説明

再生装置、再生方法、プログラム、及び、記録媒体

【課題】ユーザが人感センサの感知範囲外にいるときに外部から供給されたコンテンツをユーザに視聴させることができる再生装置を提供する。
【解決手段】本発明に係るテレビ1は、人感センサ20によってユーザの存在が感知されていない第1の期間において、外部から供給されたコンテンツを記録媒体30に記録する取得部11と、人感センサ20によってユーザの存在が感知されている第2の期間において、取得部11により記録媒体30に記録されたコンテンツを再生する再生部12と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人感センサを備えた再生装置に関する。また、そのような再生装置においてコンテンツを再生する再生方法に関する。更に、そのような再生装置としてコンピュータを動作させるためのプログラム、及び、そのようなプログラムが記録された記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、人感センサを備えた再生装置が、広く用いられている。このような再生装置は、人感センサを用いてユーザの存在を感知し、感知結果に応じた制御を行う。
【0003】
例えば、非特許文献1に記載のテレビは、人感センサによってユーザの存在が感知されていない期間、バックライトを消灯することによって、消費電力を削減する。
【0004】
また、特許文献1に記載のテレビは、人感センサによってユーザの存在が感知されていない期間、黒画面やスクリーンセーバを表示することによって、ディスプレイの焼き付きを軽減する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−92937号公報(平成21年4月30日公開)
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】[online]、ソニー、(平成21年11月13日検索)、インターネット<http://www.sony.jp/bravia/shoene/index02.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
人感センサを備えた従来のテレビは、人感センサによってユーザの存在が感知されない期間に放送又は配信されたコンテンツを再生することなく破棄する。このため、人感センサを備えた従来のテレビにおいては、ユーザが人感センサの感知範囲外にいるときに放送または配信されたコンテンツを、そのユーザに視聴させることができないという問題があった。すなわち、人感センサを備えた従来のテレビは、テレビの前から離れているときに放送または配信されたコンテンツを視聴したいというユーザの要望に応えられないという問題があった。このような問題は、放送または配信されたコンテンツを再生するテレビに限らず、外部から供給されたコンテンツを再生する再生装置において、一般に生じ得る問題である。
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、ユーザが人感センサの感知範囲外にいるときに外部から供給されたコンテンツを、ユーザに視聴させることができる再生装置を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る再生装置は、上記課題を解決するために、人感センサによってユーザの存在が感知されていない第1の期間において、外部から供給されたコンテンツを記録媒体に記録する記録手段と、上記人感センサによってユーザの存在が感知されている第2の期間において、上記記録手段により上記記録媒体に記録されたコンテンツを再生する再生手段とを備えていることを特徴としている。
【0010】
上記の構成によれば、上記人感センサによってユーザの存在が感知されていないとき(第1の期間)に外部から供給されたコンテンツを、上記人感センサによってユーザの存在が感知されているとき(第2の期間)に再生することができる。すなわち、ユーザが人感センサの感知範囲外にいるときに外部から供給されたコンテンツを、ユーザに視聴させることができる。
【0011】
本発明に係る再生装置において、上記記録手段は、上記人感センサによってユーザの存在が感知されているか否かに依らず、外部から供給されたコンテンツを上記記録媒体に記録するものであり、上記再生手段は、上記第2の期間において、上記第1の期間の始点よりも後に外部から供給されたコンテンツ、又は、上記第1の期間の始点から所定の時間だけ遡った時点よりも後に外部から供給からされたコンテンツをタイムシフト再生することが好ましい。
【0012】
