説明

円型振動ふるい機における異物除去用のふるい網面点検機構

【課題】小麦粉、そば粉、でんぷん粉等の粉体を円型振動ふるい機で処理して異物の除去や粗大品の除去作業を簡単、且つ容易に行うことができると共に、任意時間毎にふるい網面を直接点検できる機能を備えた円型振動ふるい機における異物除去用のふるい網面点検機構を提供する。
【解決手段】ふるい枠6の上部開口部に設置される蓋体8が可撓性のあるフレキシブルシュート9を介してふるい枠6上部に冠着されており、該蓋体8が前記振動モーター15の振動を伝達されない前記固定架台2に立設された支柱20a、20b・・・、または支柱20a、20b・・・間に装架されている梁材21により振動することなく懸吊固定されており、該懸吊固定された蓋体8上に振動ふるい機が運転中であっても任意に開閉可能で、前記ふるい枠6内部に張設されたふるい網7の面が直接点検可能な点検蓋10を設けたふるい網7の点検機構。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば小麦粉、そば粉、でんぷん粉等の粉体を円型振動ふるい機で処理してふるい分けされた異物の除去や粗大品の除去作業を簡単、且つ容易に行うことができる機能を備えた円型振動ふるい機における異物除去用のふるい網面点検機構に関するものである。
【0002】
本発明は、円型振動ふるい機が運転中で粉体を処理中であっても、任意時間毎にふるい網面を直接点検可能であり、該直接点検によりふるい網の破損を発見して適切な処置をとることが可能である。特に、ふるい網の破損は異物の混入や粗大品の混入を招くものであることから、即急にラインを停止して、進行した粉体処理をどこから後戻り再処理すれば良いかを判断することで粉体処理の品質管理が行える。
【0003】
また、本発明は、円型振動ふるい機が、運転中で粉体を処理中であっても、ふるい網面の緊張の具合を任意時間毎に直接点検可能である。ふるい網面の緊張状態がゆるむと粉体のふるい処理効率が悪くなると同時に、ふるい網の損傷にも繋がるケースがあり、前記ふるい面の直接点検は、ふるい網を交換するタイミングをも計ることが可能で、ふるい網が破損に至る前に粉体の処理ラインを停止してふるい網を交換することで、粉体処理の品質管理を継続的に行うものである。
【背景技術】
【0004】
食品工業や医薬品工業においては、各種の粉体を原材料や添加材料として用いられることは非常に多い。上記各種の粉体は、工場の製造ラインに投入される前に円型振動ふるい機により異物の除去や粗大品の除去処理工程が行われる。
【0005】
従来の円型振動ふるい機は、ふるい枠の軸心下部に振動を発生する振動モーターを具備し、該振動モーター自体の振動をふるい枠の内部に張設されたふるい網に伝達して、ふるい網に3次元振動を行う構成を有する特開2004―98034号公報(以下、特許文献1と称する。)記載の方式と、通常のモーターを使用し、該モーターとは別の振動発生装置をふるい枠の下部に具備し、前記モーターの回転を振動発生装置へVベルトを介して伝達し、前記ふるい枠の内部に張設されたふるい網に3次元振動を伝達するよう構成した特開2004−8998号公報(以下、特許文献2と称する。)記載の方式がある。
【0006】
而して、特許文献1、並びに特許文献2に記載されている2種類の円型振動ふるい機は、ふるい枠の内部に張設したふるい網を設け、該ふるい網に振動を加える方式のみが異なるものである。そして、ふるい枠上部に設置される蓋体は、単にふるい枠上部の開口部を覆うためのものであり、ふるい枠と一体化されている構造であることから、円型振動ふるい機が作動中の場合には、前記蓋体は、ふるい枠と一体となって振動してしまうという構造になっていた。
【0007】
従って、特許文献1、並びに特許文献2に記載されている円型振動ふるい機を工場のライン等に組み込み連続的に蓋体上部に設けられた投入口から被粉体材料を投入する場合には、ベローズ等の可撓性材料からなるジョイント部材を介して被粉体材料を配給する材料投入管に接続する構成が必要である。
【0008】
