説明

写真プリント装置

【課題】プリントチャンネルを構成するパラメータを入力する際に、不適正なパラメータの入力を抑制する写真プリント装置を構成する。
【解決手段】モニタにプリントチャンネル設定画面60を表示し、このプリントチャンネル設定画面60において複数の設定項目にパラメータを入力する際には、評価手段が複数のパラメータの組み合わせの適否を判断し、不適正である場合には、プリントチャンネル設定画面60上に不適正である示すメッセージ60Mを表示し、不適正な組み合わせとなるパラメータを取り囲むフレーム60Fを表示して、オペレータに対して不適正な設定であることを認識させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリントユニットでのプリント処理を制御する複数のパラメータを含む複数の制御チャンネルが保存され、この複数の制御チャンネルからプリント形態に対応した1つをオペレータが選択することにより、その制御チャンネルに基づいてプリントユニットを制御し、シート状のプリント媒体に対して画像データのプリント処理を行うプリント制御ユニットを備えている写真プリント装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のように構成された写真プリント装置と関連する技術としては特許文献1に記載されるものが存在する。この特許文献1では、フィルムの画像を印画紙に焼き付けるための焼付処理部と、印画紙の現像処理を行う印画紙現像処理部と、これらを制御する制御手段とを備えており、この制御手段に各種情報を入力する入力手段を備えている。
【0003】
この特許文献1では、制御手段が、プリントサイズや印字の設定等を行うプリントチャンネル(本発明の制御チャンネル)の設定項目と、インデックスプリントの種類やプリント枚数等の設定を行うプリントフォームとをモニタの同一画面に表示し、この画面上において設定項目について各種情報(本発明のパラメータ)を入力する点が記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2001‐305670号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の制御チャンネルの具体例として、プリントチャンネルを例に挙げると、プリント処理を行う際には、プリント処理に先立って、ロール状の印画紙の幅の寸法値等に対応したプリントチャンネルをオペレータが選択することにより、印画紙の幅、入力メディア、プリントサイズ等のパラメータが自動的に設定され、多くの設定を行わずに済むものになる。
【0006】
ミニラボと称せられる写真プリント装置を例に挙げると、プリント形態に対応して多数のプリントチャンネル(制御チャンネル)を生成して保存できるものであるが、プリントチャンネルの生成時にパラメータを設定する際には、例えば、ロール状の印画紙の幅の寸法値に対応してプリント可能なサイズをミリ(mm)単位で入力する操作を必要とする等、煩雑な面があり、この入力時にプリント可能なサイズの寸法値を誤って入力することも考えられた。特に、操作に不慣れなオペレータが不適正な設定を行うこともあり、このように不適正なパラメータを設定したプリントチャンネルが生成された場合には、そのプリントチャンネルによる制御が不能な状態に陥ることも考えられ、改善の余地がある。
【0007】
本発明の目的は、制御チャンネルの生成時においてパラメータを入力する際に、不適正なパラメータの入力を回避する写真プリント装置を合理的に構成する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の特徴は、プリントユニットでのプリント処理を制御する複数のパラメータを含む複数の制御チャンネルが保存され、この複数の制御チャンネルからプリント形態に対応した1つをオペレータが選択することにより、その制御チャンネルに基づいてプリントユニットを制御し、シート状のプリント媒体に対して画像データのプリント処理を行うプリント制御ユニットを備えている写真プリント装置において、
前記制御チャンネルを生成するためモニタに表示された入力画面においてオペレータの入力により前記パラメータを取得するパラメータ取得手段を備え、前記入力画面に対する前記パラメータの入力時に、入力されたパラメータと前記制御チャンネルとの組み合わせから適否を判断し、判断結果を前記モニタに表示する評価手段を備えている点にある。
【0009】