上記第2の期間において、上記第1の期間の始点よりも後に外部から供給されたコンテンツをタイムシフト再生する場合、ユーザが人感センサの感知範囲外に出た後に外部から供給されたコンテンツが、ユーザが人感センサの感知範囲内に戻った後に再生される。このため、ユーザは、人感センサの感知範囲内に戻った後、人感センサの感知範囲外に出る前に視聴していたコンテンツの続きを視聴することができる。
【0013】
また、上記第2の期間において、上記第1の期間の始点から所定の時間だけ遡った時点よりも後に外部から供給からされたコンテンツをタイムシフト再生する場合、ユーザが人感センサの感知範囲外に出た時点から所定の時間だけ遡った時点よりも後に外部から供給されたコンテンツが、ユーザが人感センサの感知範囲内に戻った後に再生される。すなわち、ユーザが人感センサの感知範囲外に出た後に外部から供給されたコンテンツに加えて、ユーザが人感センサの感知範囲外に出る直前(所定の時間だけ前)に外部から供給されたコンテンツが、ユーザが人感センサの感知範囲内に戻った後に再生される。このため、ユーザは、人感センサの感知範囲内に戻った後、人感センサの感知範囲外に出る前に視聴していたコンテンツの続きを視聴することができ、さらに、人感センサの感知範囲外に出る前に視聴していたコンテンツの続きを視聴しているというより強い印象をもつことができる。
【0014】
本発明に係る再生装置において、上記再生手段は、上記第1の期間において、外部から供給されたコンテンツの再生を行わないことが好ましい。
【0015】
上記の構成によれば、外部から供給されたコンテンツの再生を行う場合と比較して、上記第1の期間における消費電力を削減することができる。
【0016】
本発明に係る再生装置において、上記再生手段は、上記第1の期間において、外部から供給された動画コンテンツを構成するコマ画像の何れかを静止画像として再生することが好ましい。
【0017】
上記の構成によれば、外部から供給されたコンテンツを動画像として再生する場合と比較して、上記第1の期間における消費電力を削減することができる。また、上記第1の期間においても、動画コンテンツの内容をユーザに知らしめることができる。
【0018】
本発明に係る再生装置において、上記再生手段は、上記第1の期間の始点よりも後に外部から供給されたコンテンツ、又は、上記第1の期間の始点から所定の時間だけ遡った時点よりも後に外部から供給からされたコンテンツを、上記第2の期間において高速再生することが好ましい。
【0019】
上記の構成によれば、ユーザが人感センサの感知範囲外に出た後に外部から供給されたコンテンツの全部をユーザに提示した上で、リアルタイム再生に復帰することができる。なお、高速再生とは、記録速度を上回る再生速度でコンテンツを再生する再生態様のことを指す。
【0020】
本発明に係る再生装置において、上記再生手段は、上記第1の期間の始点よりも後に外部から供給されたコンテンツ、又は、上記第1の期間の始点から所定の時間だけ遡った時点よりも後に外部から供給からされたコンテンツを、上記第2の期間においてスキップ再生することが好ましい。
【0021】
上記の構成によれば、ユーザが人感センサの感知範囲外に出た後に外部から供給されたコンテンツの一部を視聴し易い状態でユーザに提示した上で、リアルタイム再生に復帰することができる。なお、スキップ再生とは、コンテンツの一部分(例えばCM部分)を除いて再生する再生態様のことを指す。
【0022】
本発明に係る再生装置は、上記再生手段により再生された映像コンテンツを表示するディスプレイであって、第1の動作モード、又は、上記第1の動作モードよりも消費電力の小さい第2の動作モードで動作するディスプレイと、上記第1の期間において、上記ディスプレイを上記第2の動作モードで動作させる制御手段と、を更に備えていることが好ましい。
【0023】
上記の構成によれば、上記第1の期間において、上記ディスプレイが上記第1の動作モードで動作し続ける場合と比較して、消費電力を削減することができる。なお、上記第1の期間は、ユーザが人感センサの感知範囲外に居る期間であるため、ディスプレイをより消費電力の小さい上記第2の動作モードで動作させることによって表示品質の低下が生じたとしても、ユーザに不快感を与えることはない。
【0024】
本発明に係る再生方法は、人感センサを備えた再生装置においてコンテンツを再生する再生方法であって、上記人感センサによってユーザの存在が感知されていない第1の期間において、外部から供給されたコンテンツを記録媒体に記録する記録ステップと、上記人感センサによってユーザの存在が感知されている第2の期間において、上記記録ステップにて上記記録媒体に記録されたコンテンツを再生する再生ステップとを含んでいることを特徴としている。