斯くして、工場のラインに接続されて使用される円型振動ふるい機の重要な要件は、例えば小麦粉、そば粉、でんぷん粉等の粉体を円型振動ふるい機で処理して、定期的にふるい網上にふるい分けされた異物の除去や粗大品の除去作業を行う場合に、装置を分解することなく簡単、且つ容易に行えることであり、また、任意時間毎にふるい機のふるい網面を簡単、且つ容易に直接点検でき、ふるい網の破損や緊張状態をチェックできる機能を備えていることである。
【0009】
然しながら、前記特許文献1、及び特許文献2に記載された従来装置は、蓋体とふるい枠、並びにふるい網が一体となって振動してしまう構成の円型振動ふるい機であり、ふるい分けされた異物の除去や粗大品の除去作業を行う場合には、ラインを止め、円型振動ふるい機の運転も停止してから、被粉体材料の投入口をも一体化された大きな蓋体を外さなくてはならない。
【0010】
また、ふるい網面を任意時間毎に直接点検する場合においても、従来の円型ふるい機は、ラインを止め、円型ふるい機の運転も停止してから被処理体の投入口をも一体化された大きな蓋体を外さなくてはならないという厄介な欠点を有していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2004−98034号公報
【特許文献2】特開2004−8998号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
斯くして、本発明が解決しようとする課題は、例えば小麦粉、そば粉、でんぷん粉等の粉体を円型振動ふるい機で処理して、ふるい分けされた異物の除去や粗大品の除去作業を行う場合に該作業が簡単、且つ容易に行える機能を備えた円型振動ふるい機における異物除去用のふるい網面点検機構を提供するもので、本発明は、円型振動ふるい機における異物除去機能を単なる実験設備用の装置に留まらず工場の製造ライン上に組み込んで連続して使用できる装置として提供するものである。
【0013】
また、本発明おいては、円型振動ふるい機が運転中で粉体を処理中であっても、任意時間毎にふるい網面を直接点検可能であり、該直接点検によりふるい網の破損を発見して適切な処置をとることが可能である。そして、ふるい網の破損は、異物の混入や粗大品の混入を招くものであることから、即急にラインを停止して、進行した粉体処理をどこから後戻り再処理すれば良いかを判断することで、粉体処理の品質管理が行える円型振動ふるい機における異物除去用のふるい網面点検機構を提供するものである。
【0014】
更に、本発明おいては、円型振動ふるい機が運転中で粉体を処理中であっても、ふるい網面の緊張具合を任意時間毎に直接点検可能である。そして、ふるい網面の緊張状態がゆるむと粉体のふるい処理効率が悪くなると同時に、ふるい網の損傷にも繋がるケースがあり、前記ふるい面の直接点検は、ふるい網を交換するタイミングをも計ることが可能で、ふるい網が破損に至るまえに処理ラインを停止してふるい網を交換することで、粉体処理の品質管理が継続的に行える円型振動ふるい機における異物除去用のふるい網面点検機構を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、固定架台上にコイルスプリングを介して設けられたふるい枠、該ふるい枠の軸心下部に吊着された振動モーター、該振動モーターの駆動により上下方向と水平方向の振動成分をあわせ持つ3次元振動を行う前記ふるい枠、該ふるい枠内部に張設されふるい枠と同様の3次元振動を行うふるい網からなる異物除去用の振動ふるい機において、実施されるものである。
【0016】
本発明の課題を解決する手段は、前記ふるい枠の上部開口部に設置される蓋体が可撓性のあるフレキシブルシュートを介してふるい枠上部に冠着されており、該蓋体が前記振動モーターの振動を伝達されない前記固定架台や他の台座上に立設された支柱、または支柱間に装架されている梁材により振動することなく保持固定されており、該保持固定された蓋体上に振動ふるい機が運転中であっても任意に開閉可能で前記ふるい枠内部に張設されたふるい網面が直接点検可能な点検蓋を設けた円型振動ふるい機のおける異物除去用のふるい網面点検機構である。
【0017】
