説明

再生装置及び増幅装置

【課題】 増幅装置が各スピーカに出力する際の出力チャンネルの切り換え先を正確に切り換えることができる再生装置及び増幅装置を提供する。
【解決手段】 光ディスクに記録された圧縮音声信号をデコードして複数チャンネルのPCM信号を抽出し、光ディスクに記録された圧縮音声信号に含まれるチャンネル数の情報を含むチャンネル構成情報を取得するデコード処理部と、デコード処理部が抽出した複数チャンネルのPCM信号の内から特定の2種類のチャンネルのPCM信号と当該特定のチャンネルと異なる2種類のチャンネルのPCM信号によって新たな2種類のPCM信号を生成するミキシング処理部と、ミキシング処理部が生成した前記新たな2種類のPCM信号と前記デコード処理部が取得した前記チャンネル数の情報を出力する音声出力部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクに記録された音声信号を再生する再生装置及び当該再生装置により再生した音声信号を増幅する増幅装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ブルーレイディスク((BLu-Ray Disc)以下、BDという。)等の記録媒体を再生することが可能な再生装置が知られている。BDは、音声信号や映像信号が記録された光ディスクである。BDに記録される音声信号には、マルチチャンネルのデジタル音声信号が高ビットレートの圧縮符号化方式で圧縮されて記録されているものがある。従来から知られているマルチチャンネルのデジタル音声信号は、前方中央の1チャンネル、前方の左右2チャンネル、後方の左右2チャンネル及びサブウーハ用の1チャンネルで構成された5.1チャンネル用のデジタル音声信号がある。
【0003】
BD規格においては、これらマルチチャンネルの最大チャンネル数は8チャンネルであり、そのチャンネル構成は、前述した5.1チャンネルの構成以外にもいくつかの構成がある。例えば、近年多く使われているチャンネル構成は、フロント左チャンネル(以下、Lチャンネルという。)、センターチャンネル(以下、Cチャンネルという)、フロント右チャンネル(以下、Rチャンネルという)、サラウンド左チャンネル(以下、Lsチャンネルという。)、サラウンド右チャンネル(以下、Rsチャンネルという。)、サラウンドバック左チャンネル(以下、Lbチャンネルという。)、サラウンドバック右チャンネル(以下、Rbチャンネルという。)、及びサブウーハー用チャンネル(以下、LFEチャンネルという。)で構成される7.1Backといわれるチャンネル構成であり、その他の構成として、前述した7.1Backのチャンネル構成の内、Lbチャンネル及びRbチャンネルを、それぞれサラウンドハイト左チャンネル(以下、Lhチャンネルという。)及びサラウンドハイト右チャンネル(以下、Rhチャンネルという。)に変更した7.1Heightといわれるものがある。前述したLbチャンネル及びRbチャンネルは、通常、視聴者の後方の左右にそれぞれ配置したスピーカによって放音し、また、前述したLhチャンネル及びRhチャンネルは、通常、視聴者より高い位置に配置したスピーカによって放音を行う。
【0004】
また、近年、前述した再生装置によって再生されたマルチチャンネル音声信号をチャンネル毎に増幅するAVサラウンドアンプ等の増幅装置が知られている。
【0005】
前述したようなBDに記録された音声信号を再生する再生装置を増幅装置に出力する手段としては、HDMIケーブルを用いて、再生装置から出力されたデジタル音声信号を増幅装置に出力する方法が行われている。HDMIケーブルを用いて、再生装置が再生したデジタル音声信号を増幅装置に出力する方法としては、BDに記録された圧縮音声信号を再生装置によって各チャンネルのPCM信号にデコードした後に、この各チャンネルのPCM信号をHDMIケーブルによって増幅装置に出力し、増幅装置によってこの各チャンネルのPCM信号をアナログ信号に変換しこのアナログ信号を増幅する方法と、BDに記録された圧縮音声信号をそのままHDMIケーブルによって再生装置から増幅装置に出力し、増幅装置によってこの圧縮音声信号を各チャンネルのPCM信号にデコードし、この各チャンネルのPCM信号をアナログ信号に変換しこのアナログ信号を増幅する方法との2つの方法がある。
【0006】
HDMIケーブルによって再生装置と増幅装置を接続し、再生装置から圧縮音声信号を増幅装置に出力する場合は、圧縮音声信号のチャンネル構成の情報をHDMIケーブルを介して増幅装置に伝えることができるため、増幅装置は、再生装置から入力された圧縮音声信号が例えば、7.1Back用の圧縮音声信号であるか、また、7.1Height用の圧縮音声信号であるかを認識することができる。このため、増幅装置は、再生装置からの圧縮音声信号の情報が7.1Back用の圧縮音声信号であるか、また、7.1Height用の圧縮音声信号であるかに応じて、増幅した信号をデコードして各スピーカに出力する際の出力チャンネル先を7.1Back用のスピーカに振り分けるか、また、7.1Height用のスピーカに振り分けるかを切り換えることができる。このため、再生装置から出力された圧縮音声信号が、7.1Back用の圧縮音声信号である場合、増幅装置は、圧縮音声信号をデコードすることによって抽出し、当該抽出した信号を増幅したサラウンド用の2チャンネルの信号をそれぞれLbチャンネル用のスピーカ及びRbチャンネル用のスピーカから出力されるように音声信号の出力先を切り換え、また、再生装置から出力された圧縮音声信号が、7.1Heightである場合、増幅装置は、圧縮音声信号をデコードすることによって抽出し、当該抽出した信号を増幅したサラウンド用の2チャンネルの信号をそれぞれLhチャンネル用のスピーカ及びRhチャンネル用のスピーカから出力されるように音声信号の出力先を切り換えることができる。
【0007】
