=20゜)
フィン間の溝幅=0.22mm(管軸方向での溝幅=0.85mm)
さらに、伝熱管の軸線に対するフィンの傾斜角度は、a1型の伝熱管では15゜、それ以外の伝熱管では全て15゜および−15゜とした。c2型およびd2型の伝熱管における間隙量C1は0.2mm、c3型およびd3型の伝熱管におけるずれ量C2も0.2mmとした。
【0032】次に、得られた各伝熱管について、図7および図8に示す装置を用いて伝熱性能(蒸発性能、凝縮性能)を測定した。測定に際しては、図中「測定部」に各伝熱管をセットし、下記の評価方法により蒸発性能および凝縮性能を測定した。併せて、その際の圧力損失を測定した。評価条件は以下の通りである。
【0033】[評価方法]
対向流二重管方式 水流速:1.5m/s伝熱管の全長:3.5m蒸発時飽和温度:5℃ 過熱度3deg蒸発時飽和温度:45℃ 過冷度5deg熱媒:フロン「R−22」
【0034】上記実験により得られた蒸発性能、凝縮性能、および圧力損失を、a1型の伝熱管に対する比で表した結果を図9および図10に示す。これらのグラフから明らかなように、本発明に係るc2型,c3型,d2型,およびd3型の各伝熱管では、圧力損失がa1型の単純溝付管と同程度でありながら、高い伝熱性能を示した。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の内面溝付伝熱管によれば、内面に形成されているフィンが、熱媒流体の流れの上流側に開く1対以上のV字を構成するように配置されているので、各フィンの側面に沿って流れる熱媒流体はV字の突き合わせ部分で衝突して合流し、さらにフィン同士の間隙を通り抜ける。この過程において、熱媒流体は攪拌されて不規則な乱流が発生するため、熱媒体の流れの中に温度勾配が生じることが防止でき、熱媒と金属面との熱交換を促進して伝熱効率を高めることが可能である。
【0036】また、フィン同士の端部間には間隙が形成されているので、この間隙を通って熱媒流体を逃すことができ、高い伝熱効率の向上率にも拘わらず圧力損失を小さく抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る内面溝付伝熱管の第1の実施形態を示す一部展開した平面図である。
【図2】図1中のII−II線断面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態を示す一部展開した平面図である。
【図4】本発明の第3の実施形態を示す一部展開した平面図である。
【図5】本発明の第4の実施形態を示す一部展開した平面図である。
【図6】本発明の第5の実施形態を示す一部展開した平面図である。
【図7】蒸発性能の測定装置を示す概略図である。
【図8】凝縮性能の測定装置を示す概略図である。
【図9】蒸発性能、および蒸発時の圧力損失のグラフである。
【図10】凝縮性能、および凝縮時の圧力損失のグラフである。
【符号の説明】
1 内面溝付伝熱管
2 フィン
3,4 溝部
5 突き合わせた側縁部
4A,6 間隙
R1〜R6 区切られた領域
C1,C2 フィン間の間隙量

【特許請求の範囲】
【請求項1】 金属管の内周面がその周方向において2以上の領域に区分され、これら各領域のそれぞれには伝熱管の軸線方向に並ぶ多数のフィンが形成され、いずれか1つの領域から数えて奇数番の領域に含まれるフィンは伝熱管の軸線に対して10〜25゜傾斜させられているとともに、前記1の領域から数えて偶数番の領域に含まれるフィンは伝熱管の軸線に対して−10〜−25゜傾斜しており、さらに、周方向に隣接する前記フィンの端部同士の間には間隙が形成されていることを特徴とする内面溝付伝熱管。
【請求項2】 同一の領域に含まれるフィンは互いに平行にされていることを特徴とする請求項1記載の内面溝付伝熱管。
【請求項3】 互いに隣接する領域に含まれるフィンは、これら領域の境界線を境として線対称に形成され、前記間隙の幅は0.05〜0.5mmとされていることを特徴とする請求項1または2記載の内面溝付伝熱管。
【請求項4】 互いに隣接する領域に含まれるフィンは、伝熱管軸線方向に互いにピッチがずれるように形成され、前記間隙の幅は0.05〜0.5mmとされていることを特徴とする請求項1または2記載の内面溝付伝熱管。
【請求項5】 同じ領域に含まれるフィンのピッチは0.3〜0.4mm、前記フィンの金属管内周面からの高さは0.15〜0.30mm、前記フィンの両側面のなす角度は10〜25゜とされていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の内面溝付伝熱管。
【請求項6】 前記領域の数は、2,4,6のいずれかであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の内面溝付伝熱管。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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