また、本発明の課題を解決する手段の他の構成は、前記ふるい枠の上部開口部に設置される円板形状の蓋体が可撓性のあるフレキシブルシュートを介してふるい枠上部に冠着されており、該円板形状の蓋体が前記振動モーターの振動を伝達されない前記固定架台や他の台座上に立設された支柱、または支柱間に装架されている梁材により振動することなく保持固定されており、該保持固定された円板形状の蓋体上に振動ふるい機が運転中であっても任意に開閉可能で前記ふるい枠内部に張設されたふるい網面が直接点検可能な点検蓋を設け、該点検蓋に隣接する円板形状の蓋体の一部に被処理体の投入口を設けた円型振動ふるい機の異物除去用ふるい網面点検機構である。
【0018】
而して、本発明の前記点検蓋の形状は、ふるい枠内部に張設されたふるい網面が直接点検可能な点検蓋の形状は半円型の形状を有しており、前記円板形状の蓋体を略半分ほど占有する大きさである円型振動ふるい機における異物除去用のふるい網面点検機構を提供する。
【0019】
また、本発明の前記蓋体の形状は、ふるい枠上にフレキシブルシュートを介して保持固定された円板形状の蓋体であり、該蓋体は略半円形に欠切して比較的大きな開口部を形成し、該略半円形の開口部を覆う形状の点検蓋を載置して、該点検蓋は前記蓋体の直径、または直径に近い弦側に丁番を設けて開閉可能に装着され、また、該点検蓋は前記蓋体の円弧側に複数個のクランプを設けて前記蓋体と点検蓋を着脱可能として点検口取手にて開閉する振動ふるい機における異物除去用のふるい網面点検機構を提供する。
【0020】
そして更に、本発明において、ふるい枠の上部開口に連結され円板型の蓋体を振動しないように保持固定するフレキシブルシュートは、合成樹脂製の布地からなる可撓性のジョイント材であることが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明の効果は、例えば小麦粉、そば粉、でんぷん粉等の粉体を円型振動ふるい機で処理してふるい分けされた異物の除去や粗大品の除去作業を行う場合に、ふるい網面に外部から簡単、且つ容易に連通できる点検蓋機能を備えた円型振動ふるい機における異物除去用のふるい網面点検機構を提供するもので、本発明は、異物除去用の機能を備えた円型振動ふるい機を単なる実験設備用の装置に留まらず工場の製造ライン上に組み込んで連続して使用できる装置として提供することを可能とした。
【0022】
本発明は、円型振動ふるい機が運転中で粉体を処理中であっても、任意時間毎にふるい網面を簡単、且つ容易に直接点検可能であり、該直接点検によりふるい網の破損を発見して適切な処置をとることを可能にした。そして、ふるい網の破損は、異物の混入や粗大品の混入を招くものであることから、即急にラインを停止して、進行した粉体処理をどこから後戻り再処理すれば良いかを判断することで、粉体処理の品質管理が行える円型振動ふるい機における異物除去用のふるい網面点検機構を提供することができた。
【0023】
また、本発明は、円型振動ふるい機が運転中で粉体を処理中であっても、ふるい網面の緊張の具合を任意時間毎に直接点検可能にした。そして、ふるい網面の緊張状態がゆるむと粉体のふるい処理効率が悪くなると同時に、ふるい網の損傷にも繋がるケースがあり、前記ふるい面の直接点検は、ふるい網を交換するタイミングをも計ることが可能で、ふるい網が破損に至る前に処理ラインを停止してふるい網を交換することが可能となり、粉体処理の品質管理が継続的に行える円型振動ふるい機における異物除去用のふるい網面点検機構を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施例1を説明する要部断面立面図である。
【図2】図1の平面図で実施例1のふるい網面点検機構説明図である。
【図3】図1のふるい網面説明図である。
【図4】本発明の実施例2を説明する要部断面立面図である。
【図5】図4の平面図で実施例2のふるい網面点検機構説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