しかし、HDMIケーブルによって再生装置と増幅装置を接続し、圧縮音声信号を再生装置によってデコードしたPCM信号を増幅装置に出力する場合は、増幅装置は入力したPCM信号のチャンネル数の情報は取得できるが、詳細なチャンネル構成情報を取得することができない。このため、例えば、再生装置が7.1Heightチャンネルの圧縮音声信号をデコード処理し、チャンネル数が8チャンネルとなったPCM信号を増幅装置に出力する場合、増幅装置は、再生装置から入力されたPCM信号が8チャンネルの構成であることは識別できるが、その8チャンネルの信号が7.1Back用の8チャンネルの信号なのか、または、7.1Height用の8チャンネルの信号なのかを識別することができないため、再生装置側から入力されたサラウンド用のPCM信号がLbチャンネル及びRbチャンネルのPCM信号なのかLhチャンネル及びRhチャンネルのPCM信号なのかを認識することができない。このため、例えば、再生装置から増幅装置に入力したLhチャンネル及びRhチャンネルの信号を増幅装置がLbチャンネル及びRbチャンネルの信号と認識してしまい、このLhチャンネル及びRhチャンネルの信号がLbチャンネル用のスピーカ及びRbチャンネル用のスピーカから放音されてしまい、BDコンテンツ製作者の意図通りのチャンネル出力が実現できずに、聴取者が良好なサラウンド音を聴取することができなくなってしまう虞がある。
【0008】
このような、BD等の記録媒体に記録されたマルチチャンネル音声信号のチャンネル構成通りのチャンネル出力が実現できなくなることを防止するために、記録媒体に記録された圧縮音声信号をデコードした場合の各チャンネルの情報に応じて、各スピーカと接続された各音声出力端子への出力先を切り換えるオーディオ再生装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2002一367290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前述したような、BDに記録された7.1Back用または7.1Height用のマルチチャンネルの圧縮音声信号を再生装置によって再生し、再生した圧縮音声信号を増幅装置にHDMIケーブルによって伝達する場合において、サラウンドチャンネルの切り換え先が認識できなくなる問題を解決する手段として、特許文献1に開示された構成のように、チャンネル構成の情報を音声信号とは異なる別の伝達手段によって増幅装置側に伝達させるようにする構成が考えられる。しかし、再生装置と増幅装置がHDMIケーブルによって接続された状態では、HDMI規格により転送可能最大チャンネル数が8チャンネルであるため、7.1Back用及び7.1Height用の8チャンネルのPCM信号をHDMIケーブルによって伝達させてしまうと、PCM信号以外に伝達できる信号経路を確保することができないため、HDMIケーブル以外にチャンネル構成の情報を伝達するための入出力ケーブル等の伝達手段が必要となってしまい、再生装置と増幅装置の接続ケーブルが増大し、ケーブルの配設が煩わしくなってしまう。また、HDMIケーブル以外にチャンネル構成の情報を伝達するための入出力ケーブル等の伝達手段を備える構成にすると、チャンネル構成伝達用のケーブル等が必要になってしまい、再生装置及び増幅装置のコストが増加してしまう。
【0011】
本発明は、記録媒体に記録されたマルチチャンネルの圧縮音声信号を再生しPCM信号を抽出する再生装置及び当該再生装置が抽出したPCM信号をHDMIケーブルを介して入力し当該入力したPCM信号をに増幅する増幅装置において、増幅装置が各スピーカに出力する際の出力チャンネルの切り換え先を正確に切り換えることができる再生装置及び増幅装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願の請求項1記載の発明は、光ディスクに記録された圧縮音声信号を再生する再生装置において、光ディスクに記録された圧縮音声信号をデコードして複数チャンネルのPCM信号を抽出し、光ディスクに記録された圧縮音声信号に含まれるチャンネル数の情報を含むチャンネル構成情報を取得するデコード処理部と、前記デコード処理部が抽出した複数チャンネルのPCM信号の内から特定の2種類のチャンネルのPCM信号と当該特定のチャンネルと異なる2種類のチャンネルのPCM信号によって新たな2種類のPCM信号を生成するミキシング処理部と、前記ミキシング処理部が生成した前記新たな2種類のPCM信号と前記デコード処理部が取得した前記チャンネル数の情報を出力する音声出力部とを備えることを特徴とする。
【0013】
本願の請求項2記載の発明は、再生装置からPCM信号を入力し、当該PCM信号をアナログ信号に変換した後、当該アナログ信号を増幅する増幅装置において、前記再生装置から前記再生装置が光ディスクから抽出した複数チャンネルのPCM信号の内から特定の2種類のチャンネルのPCM信号と当該特定のチャンネルと異なる2種類のチャンネルのPCM信号から生成した新たな2種類のPCM信号及び光ディスクに記録された圧縮音声信号に含まれるチャンネル数の情報を入力する音声入力部と、前記音声入力部が入力した前記新たな2種類のPCM信号から前記特定の2種類のチャンネルのPCM信号と前記特定のチャンネルと異なる2種類のチャンネルのPCM信号を抽出するチャンネル拡張部と、
前記チャンネル拡張部が抽出した前記特定の2種類のチャンネルのPCM信号と前記特定のチャンネルと異なる2種類のチャンネルのPCM信号をアナログ信号に変換するD/A変換部と、前記D/A変換部が変換したアナログ信号を出力する出力端子の出力先を切り換える出力チャンネルセレクタと、前記音声入力部が入力した前記チャンネル数の情報に基づいて、前記チャンネル拡張部による前記拡張及び前記出力チャンネルセレクタによる出力先の切り換えを制御するシステムコントローラ部とを備えることを特徴とする。
【0014】
本願の請求項3記載の発明は、請求項1及び2記載の再生装置及び増幅装置において、前記再生装置の前記音声出力部と前記増幅装置の前記音声入力部はHDMI接続コードによって接続されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、記録媒体に記録されたマルチチャンネルの圧縮音声信号を再生しPCM信号を抽出する再生装置及び当該再生装置が抽出したPCM信号をHDMIケーブルを介して入力し当該入力したPCM信号をに増幅する増幅装置において、増幅装置が各スピーカに出力する際の出力チャンネルの切り換え先を正確に切り換えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施例である再生装置及び増幅装置の構成を示すブロック図。
【図2】本実施例の再生装置1及び増幅装置13において、7.1Back用の圧縮音声信号を再生する場合を示す説明図。
【図3】本実施例の再生装置1及び増幅装置13において、7.1Height用の圧縮音声信号を再生する場合を示す説明図。
