説明

再シーケンスシステム

【目的】 本発明は、第1のスイッチング・ノード (SN')とバッファレジスタ(OB)と第2のスイッチング・ノード(SN)との縦続接続を通るセル流のセルの再シーケンスにおける遅延ジッタを除去することを目的とする。
【構成】 再シーケンスシステムはさらにバッファレジスタ(OB)に関連してこのバッファレジスタ(OB)において各セルが受ける時間遅延を測定するように構成された遅延測定回路(DDM)を含み、セルが第2のスイッチング・ノード(SN)によって切換えられた後に、各セルの測定された遅延を再シーケンス手段(TSG、IC、REG、SUB、RSU)に伝達する手段が設けられ、このセルが受ける時間遅延が予め定められた一定の時間遅延値と伝達された遅延の間の差に等しいことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、縦続接続された第1のスイッチング・ノードとバッファ・レジスタと第2のスイッチング・ノードを通して伝送されるセル流のセルを再シーケンスし、前記第2のスイッチング・ノードに結合されている再シーケンス手段を含む再シーケンスシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】このような再シーケンスシステムは従来技術において既に知られており(例えば“Design and Technology Aspects of VLSI's for ATM Switches”by T.R.Banniza e.a.,IEEE Journal on selected areas in communications, Vol.9 No.8,october 1991, pp1255-1264参照)、そこにおいて、再シーケンスシステムはバッファレジスタと第2のスイッチング・ノードの間に入力回路を具備し、この第2のスイッチング・ノードはタイムスタンプ発生器によって与えられたタイムスタンプ値を入力回路の入力に供給された各セルへ割り当て、その後これらのセルは第2のスイッチング・ノードによって切換えられる。このスイッチ動作が行われた後に、このセルは再シーケンスユニットによって付加的な可変遅延を与えられ、この遅延はセルが入力回路の入力と再シーケンスユニットの出力との間において受ける全遅延が一定値に等しくなるように選択される。
【0003】出力バッファは、第2のスイッチング・ノードにセルを送信する前に第1のスイッチング・ノードによって切換えられたセルを一時的に記憶する。第1のスイッチング・ノードの異なった入力から来る異なったセルが1セル時以内に第1のスイッチングノードの同じ出力へ切換えられた時に起こり得る出力の競合を避けるためにそのような出力バッファが必要とされる。この出力バッファのためにセルは遅延ジッタ等の付加的な不定の遅延を受ける。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記の既知の型の再シーケンスシステムであるが、遅延ジッタが少なくとも部分的には排除されるシステムを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、この目的は、前記バッファレジスタに結合され、前記バッファレジスタにおいて前記各セルが受ける時間遅延を測定するように構成された遅延測定回路と、測定された各セルの遅延を適応された前記再シーケンス手段に伝えるために設けられた手段とを再シーケンスシステムが具備しているという事実によって達成され、前記セルは前記第2のスイッチング・ノードによって切換えられた後にこのセルは予め定められた一定時間の遅延値と前記伝えられた遅延の間の差と等しい時間の遅延を与えられる。このようにして、バッファによって起こる遅延ジッタは再シーケンス手段の出力から取り除かれる。
【0006】本発明の他の特徴として前記バッファレジスタの出力とスイッチング・ノードの入力との間の遅延は一定であることがあげられる。このように、セルが受ける全遅延は、伝えられたバッファ遅延と、バッファレジスタの出力とスイッチング・ノードの入力の間の一定の遅延と、再シーケンス手段によってセルが受ける時間の遅延の差との合計に等しく、すなわちバッファレジスタの出力と、スイッチング・ノードの入力との間の一定の遅延と、予め定められた一定の時間の遅延との合計に等しい。従って、バッファレジスタの入力と再シーケンス手段の間の全遅延は一定であり、遅延ジッタは排除される。