斯くして、本発明は、例えば小麦粉、そば粉、でんぷん粉等の粉体を円型振動ふるい機で処理してふるい分けされた異物の除去や粗大品の除去作業を行う場合に、ふるい網面に外部から簡単、且つ容易に連通できる点検蓋機能を備えた円型振動ふるい機における異物除去用のふるい網面点検機構を提供するもので、本発明は、異物除去用の機能を備えた円型振動ふるい機を単なる実験設備用の装置に留まらず工場の製造ライン上に組み込んで連続して使用できる装置として提供するものである。
【0026】
また、本発明は、円型振動ふるい機が運転中で粉体を処理中であっても、任意時間毎にふるい網面を簡単、且つ容易に直接点検可能であり、該直接点検によりふるい網の破損を発見して適切な処置をとることを可能にした。そして、ふるい網の破損は、異物の混入や粗大品の混入を招くものであることから、即急にラインを停止して、進行した粉体処理をどこから後戻り再処理すれば良いかを判断することで、粉体処理の品質管理が行える円型振動ふるい機における異物除去用のふるい網面点検機構を提供するものである。
【0027】
更に、本発明は、円型振動ふるい機が運転中で粉体を処理中であっても、ふるい網面の緊張の具合を任意時間毎に直接点検可能にした。そして、ふるい網面の緊張状態がゆるむと粉体のふるい処理効率が悪くなると同時に、ふるい網の損傷にも繋がるケースがあり、前記ふるい面の直接点検は、ふるい網を交換するタイミングをも計ることが可能で、ふるい網が破損に至る前に処理ラインを停止してふるい網を交換することが可能となり、粉体処理の品質管理が継続的に行える円型振動ふるい機における異物除去用のふるい網面点検機構を提供するものである。
【0028】
本発明は、固定架台上にコイルスプリングを介して設けられたふるい枠、該ふるい枠の軸心下部に吊着された振動モーター、該振動モーターの駆動により上下方向と水平方向の振動成分をあわせ持つ3次元振動を行う前記ふるい枠、該ふるい枠内部に張設されふるい枠と同様の3次元振動を行うふるい網からなる異物除去用の振動ふるい機において、実施されるものである。
【0029】
本発明の構成は、ふるい枠の上部開口部に設置される蓋体が可撓性のあるフレキシブルシュートを介してふるい枠上部に冠着されており、該蓋体が前記振動モーターの振動を伝達されない前記固定架台や他の台座上に立設された支柱、または支柱間に装架されている梁材により振動することなく保持固定されており、該保持固定された蓋体上に振動ふるい機が運転中であっても任意に開閉可能で前記ふるい枠内部に張設されたふるい網面が直接点検可能な点検蓋を設けた円型振動ふるい機における異物除去用のふるい網面点検機構である。
【0030】
また、本発明の他の構成は、ふるい枠の上部開口部に設置される円板形状の蓋体が可撓性のあるフレキシブルシュートを介してふるい枠上部に冠着されており、該円板形状の蓋体が前記振動モーターの振動を伝達されない前記固定架台や他の台座上に立設された支柱、または支柱間に装架されている梁材により振動することなく保持固定されており、該保持固定された円板形状の蓋体上に振動ふるい機が運転中であっても任意に開閉可能で前記ふるい枠内部に張設されたふるい網面が直接点検可能な点検蓋を設け、該点検蓋に隣接する円板形状の蓋体の一部に被処理体の投入口を設けた円型振動ふるい機における異物除去用ふるい網面点検機構である。
【0031】
而して、本発明を実施して、所定の効果を得ることのできる振動ふるい機は、ふるい枠の軸心下部に振動を発生する振動モーターを具備し、該振動モーター自体の振動をふるい枠の内部に張設されたふるい網に伝達して、ふるい網に3次元振動を行う構成を有する方式のものや、通常のモーターを使用し該モーターとは別の振動発生装置をふるい枠の下部に具備してモーターの回転を振動発生装置へVベルトを介して伝達し、前記ふるい枠の内部に張設されたふるい網に3次元振動を伝達する方式のもの等、ふるい枠と蓋体が一体化して振動する構成の振動ふるい機の使用範囲の拡大におおいに役立つものである。
【0032】
本発明の点検蓋の形状は、ふるい枠内部に張設されたふるい網面が直接点検可能な点検蓋の形状は半円型の形状を有しており、前記円板形状の蓋体を略半分ほど占有する大きさである円型振動ふるい機における異物除去用のふるい網面点検機構である。