【0025】
上記の構成によれば、上記人感センサによってユーザの存在が感知されていないとき(第1の期間)に外部から供給されたコンテンツを、上記人感センサによってユーザの存在が感知されているとき(第2の期間)に再生することができる。すなわち、ユーザが人感センサの感知範囲外にいるときに外部から供給されたコンテンツを、ユーザに視聴させることができる。
【0026】
なお、本発明に係る再生装置を動作させるためのプログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させることを特徴とするプログラム、及び、それらのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の範疇に含まれる。
【発明の効果】
【0027】
本発明に係る再生装置は、以上のように、人感センサによってユーザの存在が感知されていない第1の期間において、外部から供給されたコンテンツを記録媒体に記録する記録手段と、上記人感センサによってユーザの存在が感知されている第2の期間において、上記記録手段により上記記録媒体に記録されたコンテンツを再生する再生手段とを備えている。
【0028】
また、本発明に係る再生方法は、以上のように、人感センサを備えた再生装置において、コンテンツを再生する再生方法であって、人感センサによってユーザの存在が感知されていない第1の期間において、外部から供給されたコンテンツを記録媒体に記録する記録ステップと、上記人感センサによってユーザの存在が感知されている第2の期間において、上記記録ステップにて上記記録媒体に記録されたコンテンツを再生する再生ステップとを含んでいる。
【0029】
これにより、ユーザが人感センサの感知範囲外にいるときに外部から供給されたコンテンツを、ユーザに視聴させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施形態に係るテレビの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すテレビの第1の動作例を示すシーケンス図である。
【図3】図1に示すテレビの第2の動作例を示すシーケンス図である。
【図4】図1に示すテレビの第3の動作例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の実施形態に係る再生装置について、図1〜図4を参照して説明すれば以下のとおりである。なお、本実施形態に係る再生装置は、テレビジョン受像機として実現されているため、以下これをテレビと呼称する。
【0032】
〔テレビの構成〕
まず、本実施形態に係るテレビ1(再生装置)の構成について、図1を参照して説明する。図1は、テレビ1の構成を示すブロック図である。
【0033】
テレビ1は、図1に示すように、制御部10(制御手段)、人感センサ20(人感センサ)、記録媒体30、ディスプレイ40(ディスプレイ)、及び、スピーカ50を備えている。
【0034】
制御部10は、外部から供給されたコンテンツを取得する取得部11(記録手段)と、取得部11が取得したコンテンツを再生する再生部12(再生手段)とを含んでいる。本実施形態においては、外部から供給されるコンテンツとして、放送局から放送される映像コンテンツを想定するが、これに限定されるものではない。例えば、外部から供給されるコンテンツは、インターネットを介して接続されたVOD(Video On Demand)サーバから配信される映像コンテンツであってもよいし、ホームネットワークを介して接続されたDLNAサーバから供給される音声コンテンツであってもよい。
【0035】
取得部11は、記録媒体30に取得したコンテンツを記録し、再生部12は、記録媒体30に記録されたコンテンツを再生する。本実施形態においては、記録媒体30として、フラッシュメモリを利用するが、これに限定されるものではない。例えば、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray Disc)、HD(Hard Disc)などを記録媒体30として利用してもよい。また、本実施形態においては、記録媒体30をリングバッファとして利用する。この場合、記録媒体30の容量(リングバッファとして利用可能な空き容量)をM〔bit〕とし、コンテンツの供給速度をm〔bps〕とすると、再生部12は、M/m〔s〕前までに外部から供給されたコンテンツを記録媒体30から読み出して再生することができる。なお、記録媒体30をリングバッファとして利用する場合には、アドレス管理用のRAM(Random Access Memory)を併用するとよい。