【0007】さらに、本発明は、バッファレジスタとスイッチング・ノードの縦続接続をそれぞれ含む複数の相互接続された再シーケンスセクションを含むスイッチングシステムにおいて使用されるということが特徴としてあげられる。すなわち、前記バッファレジスタと前記スイッチング・ノードの直列結合によってそれぞれ構成されている複数の同じ再シーケンスセクションの相互接続によってそれぞれ構成されているスイッチングシステムがその入力の1つから出力の1つへの複数の通路を具備し、後者のスイッチングシステムの入力へ供給された同じセル流のセルが後者のスイッチングシステムの出力への異なった通路を通って送信された時、再シーケンスがなされ、予め定められた一定の値を与えられた各再シーケンスセクションに対して同じであるように行われる。実際に、遅延ジッタが除去されるので、上述の各通路の全遅延は同じ、すなわち、通路における再シーケンスセクションの数の積に等しく、それは各通路ともに同様で、予め定められた一定値と同じである。注意すべきことは、すべての通路中の再シーケンスセクションの数が一様ではないとき、各通路のすべての再シーケンスセクションの合計がそれぞれ等しくなるように予め定められた一定値が選択されなければならないことである。添付された図面と共に実施例を説明することによって、上述またそれ以外の本発明の目的と特徴が明確になり、さらに本発明そのものも明確に理解される。
【0008】
【実施例】図1のシステムは後述の図4の1つの例としてのスイッチング・システムの部分を示している。それにはスイッチング・ノードSN' と、タイムスタンプ発生器TSG' によって制御されている再シーケンスユニットRSU' と、再シーケンス部分RSSと、遅延測定回路DDM' と出力バッファOB' の直列接続とが含まれている。再シーケンス部分RSSは入口ILTと出口OLTの間に、遅延測定回路DDMと、出力バッファOBと、入力回路ICと、スイッチング・ノードSNと、レジスタREGと、再シーケンスユニットRSUの縦続接続を具備している。入力回路ICと再シーケンスユニットRSU両方の制御入力はタイムスタンプ発生器TSGの出力に接続されている。スイッチング・ノードSNは複数の入力と出力を有しているが、図には入力IPTと出力OPTのみ示されている。レジスタREGはREGに蓄積されたセルのタイムスタンプフィールドとバッファ遅延フィールドの内容物をそれぞれ蓄積するタイムスタンプ位置TSとバッファ遅延位置BDとを有している。TSは減算回路SUBの正の入力に接続されており、BDはSUBの負の入力に接続されている。SUBの出力は再シーケンスユニットRSUのタイムスタンプ入力に接続されている。
【0009】出力バッファOBと結合した遅延測定回路DDMの詳細は図2に示されている。遅延測定回路DDMは遅延割り当て回路IDCと、加算回路SUMと、バッファBUFと、リセット回路RESと、クロック回路CLKを含む。遅延割り当て回路IDCのセルの入力と出力によって遅延測定回路DDMの入力と出力がそれぞれ構成されている。遅延割り当て回路IDCの遅延入力は加算回路SUMの出力に接続され、また、バッファBUFを通ってSUMの正の入力に接続されている。遅延割り当て回路IDCの書込み出力Wは出力バッファOBの書込み入力WPと加算回路SUMの第2の正の入力へ接続されている。クロック回路CLKの出力は出力バッファOBの読取り入力RPと加算回路SUMの負の入力に接続されている。最後に、出力バッファOBの読取り入力RPと書込み入力WPは、その出力がクロック回路CLKのリセット入力に接続されているリセット回路RESのそれぞれの入力に接続されている。