【0033】
また、本発明の蓋体の形状は、ふるい枠上にフレキシブルシュートを介して保持固定された円板形状の蓋体であり、該蓋体は略半円形に欠切して比較的大きな開口部を形成し、該略半円形の開口部を覆う形状の点検蓋を載置して、該点検蓋は前記蓋体の直径、または直径に近い弦側に丁番を設けて開閉可能に装着され、また、該点検蓋は前記蓋体の円弧側に複数個のクランプを設けて前記蓋体と点検蓋を着脱可能として点検口取手にて開閉する振動ふるい機における異物除去用のふるい網面点検機構である。
【0034】
更に、本発明の前記蓋体の形状は、ふるい枠の上部開口に連結され円板型の蓋体を振動しないように懸吊固定するフレキシブルシュートはテトロン(東レ株式会社、帝人株式会社の登録商標)、ナイロン(インビスタ社の登録商標)等の合成樹脂製の布地からなる可撓性のジョイント材であることが好ましい。
【実施例1】
【0035】
図1乃至図3は本発明の実施例1を説明するものであり、図1は本発明のふるい網面点検機構を説明する要部断面立面図、図2は、図1のふるい網面点検機構を説明する平面図、図3は、図1のふるい網面を説明する平面図である。
【0036】
図1乃至図3において、1は円型振動ふるい機本体、2は設置面に固定された固定架台、3a、3b、3c・・・は円型振動ふるい機1をフレキシブルに保持するコイルスプリング、4は粉体等、被処理材の排出口5を有する下枠、6はふるい枠、7は前記ふるい枠6の内部に着脱自在に張設されたふるい網、8は蓋体、9はフレキシブルシュート、10は半円形の点検蓋、11は前記蓋体8に設けられた被処理材の投入口、12は投入口11にフランジを介して接続されている被処理材の配給管である。
【0037】
また、前記固定架台2内には、モーターベース13、及び補強リブ14を介してコイルスプリング3a、3b、3c・・・にて懸吊された振動モーター15が装着されており、該振動モーター15には上側と下側でその回転軸に偏芯させて固定した上部ウェイト16と下部ウェイト17有しており、該振動モーター15が駆動することにより、前記モーターベース13介して連繋された下枠4、ふるい枠6、そして、ふるい枠6内部に張設されたふるい網7は、上下方向と水平方向の振動成分をあわせ持つ3次元振動を惹起される。
尚、18は固定架台2側壁に設けられた端子箱及びスイッチ、19は振動モーター15の点検扉である。
【0038】
斯くして、前記設置面に固定された固定架台2上には、適宜間隔をおいて支柱20a、20b・・・等が立設されており、該支柱20a、20bの上部には梁材21が装架されており、該梁材21により支持軸材22a、22b、22cが垂設され、支持軸材22a、22b、22cの下端には前記点検蓋10を有した蓋体8が所定位置に保持固定されている。
【0039】
前記点検蓋10を有する蓋体8の廻り縁には、帯状固定バンド23にて前記フレキシブルシュート9が固着されており、該フレキシブルシュート9の下端はふるい枠6の上部廻り縁に帯状固定バンド24に固着されており、前記ふるい枠6の三次元振動は点検蓋10を保有する蓋体8に伝達されない構造になっている。
尚、25a、25b、25cは前記点検蓋10の丁番、26a、26b、26cは点検蓋10を蓋体8に固着するためのトグルクランプ、27は点検蓋10の開閉用取手、想像線28は点検蓋10の開口位置を示している。
【0040】
図3は、図1のふるい網7内部を示すもので、この状態は、前記フレキシブルシュート9の廻り縁帯状バンド24を取外し、ふるい網7を交換する場合を示している。
図3において、7はふるい網、6はふるい枠、29はふるい枠用取手、5は被処理材の排出口、30は下枠4とふるい枠6を固着して一体化するための下枠とふるい枠用固定バンドである。
【0041】
而して、実施例1は、固定架台2上にコイルスプリング3a、3b、3c・・・を介して設けられたふるい枠6、該ふるい枠6の軸心下部に吊着された振動モーター15、該振動モーター15の駆動により上下方向と水平方向の振動成分をあわせ持つ3次元振動を行う前記ふるい枠6、該ふるい枠6内部に張設されふるい枠6と同様の3次元振動を行うふるい網7からなる異物除去用の円型振動ふるい機本体1において、実施されるものである。