【図4】本実施例の再生装置1及び増幅装置13において、5.1チャンネル用の圧縮音声信号を再生する場合を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施例である再生装置及び増幅装置の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、再生装置1は、システムコントローラ部3、サーボ制御部4、ターンテーブル5、スピンドルモータ6、ピックアップ7、RFアンプ8、信号処理部9、デコード処理部10、ミキシング処理部11及び音声出力部12を備える。
【0019】
また、増幅装置13は、システムコントローラ部14、音声入力部15、チャンネル拡張部16、D/A変換部17a〜17h、アンプ18a〜18h、出力チャンネルセレクタ19a〜19b及び12の出力端子を有する出力端子20を備える。再生装置1と増幅装置13は、HDMI接続コード21によって接続されている。
【0020】
システムコントローラ部3は、再生装置1の動作を統括的に制御する。スピンドルモータ6に固定されたターンテーブル5は、光ディスク2を装着する。サーボ制御部4は、スピンドルモータ6を所定の線速度で回転駆動させる制御をする。ピックアップ7は、図示しないレーザダイオード、対物レンズ等を備え、光ディスク2に所定波長のレーザ光を照射し、反射光を解析する。サーボ制御部4は、ピックアップ7からのレーザ光が光ディスク2のピット列に正しく追随し、ピット上に合焦するように、図示しないフォーカスサーボ回路とトラッキングサーボ回路を制御する。
【0021】
ピックアップ7が読み取ったデジタルデータは、RFアンプ8によって波形整形及び増幅される。信号処理部9は、RFアンプ8により波形整形及び増幅されたデジタルデータが入力される。信号処理部9は、光ディスク2から読みとった圧縮音声信号の復調、フォーカスエラー信号やトラッキングエラー信号等のエラー信号、同期信号の抜き出し等を行い、光ディスク2に記録されている圧縮音声信号をデコード処理部10に入力する。
【0022】
デコード処理部10は、システムコントローラ部3の制御により、圧縮音声信号をPCM信号にデコードする。また、デコード処理部10は、圧縮音声信号に含まれるチャンネル構成情報を取得し、取得したチャンネル構成情報をシステムコントローラ3に通知する。デコード処理部10は、圧縮音声信号のデコード処理によって、最大で8チャンネルのPCM信号を抽出する。
【0023】
デコード処理部10は、ミキシング処理部11にPCM信号を出力するための8つの経路を備える。本実施例では、この8つの経路を経路L、経路C、経路R、経路Ls、経路Rs経路、経路LFE、経路ExtL及び経路ExtRとする。
【0024】
デコード処理部10は、デコードしたPCM信号にLチャンネル、Cチャンネル、Rチャンネル、Lsチャンネル、Rsチャンネル及びLFEチャンネルのPCM信号が含まれている場合、当該信号をそれぞれ経路L、経路C、経路R、経路Ls、経路Rs及び経路LFEに出力する。
【0025】
また、デコード処理部10は、デコードしたPCM信号にLbチャンネル及びRbチャンネルのPCM信号が含まれている場合、当該Lbチャンネル及びRbチャンネルのPCM信号をそれぞれ経路ExtL及び経路ExtRに出力する。また、デコード処理部10は、デコードしたPCM信号にLhチャンネル及びRhチャンネルのPCM信号が含まれている場合も、当該Lhチャンネル及びRhチャンネルのPCM信号をそれぞれ経路ExtL及び経路ExtRに出力する。
【0026】
ミキシング処理部11は、デコード処理部10と経路L、経路C、経路R、経路Ls、経路Rs経路、経路LFE、経路ExtL及び経路ExtRの8つの経路により接続され、これらの経路L、経路C、経路R、経路Ls、経路Rs経路、経路LFE、経路ExtL及び経路ExtRを介してデコード処理部10から入力されたPCM信号を入力する。
【0027】
ミキシング処理部11は、デコード処理部10とミキシング処理部11との接続と同様に、音声出力部12にPCM信号を出力するための経路L、経路C、経路R、経路Ls、経路Rs経路、経路LFE、経路ExtL及び経路ExtRの8つの経路を備える。
【0028】
ミキシング処理部11は、システムコントローラ部3の制御に基づいて、デコード処理部10から出力されたLチャンネル、Cチャンネル、Rチャンネル、及びLFEチャンネルのPCM信号を、それぞれ経路L、経路C、経路R及び経路LFEを介して音声出力部12に出力する。
【0029】
ミキシング処理部11は、システムコントローラ部3の制御に基づいて、デコード処理部10から経路ExtL及び経路ExtRを介してLbチャンネル及びRbチャンネルのPCM信号が出力された場合、このLbチャンネル及びRbチャンネルのPCM信号を経路ExtL及び経路ExtRを介して音声出力部12に出力する。
【0030】
ミキシング処理部11は、システムコントローラ部3の制御に基づいて、デコード処理部10から経路Ls及び経路Rsを介してLsチャンネル、RsチャンネルのPCM信号が出力され、かつ、経路ExtL及び経路ExtRを介してLhチャンネル及びRhチャンネルのPCM信号が出力されない場合、このLsチャンネル、RsチャンネルのPCM信号を経路Ls及び経路Rsを介して音声出力部12に出力する。
【0031】
また、ミキシング処理部11は、システムコントローラ部3の制御に基づいて、デコード処理部10から経路Ls及び経路Rsを介してLsチャンネル、RsチャンネルのPCM信号が出力され、かつ、経路ExtL及び経路ExtRを介してLhチャンネル及びRhチャンネルのPCM信号が出力された場合、前述したLsチャンネル及びRsチャンネルのPCM信号にそれぞれLhチャンネル及びRhチャンネルの信号及びLhチャンネル及びRhチャンネルの逆相の信号が以下のとおり足し込まれ、Ls’チャンネル及びRs’チャンネルのPCM信号を生成する。
Ls' = Ls − a*Lh − b*Rh
Rs' = Rs + c*Lh + d*Rh
(a、b、c、dは正の任意の定数とする。)
【0032】
ミキシング処理部11は、生成したLs’チャンネル及びRs’チャンネルのPCM信号を経路Ls及び経路Rsを介して音声出力部12に出力する。
【0033】
