説明

円周方向のスクラッチ欠陥検出方法および磁気ディスクサーテファイア

【課題】
ディスク生産の歩留を悪化させることなく、電気的な特性検査でサークルスクラッチを効率よく検出ができる円周方向のスクラッチ欠陥検出方法および磁気ディスクサーテファイアを提供することにある。
【解決手段】
この発明は、磁気ディスクの半径方向に所定の幅で磁気ディスクの円周方向に磁気ディスク一周分に渡ってあるいは円周方向に所定の長さで欠陥データの検査領域を設定して、この検査領域に欠陥データを制限してその中で細長い検索枠を移動させて検索枠の領域内における連続性欠陥を追跡検出していくことで、磁気ディスクが持つ円に近い比較的曲率の大きな曲線状の連続性欠陥だけを選択的に検出してそれをサークル状の欠陥として得るものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、円周方向のスクラッチ欠陥検出方法および磁気ディスクサーテファイア(以下サーテファイア)に関し、詳しくは、磁気ディスクサーテファイアにおいて円周方向に沿ったスクラッチ欠陥(サークルスクラッチ)を電気的特性検査において検出できるようなサーテファイアに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータシステムに使用されるハード磁気ディスク(以下単に磁気ディスクまたはディスクという)は、磁気媒体に異常があると書込データまたは読出データにエラーが生するので、サーテファイアにより所定のテストデータ、例えば、FFhのデータをディスクの所定のトラック上に書込み、それを読出して、磁気媒体の良否をサーテファイ(電気的な特性検査での評価)している。なお、前記のFFhのhは16進を示すものでFFhは、オール“1”のビットデータを意味する。
【0003】
サーテファイアにより検出するビットエラーには、ビットの消失、いわゆるミッシングエラー(所定の閾値以下のレベルとなったビットを含む)と、ビットの飛び出し(スパイク)によるスパイクエラー、ポジティブモジュレーションエラー、ネガティブモジュレーションエラーなどがある。また、これらとは別に、データを消去した状態においてビットが読出されるか否かを検出し、このとき検出されるエラーをエキストラ(湧きだし)エラーとしている。
ハードディスク駆動装置(HDD)では、データの書込みは、コイル形式の磁気ヘッド(インダクティブヘッド)が使用され、読出しにはMRヘッドが使用されている。これら書込ヘッドと読出ヘッドとは複合ヘッドとして一体化され、ディスク記録密度は、日々向上している。
【0004】
前記のような欠陥検査には、磁気ヘッドを磁気ディスクの各トラックにシークさせて磁気ヘッドにより各トラックに沿って同心円状にディスクを走査して欠陥を検出する同心円検査と呼ばれるものと、磁気ヘッド(ヘッドキャリッジ)により渦巻き状にディスクを走査して欠陥を検出するスパイラル検査と呼ばれるものとがある。
前者の同心円検査は、通常、ディスクを全面検査するのに時間がかかり、効率が悪い。しかも、最近では、検査トラック数が増大し、ディスクの品質も向上している。実際には、欠陥を持つトラックは、多くても全ラックに対して100本乃至200本程度である。そのため、検査トラックを一部間引いて行う間引き同心円検査や後者のスパイラル検査が行われることが多い。なお、後者のスパイラル検査においても間引きピッチでスパイラル検査が行われることもある(特許文献1,2,3)。
【特許文献1】特開平10−275434号公報
【特許文献2】特開2000−57502号号公報
【特許文献3】特開2000−57501号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
高記録密度の要求から近年のHDDで使用されているヘッドアッセンブリ(磁気ヘッド+サスペンションスプリング)の実際の大きさは、1.8インチ以下のディスクに対しては、15mm〜20mm程度の長さであり、サスペンションスプリングの先端に設けられる磁気ヘッドの大きさも0.5mm×0.5mm程度か、それ以下であって、スライダを含めても3mm×3mm程度のもので、非常に小さい。しかも、磁気ヘッドと磁気ディスクの間隔は、十数nmから数十nmの距離までに接近している。
そのため、サークルスクラッチがあると、磁気ディスクが不良となる可能性が高い。従来、このサークルスクラッチは、光学的な欠陥検査により検出されていたが最近の高記録密度では光学的な検査で合格した磁気ディスクの中にあっても電気的な特性検査でサークルスクラッチにより、不良となるディスクも出てきている。そのため、光学的検査でサークルスクラッチの検出精度を上げて不合格ディスクの判定をすることになるが、そのようにしても、本来のサークルスクラッチ以外の欠陥のあるディスクも不合格とされて、ディスク生産の歩留まりが悪化する問題がある。
【0006】
そのため、電気的な特性検査においてサークルスクラッチを検出することが要求されているが、現在のところサークルスクラッチだけの検出は難しく、線状の欠陥を検出することになる。線状欠陥には各種の欠陥があって、線状欠陥を検出すると、サークルスクラッチ以外のものが多数検出される問題がある。
通常の線状欠陥は円周状のものでないため、ディスクの電気的な特性には大きな影響を与えない。そのため、そのような欠陥があっても電気的な特性においてディスクは不合格にならないことが多い。S字欠陥などの曲線欠陥や多数の線状の欠陥の中からサークルスクラッチを抽出するとなると、その曲率の状態や曲がる方向を含めなければならず、その判定が難しくかつその判定に時間がかかるのが現状である。
この発明の目的は、このような従来技術の問題点を解決するものであって、ディスク生産の歩留を悪化させることなく、電気的な特性検査でサークルスクラッチを効率よく検出ができる円周方向のスクラッチ欠陥検出方法および磁気ディスクサーテファイアを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の円周方向のスクラッチ欠陥検出方法あるいは磁気ディスクサーテファイアの構成は、磁気ディスクの検査をして欠陥のデータとその磁気ディスク上の位置とを採取して採取された欠陥データに対して磁気ディスクの半径方向に所定の幅で磁気ディスクの円周方向に磁気ディスク一周分に渡ってあるいは円周方向に所定の長さで前記欠陥データの検査領域を設定して、検査領域における欠陥データに対して検査領域の所定の幅より短いある幅でこの幅に対して直角な方向に前記所定の長さより短いある長さを持つ長方形の検索枠を設けて前記検索枠の領域内において複数個の欠陥が列をなして続く連続性欠陥を検出して、検出された前記連続性欠陥が続く方向に合わせて前記検出された連続性欠陥が前記検査領域内で続く限り前記検索枠の領域内に入るように前記検索枠を順次移動し、移動前と移動後の前記検索枠の全領域内における前記検出された連続性欠陥の長さあるいは欠陥数を検出してその長さあるいは欠陥数が所定値以上のものを前記検査領域におけるサークルスクラッチ(円周方向のスクラッチ欠陥)として検出するものである。
【発明の効果】
【0008】