【0042】
実施例1の構成は、ふるい枠6の上部開口部に設置される蓋体8が可撓性のあるフレキシブルシュート9を介してふるい枠6上部に冠着されており、該蓋体8が前記振動モーター15の振動を伝達されない前記固定架台2上部に立設された支柱20a、20b・・・、または支柱20a、20b・・・間に装架されている梁材21により、振動することなく保持固定されており、該保持固定された蓋体8上に振動ふるい機が運転中であっても任意に開閉可能で、前記ふるい枠6内部に張設されたふるい網7の面が直接点検可能な点検蓋10を設けたふるい網7の点検機構である。
【0043】
また、実施例1の他の構成は、ふるい枠6の上部開口部に設置される蓋体8が可撓性のあるフレキシブルシュート9を介してふるい枠6上部に冠着されており、該蓋体8が前記振動モーター15の振動を伝達されない前記固定架台2に立設された支柱20a、20b・・・、または支柱20a、20b・・・間に装架されている梁材21により振動することなく保持固定されており、該保持固定された蓋体8上に振動ふるい機が運転中であっても任意に開閉可能で、前記ふるい枠6内部に張設されたふるい網7の面が直接点検可能な半円形の点検蓋10を設け、該半円形の点検蓋10に隣接する他の半円形蓋体8の一部に被処理体の投入口11を設けた円型振動ふるい機のふるい網7の点検機構である
【0044】
更に、実施例1における蓋体8の構成は、ふるい枠6上にフレキシブルシュート9を介して懸吊固定された円板型の蓋体8は略半円形に欠切して比較的大きな開口部を形成し、該略半円形の開口部を覆う形状の点検蓋10を載置して、該点検蓋10は前記蓋体8の直径、または直径に近い弦側に丁番25a、25b、25cを設けて開閉可能に装着され、また、該点検蓋10は前記蓋体8の円弧側に複数個のトグルクランプ26a、26b、26cを設けて蓋体8と点検蓋10を開閉可能として点検口用開閉取手27にて開閉する異物除去用円型振動ふるい機のふるい網面点検機構を提供する。
【0045】
斯くして、上記半円形の点検蓋10は、比較的大きな開口部を構成でき、1バッチ、或いは1ロットの被粉体材料の処理を終えた時点で、定期的にふるい網7の面上にふるい分けされた異物や粗大品を集塵機等で簡単に排除することが可能である。
【0046】
そして、より具体的には、実施例1の前記蓋体8の構成において、ふるい枠6の上部開口に連結され円板型の蓋体8を振動しないように保持固定するためのフレキシブルシュート9は、テトロン(東レ株式会社、帝人株式会社の登録商標)、ナイロン(インビスタ社の登録商標)等の合成樹脂製の布地からなる可撓性のジョイント材であることが好ましい。
【実施例2】
【0047】
図4及び図5は、本発明の実施例2を説明するものであり、図4は本発明のふるい網面点検機構を説明する要部断面立面図、図5は、図4のふるい網面点検機構を説明する平面図である。
【0048】
図4及び図5において、1は円型振動ふるい機本体、2は設置面に固定された固定架台、3a、3b、3c・・・は円型振動ふるい機1をフレキシブルに保持するコイルスプリング、4は粉体等、被処理材の排出口5を有する下枠、6はふるい枠、7は前記ふるい枠6の内部に着脱自在に張設されたふるい網、8は蓋体、9はフレキシブルシュート、10は半円形の点検蓋、11は前記蓋体8に設けられた被処理材の投入口、12は投入口11にフランジを介して接続されている被処理材の配給管である。
【0049】
また、前記固定架台2内には、モーターベース13、及び補強リブ14を介してコイルスプリング3a、3b、3c・・・にて懸吊された振動モーター15が装着されており、該振動モーター15には上側と下側でその回転軸に偏芯させて固定した上部ウェイト16と下部ウェイト17有しており、該振動モーター15が駆動することにより、前記モーターベース13介して連繋された下枠4、ふるい枠6、そして、ふるい枠6内部に張設されたふるい網7は、上下方向と水平方向の振動成分をあわせ持つ3次元振動を惹起される。