音声出力部12は、ミキシング処理部11から経路L、経路C、経路R、経路Ls、経路Rs、経路LFE、経路ExtL及び経路ExtRを介して出力された各PCM信号を、HDMI規格に従ってHDMI接続コード21によって増幅装置13に出力する。また、音声出力部12は、HDMI規格に従い、転送音声信号のチャンネル数に関する情報もHDMI接続コード21によって増幅装置13に出力する。
【0034】
システムコントローラ14は、増幅装置13の動作を統括的に制御する。音声入力部15は、HDMI規格に従ってHDMI接続コード21を介して再生装置1から出力されたPCM信号を読み取る。また、音声入力部15はHDMI規格に従い、再生装置1から出力された転送音声信号のチャンネル数に関する情報を読み取り、読み取ったチャンネル数に関する情報をシステムコントローラ14に通知する。
【0035】
音声入力部15は、チャンネル拡張部16にPCM信号を出力するための8つの経路を備える。本実施例では、この8つの経路を経路L、経路C、経路R、経路Ls、経路Rs、経路LFE、経路ExtL及び経路ExtRとする。
【0036】
音声入力部15は、読み取ったPCM信号にLチャンネル、Cチャンネル、Rチャンネル、LFEチャンネル、Lbチャンネル及びRbチャンネルのPCM信号が含まれている場合、当該信号をそれぞれ経路L、経路C、経路R、経路LFE、経路ExtL及び経路ExtRに出力する。
【0037】
音声入力部15は、読み取ったPCM信号にLsチャンネル及びRsチャンネルのPCM信号又はLs’チャンネル及びRs’チャンネルのPCM信号が含まれている場合、当該信号をそれぞれ経路Ls及び経路Rsに出力する。
【0038】
チャンネル拡張部16は、音声入力部15と経路L、経路C、経路R、経路Ls、経路Rs経路、経路LFE、経路ExtL及び経路ExtRの8つの経路により接続され、これらの経路L、経路C、経路R、経路Ls、経路Rs経路、経路LFE、経路ExtL及び経路ExtRを介して音声入力部15から入力されたPCM信号を入力する。
【0039】
チャンネル拡張部16は、音声入力部15とチャンネル拡張部16との接続と同様に、D/A変換部17a〜17hにPCM信号を出力するための経路L、経路C、経路R、経路Ls、経路Rs経路、経路LFE、経路ExtL及び経路ExtRの8つの経路を備える。
【0040】
システムコントローラ部14は、音声入力部15を介して再生装置1から通知された転送音声信号のチャンネル数に関する情報が8チャンネルの情報であった場合、音声入力部15から出力されたLチャンネル、Cチャンネル、Rチャンネル、Lsチャンネル、Rsチャンネル、LFEチャンネル、Lbチャンネル及びRbチャンネルのPCM信号を、経路L、経路C、経路R、経路Ls,経路Rs、経路LFE、経路ExtL及び経路ExtRを介してそれぞれ割り当てられたD/A変換部17に出力するようチャンネル拡張部16を制御する。
【0041】
また、システムコントローラ部14は、音声入力部15を介して再生装置1から通知された転送音声信号のチャンネル数に関する情報が8チャンネル以外の情報であった場合、音声入力部15から出力されたLチャンネル、Cチャンネル、Rチャンネル、LFEチャンネルのPCM信号を、経路L、経路C、経路R及び経路LFEを介してそれぞれ割り当てられたD/A変換部17に出力するようチャンネル拡張部16を制御すると共に、前述した再生装置1のミキシング処理部11がLsチャンネル、Rsチャンネル、Lhチャンネル及びRhチャンネルの信号からLs’チャンネル及びRs’の信号を生成したときと逆の手法を用いて、音声入力部15から出力されたLs’チャンネル及びRs’チャンネルのPCM信号からLsチャンネル、Rsチャンネル、Lhチャンネル及びRhチャンネルのPCM信号を抽出し、抽出したLsチャンネル、Rsチャンネル、Lhチャンネル及びRhチャンネルのPCM信号を、経路Ls、経路Rs、経路ExtL及び経路ExtRを介してそれぞれ割り当てられたD/A変換部17に出力するようチャンネル拡張部16を制御する。
【0042】
D/A変換部17a〜17hは、それぞれ入力されたPCM信号をアナログ信号に変換し、変換したアナログ信号をそれぞれアンプ18a〜18hに出力する。アンプ18a〜18hは、それぞれ入力されたアナログ信号を増幅する。アンプ18a〜18fは、増幅したアナログ信号をそれぞれLチャンネル〜LFEチャンネルを示す出力端子に出力する。アンプ18g及び18hは、増幅したアナログ信号をそれぞれ出力チャンネルセレクタ19a及び19bに出力する。
【0043】
出力チャンネルセレクタ19aは、システムコントローラ部14の制御に基づいて、アンプ18gから出力されたアナログ信号をLbチャンネルを示す出力端子に出力するか、または、Lhチャンネルを示す出力端子に出力するかを切り換える。また、出力チャンネルセレクタ19bは、システムコントローラ部14の制御に基づいて、アンプ18hから出力されたアナログ信号をRbチャンネルを示す出力端子に出力するか、または、Rhチャンネルを示す出力端子に出力するかを切り換える。
【0044】
システムコントローラ部14は、音声入力部15を介して再生装置1から通知された転送音声信号のチャンネル数に関する情報が8チャンネルの情報であった場合、出力チャンネルセレクタ19aによるアナログ信号の出力先をLbチャンネルを示す出力端子とするよう制御すると共に、出力チャンネルセレクタ19bによるアナログ信号の出力先をRbチャンネルを示す出力端子とするよう制御する。
【0045】
システムコントローラ部14は、音声入力部15を介して再生装置1から通知された転送音声信号のチャンネル数に関する情報が8チャンネル以外の情報であった場合、出力チャンネルセレクタ19aによるアナログ信号の出力先をLhチャンネルを示す出力端子とするよう制御すると共に、出力チャンネルセレクタ19bによるアナログ信号の出力先をRhチャンネルを示す出力端子とするよう制御する。
【0046】
次に、本実施例の再生装置1及び増幅装置13により光ディスク2を再生した場合の動作について説明する。
【0047】
先ず、光ディスク2に記録された圧縮音声信号のチャンネル構成情報が7.1Back(L/C/R/Ls/Rs/LFE/Lb/Rbチャンネルの合計8チャンネルを有するチャンネル構成)の場合の動作について説明する。
図2は、本実施例の再生装置1及び増幅装置13において、7.1Back用の圧縮音声信号を再生する場合を示す説明図である。
【0048】