このようにこの発明は、設定された円周状の検査領域の中で長方形の検索枠を連続性欠陥に沿って追従移動させて検査領域内において連続性欠陥が途切れるまで連続性欠陥の検出をし続ける。これにより、連続性欠陥のトータル長さあるいはトータル欠陥数を得て、その長さあるいは欠陥数が所定値以上のものをサークルスクラッチとして抽出する。
前記のような所定の幅の検索領域に限定して検索枠で連続性欠陥を追跡することで、この発明は、曲線状の連続性欠陥のうち円周方向に沿わない曲線欠陥、曲率の小さい曲線欠陥、逆に曲率が大きすぎる曲線欠陥を排除することができる。その理由は、サークルスクラッチ以外のこれらの曲線は、検索領域により切断されてサークルスクラッチより小さな断片となるからである。そこで、問題とされるサークルスクラッチ以外のこれらの曲線の連続性欠陥は、次に説明する実施例では検索枠の8回以下の移動でその検出が終了する。
すなわち、採取された欠陥データに対して磁気ディスクの半径方向に所定の幅で磁気ディスクの円周方向に磁気ディスク一周分に渡ってあるいは円周方向に所定の長さに渡って欠陥データの検査領域を設定すると、この検査領域は、欠陥データに対しては、磁気ディスクの円周方向に沿ってかつ半径方向にある幅をもつ領域となる。この領域にある連続性欠陥は、この幅の中に入る線状の欠陥とサークルスクラッチ欠陥に制限できる。しかも、サークルスクラッチ欠陥は、この領域の円周方向に沿ってその中に含まれているので、線状の欠陥に対してサークルスクラッチ欠陥の方が欠陥長さあるいは欠陥数が大きくなる。
【0009】
そこで、そのサークルスクラッチ欠陥を検出するために、この検査領域の中である幅とある長さの細長い検索枠を設定して検索枠の領域内にある連続性欠陥の方向に沿って検索枠を移動させてその連続性欠陥を追跡して連続性欠陥の長さあるいは欠陥数を得る。それにより、磁気ディスクが持つ円に近い比較的曲率の大きな曲線状の連続性欠陥だけを選択的に検出してそれをサークルスクラッチとして抽出する。
この場合のある幅とある長さの検索枠は、実施例では、8回か、それ以上検索枠を継ぎ足し移動することで、検出したい最小長さ、例えば、2mmのサークルスクラッチの全体が入るものとする。そのため、検索枠は、検出したい最小長さのサークルスクラッチの1/8か、それ以下の円弧断片が入る大きさ(長さと幅)の枠とする。ただし、サークルスクラッチは、完全な円に乗るものではなく、磁気ディスクの内周側と外周側では多少曲率が相違することがあるので、それを含むように検索枠の大きさが決定される。
検索枠は、所定の曲率のサークルスクラッチの円弧断片が入るテンプレート枠あるいは基準枠であり、検出したいサークルスクラッチ以外の曲線のほとんどが検索枠の4回〜12回程度の移動で連続性欠陥が終了するような大きさであることが好ましい。
【0010】
この発明の検索枠を継ぎ足す具体的な移動方法の一例は、検索枠を渡る長さあるいは欠陥数を持つ連続性欠陥を検出して検索枠における連続性欠陥につての検索の開始点に対して検索枠を次の開始点に移動させる際にはその移動方向を検索枠の開始点と最後の欠陥(あるいはこれから3個以下手前の欠陥)と結ぶ方向に設定していく。これによりサークル曲線状とならない直線的な線状欠陥は、次か、次の検索枠の移動で検索枠が検査領域の幅を越えることにより連続性欠陥の検索が終了するので各種の線状欠陥が排除されていく。
さらに、前記の方向への検索枠の移動により曲率の小さい曲線欠陥、逆に曲率が大きすぎる曲線欠陥についてはその曲率に応じて途中で検索枠からはみ出すので、次の開始点は曲率に応じた方向になる。これにより検索枠の移動は、曲線の曲率に追従する方向に移動することになるので検索領域を越える向きになり、検索枠を継ぎ足す回数が低減する。
【0011】
このようにして、検索枠を検査領域の中で順次追従移動することによりサークル状の欠陥を検索枠の長さに応じた回数で連続性欠陥の曲線に沿って追跡して検出していくことができる。その結果、周囲の線状欠陥に影響されることなく、検出される連続性欠陥の長さあるいは欠陥数によって検出される連続性欠陥を実質的にサークルスクラッチに限定することができる。
なお、ここでの検索枠の長さは、磁気ディスクの半径や検出するサークルスクラッチの状態に応じて選択するとよい。
その結果、電気的な特性検査でサークルスクラッチを効率よく検出ができ、光学的検査でサークルスクラッチの検出精度を上げて不合格磁気ディスクを検出する必要がなくなり、磁気ディスク生産の歩留まりを悪化を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1は、この発明を適用したサーテファイアの一実施例の構成図、図2(a)は、サークルスクラッチ検出の検査領域についての説明図、図2(b)は、検索枠の設定とその移動方向についての説明図、図3(a)は、検索を開始する基準欠陥に対して検索枠の検索方向決定についての説明図、図3(b)は、検査領域をブロック分けして検索する処理の説明図、そして 図4は、サークルスクラッチ検出処理のフローチャートである。
図1において、磁気ディスク1は、回転機構2のスピンドル2a に装着されて回転する。ロータリエンコーダ2bは、スピンドル2aの回転状態を検出するINDXパルス、他のパルス等を発生し、これらパルスを検査装置5の欠陥検出処理・制御部54に入力する。このパルスを受けて欠陥検出処理・制御部54は、磁気ディスク1の回転基準位置(インデックス、以下INDX)とこれよりの回転角度θ(=磁気ディスクの回転量)とを検出して欠陥の位置座標を算出する。
欠陥検査においては、回転する磁気ディスク1に対して、欠陥検出処理・制御部54の内部に設けられたMPU(マイクロプロセッサ)541が書込/読出制御ユニット51に対して磁気ディスク半径方向の移動速度を決めるテストピッチの信号とテストデータ、例えば、前記したFFhのデータを与える。
【0013】
書込/読出制御ユニット51は、ヘッドキャリッジ位置制御回路を内蔵し、ヘッドキャリッジ7を駆動して磁気ディスク1上の半径方向に沿ってMPU541から与えられたテストピッチに対応する所定の移動速度で書込み側のインダクティブ磁気ヘッド3bをシークさせる。
また、書込/読出制御ユニット51は、MPU541から与えられたテストデータを所定の電流値の信号に変換してこれを所定のタイミングで書込/読出回路50の書込回路へと送り、これを介して磁気ヘッド3bを駆動する。回転基準位置を示すINDX信号を受けた書込/読出制御ユニット51は、それを起点としてスパイラル走査における軌跡に沿って順次にテストデータを磁気ディスク1の所定のトラックに書込む処理をする。
なお、ロータリエンコーダ2bの出力は、書込/読出制御ユニット51のほかにエラー検出ユニット52と欠陥検出処理・制御部54にも入力されている。
【0014】
スパイラル走査における軌跡に沿って書込まれたテストデータはヘッドユニット4により読出される。ヘッドユニット4は、書込/読出制御ユニット51により駆動されその移動が制御されるヘッドキャリッジ6により磁気ディスク1上のテストデータが書き込まれた所定のトラックに位置決めされる。ヘッドユニット4には、インダクティブ磁気ヘッド3aと読出MRヘッド3とが一体的に組込まれていて、ヘッドユニット4の読出MRヘッド3がテストデータを読出す。