この構成により、モニタに表示された入力画面に対してオペレータがパラメータを入力した場合には、入力されたパラメータと制御チャンネルとの組み合わせについて評価手段が適否を判断し、判断結果をモニタに表示する。その結果、操作に不慣れなオペレータであっても、入力したパラメータの適・不適を判断結果に基づいて把握でき、不適正な入力を回避して適正な入力を行い、適正な制御チャンネルを生成できる写真プリント装置が合理的に構成された。
【0010】
本発明は、前記パラメータ取得手段は、前記入力画面における複数の入力項目のうちの1つの入力項目に対応するパラメータの入力後には、入力されたパラメータに基づいて他の入力項目に対応する選択可能なパラメータを前記入力画面に表示可能にセットしても良い。
【0011】
この構成により、パラメータを入力した後には、パラメータ取得手段が、入力項目のうち、選択可能なパラメータを入力項目としてセットすることになるので、セットされたパラメータを選択する等の操作を行うことにより、誤った入力を抑制できる。
【0012】
本発明は、前記プリント媒体として印画紙マガジンに収容されたロール状の印画紙を備え、前記プリントユニットとして画像データに画素毎に3原色の光線の露光を行うプリントヘッドと、印画紙の現像処理を行う現像処理ユニットとを備え、
前記評価手段は、前記印画紙の幅の寸法と、前記パラメータとして設定されるプリントサイズとからパラメータの組み合わせの適否を判断しても良い。
【0013】
この構成により、ロール状の印画紙の幅の寸法と、パラメータとして設定されるプリントサイズとに基づいて評価手段がパラメータの適否を判断するものとなり、印画紙の幅に基づいて適正なプリントサイズを設定することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔写真プリント装置〕
図1及び図2に示すように、暗箱構造の筐体10の外部にオペレート部Aを形成すると共に、筐体10の内部に印画紙P(シート状のプリント媒体の一例)に画像データの露光を行う露光処理部Exと、この露光処理部Exからの印画紙Pを反転することで表裏を入れ換えて上方に搬送する縦搬送部CVと、この縦搬送部CVからの印画紙Pの現像処理を行う現像処理部Deと、この現像処理部Deからの印画紙Pの乾燥を行う乾燥処理部Drとを形成し、この乾燥処理部Drで乾燥された印画紙Pを筐体10の端部の排出部11から排出し、搬送ベルト12で受け止めて水平方向に搬送し、複数のトレイ13Aの何れかにオーダ単位で回収するソータ13を備えてデジタルミニラボと称せられる写真プリント装置が構成されている。尚、前記露光処理部Ex、縦搬送部CV、現像処理部De、乾燥処理部Dr夫々で本発明のプリントユニットが構成されている。
【0015】
〔オペレート部〕
前記オペレート部Aは、オペレータが画像データの取得と、プリント処理に必要な操作とを行う操作端末として機能するものであり、このオペレート部Aには、テーブル部20に設置された汎用コンピュータで成るプリント制御ユニット21と、このプリント制御ユニット21の上面に設置されたモニタ22と、現像処理後の写真フィルムFのコマ画像から画像データを取得するフィルムスキャナ23と、2つのキーボード24とマウス25とを備えている。前記プリント制御ユニット21の前面にはコンパクトフラッシュ(商標)やメモリースティック(商標)等各種の半導体型の記憶媒体(図示せず)と、CD−ROM、DVD、MO等の磁気式や光学式の記憶媒体(図示せず)との間で情報のアクセスを行う複数のメディアドライブ26とを備えている。
【0016】
前記フィルムスキャナ23は、下部に配置した光源23Aからの光線をフィルムキャリア23Bに支持された写真フィルムFに照射し、この写真フィルムFからの光線をレンズユニット23Cから上部の光電変換ユニット23Dに導き、この光電変換ユニット23Dにおいて写真フィルムFのコマ画像の光電変換とA/D変換とを行うことによりR(赤)・G(緑)・B(青)の3原色に色分解したデジタル型の画像データとして取得する。
【0017】
〔縦搬送部・現像処理部・乾燥処理部〕
図面には具体的な構造を示していないが、前記縦搬送部CVは、前記露光処理部Exで露光された印画紙Pを圧着型のローラ15で受け取り、圧着型のローラの姿勢の変換によって表裏を入れ換え、ガイドレール16に沿って上方に搬送し、前記現像処理部Deに送り出すように機能する。
【0018】