図1に示すように、再生装置1は、ターンテーブル5に再生装置1が装着されると、ピックアップ7が光ディスク2に記録された圧縮音声信号を読み取り、読み取った圧縮音声信号をRFアンプ8及び信号処理部9を介してデコード処理部10に出力する。
【0049】
デコード処理部10は、信号処理部9から出力された圧縮音声信号をデコードし、Lチャンネル、Cチャンネル、Rチャンネル、Lsチャンネル、Rsチャンネル、Lbチャンネル、Rbチャンネル及びLFEチャンネルのPCM信号を抽出する。
【0050】
デコード処理部10は、デコードしたLチャンネル、Cチャンネル、Rチャンネル、Lsチャンネル、Rsチャンネル、Lbチャンネル、Rbチャンネル及びLFEチャンネルのPCM信号をそれぞれ経路L、経路C、経路R、経路Ls、経路Rs、経路ExtL、経路ExtR及び経路LFEを介してミキシング処理部11に出力する。
【0051】
ミキシング処理部11は、システムコントローラ部3の制御に基づいて、デコード処理部10から出力されたLチャンネル、Cチャンネル、Rチャンネル、Lsチャンネル、Rsチャンネル、Lbチャンネル、Rbチャンネル及びLFEチャンネルのPCM信号を、それぞれ経路L、経路C、経路R、経路Ls及び経路Rs、経路ExtL及び経路ExtR及び経路LFEを介して音声出力部12に出力する。
【0052】
音声出力部12は、ミキシング処理部11から経路L、経路C、経路R、経路Ls、経路Rs、経路LFE、経路ExtL及び経路ExtRを介して出力された各PCM信号を、HDMI規格に従ってHDMI接続コード21によって増幅装置13に出力する。また、音声出力部12は、HDMI規格に従い、転送音声信号のチャンネル数が8チャンネルであるという情報をHDMI接続コード21によって増幅装置13に出力する。
【0053】
音声入力部15は、HDMI規格に従ってHDMI接続コード21を介して再生装置1から出力されたPCM信号を読み取る。また、音声入力部15はHDMI規格に従い、再生装置1から出力された転送音声信号のチャンネル数が8チャンネルであるという情報を読み取り、読み取ったチャンネル数が8チャンネルであるという情報をシステムコントローラ14に通知する。
【0054】
音声入力部15は、読み取ったLチャンネル、Cチャンネル、Rチャンネル、Lsチャンネル、Rsチャンネル、Lbチャンネル、Rbチャンネル及びLFEチャンネルのPCM信号をそれぞれ経路L、経路C、経路R、経路Ls、経路Rs、経路ExtL、経路ExtR及び経路LFEを介してチャンネル拡張部16に出力する
【0055】
システムコントローラ部14は、音声入力部15を介して再生装置1から通知された転送音声信号のチャンネル数に関する情報が8チャンネルの情報であることから、音声入力部15から出力されたLチャンネル、Cチャンネル、Rチャンネル、Lsチャンネル、Rsチャンネル、LFEチャンネル、Lbチャンネル及びRbチャンネルのPCM信号を、経路L、経路C、経路R、経路Ls,経路Rs、経路LFE、経路ExtL及び経路ExtRを介してそれぞれ割り当てられたD/A変換部17a〜17hに出力するようチャンネル拡張部16を制御する。
【0056】
D/A変換部17a〜17hは、それぞれ入力されたPCM信号をアナログ信号に変換し、変換したアナログ信号をそれぞれアンプ18a〜18hに出力する。アンプ18a〜18fは、増幅したアナログ信号をそれぞれLチャンネル〜LFEチャンネルを示す出力端子に出力する。アンプ18g及び18hは、増幅したアナログ信号をそれぞれ出力チャンネルセレクタ19a及び19bに出力する。
【0057】
システムコントローラ部14は、音声入力部15を介して再生装置1から通知された転送音声信号のチャンネル数に関する情報が8チャンネルの情報であることから、出力チャンネルセレクタ19aによるアナログ信号の出力先をLbチャンネルを示す出力端子とするよう制御すると共に、出力チャンネルセレクタ19bによるアナログ信号の出力先をRbチャンネルを示す出力端子とするよう制御する。
【0058】
このように、本実施例の再生装置1及び増幅装置13は、光ディスク2に記録された圧縮音声信号のチャンネル構成情報が7.1Backの場合、増幅装置が各スピーカに出力する際の出力チャンネルの切り換え先をチャンネル構成通りに正確に切り換えることができる。
【0059】
次に、光ディスク2に記録された圧縮音声信号のチャンネル構成情報が7.1Hight(L/C/R/Ls/Rs/LFE/Lh/Rhチャンネルの合計8チャンネルを有するチャンネル構成)の場合の動作について説明する。
図3は、本実施例の再生装置1及び増幅装置13において、7.1Hight用の圧縮音声信号を再生する場合を示す説明図である。
【0060】
図1に示すように、再生装置1は、ターンテーブル5に再生装置1が装着されると、ピックアップ7が光ディスク2に記録された圧縮音声信号を読み取り、読み取った圧縮音声信号をRFアンプ8及び信号処理部9を介してデコード処理部10に出力する。
【0061】
デコード処理部10は、信号処理部9から出力された圧縮音声信号をデコードし、Lチャンネル、Cチャンネル、Rチャンネル、Lsチャンネル、Rsチャンネル、Lhチャンネル、Rhチャンネル及びLFEチャンネルのPCM信号を抽出する。
【0062】
デコード処理部10は、デコードしたLチャンネル、Cチャンネル、Rチャンネル、Lsチャンネル、Rsチャンネル、Lhチャンネル、Rhチャンネル及びLFEチャンネルのPCM信号をそれぞれ経路L、経路C、経路R、経路Ls、経路Rs、経路ExtL、経路ExtR及び経路LFEを介してミキシング処理部11に出力する。
【0063】
ミキシング処理部11は、システムコントローラ部3の制御に基づいて、デコード処理部10から経路Ls及び経路Rsを介してLsチャンネル、RsチャンネルのPCM信号が出力され、かつ、経路ExtL及び経路ExtRを介してLhチャンネル及びRhチャンネルのPCM信号が出力されると、前述したように、Lsチャンネル、Rsチャンネル、Lhチャンネル及びRhチャンネルのPCM信号からLs’チャンネル及びRs’チャンネルのPCM信号を生成する。
【0064】
ミキシング処理部11は、システムコントローラ部3の制御に基づいて、デコード処理部10から出力されたLチャンネル、Cチャンネル、Rチャンネル、及びLFEチャンネルのPCM信号を、それぞれ経路L、経路C、経路R及び経路LFEを介して音声出力部12に出力すると共に、生成したLs’チャンネル及びRs’チャンネルのPCM信号を経路Ls及び経路Rsを介して音声出力部12に出力する。