尚、18は固定架台2側壁に設けられた端子箱及びスイッチ、19は振動モーター15の点検扉である。
【0050】
斯くして、設置面に固定された固定架台2下部には、2本の支柱31a、31bが立設されており、該支柱31a、31bの上端部には前記蓋体8に設けられたリブ32a、32bを介して支柱31a、31bが固着された構成を有しており、前記点検蓋10を有した蓋体8が所定位置に保持固定されている。
【0051】
そして、前記点検蓋10を有する蓋体8の廻り縁には、帯状固定バンド23にて前記フレキシブルシュート9が固着されており、該フレキシブルシュート9の下端はふるい枠6の上部廻り縁に帯状固定バンド24に固着され、前記ふるい枠6の三次元振動は点検蓋10を保有する蓋体8に伝達されない構造になっている。
尚、25a、25b、25cは前記点検蓋10の丁番、26a、26b、26cは点検蓋10を蓋体8に固着するためのトグルクランプ、27は点検蓋10の開閉用取手、想像線28は点検蓋10の開口位置を示している。
【0052】
本発明における実施例2の構成は、ふるい枠6の上部開口部に設置される蓋体8が可撓性のあるフレキシブルシュート9を介してふるい枠6上部に冠着されており、該蓋体8が前記振動モーター15の振動を伝達されない前記固定架台2の下部に立設された支柱30a、30bにより、振動することなく保持固定されており、該保持固定された蓋体8の上に振動ふるい機が運転中であっても任意に開閉可能で、前記ふるい枠6内部に張設されたふるい網7の面が直接点検可能な半円形の点検蓋10を設けたふるい網7の点検機構を有している。
【0053】
そして、上記半円形の点検蓋10は、比較的大きな開口部を構成でき、1バッチ、或いは1ロットの被粉体材料の処理を終えた時点で、定期的にふるい網7の面上にふるい分けされた異物や粗大品を集塵機等で簡単に排除することが可能である。
【0054】
而して、本発明の実施例1及び2においては、例えば小麦粉、そば粉、でんぷん粉等の粉体を円型振動ふるい機で処理してふるい分けされた異物の除去や粗大品の除去作業を行う場合に、外部からふるい網面に簡単、且つ容易に連通できる点検蓋機能を備えた円型振動ふるい機における異物除去用のふるい網面点検機構を提供するもので、本発明は、異物除去用の機能を備えた円型振動ふるい機を単なる実験設備用の装置に留まらず工場の製造ライン上に組み込んで連続して使用できる装置として提供することができた。
【0055】
本発明の実施例1及び2おいては、円型振動ふるい機が運転中で粉体を処理中であっても、任意時間毎にふるい網面を簡単、且つ容易に直接点検可能であり、該直接点検によりふるい網の破損を発見して適切な処置をとることを可能にした。そして、ふるい網の破損は、異物の混入や粗大品の混入を招くものであることから、即急にラインを停止して、進行した粉体処理をどこから後戻り再処理すれば良いかを判断することで、粉体処理の品質管理が行える円型振動ふるい機における異物除去用のふるい網面点検機構を提供することができた。
【0056】
また、本発明の実施例1及び2においては、円型振動ふるい機が運転中で粉体を処理中であっても、ふるい網面の緊張の具合を任意時間毎に直接点検可能にした。そして、ふるい網面の緊張状態がゆるむと粉体のふるい処理効率が悪くなると同時に、ふるい網の損傷にも繋がるケースがあり、前記ふるい面の直接点検は、ふるい網を交換するタイミングをも計ることが可能で、ふるい網が破損に至る前に処理ラインを停止してふるい網を交換することが可能となり、粉体処理の品質管理が継続的に行える円型振動ふるい機における異物除去用のふるい網面点検機構を提供することができた。
【0057】
更に、実施例1及び2の機構では、前記半円形の点検蓋10は、比較的大きな開口部を構成でき、1バッチ、或いは1ロットの被粉体材料の処理を終えた時点で、定期的にふるい網7の面上にふるい分けされて残留した異物や粗大品を集塵機等で簡単に除去することも可能になった。
【符号の説明】
【0058】
1 円型振動ふるい機本体
2 固定架台
3a、3b、3c・・・ コイルスプリング
4 下枠
5 被処理材料の排出口
6 ふるい枠
7 ふるい網
8 蓋体
9 フレキシブルシュート