前記現像処理部Deは、発色現像槽と漂白定着槽と安定槽とで成る複数の処理槽を樹脂によって一体形成した現像処理槽30を備えると共に、前記露光処理部Exから供給された印画紙Pを夫々の現像処理槽に搬送するように複数の圧着型の複数のローラを有した搬送機構31を備えている。前記乾燥処理部Drは、現像処理部Deから送り出された印画紙Pを搬送する複数の圧着ローラ32と、この圧着ローラ32で搬送される印画紙Pに対して乾燥空気を供給するブロワ33とを備えている。
【0019】
〔露光処理部〕
前記露光処理部Exは、2つ印画紙マガジンMにロール状に収容された長尺の印画紙P(プリント媒体の一例)の何れか一方を圧着型の供給搬送ローラ41で上方に引き上げた後に水平方向に送り出し、カッターユニット42の排出ローラ43からチャッカーCに受け渡す。このチャッカーCは印画紙Pを挟持する挟持状態と、印画紙Pを開放する開放状態とに切り換え自在なチャック部材(図示せず)を備えており、このチャック部材で印画紙Pを挟持した状態で水平方向へ移動し、印画紙Pの先端を露光ユニットGに受け渡す。
【0020】
前記露光ユニットGは、露光搬送機構Gcによって印画紙Pを水平方向(副走査方向)に搬送しながら、露光ヘッドGhによって主走査方向に沿ったライン露光を行うように露光形態が設定されている。また、前記露光搬送機構Gcは、圧着状態と開放状態とに切り換え自在な第1ローラ45と、第2ローラ46と、第3ローラ47とを、印画紙Pの搬送方向に沿って配置している。
【0021】
前記露光ヘッドGhとして、R(赤)、G(緑)、B(青)の3原色に対応した3種の真空ケースの内部に多数のドット状となる蛍光体をライン状に配置し、蛍光体を独立して発光させるように構成したものを用いているが、これに代えて、光源からの光線の照射を画素単位で制御する液晶型等のシャッターから印画紙Pの感光面に導くことでライン露光を行うものや、R(赤)、G(緑)、B(青)の3原色のレーザビームを走査する形態でライン露光を行うものであっても良い。
【0022】
この露光処理部Exには、この露光処理部Exでの印画紙Pの切断と搬送の制御とを行い、前記現像処理部Deでの印画紙Pの現像処理液の管理とを行い、前記乾燥処理部Drでの印画紙Pの搬送と温度管理とを行うためのマイクロプロセッサを有したプリント管理装置36を備え、このプリント管理装置36は以下のように印画紙Pを搬送して露光を行う。
【0023】
〔露光処理形態〕
印画紙Pに対する露光処理を開始する際には、前記チャッカーCをカッターユニット42の近傍の待機位置にセットし、この状態において何れか一方の印画紙マガジンMからの印画紙Pを供給搬送ローラ41で水平方向に送り出し、カッターユニット42の部位を通過させ、前記待機位置に設定されているチャッカーCに受け渡す。
【0024】
印画紙Pが受け渡されたチャッカーCにおいて印画紙Pの先端近くを挟持し、水平方向への搬送を開始する。この水平方向への搬送時にはチャッカーCの移動速度と同期した速度で前記供給搬送ローラ41と排出ローラ43とを駆動する。そして、カッターユニット42の切断位置を基準にして搬送された印画紙Pの長さがプリントサイズに達すると、印画紙Pの搬送を一時停止してカッターユニット42によって印画紙Pを切断し、この切断の後に、チャッカーCを水平方向に更に移動させ、印画紙Pを露光搬送機構Gcに受け渡す。
【0025】
この露光搬送機構Gcでは、第1ローラ45を開放状態に設定して前記チャッカーCからの印画紙Pを受け入れ、この受け入れの直後に圧着状態に切り換えることで印画紙Pの搬送を開始する。この搬送を開始した後には、第2ローラ46を開放状態に設定して印画紙Pを受け入れ、この受け入れの直後に圧着状態に切り換えて印画紙Pの露光搬送を開始し、これと連係して前記第1ローラ45を開放状態に設定する。次に、第3ローラ47を開放状態に設定して印画紙Pを受け入れ、この受け入れの直後に第3ローラ47を圧着状態に切り換え、これと連係して第2ローラ46を開放状態に切り換えることで印画紙Pの露光搬送を継続する。
【0026】
〔プリント条件の設定〕
プリント条件を設定する際には、「プリントチャンネルの選択」、「出力形態の設定」、「入力ソースの設定」、「プリント方式の設定」夫々を、この順序で設定する必要がある。これらの設定は、図4に示すオーダ画面50を前記モニタ22に表示し、このオーダ画面50のチャンネル設定部51においてオペレータがプリントチャンネル(制御チャンネルの一例)を選択することで基本的な設定が済むものであるが、必要な場合には出力設定部52において出力対象を設定し(出力形態の設定)、入力設定部53において入力ソースを設定し(入力ソースの設定)、プリント方式設定部54においてプリント方式を設定する(プリント方式の設定)。このように出力形態の設定、入力ソースの設定、プリント方式の設定等の情報がプリントチャンネルを構成する(関連付けられた)パラメータである。