磁気ディスク1の裏面側にも前記磁気ヘッド3bとヘッドユニット4と同様なものが設けられている。これら磁気ヘッドとヘッドユニットについてはこの発明に直接関係はないので、図では省略してある。これら磁気ヘッドの読み書き動作も同様に行われ、欠陥データが採取されるが、以下は、磁気ディスク1の表面側の欠陥の検査について説明し、裏面側については割愛する。
読出されたテストデータは、書込/読出回路50に加えられ、書込/読出回路50を経てエラー検出ユニット52に読出信号として送出されてここでエラー検出が行われる。エラー検出ユニット52で検出されたエラービットデータは、検査装置5の欠陥検出処理・制御部54に送出され、ここでエラービットデータに基づいて欠陥検出のために所定の解析処理とそのほかのデータ処理とが行われる。
【0015】
8は、半周分遅延回路であって、キャリッジを移動する移動制御信号を書込/読出制御ユニット51から受けて磁気ディスク1の1回転の周期に対してその半分の時間分移動制御信号を遅延させる回路である。この回路は、書込/読出制御ユニット51とヘッドキャリッジ6との間に挿入されていて、書込/読出制御ユニット51からの移動制御信号が半周期分遅延されてヘッドキャリッジ6に送出される。
その結果、ヘッドキャリッジ6、7は、書込/読出制御ユニット51から同じ移動制御信号を受けるが、ヘッドキャリッジ6側の移動制御信号が半周期分遅れることからヘッドユニット4の読出MRヘッド3は、磁気ディスク1の半径方向上のアクセス位置がヘッドキャリッジ7により位置決めされる磁気ヘッド3bのアクセス位置に半周期遅れて到達する。
【0016】
例えば、図に示すように、書込側の磁気ヘッド3bが磁気ディスク1の外周からDの距離の位置にあって、テストデータを書込んでいるとすると、磁気ディスク1が半周分回転して、このテストデータが書込まれた位置が読出MRヘッド3の位置に来たときには、読出MRヘッド3も磁気ディスク1の外周からDの距離に位置決めされる。読出MRヘッド3が前記のテストデータを読出しているときには、磁気ヘッド3bは、点線で示すように、磁気ディスク1の外周からD+p/2の位置に移動して次のテストデータを書込んでいる。ただし、pは、スパイラル走査の磁気ディスク半径方向の移動ピッチである。このようなテストデータの書込みと読出とがキャリッジ6,7に対する書込/読出制御ユニット51の移動制御により半周期ずれた状態で連続的に行われる。
これにより読出MRヘッド3が書込側の磁気ヘッド3aのスパイラル走査の軌跡と同じ軌跡を描いて磁気ディスク1を走査することができる。
なお、初期状態のそれぞれのヘッドは、実質的に磁気ディスク上の同一トラックに位置決めされるように調整されて各ヘッドが各ヘッドキャリッジ6,7に取付けられている。また、スパイラル走査は、磁気ディスク1の外周から内周に向かって行われ、同時に両ヘッドキャリッジ6,7の駆動が開始されるものとする。
【0017】
欠陥検出処理・制御部54は、MPU541,メモリ542、CRTディスプレイ543、キーボード544等がバス545により相互に接続されている。
メモリ542には、欠陥データ採取プログラム542aと、サークルスクラッチ検索枠設定プログラム542b、サークルスクラッチ検出プログラム542c、サークルスクラッチ分類プログラム542e、ディスク合否判定プログラム542eが格納され、検索枠の大きさ(幅W、長さL)、半径方向の欠陥データ検索幅RW、サークルスクラッチの分類基準値1mm,10mm等を記憶したパラメータ領域542f、そして作業領域542g等が設けられている。
この実施例では、検出する欠陥の平均径を10μm程度としている。この場合、欠陥データの半径方向の検索範囲を制約する欠陥データ検索幅RW(図2(a)参照)は、2.5インチのディスクを検査した場合にあっては1mm程度であり、半径方向に対応している連続性欠陥(複数個の欠陥が列をなして続くときの各欠陥)の欠陥数が100個程度入るものである。検査領域Pの幅、すなわち、欠陥データ検索幅RWは、ここでは、分類されるミドルサイズのサークルスクラッチの最小長さを1mm(これは、検出したいミドルサイズのサークルスクラッチの最小長さ(=2mm)の1/2に相当するもの)としたときの(後述)、これに対応している。
【0018】
検索枠(検索枠9(図2(b)参照))は、長方形の追跡枠であって、2.5インチのディスクを検査した場合において、その大きさは、その幅W(垂直軸)が50μmであって、半径方向に連続する欠陥が5個程度、その長さL(水平軸)が250μmであり、円周方向に連続する欠陥が25個程度入るものである。
このような大きさの検索枠は、図2(b)に示すように、サークルスクラッチの一部の円弧断片が入る大きさの枠である。前記したように連続性欠陥を追跡する検索枠は、所定の曲率のサークルスクラッチの円弧断片が入るテンプレート枠であり、サークルスクラッチ以外の曲線のほとんどが検索枠9の8回かこれ以下の移動で連続性欠陥が終了するようなものである。
なお、欠陥データに対する検索枠9の設定は、例えば、検索枠9の内の領域の欠陥データを検査領域Pから抽出して作業領域542gの特定の場所に記憶し、この記憶された欠陥データに対して処理をすることで行われる。この場合、検索枠9の枠上にある欠陥データも含めてもよい。
【0019】
ここで、幅W(垂直軸)を50μm(=10μm×5)としたのは、検出したいミドルサイズのサークルスクラッチの最小長さを2mmとしたときに、その1/8の円弧断片250μmか、それ以下の円弧断片が検索枠9の中心線Oに沿って入り、幅方向の前後に1個以上の余分な欠陥が入る余裕を持つ大きさである。その理由は、サークルスクラッチは、完全な円に乗るものではなく、磁気ディスクの内周から外周までの多少異なる曲率となる多種類のサークルスクラッチがあるからである。このようなサークルスクラッチは入る幅である必要がある。この大きさにするには半径方向に連続する欠陥が5個程度は必要になる。なお、検索枠9の大きさとしては、検出したいミドルサイズのサークルスクラッチの最小長さに対して1/4の円弧断片から1/12の円弧断片が入る範囲が好ましい。前記した1/8の円弧断片の場合には、サークルスクラッチ以外の曲線のほとんどが検索枠9の8回か、それ以下の移動で連続性欠陥が終了するようなものとなる。
ここでは、図2(b)に示すように、検索枠9の幅Wは、欠陥データ検索幅RWより小さく、50μm〜100μm程度の範囲が好ましい。その長さLは、磁気ディスクの半径や検出するサークルスクラッチの状態に応じて決定され、150μm〜500μm程度の範囲が好ましい。そして、欠陥データ検索幅RW(検査領域Pの幅)は、同様に磁気ディスクの半径や検出するサークルスクラッチの状態に応じて決定され、0.5mm〜2mm程度が好ましい。この範囲は、サークルスクラッチやこれと類似する放物線疵として形成されるデータ読出/書込に影響する曲線疵が変化する範囲として設定されている。