【0010】出力バッファOBと結合した遅延測定回路DDMの第2の可能な構成の詳細は図3に示されている。しかしながら、それにおいて遅延測定回路DDMは出力バッファOBに先行するのではなく、その後に続くものであり、また、遅延割り当て回路IDCとプロセッサPROCとクロック回路CLKを含む。ここでも遅延割り当て回路IDCのセルの入力と出力によって遅延測定回路DDMの入力と出力がそれぞれ構成されている。遅延割り当て回路IDCの遅延入力はプロセッサPROCの出力に接続されている。再シーケンスユニットセクションRSSには属していないでRSSに先行する再シーケンスユニットRSU' のタイムスタンプ出力はプロセッサPROCの第1の入力に接続されている。クロック回路CLKの出力は出力バッファOBの読取り入力RPとプロセッサPROCの第2の入力とに接続されている。プロセッサPROCのリセット出力はクロック回路CLKのリセット入力RESに接続されている。このクロック回路CLKは図1に示されているタイムスタンプ発生器TSG' と同期されている。
【0011】図4に示されているスイッチングシステムは複数の入力を有している第1のスイッチング・ノードSN1 を含むが、図中にはスイッチング・システムの入力を構成する入力INだけが示されており、同様に、複数の出力のうち出力バッファOB11, OB12, OB13にそれぞれ接続される出力O11、O12、O13だけが示されている。さらに、複数の入力を有する第2のスイッチング・ノードSN2 を含むが、入力I21, I22, I23だけが示されており、同様に、複数の出力のうち出力O2 だけが示されている。この出力O2 はスイッチング・システムの出力OUTを構成する出力を有する出力バッファOB2 に接続されている。出力バッファOB11, OB12, OB13の出力はそれぞれ第1、第2、第3の通路を通って入力I21, I22, I23に結合され、第1の通路はスイッチング・ノードと出力バッファの組SN3 /OB3 、SN4 /OB4 、SN5 /OB5 の縦続接続を具備し、第2の通路はスイッチング・ノードと出力バッファの組SN6 /OB6 、SN7/OB7 の縦続相互接続を具備し、第3の通路は第3のスイッチング・ノードと出力バッファの組はSN8 /OB8 を具備している。ここにおいて、第1、第2、第3の通路は欧州特許出願EP91201915.5に記載されている、いわゆるリンクグループを形成する。(Verhille 11 )
スイッチングシステムの動作は図1乃至図4を参照して説明される。図4のスイッチングシステムの入力INに入力されたセル流はスイッチングシステムの出力OUTへ送られる。このような目的で、セル流の中のセルは3つの出力O11、O12、O13に分配されるようにSN1 の出力へ切換えられる。従って、セル流は3つの部分的な流れに分けられ、上述の第1、第2、第3の各通路を通ってI21, I22, I23にそれぞれ伝送される。SN2 において、それぞれの部分的な流れは、最初のセル流が再び現れる出力O2 へ切換えられ、出力バッファOB2 でバッファされた後に出力OUTに現れる。
【0012】以上を説明したスイッチングシステムが例えば国際特許出願 PCT/EP89/00941(Henrion 17) に記載されている方法で再シーケンスを行った場合、3つの部分的なセル流のセルは出力O2 において再シーケンスされた方法で現れるが、これはこの出力において結合されたセル流のためではない。実際は、上記の第1、第2、第3の通路は全体の遅延が異なるため、部分的なセル流は正確な方法で結合されない。この問題は、第1のスイッチング・ノードSN1 の前にタイムスタンプ値をセル流のセルへ割り当て、それと共に、第2のスイッチング・ノードSN2の後にセルを再シーケンスすることによって解決される。このように、入力INと出力O2 の間のセル流の全てのセルの全遅延は、セルが第1、第2、第3のどの通路を通って伝送されても一定値に等しく、その結果、出力O2 における部分的な流れの結合によって再シーケンスされ結合したセル流が得られる。しかしながら、このような解決法の欠点は、第1と第2のスイッチング・ノードそれぞれに互いに同期されたタイムスタンプ発生器を設けなければならないか、または、第1と第2のスイッチング・ノード両方に同じタイムスタンプ値の発生器によって発生されたタイムスタンプ値を送信しなければならないことである。第1のスイッチング・ノードSN1 の前にセルに割り当てられたタイムスタンプ値と、第2のスイッチング・ノードSN2 の後に再シーケンスユニットに提供されたタイムスタンプ値の位相(図4には示されていない)は高い正確度(最大位相差は約100 ナノ秒)で同期されなければならないという事実のために、どちらの場合においても異なったスイッチング・ノードの間の距離が長いとき(数キロメートル)には問題が起きる。