【0027】
尚、オーダ画面50には機器情報表示部55が形成され、この機器情報表示部55では、露光処理部Exにセットされている印画紙マガジンMに収容された印画紙Pの幅の寸法を含む情報、前記フィルムスキャナ23にセットされているフィルムキャリア23Bの情報等が表示される。また、前記プリントチャンネル(制御チャンネルの一例)は前記プリント制御ユニット21のハードディスクHD(図3を参照)に複数保存され、プリント処理を行う際には、この複数のプリントチャンネルから1つを選択することになる。
【0028】
1つのプリントチャンネルに対して1種のプリントサイズを設定することも可能であるが、1つのプリントチャンネルに複数種のプリントサイズ(印画紙Pの幅に対応したアスペクト比)を選択可能に設定しておき、前記オーダ画面50においてオペレータが1つのプリントチャンネルを選択した後に、このオーダ画面50において複数種のプリントサイズから1つを選択することや、出力形態をオペレータが選択することも行われている。この構造のプリントチャンネルでのプリント処理時の順序は以下の通りである。
【0029】
前記オーダ画面50において印画紙マガジンMに収容された印画紙Pの幅と、入力ソースとに基づいてプリントチャンネルを選択する。このプリントチャンネルを選択した後には、前記出力設定部52のプリント設定部52A、インデックス設定部52B、メディア設定部52Cの何れかにおいて出力対象としてプリント形態を選択する。
【0030】
プリント設定部52Aでは、プリント枚数、プリントサイズ(印画紙Pの幅に対応したアスペクト比)、バックプリントの有無、フチの有無等の設定が可能であり、インデックス設定部52Bではインデックスプリントのプリント枚数やプリントサイズの設定が可能であり、メディア設定部52Cでは出力対象としてCD−Rや半導体メディア等を設定することも可能である。
【0031】
次に、入力設定部53において入力ソースとして、写真フィルム(ネガティブフィルムあるいはポジティブフィルム)、半導体メディア、CD−R等のうちプリントチャンネルにおいて既に設定されているものから画像データを取得する。尚、入力ソースとして写真フィルムを選択した場合には、前記フィルムスキャナ23においてフィルムのスキャニングが行われ、プリントサイズに適した画素数の画像データが取得される。
【0032】
次に、プリント方式設定部54において、プレジャッジモードと、自動モードとの何れかの選択を行う。プレジャッジモードを選択した場合には、前記モニタ22にプレジャッジ画面(図示せず)を表示し、このプレジャッジ画面に複数の画像データを一覧化して表示して各画像データ毎にマニュアルでの補正が可能となり、自動モードを選択した場合には各画像データに自動的な補正が行われる。そして、プリント処理を行う際には、画像データが前記プリント管理装置36に伝送され、このプリント管理装置36が、露光処理部Exと、縦搬送部CVと、現像処理部Deとを制御してプリント処理が実行され、また、CD−Rに保存する場合には、前記メディアドライブ26に対して設定された画素数の画像データを伝送することにより、そのCD−Rに対して画像データが保存される。
【0033】
このような露光形態は従来からの写真プリント装置と基本的に変わるものではなく、本発明の写真プリント装置では、制御チャンネルとしてのプリントチャンネルを構成するパラメータの設定形態に特徴を有するものであり、そのための制御系を有している。
【0034】
〔制御構造〕
図3に示すように写真プリント装置の制御系が構成されている。つまり、プリント制御ユニット21は、マイクロプロセッサCPUと、このマイクロプロセッサCPUのデータバスに接続する入出力インタフェース(I/O)70とを備え、この入出力インタフェース(I/O)70に対して、前記モニタ22と、フィルムスキャナ23と、このフィルムスキャナ23にセットされたフィルムキャリア23Bを判別するフィルムキャリアセンサ23Sと、キーボード24と、マウス25と、メディアドライブ26と、ハードディスクHDとの間で情報がアクセスする信号系を形成し、また、入出力インタフェース70と前記プリント管理装置36との間で信号をアクセスする通信系を形成している。