したがって、ここで検出するサークルスクラッチには、サークルスクラッチと類似する放物線疵等のデータの読み/書きにおいて問題となる欠陥を含めることができる。
【0020】
MPU541は、欠陥データ採取プログラム542aを実行し、スパイラル走査をして磁気ディスク1の全トラックを検査し、ロータリエンコーダ2bからのパルス信号と磁気ディスク1の半径方向のヘッド4の現在位置とに応じて欠陥が検出された座標値を算出し、この座標値とともに欠陥の種別を示すデータをメモリの作業領域542gに欠陥データ(各種の欠陥についてのデータ)として記憶する。
ここでの欠陥データとしては、スパイクエラー、ポジティブモジュレーションエラー、ネガティブモジュレーションエラー、ミッシングエラー、エラーをエキストラエラー等のエラーとして検出される欠陥すべてを対象とすることが好ましいが、いずれか1つの検出される欠陥に対してあるいはこれらのうちいくつかついて検出される欠陥に対して連続性欠陥を検出するものであってもよい。
MPU541は、サークルスクラッチの検出に対応する所定の機能キー入力に応じてサークルスクラッチ検索枠設定プログラム542bを実行して、キーボード544からの入力されたパラメータ領域542fのデータに従って磁気ディスク上にW×Lの長方形のエリアの検索枠(図2(b)の検索枠9参照)の座標値データを生成してメモリの作業領域542gに記憶して、サークルスクラッチ検出プログラム542cをコールする。
【0021】
次にMPU541は、サークルスクラッチ検出プログラム542cを実行して、あらかじめ半径方向に設定される欠陥データ検査幅RWの磁気ディスク1周分の検査領域P(図2(a)参照)の欠陥データを作業領域542gから抽出して検査領域Pの欠陥データとして作業領域542gの所定の領域に別に記憶し、作業領域542fに記憶された検索枠9の座標値データを読出して、検査領域Pの欠陥データを参照して検索枠9の領域にある欠陥データを抽出して検索枠9の領域内にある連続性欠陥を検出する。検索枠9の座標データで形成される検索枠9(図2(b)参照)を円周方向へ、ここでは時計方向に欠陥の連続性欠陥に沿って検索枠9を継ぎ足しように順次移動させていく。
検索枠で追跡した連続性欠陥について移動前と移動後の移動させた枠の全体の領域範囲に入る欠陥データの個数と長さとを検出して、所定値以上の連続欠陥があるときあるいは所定の長さ以上の欠陥があるときにサークルスクラッチとしてその長さと座標データとを作業領域542gの所定のエリアに記憶して、検査領域Pにおけるすべての連続性欠陥について検出していく。さらに、検査領域Pを更新して磁気ディスクの全面について連続性欠陥について検出していく。
このようにして磁気ディスクの全面についての連続性欠陥の検出が済むと、サークルスクラッチ分類プログラム542dをコールする。
【0022】
次にMPU541は、サークルスクラッチ分類プログラム542dを実行して、パラメータ領域542fのサークル欠陥のサイズ分類基準値(1mm,10mm)を参照してショートサークルスクラッチ(以下ショートサイズ)、ミドルサークルスクラッチ(以下ミドルサイズ)、ロングサークルスクラッチ(以下ロングサイズ)の3種類の欠陥に分類する。
ショート、ミドル、ロングのサイズ分類は、連続性欠陥の長さが1mm(=10μm×100個)以下はショート、連続性欠陥の長さが10mm(=10μm×1000個)以上はロングとして、その間をミドルとしてそれぞれに分類して欠陥データの個数と長さとその座標(開始点と終了点の座標)を作業領域542gに記憶する。そして、ディスク合否判定プログラム542eをコールする。
なお、前記サークルスクラッチのサイズ分類値は、サークルスクラッチ1個の長さではなく、サークルスクラッチの連続性欠陥の欠陥列における総欠陥の数であってもよい。この場合には、その基準値は100個以下と1000個以上として、100個以下がショート、1000個以上がロング、その間がミドルとなる。
また、検索枠9の長さLとの関係でここでは検索枠9を複数回、例えば4回程度移動させて追従させて検出された連続性欠陥が前記の判定でショートとしてサークルスクラッチの一部として検出してはいるが、ショートには、円周方向に沿わない曲線欠陥、曲率の小さい曲線欠陥、逆に曲率が大きすぎる曲線欠陥の断片が多く含まれる。それらは問題のあるサークルスクラッチと扱う必要はない。問題のあるサークルスクラッチあるいはほんとうのサークルスクラッチは、1mmか、それ以上の長さを持つミドル、ロングとしてサイズ分類されるものである。
【0023】
問題となるミドルサイズ、ロングサイズの連続性欠陥は、検索枠9を5回か、それ以上継ぎ足し移動させることで、サークルスクラッチが全体が入る長さとなる。検索枠9を5回継ぎ足して検出される連続性欠陥の最大長は、実質的に5×(250μm−10μm)である。ここで、検索枠9の長さが(250μm−10μm)と決定される理由は、検索枠における連続する最後の欠陥が次に設定される検索枠9の開始点となるからである。なお、この点については後述する。
5×(250μm−10μm)の長さは、1mm以上となるが、4×(250μm−10μm)の長さは、1mm以下となる。先に説明したように、検出したいミドルサイズのサークルスクラッチの最小長さは2mmであるが、この例では、ミドルサイズのサークルスクラッチの最小長さが1mmになっている。それ故、1mm〜2mmの長さの範囲で検出される連続性欠陥としてサークルスクラッチと各種の欠陥からなる線状欠陥がミドルとして分類される。ミドルサイズのサークルスクラッチの最小長さを1mmにする理由は、合格ディスクの判定についての信頼性を確保するためである。この点からすれば、検索枠9の長さL(=250μm)は、1mmの長さのサークルスクラッチに対してその1/4の円弧断片が入るものとして決定されている。なお、8回検索枠9を継ぎ足して検出される連続性欠陥の最大長は、実質的に8×(250μm−10μm)であり、2mm以下となるが、検出したいミドルサイズのサークルスクラッチの最小長さの2mmの範囲のものとして扱う。
そこで、問題となるサークルスクラッチの判定の分類は、欠陥長さと欠陥数の両者を採用してもよい。それらのアンド条件、オア条件に応じて適切な分類分けをするとよい。そのサイズ分類数は、ショート、ミドル、ロングの3分類に限定されない。
【0024】
次にMPU541は、ディスク合否判定プログラム542eを実行して、作業領域542gを参照して、まず、ロングサイズのサークルスクラッチがあるか否かを判定する。判定の結果1個でもあるときには、検査磁気ディスクをNGと判定して検査磁気ディスクをNGのカセットに収納する。
そうでないとき(ロングのサークルスクラッチがないとき)には、次にミドルサイズのサークルスクラッチが所定数以上あるか否かを判定する。所定数、例えば10個とし、10個以上あったときには検査磁気ディスクをNGと判定して検査磁気ディスクをNGのカセットに収納する。
ここで、10個以上あったときとしている理由は、1mm〜2mmの長さの範囲にあるサークルスクラッチと各種の欠陥からなる線状欠陥を含めてミドルサイズについて合格ディスクの判定をすることでその判定に信頼性を持たせるためでである。