【0065】
音声出力部12は、ミキシング処理部11から経路L、経路C、経路R、経路Ls、経路Rs及び経路LFEを介して出力された各PCM信号を、HDMI規格に従ってHDMI接続コード21によって増幅装置13に出力する。また、音声出力部12は、HDMI規格に従い、転送音声信号のチャンネル数が6チャンネルであるという情報をHDMI接続コード21によって増幅装置13に出力する。
【0066】
音声入力部15は、HDMI規格に従ってHDMI接続コード21を介して再生装置1から出力されたPCM信号を読み取る。また、音声入力部15はHDMI規格に従い、再生装置1から出力された転送音声信号のチャンネル数が6チャンネルであるという情報を読み取り、読み取ったチャンネル数が6チャンネルであるという情報をシステムコントローラ14に通知する。
【0067】
音声入力部15は、読み取ったLチャンネル、Cチャンネル、Rチャンネル、Ls’チャンネル、Rs’チャンネル及びLFEチャンネルのPCM信号をそれぞれ経路L、経路C、経路R、経路Ls、経路Rs及び経路LFEを介してチャンネル拡張部16に出力する
【0068】
システムコントローラ部14は、音声入力部15を介して再生装置1から通知された転送音声信号のチャンネル数に関する情報が6チャンネルの情報、すなわち8チャンネル以外の情報であることから、音声入力部15から出力されたLチャンネル、Cチャンネル、Rチャンネル、LFEチャンネルのPCM信号を、経路L、経路C、経路R及び経路LFEを介してそれぞれ割り当てられたD/A変換部17に出力するようチャンネル拡張部16を制御すると共に、音声入力部15から出力されたLs’チャンネル及びRs’チャンネルのPCM信号を前述した再生装置1のミキシング処理部11によってLsチャンネル、Rsチャンネル、Lhチャンネル及びRhチャンネルの信号からLs’チャンネル及びRs’の信号を生成したときと逆の手法を用いて、Ls’チャンネル及びRs’チャンネルのPCM信号からLsチャンネル、Rsチャンネル、Lhチャンネル及びRhチャンネルのPCM信号を抽出し、抽出したLsチャンネル、Rsチャンネル、Lhチャンネル及びRhチャンネルのPCM信号を、経路Ls、経路Rs、経路ExtL及び経路ExtRを介してそれぞれ割り当てられたD/A変換部17a〜17hに出力するようチャンネル拡張部16を制御する。
【0069】
D/A変換部17a〜17hは、それぞれ入力されたPCM信号をアナログ信号に変換し、変換したアナログ信号をそれぞれアンプ18a〜18hに出力する。アンプ18a〜18fは、増幅したアナログ信号をそれぞれLチャンネル〜LFEチャンネルを示す出力端子に出力する。アンプ18g及び18hは、増幅したアナログ信号をそれぞれ出力チャンネルセレクタ19a及び19bに出力する。
【0070】
システムコントローラ部14は、音声入力部15を介して再生装置1から通知された転送音声信号のチャンネル数に関する情報が6チャンネルの情報、すなわち8チャンネル以外の情報であることから、出力チャンネルセレクタ19aによるアナログ信号の出力先をLhチャンネルを示す出力端子とするよう制御すると共に、出力チャンネルセレクタ19bによるアナログ信号の出力先をRhチャンネルを示す出力端子とするよう制御する。
【0071】
このように、本実施例の再生装置1及び増幅装置13は、光ディスク2に記録された圧縮音声信号のチャンネル構成情報が7.1Hightの場合、増幅装置が各スピーカに出力する際の出力チャンネルの切り換え先をチャンネル構成通りに正確に切り換えることができる。
【0072】
次に、光ディスク2に記録された圧縮音声信号のチャンネル構成情報が5.1チャンネル(L/C/R/Ls/Rs/LFEチャンネルの合計6チャンネルを有するチャンネル構成)の場合の動作について説明する。
図4は、本実施例の再生装置1及び増幅装置13において、5.1チャンネル用の圧縮音声信号を再生する場合を示す説明図である。
【0073】
図1に示すように、再生装置1は、ターンテーブル5に再生装置1が装着されると、ピックアップ7が光ディスク2に記録された圧縮音声信号を読み取り、読み取った圧縮音声信号をRFアンプ8及び信号処理部9を介してデコード処理部10に出力する。
【0074】
デコード処理部10は、信号処理部9から出力された圧縮音声信号をデコードし、Lチャンネル、Cチャンネル、Rチャンネル、Lsチャンネル、Rsチャンネル及びLFEチャンネルのPCM信号を抽出する。
【0075】
デコード処理部10は、デコードしたLチャンネル、Cチャンネル、Rチャンネル、Lsチャンネル、Rsチャンネル及びLFEチャンネルのPCM信号をそれぞれ経路L、経路C、経路R、経路Ls、経路Rs及び経路LFEを介してミキシング処理部11に出力する。
【0076】
ミキシング処理部11は、システムコントローラ部3の制御に基づいて、デコード処理部10から経路Ls及び経路Rsを介してLsチャンネル、RsチャンネルのPCM信号が出力され、かつ、経路ExtL及び経路ExtRを介してLhチャンネル及びRhチャンネルのPCM信号が出力されないことから、デコード処理部10から出力されたLチャンネル、Cチャンネル、Rチャンネル、及びLFEチャンネルのPCM信号を、それぞれ経路L、経路C、経路R及び経路LFEを介して音声出力部12に出力すると共に、デコード処理部10から出力されたLsチャンネル、RsチャンネルのPCM信号を経路Ls及び経路Rsを介して音声出力部12に出力する。
【0077】
音声出力部12は、ミキシング処理部11から経路L、経路C、経路R、経路Ls、経路Rs及び経路LFEを介して出力された各PCM信号を、HDMI規格に従ってHDMI接続コード21によって増幅装置13に出力する。また、音声出力部12は、HDMI規格に従い、転送音声信号のチャンネル数が6チャンネルであるという情報をHDMI接続コード21によって増幅装置13に出力する。
【0078】
音声入力部15は、HDMI規格に従ってHDMI接続コード21を介して再生装置1から出力されたPCM信号を読み取る。また、音声入力部15はHDMI規格に従い、再生装置1から出力された転送音声信号のチャンネル数が6チャンネルであるという情報を読み取り、読み取ったチャンネル数が6チャンネルであるという情報をシステムコントローラ14に通知する。
【0079】