【0036】
ディスプレイ40及びスピーカ50は、再生部12によって再生されたコンテンツを出力するための手段である。ディスプレイ40としては、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、プラズマディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)などを利用することができる。また、スピーカ50としては、テレビ1に内蔵可能な小型スピーカなどを利用することができる。コンテンツが映像コンテンツである場合、再生部12によって再生された映像がディスプレイ40から出力され、コンテンツデータが音声コンテンツである場合、再生部12によって再生された音声がスピーカ50から出力される。
【0037】
人感センサ20は、周囲にユーザが存在するか否かを感知するための手段である。人感センサ20は、例えば、熱源の移動を検出することによって、あるいは、熱源の温度と周囲の温度との差を検出することによって、周囲にユーザが存在するか否かを感知する。ここで、人感センサの「周囲」とは、人感センサの感知範囲のことを指す。
【0038】
本実施形態に係るテレビ1において、取得部11は、人感センサ20によってユーザの存在が感知されていない期間である不在期間に、外部から供給されたコンテンツを記録媒体30に記録する。一方、再生部12は、人感センサ20によってユーザの存在が感知されている期間に、記録媒体30に記録されているコンテンツ、すなわち、不在期間に外部から供給されたコンテンツを再生する。これにより、ユーザは、テレビ1の前から離れているときに放送されたコンテンツを、テレビ1の前に戻ってから視聴することができる。
【0039】
〔テレビの動作例1〕
次に、図1に示すテレビ1の第1の動作例について、図2を参照して説明する。図2は、時刻t0において、ユーザがリモコンの電源ボタンを押下し、時刻t1において、ユーザがテレビ1の前を離れ、時刻t2において、ユーザがテレビ1の前に戻った場合のテレビ1の動作例を示すシーケンス図である。時刻t0から時刻t1までの期間T1、時刻t1から時刻t2までの期間T2、及び、時刻t2以降の期間T3におけるテレビ1の動作例について説明すれば以下のとおりである。
【0040】
なお、図2において、#hは、人感センサ20の感知結果を示す。また、#bは、取得部11が外部から取得する動画像コンテンツ(データ)を示し、#rは、取得部11が記録媒体30に記録する動画像コンテンツ(データ)を示す。また、#pは、再生部12が記録媒体30から読み出す動画像コンテンツ(データ)を示し、#yは、再生部12が再生した動画像コンテンツ(すなわち、ディスプレイ40が出力する動画像コンテンツ)を示す。図2においては、単位時間(ここでは「1秒間」)あたりに処理されるフレームからなるフレーム群を、それぞれ、フレーム群P1、フレーム群P2、フレーム群P3、・・・と表記している。
【0041】
(期間T1)
図2に示すように、時刻t0においてテレビ1が動作を開始すると、取得部11は、人感センサ20によってユーザの存在が感知されなくなる時刻t1までの期間T1において、外部から供給されたパケット(フレーム群P1〜P3を再生するために参照されるパケット)を、逐次、記録媒体30に記録する。ここで、各パケットを記録媒体30に記録するタイミングは、それぞれ、そのパケットを外部から取得するタイミングと略同時である。すなわち、取得部11は、期間T1において、外部から供給されたコンテンツをリアルタイム記録する。
【0042】
また、図2に示すように、テレビ1が動作を開始する時刻t0において人感センサ20によってユーザの存在が感知されている場合、再生部12は、期間T1において、記録媒体30に記録されたパケット(フレーム群P1〜P3を再生するために参照されるパケット)を読み出し、フレーム群P1〜P3を再生する。ここで、各パケットを読み出すタイミングは、そのパケットを外部から取得するタイミングと略同時である。すなわち、再生部12は、期間T1において、外部から供給されるコンテンツをリアルタイム再生する。
【0043】
再生部12は、人感センサ20によってユーザの存在が感知されなくなった時刻t1において、記録媒体30からのコンテンツの読み出しを停止する。その結果、ディスプレイ40からのコンテンツの出力が停止される。この際、再生部12は、記録媒体30から最後に読み出したパケットのタイムスタンプをRAM等に記憶させる。RAM等に記憶されたタイムスタンプは、後述するように、記録媒体30からのコンテンツの読み出しを再開する際に、再生部12によって参照される。