そうでないときには、次に、ショートサイズのサークルスクラッチが所定数以上あるか否かを判定する。この所定数を、例えば30個とし、これ以上あったときには、問題となるサークルスクラッチの有無に関係なく、検査磁気ディスクをNGと判定して検査磁気ディスクをNGのカセットに収納する。そうでないときには、合格(GD)と判定して検査磁気ディスクを合格のカセットにその磁気ディスクを収納する。
【0025】
以下、図2,図3のサークルスクラッチ検出についての説明図と図4のサークルスクラッチ検出処理のフローチャートを参照してサークルスクラッチ検出処理について説明する。
図2(a)は、磁気ディスク1の半径方向に対応して欠陥データ検索幅RWを持つ欠陥データの検査領域Pであり、検索枠9の移動が検査領域Pに制限されることで欠陥データを検索する範囲を検索幅RWの範囲に制限する。検索枠9は、検査領域Pの範囲内でこれに沿って連続性欠陥を追跡移動することになる。
検査領域Pの検索幅RWは、曲線状の連続性欠陥のうち円周方向に沿わない曲線欠陥、曲率の小さい曲線欠陥、逆に曲率が大きすぎる曲線欠陥を切断する。サークルスクラッチ以外のこれらの曲線は、サークルスクラッチより小さな断片となる。したがって、これらの曲線の連続性欠陥は、この実施例では検索枠9の8回か、それ以下の移動で連続性欠陥の検出が終了する。
【0026】
図2(b)は、半径方向に対応して欠陥データ検索幅RWの検査領域Pの範囲内で移動する検索枠9の移動についての説明図である。
検索枠9は、幅Wと長さLとを有していて、これら幅Wと長さLの値は、キーボード544から入力されてパラメータ領域542fに記憶されている。これらの値は検出する欠陥の最小値とディスクの半径等に応じて変更可能である。前記したように幅Wは、幅RWの1/2以下であって、欠陥データ検索幅RWより小さく、検査領域Pの欠陥データ検索幅RWの中に入る大きさである。
検索枠9の移動方向は、図2(b)では時計方向であり、磁気ディスク1の円周方向に対応している。そのスタート点は、検索枠9a(9)における連続性欠陥の開始点であり、それが基準欠陥Ksである。そこで、基準欠陥Ksが検索枠9の左端の辺(時計方向の枠移動では枠の幅方向の辺)の中央に一致するように最初の検索枠9が設定される。なお、検索枠9の移動方向は、後述するように反時計方向としてもよく、あるいは移動方向として両者をそれぞれに採用していもよい。
【0027】
基準欠陥Ksは、検索枠の移動過程で未登録の最初の欠陥が当てられる。検索枠9内で発見された欠陥は、メモリ542の所定の領域にその位置座標が記憶されて登録されて登録欠陥となる。そこで、メモリ542の所定の領域に記憶されていないものが未登録欠陥になる。
検索枠9は、半径方向に対応して欠陥データ検索幅RWを持つ検査領域Pにおいて連続性欠陥に沿って時計方向に採取された欠陥データを追跡して磁気ディスク1周分(トラック1周分)移動し、連続性欠陥がなくなると同じ1周分の欠陥データに対して未登録欠陥を探して次にそこを開始点として移動を繰り返す。
1周分の欠陥データに未登録欠陥がなくなると、さらに検査領域Pが磁気ディスクの内周から外周に向かって移動して採取された磁気ディスク上の欠陥データに対して検査領域Pが更新設定される。そして更新された検査領域Pで同様に検索枠9が移動して連続性欠陥が検出されていく。
【0028】
ここで、検査領域Pの内周から外周への移動について説明する。
半径方向に対応して欠陥データ検索幅RWを持つ検査領域Pの1周分の欠陥データについて未登録欠陥がなくなると、1周分の欠陥データに対して検索枠9の検索が完了する。その後には、欠陥データ検索幅RWを持つ検査領域Pが半径方向にRW−α分、外周側に更新される。これにより欠陥データ検索幅RWが一部(α分)だけ重複される形で内周から外周へと検査領域Pが移動する。なお、重複幅αは、欠陥が2〜3個程度入る幅とするとよい。重複幅は、検出する欠陥が10μm程度のときには20〜30μm程度である。
なお、各検索枠9が設定された範囲で検出される1個〜5個程度で孤立あるいは連続性欠陥は、連続性のない欠陥(孤立欠陥)として欠陥の各座標値が登録されてその結果は無視される。これ以外の連続性欠陥を構成するそれぞれの欠陥データは、順次作業領域542gに連続性欠陥として各座標値が登録され、残りが未登録欠陥となる。
連続性欠陥は、例えば、連続性を示すフラグを立てて連続性欠陥として位置座標が記憶されることで登録され、孤立欠陥と分けられる。あるいは孤立欠陥とは別に連続性欠陥の領域に登録される。
【0029】
図2(b)に示すように、基準欠陥Ks(開始点の欠陥)を基準とする最初の検索枠9a(9)の方向は、検索枠9aの長さLの方向の中心線Oが連続性欠陥の方向に合うようにまず設定される。中心線Oは、検索枠9a(9)の長さ方向の枠の中心線である。図2(b)の基準欠陥Ks(検索枠9aの開始点)は、検索枠9aの幅方向の一辺と中心線Oとの交点上にある。図2(b)に示す、移動した検索枠9bの基準欠陥Kb(開始点)についても同様である。
なお、このとき、複数の連続性欠陥が検索枠9に入るときには、長さの最も長い連続性欠陥あるいは欠陥個数の最も多い連続性欠陥が採用される。欠陥数あるいは長さが同一のときには、さらに基準欠陥Ks(開始点の欠陥)と検索枠9に入る開始点から最も遠い欠陥(欠陥列の検索枠内での最後の欠陥が開始点から最も離れているもの)を含む連続性欠陥が採用される。
ところで、ここでの連続性欠陥とは、連続性欠陥の途中で所定数以下の欠陥、例えば3個か、これ以下の単位で欠陥が欠落していて連続しないものも連続性欠陥ととみなす。3個あるいはこれ以下の途中での欠陥の欠落を無視して欠陥列を作る欠陥を連続性欠陥としている。その理由は、5個を越える連続性欠陥において途中でのこの程度の欠陥の欠落を検査上の検出ミスと判定しているからである。10μm程度の欠陥検出では通常3個程度の検出欠落が生じることがある。
【0030】
検索枠の移動方向として、2番目以降の検索枠9の方向は、すなわち、検索枠9の連続性欠陥の追従方向(移動方向)は、開始点から最も遠い欠陥を検出して、開始点と最も遠い欠陥とを結ぶ直線上Mの方向とする。これにより磁気ディスクの半径や検出するサークルスクラッチの曲線状態に応じた追従が可能になる。
以上は、サークルスクラッチ検索枠設定プログラムの処理において行われる。
以下、その詳細について説明する。
まず、基準欠陥Ksをスタートとする最初の検索枠9の方向決定について図3(a)を参照して説明をする。
図3(a)に示すように、基準欠陥Ksを中心として±90゜(180゜)の半円の範囲Qで検索枠9を回転させて、欠陥データ検索幅RWの範囲にある欠陥データのうち連続性のある欠陥を検索してそれらの欠陥が回帰する直線上あるいはそれらの多数の欠陥を結ぶ直線上に最初の検索枠9(図2(b)の検索枠9a)の中心線Oを設定する。すなわち、その長さLの方向の中心線Oの方向を、欠陥が形成する直線の方向に一致させて検索枠9(9a)を方向付ける。このとき基準欠陥Ksは、検索枠9(9a)の左端の幅方向の枠線上の中央に位置している。この状態を示すのが図2(b)の検索枠9aである。