【0013】本発明の実施例を使用することによって、セル流はスイッチング・ノードSN1 において異なる部分で分けられ、その後に、かなり離れているクロックを同期したり、タイムスタンプ値を長距離で伝送する必要なしに、スイッチング・ノードSN2の出力において正確に再び組立てられる。上記の第1、第2、第3の通路は、図1に示されているRSS型の相互接続されている複数の再シーケンスのセクションによって構成される。第1の通路はOB11からSN3 へ、OB3 からSN4 へ、OB4 からSN5 へ、OB5 からSN2 への再シーケンスのセクションを含み、第2の通路はOB12からSN6 へ、OB6 からSN7 へ、OB7 からSN2 への再シーケンスのセクションを含み、第3の通路はOB13からSN8 へ、OB8 からSN2 への再シーケンスのセクションを含む。従って、第1の通路を通ってINとOUTの間を伝送されるセルの全遅延は、dsn1 +d11,3+d3,4 +d4,5 +d5,2 +dob2 と等しく、ここで、dsn1 はセルがスイッチング・ノードSN1 において受ける全遅延である。di,j は、出力バッファOBi (i=11乃至13, 3 乃至8 )とスイッチング・ノードSNj (j =2 乃至8 )とによって構成される再シーケンスセクションにおいてセルが受ける全遅延であり、dob2 はセルが出力バッファOB2 において受ける全遅延である。第2の通路を通ってINとOUTの間を伝送されるセルの全遅延は、dsn1 +d12,6+d6,7 +d7,2 +dob2 に等しく、第3の通路を通って伝送されるセルの全遅延はdsn1+d13,8+d8,2 +dob2 に等しい。従って、上記の3つの式が予め定められた一定の総合遅延に等しくなるように異なった再シーケンスのセクションの遅延di,j を選ぶことによって、(上記の各遅延dsn1 とdi,j は自由に選ぶことができる)入力INから出力OUTへ伝送されたセル流の各セルの全遅延はこの予め定められた一定の全遅延に等しい。結果としてセルは伝送された通路とは関係なく再シーケンスされて出力OUTにおいて現れる。
【0014】先に触れたように、図4に示されている各再シーケンスセクションは図1のRSSによって表わされているタイプである。再シーケンスセクションRSSに入るセルは出力バッファOBにおける可変バッファ遅延と、スイッチング・ノードSNにおける可変スイッチング・ノード遅延と、再シーケンスユニットRSUにおける再シーケンス遅延を受ける。この再シーケンス遅延はバッファ遅延とスイッチング・ノード遅延と再シーケンス遅延の合計が一定であるように選択される。そのために、バッファ遅延とスイッチング・ノード遅延の両者の測定は再シーケンスセクションRSSに供給された各セルでなされる。
【0015】遅延測定回路DDMにおいて、バッファ遅延の値は図2を参照にして説明されるようにセルに割り当てられる。スイッチングシステムの動作が始まる際に、出力バッファOBは空であり、その読取りポインタと書込みポインタは共にゼロを示し、SUMの出力もゼロを示す。新しい読取りポインタ値RPまたは書込みポインタ値WPがOBに提供される度にSUMの出力は計算され、新しい書込みポインタ値WPもしくは読取りポインタ値RPはそれぞれに増加されたり減少されたりしてバッファBUFによって貯えられた前の値に設定される。セルがOB内で1つもバッファされない限り、リセット回路RESはクロック回路CLKの出力を一定値に保ち、CLKによるクロックパルスも生じない。