説明

円形変色針織機糸端除去装置

【課題】円形変色針織機糸端除去装置の提供。
【解決手段】主に円形変色針織機の紡織作業において発生する糸端を取り除き、針筒、圧力気体発生器、電気アダプタ、負圧発生器、負圧吸収ノズルを含む。針筒は中心軸により回転し、該針筒上には複数の織針を設置し、該織針の移動作動により紡織作業を行う。圧力気体発生器は圧縮空気を提供し、圧力気体発生器に接続し該圧縮空気を送入、送出する。負圧発生器は該出気ジョイント下方に固設、シンクロで回転作動し、進気口、出気口、負圧吸収ノズルを備え、該進気口と該出気ジョイントは接続し、該圧縮空気を送入し、該負圧吸収ノズルは該織針に対応し、別に該出気口上には集塵器を嵌設し、該圧縮空気を排出し、該負圧吸収ノズルが吸入する該織針が紡織作業中に発生する糸端をろ過する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一種の円形変色針織機糸端除去装置に関する。特に一種の空気圧縮機を糸端を吸収する風力の出所として利用し、圧縮空気の流れる方向により負圧発生器の一端の吸収ノズルに負圧を生じさせ、布の色を換える時に切る糸端を集塵網中に吸い込む円形変色針織機糸端除去装置に係る。
【背景技術】
【0002】
円形針織機は紡織業界で広く使用されており、円形針織機の作業効率と付加機能を高める多くの新型設計が現れている。円形針織機は糸の交換により布の模様を換えることができ、その原理は針にかける糸を異なる色の糸に換えることにより、糸を換えると同時に、元々使用していた糸を切り、別の色の糸を使用し紡織を続ける必要がある。
しかし、切った糸の端を処理せず、円形針織機中で漂うに任せれば、漂う糸端は紡織の過程において布中に混雑し、多くの微小な雑色模様を生じ、その結果、大量の人力と時間を費やし、糸端を取り出す必要が出てしまう。
【0003】
これに対して、大量に廃棄される糸端、及び糸くずが円形針織機中に漂い製品に混雑する糸端の問題を解決するため、様々な開発がなされている。特許文献1では、円形針織機内部から風管を針織機外まで延伸し吸入器に接続するものだが、その欠点はブラスト機を別に購入し、針織機外において吸引力を提供する必要がある点である。また風管は針織機内部からブラスト機まで延伸するため、管路距離が非常に長くなり湾曲屈折し、吸引力は大幅に減衰し、管路中には糸端と糸くずが堆積し易く、管路が詰まり使用効率に悪影響を及ぼす恐れもある。
また特許文献2が使用するブラスト機は、風力を提供し糸くずと切れ端が針織機上に集まらないよう阻止するものである。しかし、その管路は非常に長く風力の減衰を招き、さらに大電力のブラスト機を購入する必要があるため、コストが嵩む。
上記のように、公知構造はコストを拡大させるばかりでなく、メンテナンスが難しく、しかもその性能はさらなる増強が望まれる。
【0004】
【特許文献1】台湾実用新案公告第182863号明細書
【特許文献2】台湾実用新案公告第517722号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は主に円形変色針織機糸端除去装置を提供し、公知の円形針織機が備える空気圧縮機を風力由来とすることで、別にブラスト機を購入する必要をなくし、該空気圧縮機は連接管と円形変色針織機上方の回転ジョイント上端により相互接続し、該回転ジョイント下端は円形変色針織機に従って回転し、圧縮空気は該回転ジョイントを通って負圧発生器に送出され、圧縮空気の流れる方向を制御することで、負圧発生器の負圧吸収ノズルに負圧を生じさせ、こうして円形変色針織機が切った糸端を吸引し、廃棄された糸端は負圧発生器により反対端に送出され、集塵フィルター内に集まり、きれいな空気がろ過され、回転ジョイントの円形変色針織機回転に従う機能により、集塵フィルターと負圧発生器は円形変色針織機の糸交換織針に向かって固定され糸端を吸引する。
【0006】