10 点検蓋
11 被処理材の投入口
12 被処理材の配給管
13 モーターベース
14 補強リブ
15 振動モーター
16 上部ウェイト
17 下部ウェイト
18 端子箱及びスイッチ
19 点検扉
20a、20b・・・ 支柱
21 梁材
22a、22b、22c 支持軸材
23 帯状固定バンド
24 帯状固定バンド
25a、25b、25c 丁番
26a、26b、26c トグルクランプ
27 開閉取手
28 点検蓋の開口位置
29 ふるい枠用の取手
30 下枠とふるい枠用固定バンド
31a、31b 支柱
32a、32b リブ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定架台上にコイルスプリングを介して設けられたふるい枠、該ふるい枠の軸心下部に吊着された振動モーター、該振動モーターの駆動により上下方向と水平方向の振動成分をあわせ持つ3次元振動を行う前記ふるい枠、該ふるい枠内部に張設されふるい枠と同様の3次元振動を行うふるい網からなる異物除去用の振動ふるい機において、前記ふるい枠の上部開口部に設置される蓋体が可撓性のあるフレキシブルシュートを介してふるい枠上部に冠着されており、該蓋体が前記振動モーターの振動を伝達されない前記固定架台や他の台座上に立設された支柱、または支柱間に装架されている梁材により振動することなく保持固定されており、該保持固定された蓋体上に振動ふるい機が運転中であっても任意に開閉可能で前記ふるい枠内部に張設されたふるい網面が直接点検可能な点検蓋を設けたことを特徴とする円型振動ふるい機における異物除去用のふるい網面点検機構。
【請求項2】
固定架台上にコイルスプリングを介して設けられたふるい枠、該ふるい枠の軸心下部に吊着された振動モーター、該振動モーターの駆動により上下方向と水平方向の振動成分をあわせ持つ3次元振動を行う前記ふるい枠、該ふるい枠内部に張設されふるい枠と同様の3次元振動を行うふるい網からなる異物除去用の円型振動ふるい機において、前記ふるい枠の上部開口部に設置される円板形状の蓋体が可撓性のあるフレキシブルシュートを介してふるい枠上部に冠着されており、該円板形状の蓋体が前記振動モーターの振動を伝達されない前記固定架台や他の台座上に立設された支柱、または支柱間に装架されている梁材により振動することなく保持固定されており、該保持固定された円板形状の蓋体上に振動ふるい機が運転中であっても任意に開閉可能で前記ふるい枠内部に張設されたふるい網面が直接点検可能な点検蓋を設け、該点検蓋に隣接する円板形状の蓋体の一部に被処理体の投入口を設けたことを特徴とする円型振動ふるい機における異物除去用のふるい網面点検機構。
【請求項3】
前記ふるい枠内部に張設されたふるい網面が直接点検可能な点検蓋の形状は半円型の形状を有しており、前記円板形状の蓋体を略半分ほど占有する大きさであることを特徴とする請求項2に記載された円型振動ふるい機における異物除去用のふるい網面点検機構。
【請求項4】
前記ふるい枠上にフレキシブルシュートを介して保持固定された円板形状の蓋体は略半円形に欠切して比較的大きな開口部を形成し、該略半円形の開口部を覆う形状の点検蓋を載置して、該点検蓋は前記蓋体の直径、または直径に近い弦側に丁番を設けて開閉可能に装着され、また、該点検蓋は前記蓋体の円弧側に複数個のクランプを設けて前記蓋体と点検蓋を着脱可能として点検口取手にて開閉することを特徴とする請求項2、または請求項3に記載された円型振動ふるい機における異物除去用のふるい網面点検機構。
【請求項5】
前記ふるい枠の上部開口に連結され円板型の蓋体を振動しないように保持固定するフレキシブルシュートは合成樹脂製の布地からなる可撓性のジョイント材であることを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載された円型振動ふるい機における異物除去用のふるい網面点検機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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