【0044】
(期間T2)
図2に示すように、取得部11は、人感センサ20によってユーザの存在が感知されていない時刻t1から時刻t2までの期間T2(第1の期間)において、外部から供給されたパケット(フレーム群P4〜P8を再生するために参照されるパケット)を、逐次、記録媒体30に記録する。ここで、各パケットを記録媒体30に記録するタイミングは、そのパケットを外部から取得するタイミングと略同時である。すなわち、取得部11は、期間T2においても、外部から供給されたコンテンツをリアルタイム記録する。
【0045】
また、図2に示すように、再生部12は、期間T2において、記録媒体30からのコンテンツの読み出しを行わない。また、図2に示すように、ディスプレイ40は、期間T2において、コンテンツの出力を行わない。換言すれば、再生部12は、期間T2において、コンテンツの再生をミュートする。また、制御部10は、期間T2において、ディスプレイ40のバックライトを消灯するなどして、ディスプレイ40の動作モードを、通常モード(第1の動作モード)から、通常モードよりも消費電力の少ない省電力モード(第2の動作モード)に切り替える。なお、ディスプレイ40がLCDである場合、バックライトを消灯する(バックライトへの電力供給を停止する)動作モードに代えて、バックライトの照度を低下させる(バックライトへの電力供給を抑制する)動作モードを省電力モードとしてもよい。また、ディスプレイ40がELディスプレイである場合には、ELディスプレイ自体への電力供給を停止または抑制する動作モードを省電力モードとすればよいし、ディスプレイ40がプラズマディスプレイである場合には、プラズマディスプレイ自体への電力供給を停止または抑制する動作モードを省電力モードとすればよい。
【0046】
なお、外部から供給されるコンテンツが動画コンテンツである場合、期間T2においてコンテンツの再生をミュートする構成の代わりに、期間T2においてコンテンツの再生をポーズする構成を採用してもよい。ここで、動画コンテンツの再生をポーズするとは、その動画コンテンツを構成するフレーム(コマ画像)の何れかを静止画像として再生することを指す。本動作例に即して言えば、再生部12が期間T1において最後に生成したフレーム(図2においてはP3と表記)を静止画像として再生する。なお、期間T2においてコンテンツの再生をポーズする構成を採用する場合には、期間T2におけるバックライトの消灯は行わない。
【0047】
(期間T3)
図2に示すように、取得部11は、人感センサ20によってユーザの存在が感知されている時刻t2以降の期間T3(第2の期間)において、外部から供給されたパケット(フレーム群P9〜P15を再生するために参照されるパケット)を、逐次、記録媒体30に記録する。ここで、各パケットを記録媒体30に記録するタイミングは、そのパケットを外部から取得するタイミングと略同時である。すなわち、取得部11は、期間T3においても、外部から供給されたコンテンツをリアルタイム記録する。
【0048】
また、図2に示すように、再生部12は、期間T3において、記録媒体30に記録されたパケット(フレーム群P2〜P8を再生するために参照されるパケット)を読み出し、フレーム群P2〜P8を再生する。すなわち、再生部12は、期間T3において、期間T2の始点である時刻t1から所定の時間Δt(ここではΔt=2秒)だけ遡った時刻t1−Δtよりも後に外部から供給されたコンテンツをタイムシフト再生する。なお、再生部12は、期間T3において最初に読み出すパケットを、RAM等に記憶されたタイムスタンプ(期間T1において最後に読み出したパケットに付与されていたタイムスタンプ)から決定する。すなわち、再生部12は、RAM等に記憶されたタイムスタンプに対応する時刻よりも所定の時間Δtだけ遡った時刻に対応するタイムスタンプを有するパケットを期間T3において最初に読み出す。
【0049】
なお、本動作例においては、期間T3において、期間T2の始点である時刻t1よりも所定の時間Δtだけ遡った時刻t1−Δtよりも後に外部から供給されたコンテンツ(フレームP2〜P8)をタイムシフト再生する構成を採用したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、例えば、期間T3において、期間T2の始点である時刻t1よりも後に外部から供給されたコンテンツ(フレームP4〜P8)をタイムシフト再生する構成を採用してもよい。何れの構成であっても、ユーザは、テレビ1の前から離れる前に視聴していたコンテンツの続きを、テレビ1の前に戻った後に視聴することができる。ただし、前者の構成を採用した場合、テレビ1の前に戻った後に再生されたコンテンツが、テレビ1の前を離れる前に再生されたコンテンツの続きであることを、よりはっきりとユーザに知らしめることができる。