すなわちそれは、集塵フィルターを円形変色針織機の内部に設置し、該針織機の回転に従い、糸交換を行う織針に向かって固定され糸端を吸引し、糸端吸引の効率を大幅に向上させることができる。
またそれは、空気圧縮機を風力由来とし、ブラスト機を別に購入する必要がないため、コストを低下させることができることを特徴とする円形変色針織機糸端除去装置である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、円形変色針織機の紡織作業において発生する糸端を取り除き、針筒、圧力気体発生器、電気アダプタ、負圧発生器、負圧吸収ノズルを含み、
該針筒は中心軸により回転し、該針筒上には複数の織針を設置し、該織針の移動作動により紡織作業を行い、
該圧力気体発生器は圧縮空気を提供し、
該電気アダプタ上端には進気ジョイントを備え、該針織機上方に固設、該圧力気体発生器に接続し該圧縮空気を送入し、下端には出気ジョイントを備え、該針筒の回転に従い、該出気ジョイントは該進気ジョイントと相互に通じ、該圧縮空気を送出し、
該負圧発生器は該出気ジョイント下方に固設、シンクロで回転作動し、進気口、出気口、負圧吸収ノズルを備え、該進気口と該出気ジョイントは接続し、該圧縮空気を送入し、該負圧吸収ノズルは該織針に対応し、別に該出気口上には集塵器を嵌設、該圧縮空気を排出し、該負圧吸収ノズルが吸入する該織針が紡織作業中に発生する糸端をろ過することを特徴とする円形変色針織機糸端除去装置としている。
請求項2の発明は、請求項1記載の円形変色針織機糸端除去装置において、前記電気アダプタ上端には電源入力ジョイントを備え、該針織機上方に固設、電源を入力し、下端には電源出力ジョイントを備え、該針筒に従い回転し、該電源出力ジョイントは該電源入力ジョイントと電気的に接続し、電源を出力することを特徴とする円形変色針織機糸端除去装置としている。
請求項3の発明は、請求項2記載の円形変色針織機糸端除去装置において、前記電気アダプタの該電源入力ジョイントと該電源出力ジョイントの電気的接続は水銀式接点連接であることを特徴とする円形変色針織機糸端除去装置としている。
請求項4の発明は、請求項2記載の円形変色針織機糸端除去装置において、前記電気アダプタの該電源入力ジョイントと該電源出力ジョイントの電気的接続はカーボンブラシ連接であることを特徴とする円形変色針織機糸端除去装置としている。
請求項5の発明は、請求項1記載の円形変色針織機糸端除去装置において、前記圧力気体発生器が提供する該圧縮空気は連接管により該進気ジョイントに連接されることを特徴とする円形変色針織機糸端除去装置としている。
請求項6の発明は、請求項1記載の円形変色針織機糸端除去装置において、前記出気ジョイントが出力する該圧縮空気は連接管により該進気口に連接されることを特徴とする円形変色針織機糸端除去装置としている。
請求項7の発明は、請求項1記載の円形変色針織機糸端除去装置において、前記圧力気体発生器は空気圧縮機であることを特徴とする円形変色針織機糸端除去装置としている。
請求項8の発明は、請求項1記載の円形変色針織機糸端除去装置において、前記集塵器はフィルターであることを特徴とする円形変色針織機糸端除去装置としている。
請求項9の発明は、請求項1記載の円形変色針織機糸端除去装置において、前記負圧吸収ノズルは異なる糸の交換に使用する織針に対応することを特徴とする円形変色針織機糸端除去装置としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明は集塵フィルターを円形変色針織機の内部に設置し、該針織機の回転に従い、糸交換を行う織針に向かって固定され糸端を吸引し、糸端吸引の効率を大幅に向上させることができる。また空気圧縮機を風力由来とし、ブラスト機を別に購入する必要がないため、コストを低下させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の平面表示図である図1に示すように、本発明の円形変色針織機糸端除去装置は円形変色針織機内部の中央に主に、フィルター1、負圧発生器2を含む。