また、その時、SUMの出力はゼロのため、セルが入口ILTに供給された時に遅延割り当て回路IDCはセルのバッファ遅延フィールドにこのゼロ値を書き込み、そしてこのセルが書き込まれるOBの記憶位置のアドレスを示す出力バッファOBへ新しい書込みポインタ値WPが提供される。この書込みポインタ値WPはOBの第1の記憶位置を示す。その後、SUMの出力は上で示されたように計算され、前の値(ゼロ)+1となる。このようにして、SUMの出力における値は入口ILTに到達するセルのバッファ遅延フィールドに書き込まれ、それにおいてこのセルは出力バッファOBに書き込まれ、SUMの出力の新しい値が計算される。反対に、出力バッファOBが空でないときには、クロック回路の各刻み度に、出力バッファOBに対する新しい読取りポインタ値RPが計算され(前の読取りポインタ値RP+1)、OBとSUMの負の入力に供給される。その時セルはOBから読取られ、入力回路ICへ送られ、SUMの出力は上に示されたように再計算される(前の出力−1)。従って、出力バッファOBがクロック回路CLKの割合で周期的に読み取られる時と(バッファが空であるためにバッファ遅延がゼロで読取りポインタ値と書込みポインタ値が等しい時は除く)、セルが到着した際にOBにおいてバッファされたセルの数が各セルのバッファ遅延フィールドに書き込まれた時、このセルの数は、出力バッファOBにおいてセルが受けるバッファ遅延の目安となり、このバッファ遅延はCLKのクロックの1周期内の正確度で定められる。注意すべきことは、出力バッファOBが一杯の時にはセルはそこに書き込まれることは不可能であり、廃棄されることである。
【0016】図3に示されている回路によってバッファ遅延をより正確に測定することができ、すでに触れたように、図3の回路において出力バッファOBは遅延測定回路DDMに先行する。上記の国際出願明細書に説明されているように、再シーケンスユニットRSU' からの出力であるセルは、タイムスタンプ発生器TSG' によって提供された予め計算されたタイムスタンプ値が出現する際の出力である。従ってこの予め計算されたタイムスタンプ値は、いつセルが再シーケンスユニットRSU' から出力され、出力バッファOBに入るかを示す。スイッチングシステムの動作が始まった時、出力バッファは空でプロセッサPROCの出力はゼロに初期設定される。出力バッファOBが空である限り、プロセッサPROCのリセット出力はクロック回路CLKの出力を一定値に保ち、その時CLKによるクロックパルスは生じない。セルが再シーケンスユニットRSU' から出力される時には、それに対応する予め計算されたタイムスタンプ値はPROCに供給され、その中に具備されている小型メモリー(図には示されていない)に記憶され、セルは出力バッファOBに書き込まれる。再シーケンスユニットRSU' から出力されたセル流の各次のセルのために、対応する予め計算されたタイムスタンプ値はPROCに供給され、その中に具備されている小型メモリーに記憶される。出力バッファOBが空でない限り、クロック回路CLKの各刻み毎に新しい読取りポインタ値RPが計算され(前の読取りポインタ値RPプラス1)、出力バッファOBとプロセッサPROCに提供される。その時セルはOBから読取られ、遅延割り当て回路IDCに送られる。クロック回路CLKはタイムスタンプ発生器TSG' とともに同期されるので、クロック回路CLKによって与えられた値(読取りポインタ値RP)もまた、セルが出力バッファOBから読み取られる時点の目安になる。送信されたセルに対応する予め計算されたタイムスタンプ値をCLKによって与えられた読取りポインタ値から減算することによって、セルが出力バッファOBにおいて受けるバッファ遅延が得られる。そして後者の値は遅延割り当て回路IDCに供給され、セルが入力回路ICへ送られる前にこのセルのバッファ遅延フィールドに書き込まれる。注意すべきことは、このように出力バッファOBは再シーケンスユニットRSU' に具備されている再シーケンスバッファと結合されるということである。また、TSG' によって提供されるタイムスタンプ値とCLKによって提供されるポインタ値の両者は、TSG' とCLKの同期が必要ない場合に同じクロックから導出されることができることも注意すべきである。