【0035】
前記マイクロプロセッサCPUのデータバスに対して、RAMやROMで成る半導体メモリ71と、GUI制御手段72と、画像データ取得手段73と、プリント実行手段74と、プリントチャンネル設定部75とが接続している。プリントチャンネル設定部75は、プリントチャンネルの設定時にパラメータを取得するパラメータ取得手段75Aと、このように取得したパラメータの適否を判断する評価手段75Bとを備えている。
【0036】
前記GUI制御手段72は、前記モニタ22に前記オーダ画面50等を表示し、その画面上においてマウス25の操作に対応したカーソルの操作やキーボード24を介して情報を取得する等、モニタ22に表示した画面を介して情報を取得する処理を実現する。前記画像データ取得手段73は、前記入力設定部53で設定された入力対象(フィルムスキャナ23、メディアドライブ26等)から画像データを取得する処理を実行する。前記プリント実行手段74は、画像データやオーダデータを前記プリント管理装置36に伝送することによりプリント処理を実現する。前記プリントチャンネル設定部75は、後述するようにオーダ画面50をモニタ22に表示した状態でオペレータが入力したパラメータを取得する処理を実現する。
【0037】
このGUI制御手段72と、画像データ取得手段73と、プリント実行手段74と、プリントチャンネル設定部75とはソフトウエアで構成されるものであるが、これらをハードウエアで構成することや、ハードウエアとの組み合わせで構成しても良い。
【0038】
また、前記プリント管理装置36は、前記露光処理部Exの供給搬送ローラ41から乾燥処理部Drの圧着ローラ32に亘る搬送系全般を管理する搬送制御部81と、前記露光ヘッドGhを制御して印画紙Pに対する画像データの露光を管理する露光制御部82と、前記現像処理槽30の現像処理液の温度管理や液面管理を行い、乾燥処理部Drの温度管理を行う現像・乾燥制御部83とを制御するものであり、このプリント管理装置36は2つの前記印画紙マガジンMに備えたIDプレート(図示せず)の情報を取得するマガジンセンサMSからの信号が入力するように構成されている。
【0039】
〔プリントチャンネル〕
前記プリントチャンネルは予め設定された数値が与えられるものであるが、この数値の他に後述するように任意の名称を与えることも可能である。図5に示すように、複数のプリントチャンネルをチャンネル一覧画面58において一覧化して表示して参照することも可能である。
【0040】
同図に示すようにプリントチャンネルは、入力メディアを示すパラメータと、プリントサイズを示すパラメータ等が設定されている。このプリントサイズを示すパラメータは、1つのプリントチャンネルにおいて印画紙Pの送り長さ(カッターユニット42で切断するまでの印画紙Pの送り量:これによりアスペクト比が決まる)が複数設定され、この複数のパラメータのうちの1つを後述するオーダ画面50において選択できる。
【0041】
前記印画紙Pの送り長さを決めるパラメータを設定する際の操作形態を例に挙げると、プリントチャンネルの設定時には、パラメータ取得手段75Aが図6に示すプリントチャンネル設定画面60(入力画面の一例)をモニタ22に表示し、このプリントチャンネル設定画面60上においてオペレータが入力項目毎に入力したパラメータの値をGUI制御手段72を介して取得する。
【0042】
パラメータの入力時には、前記キーボード24のカーソルキーの操作や、マウス25の操作によってプリントチャンネル設定画面60の入力領域にカーソルを位置させ、キーボード24から数値(パラメータ)を入力することや、ドロップダウンメニュー等から数値等(パラメータ)を選択する操作形態となる。
【0043】
このプリントチャンネル設定画面60は、プリントチャンネル設定部61と、ペーパー設定部62と、入力メディア設定部63と、タブで選択される複数の選択設定部64とを備えている。同図に示すように選択設定部64ではタブによってプリント設定シートが選択された状態にあり、ペーパー幅(印画紙Pの幅)に対応してC・P・Hの3種の送り長さに対応して長さ入力領域64C、64P、64Hが形成されている。
【0044】
前記プリントチャンネル設定部61に入力されるパラメータと、ペーパー設定部62で入力されるパラメータと、入力メディア設定部63に入力されるパラメータと、選択設定部64に形成された長さ入力領域64C、64P、64Hに入力されるパラメータが本発明の入力項目となる。前記C・P・Hとはアスペクト比を表すものであり、Cは2:3、Pは1:3、Hは9:16に対応している。