音声入力部15は、読み取ったLチャンネル、Cチャンネル、Rチャンネル、Lsチャンネル、Rsチャンネル及びLFEチャンネルのPCM信号をそれぞれ経路L、経路C、経路R、経路Ls、経路Rs及び経路LFEを介してチャンネル拡張部16に出力する
【0080】
システムコントローラ部14は、音声入力部15を介して再生装置1から通知された転送音声信号のチャンネル数に関する情報が6チャンネルの情報、すなわち8チャンネル以外の情報であることから、音声入力部15から出力されたLチャンネル、Cチャンネル、Rチャンネル、LFEチャンネルのPCM信号を、経路L、経路C、経路R及び経路LFEを介してそれぞれ割り当てられたD/A変換部17に出力するようチャンネル拡張部16を制御すると共に、音声入力部15から出力されたLsチャンネル及びRsチャンネルのPCM信号を経路Ls及び経路Rsを介してそれぞれ割り当てられたD/A変換部17d及び17eに出力するようチャンネル拡張部16を制御する。
【0081】
なお、本実施例の場合、再生装置1から通知された転送音声信号のチャンネル数に関する情報が6チャンネルの情報、すなわち8チャンネル以外の情報であることから、システムコントローラ部14は、音声入力部15から出力されたPCM信号が、前述したLs’チャンネル及びRs’チャンネルのPCM信号なのか、または、Lsチャンネル及びRsチャンネルのPCM信号なのかを識別することができないが、システムコントローラ部14は、Ls’チャンネル及びRs’チャンネルのPCM信号なのか否かに係らず、前述した再生装置1のミキシング処理部11によってLsチャンネル、Rsチャンネル、Lhチャンネル及びRhチャンネルの信号からLs’チャンネル及びRs’の信号を生成したときと逆の手法を用いて、音声入力部15から出力されたPCM信号からLsチャンネル、Rsチャンネル、Lhチャンネル及びRhチャンネルのPCM信号を抽出する処理を行う。
【0082】
この処理によって、音声入力部15から出力されたPCM信号がLs’チャンネル及びRs’チャンネルのPCM信号である場合は、前述したようにLs’チャンネル及びRs’チャンネルのPCM信号からLsチャンネル、Rsチャンネル、Lhチャンネル及びRhチャンネルのPCM信号に拡張されるが、音声入力部15から出力されたPCM信号がLsチャンネル及びRsチャンネルのPCM信号である場合は、Ls’チャンネル及びRs’チャンネルを処理する場合と同様の処理を行っても、Lsチャンネル及びRsチャンネルのPCM信号のみが抽出され、Lhチャンネル及びRhチャンネルのPCM信号は抽出されないことから、チャンネル拡張部16からは、Lsチャンネル及びRsチャンネルのPCM信号が経路Ls及び経路Rsを介してそれぞれ割り当てられたD/A変換部17d及び17eに出力され、Lhチャンネル及びRhチャンネルのPCM信号は出力されない。
【0083】
D/A変換部17a〜17hは、それぞれ入力されたPCM信号をアナログ信号に変換し、変換したアナログ信号をそれぞれアンプ18a〜18hに出力する。なお、本実施例の場合は、Lhチャンネル及びRhチャンネルのPCM信号は出力されないので、アンプ18g及び18hにはアナログ信号は出力されない。
【0084】
アンプ18a〜18fは、増幅したアナログ信号をそれぞれLチャンネル〜LFEチャンネルを示す出力端子に出力する。
【0085】
システムコントローラ部14は、音声入力部15を介して再生装置1から通知された転送音声信号のチャンネル数に関する情報が6チャンネルの情報、すなわち8チャンネル以外の情報であることから、出力チャンネルセレクタ19aによるアナログ信号の出力先をLhチャンネルを示す出力端子とするよう制御すると共に、出力チャンネルセレクタ19bによるアナログ信号の出力先をRhチャンネルを示す出力端子とするよう制御する。なお、本実施例の場合は、Lhチャンネル及びRhチャンネルのPCM信号は出力されないので、出力チャンネルセレクタ19aによるアナログ信号の出力先がLhチャンネルを示す出力端子となり、また、出力チャンネルセレクタ19bによるアナログ信号の出力先がRhチャンネルを示す出力端子となっても、Lhチャンネルを示す出力端子及びRhチャンネルを示す出力端子から信号は出力されない。
【0086】
このように、本実施例の再生装置1及び増幅装置13は、光ディスク2に記録された圧縮音声信号のチャンネル構成情報が合計6チャンネルのチャンネル構成、つまり、5.1チャンネルの場合、増幅装置が各スピーカに出力する際の出力チャンネルの切り換え先をチャンネル構成通りに正確に切り換えることができる。
【0087】
以上のように、本実施例の再生装置1及び増幅装置13は、光ディスク2に記録されている圧縮音声信号のチャンネル構成が7.1Backであり、光ディスク2に記録されている圧縮音声信号からLbチャンネル及びRbチャンネルの信号が抽出された場合は、再生装置1側において、Lbチャンネル及びRbチャンネルの信号をそれぞれ経路ExtL及び経路ExtRに割り当ててHDMI接続コード21によって増幅装置13に出力し、増幅装置13側において、この経路ExtL及び経路ExtRに割り当てられた信号をLbチャンネル及びRbチャンネルの信号として扱うことから、それぞれのチャンネルにおける出力チャンネルの切り換え先を正確にすることができる。
【0088】
また、本実施例の再生装置1及び増幅装置13は、光ディスク2に記録されている圧縮音声信号のチャンネル構成が7.1Heightであり、光ディスク2に記録されている圧縮音声信号からLhチャンネル及びRhチャンネルの信号が抽出された場合は、再生装置1側において、Lsチャンネル、Rsチャンネル、Lhチャンネル及びRhチャンネルの信号からLs’チャンネル及びRs’チャンネルの信号を生成し、増幅装置13側において、このLs’チャンネル及びRs’チャンネルの信号を拡張してLsチャンネル、Rsチャンネル、Lhチャンネル及びRhチャンネルの信号を抽出し、抽出したLsチャンネル、Rsチャンネル、Lhチャンネル及びRhチャンネルの信号をそれぞれ正しい出力端子20に出力することから、それぞれのチャンネルにおける出力チャンネルの切り換え先を正確にすることができる。
【0089】