なお、時計方向に向いた半円の範囲Qで連続性欠陥を検索するのは、検索方向を時計方向としているからである。半円の角度が少し傾いているのは、未登録欠陥の欠陥列の方向がその回転角の位置で発見されたからである。
【0031】
次に、検索枠9の連続性欠陥に対する追従移動について説明する。
設定された検索枠9(図2(b)の検索枠9a)において検索枠9の枠領域に渡って欠陥に連続性があるときにその連続性欠陥に追従する次の検索枠9(図2(b)の検索枠9b)が最初の検索枠9(検索枠9a)に継ぎ足される形(接続される形)で設定される。その継ぎ足しは、欠陥列の検索枠内での最後の欠陥が次の検索枠の開始点にされることによる。
検索枠9の追従移動は、検索枠9に渡って欠陥に連続性があるか否かによる。その判定は、検索枠9に渡って欠陥に連続性があるか否かの判定は、検索枠9の開始点の欠陥から開始点のある検索枠の1辺を除いた残り3辺のいずれかの辺の近傍(枠線までに3個程度の欠陥が入る長さ)まで欠陥が連続するか否かによる。言い換えれば、検索枠9を渡る欠陥とは、検索枠内の欠陥列の最後の欠陥の座標が検索枠線の座標より3個分(=30μm)か、それ以上に枠に接近した位置にあるか否かによる。もちろん、このときの3個分は、10μm程度の欠陥検出では通常3個程度の検出欠落が生じることがあるので、連続性欠陥の途中での欠陥欠落が枠の近傍で起きているとみるからである。また、検索枠9の枠上に最後の欠陥があれば、その欠陥は恐らく枠を越え、次の枠に渡る欠陥となる。
【0032】
検索枠9に渡って欠陥に連続性があったときには、図2(b)の検索枠9aに示すように、基準欠陥Ksから最も遠い欠陥を欠陥座標から検索して最も遠い欠陥Kaを検出する。欠陥Kaを次の検索枠9bの開始点として1つ前の枠の開始点の欠陥(基準欠陥Ks)と最後の欠陥Kaを結ぶ直線M上を検索枠9b(検索枠9)の方向と決定する。次の検索枠9bの中心線Oをその方向に設定して検索枠9aの位置から検索枠9bの位置に検索枠9を移動する。言い換えれば、次に連続性欠陥の検索対象となる欠陥データは、検索枠9bの位置のものを抽出して行われる。
図2(b)に示すように、検索枠9bにおいても検索枠9bの枠に渡って連続性欠陥が連続するので、同様にして欠陥Ka(開始点の欠陥)から最も遠い欠陥を欠陥座標を検索して、最も遠い欠陥Kbを検出して、これを次の検索枠9cの開始点として1つ前の検索枠9bの開始点の欠陥(欠陥Ka)と最後の欠陥Kbを結ぶ直線M上を検索枠9c(検索枠9)の方向として設定する。以下同様に検索枠9の枠を渡る欠陥の連続性を検出しながら、検索枠9を移動させ、連続性欠陥を追跡してく。
このようにして連続性欠陥が連続する限り欠陥データ検索幅RWの範囲で検索枠9が順次継ぎ足されていく。その継ぎ足し移動の終了は、連続性がなくなるか、3個を越えて連続性が途切れるかによる。また、検索枠9の中の欠陥が欠陥データ検索幅RW(検査領域P)の範囲を越えたときにも終了する。そして、検査領域Pにおいて、次の未登録の基準欠陥Ksを検索することになる。
【0033】
前記したように最初の検索枠9の検索方向は、図3(a)に示すように、基準欠陥Ksを中心として長さLの半径で検索枠9を半円Qの範囲で回転させることにるが、このときも最初の検索枠9の中に、5個を越えて連続する連続欠陥が他の方向にもあるときには、その方向にも検索枠9を順次継ぎ足し設定して連続性欠陥を検索していく。
こうして検査領域Pの範囲で検索枠9を順次継ぎ足した範囲内の各欠陥をサークルスクラッチとして検出して作業領域542gに各連続性欠陥の個々の欠陥座標ともにそれぞれに連続するものを1個のサークルスクラッチとして順次メモリ542の所定の領域に記憶し登録していく。
なお、基準欠陥Ksの検索枠9aの範囲内の長さしかなく、その範囲に留まる連続性欠陥も所定値以上のもの、ここでは欠陥数が5個を越えるものは連続性欠陥として後に分類処理をするのでサークルスクラッチ扱いとしている。
このように、半径方向に幅のある検索枠9の範囲で一度連続性欠陥を検出して検索枠を継ぎ足してさらに欠陥の連続性を検出することにより検査領域Pに入る曲線状の連続性欠陥を検出できる。さらに、この曲線状の連続性欠陥を検索枠9に限定して追跡することで、周囲の線状欠陥に影響されることなく、検出される欠陥を実質的にサークルスクラッチに限定することができる。
【0034】
図4は、そのサークルスクラッチの検出の全体的な処理の流れである。
まず、MPU541により欠陥データ採取プログラム542aが実行されて、作業領域542gに磁気ディスク全面の欠陥データが欠陥座標とともに採取される(ステップ101)。
次にサークルスクラッチ検出か否かの機能キー入力判定に入る(ステップ102)。サークルスクラッチ検出に対応する所定の機能キー以外のキーが入力されたときには、NOとなって、その機能キーに応じた欠陥検出処理に移行する(ステップ103a)。
サークルスクラッチ検出に対応する所定の機能キーが入力されると、ここでYESとなり、MPU541がサークルスクラッチ検索枠設定プログラム542bを実行して、検索枠9のデータを生成して検索枠9を作る(ステップ103)。
次に、MPU541は、サークルスクラッチ検出プログラム542cを実行して半径方向に対応して欠陥データ検索幅RWを持つ検査領域Pを磁気ディスクの最内周に設定し(ステップ104)、作業領域542gから磁気ディスク1周分の欠陥データを抽出し(ステップ105)、未登録の欠陥から基準欠陥Ksを検索する(ステップ106)。
【0035】
基準欠陥Ksに最初の検索枠9を設定して(ステップ107)、設定された検索枠9の領域範囲にある欠陥データを参照して検索枠9を渡る連続性欠陥があるか否か判定する(ステップ108)。ここでNOとなると、検索枠9の中に欠陥数と欠陥の長さを算出してメモリ542の所定の作業領域542gに記憶する(ステップ109)。
また、ステップ108の判定でYESのときには、検索枠9の最後の欠陥を検出して(ステップ113)、検索枠9を最後の欠陥の位置を開始点として検索枠9を移動して(ステップ114)、ステップ108へと戻る。そして、次のステップ109では前記と異なり、移動前の検索枠9と移動後の検索枠9におけるトータル欠陥数とトータル欠陥の長さの合計を算出してメモリ542の所定の作業領域542gに記憶することになる。
【0036】
ステップ109の後には未登録欠陥の有無により1周分の欠陥データの検索が終了したか否かの判定をして(ステップ110)、ここでNOのときには、ステップ106へと戻り、同様な処理を繰り返す。ステップ110の判定でYESのときには、半径方向に対応して欠陥データ検索幅RWを持つ検査領域Pを外周側にRW−α分移動して検索範囲を更新して(ステップ111)、磁気ディスクの外周まで終了したか否かの判定をして(ステップ112)、ここでNOとなると、ステップ105の処理へと移行して前記と同様な処理を繰り返す。
そして、ステップ112の判定でYESとなると、スクラッチ欠陥分類処理をして、磁気ディスクの合否判定処理に入る(ステップ115)。
【0037】