【0045】
〔パラメータの取得〕
プリントチャンネル設定画面60を介してパラメータを取得する際の処理形態を図8のフローチャートに基づいて説明する。つまり、前記パラメータ取得手段75Aが図6に示すプリントチャンネル設定画面60をモニタ22に表示し、前記GUI制御手段72はプリントチャンネル設定部61において入力されたチャンネル値を表示し、ペーパー設定部62において入力されたペーパー幅(印画紙Pの幅)を表示し、入力メディア設定部63において選択された入力メディアを表示する処理が行われる(#101〜#104ステップ)。
【0046】
前記プリントチャンネル設定部61には、プリントチャンネルの数値の入力を許す数値入力領域61Aのほかに、チャンネルの名称の入力を許す名称入力領域61Bが形成されている。前記ペーパー設定部62ではペーパー幅(印画紙Pの幅)の数値を入力するペーパー幅入力領域62Aと、面質の数値を入力する面質入力領域62Bとが形成されている。
【0047】
前記印画紙マガジンMに収容される印画紙Pの幅の種類は決まっており、印画紙マガジンMを予めセットアップしておき、ペーパー幅入力領域62Aでは設定された印画紙マガジンMに収容されたペーパー幅に対応するパラメータをドロップダウンリストから選択でき、これと同様に、面質入力領域62Bにおいてもドロップダウンリストを用いて予め設定された数値を選択できるように構成されている。尚、面質とは、光沢のあるものや半光沢のように印画紙Pの表面の質を表すものであり、各面質に対して数値が割り当てられている。
【0048】
この写真プリント装置では、印画紙マガジンMをセットし、その印画紙マガジンMに収容された印画紙Pのテストプリントを行うことにより、その印画紙マガジンMに収容された印画紙Pをセットアップし、IDプレートの情報に関連付けて、その印画紙Pの情報が保存される。
【0049】
このような機能を利用することにより、図7に示すように、入力画面60においてペーパー幅入力領域62Aに数値を入力した後には、そのペーパー幅に対応する印画紙Pの面質に対応する数値が面質入力領域62B表示されるようにも処理形態が設定され、誤った入力が行われないように構成されている。
【0050】
前記入力メディア設定部63では、複数の入力メディアがアイコン63Aの形態で表示され、何れか1つを選択した場合には、選択したアイコンが強調表示され、選択したアイコンに対応するメディア名がメディア名表示部63Bに表示される。
【0051】
次に、選択された入力メディアと、印画紙Pの幅とに基づいてC・P・Hの各項目について入力すべき送り長さの数値を入力し、更に、評価手段75BがC・P・Hの各項目に入力された数値を取得し、既にセットされているパラメータと比較して、適・不適を判断し、不適正である場合には、不適正とした理由を含むメッセージ60Mを表示し、不適正となる組み合わせのパラメータを取り囲む位置にフレーム60Fを表示する(#105、#106ステップ)。
【0052】
前記選択設定部64のプリント設定シートにはC・P・Hの3種について、夫々複数の入力項目を形成しているが、送り長さの数値の入力を許す長さ入力領域64C、64P、64Hについて説明する。夫々の長さ入力領域64C、64P、64Hにはスピンボタンを形成しており、このスピンボタンの操作で任意の数値を設定することも可能であるが、長さ入力領域64C、64P、64Hにカーソルをセットすることにより、既にセットされているパラメータがメニュー形式で表示され、このメニューに表示された数値の中から設定すべき数値を選択することも可能である。
【0053】
特に、スピンボタンは本来、数値をインクリメントあるいはデクリメントするものであるが、このスピンボタンの操作で数値を入力する形態として、このスピンボタンを操作した際には、前記印画紙Pの幅の数値と、入力メディアとから必然的に決まるプリントサイズに対応する数値のみを表示する、あるいは、前記印画紙Pの幅の数値のみで必然的に決まるプリントサイズに対応する数値を表示するように処理形態を設定して良い。また、入力領域64C、64P、64Hにカーソルをセットした際に表示されるリストとしては、前記印画紙Pの幅の数値のみで必然的に決まるプリントサイズに対応した数値を表示するように処理形態を設定して良い。
【0054】