【0017】すでに前記国際特許出願明細書で説明されているように、セルが入力回路ICに到達したとき、タイムスタンプ発生器TSGによって提供されたタイムスタンプ値はセルのタイムスタンプフィールドに書き込まれる。セルはスイッチング・ノードSNの入力IPTに送られ、そこにおいて出力OPTへ切換えられ、そこで再シーケンスユニットRSUに先行するレジスタREG内に記憶される。このセルのタイムスタンプフィールドとバッファ遅延フィールドの内容ははじめにレジスタREGのタイムスタンプ位置TSとバッファ遅延位置BDからそれぞれ読み取られ、バッファ遅延は減算器SUB中でタイムスタンプ値から減算され、その差は再シーケンスユニットRSUへ供給される。この再シーケンスユニットRSUにおいて、タイムスタンプ発生器TSGが予め定められた一定値と最後に触れた差の合計に等しいタイムスタンプ値を提供するまでセルはバッファされる。別の実施例において、バッファ遅延は入力回路ICにおいてすでにタイムスタンプ値から減算されている。このような場合には、この差はセルのタイムスタンプフィールドに書き込まれ、バッファ遅延が遅延測定回路DDMからセルのタイムスタンプフィールド中の入力回路ICへ伝送されるのでバッファ遅延フィールドは必要とされない。その場合には、出力OPTと再シーケンスユニットRSUとの間のレジスタREGと減算器SUBは省略され、減算回路SUBの機能は入力回路ICにおいて行われる。その後、タイムスタンプ発生器TSGが予め定められた一定値とセルのタイムスタンプフィールドに書き込まれた値の合計に等しいタイムスタンプ値を提供するまでセルは再シーケンスユニットRSU中でバッファされる。
【0018】TSGが(タイムスタンプ値)−(バッファ遅延値)+(予め定められた一定値)と等しいタイムスタンプ値を提供する時、再シーケンスユニットRSUからの出力はこのセルだけなので、再シーケンスセクションRSSの入口ILTと出口OLTの間でセルが受ける全遅延は、この予め定められた一定値+出力バッファOBの出力(もしくは図4の装置の場合、遅延測定回路)と入力回路ICの入力との間でセルが受ける伝送ライン遅延に等しく、この後者の伝送ライン遅延は一定である。従って、セルが再シーケンスセクションRSSにおいて受ける全遅延は一定であり、いわゆる遅延ジッタ、すなわち、セルによってわずかに異なる遅延は排除される。伝送ライン遅延が知られたときに、再シーケンスセクションRSSの全遅延も知られ、それによって図4R>4に示されているスイッチングシステムの再シーケンスセクションは異なる通路の遅延が等しくなるように設計されることができる。
【0019】本発明の原理は特定の装置に関連して上述されているが、この説明は例としてあげられたものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではないことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】前後に再シーケンスセクションが接続されている本発明による再シーケンスシステムの再シーケンスセクションのブロック図。
【図2】図1の出力バッファと結合した遅延測定回路の詳細図。
【図3】図1の出力バッファと遅延測定回路の組合わせの別の実施例の詳細図。
【図4】図1に示されている型の複数の再シーケンスセクションを含むスイッチングシステム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 第1のスイッチング・ノード (SN')とバッファレジスタ(OB)と第2のスイッチング・ノード(SN)との縦続接続を通って伝送されるセル流のセルを再シーケンスし、前記第2のスイッチング・ノード(SN)に関連された再シーケンス手段(TSG、IC、REG、SUB、RSU)を含む再シーケンスシステム(DDM、TSG、IC、REG、SUB、RSU)において、前記再シーケンスシステム(DDM、TSG、IC、REG、SUB、RSU)はさらに前記バッファレジスタ(OB)に関連され、前記バッファレジスタ(OB)において前記各セルが受ける時間遅延を測定するように構成された遅延測定回路(DDM)を含み、前記セルが第2のスイッチング・ノード(SN)によって切換えられた後に、各セルの測定された遅延を前記再シーケンス手段(TSG、IC、REG、SUB、RSU)に伝達する手段が設けられ、このセルが受ける時間遅延が予め定められた一定の時間遅延値と前記伝達された遅延の間の差に等しいことを特徴とする再シーケンスシステム。