該フィルター1と該負圧発生器2間は軟管10により接続し、しかも該フィルター1と該負圧発生器2はL型固定フレーム91により該円形変色針織機の布固定フレーム9上に固定される。
該負圧発生器2上方には電気アダプタを接続し、該電気アダプタ上段と下端にはそれぞれ電源入力ジョイントと電源出力ジョイントを設置する。該電気アダプタは気体を通過させることができる空間を備え、該電気アダプタは回転ジョイント3である。該回転ジョイント3の反対端には空気圧縮機4などの圧力気体発生器を接続する。
該負圧発生器2、該回転ジョイント3と該空気圧縮機4間は接続管5を利用し圧縮空気を導通させ、これにより該負圧発生器2は圧縮空気を利用し負圧を生じ、廃棄糸端を吸入する。
【0010】
本発明の局部立体図である図2に示すように、該フィルター1はスチール枠11内に嵌設、該スチール枠11と該L型固定フレーム91を利用し該布固定フレーム9上において安定的に固定、接合する。しかも、該L型固定フレーム91は該軟管10と該負圧発生器2を支えることができる。
該フィルター1は該軟管11と該負圧発生器2一端の出気口23により接続される。該負圧発生器2の反対端は負圧吸収ノズル21で、該負圧発生器2外側は進気口22で、連接管5により圧縮空気は該負圧発生器2に導入される。
【0011】
本発明の組立て表示図である図3、回転ジョイントの断面図である図4に示すように、該フィルター1が連接する負圧発生器2両端にはそれぞれ出気口23と負圧吸収ノズル21を設置する。該負圧吸収ノズル21は糸交換に用いる特定針筒8中の織針81に向かい、該負圧発生器2外側の進気口22は該連接管5に嵌設する。該連接管5は該布固定フレーム9上方の珠盤と中心軸6中央を貫通し、該中心軸6上方の電気連接器に連接する。該電気連接器は回転ジョイント3で、該回転ジョイント3は固定部31と回転部32に分けられ、両者間はワッシャ35とベアリング36により相互に回転し、電気と気体の導通を保持する。該回転ジョイント3の固定部31と回転部32は水銀式接点或いはカーボンブラシにより電気を連接し、しかも該回転ジョイント3の回転部32と固定部31間には空間があり、気体を導通させる。これにより円形変色針織機内の負圧発生器2は円形変色針織機外の空気圧縮機を接続する。
該回転部32と該固定部31はそれぞれ出気ジョイント34と進気ジョイント33を設置し、該出気ジョイント34と該進気ジョイント33は該連接管5に連接し、外へと該空気圧縮機4に連接する。こうして圧縮空気は該連接管5を通り該進気ジョイント33に接続し、圧縮空気は該固定部31と該回転部32間の空間を通り、該出気ジョイント34より送出され、該連接管5より該負圧発生器2へと送られる。
【0012】
本発明の実施表示図である図5に示すように、該空気圧縮機4が発生する圧縮空気は該連接管5と該回転ジョイント3を通って円形変色針織機内に送られ、該負圧発生器2の進気口22に接続する。該負圧発生器2は斜面と管径の変化原理を利用し、空気を制御し、一端の出気口23から吹き出し、これにより反対端の負圧吸収ノズル21は負圧を生じ吸引力を備える。
円形変色針織機の糸交換の作業は予め設定され、該特定針筒8中の織針81により行われるため、該負圧吸収ノズル21は糸変換に用いる織針81に向けて固定することができる。円形変色針織機が運転している時、本発明の円形変色針織機糸端除去装置は該布固定フレーム9上に固定され、該円形変色針織機に従い回転し、該回転ジョイント3により空気を導入し、糸が絡まる面倒を排除することができる。こうして該円形変色針織機糸端除去装置は該糸変換に用いる織針81に向かい、廃棄された糸端の吸入を続け、糸端は該負圧発生器2を経由し該進気口22から送出され、該軟管10を経て該フィルター1に送られるため、糸端はろ過され、まとめて処理される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の平面表示図である。
【図2】本発明の局部立体図である。