また、本実施例の再生装置1及び増幅装置13は、光ディスク2に記録されている圧縮音声信号のチャンネル構成が5.1チャンネルである場合は、再生装置1側において、Lsチャンネル及びRsチャンネルの信号からLs’チャンネル及びRs’チャンネルの信号を生成し、増幅装置13側において、このLs’チャンネル及びRs’チャンネルの信号を拡張してLsチャンネル、Rsチャンネル、Lhチャンネル及びRhチャンネルの信号を抽出し、抽出したLsチャンネル、Rsチャンネル、Lhチャンネル及びRhチャンネルの信号をそれぞれ正しい出力端子20に出力する処理を行うが、増幅装置13側においてLs’チャンネル及びRs’チャンネルの信号を拡張してもLhチャンネル及びRhチャンネルの信号は生成されずに、Lhチャンネルを示す出力端子及びRhチャンネルを示す出力端子から信号は出力されないことから、それぞれのチャンネルにおける出力チャンネルの切り換え先を正確にすることができる。
【0090】
以上により、本実施例の再生装置1及び増幅装置13は、光ディスク2に記録された圧縮音声信号のチャンネル構成情報が7.1Backの場合、7.1Hightの場合または5.1チャンネルの場合のいずれの場合であっても、増幅装置が各スピーカに出力する際の出力チャンネルの切り換え先をチャンネル構成通りに正確に切り換えることができる。
【0091】
このため、本実施例の再生装置1及び増幅装置13は、HDMI接続コード21によって再生装置1と増幅装置13を接続し、再生装置1によって圧縮音声信号をデコードしたPCM信号を増幅装置13に出力する場合、増幅装置13側ではHDMI接続コード21から入力したPCM信号の詳細なチャンネル構成情報を取得することができないことから、例えば、再生装置1が7.1Heightチャンネルの圧縮音声信号をデコード処理して増幅装置13に出力する場合、増幅装置13側では、再生装置1から出力された8チャンネルの信号が7.1Back用の信号なのか、または、7.1Height用の信号なのかを識別することができず、Lhチャンネル及びRhチャンネルの信号がLbチャンネル用のスピーカ及びRbチャンネル用のスピーカから出力されてしまい、BDコンテンツ製作者の意図通りのチャンネル出力が実現できずに、聴取者が良好なサラウンド音を聴取することができなくなってしまうことを防止することができる。
【0092】
本実施例の再生装置1及び増幅装置13は、光ディスク2に記録された圧縮音声信号のチャンネル構成情報が7.1Backの場合、7.1Hightの場合または5.1チャンネルの場合について説明したが、これらのチャンネル構成に係らず、Lチャンネル及びRチャンネルの2つのチャンネルから成る2チャンネル構成、Lチャンネル、Rチャンネル及びLFEチャンネルの3つのチャンネルから成る2.1チャンネル構成、または、それ以上のチャンネルから成るチャンネル構成に用いても良い。これにより、前述したようなチャンネル構成以外の多様なチャンネル構成の圧縮音声信号を扱う場合であっても、増幅装置が各スピーカに出力する際の出力チャンネルの切り換え先をチャンネル構成通りに正確に切り換えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明は、光ディスクに記録された音声信号を再生する再生装置及び当該再生装置により再生した音声信号を増幅する増幅装置に有用に用いることができる。
【符号の説明】
【0094】
1 再生装置、2 光ディスク、3 システムコントローラ部、4 サーボ制御部、
5 ターンテーブル、6 スピンドルモータ、7 ピックアップ、8 RFアンプ、
9 信号処理部、10 デコード処理部、11 ミキシング処理部、12 音声出力部、
13 増幅装置、14 システムコントローラ部、15 音声入力部、
16 チャンネル拡張部、17 D/A変換部、18 アンプ、
19 出力チャンネルセレクタ、20 出力端子、21 HDMI接続コード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスクに記録された圧縮音声信号を再生する再生装置において、
光ディスクに記録された圧縮音声信号をデコードして複数チャンネルのPCM信号を抽出し、光ディスクに記録された圧縮音声信号に含まれるチャンネル数の情報を含むチャンネル構成情報を取得するデコード処理部と、
前記デコード処理部が抽出した複数チャンネルのPCM信号の内から特定の2種類のチャンネルのPCM信号と当該特定のチャンネルと異なる2種類のチャンネルのPCM信号によって新たな2種類のPCM信号を生成するミキシング処理部と、
前記ミキシング処理部が生成した前記新たな2種類のPCM信号と前記デコード処理部が取得した前記チャンネル数の情報を出力する音声出力部とを備えることを特徴とする再生装置。
【請求項2】
再生装置からPCM信号を入力し、当該PCM信号をアナログ信号に変換した後、当該アナログ信号を増幅する増幅装置において、
前記再生装置から前記再生装置が光ディスクから抽出した複数チャンネルのPCM信号の内から特定の2種類のチャンネルのPCM信号と当該特定のチャンネルと異なる2種類のチャンネルのPCM信号から生成した新たな2種類のPCM信号及び光ディスクに記録された圧縮音声信号に含まれるチャンネル数の情報を入力する音声入力部と、
前記音声入力部が入力した前記新たな2種類のPCM信号から前記特定の2種類のチャンネルのPCM信号と前記特定のチャンネルと異なる2種類のチャンネルのPCM信号を抽出するチャンネル拡張部と、
前記チャンネル拡張部が抽出した前記特定の2種類のチャンネルのPCM信号と前記特定のチャンネルと異なる2種類のチャンネルのPCM信号をアナログ信号に変換するD/A変換部と、
前記D/A変換部が変換したアナログ信号を出力する出力端子の出力先を切り換える出力チャンネルセレクタと、
前記音声入力部が入力した前記チャンネル数の情報に基づいて、前記チャンネル拡張部による前記拡張及び前記出力チャンネルセレクタによる出力先の切り換えを制御するシステムコントローラ部とを備えることを特徴とする増幅装置。
【請求項3】
請求項1及び2記載の再生装置及び増幅装置において、
前記再生装置の前記音声出力部と前記増幅装置の前記音声入力部はHDMI接続コードによって接続されることを特徴とする再生装置及び増幅装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−155789(P2012−155789A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−13736(P2011−13736)
【出願日】平成23年1月26日(2011.1.26)
【出願人】(309039716)株式会社ディーアンドエムホールディングス (37)
【Fターム(参考)】