【0050】
〔テレビの動作例2〕
図2に示すように、期間T3(第2の期間)において再生部12がコンテンツを通常の再生速度(記録速度と等しい再生速度)で再生する構成に代えて、図3に示すように、期間T3(第2の期間)において再生部12がコンテンツを通常よりも速い再生速度(記録速度よりも速い再生速度)で再生(高速再生)する構成を採用してもよい。
【0051】
この場合、図3に示すように、再生部12は、再生されるフレームが外部から供給されるフレームに追いつくまで、記録媒体30に記憶されたコンテンツ(フレームP2〜フレームP13)を高速再生し、その後、外部から供給されるコンテンツをリアルタイム再生する。
【0052】
このように、期間T3において再生部12がコンテンツを通常よりも速い再生速度で再生する構成を採用した場合、ユーザがテレビ1の前から離れていた間に外部から供給されたコンテンツ(フレームP4〜P8)を欠落なくユーザに提示したうえで、リアルタイム再生に復帰することができる。
【0053】
〔テレビの動作例3〕
図2に示すように、期間T3(第2の期間)において再生部12がコンテンツを連続的に再生する構成に代えて、図4に示すように、期間T3(第2の期間)において再生部12がコンテンツを間欠的に再生(スキップ再生)する構成を採用してもよい。
【0054】
この場合、図3に示すように、再生部12は、再生されるフレームが外部から供給されるフレームに追いつくまで、予め定められた条件に該当するフレーム群(フレーム群P2、P4、P5、P8)をスキップし、同条件に該当しないフレーム群(フレーム群p3、p6、p7、p9〜p12)を選択的に再生する。どのようなフレーム群をスキップする構成であってもよいが、例えば、CMを構成するフレーム群をスキップする構成などが有効である。この場合、あるフレームがCMを構成するフレームであるか否かの判定には、公知の方法を利用すればよい。
【0055】
このように、期間T3において再生部12がコンテンツを間欠的に再生する構成を採用した場合、ユーザがテレビ1の前から離れていた間に外部から供給されたコンテンツの一部(フレーム群P4、P4、P8)を通常の再生速度でユーザに提示したうえで、リアルタイム再生に復帰することができる。
【0056】
〔プログラム及び記録媒体〕
最後に、テレビ1の制御部10は、ハードウェアロジックによって構成すればよい。または、次のように、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0057】
すなわち、テレビ1の制御部10は、各機能を実現するプログラムの命令を実行するCPU、このプログラムを格納したROM(Read Only Memory)、上記プログラムを実行可能な形式に展開するRAM(Random Access Memory)、及び、上記プログラム及び各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)を備えている。この構成により、本発明の目的は、所定の記録媒体によっても、達成できる。
【0058】
この記録媒体は、上述した各機能を実現する制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録していればよい。これにより、制御部10(またはCPUやMPU)が、供給された記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し、実行すればよい。
【0059】
プログラムコードを制御部10に供給する記録媒体は、特定の構造または種類のものに限定されない。すなわちこの記録媒体は、たとえば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などとすることができる。
【0060】
また、テレビ1は通信ネットワークと接続可能に構成されているため、上記のプログラムコードを、通信ネットワークを介してテレビ1に供給することができる。この通信ネットワークはテレビ1にプログラムコードを供給できるものであればよく、特定の種類または形態に限定されない。たとえばインターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等であればよい。
【0061】