同図に示すメッセージ60Mは、長さ入力領域64Cに対して入力された数値が、DSCサイズ(デジタルカメラで撮影された画像データをプリントする際の数値)の数値が入力されている点を表示しており、入力された数値が適正な場合にはメッセージは表示されない。
【0055】
各設定項目にパラメータを入力した後には、画面中のYES/登録ボタン65を操作することにより、各設定項目に入力されたパラメータがプリントチャンネルを構成するパラメータとして設定され、チャンネル値とともに取り込まれハードディスクHD等に保存される。また、パラメータの入力を中止する場合には、画面中のNo/キャンセルボタン66を操作することで処理が中止される(#107〜#109ステップ)。
【0056】
このように、プリントチャンネルを生成する場合には、モニタ22にプリントチャンネル設定画面60を表示し、プリントチャンネル設定部61、ペーパー設定部62、入力メディア設定部63、選択設定部64の長さ入力領域64C、64P、64H等の項目にパラメータを入力することや選択を行った場合には、評価手段75Bがパラメータの組み合わせの適否を判断し、不適正である場合には、不適正であることを示すメッセージ60Mをモニタ22に表示し、不適となったパラメータの組み合わせを示すフレーム60Fを設定部を取り囲む形態で表示することにより、不適正である理由と、そのパラメータの組み合わせをオペレータが容易に認識できるものとなっている。
【0057】
特に、複数のパラメータを入力(設定)する際には、プリントチャンネル設定画面60の各設定項目に対して先に入力したパラメータに基づいて、次に入力すべきパラメータが他の設定項目としてセットされるので、前述した複数の入力領域にパラメータを入力する場合にはセットされているパラメータを選択するだけで済み、操作に不慣れなオペレータであっても不適正なパラメータを入力する不都合を回避して適正なパラメータの入力を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】写真プリント装置の斜視図
【図2】写真プリント装置の縦断正面図
【図3】制御系のブロック回路図
【図4】オーダ画面を示す図
【図5】チャンネル一覧画面を示す図
【図6】プリントチャンネル設定画面を示す図
【図7】プリントチャンネル設定画面を示す図
【図8】プリントチャンネル設定時の処理を示すフローチャート
【符号の説明】
【0059】
21 プリント制御ユニット
22 モニタ
60 入力画面(プリントチャンネル設定画面)
75A パラメータ取得手段
75B 評価手段
Gh プリントヘッド
P プリント媒体(印画紙)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリントユニットでのプリント処理を制御する複数のパラメータを含む複数の制御チャンネルが保存され、この複数の制御チャンネルからプリント形態に対応した1つをオペレータが選択することにより、その制御チャンネルに基づいてプリントユニットを制御し、シート状のプリント媒体に対して画像データのプリント処理を行うプリント制御ユニットを備えている写真プリント装置であって、
前記制御チャンネルを生成するためモニタに表示された入力画面においてオペレータの入力により前記パラメータを取得するパラメータ取得手段を備え、前記入力画面に対する前記パラメータの入力時に、入力されたパラメータと前記制御チャンネルとの組み合わせから適否を判断し、判断結果を前記モニタに表示する評価手段を備えている写真プリント装置。
【請求項2】
前記パラメータ取得手段は、前記入力画面における複数の入力項目のうちの1つの入力項目に対応するパラメータの入力後には、入力されたパラメータに基づいて他の入力項目に対応する選択可能なパラメータを前記入力画面に表示可能にセットする請求項1記載の写真プリント装置。
【請求項3】
前記プリント媒体として印画紙マガジンに収容されたロール状の印画紙を備え、前記プリントユニットとして画像データに画素毎に3原色の光線の露光を行うプリントヘッドと、印画紙の現像処理を行う現像処理ユニットとを備え、
前記評価手段は、前記印画紙の幅の寸法と、前記パラメータとして設定されるプリントサイズとからパラメータの組み合わせの適否を判断する請求項1又は2記載の写真プリント装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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