【請求項2】 前記セルが前記再シーケンス手段(TSG、IC、REG、SUB、RSU)に送られるのに先立ち、前記遅延測定回路(DDM)は前記セルの測定された遅延をそのバッファ遅延フィールドに書き込み、それによって前記測定された遅延が伝達されることを特徴とする請求項1記載の再シーケンスシステム。
【請求項3】 前記再シーケンス手段(TSG、IC、REG、SUB、RSU)は、連続的なタイムスタンプ値を発生するタイムスタンプ発生器(TSG)と、前記セル流の各セルに対して、スイッチング・ノード入力(IPT)上で前記セルを受け取ると直に前記タイムスタンプ発生器(TSG)によって提供されたタイムスタンプ値から前記伝達されたバッファ遅延を減算し、それによって適応されたタイムスタンプ値を生成する減算回路(SUB/IC)と、前記第2のスイッチング・ノード(SN)の出力(OPT)と再シーケンスシステムの出口(OLT)の間に結合され、前記タイムスタンプ発生器(TSG)が前記適応されたタイムスタンプ値と前記予め定められた一定の時間遅延値の合計に等しい第2のタイムスタンプ値を発生した時にのみ、前記セルを前記出口(OPT)に供給する再シーケンスユニット(RSU)とを具備していることを特徴とする請求項1記載の再シーケンスシステム。
【請求項4】 前記再シーケンス手段(TSG、IC、REG、SUB、RSU)はさらに、前記バッファレジスタ(OB)と前記スイッチング・ノードの入力(IPT)との間に結合され、前記タイムスタンプ発生器(TSG)によって提供された前記タイムスタンプ値を入ってきたセルに割当てる入力回路(IC)を具備し、前記減算回路(SUB)は前記出力(OPT)と前記再シーケンスユニット(RSU)の間に結合されていることを特徴とした請求項3記載の再シーケンスシステム。
【請求項5】 前記再シーケンス手段(TSG、IC、REG、SUB、RSU)はさらに、前記バッファレジスタ(OB)と前記減算回路(SUB)が結合されているスイッチング・ノードの入力(IPT)との間に結合され、前記適応されたタイムスタンプ値を前記スイッチング・ノードの入力(IPT)で受けたセルに割当てる入力回路(IC)を具備していることを特徴とする請求項3記載の再シーケンスシステム。
【請求項6】 前記バッファレジスタ(OB)と前記スイッチングノードの入力(IPT)の間の遅延は一定であることを特徴とする請求項1記載の再シーケンスシステム。
【請求項7】 相互接続された複数の再シーケンスセクション(OB11/SN3 ,OB3 /SN4 ,OB4 /SN5 ,OB5 /SN2 ;OB12/SN6 ,OB6 /SN7 ,OB7 /SN2 ;OB13/SN8 ,OB8 /SN2 )を含み、各セクションはバッファレジスタとスイッチング・ノードの縦続接続を含むスイッチングシステムにおいて使用されることを特徴とする請求項6記載の再シーケンスシステム。
【請求項8】 前記セルは一定の割合で前記出力バッファ(OB)からスイッチングノードの入力(IPT)へ送られ、前記セルに割り当てられた前記バッファ遅延は、前記セルが前記バッファレジスタの入力に供給されたときに前記バッファレジスタに存在するセルの数の関数であることを特徴とする請求項1記載の再シーケンスシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開平7−170275
【公開日】平成7年(1995)7月4日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平6−193303
【出願日】平成6年(1994)8月17日
【出願人】(590005003)アルカテル・エヌ・ブイ (5)
【氏名又は名称原語表記】ALCATEL NEAMLOZE VENNOOTSHAP