以上は、検査領域Pにより円周状に1周分の欠陥データを順次更新していくものであるが、スパイラルやブロック対応で欠陥データの範囲を制限してサークルスクラッチを検出することができる。
図3(b)は、その実施例を示す説明図である。これは、図2(b)とは逆に検索枠9を反時計方向に移動させる例である。
検査領域Pをスパイラル走査に対応してスパイラルな検査領域Paとして設定し、1周分ではなく、検査領域Pに対して円周方向に沿って検索ブロック1、検索ブロック2、検索ブロック3…というように重複領域Daを採ってブロック分割して欠陥データを各ブロック対応に抽出する。そして、各ブロックごとの欠陥データに対して検索枠9を図2(b)とは逆方向に同様にして追従させていき、サークルスクラッチを各ブロック対応で検出していく。
この場合の検査領域Pは、磁気ディスク一周分の欠陥データに対して検索枠の長さより5倍か、これ以上大きい所定の長さのブロックとする。順次設定された検索ブロック1、検索ブロック2、検索ブロック3…の各ブロック内の欠陥データに対して検索枠9がそのブロックの範囲で移動することになる。
【0038】
この実施例の欠陥データ検索幅RWのスパイラル状の検査領域Paの幅は、検索枠9のの幅Wの2倍以上とし、そのブロック長さを検索枠9の5倍〜10倍の範囲として順次読み出して検査領域をブロックとしてこのブロック対応にサークルスクラッチの検出処理をするとよい。
前記した各実施例では、検索枠9の幅Wと長さLは、周囲の線状欠陥に影響されることなく、サークルスクラッチを追跡できる大きさに選択されている。サークルスクラッチは、完全な円に乗るものではなく、磁気ディスクの内周側と外周側では多少曲率が相違することがある。そこで、これを考慮して検索枠9の幅Wと長さLとを決定することになる。検索枠9がある程度の幅を持つことで放物状の欠陥もそれにより検出することができる。
ここでの検索枠9は、各種のサークルスクラッチの円弧断片が入る大きさ(長さと幅)の枠、すなわちテンプレート枠となっているので、磁気ディスクの内周から外周までの多少異なる曲率となる多種類のサークルスクラッチを検出することができる。
その結果、磁気ディスクの合否判定に影響を与えるようなある程度の長さのサークルスクラッチとこれと同様な放物線などを積極的に検出することが可能になる。
【0039】
さらに、前記実施例では、手前の検索枠を渡る長さあるいは欠陥数の連続性欠陥を検出しても検索枠9の領域の開始点と最後の欠陥と結ぶ方向として次の検索枠9の領域の方向を設定していくので検査領域Pの幅RWで制限されてサークル曲線状とならない線状欠陥は、次か、次の検索枠9で枠から外れて8回程度の検索枠の移動で長さの短い欠陥として検出されていく。
さらに、前記実施例では、欠陥の連続性が検索枠9の領域を渡るときには開始点から最も遠い欠陥を次の検索枠9の領域の次の開始点の欠陥としている。しかし、この発明にあっては、次の検索枠9の領域の次の開始点は、最も遠い欠陥に続く次の欠陥としてもよく、最も遠い欠陥に限定されるものではない。
前記実施例においては、検索枠9の領域を検査領域Pの幅RWの中で順次移動することによりサークル状の欠陥を検索枠の長さでその曲線に沿って追跡することができる。これにより、周囲の線状欠陥に影響されることなく、検出される比較的長い長さの欠陥を実質的にサークルスクラッチとして検出することができる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
以上説明してきたが、実施例では、連続性の欠落が3個か、それ以下のものを連続性あるものとして、検索枠9の開始点の欠陥からいずれかの辺の近傍(枠線までに3個程度の欠陥が入る長さ)まで欠陥が連続するか否かにより、枠を渡る連続性欠陥と認定している。そこで、この発明は、最も遠い欠陥に換えて枠から3個以下で手前の欠陥を欠陥の欠落の有無にかかわらず、次の検索枠の開始点の欠陥としてもよい。同様な理由から検索枠の移動方向も前の開始点の欠陥と3個以下手前の欠陥とを結ぶ方向としてもよいことはもちろんである。
また、実施例では、検査領域Pを磁気ディスクの内周から外周へに向かって移動させて設定しているが、この発明は、検査領域Pをその逆に外周から内周へに順次移動して設定してもよいことはもちろんである。
さらに、実施例では、欠陥検出においては磁気ディスクをスパイラル走査しているが、この発明は、磁気ディスクをスパイラル走査することにに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】図1は、この発明を適用したサーテファイアの一実施例の構成図である。
【図2】図2(a)は、サークルスクラッチ検出の検査領域についての説明図であり、図2(b)は、検索枠の設定とその移動方向についての説明図である。
【図3】図3(a)は、検索を開始する基準欠陥に対して検索枠の検索方向決定についての説明図であり、図3(b)は、検査領域をブロック分けして検索する処理の説明図である。
【図4】図4は、サークルスクラッチ検出処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0042】
1…磁気ディスク、2…回転機構、2b…ロータリエンコーダ、
3…MRヘッド、4…ヘッドユニット、5…検査装置、
6,7…ヘッドキャリッジ、8…半周分遅延回路、
50…書込/読出回路、51…書込/読出制御ユニット、
52…エラー検出ユニット、54…欠陥検出処理・制御部、
541…MPU、542…メモリ、543…CRTディスプレイ、
544…キーボード、545…バス、
542a…欠陥データ採取プログラ、
542b…サークルスクラッチ検索枠設定プログラム、
542c…サークルスクラッチ検出プログラム、
542d…サークルスクラッチ分類プログラム、
542e…ディスク合否判定プログラム、
542f…パラメータ領域、542g…作業領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
書込ヘッドと読出ヘッドとを有し、磁気ディスクを走査して前記書込ヘッドによりテストデータを書込み、前記読出ヘッドにより前記テストデータを読出すことで前記磁気ディスクの欠陥を検出する磁気ディスクサーテファイアにおける円周方向のスクラッチ欠陥検出方法において、
前記磁気ディスクの検査をして前記欠陥のデータとその前記磁気ディスク上の位置とを採取して採取された欠陥データに対して前記磁気ディスクの半径方向に所定の幅で前記磁気ディスクの円周方向に前記磁気ディスク一周分に渡ってあるいは円周方向に所定の長さで前記欠陥データの検査領域を設定して、前記検査領域における前記欠陥データに対して前記検査領域の前記所定の幅より短いある幅でこの幅に対して直角な方向に前記所定の長さより短いある長さを持つ長方形の検索枠を設けて前記検索枠の領域内において複数個の欠陥が列をなして続く連続性欠陥を検出して、
検出された連続性欠陥が続く方向に合わせて前記検出された連続性欠陥が前記検査領域内で続く限り前記検索枠の領域内に入るように前記検索枠を順次移動し、移動前と移動後の前記検索枠の全領域内における前記検出された連続性欠陥の長さあるいは欠陥数を検出してその長さあるいは欠陥数が所定値以上のものを前記検査領域における円周方向のスクラッチ欠陥として検出する円周方向のスクラッチ欠陥検出方法。