この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な任意の媒体であればよく、特定の構成または種類のものに限定されない。たとえばIEEE1394、USB(Universal Serial Bus)、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0062】
なお、本発明は上述した本実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、人感センサを備えたテレビなどに好適に利用することができる。また、人感センサを備えたテレビに接続されるAV機器等にも利用することができる。
【符号の説明】
【0064】
1 テレビ(再生装置)
10 制御部(制御手段)
11 取得部(記録手段)
12 再生部(再生手段)
20 人感センサ(人感センサ)
30 記録媒体
40 ディスプレイ(ディスプレイ)
50 スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人感センサによってユーザの存在が感知されていない第1の期間において、外部から供給されたコンテンツを記録媒体に記録する記録手段と、
上記人感センサによってユーザの存在が感知されている第2の期間において、上記記録手段により上記記録媒体に記録されたコンテンツを再生する再生手段と、を備えている
ことを特徴とする再生装置。
【請求項2】
上記記録手段は、上記人感センサによってユーザの存在が感知されているか否かに依らず、外部から供給されたコンテンツを上記記録媒体に記録するものであり、
上記再生手段は、上記第2の期間において、上記第1の期間の始点よりも後に外部から供給されたコンテンツ、又は、上記第1の期間の始点から所定の時間だけ遡った時点よりも後に外部から供給からされたコンテンツをタイムシフト再生する、
ことを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
【請求項3】
上記再生手段は、上記第1の期間において、外部から供給されたコンテンツの再生を行わない、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の再生装置。
【請求項4】
上記再生手段は、上記第1の期間において、外部から供給された動画コンテンツを構成するコマ画像の何れかを静止画像として再生する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の再生装置。
【請求項5】
上記再生手段は、上記第1の期間の始点よりも後に外部から供給されたコンテンツ、又は、上記第1の期間の始点から所定の時間だけ遡った時点よりも後に外部から供給からされたコンテンツを、上記第2の期間において高速再生する、
ことを特徴とする請求項1から4までの何れか1項に記載の再生装置。
【請求項6】
上記再生手段は、上記第1の期間の始点よりも後に外部から供給されたコンテンツ、又は、上記第1の期間の始点から所定の時間だけ遡った時点よりも後に外部から供給からされたコンテンツを、上記第2の期間においてスキップ再生する、
ことを特徴とする請求項1から4までの何れか1項に記載の再生装置。
【請求項7】
上記再生手段により再生された映像コンテンツを表示するディスプレイであって、第1の動作モード、又は、上記第1の動作モードよりも消費電力の小さい第2の動作モードで動作するディスプレイと、
上記第1の期間において、上記ディスプレイを上記第2の動作モードで動作させる制御手段と、を更に備えている、
ことを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
【請求項8】
人感センサを備えた再生装置においてコンテンツを再生する再生方法であって、
上記人感センサによってユーザの存在が感知されていない第1の期間において、外部から供給されたコンテンツを記録媒体に記録する記録ステップと、
上記人感センサによってユーザの存在が感知されている第2の期間において、上記記録ステップにて上記記録媒体に記録されたコンテンツを再生する再生ステップと、を含んでいる
ことを特徴とする再生方法。
【請求項9】
コンピュータを請求項1から7までの何れか1項に記載の再生装置として動作させるためのプログラムであって、上記コンピュータを上記再生装置の各手段として機能させるプログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−205390(P2011−205390A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−70513(P2010−70513)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】