【図3】本発明の組立て表示図である。
【図4】回転ジョイントの断面図である。
【図5】本発明の実施表示図である。
【符号の説明】
【0014】
1 フィルター
10 軟管
11 スチール枠
2 負圧発生器
21 負圧吸収ノズル
22 進気口
23 出気口
3 回転ジョイント
31 固定部
32 回転部
33 進気ジョイント
34 出気ジョイント
35 ワッシャ
36 ベアリング
4 空気圧縮機
5 連接管
6 中心軸
8 特定針筒
81 織針
9 布固定フレーム
91 L型固定フレーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円形変色針織機の紡織作業において発生する糸端を取り除き、針筒、圧力気体発生器、電気アダプタ、負圧発生器、負圧吸収ノズルを含み、
該針筒は中心軸により回転し、該針筒上には複数の織針を設置し、該織針の移動作動により紡織作業を行い、
該圧力気体発生器は圧縮空気を提供し、
該電気アダプタ上端には進気ジョイントを備え、該針織機上方に固設、該圧力気体発生器に接続し該圧縮空気を送入し、下端には出気ジョイントを備え、該針筒の回転に従い、該出気ジョイントは該進気ジョイントと相互に通じ、該圧縮空気を送出し、
該負圧発生器は該出気ジョイント下方に固設、シンクロで回転作動し、進気口、出気口、負圧吸収ノズルを備え、該進気口と該出気ジョイントは接続し、該圧縮空気を送入し、該負圧吸収ノズルは該織針に対応し、別に該出気口上には集塵器を嵌設、該圧縮空気を排出し、該負圧吸収ノズルが吸入する該織針が紡織作業中に発生する糸端をろ過することを特徴とする円形変色針織機糸端除去装置。
【請求項2】
請求項1記載の円形変色針織機糸端除去装置において、前記電気アダプタ上端には電源入力ジョイントを備え、該針織機上方に固設、電源を入力し、下端には電源出力ジョイントを備え、該針筒に従い回転し、該電源出力ジョイントは該電源入力ジョイントと電気的に接続し、電源を出力することを特徴とする円形変色針織機糸端除去装置。
【請求項3】
請求項2記載の円形変色針織機糸端除去装置において、前記電気アダプタの該電源入力ジョイントと該電源出力ジョイントの電気的接続は水銀式接点連接であることを特徴とする円形変色針織機糸端除去装置。
【請求項4】
請求項2記載の円形変色針織機糸端除去装置において、前記電気アダプタの該電源入力ジョイントと該電源出力ジョイントの電気的接続はカーボンブラシ連接であることを特徴とする円形変色針織機糸端除去装置。
【請求項5】
請求項1記載の円形変色針織機糸端除去装置において、前記圧力気体発生器が提供する該圧縮空気は連接管により該進気ジョイントに連接されることを特徴とする円形変色針織機糸端除去装置。
【請求項6】
請求項1記載の円形変色針織機糸端除去装置において、前記出気ジョイントが出力する該圧縮空気は連接管により該進気口に連接されることを特徴とする円形変色針織機糸端除去装置。
【請求項7】
請求項1記載の円形変色針織機糸端除去装置において、前記圧力気体発生器は空気圧縮機であることを特徴とする円形変色針織機糸端除去装置。
【請求項8】
請求項1記載の円形変色針織機糸端除去装置において、前記集塵器はフィルターであることを特徴とする円形変色針織機糸端除去装置。
【請求項9】
請求項1記載の円形変色針織機糸端除去装置において、前記負圧吸収ノズルは異なる糸の交換に使用する織針に対応することを特徴とする円形変色針織機糸端除去装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−115494(P2008−115494A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−299326(P2006−299326)
【出願日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願人】(393010101)佰龍機械廠股▲ふん▼有限公司 (33)
【Fターム(参考)】