【請求項2】
前記連続性欠陥は、欠陥の個数が5個を越える数で列を作る欠陥であり、前記検索枠の大きさは、検出したい最小の前記円周方向のスクラッチ欠陥の長さに対して1/4の円弧か、それ以下の円弧が入る長さと幅とを有し、前記検索枠を5回か、それ以上継ぎ足すように移動することで円周方向のスクラッチ欠陥を検出する請求項1記載の円周方向のスクラッチ欠陥検出方法。
【請求項3】
前記連続性欠陥は、前記検査領域の前記欠陥データにおいてある欠陥を前記検索枠の開始点として選択して前記ある欠陥に続く欠陥を検出することで行われ、
前記検索枠の移動は、前記検索枠内の前記連続性欠陥の長さあるいは欠陥数を検出し、前記検索枠を渡るような前記連続性欠陥がある場合に前記開始点から最も遠い欠陥あるいはこれから3個以下手前の欠陥を次の前記検索枠の次の開始点の欠陥として前記検索枠を次に移動する請求項1又は2記載の円周方向のスクラッチ欠陥検出方法。
【請求項4】
前記検索枠における開始点の位置は、前記長方形の幅方向の1辺と前記長さの方向における枠の中心線との交点であり、前記検索枠の移動方向は、移動前の前記検索枠の前記開始点と前記最後の欠陥あるいは前記3個以下手前の欠陥とを結ぶ方向に前記中心線が位置付けられることで決定される請求項3記載の円周方向のスクラッチ欠陥検出方法。
【請求項5】
採取される前記欠陥データは、前記磁気ディスクの全面を検査して得られるものであり、前記連続性欠陥は、前記欠陥の列の途中において欠陥の所定数かそれ以下が欠落しているものも含めるものであり、前記検査領域は、前記半径方向に前記磁気ディスクの内周から外周へあるいはその逆に順次設定される請求項4記載の円周方向のスクラッチ欠陥検出方法。
【請求項6】
前記欠陥の所定数は、3個か、これ以下である請求項5記載の円周方向のスクラッチ欠陥検出方法。
【請求項7】
前記連続性欠陥として検出されたものはメモリに記憶されることで登録され、前記ある欠陥は、未登録の欠陥であり、前記検査領域の前記所定の幅は、0.5mm〜2mmの範囲にあって、前記検査領域の長さは、前記所定の幅よりも大きく、前記検索枠の幅は、50μm〜100μmの範囲にあって、その長さは、150μm〜500μmの範囲にある請求項6記載の円周方向のスクラッチ欠陥検出方法。
【請求項8】
前記検査領域は、前記磁気ディスク一周分の前記欠陥データに対して前記検索枠の長さより5倍か、これ以上大きい長さの複数のブロックに分割され、この分割されたブロックの前記欠陥データに対して前記検索枠が設定されかつ前記ブロックの範囲で検索枠が移動する請求項4記載の円周方向のスクラッチ欠陥検出方法。
【請求項9】
書込ヘッドと読出ヘッドとを有し、磁気ディスクを走査して前記書込ヘッドによりテストデータを書込み、前記読出ヘッドにより前記テストデータを読出すことで前記磁気ディスクの欠陥を検出する磁気ディスクサーテファイアにおいて、
前記磁気ディスクの検査をして前記欠陥のデータとその前記磁気ディスク上の位置とを採取する欠陥データ採取手段と、
前記磁気ディスクの半径方向に所定の幅で前記磁気ディスクの円周方向に前記磁気ディスク一周分に渡ってあるいは円周方向に所定の長さで前記欠陥データの検査領域を設定する検査領域設定手段と、
前記検査領域における前記欠陥データに対して前記検査領域の前記所定の幅より短いある幅でこの幅に対して直角な方向に前記所定の長さより短いあるの長方形の検索枠と、
前記検索枠の領域内において複数個の欠陥が列をなして続く連続性欠陥を検出する連続性欠陥検出手段と、
検出された前記連続性欠陥が続く方向に合わせて前記検出された連続性欠陥が前記検査領域内で続く限り前記検索枠の領域内に入るように前記検索枠を順次移動する検索枠移動手段とを備え、
移動前と移動後の前記検索枠の全領域内における前記検出された連続性欠陥の長さあるいは欠陥数を検出してその長さあるいは欠陥数が所定値以上のものを前記検査領域における円周方向のスクラッチ欠陥として検出する磁気ディスクサーテファイア。
【請求項10】
前記連続性欠陥は、欠陥の個数が5個を越える数で列を作る欠陥であり、前記検索枠の大きさは、検出したい最小の前記円周方向のスクラッチ欠陥の長さに対して1/4の円弧か、それ以下の円弧が入る長さと幅とを有し、前記検索枠を5回か、それ以上継ぎ足すように移動することで円周方向のスクラッチ欠陥を検出する請求項9記載のの磁気ディスクサーテファイア。
【請求項11】
前記連続性欠陥検出手段は、前記検査領域の前記欠陥データにおいてある欠陥を前記検索枠の開始点として選択して前記ある欠陥に続く欠陥を検出するものであり、
前記検索枠移動手段は、前記検索枠内の前記連続性欠陥の長さあるいは欠陥数を検出し、前記検索枠を渡るような前記連続性欠陥がある場合に前記開始点から最も遠い欠陥あるいはこれから3個以下手前の欠陥を次の前記検索枠の次の開始点の欠陥として前記検索枠を次に移動する請求項9又は10記載の磁気ディスクサーテファイア。
【請求項12】
前記検索枠における開始点の位置は、前記長方形の幅方向の1辺と前記長さの方向における枠の中心線との交点であり、前記検索枠の移動方向は、移動前の前記検索枠の前記開始点と前記最後の欠陥あるいは前記3個以下手前の欠陥とを結ぶ方向に前記中心線が位置付けられることで決定される請求項10記載の磁気ディスクサーテファイア。
【請求項13】
採取される前記欠陥データは、前記磁気ディスクの全面を検査して得られるものであり、前記連続性欠陥は、前記欠陥の列の途中において欠陥の所定数かそれ以下が欠落しているものも含めるものであり、前記検査領域は、前記半径方向に前記磁気ディスクの内周から外周へあるいはその逆に順次設定される請求項12記載の磁気ディスクサーテファイア。
【請求項14】
前記欠陥の所定数は、3個か、これ以下である請求項13記載の磁気ディスクサーテファイア。
【請求項15】
前記連続性欠陥として検出されたものはメモリに記憶されることで登録され、前記ある欠陥は、未登録の欠陥であり、前記検査領域の前記所定の幅は、0.5mm〜2mmの範囲にあって、前記検査領域の長さは、前記所定の幅よりも大きく、前記検索枠の幅は、50μm〜100μmの範囲にあって、その長さは、150μm〜500μmの範囲にある請求項14記載の磁気ディスクサーテファイア。
【請求項16】
プロセッサとメモリとを有し、前記連続性欠陥検出手段は、前記検査領域の前記欠陥データにおいてある欠陥を前記検索枠の開始点として選択して前記ある欠陥に続く欠陥を検出する検索枠設定手段を有し、前記欠陥データ採取手段と前記連続性欠陥検出手段と前記検索枠移動設定手段とが、前記プロセッサが前記メモリに記憶されたプログラムを実行することで実現される請求項10記載の磁気ディスクサーテファイア。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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